説明

フレキシブル基板のマスキングおよびフレキシブル基板上にバッテリ層を堆積させるための材料拘束

本発明はマスキング技術および装置に関し、特に、1つ以上の材料層でコーティングされるフレキシブル基板をマスキングする方法および装置に関する。方法は、基板を曲げ、湾曲した表面を提供することと、湾曲した表面の上にフレキシブルシートを提供し、基板の表面上にコーティングを正しく塗布することとを伴う。装置は、基板およびフレキシブルシートを含む。ばねピンなどの弾性材料、または軸外しロールダウンバーは、基板およびまたはフレキシブルシートを曲げるために用いられる張力を作るために用いられ得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2006年9月29日に出願された、名称が「Masking of and Material Constraint for Depositing Battery Layers on Flexible Substrates」である米国仮特許出願第60/827,865号に関し、米国特許法第119条に従ってその利益を主張し、該仮特許出願は、その全体が本明細書において参考として援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明はマスキング技術および装置に関し、特に、1つ以上の材料層でコーティングされるフレキシブル基板をマスキングする方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
固体薄膜バッテリおよび他の薄膜デバイスは、しばしばバッテリ構造の様々な層を画定するためにシャドウマスキングを必要とする。典型的なプレーナーデバイス構造は、剛性の基板とマスク材料と、基板とマスクを一緒に重ね合わせるためのハードエッジアラインメント(hard edge alignment)手順とに依存する。フレキシブル固体薄膜バッテリ技術の出現、および、その結果として、典型的にはともに薄片またはストリップの形態である、より薄い基板およびマスク材料の使用は、これらのフレキシブル材料を拘束するという課題をもたらす。さらに、物理蒸着法または化学蒸着法などの典型的な薄膜堆積技術の適用中に関連する薄膜コーティング領域を正確に画定するという課題が生ずる。図1に示されるような旧来の(legacy)アプローチは、金属板115のポケットの中にバッテリ基板110を設置し、厚い剛性のマスク骨組105を取り付け、次いで締付け機構120によってこのアセンブリを拘束することである。旧来のアプローチは多くの問題がある。例えば、厚い剛性のマスクは、使用と共にそる傾向があり、加えられる締付け圧力にもかかわらず平らな状態ではなくなる。典型的な真空蒸着コーティングは、マスクエッジの下に流れ出て、このため不完全に画定された薄膜層エッジを作り出す。薄いフレキシブル基板を旧来の機器に結合する試みは難点がある。なぜなら薄いフレキシブル基板およびマスクは、プレーナー表面において平らでかつ円滑な状態であることはめったになく、したがって画定されたポケットのエッジに対して円滑に整列しない。この設置誤差は、結果的に、基板の表面上において不完全に位置合せされたコーティングとなる。不完全に位置合せされたバッテリ層または不完全にエッジ画定されたバッテリ層は、これらの多層バッテリ構造において誤ったバッテリ層の相互作用を生成する傾向があり、その結果、バッテリの損傷となる。典型的には、薄膜コンデンサまたはトランジスタなどの1つを超える薄膜層から成る他の薄膜デバイスに対しても同じ欠点が当てはまる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(発明の概要)
本発明は、基板をマスキングする方法および装置に関する。一実施形態において、方法は、基板を曲げ、湾曲した基板表面を提供することおよび湾曲した表面に少なくとも1つのフレキシブルシートを提供することを包含する。基板および少なくとも1つのフレキシブルシートは、例えば薄膜またはストリップであり得る。特定の実施形態において、湾曲した表面は、弓形であり得る。本発明の別の実施形態において、少なくとも1つの基板もしくはシート、または基板およびシートが提供され得る。
【0005】
本発明の一実施形態において、例えば、少なくとも1つフレキシブルシートおよび/または基板は、ぴんと張った状態で配置され得る。張力は、湾曲した表面に実質的に接する方向において、力を加えることによって作られ得る。特定の実施形態において、張力は、例えば、ばねピンを用いることによって作られ得る。ばねピンは、例えば次のものうちの任意のものを含み得る。すなわち、平らな板ばね、曲った板ばね、コイルばねが負荷されたピン、形成されかつ/または曲がった板ばね、ねじればね、または管状のばねである。別の実施形態において、張力は、ばね部材などの弾性材料の使用によって作られ得る。さらなる実施形態において、例えば張力は軸外しロールダウンバーの使用によって作られ得る。トルクは、基板および/またはフレキシブル材料のうちの少なくとも1つに張力を加えるためにさらに用いられ得る。
【0006】
本発明のさらなる実施形態において、張力は、例えば、提供される各基板および/またはフレキシブルシートに対して無関係に作られ得る。
【0007】
本発明の別の実施形態は、例えば、湾曲した状態でフレキシブル基板を固定する基板ホルダと、フレキシブル基板の湾曲した表面の上に配置されたマスクにおいて張力を作るテンショナとを含むマスキング装置を提供する。一実施形態において、例えばテンショナは、例えばばねピンまたは軸外しロールダウンバーであり得る。湾曲した状態は、例えば弓形であり得る。
【0008】
本発明の別の実施形態は、例えば、基板を提供するステップと、基板上に少なくとも1つのフレキシブルシートを提供するステップと、少なくとも1つのシートまたは基板に張力を生成し、各シートの表面を湾曲した形状に形成するステップとを含む基板をマスキングする方法を提供する。本発明の一実施形態において、基板および/またはフレキシブルシートは、例えば薄片またはストリップを備え、湾曲した形状は、例えば、弓形の形態である。本発明の実施形態において、張力は、例えばばねピンまたは軸外しロールダウンバーを用いることによって作られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、固定されかつ平らな位置において基板または膜を保持する装置である(先行技術)。
【図2】図2は、平らで平面の保持構造を示し、基板およびフレキシブルシートは一様な平坦性/平面性ではない。
【図3】図3は、フレキシブルシートに湾曲した表面を与える湾曲した表面を有するホルダを描く。図はまた、本発明の一実施形態を描き、該実施形態において、基板およびフレキシブルシートは、基板を曲げ湾曲した基板表面を提供し、湾曲した表面にフレキシブルシートを設置することによってぴんと張られる。
【図4A】図4Aおよび図4Bは、本発明の実施形態の断面図であり、該実施形態において、平らな板ばねおよび曲った板ばねがそれぞれ、基板およびフレキシブルシートを湾曲した表面に固定するために用いられる。
【図4B】図4Aおよび図4Bは、本発明の実施形態の断面図であり、該実施形態において、平らな板ばねおよび曲った板ばねがそれぞれ、基板およびフレキシブルシートを湾曲した表面に固定するために用いられる。
【図5A】図5Aおよび図5Bは、本発明の実施形態の断面図であり、該実施形態において、コイルばねが負荷されたピンおよび形成されかつ/または曲がった板ばねがそれぞれ、基板およびフレキシブルシートを湾曲した表面に固定するために用いられる。形成されかつ/または曲がった板ばねは図5Cに示される。
【図5B】図5Aおよび図5Bは、本発明の実施形態の断面図であり、該実施形態において、コイルばねが負荷されたピンおよび形成されかつ/または曲がった板ばねがそれぞれ、基板およびフレキシブルシートを湾曲した表面に固定するために用いられる。形成されかつ/または曲がった板ばねは図5Cに示される。
【図5C】図5Aおよび図5Bは、本発明の実施形態の断面図であり、該実施形態において、コイルばねが負荷されたピンおよび形成されかつ/または曲がった板ばねがそれぞれ、基板およびフレキシブルシートを湾曲した表面に固定するために用いられる。形成されかつ/または曲がった板ばねは図5Cに示される。
【図6A】図6Aは、一実施形態の断面図であり、該実施形態において、ねじりばねが、基板およびフレキシブルシートを湾曲した表面に固定するために用いられる。
【図6B】図6Bおよび図6Cは、湾曲した表面にばねを固定するために用いられる、ばねの端部を描く図6Aの断面図である。
【図6C】図6Bおよび図6Cは、湾曲した表面にばねを固定するために用いられる、ばねの端部を描く図6Aの断面図である。
【図7A】図7Aは、一実施形態の断面図を描き、該実施形態において、従来のねじりばねが、基板およびフレキシブルシートを湾曲した表面に固定するために用いられる。
【図7B】図7Bおよび図7Cは、基板およびフレキシブルシートにおいて張力を作るために用いられる長方形のねじりばねの実施形態を例示する。長方形のねじりばねは、そのウィングタイプ設計をより詳細に示す図7Cに示される。
【図7C】図7Bおよび図7Cは、基板およびフレキシブルシートにおいて張力を作るために用いられる長方形のねじりばねの実施形態を例示する。長方形のねじりばねは、そのウィングタイプ設計をより詳細に示す図7Cに示される。
【図8A】図8Aおよび図8Bは、ばねの一実施形態として弾性材料を用いることを描く。
【図8B】図8Aおよび図8Bは、ばねの一実施形態として弾性材料を用いることを描く。
【図9A】図9Aは、管状ばねの一実施形態を用いることを描く。
【図9B】図9Bは、管状ばねの一実施形態を描く。
【図9C】図9Cは、さらなる一実施形態であり、該実施形態において、管状ばね要素がらせん状の形状である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(好ましい実施形態の説明)
本明細書において説明される特定の方法論、化合物、材料、製造技術、使用法および用途は変化し得るので、本発明がそれらに限定されないことは理解されるべきである。本明細書において用いられる用語は特定の実施形態のみを説明する目的のために用いられ、本発明の範囲を限定する意図はないこともまた理解されるべきである。本明細書および添付の特許請求の範囲において用いられるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかに別のことを指示しない限り、複数の参照を含む。従って例えば、「要素」への参照は1つ以上の要素への参照であり、当業者にとって公知である要素の均等物を含む。同様に、別の例では、「ステップ」または「手段」への参照は、1つ以上のステップまたは手段への参照であり、サブステップおよび補助の手段を含み得る。用いられるすべての接続詞は、可能な限り最も包括的な意味で理解されるべきである。従って単語「または」は、文脈が明らかに別のことを必要としない限り、論理「排他的または」の定義よりはむしろ論理「または」の定義を有するように理解されるべきである。本明細書に説明される構造は、そのような構造の機能上の均等物を参照するように理解されるべきである。近似を表現するように解釈されるべき言語は、文脈が明らかに別のことを指示しない限り、そのように理解されるべきである。
【0011】
別に定義されない限り、本明細書において用いられるすべての科学技術用語は、本発明が属する分野の当業者によって共通に理解される意味と同じ意味を有する。好ましい方法、技術、デバイスおよび材料が説明される。但し、本明細書において説明されるものに類似するかまたは均等の任意の方法、技術、デバイスまたは材料が、本発明の実施または試験において用いられ得る。本明細書において説明される構造は、そのような構造の機能上の均等物も参照するように理解されるべきである。本明細書において引用される参考文献は、その全体が本明細書において参考として援用される。
【0012】
平面で平らな表面全体に材料のきれいで一様なストリップまたは薄片をぴんと張って設置することは、ストリップまたは薄片と表面との間に2つの実質的に平行な非接触面の領域を作る。張力を誘引する力のベクトルと平面で平らな表面と間に実質的な相互作用はなく、従って、平行移動の下方への力は生成されない。対照的に、接線方向の力が湾曲した表面全体に薄片またはストリップに加えられるとき、下方への力が実現される。単純なベクトル分析は、小曲率半径によってでさえもより大きな下方への力が生成されることを示す。結果的として生じる下方への力は、しっかりしたマスク対基板の界面、および従って、輪郭のはっきりしたエッジを有する薄膜コーティングを作る際に有益に利用され得る。
【0013】
図2を参照すると、薄片またはストリップの製造は、一様かつ平らな本体を生成することはめったにない。典型的には、たとえわずかであっても曲がり偏差(bend deviation)を引き起こす誤差がある215、216、217。例えば、材料の薄片またはストリップは、カッピング、そりおよびねじれを有し得る。さらに、そのような薄片またはストリップにコーティングされた膜層は、さらなる曲がり誤差を引き起こし得る。例えば、基板またはシャドウマスクの完全に平らな薄片またはストリップが実現されたとしても、コーティングされた層が表面の上で増えると、表面に接触しているコーティング膜層に固有の応力は変形を生じさせ得る。より典型的には、真空蒸着プロセスにおいてシャドウマスキングの目的のために互いの上に積み重ねられなければならない基板およびマスクは、切断、操作、および使用により曲げられる。図2に明示されるように、平らな表面205が積み重ねのために用いられるとき、相当な張力が平面に平行に加えられるときでさえ、薄片またはストリップ215、216、217を平ら220な状態にさせることは典型的には非常に難しい。薄片またはストリップを平らな状態にさせるのに必要な力は、薄片またはストリップ材料の降伏抵抗(yield resistance)を超え得、薄片またはストリップの損傷がそれに続いて起こり得る。図3は、曲がった薄片またはストリップ315、316、317を例えば弓形310などの湾曲した表面全体に配置するとき実現される平行移動の下方への力を用いた結果320を明示する。試験は、例えば図3の実施形態のような配置において、そのような薄片またはストリップが互いに対して同一平面にあるようにするために比較的少量の力が必要であることを示す。
【0014】
例示的な実施形態において、基板およびマスク材料の薄片またはストリップは、弓形全体に張力をもって配置され、次いで正しい位置に固定され、例えばマスク対基板の関係およびホルダに対する基板の位置を維持し得る。そのような配置のための単純な拘束機構は、弓形状のホルダの本体の中のボルトによって拘束される薄片またはストリップの各端部を横切るバーであり得る。あるいは、基板およびマスク材料の薄片またはストリップの一端は、ピンで留められか、クランプで留められか、またはそうでなければ正しい位置に固定され、張力が第2の端部から材料にかけられ得、その張力を保持しながら、第2の端部はピンで留められ、クランプで留められるかまたはそうでなければ正しい位置に固定される。正しく固定されているとき、このピン留めまたはクランプ留め機構は、このとき、張力を薄片またはストリップにおいて張力を維持し、外部の張力源が取り外され得る。この単純な方法は、各端部における固定されたクランプ留め方法を含み得る。
【0015】
種々の材料は、種々の割合で種々の適用温度で膨張する。例えば、典型的な真空蒸着プロセスは、コーティングを受容する材料において熱を生成する。マスクおよび基板の両方は、そのようなプロセスにおいてコーティングされ得る。従って、この結果として生じる温度変化は、基板に対し、互いに対し、そして/またはホルダに対して、マスクの一様でない熱膨張を引き起こし得る。材料間の熱膨張の差はまた、表面が互いから離れるようにさせ、しばしばマスクの下にコーティングが流れ出るという結果となり得る。この問題を避けるために、例示的な実施形態は、各薄片またはストリップを独立して張力をかけて配置し得、その結果、熱膨張による薄片またはストリップ長における変化は、張力デバイスの移動によって適応され得る。考えられる限りで、材料のこれらのストリップに必要な接線力を加える多くの方法がある。
【0016】
張力をかける方法の一部の例は、図4A〜図9Cに明示される。図8Aおよび図8Bにおけるアプローチは、図4A〜図7Cおよび図9A〜図9Cに示されるアプローチとは多少異なっている。なぜなら、例えば金属ばねまたは他の張力生成デバイスよりはむしろ、ゴムなどのメモリ材料の単純なブロックが、用いられ得るからである。図4A〜図9Cに示される例は、張力を掛けられるべき材料のストリップに張力デバイスを係合させる方法としてスロットおよびピン配置を示すが、クランプ留め、結合、接着および他の方法もまた用いられ得る。
【0017】
図4Aは本発明の一実施形態の断面図であり、該実施形態において、平らな板ばね430は湾曲した表面460を有するホルダ410に固定されていて、その結果、ばね力440は、ピン420に負荷をかけ、湾曲した表面460を有するホルダ410に基板およびフレキシブルシート415を固定する。
【0018】
図4Bは本発明の一実施形態の断面図であり、該実施形態において、曲がった板ばね435は湾曲した表面460を有するホルダ410に固定されていて、その結果、ばね力445は、ピン420に負荷をかけ、湾曲した表面460を有するホルダ410に基板およびフレキシブルシート415を固定する。
【0019】
図5Aは本発明の一実施形態の断面図であり、該実施形態において、コイルばね530は、ピン520に負荷をかけ、湾曲した表面560を有するホルダ510に基板およびフレキシブルシート515を固定する。
【0020】
図5Bは本発明の一実施形態の断面図であり、該実施形態において、形成された570および/または曲がった580板ばね535は湾曲した表面560を有するホルダ510に固定されていて、その結果、ばね力は、形成された570および/または曲がった580板ばね535に負荷をかけ、湾曲した表面560を有するホルダ510に基板およびフレキシブルシート515を固定する。
【0021】
形成された570および/または曲がった580板ばね535は、図5Cに描かれる。
【0022】
図6Aは本発明の一実施形態の断面図であり、該実施形態において、ねじればね630は湾曲した表面660を有するホルダ610に固定されていて、その結果、ばね力は、ピン620に負荷をかけ、湾曲した表面660を有するホルダ610に基板およびフレキシブルシート615を固定する。
【0023】
図6Bは、ばね630の曲がった端部650を描く図6Aの断面図であり、ばね630の曲がった端部650は、湾曲した表面660およびばね630の長さ640を有するホルダ610にばね630を固定するために用いられ、ばね630の曲がった端部650は、ピン620において係合される基板およびフレキシブルシート615によってねじられる。
【0024】
図6Cは、ばね630のブロック端部655を描く図6Aの断面図であり、ばね630のブロック端部655は、湾曲した表面660およびばね630の長さ640を有するホルダ610にばね630を固定するために用いられ、ばね630の曲がった端部650は、ピン620において係合される基板およびフレキシブルシート615によってねじられる。
【0025】
図7Aは本発明の一実施形態の断面図であり、該実施形態において、従来のねじればね730は、負荷をかけられ、湾曲した表面760を有するホルダ710に基板およびフレキシブルシート715を固定する。
【0026】
図7Bは本発明の一実施形態の断面図であり、該実施形態において、長方形のねじればね735は、ピン720に負荷をかけ、基板およびフレキシブルシート715において張力を作り、湾曲した表面760を有するホルダ710に基板およびフレキシブルシート715を固定する。
【0027】
図7Cは、ばね735のばね端部750を描く図7Bのねじればねのウィング型設計を明らかにし、ばね735のばね端部750は、湾曲した表面760およびばね735の長さ740を有するホルダ710にばね735を固定するために用いられ、ばね735のばね端部750は、ピン720において係合される基板およびフレキシブルシート715によってねじられる。
【0028】
図8Aは本発明の一実施形態の断面図であり、該実施形態において、弾性材料830は湾曲した表面860を有するホルダ810の上部に埋め込まれ、その結果、ばね力はピン820に負荷をかけ、湾曲した表面860を有するホルダ810に基板およびフレキシブルシート815を固定する。
【0029】
図8Bは本発明の一実施形態の断面図であり、該実施形態において、弾性材料830は湾曲した表面860を有するホルダ810の下部に埋め込まれ、その結果、ばね力はピン820に負荷をかけ、湾曲した表面860を有するホルダ810に基板およびフレキシブルシート815を固定する。
【0030】
図9Aは本発明の一実施形態の断面図であり、該実施形態において、管状のばね要素930は、ピン920に固定され、湾曲した表面960を有するホルダ910に基板およびフレキシブルシートを固定する。
【0031】
図9Bは、図9Aの管状のばね930およびピン920の破断部分931、932を明らかにし、ピン920は、管に、溶接され、はんだ付けされ、ロウ付けされ、押圧されるかまたはピーニングされ得る。
【0032】
図9Cは、図9Aの管状のばね930のらせん状の破断部分931、932設計およびピン920を明らかにするさらなる実施形態であり、ピン920は、管に、溶接され、はんだ付けされ、ロウ付けされ、押圧されるかまたはピーニングされ得る。
【0033】
特に、図4A〜図7Cおよび図9A〜図9Cに示される例は、ばねピンの配置を示し、基板の湾曲した表面全体に材料のストリップをぴんと張るように保つが、例えば軸外しロールダウンバーもまた用いられ得る。
【0034】
本実施形態のマスキングアプローチは、より安価なマスキング材料の使用を可能にする。例えば、原料の薄片またはストリップは、典型的には、同じ材料のより厚いブロックに調和させるより、調達するのに安く、必要なマスク開口部に変えるのに時間の消費および労働集約が少ない。また、薄片またはストリップは、レーザ、水ジェット切断、エッチング、打抜き、せん断加工、スタンピングのようなより費用効果の高い形式の変換にすることが可能である。
【0035】
基板薄片またはストリップの下部表面が弓形のホルダに対して一様に保持された状態で、典型的な真空蒸着プロセスにおける結果として生じる伝導性冷却は、平らなホルダを用いる場合よりも一様である。この例示的プロセスは、持続的膜成長、全コーティング領域における堆積速度および特性、そしてより堅実なバッテリ製品性能を容易にする。
【0036】
本発明の精神および範囲から逸脱することなく、当業者は、本発明の方法および装置に対して様々な変更および修正を行い、様々な用途および条件に本発明を適合させ得る。例えば、上記は、フレキシブルバッテリをマスキングする例示的方法および装置を説明するが、本発明は薄膜電子デバイスおよびグラフィカルデザインに用いられるような非電気デバイスなどの様々な用途に用いられ得ることは理解されるべきである。さらに、デバイス基板は、湾曲した表面を製造するために曲げられる必要はない。例えば、マスクが適用されるデバイス基板は、設計および製造によって湾曲され得る。そのようなものとして、これらおよび他の変化ならびに修正は、以下の特許請求の範囲の均等物の全範囲内において、正当であり、公正であり、意図されることである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板をマスキングする方法であって、
少なくとも1つの基板を曲げ、湾曲した基板表面を提供することと、
少なくとも1つのフレキシブルシートを該湾曲した表面に提供することと
を包含する、方法。
【請求項2】
前記基板は薄片またはストリップを備えている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記湾曲した表面を弓形の形態で提供することをさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記フレキシブルシートは薄片またはストリップを備えている、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのシートをぴんと張った状態で配置することをさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの基板をぴんと張った状態で配置することをさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記湾曲した表面に実質的に接する方向において、前記少なくとも1つのシートに対して力を加えることをさらに包含する、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
ばねピンおよび軸外しロールダウンバーから成るグループから選択される機構を用いることをさらに包含する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記湾曲した表面に実質的に接する方向において、前記少なくとも1つの基板に対して力を加えることをさらに包含する、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
ばねピンおよび軸外しロールダウンバーから成るグループから選択される機構を用いることをさらに包含する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの基板にトルクを加えることによって張力を作ることをさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つのシートにトルクを加えることをさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
湾曲した状態でフレキシブル基板を固定する基板ホルダと、
該フレキシブル基板の湾曲した表面の上に配置されるマスクにおいて張力を作るテンショナと
を備えている、マスキング装置。
【請求項14】
前記テンショナは、シートと係合し、前記湾曲した表面に接する方向に力を加えるように適合された少なくとも1つの係合部材を備えている、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記テンショナは、ばねピンおよび軸外しロールダウンバーから成るグループから選択される、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記湾曲した状態は弓形である、請求項13に記載の装置。
【請求項17】
前記テンショナは、前記基板に張力を加えるように適合される、請求項13に記載の装置。
【請求項18】
少なくとも1つの基板を提供することと、
該基板上に少なくとも1つのフレキシブルシートを提供することと、
該少なくとも1つのシートまたは基板に張力を生成し、各シートの表面を湾曲した形状に形成することと
を包含する、基板をマスキングする方法。
【請求項19】
前記湾曲した表面に実質的に接する方向において、前記少なくとも1つのシートに対して力を加えることをさらに包含する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記湾曲した表面に実質的に接する方向において、前記少なくとも1つの基板に対して力を加えることをさらに包含する、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記基板は薄片またはストリップを備えている、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記湾曲した形状を弓形の形態で提供することをさらに包含する、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記フレキシブルシートは薄片またはストリップを備えている、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記少なくとも1つの基板にトルクを加えることをさらに包含する、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
ばねピンおよび軸外しロールダウンバーから成るグループから選択される機構を用いることをさらに包含する、請求項24に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【公表番号】特表2010−505044(P2010−505044A)
【公表日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−530401(P2009−530401)
【出願日】平成19年9月26日(2007.9.26)
【国際出願番号】PCT/US2007/020720
【国際公開番号】WO2008/039471
【国際公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【出願人】(508147728)インフィニット パワー ソリューションズ, インコーポレイテッド (14)
【Fターム(参考)】