説明

フレグランス組成物

表面にフレグランスを与えるのに有用なフレグランス組成物は、水、フレグランス材料、少なくとも1種類の少なくとも22個の炭素原子を有する脂肪アルコールを含有する液晶形成材料、および補強材料を含む。本組成物は、高温でも保存上極めて安定している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理すべき表面に適用してもよく、およびそれらに長持ちする新鮮さを与える、洗剤およびコンディショナー、クレンジング製品および化粧品などの、芳香性の家庭およびパーソナルケア製品に関する。
【0002】
織物、固体の表面などの表面に、または髪および皮膚にフレッシュなフレグランスアコードを与えることは、製造者(formulator)にとって重要な問題をもたらす。第一に、フレグランス材料はしばしば、異なった物理化学的特性、例えば、異なった揮発度、溶解度および化学反応度などを有する原料の複合混合物である。家庭およびパーソナルケア製品の基剤中でのこれらの原料のいずれかの相互作用は、フレグランス材料の性能を妨げ得る。例えば、フレグランス成分は、これらの製品により分解するか、それらの中で分散するか、またはそれらから蒸発し、それにより、保管および使用中、フレグランス材料のインパクトが減少するか、または調性が変わる。
【0003】
これらの問題に取り組むために、製造者は、フレグランス材料用の好適な送達ビヒクルを提供することによる、消費者または家庭製品組成物からのフレグランス材料の分離の原理に基づいて取り組んできた。かかる方法論の典型的なものは、フレグランス材料のカプセル化である。しかしながら、多くのカプセル化媒体が、フレグランス材料を上記の有害効果から保護することに成功する一方、カプセル化媒体は、非常に頻繁にフレグランス材料の性能を妨げる。例えば、それは、フレグランス材料を所望の方法で放出しないか、または表面上に実質的に堆積しないだろう。したがって、多くのかかるシステムは、消費者調査において不十分に扱われていたことは、驚くべきことではない。
【0004】
家庭および消費者製品原料への長期の曝露の有害効果からフレグランス材料を保護するだけでなく、処理表面に長期のフレッシュな感覚を与えるために、室温でゆっくりとしたフレグランス放出を可能にし、そしてまた、高温で、例えばアイロン中、または機械的行為、例えば処理表面をこするまたは拭くときの摩擦接触の結果として、フレグランスのバースト(burst)を可能にする能力があるカプセル化媒体を提供する必要性が依然としてある。
【0005】
液晶構造の形成能力がある界面活性剤が、洗剤製品において使用されてきた。大部分は、かかる材料は、それらの界面活性特性のために、またはそれらの感触(texturing)またはレオロジー特性のために(US5696074またはUS5958431参照);あるいは増粘剤として(WO 97/00667参照)用いられてきた。
しかしながら、EP 0 466 235 A1は、分散したフレグランスの液滴(droplets)の周囲で秩序液晶構造を形成し、それにより、それらをカプセル化し、フレグランスの性能を高めるための、かかる材料の使用を開示している。
【0006】
液晶材料を、フレグランス材料を織物に堆積させるために用いてもよいという認識にもかかわらず、かかる材料を、液体の消費者製品において商業的に利用することに成功していない。現時点では、液晶構造は、熱的に不安定であるため、かかる材料の顧客の受け入れは低い。これは、それらが水性の製品、特に界面活性剤含有のかかる製品において分散するとき、特に問題である。かかる製品において、特に高い保管温度で、例えば約40℃以上で、液晶構造は崩壊または溶解する傾向があり、これに付随して、フレグランス材料が周囲の媒体に失われる。
液晶材料は、それらからフレグランス材料を送達するための、依然として興味深い媒体である。しかしながら、これらを、製品中で安定であり、フレグランスアコードを長期間にわたり処理表面に確実に送達し、そして熱または摩擦を処理表面にかけるとき、要求に応じて迅速にフレグランスを放出する形態で提供する、明らかな必要性がある。
【0007】
驚くべきことに、液晶材料を、ある種の補強剤と混合する場合、広範な熱的および機械的安定性を有する液晶構造を含有し、それにより、かかる材料を、あらゆる種類の家庭および消費者製品においてフレグランス送達ビヒクルとして極めて有用ならしめる粒子を得ることができることが見出された。
【0008】
したがって、本発明は、第一の側面において、水、フレグランス材料、少なくとも22個の炭素原子を有する少なくとも1種の脂肪アルコールを含有する液晶形成材料、および補強材料を含むフレグランス組成物を提供する。
【0009】
本発明の組成物は、先行技術の組成物を使用して達成可能なものよりも広い熱的安定性の範囲を示す。いかなる理論にも束縛されることを意図せず、液晶形成材料は、粒子内で薄片構造を組織し、補強剤は、増加した機械的および熱的安定性を有する構造を提供するために、これらの薄片構造の層の間に介在することができると考えられている。
【0010】
特に、本発明の組成物は、界面活性剤を含有する水性製品においてさえも、感知できるほどのフレグランス損失もなく、40℃以上の温度で貯蔵することができる。さらに、液晶構造は安定しており、本質的に元の状態のままであるから、厳しい水性環境での使用において、高レベルのフレグランス保持力がある。これは次に、多量のフレグランス材料が、表面上に元の状態のまま堆積することが可能であることを確実にする。
【0011】
表面に堆積すると、液晶構造における構造変化、例えば破砕が、乾燥過程中に水の蒸発によって生じ、フレグランスを、制御可能な方法で放出させることができる。この方法により、使用者は、長期間にわたり、高いインパクトのフレッシュなフレグランスアコードを経験することができる。さらに、使用者が処理表面を摩擦した場合、液晶構造中で機械的破裂が生じ、フレグランスがバーストし、フレグランス材料による処理の数時間および数日後でさえも乾燥表面から発散することが可能となる。
【0012】
補強材料は、液体中に溶解または分散し、粘弾性材料を形成することができる化合物である。補強材料を液晶構造に添加すると、貯蔵弾性率G’、損失弾性率G’’の両方および構造の異方性から等方性への転移温度が増加する結果となる。G’およびG’’は、それぞれ粘弾性システムにおける材料の剛性および粘度の尺度であるレオロジーパラメーターである。レオロジー測定の条件に従うとき(例において詳細に説明しているように)、補強構造は、一時的なゲルまたは永久的なゲルのいずれかのように挙動してもよい。一時的なゲルは、比較的低い変形量(deformation amplitude)でのG’>G’’領域(以下、「弾性領域」と呼ぶ)と、比較的高い変形量でのG’<G’’領域との間の交差により特徴付けられる。反対に、永久的なゲルは、交差の欠如およびゲルの崩壊が生じるまですべての変形量での弾性領域の持続により特徴付けられる。
【0013】
本発明の文脈における補強材料は、非補強液晶構造を含有する組成物と比較して、貯蔵弾性率のプラトー(plateau)領域を少なくとも一桁増加させる材料である。好ましくは、補強フレグランス組成物は、25℃で10Pascalよりも高く、好ましくは10Pascalよりも高い貯蔵弾性率のプラトー領域を示す(詳細は、図1および例2参照)。貯蔵弾性率の値が高いほど、材料はより堅く、したがってより補強される。さらに、比較的高い変形量での交差点を表す材料は、より低い量で交差点を表す材料と比較して、より大きな弾力性を示す。
補強材料は、有機両親媒性、疎水性、親水性または無機材料から選択されてもよい。
【0014】
両親媒性補強材料は、疎水性および親水性の部分を含有する材料であってもよく、それらの部分の比は、求められる特定の特性により異なってもよい。好適な両親媒性材料の例は、界面活性剤、グラフトおよびブロックコポリマーなどの会合性(associative)ポリマー、特にポリ(エチレン−b−エチレンオキシド)、ポリ(スチレン−b−エチレンオキシド)、およびアルキル修飾ポリ(ジメチルシロキサン−g−エチレンオキシド)である。ゼラチンおよびペクチンは、両親媒性特性を示すことができるバイオポリマーのさらなる例である。
【0015】
好ましい両親媒性材料は、好ましくは80%より低い、および最も好ましくは50%より低いエチレンオキシドレベル、ならびに2500g/molより低い、および最も好ましくは1000g/molよりも低い分子量を有するポリ(エチレン−b−エチレンオキシド)コポリマーである。かかるコポリマーの典型的な銘柄は、商標Peformathox Ethoxylate(Baker Petrolite社由来)の元で入手可能である。
さらに好ましい両親媒性材料は、ゼラチンであり、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドまたはスベリン酸ジスクシニミド(disuccinimido suberate)から選択された架橋剤により任意に架橋され、ここで両反応物質を液晶形成材料に添加し、架橋反応を好ましくはin situで、かつ液晶相の形成後に行なう。好ましいゼラチンは、250より高いブルーム強度を有する。ブルーム強度は、British Standard BF 757に定義してある。最も好ましいゼラチンは、例えば、Sigma Chemieから入手可能なブルーム強度300を有するブタの皮膚由来のゼラチンである。
【0016】
親水性有機補強材料は、任意に架橋剤と組み合わされた、親水性の機能性モノマーおよびポリマーを含む。例は、アクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、または他の反応性物質(entities)と化学結合を形成することができるいかなる水溶性の多機能性物質をも含む。水溶性ポリマーは、ポリ((メタ)アクリル酸−コ−アルキルアクリレート)コポリマー、例えばCarbopol(登録商標)、あるいはポリ(アクリルアミド)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(アルキレンオキシド)部分、またはそれらの混合物含有のコポリマー、およびカルシウムおよびアルミニウムなどの多価金属イオンと架橋したアルギン酸を含む。
【0017】
好ましい親水性有機補強材料は、N,N−ビスアクリルアミドにより架橋したアクリルアミドであり、ここで、両方の反応物質を液晶形成材料に添加し、架橋反応を、アゾ−ジ−イソブチロニトリルAIBNなどの好適な触媒を使用し、かつ液晶相の形成後に、好ましくはin situで行なう。
特に好ましい親水性補強材料は、任意に両親媒性修飾デンプンまたはデキストリンと混和されたアルギン酸である。好ましいアルギン酸は、軸番号(spindle number)1を有し、60rpmで作動するBrookfield粘度計により、20℃の水中で測定するとき、50mPasより低い1%溶液粘度を有する。かかるアルギン酸の典型的な銘柄は、Grindsted FD 120およびGrindsted LFD 1515(Danisco社由来)またはKelton LV(ISP社由来)である。最も好ましいアルギン酸は、Grinsted FD 120である。好適な両親媒性修飾デンプンおよびデキストリンは、National Starchから入手可能なCapsul(登録商標)およびHi-Cap(登録商標)100などのオクテニルコハク酸型のデンプン誘導体である。
【0018】
疎水性補強材料は、任意に架橋剤と組み合わせたモノマー、部分的に結晶化可能なポリオレフィン、スチレン−ブタジエンまたはスチレン−イソプレンジブロックおよびトリブロックコポリマーなどのブロック−およびグラフト−コポリマー、ポリ(エチレン−コ−ジメチルシロキサン)ブロックおよびグラフトコポリマー、高度に架橋されたシリコーン樹脂、ポリセスキオシロキサン、疎水性に修飾したケイ酸およびアミノケイ酸、あるいは熱または光活性化架橋可能官能基を有するポリアクリル酸などの熱またはUV硬化性ポリマーを含む。
【0019】
好ましい疎水性補強剤は、10,000g/molより低いおよび好ましくは1000g/molより低い分子量を有する、結晶性または部分的に結晶性のポリエチレン、例えば商標Performalene(Baker Petrolite社由来)の元で入手可能なもの、あるいは25℃で、重量比80/20のトルエン/メタノール中5%で溶解したとき、50mPasよりも高いウベローデ(Ubbelohde)溶液粘度を有するエチルセルロース、例えば商標Ethnocel NF 100(Dow Chemical Company社由来)の元で市販されているものである。
【0020】
無機補強剤としては、アルキルおよびアルコキシシラン、および硫酸カルシウムおよび硫酸アルミニウムなどの多価金属イオンの塩と組み合わせたケイ酸ナトリウム(「水ガラス」として水溶液で市販されている)などのシリカ含有化合物を挙げることができる。
好ましい無機補強材料は、カルシウムと組み合わせたケイ酸ナトリウムであり、ここで、ケイ酸ナトリウムを、液晶形成材料に添加し、架橋反応を、液晶相の形成後、塩化カルシウムの事後添加(post-addition)により、in situで行なう。
【0021】
用いる特定の補強材料は、要求される構造形成特性に依存するだろう。例えば、軟らかいゲルを生成するためには、ファンデルワールス力により会合した、または軽度に架橋した材料を用いることができる。あるいは、硬い、ガラス状のゲルを、高度に架橋された補強材料を用いることにより得ることができる。当業者は、特に硬く、脆いゲルまたは軟らかいゲル、あるいはこれらの両極端の中間の特性を有するゲルを形成するのに必要な材料をよく分かっている。
以上に説明した補強材料は、高温で液晶構造の安定性を促進し、さらに用いる特定の液晶形成材料の等方性/異方性転移温度以上で構造の熱的安定性を増加させることができる。これは、フレグランス材料が、40℃を超えた、より特に45℃を超えた温度で優れた保持力を有してカプセル化されたままであることができることを確実にするだろう。
【0022】
加えて、驚くべきことに、無機のまたは高度に架橋された補強材料を用いることにより、処理表面上で乾燥させた際に、剪断力下で壊れ、バースト様の様式でフレグランスを放出する、非常に脆い液晶構造を得ることが可能であることが見出された。この点において特に有利な補強材料は、コロイド状ケイ酸ナトリウムおよびテトラ(アルコキシシラン)などのシラン誘導体である。
【0023】
液晶形成材料は、油および水を含有するシステム中に準結晶相または秩序構造を形成する能力があることが当該技術分野において既知である、任意の範囲の成分から選択することができる。液晶形成材料は、好ましくは高融解薄片相を形成することができる界面活性剤を含有してもよい。高融解薄片相は、35℃より高い、好ましくは50℃より高い、および最も好ましくは60℃より高い1または2以上の融解温度の存在により特徴付けられ、これは当該技術分野で周知の技術に従って、示差走査熱量計により検知することができる。
特に、液晶形成材料は、非イオン性界面活性剤、および16個以上の炭素原子を有する長鎖脂肪アルコールを含有してもよく、ここで長鎖脂肪アルコールの少なくとも1種は、少なくとも22個の炭素原子を有する。
【0024】
非イオン性界面活性剤は、以下のものから選択してもよい。
I)少なくとも20個の炭素原子を有するアルキル鎖を有するアルキルグリコシドまたはアルキルポリオロシド(polyolosides);
好ましいアルキルグリコシドベースの液晶形成材料は、少なくとも20個の炭素原子を有する飽和または不飽和アルキル残基を有するアルキルグリコシド、および、商標Montanov 202(Seppic社由来)の元で市販されているものなどの少なくとも16個の炭素原子を有する長鎖脂肪アルコールの混合物である;
【0025】
II)18個の炭素原子より長いアルキル鎖を有するアルキルポリソルベート。好ましいアルキルポリソルベートは、本明細書中に参照として組み込まれているEP 0 466 235に開示されたポリエトキシル化ソルビタン脂肪酸エステル、およびステアリン酸ソルビタンと、14個より多い炭素原子を有する長鎖線状アルコールとのそれらの混和物から選択される。アルキルポリソルベートおよびステアリン酸ソルビタンの典型的な銘柄は、それぞれ、Tween(登録商標) 60およびSpan(登録商標) 60(Uniqema社由来)である。好ましいアルキルポリソルベートベースの液晶形成原料は、商標Polawax NF(Croda社由来)の元で、ポリソルベート60とセテアリルアルコールとの混合物として市販されている;および
III)18個以上の炭素原子を有するアルキル残基を伴うエトキシル化脂肪エステル。好ましい脂肪エステルエトキシレートベース(fatty ester ethoxylate-based)の液晶形成材料は、商標Polawax GP 200(Croda社由来)の元でセテアリルアルコールとの混和物において市販されているような、20個のエチレンオキシド単位を有するステアリン酸ポリエチレングリコールである。
【0026】
本発明の処方の別の成分は、22個以上の炭素原子を有する脂肪アルコールである。好ましくはこのアルコールは、少なくとも22個の炭素原子を有するアルキルまたはアルケニル残基を有する脂肪アルコールから選択される。より好ましくは、脂肪アルコールは、狭い分子量分布を有し、すなわち、用いられる脂肪アルコールの少なくとも90%は、22個以上の炭素原子を有する単一の脂肪酸残基からなる。そしてさらに好ましくは、用いられる脂肪アルコールは、5%よりも高いレベルのいかなる分枝状アルキル残基も含有しない。このアルコールの役割は、用いられる特定の液晶形成成分の等方性/異方性転移温度を増加させることである。好ましい長鎖脂肪アルコールは、1−ドコサノール(Fluka社由来)およびより高級な類似体である。
22個以上の炭素原子を有する脂肪アルコールは、液晶形成材料の10〜90重量%のレベルで、好ましくは30〜75重量%のレベルで、および最も好ましくは40〜60重量%のレベルで存在してもよい。
【0027】
発明の組成物のX線散乱強度パターンは、散乱ベクトル領域において1つまたは2つ以上の強度のピークを表してもよく、約30〜120オングストロームの範囲の典型的な周期長に対応する。
【0028】
本発明の好ましい組成物において、液晶構造の典型的な周期長は、40〜60オングストロームの範囲である。X線散乱技術および液晶へのそれらの適用の考察は、本明細書中に参照として組み込まれている、D. M. Engelman (1985) Modern Trends of Colloid Sciences, H.-F. Eicke (Ed.), Bikhaeuser Verlag Baselに見出される。
【0029】
フレグランス材料は、精油、アブソリュート、樹脂様物質、樹脂、コンクリートなどの天然製品、ならびに飽和および不飽和化合物、脂肪族、炭素環および複素環化合物を含む、炭化水素、アルコール、アルデヒド、ケトン、エーテル、酸、アセタール、ケタールおよびニトリルなどの合成芳香成分から選択されるフレグランス成分を含有してもよい。使用できる臭気剤(odorant)組成物の他の例は、H 1468 (United States Statutory Invention Registration)に記載されている。
【0030】
好ましいフレグランス成分の例は、以下から選択されるフレグランスの任意のものである。アルドロン(Aldron)、アンブレットリド、アンブロキサン、桂皮酸ベンジル、サリチル酸ベンジル、Boisambrene Forte、セドロールクリスタル(Cedrol Crystals)、セドリルアセテートクリスタル(Cedryl Acetate Crystals)、セレストリド/クリソリド(Celestolide / Crysolide)、セタロックス(Cetalox)、シトロネリルエトキサレート(Ethoxalate)、フィクサル(Fixal)、フィクソリド、ガラクソリド、ガイヤックウッド(Guaiacwood)アセテート、サリチル酸Cis-3-ヘキセニル、ヘキシル桂皮アルデヒド、サリチル酸ヘキシル、Iso E Super、安息香酸リナリル(Linalyl Benzoate)、桂皮酸リナリル(Linalyl Cinnamate)、リナリルフェニルアセテート(Linalyl Phenyl Acetate)、メチルセドリルケトン(Methyl Cedryl Ketone)、モスケン(Moskene)、ムスク、ムスクケトン、ムスクチベチン(Tibetine)、ムスクキシロール(Xylol)、ミラルジル(Myraldyl)アセテート、ネロリジルアセテート(Nerolidyl Acetate)、ノバリド(Novalide)、Okoumal、パラクレジルカプリレート(Para-Cresyl Caprylate)、パラクレジルフェニルアセテートクリスタル(Para Cresyl Phenyl Acetate Crystals)、ファントリドクリスタル(Phantolid Crystals)、フェニルエチルシンナメート、フェニルエチルサリチレート、ローズクリスタル/ロソネ(Rosone)、Sandela (Lin)、テトラデカニトリル、チベトリド(Thibetolide)、トラセオリド(Traseolide)、トリモフィックス(Trimofix)O、2−メチルピラジン、アセトアルデヒドフェニルエチルプロピルアセタール、アセトフェノン、アルコールC6(以下において表記Cnは、n個の炭素原子および1個のヒドロキシル官能基を有するすべての物質を含む)、アルコールC8、アルデヒドC6(以下において表記Cnは、n個の炭素原子および1個のアルデヒド官能基を有するすべての異性体を包含する)、アルデヒドC7、アルデヒドC8、アルデヒドC9、ノネニリック(Nonenylic)アルデヒド、アリルアミルグリコレート、アリルカプロエート(Caproate)、酪酸アミル、アニスアルデヒド、ベンズアルデヒド、酢酸ベンジル、ベンジルアセトン、ベンジルアルコール、酪酸ベンジル、ギ酸ベンジル、イソ吉草酸ベンジル(Benzyl Iso Valerate)、ベンジルメチルエーテル、プロピオン酸ベンジル、ベルガミルアセテート(Bergamyl Acetate)、酢酸ブチル、カンファー、3−メチル−5−プロピル−2−シクロへキセノン、桂皮アルデヒド、Cis−3−ヘキセノール、酢酸Cis−3−ヘキセニル、ギ酸Cis−3−ヘキセニル、イソ酪酸Cis−3−ヘキセニル、プロピオン酸Cis−3−ヘキセニル、Cis−3−ヘキセニルチグレート、シトロネラール、シトロネロール、シトロネリルニトリル、2−ヒドロキシ−3−メチル−2−シクロペンテン−1−オン、クミンアルデヒド(Cuminic Aldehyde)、シクラル(Cyclal)C、酢酸(シクロヘキシルオキシ)-2-プロペニルエステル、ダマセノン、ダマスコンアルファ、ダマスコンベータ、デカヒドロベータナフチルホルメート、マロン酸ジエチル、ジヒドロジャスモン、ジヒドロリナロール、ジヒドロミルセノール、ジヒドロテルピネオール、ジメチルアントラニラート、ジメチルベンジルカルビノール、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、ジメチルオクテノン、ジメトール(Dimetol)、ジミルセトール(Dimyrcetol)、エストラゴール、酢酸エチル、アセト酢酸エチル、安息香酸エチル、エチルヘプトエート(Heptoate)、エチルリナロール、サリチル酸エチル、エチル−2−メチルブチレート、ユーカリプトール、オイゲノール、酢酸フェンキル、フェンキルアルコール、4−フェニル−2,4,6−トリメチル1,3−ジオキサン、メチル2−オクチノエート、4−イソプロピルシクロヘキサノール、2−sec−ブチルシクロヘキサノン、酢酸スチラリル、ゲラニルニトリル、酢酸ヘキシル、イオノンアルファ、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、イソシクロシトラール、ジヒドロイソジャスモン、イソメントン、イソペンチレート、イソプレゴール、cis−ジャスモン、Laevoカルボン、フェニルアセトアルデヒドグリセリルアセタール、カルビン(carbinic)酸3−ヘキセニルメチルエーテル、1−メチル−シクロヘキサ−1,3−ジエン、リナロール、リナロールオキシド、2−メチルエチルエステルペンタノエート、2,6−ジメチル−5−ヘプテナール、メントール、メントン、メチルアセトフェノン、メチルアミルケトン、安息香酸メチル、メチル桂皮アルデヒドアルファ、メチルヘプテノン、メチルヘキシルケトン、メチルパラクレゾール、メチルフェニルアセテート、サリチル酸メチル、ネラール、ネロール、4−tert−ペンチル−シクロヘキサノン、パラクレゾール、パラクレジルアセテート、パラ第三ブチルシクロヘキサノン(Para Tertiary Butyl Cyclohexanone)、パラトリルアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、フェニルエチルアセテート、フェニルエチルアルコール、フェニルエチルブチレート、フェニルエチルホルメート、フェニルエチルイソブチレート、フェニルエチルプロピオネート、フェニルプロピルアセテート、フェニルプロピルアルデヒド、テトラヒドロ−2,4−ジメチル−4−ペンチル−フラン、4−メチル−2−(2−メチル−1−プロペニル)テトラヒドロピラン、5−メチル−3−ヘプタノンオキシム、スチラリルプロピオネート、スチレンモノマー、4−メチルフェニルアセトアルデヒド、テルピネオール、テルピノレン、テトラヒドロリナロール、テトラヒドロミルセノール、Trans−2−ヘキサナール、4,7−メタノ−1H−3A,4,5,6,7,7A−ヘキサヒドロアセテートおよびビリジン。
【0031】
また、フレグランス成分の前駆体を、本発明におけるフレグランス材料中に提供してもよい。前駆体は、光、酵素、高温または酸性またはアルカリ性のpH値などの活性化条件下での開裂の際に、フレグランス特徴を有する化合物を提供する化合物である。
【0032】
さらに、他の官能的(organoleptic)材料、例えば、臭気マスキング(odour-masking)剤、防虫剤などを、フレグランス原料と混和して使用してもよい。
フレグランス材料は、上記のフレグランス原料または他の官能的材料に加えて、他の原料を含有してもよい。例えば、液滴は、フレグランス材料または他の官能物(organoleptics)が分散または溶解してもよい、油、無極性ポリマー、ワックスまたは樹脂を含有してもよい。
【0033】
好適な油の例は、カプセル化されたフレグランス処方中に、フレグランス材料または他の官能物を分散または溶解するために使用される既知の油を含み、植物油、動物油または鉱物油またはそれらの混合物を含む。
樹脂は、ベータピネンの重合により生成されるトリテルペン、水添(hydrogenated)ロジンまたはロジンエステル、シトステロール誘導体、および50℃より高い融解点を有する飽和ロジンエステルを包含する。
【0034】
ワックスは、鉱物、植物、動物または合成由来のものから選択してもよい。例は、ミツロウ、硬化油、脂肪酸、エステルワックス、単置換または二置換または三置換グリセロールであって、それらの置換物が飽和または不飽和有機化合物であるもの、パラフィン、微結晶ワックス、ペトロラタム(petrolatum)ワックス、アルキルシリコーンおよびそれらの混合物である。特に、フレグランス材料を、20個より多くの炭素原子、および70℃より高い融解温度を有するアルキル側鎖を有するアルキル修飾シリコーンと混和することができる。驚くべきことに、出願人は、アルキル修飾シリコーン材料を使用して、本発明による組成物の熱的安定性、ならびにフレグランス材料の揮発成分の保持力および持続的放出を改善することをさらに見出した。そのようなものとして、それらを使用する場合、アルキル修飾シリコーンは、フレグランス液滴において好ましい原料である。
好ましいアルキル修飾シリコーンワックスは、30個以上の炭素原子を有するアルキル残基を有するものであり、AMS C 30 wax(Dow Corning社由来)の商品名で市販されている。
【0035】
本発明のフレグランス組成物は、例えばペーストの形状の水性組成物であり、10〜30%のフレグランス材料、10〜50%の液晶形成材料、0.5%〜10%の補強材料および10〜80%の水を含有してもよい。フレグランス組成物は、染料、着色料、保存料、酸化防止剤などの、水中油系において一般的に用いられる他の油分散または水分散補助剤を含有してもよい。
【0036】
本発明のフレグランス組成物は、さらにカチオン化合物を含有することができ、その機能は、綿織物、髪および皮膚などの基体に対する組成物の親和性を高めることである。好適なカチオン化合物は、カチオンセルロース、カチオングアール(guar)誘導体およびキトサンなどのカチオン重合炭水化物(polycarbohydrates)、1−ビニル−2−ピロリジン、ビニルピロリドンおよび塩化1−ビニル−3−メチルイミダゾリウムなどの四級化N−複素環誘導体、四級化アミンならびにポリアルキレンイミンから選択してもよい。好ましくは、カチオン化合物は、液晶材料の5%まで、好ましくは3%までのレベルで存在する。
フレグランス組成物はさらに好ましくは、毎分1℃の加熱速度で、示差走査熱量計により測定した場合、50℃より高い温度での融解転移の発生により特徴付けられる。
【0037】
本発明のフレグランス組成物は、典型的に40〜60%の液晶形成材料、1〜20%の補強材料および30〜60%のフレグランス材料からなる本質的に水不溶性の粒子の分散物を形成するために、典型的に5000〜20000rpmで作動する高剪断ミキサーの作用下で、室温にて水にさらに分散してもよいが、典型的に5重量%までの少量の水が、間隙水の形で粒子中に存在し得ることが予想できる。
ペースト組成物よりも低い粘度であるかかる水性分散物は、例えばさらなる混合またはスプレー工程を行なう場合、扱うのがより簡単であろう。
【0038】
代わりに、上記の形状のフレグランス組成物は、当該技術分野で既知の技術を使用して、乾燥させ、粉剤を形成してもよい。粉剤は、好ましくは、水に分散したフレグランス組成物の粒子を取り、親水コロイドと混合し、混合物を噴霧乾燥することにより形成し、50〜400マイクロメーターの粒子サイズ分布を有し、固体マトリクス材料からなり、その中に分散した微粒子を有する、自由流動性の粉剤を形成する。好ましい親水コロイドは、糖と結合した、修飾デンプン、モルトデキストリン、ポリビニルアルコールから選択された多糖類である。噴霧乾燥製品はさらに、流動層造粒法、湿式造粒法および溶融造粒法などの従来の技術により凝集され、400〜1500マイクロメーターまたはそれを超える範囲の粒子サイズを有する粒状材料を形成することができ、よって、洗濯用ケア(laundry care)洗剤などの粉状製品における前記乾燥物の取り扱いおよび混合、ならびに洗濯用液体(wash liquors)における前記乾燥物の制御された溶解がより簡単になる。任意に追加のアニオン、双性イオンまたは、好ましくはカチオン界面活性剤を、噴霧乾燥用に提出された混合物に添加し、電荷を帯びた水不溶性粒子を提供することができる。
【0039】
上記のフレグランス組成物をさらに、洗濯用ケアまたはヘアケアコンディショナーの基剤などの家庭およびパーソナルケア消費者製品の基剤、液体石鹸またはシャワージェルなどの洗浄組成物、液体洗剤、皿洗い製品、漂白剤または硬い表面の洗浄剤の基剤または棒石鹸の基剤に混合してもよい。かかる基剤は、当業者に周知であり、本明細書においてさらなる議論は不要である。かかる基剤の代表的な例は、本明細書中に参照として組み込まれているEP 0 466 235 A1に見出されるだろう。
【0040】
前記の消費者製品に添加するフレグランス材料のレベルは、消費者製品の基剤の0.1%〜3重量%の範囲であってもよい。典型的には、消費者製品に通常添加される香料全体のほんの一部を、本発明によるフレグランス材料の形状で添加してもよい。したがって、例えば、消費者製品は、全フレグランス原料の30%をフレグランス組成物の形状で、および全フレグランス原料の60%をフリーのフレグランスオイルとして含有してもよい。
【0041】
本発明のフレグランス組成物を、水相に分散した液晶構造を含有する粒子の形状で提供してもよい。粒子のサイズは、好ましくは1〜100ミクロン、より好ましくは1〜50ミクロンおよび最も好ましくは1〜10ミクロンの範囲であってもよい。
【0042】
本発明によるフレグランス組成物を、当該技術分野で一般的に知られている技術を使用して、様々な条件下で形成してもよい。一般的に、すべての油溶性原料を含有する油相と水溶性原料を含有する水相とを別々に形成し、その後、ある温度で、典型的に20〜250rpmで作動する中程度の(moderate)剪断プロペラにより、典型的に10,000〜20,000rpmで作動する高剪断ミキサーと組み合わせて任意に混合する。
【0043】
より特定すると、最初のステップで、すべての油溶性原料(すべての油溶性架橋剤および触媒を除く)を、混合物の融点より上の温度、例えば約60°〜90℃でフレグランス材料と一緒に混合してもよい。その後、すべての水溶性原料(すべての水溶性架橋剤および触媒を除く)の水溶液を、上記温度と同様の温度で調製してもよい。最後に、得られる混合物を、典型的に10〜50rpmで作動する低剪断プロペラにより穏やかに混合して、室温に冷却し、本発明の組成物を形成させる。フレグランス組成物の形成に関するより詳細な情報は、以下の例にて提供する。
【0044】
任意に、補強材料を架橋により得る場合、水溶性または油溶性の架橋剤または触媒を、所望の補強組成物を形成するために、前記の混合物を作った後、混合する温度と室温との間のいかなる温度で添加してもよい。
架橋剤および触媒はまた、フレグランス組成物を水または消費者製品の基剤に分散した後に添加してもよく、そして架橋反応は、室温と、微粒子の形状で存在するフレグランス材料の異方性から等方性への転移温度との間のいかなる温度で行なってもよい。
【0045】
本発明によるフレグランス組成物を使用して、高い保管温度、例えば45℃の保管温度で、フレグランス材料を数ヶ月間フレグランス組成物中に含有し得る様式で、家庭およびパーソナルケア製品に芳香を与えることが可能である。長期保管後でも、製品は、24時間またはさらに長く、例えば5日間まで、制御された様式で、強いインパクトのある、バランスの取れた芳香を、表面に送達する能力がある。
以下に、本発明を説明するための一連の非限定的な例を示す。
【0046】
例1
フレグランス組成物の形成
一連のフレグランス組成物(以下の表I参照)を、以下の方法論により形成する:
すべての油溶性原料を、75℃にて、密閉容器中で、すべての原料が溶解するまでフレグランスオイル(香料)と混合する。
すべての水溶性原料を水に溶解し、80℃に加熱した水溶液を、2300rpmで作動する自家製プロペラミキサーを使用して、中程度の剪断混合の元で、上記溶液に滴加する。
その後、フレグランス組成物を、室温に放冷する。
【0047】
【表1】

【0048】
(1)選択したフレグランスオイルは、本質的に揮発性のフレグランス原料である酢酸アミル、ユーカリプトール、ジメチルオクテノン(dimethyloctenone)、シクラルC、リナロール、アルデヒドC12 MNA、ビリジン、テルピノール、酢酸ベンジル、イリソン、酢酸ベルジル(verdyl acetate)、フェニルエチルアルコール、ジフェニルオキシド、プルノリド(prunolide)、リリアールを含む、重さの等しい(equiponderant)試験混合物である。
(2)1000〜4000g/molの分子量の範囲を有する結晶化可能なポリオレフィンであって、使用名「水ガラス」(Fluka社由来)の元で市販され、式NaO.3SiOを有するもの。この場合、塩化カルシウムを室温でフレグランス組成物に添加し、組成物全体に24時間拡散させる。
【0049】
処方1および2は、非補強であり、比較例である。処方3および4は、補強されており、本発明の組成物である。
【0050】
例2
補強および非補強のフレグランス組成物のレオロジー
レオロジー測定を、コーンプレート(cone-plate)測定ユニットを取り付けたPaar Physica Rheometer MCR 300を使用し、振動モードにおいて作動させて行なう。コーンプレート測定ユニットCP25−2の特徴は、以下のとおりである:剪断速度係数:3s−1/min−1、剪断応力係数:12.223Pa、サンプル量:0.16cm、測定コーンの半径:12.5mm、測定コーンの角度:2°、コーントランケーション(truncation):50マイクロメーター。貯蔵率G’、損失率G’’により特徴付けられる組成物の粘弾性応答を、変形量の関数として測定する。図1は、本発明による特に好ましい補強剤であるPerformalene(登録商標)400の添加により誘導された弾性率の増加を示す。
【0051】
図1から、補強組成物の貯蔵弾性率は、非補強組成物よりも大幅に高く、前者はより堅い組成物であることを示していることが分かる。ポリエチレンの添加は、プラトーの貯蔵弾性率の値を少なくとも一桁増加させる。プラトー貯蔵率の新しい平均値は、非補強サンプルについての10に代わり、10Paに近い。さらに、非補強組成物におけるG’およびG’’の交差は、5%変形に近く、一方、補強組成物において交差は、1%変形により近い。これは、補強組成物が、非補強組成物よりも大幅により堅いことを示す。
【0052】
例3:
柔軟剤における適用
標準の無香の(unperfumed)柔軟剤組成物を、5%の二水素化牛脂エチルヒドロキシエチルモニウムエトサルフェート(dihydrogenated tallowethyl hydroxyethylmonium ethosulfate)(Rewoquat(登録商標)WE 18、Degussa社由来)および0.5%のC9-11 Pareth-8(Neodol(登録商標)91 8E、Shell社由来)を脱イオン水中に65℃で溶解し、次いで2000rpmでの攪拌下、室温に冷却することにより得る。
【0053】
例1のフレグランス組成物を、高剪断ミキサー(10000rpmで作動する、Ultraturrax IKA T25)を使用して標準の無香の柔軟剤組成物中に分散させる。香料の総量は、最終混合物中、1%である。柔軟剤組成物を、新しく調製した柔軟剤組成物に対する嗅覚評価の前に、1ヶ月間45℃で老化させる。1.4グラムの芳香を与えた柔軟剤組成物を、1リットルの水に攪拌下で分散させる。清潔な木綿地のタオルを、この溶液で10分間すすぎ、自然乾燥させる。
【0054】
乾燥させた織物における嗅覚評価:
乾燥させた織物の嗅覚インパクトを、少なくとも5人の訓練を受けた解答者により、24時間後および5日後、室温で評価し、すべての組成物を参照サンプル(香料単独)と比較する。香料の強度を、以下の尺度により順位付けする:
1=ほとんど分からない
2=弱い
3=中程度
4=強い
【0055】
嗅覚評価の結果を、表IIに示す。
【表2】

【0056】
これらのデータから、本発明の組成物3および4は、フリーな香料の参照サンプルおよびまた非補強組成物により処理したサンプルより性能が優れていることが明らかである。サンプル4の脆い性質を考えると、フレグランスは、タオルをこすることにより放出された。
【0057】
例4:
疎水性補強剤を有するフレグランス組成物のさらなる例
例1と同じ手順を適用するが、疎水性補強剤を、組成物を調製する前に油相に溶解する(表III)。
【0058】
【表3】

(3)ポリエチレン(C20〜C40)およびポリエチレンオキシド(40個のEOユニット)のブロックコポリマー(Petrolite社由来)。
【0059】
親水性補強剤を有するフレグランス組成物のさらなる例
例1と同じ手順を適用するが、親水性補強剤を、組成物を調製する前に水相に溶解する(表IV)。
【0060】
【表4】

【0061】
柔軟剤組成物における評価
この場合、すすぎサイクルを、従来の前入れ方式の洗濯機で、重量440gのタオル、7.4Lの水量、および8分の時間で行なう以外は、例3と同じ方法を適用する。使用温度は、水道水の温度である。評価を、45℃での1ヶ月の保管後に行なう(表V)。
【0062】
【表5】

【0063】
例5:
カチオン化合物含有のフレグランス組成物
例1と同じ手順を適用するが、カチオン化合物を、フレグランス組成物を調製する前に水相に添加する(表VI)。
【0064】
【表6】

【0065】
例6:
噴霧乾燥したフレグランス組成物の調製
フレグランス組成物含有の粉剤を、以下のステップにより調製する:
1)例1に記載の方法論により、フレグランス組成物を形成する
2)選択した水溶性材料、界面活性剤および親水コロイド、ならびに任意にフレグランスオイル(表VI参照)を、別の容器で水中に60℃で溶解し(供給(Feed)媒体)、室温で冷却する
3)18500rpmで作動するPolytron混合ユニットを使用して、フレグランス組成物を溶液2に分散させる。
粉剤の最終組成を、表VIIに示す。
分散物を従来の噴霧乾燥タワー(Niro Mobile Minor Atomizer)中で、二流体ノズルを通して、以下のプロセスパラメーターを使用してスプレーする:
入口温度:180℃ 出口温度:80℃ 供給速度:34.8g/min 噴霧器の速度:18000rpm 表VIIは、乾燥材料の組成を示す。
【0066】
【表7】

【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】レオロジー測定を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水、フレグランス材料、少なくとも22個の炭素原子を有する少なくとも1種の脂肪アルコールを含有する液晶形成材料、および補強材料を含むフレグランス組成物。
【請求項2】
補強材料が、有機両親媒性材料、有機親水性材料、疎水性材料、無機材料およびこれらの混合物から選択される、請求項1に記載のフレグランス組成物。
【請求項3】
両親媒性材料が、
i)界面活性剤;グラフトおよびブロックコポリマー、好ましくは、ポリ(エチレン−b−エチレンオキシド)、より好ましくは、好ましくは80%より低いレベルのエチレンオキシドおよび2500g/molより小さい分子量を有するポリ(エチレン−b−エチレンオキシド)、ポリ(スチレン−b−エチレンオキシド)およびポリ(ジメチルシロキサン−g−エチレンオキシド)、
ii)ゼラチン、好ましくは、250を超えるブルーム強度を有するゼラチン、並びに
iii)ペクチン
の少なくとも1種から選択される、請求項2に記載のフレグランス組成物。
【請求項4】
有機親水性補強材料が、アクリルアミド、好ましくは、N,N−ビスアクリルアミドと架橋したアクリルアミド;N−アルキルアクリルアミド;ポリ((メタ)アクリル酸−コ−アルキルアクリレート)コポリマー;ポリ(アクリルアミド)、ポリ(ビニルアルコール)またはポリ(アルキレンオキシド)部分含有のコポリマー;および多価金属イオンと架橋したアルギン酸の少なくとも1種から選択される、請求項2に記載のフレグランス組成物。
【請求項5】
疎水性補強材料が、部分的に結晶化可能なポリオレフィン、好ましくは、10,000g/molより小さい分子量を有する部分的に結晶化可能なポリエチレン、ブロックおよびグラフトコポリマー、ポリ(エチレン−コ−ジメチルシロキサン)ブロックおよびグラフトコポリマー、高度に架橋されたシリコーン樹脂、ポリセスキオシロキサン、疎水性に修飾されたケイ酸およびアミノケイ酸、熱または光活性化架橋可能官能基を有する熱またはUV硬化性ポリマー、および25℃で重量比80/20のトルエン/メタノール中5%で溶解したとき、50mPasよりも高いウベローデ溶液粘度を有するエチルセルロースの少なくとも1種から選択される、請求項2に記載のフレグランス組成物。
【請求項6】
無機補強材料が、少なくとも1種のシリカ含有化合物、好ましくはアルキルシラン、アルコキシシラン、多価金属イオンの塩と結合したケイ酸ナトリウムの少なくとも1種、好ましくはカルシウムと結合したケイ酸ナトリウムから選択される、請求項2に記載のフレグランス組成物。
【請求項7】
液晶形成材料が、非イオン性界面活性剤と、好ましくは少なくとも16個の炭素原子を有する少なくとも1種の長鎖脂肪アルコールとの混合物であり、該アルコールの少なくとも1種は、少なくとも22個の炭素原子を有し、該非イオン性界面活性剤は、好ましくは
I)少なくとも20個の炭素原子を有するアルキル鎖を有するアルキルグリコシドまたはアルキルポリオロシド;
II)18個の炭素原子より長いアルキル鎖を有するアルキルポリソルベート;および
III)少なくとも18個の炭素原子を有するアルキル残基を伴うエトキシル化脂肪エステル;
から選択され、ならびに
少なくとも22個の炭素原子を有する前記アルコールは、好ましくは、この脂肪アルコールの少なくとも90%が、単一脂肪酸残基からなるよう、狭い分子量分布を有する脂肪アルコールから選択される、請求項1〜6のいずれかに記載のフレグランス組成物。
【請求項8】
粒子の水性分散物の形態であり、該粒子が液晶構造を含有する、請求項1〜7のいずれかに記載のフレグランス組成物。
【請求項9】
コーンプレート測定ユニットを備え付け、かつ振動モードで作動するPaar Physica Rheometer MCR 300で測定した場合に、10Paより高い貯蔵弾性率のプラトー領域を示し、該コーンプレート測定ユニットCP25−2は、特徴:剪断速度係数:3s−1/min−1、剪断応力係数:12.223Pa、サンプル量:0.16cm、測定コーンの半径:12.5mm、測定コーンの角度:2°、コーントランケーション:50マイクロメーター、を有する、請求項1〜8のいずれかに記載のフレグランス組成物。
【請求項10】
組成物が、X線回折により測定された場合に、30〜120、好ましくは40〜60オングストロームの周期長を有する液晶相を有する、請求項1〜9のいずれかに記載のフレグランス組成物。
【請求項11】
組成物が、50℃より高い温度で少なくとも1つの融解転移を示す、請求項1〜10のいずれかに記載のフレグランス組成物。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれかに記載の組成物を含む、家庭製品。
【請求項13】
請求項1〜11のいずれかに記載の組成物を含む、パーソナルケア製品。

【図1】
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【公表番号】特表2006−519270(P2006−519270A)
【公表日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−500453(P2006−500453)
【出願日】平成16年1月26日(2004.1.26)
【国際出願番号】PCT/CH2004/000039
【国際公開番号】WO2004/064790
【国際公開日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【出願人】(501105842)ジボダン エス エー (158)
【Fターム(参考)】