フロア下部品支持構造
【課題】車両の最低地上高を小さくすることなくフロア下部品をフロア下に確実に支持できると共に、そのフロア下部品から発生する振動を効果的に抑制できる新規なフロア下部品支持構造の提供。
【解決手段】車体のフロア10の一部を隆起させてそのフロア10にフロア下部品13を格納し、そのフロア下部品13を第1の弾性支持体15を介して質量体クロスメンバ14で支持すると共に、その質量体クロスメンバ14の両端を第2の弾性支持体16を介してそれぞれフロア10側に振動自在に連結する。これによって、車両の最低地上高を小さくすることなくトランスミッションなどのフロア下部品13をフロア10下に確実に支持できると共に、質量体クロスメンバ14をダイナミックダンパの質量体として機能させることができるため、そのフロア下部品13から発生する振動も効果的に抑制できる。
【解決手段】車体のフロア10の一部を隆起させてそのフロア10にフロア下部品13を格納し、そのフロア下部品13を第1の弾性支持体15を介して質量体クロスメンバ14で支持すると共に、その質量体クロスメンバ14の両端を第2の弾性支持体16を介してそれぞれフロア10側に振動自在に連結する。これによって、車両の最低地上高を小さくすることなくトランスミッションなどのフロア下部品13をフロア10下に確実に支持できると共に、質量体クロスメンバ14をダイナミックダンパの質量体として機能させることができるため、そのフロア下部品13から発生する振動も効果的に抑制できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の車体の床下(以下、フロア下という)に配置されるミッションやアクスルなどのフロア下部品を支持するためのフロア下部品支持構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在国内で量産されている多くの乗用自動車は、車両の前方に配置されたエンジンおよびトランスミッションからの動力によって前輪または後輪あるいは両方を駆動させるようにした構造のものが殆どであるが、重量が大きいエンジンとトランスミッションをまとめて車両の前方に配置しているため、車体の重量バランスといった点では最適な構造とは言い難い。
【0003】
これに対し、トランスアクスル方式などと称される構造は、トランスミッションをエンジンから切り離し、クラッチ・デフともどもクルマの後方に配置するようにしたものであることから、車両前後の重量バランスを50:50に近付けることが可能となるため、車体の重量バランスという点では最も優れた構造の一つであるといわれている。
このようにトランスアクスル方式などを採用した車両にあっては、エンジンから切り離されたトランスミッションをクルマの後方のフロア下などに配置する必要があるが、その配置構造に関する技術として従来では、例えば以下の特許文献1に示すような方法が提案されている。
【0004】
すなわち、この特許文献1では、エンジンから切り離されたトランスミッション8を車両の幅方向に延びるクロスメンバ10上にゴムなどの弾性体からなるミッションマウント11を介して支持し、そのクロスメンバ10の両端を車両の前後方向に延びるサイドメンバ9、9側にボルトなどによって車両側に連結することで重量の大きいトランスミッション8を車体後方のフロア下に配置するようにしている。
【特許文献1】実公平5−14894号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この従来構造のように、容積の大きいトランスミッションを車両の床下にそのまま配置すると、最低地上高が小さくなってしまうといった問題がある。
一方、このように小さくなった最低地上高を確保すべく車両の床を高くすると乗り降りが困難になったり、車高が高くなってしまうといった問題が生ずる。
また、このようにトランスミッションを車両の後方に配置すると、車両の後方に新たな振動源が発生する。そのため、従来では、ゴムなどの弾性体からなるミッションマウント11を介してクロスメンバ10上にトランスミッション8を支持(マウント)するようにしているが、このような防振マウントのみではその振動を十分に抑制することは困難である。
【0006】
そこで、本発明はこのような課題を有効に解決するために案出されたものであり、その目的は、車両の最低地上高を小さくすることなくトランスミッションなどのフロア下部品をフロア下に確実に支持できると共に、そのフロア下部品から発生する振動を効果的に抑制できる新規なフロア下部品支持構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために本発明のフロア下部品支持構造は、
車体のフロア下に配置するフロア下部品を支持するフロア下部品支持構造であって、
前記フロアの一部を上方に隆起させて当該フロアに前記フロア下部品を格納して配置する配置部を形成し、当該配置部に配置された前記フロア下部品を第1の弾性支持体を介して質量体クロスメンバで支持すると共に、当該質量体クロスメンバの両端を第2の弾性支持体を介してそれぞれ前記フロア側に振動自在に連結したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
このように本発明のフロア下部品支持構造は、フロアの一部を上方に隆起させて形成した配置部にトランスミッションなどのフロア下部品を格納するような状態で支持するようにしたことから、フロア下にフロア下部品を配置するスペースが必要がなくなるため、車両の最低地上高を犠牲にすることがない。
また、この質量体クロスメンバの両端を直接フロア側に直接に固定するのではなく、第2の弾性支持体を介してそれぞれフロア側に振動自在に連結するようにしたため、この質量体クロスメンバがダイナミックダンパの質量体として機能することから、トランスミッションなどのフロア下部品から発生する振動も効果的に抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面を参照しながら詳述する。
図1および図2は、本発明に係るフロア下部品支持構造の第1の実施の形態を示したものであり、図1は、このフロア下部品支持構造を採用したトランスアクスル構造の車体フロアを示す車両底面図、図2は図1中A−A線矢視図である。
図1において、符号10は、車両の床部を構成するフロアであり、その中央部には車両上方側(車室側)に隆起したトンネル11(配置部)が車両の前後方向に延びるように形成されている。
【0010】
また、このトンネル11には車両前方側に備え付けられたエンジン(図示せず)から延びるプロペラシャフト12が収容されており、前記エンジンと分離して車両後方側に配置されるトランスミッション13aやデフギア13bなどのトランスアクスル(以下、適宜フロア下部品13という)に対して動力を伝達するようになっている。
そして、図2に示すように、このフロア下部品13は、その一部あるいは全部がこのトンネル11内に収納されるような状態でフロア10下に配置されており、このトンネル11の開口縁間を横断するように位置する質量体クロスメンバ14上に、ゴムやコイルスプリングなどからなる第1の弾性支持体15、15を介して弾性自在に支持(載置)されている。
【0011】
また、この質量体クロスメンバ14の両端は、同じくゴムなどの弾性体からなる第2の弾性支持体16、16によってそれぞれトンネル11両側のフロア10に振動自在に連結されている。
また、この質量体クロスメンバ14の下方には、これよりもやや長尺の補剛クロスメンバ17が同じくトンネル11を横断するように設けられており、その両端が取付けボルト18、18によってフロア10側にリジットに固定されている。
【0012】
この補剛クロスメンバ17は、図3〜図6に示すように、前記質量体クロスメンバ14に対して上下方向で直線上に重なり合うように取り付けられており、その両端の突出部19、19に前記取付けボルト18、18を貫通するためのボルト孔20、20が形成されると共に、その中間部分が上方に水平状に隆起するような形状となっている。
そして、この中間の隆起部分が前記質量体クロスメンバ14の下面に嵌合されるような状態で配置されるようになっている。
【0013】
すなわち、図4に示すように、この質量体クロスメンバ14の下面には、その長手方向に沿って断面コ字形状の嵌合溝14aが形成されており、この嵌合溝14a内に前記補剛クロスメンバ17の隆起部分が所定の隙間Cを介して、すなわち両者が密着していない状態で嵌合するように配置されている。
また、さらにこの補剛クロスメンバ17の隆起部分側にも同じく断面コ字形状の嵌合溝17aが形成されており、質量体クロスメンバ14の嵌合溝14aの中央部に形成された突起部14bを所定の隙間Cを隔てて嵌合するような状態となっている。
【0014】
一方、前記質量体クロスメンバ14の両端をフロア10側に弾性支持するための第2の弾性支持体16、16は、図7および図9に示すように外筒21とその軸芯部に位置する支持管22との間をゴム製の弾性部材23で連結した構造となっており、この外筒21側を質量体クロスメンバ14側に固定すると共に、支持管22側を前記フロア10から延びる支持ロッド24に挿入し、その下端部を前記補剛クロスメンバ17で支持することでその質量体クロスメンバ14をフロア10に対して振動自在に弾性支持するようになっている。
【0015】
なお、図2および図3に示すように、トランスミッションなどのフロア下部品13を弾性支持する第1の弾性支持体15、15もその下部から延びる支持ロッド25、25が質量体クロスメンバ14に形成された貫通孔26、26を貫通するように挿入されており、この支持ロッド25、25によって質量体クロスメンバ14の上下方向の変位を許容しつつ質量体クロスメンバ14からの第1の弾性支持体15、15などの脱落を防止するようになっている。
【0016】
そして、このような構成をした本発明のフロア下部品支持構造にあっては、先ず、フロア10の一部を上方に隆起させて形成した配置部11内にトランスミッションなどのフロア下部品13を格納するような状態で支持するようにしたことから、フロア10下にフロア下部品13を配置するスペースが必要がなくなるため、車両の最低地上高を犠牲にすることがない。
【0017】
また、図2および図7などに示すように、この質量体クロスメンバ14の両端を直接フロア10側に直接に固定するのではなく、第2の弾性支持体16、16を介してそれぞれフロア側に振動自在に連結するようにしたため、この質量体クロスメンバ14がダイナミックダンパとして機能することから、トランスミッションなどのフロア下部品13から発生する振動も効果的に抑制することができる。
【0018】
図10は、このようなフロア下部品支持構造を採用した車両の振動モデルを示す模式図である。
図示するように、一般にトランスアクスル構造の車両は、エンジン(ENG)が車体前方のフロントサスペンションメンバ(FSM)にエンジンマウントなどによって弾性支持され、トランスミッションやデフギアなどのトランスアクスル(T/AXLE)がリアサスペンションメンバ(RSM)に弾性部材を介してそれぞれ弾性支持されている。
【0019】
このようなトランスアクスル構造の車両にあっては、エンジンの振動がプロペラシャフト(P/S)を伝達してトランスアクスルの前端部を加振することでその振動(250Hz〜800Hz)が弾性体を介して車体に入力される。また、このエンジンの振動に加え、トランスアクスルでは800Hz〜2000Hzの歯打ち振動が発生するため、この歯打ち振動がエンジンの振動と共に車体に入力される。
【0020】
すなわち、一般的なトランスアクスル構造の車両は、そのトランスアクスルから車体に対して約250Hz〜2000Hzの広範囲の振動が入力されることになる。
このようなフロントアクスルからの車体入力振動を低減させるためには、リアサスペンションメンバなどを低剛性化することが考えられるが、トランスアクスルは、大きな駆動反力を受けるため、これを支持するためのリアサスペンションメンバなどの低剛性化には限界がある。
【0021】
そこで、本発明のフロア下部品支持構造は、トランスアクスルをフロア下に支持するためのクロスメンバをさらにダイナミックダンパの質量体として機能させるようにしたものである。
ここで本発明でいうダイナミックダンパとは、ある起振源の主振動体Mと、質量体mがあり、これらが起振側弾性体K1および制振側弾性体K2で繋がれているとき、質量体mの固有振動周波数f以上では、主振動体Mのエネルギーが質量体mに渡され、質量体mが入力方向とは逆方向に大きく振動、すなわち主振動体Mとは逆位相の振動モードで振動することで質量体mと制振側弾性体K2で決まる車体に伝わる入力を低減する機能を発揮するものをいう(防振効果)。
【0022】
そして、本発明のフロア下部品支持構造にあっては、図2に示すようにトランスミッション13aなどのフロア下部品13が主振動体Mに相当し、質量体クロスメンバ14が質量体mに相当し、第1の弾性支持体15、15が起振側弾性体K1に相当し、第2の弾性支持体16、16が制振側弾性体K2に相当する機能を発揮することでフロア下部品13で発生する振動をダイナミックダンパ効果によって低減するようにしたものである。
ここで、十分なダイナミックダンパ効果を得るためには、質量体mである質量体クロスメンバ14の重さや、起振側弾性体K1である第1の弾性支持体15、15や、制振側弾性体K2である第2の弾性支持体16、16の剛性などを適宜調整することが必要となってくる。
【0023】
例えば、加速時騒音領域(250Hz)の振動を抑制のターゲットとする場合、先ず、質量体mである質量体クロスメンバ14の重さは、車両の重量増のよる動力性能や燃費の観点からできるだけ小さくすることが望ましい。このことから、入力振動を最小にできる各弾性体K1、K2の剛性は、以下のように決定することができる。
(K1・K2)/K1+K2≧F/X
ここで、Fは主振動体Mの取り付け点に入力される力であり、Xは主振動体Mの移動可能量を示すものである。
このようにして求められた各弾性体K1、K2の剛性と、効果を得たい周波数250Hzをルート2で割った値である、f=170Hzから2自由度の計算式で質量体mが決定される。
一例を挙げると、M=28.5Kg、K1=3030N/mm、K2=1510N/mmとすると、m=4kgとなる。
【0024】
図8は、従来の防振機能に加えてこのようなダイナミックダンパによる防振機能を付加した場合の騒音低減効果の一例を示したものであり、本発明に係るいわゆる2重防振を施した場合では、従来のいわゆる1重防振の場合に比べて、約200Hzを超えたあたりから格段に優れた振動低減効果を得ることが可能となった。
また、本発明のフロア下部品支持構造は、このようなダイナミックダンパ効果を発揮する質量体クロスメンバ14に加えてその下部にトンネル11を横断するように補剛クロスメンバ17を備えたことから、フロア下部品13を収容するトンネル11を設けることによって低下したフロア10の剛性を容易に向上させることが可能となり、トンネル11の開きや変形などを確実に防止することができる。
【0025】
また、この補剛クロスメンバ17を質量体クロスメンバ14に対して上下、かつ直線状に重なり合うように配置したしたことから、第2の弾性支持体16、16が劣化した場合でもその質量体クロスメンバ14(フロア下部品13)が落下するといった事態を防止することができる。
また、図4に示すように、この補剛クロスメンバ17の中間部は上方に隆起してその上方の質量体クロスメンバ14下面の嵌合溝14a内に嵌合した状態で配置されることから、補剛クロスメンバ17を設けても、フロア下のスペースや車両の最低地上高を犠牲にするようなこともない。
【0026】
さらに、この補剛クロスメンバ17は、その一部が質量体クロスメンバ14に嵌合した状態で配置されているにも拘わらず、図4に示すように両者は所定の間隙Cを隔てて位置していることから、質量体クロスメンバ14の動きを規制することがないため、前述したようなダイナミックダンパ効果を制限することもない。
さらに、万一、質量体クロスメンバ14に大きな曲げや捻りモーメントなどが加わった場合には、この補剛クロスメンバ17が質量体クロスメンバ14を補強するように機能するため、質量体クロスメンバ14やその連結部(第2の弾性支持体16)などの損傷を防止することも可能となる。
【0027】
次に、このような本発明のフロア下部品支持構造の他の実施の形態を説明する。
先ず、図11および図12は、本発明のフロア下部品支持構造に係る第2の実施の形態を示したものである。
すなわち、前記第1の実施の形態では、質量体クロスメンバ14の下面に嵌合溝14aを形成し、その下方に位置する補剛クロスメンバ17を隆起させてその嵌合溝14aに嵌合するように配置することで、フロア下の省スペース化、最低地上高の確保、質量体クロスメンバ14の補強などを図るようにしたものであるが、本実施の形態では、それぞれ図12に示すように、断面四角形状をした質量体クロスメンバ14の下面および補剛クロスメンバ17の上面をそれぞれ斜め方向にカットして断面三角形状とし、それらのカット面同士が向き合うように所定の間隙を隔てて配置したものである。
【0028】
これによって、前記第1の実施の形態と同様な効果を得ることができる。
また、図13は、本発明のフロア下部品支持構造に係る第3の実施の形態を示したものであり、前述した質量体クロスメンバ14側にハンガー部材27、27を設け、そのハンガー部材27、27に架け渡された支持部材28などによって排気ラインを構成する排気管などのフロア下部品29を吊下するように支持したものである。
これによって、排気管などのフロア下部品28を質量体クロスメンバ14と共にダイナミックダンパの質量体として機能させることが可能となると共に、排気管自体の振動も同時に抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係るフロア下部品支持構造の第1の実施の形態を示す底面図である。
【図2】図1中A−A線矢視図である。
【図3】補剛クロスメンバ上に質量体クロスメンバを組み合わせた状態を示す平面図である。
【図4】図1中A−A線拡大断面図である。
【図5】補剛クロスメンバを示す斜視図である。
【図6】補剛クロスメンバ上に質量体クロスメンバを組み合わせた状態を示す斜視図である。
【図7】図2中S部を示す部分拡大図である。
【図8】本発明に係るフロア下部品支持構造(2重防振)と、従来支持構造(1重防振)とにおける振動低減効果の一例を示すグラフ図である。
【図9】(A)は、第2の弾性支持部材の一例を示す縦断面図、(B)はその平面図である。
【図10】本発明のフロア下部品支持構造を採用した車両の振動モデルを示す模式図である。
【図11】本発明に係るフロア下部品支持構造の第2の実施の形態を示す背面図である。
【図12】図11中A−A線拡大断面図である。
【図13】本発明に係るフロア下部品支持構造の第3の実施の形態を示す背面図である。
【符号の説明】
【0030】
10 フロア
11 トンネル(配置部)
13 トランスアクスル(フロア下部品)
14 質量体クロスメンバ
14a 嵌合溝
15 第1の弾性支持体
16 第2の弾性支持体
17 補剛クロスメンバ
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の車体の床下(以下、フロア下という)に配置されるミッションやアクスルなどのフロア下部品を支持するためのフロア下部品支持構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在国内で量産されている多くの乗用自動車は、車両の前方に配置されたエンジンおよびトランスミッションからの動力によって前輪または後輪あるいは両方を駆動させるようにした構造のものが殆どであるが、重量が大きいエンジンとトランスミッションをまとめて車両の前方に配置しているため、車体の重量バランスといった点では最適な構造とは言い難い。
【0003】
これに対し、トランスアクスル方式などと称される構造は、トランスミッションをエンジンから切り離し、クラッチ・デフともどもクルマの後方に配置するようにしたものであることから、車両前後の重量バランスを50:50に近付けることが可能となるため、車体の重量バランスという点では最も優れた構造の一つであるといわれている。
このようにトランスアクスル方式などを採用した車両にあっては、エンジンから切り離されたトランスミッションをクルマの後方のフロア下などに配置する必要があるが、その配置構造に関する技術として従来では、例えば以下の特許文献1に示すような方法が提案されている。
【0004】
すなわち、この特許文献1では、エンジンから切り離されたトランスミッション8を車両の幅方向に延びるクロスメンバ10上にゴムなどの弾性体からなるミッションマウント11を介して支持し、そのクロスメンバ10の両端を車両の前後方向に延びるサイドメンバ9、9側にボルトなどによって車両側に連結することで重量の大きいトランスミッション8を車体後方のフロア下に配置するようにしている。
【特許文献1】実公平5−14894号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この従来構造のように、容積の大きいトランスミッションを車両の床下にそのまま配置すると、最低地上高が小さくなってしまうといった問題がある。
一方、このように小さくなった最低地上高を確保すべく車両の床を高くすると乗り降りが困難になったり、車高が高くなってしまうといった問題が生ずる。
また、このようにトランスミッションを車両の後方に配置すると、車両の後方に新たな振動源が発生する。そのため、従来では、ゴムなどの弾性体からなるミッションマウント11を介してクロスメンバ10上にトランスミッション8を支持(マウント)するようにしているが、このような防振マウントのみではその振動を十分に抑制することは困難である。
【0006】
そこで、本発明はこのような課題を有効に解決するために案出されたものであり、その目的は、車両の最低地上高を小さくすることなくトランスミッションなどのフロア下部品をフロア下に確実に支持できると共に、そのフロア下部品から発生する振動を効果的に抑制できる新規なフロア下部品支持構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために本発明のフロア下部品支持構造は、
車体のフロア下に配置するフロア下部品を支持するフロア下部品支持構造であって、
前記フロアの一部を上方に隆起させて当該フロアに前記フロア下部品を格納して配置する配置部を形成し、当該配置部に配置された前記フロア下部品を第1の弾性支持体を介して質量体クロスメンバで支持すると共に、当該質量体クロスメンバの両端を第2の弾性支持体を介してそれぞれ前記フロア側に振動自在に連結したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
このように本発明のフロア下部品支持構造は、フロアの一部を上方に隆起させて形成した配置部にトランスミッションなどのフロア下部品を格納するような状態で支持するようにしたことから、フロア下にフロア下部品を配置するスペースが必要がなくなるため、車両の最低地上高を犠牲にすることがない。
また、この質量体クロスメンバの両端を直接フロア側に直接に固定するのではなく、第2の弾性支持体を介してそれぞれフロア側に振動自在に連結するようにしたため、この質量体クロスメンバがダイナミックダンパの質量体として機能することから、トランスミッションなどのフロア下部品から発生する振動も効果的に抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面を参照しながら詳述する。
図1および図2は、本発明に係るフロア下部品支持構造の第1の実施の形態を示したものであり、図1は、このフロア下部品支持構造を採用したトランスアクスル構造の車体フロアを示す車両底面図、図2は図1中A−A線矢視図である。
図1において、符号10は、車両の床部を構成するフロアであり、その中央部には車両上方側(車室側)に隆起したトンネル11(配置部)が車両の前後方向に延びるように形成されている。
【0010】
また、このトンネル11には車両前方側に備え付けられたエンジン(図示せず)から延びるプロペラシャフト12が収容されており、前記エンジンと分離して車両後方側に配置されるトランスミッション13aやデフギア13bなどのトランスアクスル(以下、適宜フロア下部品13という)に対して動力を伝達するようになっている。
そして、図2に示すように、このフロア下部品13は、その一部あるいは全部がこのトンネル11内に収納されるような状態でフロア10下に配置されており、このトンネル11の開口縁間を横断するように位置する質量体クロスメンバ14上に、ゴムやコイルスプリングなどからなる第1の弾性支持体15、15を介して弾性自在に支持(載置)されている。
【0011】
また、この質量体クロスメンバ14の両端は、同じくゴムなどの弾性体からなる第2の弾性支持体16、16によってそれぞれトンネル11両側のフロア10に振動自在に連結されている。
また、この質量体クロスメンバ14の下方には、これよりもやや長尺の補剛クロスメンバ17が同じくトンネル11を横断するように設けられており、その両端が取付けボルト18、18によってフロア10側にリジットに固定されている。
【0012】
この補剛クロスメンバ17は、図3〜図6に示すように、前記質量体クロスメンバ14に対して上下方向で直線上に重なり合うように取り付けられており、その両端の突出部19、19に前記取付けボルト18、18を貫通するためのボルト孔20、20が形成されると共に、その中間部分が上方に水平状に隆起するような形状となっている。
そして、この中間の隆起部分が前記質量体クロスメンバ14の下面に嵌合されるような状態で配置されるようになっている。
【0013】
すなわち、図4に示すように、この質量体クロスメンバ14の下面には、その長手方向に沿って断面コ字形状の嵌合溝14aが形成されており、この嵌合溝14a内に前記補剛クロスメンバ17の隆起部分が所定の隙間Cを介して、すなわち両者が密着していない状態で嵌合するように配置されている。
また、さらにこの補剛クロスメンバ17の隆起部分側にも同じく断面コ字形状の嵌合溝17aが形成されており、質量体クロスメンバ14の嵌合溝14aの中央部に形成された突起部14bを所定の隙間Cを隔てて嵌合するような状態となっている。
【0014】
一方、前記質量体クロスメンバ14の両端をフロア10側に弾性支持するための第2の弾性支持体16、16は、図7および図9に示すように外筒21とその軸芯部に位置する支持管22との間をゴム製の弾性部材23で連結した構造となっており、この外筒21側を質量体クロスメンバ14側に固定すると共に、支持管22側を前記フロア10から延びる支持ロッド24に挿入し、その下端部を前記補剛クロスメンバ17で支持することでその質量体クロスメンバ14をフロア10に対して振動自在に弾性支持するようになっている。
【0015】
なお、図2および図3に示すように、トランスミッションなどのフロア下部品13を弾性支持する第1の弾性支持体15、15もその下部から延びる支持ロッド25、25が質量体クロスメンバ14に形成された貫通孔26、26を貫通するように挿入されており、この支持ロッド25、25によって質量体クロスメンバ14の上下方向の変位を許容しつつ質量体クロスメンバ14からの第1の弾性支持体15、15などの脱落を防止するようになっている。
【0016】
そして、このような構成をした本発明のフロア下部品支持構造にあっては、先ず、フロア10の一部を上方に隆起させて形成した配置部11内にトランスミッションなどのフロア下部品13を格納するような状態で支持するようにしたことから、フロア10下にフロア下部品13を配置するスペースが必要がなくなるため、車両の最低地上高を犠牲にすることがない。
【0017】
また、図2および図7などに示すように、この質量体クロスメンバ14の両端を直接フロア10側に直接に固定するのではなく、第2の弾性支持体16、16を介してそれぞれフロア側に振動自在に連結するようにしたため、この質量体クロスメンバ14がダイナミックダンパとして機能することから、トランスミッションなどのフロア下部品13から発生する振動も効果的に抑制することができる。
【0018】
図10は、このようなフロア下部品支持構造を採用した車両の振動モデルを示す模式図である。
図示するように、一般にトランスアクスル構造の車両は、エンジン(ENG)が車体前方のフロントサスペンションメンバ(FSM)にエンジンマウントなどによって弾性支持され、トランスミッションやデフギアなどのトランスアクスル(T/AXLE)がリアサスペンションメンバ(RSM)に弾性部材を介してそれぞれ弾性支持されている。
【0019】
このようなトランスアクスル構造の車両にあっては、エンジンの振動がプロペラシャフト(P/S)を伝達してトランスアクスルの前端部を加振することでその振動(250Hz〜800Hz)が弾性体を介して車体に入力される。また、このエンジンの振動に加え、トランスアクスルでは800Hz〜2000Hzの歯打ち振動が発生するため、この歯打ち振動がエンジンの振動と共に車体に入力される。
【0020】
すなわち、一般的なトランスアクスル構造の車両は、そのトランスアクスルから車体に対して約250Hz〜2000Hzの広範囲の振動が入力されることになる。
このようなフロントアクスルからの車体入力振動を低減させるためには、リアサスペンションメンバなどを低剛性化することが考えられるが、トランスアクスルは、大きな駆動反力を受けるため、これを支持するためのリアサスペンションメンバなどの低剛性化には限界がある。
【0021】
そこで、本発明のフロア下部品支持構造は、トランスアクスルをフロア下に支持するためのクロスメンバをさらにダイナミックダンパの質量体として機能させるようにしたものである。
ここで本発明でいうダイナミックダンパとは、ある起振源の主振動体Mと、質量体mがあり、これらが起振側弾性体K1および制振側弾性体K2で繋がれているとき、質量体mの固有振動周波数f以上では、主振動体Mのエネルギーが質量体mに渡され、質量体mが入力方向とは逆方向に大きく振動、すなわち主振動体Mとは逆位相の振動モードで振動することで質量体mと制振側弾性体K2で決まる車体に伝わる入力を低減する機能を発揮するものをいう(防振効果)。
【0022】
そして、本発明のフロア下部品支持構造にあっては、図2に示すようにトランスミッション13aなどのフロア下部品13が主振動体Mに相当し、質量体クロスメンバ14が質量体mに相当し、第1の弾性支持体15、15が起振側弾性体K1に相当し、第2の弾性支持体16、16が制振側弾性体K2に相当する機能を発揮することでフロア下部品13で発生する振動をダイナミックダンパ効果によって低減するようにしたものである。
ここで、十分なダイナミックダンパ効果を得るためには、質量体mである質量体クロスメンバ14の重さや、起振側弾性体K1である第1の弾性支持体15、15や、制振側弾性体K2である第2の弾性支持体16、16の剛性などを適宜調整することが必要となってくる。
【0023】
例えば、加速時騒音領域(250Hz)の振動を抑制のターゲットとする場合、先ず、質量体mである質量体クロスメンバ14の重さは、車両の重量増のよる動力性能や燃費の観点からできるだけ小さくすることが望ましい。このことから、入力振動を最小にできる各弾性体K1、K2の剛性は、以下のように決定することができる。
(K1・K2)/K1+K2≧F/X
ここで、Fは主振動体Mの取り付け点に入力される力であり、Xは主振動体Mの移動可能量を示すものである。
このようにして求められた各弾性体K1、K2の剛性と、効果を得たい周波数250Hzをルート2で割った値である、f=170Hzから2自由度の計算式で質量体mが決定される。
一例を挙げると、M=28.5Kg、K1=3030N/mm、K2=1510N/mmとすると、m=4kgとなる。
【0024】
図8は、従来の防振機能に加えてこのようなダイナミックダンパによる防振機能を付加した場合の騒音低減効果の一例を示したものであり、本発明に係るいわゆる2重防振を施した場合では、従来のいわゆる1重防振の場合に比べて、約200Hzを超えたあたりから格段に優れた振動低減効果を得ることが可能となった。
また、本発明のフロア下部品支持構造は、このようなダイナミックダンパ効果を発揮する質量体クロスメンバ14に加えてその下部にトンネル11を横断するように補剛クロスメンバ17を備えたことから、フロア下部品13を収容するトンネル11を設けることによって低下したフロア10の剛性を容易に向上させることが可能となり、トンネル11の開きや変形などを確実に防止することができる。
【0025】
また、この補剛クロスメンバ17を質量体クロスメンバ14に対して上下、かつ直線状に重なり合うように配置したしたことから、第2の弾性支持体16、16が劣化した場合でもその質量体クロスメンバ14(フロア下部品13)が落下するといった事態を防止することができる。
また、図4に示すように、この補剛クロスメンバ17の中間部は上方に隆起してその上方の質量体クロスメンバ14下面の嵌合溝14a内に嵌合した状態で配置されることから、補剛クロスメンバ17を設けても、フロア下のスペースや車両の最低地上高を犠牲にするようなこともない。
【0026】
さらに、この補剛クロスメンバ17は、その一部が質量体クロスメンバ14に嵌合した状態で配置されているにも拘わらず、図4に示すように両者は所定の間隙Cを隔てて位置していることから、質量体クロスメンバ14の動きを規制することがないため、前述したようなダイナミックダンパ効果を制限することもない。
さらに、万一、質量体クロスメンバ14に大きな曲げや捻りモーメントなどが加わった場合には、この補剛クロスメンバ17が質量体クロスメンバ14を補強するように機能するため、質量体クロスメンバ14やその連結部(第2の弾性支持体16)などの損傷を防止することも可能となる。
【0027】
次に、このような本発明のフロア下部品支持構造の他の実施の形態を説明する。
先ず、図11および図12は、本発明のフロア下部品支持構造に係る第2の実施の形態を示したものである。
すなわち、前記第1の実施の形態では、質量体クロスメンバ14の下面に嵌合溝14aを形成し、その下方に位置する補剛クロスメンバ17を隆起させてその嵌合溝14aに嵌合するように配置することで、フロア下の省スペース化、最低地上高の確保、質量体クロスメンバ14の補強などを図るようにしたものであるが、本実施の形態では、それぞれ図12に示すように、断面四角形状をした質量体クロスメンバ14の下面および補剛クロスメンバ17の上面をそれぞれ斜め方向にカットして断面三角形状とし、それらのカット面同士が向き合うように所定の間隙を隔てて配置したものである。
【0028】
これによって、前記第1の実施の形態と同様な効果を得ることができる。
また、図13は、本発明のフロア下部品支持構造に係る第3の実施の形態を示したものであり、前述した質量体クロスメンバ14側にハンガー部材27、27を設け、そのハンガー部材27、27に架け渡された支持部材28などによって排気ラインを構成する排気管などのフロア下部品29を吊下するように支持したものである。
これによって、排気管などのフロア下部品28を質量体クロスメンバ14と共にダイナミックダンパの質量体として機能させることが可能となると共に、排気管自体の振動も同時に抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係るフロア下部品支持構造の第1の実施の形態を示す底面図である。
【図2】図1中A−A線矢視図である。
【図3】補剛クロスメンバ上に質量体クロスメンバを組み合わせた状態を示す平面図である。
【図4】図1中A−A線拡大断面図である。
【図5】補剛クロスメンバを示す斜視図である。
【図6】補剛クロスメンバ上に質量体クロスメンバを組み合わせた状態を示す斜視図である。
【図7】図2中S部を示す部分拡大図である。
【図8】本発明に係るフロア下部品支持構造(2重防振)と、従来支持構造(1重防振)とにおける振動低減効果の一例を示すグラフ図である。
【図9】(A)は、第2の弾性支持部材の一例を示す縦断面図、(B)はその平面図である。
【図10】本発明のフロア下部品支持構造を採用した車両の振動モデルを示す模式図である。
【図11】本発明に係るフロア下部品支持構造の第2の実施の形態を示す背面図である。
【図12】図11中A−A線拡大断面図である。
【図13】本発明に係るフロア下部品支持構造の第3の実施の形態を示す背面図である。
【符号の説明】
【0030】
10 フロア
11 トンネル(配置部)
13 トランスアクスル(フロア下部品)
14 質量体クロスメンバ
14a 嵌合溝
15 第1の弾性支持体
16 第2の弾性支持体
17 補剛クロスメンバ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体のフロア下に配置するフロア下部品を支持するフロア下部品支持構造であって、
前記フロアの一部を上方に隆起させて当該フロアに前記フロア下部品を格納して配置する配置部を形成し、当該配置部に配置された前記フロア下部品を第1の弾性支持体を介して質量体クロスメンバで支持すると共に、当該質量体クロスメンバの両端を第2の弾性支持体を介してそれぞれ前記フロア側に振動自在に連結したことを特徴とするフロア下部品支持構造。
【請求項2】
請求項1に記載のフロア下部品支持構造において、
前記質量体クロスメンバの下方に、所定の間隙を隔てて前記配置部を横断するように補剛クロスメンバを設けたことを特徴とするフロア下部品支持構造。
【請求項3】
請求項2に記載のフロア下部品支持構造において、
前記質量体クロスメンバの下面に、断面コ字形状の嵌合溝を形成し、当該嵌合溝内に前記補剛クロスメンバが所定の隙間を介して配置されるように前記補剛クロスメンバを設けたことを特徴とするフロア下部品支持構造。
【請求項4】
請求項3に記載のフロア下部品支持構造において、
前記質量体クロスメンバと前記補剛クロスメンバとが直線状に重なり合うように前記補剛クロスメンバを設けたことを特徴とするフロア下部品支持構造。
【請求項5】
請求項2に記載のフロア下部品支持構造において、
前記質量体クロスメンバの下面と、前記補剛クロスメンバの上面とをそれぞれ所定の感激を隔てて斜め方向に対向するように傾斜させて形成したことを特徴とするフロア下部品支持構造。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のフロア下部品支持構造において、
前記質量体クロスメンバにさらに他のフロア下部品を支持したことを特徴とするフロア下部品支持構造。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のフロア下部品支持構造において、
前記質量体クロスメンバとその両端の第1の弾性支持体とで構成される振動体の振動モードが、前記フロア下部品の振動モードに対して逆位相となるように前記前記質量体クロスメンバの質量と、その両端の第1の弾性支持体の弾性特性を決定することを特徴とするフロア下部品支持構造。
【請求項8】
車体のフロア下に配置するフロア下部品を支持するフロア下部品支持構造であって、
前記フロア下部品を第1の弾性支持体を介して質量体クロスメンバで支持すると共に、当該質量体クロスメンバの両端を第2の弾性支持体を介してそれぞれ前記フロア側に振動自在に連結して質量体クロスメンバを前記フロア下部品の振動を抑制するダイナミックダンパの質量体として機能させることを特徴とするフロア下部品支持構造。
【請求項1】
車体のフロア下に配置するフロア下部品を支持するフロア下部品支持構造であって、
前記フロアの一部を上方に隆起させて当該フロアに前記フロア下部品を格納して配置する配置部を形成し、当該配置部に配置された前記フロア下部品を第1の弾性支持体を介して質量体クロスメンバで支持すると共に、当該質量体クロスメンバの両端を第2の弾性支持体を介してそれぞれ前記フロア側に振動自在に連結したことを特徴とするフロア下部品支持構造。
【請求項2】
請求項1に記載のフロア下部品支持構造において、
前記質量体クロスメンバの下方に、所定の間隙を隔てて前記配置部を横断するように補剛クロスメンバを設けたことを特徴とするフロア下部品支持構造。
【請求項3】
請求項2に記載のフロア下部品支持構造において、
前記質量体クロスメンバの下面に、断面コ字形状の嵌合溝を形成し、当該嵌合溝内に前記補剛クロスメンバが所定の隙間を介して配置されるように前記補剛クロスメンバを設けたことを特徴とするフロア下部品支持構造。
【請求項4】
請求項3に記載のフロア下部品支持構造において、
前記質量体クロスメンバと前記補剛クロスメンバとが直線状に重なり合うように前記補剛クロスメンバを設けたことを特徴とするフロア下部品支持構造。
【請求項5】
請求項2に記載のフロア下部品支持構造において、
前記質量体クロスメンバの下面と、前記補剛クロスメンバの上面とをそれぞれ所定の感激を隔てて斜め方向に対向するように傾斜させて形成したことを特徴とするフロア下部品支持構造。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のフロア下部品支持構造において、
前記質量体クロスメンバにさらに他のフロア下部品を支持したことを特徴とするフロア下部品支持構造。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のフロア下部品支持構造において、
前記質量体クロスメンバとその両端の第1の弾性支持体とで構成される振動体の振動モードが、前記フロア下部品の振動モードに対して逆位相となるように前記前記質量体クロスメンバの質量と、その両端の第1の弾性支持体の弾性特性を決定することを特徴とするフロア下部品支持構造。
【請求項8】
車体のフロア下に配置するフロア下部品を支持するフロア下部品支持構造であって、
前記フロア下部品を第1の弾性支持体を介して質量体クロスメンバで支持すると共に、当該質量体クロスメンバの両端を第2の弾性支持体を介してそれぞれ前記フロア側に振動自在に連結して質量体クロスメンバを前記フロア下部品の振動を抑制するダイナミックダンパの質量体として機能させることを特徴とするフロア下部品支持構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−341750(P2006−341750A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−169758(P2005−169758)
【出願日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]