ブイ式懸濁液分画システム
遠心分離を用いて血液等の懸濁液を分画する分離器10は、分離容器12及びブイ30を備える。ブイ30は、分離容器12内に設けられており、懸濁液中で平衡位置に到達するように構成される調整された密度を有する。案内面42が、ブイ上面上に設けられており、ブイ周囲の付近にある集積位置の方に傾いている。ブイ式懸濁液分画システム10は、懸濁液から画分を単離する方法と、微粒子を取り出すために微粒子を再懸濁する方法とで用いることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本教示は、比重差を用いて血液等の懸濁液を分画する分離器に関する。
【背景技術】
【0002】
血液、骨髄穿刺液、及び脂肪組織等の懸濁液の単離された自己由来の(autologous)画分、すなわち、濃厚血小板、乏血小板血漿、及び間質細胞等の画分の治療への適用及び実験への適用が広範であることが、臨床医によって確認されてきた。臨床医は概して、ポイントオブケア(point-of-care)で自己由来の懸濁液を採取及び分画することを好む。ポイントオブケアでの分画によって、自己由来の懸濁液を採取及び分画するために、費用がかかり不便である予約を何回も行うことの必要性を減らすことができる。さらに、ポイントオブケアでの調合により、患者から自己由来の懸濁液が取り出されると始まる自己由来の懸濁液が劣化する可能性が減る。ポイントオブケア分画システムは、臨床医に広範な指示を与える必要性を減らすように操作しやすくなっているべきであり、患者の1回の来所で治療用の画分を単離し投与することができるように迅速なものであり、画分を所望の濃度に効果的に単離するのに効率がよく、且つ多種多様な懸濁液の特性に対して機能するために再現性を有するべきである。ブイ(buoy)に基づく懸濁液分画システムの一例が、Biomet Biologics, Inc.の海外向け案内書「Gravitational Platelet Separation System Accelerating the Body's Natural Healing Process」(2006年)に示されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
ブイ式懸濁液分画システムは、分離容器及びブイを備える。分離容器は、容器壁、容器底部、及び容器上部により囲まれる容積、並びに容積に通じるためのアクセス口を形成する。ブイは、分離容器内に入れられており、懸濁液中で平衡位置に到達するように構成される調整された密度を有する。ブイは、高さ、横寸法、及び周囲を形成するブイ上面及びブイ側壁を備える。ブイは、案内面とブイ上面の上方の回収空間とをさらに備える。案内面は、ブイ上面の上に設けられており、ブイの周囲の付近にある集積位置の方に傾いている。ブイ式懸濁液分画システムは、懸濁液から画分を単離する方法と、画分を単離し且つ単離した微粒子を取り出すために再懸濁する方法とで用いることができる。
【0004】
本教示は、詳細な説明及び添付図面からより深く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】遠心分離プロセス中に分画される懸濁液を含む分画装置の状況図である。
【図2】分画装置に懸濁液を加えている状況図である。
【図3】遠心分離機の状況図である。
【図4】分画装置から第1の画分を除去している状況図である。
【図5】第2の画分中の一部を再懸濁するように分画装置を攪拌している状況図である。
【図6】分画装置から第2の画分を除去している状況図である。
【図7】第2の画分の治療への適用の状況図である。
【図8】分離容器及びブイの状況図である。
【図9A】種々の実施形態によるブイの平面図である。
【図9A1】選択された横断面におけるブイの平面図である。
【図9A2】選択された横断面におけるブイの平面図である。
【図9B】図2Aのブイの断面図である。
【図10】種々の実施形態によるブイの斜視図である。
【図11A】種々の実施形態によるブイの斜視図である。
【図11B】種々の実施形態による閉鎖位置にあるブイの斜視図である。
【図12】種々の実施形態によるブイの斜視図である。
【図13】種々の実施形態によるブイの斜視図である。
【図14】種々の実施形態によるブイの平面図である。
【図15】種々の実施形態によるブイの平面図である。
【図16】種々の実施形態によるブイの平面図である。
【図17】種々の実施形態によるブイの平面図である。
【図18】種々の実施形態によるブイの平面図である。
【図19】種々の実施形態による分離装置から選択された要素を取り出している状況図である。
【図20】懸濁液の選択された要素の分離及び抜き取り用の、種々の実施形態によるキットである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1は、種々の実施形態によるブイ式懸濁液分画システム10を示し、ブイ式懸濁液分画システム10は、患者から取り出された懸濁液若しくは多成分物質から、又は、患者からの摘出物若しくは切除物の検体(preparation)から、画分を単離するために、臨床環境又は実験室環境で用いられることができる。懸濁液としては、血液、骨髄穿刺液、脳脊髄液、及び脂肪組織の試料が挙げられ、単離された画分としては、血小板、乏血小板血漿、多血小板血漿、及び間質細胞が挙げられる。単離された画分はそれぞれ、分離が行われると到達する平衡点又は平衡位置を分離容器内に有することができる。例えば、全血のバフィコート(buffy coat)は、全血の試料が分離されるときに赤血球の平衡位置よりも上に平衡位置を有することができる。
【0007】
単離された画分は、様々な臨床への用途、動物への用途、及び実験への用途に用いられることができる。臨床への用途の一部としては、末梢血管疾患、整形外科、形成外科、口腔外科、胸部外科、脳神経手術、及び創傷治癒が挙げられる。実験への用途としては、分画システムによって生成される画分から、治療用物質又は分析用物質を単離すること、生成すること、又は合成することが挙げられる。
【0008】
分画システム10は、例えば保存血液と共に、同種異系で(allogeneically)使用することができるが、分画システム10は、自己由来で(autologously)用いられて、病原性疾患を伴った不適合性及び汚染の潜在的リスクを減らすことができる。また、脳脊髄液を含む他の自己由来の物質を用いてもよく、脳脊髄液は、脊椎穿刺又は他の適切な回収手法によって得ることができる。分画システムの概説は、Biomet Biologics, Inc.の海外向け案内書「Gravitation Platelet Separation System Accelerating the Body's Natural Healing Process」(2006年)に与えられている。そして、濃厚血小板を用いた治療手法の説明は、参照により本明細書に援用されるBiomet Biologics, Inc.海外向け案内書「Shoulder Recovery with the GPS(登録商標)Platelet Concentration System」(2004年)に示されている。
【0009】
図2〜図7は、臨床治療へ適用する実施形態に関する例示的な分画システムの操作手順を示す。操作手順は、図2において、アクセス口22を介して分画システム10に自己の(但し、保存血液を用いてもよい)全血を入れることによって始まる。分画システム10を、図3の遠心分離機23に入れ、約320rpm〜約500rpmの速度で約5分間〜約20分間回転させる(この速度により、[標準重力よりも何倍も大きい]約7.17xg〜約1750xgの選択された重力を生じさせることができる)。第1の画分又は上部画分308(図1)は、全血試料からのものを含んだ種々の実施形態による乏血小板血漿であってよく、図4では除去されて示されている。図5において、第2の画分310の少なくとも一部を再懸濁するように分画システム10を攪拌する。第2の画分310は、全血分画からのものを含む種々の実施形態によるものであり、多血小板血漿又は濃厚血小板であってよい。図6において、分画システム10から第2の画分を取り出す。最後に、図7に示す肘腱炎の治療等のために治療の一部として第2の画分を適用する。第2の画分は、腱炎を治療するために肘29の選択した部分に注射することができる。
【0010】
容器12に入れられる物質に応じてブイ30が変更され得ることを理解されたい。例えば、神経幹細胞を脳脊髄液から分離しようとする場合、ブイ30は、システム12の回収区域52に神経幹細胞を回収することができるような密度を有し得る。回収された神経幹細胞は、治療上の理由のために適用することもでき、又は実験室検査、単離検査、培養検査等で用いることもできる。
【0011】
図1を再度参照し、図8〜図9Bをさらに参照すると、懸濁液分画システム10は、分離容器12及びブイ30を備える。分離容器12は、容積21を囲む容器壁部16、容器底部18、及び容器上部20を有する分離管であってよく、容積21には、1つ以上のアクセス口22、26、27及び容器通気口31を介して入ることができる。容器12は、Cyro Industries Evonik Degussa Corp.により販売されているCryolite Med(登録商標)2材料等の任意の適切な材料から形成することができる。容器12は、約102mmの高さ等の約50mm〜約150mmの高さとすることができる。容器12は、約25mm〜約35mm等の約20mm〜約40mmの内径を有し、約30ml〜約60ml等の約30ml〜約100mlの容積とすることができる。ブイ30が分離容器12にぴったり合う形状である限り、分離容器12は、楕円形等の任意の適切な形状を有することができる。特に図示されていないが、分離容器12は、分離管及び分離管12から管の中身を移すための区域等、2つ以上の区画を有することもできる。例えば、別個の区画は、別の区域とは別個になったブイ30及び分離体32のアセンブリを収容するために、形成されてもよい。
【0012】
種々の開口22、26、及び27は、容器12の任意の適切な区画へ通じることを可能にするように設けることができる。アクセス口22、26、27は、分離容器12の外側から分離容器の容積21への連通を可能にする任意の手段であってよく、この手段は、ルアーロック(Luer lock)のポート、隔壁、弁、又は他の開口等であってよい。容器通気口31は、分離容器12の内側と外側との間での空気の移動を可能にし、懸濁液が分離容器12に導入されるか又は分離容器12から取り出されるときに圧力を均等にする。容器通気口31は、無菌バリアとしての役割を果たす通気フィルタ31aを有し、空気が分離容器12に入ることを可能にする一方で望まれない物質が分離容器12に入るのを防止することができる。
【0013】
分離容器12を静止させているときには、ブイ周囲部30a及び容器壁部16は、分離容器12内の同じ位置にブイ30を保持する締まり嵌めを形成するような寸法とすることができる。分離容器12が遠心分離にかけられるときには、ブイ周囲部30a及び容器壁部16は、分離容器12内でブイ30が移動し物質がブイ周囲部30aと容器壁部16との間を通過することを可能にする隙間を有する。例えば、容器12は、軸方向に圧縮されてその内径を増大させることができる。あるいは、ブイ30が、中央若しくは内部に位置する開口176等の開口(例えば、図16参照)又はブイの高さ方向に延びる周縁のチャネル168a(図13)を有することもでき、これらは物質がブイを通って移動することを可能にする。
【0014】
ブイ30は、分離容器12内に入れられており、懸濁液中で選択された平衡位置に到達するように構成される調整された密度を有する。ブイの密度は、約1.06g/cc等の約1.0g/cc〜約1.10g/ccの範囲内で調整され得る。種々の実施形態によれば、ブイ30は、調整された密度を有するように形成し、そして、調整された密度を得るために1つ以上の材料から形成することができる。
【0015】
例えば、約1.06g/ccの密度では、ブイ30、又は回収区域52を含むブイ30の選択部分は、分離された全血試料のうちのバフィコートの平衡位置に位置を合わせることができる。さらなる例では、密度は、選択された懸濁液中で神経幹細胞が集まる位置等の平衡位置の付近に回収区域52があるように調整することもできる。ブイ30の密度がいかなるものであろうとも、選択した物質の平衡位置にブイ30の位置を合わせるために、密度は選択され得る。
【0016】
図1に示すように、回収区域52は、分離処置が行われた後で容器12内で位置が決められる。ブイ30に対して定められる回収区域は、容器内の分離又は単離された画分310の平衡位置に位置する。選択された画分の平衡位置は、分離された試料又は分離された物質の、容器内の他の画分に対する容器内の位置として、規定することができる。平衡位置は、ブイ30又は容器12の軸Xに対しても規定することができる。しかしながら、平衡位置は、試料のうちで、選択された画分量の試料の量に応じて決まる。図1の説明図によれば、画分308の平衡位置は、画分310の平衡位置よりも上にあるか又は画分310の平衡位置よりも容器12の上部20に近い。それ故、ブイ30は、選択された密度又は選択された比重を有するように調整されて、任意の選択された画分の平衡位置に対して回収区域52を位置決めすることができる。
【0017】
ブイは、本明細書でさらに説明するブイ上面48及びブイ側壁38、40を備え、これらは、高さH1、H2、平面A1、A2における横寸法、及び周囲部30aを定める。ブイは、案内面42をさらに備える。実施形態によっては、ブイは、回収口50及び精密回収領域(region)44をさらに備えることができる。回収口50は、アクセス口27と連通し、且つブイ上面42の上方の回収空間52と連通し、ブイ周囲部30a付近に位置することができる。実施形態によっては、回収口50は、ブイ上に設けられているのではなく、管12のアクセス口又は上部に挿入されるシリンジ等の取り出し装置である。
【0018】
図9Aを参照すると、ブイ30は、第1の高さ寸法H1、第2の高さ寸法H2、平面A1における最大幅又は横断面積W1、平面A2における第2の幅又は横断面積W2、案内面角度α、及び、精密回収領域角度βを規定する表面46を含む精密回収区域44を有する。種々の実施形態によると、ブイ30の高さは、容器12の長手方向軸Xであってもよい中心軸Xに対して定めることができる。ブイ30及び容器12の側壁は、軸Xと実質的に平行とすることもできる。図9Aには特定の寸法が示されているが、ブイ周囲部は、分離容器12と一致する限り異なる形状にすることもできる。
【0019】
案内面42は、ブイ上面48上に設けられる且つ/又はブイ上面48によって規定され、ブイ周囲部又はその付近の集積位置の方に傾いている。案内面42は、粒子を平衡界面又は回収領域に向かって斜面の下方に運ぶ案内手段として働く。案内面42は、ブイの横寸法の約2/3(3分の2)等のブイ横寸法又は幅W1の1/2(2分の1)を超える距離にわたってブイ側壁38の高さ方向に対して傾いていてもよく、種々の実施形態では、実質的に案内面42の全長にわたってブイ側壁38に対して傾いていてもよい。
【0020】
案内面42は、実質的に平面状とすることができ、微粒子が案内面を下って移動する最低限度以上の平均角度を有していてよく、その角度は、血小板に関しては、例えば約10度〜約60度の範囲である。例えば、角度αは、約30度〜約89度等の約5度〜約89度以上であってよい。例示的な角度αは、種々の実施形態ではちょうど60度又は約60度となり得る。実施形態によっては、案内面は、図10及び図12に示すような複数の角度を伴った案内面において画定される輪郭を含んでよい。例えば、図10では、種々の実施形態によると、ブイ80が、案内面100の形成を補助する2つの案内面輪郭壁部96、98を有し得る。2つの壁部96、98は、案内面100の2/3(3分の2)を超える距離等の選択された距離にわたって案内面100を横切って延びる凹部を形成することができる。凹部は、案内面において、周囲の区域よりも低くなった区域を形成することができる。穴94と連通し且つ輪郭が付けられた精密回収領域92も形成することができる。図12では、ブイ140は、中央等の選択された領域に向かって傾いた2つの傾斜面154、156を含む案内面152を有することができる。案内面全体は、上述のような量だけ回収口158の方に傾けてもよい。
【0021】
種々の実施形態では、図9A、図9A1、及び図9A2に例示的に示すように、異なるブイ横断面積W1、W2を、A1、A2等の種々の平面において規定することができる。図示のように、ブイ30は、角度の付いた上壁部42に基づき、種々の横断面積を形成する。種々の平面A1、A2において定まる横断面積は、密度、高さH2、角度α等のブイ30の特性に基づいて選択された場所に位置することができる。W2に関する幅寸法は、約1.347インチ等の1インチ〜約2インチ(約34.21mm等の約25mm〜約51mm)であってよい。W1の寸法は、平面A1の選択した場所に応じて決まる。これらの寸法によって、ブイ30の形状に応じて種々の面積が形成されることができる。とはいえ、平面A2における面積は、容器12内の横断面での面積と実質的に同じとなり得る。
【0022】
使用時に、ブイ30の実質的に最大の横断面積W1は、選択された場所に配置することができる。図9A1に示すように、最大断面積は平面A1にある。平面A1は、使用時に、選択された平衡界面又はその付近に位置することができる。平面A1の位置は、ブイ30の密度の選択、及び、ブイ30が入れられる物質の既知密度又は推定密度によって選択される。対象とする又は選択される界面付近にブイの最大横断面積があることによって、ブイが界面に対して軸方向に変化すると、平衡界面下方の画分の相対体積の移動が実質的に最大になり、且つ、平衡界面上方の画分の移動が実質的に最大になる。これは、最大横断面が選択された界面において容器12内の最大量の面積を移動させることを確実にすることによって、分画単離を改善することができる。例えば、90%を超える全血の血小板を単離することができる。
【0023】
それ故、全血等の懸濁液すなわち試料間の組成が可変である懸濁液を扱う適用において、試料密度が変化しても、選択された平衡界面に対するブイの軸方向における変化は最小になる。容器12内でブイ30の軸方向位置の変化が最小であることは、ブイ30の最大横断面で容器内の物質の移動が最大であることに少なくとも一部基づいている。換言すれば、ブイ30の軸方向位置がわずかに変化するごとに、最大の移動が生じる。選択された用途では、選択された位置にブイの最大横断面A1が設けられており、軸方向変化が最小であることは、平面A1を正確に配置するのを確実にする助けになる。
【0024】
さらに、ブイの最大横断面積又はその付近では、分画された物質の断面積は最小に近い。単純に、選択された位置での容器12内では、ブイ30の最大横断面が選択された位置にある場合、同じ場所には他の物質は相対的に最小の量しか存在し得ない。分画された物質の断面積を最小化することと、平衡界面に対するブイの軸方向の変化を最小化することとを組み合わせると、界面付近での分画された物質の体積の変動が最小化される。
【0025】
精密回収領域44、92(図9A、図9B、及び図10)は、案内面とブイ周囲部又はブイ周囲部の付近の集積位置との間に介在させることができる。精密回収領域44、92は、正確な量、高収率な量、且つ/又は純粋な量である選択された画分を回収するための精密回収構造としての役割を果たす。精密回収領域44、92は、ブイ周囲部に対して上に上げられる又は下に下げられ、それにより、ブイの他の設計上の特徴に実質的な変更を加える必要なく、回収領域における画分を変えることができる。換言すれば、寸法H1を変えることができる。概して、高さH2は、約2.5mm〜約5.1mmとなり得る。高さH1は、概して高さH2及び角度αによって制約される。種々の実施形態によれば、精密回収領域44は、図9Aに示すように、側壁40に対して角度βで形成されている。角度βは、約45度等の約10度〜約60度等の任意の適切な角度とすることができる。種々の実施形態によれば、精密回収領域92は図10のように輪郭が付けられてもよい。
【0026】
種々の実施形態によれば、分離体32がブイ30に結合される。種々の実施形態によると、分離体及びブイの組み合わせは、分離アセンブリ部材と呼ぶこともできる。例示的な分離体82、122、170、180、190が、例示的なブイ80、120、140、160、182、192に結合されて図示されている。例えば、分離体32は、回収区画52を作る手段を提供し、そして、1つ以上のスペーサ58、60を備え、回収区画52を作るように分離体32をブイ30から離して位置決めする。取り出し口70は、分離体32上に設けられて、取り出し口27及び回収口50を連通することができる。スペーサ58、60は、回収口50と取り出し又は取り出し口27との間の導管68としての役割も果たすことができる。取り出し口27は、単離された画分又は第2の画分310を回収区画52から取り出すための構造としての役割を果たす。
【0027】
分離体32は、約1.0g/cc以下の密度等のブイ30よりも低い密度の材料から構成することができる。分離体32の体積は、ブイ30の体積よりも実質的に小さくすることができる。分離体32は、選択された平衡界面の下方における分離体の体積及びブイの体積の組み合わせが、平衡界面の上方における分離体の体積及びブイの体積の組み合わせよりも大きくなるように構成することができる。上述のように、平衡界面は、遠心分離された全血試料からの濃厚血小板又はバフィコートに対する位置を含み、この位置は、濃厚血小板又はバフィコートの位置又はその直下の位置等となり得る。分離体32及びブイ30を、平衡界面の上方よりも平衡界面の下方の体積を大きく構成することによって、ブイ30は、全血等の組成物における変化の範囲が広くても、その範囲内でより高い再現性で機能する。なお、全血等の組成物では、密度の高い画分(例えば、赤血球)における密度の変動が密度の低い画分(例えば、血漿)における密度の変動よりも小さい。例えば、全血試料の構成は、患者間で著しく異なり得る。
【0028】
個々の患者間では、全血試料の赤血球(red blood cell or erythrocyte)画分の密度は、全血試料の血漿部分又は血清部分の密度よりも概して小さく変化する。それ故、密度の高い画分中に分離体及びブイの体積を多く配置するほど、全血試料の回収又は分離の再現性及び効率を高めることができる。高さH2は、分離体及びブイが最大体積又は選択された体積で全血試料の密度の高い画分中に配置されることを確実にするために、変更又は選択され得る。
【0029】
種々の実施形態によれば、分離体は種々の特徴を含んでもよい。図11A及び図11Bに示すように、分離体122は、ブイ120に対して移動するように構成することができる。分離体122は、選択された画分の抜き取り中に支柱又はスペーサ132に沿って矢印123の方向に移動することができる。分離体32、82は、実質的に均一な厚さであってもよく、又は厚さが変わってもよい(122、180、190)。
【0030】
分離体170は、回収開口174を有することができる(図13)。分離体32も、回収通気口67を有することができ(図9A)、回収通気口67は、回収弁、回収路、又は回収通気管又は通路203も含んでよい。回収開口174は、脆弱で粘着性である血小板等の粒子が案内面162に到達するまで進む距離を縮めるとともに、粒子が表面と接触する時間を縮めることができる。種々のタイプの回収開口を用いることができる。
【0031】
回収開口174は、選択された粒子の通過を許すようなサイズではあるが十分に小さいので、懸濁液の張力により回収区画の適切な単離が維持される。回収開口は、或る条件下では開いて他の条件下では閉じることができる、ダックビル又はフラッパービル(flapper bill)等の種々の弁を含むこともできる。回収弁は、回収口70又は通路68等の任意の適切な部分と相互接続することができる。
【0032】
分離体32を通る回収通気通路67は、回収区域52から液体が取り出されるときに圧力を均等にする。スペーサ58は、回収通気通路67、回収口50、又はこれら両方のための導管としての役割を果たすことができる。回収弁は、回収通気通路67と連通して、回収通気通路67の作用を制御し再懸濁攪拌中には回収通気通路67を閉じる。回収通気管203は、回収通気通路67及び空気に連通する。空気は、回収区域52の上方の空気(すなわち、分離体32の上方の懸濁液の部分が除去されている)である、又は容器壁の開口205を通り且つ通常無菌バリア(例えば、無菌発泡フィルタ)を通る空気であってよい。回収通気管203は、分離体32の上方の血漿等の画分を除去する必要なく、回収区画内の分画された懸濁液を取り出すことを可能にする。但し、回収通気管203がなければ、分離体の上方の画分が除去され、回収区域が分離体の上方の区域に通じるようにすることができる。
【0033】
種々の実施形態は、回収区画128内に設けられている機械的な攪拌器130をさらに備える(例えば、図11A及び図11B)。
【0034】
分離体122は、ブイ120に対して可動である。分離体122は、分離容器の遠心分離後に開放位置にすることができる。回収穴134を通して回収区画から物質を取り出す間に、分離体122は、ブイ120に向かって矢印123で示す方向に移動して、回収区画128の体積を減らすか又はなくす(close)ことができる。
【0035】
ブイ30は、図9Aに示すもののように、異なる寸法を有して、複数の選択可能なサイズで形成することもできる。ブイ30の軸方向寸法は、特に分画が行われた後で、容器12内で懸濁液の適切な移動を達成するために選択することができる。外縁38と面42との間で形成される角度αは、任意の選択された角度であってよい。例えば、角度αは、約60度等の約30度〜約80度とすることができる。角度αは、概して、面42を入口50に向かって急角度にすることを可能にするようにできる限り小さくすることができ、この角度は、回収空間52内に回収されている物質が損傷を受けることがないものである。上述のように、分離システム内で分離される試料の選択された画分であり、例えば密度の高い画分のような選択された画分の中に配置されるブイ30の量を決定又は選択するために、高さH2を選ぶことができる。高さH2は、約0.18インチ等の約0.1インチ〜約0.2インチ(約4.57mm等の約2.5mm〜約5.1mm)とすることができる。例示的な高さH2は、選択される用途、分離システムのサイズ、及び他の選択される因子に応じて、0.1795インチ(4.559mm)である。しかしながら、高さH1は、高さH2及び角度αによって通常決められる。高さH1は、約1インチ等の約0.8インチ〜約1.2インチ(約25mm等の約20mm〜約30mm)とすることができる。例示的な高さH1としては、1.0インチ(25mm)が挙げられ得る。入口50を含む回収区域52の位置決めは、高さH2、及び、ブイ30が入っている物質とブイ30とが高さH2を介してどのように相互作用し合うかに基づいて行うことができる。
【0036】
図17に示すように、ブイ182は、それに対して相対的に位置決めされる分離体180を有することができる。分離体180は、実質的にブイ182の中心の上に配置される中心を有してよい。ブイ182及び分離体182の中心はいずれも、それぞれ細くなった先端又は頂部184及び186によって形成することができる。
【0037】
図18に示すように、ブイ192も、分離体190に対して相対的に位置決めすることできる。ブイ192は、ブイ192の中心付近に頂部194を有し、そして、ブイ192の縁からブイ192の別の縁まで延びる案内面を有することができる。分離体190も、概ねその中心付近に頂部196を有することができる。分離体190は、分離体の縁から分離体190の別の縁まで延びる面198も有することができる。
【0038】
分離体180、190は、上述の分離体32と実質的に同様に作用することができる。分離体180、190は、頂部又は取り出し口70と分離体180、190の外縁との間に角度を形成することができる。分離体の上面は、全血試料の血小板画分のような選択された物質を、ブイ182、192の回収区域又は面42へ向けるのに役立つ角度を有することができる。通常、分離体180、190は、ブイ182、192に対する分離体180、190の体積を実質的に最小にする高さ又は体積を有することができる。上述のように、このことは、全血試料の高濃度(例えば、赤血球)の画分に対してブイ182、192を位置決めするのに役立つ。分離体180、190の角度及び分離体180、190の高さは、全血試料等の物質から選択されて回収された画分の移動距離を最短にするか又は乱れを最小にするように選択され得る。
【0039】
上述のように、ブイ式懸濁液分画システム10は、懸濁液から画分を単離する方法において用いることができる。分離容器12は、懸濁液に適した時間、遠心分離にかけられる。分離容器12内のブイ30は、形成された画分内の平衡位置に到達することができる。通常、ブイは、分離容器の底部から、画分の中の及び/又は画分の間の平衡位置へ移動する。実施形態によっては、ブイ30は、図1に示すように、平衡界面付近におけるブイの横断面の断面積が実質的にブイの最大横断面積A1になるように構成される。上述のように、ブイの設計は、全血試料での赤血球画分のような選択された画分内にブイの最大断面積を配置するように決定される。ブイの位置決めは、ブイの密度に基づき行われ、ブイの密度は、赤血球画分のような選択された画分の密度から決定することができる。したがって、ブイは、例えば分離すべき試料の赤血球画分内でブイを実質的に位置決めするような密度を有するように、作製又は形成することができる。例えば、ブイは、約1.010g/cc〜約1.1g/ccの密度を有することができる。例示的な密度としては、約1.064g/cc等の約1.058g/cc〜約1.070g/ccが挙げられる。そのようなブイの設計によって、ブイの軸方向の移動に対して、平衡界面下方の分画された懸濁液の体積移動は実質的に最大になり、且つ平衡界面上方の分画された懸濁液の体積移動は実質的に最大になるため、選択された画分の単離をより正確に制御することができる。上述のように、種々の実施形態によると、ブイは選択された領域で最大断面を有する。試料の選択された画分又は区域内に最大断面を位置決めすることで、ブイの最大断面によるブイに対する試料の移動は最大になる。換言すれば、選択された試料内にブイの最大の部分を配置することによって、試料の最大の部分が、ブイの移動に起因して移動する。
【0040】
ブイの周囲部の付近にある集積位置の方に傾いているブイの案内面42、90、138、152、162を用いて、微粒子が集結させられる。案内面は、実質的に案内面の全長にわたってブイの側壁に対して傾いていてもよい。案内面は、ブイの上壁によって形成されるか又はブイの上壁付近に配置することができる。
【0041】
微粒子は、ブイの案内面に沿って回収空間へ運ばれる。微粒子は、実質的に平面状の経路に沿って回収空間へ運ばれてもよい。しかしながら、種々の実施形態によれば、案内面は、複数の角度42、44及び152、154、並びに/又は、輪郭96、98を有することもできる。微粒子は、血小板、間質細胞、白血球等から成る群から選択することができる。
【0042】
所望の画分が、アクセス口を通して回収空間から取り出される。実施形態によっては、所望の画分は、分離容器を傾けてアクセス口から又は容器上部から所望の画分を注ぎ出すことによって、回収空間から取り出すことができる。これは、特にブイ30’、30’’、30’’’のみがあるときに当てはまる(図14、図15、及び図16)。
【0043】
実施形態によっては、画分を単離する方法は、ブイ30、80、120、140、160、180、190の案内面とブイに結合されている分離体32、82、122、142、162、182、192との間の回収区画内で単離される画分を単離すること、及び分離体を通る取り出し口を通して単離された画分を取り出すことをさらに含み得る。
【0044】
ブイ式懸濁液分画システムは、微粒子を単離及び再懸濁して取り出す方法において用いることができる。この方法は、アクセス口を通して分離容器に懸濁液を充填することによって開始する。分離容器は調整された密度をもつブイを有し、懸濁液はブイに接触することができる。
【0045】
分離容器は、懸濁液を様々な密度の画分に分離させるように遠心分離されることができる。遠心分離は、約5分間〜約30分間のような懸濁液に適した時間行われ得る。
【0046】
分離容器内のブイは、2つ以上の画分の間における液体中での平衡に到達することができる。通常、ブイは、分離容器の底部から画分内の平衡に移動する。実施形態によっては、ブイの案内面を用いて微粒子を集結させることができる。案内面は、ブイ周囲部の付近の集積位置44、92の方に傾けることができる。種々の実施形態によれば、案内面は、実質的に案内面の全長にわたってブイ側壁に対して傾いていてもよい。微粒子は、ブイの案内面に沿って回収口へ運ばれることができる。微粒子は、血小板、間質細胞、白血球等であってよい。
【0047】
ブイの案内面とブイに結合されている分離体との間の回収区画内で、画分が単離される。実施形態によっては、分離体の上方に位置する画分308があってよく、画分308は、第2の画分310の第1の増加分を取り出す前に取り出すことができる。他の実施形態では、回収通気管203によって、第2の画分310の第1の増加分を取り出す前に、分離体の上方に位置する画分308を取り出す必要をなくすことができる。
【0048】
単離された画分中の微粒子は、回収区画内で再懸濁されることができ、それは、分離容器12内の攪拌器130、316(図11A及び図19)を移動させ、単離された画分を攪拌して単離された画分中の微粒子分布をより均一にすることによって、行うことができる。実施形態によっては、攪拌器は、気泡316であり、気泡316は、空気が回収通気口58を通して入ることができる回収区画から単離された画分310の第1の増加分を取り出すことによって生まれる。他の実施形態では、攪拌器130は、回収区画内に配置される機械的な攪拌器である。
【0049】
再懸濁された単離された画分は、回収区画から取り出されてよい。
【0050】
システムの使用を説明する及び効率的にするために、種々の構成要素は、図20に示すキット320に含むことができる。キット320は、分画システム10と、遠心分離機のバランス調整に必要な場合にはカウンタウェイト容器322とを有する。キット320は、画分及び試料の抜き取り及び注入用の種々のシリンジ302、312、及び314も有することができる。キット320は、包帯3226、テープ330、止血帯328、及び種々の追加の材料も有することができる。キット320は、運搬及び殺菌のための容器332を有することができる。
【0051】
このように、ブイ式懸濁液分画システムの実施形態が開示されている。開示されたもの以外の実施形態で本教示を実施できることが、当業者には理解されるであろう。開示されている実施形態は、限定のためではなく例示のために提示されており、本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ制限される。
【技術分野】
【0001】
本教示は、比重差を用いて血液等の懸濁液を分画する分離器に関する。
【背景技術】
【0002】
血液、骨髄穿刺液、及び脂肪組織等の懸濁液の単離された自己由来の(autologous)画分、すなわち、濃厚血小板、乏血小板血漿、及び間質細胞等の画分の治療への適用及び実験への適用が広範であることが、臨床医によって確認されてきた。臨床医は概して、ポイントオブケア(point-of-care)で自己由来の懸濁液を採取及び分画することを好む。ポイントオブケアでの分画によって、自己由来の懸濁液を採取及び分画するために、費用がかかり不便である予約を何回も行うことの必要性を減らすことができる。さらに、ポイントオブケアでの調合により、患者から自己由来の懸濁液が取り出されると始まる自己由来の懸濁液が劣化する可能性が減る。ポイントオブケア分画システムは、臨床医に広範な指示を与える必要性を減らすように操作しやすくなっているべきであり、患者の1回の来所で治療用の画分を単離し投与することができるように迅速なものであり、画分を所望の濃度に効果的に単離するのに効率がよく、且つ多種多様な懸濁液の特性に対して機能するために再現性を有するべきである。ブイ(buoy)に基づく懸濁液分画システムの一例が、Biomet Biologics, Inc.の海外向け案内書「Gravitational Platelet Separation System Accelerating the Body's Natural Healing Process」(2006年)に示されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
ブイ式懸濁液分画システムは、分離容器及びブイを備える。分離容器は、容器壁、容器底部、及び容器上部により囲まれる容積、並びに容積に通じるためのアクセス口を形成する。ブイは、分離容器内に入れられており、懸濁液中で平衡位置に到達するように構成される調整された密度を有する。ブイは、高さ、横寸法、及び周囲を形成するブイ上面及びブイ側壁を備える。ブイは、案内面とブイ上面の上方の回収空間とをさらに備える。案内面は、ブイ上面の上に設けられており、ブイの周囲の付近にある集積位置の方に傾いている。ブイ式懸濁液分画システムは、懸濁液から画分を単離する方法と、画分を単離し且つ単離した微粒子を取り出すために再懸濁する方法とで用いることができる。
【0004】
本教示は、詳細な説明及び添付図面からより深く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】遠心分離プロセス中に分画される懸濁液を含む分画装置の状況図である。
【図2】分画装置に懸濁液を加えている状況図である。
【図3】遠心分離機の状況図である。
【図4】分画装置から第1の画分を除去している状況図である。
【図5】第2の画分中の一部を再懸濁するように分画装置を攪拌している状況図である。
【図6】分画装置から第2の画分を除去している状況図である。
【図7】第2の画分の治療への適用の状況図である。
【図8】分離容器及びブイの状況図である。
【図9A】種々の実施形態によるブイの平面図である。
【図9A1】選択された横断面におけるブイの平面図である。
【図9A2】選択された横断面におけるブイの平面図である。
【図9B】図2Aのブイの断面図である。
【図10】種々の実施形態によるブイの斜視図である。
【図11A】種々の実施形態によるブイの斜視図である。
【図11B】種々の実施形態による閉鎖位置にあるブイの斜視図である。
【図12】種々の実施形態によるブイの斜視図である。
【図13】種々の実施形態によるブイの斜視図である。
【図14】種々の実施形態によるブイの平面図である。
【図15】種々の実施形態によるブイの平面図である。
【図16】種々の実施形態によるブイの平面図である。
【図17】種々の実施形態によるブイの平面図である。
【図18】種々の実施形態によるブイの平面図である。
【図19】種々の実施形態による分離装置から選択された要素を取り出している状況図である。
【図20】懸濁液の選択された要素の分離及び抜き取り用の、種々の実施形態によるキットである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1は、種々の実施形態によるブイ式懸濁液分画システム10を示し、ブイ式懸濁液分画システム10は、患者から取り出された懸濁液若しくは多成分物質から、又は、患者からの摘出物若しくは切除物の検体(preparation)から、画分を単離するために、臨床環境又は実験室環境で用いられることができる。懸濁液としては、血液、骨髄穿刺液、脳脊髄液、及び脂肪組織の試料が挙げられ、単離された画分としては、血小板、乏血小板血漿、多血小板血漿、及び間質細胞が挙げられる。単離された画分はそれぞれ、分離が行われると到達する平衡点又は平衡位置を分離容器内に有することができる。例えば、全血のバフィコート(buffy coat)は、全血の試料が分離されるときに赤血球の平衡位置よりも上に平衡位置を有することができる。
【0007】
単離された画分は、様々な臨床への用途、動物への用途、及び実験への用途に用いられることができる。臨床への用途の一部としては、末梢血管疾患、整形外科、形成外科、口腔外科、胸部外科、脳神経手術、及び創傷治癒が挙げられる。実験への用途としては、分画システムによって生成される画分から、治療用物質又は分析用物質を単離すること、生成すること、又は合成することが挙げられる。
【0008】
分画システム10は、例えば保存血液と共に、同種異系で(allogeneically)使用することができるが、分画システム10は、自己由来で(autologously)用いられて、病原性疾患を伴った不適合性及び汚染の潜在的リスクを減らすことができる。また、脳脊髄液を含む他の自己由来の物質を用いてもよく、脳脊髄液は、脊椎穿刺又は他の適切な回収手法によって得ることができる。分画システムの概説は、Biomet Biologics, Inc.の海外向け案内書「Gravitation Platelet Separation System Accelerating the Body's Natural Healing Process」(2006年)に与えられている。そして、濃厚血小板を用いた治療手法の説明は、参照により本明細書に援用されるBiomet Biologics, Inc.海外向け案内書「Shoulder Recovery with the GPS(登録商標)Platelet Concentration System」(2004年)に示されている。
【0009】
図2〜図7は、臨床治療へ適用する実施形態に関する例示的な分画システムの操作手順を示す。操作手順は、図2において、アクセス口22を介して分画システム10に自己の(但し、保存血液を用いてもよい)全血を入れることによって始まる。分画システム10を、図3の遠心分離機23に入れ、約320rpm〜約500rpmの速度で約5分間〜約20分間回転させる(この速度により、[標準重力よりも何倍も大きい]約7.17xg〜約1750xgの選択された重力を生じさせることができる)。第1の画分又は上部画分308(図1)は、全血試料からのものを含んだ種々の実施形態による乏血小板血漿であってよく、図4では除去されて示されている。図5において、第2の画分310の少なくとも一部を再懸濁するように分画システム10を攪拌する。第2の画分310は、全血分画からのものを含む種々の実施形態によるものであり、多血小板血漿又は濃厚血小板であってよい。図6において、分画システム10から第2の画分を取り出す。最後に、図7に示す肘腱炎の治療等のために治療の一部として第2の画分を適用する。第2の画分は、腱炎を治療するために肘29の選択した部分に注射することができる。
【0010】
容器12に入れられる物質に応じてブイ30が変更され得ることを理解されたい。例えば、神経幹細胞を脳脊髄液から分離しようとする場合、ブイ30は、システム12の回収区域52に神経幹細胞を回収することができるような密度を有し得る。回収された神経幹細胞は、治療上の理由のために適用することもでき、又は実験室検査、単離検査、培養検査等で用いることもできる。
【0011】
図1を再度参照し、図8〜図9Bをさらに参照すると、懸濁液分画システム10は、分離容器12及びブイ30を備える。分離容器12は、容積21を囲む容器壁部16、容器底部18、及び容器上部20を有する分離管であってよく、容積21には、1つ以上のアクセス口22、26、27及び容器通気口31を介して入ることができる。容器12は、Cyro Industries Evonik Degussa Corp.により販売されているCryolite Med(登録商標)2材料等の任意の適切な材料から形成することができる。容器12は、約102mmの高さ等の約50mm〜約150mmの高さとすることができる。容器12は、約25mm〜約35mm等の約20mm〜約40mmの内径を有し、約30ml〜約60ml等の約30ml〜約100mlの容積とすることができる。ブイ30が分離容器12にぴったり合う形状である限り、分離容器12は、楕円形等の任意の適切な形状を有することができる。特に図示されていないが、分離容器12は、分離管及び分離管12から管の中身を移すための区域等、2つ以上の区画を有することもできる。例えば、別個の区画は、別の区域とは別個になったブイ30及び分離体32のアセンブリを収容するために、形成されてもよい。
【0012】
種々の開口22、26、及び27は、容器12の任意の適切な区画へ通じることを可能にするように設けることができる。アクセス口22、26、27は、分離容器12の外側から分離容器の容積21への連通を可能にする任意の手段であってよく、この手段は、ルアーロック(Luer lock)のポート、隔壁、弁、又は他の開口等であってよい。容器通気口31は、分離容器12の内側と外側との間での空気の移動を可能にし、懸濁液が分離容器12に導入されるか又は分離容器12から取り出されるときに圧力を均等にする。容器通気口31は、無菌バリアとしての役割を果たす通気フィルタ31aを有し、空気が分離容器12に入ることを可能にする一方で望まれない物質が分離容器12に入るのを防止することができる。
【0013】
分離容器12を静止させているときには、ブイ周囲部30a及び容器壁部16は、分離容器12内の同じ位置にブイ30を保持する締まり嵌めを形成するような寸法とすることができる。分離容器12が遠心分離にかけられるときには、ブイ周囲部30a及び容器壁部16は、分離容器12内でブイ30が移動し物質がブイ周囲部30aと容器壁部16との間を通過することを可能にする隙間を有する。例えば、容器12は、軸方向に圧縮されてその内径を増大させることができる。あるいは、ブイ30が、中央若しくは内部に位置する開口176等の開口(例えば、図16参照)又はブイの高さ方向に延びる周縁のチャネル168a(図13)を有することもでき、これらは物質がブイを通って移動することを可能にする。
【0014】
ブイ30は、分離容器12内に入れられており、懸濁液中で選択された平衡位置に到達するように構成される調整された密度を有する。ブイの密度は、約1.06g/cc等の約1.0g/cc〜約1.10g/ccの範囲内で調整され得る。種々の実施形態によれば、ブイ30は、調整された密度を有するように形成し、そして、調整された密度を得るために1つ以上の材料から形成することができる。
【0015】
例えば、約1.06g/ccの密度では、ブイ30、又は回収区域52を含むブイ30の選択部分は、分離された全血試料のうちのバフィコートの平衡位置に位置を合わせることができる。さらなる例では、密度は、選択された懸濁液中で神経幹細胞が集まる位置等の平衡位置の付近に回収区域52があるように調整することもできる。ブイ30の密度がいかなるものであろうとも、選択した物質の平衡位置にブイ30の位置を合わせるために、密度は選択され得る。
【0016】
図1に示すように、回収区域52は、分離処置が行われた後で容器12内で位置が決められる。ブイ30に対して定められる回収区域は、容器内の分離又は単離された画分310の平衡位置に位置する。選択された画分の平衡位置は、分離された試料又は分離された物質の、容器内の他の画分に対する容器内の位置として、規定することができる。平衡位置は、ブイ30又は容器12の軸Xに対しても規定することができる。しかしながら、平衡位置は、試料のうちで、選択された画分量の試料の量に応じて決まる。図1の説明図によれば、画分308の平衡位置は、画分310の平衡位置よりも上にあるか又は画分310の平衡位置よりも容器12の上部20に近い。それ故、ブイ30は、選択された密度又は選択された比重を有するように調整されて、任意の選択された画分の平衡位置に対して回収区域52を位置決めすることができる。
【0017】
ブイは、本明細書でさらに説明するブイ上面48及びブイ側壁38、40を備え、これらは、高さH1、H2、平面A1、A2における横寸法、及び周囲部30aを定める。ブイは、案内面42をさらに備える。実施形態によっては、ブイは、回収口50及び精密回収領域(region)44をさらに備えることができる。回収口50は、アクセス口27と連通し、且つブイ上面42の上方の回収空間52と連通し、ブイ周囲部30a付近に位置することができる。実施形態によっては、回収口50は、ブイ上に設けられているのではなく、管12のアクセス口又は上部に挿入されるシリンジ等の取り出し装置である。
【0018】
図9Aを参照すると、ブイ30は、第1の高さ寸法H1、第2の高さ寸法H2、平面A1における最大幅又は横断面積W1、平面A2における第2の幅又は横断面積W2、案内面角度α、及び、精密回収領域角度βを規定する表面46を含む精密回収区域44を有する。種々の実施形態によると、ブイ30の高さは、容器12の長手方向軸Xであってもよい中心軸Xに対して定めることができる。ブイ30及び容器12の側壁は、軸Xと実質的に平行とすることもできる。図9Aには特定の寸法が示されているが、ブイ周囲部は、分離容器12と一致する限り異なる形状にすることもできる。
【0019】
案内面42は、ブイ上面48上に設けられる且つ/又はブイ上面48によって規定され、ブイ周囲部又はその付近の集積位置の方に傾いている。案内面42は、粒子を平衡界面又は回収領域に向かって斜面の下方に運ぶ案内手段として働く。案内面42は、ブイの横寸法の約2/3(3分の2)等のブイ横寸法又は幅W1の1/2(2分の1)を超える距離にわたってブイ側壁38の高さ方向に対して傾いていてもよく、種々の実施形態では、実質的に案内面42の全長にわたってブイ側壁38に対して傾いていてもよい。
【0020】
案内面42は、実質的に平面状とすることができ、微粒子が案内面を下って移動する最低限度以上の平均角度を有していてよく、その角度は、血小板に関しては、例えば約10度〜約60度の範囲である。例えば、角度αは、約30度〜約89度等の約5度〜約89度以上であってよい。例示的な角度αは、種々の実施形態ではちょうど60度又は約60度となり得る。実施形態によっては、案内面は、図10及び図12に示すような複数の角度を伴った案内面において画定される輪郭を含んでよい。例えば、図10では、種々の実施形態によると、ブイ80が、案内面100の形成を補助する2つの案内面輪郭壁部96、98を有し得る。2つの壁部96、98は、案内面100の2/3(3分の2)を超える距離等の選択された距離にわたって案内面100を横切って延びる凹部を形成することができる。凹部は、案内面において、周囲の区域よりも低くなった区域を形成することができる。穴94と連通し且つ輪郭が付けられた精密回収領域92も形成することができる。図12では、ブイ140は、中央等の選択された領域に向かって傾いた2つの傾斜面154、156を含む案内面152を有することができる。案内面全体は、上述のような量だけ回収口158の方に傾けてもよい。
【0021】
種々の実施形態では、図9A、図9A1、及び図9A2に例示的に示すように、異なるブイ横断面積W1、W2を、A1、A2等の種々の平面において規定することができる。図示のように、ブイ30は、角度の付いた上壁部42に基づき、種々の横断面積を形成する。種々の平面A1、A2において定まる横断面積は、密度、高さH2、角度α等のブイ30の特性に基づいて選択された場所に位置することができる。W2に関する幅寸法は、約1.347インチ等の1インチ〜約2インチ(約34.21mm等の約25mm〜約51mm)であってよい。W1の寸法は、平面A1の選択した場所に応じて決まる。これらの寸法によって、ブイ30の形状に応じて種々の面積が形成されることができる。とはいえ、平面A2における面積は、容器12内の横断面での面積と実質的に同じとなり得る。
【0022】
使用時に、ブイ30の実質的に最大の横断面積W1は、選択された場所に配置することができる。図9A1に示すように、最大断面積は平面A1にある。平面A1は、使用時に、選択された平衡界面又はその付近に位置することができる。平面A1の位置は、ブイ30の密度の選択、及び、ブイ30が入れられる物質の既知密度又は推定密度によって選択される。対象とする又は選択される界面付近にブイの最大横断面積があることによって、ブイが界面に対して軸方向に変化すると、平衡界面下方の画分の相対体積の移動が実質的に最大になり、且つ、平衡界面上方の画分の移動が実質的に最大になる。これは、最大横断面が選択された界面において容器12内の最大量の面積を移動させることを確実にすることによって、分画単離を改善することができる。例えば、90%を超える全血の血小板を単離することができる。
【0023】
それ故、全血等の懸濁液すなわち試料間の組成が可変である懸濁液を扱う適用において、試料密度が変化しても、選択された平衡界面に対するブイの軸方向における変化は最小になる。容器12内でブイ30の軸方向位置の変化が最小であることは、ブイ30の最大横断面で容器内の物質の移動が最大であることに少なくとも一部基づいている。換言すれば、ブイ30の軸方向位置がわずかに変化するごとに、最大の移動が生じる。選択された用途では、選択された位置にブイの最大横断面A1が設けられており、軸方向変化が最小であることは、平面A1を正確に配置するのを確実にする助けになる。
【0024】
さらに、ブイの最大横断面積又はその付近では、分画された物質の断面積は最小に近い。単純に、選択された位置での容器12内では、ブイ30の最大横断面が選択された位置にある場合、同じ場所には他の物質は相対的に最小の量しか存在し得ない。分画された物質の断面積を最小化することと、平衡界面に対するブイの軸方向の変化を最小化することとを組み合わせると、界面付近での分画された物質の体積の変動が最小化される。
【0025】
精密回収領域44、92(図9A、図9B、及び図10)は、案内面とブイ周囲部又はブイ周囲部の付近の集積位置との間に介在させることができる。精密回収領域44、92は、正確な量、高収率な量、且つ/又は純粋な量である選択された画分を回収するための精密回収構造としての役割を果たす。精密回収領域44、92は、ブイ周囲部に対して上に上げられる又は下に下げられ、それにより、ブイの他の設計上の特徴に実質的な変更を加える必要なく、回収領域における画分を変えることができる。換言すれば、寸法H1を変えることができる。概して、高さH2は、約2.5mm〜約5.1mmとなり得る。高さH1は、概して高さH2及び角度αによって制約される。種々の実施形態によれば、精密回収領域44は、図9Aに示すように、側壁40に対して角度βで形成されている。角度βは、約45度等の約10度〜約60度等の任意の適切な角度とすることができる。種々の実施形態によれば、精密回収領域92は図10のように輪郭が付けられてもよい。
【0026】
種々の実施形態によれば、分離体32がブイ30に結合される。種々の実施形態によると、分離体及びブイの組み合わせは、分離アセンブリ部材と呼ぶこともできる。例示的な分離体82、122、170、180、190が、例示的なブイ80、120、140、160、182、192に結合されて図示されている。例えば、分離体32は、回収区画52を作る手段を提供し、そして、1つ以上のスペーサ58、60を備え、回収区画52を作るように分離体32をブイ30から離して位置決めする。取り出し口70は、分離体32上に設けられて、取り出し口27及び回収口50を連通することができる。スペーサ58、60は、回収口50と取り出し又は取り出し口27との間の導管68としての役割も果たすことができる。取り出し口27は、単離された画分又は第2の画分310を回収区画52から取り出すための構造としての役割を果たす。
【0027】
分離体32は、約1.0g/cc以下の密度等のブイ30よりも低い密度の材料から構成することができる。分離体32の体積は、ブイ30の体積よりも実質的に小さくすることができる。分離体32は、選択された平衡界面の下方における分離体の体積及びブイの体積の組み合わせが、平衡界面の上方における分離体の体積及びブイの体積の組み合わせよりも大きくなるように構成することができる。上述のように、平衡界面は、遠心分離された全血試料からの濃厚血小板又はバフィコートに対する位置を含み、この位置は、濃厚血小板又はバフィコートの位置又はその直下の位置等となり得る。分離体32及びブイ30を、平衡界面の上方よりも平衡界面の下方の体積を大きく構成することによって、ブイ30は、全血等の組成物における変化の範囲が広くても、その範囲内でより高い再現性で機能する。なお、全血等の組成物では、密度の高い画分(例えば、赤血球)における密度の変動が密度の低い画分(例えば、血漿)における密度の変動よりも小さい。例えば、全血試料の構成は、患者間で著しく異なり得る。
【0028】
個々の患者間では、全血試料の赤血球(red blood cell or erythrocyte)画分の密度は、全血試料の血漿部分又は血清部分の密度よりも概して小さく変化する。それ故、密度の高い画分中に分離体及びブイの体積を多く配置するほど、全血試料の回収又は分離の再現性及び効率を高めることができる。高さH2は、分離体及びブイが最大体積又は選択された体積で全血試料の密度の高い画分中に配置されることを確実にするために、変更又は選択され得る。
【0029】
種々の実施形態によれば、分離体は種々の特徴を含んでもよい。図11A及び図11Bに示すように、分離体122は、ブイ120に対して移動するように構成することができる。分離体122は、選択された画分の抜き取り中に支柱又はスペーサ132に沿って矢印123の方向に移動することができる。分離体32、82は、実質的に均一な厚さであってもよく、又は厚さが変わってもよい(122、180、190)。
【0030】
分離体170は、回収開口174を有することができる(図13)。分離体32も、回収通気口67を有することができ(図9A)、回収通気口67は、回収弁、回収路、又は回収通気管又は通路203も含んでよい。回収開口174は、脆弱で粘着性である血小板等の粒子が案内面162に到達するまで進む距離を縮めるとともに、粒子が表面と接触する時間を縮めることができる。種々のタイプの回収開口を用いることができる。
【0031】
回収開口174は、選択された粒子の通過を許すようなサイズではあるが十分に小さいので、懸濁液の張力により回収区画の適切な単離が維持される。回収開口は、或る条件下では開いて他の条件下では閉じることができる、ダックビル又はフラッパービル(flapper bill)等の種々の弁を含むこともできる。回収弁は、回収口70又は通路68等の任意の適切な部分と相互接続することができる。
【0032】
分離体32を通る回収通気通路67は、回収区域52から液体が取り出されるときに圧力を均等にする。スペーサ58は、回収通気通路67、回収口50、又はこれら両方のための導管としての役割を果たすことができる。回収弁は、回収通気通路67と連通して、回収通気通路67の作用を制御し再懸濁攪拌中には回収通気通路67を閉じる。回収通気管203は、回収通気通路67及び空気に連通する。空気は、回収区域52の上方の空気(すなわち、分離体32の上方の懸濁液の部分が除去されている)である、又は容器壁の開口205を通り且つ通常無菌バリア(例えば、無菌発泡フィルタ)を通る空気であってよい。回収通気管203は、分離体32の上方の血漿等の画分を除去する必要なく、回収区画内の分画された懸濁液を取り出すことを可能にする。但し、回収通気管203がなければ、分離体の上方の画分が除去され、回収区域が分離体の上方の区域に通じるようにすることができる。
【0033】
種々の実施形態は、回収区画128内に設けられている機械的な攪拌器130をさらに備える(例えば、図11A及び図11B)。
【0034】
分離体122は、ブイ120に対して可動である。分離体122は、分離容器の遠心分離後に開放位置にすることができる。回収穴134を通して回収区画から物質を取り出す間に、分離体122は、ブイ120に向かって矢印123で示す方向に移動して、回収区画128の体積を減らすか又はなくす(close)ことができる。
【0035】
ブイ30は、図9Aに示すもののように、異なる寸法を有して、複数の選択可能なサイズで形成することもできる。ブイ30の軸方向寸法は、特に分画が行われた後で、容器12内で懸濁液の適切な移動を達成するために選択することができる。外縁38と面42との間で形成される角度αは、任意の選択された角度であってよい。例えば、角度αは、約60度等の約30度〜約80度とすることができる。角度αは、概して、面42を入口50に向かって急角度にすることを可能にするようにできる限り小さくすることができ、この角度は、回収空間52内に回収されている物質が損傷を受けることがないものである。上述のように、分離システム内で分離される試料の選択された画分であり、例えば密度の高い画分のような選択された画分の中に配置されるブイ30の量を決定又は選択するために、高さH2を選ぶことができる。高さH2は、約0.18インチ等の約0.1インチ〜約0.2インチ(約4.57mm等の約2.5mm〜約5.1mm)とすることができる。例示的な高さH2は、選択される用途、分離システムのサイズ、及び他の選択される因子に応じて、0.1795インチ(4.559mm)である。しかしながら、高さH1は、高さH2及び角度αによって通常決められる。高さH1は、約1インチ等の約0.8インチ〜約1.2インチ(約25mm等の約20mm〜約30mm)とすることができる。例示的な高さH1としては、1.0インチ(25mm)が挙げられ得る。入口50を含む回収区域52の位置決めは、高さH2、及び、ブイ30が入っている物質とブイ30とが高さH2を介してどのように相互作用し合うかに基づいて行うことができる。
【0036】
図17に示すように、ブイ182は、それに対して相対的に位置決めされる分離体180を有することができる。分離体180は、実質的にブイ182の中心の上に配置される中心を有してよい。ブイ182及び分離体182の中心はいずれも、それぞれ細くなった先端又は頂部184及び186によって形成することができる。
【0037】
図18に示すように、ブイ192も、分離体190に対して相対的に位置決めすることできる。ブイ192は、ブイ192の中心付近に頂部194を有し、そして、ブイ192の縁からブイ192の別の縁まで延びる案内面を有することができる。分離体190も、概ねその中心付近に頂部196を有することができる。分離体190は、分離体の縁から分離体190の別の縁まで延びる面198も有することができる。
【0038】
分離体180、190は、上述の分離体32と実質的に同様に作用することができる。分離体180、190は、頂部又は取り出し口70と分離体180、190の外縁との間に角度を形成することができる。分離体の上面は、全血試料の血小板画分のような選択された物質を、ブイ182、192の回収区域又は面42へ向けるのに役立つ角度を有することができる。通常、分離体180、190は、ブイ182、192に対する分離体180、190の体積を実質的に最小にする高さ又は体積を有することができる。上述のように、このことは、全血試料の高濃度(例えば、赤血球)の画分に対してブイ182、192を位置決めするのに役立つ。分離体180、190の角度及び分離体180、190の高さは、全血試料等の物質から選択されて回収された画分の移動距離を最短にするか又は乱れを最小にするように選択され得る。
【0039】
上述のように、ブイ式懸濁液分画システム10は、懸濁液から画分を単離する方法において用いることができる。分離容器12は、懸濁液に適した時間、遠心分離にかけられる。分離容器12内のブイ30は、形成された画分内の平衡位置に到達することができる。通常、ブイは、分離容器の底部から、画分の中の及び/又は画分の間の平衡位置へ移動する。実施形態によっては、ブイ30は、図1に示すように、平衡界面付近におけるブイの横断面の断面積が実質的にブイの最大横断面積A1になるように構成される。上述のように、ブイの設計は、全血試料での赤血球画分のような選択された画分内にブイの最大断面積を配置するように決定される。ブイの位置決めは、ブイの密度に基づき行われ、ブイの密度は、赤血球画分のような選択された画分の密度から決定することができる。したがって、ブイは、例えば分離すべき試料の赤血球画分内でブイを実質的に位置決めするような密度を有するように、作製又は形成することができる。例えば、ブイは、約1.010g/cc〜約1.1g/ccの密度を有することができる。例示的な密度としては、約1.064g/cc等の約1.058g/cc〜約1.070g/ccが挙げられる。そのようなブイの設計によって、ブイの軸方向の移動に対して、平衡界面下方の分画された懸濁液の体積移動は実質的に最大になり、且つ平衡界面上方の分画された懸濁液の体積移動は実質的に最大になるため、選択された画分の単離をより正確に制御することができる。上述のように、種々の実施形態によると、ブイは選択された領域で最大断面を有する。試料の選択された画分又は区域内に最大断面を位置決めすることで、ブイの最大断面によるブイに対する試料の移動は最大になる。換言すれば、選択された試料内にブイの最大の部分を配置することによって、試料の最大の部分が、ブイの移動に起因して移動する。
【0040】
ブイの周囲部の付近にある集積位置の方に傾いているブイの案内面42、90、138、152、162を用いて、微粒子が集結させられる。案内面は、実質的に案内面の全長にわたってブイの側壁に対して傾いていてもよい。案内面は、ブイの上壁によって形成されるか又はブイの上壁付近に配置することができる。
【0041】
微粒子は、ブイの案内面に沿って回収空間へ運ばれる。微粒子は、実質的に平面状の経路に沿って回収空間へ運ばれてもよい。しかしながら、種々の実施形態によれば、案内面は、複数の角度42、44及び152、154、並びに/又は、輪郭96、98を有することもできる。微粒子は、血小板、間質細胞、白血球等から成る群から選択することができる。
【0042】
所望の画分が、アクセス口を通して回収空間から取り出される。実施形態によっては、所望の画分は、分離容器を傾けてアクセス口から又は容器上部から所望の画分を注ぎ出すことによって、回収空間から取り出すことができる。これは、特にブイ30’、30’’、30’’’のみがあるときに当てはまる(図14、図15、及び図16)。
【0043】
実施形態によっては、画分を単離する方法は、ブイ30、80、120、140、160、180、190の案内面とブイに結合されている分離体32、82、122、142、162、182、192との間の回収区画内で単離される画分を単離すること、及び分離体を通る取り出し口を通して単離された画分を取り出すことをさらに含み得る。
【0044】
ブイ式懸濁液分画システムは、微粒子を単離及び再懸濁して取り出す方法において用いることができる。この方法は、アクセス口を通して分離容器に懸濁液を充填することによって開始する。分離容器は調整された密度をもつブイを有し、懸濁液はブイに接触することができる。
【0045】
分離容器は、懸濁液を様々な密度の画分に分離させるように遠心分離されることができる。遠心分離は、約5分間〜約30分間のような懸濁液に適した時間行われ得る。
【0046】
分離容器内のブイは、2つ以上の画分の間における液体中での平衡に到達することができる。通常、ブイは、分離容器の底部から画分内の平衡に移動する。実施形態によっては、ブイの案内面を用いて微粒子を集結させることができる。案内面は、ブイ周囲部の付近の集積位置44、92の方に傾けることができる。種々の実施形態によれば、案内面は、実質的に案内面の全長にわたってブイ側壁に対して傾いていてもよい。微粒子は、ブイの案内面に沿って回収口へ運ばれることができる。微粒子は、血小板、間質細胞、白血球等であってよい。
【0047】
ブイの案内面とブイに結合されている分離体との間の回収区画内で、画分が単離される。実施形態によっては、分離体の上方に位置する画分308があってよく、画分308は、第2の画分310の第1の増加分を取り出す前に取り出すことができる。他の実施形態では、回収通気管203によって、第2の画分310の第1の増加分を取り出す前に、分離体の上方に位置する画分308を取り出す必要をなくすことができる。
【0048】
単離された画分中の微粒子は、回収区画内で再懸濁されることができ、それは、分離容器12内の攪拌器130、316(図11A及び図19)を移動させ、単離された画分を攪拌して単離された画分中の微粒子分布をより均一にすることによって、行うことができる。実施形態によっては、攪拌器は、気泡316であり、気泡316は、空気が回収通気口58を通して入ることができる回収区画から単離された画分310の第1の増加分を取り出すことによって生まれる。他の実施形態では、攪拌器130は、回収区画内に配置される機械的な攪拌器である。
【0049】
再懸濁された単離された画分は、回収区画から取り出されてよい。
【0050】
システムの使用を説明する及び効率的にするために、種々の構成要素は、図20に示すキット320に含むことができる。キット320は、分画システム10と、遠心分離機のバランス調整に必要な場合にはカウンタウェイト容器322とを有する。キット320は、画分及び試料の抜き取り及び注入用の種々のシリンジ302、312、及び314も有することができる。キット320は、包帯3226、テープ330、止血帯328、及び種々の追加の材料も有することができる。キット320は、運搬及び殺菌のための容器332を有することができる。
【0051】
このように、ブイ式懸濁液分画システムの実施形態が開示されている。開示されたもの以外の実施形態で本教示を実施できることが、当業者には理解されるであろう。開示されている実施形態は、限定のためではなく例示のために提示されており、本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ制限される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブイ式懸濁液分画システムであって、
容器壁、容器底部、及び容器上部によって囲まれる分離容器、及び前記分離容器の少なくとも一部を通るアクセス口と、
前記分離容器内のブイとを備え、
前記ブイは、調整された密度を有し、懸濁液中で平衡位置に到達するように構成され、高さ、横寸法、及び周囲を形成するブイ上面及びブイ側壁を有し、前記ブイ上面上の案内面をさらに有し、
前記案内面は、前記ブイ上面の上方に回収空間を有し、前記ブイ周囲の付近の集積位置の方に傾いている、ブイ式懸濁液分画システム。
【請求項2】
前記ブイは、前記懸濁液の2つの分離された画分の間の平衡界面の付近に位置するように構成され且つブイの最大断面積を実質的に規定する、最大横寸法を含む、請求項1に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項3】
平衡界面の付近で前記ブイが移動することによって、前記平衡界面に対する前記ブイの軸方向の変化に対して、前記平衡界面下方の分画された懸濁液の移動が実質的に最大になり、前記平衡界面上方の分画懸濁液の移動が実質的に最大になる、請求項2に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項4】
前記案内面は、前記ブイの横寸法の約3分の2を超える距離にわたって前記ブイ側壁に対して傾いている、請求項1に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項5】
前記案内面は、実質的に前記案内面の全長にわたって前記ブイ側壁に対して傾いている、請求項1に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項6】
前記案内面は、約10度〜約70度の平均角度で前記ブイ側壁に対して傾いている、請求項1に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項7】
前記案内面は実質的に平面状である、請求項1に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項8】
前記案内面は、実質的に前記ブイ周囲に向かって外方に傾いている、請求項1に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項9】
前記案内面は、前記ブイ周囲の第1の縁から、前記横寸法に沿って且つ実質的に前記ブイの中心を通って、前記ブイ周囲の第2の縁まで延びる、請求項8に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項10】
前記案内面は輪郭を形成する、請求項1に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項11】
前記アクセス口と連通し、且つ前記ブイ上面の上方の前記回収空間と連通する回収口をさらに備える、請求項1に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項12】
前記ブイに結合された分離体をさらに備え、
前記分離体は、前記分離体を前記ブイから離して配置して回収区域を作るためのスペーサを有する、請求項1に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項13】
前記分離体上に設けられて前記アクセス口及び前記回収区域に連通する取り出し口をさらに備える、請求項12に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項14】
前記分離体は分離体体積を有し、前記ブイはブイ体積を有し、平衡界面の下方における前記分離体体積及び前記ブイ体積の両方の第1の組み合わせが、前記平衡界面の上方における前記分離体体積及び前記ブイ体積の両方の第2の組み合わせよりも大きい、請求項12に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項15】
前記分離体は、前記ブイから離れた開放位置から前記ブイの付近の閉鎖位置へ移動するように構成される、請求項12に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項16】
前記分離体は分離体体積を有し、前記ブイはブイ体積を有し、前記分離体体積は前記ブイ体積よりも実質的に小さい、請求項12に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項17】
前記分離体は回収開口を有する、請求項12に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項18】
前記回収区域から液体が取り出されるときに圧力を均等にするための、前記分離体を通る回収通気通路をさらに備える、請求項12に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項19】
前記回収通気口と連通する回収弁をさらに備える、請求項18に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項20】
懸濁液が分離容器内で位置する場所の上方で前記回収通気口及び空気に連通する回収通気管をさらに備える、請求項18に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項21】
前記回収区域内に設けられた機械的な攪拌器をさらに備える、請求項12に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項22】
前記回収口は前記ブイ周囲の付近に位置する、請求項1に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項23】
前記案内面と前記ブイ周囲との間に介在する精密回収領域をさらに備える、請求項1に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項24】
前記分離容器が静止しているときには、前記ブイ周囲及び前記容器壁は、前記分離容器内の同じ位置に前記ブイを保持する締まり嵌めを形成し、前記分離容器が遠心分離にかけられると、前記ブイ周囲と前記容器壁との間に隙間が形成され、前記隙間は、前記分離容器内で前記ブイが移動すること及び前記ブイ周囲と前記容器壁との間を物質が通過することを可能にする、請求項1に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項25】
前記分離容器は分離管である、請求項1に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項26】
懸濁液分画システム用のブイにおいて、
調整された密度を有し、懸濁液中で平衡点に到達するように構成され、高さ、ブイ横寸法、及びブイ周囲を形成するブイ上面及びブイ側壁を有するブイを備え、
前記ブイは、
前記ブイ上面の上方の回収空間と連通する回収口と、
前記ブイ上面上の案内面であって、実質的に平面状であり、且つ前記ブイ横寸法の3分の2を超える距離にわたって前記ブイ側壁に対して傾いている案内面と、
前記ブイに結合された分離体とをさらに有し、
前記分離体は、
前記分離体を前記ブイから離して配置して前記分離体と前記ブイ上面との間に回収区域を作るためのスペーサ、及び前記分離体上に設けられて前記回収口と連通する取り出し口を有する、懸濁液分画システム用のブイ。
【請求項27】
前記ブイ横寸法には、平衡界面の付近で構成され実質的に前記ブイの最大断面積になる断面積が含まれる、請求項26に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項28】
平衡界面の付近において前記ブイが移動することによって、前記平衡界面に対する前記ブイの軸に対して、前記平衡界面の下方における画分の移動が実質的に最大となり、且つ前記平衡界面の上方における画分の移動が実質的に最大となる、請求項27に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項29】
前記回収空間から液体が取り出されるときに圧力を均等にするための、前記分離体上の回収通気口をさらに備える、請求項26に記載のブイシステム。
【請求項30】
前記回収口と連通する回収弁をさらに備える、請求項26に記載のブイシステム。
【請求項31】
懸濁液が分離容器内で位置する場所の上方で前記回収通気口と連通する回収通気管をさらに備える、請求項26に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項32】
前記回収口は前記ブイ周囲の付近に位置する、請求項26に記載のブイシステム。
【請求項33】
前記分離体は、前記ブイから離れた開放位置から前記ブイの付近の閉鎖位置へ移動するように構成される、請求項26に記載のブイシステム。
【請求項34】
前記分離体は回収開口を有する、請求項26に記載のブイシステム。
【請求項35】
前記案内面と前記ブイ周囲との間に介在する精密回収領域をさらに備える、請求項26に記載のブイシステム。
【請求項36】
前記案内面は輪郭を形成する、請求項26に記載のブイシステム。
【請求項37】
分離体体積がブイ体積よりも実質的に小さい、請求項26に記載のブイシステム。
【請求項38】
平衡界面の下方において組み合わせた第1の分離体体積及び第1のブイ体積が、前記平衡界面の上方において組み合わせた第2の分離体体積及び第2のブイ体積よりも大きい、請求項26に記載のブイシステム。
【請求項39】
懸濁液分画システム用のブイにおいて、
調整された密度を有し、懸濁液中で平衡位置に到達するように構成され、ブイ高さ及びブイ周囲を形成するブイ上部、ブイ底部、及びブイ側壁を有するブイを備え、
前記ブイは、
粒子を平衡界面に向かって斜面の下方に運ぶ案内手段をさらに有する、懸濁液分画システム用のブイ。
【請求項40】
前記ブイの付近に位置する回収空間から選択された画分を除去する回収手段をさらに備える、請求項39に記載のブイ。
【請求項41】
単離された画分用の回収区画を作る単離手段であって、前記ブイから間をあけて前記ブイに結合される単離手段をさらに備える、請求項39に記載のブイ。
【請求項42】
前記回収区画から前記単離された画分を取り出す取り出し手段をさらに備える、請求項41に記載のブイ。
【請求項43】
前記選択された画分の正確な画分を回収する精密回収手段をさらに備える、請求項39に記載のブイ。
【請求項44】
ブイを用いて分画された懸濁液から画分を単離して取り出す方法であって、
調整された密度をもつブイを有する分離容器に懸濁液を充填することと、
前記分離容器を遠心分離にかけて、前記懸濁液を様々な密度の画分に分離させることと、
前記分離容器内の前記ブイを前記画分内の平衡に到達させるステップと、
前記ブイの周囲の付近にある集積位置の方に傾いた前記ブイの案内面を用いて、微粒子を集結させることと、
前記ブイの前記案内面に沿って回収空間へ前記微粒子を運ぶことと、
所望の画分を取り出すことと
を含む、ブイを用いて分画された懸濁液から画分を単離して取り出す方法。
【請求項45】
平衡界面の付近で実質的に最大の横断面断面積を有する前記ブイの軸方向移動に対して、前記平衡界面の下方における分画された懸濁液の体積の移動を実質的に最大とし、且つ前記平衡界面の上方における分画された懸濁液の体積の移動を実質的に最大とすることをさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
アクセス口を通して前記分離容器を充填し、前記アクセス口を通して前記所望の画分を取り出すことをさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記ブイの前記案内面と前記ブイに結合された分離体との間の回収区画内で分離された画分を単離することをさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項48】
前記分離体を通る取り出し口を通して前記単離された画分を取り出すことをさらに含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記案内面は、実質的に前記案内面の全長にわたってブイ側壁に対して傾いている、請求項44に記載の方法。
【請求項50】
前記案内面に沿って微粒子を運ぶことは、実質的に平坦な経路に沿って前記回収空間へ前記微粒子を運ぶことを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項51】
前記懸濁液を取得することと、
第1のアクセス口を通して前記分離容器に前記懸濁液を充填し、第2のアクセス口を通して前記所望の画分を取り出すこととをさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項52】
ブイ式懸濁液分画システムから取り出すために微粒子を単離して再懸濁する方法であって、
調整された密度をもつブイを有する分離容器に懸濁液を充填することと、
前記分離容器を遠心分離にかけ、前記懸濁液を様々な密度の画分に分離させることと、
前記分離容器内の前記ブイを2つ以上の画分の間の液体中の平衡に到達させることと、
前記ブイの前記案内面及び前記ブイに結合された分離体の間の回収区画内で単離される画分を単離することと、
前記分離容器内で攪拌器を移動させて前記単離された画分を攪拌しより均一な単離された画分を生成することによって、前記回収区画内で前記単離された画分を再懸濁することと、
前記回収区画から前記単離された画分を取り出すこととを含む、ブイ式懸濁液分画システムから取り出すために微粒子を単離して再懸濁する方法。
【請求項53】
回収区画から単離された画分の第1の増加分を取り出し、前記攪拌器としての役割を果たす気泡を生成することをさらに含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記回収区画内に前記攪拌器としての役割を果たす機械的な攪拌器を設けることをさらに含む、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
前記ブイの案内面を用いて微粒子を集結させることであって、前記案内面は、ブイ周囲の付近にある集積位置の方に傾いている、微粒子を集結させることと、
前記ブイの前記案内面に沿って回収口へ前記微粒子を運ぶことと
をさらに含む、請求項52に記載の方法。
【請求項56】
前記案内面は、実質的に前記案内面の全長にわたってブイ側壁に対して傾いている、請求項52に記載の方法。
【請求項57】
第1の増加分を取り出す前に、前記分離体の上方に位置する画分を取り出すことをさらに含む、請求項52に記載の方法。
【請求項58】
ブイ式懸濁液分画システムであって、
容器壁、容器底部、及び容器上部によって囲まれる分離容器、及び前記分離容器の少なくとも一部を通るアクセス口と、
前記分離容器内のブイとを備え、
前記ブイは、
調整された密度を有し、懸濁液中で平衡位置に到達するように構成され、高さ、横寸法、及び周囲を形成するブイ上面及びブイ側壁を有し、
前記ブイの前記横寸法の3分の2を超える距離にわたって前記ブイ側壁に対して傾いた、前記ブイ上面上の案内面と、
前記案内面に対して形成される前記ブイ上面の上方の回収空間と、
前記案内面によって規定され、前記ブイ周囲の方に傾いている集積位置と
をさらに有する、ブイ式懸濁液分画システム。
【請求項59】
前記案内面は実質的に平面状である、請求項58に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項60】
ブイを用いて分画された懸濁液から画分を単離して取り出す方法であって、
調整された密度をもつブイを有する分離容器に懸濁液を充填することと、
前記分離容器を遠心分離にかけて、前記懸濁液を様々な密度の画分に分離させることと、
前記分離容器内の前記ブイを前記画分内の平衡に到達させることと、
前記ブイの案内面を用いて、微粒子を集結させることであって、前記ブイの案内面は、前記ブイの横寸法の少なくとも3分の2で前記ブイの周囲の付近にある集積位置の方に傾けられたものである、微粒子を集結させることと、
前記ブイの前記案内面に沿って回収空間へ前記微粒子を運ぶことと、
所望の画分を取り出すこととを含む、ブイを用いて分画された懸濁液から画分を単離して取り出す方法。
【請求項61】
前記微粒子を集結させることは、血小板、間質細胞、白血球、又はそれらの組み合わせからの少なくとも1つの微粒子を集結させることを含む、請求項60に記載の方法。
【請求項1】
ブイ式懸濁液分画システムであって、
容器壁、容器底部、及び容器上部によって囲まれる分離容器、及び前記分離容器の少なくとも一部を通るアクセス口と、
前記分離容器内のブイとを備え、
前記ブイは、調整された密度を有し、懸濁液中で平衡位置に到達するように構成され、高さ、横寸法、及び周囲を形成するブイ上面及びブイ側壁を有し、前記ブイ上面上の案内面をさらに有し、
前記案内面は、前記ブイ上面の上方に回収空間を有し、前記ブイ周囲の付近の集積位置の方に傾いている、ブイ式懸濁液分画システム。
【請求項2】
前記ブイは、前記懸濁液の2つの分離された画分の間の平衡界面の付近に位置するように構成され且つブイの最大断面積を実質的に規定する、最大横寸法を含む、請求項1に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項3】
平衡界面の付近で前記ブイが移動することによって、前記平衡界面に対する前記ブイの軸方向の変化に対して、前記平衡界面下方の分画された懸濁液の移動が実質的に最大になり、前記平衡界面上方の分画懸濁液の移動が実質的に最大になる、請求項2に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項4】
前記案内面は、前記ブイの横寸法の約3分の2を超える距離にわたって前記ブイ側壁に対して傾いている、請求項1に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項5】
前記案内面は、実質的に前記案内面の全長にわたって前記ブイ側壁に対して傾いている、請求項1に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項6】
前記案内面は、約10度〜約70度の平均角度で前記ブイ側壁に対して傾いている、請求項1に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項7】
前記案内面は実質的に平面状である、請求項1に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項8】
前記案内面は、実質的に前記ブイ周囲に向かって外方に傾いている、請求項1に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項9】
前記案内面は、前記ブイ周囲の第1の縁から、前記横寸法に沿って且つ実質的に前記ブイの中心を通って、前記ブイ周囲の第2の縁まで延びる、請求項8に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項10】
前記案内面は輪郭を形成する、請求項1に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項11】
前記アクセス口と連通し、且つ前記ブイ上面の上方の前記回収空間と連通する回収口をさらに備える、請求項1に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項12】
前記ブイに結合された分離体をさらに備え、
前記分離体は、前記分離体を前記ブイから離して配置して回収区域を作るためのスペーサを有する、請求項1に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項13】
前記分離体上に設けられて前記アクセス口及び前記回収区域に連通する取り出し口をさらに備える、請求項12に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項14】
前記分離体は分離体体積を有し、前記ブイはブイ体積を有し、平衡界面の下方における前記分離体体積及び前記ブイ体積の両方の第1の組み合わせが、前記平衡界面の上方における前記分離体体積及び前記ブイ体積の両方の第2の組み合わせよりも大きい、請求項12に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項15】
前記分離体は、前記ブイから離れた開放位置から前記ブイの付近の閉鎖位置へ移動するように構成される、請求項12に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項16】
前記分離体は分離体体積を有し、前記ブイはブイ体積を有し、前記分離体体積は前記ブイ体積よりも実質的に小さい、請求項12に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項17】
前記分離体は回収開口を有する、請求項12に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項18】
前記回収区域から液体が取り出されるときに圧力を均等にするための、前記分離体を通る回収通気通路をさらに備える、請求項12に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項19】
前記回収通気口と連通する回収弁をさらに備える、請求項18に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項20】
懸濁液が分離容器内で位置する場所の上方で前記回収通気口及び空気に連通する回収通気管をさらに備える、請求項18に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項21】
前記回収区域内に設けられた機械的な攪拌器をさらに備える、請求項12に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項22】
前記回収口は前記ブイ周囲の付近に位置する、請求項1に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項23】
前記案内面と前記ブイ周囲との間に介在する精密回収領域をさらに備える、請求項1に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項24】
前記分離容器が静止しているときには、前記ブイ周囲及び前記容器壁は、前記分離容器内の同じ位置に前記ブイを保持する締まり嵌めを形成し、前記分離容器が遠心分離にかけられると、前記ブイ周囲と前記容器壁との間に隙間が形成され、前記隙間は、前記分離容器内で前記ブイが移動すること及び前記ブイ周囲と前記容器壁との間を物質が通過することを可能にする、請求項1に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項25】
前記分離容器は分離管である、請求項1に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項26】
懸濁液分画システム用のブイにおいて、
調整された密度を有し、懸濁液中で平衡点に到達するように構成され、高さ、ブイ横寸法、及びブイ周囲を形成するブイ上面及びブイ側壁を有するブイを備え、
前記ブイは、
前記ブイ上面の上方の回収空間と連通する回収口と、
前記ブイ上面上の案内面であって、実質的に平面状であり、且つ前記ブイ横寸法の3分の2を超える距離にわたって前記ブイ側壁に対して傾いている案内面と、
前記ブイに結合された分離体とをさらに有し、
前記分離体は、
前記分離体を前記ブイから離して配置して前記分離体と前記ブイ上面との間に回収区域を作るためのスペーサ、及び前記分離体上に設けられて前記回収口と連通する取り出し口を有する、懸濁液分画システム用のブイ。
【請求項27】
前記ブイ横寸法には、平衡界面の付近で構成され実質的に前記ブイの最大断面積になる断面積が含まれる、請求項26に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項28】
平衡界面の付近において前記ブイが移動することによって、前記平衡界面に対する前記ブイの軸に対して、前記平衡界面の下方における画分の移動が実質的に最大となり、且つ前記平衡界面の上方における画分の移動が実質的に最大となる、請求項27に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項29】
前記回収空間から液体が取り出されるときに圧力を均等にするための、前記分離体上の回収通気口をさらに備える、請求項26に記載のブイシステム。
【請求項30】
前記回収口と連通する回収弁をさらに備える、請求項26に記載のブイシステム。
【請求項31】
懸濁液が分離容器内で位置する場所の上方で前記回収通気口と連通する回収通気管をさらに備える、請求項26に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項32】
前記回収口は前記ブイ周囲の付近に位置する、請求項26に記載のブイシステム。
【請求項33】
前記分離体は、前記ブイから離れた開放位置から前記ブイの付近の閉鎖位置へ移動するように構成される、請求項26に記載のブイシステム。
【請求項34】
前記分離体は回収開口を有する、請求項26に記載のブイシステム。
【請求項35】
前記案内面と前記ブイ周囲との間に介在する精密回収領域をさらに備える、請求項26に記載のブイシステム。
【請求項36】
前記案内面は輪郭を形成する、請求項26に記載のブイシステム。
【請求項37】
分離体体積がブイ体積よりも実質的に小さい、請求項26に記載のブイシステム。
【請求項38】
平衡界面の下方において組み合わせた第1の分離体体積及び第1のブイ体積が、前記平衡界面の上方において組み合わせた第2の分離体体積及び第2のブイ体積よりも大きい、請求項26に記載のブイシステム。
【請求項39】
懸濁液分画システム用のブイにおいて、
調整された密度を有し、懸濁液中で平衡位置に到達するように構成され、ブイ高さ及びブイ周囲を形成するブイ上部、ブイ底部、及びブイ側壁を有するブイを備え、
前記ブイは、
粒子を平衡界面に向かって斜面の下方に運ぶ案内手段をさらに有する、懸濁液分画システム用のブイ。
【請求項40】
前記ブイの付近に位置する回収空間から選択された画分を除去する回収手段をさらに備える、請求項39に記載のブイ。
【請求項41】
単離された画分用の回収区画を作る単離手段であって、前記ブイから間をあけて前記ブイに結合される単離手段をさらに備える、請求項39に記載のブイ。
【請求項42】
前記回収区画から前記単離された画分を取り出す取り出し手段をさらに備える、請求項41に記載のブイ。
【請求項43】
前記選択された画分の正確な画分を回収する精密回収手段をさらに備える、請求項39に記載のブイ。
【請求項44】
ブイを用いて分画された懸濁液から画分を単離して取り出す方法であって、
調整された密度をもつブイを有する分離容器に懸濁液を充填することと、
前記分離容器を遠心分離にかけて、前記懸濁液を様々な密度の画分に分離させることと、
前記分離容器内の前記ブイを前記画分内の平衡に到達させるステップと、
前記ブイの周囲の付近にある集積位置の方に傾いた前記ブイの案内面を用いて、微粒子を集結させることと、
前記ブイの前記案内面に沿って回収空間へ前記微粒子を運ぶことと、
所望の画分を取り出すことと
を含む、ブイを用いて分画された懸濁液から画分を単離して取り出す方法。
【請求項45】
平衡界面の付近で実質的に最大の横断面断面積を有する前記ブイの軸方向移動に対して、前記平衡界面の下方における分画された懸濁液の体積の移動を実質的に最大とし、且つ前記平衡界面の上方における分画された懸濁液の体積の移動を実質的に最大とすることをさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
アクセス口を通して前記分離容器を充填し、前記アクセス口を通して前記所望の画分を取り出すことをさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記ブイの前記案内面と前記ブイに結合された分離体との間の回収区画内で分離された画分を単離することをさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項48】
前記分離体を通る取り出し口を通して前記単離された画分を取り出すことをさらに含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記案内面は、実質的に前記案内面の全長にわたってブイ側壁に対して傾いている、請求項44に記載の方法。
【請求項50】
前記案内面に沿って微粒子を運ぶことは、実質的に平坦な経路に沿って前記回収空間へ前記微粒子を運ぶことを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項51】
前記懸濁液を取得することと、
第1のアクセス口を通して前記分離容器に前記懸濁液を充填し、第2のアクセス口を通して前記所望の画分を取り出すこととをさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項52】
ブイ式懸濁液分画システムから取り出すために微粒子を単離して再懸濁する方法であって、
調整された密度をもつブイを有する分離容器に懸濁液を充填することと、
前記分離容器を遠心分離にかけ、前記懸濁液を様々な密度の画分に分離させることと、
前記分離容器内の前記ブイを2つ以上の画分の間の液体中の平衡に到達させることと、
前記ブイの前記案内面及び前記ブイに結合された分離体の間の回収区画内で単離される画分を単離することと、
前記分離容器内で攪拌器を移動させて前記単離された画分を攪拌しより均一な単離された画分を生成することによって、前記回収区画内で前記単離された画分を再懸濁することと、
前記回収区画から前記単離された画分を取り出すこととを含む、ブイ式懸濁液分画システムから取り出すために微粒子を単離して再懸濁する方法。
【請求項53】
回収区画から単離された画分の第1の増加分を取り出し、前記攪拌器としての役割を果たす気泡を生成することをさらに含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記回収区画内に前記攪拌器としての役割を果たす機械的な攪拌器を設けることをさらに含む、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
前記ブイの案内面を用いて微粒子を集結させることであって、前記案内面は、ブイ周囲の付近にある集積位置の方に傾いている、微粒子を集結させることと、
前記ブイの前記案内面に沿って回収口へ前記微粒子を運ぶことと
をさらに含む、請求項52に記載の方法。
【請求項56】
前記案内面は、実質的に前記案内面の全長にわたってブイ側壁に対して傾いている、請求項52に記載の方法。
【請求項57】
第1の増加分を取り出す前に、前記分離体の上方に位置する画分を取り出すことをさらに含む、請求項52に記載の方法。
【請求項58】
ブイ式懸濁液分画システムであって、
容器壁、容器底部、及び容器上部によって囲まれる分離容器、及び前記分離容器の少なくとも一部を通るアクセス口と、
前記分離容器内のブイとを備え、
前記ブイは、
調整された密度を有し、懸濁液中で平衡位置に到達するように構成され、高さ、横寸法、及び周囲を形成するブイ上面及びブイ側壁を有し、
前記ブイの前記横寸法の3分の2を超える距離にわたって前記ブイ側壁に対して傾いた、前記ブイ上面上の案内面と、
前記案内面に対して形成される前記ブイ上面の上方の回収空間と、
前記案内面によって規定され、前記ブイ周囲の方に傾いている集積位置と
をさらに有する、ブイ式懸濁液分画システム。
【請求項59】
前記案内面は実質的に平面状である、請求項58に記載のブイ式懸濁液分画システム。
【請求項60】
ブイを用いて分画された懸濁液から画分を単離して取り出す方法であって、
調整された密度をもつブイを有する分離容器に懸濁液を充填することと、
前記分離容器を遠心分離にかけて、前記懸濁液を様々な密度の画分に分離させることと、
前記分離容器内の前記ブイを前記画分内の平衡に到達させることと、
前記ブイの案内面を用いて、微粒子を集結させることであって、前記ブイの案内面は、前記ブイの横寸法の少なくとも3分の2で前記ブイの周囲の付近にある集積位置の方に傾けられたものである、微粒子を集結させることと、
前記ブイの前記案内面に沿って回収空間へ前記微粒子を運ぶことと、
所望の画分を取り出すこととを含む、ブイを用いて分画された懸濁液から画分を単離して取り出す方法。
【請求項61】
前記微粒子を集結させることは、血小板、間質細胞、白血球、又はそれらの組み合わせからの少なくとも1つの微粒子を集結させることを含む、請求項60に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9A1】
【図9A2】
【図9B】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9A1】
【図9A2】
【図9B】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公表番号】特表2010−527912(P2010−527912A)
【公表日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−503066(P2010−503066)
【出願日】平成20年4月11日(2008.4.11)
【国際出願番号】PCT/US2008/004687
【国際公開番号】WO2008/127639
【国際公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(509283638)バイオメット・バイオロジックス・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (1)
【氏名又は名称原語表記】BIOMET BIOLOGICS, LLC
【住所又は居所原語表記】56 E. Bell Drive, Warsaw, IN 46582, United States of America
【出願人】(507266369)ハヌマン リミテッド ライアビリティ カンパニー (7)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月11日(2008.4.11)
【国際出願番号】PCT/US2008/004687
【国際公開番号】WO2008/127639
【国際公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(509283638)バイオメット・バイオロジックス・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (1)
【氏名又は名称原語表記】BIOMET BIOLOGICS, LLC
【住所又は居所原語表記】56 E. Bell Drive, Warsaw, IN 46582, United States of America
【出願人】(507266369)ハヌマン リミテッド ライアビリティ カンパニー (7)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]