説明

ブスピロンの局所製剤および使用

ブスピロンの液体もしくは半固体局所製剤は、in vitro でヒトの表皮に適応する場合に、ブスピロンの経表皮流量(個々のもしくは平均のデータ)において、適応後5時間にわたって0.1〜1.1μg/cm/時;適応後13時間にわたって0.09〜0.60μg/cm/時;適応後24時間にわたって0.09〜0.48μg/cm/時;適応後30時間にわたって0.08〜0.46μg/cm/時;適応後48時間にわたって0.08〜0.39μg/cm/時のひとつまたはそれ以上の範囲となる。ブスピロンは、掻痒または免疫関連皮膚疾患の処置に使用するための局所薬剤の製造に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野
本発明は、免疫関連皮膚疾患および掻痒の処置のための、ブスピロンの局所製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景
ブスピロン、すなわち8−[4−[4−(2−ピリミジル)−1−ピペラジニル]ブチル]−8−アザスピロ[4.5]デカン−7,9−ジオンは、現在、抗不安薬として用いられている。この目的のために、本化合物は、経口で投与されている。経皮投与のためのブスピロンのパッチ製剤はまた、中枢神経系関連疾患のために開発されている。
【0003】
ブスピロンはまた、免疫応答に関連する病理状態の処置のための薬剤として開発されている。この有用性、およびその局所および全身の使用は、US-A-5484788、US-A-5631017、および WO 94/22448 に記載されている。これらの特許明細書は、ブスピロンがマウスにおいてオキサゾロン過敏反応を阻害することができることを開示している。
【0004】
US-A-5637314 は、アトピー性皮膚炎を処置するための、ブスピロンもしくはその誘導体の局所および全身適用を開示しており、そしてブスピロンでの経口試験による臨床データを示している。一般的に、全身投与は、相当時間後に望ましい効果を提供する。
【0005】
特に、US-A-5484788 は、免疫抑制を得るための、ブスピロンの全身および局所投与を記載している。局所投与のための有効な投与は示されていないが、全身で与えられるより少ない量であることが記載されている。
【0006】
オキサゾロン過敏反応のマウスの試験データは、McAloon et al., 1995, Int. Arch. Allergy Immunol., 107, 437-438 に報告されている。この論文から、局所で適応された(規定されていない溶液で)ブスピロンは、100mg/ml〜0.25mg/mlの範囲にわたってオキサゾロン耳腫大を阻害すると結論付けることが可能である。
【0007】
掻痒(かゆみ)は、ひっかきたいという欲求を誘発する不快な感覚である。それは、不快感を引き起こし、主要な保護バリアとしての皮膚の有効性を脅かす、悩ましい症状である。掻痒の主観的な性質、正確な定義の不足、および適切な動物モデルの不足のために、掻痒は、適切に研究されていなかった障害である。
【0008】
皮膚は、身体の全重量の15%を構成し、身体の最も大きな器官である。皮膚は、重要な心理社会的機能および身体機能を有する。保護メカニズムとしてのその機能が、皮膚の最も重要な役割である。しかし、皮膚はまた、自己イメージに必須のものであり、接触し接触され得ることが可能であり、それによってコミュニケーションの重要な要素を提供する。
【0009】
発疹もしくは皮膚傷害を伴わない全身の痒みの症状は、皮膚の乾燥から潜在的な癌の何れかに関連し、症状の病因を探すべきである。一般的な非悪性病因学的因子は、薬物反応、乾皮症、疥癬、または一次性皮膚疾患を含む。掻痒は、高齢の患者の最も一般的な苦情の1つであるが、高齢者の掻痒症状の重要性の概算値は、10%から50%に変化している。この患者群における掻痒に関する最も一般的な診断は、単なる乾燥皮膚である。
【0010】
全身の掻痒は、慢性腎臓疾患を有する全ての個人の約13%で、そしてその処置のために血液透析を行っている個人の約70%〜90%で見出されている。肝臓内閉塞もしくは肝後閉塞を伴う胆汁鬱帯性肝臓疾患は、胆汁酸の血清レベルの増大を伴う場合も伴わない場合も、しばしば掻痒に関連している。他の病因学的因子は、原発性胆汁性肝硬変、フェノチアジンもしくは経口避妊薬に関連する胆汁鬱帯、妊娠における肝臓内胆汁鬱帯、および肝後閉塞を含む。
【発明の開示】
【0011】
本発明の要約
本発明は、ブスピロンが、例えば免疫関連皮膚疾患(例えばアトピー性皮膚炎および乾癬)または掻痒の処置のために、ヒトへの局所投与後に有用な性質を有し得ることを見出したことに、少なくとも一部基づいている。特に、本発明は、掻痒の症状からの急性軽減(1回適応後)を提供することができ、そしてこのことが長期間処置のみを扱う何れかの処置に対する主な利点である。
【0012】
このような状態(免疫関連皮膚疾患および掻痒)における効力のために、ブスピロンの皮膚浸透が必要とされる。マウスの耳の皮膚への浸透は、McAloonらが明らかとしたように、ヒトの皮膚への浸透に直接匹敵しない。一般的に、ヒトの皮膚への浸透は、最も外側の層である角質層への浸透に実質的に依存する。ブスピロンの濃度、浸透エンハンサーの存在、および/またはブスピロン皮膚浸透の速度を修飾する他の薬剤を含む、特定の製剤から作用する領域へのブスピロンの送達を決定する多くの変数がある。有効な製剤は効力には十分であるがブスピロンの過剰投与の症状を引き起こすには不十分なブスピロンを送達するべきであるため、ブスピロンが皮膚へ浸透する速度は重要である。処置されるべき皮膚の領域はまた、特にブスピロンの過剰投与の症候を考える際に、考慮に入れなければならない(Physician's Desk Reference edition 2000 page 822 published by Medical Economics Company Inc, Montvale NJ, USA を参照のこと)。望ましいエンドポイントに達し得ることが認められるならば、これらの変数は当業者によって制御され得る。
【0013】
免疫関連皮膚疾患および掻痒の処置における、局所に投与されたブスピロンにおける最適な表皮流量は、以前に定義されていなかった。適切な用量で局所に投与された場合に、ブスピロンが免疫関連疾患のみならず、掻痒(非免疫関連状態に関連するものを含む)を処置するのにも有効であり得ることが、以前には認められていなかった。
【0014】
本発明の説明
本発明に使用するための活性成分は、典型的に、ブスピロン塩、例えば塩酸塩である。“ブスピロン”という用語は、本化合物の何れかの活性な形態を言うために、ここで用いられる。
【0015】
本明細書は、in vitro 試験系で、ブスピロンのヒトの皮膚への最適な流量を定義し、この特性を有する局所製剤は、免疫関連疾患および掻痒の処置のための治療範囲で効果を生じる。この最適な流量は、幾つかの異なる局所製剤を用いて達成され得る。
【0016】
望ましい製剤は、非密封であり、かつ液体もしくは半固体である。例えば擦ることによる適用を、局所的な症候の全領域(例えば20、50、100cmまたはそれ以上)に行い得る。この領域は、実質的に身体全体を含んでもよく、少なくともその一部、例えば手足を含んでもよい。
【0017】
局所製剤を製造するために、治療有効濃度の本化合物を、当業界で既知の皮膚科学的なビークル中に入れる。投与されるべき治療化合物の量および局所製剤中の該化合物の濃度は、選択されたビークル、患者の臨床状態、製剤中の該化合物の副作用および安定性に依存する。従って、医師は、対象の患者または同様の患者での臨床的な経験によって、適切な濃度の治療化合物を含む適切な製剤を用い、投与される製剤の量を選択する。
【0018】
局所製剤における治療化合物の濃度は、約0.01mg/ml〜約100mg/mlの範囲である。典型的には、局所製剤における治療化合物の濃度は、約0.5mg/ml〜約50mg/mlの範囲である。ブスピロンの経皮流量(個々のまたは平均のデータ)は、
適応後5時間にわたって評価された時に0.1〜1.1μg/cm/時;
適応後13時間にわたって評価された時に0.09〜0.60μg/cm/時;
適応後24時間にわたって評価された時に0.09〜0.48μg/cm/時;
適応後30時間にわたって評価された時に0.08〜0.46μg/cm/時;および
適応後48時間にわたって評価された時に0.08〜0.39μg/cm/時
のひとつまたはそれ以上の範囲であるべきである。
【0019】
治療化合物の固体分散物および可溶化製剤を用い得る。従って、正確な濃度は、治療応答を最適化するために、最適な実験操作を行う。適切なビークルは、ミネラルオイル、ワセリンなどを用いた水中油型もしくは油中水型エマルジョン、およびゲル、例えばヒドロゲルを含む。適切な製剤は、油もしくは水をベースとしてよく、そしてクリーム、ローション、軟膏などを含み得る。
【0020】
治療化合物は、経皮治療系の使用によって、所望により局所で投与される(Barry, Dermatological Formulations, Marcel Dekker, 1983, p.181 および本明細書で引用された文献を参照のこと)。一方、経皮送達が可能であると定義した低分子量薬の経皮投与のために、該局所送達系が主に設計された。それらは、速度制御ミクロ多孔性膜の適切な選択によって、本発明の治療化合物の投与に適合され得る。
下記の実施例は、本発明を説明している。
【実施例】
【0021】
実施例1
製剤
ブスピロン塩酸塩の製剤は、さらに、ステアリン酸グリセロール、セチルアルコール、PEG-100 ステアリン酸エステル、白色軟パラフィン、ミリスチン酸イソプロピル、ソルビトール、ベンジルアルコール、および精製水を含んで製造された (組成:ブスピロン塩酸塩 5.5%、ステアリン酸グリセロール 3%、セチルアルコール 2.3%、PEG-100 ステアリン酸エステル 2.3%、白色軟パラフィン 7.6%、ミリスチン酸イソプロピル 4.5%、ソルビトール 3.8%、ベンジルアルコール 1%、および精製水 70%)。この製剤のヒトの表皮を通過するブスピロンの流量は、in vitro で定義され、そして次に該製剤を、アトピー性皮膚炎を有する患者において、臨床試験で効力を試験した。その規定された流量を有する製剤は、アトピー性皮膚炎と掻痒の程度を軽減するのに効果があるが、ブスピロンの過剰投与の形跡(鎮静、眩暈、胃の不快感、悪心の症状の組み合わせ)をもたらさなかった(体表面積全体の15%未満に適用した場合)ことが見出された。
【0022】
in vitro でのヒトの表皮を通過するブスピロンの流量
ブスピロンを含む局所製剤の in vitro でのヒトの表皮の浸透は、Franzセル法(Howes et al., 1996, Methods for assessing percutaneous absorption. ECVAM Workshop Report ATLA 2481)を用いて試験した。女性の美容腹部形成術(Europid, 年齢30〜45才)による皮膚を脱脂し、正味の厚さの皮膚を−20℃で使用するまで保存した。皮膚を60℃で45秒間水に浸漬することによって、表皮のシートを真皮から分離した。この手順の後、皮膚をピンで留めて、真皮と表皮を先の鈍いネズミの歯状ピンセットで丁寧に分離することによって表皮層を除いた。
【0023】
表皮を蒸留水に浮かべ、濾紙上に取り、ティッシュで吸い取って乾かした。次に皮膚をFranz拡散セル (曝露皮膚表面積=約0.5cm2, レセプター相体積=約1.7ml, それぞれのFranzセルについて個々に決定した)の2つのハーフの間に、角質層を最上層として置いた。次にこれらの2つのハーフを一緒にクランプで留めた。
【0024】
何れの適切な方法も用い得るが、下記のHPLC法を用いてブスピロン濃度を決定した。HPLC装置は、Waters 717 plus Autosampler、Waters 2487 Dual λ Absorbance Detector、Waters 600 Controller Pump および Millenium Chromatographic Manager Software からなる。クロマトグラフィー条件は、column Hichrom 5μ C18 ODS column、長さ250×4.6mm、温度40℃、移動相 10% NaOHでpH 6.9に調節した40% KHPO(1.36g/L)、60% メタノール:アセトニトリル 17:13、流量1.0ml/分、UV波長210nm、注入体積20μl、ラン・タイム 30分であった。
【0025】
ブスピロンの皮膚を通る輸送速度の正確な決定は、受容液中の浸透条件(sink conditions)の維持に依存する。リン酸緩衝食塩水におけるブスピロン塩酸塩の溶解度は、3mg/ml以上であることが見出された。このような高い溶解性は、試験における浸透条件を確保するのに十分であった。また、ブスピロンが試験中受容液中で安定であることを確認した。
【0026】
ブスピロンのクリーム製剤を、5mg/cm2の標的用量で皮膚の表面に適用し(Howes et al, 1996)、アプリケーターを用いて、右回り方向および左回り方向の両方で円形の動きで10回すり込んだ。送達された量を測定するために、約4mgのクリームをアプリケーターの先に正確に秤量した。次に1回量を対照表皮シートに上記の通りに適用し、この手順の間に消失した製剤の量を計算するために、アプリケーターを適用後に秤量した。これを10回繰り返し、平均値(3.0±0.1mg製剤/セル)を、Franzセル試験において積算した(deposite)用量とした。この量は、ブスピロン塩酸塩の平均量 197.1μgに等しい(遊離塩基で175.1μgに等しい)。それぞれのセルの受容容器をPBS(リン酸緩衝食塩水)で満たした。それぞれの製剤について3人のドナーから12回分(3×4サンプル)を調製した。Franzセルを一定温度の水浴に浸漬し、実験の間受容容器を37.0±0.5℃に保った。皮膚表面温度が32.0±1℃に保たれていることを確かめた。受容容器の内容物を水中に沈められるマグネチック・スターラーによって動く小さいPTFEでコートされた磁力回転子(magnetic follower)によって連続的に激しく撹拌した。
【0027】
受容相のサンプル(200μl)を、1、5、13、24、および30時間 (すぐに新しい受容液PBSで置換した)および最終サンプルと共に取り、48時間でECVAMガイドラインにより質量バランスをとった(Howes et al, 1996)。これらのサンプルを、上記で記載した通りに高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって、ブスピロン含量について分析し、浸透した量とパーセンテージを時間に対してプロットした。
【0028】
Franzセル中で、ブスピロンが表皮層を通る最小および最大の流量は、実験開始後5、13、24、30、および48時間で決定した(9回の実験のセット)。結果を下記に表にする。
【0029】
【表1】

【0030】
実施例2
軽度から中程度のアトピー性皮膚炎および掻痒を有する患者における効力試験
無作為二重盲検プラセボ対照平行グループ試験を、82人の軽度から中程度のアトピー性皮膚炎(AD)を有する患者(掻痒を有する患者も含む)で行った。患者は、試験薬物(実施例1に記載された通りのブスピロン塩酸塩5.5%を含む局所クリーム)または対照薬物(この場合、プラセボ、すなわちブスピロンを含まない局所クリーム、組成:ステアリン酸グリセロール 3.8%、セチルアルコール 2.9%、PEG-100 ステアリン酸エステル 2.9%、白色軟パラフィン 9.3%、ミリスチン酸イソプロピル 5.6%、ソルビトール 4.7%、ベンジルアルコール 1%、および精製水 70%)の何れかを、無作為化によって決定された通りに与えた。4週の処置相の間で、試験薬物またはプラセボを、処置が必要なアトピー性皮膚炎に罹患している全ての皮膚領域に1日2回適用した。処置相に先だって、処置なしで少なくとも3日ウオッシュアウト期間をおいた。
【0031】
ADの重症度は、ウオッシュアウト相の最後に、すなわち試験薬物の1回目の適用前に、および処置相の15日目および29日目に、標準化スコアリング指標SCORAD(Scoring in Atopic Dermatitis)を用いて、研究者によってスクリーニングで評価した。患者自身によって、視覚アナログ尺度(VAS)を用いて、痒みを1日2回評価した。このために、患者に、標的領域の現在の痒みを10cmの視覚アナログ尺度で点数を付けることを求めた。尺度の末端を、痒みなし(0cmに対応)と、最もひどいものであろう痒み(10cmに対応)とラベルした。クリームのそれぞれの適用のすぐ前に測定を行った。この時点での測定は、慢性の痒みを表し、そして痒みへのクリームの使用直後の効果は一切評価しない。慢性の痒みに加えて、急性の痒みへの可能性のある効果を、1回目のクリームの適用の直前に(1日目)、および1時間目、2時間目、3時間目、6時間目に、および1日目の2回目の適用(通常1回目の適用の12時間後)の直前に測定を行うことによって評価した。
【0032】
アトピー性皮膚炎についての主な効果の変量は、SCORADの全スコア(累積指標)であった。第1のエンドポイントは29日目であった。第2のエンドポイントは次の来院時であった。ベースライン(1日目)との違いを統計学的分析に用いた。
【0033】
試験の結果を、アトピー性皮膚炎の処置のために1日2回4週間試験薬物を用いた68人の患者(プロトコル分析当たり)の分析における全SCORADスコアは、プラセボを用いた患者における全SCORADスコアより低かった。ベースラインおよび29日目における平均全SCORADスコアにおける変化を観察し、プラセボでは31%減少(n=34)であり、そして試験では49%減少であった(n=30)。プロトコル・データセット当たりで、15日目で、試験とプラセボの間の全SCORADスコア(ベースラインに対する%変化)において、統計学的に有意な違いがあった(p=0.0386)。
【0034】
試験薬物は、慢性掻痒を29日にわたって有意に減少させ、このことからアトピー性皮膚炎の重症度を減少させると期待される。驚くべき事に、しかしながら、試験クリームの1回目の適用から非常に速くに(1時間以内)、痒みが劇的に減少することが見出された。この急性の痒みの減少は、予期されていなかった。そしてこのことは、薬物の何れかの免疫調節性に関係しない試験クリームの痒みへの直接作用を示している。データセットを処理する目的から、試験における痒みの値(中央値)は以下の通りであった:適用前 3.5cm、適用1時間後 1.75cm、適用2時間後 1.15cm、適用3時間後 0.85cm、適用6時間後 1.05cm、および適用12時間後 1.25cm(n=37〜38)。従って、抗掻痒効果は、すでに、適用1時間後で掻痒の50%減少で明らかであり、最大効果は適用3時間後に現れ、その後は効果の幾らかの回復があった。3時間後の効果は、掻痒中央値で76%減少に対応する。プラセボでは、対応する3時間目の値で、37%減少したのみであった(試験で見られる減少の半分未満, n=40)。
処置の間に、ブスピロンの過剰投与による効果の範囲(上記で定義した通り)を示した患者はいなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
in vitroでヒトの表皮に適用した(本明細書中で定義した方法に従って)ときに、ブスピロンの経表皮流量が、
適応後5時間にわたって評価された時に0.1〜1.1μg/cm/時;
適応後13時間にわたって評価された時に0.09〜0.60μg/cm/時;
適応後24時間にわたって評価された時に0.09〜0.48μg/cm/時;
適応後30時間にわたって評価された時に0.08〜0.46μg/cm/時;および
適応後48時間にわたって評価された時に0.08〜0.39μg/cm/時;
のひとつまたはそれ以上の範囲となる、ブスピロンの液体もしくは半固体局所製剤。
【請求項2】
非密封(non-occlusive)である、請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
クリーム、軟膏、またはゲルである、請求項1または2に記載の製剤。
【請求項4】
掻痒または免疫関連皮膚疾患の処置に使用するための局所薬剤の製造のためのブスピロンの使用。
【請求項5】
掻痒の急性処置のための請求項4に記載の使用。
【請求項6】
処置が72時間まで行われる、請求項5に記載の使用。
【請求項7】
処置が24時間まで行われる、請求項5に記載の使用。
【請求項8】
掻痒が免疫疾患に関連しない、請求項3から7の何れかに記載の使用。
【請求項9】
アトピー性皮膚炎の処置のための、請求項4に記載の使用。
【請求項10】
乾癬の処置のための、請求項4に記載の使用。
【請求項11】
薬物は、液体もしくは半固体であり、かつ非密封である、請求項4から10の何れかに記載の使用。
【請求項12】
ヒトの患者における掻痒または免疫関連皮膚疾患の処置方法であって、有効量のブスピロンの患者への局所投与を含む方法。
【請求項13】
掻痒の急性処置のための請求項12に記載の方法。
【請求項14】
処置が72時間まで行われる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
処置が24時間まで行われる、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
掻痒が免疫疾患に関連しない。請求項12に記載の方法。
【請求項17】
アトピー性皮膚炎の処置のための、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
乾癬の処置のための請求項12に記載の方法。
【請求項19】
ブスピロンが処置される状態の全領域にわたって適応される、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
ブスピロンが請求項に定義した通りの製剤中にある、請求項12に記載の方法。

【公表番号】特表2006−521339(P2006−521339A)
【公表日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505999(P2006−505999)
【出願日】平成16年3月22日(2004.3.22)
【国際出願番号】PCT/GB2004/001242
【国際公開番号】WO2004/084900
【国際公開日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【出願人】(502419948)アラクノーバ・セラピューティックス・リミテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】Arachnova Therapeutics Ltd.
【Fターム(参考)】