説明

ブラインドリベットを用いるピストンプレート結合

トルクコンバータのためのクラッチアセンブリは、カバー(112)と、穴(130)を有するピストンプレート(114)と、穴に配置されたリベット(116)とを有する。リベットはリベット頭部(134)を有する。リベットをピストンプレートに固定するためにリベットに圧力を加える前に、リベット頭部はピストンプレートとカバーとの間に締め付けられている。トルクコンバータのためのクラッチアセンブリは、カバーと、穴を有するピストンプレートと、カバーに固定して取り付けられた第1の端部(143)と第2の端部(141)とを有する板ばね(140)と、板ばねの第2の端部をピストンプレートに結合するリベットとを有する。リベットは、板ばねの第2の端部とカバーとの間に配置された頭部と、ピストンプレートの穴における軸部(138)とを有する。軸が拡張させられる前にリベット頭部をカバーとピストンプレートとの間に締め付けるようにピストンプレート又はカバーが可撓性である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願とのクロスリファレンス
本願は、2009年10月20日に出願された米国特許仮出願第61/253181号明細書及び2010年6月9日に出願された米国特許仮出願第61/352946号明細書の、合衆国法典第35巻セクション119(e)の利益を請求し、これらの出願は引用したことにより本明細書に記載されたものとする。
【0002】
発明の分野
本発明は、概してトルクコンバータにおけるピストンプレート結合、特にブラインドリベットを用いるピストンプレート結合に関する。
【0003】
発明の背景
米国特許第6193036号明細書には、ピストンを周方向タブに固定するためのピストン又はカバー壁部における貫通穴が開示されている。穴は最終的にシャッタによって閉鎖される。
【0004】
発明の簡単な概要
本発明の態様例は、広くは、原動機と駆動係合するためのカバーと、穴を有するピストンプレートと、穴に配置されたリベットとを有する、トルクコンバータのためのクラッチアセンブリを含む。リベットは、リベット頭部を有しており、リベットをピストンプレートに固定するためにリベットに圧力を加える前に、リベット頭部がピストンプレートとカバーとの間に締め付けられる。
【0005】
発明の別の態様例は、広くは、半径方向壁部を有するカバーと、クラッチを係合させるために配置されかつ穴を有するピストンプレートと、カバーの半径方向壁に固定して取り付けられた第1の端部と第2の端部とを有する板ばねと、板ばねの第2の端部をピストンプレートに結合するリベットとを有する、トルクコンバータのためのクラッチアセンブリを含む。リベットは、軸方向で板ばねの第2の端部とカバーとの間に配置された頭部と、ピストンプレートの穴を貫通した軸部とを有する。軸が拡張させられる前にリベット頭部を半径方向壁部とピストンプレートとの間に締め付けるようにピストンプレート又はカバーは可撓性である。
【0006】
発明の別の態様例は、広くは、リベット頭部とリベット本体とを有するリベットをピストンプレートの穴に取り付け、リベット頭部をピストンプレートとカバーとの間に締め付け、リベット本体をピストンプレートの穴の中で拡張させることを含む、トルクコンバータのためのピストンプレート及びカバーを組み立てる方法を含む。
【0007】
発明の別の態様例は、広くは、詰め板をカバーに取り付け、リベット頭部及びリベット本体を有するリベットをピストンプレートの穴に取り付け、リベット頭部を詰め板で支持し、リベット本体をピストンプレートの穴の中で拡張させることを含む、トルクコンバータのためのピストンプレート及びカバーを組み立てる方法を含む。
【0008】
発明の別の態様例は、広くは、穴を有するピストンプレートと、穴に配置されたリベットとを有する、トルクコンバータのためのクラッチアセンブリを含む。リベットは、リベット頭部を有しており、リベットをピストンプレートに固定するために圧力がリベットに加えられた時にリベット頭部をカバーとピストンプレートとの間に締め付けるようにピストンプレートが変位可能である。
【0009】
発明の別の態様例は、広くは、リベット頭部及びリベット本体を有するリベットをピストンプレートの穴に取り付け、リベット頭部がカバーとピストンプレートとの間に締め付けられるようにピストンプレートを軸方向に変位させ、リベット本体をピストンプレート穴の中で拡張させることを含む、トルクコンバータのためのピストンプレート及びカバーを組み立てる方法を含む。
【0010】
図面の簡単な説明
本発明の性質及び態様をここで添付の図面を参照した発明の以下の詳細な説明においてより完全に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1A】本願において使用される空間的な用語を例示した円柱座標系の斜視図である。
【図1B】本願において使用される空間的な用語を例示した図1Aの円柱座標系における物体の斜視図である。
【図2】発明の態様例による、分かりやすくするためにピストンプレートが取り外されたクラッチアセンブリの平面図である。
【図3】カバーリベットに沿って見た、図2に示したクラッチアセンブリの断面図である。
【図4】ピストンプレートリベットに沿って見た、図2に示したクラッチアセンブリの断面図である。
【図5】本発明の態様例による、クラッチアセンブリのためのピストンプレート及びカバーを組み立てる方法を例示する図である。
【図6】発明の態様例による、分かりやすくするために詰め板が取り付けられかつピストンプレートが取り外された、クラッチアセンブリの正面図である。
【図7】ピストンリベットに沿って見た、図2に示したクラッチアセンブリの断面図である。
【図8】発明の態様例による、クラッチアセンブリのためのピストンプレート及びカバーを組み立てる方法を示す図である。
【図9】ピストンプレートリベットに沿って見たクラッチアセンブリの断面図である。
【0012】
発明の詳細な説明
最初に、異なる図面に示された同じ参照符号は、同一の、又は機能的に類似の、構造的なエレメントを特定していると認められるべきである。さらに、本発明は、ここに記載された特定の実施形態、方法、材料及び変更だけに限定されるのではなく、もちろん変化してよいことが理解される。ここで使用された用語は特定の態様を説明するためだけのものであり、発明の範囲を限定しようとするものではなく、発明の範囲は添付の請求項によってのみ限定されることも理解される。
【0013】
そうでないことが定義されない限り、ここで使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術の分野の当業者にとって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。ここに記載されたものと類似又は均等のあらゆる方法、装置又は材料を発明の実施又は試験において使用することができるが、ここでは方法、装置及び材料の以下の例を説明する。
【0014】
図1Aは、本願において使用される空間的な用語を例示した円柱座標系80の斜視図である。本発明は、少なくとも部分的に円柱座標系の関連の中で説明される。系80は、以下の方向及び空間を示す用語のための基準として使用される長手方向軸線81を有する。「軸線方向」、「半径方向」及び「周方向」という形容詞はそれぞれ、軸線81、半径82(軸線81に対して直交する)及び円周82に関する。「軸線方向」、「半径方向」及び「周方向」は、それぞれの平面に対して平行な向きにも関する。様々な平面の配置を明らかにするために、物体84,85及び86が使用される。物体84の面87は軸線方向平面を形成している。つまり、軸線81は、面に沿った線を形成している。物体85の面88は半径方向平面を形成している。つまり、半径82は、面に沿った線を形成している。物体86の面89は、周方向平面を形成している。つまり、円周83は、面に沿った線を形成している。別の例として、軸線方向の移動又は配置は軸線81に対して平行であり、半径方向の移動又は配置は半径82に対して平行であり、周方向の移動又は配置は円周83に対して平行である。回転は軸線81に関する。
【0015】
「軸線方向に」、「半径方向に」及び「周方向に」という副詞はそれぞれ、軸線81、半径82又は円周83に対して平行な向きに関する。「軸線方向に」、「半径方向に」及び「周方向に」という副詞は、それぞれの平面に対して平行な向きにも関する。
【0016】
図1Bは、本願において使用される空間的な用語を例示した、図1Aの円柱座標系80における物体90の斜視図である。円柱形の物体90は、円柱座標系における円柱形の物体を表しており、本発明をいかようにも限定しようとするものではない。物体90は、軸線方向の面91、半径方向の面92及び周方向の面93を有している。面91は軸線方向の平面の一部であり、半径方向の面92は半径方向平面の一部であり、面93は周方向平面の一部である。
【0017】
以下の説明は図2から図4に関してなされる。図2は、発明の態様例による、分かりやすくするためにピストンプレートが取り除かれたクラッチアセンブリの平面図である。図3は、カバーリベットに沿って見た、図2に示されたクラッチアセンブリの断面図である。図4は、ピストンプレートリベットに沿って見た、図2に示されたクラッチアセンブリの断面図である。クラッチアセンブリ110は、トルクコンバータ(図示せず)の一部である。トルクコンバータは、技術分野において一般的に知られているように、ポンプ、タービン及びステータをも有してよい。クラッチアセンブリ110は、カバー112、ピストンプレート114、及びリベット116を有する。カバー112は、例えば駆動プレート118を介して、車両エンジンのような電動機に駆動的に係合可能である。
【0018】
クラッチアセンブリ110は、カバー摩擦面126及びピストンプレート摩擦面128のそれぞれに隣接して配置された摩擦リング122及び124を備えた駆動リング120を有する。駆動リング120は、トルクコンバータのためのダンパ(図示せず)と駆動的に結合されていてよい。ダンパ自体は、クラッチアセンブリ110が係合させられたときに駆動トルクが電動機からクラッチを介してトランスミッションへ伝達されるように車両トランスミッションの入力軸と駆動的に結合されている。
【0019】
ピストンプレート114は穴130を有する。穴130は概してピストンプレート114の内径132の近くに配置されている。リベット116は穴130に配置されている。リベット116の頭部134はカバー112の部分136の近くにある。部分136は、カバー112の半径方向壁部137の一部分であってよい。後述するように、リベット116をピストンプレート114に固定するために圧力が加えられる時にカバー112とリベット頭部134との接触を可能にするようにカバー112及び/又はピストンプレート114は可撓性である。リベット116に加えられた圧力は軸部138を半径方向に拡張させ、端部139がピストンプレート116の穴130よりも大きくなるように、拡張した端部139を形成する。発明の実施形態の例において、部分136は隆起した部分であり、リベット軸部138が拡張される前にリベット頭部134がカバーの隆起した部分136に接触する。
【0020】
クラッチアセンブリ110は板ばね140を有していてよい。板ばね140の端部141はリベット116によってピストンプレート114に結合されている(図4)。発明の幾つかの実施形態の例において、板ばね140の端部143はカバー112に結合されている(図3)。発明の実施形態の例において、カバー112は、押し出されたリベット142を有しており、板ばね140は、押し出されたリベット142によってカバー112に結合されている。発明の実施形態の例において、後述のように、板ばね140がピストンプレート114に結合される前に板ばね140はカバー112に結合されている。
【0021】
リベット116を板ばね140の穴144に保持するために板ばね140はリベット頭部保持部分(図示せず)を有していてよい。保持部分は、カバー部分136とリベット頭部134との間に板ばね140から延びたタブを有していてよく、頭部134が板ばねの面146とタブとの間に保持されるようになっている。発明の実施形態の一例において、カバー112とリベット頭部保持部分との接触を可能にするためにカバー112は可撓性である。発明の実施形態の例において、カバー112とリベット頭部保持部分との接触を可能にするためにピストンプレート114は可撓性である。発明の実施形態の一例において、リベット頭部134がリベット頭部保持部分(図示せず)に接触できるようにしかつリベット軸部138が拡張させられる前にリベット頭部保持部分がカバー112に接触できるようにするために、ピストンプレート114は軸方向に可撓性である。発明の実施形態の一例において、リベット頭部保持部分は、上述のようにリベット軸部138が拡張させられる前にカバー隆起部分136に接触するためのものである。
【0022】
以下の説明は図5Aから図5Cを参照してなされる。図5Aから図5Cは、発明の態様の一例による、クラッチアセンブリ110のためのピストンプレート114及びカバー112を組み立てる方法を示している。図5Aから図5Cにおける方法は、分かりやすくするためにステップの流れとして説明されているが、明示しない限りこの流れから順序を推測すべきでない。
【0023】
図5Aに示された第1のステップは、リベット116を板ばね140に組み付け、板ばね140をカバー112に組み付ける。カバー112は、斜線の領域145によって表された固定具によって軸方向で支持されている。図5Bに示した第2のステップは、駆動リング120及びピストンプレート114をカバー112に位置決めする。リベット116がピストンプレートの穴130に取り付けられる。図5Cに示された第3のステップは、リベット116の頭部134が軸方向でカバーと板ばねとの間に締め付けられるように、ピストン114を方向147に固定具148によって軸方向に撓める。拡張工具150がリベット116の本体138に隣接して位置決めされており、本体138をピストンプレートの穴130内で拡張させるように準備されている。第4のステップ(図示せず)は、工具150を方向151へ変位させ、本体138を穴130内へ拡張させる。
【0024】
発明の幾つかの実施形態において、拡張の間に頭部134はカバー112に接触する。発明の実施形態の一例において、カバーは隆起した部分136を有しており、拡張の間に頭部134が部分136に接触する。発明の実施形態の一例において、ピストンプレート114はボア152を有しており、カバー112はパイロット154を有しており、方法は、ピストンプレートのボア152とカバーのパイロット154とを半径方向で整合させるステップを含む。発明の実施形態の一例において、方法は、板ばね140をカバー112に結合するステップを含む。発明の実施形態の一例において、板ばね140は穴156を有しており、方法は、板ばねの穴156をピストンプレートの穴130に整合させるステップを含む。
【0025】
以下の説明は、図6及び図7に関してなされる。図6は、本発明の態様の一例による、詰め板(shimming leaf)158が取り付けられかつ分かりやすくするためにピストンプレートが取り除かれたクラッチアセンブリの正面図である。図7は、ピストンリベットに沿って見た、図2に示されたクラッチアセンブリの断面図である。拡張工具150がリベット116の本体138に隣接して位置決めされており、本体138をピストンプレートの穴130の中で拡張させるために準備されている。
【0026】
発明の幾つかの実施形態において、方法は、詰め板158によってリベット頭部134を支持するステップを含む。つまり、カバー112は詰め板158を支持しており、詰め板158自体はリベット頭部134を支持している。詰め板158は枢軸160を中心にして、図6に線164及び線166によって示された方向162に回動可能である。図に見られるように、詰め板158が線166によって示されたように位置決めされると、詰め板アセンブリ170の外径168がピストンプレートボア152の内径132よりも小さくなる。発明の実施形態の一例において、ピストンプレートボア152を通じて詰め板158を取り出すステップを含む。
【0027】
図8Aから図8Eは、本発明の態様の一例による、クラッチアセンブリ110のためのピストンプレート114及びカバー112を組み立てる方法を示している。図8Aから図8Eに示した方法は、分かりやすくするためにステップの流れとして説明されるが、明示しない限りこの流れから順序を推測すべきではない。
【0028】
図8Aに示した第1のステップは、リベット116を板ばね140に組み付け、板ばね140をカバー112に組み付ける。カバー112は、斜線の領域145によって表された固定具によって軸方向で支持されている。図8Bに示した第2のステップは、駆動リング120及びピストンプレート114をカバー112に位置決めする。リベット116がピストンプレートの穴130に取り付けられる。図8Cに示した第3のステップにおいて、固定具202は、カバー112の半径方向外側に配置された部分204を方向147へ軸方向に撓ませ始める。部分204が移動すると、ピストンプレートの部分206は、部分204の変位に追従するように方向147へシフトすることができる。第3のステップの一部として、固定具148はピストンプレート114と接触させられ、ピストンプレートを方向147へ変位させ始める。1つの実施形態において、ピストンプレートは曲がることなく方向147へ変位する。1つの実施形態において、ピストンプレートが方向147へ変位させられるときにピストンプレートは曲がる。図8Dに示した第4のステップにおいて、リベット116の頭部134がカバーと板ばねとの間に締め付けられるように、固定具202及び148はそれぞれ部分204及びピストンプレートを方向147へ変位させ続ける。拡張工具150がリベット116の本体138に隣接して位置決めされ、本体138をピストンプレートの穴130の中で拡張させるように準備される。1つの実施の形態において、ピストンプレートは曲がることなく方向147へ変位し続ける。1つの実施形態において、プレートがさらに方向147へ変位させられるとピストンは曲がる。図8Eに示された第5のステップは、工具150を方向147へ変位させ、本体138を穴130の中で拡張させる。本体が拡張された後、固定具202及び148は方向208へ変位させられる。
【0029】
つまり、図8Aから図8Eに示した方法は、リベット留め作業の間にピストンプレートの曲げをほとんど又は全く生じないか、又はリベット留め作業の間のピストンプレートの曲げの大きさを減じ、例えば、図5Aから図5Cに示した方法に関連したピストンプレートの曲げの大きさを減じる。
【0030】
発明の幾つかの実施形態において、拡張の間、頭部134はカバー112と板ばねとの間に締め付けられる。発明の実施形態の一例において、カバーは隆起した部分136を有しており、拡張の間、頭部134は部分136と板ばねとの間に締め付けられる。発明の実施形態の一例において、ピストンプレート114はボア152を有しており、カバー112はパイロット154を有しており、方法は、ピストンプレートのボア152とカバーのパイロット154とを半径方向で整合させるステップを含む。発明の実施形態の一例において、方法は、板ばね140をカバー112に結合するステップを含む。発明の実施形態の一例において、板ばね140は穴156を有しており、方法は、板ばねの穴156をピストンプレートの穴130と整合させるステップを含む。
【0031】
図9は、ピストンプレートリベットに沿って見たクラッチアセンブリ300の断面図である。クラッチアセンブリ300はトルクコンバータ302の一部分である。トルクコンバータは、技術分野において一般的に知られるように、ポンプ304、タービン306、及びステータ308を有する。クラッチアセンブリ300は、カバー112、ピストンプレート114、及びリベット116を有する。カバー112は、例えば駆動プレート118を介して車両エンジン等の電動機に駆動的に係合可能である。
【0032】
クラッチアセンブリ300は、カバー112と駆動的に結合された駆動リング310と、ダンパアセンブリ314に駆動的に結合された駆動リング312と、摩擦リング316とを有する。摩擦リングは、リング310,312及びプレート114上に、又はリング310と312との間及びリング312とリングプレート114との間に配置することができる。ダンパは、車両トランスミッションの入力軸(図示せず)と駆動的に結合されており、これにより、クラッチアセンブリ300が係合させられると、駆動トルクが電動機からクラッチを介してトランスミッションへ伝達される。
【0033】
ピストンプレート114は穴130を有する。リベット116は穴130に配置されている。リベット116の頭部134はカバー112の部分136の近くに位置する。部分136は、カバー112の半径方向壁部137の一部分であってよい。後述のように、リベット116をピストンプレート114に固定するために圧力が加えられた時にカバー112とリベット頭部134との接触を可能にするように、カバー112及び/又はピストンプレート114は可撓性である。リベット116に加えられた圧力は軸部138を半径方向に拡張させ、端部139がピストンプレート116の穴130よりも大きくなるように、拡張した端部139を形成する。発明の実施形態の一例(図示せず)において、部分136は隆起した部分であり、リベット軸部138が拡張される前にリベット頭部134はカバーの隆起した部分136に接触する。
【0034】
クラッチアセンブリ300は板ばね140を有する。1つの実施形態において、板ばね140はリベット116によってピストンプレート114に結合されている。発明の幾つかの実施形態の例において、例えば図3に示したように、板ばね140はカバー112に結合されている。例えば図3に示したように、発明の実施形態の一例において、カバー112は押し出されたリベットであり、板ばね140は、押し出されたリベットによってカバー112に結合されている。発明の実施形態の一例において、板ばね140がピストンプレート114に結合される前に、板ばね140はカバー112に結合される。
【0035】
板ばね140は、リベット116を板ばね140の穴144に保持するためのリベット頭部保持部分142を有していてよい。保持部分は、カバー部分136とリベット頭部134との間に板ばね140から延びたタブを有していてよく、これにより、頭部134は板ばねの面146とタブとの間に保持される。発明の実施形態の一例において、カバー112とリベット頭部保持部分との接触を可能にするようにカバー112は可撓性である。発明の実施形態の一例において、カバー112とリベット頭部保持部分との接触を可能にするようにピストンプレート114は変位可能である。発明の実施形態の一例において、リベット頭部134がリベット頭部保持部分に接触することを可能にしかつリベット軸部138が拡張させられる前にリベット頭部保持部分がカバー112に接触することを可能にするために、ピストンプレート114は軸方向に変位可能である。発明の実施形態の一例において、リベット頭部保持部分は、上述のようにリベット軸部138が拡張させられる前にカバーの隆起部分136に接触するためのものである。
【0036】
クラッチアセンブリ300は、カバー112をピストンプレート114に特定の数の板ばね140と共に結合するように示されているが、アセンブリは、その他の数の板ばね140を有してよい。さらに、特定のピストンプレートアタッチメントが示されているが、駆動プレート、カバープレート、及びシーリングプレートを含むその他の構成部材がピストンプレート114に取り付けられてよく、このようなアタッチメントは発明の範囲に含まれる。
【0037】
もちろん、請求の範囲に記載された発明の思想及び範囲から逸脱することなく、当業者には発明の上記の例に対する変更及び修正が容易に明らかになるであろう。発明は特定の好適な実施形態及び/又は実施形態の例を参照することによって説明されているが、請求の範囲に記載された発明の範囲又は思想から逸脱することなく変更を行うことができることは明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トルクコンバータのためのクラッチアセンブリにおいて、
電動機と駆動係合するためのカバーと、
穴を有するピストンプレートと、
前記穴に配置されたリベットと、を有しており、
該リベットがリベット頭部を有しており、
リベットをピストンプレートに固定するためにリベットに圧力を加える前に、リベット頭部がピストンプレートとカバーとの間に締め付けられることを特徴とする、トルクコンバータのためのクラッチアセンブリ。
【請求項2】
リベットをピストンプレートに固定するためにリベットに圧力が加えられる時にリベット頭部をカバーとピストンプレートとの間に締め付けるためにピストンプレートが可撓性であるか、又は
リベットをピストンプレートに固定するためにリベットに圧力が加えられる時にリベット頭部をカバーとピストンプレートとの間に締め付けるためにリベット頭部がカバーと接触するようにカバーが可撓性である、請求項1記載のクラッチアセンブリ。
【請求項3】
カバーが、隆起した部分を有しており、リベットが軸部を有しており、リベット軸部が拡張される前にリベット頭部がピストンプレートと隆起した部分との間に締め付けられる、請求項1記載のクラッチアセンブリ。
【請求項4】
リベットによってピストンプレート及びカバーに結合された板ばねを有する、請求項1記載のクラッチアセンブリ。
【請求項5】
板ばねがピストンプレートに結合される前に該板ばねがカバーに結合される、請求項4記載のクラッチアセンブリ。
【請求項6】
トルクコンバータのためのクラッチアセンブリにおいて、
半径方向壁部を有するカバーと、
クラッチに係合するように配置されておりかつ穴を有するピストンプレートと、
カバーの半径方向壁部に固定して取り付けられた第1の端部と、第2の端部とを有する板ばねと、
板ばねの第2の端部をピストンプレートに結合するリベットとを有しており、
該リベットが、
軸方向で板ばねの第2の端部とカバーとの間に配置された頭部と、
ピストンプレートの穴を貫通して延びた軸部とを有しており、
軸部が拡張させられる前にリベットの頭部を半径方向壁部とピストンプレートとの間に締め付けるためにピストンプレート又はカバーが可撓性であることを特徴とする、トルクコンバータのためのクラッチアセンブリ。
【請求項7】
トルクコンバータのためのピストンプレート及びカバーを組み立てる方法において、
リベット頭部及びリベット本体を有するリベットをピストンプレートにおける穴に取り付け、
リベット頭部をピストンプレートとカバーとの間に締め付け、
リベット本体をピストンプレートの穴の中で拡張させることを特徴とする、トルクコンバータのためのピストンプレート及びカバーを組み立てる方法。
【請求項8】
リベット頭部を締め付けることがさらに、ピストンプレート又はカバーを軸方向で撓ませることを含む、請求項7記載の方法。
【請求項9】
ピストンプレートがボアを有しており、カバーがパイロットを有しており、前記方法がさらに、ピストンプレートのボアとカバーのパイロットとを半径方向で整合させることを含む、請求項7記載の方法。
【請求項10】
さらに、リベットを用いて板ばねをカバーに結合することを含む、請求項7記載の方法。
【請求項11】
リベット頭部がカバーとピストンプレートとの間に締め付けられるようにカバーを軸方向で撓ませることが、
カバーの第1の部分を第1の方向へ変位させ、
第1の部分を変位させることに応答して、ピストンプレートを前記第1の方向へ変位させ、第1の部分がピストンプレートの外周と軸方向で整合させられる、請求項8記載の方法。
【請求項12】
トルクコンバータのためのピストンプレート及びカバーを組み立てる方法において、
詰め板をカバーに取り付けるステップと、
リベット頭部及びリベット本体を有するリベットをピストンプレートの穴に取り付けるステップと、
詰め板によってリベット頭部を支持するステップと、
リベット本体をピストンプレートの穴の中で拡張させるステップとを有することを特徴とする、トルクコンバータのためのピストンプレート及びカバーを組み立てる方法。
【請求項13】
さらに、ピストンプレートのボアを通じて詰め板を取り外すステップを有する、請求項12記載の方法。
【請求項14】
リベット本体を拡張させるステップが、板ばねの第1の端部をピストンプレートに取り付けることを含む、請求項12記載の方法。
【請求項15】
さらに、板ばねの第2の端部をカバーに取り付けるステップを有する、請求項14記載の方法。
【請求項16】
トルクコンバータのためのクラッチアセンブリにおいて、
穴を有するピストンプレートと、
前記穴に配置されたリベットとを有しており、
該リベットがリベット頭部を有しており、
リベットをピストンプレートに固定するためにリベットに圧力が加えられる時にリベット頭部をカバーとピストンプレートとの間に締め付けるようにピストンプレートが変位可能であることを特徴とする、トルクコンバータのためのクラッチアセンブリ。
【請求項17】
さらに、板ばねを有しており、リベットをピストンプレートに固定するためにリベットに圧力が加えられる時にリベット頭部をカバーと板ばねとの間に締め付けるようにピストンプレートが変位可能である、請求項16記載のクラッチアセンブリ。
【請求項18】
リベットが軸部を有しており、リベット軸部が拡張させられる前にリベット頭部をカバーと板ばねとの間に締め付けるようにピストンプレートが軸方向に変位可能である、請求項17記載のクラッチアセンブリ。
【請求項19】
トルクコンバータのためのピストンプレート及びカバーを組み立てる方法において、
リベット頭部及びリベット本体を有するリベットをピストンプレートの穴に取り付け、
リベット頭部がカバーとピストンプレートとの間に締め付けられるようにピストンプレートを軸方向に変位させ、
リベット本体をピストンプレートの穴の中で拡張させることを特徴とする、トルクコンバータのためのピストンプレート及びカバーを組み立てる方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【図9】
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【公表番号】特表2013−508632(P2013−508632A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−534576(P2012−534576)
【出願日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【国際出願番号】PCT/EP2010/006409
【国際公開番号】WO2011/057705
【国際公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(512006239)シェフラー テクノロジーズ アクチエンゲゼルシャフト ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト (59)
【氏名又は名称原語表記】Schaeffler Technologies AG & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 1−3, D−91074 Herzogenaurach, Germany
【Fターム(参考)】