説明

ブラジキニン拮抗薬としてのスルホニルベンゾジアゼピノンアセトアミド

ブラジキニン拮抗薬であり、ブラジキニンにより媒介される哺乳類における疾患を治療しまたは疾患状態に関連する有害症状を軽減するのに有益である化学式(I)の化合物を開示する。一定の化合物は、増大した効力を示し、作用期間も増大することが期待される。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
発明の分野
本発明は、一定のスルホニルベンゾジアゼピノンアセトアミド誘導体および関連化合物に関する。これらの化合物は、疼痛、炎症、気管支収縮、脳浮腫などを含む、少なくとも部分的に、ブラジキニンにより媒介される哺乳類における有害症状を軽減するブラジキニン拮抗薬として有益である。
【背景技術】
【0002】
参考文献
下記文献および特許公開公報は、本明細書において上付数字として引用される。



【0003】
以上で特定した出版物は全て、各個々の出版物が特に、および個々に参照により全体として組み込まれるのと同じ程度まで、参照により全体として本明細書に組み込まれる。
【0004】
当技術の状況
ブラジキニン(BK)は、C-求心性C線維により媒介される疼痛の最も強力な天然の刺激物質の1つであることが知られている。ブラジキニンはまた、子宮、腸および気管支梢などの組織における強力な血管拡張薬、浮腫形成薬、ならびに様々な血管および非血管平滑筋の刺激物質である。キニン/キニノーゲン活性化経路もまた、様々な生理学的および病態生理学的過程において極めて重要な役割を果たすものとして記述されており、炎症反応において活性化されるべき最初の系の1つであり、下記の最も強力な刺激物質の1つである:(i)ホスホリパーゼA2、このためプロスタグランジンおよびロイコトリエンの産生;および(ii)ホスホリパーゼC、このため、リン酸イノシトールおよびジシルグリセロールの放出。これらの効果は主にBK2型のBK受容体の活性化を介して媒介される。
【0005】
ブラジキニン(BK)は、9個のアミノ酸から構成されるペプチド(Arg1-Pro2-Pro3-Gly4-Phe5-Ser6-Pro7-Phe8-Arg9)(SEQ.ID.NO.1)であり、これは、リシル-BK(カリジン)と共に、カリクレインと呼ばれるプロテアーゼにより前駆体キニノーゲンから放出される。血漿カリクレインは不活性チモーゲンとして循環し、このチモーゲンからハーゲマン因子により活性カリクレインが放出される。組織カリクレインは主に、経細胞電解質輸送に関係すると考えられる部位の上皮細胞膜の外表面に局在すると考えられる。
【0006】
B2受容体は、ブラジキニンおよびカリジンのための受容体であり、優位を占め、ほとんどの組織において普通に見られる。B1受容体は[des-Arg9]ブラジキニンおよび[des-Arg10]カリジンに対し特異的である。B1サブタイプは炎症過程により誘発される。ブラジキニン受容体は異なる種に対し、特にヒトB1受容体に対しクローン化されている。例えば、Menke、et al.1およびHess2を参照のこと。
【0007】
受容体B1の分布は非常に限られている。この受容体は炎症状態中にのみ発現されるからである。B2受容体のペプチド拮抗薬の2世代が開発されている。第2世代は、第1世代化合物よりも鎮痛薬として2オーダーの大きさ強力な化合物を有し、最も重要な誘導体はイカチバントであった。1993年に記述されたB2受容体の第1の非ペプチド拮抗薬は、修飾アミノ酸により分離された2つのホスホニウムカチオンを有する。この二カチオン化合物の多くの誘導体が調製されている。B2の別の非ペプチド化合物拮抗薬は天然産物マーチンライン(Matinelline)である。Elguero30を参照のこと。Seabrook29もまた参照のこと。
【0008】
2つの主キニン前駆体蛋白質、高分子量および低分子量キニノーゲンは、肝臓で合成され、血漿中で循環し、尿および鼻液などの分泌液中で見られる。高分子量キニノーゲンは血漿カリクレインにより開裂され、BKが得られ、または組織カリクレインにより開裂され、カリジンが得られる。しかしながら、低分子量キニノーゲンは組織カリクレインにのみに対する基質である。さらに、カリジンのBKへのいくつかの変換が、起こることがある。カリジンのアミノ末端リシン残基は血漿アミノペプチダーゼにより除去されるからである。キニンに対する血漿半減期は約15秒であり、肺血管床を1回通過すると、80〜90%が破壊される。血管床中の主分解酵素はジペプチジルカルボキシペプチダーゼキニナーゼIIまたはアンジオテンシン変換酵素(ACE)である。遅効性酵素、キニナーゼI、またはカルボキシペプチダーゼN(カルボキシル末端Argを除去する)は、血漿中で非常に豊富に循環する。これにより、生理学的に、より重要な分解酵素であるかもしれないことが示唆される。BKまたはカリジンにそれぞれ、作用するキナーゼIにより形成されたdes-Arg9-ブラジキニンおよびdes-Arg10-カリジンは、BK1受容体作動薬に作用するが、BKおよびカリジンの両方が強力な作動薬であるより豊富なBK2受容体ではかなり不活性である。
【0009】
剥皮した皮膚にブラジキニンを直接塗布すると、または動脈内もしくは内臓注入により、ヒトを含む哺乳類で疼痛感覚が生じる。キニン様物質が様々な刺激により生じさせた炎症部位から単離されている。さらに、ブラジキニン受容体は、侵害受容性末梢神経経路に局在化しており、BKは中枢線維媒介疼痛感覚を刺激することが証明されている。ブラジキニンはまた、疼痛の動物モデルにおいて痛覚過敏を引き起こすことができることが示されている。Burch et al.3およびClark2を参照のこと。
【0010】
これらの観察により、鎮痛薬としてのBK拮抗薬の使用にかなりの注意が注がれることになった。多くの研究により、ブラジキニン拮抗薬が、ヒトを含む哺乳類において疼痛および痛覚過敏の両方を遮断または寛解させることができることが証明されている。Ammons et al.5、Clark4、Costello et al.6、Laneuville、 et al.7、Steranka、et al.8、およびSteranka、et al.9を参照のこと。
【0011】
現在許容されている鎮痛薬への治療アプローチはかなり制限されている。軽度〜中程度の疼痛は非ステロイド性抗炎症薬および他の軽度の鎮痛薬を使用することにより軽減することができ、外科的処置、火傷および重度の外傷に伴って起こる重度の疼痛では、麻薬性の鎮痛薬の使用が必要である。これらの薬物は、乱用の可能性、身体的および心理学的依存性、精神状態の変化および呼吸抑制(これらによりそれらの実用性がかなり制限される)といった制限がある。
【0012】
BK拮抗薬の分野における以前の努力により、そのような拮抗薬は様々な役割において有益であることが示される。これらには、火傷、手術前後の疼痛、偏頭痛および他の形態の疼痛、ショック、中枢神経経の損傷、喘息、鼻炎、早産、炎症性関節炎、炎症性大腸炎、神経因性疼痛などの治療での使用が含まれる。例えば、Whalleyらは、BK拮抗薬がヒト水疱基本モデルにおけるBK-誘発性疼痛を遮断することができることを証明している10。これにより、そのような拮抗薬の局所塗布により、火傷を負った皮膚、例えば、長期にわたり多量の麻薬薬を必要とする重度の火傷を負った患者において、および比較的軽い火傷または他の形態の局所的な皮膚損傷の局所治療に対し、疼痛を阻止することができることが示唆される。
【0013】
手術前後の疼痛の取扱では、十分な用量の麻薬性鎮痛薬を使用し、疼痛を軽減させるが、過剰の呼吸抑制を誘発しないことが必要である。術後の麻酔薬により誘発された低換気により、患者は、術後の発熱の一般的な原因である肺セグメントの崩壊にかかりやすくなり、しばしば機械的人工換気の中断が遅れる。強力な非麻酔性の非経口鎮痛薬の可用性は、手術前後の疼痛の治療に重要な追加策となる。慢性的な疼痛の管理のために使用される適した薬物動態プロファイルを有する現在入手可能なBK拮抗薬はないが、手術前後の疼痛の管理では、麻酔医および外科医がすでに一般的に、頻繁な投与および連続注入を使用している。
【0014】
いくつかの証明により、カリクレイン/キニン経路が、偏頭痛における血管反応性および無菌性炎症の開始または増幅に関与しているかもしれないことが示唆される。Back、 et al.11を参照のこと。偏頭痛に対する予防および非麻酔性治療措置の両方の成功が制限されていること、ならびにこれらの患者における麻薬依存性のために、BK拮抗薬の使用は、偏頭痛の治療に非常に望ましい別のアプローチを提供する。
【0015】
ブラジキニンは組織損傷中に産生され、冠状動脈の実験的閉塞後の冠状静脈血中で見出すことができる。さらに、腹腔に直接注入すると、BKは内臓痛を引き起こす。Ness、et al.12を参照のこと。上記以外の設定において明らかに多くの他のメディエータも疼痛および痛覚過敏に関与しているが、BKの拮抗薬が、なお、そのような形態の疼痛の軽減に関わっているとも考えられる。
【0016】
細菌感染に関連するショックは主な健康上の問題である。米国では、毎年、400,000症例の細菌性敗血症が生じ、そのうちの200,000がショックに進行し、これらの50%が死亡していると推定される。現在の療法は対症的であり、最近の研究では、グラム陰性内毒素に対するモノクローナル抗体は、疾病の結果にプラス効果を有するかもしれないことが示唆される。この特異的療法にもかかわらず、死亡率は依然と高く、かなりの割合の敗血症患者がグラム陽性菌に感染しており、グラム陽性菌は抗内毒素療法には適さない。
【0017】
複数の研究から、内毒素に関係するショックの発生におけるカリクレイン/キニン系に対する役割が示唆されている。Aasen、et al.13、Aasen、et al.14、Katori、et al.15、およびMarceau、et al.16を参照のこと。新しく入手可能なBK拮抗薬を使用した最近研究により、動物モデルでは、これらの化合物は内毒素ショックの進行に大いに影響を与えることができることが証明されている。Weipert、et al.17を参照のこと。グラム陽性菌による敗血症ショックの発生におけるBKおよび他のメディエータの役割に関する入手可能なデータは少ない。しかしながら、同様の機序が関係すると考えられる。外傷に続くショックはしばしば失血によるものあるが、これもまたカリクレイン/キニン系の活性化を伴う。Haberland18を参照のこと。
【0018】
多くの研究により、脳中のカリクレイン/キニン系のかなりのレベルの活性が証明されている。カリクレインおよびBKは、CNS損傷の動物モデルにおいて脳血管を拡張する。Ellis、et al.19および、Kamitani、et al.20を参照のこと。ブラジキニン拮抗薬はまた、脳外傷後動物における脳浮腫を減少させることが示されている。以上に基づき、BK拮抗薬は、脳卒中および頭部外傷の管理において有益であると考えられている。
【0019】
他の研究により、BK受容体が肺中に存在すること、BKは動物および人間の両方において気管支収縮を引き起こすことができること、BKの気管支収縮効果に対する感受性が喘息患者において高くなっていることが証明されている。いくつかの研究では、BK拮抗薬を使用すると動物モデルでBKおよびアレルゲンに誘発された気管収縮の両方が阻害されることを証明することができる。これらの研究から、喘息の治療における臨床薬としてのBK拮抗薬の使用に対する潜在的な役割が示される。Barnes21、Burch et al.22、Fuller et al.23、Jin、et al.24、およびPolosa、et al.25を参照のこと。ブラジキニンはまた、アトピー性喘息において吸入されたブラジキニンにより誘発される気管支収縮に対するヒスタミンおよびプロスタノイドの産生に関与している25。ブラジキニンはまた、アレルギー性およびウイルス性鼻炎の両方における症状の発生に関与している。これらの研究は、鼻洗浄液中のカリクレインおよびBK両方の証明、およびこれらの物質のレベルは鼻炎の症状とよく相関することの証明を含む。Baumgarten、et al.26、Jin、et al.24、およびProud、et al.27を参照のこと。
【0020】
さらに、研究によりBK自体が鼻炎の症状を引き起こすことができることが証明されている。StewartおよびVavrek28はペプチドBK拮抗薬およびBKの効果に対するそれらの可能な使用について議論している。改善された特性を有するそのような拮抗薬の開発に向けて多大な研究努力が費やされている。しかしながら、そのような改善されたBK拮抗薬を見出すための広範囲にわたる努力にもかかわらず、さらに、より効果的なBK拮抗薬が必要とされている。現在入手可能なBK拮抗薬に関連する主問題のうちの2つは、効力レベルが低いこと、活性期間が非常に短いことである。このように、効力および作用期間が増大したBK拮抗薬が特に必要とされている。
【0021】
U.S.特許第3,654,275号では、一定の1,2,3,4-テトラヒドロ-1-アシル-3-オキソ-2-キノキサリンカルボキサミドが抗炎症活性を有することが教示され、以後、記述する化合物の調製において中間体として使用することもできる一定の中間体の調製について記述されている31
【0022】
さらに、2003年3月3日に出願されたGrantらのU.S.特許出願第10/429,203号、ブラジキニン拮抗薬としてのスルホニルキノキサロンアセトアミド誘導体および関連化合物、および2003年3月3日に出願されたGrantらのU.S.特許出願第10/429,917号、ブラジキニン拮抗薬としてのスルホニルキノキサロンアセトアミド誘導体および関連化合物では、BK拮抗薬として様々なスルホニルキノキサロンアセトアミド誘導体が開示されている32、33
【0023】
以上を考慮すると、ブラジキニン拮抗薬である化合物は、ブラジキニンにより媒介される疾患を治療するのに特に好都合である。
【発明の開示】
【0024】
発明の概要
本発明は、一部、ブラジキニン拮抗薬であり、ブラジキニンにより媒介される哺乳類における疾患を治療しまたは疾患状態と関連する有害症状を軽減するのに有益な化合物に関する。一定の化合物は増大した効力を示し、作用期間もまた、増大することが予測される。
【0025】
本発明は化学式Iの化合物または薬学的に許容されるそれらの塩、プロドラッグ、互変異性体もしくは異性体を提供する:

(式中、
Qは-SO2Rおよび-CH2C(O)Rからなる群から選択され;
WはO、S、およびNからなる群から選択され、ここで、WがOまたはSである場合、qは0であり、WがNである場合、qは1であり;
Rはアリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環からなる群から選択され;
R1およびR2はそれぞれ、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環からなる群から選択され、またはR1およびR2はそれらに結合している窒素原子と共に、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、もしくは置換複素環を形成し;
各R3はそれぞれ、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アミノ、置換アミノ、アシルアミノ、アミノアシル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、複素環、置換複素環、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、アシル、アシルオキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、カルボキシ、およびカルボキシルエステルからなる群から選択され;
または、2もしくはそれ以上のR3はそれらに結合している炭素原子と共に、縮合環シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、不飽和複素環または置換不飽和複素環を形成し;
R7は水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、アシルおよびアシルオキシからなる群から選択され;
または、R7は少なくとも1つのR3ならびにそれらに結合している窒素および炭素原子と共に縮合環ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、不飽和複素環または置換不飽和複素環を形成し;
pは0〜3の整数である)。
【0026】
好ましいR基としては、例えば、フェニル、ナフト-1-イル、5-ジメチルアミノナフト-1-イル、2-フルオロフェニル、2-クロロフェニル、2-シアノフェニル、2-メチルフェニル、2-ニトロフェニル、2-トリフルオロメチルフェニル、3-クロロフェニル、4-メチルフェニル(トリル)、2,5-ジブロモフェニル、4-ブロモ-2-エチルフェニル、4-ブロモ-2-トリフルオロメトキシフェニル、2,3-ジクロロフェニル、2,4-ジクロロフェニル、3,4-ジクロロフェニル、2,5-ジクロロフェニル、3,5-ジクロロフェニル、2,6-ジクロロフェニル、2-クロロ-4-シアノフェニル、2-クロロ-4-フルオロフェニル、3-クロロ-2-メチルフェニル、2-クロロ-6-メチルフェニル、5-クロロ-2-メトキシフェニル、2-クロロ-4-トリフルオロメチルフェニル、2,4-ジフルオロフェニル、5-フルオロ-2-メチルフェニル、2,5-ジメトキシフェニル、2-メトキシ-4-メチルフェニル、2-メトキシ-5-ブロモフェニル、2-メトキシ-5-メチルフェニル、2,5-ジメチルフェニル、2-メチル-5-ニトロフェニル、3,5-ジ(トリフルオロ-メチル)フェニル、4-ブロモ-2,5-ジフルオロフェニル、2,3,4-トリクロロフェニル、2,4,5-トリクロロフェニル、2,4,6-トリクロロフェニル、2,4-ジクロロ-5-メチルフェニル、4-クロロ-2,5-ジメチルフェニル、2,4,6-トリ(イソ)プロピルフェニル、2,4,6-トリメチルフェニル、2,3,5-トリメチル-4-クロロフェニル、2,3,6-トリメチル-4-メトキシフェニル、2,3,4,5,6-ペンタメチルフェニル、5-クロロ-1,3-ジメチルピラゾール-4-イル、2-メトキシカルボニルチオフェン-3-イル、2,3-ジメチルイミダゾール-5-イル、2-メチルカルボニル-アミノ-4-メチルチアゾール-5-イル、キノリン-8-イル、チオフェン-2-イル、1-メチルイミダゾール-4-イル、3,5-ジメチルイソキサゾール-4-イル、およびN-モルホリノが挙げられる。
【0027】
特に好ましいR基としては、4-クロロ-2,5-ジメチルフェニルおよび2,3-ジクロロフェニルが挙げられる。
【0028】
WがNである場合、好ましいR1基としては、例えば、
2-[(4-アミジノ)フェニル]-1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)エト-1-イル、
アミノ、
2-[N-(α-アミノアセチル)ピペリド-4-イル]エト-1-イル、
4-アミノベンジル、
2-[4-(アミノエチレンアミジノ)フェニル]エト-1-イル、
2-[N-(1-アミノ-1-メチルエチルカルボニル)ピペリド-4-イル]エト-1-イル、
2-(4-アミノフェニル)エト-1-イル、
2-アミノチアゾール-5-イルメチル、
(2-アミノピリド-4-イル)メチル、
ベンジル、
2-ブロモエト-1-イル、
1-(S)-カルボキサミド-2-(インドール-3-イル)エト-1-イル、
カルボキサミドメチル、
1-カルボキサミド-2-(S)-メチル-ブト-1-イル、
1-(S)-カルバモイル-2-(フェニル)エト-1-イル、
1-(R)-カルボキサミド-2-(フェニル)エト-1-イル、
4-カルボキシベンジル、
2-クロロエト-1-イル、
シアノメチル、
2-(4-シアノフェニル)エト-1-イル、
2-(4-シアノフェニル)-1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)エト-1-イル、
2-(4-シアノフェニル)-1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)エト-1-イル、
シクロヘキシル、
シクロヘキシルメチル、
2-(N-シクロプロピルピペリジン-4-イル)エト-1-イル、
2-(N-シクロプロピルピペリジン-4-イル)-1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)エト-1-イル、
1-(R)-1,3-ジ(ベンジルオキシカルボニル)プロプ-1-イル、
1-(S)-1,3-ジカルボキサミドプロプ-1-イル、
(2-ジメチルアミノ)エト-1-イル、
2-[4-(N,N-ジメチルアミノ)]フェネチル、
3-(ジメチルアミノ)プロプ-1-イル、
1-(S)-エトキシカルボニルエト-1-イル、
2-エトキシフェニル、
エチル、
1-(R)-(1-N-エチルアミノカルボニル)-4-アミノ-n-ブチル、
1-(S)-(1-N-エチルアミノカルボニル)-4-アミノ-n-ブチル、
1-(R)-(1-N-エチルアミノカルボニル)-5-(t-ブトキシカルボニルアミノ)ペント-5-イル、
1-(S)-(1-N-エチルアミノカルボニル)-5-(t-ブトキシカルボニルアミノ)ペント-5-イル、
1-(R)-(1-N-エチルアミノカルボニル)-4-(N-t-ブトキシカルボニルアミノ)-n-ブト-5-イル、
1-(S)-(1-N-エチルアミノカルボニル)-4-(N-t-ブトキシカルボニルアミノ)-n-ブト-5-イル、
1-(R)-(1-N-エチルアミノカルボニル)-5-グアナジノ-n-ペント-5-イル、
1-(S)-(1-N-エチルアミノカルボニル)-5-グアナジノ-n-ペント-5-イル、
1-(R,S)-(1-N-エチルアミノカルボニル)-4-(N-t-ブトキシカルボニル)グアナジノ-n-ブト-1-イル、
1-(R)-(1-N-エチルアミノカルボニル)-5-(N-t-ブトキシカルボニルアミノ)-n-ペント-5-イル、
1-(S)-(1-N-エチルアミノカルボニル)-5-(N-t-ブトキシカルボニルアミノ)-n-ペント-5-イル、
4-フルオロフェネチル、
水素、
2-ヒドロキシエト-1-イル、
2-(4-ヒドロキシフェニル)-1-(S)-(メトキシカルボニル)エト-1-イル、
2-(4-ヒドロキシフェニル)-1-(S)-(イソプロポキシカルボニル)エト-1-イル、
2-(4-ヒドロキシフェニル)-1-(R)-(メトキシカルボニル)エト-1-イル、
2-(N-ヒドロキシピリド-4-イル)エト-1-イル、
2-(イミダゾール-4-イル)エト-1-イル、
2-[4-(イミダゾリン-2-イル)フェニル]-1-(R)-(ピロリジン-1-イルカルボニル)エト-1-イル、
2-[4-(イミダゾリン-2-イル)フェニル]エト-1-イル、
2-(インドール-3-イル)エト-1-イル、
2-(インドール-3-イル)-1-(S)-(メトキシカルボニル)エト-1-イル、
2-(インドール-3-イル)-1-(R)-(メトキシカルボニル)エト-1-イル、
イソ-プロピル、
1-(R)-(イソプロポキシカルボニル)-2-(フェニル)エト-1-イル、
メトキシ、
4-(メトキシカルボニル)ベンジル、
1-(R)-(メトキシカルボニル)エト-1-イル、
メトキシカルボニルメチル、
メトキシカルボニルフェニルメチル、
2-メトキシエト-1-イル、
1-(R)-(メトキシカルボニル)-2-(N-メチルピペリジン-4-イル)エト-1-イル、
1-(R)-(メトキシカルボニル)-2-(N-メチル-1,2,3,6-テトラヒドロピリド-4-イル)エト-1-イル、
2-メトキシフェニル、
1-(R)-(メトキシカルボニル)-2-ピリド-4-イル)エト-1-イル、
メチル、
2-[4-(メチルカルボニルアミノ)]フェネチル、
1-(R)-(N-メチル-N-エチルカルバモイル)-3-(グアナジノ)プロプ-1-イル、
2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エト-1-イル、
(N-メチルピペリジン-2-イル)メチル、
2-(N-メチルピペリジン-2-イル)エト-1-イル、
2-(N-メチルピペリジン-3-イル)エト-1-イル、
2-(N-メチルピペリジン-4-イル)エト-1-イル、
2-(N-メチルピペリジン-4-イル)-1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)エト-1-イル、
2-[(N-メチル)ピロリジン-2-イル]エト-1-イル、
2-(N-メチル-1,2,5,6-テトラヒドロピリド-4-イル)エト-1-イル、
2-(N-メチル-1,2,5,6-テトラヒドロピリド-4-イル)-1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)エト-1-イル、
3-(2-メチルチアゾール-5-イル)ピラゾール-5-イル、
2-(N-モルホリノ)エト-1-イル、
n-ヘキシル、
4-ニトロベンジル、
フェネチル、
1-(R)-フェニルエト-1-イル、
1-(S)-フェニルエト-1-イル、
フェニル、
4-フェニルブト-1-イル、
1-(R)-2-フェニルカルボキシエト-1-イル、
1-(R)-2-フェニル-1-(メトキシカルボニル)エト-1-イル、
1-(S)-2-フェニル-1-(メトキシカルボニル)エト-1-イル、
3-フェニル-n-プロプ-1-イル、
2-(フェニル)-1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)エト-1-イル、
2-(ピペリジン-N-イル)エト-1-イル、
2-(ピペリジン-2-イル)エト-1-イル、
2-(ピペリジン-3-イル)エト-1-イル、
2-(ピペリジン-4-イル)エト-1-イル、
(ピペリド-1-イル)カルボニルメチル、
ピラジン-2-イルメチル、
2-(ピリド-2-イル)エト-1-イル、
2-(ピリド-3-イル)エト-1-イル、
2-(ピリド-4-イル)エト-1-イル、
(ピリド-2-イル)メチル、
(ピリド-3-イル)メチル、
(ピリド-4-イル)メチル、
2-[N-(ピリド-4-イル)]ピペリジン-4-イル、
2-[N-(ピリド-4-イル)ピペリド-4-イル]エト-1-イル、
2-[N-(ピリド-2-イル)]ピペリジン-4-イル]エト-1-イル、
2-(ピリド-4-イル)-1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)エト-1-イル、
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-(4-アミジノ)フェニル-エト-1-イル、
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-(4-アミジノ)フェニル-エト-1-イル、
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-5-アミノ-n-ペント-1-イル、
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-5-アミノ-n-ペント-1-イル、
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-(4-ビフェニル)エト-1-イル、
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-(4-ビフェニル)エト-1-イル、
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-(4-ヨードフェニル)エト-1-イル、
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-(4-ヨードフェニル)エト-1-イル、
1-(R)-(ピロリジン-N-カルボニル)-4-(t-ブトキシカルボニルアミノ)-n-ブト-1-イル、
1-(S)-(ピロリジン-N-カルボニル)-4-(t-ブトキシカルボニルアミノ)-n-ブト-1-イル、
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(2-イミダゾリン-2-イル)フェニル]エト-1-イル、
2-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル-3-フェニルプロプ-2-イル、
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(N-メチルピペリジン-2-イル)フェニル]エト-1-イル、
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(N-メチルピペリジン-2-イル)フェニル]エト-1-イル、
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[N-メチル-1,2,5,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)フェン-4-イル)]エト-1-イル、
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[N-メチル-1,2,5,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)フェン-4-イル)]エト-1-イル、
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(ピペリジン-2-イル)シクロヘキシル]エト-1-イル、
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(ピペリジン-2-イル)シクロヘキシル]エト-1-イル、
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[N-(フェニル)ピペリジン-4-イル]エト-1-イル、
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[N-(フェニル)ピペリジン-4-イル]エト-1-イル、
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[N-(ピリジン-4-イル)ピペリジン-4-イル]エト-1-イル、
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[N-(ピリジン-4-イル)ピペリジン-4-イル]エト-1-イル、
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(ピリジン-4-イル)フェニル]エト-1-イル、
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(ピリジン-4-イル)フェニル]エト-1-イル、
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(ピリド-2-イル)フェニル]エト-1-イル、
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(ピリド-2-イル)フェニル]エト-1-イル、
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(ピリミジン-2-イル)フェニル]エト-1-イル、
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(ピリミジン-2-イル)フェニル]エト-1-イル、
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(N-t-ブトキシカルボニルピロール-2-イル)フェニル]エト-1-イル、
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(N-t-ブトキシカルボニルピロール-2-イル)フェニル]エト-1-イル、
1-(S)-(t-ブトキシカルボニル)-2-(4-ヒドロキシフェニル)エト-1-イル、
3-t-ブトキシカルボニル-1-メトキシカルボニルプロプ-1-イル、
2-[N-(t-ブトキシカルボニルメチル)ピペリド-4-イル]エト-1-イル、
2-[1-(t-ブトキシカルボニルメチル)ピペリド-4-イル]エト-1-イル、
1-(S)-(t-ブトキシカルボニル)-3-メチルプロプ-1-イル、
1-(R)-(t-ブトキシカルボニル)-3-メチルプロプ-1-イル、
1-(R)-(t-ブトキシカルボニル)-2-(フェニル)エト-1-イル、
2-シクロプロピル-2-(ピリジン-4-イル)エト-1-イル、および
2-(N-t-ブトキシカルボニルメチル)ピリジン-4-イル-エチル
が挙げられる。
【0029】
特に好ましいR1基としては、例えば、2-(R,S)-[(ピリジン-4-イル)]エト-1-イル、2-(R,S)-[1,2,3,6-テトラヒドロ-N-メチルピリジン-4-イル]エト-1-イル、2-(R,S)-[N-メチルピペリジン-4-イル)]エト-1-イル、2-(R,S)-[N-(ピリジン-4-イル)ピペリジン-4-イル]エト-1-イル、2-(R,S)-[N-オキソピリジン-4-イル]エト-1-イル、2-(R,S)-シクロプロピル-2-(ピリジン-4-イル)エト-1-イル、2-(R)-(ピリジン-4-イル)エト-1-イル、2-(S)-(ピリジン-4-イル)エト-1-イル、および2-(R,S)-シクロプロピル-2-(ピリジン-4-イル)エト-1-イルが挙げられる。
【0030】
WがNである場合、好ましいR2基としては、水素、メチル、エチル、イソ-プロピル、2-メトキシエト-1-イル、およびピリド-3-イルメチルが挙げられる。
【0031】
特に好ましいR2基は水素である。
【0032】
別の好ましい態様では、WがNである場合、R1およびR2は一緒になり、それらに結合している窒素と共に、置換されていてもよい複素環を形成する。そのような複素環としては、例えば、4-(2-アミノエチル)ピペリジン-1-イル、4-[2-(N-t-ブトキシカルボニルアミノ)エチル]-ピペリジン-1-イル、1-(ピリジン-2-イル)ピペラジン-4-イル、N-モルホリノ、2-メチルピペリド-N-イル、2-(S)-カルボキサミド-ピロリジン-N-イル、2-(R)-ヒドロキシ-5-(S)-メトキシカルボニルピロリジン-N-イル、2-(R)-メトキシカルボニル-ピロリジン-N-イル、2-(S)-メトキシメチルピロリジン-1-イル、3-(R)-(t-ブトキシカルボキサミド)ピロリジン-N-イル、3-カルボキサミドピペリド-N-イル、3-ヒドロキシピロリジン-N-イル、4-アセチルピペラジン-1-イル、4-ヒドロキシピペリド-N-イル、4-メチルピペラジン-1-イル、4-(ピリジン-4-イル)ピペラジン-1-イル、および2-メトキシカルボニルピロリジン-N-イルが挙げられる。
【0033】
好ましいR3基としては、例えば、クロロ、フルオロおよびメチルが挙げられる。
【0034】
1つの好ましい態様では、ベンゾジアゼピン環は二置換され、例えば、ジクロロ、ジフルオロ、およびジメチル置換が提供される。
【0035】
最も好ましくは、pは0である(すなわち、R3基はすべて水素である)。
【0036】
好ましいR7基としては、水素、メチル、ベンジル、t-ブトキシカルボニルメチルなどが挙げられる。
【0037】
特に好ましい態様では、Qは-SO2Rであり、Wは窒素であり、pは0であり(R3基はすべて水素である)、qは1であり、R2およびR7は水素である。そのような化合物は下記のように化学式II、ならびにそれらの薬学的に許容される塩、プロドラッグ、異性体および互変異性体で表される:

(式中、
RおよびR1は上記で規定した通りである)。
【0038】
化学式IおよびIIの化合物が光学異性体または幾何異性体として存在する場合、上記化学式は異性体混合物、および個々のBK拮抗薬を表すものとする。化学式IおよびIIはまた、個々の異性体およびそれらの混合物を表し、それらはどちらも本発明の範囲内に含まれる。
【0039】
本発明の範囲内にある化合物としては、下記のように表IおよびIIに示されているものが挙げられる。
【0040】
【表1】

【0041】
【表2】

【0042】
特に好ましい化合物としては下記化合物および薬学的に許容されるそれらの塩が挙げられる:
3-[3-(R,S)-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)-4-オキソ-2,5-ベンゾジアゼピン-3-イル]-N-[2-(ピリジン-4-イル)エチル]アセトアミド(1);
3-[3-(R,S)-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)-4-オキソ-2,5-ベンゾジアゼピン-3-イル]-N-[2-(1,2,5,6-テトラヒドロ-N-メチルピリジン-4-イル)エト-1-イル]アセトアミド(2);
3-[3-(R,S)-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)-2-オキソ-2,5-ベンゾジアゼピン-3-イル]-N-[2-(N-メチルピペリジン-4-イル)エト-1-イル]アセトアミド(3);
3-[3-(R,S)-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)-2-オキソ-2,5-ベンゾジアゼピン-3-イル]-N-[2-(N-{ピリド-4-イル}ピペリジン-4-イル)エト-1-イル]アセトアミド(4);
3-[3-(R,S)-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)-2-オキソ-2,5-ベンゾジアゼピン-3-イル]-N-[2-(N-オキソピリジン-4-イル)エト-1-イル]アセトアミド(5);
3-[3-(R,S)-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)-2-オキソ-2,5-ベンゾジアゼピン-3-イル]-N-[4-(ピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル]アセトアミド(6);
3-[3-(R,S)-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)-2-オキソ-2,5-ベンゾジアゼピン-3-イル]-N-[4-(ピリジン-4-イル)ピペラジン-1-イル]アセトアミド(7);
3-[3-(R,S)-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)-2-オキソ-2,5-ベンゾジアゼピン-3-イル]-N-[2-シクロプロピル-2-(ピリジン-4-イル)エト-1-イル]アセトアミド(8);
3-[3-(R)-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)-4-オキソ-2,5-ベンゾジアゼピン-3-イル]-N-[2-(ピリジン-4-イル)エチル]アセトアミド(9);
3-[3-(S)-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)-4-オキソ-2,5-ベンゾジアゼピン-3-イル]-N-[2-(ピリジン-4-イル)エチル]アセトアミド(10);
3-[3-(R,S)-(2,3-ジクロロベンゼンスルホニル)-2-オキソ-2,5-ベンゾジアゼピン-3-イル]-N-[2-(R,S)-シクロプロピル-2-(ピリジン-4-イル)エト-1-イル]アセトアミド(11);
3-[3-(R,S)-(2,3-ジクロロベンゼンスルホニル)-4-オキソ-2,5-ベンゾジアゼピン-3-イル]-N-[2-(ピリジン-4-イル)エチル]アセトアミド(12);
3-[3-(R,S)-(2,3-ジクロロベンゼンスルホニル)-2-オキソ-2,5-ベンゾジアゼピン-3-イル]-N-[2-(N-{ピリジン-2-イル}ピペリジン-4-イル)エト-1-イル]アセトアミド(13);および
3-[3-(R,S)-(4-クロロ-2,5-ジメチルフェニルカルボニルメチル)-2-オキソ-2,5-ベンゾジアゼピン-3-イル]-N-[2-ピリジン-4-イルエト-1-イル]アセトアミド(14)。
【0043】
化学式Iおよび/またはIIの化合物が互変異性体、光学異性体または幾何異性体として存在する場合、上記化学式は各互変異性体、異性体混合物および各々の異性体BK拮抗薬または中間体異性体を表すものとする。化学式Iおよび/IIは、個々の異性体およびそれらの混合物を表すものとし、それらは全て本発明の範囲内に含まれる。
【0044】
さらに、薬学的用途に関する化学式IおよびIIの化合物の記述はまた、化学式IおよびIIの化合物の薬学的に許容される塩を含むものとする。
【0045】
本発明はまた、生物試料中のブラジキニンレベルを決定するための方法であって、生物試料を化学式I、IIの化合物または化学式Iおよび/またはIIの1もしくは複数の化合物の混合物と、予め決められた濃度で接触させる段階を含む方法を提供する。
【0046】
本発明はまた、哺乳類においてブラジキニンの存在と関連する有害症状を治療または緩和するのに効果的な、薬学的に許容される担体、および治療量の、化学式I、IIの化合物または化学式Iおよび/またはIIの1もしくは複数の化合物の混合物を含む薬学的組成物を提供する。
【0047】
この発明はさらに、哺乳類においてブラジキニンの存在または分泌に関連する有害症状を治療または緩和するための方法であって、治療上有効量の化学式I、IIの化合物または化学式Iおよび/またはIIの1もしくは複数の化合物の混合物、またはより一般的には薬学的組成物を投与する段階を含む方法を提供する。
【0048】
本発明は、ブラジキニンの放出に関連する、哺乳類における疼痛、痛覚過敏、高熱および/または浮腫を治療または改善するための方法であって、治療上有効量の化学式I、IIの化合物または化学式Iおよび/またはIIの1もしくは複数の化合物の混合物、またはより一般的には薬学的組成物を含む方法を提供する。
【0049】
火傷、手術前後の疼痛、偏頭痛、ショック、中枢神経系の損傷、喘息、鼻炎、早産、炎症性関節炎、炎症性大腸炎、または神経因性疼痛に対してブラジキニンの放出に関する有害症状を治療または改善するための方法を提供する。
【0050】
本発明の詳細な説明
定義および概観
上記のように、本発明は一定のスルホニルベンゾジアゼピノンアセトアミド誘導体および関連化合物に関する。
【0051】
本発明について詳細に説明する前に、特に記載がなければ、本発明は任意の特別なスルホニルベンゾジアゼピノンアセトアミド誘導体に限定されず、変動することもあることを理解すべきである。本明細書で使用される専門用語は、特別の態様のみを説明するためのものであり、本発明の範囲を限定しようとするものではないこともまた理解すべきである。本明細書および請求の範囲で使用されるように、単数形「1つの(a)」、「および(and)」および「その(the)」は、文脈で別段明確な定めがなければ、複数の指示対象を含むことに注意しなければならない。この明細書および添付の請求の範囲において、多くの用語について言及されているが、それらの用語は下記の意味を持つものとして規定されるべきである。
【0052】
用語の特定の事態に対し別段明確に規定されていなければ、本明細書で使用される下記用語は、大文字で始まるかどうかに関係なく、下記意味を有するものとする。
【0053】
ベンゾジアゼピノンという用語は、それに含まれる(本明細書で使用されるように)A環において符号が付けられた構造を用いて以下で記述されている環構造を示す:

【0054】
「アルキル」という用語は、1〜10の炭素原子、より好ましくは1〜6の炭素原子を有するアルキル基を示し、直鎖および分枝アルキル基の両方を含む。この用語の例としては、メチル、t-ブチル、n-ヘプチル、オクチルなどの官能基が挙げられる。
【0055】
「置換アルキル」という用語は、1〜10の炭素原子、より好ましくは1〜6の炭素原子を有し、1〜5の置換基、好ましくは1〜3の置換基を有するアルキル基を示し、置換基は、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、チオカルボニルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミジノ、アルキルアミジノ、チオアミジノ、アミノアシル、アミノカルボニルアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、アリールオキシアリール、置換アリールオキシアリール、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、オキソ、チオキソ、カルボキシル、カルボキシルエステル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、グアニジノ、置換グアニジノ、グアニジノスルホン、チオール、チオアルキル、置換チオアルキル、チオアリール、置換チオアリール、チオシクロアルキル、置換チオシクロアルキル、チオヘテロアリール、置換チオヘテロアリール、チオ複素環、置換チオ複素環、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、シクロアルコキシ、置換シクロアルコキシ、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、オキシカルボニルアミノ、オキシチオカルボニルアミノ、-OS(O)2-アルキル、-OS(O)2-置換アルキル、-S(O)2-アリール、-OS(O)2-置換アリール、-S(O)2-ヘテロアリール、-OS(O)2-置換ヘテロアリール、-S(O)2-複素環、-OS(O)2-置換複素環、-OSO2-NR10R10(式中、各R10はそれぞれ、水素またはアルキルである)、-NR10S(O)2-アルキル、-NR10S(O)2-置換アルキル、-NR10S(O)2-アリール、-NR10S(O)2-置換アリール、-NR10S(O)2-ヘテロアリール、-NR10S(O)2-置換ヘテロアリール、-NR10S(O)2-複素環、-NR10S(O)2-置換複素環、-NR10S(O)2-NR10-アルキル、-NR10S(O)2-NR10-置換アルキル、-NR10S(O)2-NR10-アリール、-NR10S(O)2-NR10-置換アリール、-NR10S(O)2-NR10-ヘテロアリール、-NR10S(O)2-NR10-置換ヘテロアリール、-NR10S(O)2-NR10-複素環、および-NR10S(O)2-NR10-置換複素環(式中、各R10はそれぞれ、水素またはアルキルである)からなる群から独立して選択される。
【0056】
「アルコキシ」は、「アルキル-O-」基を示し、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、tert-ブトキシ、sec-ブトキシ、n-ペントキシ、n-ヘキソキシ、1,2-ジメチルブトキシなどが挙げられる。
【0057】
「置換アルコキシ」は「置換アルキル-O-」基を示す。
【0058】
「アシル」は、H-C(O)-、アルキル-C(O)-、置換アルキル-C(O)-、アルケニル-C(O)-、置換アルケニル-C(O)-、アルキニル-C(O)-、置換アルキニル-C(O)-、シクロアルキル-C(O)-、置換シクロアルキル-C(O)-、アリール-C(O)-、置換アリール-C(O)-、ヘテロアリール-C(O)-、置換ヘテロアリール-C(O)-、複素環-C(O)-、および置換複素環-C(O)-を示し、ただし、複素環または置換複素環の窒素原子は-C(O)-基に結合していないことを条件とし、ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環は本明細書で規定した通りである。
【0059】
「アミノ」は-NH2基を示す。
【0060】
「置換アミノ」は、-NR11R11基を示し、ここで、各R11基はそれぞれ、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、-SO2-アルキル、-SO2-置換アルキル、-SO2-アルケニル、-SO2-置換アルケニル、-SO2-シクロアルキル、-SO2-置換シクロアルキル、-SO2-アリール、-SO2-置換アリール、-SO2-ヘテロアリール、-SO2-置換ヘテロアリール、-SO2-複素環、-SO2-置換複素環からなる群から選択され、ただしR11基は両方とも水素ではないことを条件とし;または、R11基は窒素原子と一緒になり複素環または置換複素環を形成することができる。
【0061】
「アシルアミノ」または接頭語としての「カルバモイル」もしくは「カルボキサミド」または「置換カルバモイル」もしくは「置換カルボキサミド」は-C(O)NR12R12基を示し、ここで、各R12はそれぞれ、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環からなる群から選択され、ここで、各R12は一緒になり窒素原子と共に複素環または置換複素環を形成することができ、ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環は本明細書で規定した通りである。
【0062】
「チオカルボニルアミノ」または接頭語としての「チオカルバモイル」、「チオカルボキサミド」または「置換チオカルバモイル」もしくは「置換チオカルボキサミド」は-C(S)NR13R13基を示し、ここで、各R13はそれぞれ、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環からなる群から選択され、ここで、各R13は一緒になり窒素原子と共に複素環または置換複素環を形成し、ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環は本明細書で規定した通りである。
【0063】
「アシルオキシ」はアシル-O-基を示し、ここで、アシルは本明細書で規定した通りである。
【0064】
「アルケニル」は2〜10の炭素原子、より好ましくは2〜6の炭素原子を有し、少なくとも1、好ましくは1〜2のアルケニル不飽和部位を有するアルケニル基を示す。
【0065】
「置換アルケニル」は、置換アルキルに対して規定された置換基の群から独立して選択される1〜5の置換基、好ましくは1〜3の置換基を有するアルケニル基を示し、ただし、ヒドロキシルまたはチオール基はビニルまたは不飽和炭素原子に置換されないことを条件とする。
【0066】
「アルキニル」は2〜10の炭素原子、より好ましくは3〜6の炭素原子を有し、少なくとも1、好ましくは1〜2のアルキニル不飽和部位を有するアルキニル基を示す。
【0067】
「置換アルキニル」は、置換アルキルに対して規定されたものと同じ置換基の群から選択される1〜5、好ましくは1〜3の置換基を有するアルキニル基を示し、ただし、ヒドロキシルまたはチオール基はビニルまたは不飽和炭素原子に置換されないことを条件とする。
【0068】
「アミジノ」はH2NC(=NH)-基を示し、「アルキルアミジノ」という用語は、1〜3のアルキル基を有する化合物(例えば、アルキルHNC(=NH)-)を示し、ここでアルキルは本明細書で規定した通りである。
【0069】
「チオアミジノ」はRSC(=NH-)基を示し、ここでRは水素またはルキルであり、ここでアルキルは本明細書で規定した通りである。
【0070】
「アミノアシル」は、-NR14C(O)アルキル、-NR14C(O)置換アルキル、-NR14C(O)シクロアルキル、-NR14C(O)置換シクロアルキル、-NR14C(O)アルケニル、-NR14C(O)置換アルケニル、-NR14C(O)アルキニル、-NR14C(O)置換アルキニル、-NR14C(O)アリール、-NR14C(O)置換アリール、-NR14C(O)ヘテロアリール、-NR14C(O)置換ヘテロアリール、-NR14C(O)複素環、および-NR14C(O)置換複素環基を示し、ここで、R14は水素またはアルキルであり、ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環は本明細書で規定した通りである。
【0071】
「アミノカルボニルオキシ」は、-NR15C(O)O-アルキル、-NR15C(O)O-置換アルキル、-NR15C(O)O-アルケニル、-NR15C(O)O-置換アルケニル、-NR15C(O)O-アルキニル、-NR15C(O)O-置換アルキニル、-NR15C(O)O-シクロアルキル、-NR15C(O)O-置換シクロアルキル、-NR15C(O)O-アリール、-NR15C(O)O-置換アリール、-NR15C(O)O-ヘテロアリール、-NR15C(O)O-置換ヘテロアリール、-NR15C(O)O-複素環、および-NR15C(O)O-置換複素環基を示し、ここで、R15は水素またはアルキルであり、ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環は本明細書で規定した通りである。
【0072】
「オキシカルボニルアミノ」または接頭語としての「カルバモイルオキシ」もしくは「置換カルバモイルオキシ」は、-OC(O)NR16R16基を示し、ここで、各R16は、それぞれ、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環であり、または、ここで、各R16は一緒になり、窒素原子と共に、複素環または置換複素環を形成し、ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環は本明細書で規定した通りである。
【0073】
「オキシチオカルボニルアミノ」は-OC(S)NR17R17基を示し、ここで、各R17は、それぞれ、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環であり、または、ここで、各R17は一緒になり、窒素原子と共に、複素環または置換複素環を形成し、ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環は本明細書で規定した通りである。
【0074】
「アミノカルボニルアミノ」は-NR18C(O)NR19R19基を示し、ここで、R18は水素およびアルキルからなる群から選択され、各R19は、それぞれ、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環から選択され、または、ここで、各R19は一緒になり、窒素原子と共に、複素環または置換複素環を形成し、ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環は本明細書で規定した通りである。
【0075】
「アミノチオカルボニルアミノ」は-NR18C(S)NR19R19基を示し、ここで、R18は水素およびアルキルからなる群から選択され、各R19は、それぞれ、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環から選択され、または、ここで、各R19は一緒になり、窒素原子と共に、複素環または置換複素環を形成し、ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環は本明細書で規定した通りである。
【0076】
「アリール」または「Ar」は、6〜14の炭素原子からなる、単環(例えばフェニル)または複数の縮合環(例えば、ナフチルまたはアントリル)を有する芳香族炭素環基を示し、縮合環は芳香族であっても、そうでなくてもよく(例えば、2-ベンゾキサゾリノン、2H-1,4-ベンゾキサジン-3(4H)-オン-7-イル、など)、ただし、結合点はアリール環原子を介することを条件とする。好ましいアリールとしてはフェニルおよびナフトリルが挙げられる。
【0077】
「置換アリール」は、1〜4の置換基、好ましくは1〜3の置換基により置換されたアリール基を示し、置換基は、ヒドロキシ、アシル、アシルアミノ、チオカルボニルアミノ、アシルオキシ、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アミジノ、アルキルアミジノ、チオアミジノ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノカルボニルオキシ、アミノカルボニルアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、シクロアルコキシ、置換シクロアルコキシ、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノ、チオール、チオアルキル、置換チオアルキル、チオアリール、置換チオアリール、チオヘテロアリール、置換チオヘテロアリール、チオシクロアルキル、置換チオシクロアルキル、チオ複素環、置換チオ複素環、シクロアルキル、置換シクロアルキル、グアニジノ、置換グアニジノ、グアニジノスルホン、ハロ、ニトロ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、オキシカルボニルアミノ、オキシチオカルボニルアミノ、-S(O)2-アルキル、-S(O)2-置換アルキル、-S(O)2-シクロアルキル、-S(O)2-置換シクロアルキル、-S(O)2-アルケニル、-S(O)2-置換アルケニル、-S(O)2-アリール、-S(O)2-置換アリール、-S(O)2-ヘテロアリール、-S(O)2-置換ヘテロアリール、-S(O)2-複素環、-S(O)2-置換複素環、-OS(O)2-アルキル、-OS(O)2-置換アルキル、-O(S)2-アリール、-OS(O)2-置換アリール、-OS(O)2-ヘテロアリール、-OS(O)2-置換ヘテロアリール、-OS(O)2-複素環、-OS(O)2-置換複素環、-OSO2-NR20R20(式中、各R20はそれぞれ、水素またはアルキルである)、-NR21S(O)2-アルキル、-NR21S(O)2-置換アルキル、-NR21S(O)2-アリール、-NR21S(O)2-置換アリール、-NR21S(O)2-ヘテロアリール、-NR21S(O)2-置換ヘテロアリール、-NR21S(O)2-複素環、-NR21S(O)2-置換複素環、-NR21S(O)2-NR21-アルキル、-NR21S(O)2-NR21-置換アルキル、-NR21S(O)2-NR21-アリール、-NR21S(O)2-NR-置換アリール、-NR21S(O)2-NR21-ヘテロアリール、-NR21S(O)2-NR21-置換ヘテロアリール、-NR21S(O)2-NR21-複素環、-NR21S(O)2-NR21-置換複素環(式中、各R21はそれぞれ、水素またはアルキルである)からなる群から選択され、ここで、各用語は本明細書で規定した通りである。
【0078】
「アリールオキシ」はアリール-O-基を示し、例えば、フェノキシ、ナフトキシなどが挙げられ、ここでアリールは本明細書で規定した通りである。
【0079】
「置換アリールオキシ」は置換アリール-O-基を示し、ここで置換アリールは本明細書で規定した通りである。
【0080】
「アリールオキシアリール」は-アリール-O-アリール基を示し、ここでアリールは本明細書で規定した通りである。
【0081】
「置換アリールオキシアリール」は、置換アリールに対し規定したのと同じ置換基からなる群から独立して選択される、アリール環のいずれかまたは両方において1〜4の置換基、好ましくは1〜3の置換基で置換されるアリールオキシアリール基を示す。
【0082】
「カルボキシル」または「カルボキシ」は-COOH基、および薬学的に許容されるそれらの塩を示す。
【0083】
「カルボキシルエステル」は、-COO-アルキル、-COO-置換アルキル、-COO-シクロアルキル、-COO-置換シクロアルキル、-COO-アリール、-COO-置換アリール、-COO-ヘテロアリール、-COO-置換ヘテロアリール、-COO-複素環、および-COO-置換複素環基を示し、ここで、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環はそれぞれ、本明細書で規定した通りである。
【0084】
「シクロアルキル」は3〜10の炭素原子からなり、単環または複数の縮合環を有する環状アルキル基を示し、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロオクチル、アダマンチルなどが挙げられる。
【0085】
「シクロアルケニル」は3〜8の炭素原子からなり、1つまたは複数の不飽和を有するが、芳香族ではない環状アルケニル基を示す。
【0086】
「置換シクロアルキル」および「置換シクロアルケニル」は、置換アルキルに対して規定されたのと同じ置換基の群から独立して選択される1〜5、好ましくは1〜3の置換基を有する、本明細書で規定されるようなシクロアルキルおよびシクロアルケニル基を示す。
【0087】
「シクロアルコキシ」は、-O-シクロアルキル基を示し、ここでシクロアルキルは本明細書で規定した通りである。
【0088】
「置換シクロアルコキシ」は-O-置換シクロアルキル基を示し、ここで置換シクロアルキルは本明細書で規定した通りである。
【0089】
「グアニジノ」または「置換グアニジノ」は-NR22C(=NR22)NR23R23基を示し、ここで、R22はそれぞれ、水素またはアルキルであり、各R23は、それぞれ、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環からなる群から選択され、ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環は本明細書で規定した通りである。
【0090】
「グアニジノスルホン」は、-NR22C(=NR22)NR22SO2-アルキル、-NR22C(=NR22)NR22SO2-置換アルキル、-NR22C(=NR22)NR22SO2-アルケニル、-NR22C(=NR22)NR22SO2-置換アルケニル、-NR22C(=NR22)NR22SO2-アルキニル、-NR22C(=NR22)NR22SO2-置換アルキニル、-NR22C(=NR22)NR22SO2-アリール、-NR22C(=NR22)NR22SO2-置換アリール、-NR22C(=NR22)NR22SO2-シクロアルキル、-NR22C(=NR22)NR22SO2-置換シクロアルキル、-NR22C(=NR22)NR22SO2-ヘテロアリール、-NR22C(=NR22)NR22SO2-置換ヘテロアリール、-NR22C(=NR22)NR22SO2-複素環、および-NR22C(=NR22)NR22SO2-置換複素環基を示し、ここで、各R’はそれぞれ水素およびアルキルであり、ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環は本明細書で規定した通りである。
【0091】
「ハロ」または「ハロゲン」はフルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを示し、好ましくはクロロまたはフロオロのいずれかである。
【0092】
「ヘテロアリール」は1〜10の環炭素原子および、環内に酸素、窒素および硫黄から選択される1〜4の環ヘテロ原子を有する芳香族基を示す。そのようなヘテロアリール基は、単環(例えば、ピリジルまたはフリル)または複数の縮合環(例えば、インドリジニルまたはベンゾチエニル)を有することができ、ここで、縮合環は、ヘテロアリールであってもよく、そうでなくてもよく、例えば、シクロアルキル、複素環またはアリール環であるが、ただし、結合点はヘテロアリール環原子を介することを条件とする。好ましいヘテロアリールとしてはピリジル、ピロリル、インドリルまたはフリルが挙げられる。
【0093】
「置換ヘテロアリール」は、置換アリールに対し規定されたのと同じ置換基の群から独立して選択される1〜3の置換基で置換された、上記で規定されるヘテロアリール基を示す。N-オキシドもまた、窒素含有ヘテロアリールに対する「置換ヘテロアリール」という用語に含まれる。
【0094】
「ヘテロアリールオキシ」は、-O-ヘテロアリール基を示し、「置換ヘテロアリールオキシ」は-O-置換ヘテロアリール基を示し、ここで、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールは上記で規定した通りである。
【0095】
「複素環(heterocycleまたはheterocyclic)」は、単環または複数の縮合環を有し、1〜10の環炭素原子および、環内に窒素、硫黄または酸素から選択される1〜4の環ヘテロ原子を有する飽和または不飽和官能基を示す。ここで、縮合環構造では、1または複数の環はシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールとすることができ、ただし、結合点は複素環原子を介することを条件とする。
【0096】
「飽和複素環」は、いずれの環においても不飽和(例えば、炭素-炭素不飽和、炭素-窒素不飽和、窒素-窒素不飽和など)のない単環または複数の縮合環の複素環を示す。
【0097】
「不飽和複素環」は、いずれかの環において不飽和(例えば、炭素-炭素不飽和、炭素-窒素不飽和、窒素-窒素不飽和など)を有する単環または複数の縮合環の非芳香族複素環を示す。
【0098】
「置換複素環」は、上記のように、オキソ(=O)、チオキソ(=S)+置換アリールに対し規定したものと同じ置換基の群からなる群から独立して選択される1〜3の置換基で置換された、上記で規定したような複素環基を示す。
【0099】
複素環およびヘテロアリールの例としては、アゼチジン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドール、インドール、ジヒドロインドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチルピリジン、キノキサリン、キナゾリン、シノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリン、イソチアゾール、フェナジン、イソキサゾール、フェノキサジン、フェノチアジン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドリン、フタルイミド、1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリン、4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン、チアゾール、チアゾリジン、チオフェン、ベンゾ[b]チオフェン、モルホリノ、チオモルホリノ、ピペリジニル、ピロリジン、テトラヒドロフラニル、などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0100】
「置換飽和複素環」は、いずれの環においても不飽和(例えば、炭素-炭素不飽和、炭素-窒素不飽和、窒素-窒素不飽和など)のない単環または複数の縮合環の、上記で規定したような置換複素環を示す。
【0101】
「置換不飽和複素環」は、いずれかの環において不飽和(例えば、炭素-炭素不飽和、炭素-窒素不飽和、窒素-窒素不飽和など)を有する単環または複数の縮合環の非芳香族置換複素環を示す。
【0102】
「ヘテロシクリルオキシ」は、-O-複素環基を示し、「置換ヘテロシクリルオキシ」は、-O-置換複素環基を示し、ここで、複素環および置換ヘテロシクリルオキシは上記で規定した通りである。
【0103】
「チオール」は、-SH基を示す。
【0104】
「チオアルキル」は-S-アルキル基を示し、ここでアルキルは上記で規定した通りである。
【0105】
「置換チオアルキル」は、-S-置換アルキル基を示し、ここで置換アルキルは上記で規定した通りである。
【0106】
「チオシクロアルキル」は、-S-シクロアルキル基を示し、ここでシクロアルキルは上記で規定した通りである。
【0107】
「置換チオシクロアルキル」は、-S-置換シクロアルキル基を示し、ここで置換シクロアルキルは上記で規定した通りである。
【0108】
「チオアリール」は-S-アリール基を示し、「置換チオアリール」は-S-置換アリール基を示し、ここでアリールおよび置換アリールは上記で規定した通りである。
【0109】
「チオヘテロアリール」は-S-ヘテロアリール基を示し、「置換チオヘテロアリール」は-S-置換ヘテロアリール基を示し、ここでヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールは上記で規定した通りである。
【0110】
「チオ複素環」は-S-複素環基を示し、「置換チオ複素環」は-S-置換複素環基を示し、ここで複素環および置換複素環は上記で規定した通りである。
【0111】
「薬学的に許容される塩」は、化学式Iおよび/またはIIの化合物の薬学的に許容される塩を示し、この塩は当業者に周知の様々な有機および無機対イオンから誘導され、例示にすぎないが、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウムなどが挙げられ、分子が塩基性官能基を含む場合、有機または無機酸塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、酒石酸塩、メシル酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、シュウ酸塩などが挙げられる。
【0112】
本明細書で使用されるように「プロドラッグ」は、インビボで変換(例えば、加水分解、代謝)され本発明の化合物となる化合物である。経口投与された薬物の有効性は粘膜上皮を横切る薬物の効率的な輸送およびその腸肝循環における安定性に依存する。非経口投与後に効果的であるが、経口では効果が低い薬物、または血漿半減期が短すぎると考えられる薬物は化学的に修飾してプロドラッグ形態としてもよい。プロドラッグは親とは異なる薬物動態プロファイルを有するべきであり、これにより粘膜上皮を横切る吸収が容易になり、塩の製剤化および/または溶解性が良好になり、および/または全身的な安定性が改善される(例えば、血漿半減期の増加)。本発明によるプロドラッグの作製には多くの化学修飾が適しているかもしれず、例えば下記のものが挙げられる:
(1)エステルまたはアミド誘導体。これらは、例えばエステラーゼまたはリパーゼにより開裂させることができる。エステル誘導体では、エステルは薬物分子のカルボン酸部分から周知の手段により誘導される。アミド誘導体では、アミドは薬物分子のカルボン酸部分またはアミン部分から周知の手段により誘導されてもよい。
(2)ペプチド。これらは特異または非特異プロテイナーゼにより認識されてもよい。ペプチドは、周知の手段によりht薬物分子のカルボン酸部分のアミンとのアミド結合形成により薬物分子に結合されてもよい。
(3)プロドラッグ形態または修飾プロドラッグ形態の膜選択により作用部位で蓄積する誘導体。
(4)(1)〜(3)の任意の組み合わせ。
【0113】
例えば、Bundgaard(Elsevier)1985により”Design of Prodrugs”において記述されているように、「プロ部分(pro-moiety)」として当業者に周知の一定の部分は、適当な官能基が本発明の化合物中に存在すれば、その官能基上に配置してもよく、これによってもプロドラッグが形成されることは、当業者であれば、さらに理解するであろう。さらに、本発明の一定の化合物は、本発明の他の化合物のプロドラッグとして作用してもよい。本発明の化合物の保護された誘導体およびプロドラッグは全て、本発明の範囲内に含まれる。
【0114】
任意の規定した用語と共に使用されるように、共に使用される「置換された」という用語、例えば、「置換アルキル」はそれらから誘導されるポリマを含むものではなく、最大3置換基、例えば、Ar-Ar-Arに限定される。
【0115】
化合物調製
本発明の化合物は、容易に入手することができる開始材料から下記一般方法および手順を用いて調製することができる。典型的なまたは好ましい処理条件(すなわち、反応温度、時間、反応物のモル比、溶媒、圧力など)を示すが、特に記載がなければ、他の処理条件を使用することもできることは認識されるであろう。最適反応条件は使用した特別な反応物または溶媒と共に変動してもよいが、そのような条件は当業者であれば、ルーチン的な最適化手順により決定することができる。
【0116】
さらに、当業者にとっては明かであるように、一定の官能基を、望ましくない反応を受けないようにするのに従来の保護基が必要であるかもしれない。様々な官能基に対する適した保護基、ならびに特別な官能基を保護および脱保護するための適した条件は当技術分野において周知である。例えば、多くの保護基がGreene and Wuts、Protecting Groups in Organic Synthesis、Second Edition、Wiley、New York、1991および本明細書で引用した参考文献において記述されている。
【0117】
本発明の化合物は典型的には1または複数のキラル中心を含む。したがって、所望であれば、そのような化合物を純粋な立体異性体として、すなわち、個々の鏡像異性体もしくはジアステレオマーとして、または立体異性体リッチ混合物として調製または単離することができる。そのような立体異性体(およびリッチ混合物)は全て、特に記載がなければ、本発明の範囲内に含まれる。純粋な立体異性体(またはリッチ混合物)は、例えば、当技術分野において周知の光学的に活性な開始材料または立体選択的な試薬を使用して調製してもよい。また、そのような化合物のラセミ混合物は、例えば、キラルカラムクロマトグラフィ、キラル分離剤などを使用して分離することができる。
【0118】
特に、スルホニルベンゾジアゼピノンアセトアミド誘導体および関連化合物(Q=-SO2R)は好ましくは下記スキーム(1)において示されるように調製される:

【0119】
ここで、R、R1、R2、R3、R7、W、pおよびqは上記で規定した通りであり、R’はそれぞれアルキルまたは置換アルキルである。
【0120】
特に、スキームIで示されるように、適当に置換した2-ニトロ-ベンズアルデヒド化合物1は少なくとも1当量のアスパラギン酸ジエステル2と、適した還元剤、例えば水素化シアノホウ素ナトリウムの存在下、従来の還元的アミノ化条件下で結合させると、置換されていてもよいN-(2-ニトロベンジル)アスパラギン酸ジエステル3が得られる。反応は典型的には不活性溶媒、例えばメタノールまたはエタノール中で約0℃〜約60℃の温度で実施するが、好ましくは室温で実施する。反応を実質的に完了するまで続けさせる。完了は典型的には約1〜24時間以内に起こる。得られた生成物は従来の方法により、例えば溶剤ストリッピング、クロマトグラフィー、濾過、結晶化などにより回収することができ、または精製および/または単離せずに次の段階で使用することができる。
【0121】
置換されていてもよいN-(2-ニトロベンジル)アスパラギン酸ジエステル3のニトロ基の還元と同時の閉環により、反応スキーム(I)に示されるように、ベンゾジアゼピノン誘導体4が得られる。特に、ニトロ基の中間アミノ基への還元は、高圧の水素の存在下、触媒的還元条件下で実施する。反応は典型的には約0℃〜約60℃の温度、好ましくは室温で実施し、実質的に完了するまで続ける。完了は典型的には約0.5〜12時間で起こる。得られたアミンは好ましくは少なくとも1当量のトリメチルアルミニウムと適した溶媒、例えばトルエンまたはベンゼン中で、約-20℃〜約25℃で反応させるが、好ましくは0℃から開始し、反応物を約0.5〜約6時間にわたり、または実質的に完了するまで、加温し室温とする。得られた生成物は従来の方法、例えば、溶剤ストリッピング、クロマトグラフィー、濾過、結晶化などにより回収することができ、または精製および/または単離せずに次の段階で使用することができる。
【0122】
ベンゾジアゼピノン誘導体4の2-アミノ基をその後、従来の保護基(Pg)、例えば、t-Bocを用い、当技術分野で周知の従来の条件下で保護すると、N-保護ベンゾジアゼピノン誘導体5が得られる。
【0123】
化学式Iの化合物(式中、WはNである)は、下記スキーム2に示されるように、最初に、N-保護ベンゾジアゼピノン誘導体5を加水分解し、その後、得られた化合物5aのカルボキシル基をわずかに過剰の1級もしくは2級アミンまたは窒素複素環、HNR1R2と反応させ、続いて、保護基Pgを除去することにより調製することができる。

【0124】
ここで、R’、R1、R2、R3、pおよびPgは上記で規定した通りであり、Zは酸素または硫黄である。
【0125】
反応は好ましくは、不活性有機溶媒、カップリング剤および有機塩基の存在下で、当技術分野において周知のアミド化法を用いて実施する。この反応は、好ましくは大体当量〜わずかに過剰なアミン(HNR1R2)を用いて(N-保護ベンゾジアゼピノン5a 1モルにつき約0.99〜1.2モル当量)、約-20℃〜室温の範囲の温度で実施する。反応は実質的に完了するまで続け、完了は典型的には2〜12時間に起こる。使用することができる適した不活性有機溶媒としては、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジクロロメタンなどが挙げられる。使用してもよい適したカップリング剤としては、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBT)および1-(3-ジメチル-アミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)などが挙げられる。適した有機塩基としては、トリエチルアミン(TEA)、ピリジン、N-メチルモルホリン、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)などが挙げられる。得られた生成物は従来の方法、例えば、溶剤ストリッピング、クロマトグラフィー、濾過、結晶化などにより回収することができ、または精製および/または単離せずに次の段階で使用することができる。
【0126】
化合式I(WがOまたはSである)の化合物では、N-保護ベンゾジアゼピノン、5aのカルボキシル基を、この中間体を適当なアルコールまたはチオール(HZR1、ここでZはOまたはSである)と接触させることによりエステル化またはチオエステル化する。エステル化反応はH+により触媒してもよい。チオエステル化は典型的には不活性溶媒中、例えば、ピリジン中で実施し、典型的には化学量論量の脱水剤、塩素化剤、または活性化剤、例えばPOCl3を用いて実施する。反応は典型的には、-20℃〜-10℃の範囲の温度で、反応が完了するまで実施する。完了は典型的には1〜3時間で起こる。得られた生成物、化合物6cは従来の方法、例えば、溶剤ストリッピング、クロマトグラフィー、濾過、結晶化などにより回収することができ、または精製および/または単離せずに次の段階で使用することができる。
【0127】
WがN、SまたはOであろうと、化合物6(スキーム1)または化合物6aおよび6c(スキーム2)上の保護基はその後、当業者に周知の条件下で除去され、遊離アミン[化合物6bおよび6d(スキーム2)]が得られ、その後、所望の塩化スルホニルRSO2Clを用いたスルホン化により、スルホニルベンゾジアゼピノンアセトアミド、スルホニルベンゾジアゼピノン酢酸エステル、またはチオエステル、化合物7(Q=-SO2R)が得られる。スルホン化反応は、典型的には、脱保護したベンゾジアゼピノン中間体を大体化学量論量、またはわずかに過剰の所望の塩化スルホニルと、不活性希釈剤に溶解した捕集剤(scavenger)塩基、例えばピリジンなどの存在下で接触させることにより実施する。反応は典型的には、約0℃〜大体室温までの範囲の温度で、スルホン化が達成される期間にわたり実施する。これは典型的には2〜12時間である。使用することができる適した不活性溶媒としては、ジクロロメタンなどが挙げられる。得られた生成物は、従来の方法、例えば、クロマトグラフィー、濾過、結晶化などにより回収することができ、または精製および/または単離せずに次の段階で使用することができる。
【0128】
R7が水素以外である化学式Iの化合物の調製はいくつかの方法で達成することができる。これらの方法のうちの2つについて本明細書で説明する。アルキルまたは置換アルキルなどのR7基では、スルホニルベンゾジアゼピノンアセトアミド、スルホニルベンゾジアゼピノン酢酸エステル、またはチオエステル、化合物7を、大体化学量論量、またはわずかに過剰の所望のR7ハロゲン化物、化合物8と、不活性希釈剤、例えば、DMF、THFなど中、適した塩基、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸カリウムなどの存在下で接触させる。反応は典型的には、約20℃〜約80℃の温度で、反応が完了するのに十分な期間実施する。その期間は典型的には2〜12時間である。得られた生成物、化合物9は、従来の方法、例えば、クロマトグラフィー、濾過、結晶化などにより回収することができる。
【0129】
また、R7置換スルホニルベンゾジアゼピノンアセトアミド、スルホニルベンゾジアゼピノン酢酸エステル、またはチオエステル、化合物9は、適当な開始材料、例えば適当にアミノ置換したおよびアミノ保護されていてもよい2-アミノベンズアルデヒド15を使用することにより達成することができる。この化合物を0-ニトロベンズアルデヒド、化合物1の代わりに、スキーム1で、本明細書で示したニトロ基の還元が、ブロッキング基(blocking group)(これを使用する場合)の従来の除去にとって代わられることを除き、使用することができる。当然、そのような合成スキームでは、R7基は、環化が可能でR7置換ベンゾジアゼピノン化合物が形成されるそのような置換基に限定されることは理解される。
【0130】
化合物15の合成を下記スキーム3に示す:

【0131】
特に、市販の2-ニトロベンズアルデヒド、10は従来のケタール11形成によりカルボニル保護される。続いて、上記様式でニトロ基をアミノ基に還元すると、化合物12が得られる。これを従来の様式でN-置換すると化合物13が得られる。必要であれば、化合物13のNH基を従来の保護基、例えばCbzまたはt-Bocで保護し化合物14を形成させる。その後、この化合物を脱保護し、従来の条件下でカルボニル基を再生させると、化合物15が得られる。
【0132】
化合物15をその後、少なくとも1当量のアスパラギン酸ジエステル2と、適した還元剤、例えば水素化シアノホウ素ナトリウムの存在下、従来の還元的アミノ化条件下で結合させると、N-(2-NR7(Pg)ベンジル)アスパラギン酸ジエステルが得られる。その後、保護基を除去し、上記のように閉環し、上記のように任意に誘導体化すると、化学式Iの化合物が得られる。
【0133】
Qが-CH2C(O)Rである化学式Iの化合物は、適したα-ハロアリールアセチル化合物、α-ハロヘテロアリールアセチル化合物、またはα-ハロヘテロシクリルアセチル化合物、X-CH2C(O)R(式中、Xはクロロまたはブロモであり、Rは本明細書で規定した通りである)をスキームIのハロゲン化スルホニルの代わりに使用することを除き、上記のように容易に調製される。ハロゲン化物は当技術分野において周知の従来の条件下で遊離アミンと反応し、Q基に対し対応する-CH2C(O)R置換が得られる。その後、この化合物を上記スキームIで記述したように誘導体化すると、Qが-CH2C(O)R基である化学式Iの化合物が得られる。適したハロゲン化物の例としては、Rが置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいナフチル基、置換されていてもよいヘテロアリール基などであるものが挙げられる。
【0134】
上記反応に対する開始材料は一般に周知の化合物であり、または周知の手順もしくは明かなそれらの改良により調製することができる。例えば、開始材料の多くは商業的供給者、例えばAldrich Chemical Co.(ウィスコンシン州ミルウォーキー、USA)、Bachem(カリフォルニア州トーランス、USA)、Emka-ChemceまたはSigma(ミズーリ州セントルイス、USA)から入手可能である。他は、標準的基準テキスト、例えばFieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis、Volumes 1-15(John Wiley and Sons、1991)、Rodd’s Chemistry of Carbon Compounds、Volumes 1-5 and Supplementals (Elsevier Science Publishers、1989)、Organic Reactions、Volumes 1-40 (John Wiley and Sons、1991)、March’s Advanced Organic Chemistry, (John Wiley and Sons、4th Edition)、およびLarock’s Comprehensive Organic Transformations (VCH Publishers Inc. 1989)に記述されている手順、またはそれらの明かな改良により調製してもよい。
【0135】
上記反応において使用される化学式RSO2Clの塩化スルホニルは、周知の化合物、または周知の化合物から従来の合成手順により調製できる化合物のいずれかである。そのような化合物は典型的には対応するスルホン酸、すなわち、化学式R-SO3H(式中、Rは上記の通りである)の化合物から、三塩化リンおよび五塩化リンを用い、調製する。この反応は一般に、スルホン酸を約2〜5モル当量の三塩化リンおよび五塩化リンと、ニートであるいは不活性溶媒、例えばジクロロメタン中で、約0℃〜約80℃の範囲の温度で約1〜約48時間接触させることにより実施し、塩化スルホニルが得られる。また、塩化スルホニルは対応するチオール化合物から、すなわち、化学式R-SH(式中、Rは本明細書で規定した通りである)の化合物から、チオールを塩素(Cl2)および水で従来の反応条件下で処理することにより調製することができる。
【0136】
本発明で使用するのに適した塩化スルホニルの例としては、ベンゼンスルホニルクロリド、1-ナフタレンスルホニルクロリド、2-ナフタレンスルホニルクロリド、p-トルエンスルホニルクロリド、α-トルエンスルホニルクロリド、4-アセトアミドベンゼンスルホニルクロリド、4-アミドベンゼンスルホニルクロリド、4-tert-ブチルベンゼンスルホニルクロリド、4-ブロモベンゼンスルホニルクロリド、2-カルボキシベンゼンスルホニルクロリド、4-シアノベンゼンスルホニルクロリド、3,4-ジクロロベンゼンスルホニルクロリド、3,5-ジクロロベンゼンスルホニルクロリド、3,4-ジメトキシベンゼンスルホニルクロリド、3,5-ジトリフルオロメチルベンゼンスルホニルクロリド、4-フルオロベンゼンスルホニルクロリド、4-メトキシベンゼンスルホニルクロリド、2-メトキシカルボニルベンゼンスルホニルクロリド、4-メチルアミドベンゼンスルホニルクロリド、4-ニトロベンゼンスルホニルクロリド、4-チオ-アミドベンゼンスルホニルクロリド、4-トリフルオロメチルベンゼンスルホニルクロリド、4-トリフルオロメトキシベンゼンスルホニルクロリド、2,4,6-トリメチルベンゼンスルホニルクロリド、2-フェニルエタンスルホニルクロリド、2-チオフェンスルホニルクロリド、5-クロロ-2-チオフェンスルホニルクロリド、2,5-ジクロロ-4-チオフェンスルホニルクロリド、2-チアゾールスルホニルクロリド、2-メチル-4-チアゾールスルホニルクロリド、1-メチル-4-イミダゾールスルホニルクロリド、1-メチル-4-ピラゾールスルホニルクロリド、5-クロロ-1,3-ジメチル-4-ピラゾールスルホニルクロリド、3-ピリジンスルホニルクロリド、2-ピリミジンスルホニルクロリドなどが挙げられるが、これらに限定されない。所望であれば、上記反応において塩化スルホニルの代わりに、フッ化スルホニル、臭化スルホニルまたはスルホン酸無水物を使用してもよい。
【0137】
1〜3のR3基で置換されていてもよいものを含むα-ハロアセチル置換芳香族、ヘテロ芳香族および複素環化合物の合成は当技術分野で周知であり、多くの基本的な有機化学テキストにおいて実証されている。多くのそのような化合物は市販もされており、例えば、2-ブロモアセトフェノン、2,4’-ジクロロアセトフェノン、2,2’,4’-トリクロロ-アセトフェノン、2,3’,4’-トリクロロアセトフェノン、2-クロロ-2’,4’-ジフルオロアセト-フェノン、2-ブロモ-4’-メチルアセトフェノンなどが挙げられる。2-クロロ(4-クロロ-2,5-ジメチルフェニル)アセトフェノンの形成を下記実施例2で示す。
【0138】
化学式:

の置換されていてもよいα-ニトロベンズアルデヒド化合物は市販されており、または従来の方法、例えば、フェニル環上での従来のハロゲン化反応、フェニル環上でのカルボキシル化反応などにより調製することができる。必要であれば、アルデヒドのカルボニル基を最初に、ケタール基に変換することにより保護し、続いてフェニル基上で反応させることができる。フェニル環上で所望の置換が完了した後、ケタール基を従来の手順により除去することができる。
【0139】
同様に、化学式HNR1R2のアミンは市販されており、または当技術分野において周知の方法により調製することができる。
【0140】
場合によっては、所定の生成化合物または中間体を化学式Iの別の生成物または中間体から、周知の合成手順を適用することにより、調製することがより好都合なこともあるかもしれない。例えば、上記のように、上記化学式Iの範囲内の化合物の形成後、R7=水素である化合物を他のR7部分に変換することができる。
【0141】
製剤
薬剤として使用する場合、化学式IおよびIIの化合物は通常、薬学的組成物の形態で投与される。これらの化合物は経口、直腸、経皮、皮下、静脈内、筋内および鼻内を含む様々な経路により投与できる。これらの化合物は注射組成物および経口組成物の両方として効果的である。そのような組成物は薬学分野において周知の様式で調製され、少なくとも1つの活性化合物を含む。
【0142】
本発明はまた、活性成分として、上記化学式IおよびIIの1または複数の化合物を、薬学的に許容される担体と共に有する薬学的組成物を含む。本発明の組成物を製造する際には、活性成分は通常、賦形剤と混合され、賦形剤により希釈され、またはそのような担体内に封入される。そのような担体はカプセル、サシェ(sachet)、紙または他の容器の形態とすることができる。賦形剤が希釈剤として機能する場合、賦形剤は、固体、半固体、または液体材料とすることができ、活性成分のためのビヒクル、担体または媒質として作用する。このように、組成物は、錠剤、ピル、粉末、トローチ、サシェ、カシェ(cachet)、エリキシル、懸濁液、エマルジョン、溶液、シロップ、エアロゾル(固体として、または液体媒質中)、例えば、最大10質量%までの活性成分を含む軟膏、ソフトおよびハードゼラチンカプセル、坐薬、滅菌注射溶液、および滅菌パッケージ粉末の形態とすることができる。
【0143】
製剤を調製する場合、他の成分と混合する前に、活性化合物を粉砕し適当な粒子サイズとする必要があるかもしれない。活性化合物が実質的に不溶性である場合、普通、200メッシュ未満の粒子サイズまで粉砕される。活性化合物が実質的に水溶性である場合、粒子サイズは普通粉砕により調節され、製剤中で実質的に均一に分配され、例えば約40メッシュである。
【0144】
適した賦形剤のいくつかの例としては、乳糖、デキストロース、ショ糖、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアゴム、リン酸カルシウム、アルギナート、トラガカントゴム、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶性セルロール、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップ、およびメチルセルロースが挙げられる。製剤はさらに、下記を含むことができる:潤滑剤、例えば、タルク、ステアリン酸マグネシウム、および鉱物油;湿潤剤;乳化剤および懸濁化剤;保存剤、例えば、メチル-およびプロピルヒドロキシ-ベンゾエート;甘味剤;および香味剤。本発明の組成物は、当技術分野において周知の手順を用いることにより患者に投与した後、活性成分が即時放出、持続放出または遅延放出されるように製剤化することができる。
【0145】
組成物は好ましくは単位用量形態で製剤化され、各々の用量が5〜約100mg、より普通には約10〜約30mgの活性成分を含む。「単位用量形態」という用語は、ヒト被験者および他の哺乳類のための単位用量として適当な物理的に別個の単位を示し、各単位が、適した薬学的賦形剤と共に、所望の治療効果を実現するように計算された予め決められた量の活性材料を含む。
【0146】
活性化合物は広範囲の用量範囲において効果的であり、一般に薬学的に有効な量で投与される。しかしながら、実際に投与される化合物の量は、関連する状況、例えば、治療される状態、選択した投与経路、投与した実際の化合物、各患者の年齢、体重および反応、患者の症状の重篤度などを考慮して、医師が決定することは理解されるであろう。
【0147】
錠剤などの固体組成物を調製するために、主活性成分を薬学的賦形剤と共に混合し、本発明の化合物の均質混合物を含む固体予備製剤(preformulation)組成物を形成する。これらの予備製剤組成物を均質と呼ぶ場合、活性成分が組成物全体に均一に分散され、組成物を容易に等しい効果の単位用量形態、例えば錠剤、ピルおよびカプセルにさらに分割することができることを意味する。この固体予備製剤をその後、例えば、0.1〜約500mgの本発明の活性成分を含む上記型の単位用量形態にさらに分割する。
【0148】
本発明の錠剤またはピルはコートしてもよく、またはそうでなければ配合して、持続性作用の利点が得られる用量形態としてもよい。例えば、錠剤またはピルは内側用量成分および外側用量成分を含み、後者は前者上のエンベロープ形態である。2つの成分は腸溶性層により分離することができ、腸溶性層は胃での崩壊に抵抗し、内側成分を無傷で十二指腸内に移行させるまたは放出を遅延させるように作用する。そのような腸溶性層またはコーティングには様々な材料を使用することができ、そのような材料としては多くの高分子酸、およびシェラック、セチルアルコールおよび酢酸セルロースなどの材料ととの高分子酸の混合物が挙げられる。
【0149】
本発明の新規化合物が、経口または注射による投与のために組み入れられてもよい液体形態としては、水溶液、適当な香味シロップ、水性または油性懸濁液、および食用油、例えば綿実油、ゴマ油、ココナッツ油、またはピーナッツ油を有する香味エマルジョン、ならびにエリキシルおよび同様の薬学的ビヒクルが挙げられる。
【0150】
吸入または吹送のための組成物としては薬学的に許容される、水性もしくは有機溶媒、またはそれらの混合物に溶解された溶液および懸濁液、ならびに粉末が挙げられる。液体または固体組成物は、上記のように適した、薬学的に許容される賦形剤を含んでもよい。好ましくは、組成物は局所または全身効果を得るために経口または鼻呼吸経路により投与される。好ましくは、薬学的に許容される溶媒中に溶解した組成物を、不活性ガスを使用することにより噴霧させてもよい。噴霧溶液は直接噴霧装置から吸い込んでもよく、または噴霧装置をフェースマスクテント、もしくは一時的な陽圧呼吸装置に取り付けてもよい。溶液、懸濁液、または粉末組成物は、好ましくは、経口または鼻内により、適当な様式で製剤を送達する装置から投与してもよい。
【0151】
下記製剤例は本発明の薬学的組成物を説明する。
【0152】
製剤例1
下記成分を含むハードゼラチンカプセルを調製する:

【0153】
上記成分を混合し、ハードゼラチンカプセル中に340mgの量で充填する。
【0154】
製剤例2
錠剤処方を、下記成分を用いて調製する:

【0155】
成分をブレンドし、圧縮し錠剤を形成する。各々が240mgである。
【0156】
製剤例3
下記成分を含む乾燥粉末吸入製剤を調製する:

【0157】
活性混合物を乳糖と混合し、混合物を粉末吸入器具に加える。
【0158】
製剤例4
各々30mgの活性成分を含む錠剤を下記のように調製する:

【0159】
活性成分、デンプンおよびセルロースをNo.20メッシュU.S.シーブに通し、完全に混合する。ポリビニル-ピロリドンの溶液を得られた粉末と混合し、その後16メッシュU.S.シーブに通す。そのように作製した顆粒を50℃〜60℃で乾燥させ、16メッシュU.S.シーブに通す。前もってNo.30メッシュU.S.シーブに通したカルボキシメチルスターチナトリウム、ステアリン酸マグネシウムおよびタルクを、その後、顆粒に添加し、混合後、錠剤機で圧縮すると、各々150mgの錠剤が得られる。
【0160】
製剤例5
各々40mgの薬剤を含むカプセルを下記のように作製する:

【0161】
活性成分、セルロース、デンプン、ステアリン酸マグネシウムをブレンドし、No.20メッシュU.S.シーブに通し、150mgの量でハードゼラチンカプセルに充填する。
【0162】
製剤例6
各々25mgの活性成分を含む坐薬を下記のように作製する:

【0163】
活性成分をNo.60メッシュU.S.シーブに通し、必要とされる最小の熱を用い前もって融解させた飽和脂肪酸グリセリド中に懸濁させる。その後、混合物を公称2.0g容量の坐薬型に注ぎ入れ、冷却させる。
【0164】
製剤例7
各々、5.0mLの用量につき50mgの薬剤を含む懸濁液を下記のように作製する:

【0165】
薬剤、ショ糖およびキサンタンガムをブレンドし、No.10メッシュU.S.シーブに通し、その後、水に溶解した微結晶セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムの前もって作製した溶液と混合する。安息香酸ナトリウム、香味剤、および着色剤を幾らかの水で希釈し、撹拌しながら添加する。その後十分な水を添加し、必要な体積とする。
【0166】
製剤例8

【0167】
活性成分、セルロース、デンプンおよびステアリン酸マグネシウムをブレンドし、No.20メッシュU.S.シーブに通し、560mgの量でハードゼラチンカプセルに充填する。
【0168】
製剤例9
静脈内製剤を下記のように調製してもよい:

【0169】
製剤例10
局所製剤を下記のように調製してもよい:

【0170】
ホワイトソフトパラフィンを融解するまで加熱する。流動パラフィンおよび乳化ろうを組み入れ、溶解するまで撹拌する。活性成分を添加し、分散するまで撹拌を続ける。その後、混合物を固体になるまで冷却する。
【0171】
本発明の方法において使用する別の好ましい製剤は、経皮送達装置(「パッチ」)を使用する。そのような経皮パッチを使用して、本発明の化合物を制御した量で連続または不連続注入してもよい。薬学的作用物質を送達するための経皮パッチの構成および使用は当技術分野において周知である。例えば、1991年6月11日に付与されたU.S.特許第5,023,252号を参照のこと。この特許は参照により全体として本明細書に組み込まれる。そのようなパッチは、薬学的作用物質を連続して、堂々と(palatial)、または要求に応じて送達するように構成されてもよい。
【0172】
薬学的組成物を脳に導入することが望ましいまたは必要である場合、直接または間接技術のいずれかを使用してもよい。直接技術は通常、宿主の室系内に薬物送達カテーテルを配置し血液脳関門をバイパスすることを含む。身体の特定の解剖学的領域に生物学的要因を輸送するために使用される1つのそのような植え込み型送達システムは、U.S.特許第5,011,472号において記述されている。この特許は参照により全体として本明細書に組み込まれる。
【0173】
間接技術は、一般に好ましく、この技術は通常、親水性薬物を脂溶性薬物に変換することによる薬物ラメンテーション(lamentation)を提供する組成物を製剤化する段階を含む。ラメンテーションは一般に、薬物上に存在するヒドロキシ、カルボニル、スルフェート、および1級アミン基をブロックし、薬物をより脂溶性とし、血液脳関門を横切る輸送に適したものとすることにより達成される。また、親水性薬物の送達は、一時的に血液脳関門を開くことができる極超音速溶液の動脈内注入により増強させてもよい。
【0174】
有用性
本発明の化合物はブラジキニン拮抗薬であり、そのため、哺乳類において疼痛および痛覚過敏をブロックまたは改善するのに使用するのに適している。本発明の化合物によりブロックまたは改善される疼痛としては、例えば、外科的処置、火傷、外傷、偏頭痛などに関連する疼痛が含まれる。
【0175】
本発明の化合物はまた、少なくとも部分的にブラジキニンにより媒介される哺乳類における疾患状態の治療に有益である。そのような疾患状態の例としては、喘息、鼻炎、早産、炎症性関節炎、炎症性大腸炎、細菌感染に関連する内毒素性ショック、中枢神経系損傷、背痛、神経因性疼痛、脊髄損傷などが挙げられる。
【0176】
上記のように、本発明の化合物は典型的には、薬学的組成物の形態で哺乳類に投与される。本発明の薬学的組成物は、様々な薬物送達システムにおいて使用するのに適している。本発明において使用するのに適した製剤は、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mace Publishing Company、Philadelphia、PA、17th ed.(1985)において見出される。血清半減期を増強するために、化合物はカプセル化してもよく、リポソームのルーメンに導入してもよく、コロイドとして調製してもよい。また、化合物の血清半減期を延長する他の従来の技術を使用してもよい。例えば、Szoka、et al.、U.S.特許第4,235,871号、同第4,501,728号および同第4,837,028号において記述されているように、リポソームを調製するための様々な方法が使用できる。これらの特許の各々は参照により本明細書に組み込まれる。
【0177】
患者に投与される量は、何が投与されるか、投与の目的、例えば予防または治療、患者の状態、投与様式などにより変動する。これらは全て担当臨床医の技術内である。治療用途では、組成物は、すでに疾患に苦しむ患者に、疾患およびその合併症の症状を治すまたは少なくとも一部阻止するのに十分な量で投与される。これを達成するのに十分な量は「治療上有効な用量」として規定される。この用途のために効果的な量は、治療する疾患状態、ならびに炎症の重篤度、患者の年齢、体重および一般的状態などの因子に基づく担当臨床医の判断に依存する。
【0178】
患者に投与される組成物は上記薬学的組成物の形態である。これらの組成物は従来の滅菌技術により滅菌されてもよく、または滅菌濾過されてもよい。得られた水溶液はそのまま使用するためにパッケージされてもよく、または凍結乾燥させてもよい。凍結乾燥された調製物は投与前に滅菌水性担体と混合される。化合物調製物のpHは典型的には3〜11の間、より好ましくは5〜9の間、最も好ましくは7〜8である。一定の前述の賦形剤、担体または安定化剤を使用すると、薬学的塩が形成することは理解されるであろう。
【0179】
本発明の化合物の治療用量は、例えば、治療が行われる特別な用途、化合物の投与様式、患者の健康および状態、処方医の判断により変動する。例えば、静脈内投与では、用量は典型的には約20μg〜約500μg/kg体重、好ましくは約100μg〜約300μg/kg体重の範囲内である。鼻内投与のための適した用量範囲は一般に約0.1pg〜1mg/kg体重である。効果的な用量は、インビトロまたは動物モデル試験系から導いた用量応答曲線から外挿することができる。
【0180】
上記の他に、化学式Iのエステルおよびチオエステルは化学式I(W=N)のアミドの調製における有益な中間体である。
【0181】
下記合成および生物学的例は、本発明を説明するために示したものであり、決して本発明の範囲を限定するものとして見なされるべきではない。
【0182】
実施例
特に記載がなければ、温度は全て摂氏で表す。また、これらの実施例などでは、略語は下記の意味を有する:
Boc=t-ブトキシカルボニル
brd=ブロード二重項
brm=ブロード多重項
brt=ブロード三重項
bs=ブロード一重項
dba=ジベンジレデンアセトン
dd=二重項の二重項
DIAD=ジイソプロピルアゾジカルボキシレート
DIEA=ジイソプロピルエチルアミン
DMAP=4-N,N-ジメチルアミノピリジン
DME=ジメトキシエタン
DMF=N,N-ジメチルホルムアミド
DPPA=ジフェニルホスホリルアジド
dppf=1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
dt=二重項の三重項
EDCI=1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩
EtOH=エタノール
eq.=当量
g=グラム
h=時間
HOAc=酢酸
HOBT=1-ヒドロキシベンゾチアゾール水和物
HPLC=高速液体クロマトグラフィー
MS=質量分析
MeOH=メタノール
m=多重項
M=モル
mg=ミリグラム
mim.=分
mL=ミリリットル
mmol=ミリモル
NMR=核磁気共鳴
N=規定
OAc=アセテート
psi=ポンド/平方インチ
q=4重項
rt=室温
Rt=保持時間
s=一重項
t=三重項
TEA=トリエチルアミン
TFA=トリフルオロ酢酸
THF=テトラヒドロフラン
μL=マイクロリットル
AsPh3=トリフェニルヒ素
【0183】
下記実施例および手順では、「Aldrich」という用語は、手順で使用した化合物または試薬がAldrich Chemical Company、Inc. Milwaukee、WI53233USAから市販されていることを示し;「Sigma」という用語は、化合物または試薬がSigma、St. Louis MO 63178 USAから市販されていることを示し、「TCI」という用語は、化合物または試薬がTCI America、Portland OR 97203から市販されていることを示し、「Frontier」または「Frontier Scientific」という用語は、化合物または試薬がFrontier Scientific、Utah、USAから市販されていることを示し;「Bachem」という用語は、化合物または試薬がBachem、Torrance、California、USAから市販されていることを示す。下記一般手順は、化学式Iの化合物を調製するのに有益なアミン中間体を調製するための、または化学式Iの化合物上のアセトアミド基を修飾するための一般合成経路を示す。
【0184】
一般手順A
1,2,5,6-テトラヒドロ-N-アルキルピリジン誘導体の調製のための一般手順
ピリジン官能基を有する3-[3-(R,S)-2-アリールスルホニル-4-オキソ-2,5-ベンゾジアゼピン-3-イル]アセトアミド化合物上に2-アセトアミド基を含む適した開始材料(2.92mmol)を乾燥DMF(15mL)に添加し、(必要であれば)ヒートガン(heat-gun)を用いて加熱し、透明な溶液を形成させ、その後、rtまで冷却する。ヨウ化メチル(5mL、過剰)を添加し、18h、rtで撹拌を続ける。過剰のDMFを減圧下で除去し、形成したピリジン塩をさらに精製せずに次の段階で使用する。ヨウ化メチル塩をメタノール(25mL)に溶解し、NaBH4(13.78mmol)を添加し、1h撹拌する。過剰のMeOHを除去し、水(50mL)を粗生成物に添加し、10min間超音波処理する。1,2,5,6-テトラヒドロ-N-メチルピリジン基を含む固体生成物を濾過し、またはCH2Cl2で抽出し、次の段階でさらに精製せずに使用する。
【0185】
1,2,5,6-テトラヒドロ-N-メチルピリジン基中の残りの二重結合は任意に水素化してもよく、N-メチルピリジン-4-イル誘導体が得られる。
【0186】
一般手順B
シクロプロピルピエリジニルエチルアセトアミドの調製のための一般手順
3-[3-(R,S)-2-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)-4-オキソ-2,5-ベンゾ-ジアゼピン-3-イル]-N-[2-(ピリド-4-イル)エト-1-イル]アセトアミド(上記のように、2-(2-アミノエチル)ピリジン(TCI)により対応するカルボン酸のアミド化により調製できる)をメタノール中酸化白金(PtO2)の存在下、水素化すると、3-[3-(R,S)-2-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)-4-オキソ-2,5-ベンゾジアゼピン-3-イル]-N-[2-(ピリド-4-イル)エト-1-イル]アセトアミドが得られる。水素化シアノホウ素ナトリウム(1.5mmol)を、rtで、MeOH(20mL)に1-エトキシ-1-トリメチルシロキシシクロプロパン(1mmol)(Aldrich)およびAcOH(1mmol)と共に溶解した3-[3-(R,S)-2-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)-4-オキソ-2,5-ベンゾ-ジアゼピン-3-イル]-N-[2-(ピペリジン-4-イル)エト-1-イル]アセトアミド(1mmol)の撹拌溶液に、添加する。rtで撹拌した後、反応混合物を18h還流させる。過剰の溶媒を除去し、飽和NaHCO3溶液で洗浄する。水溶液をCH2Cl2(2×100mL)で抽出する。有機層を合わせ、乾燥させ、濃縮する。得られた残渣をその後、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製すると、N-シクロプロピルピペリジンエチルアセトアミド誘導体が得られる。
【0187】
一般手順C
N-フェニルピペリジニルエチルアセトアミドの調製のための一般手順
トリフェニルビスマスジアセテート(Ph3Bi(OAc)2))(1.2当量)およびCu(OAc)2(0.12当量)を、rtで、ジクロロメタンに溶解した3-[3-(R,S)-2-(4-クロロ-2,5-ジメチル-ベンゼンスルホニル)-4-オキソ-2,5-ベンゾジアゼピン-3-イル]-N-[2-(ピペリジン-4-イル)エト-1-イル]アセトアミド(1mmol)の撹拌溶液に添加し、18h撹拌する。反応混合物をジクロロメタン(50mL)と水(50mL)の間で分配させ、2h撹拌する。有機層を分離し、乾燥させ、濃縮する。残渣をシリカゲルクロマトグラフにかけると、N-[2-(N-フェニル-ピペリジン-4-イル)エト-1-イル]アセトアミド誘導体が得られた。
【0188】
一般手順D
N-ピリジルピペリジニルエチルアセトアミドの調製のための一般手順
EtOH(5mL)に溶解した3-[3-(R,S)-2-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)-4-オキソ-2,5-ベンゾジアゼピン-3-イル]-N-[2-(ピペリジン-4-イル)エト-1-イル]アセトアミド(0.1mmol)および4-クロロピリジン(過剰)の溶液を封管中、110℃で16h加熱する。過剰の溶媒を除去し、残渣を分取HPLC(アセトニトリル-水-0.1% TFA)により精製し、N-[2- ({N-ピリド-4-イル}-ピペリジン-4-イル)エト-1-イル]アセトアミド誘導体をTFA塩として単離する。
【0189】
一般手順E
アミン基からBoc保護基を除去するための一般手順
0℃の、乾燥酢酸エチル(25mL)に溶解したBoc-アミン(0.01mmol)の撹拌溶液に、HClガスを15min間起泡させる。反応溶液を5h、rtで撹拌し、その後、HCl塩を濾過により回収する。HCl塩を次の段階でさらに精製せずに使用する。
【0190】
一般手順F
アミン基からBoc保護基を除去するための一般手順
rtで、乾燥MeOH(100mL)に溶解したBocアミノ酸の溶液にHClガスを2h間起泡させる。反応溶液を18h、rtで撹拌し、その後、溶媒除去して生成物を回収する。HCl塩を次の段階でさらに精製せずに使用する。
【0191】
一般手順G
シアノフェニル基の4,5-ジヒドロイミダゾール-2-イルフェニル基への変換のための一般手順
本明細書で記述したような様式で調製することができる3-[3-(R,S)-2-アリールスルホニル-4-オキソ-2,5-ベンゾジアゼピン-3-イル]-N-[2-(p-シアノフェニル)エト-1-イル]アセトアミド化合物(1.57mmol)を、室温で、Et3N/ピリジン(6mL/60mL)の溶液に溶解する。H2Sを15min間rtで起泡させる。その後、反応混合物を覆い、rtで一晩中撹拌する。溶媒混合物を減圧下で除去し、得られた残渣をアセトン/ヨードメタン(60mL:5mL)の混合物中に溶解する。溶液を1.5h、加熱、還流させるとすぐに溶媒を減圧下で除去する。粗材料を乾燥MeOH(15mL)中に、Et3N(1.0eq.;220μl)およびエチレンジアミン(1.1eq.;120μL)と共に溶解する。溶液を2日間還流させる。溶媒を減圧下で蒸発させる。粗材料を逆相HPLC(アセトニトリル/水-0.1% TFA)により精製することができ、得られた生成物を単離することができる。
【0192】
下記一般手順Hにおいて記述する方法を下記反応スキームに図示する:

【0193】
一般手順H
ビニルピリジン基の2-アミノエチルピリジン基への変換のための一般手順
4-ビニルピリジン(1.6mL;15mmol)を酢酸(12.5mmol;0.72mL)およびイソプロピルアミン(12.5mmol;1.06mL)に溶解する。反応混合物を6h、還流させる。溶媒を減圧下で蒸発させる。得られた固体にEtOAcおよび飽和NaHCO3を添加する。有機層を単離し、MgSO4上で乾燥させる。溶媒を減圧下で除去する。所望の材料を泡沫として単離する。


MS(API-ES)=165(M+H)
【0194】
下記一般手順Iにおいて記述する方法を下記反応スキームに図示する:

【0195】
一般手順I
ヘテロアリール置換フェニル基を形成するための一般手順
市販のp-ヨードフェニルアラニン(Aldrich)をBoc保護することにより(D)-N-t-ブトキシカルボニル-p-ヨードフェニルアラニンを調製することができる。その後、この化合物を従来のカップリング手順を用いてピロリジンと反応させることによりアミド化することができ、1-(R)-[1-(t-ブトキシカルボニル-アミノ)-1-(ピロリジン-1-イルカルボニル)-2-(4-ヨードフェニル)]エタンが得られ、このアミノ酸誘導体は時として本明細書において化合物1061と呼ばれる。
【0196】
本明細書で記述されているものと同じ様式で、Boc保護基を除去し、3-[3-(R,S)-2-Pg-4-オキソ-2,5-ベンゾジアゼピン-3-イル]酢酸化合物(Pgは従来の保護基であり、Boc保護基に対し直角に除去される)とカップリングさせると、3-[3-(R,S)-2-Pg-4-オキソ-2,5-ベンゾジアゼピン-3-イル]-N-(R)-(1-ピロリジン-1-イルカルボニル-2-(4-ヨードフェニル)エト-1-イル)アセトアミド化合物が得られる。
【0197】
この化合物(0.34mmol)を乾燥DME(6mL)中に窒素下で溶解する。これにPd(OAc)2(0.1eq.)、P(O-トリル)3(0.1eq.)、2M Na2CO3(1.7mL)および1-(t-ブトキシカルボニル)ピロール-2-ボロン酸(2eq.)(Frontier Scientific)を添加する。反応混合物を一晩中、80℃で撹拌する。溶媒を真空下で除去し、EtOAc(20mL)を添加する。有機層をH2O(10mL、2X)、塩類溶液(10mL、1X)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させる。濾過後、溶媒を真空下で除去し、所望の生成物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル)により精製することができる。
【0198】
Pg保護基は従来の方法を用いて除去することができ、その後、自由アミンを変換し、上記のようにQ置換基を含むようにする。PgはBoc保護基に対し直角に除去されるので、その除去によりBoc保護基が保持される。Boc保護基と区別して(すなわち、直角に)除去されるPg基の例はCBZ保護基である。
【0199】
任意に、およびその後、ピロリル基上のBoc保護基を上記様式で除去することができる。
【0200】
下記一般手順Jにおいて記述する方法を下記反応スキームに図示する:

【0201】
一般手順J
フェニル基上で2-または4-ピリジル置換基を形成するための一般手順
[1-[(R)-1-ピロリジン-1-イルカルボニル-1-アミノ-2-(4-(2-または4-ピリジル)フェニル]エタンの調製による例示]
1-(R)-[1-(t-ブトキシカルボニルアミノ)-1-(ピロリジン-1-イルカルボニル)-2-(4-ヨードフェニル)]エタン(化合物1061)(300mg、0.68mmol)を50mLの丸底フラスコに、乾燥DMF(10mL)に溶解したCuI(8%mol)と共に添加する。得られた溶液を窒素下で2〜3minフラッシュする。Pd2dba3(2%mol)(Aldrich)およびAsPh3(16%mol)(Aldrich)を小バイアル中に計量し、これに1mLのDMFを添加する。この溶液を反応混合物に添加し、窒素下で、さらに2〜3分フラッシュする。油浴を60℃まで加熱し、反応混合物をその中に浸漬させ、熱的に平衡させる。市販のピリジルスタンナン(1.15eq.)(Frontier)をその後、小バイアル中に計量し、これに1mLのDMFを添加し、この溶液をその後、前の反応混合物に添加し、60℃で6時間加熱する。溶媒を真空下で除去する。粗残渣をEtOAc(30mL)に溶解する。有機層を塩類溶液(10mL、2X)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させる。濾過し、減圧下で溶媒を蒸発させた後、粗材料をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル)で精製し、EtOAc-ヘキサン3:2で溶離すると、1-[(R)-1-(ピロリジン-1-イルカルボニル)-1-(t-ブトキシカルボニルアミノ)-2-(4-(2-または4-ピリジル)フェニル]エタンが良好な収率で得られる。
【0202】
その後、上記様式でHCl/メタノールによりBoc保護基を除去すると、標題化合物がHCl塩として得られる。
【0203】
一般手順K
フェニル基上で2-ピリミジニル置換基を形成するための一般手順
[1-[(R)-1-ピロリジン-1-イルカルボニル-1-アミノ-2-(4-(2-ピリミジニル)フェニル]エタンの調製による例示]
1-(R)-[1-(t-ブトキシカルボニルアミノ)-1-(ピロリジン-1-イルカルボニル)-2-(4-ヨードフェニル)]エタン(化合物1061)(100mg、0.22mmol)を乾燥MeOH(5mL)に溶解し、これにKOAc(1.5eq.)およびビス-ピナコラトジボラン(1.1eq.)(Aldrich)を添加し、混合物を窒素下5分間フラッシュする。触媒、PdCl2(dppf)(0.03eq.)(Aldrich)をその後添加し、反応物を60℃で一晩中加熱する。セライトを通して反応混合物を濾過し、真空下で濃縮する。その後、残渣をDMF(1mL)に溶解したブロモピリミジン(3eq.)(Aldrich)、Na2CO3(5eq.、0.55mL)およびPdCl2(dppf)(0.03eq.)で処理し、80℃で一晩中撹拌する。溶媒を真空下で除去する。粗残渣をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル)上で精製し、EtOAc-ヘキサン、3:2で溶離すると、1-[(R)-1-ピロリジン-1-イルカルボニル-1-(t-ブトキシカルボニルアミノ)-2-(4-(2-ピリミジニル)フェニル]エタンが良好な収率で得られる。
【0204】
その後、上記様式でHCl/メタノールによりBoc保護基を除去すると、標題化合物がHCl塩として得られる。
【0205】
下記一般手順Lにおいて記述する方法を下記反応スキームに図示する:

【0206】
一般手順L
1,2,3,6-テトラヒドロ-N-(アルキル)ピリジン誘導体の調製のための一般手順
Boc保護2-アミノエチルピリジン(またはそのN-メチル類似体)(120mg、0.18mmol)をMeOH/CH2Cl2(2:1)に溶解し、2.5M溶液を作成する。これにMeI(4eq.)を添加し、混合物を封管内で3.5h加熱する。溶媒を真空下で除去し、得られた粗混合物は直接、精製および/または単離せずに使用することができる。
【0207】
一般手順M
ピリジニウム塩の還元/水素化のための一般手順
上記で生成したヨウ化メチルピリジニウム(60mg、0.083mmol)を乾燥MeOH(4mL)に溶解し、得られた混合物を0℃まで冷却する。過剰NaBH4を添加し、混合物を30min撹拌させる。その後、溶媒を真空下で除去し、水(5〜10mL)を粗生成物に添加し、10min間超音波処理する。濾過して溶媒を蒸発させると、Boc保護2-アミノエチル-1,2,5,6-テトラヒドロ-ピリジンが良好な収率で得られる。
【0208】
所望であれば、Boc保護2-アミノエチル-1,2,5,6-テトラヒドロピリジン中の残りの不飽和結合を約35psiで維持した水素/PtO2で水素化することができる。
【0209】
飽和または不飽和化合物のBoc保護基は、その後、従来の方法(例えば、HCl/メタノール)で除去することができる。
【0210】
下記一般手順Nにおいて記述する方法を下記反応スキームに図示する:

【0211】
一般手順N
N-(ピリド-2-イル)ピペリジン化合物を調製するための一般手順
[2-[1-(ピリド-2-イル)ピペリジン-4-イル]エチルアミンの調製による例示]
段階A:N-t-ブトキシカルボニル2-(ピリド-2-イル)エチルアミンの合成
4-アミノエチルピリジン(5.0g、40mmol)およびジ-t-ブチルジカーボネート(8.9g、40mmol)をCH2Cl2(50mL)に溶解し、得られた溶液をrtで一晩中撹拌する。溶媒を減圧下で除去すると、N-t-ブトキシカルボニル2-(ピリド-2-イル)エチルアミンが赤みをおびた液体(9.1g、100%)として得られる。
【0212】
段階B:N-t-ブトキシカルボニル2-(ピペリジン-2-イル)エチルアミンの合成
段階Aの生成物をHOAc(30mL)に溶解したPtO2(640mg)と混合し、58psiでParr装置で一晩中水素化を実施する。触媒を除去し、溶媒を減圧下で蒸発させると、N-t-ブトキシカルボニル2-(ピペリジン-2-イル)エチルアミンが黒色液体として得られる。
【0213】
段階C:N-t-ブトキシカルボニル2-[1-(ピリド-2-イル)ピペリジン-4-イル]エチルアミンの合成
CH3CN(29mL)に溶解したN-t-ブトキシカルボニル2-(ピペリジン-2-イル)エチルアミン(8.1g)およびDIEA(14.1mL)の溶液に2-フルオロピリジン(3.5mL)を添加し、得られた混合物を封管中、100℃で3日間加熱する。溶媒を除去し、粗生成物をカラムクロマトグラフィ(20% EtOAc/ヘキサン)により精製すると、3.9gのN-t-ブトキシカルボニル2-[1-(ピリド-2-イル)ピペリジン-4-イル]エチルアミンが得られる。

MS:m/z(EI+)306(M++H)
HPLC(CH3CN-H2O-0.1%TFA)(ショートカラム)Rt=2.27min
【0214】
段階D:2-[1-(ピリド-2-イル)ピペリジン-4-イル]エチルアミンの合成
EtOAc(15mL)に溶解したN-t-ブトキシカルボニル2-[1-(ピリド-2-イル)ピペリジン-4-イル]エチルアミン(3.9g)の溶液に、HCl(g)を15min間起泡させた。その後、懸濁液を陽圧(N2)下で30min間撹拌した。溶媒を真空下で除去すると、2-[1-(ピリド-2-イル)ピペリジン-4-イル]エチルアミン(純粋)が塩酸塩(白色固体)として得られた(3.4g、98%)。
【0215】
下記一般手順Oにおいて記述する方法を下記反応スキームに図示する:

【0216】
一般手順O
カルボモイルオキシ置換フェニルエチルアミン化合物の調製のための一般手順
[2-[4-(N,N-ジメチルアミノカルボニルオキシ)フェニル]エチルアミンの調製による例示]
段階A:N-t-ブトキシカルボニルオキシ2-(4-ヒドロキシフェニル)エチルアミンの合成
2-(4-ヒドロキシフェニル)エチルアミンのアミン基を、上記様式でBoc保護基で保護すると、N-t-ブトキシカルボニルオキシ2-(4-ヒドロキシフェニル)エチルアミンを得ることができる。
【0217】
段階B:N-t-ブトキシカルボニルオキシ2-[4-(N,N-ジメチルアミノカルボニルオキシ)フェニル]エチルアミンの合成
N-t-ブトキシカルボニルオキシ2-(4-ヒドロキシフェニル)エチルアミン(2.53g、10.7mmol)、Et3N(2.96mL、2eq.)、触媒量のDMAP(131mg)および塩化ジメチルカルバモイル(2.0mL、2eq.)を0℃のCH2Cl2中で混合する。得られた混合物を一晩中撹拌する。EtOAcを添加し反応混合物を希釈し、その後、1N HCl、飽和Na2CO3および塩類溶液で洗浄する。溶媒を減圧下で除去すると、純粋t-ブトキシカルボニルオキシ2-[4-(N,N-ジメチルアミノカルボニルオキシ)フェニル]エチルアミンが無色固体として得られる。
【0218】
段階C:2-[4-(N,N-ジメチルアミノカルボニルオキシ)フェニル]エチルアミンの合成
t-ブトキシカルボニルオキシ2-[4-(N,N-ジメチルアミノカルボニルオキシ)フェニル]エチルアミン上のBoc保護基を上記様式で除去すると、標題化合物が白色固体として得られ、この化合物をそのまま次の段階で使用する。
【0219】
下記一般手順Pにおいて記述する方法を下記反応スキームに図示する:

【0220】
一般手順P
2-[4-(N,N-ジメチルアミノフェニル]エタノールを2-[4-(N,N-ジメチルアミノフェニル]エチルアミンに変換するための一般手順
段階A:2-[2-(4-N,N-ジメチルアミノフェニル)-エチル]-イソインドール-1,3-ジオンの合成
2-[4-(N,N-ジメチルアミノフェニル]エタノール(2.05g、17.4mmol)、フタルイミド(2.19g、14.9mmol)およびPPh3(3.93g、14.9mmol)(Aldrich)を0℃で維持した100mLのTHF中で混合する。その後、混合物をDIAD(2.68mL)(Aldrich)(滴下)で処理する。一晩中撹拌した後、溶媒を減圧下で除去すると黄白色固体が得られる。固体をEtOAcと共に3度倍散する。EtOAc層を合わせ、気体HClで処理すると、生成物が沈澱し、所望の生成物を濾過により単離する。
【0221】
段階B:2-[4-(N,N-ジメチルアミノフェニル]エチルアミンの合成
エタノールに溶解した2-[2-(4-N,N-ジメチルアミノフェニル)-エチル]-イソインドール-1,3-ジオン(606mg、1.84mmol)およびヒドラジン水和物(30%、0.64mL)を65℃で5h加熱する。沈澱を濾過により除去する。濾液を濃縮すると標題化合物が白色固体として得られる。この生成物を次の段階でさらに精製せずに使用する。
【0222】
下記一般手順Qにおいて記述する方法を下記反応スキームに図示する:

【0223】
一般手順Q
2-[(1-ピリミジン-2-イル)ピペリジン-4-イル]-エチルアミンを調製するための一般手順
段階A:N-t-ブトキシカルボニルオキシ2-[1-(ピリミジン-2-イル)ピペリジン-4-イル]-エチルアミンの合成
アセトニトリル(5mL)に溶解したN-t-ブトキシカルボニルオキシ-2-(ピペリジン-4-イル)-エチルアミン(上記)、DIEA(0.75mL)および2-ブロモピリミジン(204mg)(Aldrich)を還流しながら一晩中加熱する。溶媒を減圧下で除去し、黒色液体をカラムクロマトグラフにかけ、1:1 EtOAc/ヘキサンで溶離すると、純粋N-t-ブトキシ-カルボニルオキシ-2-[1-(ピリミジン-2-イル)ピペリジン-4-イル]-エチルアミンが黄白色油として得られる。
【0224】

【0225】
MS:m/z(EI+)307(M++H)
【0226】
HPLC(CH3CN-H2O-0.1%TFA)(ショートカラム)Rt=2.63min
【0227】
段階B:2-[(1-ピリミジン-2-イル)ピペリジン-4-イル]-エチルアミンの合成
N-t-ブトキシ-カルボニルオキシ2-[1-(ピリミジン-2-イル)ピペリジン-4-イル]-エチルアミン上のBoc保護基を上記のように除去すると標題化合物が得られる。
【0228】
下記一般手順Rにおいて記述する方法を下記反応スキームに図示する:

【0229】
一般手順R
N-(ピリド-4-イル)ピペリジン化合物を調製するための一般手順
段階A:N-t-ブトキシカルボニルオキシ2-[1-(ピリド-4-イル)ピペリジン-4-イル]-エチルアミンの合成
N-t-ブトキシカルボニルオキシ2-(ピペリジン-4-イル)-エチルアミン(上記のように調製)(14.4g、50mmol)、4-クロロピリジンHCl(1.0eq.、8.0g)、TEA(2.2eq.)をエタノール中で混合し、還流しながら一晩中維持する。所望の化合物、N-t-ブトキシカルボニルオキシ2-[1-(ピリド-4-イル)ピペリジン-4-イル]-エチルアミンをカラムクロマトグラフィ(シリカゲル)により単離し、EtOAcで溶離し、次の工程に運搬する。
【0230】
段階B:2-[1-(ピリド-4-イル)ピペリジン-4-イル]-エチルアミンの合成
その後、N-t-ブトキシカルボニルオキシ2-[1-(ピリド-4-イル)ピペリジン-4-イル]-エチルアミン上のBoc保護基を上記手順を用いて除去すると、標題化合物が得られる。
【0231】
下記一般手順Sにおいて記述する方法を下記反応スキームに図示する:

【0232】
一般手順S
乾燥ピリジン(5mL)に溶解した開始アニリン(100mg、0.19mmol)の溶液に無水酢酸(20L)を添加する。混合物をrtで一晩中撹拌する。水(3mL)を混合物に添加し、生成物を溶液から沈澱させる。
【0233】
下記実施例は、本発明の化学式Iの一定の中間体および化合物の合成を示す。
【0234】
実施例1
3-[3-(R,S)-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)-4-オキソ-2,5-ベンゾジアゼピン-3-イル]-N-[2-(ピリジン-4-イル)エチル]アセトアミド(1)の調製

段階a):2-(2-ニトロベンジルアミノ)コハク酸ジメチルエステルの調

D-アスパラギン酸ジメチルエステル塩酸塩(4.2g、21.25mmol)および酢酸ナトリウム(1.46g、17.85mmol)の混合物を25mLの温エタノール中で10min間撹拌した。2-ニトロベンズアルデヒド(1.35g、8.936mmol)を添加し、撹拌を室温で1.5h続けた。水素化シアノホウ素ナトリウム(333.88mg、5.31mmol)を5minにわたり徐々に添加し、室温で、一晩中撹拌し続けた。反応混合物を真空濃縮し、残渣を酢酸エチルで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液および塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を乾燥させ(Na2SO4)、濃縮すると、2.62gの標題化合物が淡褐色油として得られた。
MS(ES)m/e297.1[M+H]+
【0235】
段階b):2-(2-アミノベンジルアミノ)コハク酸ジメチルエステルの調

2-(2-ニトロベンジルアミノ)コハク酸ジメチルエステル[上記a)から](7.6g、25.65mmol)および酸化白金(349.51mg、1.54mmol)の混合物をメタノール中、Parr水素化装置上、50psiの水素ガス下、振り混ぜた。12h後、混合物を濾過し濃縮すると、6.6gの標題化合物が淡褐色油として得られた。
MS(ES)m/e267.1[M+H]+
【0236】
段階c):[3-(R,S)-4-オキソ-2,5-ベンゾジアゼピン-3-イル]酢酸メチルエステルの調

2.0Mのトリメチルアルミニウムのトルエン溶液(20.5mL、1.10mmol)を、0℃で維持したトルエン50mLに溶解した上記b)からの2-(2-アミノベンジルアミノ)コハク酸ジメチルエステル(3.12g、11.72mmol)の溶液に滴下した。溶液を室温まで温め、1.5h撹拌した。反応物を0℃まで冷却し、メタノールを滴下しクエンチした。得られた混合物を室温で1h、撹拌させ、その後、等量の酢酸エチルで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で処理した。得られたスラリーを濾過し、有機層を分離した。水層を3:1 クロロホルム/イソプロパノール溶液で抽出し、有機層を合わせ、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮すると、2.13gの標題化合物が黄色固体として得られた。
MS(ES)m/e235.1[M+H]+
【0237】
段階d):[3-(R,S)-2-(t-ブトキシカルボニル)-4-オキソ-2,5-ベンゾジアゼピン-3-イル]酢酸メチルエステルの調製

ジクロロメタン50mLに溶解した上記c)からの[3-(R,S)-4-オキソ-2,5-ベンゾジアゼピン-3-イル]酢酸メチルエステル(2.13g、9.09mmol)、ジ-tert-ブチルジカーボネート(2.48g、11.37mmol)、およびトリエチルアミン(1.84g、2.53mL、18.18mmol)の溶液を一晩中、室温で撹拌した。飽和重炭酸ナトリウム水溶液および触媒DMAPを添加し、混合物を1h撹拌した。層を分離し、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、真空で濃縮した。固体残渣を酢酸エチルに溶解したヘキサンの溶液と共に倍散させると、標題化合物(1.93g)が白色粉末として得られた。
MS(ES)m/e 335.1[M+H]+
【0238】
段階e):[3-(R,S)-2-(t-ブトキシカルボニル)-4-オキソ-2,5-ベンゾジアゼピン-3-イル]酢酸の調製

上記d)からの[3-(R,S)-2-(t-ブトキシカルボニル)-4-オキソ-2,5-ベンゾジアゼピン-3-イル]酢酸メチルエステル(1.0g、2.99mmol)を3:2:1のTHF/メタノール/水60mLに溶解し、0℃まで冷却した。最少量の水に溶解した水酸化リチウムの溶液(219mg、5.23mmol)を添加し、得られた溶液を0℃で2.5h撹拌した。反応混合物を真空濃縮し、酢酸エチルで希釈し、10%重硫酸ナトリウム水溶液で酸性化した。層を分離し、有機層を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、その後乾燥させ(Na2SO4)、真空で濃縮すると、標題化合物(1g)が白色固体として得られた。
MS(ES)m/e 343.0[M+Na]+
【0239】
段階f):3-[3-(R,S)-(4-クロロ-2,5-ジメチル-ベンゼンスルホニル)-4-オキソ-2,5-ベンゾジアゼピン-3-イル]-N-[2-ピリジン-4-イル)エチル]アセトアミドの調製

上記e)からの[3-(R,S)-2-(t-ブトキシカルボニル)-4-オキソ-2,5-ベンゾジアゼピン-3-イル]酢酸(2g、6.24mmol)を、DMF 7mLに溶解した2-ピリジン-4-イル-エチルアミン(953mg、7.8mmol)およびトリエチルアミン(1.9mg、2.61L、18.73mmol)の溶液に添加した。得られた溶液をジフェニルホスホリルアジド(2.23mg、1.75mL、8.12mmol)で処理し、室温で一晩中撹拌した。反応物を真空濃縮し、少量の飽和重炭酸ナトリウム水溶液で処理した。1h後、固体が沈澱し、これを濾過し、水で洗浄し、空気乾燥させると、標題化合物が得られた(2.69mg)。
MS(ES)m/e 425.2[M+Na]+
【0240】
段階g):3-[3-(R,S)-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼン-スルホニル)-4-オキソ-2,5-ベンゾジアゼピン-3-イル]-N-[2-(ピリジン-4-イル)エチル]アセトアミドの調製

上記f)からの3-[3-(R,S)-(4-クロロ-2,5-ジメチル-ベンゼンスルホニル)-4-オキソ-2,5-ベンゾジアゼピン-3-イル]-N-[2-(ピリジン-4-イル)エチル]アセトアミドをギ酸に溶解し、40℃まで2h加熱した。反応物を濃縮し、残渣をクロロホルムおよびイソプロパノールの3:1混合物に溶解した。有機相を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で中和し、その後乾燥させ(Na2SO4)、濃縮すると、粘性油(340mg)が得られた。油をピリジンに溶解し、0℃まで冷却し、4-クロロ-2,5-ジメチル-ベンゼンスルホニルクロリド(687mg、2.88mmol)で処理した。溶液を室温まで温め、一晩中撹拌した。触媒DMAPおよび飽和重炭酸ナトリウム水溶液の添加により反応物をクエンチし、その後真空で濃縮した。残渣をクロロホルムおよびイソプロパノールの3:1混合物に添加し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、その後乾燥させ(Na2SO4)、濃縮すると褐色残渣が得られた。カラムクロマトグラフィ(メタノールを含むジクロロメタン)により標題化合物が純粋黄褐色固体(218mg)として得られた。

MS(ES)m/e 527.1[M+H]+
【0241】
実施例2
2-クロロ-(4-クロロ-2,5-ジメチルフェニル)アセトフェノンの調製

2-クロロ-1,4-ジメチル-ベンゼン(5g、35.56mmol)およびクロロアセチルクロリド(4.0g、35.6mmol)の混合物を0℃まで冷却し、塩化アルミニウム(4.74g、35.6mmol)で少しずつ処理した。反応スラリーをジクロロメタンで希釈し、室温まで温めた。30min後、反応物を、氷および10mLの濃塩酸水溶液の混合物上に注いだ。混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせ、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を分離し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮すると約7gの純粋生成物が白色粉末として得られた。
MS(ES)m/e 217.1[M+H]+
【0242】
実施例3
(2-アミノ-1-シクロプロピル-1-ピリジン-4-イル)エチルの調製

50℃の、ピリジン-4-イルアセトニトリル(1.2g、7.76mmol)、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド(63mg、0.23mmol)、および1-ブロモ-2-クロロ-エタン(16.7g、116.4mmol)の混合物を、15分にわたり50%水酸化ナトリウム水溶液を滴下することにより処理した。50℃で2h撹拌し続け、その後、室温でさらに2h撹拌した。反応混合物を水で希釈し、複数回ジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせ、水で洗浄し、その後分離し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮すると1.2gの純粋生成物が赤褐色固体として得られた。固体を2Nのアンモニウムを含むメタノール20mLに溶解し、水に溶解した触媒量のラネーニッケルで処理した。得られた混合物を一晩中、50psiの水素下で振り混ぜた。混合物を濾過し、濃縮すると740mgの淡褐色の油が得られた。
MS(ES)m/e 149.2[M+H]+
【0243】
実施例4
3-[3-(R,S)-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)-4-オキソ-2,5-ベンゾジアゼピン-3-イル]-N-[2-(1,2,5,6-テトラヒドロ-N-メチルピリジン-4-イル)エト-1-イル]アセトアミド(2)の調製

実施例1で製造した化合物をDMF(186mg、0.3mmol)に溶解し、ヨウ化メチル(430.9mg、189μL、3.04mmol)で処理した。反応物を室温で一晩中撹拌し、その後真空で濃縮した。残渣をメタノールに入れ、水素化ホウ素ナトリウム(35mg、0.9mmol)で少しずつ処理し、1h、室温で撹拌した。混合物を濃縮し、残渣をヘキサンおよび酢酸エチルの溶液で倍散させると、70mgの純粋生成物が得られた。

MS(ES)m/e 545.4[M+H]+
【0244】
実施例5
3-[3-(R,S)-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)-2-オキソ-2,5-ベンゾジアゼピン-3-イル]-N-[2-(N-メチルピペリジン-4-イル)エト-1-イル]アセトアミド(3)の調製

実施例4で製造した化合物をメタノールに溶解し、Parr装置内で酸化白金(62mg、0.27mmol)と共に50psiの水素ガス下、12h振り混ぜた。混合物を濾過し、濃縮し、残渣を分取HPLCにより精製すると、標題化合物(19.2mg)が純粋固体として得られた。

MS(ES)m/e 547.4[M+H]+
【0245】
実施例6
3-[3-(R,S)-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)-2-オキソ-2,5-ベンゾジアゼピン-3-イル]-N-[2-(N-{ピリド-4-イル}ピペリジン-4-イル)エト-1-イル]アセトアミド(4)の調製

実施例1で概説した手順を用い、段階(f)で2-(N-(ピリド-4-イル)ピペリジン-4-イル)エト-1-イルアミンを代用して、HCl塩として、標題化合物(3.1mg)を調製した。
MS(ES)m/e 611.2[M+H]+
【0246】
実施例7
3-[3-(RまたはS)-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)-4-オキソ-2,5-ベンゾジアゼピン-3-イル]-N-[2-(ピリジン-4-イル)エチル]アセトアミド(9または10)の調製

実施例1(f)で製造した化合物をギ酸に溶解し、40℃まで2h加熱した。反応物を濃縮し、残渣をクロロホルムおよびイソプロパノールの3:1混合物に溶解した。有機相を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で中和し、その後乾燥させ(Na2SO4)、濃縮すると、粘性油が得られた。油を最少量のDMFに溶解し、実施例2により調製した2-クロロ-(4-クロロ-2,5-ジメチルフェニル)アセトフェノン(112.51mg、0.52mmol)、トリエチルアミン(95.35mg、131μL、0.94mmol)および触媒ヨウ化カリウムで処理し、その後80℃まで1.5h加熱した。反応混合物を冷却し濃縮した。得られた残渣をクロロホルム/イソプロパノールの3:1溶液に入れ、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で抽出した。有機相を乾燥させ(Na2SO4)、濃縮すると、橙色の固体が得られた。フラッシュクロマトグラフィにより標題化合物が黄色固体(20mg)として得られた。

MS(ES)m/e 505.1[M+H]+
【0247】
実施例8
3-[3-(R,S)-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)-2-オキソ-2,5-ベンゾジアゼピン-3-イル]-N-[4-(ピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル]アセトアミド(6)の調製

実施例1で記述した手順を用いて、段階(f)で1-ピリジン-2-イルピペラジンを代用し、標題化合物を調製した(400.0mg)。

MS(ES)m/e 569.2[M+H]+
【0248】
実施例9
3-[3-(R,S)-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)-2-オキソ-2,5-ベンゾジアゼピン-3-イル]-N-[4-(ピリジン-4-イル)ピペラジン-1-イル]アセトアミド(7)の調製

実施例1で記述した手順を用いて、段階(f)で1-ピリジン-4-イルピペラジンを代用し、標題化合物を調製した(350.0mg)。

MS(ES)m/e 569.2[M+H]+
【0249】
実施例10
3-[3-(R,S)-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)-2-オキソ-2,5-ベンゾジアゼピン-3-イル]-N-[2-シクロプロピル-2-(ピリジン-4-イル)エト-1-イル]アセトアミド(8)の調製

実施例1で記述した手順を用いて、段階(f)でC-(1-ピリジン-4-イルシクロプロピル)メチルアミンを代用し、標題化合物を調製し、最後に、分取HPLC後TFA塩として単離した(70.4mg)。

MS(ES)m/e 553.5[M+H]+
【0250】
実施例11
3-[3-(R,S)-(2,3-ジクロロベンゼンスルホニル)-2-オキソ-2,5-ベンゾジアゼピン-3-イル]-N-[2-(R,S)-シクロプロピル-2-(ピリジン-4-イル)エト-1-イル]アセトアミド(11)の調製

実施例10の手順を用いて、実施例1の段階(g)で2,3-ジクロロベンゼンスルホニルクロリドを代用し、標題化合物を調製し、最後に、分取HPLC後TFA塩として単離した(109mg)。

MS(ES)m/e 559.0[M+H]+
【0251】
実施例12
3-[3-(R,S)-(2,3-ジクロロベンゼンスルホニル)-2-オキソ-2,5-ベンゾジアゼピン-3-イル]-N-[2-(N-{ピリジン-2-イル}ピペリジン-4-イル)エト-1-イル]アセトアミド(13)の調製

実施例11で記述した手順を用いて、実施例1の段階(f)で2-(N-(ピリド-2-イル)ピペリジン-4-イル)エト-1-イルアミンを代用し、標題化合物を調製し、最後に、分取HPLC後TFA塩として単離した(25mg)。

MS(ES)m/e 616.1[M+H]+
【0252】
実施例13
3-[3-(R,S)-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)-2-オキソ-2,5-ベンゾジアゼピン-3-イル]-N-[2-(N-オキソピリジン-4-イル)エト-1-イル]アセトアミド(5)の調製
上述したような本発明の手順および方法を用いて、標題化合物を調製した。

【0253】
実施例14
3-[3-(R,S)-(2,3-ジクロロベンゼンスルホニル)-4-オキソ-2,5-ベンゾジアゼピン-3-イル]-N-[2-(ピリジン-4-イル)エチル]アセトアミド(12)の調製
上述したような本発明の手順および方法を用いて、標題化合物を調製した。
【0254】
実施例15
3-[3-(R,S)-(4-クロロ-2,5-ジメチルフェニルカルボニルメチル)-2-オキソ-2,5-ベンゾジアゼピン-3-イル]-N-[2-ピリジン-4-イルエト-1-イル]アセトアミド(14)の調製
上述したような本発明の手順および方法を用いて、標題化合物を調製した。

【0255】
前述の説明から、当業者であれば、組成物および方法において様々な改変および変更を思い付くであろう。添付の請求の範囲内にあるそのような改変は全て、本発明に含まれるものとする。
【0256】
生物学的実施例
ブラジキニンB1受容体を阻害する効力および効能は、本発明の化合物に対し、細胞ベース(cell-based)蛍光カルシウム動員アッセイ法において決定した。アッセイ法では、自然のヒトB1受容体発現細胞系における細胞内自由0Ca+2のB1作動薬により誘発される増加を阻害する試験化合物の能力が測定される。
【0257】
この実施例では、下記追加の略語は、下記で説明した意味を有する。前に規定した略語は前に規定した通りである。規定していない略語は、当技術分野で認識される意味を有する。
BSA=ウシ血清アルブミン
DMSO=ジメチルスルホキシド
FBS=ウシ胎児血清
MEM=最少必須培地
mM=ミリモル
ng=ナノグラム
μg=マイクログラム
M=モル
μM=マイクロモル
【0258】
特に、カルシウム指示薬を導入した細胞を、試験化合物無しで、または異なる濃度の試験化合物の存在下で、予めインキュベートし、続いて、選択的B1作動薬ペプチドで刺激し、Ca-依存性蛍光をモニタする。
【0259】
IMR-90ヒト肺線維芽細胞(CCL186、American Type Tissue Collection-ATTC)を、ATCCにより推奨されるように、10% FBSを補充したMEM中で増殖させる。集密細胞をトリプシン処理により収集し、黒色壁/透明底の96-ウエルプレート(Costar#3904)に約1,000細胞/ウエルで播種する。次の日、細胞を10% FBS/MEM中、0.35ng/mLインターロイキン-1βで2時間処理し、B1受容体を上方制御する。誘導した細胞に、2.3μM Fluo-4/AM(Molecular Probes)と共に37℃で1.5hrの間、陰イオン輸送阻害薬(1% FBS/MEM中の2.5mMプロベネシド)の存在下でインキュベートすることにより、蛍光カルシウム指示薬を導入する。細胞外染料をアッセイ緩衝液(2.5mMプロベネシド、0.1% BSA、20mM HEPESを含むハンクス平衡塩類溶液、重炭酸塩またはフェノールレッドを含まない、pH7.5)で洗浄することにより除去し、細胞プレートを使用するまで暗闇で保持する。試験化合物を7つの濃度で、3組のウエルにおいてアッセイする。連続希釈を半対数段階(half log-steps)で、DMSO中で最終濃度の100-倍で実施し、その後、アッセイ緩衝液で希釈する。化合物添加プレートは、2.5% DMSO/アッセイ緩衝液中に最終濃度の2.5倍の試験化合物または対照を含む。作動薬プレートはアッセイ緩衝液中に最終濃度の5倍の2.5nM(3×EC50)B1作動薬ペプチドdes-Arg10-カリジン(DAKD、Bachem)を含む。Fluorometric Imaging Plate Reader(FLIPR、Molecular Devices)において、細胞プレートに試験化合物を添加し、5min間35℃でインキュベートし、続いてB1作動薬DAKDを添加し、連続してCa-依存蛍光をモニタする。DAKD-誘発蛍光のピーク高さを試験化合物の濃度の関数としてプロットする。非線形回帰を用い4-パラメータロジスティック関数を濃度-反応データに適合させることによりIC50値を計算する(Xlfit、IDBS)。
【0260】
B1受容体作動薬ペプチドに対し観察される典型的な効力については、des-Arg10-カリジンおよびdes-Arg9-ブラジキニンに対し、それぞれ、EC50が約0.8nMおよび約100nMであり、B1拮抗薬ペプチドdes-Arg10、Leu9-カリジンでは、IC50は約1nMである。
【0261】
上記のように調製した化合物はこのアッセイ法では0.1〜10,000nMのIC50値を示した。
【0262】
上記を考慮すると、これらの化合物は全て、B1拮抗特性を示し、したがって、少なくとも部分的にB1により媒介される疾患状態を治療するのに有益である。
【0263】
前述の説明から、当業者であれば、上記発明において様々な改変および変更を思い付くであろう。添付の請求の範囲内にあるそのような改変は全て本発明に含まれるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学式Iの化合物または薬学的に許容されるそれらの塩、互変異性体、異性体およびプロドラッグ:

(式中、
Qは-SO2Rおよび-CH2C(O)Rであり;
WはO、S、およびNからなる群から選択され、ここで、WがOまたはSである場合、qは0であり、WがNである場合、qは1であり;
Rはアリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環からなる群から選択され;
R1およびR2はそれぞれ、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環からなる群から選択され、またはR1およびR2はそれらに結合している窒素原子と共に、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、もしくは置換複素環を形成し;
各R3はそれぞれ、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アミノ、置換アミノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、複素環、置換複素環、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、アシル、アシルオキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、カルボキシ、-C(O)OR10(式中、R10はアルキル、置換アルキル、アリール、または置換アリーである)、および-C(O)NR11R12(式中、R11およびR12はそれぞれ、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環からなる群から選択され、またはR11およびR12はそれらに結合している窒素と共に、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環基を形成する)からなる群から選択され;
または、2もしくはそれ以上のR3はそれらに結合している炭素原子と共に、縮合環シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、不飽和複素環または置換不飽和複素環を形成し;
R7は水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、アシルおよびアシルオキシからなる群から選択され;
または、R7は少なくとも1つのR3ならびにそれらに結合している窒素および炭素原子と共に縮合環ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、不飽和複素環または置換不飽和複素環を形成し;
pは0〜3の整数である)。
【請求項2】
Qが-SO2Rである、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
R基が、フェニル;ナフト-1-イル;5-ジメチルアミノナフト-1-イル;2-フルオロフェニル;2-クロロフェニル;2-シアノフェニル;2-メチルフェニル;2-ニトロ-フェニル;2-トリフルオロメチルフェニル;3-クロロフェニル;4-メチルフェニル(トリル);2,5-ジブロモフェニル;4-ブロモ-2-エチルフェニル;4-ブロモ-2-トリフルオロメトキシ-フェニル;2,3-ジクロロフェニル;2,4-ジクロロフェニル;3,4-ジクロロフェニル;2,5-ジクロロフェニル;3,5-ジクロロフェニル;2,6-ジクロロフェニル;2-クロロ-4-シアノ-フェニル;2-クロロ-4-フルオロフェニル;3-クロロ-2-メチルフェニル;2-クロロ-6-メチルフェニル;5-クロロ-2-メトキシフェニル;2-クロロ-4-トリフルオロメチル-フェニル;2,4-ジフルオロフェニル;5-フルオロ-2-メチルフェニル;2,5-ジメトキシフェニル;2-メトキシ-4-メチルフェニル;2-メトキシ-5-ブロモフェニル;2-メトキシ-5-メチルフェニル;2,5-ジメチルフェニル;2-メチル-5-ニトロフェニル;3,5-ジ(トリフルオロ-メチル)フェニル;4-ブロモ-2,5-ジフルオロフェニル;2,3,4-トリクロロフェニル;2,4,5-トリクロロフェニル;2,4,6-トリクロロフェニル、2,4-ジクロロ-5-メチルフェニル;4-クロロ-2,5-ジメチルフェニル;2,4,6-トリ(イソ)プロピルフェニル;2,4,6-トリメチル-フェニル;2,3,5-トリメチル-4-クロロフェニル;2,3,6-トリメチル-4-メトキシフェニル;2,3,4,5,6-ペンタメチルフェニル;5-クロロ-1,3-ジメチルピラゾール-4-イル;2-メトキシ-カルボニル-チオフェン-3-イル;2,3-ジメチルイミダゾール-5-イル;2-メチルカルボニルアミノ-4-メチル-チアゾール-5-イル;キノリン-8-イル;チオフェン-2-イル;1-メチルイミダゾール-4-イル;3,5-ジメチルイソキサゾール-4-イル;およびN-モルホリノからなる群から選択される、請求項2記載の化合物。
【請求項4】
Rが、4-クロロ-2,5-ジメチルフェニルおよび2,3-ジクロロフェニルからなる群から選択される、請求項3記載の化合物。
【請求項5】
Wが窒素であり、R1が、下記からなる群から選択される、請求項1記載の化合物:
2-[(4-アミジノ)フェニル]-1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)エト-1-イル、
アミノ、
2-[N-(α-アミノアセチル)ピペリド-4-イル]エト-1-イル、
4-アミノベンジル、2-[(4-アミノエチレンアミジノ)フェニル]エト-1-イル、
2-[N-(1-アミノ-1-メチルエチルカルボニル)ピペリド-4-イル]エト-1-イル、
2-(4-アミノフェニル)エト-1-イル、
2-アミノチアゾール-5-イルメチル、
(2-アミノピリド-4-イル)メチル、
ベンジル、
2-ブロモエト-1-イル、
1-(S)-カルボキサミド-2-(インドール-3-イル)エト-1-イル、
カルボキサミドメチル、
1-カルボキサミド-2-(S)-メチル-ブト-1-イル、
1-(S)-カルバモイル-2-(フェニル)エト-1-イル、
1-(R)-カルボキサミド-2-(フェニル)エト-1-イル、
4-カルボキシベンジル、
2-クロロエト-1-イル、
シアノメチル、
2-(4-シアノフェニル)エト-1-イル、
2-(4-シアノフェニル)-1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)エト-1-イル、
2-(4-シアノフェニル)-1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)エト-1-イル、
シクロヘキシル、
シクロヘキシルメチル、
2-(N-シクロプロピルピペリジン-4-イル)エト-1-イル、
2-(N-シクロプロピルピペリジン-4-イル)-1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)エト-1-イル、
1-(R)-1,3-ジ(ベンジルオキシカルボニル)プロプ-1-イル、
1-(S)-1,3-ジカルボキサミドプロプ-1-イル、
(2-ジメチルアミノ)エト-1-イル、
2-[4-(N,N-ジメチルアミノ)]フェネチル、
3-(ジメチルアミノ)プロプ-1-イル、
1-(S)-エトキシカルボニルエト-1-イル、
2-エトキシフェニル、
エチル、
1-(R)-(1-N-エチルアミノ-カルボニル)-4-アミノ-n-ブチル、
1-(S)-(1-N-エチルアミノ-カルボニル)-4-アミノ-n-ブチル、
1-(R)-(1-N-エチルアミノカルボニル)-5-(t-ブトキシカルボニルアミノ)ペント-5-イル、
1-(S)-(1-N-エチルアミノカルボニル)-5-(t-ブトキシカルボニルアミノ)ペント-5-イル、
1-(R)-(1-N-エチルアミノカルボニル)-4-(N-t-ブトキシカルボニルアミノ)-n-ブト-5-イル、
1-(S)-(1-N-エチルアミノカルボニル)-4-(N-t-ブトキシカルボニルアミノ)-n-ブト-5-イル、
1-(R)-(1-N-エチルアミノカルボニル)-5-グアナジノ-n-ペント-5-イル、
1-(S)-(1-N-エチルアミノカルボニル)-5-グアナジノ-n-ペント-5-イル、
1-R,S-(1-N-エチルアミノカルボニル)-4-(N-t-ブトキシカルボニル)グアナジノ-n-ブト-1-イル、
1-(R)-(1-N-エチルアミノカルボニル)-5-(N-t-ブトキシカルボニルアミノ)-n-ペント-5-イル、
1-(S)-(1-N-エチルアミノカルボニル)-5-(N-t-ブトキシカルボニルアミノ)-n-ペント-5-イル、
4-フルオロフェネチル、
水素、
2-ヒドロキシエト-1-イル、
2-(4-ヒドロキシフェニル)-1-(S)-(メトキシカルボニル)エト-1-イル、
2-(4-ヒドロキシフェニル)-1-(S)-(イソプロポキシカルボニル)エト-1-イル、
2-(4-ヒドロキシフェニル)-1-(R)-(メトキシカルボニル)エト-1-イル、
2-(N-ヒドロキシピリド-4-イル)エト-1-イル、
2-(イミダゾール-4-イル)エト-1-イル、
2-[4-(イミダゾリン-2-イル)フェニル]-1-(R)-(ピロリジン-1-イルカルボニル)エト-1-イル、
2-[4-(イミダゾリン-2-イル)フェニル]エト-1-イル、
2-(インドール-3-イル)エト-1-イル、
2-(インドール-3-イル)-1-(S)-(メトキシカルボニル)エト-1-イル、
2-(インドール-3-イル)-1-(R)-(メトキシカルボニル)エト-1-イル、
イソ-プロピル、
1-(R)-(イソプロポキシカルボニル)-2-(フェニル)エト-1-イル、
メトキシ、
4-(メトキシカルボニル)ベンジル、
1-(R)-(メトキシカルボニル)エト-1-イル、
メトキシカルボニルメチル、
メトキシカルボニルフェニルメチル、
2-メトキシエト-1-イル、
1-(R)-(メトキシカルボニル)-2-(N-メチルピペリジン-4-イル)エト-1-イル、
1-(R)-(メトキシカルボニル)-2-(N-メチル-1,2,3,6-テトラヒドロピリド-4-イル)エト-1-イル、
2-メトキシフェニル、
1-(R)-(メトキシカルボニル)-2-ピリド-4-イル)エト-1-イル、
メチル、
2-[4-(メチルカルボニルアミノ)]フェネチル、
1-(R)-(N-メチル-N-エチルカルバモイル)-3-(グアナジノ)プロプ-1-イル、
2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エト-1-イル、
(N-メチルピペリジン-2-イル)メチル、
2-(N-メチルピペリジン-2-イル)エト-1-イル、
2-(N-メチルピペリジン-3-イル)エト-1-イル、
2-(N-メチルピペリジン-4-イル)エト-1-イル、
2-(N-メチルピペリジン-4-イル)-1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)エト-1-イル、
2-[(N-メチル)ピロリジン-2-イル]エト-1-イル、
2-(N-メチル-1,2,5,6-テトラヒドロピリド-4-イル)エト-1-イル、
2-(N-メチル-1,2,5,6-テトラヒドロピリド-4-イル)-1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)エト-1-イル、
3-(2-メチルチアゾール-5-イル)-ピラゾール-5-イル、
2-(N-モルホリノ)エト-1-イル、
n-ヘキシル、
4-ニトロベンジル、
フェネチル、
1-(R)-フェニルエト-1-イル、
1-(S)-フェニルエト-1-イル、
フェニル、
4-フェニルブト-1-イル、
1-(R)-2-フェニルカルボキシエト-1-イル、
1-(R)-2-フェニル-1-(メトキシカルボニル)エト-1-イル、
1-(S)-2-フェニル-1-(メトキシカルボニル)エト-1-イル、
3-フェニル-n-プロプ-1-イル、
2-(フェニル)-1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)エト-1-イル、
2-(ピペリジン-N-イル)エト-1-イル、
2-(ピペリジン-2-イル)エト-1-イル、
2-(ピペリジン-3-イル)エト-1-イル、
2-(ピペリジン-4-イル)エト-1-イル、
(ピペリド-1-イル)カルボニルメチル、
ピラジン-2-イルメチル、
2-(ピリド-2-イル)エト-1-イル、
2-(ピリド-3-イル)エト-1-イル、
2-(ピリド-4-イル)エト-1-イル、
(ピリド-2-イル)メチル、
(ピリド-3-イル)メチル、
(ピリド-4-イル)メチル、
2-[N-(ピリド-4-イル)]ピペリジン-4-イル、
2-[N-(ピリド-4-イル)ピペリド-4-イル]エト-1-イル、
2-[N-(ピリド-2-イル)ピペリジン-4-イル]エト-1-イル、
2-(ピリド-4-イル)-1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)エト-1-イル、
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-(4-アミジノ)フェニル-エト-1-イル、
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-(4-アミジノ)フェニル-エト-1-イル、
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-5-アミノ-n-ペント-1-イル、
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-5-アミノ-n-ペント-1-イル、
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-(4-ビフェニル)エト-1-イル、
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-(4-ビフェニル)エト-1-イル、
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-(4-ヨードフェニル)エト-1-イル、
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-(4-ヨードフェニル)エト-1-イル、
1-(R)-(ピロリジン-N-カルボニル)-4-(t-ブトキシカルボニルアミノ)-n-ブト-1-イル、
1-(S)-(ピロリジン-N-カルボニル)-4-(t-ブトキシカルボニルアミノ)-n-ブト-1-イル、
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(2-イミダゾリン-2-イル)フェニル]エト-1-イル、
2-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル-3-フェニルプロプ-2-イル、
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(N-メチルピペリジン-2-イル)フェニル)]エト-1-イル、
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(N-メチルピペリジン-2-イル)フェニル]エト-1-イル、
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[N-メチル-1,2,5,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)-フェン-4-イル)]エト-1-イル、
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[N-メチル-1,2,5,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)フェン-4-イル)]エト-1-イル、
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(ピペリジン-2-イル)シクロヘキシル]エト-1-イル、
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(ピペリジン-2-イル)シクロヘキシル]エト-1-イル、
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[N-(フェニル)ピペリジン-4-イル]エト-1-イル、
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[N-(フェニル)ピペリジン-4-イル]エト-1-イル、
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[N-(ピリジン-4-イル)ピペリジン-4-イル]エト-1-イル、
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[N-(ピリジン-4-イル)ピペリジン-4-イル]エト-1-イル、
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(ピリジン-4-イル)フェニル]エト-1-イル、
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(ピリジン-4-イル)フェニル]エト-1-イル、
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(ピリド-2-イル)フェニル]エト-1-イル、
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(ピリド-2-イル)フェニル]エト-1-イル、
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(ピリミジン-2-イル)フェニル]エト-1-イル、
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(ピリミジン-2-イル)フェニル]エト-1-イル、
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(N-t-ブトキシカルボニルピロール-2-イル)フェニル]エト-1-イル、
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(N-t-ブトキシカルボニルピロール-2-イル)フェニル]エト-1-イル、
1-(S)-(t-ブトキシカルボニル)-2-(4-ヒドロキシフェニル)エト-1-イル、
3-t-ブトキシカルボニル-1-メトキシカルボニルプロプ-1-イル、
2-[N-(t-ブトキシカルボニルメチル)ピペリド-4-イル]エト-1-イル、
2-[1-(t-ブトキシカルボニルメチル)ピペリド-4-イル]エト-1-イル、
1-(S)-(t-ブトキシカルボニル)-3-メチルプロプ-1-イル、
1-(R)-(t-ブトキシカルボニル)-3-メチルプロプ-1-イル、
1-(R)-(t-ブトキシカルボニル)-2-(フェニル)エト-1-イル、
2-シクロプロピル-2-(ピリジン-4-イル)エト-1-イル、および
2-(N-t-ブトキシカルボニルメチル)ピリジン-4-イル-エチル。
【請求項6】
R2が、水素、メチル、エチル、イソプロピル、2-メトキシエト-1-イル、およびピリド-3-イルメチルからなる群から選択される、請求項5記載の化合物。
【請求項7】
Wが窒素であり、R1およびR2が一緒になり、それらに結合している窒素と共に、置換されていてもよい複素環を形成する、請求項1記載の化合物。
【請求項8】
置換されていてもよい複素環が、4-(2-アミノエチル)ピペリジン-1-イル、4-[2-(N-t-ブトキシカルボニルアミノ)エチル]-ピペリジン-1-イル、1-(ピリジン-2-イル)ピペラジン-4-イル、N-モルホリノ、2-メチルピペリド-N-イル、2-(S)-カルボキサミド-ピロリジン-N-イル、2-(R)-ヒドロキシ-5-(S)-メトキシカルボニルピロリジン-N-イル、2-(R)-メトキシカルボニル-ピロリジン-N-イル、2-(S)-メトキシメチルピロリジン-1-イル、3-(R)-(t-ブトキシカルボキサアミド)ピロリジン-N-イル、3-カルボキサミドピペリド-N-イル、3-ヒドロキシピロリジン-N-イル、4-アセチルピペラジン-1-イル、4-ヒドロキシピペリド-N-イル、4-メチルピペラジン-1-イル、4-(ピリジン-4-イル)ピペラジン-1-イル、および2-メトキシカルボニルピロリジン-N-イルからなる群から選択される、請求項7記載の化合物。
【請求項9】
R3が、クロロ、フルオロおよびメチルからなる群から選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項10】
pが0である、請求項1記載の化合物。
【請求項11】
R7が、水素、メチル、ベンジル、およびt-ブトキシカルボニル-メチルからなる群から選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項12】
化学式IIの化合物および薬学的に許容されるそれらの塩:

(式中、
Rはアリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環からなる群から選択され;
R1は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環からなる群から選択される)。
【請求項13】
Rが、フェニル;ナフト-1-イル;5-ジメチルアミノナフト-1-イル;2-フルオロフェニル;2-クロロフェニル;2-シアノフェニル;2-メチルフェニル;2-ニトロ-フェニル;2-トリフルオロメチルフェニル;3-クロロフェニル;4-メチルフェニル(トリル);2,5-ジブロモフェニル;4-ブロモ-2-エチルフェニル;4-ブロモ-2-トリフルオロメトキシフェニル;2,3-ジクロロフェニル;2,4-ジクロロフェニル;3,4-ジクロロフェニル;2,5-ジクロロフェニル;3,5-ジクロロフェニル;2,6-ジクロロフェニル;2-クロロ-4-シアノ-フェニル;2-クロロ-4-フルオロフェニル;3-クロロ-2-メチルフェニル;2-クロロ-6-メチルフェニル;5-クロロ-2-メトキシフェニル;2-クロロ-4-トリフルオロメチル-フェニル;2,4-ジフルオロフェニル;5-フルオロ-2-メチルフェニル;2,5-ジメトキシフェニル;2-メトキシ-4-メチルフェニル;2-メトキシ-5-ブロモフェニル;2-メトキシ-5-メチルフェニル;2,5-ジメチルフェニル;2-メチル-5-ニトロフェニル;3,5-ジ(トリフルオロ-メチル)フェニル;4-ブロモ-2,5-ジフルオロフェニル;2,3,4-トリクロロフェニル;2,4,5-トリクロロフェニル;2,4,6-トリクロロフェニル、2,4-ジクロロ-5-メチルフェニル;4-クロロ-2,5-ジメチルフェニル;2,4,6-トリ(イソ)プロピルフェニル;2,4,6-トリメチル-フェニル;2,3,5-トリメチル-4-クロロフェニル;2,3,6-トリメチル-4-メトキシフェニル;2,3,4,5,6-ペンタメチルフェニル;5-クロロ-1,3-ジメチルピラゾール-4-イル;2-メトキシ-カルボニル-チオフェン-3-イル;2,3-ジメチルイミダゾール-5-イル;2-メチルカルボニルアミノ-4-メチル-チアゾール-5-イル;キノリン-8-イル;チオフェン-2-イル;1-メチルイミダゾール-4-イル;3,5-ジメチルイソキサゾール-4-イル;およびN-モルホリノからなる群から選択される、請求項12記載の化合物。
【請求項14】
Rが、4-クロロ-2,5-ジメチルフェニルおよび2,3-ジクロロフェニルからなる群から選択される、請求項13記載の化合物。
【請求項15】
R1が、下記からなる群から選択される、請求項12記載の化合物:
2-[(4-アミジノ)フェニル]-1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)エト-1-イル、
アミノ、
2-[N-(-アミノアセチル)ピペリド-4-イル]エト-1-イル、
4-アミノベンジル、2-[(4-アミノエチレンアミジノ)フェニル]エト-1-イル、
2-[N-(1-アミノ-1-メチルエチルカルボニル)ピペリド-4-イル]エト-1-イル、
2-(4-アミノフェニル)エト-1-イル、
2-アミノチアゾール-5-イルメチル、
(2-アミノピリド-4-イル)メチル、
ベンジル、
2-ブロモエト-1-イル、
1-(S)-カルボキサミド-2-(インドール-3-イル)エト-1-イル、
カルボキサミドメチル、
1-カルボキサミド-2-(S)-メチル-ブト-1-イル、
1-(S)-カルバモイル-2-(フェニル)エト-1-イル、
1-(R)-カルボキサミド-2-(フェニル)エト-1-イル、
4-カルボキシベンジル、
2-クロロエト-1-イル、
シアノメチル、
2-(4-シアノフェニル)エト-1-イル、
2-(4-シアノフェニル)-1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)エト-1-イル、
2-(4-シアノフェニル)-1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)エト-1-イル、
シクロヘキシル、
シクロヘキシルメチル、
2-(N-シクロプロピルピペリジン-4-イル)エト-1-イル、
2-(N-シクロプロピルピペリジン-4-イル)-1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)エト-1-イル、
1-(R)-1,3-ジ(ベンジルオキシカルボニル)プロプ-1-イル、
1-(S)-1,3-ジカルボキサミドプロプ-1-イル、
(2-ジメチルアミノ)エト-1-イル、
2-[4-(N,N-ジメチルアミノ)]フェネチル、
3-(ジメチルアミノ)プロプ-1-イル、
1-(S)-エトキシカルボニルエト-1-イル、
2-エトキシフェニル、
エチル、
1-(R)-(1-N-エチルアミノ-カルボニル)-4-アミノ-n-ブチル、
1-(S)-(1-N-エチルアミノ-カルボニル)-4-アミノ-n-ブチル、
1-(R)-(1-N-エチルアミノカルボニル)-5-(t-ブトキシカルボニルアミノ)ペント-5-イル、
1-(S)-(1-N-エチルアミノカルボニル)-5-(t-ブトキシカルボニルアミノ)ペント-5-イル、
1-(R)-(1-N-エチルアミノカルボニル)-4-(N-t-ブトキシカルボニルアミノ)-n-ブト-5-イル、
1-(S)-(1-N-エチルアミノカルボニル)-4-(N-t-ブトキシカルボニルアミノ)-n-ブト-5-イル、
1-(R)-(1-N-エチルアミノカルボニル)-5-グアナジノ-n-ペント-5-イル、
1-(S)-(1-N-エチルアミノカルボニル)-5-グアナジノ-n-ペント-5-イル、
1-R,S-(1-N-エチルアミノカルボニル)-4-(N-t-ブトキシカルボニル)グアナジノ-n-ブト-1-イル、
1-(R)-(1-N-エチルアミノカルボニル)-5-(N-t-ブトキシカルボニルアミノ)-n-ペント-5-イル、
1-(S)-(1-N-エチルアミノカルボニル)-5-(N-t-ブトキシカルボニルアミノ)-n-ペント-5-イル、
4-フルオロフェネチル、
水素、
2-ヒドロキシエト-1-イル、
2-(4-ヒドロキシフェニル)-1-(S)-(メトキシカルボニル)エト-1-イル、
2-(4-ヒドロキシフェニル)-1-(S)-(イソプロポキシカルボニル)エト-1-イル、
2-(4-ヒドロキシフェニル)-1-(R)-(メトキシカルボニル)エト-1-イル、
2-(N-ヒドロキシピリド-4-イル)エト-1-イル、
2-(イミダゾール-4-イル)エト-1-イル、
2-[4-(イミダゾリン-2-イル)フェニル]-1-(R)-(ピロリジン-1-イルカルボニル)エト-1-イル、
2-[4-(イミダゾリン-2-イル)フェニル]エト-1-イル、
2-(インドール-3-イル)エト-1-イル、
2-(インドール-3-イル)-1-(S)-(メトキシカルボニル)エト-1-イル、
2-(インドール-3-イル)-1-(R)-(メトキシカルボニル)エト-1-イル、
イソ-プロピル、
1-(R)-(イソプロポキシカルボニル)-2-(フェニル)エト-1-イル、
メトキシ、
4-(メトキシカルボニル)ベンジル、
1-(R)-(メトキシカルボニル)エト-1-イル、
メトキシカルボニルメチル、
メトキシカルボニルフェニルメチル、
2-メトキシエト-1-イル、
1-(R)-(メトキシカルボニル)-2-(N-メチルピペリジン-4-イル)エト-1-イル、
1-(R)-(メトキシカルボニル)-2-(N-メチル-1,2,3,6-テトラヒドロピリド-4-イル)エト-1-イル、
2-メトキシフェニル、
1-(R)-(メトキシカルボニル)-2-ピリド-4-イル)エト-1-イル、
メチル、
2-[4-(メチルカルボニルアミノ)]フェネチル、
1-(R)-(N-メチル-N-エチルカルバモイル)-3-(グアナジノ)プロプ-1-イル、
2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エト-1-イル、
(N-メチルピペリジン-2-イル)メチル、
2-(N-メチルピペリジン-2-イル)エト-1-イル、
2-(N-メチルピペリジン-3-イル)エト-1-イル、
2-(N-メチルピペリジン-4-イル)エト-1-イル、
2-(N-メチルピペリジン-4-イル)-1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)エト-1-イル、
2-[(N-メチル)ピロリジン-2-イル]エト-1-イル、
2-(N-メチル-1,2,5,6-テトラヒドロピリド-4-イル)エト-1-イル、
2-(N-メチル-1,2,5,6-テトラヒドロピリド-4-イル)-1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)エト-1-イル、
3-(2-メチルチアゾール-5-イル)-ピラゾール-5-イル、
2-(N-モルホリノ)エト-1-イル、
n-ヘキシル、
4-ニトロベンジル、
フェネチル、
1-(R)-フェニルエト-1-イル、
1-(S)-フェニルエト-1-イル、
フェニル、
4-フェニルブト-1-イル、
1-(R)-2-フェニルカルボキシエト-1-イル、
1-(R)-2-フェニル-1-(メトキシカルボニル)エト-1-イル、
1-(S)-2-フェニル-1-(メトキシカルボニル)エト-1-イル、
3-フェニル-n-プロプ-1-イル、
2-(フェニル)-1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)エト-1-イル、
2-(ピペリジン-N-イル)エト-1-イル、
2-(ピペリジン-2-イル)エト-1-イル、
2-(ピペリジン-3-イル)エト-1-イル、
2-(ピペリジン-4-イル)エト-1-イル、
(ピペリド-1-イル)カルボニルメチル、
ピラジン-2-イルメチル、
2-(ピリド-2-イル)エト-1-イル、
2-(ピリド-3-イル)エト-1-イル、
2-(ピリド-4-イル)エト-1-イル、
(ピリド-2-イル)メチル、
(ピリド-3-イル)メチル、
(ピリド-4-イル)メチル、
2-[N-(ピリド-4-イル)]ピペリジン-4-イル、
2-[N-(ピリド-4-イル)ピペリド-4-イル)]エト-1-イル、
2-[N-(ピリド-2-イル)ピペリジン-4-イル]エト-1-イル、
2-(ピリド-4-イル)-1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)エト-1-イル、
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-(4-アミジノ)フェニル-エト-1-イル、
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-(4-アミジノ)フェニル-エト-1-イル、
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-5-アミノ-n-ペント-1-イル、
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-5-アミノ-n-ペント-1-イル、
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-(4-ビフェニル)エト-1-イル、
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-(4-ビフェニル)エト-1-イル、
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル-2-(4-ヨードフェニル)エト-1-イル、
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル-2-(4-ヨードフェニル)エト-1-イル、
1-(R)-(ピロリジン-N-カルボニル)-4-(t-ブトキシカルボニルアミノ)-n-ブト-1-イル、
1-(S)-(ピロリジン-N-カルボニル)-4-(t-ブトキシカルボニルアミノ)-n-ブト-1-イル、
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(2-イミダゾリン-2-イル)フェニル]エト-1-イル、
2-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル-3-フェニルプロプ-2-イル、
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(N-メチルピペリジン-2-イル)フェニル)]エト-1-イル、
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(N-メチルピペリジン-2-イル)フェニル]エト-1-イル、
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[N-メチル-1,2,5,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)-フェン-4-イル)]エト-1-イル、
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[N-メチル-1,2,5,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)-フェン-4-イル)]エト-1-イル、
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(ピペリジン-2-イル)シクロヘキシル]エト-1-イル、
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(ピペリジン-2-イル)シクロヘキシル]エト-1-イル、
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[N-(フェニル)ピペリジン-4-イル]エト-1-イル、
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[N-(フェニル)ピペリジン-4-イル]エト-1-イル、
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[N-(ピリジン-4-イル)ピペリジン-4-イル]エト-1-イル、
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[N-(ピリジン-4-イル)ピペリジン-4-イル]エト-1-イル、
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(ピリジン-4-イル)フェニル]エト-1-イル、
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(ピリジン-4-イル)フェニル]エト-1-イル、
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(ピリド-2-イル)フェニル]エト-1-イル、
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(ピリド-2-イル)フェニル]エト-1-イル、
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(ピリミジン-2-イル)フェニル]エト-1-イル、
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(ピリミジン-2-イル)フェニル]エト-1-イル、
1-(R)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(N-t-ブトキシカルボニルピロール-2-イル)フェニル]エト-1-イル、
1-(S)-(ピロリジン-N-イルカルボニル)-2-[4-(N-t-ブトキシカルボニルピロール-2-イル)フェニル]エト-1-イル、
1-(S)-(t-ブトキシカルボニル)-2-(4-ヒドロキシフェニル)エト-1-イル、
3-t-ブトキシカルボニル-1-メトキシカルボニルプロプ-1-イル、
2-[N-(t-ブトキシカルボニルメチル)ピペリド-4-イル]エト-1-イル、
2-[1-(t-ブトキシカルボニルメチル)ピペリド-4-イル]エト-1-イル、
1-(S)-(t-ブトキシカルボニル)-3-メチルプロプ-1-イル、
1-(R)-(t-ブトキシカルボニル)-3-メチルプロプ-1-イル、
1-(R)-(t-ブトキシカルボニル)-2-(フェニル)エト-1-イル、
2-シクロプロピル-2-(ピリジン-4-イル)エト-1-イル、および
2-(N-t-ブトキシカルボニルメチル)ピリジン-4-イル-エチル。
【請求項16】
下記からなる群から選択される化合物、または薬学的に許容されるそれらの塩:
3-[3-(R,S)-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)-4-オキソ-2,5-ベンゾジ-アゼピン-3-イル]-N-[2-(ピリジン-4-イル)エチル]アセトアミド(1);
3-[3-(R,S)-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)-4-オキソ-2,5-ベンゾジ-アゼピン-3-イル]-N-[2-(1,2,3,6-テトラヒドロ-N-メチルピリジン-4-イル)エト-1-イル]アセトアミド(2);
3-[3-(R,S)-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)-2-オキソ-2,5-ベンゾジ-アゼピン-3-イル]-N-[2-(N-メチルピペリジン-4-イル)エト-1-イル]アセトアミド(3);
3-[3-(R,S)-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)-2-オキソ-2,5-ベンゾジ-アゼピン-3-イル]-N-[2-(N-{ピリド-4-イル}ピペリジン-4-イル)エト-1-イル]アセトアミド(4);
3-[3-(R,S)-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)-2-オキソ-2,5-ベンゾジ-アゼピン-3-イル]-N-[2-(N-オキソピリジン-4-イル)エト-1-イル]アセトアミド(5);
3-[3-(R,S)-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)-2-オキソ-2,5-ベンゾジ-アゼピン-3-イル]-N-[4-(ピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル]アセトアミド(6);
3-[3-(R,S)-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)-2-オキソ-2,5-ベンゾジ-アゼピン-3-イル]-N-[4-(ピリジン-4-イル)ピペラジン-1-イル]アセトアミド(7);
3-[3-(R,S)-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)-2-オキソ-2,5-ベンゾジ-アゼピン-3-イル]-N-[2-シクロプロピル-2-(ピリジン-4-イル)エト-1-イル]アセトアミド(8);
3-[3-(R)-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)-4-オキソ-2,5-ベンゾジアゼピン-3-イル]-N-[2-(ピリジン-4-イル)エチル]アセトアミド(9);
3-[3-(S)-(4-クロロ-2,5-ジメチルベンゼンスルホニル)-4-オキソ-2,5-ベンゾジアゼピン-3-イル]-N-[2-(ピリジン-4-イル)エチル]アセトアミド(10);
3-[3-(R,S)-(2,3-ジクロロベンゼンスルホニル)-2-オキソ-2,5-ベンゾジアゼピン-3-イル]-N-[2-(R,S)-シクロプロピル-2-(ピリジン-4-イル)エト-1-イル]アセトアミド(11);
3-[3-(R,S)-(2,3-ジクロロベンゼンスルホニル)-4-オキソ-2,5-ベンゾジアゼピン-3-イル]-N-[2-(ピリジン-4-イル)エチル]アセトアミド(12);
3-[3-(R,S)-(2,3-ジクロロベンゼンスルホニル)-2-オキソ-2,5-ベンゾジアゼピン-3-イル]-N-[2-(N-{ピリジン-2-イル}ピペリジン-4-イル)エト-1-イル]アセトアミド(13);および
3-[3-(R,S)-(4-クロロ-2,5-ジメチルフェニルカルボニルメチル)-2-オキソ-2,5-ベンゾジアゼピン-3-イル]-N-[2-ピリジン-4-イルエト-1-イル]アセトアミド(14)。
【請求項17】
哺乳類におけるブラジキニンの存在に関連する有害症状を治療または緩和するのに効果的な、薬学的に許容される担体、および治療的な量の、請求項1〜16のいずれか一項記載の化合物またはそれらの混合物を含む薬学的組成物。
【請求項18】
哺乳類に治療上有効な量の請求項17記載の薬学的組成物を含む、少なくとも部分的に、ブラジキニンの存在または分泌に関連する哺乳類における有害症状を治療または緩和するための方法。
【請求項19】
治療上有効な量の請求項17記載の薬学的組成物を投与する段階を含む、少なくとも部分的に、ブラジキニンの放出に関連する哺乳類における疼痛、痛覚過敏、高熱および/または浮腫を治療または改善するための方法。
【請求項20】
治療上有効な量の請求項17記載の薬学的組成物を含む、火傷、手術前後の疼痛、偏頭痛、ショック、中枢神経経の損傷、喘息、鼻炎、早産、炎症性関節炎、または炎症性大腸炎に対するブラジキニンの放出に、少なくとも部分的に関連する有害症状を治療または改善するための方法。

【公表番号】特表2006−505553(P2006−505553A)
【公表日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−543757(P2004−543757)
【出願日】平成15年10月9日(2003.10.9)
【国際出願番号】PCT/US2003/032389
【国際公開番号】WO2004/033436
【国際公開日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【出願人】(399013971)エラン ファーマシューティカルズ,インコーポレイテッド (75)
【Fターム(参考)】