説明

ブレーキ力検出装置

【課題】本発明の課題は、低温環境下で使用されて歪み検出手段の周囲に氷結物が形成される場合であっても、より正確にブレーキ力を検出することができるブレーキ力検出装置を提供することにある。
【解決手段】本発明のブレーキ力検出装置1は、摩擦パッド4をディスクロータ3に向けて押動するキャリパボディ10と、前記摩擦パッド4を前記ディスクロータ3の軸方向に移動可能に保持するキャリパブラケット20と、前記キャリパボディ10を前記キャリパブラケット20に対して前記ディスクロータ3の軸方向に移動可能に支持するスライドピン30,31と、前記キャリパブラケット20に固定された歪みセンサ40と、を備えたブレーキ力検出装置1において、前記歪みセンサ40の周囲が弾性体9で覆われていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスクブレーキによるブレーキ力(制動力)を検出するブレーキ力検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の制動制御を行う場合には、ブレーキ力(制動力)が重要な情報の一つとなる。例えば、ブレーキをかけている時、実際にかかっているブレーキ力が検出できれば、路面の状態を推測することができる。路面の状態が判れば、例えばABS制御(アンチロックブレーキシステム制御)をより正確に行うことができる。
【0003】
従来、ディスクブレーキ用のブレーキ力検出装置としては、キャリパをナックル等の車輪支持部材に取り付けるためのブラケットに歪み検出手段(歪みセンサ)を配置したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。ところで、コレット式、リバースピン式等のピンスライド型のキャリパを使用したディスクブレーキは、キャリパがディスクロータの軸方向にスライド移動が可能なように、キャリパがスライドピンを介してブラケットに支持されている。そして、このディスクブレーキでは、キャリパがスライド移動する際に、車輪と共に回転するディスクロータに向けて摩擦パッドを押動可能なように前記したブラケットに摩擦パッドが保持されている。
【0004】
このようなディスクブレーキでは、摩擦パッドがディスクロータに押し当てられてブレーキ力(制動力)を発揮する際に、摩擦パッドはブレーキ力の大きさに応じた大きさの荷重をブラケットに入力する。そして、この荷重が入力されたブラケットは、ブレーキ力の大きさに応じた大きさで歪むこととなる。
つまり、前記したブレーキ力検出装置は、ブレーキ力の大きさに応じて増減するブラケットの歪み量を歪み検出手段が検出することでブレーキ力を検出するようになっている。
【特許文献1】特開2008−76280号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のブレーキ力検出装置(例えば、特許文献1参照)においては、寒冷地等の低温環境下に車両を放置した際に、歪み検出手段の周囲、特に歪み検出手段とブラケットとの隙間に入り込んだ水や泥等が氷結する。この際、氷結物は、氷結時の膨張によって歪み検出手段に荷重を負荷することで歪み検出手段自体に歪みを生起させる。この歪みは、氷結物が溶けた後も歪み検出手段に残留する場合がある。このような歪みが残留すると、歪み検出手段はゼロ点がずれることによってブラケットの歪み量を正確に検出することができない。
【0006】
そこで、本発明の課題は、低温環境下で使用されて歪み検出手段の周囲に氷結物が形成される場合であっても、より正確にブレーキ力を検出することができるブレーキ力検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決する本発明は、摩擦パッドをディスクロータに向けて押動するキャリパと、前記摩擦パッドを前記ディスクロータの軸方向に移動可能に保持するブラケットと、 前記キャリパを前記ブラケットに対して前記ディスクロータの軸方向に移動可能に支持するスライドピンと、前記ブラケットに固定された歪み検出手段と、を備えたブレーキ力検出装置において、前記歪み検出手段の周囲が弾性体で覆われていることを特徴とする。
【0008】
このブレーキ力検出装置では、摩擦パッドがディスクロータに押し当てられてブレーキ力(制動力)を発揮する際に、ブレーキ力の大きさに応じた大きさの荷重が摩擦パッドを介してブラケットに入力される。ブラケットはブレーキ力の大きさに応じた大きさで歪みを生じる。そして、このブレーキ力検出装置は、歪みセンサがブラケットの歪み量を検出することでブレーキ力を検出する。
【0009】
従来のブレーキ力検出装置においては、前記したように、歪み検出手段の周囲に形成された氷結物が膨張することで歪み検出手段に荷重が負荷されて歪みが生じるところ、本発明のブレーキ力検出装置においては、歪み検出手段の周囲が弾性体で覆われているので、氷結物は弾性体と接触する。そして、膨張する氷結物が負荷する荷重は、弾性体が弾性変形することで吸収される。
したがって、本発明のブレーキ力検出装置では、従来のブレーキ力検出装置と異なって、歪み検出手段自体に歪みが残留することが防止される。
【発明の効果】
【0010】
本発明のブレーキ力検出装置によれば、低温環境下で使用されて歪み検出手段の周囲に氷結物が形成される場合であっても、歪み検出手段自体に歪みが残留することが防止されるので、より正確にブレーキ力を検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。参照する図1は、実施形態に係るブレーキ力検出装置が適用されるディスクブレーキの斜視図であって、四輪の車両の前輪(操舵輪)に配置されるディスクブレーキのうち、左に配置されるものをその右斜め前方の上から見下ろした様子を示している。図2は、本実施形態に係るブレーキ力検出装置の斜視図であって、図1のディスクブレーキを図1中の矢印II方向から見上げた図である。図3は、本実施形態に係るブレーキ力検出装置を図2の矢印III方向から見た図である。図4は、図2のIV−IV断面図である。なお、以下の説明において、前後左右上下の方向は車両の前後左右上下の方向に一致させた図1に示す各方向を基準とする。ここではディスクブレーキの概略を説明した後にブレーキ力検出装置について説明する。
【0012】
図1に示すように、ディスクブレーキ2は、ナックル6の下部に配置されるアクスル(図示省略)に車輪Wと共に取り付けられてこの車輪Wと一体になって回転するディスクロータ3と、このディスクロータ3に向けて押動される摩擦パッド4とを備えている。このディスクブレーキ2では、ディスクロータ3に向けて押動された摩擦パッド4がディスクロータ3に押し当てられて生じる摺動トルクによって車両(車輪W)の制動が行われる。
【0013】
本実施形態に係るブレーキ力検出装置1は、図2に示すように、前記したナックル6(図1参照)に固定されたキャリパブラケット20と、このキャリパブラケット20に支持されるキャリパボディ10と、キャリパブラケット20に固定された歪みセンサ40とを備えている。なお、キャリパボディ10は、特許請求の範囲にいう「キャリパ」に相当し、キャリパブラケット20は、「ブラケット」に相当し、歪みセンサ40は、「歪み検出手段」に相当する。
本実施形態に係るブレーキ力検出装置1は、後記するように、歪みセンサ40の周囲が弾性体9で覆われていることを主な特徴としている。
【0014】
本実施形態でのキャリパブラケット20は、図1及び図2に示すように、第1の腕部22a及び第2の腕部22bと、連結部23とを備えている。
【0015】
第1の腕部22a及び第2の腕部22bは、ディスクロータ3の円周方向に相互に所定の距離を置いて配置されると共に、第1の腕部22a及び第2の腕部22bのそれぞれは、ディスクロータ3の周縁をその厚さ方向に跨ぐように延びている。そして、第1の腕部22aは、車両が前進走行する際にディスクロータ3の回入側となり、第2の腕部22bは、車両が前進走行する際にディスクロータ3の回出側となる。なお、以下の説明において、回入側及び回出側の用語は、車両が前進走行する際のディスクロータ3の回転方向(図1中の矢印X方向)を基準としたキャリパブラケット20に対するディスクロータ3の出入の別を示すものである。
【0016】
このようなキャリパブラケット20においては、図2に示すように、第1の腕部22aには、後記するスライドピン30が挿通されるピン孔21aが形成されており、第2の腕部22bには、後記するスライドピン31が挿通されるピン孔21bが形成されている。
【0017】
連結部23は、図3に示すように、ディスクロータ3の盤面に沿って略U字状に延びてその二股側のそれぞれで第1の腕部22a及び第2の腕部22bのそれぞれと接合されて、これらの第1の腕部22a及び第2の腕部22b同士を連結している。
そして、連結部23の二股を形成する部分のうち、第2の腕部22b側に位置する部分には、回出側の端面に切り欠き24が形成されている。この切り欠き24は、前記した回出側の端面がディスクロータ3の軸方向(図3の紙面に垂直な方向)に切り欠かれて形成されている。
なお、図3は、ディスクロータ3の右側(図2に示す方向参照)の盤面上に配置された連結部23の様子を示しているが、このディスクロータ3の左側(図3の紙面裏側)の盤面上にも略U字状の連結部(図示省略)が配置されており、この連結部の二股側のそれぞれは第1の腕部22a及び第2の腕部22bのそれぞれと接合されている。
そして、図1に示すように、ディスクロータ3の右側の盤面上に配置された連結部23は、前記したように、ナックル6にボルト7及びボルト8で締結されて固定されている。
【0018】
このようなキャリパブラケット20には、図2及び図3に示すように、歪みセンサ40が取り付けられている。更に詳しく説明すると、この歪みセンサ40は、連結部23の二股を形成する部分のうち、第2の腕部22b側に位置する部分であって、回出側の端面に、切り欠き24を跨ぐように配置されている。つまり、歪みセンサ40は、切り欠き24が形成された連結部23を挟んで、次に説明する摩擦パッド4と向き合う位置に配置されることとなる。ちなみに、本実施形態での歪みセンサ40は、図3に示すように、図示しない歪みゲージが搭載されたセンサプレート40aで構成されており、センサプレート40aが2つのボルト41,42で連結部23に取り付けられている。
【0019】
そして、歪みセンサ40は、その周囲が弾性体9で覆われている。更に具体的には、図3に示すように、センサプレート40aの表面と、これを連結部23に取り付けるボルト41,42の表面とを弾性体9が覆っている。
このような弾性体9としては、例えば、合成ゴム、天然ゴム等が挙げられ、中でもシリコーンゴムが望ましい。
このような弾性体9は、歪みセンサ40等に弾性体9を含む組成物を塗布することで形成することができる。具体的には、例えばシリコーンゴムからなる弾性体9は、硬化性シリコーン組成物を歪みセンサ40等に塗布すればよい。なお、本実施形態では、予め、少なくともセンサプレート40aのキャリパブラケット20に対向する面を弾性体9で覆っておき、このセンサプレート40aを2つのボルト41,42で連結部23に取り付けた後に、更にセンサプレート40aの露出面、及びボルト41,42の表面を弾性体9で覆う場合を想定している。
【0020】
摩擦パッド4は、図3に示すように、キャリパブラケット20の略U字状の連結部23の内側に保持されている。そして、この摩擦パッド4は、ディスクロータ3の軸方向(図3の紙面に垂直な方向)に移動可能となっており、ディスクロータ3の軸方向に移動することでディスクロータ3の盤面を押圧可能となっている。
そして、摩擦パッド4は、図4に示すように、ディスクロータ3の表裏(図4中の左右)に配置された連結部23,23のそれぞれに前記したように保持されることで、ディスクロータ3を挟み込み可能なようになっている。
【0021】
本実施形態でのキャリパボディ10は、浮動型(フローティングタイプ)であって、図3に示すように、キャリパブラケット20の第1の腕部22aと第2の腕部22bとの間でキャリパブラケット20に支持されると共に、図4に示すように、摩擦パッド4,4がディスクロータ3を挟み付けるように摩擦パッド4,4を押動するものである。
【0022】
このキャリパボディ10は、図4に示すように、摩擦パッド4,4をディスクロータ3の外周側から囲い込むケーシング12と、一方(車両の内側)の摩擦パッド4に向き合う位置でこのケーシング12に形成されたシリンダ部13aと、このシリンダ部13aに配置されて摩擦パッド4をディスクロータ3側に押圧するピストン13bと、他方(車両の外側)の摩擦パッド4に向き合う位置でこのケーシング12に形成された爪部14とを備えている。なお、図4中、符号5は、摩擦パッド4の裏金であり、符号15aは、シリンダ部13aに対してブレーキオイルを出し入れするオイル孔であり、符号15bは、マスタシリンダ側からブレーキオイルを輸送する図示しないパイプのパイプシートであり、符号13cは、シール材であり、符号13dは、ピストンダストブーツである。
【0023】
そして、キャリパボディ10は、図2に示すように、スライドピン30及びスライドピン31を取り付けるフランジ11a及びフランジ11bを備えている。
【0024】
このフランジ11aには、スライドピンボルト32でスライドピン30の一端が固定されている。そして、このスライドピン30は、フランジ11aから延びて前記したキャリパブラケット20の第1の腕部22a内で延びるように形成されたピン孔21aに挿通されている。
また、フランジ11bには、スライドピンボルト33でスライドピン31の一端が固定されている。そして、このスライドピン31は、フランジ11bから延びて前記したキャリパブラケット20の第2の腕部22b内で延びるように形成されたピン孔21bに挿通されている。
【0025】
次に、本実施形態に係るブレーキ力検出装置1の動作について説明する。図5(a)は、実施形態に係るブレーキ力検出装置の動作を説明するための模式図、図5(b)は、比較例としての従来のブレーキ力検出装置の動作を説明するための模式図である。図5(a)は、図3における歪みセンサ周りの様子を部分的に拡大した図であり、図5(b)は、図5(a)に対応する図である。
【0026】
このブレーキ力検出装置1(図2参照)では、車両の制動時に、図4に示すように、キャリパボディ10のシリンダ部13aにブレーキオイルがオイル孔15aを介して供給されると、ピストン13bが車両の内側(図4の左側)の摩擦パッド4をディスクロータ3に向けて押動する(図4の矢印P参照)。このとき、キャリパボディ10は、スライドピン30及びスライドピン31(図2参照)でディスクロータ3の軸方向に移動可能なようにキャリパブラケット20に支持されているので、キャリパボディ10は、前記した内側の摩擦パッド4がディスクロータ3を押圧した反力で、爪部14をディスクロータ3側に引き寄せる(図4中、矢印Q参照)。つまり、キャリパボディ10の爪部14が車両の外側(図4の右側)の摩擦パッド4をディスクロータ3に向けて押動することで、前記した内側及び外側の摩擦パッド4,4は車輪W(図1参照)と共に回転するディスクロータ3を挟み込む。その結果、摩擦パッド4,4は、ディスクロータ3に対して生じた摺動トルクによってこのディスクロータ3と一体に回転する車輪W(図1参照)にブレーキ力を加える。
【0027】
そして、本実施形態に係るブレーキ力検出装置1では、摩擦パッド4がブレーキ力を加える際に、図3に示すように、摩擦パッド4は、ディスクロータ3の回転方向Xと同じ方向Rに移動しようとして歪みセンサ40が取り付けられた連結部23の一方の二股部分、つまり、切り欠き24が形成された二股部分を、ディスクロータ3に加えたブレーキ力の大きさに応じた大きさの荷重で押圧する。その結果、ブレーキ力検出装置1は、歪みセンサ40で検出した二股部分の歪みを検出することでブレーキ力の大きさを検出する。ちなみに、歪みセンサ40で検出したキャリパブラケット20の歪みに基づいてブレーキ力の大きさを検出する方法としては、例えば、歪みセンサ40が検出した歪み検出信号を所定のアンプで増幅する工程と、この歪み検出信号とブレーキ力の大きさとの関係を予め実験的に対応付けたマップに基づいて所定の演算部(CPU等)がブレーキ力を演算する工程とを備えるものが挙げられる。
【0028】
そして、このようなブレーキ力検出装置1においては、寒冷地等の低温環境下に車両を放置した際に、歪み検出手段の周囲、特に歪み検出手段とブラケットとの隙間に入り込んだ水や泥等が氷結することがある。本実施形態に係るブレーキ力検出装置1においては、図5(a)に示すように、キャリパブラケット20の連結部23に形成された切り欠き24内に、雪や泥等の氷結物50が形成されることがある。
【0029】
ところで、図5(b)に示すように、従来のブレーキ力検出装置100において、キャリパブラケット20の連結部23に形成された切り欠き24内に氷結物50が形成されると、氷結物50は、氷結時の膨張によって歪みセンサ40に荷重Fを負荷する。この際、従来のブレーキ力検出装置100は、歪みセンサ40自体に歪みを生起し、この歪みが残留することで歪みセンサ40のゼロ点がずれることがある。その結果、従来のブレーキ力検出装置100は、キャリパブラケット20の歪み量を正確に検出することができない場合がある。
【0030】
これに対して、本実施形態に係るブレーキ力検出装置1(図5(a)参照)においては、歪みセンサ40の周囲が弾性体9で覆われているので、氷結物50は弾性体と接触する。そして、膨張する氷結物50が負荷する荷重Fは、弾性体9が弾性変形することで吸収される。
したがって、本実施形態に係るブレーキ力検出装置1では、従来のブレーキ力検出装置100と異なって、歪みセンサ40に歪みが残留することが防止される。
【0031】
したがって、本実施形態に係るブレーキ力検出装置1によれば、低温環境下で使用されて歪みセンサ40の周囲に氷結物50が形成される場合であっても、歪みセンサ40自体に歪みが残留することが防止されるので、キャリパブラケット20の歪み量を正確に検出することができ、より正確にブレーキ力を検出することができる。
【0032】
以上、本実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、種々の形態で実施することができる。
前記実施形態では、弾性体9がセンサプレート40a及びボルト41,42の表面を覆うことで、キャリパブラケット20(連結部23)上で、歪みセンサ40の表面全体が露出しないようになっているが、本発明は弾性体9が歪みセンサ40の一部を覆うものであってもよい。ここで参照する図6は、他の実施形態に係るブレーキ力検出装置における歪みセンサ付近の部分拡大図である。この図6は、前記実施形態での図5(a)に対応している。
【0033】
図6に示すこのブレーキ力検出装置1においては、歪みセンサ40は、センサプレート40aのキャリパブラケット20に向き合う面のみが弾性体9で覆われている。言い換えれば、切り欠き24と反対側のセンサプレート40aの面、及びセンサプレート40aの側面、並びにボルト41,42の表面は、弾性体9で覆われていない。
このような図6(a)に示すこのブレーキ力検出装置1は、ボルト41,42を外すことで歪みセンサ40の交換を容易に行うことができる。
また、図示しないが、センサプレート40aの全表面を弾性体9で覆い、ボルト41,42の表面のみを覆わないものであってもよい。
また、図示しないが、切り欠き24を埋めるように弾性体9が配置されることで、切り欠き24に向き合うセンサプレート40aの表面のみが弾性体9で覆われているものであってもよい。
【0034】
また、前記実施形態では、キャリパブラケット20にスライドピン30及びスライドピン31が挿通されるピン孔21a及びピン孔21bが形成されるコレット式のものについて説明したが、本発明はキャリパボディ10にピン孔21a及びピン孔21bが形成されるリバースピン式のものであってもよい。また、キャリパブラケット20にピン孔21a及びピン孔21bのいずれか一方が形成され、キャリパボディ10にピン孔21a及びピン孔21bのいずれか他方が形成されたものであってもよい。
【0035】
また、前記実施形態では、前輪(操舵輪)のディスクブレーキ2に適用するブレーキ力検出装置1について説明したが、本発明は後輪のディスクブレーキに適用するブレーキ力検出装置であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】実施形態に係るブレーキ力検出装置が適用されるディスクブレーキの斜視図であって、四輪の車両の前輪(操舵輪)に配置されるディスクブレーキのうち、左に配置されるものをその右斜め前方の上から見下ろした様子を示している。
【図2】実施形態に係るブレーキ力検出装置の斜視図であって、図1のディスクブレーキを矢印II方向から見上げた図である。
【図3】実施形態に係るブレーキ力検出装置を図2の矢印III方向から見た図である。
【図4】図2のIV−IV断面図である。
【図5】(a)は、実施形態に係るブレーキ力検出装置の動作を説明するための模式図、(b)は、比較例としての従来のブレーキ力検出装置の動作を説明するための模式図である。
【図6】他の実施形態に係るブレーキ力検出装置における歪みセンサ付近の部分拡大図である。
【符号の説明】
【0037】
1 ブレーキ力検出装置
2 ディスクブレーキ
3 ディスクロータ
4 摩擦パッド
9 弾性体
10 キャリパボディ(キャリパ)
20 キャリパブラケット(ブラケット)
24 切り欠き
40 歪みセンサ(歪み検出手段)
50 氷結物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
摩擦パッドをディスクロータに向けて押動するキャリパと、
前記摩擦パッドを前記ディスクロータの軸方向に移動可能に保持するブラケットと、
前記キャリパを前記ブラケットに対して前記ディスクロータの軸方向に移動可能に支持するスライドピンと、
前記ブラケットに固定された歪み検出手段と、
を備えたブレーキ力検出装置において、
前記歪み検出手段の周囲が弾性体で覆われていることを特徴とするブレーキ力検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−91273(P2010−91273A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−258248(P2008−258248)
【出願日】平成20年10月3日(2008.10.3)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】