説明

プラスチックで裏打ちされた圧縮ガス・ボンベの出口用はみ出し防止シール・システム

プラスチックで裏打ちされたボンベの出口用のシール・システムは、ボス穴の中へ延在するプラスチックのライナー出口を有する。インサートは、ボス穴と係合可能であって、インサートとライナー出口部分の間に1次シールを形成する。さらに、インサートのテーパー圧縮面は、圧力下でシールがはみ出す可能性を除くために、ライナー出口を圧縮して1次シールにおけるいかなる環状の組立てクリアランスもふさぐための1次シールに隣接しているライナー出口のテーパー穴部分と係合する。ライナー出口の環状の遠位末端を、止め具によって穴の中で係合させることにより、ライナー出口の、ボス内における軸方向の位置および寸法の保全性が維持される。止め具は、ボスと一体化することができる。閉じ込められたガスによる1次シールの逆方向のはみ出しおよびボンベの急速減圧は、漏れ経路を設けることによって防ぐことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で、2010年2月26日出願の米国特許仮出願第61/308,736号および2010年2月26日出願の米国特許仮出願第61/308,751号の利益を主張するものであり、これら仮出願の全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、繊維が巻き付けられプラスチックで裏打ちされたボンベに、特にボンベの出口ボスの終端取付け具内部のシール・システムに関し、より具体的にはシール境界面におけるはみ出し防止およびクリープ防止の方策に関する。
【背景技術】
【0003】
液化天然ガス(LNG)用燃料ボンベ、液化石油ガス(LPG)用燃料ボンベ、および特に水素ガス(H2)用燃料ボンベは、理想的には可能な限り軽いものである。高圧力を維持し、かつ軽量を保つために使用されるボンベ構造体は、炭素繊維を巻き付けたアルミニウムのボンベまたはライナーと、同様に炭素繊維を巻き付けたプラスチックのライナーまたはブラダとを使用する。炭素繊維を巻き付けると、構造的には対応困難であるものの、低透水性で燃料を保持するライナーを使用するのに必要な構造的保全性がもたらされる。
【0004】
高圧力に耐え得るボンベ構造体は、半球または有極性の先端部を利用する。使用されるのが軽金属ボンベであろうとプラスチックのライナーであろうと、現在、1つまたは複数の出口が金属から形成されている。例えば、繊維が巻き付けられプラスチックで裏打ちされた容器の有極性の先端部には、金属ボスが取り付けられ得る。通常、金属ボスは、炭素繊維を巻き付けるのに先立ってライナーと一体化される。ボスは、炭素繊維を入念に巻き付けた部分的な有極性の肩部を有することができる。ボスは、ねじ切りされており、プラグ、弁または減圧弁を含んでいる「終端取付け具」またはインサートが取り付けられている。
【0005】
ボス自体は、弁またはレギュレータなどの終端取付け具またはインサートを設置するのに必要とされるものである。ボスとインサートの間の従来型のねじ接続は、内部の加圧された流体の漏れ経路の遮断が十分でなく、低分子量ガスに対して特に難易度が高いことが知られている。
【0006】
現行の軽量燃料ボンベは、一般に、金属ボスを取り付けてから炭素繊維を巻き付けたプラスチックのライナーを備える。プラスチックのライナーを導入したために、ここで、ボンベの入口でのボスの封止に伴って新規の問題が生じている。ライナーと、ボンベの内部と接続するのに使用される有極性の終端ポートとの間に、問題をはらむ境界面がある。プラスチックのライナーと金属ボスの境界面で、漏れが生じる可能性がある。
【0007】
いくつかの製造業者は、いかなるライナー部品もなく、従来型の取付け具を受け入れるボス穴を残すことにより、ボスとライナーの間にシール境界面を設けることに大いに努力している。一例には、Shimojimaらの米国特許第6,227,402号で説明されているようなさねはぎ継ぎ形式の境界面があり、プラスチックのライナーがボスの環状溝の中に一体化されている。ライナー自体にボスが埋め込まれている他の形式には、Siroshの米国特許第5,253,778号、Newhouseらの米国特許第5,518、141号およびSuzukiらの米国特許第7,549,555号で説明されているものがある。ボンベは、漏れが生じると修理することができず、廃品となる。
【0008】
プラスチックの特性には、持続荷重の下で、クリープ速度がより高いことがある。この場合、クリープは、ライナーとインサートのシール境界面に表れる。シールは、一般に、剛体の座面に押し付けられたゴム状シール要素を備える。プラスチックのライナーの導入に伴って、剛体の座面がプラスチック材料で置換される。時間が経つにつれて、プラスチックは、シール要素との封止係合から徐々に離れる傾向があり、次いで、それによって、加圧された流体が漏れる可能性がある。
【0009】
従来技術では、ボス穴の中にライナー出口を導入することが知られている。したがって、ボスの内部のプラスチックのライナーとインサートの間にシールを設けることが試みられている。Siroshらの米国特許第5,938,209号、Barkleyらの米国特許第6、186,356号では、ライナーの環状の終端面とインサートの終端面の軸方向における間にOリングが挟まれている。別の形式では、Satoらの米国特許出願公開第2009/0071930号で説明されているように、ライナーとボスの間にOリングが配置されるものがある。やはり、漏れが生じた場合には、ボンベは修理することができず廃品となる。
【0010】
他の従来技術の機構には、インサートに形成された環状の溝の中に、Oリングが周囲に配置され、インサートおよびOリング部分が、ライナーの円筒状のスロートの中へ突出し、同通路に接して封止するものが含まれる。
【0011】
シール漏れの一因となる他の要因には、異なる材料の熱膨張の差が含まれる。インサートは、通常はアルミニウムまたはステンレス鋼であり、プラスチックより熱膨張率が低く、このことも境界面で問題を引き起こす場合がある。
【0012】
したがって、新規のシール・システムが、従来技術によって経験された欠点を克服することになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本明細書で説明される実施形態は、ボス穴の中へ延在するプラスチックのライナー出口の間に形成されるシール・システムを対象とするものである。ライナー出口とボス穴が、輪郭のある穴を形成する。輪郭のある穴と係合可能なインサートは、輪郭のある穴を封止するための輪郭のある面を形成する。ライナー出口は、寸法安定性のためにボス穴に沿って保持される。シール・システムは、環状のシール要素を使用して封止を可能にし、その間にシール要素がはみ出すのを防止する。他の実施形態には、輪郭のある穴と輪郭のある面の間のテーパー境界面の圧縮性の干渉を利用して2次シールを設けるものがある。他の実施形態には、はみ出しを回避するために、あらゆる組立クリアランスに圧縮を与え、また、任意選択で、クリープの影響を最小限にするためにライナー出口に予荷重をかけるものがある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
したがって、広範な一態様では、プラスチックで裏打ちされた圧縮ガス・ボンベの出口用のシール・システムが提供される。プラスチックで裏打ちされたボンベは、プラスチックのライナーおよびボスを備える。ボスは、ボンベと接続するための穴を有する。シール・システムは、輪郭のある穴を形成するようにボス穴の中へ軸方向に延在するプラスチックのライナーのライナー出口を備える。輪郭のある穴は、ライナー区間およびボス区間を備える。ライナー出口は、ボスに沿って軸方向の位置を有する環状の遠位末端を有する。ライナー区間は円筒状のシール穴部分およびテーパー穴部分を備える。ボス区間は、インサート固定穴部分および軸方向の位置で環状の遠位末端と係合するための保持肩部を備える。シール・システムは、輪郭のある穴と係合可能な輪郭のある面を有するインサートをさらに備える。インサートの輪郭のある面は、環状のシール要素を収容する環状の窪み、このシール要素に隣接するテーパー圧縮面、および穴固定面を備える。穴固定面がインサート固定穴部分と軸方向に係合するとき、インサートの輪郭のある面が、輪郭のある穴と係合して、シール要素とシール穴部分の間に環状の組立てクリアランスを形成する。シール要素は、シール穴部分に対応し、シール穴部分を封止して、環状の1次シールを形成する。テーパー圧縮面は、環状のテーパー境界面を形成するために、テーパー穴部分に対応し、テーパー穴部分と係合する。テーパー境界面が、ライナー出口を圧縮して、シール要素のまわりで環状の組立てクリアランスをふさぐ。
【0015】
したがって、別の広範な態様では、繊維が巻き付けられプラスチックで裏打ちされたボンベの出口を封止する方法が提供される。プラスチックで裏打ちされたボンベは、プラスチックのライナーおよびボスを備える。ボスは、ボンベと接続するための穴を有する。この方法は、プラスチックのライナーのライナー出口をボス穴の中へ軸方向に延在させて、輪郭のある穴を形成するステップを含む。ライナー出口の環状の遠位末端は、輪郭のある穴における環状の遠位末端の軸方向の位置を維持するために、ボスの中で止め具に対して係合している。輪郭のある面を有するインサートは、環状の1次シールおよびライナー出口に対する環状のテーパー境界面を形成するために、輪郭のある穴と係合する。1次シールは、インサート上の環状のシール要素を輪郭のある穴の円筒状のシール穴部分と係合させることにより形成される。テーパー境界面は、インサート上のテーパー圧縮面を輪郭のある穴のテーパー穴部分と係合させることにより形成される。テーパー境界面は、シール要素のまわりでライナー出口を圧縮する。インサート上の穴固定面は、インサートをボスに固定するために、輪郭のある穴のインサート固定穴部分と係合する。
【0016】
したがって、さらに別の広範な一態様では、プラスチックで裏打ちされた圧縮ガス・ボンベの出口のシール・システムを補修する方法が提供される。ボンベは、プラスチックのライナーおよびボスを備える。ボスは、ボンベと接続するための穴を有し、この穴は、普通にはインサートで封止される。この方法は、ボス穴の中へ軸方向に延在するライナー出口の輪郭のある穴を露出するために、ボンベの出口からインサートを取り外すステップを含む。インサートのまわりに配置された環状のシール要素が交換される。このシール要素は、普通には、輪郭のある穴と封止可能に係合する。輪郭のある穴の上に配置された少なくとも1つのシール面が修繕される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1A】一実施形態による、プラスチックで裏打ちして繊維を巻き付けたボンベの部分的断面図であり、有極性ボスにプラグ式インサートが取り付けられており、インサートは保持肩部を有する。
【図1B】流通式インサートを取り付けた図1の有極性ボスの分解組立図であり、ボスと係合する以前のインサートおよびボスと係合する以前のライナー出口が示されている。
【図2】流通式インサートを取り付けた図1の有極性ボスの拡大図である。
【図3】プラグ式インサートを取り付けた図1の有極性ボスの拡大図である。
【図4A】図2および図3のどちらのインサートの実施形態にも共通の、ライナー、環状のテーパー境界面、環状のシール要素、および裏打ちリングの拡大図である。
【図4B】図4Aのテーパー境界面における、ライナーの係合以前の段階のシール要素を示す、シール要素の拡大図である。
【図4C】図4Aのテーパー境界面における、ライナーの係合以降の段階のシール要素を示す、シール要素の拡大図である。
【図5】ボスの一実施形態の等角図である。
【図6】図1から図4および図5のものなどのボスに適合するライナーおよびライナー出口の部分的断面図である。
【図7A】有極性ボスの一形式の側面図である。
【図7B】有極性ボスの一形式の断面図である。
【図8】図2による流通式インサートの等角図である。
【図9】図1および図3によるプラグ式インサートの等角図である。
【図10A】図2による流通式インサートの側面図である。
【図10B】図2による流通式インサートの断面図である。
【図11A】図1および図3によるプラグ式インサートの側面図である。
【図11B】図1および図3によるプラグ式インサートの断面図である。
【図12】インサートが中に設置されているボスの別の実施形態の断面図であり、ボスが保持肩部を有し、インサートがシール要素を有する。
【図13】インサートが中に設置されているボスのさらなる実施形態の断面図であり、ボスが保持肩部を有し、インサートがシール要素および裏打ちリングを有する。
【図14】図13による、インサートの輪郭のある面およびボスの輪郭のある穴の部分的断面図である。
【図15】背圧はみ出し防止インサートが取り付けられている、図13による輪郭のある面およびボスの輪郭のある穴の部分的断面図である。
【図16】図13による、輪郭のある面および輪郭のある穴の部分的断面図である。
【図17A】ライナー出口のねじ切りされている組立体の分解組立断面図である。
【図17B】ボスに対してねじ切りされている組立体の分解組立断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書では、各実施形態は、プラスチックで裏打ちされた圧縮ガス用ボンベの出口用シール・システムを対象とする。ボンベは、ライナー出口およびライナー出口に結合されたボスを有するプラスチックのライナーを備える。ボスは、ボンベと接続するための穴を有する。圧縮ガスを貯蔵するために、ライナーは、炭素繊維巻付けなどの上部構造体を使用して、破裂に備えた支持がなされている。プラスチックのライナーおよびボスには、必要な構造的保全性をもたらすように、炭素繊維が巻き付けられている。ボスとライナーに繊維を巻き付け、一体化して、ボンベを形成する。
【0019】
ライナー出口は、ボス穴の中へ軸方向に延在して、輪郭のある穴を形成する。輪郭のある穴は、輪郭のある穴と係合可能なインサートによって封止される。インサートは、対応する輪郭のある面を有する。インサートがボスと係合するとき、輪郭のある面と輪郭のある穴の環状のシール要素の間に、少なくとも1つの環状の1次シールが形成される。一実施形態では、輪郭のある面と輪郭のある穴の間に環状のテーパー2次シールも形成される。輪郭のある面と輪郭のある穴の間の環状のテーパー境界面における干渉および圧縮によって2次シールが形成され得る。ライナー出口は、ライナー出口の環状の遠位末端を止め具に接して保持することにより、ボスの中で拘束される。
【0020】
一実施形態では、止め具は、インサート上に設けられた保持肩部である。別の実施形態では、止め具は、ボスに設けられた保持肩部である。別の実施形態では、高圧でのシール要素のはみ出しを阻止するために、テーパー境界面においてライナー出口を圧縮することも、あらゆる環状組立体のクリアランスをふさぐことができる。ライナー材料を圧縮することも、そうしなければ、支持されたシール要素および圧力負荷の影響を受けやすいシール面のクリープを最小限にすることができる。さらに、本明細書で開示された機構により、シール・システムを修繕する方法が可能になる。時間が経つにつれて漏れが進展すると、ライナーまたはインサートの境界面を修理するのに手が届き、ボンベの運用を迅速に再開することができる。
【0021】
図1から図11Bは、インサートに保持肩部が備わっているシール・システムの実施形態を示す。図1から図11Bに示された実施形態は、約250バールの圧力で圧縮天然ガス(CNG)などの通常のガスの貯蔵用に試験されており、この用途に適切である。
【0022】
図1A、図1B、図2および図5を参照すると、プラスチックで裏打ちされた燃料ボンベ2の有極性の先端部1には、ボンベと接続するための穴4を有する金属ボスなどの剛体のボス3が取り付けられている。ボス3は、容器終端の張り開き3aと、ボス穴4およびボンベまたは容器の内部と接続するための外側終端の燃料開口3b(図5)とを有する。ライナー5の出口5aは、ボス3の穴4の中に延在し、ボス3に結合される。一実施形態では、ライナー出口の外面には、ボスの内側のねじ部3cに結合するためのねじ部5bがある。接着剤も、単独で、またはねじ結合に加えて、ライナー出口5aをボス3に結合するために、ライナー出口5aとボス3の間に使用することができる。ボス3およびライナー5は、炭素繊維巻付け7で包まれ、繊維ラップの中でボスの張り開き3aを挟んでおり、したがってボンベ2の有極性の先端部1に一体化される。ボス3の穴4が、インサート9によって封止される。インサート9は、ボス3に対して取外し可能に係合可能である。
【0023】
図1Bに示されるように、インサート9は、外側ねじ部9aを含んでいる全体的に円筒状の本体を有し、外側ねじ部9aは、インサート9をボス3に対して取外し可能に結合するために、ボス3の内側ねじ部3cと係合する。容器の加圧された燃料内容物の封止は、インサート9とライナー出口5aの境界面で行なわれる。
【0024】
図4Aを参照して、インサート9とライナー出口5aの間のシール・システムは、ボス穴4の中に延在するライナー出口5aによって形成された輪郭のある穴4a(図1Bに最もよく示されている)を備える。インサート9は、輪郭のある穴4aと係合するための相補的な輪郭のある面4b(図1Bに最もよく示されている)を有する。輪郭のある穴4aは、容器またはボンベ2の内側から参照したとき軸方向に離隔されており、ライナー区間LS(図1Aに最もよく示されている)およびボス区間BS(図1Aに最もよく示されている)を備える。ライナー区間LSは、円筒状のシール穴部分12、テーパー穴部分13、および環状の遠位末端14を備える。環状の遠位末端14は、穴4の中に軸方向の位置を有する。ボス区間BSは、インサート固定穴部分15を備える。好ましくは、インサート固定部分15は、ボスの内側ねじ部3cである。インサートの輪郭のある面4bは、インサート9の挿入中に、シール穴部分12に対応してこれを封止するために、インサート9の円筒状のプラグ部分18のまわりの周辺に形成された環状の窪み17aに取り付けられた環状のシール要素17を備える。一般的な環状のシール要素17は、Oリングの形式である。Oリング用の適切な材料の1つには、CNGを含む多くの圧縮ガス向けのニトリル700LTがある。
【0025】
この実施形態では、インサート9の輪郭のある面4bは、テーパー圧縮面19、保持肩部20、および穴固定面21をさらに備える。好ましくは、穴固定面21は、インサートの外側ねじ部9aである。穴固定面21がインサート固定部分15と軸方向に係合するとき、インサートの輪郭のある面4bが、輪郭のある穴4aと係合する。
【0026】
動作においては、インサート9のねじ切リされた挿入部が、インサートのシール要素17を位置決めし、ライナーの封止穴部分12が、インサート9とライナー出口5aの間に環状の1次シールを形成する。さらに、インサート9とライナー出口5aの間の環状のテーパー2次シールを形成するために、インサートのテーパー圧縮面19が、環状のテーパー境界面4cでライナー区間のテーパー穴部分13と軸方向に係合する。テーパー境界面4cは、直円錐の先を切った円錐台である。インサートの保持肩部20は、ボス3の穴4の中の軸方向の位置における環状の遠位末端14の軸方向の位置を維持するために、ライナー出口5aの遠位末端14と係合して軸方向に保持する。
【0027】
図4Aおよび図4Cに示されるように、インサート9の円筒状のプラグ部分18の内部に、シール要素17が取り付けられる。円筒状のプラグ部分18は、輪郭のある穴4aのライナー区間LSの円筒状の封止穴部分12と係合して、その間に、小さな(これらの図面の解像度では識別不可能な)環状の組立てクリアランスまたは間隙29(図4C)を形成する。組立て中に、この組立てクリアランスにより、シール要素17が、円筒状の封止穴部分12に入ることができる。しかし、この組立てクリアランスにより、より高い圧力での問題も生じる可能性がある。環状のシール要素17は、シール材料の特性、組立てクリアランスの寸法および圧力を含む要因の組合せの下で、環状の窪み17aから組立てクリアランスへの押し出しに対して、影響を受けやすい、または脆弱であろう。
【0028】
図4Bに示されるように、環状のシール要素17は、エラストマであり、圧縮されていない自由な状態では、図4BにOリングの実施形態の円形断面として示されている第1の弛緩断面を有する。図4Cに示されるように、環状のシール要素17は、封止穴部分12と係合するとき、環状の窪み17aの中に圧縮して詰め込まれて、窪み17aの断面形状が実質的に想定される。環状の窪み17aには、裏打ちリング22も設けることができる。裏打ちリング22は、環状のシール要素とテーパー境界面4cの間にある環状の窪み17aの壁17bと、環状のシール要素17の間の、環状の窪み17aの中に配置される。裏打ちリング22は、環状のへこんだ位置合わせ窪み22aを含むことができ、その中に環状のシール17が押し込まれる。裏打ちリングは、インサート設置中に環状のシール要素17が動きに耐えるのを支援することができ、圧縮されたとき、はみ出すリスクを低減するように、半径方向に拡大する。環状のシール要素17を、へこんだ位置合わせ窪み22aの中に押し込む作用は、環状の窪み17aの中の裏打ちリング22の半径方向の変位と、組立てクリアランスの遮断とを支援することもできる。適切な裏打ちリング材料には、90ジュロメータ・ニトリルが含まれる。
【0029】
また、圧縮することにより、テーパー境界面4cにおいて、インサートからライナーの直接的シールまたは2次シールも形成され得ることが分かる。
【0030】
ライナー出口5aは、保持肩部20によって、テーパー圧縮面およびボンベの圧力によって与えられる圧縮力下の軸方向の押し出しまたはクリープからの動きを含む軸方向の動きを拘束される。
【0031】
結果として、簡単で高信頼の封止システムまたは機構が実現される。
【0032】
図6に示されるライナーの一実施形態では、ライナー5は、天然ガスに対して適切な約5mmの高密度ポリエチレン(HDPE)を備えたブラダである。円筒状のシール面は、直径が約33.3mm、軸方向の長さが20mm、ライナーの厚さ約4.35mmに対してライナー出口5aの外径は約42mmである。テーパー圧縮面19は、軸方向の長さが約5.4mmで、軸から20度のテーパーになっている。
【0033】
ライナーの別の実施形態では、ライナー5は、燃料ガスの透過性に対する耐性を改善するためにEVOH EVAL F101 Bの追加の層を含むことができる。
【0034】
ボスの輪郭のある穴4aの中で、環状の遠位末端14の軸方向の位置を維持するために、ライナー出口5aは、ボス3に対して軸方向に位置合わせされる。テーパー圧縮面19がテーパー・シール穴部分13と係合するとき、インサート9は、保持肩部20が環状の遠位末端14と軸方向の位置で係合して保持するように、ボス3に対して軸方向で位置合わせされる。一実施形態では、ボス3とライナー5の間の軸方向の位置合わせは、ボス3が、第1の環状の基準面24aおよび第2の環状の基準面24b(最善に図1Aおよび図1Bに示されている)を備えるようにもたらされる。インサート9には、終止外端24cが備わっている。基準面24aは、ボス3の張り開き3a(最終的には繊維ラップで覆われる)とライナー5の有極性先端部の表面(好ましくは、容器軸に対して垂直な平面などのボス張り開き3aに対応するように機械加工されている)の間に設けられる。基準面24bは、ボスの燃料開口3bに設けられる。ライナー出口5aの環状の遠位末端14は、環状の基準面24aから軸方向に基準距離だけ離隔される。ボスの燃料開口3bからボスの張り開き3aまでの距離が既知であるため、ボスの燃料開口3bから環状の遠位末端までの距離を計算することができる。この距離が、第2の基準距離をなす。保持肩部20は、外側の終端肩部24cから第2の基準距離だけ離隔され、その結果、外側の終端肩部24cが環状の基準面24bと係合するとき、保持肩部20は、テーパー圧縮面19がテーパー穴部分13と係合するとき、環状の遠位末端14と軸方向の位置で係合して保持する。
【0035】
ボス3およびインサート9は、一般に、陽極酸化処理されたAA6061−T6 ASTM B221などのアルミニウム合金から形成される。ライナー出口5aは、金属用接着剤でボス3の内側に固定することができる。この接着剤は、組立てを通じてライナー出口をボスの内部で拘束するようにライナー出口5aを固定すること、および寸法安定性を維持するためにライナーとボスのはめ合わせにおける不整合を充填することを含む、1つまたは複数の態様を支援することができる。適切な接着剤は、2成分で高剥離強度の金属接着剤である。適切な接着剤の一例には、Loctite(商標)U05−FL(米国オハイオ州のHenkel社の商標)が含まれる。
【0036】
図1A、図1B、図2、図8、図10Aおよび図10Bに示されるインサート9の一実施形態では、インサート9は、ボンベ2の内部に延在する追加の流管延長部25を含む。ボンベ2の充填および放出を通じて、ガス流れは、インサート9またはインサート9に設置された取付け部品によって調節される。ボンベ2を加圧すると局所的に温度が上昇し、減圧すると温度低下をもたらす。流管延長部25は、このような熱運動をボンベ2の内部から移動するように働くことができ、プラスチック面から離れて静的な蓄積のアキュムレータとして働くこともできる。いずれにしても、インサート9を取付け組立体などの外部に置くと、静的な蓄積を取り出すことができる。
【0037】
図12から図17は、シール・システムの実施形態を示しており、ボス3の穴4の中で、ライナー出口5aの環状の遠位末端14の軸方向の位置が、ボス3に形成された保持肩部20aによって保たれる。図12から図17に示される実施形態は、約700バールの高い運用圧で(1.25の安全係数、すなわち約875バールの圧力で)圧縮ガスを貯蔵するのに適切であることが確認されている。図12から図17に示されたライナー5は、約250バールから約875バールの圧力および約−40℃から約85℃の温度で圧縮ガスを含有するのに適切である。圧縮ガスは、水素、ヘリウム、またはメタンであり得る。このようなガスの上記圧力での貯蔵に適したライナー5は、単層ブラダ、またはEVOH EVAL F101Bの層、BASELL LUPOLEN 4261A(オランダのロッテルダムのLyondellBasell Industries Holding B.V.の商標)の層、およびDUPONT BYNEL 40E529(米国デラウェア州のDuPont社の商標)の層を備える多層ブラダであり得る。
【0038】
図12から図17に示されたシール・システムおよび図1Aから図11Bに示されたシール・システムには、共通の要素がある。共通の要素は、ライナー出口5aによって形成されて部分的にボス3の穴4の中に延在する輪郭のある穴4aおよび輪郭のある面4bを有するインサート9である。輪郭のある穴4aは、円筒状のシール穴部分12、テーパー穴部分13およびインサート固定部分15を有する。インサート9の輪郭のある面4bは、円筒状のプラグ部分18の窪み17aに配置された環状のシール要素17、テーパー圧縮面19および穴固定面21を備える。図1Aから図11Bで説明されたシール・システムと図12から図17で説明されたシール・システムの間の差異は、図1Aから図11Bで説明されたシール・システムでは保持肩部20がインサート9上に配置されており、図12から図17で説明されたシール・システムでは保持肩部20aがボス3上に配置されていることである。保持肩部は、ボス穴4の中へ半径方向に延在する。また、図12から図17で説明されたシール・システムでは、環状のテーパー境界面4c(テーパー穴部分13がテーパー圧縮面19と出会う部分)は、環状のシール要素17を収容する環状の窪み17aと実質的に直接隣接している。図12から図17で説明されたシール・システムは、図12から図17のテーパー境界面4cの機能が、環状のシール要素17のまわりのライナー出口5aを圧縮することに向けたものであるという点を除けば、図1Aから図11Bで説明されたシール・システムと全体的に同様に作用する。テーパー境界面4cにおいてライナー出口5aを圧縮すると、環状のシール要素17の環状の窪み17aからのはみ出し防止を支援し、環状のシール要素17の周囲からの反応性クリープにも耐える。図12から図17のテーパー境界面4cのより詳細な機能が、以下で説明される。
【0039】
図12から図17で説明されたシール・システムでは、組立て中に、環状のシール要素17を円筒状のシール穴部分12に入れるのを可能にするために、インサート9の円筒状のプラグ部分18とライナー区間LSの円筒状のシール穴部分12の間に、小さな環状の組立てクリアランス29(図12および図14)が設けられている。環状の組立てクリアランス29は、これらの図面の解像度では識別することができない。高圧では、環状のシール要素17が、環状の窪み17aから環状の組立てクリアランス29の中へはみ出す恐れがある。テーパー境界面4cにおいてライナー出口5aを圧縮すると、環状のシール要素17がはみ出す可能性を防止するために、組立てクリアランスを縮小してふさぐように作用することができる。テーパー境界面4cは、普通には容器2の中の加圧された気体内容物から下流に配置される。テーパー境界面4cには、このような密接な干渉および圧縮性の接触がもたらされ、環状の組立てクリアランスが効果的に解消され、したがってはみ出しの傾向または可能性が回避される。一実施形態では、テーパー境界面4cが、環状の窪み17aと直接隣接しており、いかなる組立てクリアランスも環状のシール要素17と直接隣接するところでふさがれることが保証される。
【0040】
インサートの環状のシール要素17は、円筒状のシール穴部分12に対して半径方向の封止荷重を与える。高圧では、時間が経つにつれて、ライナーのクリープが、維持された半径方向の封止荷重に応じて、封止接触を減少させて環状のシール要素17を抜ける漏れをもたらす恐れがある。環状のシール要素17も、封止接触が減少すると、環状の窪み17aから環状の組立てクリアランスの中へはみ出す可能性がある。この問題は、環状のシール要素17のまわりのライナー5に十分な予荷重を与えることによって克服することができる。インサート9のねじ係合が、テーパー圧縮面19を圧縮し、テーパー穴部分13でライナー出口5aに圧縮荷重をかけて、圧縮の作用は、円筒状のシール穴部分12のまわりのライナー材料に及ぶ。テーパー穴部分13は、インサートのテーパー圧縮面とボス3の間で、テーパー境界面4cにおいて圧縮される。この荷重が、クリープに耐えてその影響を打ち消すために、ライナー5において十分なプレストレスを与える。
【0041】
プレストレスの圧縮の閾値または所定の量は、制御することができる。一実施形態では、圧縮の閾値は、インサート9を輪郭のある穴4aの中へはめるのに必要なトルクを監視することによって制御される。この実施形態では、インサートの輪郭のある面4bが、輪郭のある穴4aとねじ係合する。インサート9は、環状のシール要素17のまわりのライナー出口5aを圧縮するために、テーパー穴部分をテーパー圧縮面と係合させるように回転する。テーパー圧縮面とテーパー穴部分を圧縮の閾値まで係合させるのに必要なトルクが監視される。圧縮の閾値が達成されたことを閾値トルクが示すとき、インサート9の回転が停止される。インサート9が輪郭のある穴4aの中にねじ込まれるとき、テーパー面19がテーパー穴部分13と接触し、テーパー穴部分13が圧縮される。インサート9を回転させるのに必要なトルクが、閾値トルクまで増加する。トルクが閾値トルクに到達したとき、十分な圧縮が達成されている。さらに、保持肩部20aは、第1に、寸法の保全性を維持するためにライナー出口5aの軸方向の動きを防止するための止め具として、第2に、任意選択でさらなる圧縮を与えるために、ライナー5の環状の遠位末端14と係合する。
【0042】
別の実施形態では、圧縮の閾値は、対応する軸方向のねじ込みを求めて、必要なねじ込みが達成されたときに、外側の終止肩部24cを有するインサート9をボス3と係合させるように形成すること(六角形の道具における直径の変化など)によって制御される。ボス3の基準面24をインサート9上の終止肩部24cに一致させることができ、それぞれの軸方向の配置は、圧縮閾値が達成されたときに、終止肩部24cがボスの基準面24bに対して「底打ち」することによってインサートの軸方向の挿入を止めるように計算される。インサート9の要素とボス3の要素の軸方向の間隔は、Oリングシール17を円筒状のシール穴部分に配置し、ライナーのテーパー穴部13と係合させて圧縮し、インサートの外側の構成要素が、ボスの外側の面に対して係合する、もしくは底打ちするとき、またはそれに先行して、ライナーの環状の遠位末端14を軸方向で保持するように寸法的に離隔される。
【0043】
図15を参照すると、Oリングシールの場合には、時間が経つにつれて、水素などの高圧ガスが、Oリングを通って浸透して、環状のシール溝または窪み17a、Oリング17と円筒状のシール面12の間の、いかなる小さな下流のOリングの空隙も満たす。ボンベ2の急速な減圧中に、環状の窪み17aの中の閉じ込められた高圧ガスは、流出するのを制限されることになる。減圧の速度が十分に高いと、閉じ込められたガスが、Oリング17をボンベ2の中へ押し返して、ライナー5とインサート9の平行な円筒状の面に沿って押し出す可能性がある。
【0044】
解決策の1つは、テーパー境界面を、それ自体は不十分なシールであるインサート固定部分15またはボス3とインサート9の間のねじ区間の中へバイパスするように、Oリングの空隙から小さな減圧漏れ経路を設けることである。
【0045】
したがって、インサート9の一部分として、金属などの適合するインサート材料から形成された円錐形のスリーブ28が設けられる。円錐形のスリーブ28とインサート9の間に形成された減圧漏れ経路が、環状のシール要素17と穴固定部分21の間に延在する。円錐形のスリーブ28は、環状のシール要素17と穴固定部分21の間のインサート9に取り付けられる。円錐形のスリーブ28は、外側のテーパー面28a、内側の円筒状の穴28b、および上流の終端28cを有する。外側のテーパー面28aは、インサートのテーパー圧縮面19を形成し、円錐形のスリーブ28をインサートに取り付けるとき、以前の実施形態で説明されたのと同一目的の圧縮を遂行する。上流の終端28cは、円錐形のスリーブ28をインサート9に取り付けるとき環状のシール要素17を収容する環状の窪み17aの壁を形成する。インサート9の円筒状の外側の面を取り付ける円筒状の内側の穴28bは、金属間境界面を形成する。金属間境界面は、円錐形のスリーブ28とインサート9の間に減圧漏れ経路を形成する。漏れ経路は、Oリング空隙から、保持肩部20およびインサート9とボス3の間のねじ部を通って延在する。Oリング空隙は、環状のシール要素17の下流にある。ボンベの内容のほとんどは、Oリングシール17を通すべきでない。したがって、金属間境界面は限定的であるが、高圧の蓄積およびボンベ2の迅速または急速な減圧に際してOリング17を押し出し得る関連したエネルギーを防止するための十分な漏れ経路が存在する。
【0046】
出口における異なる材料の熱膨張差を最小限にすることができる。ライナー出口5aのプラスチック材料が、ボス3の材料より大きな熱膨張係数(CTE)を有するとき、熱膨張差が生じる可能性がある。シール・システムのどちらの実施形態でも、温度変化によるライナー出口5aの半径方向の膨張は、ライナー出口5aのライナー材料の厚さを低減することにより、最小限にすることができる。シール・システムのどちらの実施形態でも、Oリング、ライナー出口5a上のシール面またはインサート9上のシール面の劣化のために時間が経つにつれて漏れが進展する場合には、ライナー出口またはインサートのシール面を、手入れする、または修理することができる。ライナー出口5aがボス3の穴4の中へ延在し、修理または手入れのために容易に到達することができるので、このことが可能である。Oリングがインサート9上に配置されており、インサート9をボスから取り外すことができるので、Oリングも容易に交換することができる。
【0047】
したがって、図1Aから図11Bおよび図12から図17のシール・システムを手入れする方法が提供される。この方法は、輪郭のある穴4aを露出するために、ライナー出口5aと係合しているインサート9をボス3の穴4から取り外すステップを含む。環状のシール要素17を交換する必要があるとき、同要素が交換される。環状のシール要素は、普通には、輪郭のある穴4aと封止可能に係合する。ライナー出口5aに配置されたシール面、すなわちテーパー穴部分13および/または円筒状のシール穴部分12が修繕される。インサート9に配置されたシール面、すなわちテーパー圧縮面19および円筒状のプラグ部分18は、頑健であっても修繕することもある。穴固定部分21、インサート固定部分15、環状の遠位末端14および保持肩部20、20aも、必要に応じて点検作業中に修繕することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチックで裏打ちされた圧縮ガス・ボンベの出口用のシール・システムであって、前記プラスチックで裏打ちされたボンベが、プラスチックのライナーおよびボスを備え、前記ボスが、前記ボンベに接続するための穴を有し、前記シール・システムが、
輪郭のある穴を形成するために前記ボスの前記穴の中へ軸方向に延在する前記プラスチックのライナーのライナー出口であって、前記輪郭のある穴がライナー区間およびボス区間を備え、前記ライナー出口が、前記ボスに沿って軸方向に位置を有する環状の遠位末端を有し、前記ライナー区間が、円筒状のシール穴部分およびテーパー穴部分を備え、前記ボス区間が、インサート固定穴部分、および前記軸方向の位置で前記環状の遠位末端と係合するための保持肩部を備えるライナー出口と、
前記輪郭のある穴と係合可能な輪郭のある面を有するインサートであって、前記インサートの輪郭のある面が、環状のシール要素を収容する環状の窪み、前記シール要素に隣接するテーパー圧縮面、および穴固定面を備えるインサートとを備え、
前記穴固定面が前記インサート固定穴部分と軸方向に係合するとき、前記インサートの輪郭のある面が、前記輪郭のある穴と係合して、前記シール要素と前記シール穴部分の間に環状の組立てクリアランスを形成し、前記シール要素が、前記シール穴部分に対応し、前記シール穴部分を封止して、環状の1次シールを形成し、前記テーパー圧縮面が、環状のテーパー境界面を形成し、前記ライナー出口を圧縮して、前記シール要素のまわりで前記環状の組立てクリアランスをふさぐために、前記テーパー穴部分に対応し、前記テーパー穴部分と係合するシール・システム。
【請求項2】
前記環状の窪みが、前記シール要素と前記テーパー境界面の間に壁をさらに備え、前記システムが、前記シール要素が前記テーパー境界面の中へはみ出しにくいように、前記環状の窪みに配置されて前記シール要素と前記壁の間で軸方向に位置決めされた裏打ちリングをさらに備える請求項1に記載のシール・システム。
【請求項3】
前記インサート固定穴部分が内側ねじ部であり、前記穴固定面が外側ねじ部である請求項1、2または3に記載のシール・システム。
【請求項4】
前記テーパー境界面が、直円錐の先を切った円錐台である請求項1から3のいずれか一項に記載のシール・システム。
【請求項5】
前記ライナーが、単層または多層の構造体である請求項1から4のいずれか一項に記載のシール・システム。
【請求項6】
前記ライナー出口が、ねじ切リされた境界面によって前記ボス穴に結合される請求項1から5のいずれか一項に記載のシール・システム。
【請求項7】
前記ライナー出口が、金属接着材によって前記ボスの前記穴に結合される請求項1から6のいずれか一項に記載のシール・システム。
【請求項8】
前記プラスチックで裏打ちされたボンベが、約700バールの圧力で圧縮されたガスを貯蔵する請求項1から7のいずれか一項に記載のシール・システム。
【請求項9】
前記圧縮ガスが、水素、ヘリウムまたはメタンである請求項8に記載のシール・システム。
【請求項10】
前記インサートが、流通式またはプラグ式のインサートである請求項1から9のいずれか一項に記載のシール・システム。
【請求項11】
前記インサートが、前記インサートに取り付けられて少なくともテーパー圧縮面を形成する円錐形のスリーブをさらに備え、前記スリーブが、前記スリーブと前記インサートの間に減圧漏れ経路を形成し、前記シール要素と前記穴固定部分の間に延在する請求項1から10のいずれか一項に記載のシール・システム。
【請求項12】
前記円錐形のスリーブが、前記テーパー圧縮面を形成する外側のテーパー面を有し、上流の終端を有する円筒状の内側の穴が前記インサートに取り付けられ、前記上流の終端が前記環状の窪みの前記壁を形成する請求項11に記載のシール・システム。
【請求項13】
前記円錐形のスリーブおよび前記インサートが金属から形成される請求項12に記載のシール・システム。
【請求項14】
繊維が巻き付けられプラスチックで裏打ちされたボンベの出口を封止する方法であって、前記プラスチックで裏打ちされたボンベが、プラスチックのライナーおよびボスを備え、前記ボスが、前記ボンベと接続するための穴を有し、前記方法が、
前記プラスチックのライナーのライナー出口を、前記ボスの前記穴の中へ軸方向に延在させて輪郭のある穴を形成するステップと、
前記輪郭のある穴の中で環状の遠位末端の軸方向の位置を維持するために、前記ライナー出口の前記環状の遠位末端を、前記ボスの止め具に対して係合させるステップと、
前記ライナー出口に対して環状の1次シールおよび環状のテーパー境界面を形成するために、前記輪郭のある穴に対して輪郭のある面を有するインサートを係合させるステップであって、
前記インサート上の環状のシール要素を、前記輪郭のある穴の円筒状のシール穴部分に対して係合させて前記1次シールを形成し、
前記シール要素のまわりで前記ライナー出口を圧縮するために、前記インサート上のテーパー圧縮面を前記輪郭のある穴のテーパー穴部分に対して係合させて前記テーパー境界面を形成し、
前記インサートを前記ボスに固定するために、前記インサート上の穴固定面を前記輪郭のある穴のインサート固定穴部分に対して軸方向に係合させる
ことによって、係合させるステップとを含む方法。
【請求項15】
前記インサートの輪郭のある面を前記輪郭のある穴とねじ係合させるステップと、
前記ライナー出口を前記シール要素のまわりで圧縮するために、前記インサートを回転して、前記テーパー穴部分を前記テーパー圧縮面と係合させるステップと、
前記インサートを回転させるのに必要なトルクを監視するステップと、
圧縮閾値に対応する閾値トルクに達したときに前記インサートの回転を停止するステップとをさらに含む請求項15に記載の方法。
【請求項16】
プラスチックで裏打ちされた圧縮ガス・ボンベの出口のシール・システムを手入れする方法であって、前記ボンベが、プラスチックのライナーと、普通にはインサートで封止されるボンベに接続するための穴を有するボスとを備え、前記方法が、
前記ボス穴の中へ軸方向に延在するライナー出口の輪郭のある穴を露出するために、前記ボンベの出口から前記インサートを取り外すステップと、
前記インサートのまわりに配置された環状のシール要素を交換するステップであって、前記シール要素が、普通には前記輪郭のある穴と封止可能に係合するステップと、
前記輪郭のある穴の上に配置された少なくとも1つのシール面を修繕するステップとを含む方法。
【請求項17】
前記修繕するステップが、普通には前記要素で封止する前記輪郭のある穴の円筒状のシール穴部分を修繕するステップを含む請求項17に記載の方法。
【請求項18】
前記輪郭のある穴が円筒状のシール穴部分およびテーパー穴部分を備え、前記修繕するステップが、
普通には前記シール要素で封止する前記シール穴部分を修繕するステップと、
普通には前記インサート上のテーパー圧縮面と係合する前記テーパー穴部分を修繕するステップとをさらに含む請求項17に記載の方法。


【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【公表番号】特表2013−520623(P2013−520623A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−554182(P2012−554182)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【国際出願番号】PCT/CA2011/050119
【国際公開番号】WO2011/103688
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(512222297)ダインテック インダストリーズ リミテッド (2)
【Fターム(参考)】