説明

プラスチックシート製箱体及びその製造方法、製造装置、並びにプラスチックシート製箱体積重ね用のコーナー部材

【課題】プラスチック製ダンボール箱等のプラスチックシート製箱体の開口した上端部を補強するため、フレーム部材等の別部材が不要であって、部品点数が少なく低コストにて製造することができ、しかも十分な強度を有するプラスチックシート製箱体及びその製造方法、製造装置を提供する。
【解決手段】プラスチックシートによって上端面が開口した箱体状に形成されるプラスチックシート製箱体1において、前記プラスチックシート製箱体の外周に位置する側壁9,10,11のうち、少なくとも対向する2つの側壁9,10の上端縁を、外側に折り返して二重に構成するとともに、前記折り返し部9b、10bの内面どうしを溶着して課題を解決した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、熱可塑性樹脂からなるプラスチック製ダンボール等のプラスチック製のシート状部材(以下、「プラスチックシート」という。)を用いて箱体状に形成されるプラスチックシート製箱体及びその製造方法、製造装置、並びにプラスチックシート製箱体積重ね用のコーナー部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開平10−109368号公報
【特許文献2】特開2001−354228号公報
【0003】
従来、この種のプラスチック製ダンボールを用いて製造されたプラスチック製ダンボール箱は、埃や塵等によって汚損され難く清浄であり、また耐水性を有するなど、紙製のダンボール箱に比べて優れた点が多く、工業製品や食料品、あるいは日用品などの収納保管や運搬などに広く使用されている。また、上記プラスチック製ダンボール箱は、プラスチック製ケースなどと比較して軽量であり、運搬等が容易であるという特徴を有している。さらに、上記プラスチック製ダンボール箱は、工業製品や食料品、あるいは日用品などの物品を収納した状態で保管や運搬する際など、プラスチック製ダンボール箱を効率良く保管・運搬するために、複数のプラスチック製ダンボール箱を上下に積重ねた状態で保管や運搬されることが多い。
【0004】
ところで、上記プラスチック製のダンボール箱は、熱可塑性樹脂からなるプラスチック製ダンボールを所定の形状に裁断して、箱体状に折り曲げた後、当該プラスチック製ダンボールの接合代どうしを、所定の接合手段で接合することによって製造される。
【0005】
その際、上記プラスチック製ダンボールの接合代どうしを接合する接合技術としては、例えば、特開2001−354228号公報に開示されているように、プラスチック製ダンボールに超音波を印加して摩擦熱を発生させて溶融接合するものや、特開平10−109368号公報に開示されているように、熱可塑性を有する合成樹脂からなるプラスチック製ダンボールを、加熱溶融させて接合する技術などが既に提案されている。
【0006】
上記特開2001−354228号公報に係るプラスチック段ボール箱体は、型抜きしたプラスチック段ボールシートを組み立て箱体としたものであって、該箱体の構成部材をすべてポリオレフィン系の同一素材で統一すると共に、該素材間の結合を溶着によって実行したものであり、溶着手段として、超音波を使用している。
【0007】
また、上記特開平10−109368号公報に係るプラスチック段ボールの接合方法は、接合面を加熱するための熱板が、接合面に接触すること以上に押し付けられないように、熱板とほぼ同じ厚みの間隔板を熱板と同一平面の熱板の近傍に設け、該熱板と間隔板を接合面の間に挟み込んで、熱板の熱で接合面を溶かした後、熱板と間隔板を取り除き、次に接合面を密着させて、段ボール相互を熱溶着で接合するように構成したものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来技術の場合には、次のような問題点を有している。すなわち、上記特開2001−354228号公報に係るプラスチック段ボール箱体の場合には、その開口した上端部を補強するためにフレーム部材を嵌合したり、プラスチック製ダンボール箱を上下に積重ねるために、コーナー部材を固定する必要があり、プラスチック製ダンボール箱を構成する部品点数が多くなり、その分だけ製造工程が複雑となるばかりか、製造コストが嵩むという技術的課題を有していた。
【0009】
また、上記特開2001−354228号公報に係るプラスチック段ボール箱体の場合には、プラスチック段ボールシートを溶着する溶着手段として、超音波を使用したものであるが、超音波を用いてプラスチック段ボールシート同士を溶着すると、超音波によって溶着するプラスチック段ボールシートの溶着部近傍が、超音波振動に起因した擦れによって白くなってしまう、所謂”白化”を起こしてしまい、外観が低下するという問題点を有していた。
【0010】
また、上記特開平10−109368号公報に係るプラスチック段ボールの接合方法の場合には、プラスチック段ボールの接合面の間に、熱板と間隔板を挟み込んで、熱板の熱で接合面を溶かした後、熱板と間隔板を取り除き、次に接合面を密着させて、段ボール相互を熱溶着で接合するように構成したものであり、接合面が内側に位置するため、確かに外部から接合部が見えないものの、プラスチック段ボールの接合面を熱で溶融する際に、プラスチック段ボールが比較的広い面積にわたって加熱されるため、プラスチック段ボールが熱によって変形してしまって平面性が損なわれ、製造されるプラスチック段ボール箱の外観が低下してしまうという問題点を有していた。また、上記プラスチック段ボールの接合方法によって製造されたプラスチック製の段ボール箱に、精度を要求される工業製品などを収納する場合には、プラスチック段ボールの変形によって、工業製品などを精度良く収納することができないという問題点をも有していた。
【0011】
そこで、この発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、プラスチック製ダンボール箱等のプラスチックシート製箱体の開口した上端部を補強するため、フレーム部材等の別部材が不要であって、部品点数が少なく低コストにて製造することができ、しかも十分な強度を有するプラスチックシート製箱体及びその製造方法、製造装置を提供することにある。
【0012】
また、この発明の他の目的とするところは、プラスチック製ダンボール等のプラスチックシート同士を溶着する際に、プラスチックシートが所謂”白化”を起こして外観が低下したり、プラスチックシートが熱によって変形することがないプラスチックシート製箱体及びその製造方法、製造装置を提供することにある。
【0013】
さらに、この発明の他の目的とするところは、上述したプラスチックシート製箱体を積重ねる際に使用する上で好適なプラスチックシート製箱体積重ね用のコーナー部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
すなわち、請求項1に記載された発明は、プラスチックシートによって上端面が開口した箱体状に形成されるプラスチックシート製箱体において、
前記プラスチックシート製箱体の外周に位置する側壁のうち、少なくとも対向する2つの側壁の上端縁を、外側に折り返して二重に構成するとともに、前記折り返し部の内面どうしを溶着したことを特徴とするプラスチックシート製箱体である。
【0015】
また、請求項2に記載された発明は、前記プラスチックシート製箱体は、底壁と、その周囲に立設される4つの側壁とから構成され、隣接する側壁同士を、当該隣接する側壁の一方に設けられた接合代を介して互いにスポット溶着することにより、上端面が開口した箱体状に形成されたことを特徴とする請求項1に記載のプラスチックシート製箱体である。
【0016】
さらに、請求項3に記載された発明は、前記プラスチックシート製箱体は、底壁と、その周囲に立設される4つの側壁とから構成され、隣接する側壁同士を、当該隣接する側壁の一方に設けられた接合代を介して互いに着脱自在な結合手段によって接合することにより、上端面が開口した箱体状に分解・組み立て自在に構成されたことを特徴とする請求項1に記載のプラスチックシート製箱体である。
【0017】
又、請求項4に記載された発明は、前記プラスチックシート製箱体の上端面の角部には、当該プラスチックシート製箱体を積重ねるためのコーナー部材が固着されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のプラスチックシート製箱体である。
【0018】
更に、請求項5に記載された発明は、プラスチックシートによって上端面が開口した箱体状に形成されるプラスチックシート製箱体の製造方法において、
前記プラスチックシートを折曲げた状態で接合することによって上端面が開口した箱体状に形成される所定形状の1枚以上のプラスチックシート片を裁断する裁断工程と、
前記裁断工程によって裁断された1枚以上のプラスチックシート片を折曲げた状態で接合することにより、上端面が開口したプラスチックシート製箱体を形成する際に、当該プラスチックシート製箱体の外周に位置する側壁のうち、少なくとも対向する2つの側壁の上端縁に対応した前記プラスチックシート片の外側面に、前記上端縁に沿って平行に折り返すための2本の断面V字形状の溝部を溶融させて形成するとともに、前記2本の溝部の両側に隣接する外側面を溶融する溶融工程と、
少なくとも対向する2つの側壁の上端縁に対応した前記プラスチックシート片の外側面を、前記溶融工程によって溶融された前記2本の溝部の位置で外側に折曲げることによって、前記少なくとも対向する2つの側壁の上端縁を二重に構成するとともに、前記折り返し部の溶融した内面どうしを固着する固着工程とを備えたことを特徴とするプラスチックシート製箱体の製造方法である。
【0019】
また、請求項6に記載された発明は、プラスチックシートによって上端面が開口した箱体状に形成されるプラスチックシート製箱体の製造装置において、
前記プラスチックシートを折曲げた状態で接合することによって上端面が開口したプラスチックシート製箱体を形成する際に、当該プラスチックシート製箱体の外周に位置する側壁のうち、少なくとも対向する2つの側壁の上端縁に対応した前記プラスチックシート片の外側面に、前記上端縁に沿って平行に折り返すための2本の断面V字形状の溝部を溶融させて形成する2本の凸部、及び前記2本の凸部の両側に隣接する平板部を有する加熱用接触子と、
前記加熱用接触子を前記プラスチックシートの表面に対して接離する方向に移動させる移動手段とを備えたことを特徴とするプラスチックシート製箱体の製造装置である。
【0020】
さらに、請求項7に記載された発明は、前記加熱用接触子の2本の凸部によって、前記プラスチックシートの外側面に2本の断面V字形状の溝部を溶融させて形成する際に、前記加熱用接触子の凸部と前記プラスチックシートとの間に、離型性を有する薄いシートを介在させたことを特徴とする請求項6に記載のプラスチックシート製箱体の製造装置である。
【0021】
又、請求項8に記載された発明は、プラスチックシートによって上端面が開口した箱体状に形成されたプラスチックシート製箱体であって、しかもその外周に位置する側壁のうち、少なくとも対向する2つの側壁の上端縁を外側に折り返して二重に構成したプラスチックシート製箱体を、上下に積み重ねるために使用されるプラスチックシート製箱体積重ね用のコーナー部材において、
前記プラスチックシート製箱体の開口した上端面の角部に固定した状態で装着される固定部と、
前記固定部に一体的に設けられ、上部に積み重ねられる前記プラスチックシート製箱体の下端に位置する角部の隣接する2つの側壁にそれぞれ当接する2つの規制板を有する規制板部とを備え、
前記規制板部の2つの規制板のうち、前記プラスチックシート製箱体の上端縁が外側に折り返えされた側壁の下端に当接する規制板を、他方の側面に当接する規制板よりも前記プラスチックシート製箱体の内側に変位させて設けたことを特徴とするプラスチックシート製箱体積重ね用のコーナー部材である。
【0022】
更に、請求項9に記載された発明は、前記プラスチックシート製箱体積重ね用のコーナー部材は、当該プラスチックシート製箱体の角部に位置する隣接する2つの側壁にそれぞれ取り付けられる部材に展開自在に構成されていることを特徴とする請求項8に記載のプラスチックシート製箱体積重ね用のコーナー部材である。
【発明の効果】
【0023】
この発明によれば、プラスチック製ダンボール箱等のプラスチックシート製箱体の開口した上端部を補強するため、フレーム部材等の別部材が不要であって、部品点数が少なく低コストにて製造することができ、しかも十分な強度を有するプラスチックシート製箱体及びその製造方法、製造装置を提供することができる。
【0024】
また、この発明によれば、プラスチック製ダンボール等のプラスチックシート同士を溶着する際に、プラスチックシートが所謂”白化”を起こして外観が低下したり、プラスチックシートが熱によって変形することがないプラスチックシート製箱体及びその製造方法、製造装置を提供することができる。
【0025】
さらに、この発明によれば、上述したプラスチックシート製箱体を積重ねる際に使用する上で好適なプラスチックシート製箱体積重ね用のコーナー部材を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0027】
実施の形態1
図1及び図2はこの発明の実施の形態1に係るプラスチックシート製箱体の製造方法及び製造装置によって製造されるプラスチックシート製箱体としてのプラスチック製ダンボール箱を示すものである。なお、図1等において、丸く切り欠かれた部分は、プラスチックシートのリブの方向を便宜的に示すためのものであり、丸い開口部が設けられている訳ではないことは勿論である。
【0028】
このプラスチック製ダンボール箱1は、図1及び図2に示すように、プラスチックシートとしてのプラスチック製ダンボール2によって、その上端面3が全面開口した直方体形状の箱体状に形成されており、その内部には、精密機械部品等の工業製品や食料品、あるいは日用品などの所望の物品を収納した状態で保管や運搬などが行われるものである。上記プラスチック製ダンボール箱1を製造するために使用されるプラスチック製のダンボール2としては、特に限定されるものではなく、種々のプラスチック製ダンボール2を使用することができる。例えば、上記プラスチック製ダンボール2として、図3に示すように、表裏一対のプラスチック製平板4、5を、これらのプラスチック製平板4、5に直交するように表面に沿って一定の間隔で平行に立設された多数のリブ6により互いに連結したものが用いられる。また、このプラスチック製ダンボール2は、例えば、ポリプロピレン等の熱可塑性を有するプラスチック(合成樹脂)を押出し成型機によって一体的に成型することで製造される。なお、上記プラスチック製ダンボール2としては、これに限定されるものではなく、図4に示すように、小さな円筒形状に形成されたリブ6を縦方向及び横方向に一定の間隔で配置したものや、図5に示すように、上下方向から略半楕円形状に膨出した形状に形成されたリブ6によって、表裏一対のプラスチック製平板4、5を連結したものなど、任意のものを用いてもよいことは勿論である。
【0029】
さらに、上記プラスチックシート2としては、上述したプラスチック製ダンボールに限らず、図5(b)に示すように、ポリプロピレンやポリエチレン等のプラスチック(合成樹脂)を所定の厚さを有するシート状に成形したものや、図5(c)に示すように、スミセラー(住化プラスチック社製商品名)などのように、ポリプロピレン等のプラスチック(合成樹脂)に発泡剤を混合することによって発泡させた緻密な表面層と微小独立泡からなる発泡倍率2〜6倍のポリプロピレン製シートものなどを用いても良い。その際、上記プラスチックシートは、その表裏両面が成形されたままの状態であっても良いが、プラスチックシートの表裏両面に同じプラスチック(合成樹脂)からなる薄いシートを積層したものを用いても勿論良い。
【0030】
上記プラスチック製ダンボール箱1は、図6に示すように、所定の展開形状に裁断された少なくとも1枚以上のプラスチック製ダンボール片7を箱体状に折り曲げた状態で、所定箇所を互いに接合することによって製造される。このプラスチック製ダンボール箱1を形成するプラスチック製ダンボール片7としては、例えば、図2に示すような上端面3が全面開口した直方体形状の箱体状に形成されるプラスチック製ダンボール箱1を展開した形状に、1枚のプラスチック製ダンボール2を裁断したものが用いられる。
【0031】
上記プラスチック製ダンボール片7は、図6に示すように、基本的に、プラスチック製ダンボール箱1の底部に位置する矩形状に形成された底壁8と、当該底壁8の外周に折り曲げた状態で立設される4つの側壁9、10、11、12とを一体的に有するように構成される。なお、上記底壁8は、例えば、一辺8aが他方の辺8bよりも長い長方形状に形成されるが、これに限定されるものではなく、正方形状や一辺8aを他方の辺8bよりも短い長方形状などに形成しても勿論良く、その形状は任意である。また、側壁9、10、11、12の高さも、プラスチック製ダンボール箱1の深さに応じて適宜設定される。
【0032】
さらに、上記4つの側壁のうち、互いに対向する一対の側壁9、10には、隣接する側壁11、12と互いに接合するための接合代13、14、15、16が、折り曲げたときの角部に位置する両側縁にそれぞれ延設されている。そして、上記プラスチック製ダンボール片7は、箱体状に組み立てる際に、これらの接合代13、14、15、16を介して、隣接する側壁9、10、11、12同士を互いに接合することによって、上端面3が開口した箱体状に組み立てられる。なお、上記プラスチック製ダンボール片7を裁断する際には、例えば、図6に示すように、当該プラスチック製ダンボール片7を構成するプラスチック製ダンボール2のリブ6が、底壁8の短辺8bに平行となるように裁断されるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0033】
また、上記プラスチック製ダンボール箱1は、図1及び図2に示すように、その外周に位置する4つの側壁9、10、11、12のうち、少なくとも互いに対向する2つの側壁9、10の上端縁9a、10aが、外側に折り返されて二重に構成されており、当該折り返し部17、18の内面どうしは溶着されて、両側壁9、10の上端面9b、10bが平坦に形成されていると共に補強されている。
【0034】
そのため、上記プラスチック製ダンボール箱1の外周に位置する4つの側壁9、10、11、12のうち、相対的に長さが長く設定された互いに対向する2つの側壁9、10の上端には、図6に示すように、折り返し部17、18を形成するための折り返し代19、20が延設されている。なお、この折り返し代19、20の長さLは、任意の長さに設定される。
【0035】
また、この実施の形態では、図7に示すように、プラスチック製ダンボール箱1を製造するにあたり、2つの側壁9、10の折り曲げ位置に対応した上端縁9a、10aの外側面に、2本の断面V字形状(結果的に断面W字形状)の凹溝21、22が当該上端縁9a、10aに沿って平行に設けられており、これらの断面V字形状の凹溝21、22を介して外側に折り曲げるように構成されている。上記断面V字形状の凹溝21、22は、プラスチック製ダンボール2の厚さをtとした場合、その間隔が約2tの距離に設定されているとともに、その角度θは、後述する加熱工程によって凹溝を成形した後の値が略90度となっている。
【0036】
また、上記プラスチック製ダンボール箱1は、図8に示すように、その外側に折り返されて二重に構成された折り返し部17、18の内面どうしが、2本の断面V字形状の凹溝21、22の内面も含めて互いに溶着されており、当該プラスチック製ダンボール箱1の上端縁9a、10aが補強されていると共にその端面9b、10bが平坦に形成されている。
【0037】
さらに、上記プラスチック製ダンボール箱1は、他方の互いに対向する2つの側壁11、12の上端縁を、同様に、外側に折り返して二重に構成しても良いが、他方の互いに対向する2つの側壁11、12は、通常、接合代13、14、15、16が折り返されて二重に構成されているため、敢えてその上端縁を折り返して二重に構成しなくとも良い。
【0038】
但し、他方の互いに対向する2つの側壁11、12は、通常、接合代13、14、15、16が折り返されて二重に構成されているものの、その上端面は、プラスチック製ダンボール2の切断面が露出しており、平坦に形成されておらず、異物が侵入する虞れがある。そのため、上記他方の互いに対向する2つの側壁11、12も、その上端縁を外側に折り返して二重に形成するのが望ましい。
【0039】
この場合には、上記他方の互いに対向する2つの側壁11、12を形成するプラスチック製ダンボール片7として、図6に示すように、底壁8と一体的に構成されたものを用いても良いが、図9に示すように、2つの側壁11、12を形成するプラスチック製ダンボール片7b、7cが、底壁8を形成するプラスチック製ダンボール片7aと別部材として構成されたプラスチック製ダンボール片を用いるのが望ましい。
【0040】
その理由は、上記プラスチック製ダンボール2として、例えば、図3に示すように、表裏一対のプラスチック製平板4、5を、これらのプラスチック製平板4、5に直交するように表面に沿って一定の間隔で平行に立設された多数のリブ6により互いに連結したものが用いられるが、このプラスチック製ダンボール2は、当該プラスチック製ダンボール2の表面に対して一方向に多数のリブ6が走っている。そのため、1枚のプラスチック製ダンボール2によって、2つの側壁9、10以外に、他方の2つの側壁11、12をも形成すると、当該2つの側壁11、12を形成するプラスチック製ダンボール2は、その多数のリブ6の配列方向が、図6に示すように、側壁11、12の上端縁と平行な方向に位置することになる。
【0041】
そのため、上記2つの側壁11、12は、当該側壁11、12を形成するプラスチック製ダンボール2を外側に折曲げる際に、リブ6が折曲げる位置と平行に位置することになり、折曲げ位置がリブ6と同じ位置に来る場合と、リブ6からずれる場合とが生じることになる。
【0042】
この点を考慮すると、上記2つの側壁11、12を形成するプラスチック製ダンボール2を外側に折曲げる際であっても、プラスチック製ダンボール2のリブ6が折り曲げ方向と直交する方向に位置することが強度上望ましい。
【0043】
この場合には、1枚のプラスチック製ダンボール2で、4つの側壁9、10、11、12のリブ6の配列方向をすべて折り曲げ方向と直交する方向に設定することはできない。そのため、他方の一対の側壁11、12を構成するプラスチック製ダンボール2としては、図9に示すように、それぞれ別部材としてのプラスチック製ダンボール片7a、7b、7cを用いるのが望ましく、この場合には、1つのプラスチック製ダンボール箱1を構成するプラスチック製ダンボール片7として、底壁8及び一方の両側壁9,10を構成するプラスチック製ダンボール片7aと、他方の両側壁11、12のうち、一方の側壁11を構成するプラスチック製ダンボール片7bと、他方の側壁12を構成するプラスチック製ダンボール片7cとからなる3枚のプラスチック製ダンボール片7a、7b、7cが必要となる。この場合、両側壁11、12を構成するプラスチック製ダンボール片7b、7cは、プラスチック製ダンボール2のリブ6が両側壁11、12の高さ方向に沿って配列されるように裁断するのが望ましい。
【0044】
なお、1つのプラスチック製ダンボール箱1を3枚のプラスチック製ダンボール片7a、7b、7cで構成する場合には、当該プラスチック製ダンボール箱1の強度を増す点で、側壁9、10にそれぞれ接合代13、14、15、16が設けられると共に、底壁8にも接合代23、24が設けられる。また、上記接合代13、14、15、16及び接合代23、24は、幅が狭く設定されているとともに、隣接する角部には、それぞれ切り欠き部13a、14a、15a、16a及び23a、24aが設けられている。さらに、上記側壁11、12には、その上端縁11a、12aに沿って折り返し代25、26が延設されている。
【0045】
こうした場合には、図9に示すように、一方の両側壁11、12の折り返し代25、26と、他方の両側壁9、10の接合代13、14、15、16とが互いに干渉しないように、他方の両側壁9、10の折り返し代25、26を接合代13、14、15、16に相当する幅だけ、その両端部を切り欠いておくのが望ましい。なお、この切り欠き部25a、26aは、両側壁9、10の接合代13、14、15、16に設けても良いが、当該接合代13、14、15、16に切り欠き部を設けると、側壁11、12との側壁9、10との接合強度が低下する虞があるため、両側壁11、12の折り返し代25、26に切り欠き部25a、26aを設けるのが望ましい。
【0046】
このように構成されるプラスチック製ダンボール箱1は、後述するように、1枚のプラスチック製ダンボール片7又は3枚のプラスチック製ダンボール片7a、7b、7cを折り曲げた状態で、所定箇所を互いに接合することによって製造される。
【0047】
図10は上記の如く構成されるプラスチックシート製箱体を製造するための製造方法を適用したプラスチックシート製箱体の第1の製造装置を示すものである。このプラスチックシート製箱体の第1の製造装置は、プラスチックシート片の側壁の上端縁に対応した部分に折り返し部を形成するための装置である。
【0048】
図10において、100はプラスチックシート製箱体の第1の製造装置本体を示すものであり、この第1の製造装置本体100は、床面上に脚部101によって立脚された円柱又は角柱形状に形成されている。上記第1の製造装置本体100の上方中間部には、その一側面に水平方向に沿って作業台102が、所定の幅を有する平板状に延設されている。この作業台102は、比較的幅が広く、且つ長尺に形成されており、当該作業台102の上面は、水平に形成されている。また、上記作業台102の上面には、被作業物の裏面を固定する緩衝材シート103が接着等の手段によって固着されている。さらに、上記作業台102の上面には、被作業物としてのプラスチック製ダンボール片7の端部を突き当てて所定の位置に位置決めするための位置決め部材104が必要に応じて設けられている。なお、上記緩衝材シート103は、必ずしも設けなくとも良い。
【0049】
また、上記プラスチック製ダンボール箱の第1の製造装置本体100の上端部には、図10に示すように、上述した作業台102と平行になるように、その一側面に水平方向に沿って円筒形状又は断面矩形の筒状の作業用アーム105が延設されている。この作業用アーム105の先端部には、作業台102上に載置された被作業物としてのプラスチック製ダンボール片を加熱・溶融することによって、当該プラスチック製ダンボール片の所定位置に2本の断面V字形状の溝部を同時に形成すると共に、2本の断面V字形状の溝部に隣接したプラスチック製ダンボール片の表面を加熱・溶融する加熱手段106が装着されている。なお、上記作業用アーム105の先端部には、プラスチック製ダンボール片の表面を押さえた状態で固定する図示しないクランプ手段を設けても良い。
【0050】
さらに、上記プラスチック製ダンボール箱の第1の製造装置100には、図10に示すように、作業用アーム105の先端部に、矩形状に形成された作業部取付板107が、垂直方向に沿って溶接等により一体的に取り付けられているとともに、当該作業部取付板107には、加熱手段106を取り付けるための取付用平板108が、4本の支柱部材109を介して、作業部取付板107と平行に取り付けられている。
【0051】
また、上記取付用平板108の表面には、図11及び図12に示すように、加熱手段106が取り付けられている。この加熱手段106は、加熱用接触子110を上下動させる駆動手段としてのエアーシリンダー111と、当該エアーシリンダー111の作動杆112、113に他の部材を介して取り付けられた加熱用接触子110とから構成されている。上記エアーシリンダー111は、取付用平板108の表面にネジ止め等によって取り付けられており、エアーホース114、115を介して加圧エアーを供給することによって、所定量だけ作動杆112、113を上下方向に移動させるとともに、所定の位置で停止するように構成されている。
【0052】
さらに、上記加熱用接触子110は、図13に示すように、例えば、真鍮や銅、あるいはステンレス等の熱伝導率の高い金属によって所定の肉厚を有する平板状に形成された上下の加熱板部116、117と、当該両加熱板部116、117の内部に挟持された状態で取り付けられたバンドヒーター等からなる平板状のヒーター118とから構成されている。また、上記加熱板部116、117のうち、下部の加熱板部117には、その下端面の中央部分117aが所定の幅にわたって下方に向けて突出するように形成されており、当該突出部117aの下面中央には、図13に示すように、2本の断面V字形状の凸部119、120が隣接して形成されている。これら2本の断面V字形状の凸部119、120は、加熱板部117の下端面の中央部分に、プラスチック製ダンボール箱1の側壁9、10の長さと等しいか、又は若干長くなるよう、図面に垂直な方向に沿って長尺に形成されている。
【0053】
また、上記2本の断面略V字形状の凸部119、120は、図13に示すように、その先端部119a、120aの角度θ’が90度より若干小さい、例えば80〜85度の角度となるように設定されており、当該凸部119、120は、プラスチック製ダンボール片7の表面に当接して、当該プラスチック製ダンボール片7の表面に位置するプラスチック製平板4及びリブ6を加熱・溶融して、図7に示すように、プラスチック製ダンボール片7の表面に断面略V字形状の溝部21、22を形成するためのものである。このプラスチック製ダンボール片7の表面に形成される断面略V字形状の溝部21、22は、その角度θが略90度となるように形成されるが、断面略V字形状の凸部119、120の角度θ’は、90度に設定すると、加熱成形時にプラスチック製ダンボール片7を形成する樹脂の“逃げ”等があるため、溝部21、22の角度θが90度よりも大きくなってしまう。
【0054】
そこで、この実施の形態では、断面略V字形状の溝部21、22を成形する際の樹脂の“逃げ”等を考慮して、断面略V字形状の凸部119、120の角度θ’は、90度より若干小さい80〜85度の角度となるように設定されている。更に、上記断面略V字形状の溝部21、22を成形する際の樹脂の“逃げ”は、プラスチック製ダンボールの目付け(単位面積当たりの重量)によって異なり、例えば、プラスチック製ダンボールの厚さtが同じ4mmであっても、目付け(単位面積当たりの重量)が600gのものもあれば、800gのものもあり、同様にプラスチック製ダンボールの厚さtが同じ5mmであっても、目付け(単位面積当たりの重量)が800gのものもあれば、1000gのものもある。そのため、プラスチック製ダンボールの目付け(単位面積当たりの重量)に応じて、プラスチック製ダンボール片7の表面に断面略V字形状の溝部21、22を形成する際の樹脂の“逃げ”量が異なるため、当該樹脂の“逃げ”量に応じて、断面略V字形状の凸部119、120の角度θ’は、例えば、80〜85度の角度の範囲で設定される。因みに、目付け(単位面積当たりの重量)が大きいプラスチック製ダンボールほど、凸部119、120の角度θ’は小さくなる、つまり80度に近い角度となるように設定される。
【0055】
さらに、上記2本の凸部119、120の内側に位置する側面119b、120bが交差する位置は、凸部119、120の外側に位置する側面119c、120cが平面121、122と交差する位置よりも、図13(b)中の上方の位置に設定されており、凸部119、120の高さよりも深くなるように設定されている。また、上記凸部119、120の高さは、プラスチック製ダンボール片7の厚さtよりも僅かに低く設定されており、当該凸部119、120が最も下降した状態であっても、その先端部119a、120aがプラスチック製ダンボール片7の裏面に位置するプラスチック製平板6の内面に略当接する高さに設定されている。
【0056】
これは、上記2本の断面V字形状の凸部119、120は、プラスチック製ダンボール片7の表面に当接して、プラスチック製ダンボール片7の表面を加熱・溶融して2本の断面V字形状の溝部21、22を形成する際に、2本の断面V字形状溝部21、22の間に位置するプラスチック製ダンボール片7の加熱による溶融変形量を考慮したものである。
【0057】
さらに、上記2本の断面逆V字形状の凸部119、120の両側には、平板部121、122が所定の幅にわたって隣接するように設けられており、これらの平板部121、122は、プラスチック製ダンボール片7の表面に当接して、当該2本の断面V字形状の溝部21、22に隣接するプラスチック製平板4を加熱・溶融するように構成されている。
【0058】
また、上記加熱板部116の上端部は、図11に示すように、円板状に形成された断熱材130を介して、円柱形状に形成された連結部材131に連結されているとともに、当該連結部材131は、エアーシリンダー111の作動杆112、113に取り付けられた移動部材132に連結されている。上記連結部材131は、エアーシリンダー111の作動杆112、113の下端部に取り付けられた移動部材132に対して、高さ方向の位置がネジ等によって調節可能となるように連結されている。
【0059】
上記プラスチック製ダンボール箱の第1の製造装置100では、図7に示すように、プラスチック製ダンボール片7の表面に2本の断面V字形状の溝部21、22を形成するとともに、当該2本の断面V字形状の溝部21、22に隣接するプラスチック製ダンボール片7のプラスチック製平板4の表面を溶融した後、図8に示すように、プラスチック製ダンボール片7の折り返し代19、20を外側に折り返すことによって、プラスチック製ダンボール片7の側壁9、10の上端縁9a、10aを二重に形成する工程が、作業者による人手によって行われる。なお、このプラスチック製ダンボール片7の側壁9、10の折り返し代19、20を折り返して二重に形成する工程は、自動的に行うように構成しても良い。
【0060】
その後、同様にして、プラスチック製ダンボール箱1の残りの2つの側壁11、12の上端縁11a、12aがすべて外側に折り曲げられて二重に形成される。
【0061】
そして、上記の如く側壁9、10の上端縁9a、10aに折り返し部17、18が設けられたプラスチック製ダンボール片7は、図14に示すように、箱体状に折り曲げられた状態で、隣接する側壁及び接合代同士がスポット溶着等によって互いに接合されて、箱体状に組み立てられる。
【0062】
また、図9に示すように、すべての側壁9、10、11、12の上端縁9a、10a、11a、12aに折り返し部が設けられたプラスチック製ダンボール片7は、図15に示すように、箱体状に折り曲げられた状態で、隣接する側壁及び接合代どうしがスポット溶着30等によって互いに接合されて、箱体状に組み立てられる。
【0063】
この実施の形態に係るプラスチック製ダンボール箱の製造方法では、隣接する側壁の接合代同士の接合が、次に示すようなプラスチック製ダンボール箱の第2の製造装置(溶着装置)を用いて行われる。
【0064】
図16はこの発明の実施の形態1に係る上記プラスチック製ダンボール箱を製造するための製造方法を適用したプラスチック製ダンボール箱の第2の製造装置を示すものである。
【0065】
図16において、200はプラスチック製ダンボール箱の第2の製造装置本体を示すものであり、この第2の製造装置本体200は、床面上に脚部201によって立脚された円柱又は角柱形状に形成されている。上記第2の製造装置本体200の上方中間部には、その一側面に水平方向に沿って作業台202が、所定の幅を有する平板状に延設されている。この作業台202は、長尺に形成されており、当該作業台202の上面は、水平に形成されている。また、上記作業台202の上面には、被作業物の裏面を固定する緩衝材シート203が接着等の手段によって固着されている。なお、上記緩衝材シート203は、必ずしも設けなくとも良い。
【0066】
また、上記プラスチック製ダンボール箱の第2の製造装置本体200の上端部には、図16に示すように、上述した作業台202と平行になるように、その一側面に水平方向に沿って円筒形状又は断面矩形の筒状の作業用アーム205が延設されている。この作業用アーム205の先端部には、矩形状に形成された作業部取付板206が、垂直方向に沿って溶接等により一体的に取り付けられているとともに、当該作業部取付板206には、クランプ手段207と溶着手段208とを取り付けるための取付用平板209が、4本の支柱部材210を介して、作業部取付板206と平行に取り付けられている。
【0067】
また、上記取付用平板209の裏面には、図17に示すように、クランプ手段207が取り付けられている。このクランプ手段207は、クランプ211を上下動させる第1の駆動手段としての第1のエアーシリンダー212と、当該第1のエアーシリンダー212の作動杆213に取り付けられたクランプ211とから構成されている。上記第1のエアーシリンダー212は、取付用平板209の裏面にネジ止め等によって取り付けられており、図示しないホースを介して加圧エアーを供給することによって、所定量だけ作動杆213を上下方向に移動可能に構成されている。
【0068】
さらに、上記クランプ211は、図17に示すように、側面形状が略クランク状に折り曲げた金属板によって形成されており、当該クランプ211の水平に折り曲げられた先端部211aは、図18に示すように、プラスチック製ダンボール片7の接合代を積層した状態で、溶着手段208による溶着部を両側から押圧して固定するように、2つに分岐されている。また、上記クランプ211は、所定量(複数設定可能)だけ下降した状態で停止するか、押圧力が所定の値になったときに停止するように構成されている。
【0069】
また、上記取付用平板209の表面には、図17に示すように、溶着手段208が取り付けられている。この溶着手段208は、加熱用接触子214を上下動させる駆動手段としての第2のエアーシリンダー215と、当該第2のエアーシリンダー215の作動杆216、217に他の部材を介して取り付けられた加熱用接触子214とから構成されている。上記第2のエアーシリンダー215は、取付用平板209の表面にネジ止め等によって取り付けられており、エアーホース218、219を介して加圧エアーを供給することによって、所定量だけ作動杆216、217を上下方向に移動させるとともに、所定の位置で停止するように構成されている。
【0070】
さらに、上記加熱用接触子214は、図17及び図19に示すように、例えば、真鍮や銅等の熱伝導率の高い金属によって円柱形状に形成された加熱部220と、当該加熱部220の外周に被覆されたバンドヒーター等からなる円筒形状のヒーター221とから構成されている。また、上記加熱部220は、その先端部222が図20及び図21に示すように円柱形状に形成されており、当該先端部222の端面には、同図に示すように、十字形状の凹溝95が形成されている。なお、上記先端部222の端面222aには、離型性を高めるため、テフロン(登録商標)等の離型剤を塗布するのが望ましい。
【0071】
更に説明すると、上記加熱部220の先端部222は、図20(a)〜(c)に示すように、別体の溶着用熱ピン230として交換可能に構成されており、当該溶着用熱ピン230の先端がテーパ状に細く形成されている。この溶着用熱ピン230は、プラスチック製ダンボール2の厚みに応じて、複数種類だけ用意されており、当該溶着用熱ピン230は、本体側の加熱部220の先端部222にネジ止めする基端側のナット状の螺着部231と、中間の円柱状部232と、先端側のテーパ部233とから構成されている。上記先端側のテーパ部233は、プラスチック製ダンボール2の厚みに応じて、長さが種々設定されており、その先端面234には、十字形状の凹溝235が形成されていて、プラスチック製ダンボール2への熱伝導を効率良く行ないつつ、図22等に基づいて後に詳述するように、プラスチック製ダンボール2同士を円形状に破断せずに確実に溶着することが可能となっている。
【0072】
なお、上記テーパ状の溶着用熱ピン230は、加熱部220の先端部222と一体的に構成しても良いことは勿論である。また、図20(d)に示す溶着用熱ピン230は、プラスチック製ダンボール2の厚みを問わないフリーサイズとなっている。また、図21に示す溶着用熱ピン230は、後述するようにコーナー部材を溶着する際に使用される。
【0073】
さらに、図42に示す溶着用熱ピン230は、図5(c)に示すような、スミセラー(住化プラスチック社製商品名)などのように、ポリプロピレン等のプラスチック(合成樹脂)に発泡剤を混合することによって発泡させた緻密な表面層と微小独立泡からなる発泡倍率2〜6倍のポリプロピレン製シートの溶着に適した溶着用熱ピンとなっている。
【0074】
上記発泡剤を混合したプラスチックシートは、図5(c)に示すように、プラスチック製ダンボールと異なって表面層と裏面層間が空間ではなく、発泡剤が混合された樹脂層で構成されている。そのため、プラスチック製ダンボールのように、表面層と裏面層の溶着だけでは、強度的に不十分であり、溶着用熱ピン230の先端面に格子状に凹凸を設けることで、上方のプラスチックシートの樹脂層と、下方のプラスチックシートの樹脂層とを十分に溶融混合させることができ、十分な溶着強度を得ることができる。
【0075】
また、上記発泡剤を混合したプラスチックシートは、加熱溶着時に、樹脂中の発泡剤が発泡して体積が増加するため、溶着用熱ピン230の先端面の外周に凹溝を形成することにより、膨張した樹脂を、図43に示すように、当該凹溝内で成形することができ、溶着後の外観形状が向上する。
【0076】
また、上記加熱部220の上端部は、図17及び図19に示すように、円筒形状に形成された連結部材224を介して、断熱材225に連結されているとともに、当該断熱材225は、正面逆T字形状に形成された連結部材226を介して、第2のエアーシリンダー215の作動杆216、217に取り付けられた移動部材227に連結されている。上記連結部材227は、第2のエアーシリンダー215の作動杆216、217の下端部に取り付けられた移動部材227に対して、高さ方向の位置がネジ等によって調節可能となるように連結されている。
【0077】
さらに、上記プラスチック製ダンボール箱の第2の製造装置は、図17に示すように、クランプ211にエアー噴射用のノズル228が取り付けられており、当該エアー噴射用のノズル228から所定のタイミングでエアーを溶着位置に噴射するように構成されている。なお、上記エアー噴射用のノズル228から噴射するエアーとしては、エアーシリンダー215を駆動するための加圧エアーを使用することができ、装置の構成を簡略化することが可能となっている。
【0078】
以上の構成において、この実施の形態に係るプラスチックシート製箱体の製造方法を適用した製造装置では、次のようにして、プラスチックシート製箱体の開口した上端部を補強するため、フレーム部材等の別部材が不要であって、部品点数が少なく低コストにて製造することができ、しかも十分な強度を有するプラスチック製ダンボール箱を製造することが可能となっている。
【0079】
また、この実施の形態に係るプラスチックシート製箱体の製造方法を適用した製造装置では、次のようにして、プラスチックシート同士を溶着する際に、プラスチックシートが所謂”白化”を起こして外観が低下したり、プラスチックシートが熱によって変形することによって平面性が損なわれることがなく、プラスチックシート製箱体を製造することが可能となっている。
【0080】
すなわち、この実施の形態に係るプラスチックシート製箱体の製造方法では、例えば、図9に示すように、予め、プラスチック製ダンボール箱1を組み立て可能な所定の平面形状に裁断されたプラスチック製ダンボール片7a、7b、7cを準備する準備工程が行われる。このプラスチック製ダンボール片7a、7b、7cは、所定の大きさを有する図示しないプラスチック製ダンボール2のシートから、プレス機等によって所定の平面形状に裁断される。その際、上記プラスチック製ダンボール片7a、7b、7cには、互いに対向する側壁11、12がそれぞれ別体となるように裁断されているが、図6に示すように、これら側壁11、12を含めて一体的に裁断するように構成しても良い。
【0081】
その後、上記の如く裁断されたプラスチック製ダンボール片7には、図7に示すように、互いに対向する側壁9、10及び側壁11、12の上端縁に2本の断面V字形状の溝部21、22が形成されて、当該側壁9、10及び側壁11、12の上端縁を折り曲げることによって折り曲げ部17、18が形成される。
【0082】
上記プラスチック製ダンボール片7に対する断面V字形状の溝部の形成は、次のようにして行われる。
【0083】
この実施の形態に係るプラスチック製ダンボール箱の製造装置では、図23に示すように、上記の如く裁断されたプラスチック製ダンボール片7の1つの側壁(例えば、側壁9)を、プラスチック製ダンボール箱の第1の製造装置本体100の作業台102上に載置する。その後、上記プラスチック製ダンボール箱の第1の製造装置では、図23に示すように、エアーシリンダー111を作動させて、加熱用接触子110を所定量だけ下降させ、当該加熱用接触子110の下端面117aに設けられた2本の断面V字形状の凸部119、120の先端119a、120aを、側壁9の上端縁9aの折り曲げ部に対応した外表面に位置するプラスチック製ダンボール片7aのプラスチック製平板4に当接させる。なお、上記加熱用接触子110は、予め、平板状のヒーター118によって所定の温度(例えば、200〜350℃)に加熱される。その際、上記プラスチック製ダンボール片7aの表面には、図45及び図46に示すように、テフロン(登録商標) 等の離型材料からなる厚さ約0.1mm程度の薄い離型性シートSを介在させるのが望ましい。上記断面V字形状の凸部119、120の先端119a、120aをプラスチック製ダンボール片7aの表面に直接接触させた場合には、凸部119、120の表面に(登録商標)等をコーティングした場合であっても、当該断面V字形状の凸部119、120の熱によってプラスチック製ダンボール片7a内の空気が膨張し、当該膨張した空気によって凸部119、120の側面に位置するプラスチック製ダンボール片7aの形状が波打った形状に変形してしまうのに対して、厚さ約0.1mm程度の離型性シートSを介在させた場合には、膨張した空気によるプラスチック製ダンボール片7aの変形を防止することができ、断面V字形状の溝の内面を平坦に形成することができ、溝部を折り返した際に折り返し部を綺麗に形成することができる。
【0084】
すると、上記表面に位置する側壁9のプラスチック製ダンボール2の平板4は、図23に示すように、2本の断面V字形状の凸部119、120の熱によって溶融されるとともに、当該加熱用接触子110の押圧力によって、溶融したプラスチック製ダンボール2の平板5が、2本の断面V字形状の凸部119、120と同一形状に窪んだ形状に変形され、図24に示すように、当該加熱用接触子110の平板部117の下端面121、122がプラスチック製ダンボール2のプラスチック製平板4に当接した状態まで下降する。
【0085】
その際、上記断面V字形状の凸部119、120は、図23に示すように、表面に位置する側壁9のプラスチック製ダンボール2の平板4に自重によって当接し、当該断面V字形状の凸部119、120からの熱伝導によって、プラスチック製ダンボール2をその厚さの約4/5程度まで加熱・溶融する。
【0086】
その後、上記上記断面V字形状の凸部119、120を自重の約5倍程度の圧力によって、図24に示すように押し下げて、プラスチック製ダンボール2の厚さの約4/5程度までの厚さにわたって、断面V字形状の凹部21、22を形成する。このとき、上記プラスチック製ダンボール2の厚さを例えば5mmとした場合には、約4mmの深さにわたって断面V字形状の凹部21、22が形成される。
【0087】
次に、上記プラスチック製ダンボール箱の第1の製造装置では、図24に示すように、表面に位置する側壁9のプラスチック製ダンボール片7のプラスチック製平板4が、加熱用接触子18の平板部117の熱によって溶融され、この状態を所定時間だけ維持する。
【0088】
その後、上記プラスチック製ダンボール箱の第1の製造装置では、図24に示すように、加熱用接触子110の平板部117がプラスチック製ダンボール片7の表面に位置するプラスチック製平板4に当接した状態で、所定時間が経過して、当該プラスチック製平板平板4が溶融される。
【0089】
次に、上記プラスチック製ダンボール箱の第1の製造装置では、図25に示すように、加熱用接触子110が上方に退避した状態で、プラスチック製ダンボール箱1を構成するプラスチック製ダンボール片7a、7b、7cは、図8に示すように、その側壁9、10、11、12の上端縁9a、10a、11a、12aが外側に折り返された状態で、折り返し部17、18の内面同士が互いに溶着される。
【0090】
次に、上記プラスチック製ダンボール片7a、7b、7cは、図15に示すように、底壁8の外周に設けられた側壁9、10が折り曲げられるとともに、他方の側壁11、12が組み合わされた状態で、両側壁9、10及び底壁8に設けられた接合代13、15、23・・・を介して互いに接合され、図1及び図2に示すようなプラスチック製ダンボール箱1が製造される。
【0091】
上記プラスチック製ダンボール片7a、7b、7cの両側壁9、10及び底壁8に設けられた接合代13、15、23・・・を介した接合処理は、プラスチック製ダンボール箱の第2の製造装置を用いて次のように行われる。
【0092】
上記プラスチック製ダンボール箱の第2の製造装置では、プラスチック製ダンボール箱1の側壁9、10及び底壁8の接合代13、15、23・・・と、側壁11、12の所定位置を互いに積層した状態で、図26に示すように、プラスチック製ダンボール箱の第2の製造装置本体200の作業台202上に載置する。その後、上記プラスチック製ダンボール箱の第2の製造装置では、図26に示すように、第1のエアーシリンダー212を作動させて、クランプ211を所定量だけ下降させることにより、作業台202の緩衝材シート203上に載置された積層状態の2枚のプラスチック製ダンボール片7の側壁9、10及び底壁8の接合代13、15、23・・・と側壁11、12を、上方からクランプ211によって押さえる動作が行われる。
【0093】
その後、上記プラスチック製ダンボール箱の第2の製造装置では、図27に示すように、積層状態の2枚のプラスチック製ダンボール片7の側壁9、10及び底壁8の接合代13、15、23・・・と側壁11、12を上方からクランプ211によって押さえた状態で、第2のエアーシリンダー215を作動させて、加熱用接触子214を所定量だけ下降させ、当該加熱用接触子214の先端222を、積層状態の2枚のプラスチック製ダンボール片7の側壁9、10及び底壁8の接合代13、15、23・・・と側壁11、12のうち、表面に位置する接合代13のプラスチック製ダンボール2の平板4に当接させる。なお、上記加熱用接触子214は、予め、円筒形状のヒーター221によって所定の温度(例えば、200〜350℃)に加熱されている。
【0094】
すると、上記表面に位置する接合代13のプラスチック製ダンボール2の平板4は、図27に示すように、加熱用接触子18の熱によって溶融されるとともに、当該加熱用接触子214の押圧力によって、溶融したプラスチック製ダンボール2の平板4が、加熱用接触子214と同一形状に変形し、図22に示すように、当該加熱用接触子214の先端面26aに沿った形状に変形して下降する。
【0095】
次に、上記プラスチック製ダンボール箱の第2の製造装置では、図22に示すように、表面に位置する接合代13のプラスチック製ダンボール2の平板4が、加熱用接触子214の熱によって溶融・変形されるとともに、当該プラスチック製ダンボール2の中間に位置するリブ6も、加熱用接触子214の熱によって溶融され、加熱用接触子214の先端222がプラスチック製ダンボール2の裏面に位置する平板5に当接する。
【0096】
その際、上記加熱用接触子214には、第2のエアーシリンダー215によって所定の加圧力が加えられ、加熱用接触子214は、第2のエアーシリンダー215による所定の加圧力で下降するが、当該加熱用接触子214は、時間によって下降位置を制御するように構成しても良い。
【0097】
すなわち、上記プラスチック製ダンボール箱の第2の製造装置では、加熱用接触子214がプラスチック製ダンボール2の平板4表面に当接した状態で、当該プラスチック製ダンボール2の平板4が溶融・変形するのに要する時間は、プラスチック製ダンボール2が決まれば、実験等によって知ることができるため、時間によって加熱用接触子214の下降位置を制御することも可能である。
【0098】
その後、上記プラスチック製ダンボール箱の第2の製造装置では、図22に示すように、加熱用接触子214の先端222がプラスチック製ダンボール2の裏面に位置する平板5に当接した状態で、所定時間が経過して、当該平板5が溶融することによって、裏面側に位置する側壁11のプラスチック製ダンボール2の対向する(表面側に位置する)平板4と溶融固着され、積層状態の側壁9の接合代13と側壁11は、スポット状に溶着されることになる。なお、図22中、40は溶融したプラスチック製ダンボール8の溶着片を示している。
【0099】
すると、上記プラスチック製ダンボール箱の第2の製造装置は、加熱用接触子214を第2のエアーシリンダー215によって上方に退避させるとともに、積層状態の側壁9の接合代13と側壁11の溶着箇所にエアーノズル228からエアーを噴き付けて、冷却するようになっている。
【0100】
そして、上記プラスチック製ダンボール箱の第2の製造装置では、クランプ211を第1のエアーシリンダー212によって上方に退避させて、一箇所の溶着作業を終了する。
【0101】
以下、同様に、図15(c)に示すように、プラスチック製のダンボール箱1を構成するプラスチック製ダンボール2の所定箇所を溶着することによって、プラスチック製ダンボール箱1が製造される。
【0102】
このように、上記実施の形態によれば、プラスチック製ダンボール箱1の側壁9、10、11、12の上端縁を折り返した状態で溶着することにより、当該側壁9、10、11、12の上端面を平坦に、且つ上端縁を二重に構成して補強することができ、プラスチック製ダンボール箱1の開口した上端部を補強するため、フレーム部材等の別部材が不要であって、部品点数が少なく低コストにて製造することができ、しかも十分な強度を有するプラスチック製ダンボール箱1を提供することができる。
【0103】
また、このように、上記プラスチック製ダンボール箱の製造方法及び製造装置によれば、プラスチック製ダンボール2の接合部分が、白化を起こしたり、変形してしまって平面性が損なわれることがなく、プラスチックダンボール2を精度良く接合することが可能となる。
【0104】
なお、上記プラスチック製ダンボール箱1の表面は、図2に示すように、溶着位置30が円形状に窪んだ状態に変形するが、プラスチック製ダンボール2の内面は、平面状を維持しており、また、溶着位置の周囲も白化したり、歪むように変形したしりすることがなく、精度良く溶着することが可能となっている。
【0105】
上記プラスチック製ダンボール2の表面の溶着跡が気になる場合には、ダンボール2表面と同色のテープを貼ることによって、目立たなくすることが可能である。また、上記プラスチック製ダンボール2の表面の溶着跡には、図44に示すように、キャップ部材Cを溶着跡に嵌合することによって外部から見えなくすることができる。
【0106】
なお、上記実施の形態では、プラスチック製ダンボール箱1の側壁の折り返し部を、所定の長さとした場合について説明したが、図35に示すように、側壁9、10等の折り返し部17、18等を、当該側壁9、10等の全長にわたって下端部まで設けても良い。
【0107】
実施の形態2
図28及び図29はこの発明の実施の形態2を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態2では、上記の如く構成されたプラスチック製ダンボール箱を上下に積重ねるのに適したプラスチック製ダンボール箱積重ね用のコーナー部材を提供するように構成されている。
【0108】
更に説明すると、この実施の形態2では、プラスチック製ダンボールによって上端面が開口した箱体状に形成されたプラスチック製ダンボール箱であって、しかもその外周に位置する側壁のうち、少なくとも対向する2つの側壁の上端縁を外側に折り返して二重に構成したプラスチック製ダンボール箱を、上下に積み重ねるために使用されるプラスチック製ダンボール箱積重ね用のコーナー部材において、
前記プラスチック製ダンボール箱の開口した上端面の角部に固定した状態で装着される固定部と、
前記固定部に一体的に設けられ、上部に積み重ねられる前記プラスチック製ダンボール箱の下端に位置する角部の隣接する2つの側壁にそれぞれ当接する2つの規制板を有する規制板部とを備え、
前記規制板部の2つの規制板のうち、前記プラスチック製ダンボール箱の上端縁が外側に折り返えされた側壁の下端に当接する規制板を、他方の側面に当接する規制板よりも前記プラスチック製ダンボール箱の内側に変位させて設けるように構成されている。
【0109】
すなわち、上記の如く構成されるプラスチック製ダンボール箱は、図1及び図2に示すように、単独でも使用されることは勿論であるが、このプラスチック製ダンボール箱1は、工業製品や食料品、あるいは日用品などの物品を収納した状態で保管や運搬する際など、プラスチック製ダンボール箱1を効率良く保管・運搬するために、図28に示すように、複数のプラスチック製ダンボール箱1を上下に積重ねた状態で保管や運搬されることが多い。
【0110】
そのため、上記プラスチック製ダンボール箱1では、図29に示すように、その開口した上端面の角部に、ポリプロピレン等の熱可塑性を有するプラスチック(合成樹脂)からなる積重ね用のコーナー部材50が装着された状態で用いられる。このコーナー部材50は、図30に示すように、大別して、プラスチック製ダンボール箱1の開口した上端面の角部に固定した状態で装着される固定部51と、当該固定部51に一体的に設けられ、上部に積み重ねられるプラスチック製ダンボール箱1の下端に位置する角部の隣接する2つの側壁にそれぞれ当接する2つの規制板を有する規制板部52とから構成されている。
【0111】
上記固定部51は、図30に示すように、プラスチック製ダンボール箱1の隣接する側壁の角部に、各側壁を挟持した状態で固定される凹所53を備えるように構成されており、当該凹所53を形成する外側の挟持板部54と内側の挟持板部55は、側壁の厚さ(プラスチック製ダンボール2の2倍の厚さ)よりも若干広い幅を介して対向するように配設されている。なお、上記外側の挟持板部54は、内側の挟持板部55よりも相対的に長く設定されている。
【0112】
また、上記固定部51の上端面56は、図30(c)に示すように平坦に形成されており、当該固定部51の上端面56には、上部に積み重ねられるプラスチック製ダンボール箱1の下端に位置する角部の隣接する2つの側壁にそれぞれ当接する2つの規制板57、58を有する規制板部52が一体的に設けられている。上記2つの規制板57、58は、固定部51の上端面56において、小さなR形状の角部59を介して互いに直角に交差するように垂直に立設されている。
【0113】
さらに、上記2つの規制板57、58のうち、プラスチック製ダンボール箱1の上端縁が外側に折り返えされた側壁9、10の下端に当接する規制板58は、図28に示すように、他方の側面に当接する規制板57よりもプラスチック製ダンボール箱1の内側に変位させて設けられている。
【0114】
なお、上記実施の形態では、他方の側壁11、12も、その上端縁11a、12aが外側に折り返えされて二重に構成されている。しかしながら、他方の側壁11、12は、通常、その上端縁11a、12aを外側に折り返えして二重しない場合であっても、一方の側壁9、10の接合代と接合されることによって、その上端面が平坦に形成されるか否かは別として、底部までにわたって二重に構成されるものである。
【0115】
そのため、上記他方の側壁11、12の下端に当接する規制板58は、敢えてプラスチック製ダンボール箱1の内側に変位させる必要がない。
【0116】
そして、上記の如く構成されるコーナー部材50を用いてプラスチック製ダンボール箱1を上下に積重ねる場合には、図28及び図29に示すように、プラスチック製ダンボール箱1の開口した上端縁の角部に、それぞれコーナー部材50を固定部51によって装着する。その際、上記コーナー部材50は、上端縁が外側に折り返された側壁9、10側に装着される規制板部52の規制板が、プラスチック製ダンボール箱1の内側に変位した規制板58となるように装着される。
【0117】
また、上記コーナー部材50は、図29に示すように、プラスチック製ダンボール箱1の上端縁の角部に取り付けられるものであり、その角部の位置によって側壁9、10が位置する側が異なるため、図31に示すように、プラスチック製ダンボール箱1の上端縁の対角線上に位置する2種類のコーナー部材50A及び50Bを用意する必要がある。
【0118】
また、上記コーナー部材50は、プラスチック製ダンボール箱1の開口部3に着脱自在としても良いが、プラスチック製ダンボール箱1を運搬する過程などにおいて、プラスチック製ダンボール箱1から外れる虞れがあるため、当該コーナー部材50は、図32及び図33に示すように、プラスチック製ダンボール箱1にプラスチック製ダンボール箱の第2の製造装置を用いた溶着等によって固定した状態で用いるのが望ましい。
【0119】
その際、上記コーナー部材50は、図34に示すように、プラスチック製ダンボール箱の第2の製造装置を用いて、その先端部に図21に示すような溶着用熱ピン230が装着され、上述したプラスチック製ダンボール2どうしの溶着と略同様の工程により、プラスチック製ダンボール箱1の側壁9、10、11、12の上端縁の角部に溶着される。なお、上記コーナー部材50とプラスチック製ダンボール箱1の側壁9、10、11、12との溶着は、図34に示すように、側壁9、10、11、12の裏面側まで貫通しなくともよく、コーナー部材50の表面を貫通して側壁9、10、11、12の表面側のプラスチック製ダンボール2と溶着しても勿論良い。
【0120】
このように、上記の如く一方の規制板58が内側に変位したコーナー部材50を用いることによって、側壁9、10の上端縁9a、10aが外側に折り返されて二重に形成されたプラスチック製ダンボール箱1を、図28に示すように、当該上端縁9a、10aが二重に形成された側壁9、10と、コーナー部材50の規制板58との間に大きな間隙が空いて位置ずれが生じることなく、プラスチック製ダンボール箱1を確実に上下に積重ねることができる。
【0121】
図36は上記コーナー部材50の変形例を示す構成図である。
【0122】
このコーナー部材50は、図36に示すように、一方の側壁11に対応した規制板57の高さが、前記実施の形態と比較して低く設定されており、プラスチック製ダンボール箱1を上下に積重ねる際や、上に積重ねたプラスチック製ダンボール箱1を引き出す際など、一方の側壁11に対応した規制板57が低く設定されていて、当該規制板57の上部に切り欠き部60が設けられているため、プラスチック製ダンボール箱1の押し込みや引出しが容易となっている。
【0123】
なお、このコーナー部材50は、図37に示すように、プラスチック製ダンボール箱1の上端部に取り付けられる4つのコーナー部材50A’、50B’、50A、50Bのうち、一方の側壁11にのみ対応したコーナー部材50A’、50B’に適用すれば良く、対向する他方の側壁12は、その規制板57が他と同様に高く設定されているため、運搬時の振動等によって、プラスチック製ダンボール箱1がずれるのを防止することが可能となっている。
【0124】
その他の構成及び作用は、前記実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0125】
実施の形態3
図38はこの発明の実施の形態3を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号と、この実施の形態3では、前記プラスチックシート製箱体が、底壁と、その周囲に立設される4つの側壁とから構成され、隣接する側壁同士を、当該隣接する側壁の一方に設けられた接合代を介して互いに着脱自在な結合手段によって接合することにより、上端面が開口した箱体状に分解・組み立て自在に構成されている。
【0126】
図38はこの発明の実施の形態3に係るプラスチックシート製箱体を示す正面構成図である。
【0127】
このプラスチックシート製箱体1は、図38に示すように、前記実施の形態1と同様に、底壁8と、その周囲に立設される4つの側壁とから、上端面が開口した直方体形状の箱体として形成されており、隣接する側壁同士が、これら隣接する側壁の一方に設けられた接合代を介して互いに着脱自在な結合手段によって接合することにより分解・組み立て自在となっている。
【0128】
このプラスチックシート製箱体1を構成するプラスチックシート2としては、例えば、図4に示すように、小さな円筒形状に形成されたリブ6を縦方向及び横方向に一定の間隔で配置したプラスチック製ダンボール2が用いられるが、他のプラスチックシートを用いても良いことは勿論である。
【0129】
また、上記プラスチックシート製箱体1を構成するプラスチックシート片7は、図39に示すように、図6に示したプラスチック製ダンボール片7と同様に、底壁8と、その周囲に設けられた4つの側壁9、10、11、12とを一体的に形成したものであるが、一対の側壁9、10にそれぞれ設けられる接合代13、14、15、16が、図6に示したものよりも小さく形成されているとともに、その形状が矩形状ではなく、外側の角部13b、14b、15b、16bがR形状に切り欠いた形状となっている点が相違している。更に、上記接合代13、14、15、16は、図39に示すように、プラスチックシート片7の厚さtを考慮して、側壁9、10の両側に僅かな間隔Δだけずれた位置で折り曲げられるように構成されているとともに、側壁11、12との間に、小さな間隙Δが設けられている。また、上記プラスチックシート片7では、4つの側壁9、10、11、12のすべての上端縁に折り曲げ代19、20、25、26が設けられており、図40に示すように、その上端縁9a、10a、11a、12aが外側に折り曲げられて二重に構成されている。さらに、この実施の形態では、図9に示したプラスチック製ダンボール片7と異なり、側壁11、12の折り曲げ代25、26が全幅にわたって設けられている。
【0130】
更に、この実施の形態3では、プラスチックシート製箱体1が分解・組み立てが可能となるように構成されており、側壁9、10の接合代13、14、15、16と、他方の側壁11、12とが、スポット溶着によって互いに接合されるのではなく、着脱自在なスナップフィット等の結合手段によって互いに接合されるように構成されている。
【0131】
上記着脱自在な結合手段70としては、例えば、図40に示すように、スナップフィット等が用いられる。この結合手段70は、図40に示すように、互いに相対的に係合する凹形状の結合部材71と、凸形状の結合部材72とからなり、これら凹形状の結合部材71と凸形状の結合部材72とを、相対的に係合することによって着脱自在に結合されるものである。なお、上記結合手段70としては、これに限定されるものではなく、着脱自在な結合手段であれば、例えば、所謂マジックテープ(登録商標)やベルトとバックルの組合わせ等、任意の手段を用いても良いことは勿論である。
【0132】
上記結合手段70のうち、凹形状の結合部材71は、例えば、図40に示すように、側壁11、12の外側面の所定の位置に溶着等の手段によって取り付けられ、他方の凸形状の結合部材72は、図39に示すように、側壁9、10の接合代の内側面の所定の位置に溶着等の手段によって取り付けられる。
【0133】
図41は上記プラスチックシート製箱体に用いられるプラスチックシート製箱体積重ね用のコーナー部材を示すものである。
【0134】
このプラスチックシート製箱体積重ね用のコーナー部材50は、基本的に、図30に示すコーナー部材50と同様に構成されているが、実施の形態3では、プラスチックシート製箱体1が分解・組み立てが可能となるように構成されているため、コーナー部材50も、図41(a)に示すように、中央の角部に切り込み60が縦方向に沿って入れられており、90度に折り曲げた状態以外に、図41(b)に示すように、切り込み80を介して平面状に180度に展開した状態となるように構成されている。
【0135】
すなわち、上記コーナー部材50は、図41に示すように、固定部51が側壁9、10側に取り付けられる固定部51aと、側壁11、12側に取り付けられる固定部51bとに、中央の角部に設けられた切り込み80によって分割されているととともに、規制板部52も側壁9、10側に取り付けられる規制板部52aと、側壁11、12側に取り付けられる規制板部52bとに分割されている。また、上記コーナー部材50には、図36に示すように、固定部51の外側の角部に、上記固定部51と固定部51とを開閉自在に連結するヒンジ部61が設けられており、このヒンジ部81を介して、固定部51と固定部51とが90度に折り曲げられた状態と、180度に展開した状態とに変形自在となっている。
【0136】
また、上記コーナー部材50は、図40に示すように、側壁9、10側の固定部51が、予め側壁9、10に溶着されているとともに、側壁11、12側の固定部51は、フリーな状態となっている。そして、この側壁11、12側の固定部51は、プラスチックシート製箱体を組み立てる際に、側壁11、12の上端部に嵌合固定される。
【0137】
そして、上記の如く構成されるプラスチックシート製箱体は、使用しないときは、図40に示すように、プラスチックシート片7を展開した状態で保管や運搬され、使用するときに組み立てられる。このプラスチックシート製箱体の組み立ては、図14に示す箱体と同様に、底壁8の周囲に設けられた4つの側壁9、10、11、12を起こすように折り曲げた状態で、側壁11、12を内側に、側壁9、10の接合代を外側にした状態で重ね合わせ、これら側壁11、12と側壁9、10の接合代にそれぞれ設けられた結合手段70を、互いに結合することによって、上端面が全面開口した直方体形状の箱体として組み立てられる。
【0138】
なお、上記プラスチックシート製箱体1を分解する場合には、上述した組み立てと逆の手順によって分解される。
【0139】
その他の構成及び作用は、前記実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】図1はこの発明の実施の形態1に係るプラスチックシート製箱体としてのプラスチック製ダンボール箱を示す正面図である。
【図2】図2はこの発明の実施の形態1に係るプラスチックシート製箱体としてのプラスチック製ダンボール箱を示す外観斜視図である。
【図3】図3はプラスチック製ダンボールを示す斜視構成図である。
【図4】図4はプラスチック製ダンボールを示す斜視構成図である。
【図5】図5はプラスチック製ダンボールを示す断面構成図である。
【図6】図6はこの発明の実施の形態1に係るプラスチックシート製箱体としてのプラスチック製ダンボール箱を構成するプラスチックシート片を示す平面図である。
【図7】図7はプラスチックシート片の端縁に沿って形成される断面V字形状の溝部を示す断面構成図である。
【図8】図8はこの発明の実施の形態1に係るプラスチックシート製箱体としてのプラスチック製ダンボール箱の上端縁に形成される折り返し部を示す断面構成図である。
【図9】図9はこの発明の実施の形態1に係るプラスチックシート製箱体としてのプラスチック製ダンボール箱を構成するプラスチックシート片の変形例を示す平面図である。
【図10】図10はこの発明の実施の形態1に係るプラスチックシート製箱体の製造装置としての第1の製造装置を示す構成図である。
【図11】図11はこの発明の実施の形態1に係るプラスチックシート製箱体の製造装置としての第1の製造装置の要部を示す構成図である。
【図12】図12はこの発明の実施の形態1に係るプラスチックシート製箱体の製造装置としての第1の製造装置の要部を示す構成図である。
【図13】図13はこの発明の実施の形態1に係るプラスチックシート製箱体の製造装置としての第1の製造装置の要部を示す拡大構成図である。
【図14】図14はこの発明の実施の形態1に係るプラスチックシート製箱体の製造方法を示す斜視説明図である。
【図15】図15はこの発明の実施の形態1に係るプラスチックシート製箱体の製造方法を示す斜視説明図である。
【図16】図16はこの発明の実施の形態1に係るプラスチックシート製箱体の製造装置としての第2の製造装置を示す構成図である。
【図17】図17はこの発明の実施の形態1に係るプラスチックシート製箱体の製造装置としての第2の製造装置の要部を示す構成図である。
【図18】図18はクランプ部を示す構成図である。
【図19】図19はこの発明の実施の形態1に係るプラスチックシート製箱体の製造装置としての第2の製造装置の要部を示す拡大構成図である。
【図20】図20は溶着ピンをそれぞれ示す構成図である。
【図21】図21は溶着ピンを示す構成図である。
【図22】図22は第2の製造装置による溶着工程を示す説明図である。
【図23】図23は第1の製造装置による溶融工程を示す説明図である。
【図24】図24は第1の製造装置による溶融工程を示す説明図である。
【図25】図25は第1の製造装置による溶融工程を示す説明図である。
【図26】図26は第2の製造装置による溶着工程を示す説明図である。
【図27】図27は第2の製造装置による溶着工程を示す説明図である。
【図28】図28はこの発明の実施の形態1に係るコーナー部材を用いてプラスチックシート製箱体を積み重ねた状態を示す構成図である。
【図29】図29はこの発明の実施の形態1に係るコーナー部材を用いたプラスチックシート製箱体を示す斜視構成図である。
【図30】図30はこの発明の実施の形態1に係るコーナー部材をそれぞれ示す構成図である。
【図31】図31はプラスチックシート製箱体の四隅に装着されるコーナー部材をそれぞれ示す構成図である。
【図32】図32はこの発明の実施の形態1に係るコーナー部材を用いたプラスチックシート製箱体の角部を示す斜視構成図である。
【図33】図33はこの発明の実施の形態1に係るコーナー部材を用いたプラスチックシート製箱体の角部を示す斜視構成図である。
【図34】図34はこの発明の実施の形態1に係るコーナー部材の溶着状態を示す構成図である。
【図35】図35はこの発明の実施の形態2に係るコーナー部材を用いてプラスチックシート製箱体を積み重ねた状態を示す構成図である。
【図36】図36はこの発明の実施の形態2に係るコーナー部材をそれぞれ示す構成図である。
【図37】図37はプラスチックシート製箱体の四隅に装着されるコーナー部材をそれぞれ示す構成図である。
【図38】図38はこの発明の実施の形態3に係るプラスチックシート製箱体を示す構成図である。
【図39】図39はこの発明の実施の形態3に係るプラスチックシート製箱体を構成するプラスチックシート片を示す平面図である。
【図40】図40はこの発明の実施の形態3に係るプラスチックシート製箱体を分解した状態を示す平面図である。
【図41】図41はこの発明の実施の形態3に係るプラスチックシート製箱体に用いられるコーナー部材をそれぞれ示す構成図である。
【図42】図42は加熱ピンの他の実施の形態を示す構成図である。
【図43】図43は図42の加熱ピンを用いて溶着した状態を示す模式図である。
【図44】図44は第2の製造装置によって溶着された溶着部及び当該溶着部を塞ぐキャップ部材をそれぞれ示す構成図である。
【図45】図45は図23の改良例を示す説明図である。
【図46】図46は図24の改良例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0141】
1:プラスチック製ダンボール箱、2:プラスチック製ダンボール、3:開口部、9、10:側壁、9a、10a:側壁の上端縁、17、18:折り返し部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチックシートによって上端面が開口した箱体状に形成されるプラスチックシート製箱体において、
前記プラスチックシート製箱体の外周に位置する側壁のうち、少なくとも対向する2つの側壁の上端縁を、外側に折り返して二重に構成するとともに、前記折り返し部の内面どうしを溶着したことを特徴とするプラスチックシート製箱体。
【請求項2】
前記プラスチックシート製箱体は、底壁と、その周囲に立設される4つの側壁とから構成され、隣接する側壁同士を、当該隣接する側壁の一方に設けられた接合代を介して互いにスポット溶着することにより、上端面が開口した箱体状に形成されたことを特徴とする請求項1に記載のプラスチックシート製箱体。
【請求項3】
前記プラスチックシート製箱体は、底壁と、その周囲に立設される4つの側壁とから構成され、隣接する側壁同士を、当該隣接する側壁の一方に設けられた接合代を介して互いに着脱自在な結合手段によって接合することにより、上端面が開口した箱体状に分解・組み立て自在に構成されたことを特徴とする請求項1に記載のプラスチックシート製箱体。
【請求項4】
前記プラスチックシート製箱体の上端面の角部には、当該プラスチックシート製箱体を積重ねるためのコーナー部材が固着されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のプラスチックシート製箱体。
【請求項5】
プラスチックシートによって上端面が開口した箱体状に形成されるプラスチックシート製箱体の製造方法において、
前記プラスチックシートを折曲げた状態で接合することによって上端面が開口した箱体状に形成される所定形状の1枚以上のプラスチックシート片を裁断する裁断工程と、
前記裁断工程によって裁断された1枚以上のプラスチックシート片を折曲げた状態で接合することにより、上端面が開口したプラスチックシート製箱体を形成する際に、当該プラスチックシート製箱体の外周に位置する側壁のうち、少なくとも対向する2つの側壁の上端縁に対応した前記プラスチックシート片の外側面に、前記上端縁に沿って平行に折り返すための2本の断面V字形状の溝部を溶融させて形成するとともに、前記2本の溝部の両側に隣接する外側面を溶融する溶融工程と、
少なくとも対向する2つの側壁の上端縁に対応した前記プラスチックシート片の外側面を、前記溶融工程によって溶融された前記2本の溝部の位置で外側に折曲げることによって、前記少なくとも対向する2つの側壁の上端縁を二重に構成するとともに、前記折り返し部の溶融した内面どうしを固着する固着工程とを備えたことを特徴とするプラスチックシート製箱体の製造方法。
【請求項6】
プラスチックシートによって上端面が開口した箱体状に形成されるプラスチックシート製箱体の製造装置において、
前記プラスチックシートを折曲げた状態で接合することによって上端面が開口したプラスチックシート製箱体を形成する際に、当該プラスチックシート製箱体の外周に位置する側壁のうち、少なくとも対向する2つの側壁の上端縁に対応した前記プラスチックシート片の外側面に、前記上端縁に沿って平行に折り返すための2本の断面V字形状の溝部を溶融させて形成する2本の凸部、及び前記2本の凸部の両側に隣接する平板部を有する加熱用接触子と、
前記加熱用接触子を前記プラスチックシートの表面に対して接離する方向に移動させる移動手段とを備えたことを特徴とするプラスチックシート製箱体の製造装置。
【請求項7】
前記加熱用接触子の2本の凸部によって、前記プラスチックシートの外側面に2本の断面V字形状の溝部を溶融させて形成する際に、前記加熱用接触子の凸部と前記プラスチックシートとの間に、離型性を有する薄いシートを介在させたことを特徴とする請求項6に記載のプラスチックシート製箱体の製造装置。
【請求項8】
プラスチックシートによって上端面が開口した箱体状に形成されたプラスチックシート製箱体であって、しかもその外周に位置する側壁のうち、少なくとも対向する2つの側壁の上端縁を外側に折り返して二重に構成したプラスチックシート製箱体を、上下に積み重ねるために使用されるプラスチックシート製箱体積重ね用のコーナー部材において、
前記プラスチックシート製箱体の開口した上端面の角部に固定した状態で装着される固定部と、
前記固定部に一体的に設けられ、上部に積み重ねられる前記プラスチックシート製箱体の下端に位置する角部の隣接する2つの側壁にそれぞれ当接する2つの規制板を有する規制板部とを備え、
前記規制板部の2つの規制板のうち、前記プラスチックシート製箱体の上端縁が外側に折り返えされた側壁の下端に当接する規制板を、他方の側面に当接する規制板よりも前記プラスチックシート製箱体の内側に変位させて設けたことを特徴とするプラスチックシート製箱体積重ね用のコーナー部材。
【請求項9】
前記プラスチックシート製箱体積重ね用のコーナー部材は、当該プラスチックシート製箱体の角部に位置する隣接する2つの側壁にそれぞれ取り付けられる部材に展開自在に構成されていることを特徴とする請求項8に記載のプラスチックシート製箱体積重ね用のコーナー部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【公開番号】特開2010−1066(P2010−1066A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−163415(P2008−163415)
【出願日】平成20年6月23日(2008.6.23)
【出願人】(505220860)有限会社 テクノ世紀 (5)
【出願人】(505220871)住商紙パルプ株式会社 (3)
【Fターム(参考)】