説明

プラズマエッチング装置

【課題】コイルからの誘電結合作用によって広域に均一で旺盛なプラズマを発生させることができるプラズマエッチング装置を提供する。
【解決手段】プラズマエッチング装置は、減圧可能なチャンバー1、チャンバーの内部の下側に設けられ被処理物2を保持する載置部3、チャンバー1の上部開口に臨むように配置され、交流電力が印加されてチャンバー1内の反応ガスを誘導結合によりプラズマ化し、載置部3に保持された被処理物2をエッチングするためのコイル4a,4bを備える。コイル4a,4bは、周辺部側環状域が高密度分布領域である第1のコイル系4aと、中央部側環状領域が高密度分布領域である第2のコイル系4bとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプラズマエッチング装置に関する。詳しくは、本発明は、耐圧誘電体部材を介して誘導結合あるいは、誘導結合及び容量結合によりチャンバー内で反応ガスのプラズマを発生させてエッチングを行う電極を備えるプラズマエッチング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このようなプラズマエッチング装置は既に知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0003】
特許文献1に開示された装置は、複数の貫通窓を形成した金属製の梁ないし枠体と、この枠体で支持されてチャンバーを封止する誘電体とを備える。特許文献1は、以下のように教示している。この構成により、誘電体の厚みを小さくして誘電損失を低減しつつ、金属製の梁ないし枠体の支持によって耐圧強度を確保できる。その結果、コイルからの誘電結合等により高真空で大面積にわたり高密度プラズマを発生させることが可能で、耐久性と印加電力効率に優れた低価格のプラズマ処理が実現される。
【0004】
特許文献2に開示された装置は、板状部と1つ又は複数の梁とを一体したハニカム構造の誘電体部材を備える。この誘電体部材はチャンバーの上部開口に枠体を介することなく直接的に載置されている。特許文献2は、ハニカム構造により誘電体部材自体で面強度を確保しつつ、金属製の枠体をなくすことでコイルからの高周波の損失や遮断を解消できると教示している。
【0005】
特許文献3に開示された装置は、チャンバー側の面とその反対側の面の少なくとも一方に凹部が形成された誘電体製の天板を備える。この凹部における天板の厚みは、天板の他の部分における厚みよりも小さい。具体的には、凹部における天板の厚みは、高周波が天板を伝搬するときの波長の1/2倍以下に設定されている。特許文献3は以下のように教示している。天板は薄い部分と同時に厚い部分を有することで機械的強度を十分に確保できる。また、高周波が凹部を通過する際、側方へ向かう成分が凹部の側壁で反射されるために下方に向かう指向性が強まる。凹部をチャンバーとは反対側の面に形成する場合、プラズマ発生面を被処理物から遠ざけないので指向性を高められる。指向性向上の結果、被処理物の近傍でのプラズマやラジカルの密度が改善される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−27782号公報
【特許文献2】特開2000−200698号公報
【特許文献3】特開2004−14262号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示された装置は、誘電体とは別の梁または枠体を必要とするので構造が複雑で、部品製作及び組み立てのコストが高価である。また、金属製の梁ないし枠体がプラズマ発生部の近くに位置して、高密度のプラズマにさらされる。梁はアルミニウムやステンレス鋼のような金属製であるので、特に金属コンタミネーションが発生しやすい。また、ウエハを量産する時に、プラズマエッチングにより発生した反応生成物が梁ないし枠体に付着するとチャンバー内壁側に梁ないし枠体からなる凹凸がある為、付着した反応生成物が剥がれ易くなりパーティクルが発生する為にメンテナンスサイクルが短くなる。
【0008】
特許文献2、3に開示された装置は、誘電体の薄い部分と厚い部分を一体に形成した簡易な梁構造にて機械的強度を確保している点、及び誘電体に薄い部分を設けることで高周波等を通しやすくできる点でほぼ共通する。特許文献2に開示された装置は、中央から周辺へ巻き広がるコイルが格子状の梁の全てを貫通する構成を採用している。この構成により、コイル全体が、梁の影響なく、より低い位置に、つまり誘電体下面により近く配置される。従って、コイルのどの部分に対しても高周波の損失や遮断に有利であるものの、構造や組立が複雑で高価につくものとなっている。
【0009】
一方、プラズマ処理の対象物である半導体ウエハは、大径化の一途をたどり、現時点でも200mm、300mmと大きくなり、これを取り扱うチャンバーの内径は320mm、450mmとさらに大型化している。また、エッチングは高精度化し、エッチング深さも増大している。これらの要求を満足するには、プラズマを広域に、より均等に、より旺盛に発生させる必要がある。
【0010】
また、耐圧誘電体部材下面への反応生成物の堆積量の増大が場合により問題になる。特に、不揮発材料のプラズマエッチングを行った場合、反応生成物及び/あるいは、スパッタ等の不揮発材料が耐圧誘電部材に付着する為に、コイルからの高周波誘導電界ないしは誘導結合パワーの透過率の低下及び/あるいは透過する場所が乱される為に、プラズマ密度の低下や均一性の低下が起こる。これに対し、反応生成物の除去や付着防止の面から容量結合用の電極を耐圧誘電体部材とコイルとの間に配置して対応すると、この電極はコイルから耐圧誘電体部材を介しチャンバー内に透過する高周波の損失や遮断を招くので、これを回避する必要がある。
【0011】
しかし、特許文献3に開示された装置は、耐圧誘電体部材単体による低コストで耐久性のよいチャンバー封止構造であるが、特許文献1、2の開示と組み合わせても、均等かつ旺盛なプラズマを広域に発生させられる構成は実現しない。まして、電極からの容量結合作用を反応生成物の堆積防止や除去に有効利用しながら、広域に均一で旺盛なプラズマを発生させることは実現できない。
【0012】
本発明の目的は、耐圧誘電体部材単体による低コストで耐久性のよいチャンバー封止構造にて、コイルからの誘電結合作用によって広域に均一で旺盛なプラズマを発生させることができるプラズマエッチング装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記のような目的を達成するために、本発明は、減圧可能なチャンバーと、前記チャンバーの内部の下側に設けられ被処理物を保持する載置部と、前記チャンバーの上部開口に臨むように配置され、交流電力が印加されてチャンバー内の反応ガスを誘導結合によりプラズマ化し、前記載置部に保持された前記被処理物をエッチングするためのコイルと、前記コイルの下方に位置する誘電体部材とを備え、前記コイルは、周辺部側環状域、あるいは周辺部側環状域及びその内側の1つまたは複数の環状域が高密度分布域となるように設けているプラズマエッチング装置を提供する。
【0014】
本発明のそれ以上の目的及び特徴は以下の詳細な説明及び図面によって明らかになる。また、本発明の特徴はそれ単独で、あるいは可能な範囲で複合して採用することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、コイルの密度分布の選択による所定域への均一なプラズマ発生と、低い印加電力での旺盛なプラズマ発生とが実現し、処理の高速性、低コスト性を得ながら高密度で深いエッチング処理に適したものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1参考例のプラズマエッチング装置を示す概略断面図。
【図2A】コイル、耐圧誘電体部材、及び電極を示す分解斜視図。
【図2B】耐圧誘電体部材及び電極を示す斜視図。
【図2C】耐圧誘電体部材に設けた凹部を示す断面図。
【図3】誘導結合用の電極(コイル)への同じ印加電力に対する耐圧誘電体部材の厚みとチャンバー内への透過により発生するプラズマ密度との相関性を示すグラフ。
【図4A】第1参考例の第1の変形例におけるコイルと耐圧誘電体部材を示す概略平面図。
【図4B】第1参考例の第1の変形例におけるコイルと耐圧誘電体部材を示す概略斜視図。
【図4C】第1参考例の第1の変形例におけるコイルを示す概略図。
【図5A】第1参考例の第2の変形例におけるコイルと耐圧誘電体部材を示す概略平面図。
【図5B】第1参考例の第2の変形例におけるコイルと耐圧誘電体部材を示す概略斜視図。
【図6A】第1参考例の第3の変形例におけるコイルと耐圧誘電体部材を示す概略平面図。
【図6B】第1参考例の第3の変形例におけるコイルと耐圧誘電体部材を示す概略斜視図。
【図7】第1参考例の第4の変形例におけるコイルと耐圧誘電体部材を示す概略平面図。
【図8】第1参考例の第5の変形例におけるコイルと耐圧誘電体部材を示す概略平面図。
【図9】第1参考例の第5の変形例におけるコイルと耐圧誘電体部材を示す概略斜視図。
【図10A】本発明の第2参考例のプラズマエッチング装置を示す部分概略断面図。
【図10B】コイル、耐圧誘電体部材、及び電極を示す概略平面図。
【図10C】第1の代案のコイル、耐圧誘電体部材、及び電極を示す概略平面図。
【図10D】第2の代案のコイル、耐圧誘電体部材、及び電極を示す概略平面図。
【図11A】第2参考例の変形例におけるコイルと耐圧誘電部材を示す概略平面図。
【図11B】第2参考例の変形例におけるコイルと耐圧誘電部材を示す概略斜視図。
【図11C】第2参考例の変形例におけるコイルを示す概略図。
【図12】本発明の実施形態のプラズマエッチング装置を示す部分概略断面図。
【図13】本発明の実施形態の変形例のプラズマエッチング装置を示す部分概略断面図。
【図14A】本発明の第1の変形例におけるコイル、電極、及び耐圧誘電体部材を示す概略分解斜視図。
【図14B】本発明の第1の変形例におけるコイル、電極、及び耐圧誘電体部材を示す概略平面図。
【図15】本発明の第2の変形例のプラズマエッチング装置を示す部分概略斜視図。
【図16】本発明の第3の変形例における耐圧誘電体部材とカバーを示す部分概略断面図。
【図17A】第1及び第2参考例並びに実施形態における凹部の深さの設定を示す概略部分断面図。
【図17B】第4の変形例における凹部の深さの設定を示す概略部分断面図。
【図17C】第5の変形例における凹部の深さの設定を示す概略部分断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明のプラズマエッチング装置に係る実施の形態について説明する。しかし、以下の説明は本発明の具体例であって特許請求の範囲の記載の内容を限定するものではない。
【0018】
(第1参考例)
図1から図2Bは、本発明の第1参考例にかかるプラズマエッチング装置を示す。このプラズマエッチング装置は、減圧可能で供給口1aから反応ガス10を供給して排気ガス20を排気口1bから排気するチャンバー1と、このチャンバー1の内部の下側に設けられ、載置した被処理物2を静電吸着あるいはクランプ(図示せず)等により保持する載置部3と、チャンバー1の上部開口を封止する隔壁をなす耐圧誘電体部材5とを備える。また、このプラズマエッチング装置は、耐圧誘電体部材5の上部に載置部3に対向するように設けられ、チャンバー1内の反応ガス10を誘導結合によりプラズマ6化して、載置部3に保持された被処理物2に働かせエッチング等のプラズマ処理を行わせる誘導結合用のコイル4を備える。さらに、このプラズマエッチング装置は、耐圧誘電体部材5とコイル4との間に設けられて、容量結合作用にて、プラズマ発生に伴うチャンバー1の上部開口を封止する耐圧誘電体部材5の内表面5aに反応生成物が付着するのを防止及び/あるいは除去する、容量結合用の電極7を備える。
【0019】
コイル4は誘導結合コイル(ICPコイル)であって高周波アンテナをなし、耐圧誘電体部材5を介しチャンバー1内にプラズマ6を発生させ、このプラズマ6が載置部3上の被処理物2の表面に働くことによってエッチング等のプラズマ処理を行わせる。また、電極7は交流電力が印加されるファラデーシールド電極(FS電極)であって、チャンバー1のコイル4側に位置する耐圧誘電体部材5の内表面5aに沿う一様な電界を形成してプラズマ処理時に生じる反応生成物が付着するのを防止する。耐圧誘電体部材5がなす内表面5aへの反応生成物の付着量の増大による被処理物2の異物汚染、内表面5aへの付着異物の不均一に起因した耐圧誘電体部材5の不均一な削れ等の不具合は、被処理物2である半導体ウエハの大径化によるプラズマ発生域の増大、エッチング処理の高精度化、エッチング深さの増大に対応して、印加電力の増大によるプラズマのより旺盛な発生を見込む場合に生じやすい。これらの不具合に対して、コイル4による誘導結合作用と電極7により容量結合作用の併用は有効である。反応生成物の堆積量の増大は、特に、被処理物2が不揮発材料とした場合(不揮発材料として、例えば、金、白金、イリジュウム等やそれらの酸化物、化合物を含む貴金属材料やPZT,SBT,STO等の強誘電材料が挙げられる。)に問題となる。具体的には、不揮発性材料からなる被処理物2のプラズマエッチングを行った時、反応生成物及び/あるいは、スパッタ等の不揮発材料が耐圧誘電部材に付着する為に、コイルからの高周波誘導磁界ないしは誘導結合パワーの透過率の低下及び/あるいは透過する場所が乱される為に、プラズマ密度の低下や均一性の低下が起こやすい。このような問題を有する被処理物2が不揮発材料の場合に、コイル4による誘導結合作用と電極7により容量結合作用の併用がより有効となる。
【0020】
高速のプラズマ処理プロセスのために、載置部3には下部電極が構成され、この下部電極には、バイアス電力の印加として電源15から整合器としてのコンデンサ16等を介し交流電力、主として高周波電力を供給し、プラズマ6を被処理物2側に働かせるようにする。
【0021】
誘導結合作用のためのコイル4には、電源11から主として高周波電力を整合器としての可変コンデンサ12等を介して供給し、所定のエッチレートでプラズマ処理できるようにする。また、コイル4は後に詳述する立体的な配置形態等も含めプラズマ6が被処理物2の表面に一様な密度分布をもって発生するように調整され、被処理物2の表面が設定したエッチレートにて均一にプラズマ処理されるようにする。高周波電力は一般に30kHz〜300GHz程度の交流電力とされるのに対し、プラズマ発生装置に適用される高周波範囲は通常HFと称される3〜30MHz程度の狭い範囲の交流電力である。
【0022】
容量結合作用のための電極7には、電源13から整合器としての可変コンデンサ14等を介してコイル4の場合と同様な高周波、あるいはそれ以下の低周波の交流電力を供給し、可変コンデンサ14の調整によってチャンバー1のコイル4側(上部開口側)に位置する耐圧誘電体部材5の内表面5aに反応生成物が付着するのを防止及び/あるいは付着した反応生成物を除去できる。
【0023】
以下、コイル4について詳細に説明する。
【0024】
図1及び図2Aを参照すると、本参考例では、コイル4の周辺部4f側は平板電極間の間隔が狭く高密度分布であり、中央部4g側は周辺部4f側よりも平板電極間の間隔が広く低密度分布である。低密度分布であるコイル4の中央部4gに交流電力が印加される。具体的には、コイル4は、中央部4g側から周辺部4f側へ円形に巻き広がる多条(4条)の平板状電極(導体)で構成され、周辺部側での巻き数、つまり平板状電極の配置密度が、中央部側よりも高くなるようにしている。また、高周波電力の印加は中央の支持軸100に放射状に設けた電極印加片101を通じて行い、分岐している複数のコイルの電極の外周端をアースに接続している。コイル4の側方視の形状としては、周辺部4f側が中央部4g側よりもチャンバーの上部開口を封止する耐圧誘電体部材5の上面に近づくように構成されている。言い換えれば、コイル4の周辺部4f側は中央部4g側よりも高さが低い。
【0025】
コイル4は、周辺部4f側が中央部4g側よりも高密度である配置密度と、周辺部4f側が中央部4g側よりも低い側方視での形状とを有することにより、チャンバー1内の周辺環状域に誘導結合パワーを集中させ、それによってチャンバー1の周壁上部に設けた供給口1aから矢印で示すように供給される反応ガスを励起することにより発生するプラズマ6がチャンバー1内の被処理物2の上面に均等に及ぶようにしている。言い換えれば、チャンバー1の周辺側環状域に集中して大きな領域で働くようにしたコイル4と、少なくとも周辺側環状域側の側壁から反応ガスが供給されるチャンバー1との組み合わせによって、被処理物2の上面にプラズマ6が均等に及ぶようにしている。詳細には、チャンバー1内では、大きな領域である周辺側環状域側の側壁の供給口1aからの供給される反応ガスに、チャンバー1の側壁に沿った環状域に注入されながら減圧された中央部へと満ち広がる挙動が与えられる一方、コイル4は反応ガスの環状な注入域に対しこれに対応した分、直近に位置する周辺部4f側から大きな領域で前記集中した誘導結合作用を効率よくかつ均一に与えるので、旺盛にむらなくプラズマ化して中央部にまで充満させることになり、より広域に均一で旺盛なプラズマを発生させることができる。
【0026】
特に、本参考例では、図1に示すようにチャンバー1の側壁の上部から反応ガスを供給しているので、反応ガスの環状の注入域がコイル4に対し平面方向に加え、高さ方向でも直近となり、誘導結合作用の効率をさらに高められ、反応ガスがプラズマ化して減圧されたチャンバー1の中央部に加え、下部へも充満する。従って、反応ガスの供給口1aを上下に配列することは必須とならない。しかし、供給口1aはチャンバー1の周方向には前記環状な注入域での反応ガスが周方向に過不足やむらが生じない均等にするといった配列条件を満足するのが好適である。
【0027】
前述のように、コイル4の中央部4gは、周辺部4fよりも低密度であり、かつ周辺部4fよりも高い位置にある。そして、このコイル4の中央部4g側に支軸100から高周波電力が印加される。言い換えれば、コイル4は、高周波電力の印加点での密度が低く、かつ印加点が耐圧誘電部材(チャンバー1のプラズマ発生域)5から離れるように、立体的に構成されている。このコイル4の立体的構成により、コイル4の高周波誘導磁界ないしは誘導結合パワーの印加点及びその近傍の高い印加電圧により、チャンバー1内に発生したプラズマと印加点側の高い印加電圧とが容量結合し、耐圧誘電部材5に対する削れがより多く発生して耐圧誘電部材5の消耗が起こることを抑制する。従って、発生したプラズマが被処理物2の被処理面に均等に作用しやすく処理むらのない高精度なプラズマエッチングができる。
【0028】
コイル4の巻き構成は、1条とすることができるし、途中1段階または複数段階にて2以上の複数条に並列になるように分岐するようにしてもよい。巻き形状は矩形であってもよく、コイル4の電極の長手方向に対する断面形状は、平板状電極に代えて線状電極としてもよい。
【0029】
以下、耐圧誘電体部材5について説明する。
【0030】
一般に、本参考例のように石英等の材質の耐圧誘電体部材5単体でチャンバー1を封止する単純構造では、耐圧強度を高めるために耐圧誘電体部材5の厚みが大きくなって、コイル4からの耐圧誘電部材5を介してチャンバー1内への高周波誘導磁界ないし誘導結合パワーの透過の損失を高めてしまい、コイル4に対する印加電力効率が低下する問題がある。これを特許文献1に記載のように誘電体とこれを支持する梁または枠体とで構成するのでは構造が複雑になってコスト上昇の原因になってしまうし、メンテナンスにも分解部品数、組み立て部品数、手間が増大してしまう。
【0031】
そこで、本参考例では、チャンバー1の上部開口を単体で封止する耐圧誘電体部材5において、耐圧強度を低下させないでコイル4の印加電力効率を高めるため、図2Aに最も明瞭に示すように、耐圧誘電体部材5の上面にコイル4の分布密度に応じて、互いに不連続ないし互いに独立した複数の凹部5cを設けて、それ以外の連続する厚肉部5bとしている。凹部5cの部分における耐圧誘電体部材5の厚みは、厚肉部5bにおける耐圧誘電体部材5の厚みよりも小さく、この凹部5cの底部をコイル4が発生する高周波誘導電磁界が通過するので、凹部5cの部分では、コイル4からの高周波誘導電磁界ないしは誘導結合パワーの透過率が高まる。コイル4からの高周波誘導電磁界ないしは誘導結合パワーは、コイル4の巻き密度である分布密度に対応している。すなわち、コイル4の分布密度が高い程、高周波誘導電磁界ないしは誘導結合パワーも強い。従って、凹部5cをコイル4の分布密度に応じた密度で設けることが好ましい。具体的には、耐圧誘電体部材5の凹部5cは、コイル4の中央部4g側より周辺部4f側の方が個数あるいはその面積をより多く配置することが好ましい。凹部5cをコイル4の分布密度に応じた密度で設けることにより、コイル4から耐圧誘電体部材5を介してチャンバー1内の反応ガス10に働く高周波誘導磁界ないしは誘導結合パワーの耐圧誘電体部材5による損失がより効果的に低減され、コイル4に対して交流電力の印加電力効率が高まる。
【0032】
凹部5c以外の連続する厚肉部5bは、凹部5cの底の厚みよりも大きな厚みを有した領域であり、独立した凹部5cを囲うように凹部5cとの一体構造をなしている。言い換えれば、凹部5cと厚肉部5bは、一体構造(本参考例では円板状)の耐圧誘電体部材5の別の部位に過ぎない。従って、凹部5cと厚肉部5bとの間では、シールや浮きによる受圧面積増大等による機械的強度や耐久性の低下の問題が生じる余地がなく、厚肉部5bによって凹部5cの個数と面積に見合った受圧面積を確保できる。このように、連続した厚肉部5bを設けることにより、凹部5cで厚みが小さいことによる耐圧強度低下の回避しつつ、耐圧誘電体部材5全体の耐圧強度を十分に確保できる。
【0033】
凹部5cは、耐圧誘電体部材5が石英等の自然物であれば穴ぐり加工によって簡単に形成できるし、耐圧誘電体部材5が成形品であれば成形時に一挙に形成することができる。また、耐圧誘電体部材5は梁ないし枠体等の他の構造物を介することなくチャンバー1の側壁に直接的に載置されて上部開口を封止する点で、構造が簡単でメンテナンス性もよく、低コストである。
【0034】
以上のように、コイル4の側のチャンバー1の上部開口を封止している耐圧誘電体部材5がコイルの巻き密度の分布密度に対応して設けられた互いに独立した凹部5cとそれ以外の領域に連続した厚肉部5bとを有する構造は、十分な耐圧強度を確保でき、簡単な構造でメンテナンス性もよく、低コストであるだけでなく、コイル4の巻き密度の分布密度に対応しているコイル4からの高周波誘導電界ないしは高周波誘導磁界ないしは誘導結合パワーの損失を低減して交流電力の印加効率できるので、コイル4による所定域への均一なプラズマ発生と、低い印加電力での旺盛なプラズマ発生とを実現できる。その結果、処理の高速性、低コスト性を確保しつつ、高密度で深いエッチング処理を実現できる。
【0035】
凹部5cの形状、寸法、配置を適切に設定することで、耐圧誘電体部材5の連続する厚肉部5bの厚みを凹凸のない単なる板状の耐圧誘電体部材と同じ厚みに設定しても、十分な耐圧強度が得られる。高周波誘導電界ないしは誘導結合パワーの損失低減の面では、凹部5cの深さは連続する厚肉部5bの厚みに対して深いほど好適であるが、凹部5cの形状パターンや大きさ、配列パターンによって許容度が異なる。
【0036】
以下、コイル4の分布密度と凹部5cとの関係について説明する。
【0037】
本参考例では、前述のようにコイル4は耐圧誘電体部材5の中央から周辺へ平板電極が円形に巻き広がる配置とし、周辺部側での巻き数、つまり配置密度が高くなるようにしている。配置密度に応じてコイル4の周辺部4f側で高周波誘導磁界ないしは誘導結合パワーの分布が集中して生じるので、コイル4の周辺部4f側と対向する耐圧誘電体部材5の周辺部の環状域5d1(図2B参照)に凹部5cを集中配置することで、高周波誘導磁界ないしは誘導結合パワー損失少なく透過させて印加電力効率を高めている。具体的には、凹部5cはコイル4の長手方向にほぼ直交する向きに延び、耐圧誘電体部材5の周方向に並んで多数設けられている。また、凹部5cは耐圧誘電部材5の中央部側から周辺部側へ向かう方向に放射状に配置されているので、凹部5c間の厚肉部5bは耐圧誘電体部材5の変形方向に沿ってその強度が向上する。以下、これらの特徴について詳細に説明する。
【0038】
図1及び図2Aに示すように、コイル4からの電磁界は、平板電極間の間隔が狭く高密度分布であるコイル4の周辺側においてコイル4(平板電極)の長手方向に実質的に直交する方向に発生し環状に広がる。この電磁界の分布に対応して、凹部5cはコイル4の長手方向に実質的に直交する方向に延びるように設けており、これにより印加電力効率を高めている。凹部5cが対応するコイル4に実質的に直交する方向性を有することによって、コイル4に実質的に直交する方向に広がって発生する電磁界の透過の損失を低減し、高周波誘導磁界ないしは誘導結合パワーの透過の低下を抑制できるので、必要な印加電力効率を高めることができる。
【0039】
チャンバー1の上部開口部の内側に位置する受部の部分が実質的に耐圧誘電体部材5を支持している。この受部で支持されている部位には、特にチャンバー1内の真空発生により、大きなせん断力が発生する。本参考例では、凹部5cの外側の端部と上部開口部の内側の受部と間隔が開けられている。言い換えれば、凹部5cは、チャンバー1の上部開口部の内側の受部にかからない構成としている。この構成により、耐圧誘電部材5の必要な耐変形性、耐久性を確保できる。
【0040】
また、凹部5cは耐圧誘電体部材5のほぼ径方向に延びており、放射状に配置されているので、耐圧誘電体部材5の耐圧強度を確保できる。具体的には、本参考例のように円形の耐圧誘電体部材5の周辺部がチャンバー1で支持される場合、チャンバー1内の真空の受圧による耐圧誘電体部材5の面内応力は中央部から周辺部に向けて増大し、各半径位置での内部応力は周方向に均等になる。凹部5cは耐圧誘電体部材5の中央部から周辺部側(チャンバー1による受部側)へ向かう方向に延びており放射状に配置されているので、前述のように高い面内応力が作用する耐圧誘電体部材5の周辺部側では、凹部5cの周方向配列ピッチが中央部側と比較して広くなるので、耐圧誘電体部材5の耐圧強度を確保できる。本参考例のように凹部5cを長円型の細長な溝形状とすることで、凹部5cが耐圧誘電体部材5の径方向に延びるように放射状に配置されていることによる耐圧強度確保の効果を最大限発揮できる。なお、前記実質的な直交の角度範囲は、例えば、直交角度に対し例えば±15°程度として有効である。
【0041】
図2Aに示すように、コイル4の平板電極間の間隔が広く低密度である耐圧誘電体部材5の中央部側では凹部5c設けていないので、穴ぐり加工等の凹部5cを形成するための加工が不要であり、加工の手間が省ける。また、このように耐圧誘電体部材5の中央部側では凹部5cを省略することによって、耐圧誘電体部材5の全体の耐圧強度を高めることもできる。
【0042】
以下、本参考例における凹部5cの形状、配置等についてさらに具体的に説明する。
【0043】
図2A及び図2Bに示すように、本参考例における凹部5cには、2種類の凹部5c1,5c2が含まれる。一方の凹部5c1は耐圧誘電体部材5の周辺部側に位置する1つの環状域5d1で中央部側から周辺部側へ向かう方向で放射状に配列された細長い形状を有する。他方の凹部5c2は環状域5d1よりも内周側の環状域5d2から周辺部側へ向かう方向で放射状に配列された細長い形状を有する。言い換えれば、凹部5c1は、外側の端部は耐圧誘電体部材5の周辺部に位置し、内側の端部は環状域5d1,5d2の境界に位置するが、凹部5c2は、外側の端部が耐圧誘電体部材5の周辺部に位置し、内側の端部が環状域5d2内に位置している。つまり、本参考例における凹部5cは、周辺の環状域5d1にのみ存在する凹部5c1と周辺の環状領域5d1と内側の環状域5d2の両方に存在する凹部5c2とにより構成されている。また、凹部5c1と凹部5c2を周方向に交互に設けている。これらの凹部5c1,5c2によってチャンバー1内に対するコイル4の高周波誘導磁界ないしは誘導結合パワーの透過の損失を低減し、印加電力効率を高めるようにしている。また、細長い凹部5c1、5c2を高密度で配置することによる誘電損失の低減度、印加電力効率向上を達成しつつ、凹部5c1、5c2の特に周方向での密集度を低減して耐圧誘電体部材5全体の強度を有利に確保できる。
【0044】
各環状域5d1、5d2において、凹部5c1、5c2が周方向に交互に配置されている。細長い凹部5c1、5c2の相互の接近度を抑えながら配列密度を高めて誘電損失の低減度、印加電力効率をさらに高められる。また、内周側の環状域5d2まで延びている凹部5c2は、周辺の環状域5d1において凹部5c1に対して周方向から見て部分的に重畳している。この凹部5c1、5c2の配置により、外側の環状域5d1よりも円周距離が小さくなる内周側環状域5d2における周方向の凹部5c間の接近度を抑えながら凹部5cの配列密度を高め、コイル4からの耐圧誘電体部材5を介したチャンバー1内への高周波誘導磁界ないしは誘導結合パワーの透過の損失の低減度、印加電力効率をさらに高められる。つまり、印加電流効率を高めて、しかも円周距離が外周側の環状域5d1に対し小さくなる内周側の環状域5d2において凹部5c1、5c2等が徒に密集して耐圧誘電体部材5の耐圧強度が低下することを抑制している。
【0045】
凹部5cの面積域での高周波誘導磁界ないしは誘導結合パワーの透過の損失の低減効果は、厚肉部5bに対して肉圧が薄い度合いに比例して高まるので、このような面からは凹部5cの深さは大きいほど好適といえる。しかし、あまりにも深く凹部5cでの肉厚が薄くなりすぎると耐圧誘電体部材5の耐圧強度や削れに対する寿命に影響するので、限度がある。本参考例では、図2Cに示すように、石英よりなる耐圧誘電体部材5の厚みにおいて、厚肉部5bが25mmであるのに対し、凹部5cでの底の肉部の厚みを10mmにして十分な耐圧強度、削れ寿命を満足した。具体的には、図3に示すような、コイル4への印加電力を同じにしたときの耐圧誘電体部材5の肉厚の厚みとチャンバー1内に得られるプラズマ密度Ne(cm-3)との相関性から、プラズマ密度Ne(cm-3)は、例えば従来の厚み25mmでは3×1010cm-3であるのに対し、凹部5cでの厚み10mmでは1.2×1011と約4倍となる。なお、凹部5cの底部のコーナ部は図2Bに示すようなアール面とすることで、角張ることによる応力の集中を緩和し、凹部5cの耐圧誘電体部材5の耐圧強度に対する悪影響を低減している。また、凹部5cどうしの近接部での凹部5cの角張り度合を低く抑えておくことが耐圧上有利である。
【0046】
次に、電極7について説明する。
【0047】
耐圧誘電体部材5とコイル4との間に位置する電極7は、コイル4からの高周波誘導磁界ないし誘導結合パワーを透過させない静電遮蔽をなすので、少なくとも耐圧誘電体部材5に設けた凹部5cに対応する範囲、好ましくは凹部5c周辺におけるコイル4からの有効作用域を含む範囲で、図2Bに示すような高周波透過部7aを形成している。本参考例では、高周波透過部7aは電極7の外周縁から中心に向けて延びる厚み方向に貫通したスリットないし切り込みである。しかし、高周波透過部7aは、厚み方向に関するように形成された窓部であってもよい。高周波透過部7aは、コイル4の長手方向に実質的に直交する方向に延びており、この高周波透過部7aが延びる方向は、コイル5からの電磁界の広がり向きと一致する。凹部5cと電極7の高周波透過部7aとは、コイル4側から見たチャンバー1の平面視方向において少なくとも一部が重なり、図2Bに示すように凹部5cと高周波透過部7aとが上下に対応するように配置すればよい。
【0048】
電極7は耐圧誘電体部材5とコイル4との間に位置して、容量結合作用にてプラズマ発生に伴う耐圧誘電体部材5の内表面5aへの反応生成物の付着防止ないし除去できる。また、コイル4の分布密度に応じた密度で耐圧誘電体部材5に設けた凹部5cと対応して(コイル4側からの平面視方向において少なくとも一部が凹部5cと重なるように)電極7に高周波透過部7aを設け、かつ高周波透過部7aはコイル4からの電磁界の広がり向きと一致する向きに延びているので、コイル4からの電磁界ないしは誘導結合パワーの透過を電極7が妨げず、その結果、高い印加電力効率を確保することができる。言い換えれば、凹部5cと高周波透過部7aを重ねて配置したことにより、耐圧誘電体部材5の厚み方向に対し損失少なく透過する高周波誘導磁界ないしは誘導結合パワーの作用域を確保できる。このように、電極7に高周波透過部7aを設けたことにより、コイル4からの誘導結合パワーの損失を抑制しつつ、容量結合作用による耐圧誘電体部材5の内表面5aへの反応生成物の付着防止ないし除去を実現できる。
【0049】
図4Aから図9は、第1参考例の種々の変形例を示す。
【0050】
図4A及び4Bに示す変形例では、主として内周側の方向に短い凹部5c1と内周側の方向に長い凹部5c2とを周方向に交互に多数設けて配置し、内周側に対する凹部5c1の径方向長さを凹部5c2の径方向長さよりも短くすることで、内周側の環状域の周方向での近接度を低減し、コイル4からの高周波誘導磁界ないしは誘導結合パワーの誘電損失をより低減して印加電力効率を増大させながら、耐圧誘電体部材5の耐圧強度の低下を抑えられる。また、図4A及び4Bに示す例では、第1参考例と同様に、耐圧誘電部材5の周辺部側環状域に対応する外周端に高密度に巻き数を増大させたコイル4を、耐圧誘電体部材5の凹部5c1、5c2双方と対応させるように組み合わせている。
【0051】
図4A及び図4Bの例では、特に、凹部5cは、チャンバーの上部開口を封止する耐圧誘電体部材5のコイル4側の上面に位置させたことを利用して、コイル4の耐圧誘電体部材5の凹部5cとの対応部分する部分を凹部5c内に嵌り込ませることにより凹部の溝部内にコイル4が入り込むように配置し、それによって誘導結合対象であるチャンバー1内の反応ガス10との距離をさらに短くして、印加電力効率を高めるようにしている。このように、コイル4からのチャンバー1内への耐圧誘電体部材5を介した高周波誘導磁界ないしは誘導結合パワーの透過損失を低減する凹部5cを、耐圧誘電体部材5のコイル4側の上面に設けることにより、この凹部5cを利用して対応するコイル系4a及び/あるいは4bを凹部5c内に受け入れ誘導結合距離を小さくでき、その小さくできている分だけチャンバー1内の反応ガス10に働く誘導結合パワーを高めて印加電力効率を高められる。なお、本例のコイル4は、凹部5cへの嵌り込みのための下向きに途中屈曲部を形成する関係上、屈曲変形が容易な線材である断面円形な丸線のような線状電極を用いるのが好適である。
【0052】
図5A及び5Bに示す例では、特に、耐圧誘電部材5の凹部5cを、コイル4のコイルの巻き密度が高いコイルラインとの直交方向に対し、±15°内で傾けることによって実質的な直交条件を満足して、コイル4からの高周波誘導電磁界ないしは誘導結合パワーの損失の低減に有利な方向性を活かしながら、周方向の凹部5c間の接近ないしは密集度を低減できるようにして耐圧誘電体部材5の耐圧強度低下を抑えられる。凹部5cのコイルラインの直交線に対する傾きを符号θで示す。コイル4の耐圧誘電体部材5の凹部5cとの対応部分する部分を凹部5c内に嵌り込ませることにより凹部の溝部内にコイル4が入り込むように配置している点は、図4A及び4Bの例と同様である。
【0053】
図6A及び図6Bに示す例では、特に、凹部5cを周方向に長く形成した構成では、コイル4の周方向に、より長く連続して誘導結合パワーの誘電損失を低減できるようにして、印加電力効率の増大に有利としながら、その分、同一径上の周方向の隣接する凹部5cの配置間隔を大きく空けて、周方向に長い凹部5cによる耐圧誘電体部材5の耐圧強度低下への悪影響を抑えられるようにしてある。また、コイル4のコイルの巻き密度が高い外周端側領域に対する外周側方向の凹部5c3と内周側方向の凹部5c4とを周方向交互に配置した千鳥状の配列とすることで、周方向に長い凹部5cの同一径上の周方向間での接近を軽減し、これらにより、周方向の凹部5cによる耐圧誘電体部材5の耐圧強度低下への悪影響を抑制する。コイル4の耐圧誘電体部材5の凹部5cとの対応部分する部分を凹部5c内に嵌り込ませることにより凹部の溝部内にコイル4が入り込むように配置している点は、図4A及び4Bの例と同様である。
【0054】
図7に示す例では、特に、図5A及び5Bに示す周方向の凹部5c3、5c4に代えて、周方向に長い凹部5c3、5c4に対して、周方向に短い形状の円形などの凹部5c5を周方向に等間隔で配列して、凹部5cの周方向全域での連続性を緩和し、耐圧誘電体部材5の耐圧強度低下への影響を抑えている。この場合も、周方向に等間隔で配列としたが、凹部5c5は外周側方向寄りのものと、内周側方向寄りのものとの千鳥状の配置にすることもできる。
【0055】
凹部5cは耐圧誘電体部材5の耐圧強度を損なわない範囲でボリュームを小さくして軽量化するので、組立てやメンテナンス時の取り扱いが容易になる。このような面からは総配置面積は多いほど好適となる。そこで、図8示す例では、コイル4の周辺部側環状域の外周端側での高密度分布に対応した高密度配置を踏襲しながらも、高周波誘導磁界ないしは誘導結合パワーの分布やコイル4の低密度分布の領域に関係なく千鳥状配置とする等して耐圧誘電体部材5をいわゆるハニカム構造の形態に形成することで、耐圧強度とコイル4からの高周波誘導磁界ないしは誘導結合パワーの誘電損失の低減とそれによる印加電力効率の向上を十分に図った上で、限度一杯の軽量化が図れる。図8に示す例では、千鳥状に配置した凹部5cにより耐圧誘電体部材5が前記したハニカム構造となるようにするため、正八角形としているが、これに限られることはなく、六角形、楕円、円形など自由であり、応力の集中を避けるために凹部内隅のコーナの形状はアール形状が好ましい。また、図8に示す例では、コイル4が配置されているのに最外周部で正八角形の凹部5cが配置できない領域にも、正八角形の一部分の形状となる凹部5c6を配置して耐圧誘電体部材5の周辺側の環状域にコイル4の巻き密度であるコイル分布密度に対応した凹部5cの配置密度を高め、コイル4からチャンバー1内への耐圧誘電体部材5を介した高周波誘導磁界ないしは誘導結合パワーの透過損失の低減を有利にしている。
【0056】
図9に示す例では、コイル4の渦巻状に巻回した先端部分を円形の凹部5c内に嵌り込ませることにより、凹部5cの溝部内にコイル4が入り込むように配置し、それよって誘導結合対象であるチャンバー1内の反応ガス10との距離をさらに短くして、印加電力効率を高めるようにしている。
【0057】
(第2参考例)
【0058】
図10A及び10Bは、本発明の第2参考例にかかるプラズマエッチング装置を示す。
【0059】
プラズマ処理の対象物である半導体ウエハは、大径化の一途をたどり、現時点でも200mm、300mmと大きくなり、これを取り扱うチャンバーの内径は320mm、450mmとさらに大型化している。また、エッチングは高精度化し、エッチング深さも増大している。これを満足するにはプラズマを広域に、より均等に、より旺盛に発生させる必要があり、そのためにはチャンバー内への反応ガスの供給に対応して耐圧誘電部材の周辺部側の周辺部側環状域のコイルの高密度分布域から高い高周波誘導磁界ないしは誘導結合パワーを働かせるのが有効であるが、広いプラズマ発生域に対応した大径コイルでは、その中央部側でのプラズマ発生が弱くなる。そこで、プラズマ密度の均一性を良化する為に、耐圧誘電部材5より上に位置する電極(誘導結合用)である上部電極(コイル)4及び耐圧誘電部材5と被処理物2を保持する載置部3とのチャンバーの高さ方向における間隔を広げることにより、チャンバー内の周辺部側に発生したプラズマがその中央部側へ拡散することで均一性を保つ必要がある。しかし、この場合はチャンバー容量が大きくなるため、必然的にプラズマ密度の低下を招き、大面積で高均一なプラズマと高度なプラズマを発生させることがともに成り立ち難くなる。
【0060】
これに対し、本参考例では、チャンバー1の周辺部側環状域だけでなくその内側の中央部側の1つまたは複数の環状域にもコイル4の巻き数を増大させた高密度な配置域を持たせてプラズマ6を均一化している。
【0061】
具体的には、本参考例では、コイル4は、耐圧誘電体部材5の周辺部の環状域5d1(図2A参照)で巻き数を増大させて分布密度を高めたコイル系4aと、耐圧誘電体板5の環状域5d2(図2A参照)よりも内周側の環状域5d2で巻き数を増大させて分布密度を高めたコイル系4bとから構成されている。いずれのコイル4a、4bも同一平面上でそれぞれの外周端側で高密度になるように巻き数を増大させている。このように、コイル4は、耐圧誘電体部材5の外周縁付近と、耐圧誘電体部材5の中心と外周縁の中間領域とで分布密度を高めている。コイル系4a,4bは中央支持軸100の実質的な共通の高さ位置から分岐させており、共通の電源11から高周波電力が供給される。
【0062】
いずれのコイル系4a,4bも、チャンバー1の上部開口を封止する耐圧誘電体部材5の上面側に位置する中央部から周辺部に向け斜め下向きに巻き広がらせて、既述したように高密度分布域を低密度分布域よりもチャンバーの上部開口を封止する耐圧誘電体部材の上面に近づくように、高さ方向にて低く構成されている。換言すると、いずれのコイル系4a,4bも、周辺部側の高密度分布域をプラズマ発生域に近づけ、コイル4の中央部側の高周波電力の印加点が耐圧誘電部材より離れるようにコイルを立体的に構成している。
【0063】
このような周辺部側と中央部側の2つの環状域に巻き数を増大させてコイル4の分布密度を高めた巻き形態では、コイル4が高密度となっている周辺部側環状域の外周端側寄り局部位置からの集中的な誘導結合作用にて、より広域でのプラズマの発生に対応しながら、周辺部側環状域のプラズマ発生域の増大に起因して周辺部側環状域の内側でのプラズマ発生に不足が生じることがある場合に、コイル4が、周辺部側環状域に加え、1つまたは複数の中央部側環状域を有していることにより、周辺部側環状域同様の高密度の局部からの集中した有利な働きを踏襲して、前記不足を補うことでき、より大径なウエハの処理に好適である。
【0064】
図10Bに示すように、本参考例における耐圧誘電体部材5の上面5aに形成された凹部5cは、環状域5d1(図2A参照)において耐圧誘電体部材5の径方向に延びる凹部5c3と、耐圧誘電体板5の環状域5d2(図2A参照)よりも内周側の環状域5d2で耐圧誘電体部材5の径方向に延びる凹部5c4とを備える。凹部5c3はコイル系4aの外周部の分布密度を高めた部分に対応して形成されており、凹部5c4はコイル系4bの外周部の分布密度を高めた部分に対応して形成されている。耐圧誘電体部材5の周方向に見ると、凹部5c3に対して1個置きに凹部5c4が耐圧誘電体部材5の径方向に一列配置されている。
【0065】
図10Bに示すように、本参考例における電極7には、2種類の高周波透過部7a1,7a2が形成されている。一方の高周波透過部7a1は、一列配置された凹部5c3,5c4に対応して設けられており、電極7の外周縁から中央付近まで延びる厚み方向に貫通するスリットないし切欠である。他方の高周波透過部7a2は、凹部5c4と一列配置されていない凹部5c3に対応して設けられており、電極7の外周縁から中央付近まで延びる厚み方向に貫通するスリットないし切欠であるが、高周波透過部7a1よりも短い。言い換えれば、高周波透過部7a1は耐圧誘電体部材5の環状領域5d1,5d2(図2A参照)の両方にわたって形成されているが、高周波透過部7a2は耐圧誘電体部材5の外側の環状領域5d1(図2A参照)にのみ形成されている。
【0066】
図10Cに示すように、外側の凹部5c3に対応して電極7の外周縁から延びるスリットないし切欠である高周波透過部7a3と、内側の凹部5c4に対応して電極7の外周と中央の中間(誘電体部材5の環状領域5d1)に形成された窓部である高周波透過部7a4とを電極7に設けてもよい。また、図10Dに示すように、外側と内側の凹部5c3,5c4にそれぞれ対応して窓部である高周波透過部7a5,7a6を電極7に設けてもよい。
【0067】
図11Aから11Cは、第2参考例の変形例を示す。
【0068】
この例では、第2参考例と同様に、周辺部側環状域で巻き数を増大させるコイル系4aと、中央部側環状域で巻き数を増大させるコイル系4bとを、中央から巻き広がる1つのコイル材により形成したコイル4にて形成し、周辺部側環状域でのコイル系4aを、耐圧誘電体部材5に形成された第1参考例と同様の形状及び配置の凹部5c1、5c2(図2A及び図2B参照)に対応させている。中央部側環状域でのコイル系4bは凹部5c2に対応させるように組み合わせ、凹部5c2が凹部5c1よりも中央側に長くしたことを利用してコイル系4bが凹部5c2に対応し、コイル系4bからの電界の透過を高めている。その結果、中央部側環状域での反応ガスに及ぼす高周波誘導磁界ないしは誘電結合パワーを高め、より広域でのプラズマの発生に対応しながら、より大径なウエハの処理に好適であるように均一化が図れる。
【0069】
このように、コイル4を周辺部側のコイルの高密度環状域の内周側に1箇所ないしは複数箇の高密度な中央部側環状域を設ける場合には、その1箇所ないしは複数箇の高密度な中央部側環状域にも対応して凹部5cを集中配置することにより、それら1箇所ないしは複数箇の高密度な中央部側環状域からの集中した高周波誘導磁界ないしは誘電結合パワーを損失少なくチャンバー1内に透過させることができる。
【0070】
(実施形態)
図12は、本発明の実施形態にかかるプラズマエッチング装置を示す。
【0071】
本実施形態では、周辺部側環状域で巻き数を増大させるコイル系4aと、中央部側環状域で巻き数を増大させるコイル系4bとを、共通の中央支持軸100を通じてそれぞれ異なった高さから巻き広がるよう上下2段に個別配置し、いずれのコイル系4a、4bも同一平面上で巻き数を増大させている。また、スプリッタ19を設けることにより共通の電源11から個々のコイル系4a、4bに対して別個に高周波電力を供給している。これにより個々のコイル系4a、4b毎に、すなわち耐圧誘電体部材5の径方向の領域に応じて高周波電力の供給量を調整できるのでチャンバー1内に発生するプラズマをより均一化できる。コイル4a、4bは別個の平板電極を個別に巻回して形成しているが、少なくとも絶縁性材料を含む共通の中央支持軸100で支持されている。この点で、コイル4a,4bの支持構造が簡略である。
【0072】
スプリッタ19を使用せずに、別個の2つの電源から個々のコイル系4a,4bに対してそれぞれ高周波電力を供給してもよい。また、コイル系4a,4bに対して共通の電源から同一の高周波電力を供給する構成も可能である。この場合、共通の中央支軸100は導電性材料で構成され、同一の高周波電力を印加する。
【0073】
外側のコイル系4aと内側のコイル系4bとの間には、接地された金属製のフードないし囲いであるシールド200が配置されている。このシールド200を設けることにより、コイル系4aが発生する電磁界とコイル系4bが発生する電磁界との干渉を防止できるので、電源から供給される高周波電力に対する個々のコイル系4a,4bが発生する高周波誘導電磁界ないし誘導結合パワーの発生効率を向上できる。
【0074】
図13は、実施形態の変形例を示す。この図13の例は、内側のコイル系4aを立体形状とせずに、平面構造としている点が実施形態と異なる。
【0075】
図14Aから図17Cを参照して、本発明の種々の変形例を説明する。
【0076】
図14及び図14Bは電極7の変形例を示す。この電極7は、中央部7bから径方向に放射状に延びる複数の主枝状部7cを備える。個々の主枝状部7cの基端と先端の間の部分からは主枝状7dよりも十分に短い副枝状部7dが分岐している。径方向に互いに隣接する主枝状部7c間の隙間が高周波透過部7aとして機能する。個々の高周波透過部7aは耐圧誘電体部材5の凹部5cに対応して設けられている。
【0077】
図15に示す変形例では、誘導結合のための電極301はコイル状ではなく同一平面上でジクザグ状の屈曲させた1本の導体からなる。具体的には、電極301は同一平面上で互いに間隔をあけて平行に配置された複数の長尺部301aと、隣接する長尺部301aとを接続する短尺部301bとを備える。耐圧誘電体部材5は円板状ではなく矩形板状であり、電極301の長尺部301aに対応する位置に平面視で矩形状の凹部5cが上面に形成されている。また、FS電極である電極7も矩形板状であり、耐圧誘電体部材5の凹部5cと対応する位置に、平面視で矩形状である窓部からなる高周波透過部7aが厚み方向に貫通するように形成されている。さらに、隣接する長尺部301aの間には接地された金属製の平板であるシールド201が配置されている。電磁界は長尺部301が延びる方向に対して直交する平面上に発生する。隣接する長尺部301が発生する電磁界間の干渉は、板状のシールド201によって防止される。シールド201は、すべての301部301a及び301部301bを覆うフードないしは囲いの形態としてもよい。
【0078】
図16に示すように、耐圧誘電体部材5の下に別体のカバー21を備えることで、耐圧誘電体部材5の消耗を防ぐことができる。例えば、カバー21の材質は、反応ガスとしてCl系ガスを用いる場合は石英、SiN、SiC等を用い、F(フッ素)ガスを用いる場合はAlN、Al2O3、Y2O3等を用いることで、カバー21の消耗を軽減することができる。
【0079】
図17Aに示すように、第1及び第2参考例並びに実施形態では、耐圧誘電体板5に設けられた凹部5cは深さが一定であり、凹部5cの部分での耐圧誘電体板5の厚み(第1の厚み)は一定である。しかし、凹部5cの部分での耐圧誘電体板5の厚みは、コイル4の分布密度に応じて種々の設定が可能である。例えば、図17Bに示すように、コイル4の導体間の間隔が狭い部分、すなわちコイル4の分布密度が高い部分4iが耐圧誘電体板5の平坦な上面に対して斜めに形成されている場合、凹部5cの底面を斜めにし、凹部5cの部分での耐圧誘電体板5に分布を持たせてもよい。図17Bでは、コイル4の分布密度が高い部分4iから耐圧誘電体板5までの距離が離れる程、耐圧誘電体板5の厚みが小さくなるように、凹部5cの底部の傾斜をさせている。コイル4がチャンバー1から離れるほど、コイル4からの高周波誘導磁界ないしは誘導結合パワーが低下する。しかし、図17Bの構成では、コイル4がチャンバー1から離れるほど耐圧誘電体板5の厚みが小さくなり、コイル4からの高周波誘導磁界ないしは誘導結合パワーの透過効率が高くなるので、チャンバー1からの距離が増大することよる高周波誘導磁界ないしは誘導結合パワーの低下を透過効率の相違により相殺できる。つまり、図17Bの構成により、コイル4の高分布密度の部分4iが耐圧誘電体板5の平坦な上面に対して斜めに形成されていても、この部分4iからチャンバー1に作用する高周波誘導磁界ないしは誘導結合パワーを均一化できる。
【0080】
凹部5cの寸法により、コイル4からの高周波誘導磁界ないしは誘導結合パワーを調整できる。例えば、図17Cに示すように、コイル4の外側の高分布密度の部分4jに対応する凹部5c’コイル4の内側の高分布密度の部分4kに対応する凹部5c’’よりも幅を大きくし、かつ深さを大きく(耐圧誘電体板5の厚みを小さく)設定することにより、部分4jからの高周波誘導磁界ないしは誘導結合パワーを部分4kからの高周波誘導磁界ないしは誘導結合パワーに対して相対的に高めることができる。
【0081】
本発明はプラズマ用の電極と反応生成物の付着防止電極とを用いるプラズマエッチング装置において、耐圧誘電体部材単体による低コストなチャンバー封止構造にて、耐久性と印加電力高効率化に優れたものとすることができる。
【符号の説明】
【0082】
1 チャンバー
2 被処理物
3 載置部、下部電極
4 コイル(誘導結合用)
5 耐圧誘電体部材
5b 厚肉部
5c、5c1〜5c6 凹部
6 プラズマ
7 電極(容量結合用)
7a 高周波透過部
100 中央支持軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
減圧可能なチャンバーと、
前記チャンバーの内部の下側に設けられ被処理物を保持する載置部と、
前記チャンバーの上部開口に臨むように配置され、交流電力が印加されてチャンバー内の反応ガスを誘導結合によりプラズマ化し、前記載置部に保持された前記被処理物をエッチングするためのコイルと、
前記コイルの下方に位置する誘電体部材と
を備え、
前記コイルは、周辺部側環状域、あるいは周辺部側環状域及びその内側の1つまたは複数の環状域が高密度分布域となるように設けているプラズマエッチング装置。
【請求項2】
前記コイルは、周辺部側環状域が前記高密度分布領域である第1のコイル系と、中央部側環状領域が前記高密度分布領域である第2のコイル系とを備える、請求項1に記載のプラズマエッチング装置。
【請求項3】
前記第1のコイル系と前記第2のコイル系は、別個の平板電極を個別に巻回してなる、請求項2に記載のプラズマエッチング装置。
【請求項4】
前記第1のコイル系の前記高密度分布領域と前記第2のコイル系の前記高密度分布領域が同一平面上に配置されている、請求項2又は請求項3に記載のプラズマエッチング装置。
【請求項5】
前記第1のコイル系と前記第2コイル系はいずれも、中央部から周辺部に向けて斜め下向きに巻き広がらせた構造を有する、請求項3又は請求項4に記載のプラズマエッチング装置。
【請求項6】
前記第1のコイル系と前記第2のコイル系の両方を支持する共通の中央支持軸をさらに備える、請求項3から請求項5のいずれか1項に記載のプラズマエッチング装置。
【請求項7】
前記第1のコイル系と前記第2のコイル系は前記中央支持軸の異なる高さ位置から巻き拡げられ、前記第1のコイル系の下側に前記第2のコイル系が配置されている、請求項6に記載のプラズマエッチング装置。
【請求項8】
前記第1のコイル系と前記第2のコイル系との間に介在された接地されたシールドをさらに備える、請求項2から請求項7のいずれか1項に記載のプラズマエッチング装置。
【請求項9】
前記チャンバーは円筒状である、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のプラズマエッチング装置。
【請求項10】
前記第1のコイル系と前記第2のコイル系は別個の電源から交流電力が印加される、請求項2から請求項9のいずれか1項に記載のプラズマエッチング装置。
【請求項11】
前記第1のコイル系と前記第2のコイル系は共通の電源からスプリッタを介して交流電力が印加される、請求項2から請求項9のいずれか1項に記載のプラズマエッチング装置。
【請求項12】
前記第1のコイル系と前記第2のコイル系は共通の電源から交流電力が印加される、請求項2から請求項9のいずれか1項に記載のプラズマエッチング装置。
【請求項13】
前記第1のコイル系は中央部から周辺部に向けて斜め下向きに巻き広がらせてなり、前記第2のコイル系は平面構造となるように巻回されている、請求項3に記載のプラズマエッチング装置。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図2C】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図4C】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図10B】
image rotate

【図10C】
image rotate

【図10D】
image rotate

【図11A】
image rotate

【図11B】
image rotate

【図11C】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14A】
image rotate

【図14B】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17A】
image rotate

【図17B】
image rotate

【図17C】
image rotate


【公開番号】特開2013−12761(P2013−12761A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−184053(P2012−184053)
【出願日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【分割の表示】特願2009−510778(P2009−510778)の分割
【原出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】