説明

プラズマディスプレイパネルの成膜装置及び製造方法

【課題】 プラズマディスプレイパネルの基板の表面に薄膜を形成する成膜装置において、長期間に亘って安定的な成膜条件を得る。
【解決手段】 成膜装置は、薄膜材料容器5と、電子ビームを照射する電子ビーム照射手段と、電子ビーム照射手段より出力された電子ビームを薄膜材料容器に向かうように偏向する偏向手段とを備える。成膜装置は、更に、偏向手段に薄膜が付着することを防止するため該偏向手段を覆うように配設された防着部材20を備える。防着部材20の表面には複数の突起23が形成されている。これにより、防着部材20から薄膜材料容器5への薄膜12の落下を抑制することができ、長期間に亘って安定的な成膜条件を得ることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマディスプレイパネルの成膜装置及びプラズマディスプレイパネルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、プラズマディスプレイパネルの製造工程には、該プラズマディスプレイパネルを構成する基板の表面に、例えばMgOなどの薄膜を形成する工程が含まれている。
【0003】
このように薄膜を形成する成膜装置としては、真空蒸着装置、スパッタリング装置或いはその他の各種タイプのものが知られている。
【0004】
これらの装置では、基板をトレイに載せて搬送しながら成膜室と呼ばれる真空雰囲気(低圧雰囲気)の室内にて所定の膜を形成するトレイ搬送式成膜装置が従来より知られている。
【0005】
図1は従来の成膜装置が備える成膜室の構造の一例を示す正面断面図である。
【0006】
図1に示すように、従来の成膜装置の成膜室1000は、薄膜としてのMgO(酸化マグネシウム)の材料(図1中の蒸発源6)を貯留したMgO材料容器5と、電子ビーム2を照射する電子銃1と、この電子銃1に設けられ、電子銃1より照射される電子ビーム2を集束させる集束コイル3と、電子ビーム2をMgO材料容器5に向かうように偏向する偏向コイル4と、偏向コイル4に薄膜が付着することを防止するため該偏向コイル4を覆うように配設された偏向コイル防着板9と、プラズマディスプレイパネルの基板7を搬送する図示しない搬送機構と、を備えて構成されている。
【0007】
電子銃1より出力された電子ビーム2は、集束コイル3により絞られた後、偏向コイル4により進行方向が曲げられて、MgO材料容器5に照射される。
【0008】
MgO材料容器5内の蒸発源6は、電子ビーム2の照射により加熱されて蒸発し、蒸発成分8となって基板7の表面に到達する。
【0009】
これにより、基板7の表面上にMgO膜が成膜される。
【0010】
なお、このような成膜は、成膜室1000内を真空にした状態で、基板7を搬送機構により搬送しながら、順次、複数の基板7に対して連続的に行われる。
【0011】
また、MgO材料容器5は、図示しない回転機構を備え、成膜中、水平面内において回転する。
【0012】
図2は従来の偏向コイル防着板9の構造を示す上面図である。
【0013】
図2に示すように、従来の偏向コイル防着板9は、平面視が略コ字状のブロック状の形状となっており、その表面が平坦に形成されていた。
【0014】
なお、MgO材料容器5は、図2に示すように、偏向コイル防着板9のほぼ真下に配設されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
ところで、成膜時間の経過とともに成膜室1000内の部品へ蒸着成分8による着膜が進行する。
【0016】
特に、偏向コイル防着板9の直下には蒸発源6(MgO材料容器5)が位置しているため、該偏向コイル防着板9には他の部分よりも着膜が進行してしまう。
【0017】
図2に示すように、偏向コイル防着板9への着膜が進行し、着膜量が許容量を超えると薄膜12がその自重に耐えられなくなって剥離し、落下片10となってMgO材料容器5内に落下してしまう。
【0018】
MgO材料容器5は回転機構を有するため、落下片10が、MgO材料容器5内に充填された材料(蒸発源6)に溝11を掘ってしまう。
【0019】
溝11が掘られた部分は材料(蒸発源6)が少ないため、蒸着成分8の蒸発量が少なくなってしまう。
【0020】
このため、蒸発成分8の蒸発量の分布が基板7の面内において不均一となり、基板7上の薄膜の膜厚が不均一となってしまう。
【0021】
特に、溝11が深い場合は、溝11の部分においては電子ビーム2がMgO材料容器5を貫通してしまい、溝11の部分からは蒸着成分8が蒸発しなくなってしまうため、基板7上の薄膜の膜厚が極めて不均一となってしまう。
【0022】
このため、落下片10が落下した場合には、偏向コイル防着板9を着膜していないものへと交換する一方で、着膜した偏向コイル防着板9は洗浄する必要があるので、それらの分の作業ロスが増加する。
【0023】
本発明が解決しようとする課題には、上述したような問題が一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0024】
請求項1に記載の発明は、プラズマディスプレイパネルの基板表面に所定の薄膜を形成する成膜装置において、前記薄膜の材料を貯留した薄膜材料容器と、電子ビームを照射する電子ビーム照射手段と、前記電子ビーム照射手段より出力された電子ビームを前記薄膜材料容器に向かうように偏向する偏向手段と、前記偏向手段に前記薄膜が付着することを防止するため該偏向手段を覆うように配設された防着部材と、を備え、前記防着部材の表面には複数の突起が形成されていることを特徴としている。
【0025】
また、請求項3に記載の発明は、プラズマディスプレイパネルの基板表面に所定の薄膜を形成する成膜装置において、前記薄膜の材料を貯留した薄膜材料容器と、電子ビームを照射する電子ビーム照射手段と、前記電子ビーム照射手段より出力された電子ビームを前記薄膜材料容器に向かうように偏向する偏向手段と、前記偏向手段に前記薄膜が付着することを防止するため該偏向手段を覆うように配設された防着部材と、を備え、前記防着部材の表面が凹凸構造とされていることを特徴としている。
【0026】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一項に記載の成膜装置を用いてプラズマディスプレイパネルの基板表面に所定の薄膜を形成する工程を備えることを特徴としている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
次に、実施形態を説明する。
【0028】
また、本実施形態に係るプラズマディスプレイパネルの成膜装置は、プラズマディスプレイパネルの基板表面に所定の薄膜を形成する成膜装置において、前記薄膜の材料を貯留した薄膜材料容器と、電子ビームを照射する電子ビーム照射手段と、前記電子ビーム照射手段より出力された電子ビームを前記薄膜材料容器に向かうように偏向する偏向手段と、前記偏向手段に前記薄膜が付着することを防止するため該偏向手段を覆うように配設された防着部材と、を備え、前記防着部材の表面には複数の突起が形成されていることを特徴としている。
【0029】
本実施形態に係るプラズマディスプレイパネルの成膜装置によれば、防着部材の表面には複数の突起が形成されているので、防着部材に付着した薄膜が落下しにくくなる。よって、従来よりも長期に亘って安定した成膜条件を維持することが可能となるため、プラズマディスプレイパネルの品質を向上させることができるとともに、防着部材の交換頻度及び洗浄頻度を減少させることができるので、工程削減及び低コスト化が図れる。
【0030】
本実施形態に係るプラズマディスプレイパネルの成膜装置においては、前記突起の表面が凹凸構造とされていることが好ましく、これにより、防着部材に付着した薄膜が一層落下しにくくなるので、より一層長期に亘って安定した成膜条件を維持することが可能となる。
【0031】
本実施形態に係るプラズマディスプレイパネルの成膜装置は、プラズマディスプレイパネルの基板表面に所定の薄膜を形成する成膜装置において、前記薄膜の材料を貯留した薄膜材料容器と、電子ビームを照射する電子ビーム照射手段と、前記電子ビーム照射手段より出力された電子ビームを前記薄膜材料容器に向かうように偏向する偏向手段と、前記偏向手段に前記薄膜が付着することを防止するため該偏向手段を覆うように配設された防着部材と、を備え、前記防着部材の表面が凹凸構造とされていることを特徴としている。
【0032】
本実施形態に係るプラズマディスプレイパネルの成膜装置によれば、防着部材の表面が凹凸構造とされているので、防着部材に付着した薄膜が落下しにくくなる。よって、従来よりも長期に亘って安定した成膜条件を維持することが可能となるため、プラズマディスプレイパネルの品質を向上させることができるとともに、防着部材の交換頻度及び洗浄頻度を減少させることができるので、工程削減及び低コスト化が図れる。
【0033】
また、本実施形態に係るプラズマディスプレイパネルの製造方法は、本実施形態に係る成膜装置を用いてプラズマディスプレイパネルの基板表面に所定の薄膜を形成する工程を備えることを特徴としている。
【0034】
本実施形態に係るプラズマディスプレイパネルの成膜装置によれば、本実施形態に係る成膜装置を用いてプラズマディスプレイパネルの基板表面に所定の薄膜を形成する工程を備えるので、基板上の薄膜を均一なものとすることができ、プラズマディスプレイパネルの品質向上を図ることができるとともに、プラズマディスプレイパネルの低コスト化が図れる。
【実施例1】
【0035】
図3は実施例1に係るプラズマディスプレイパネルの成膜装置の成膜室100の構造を示す正面断面図である。
【0036】
図3に示すように、実施例1に係る成膜装置の成膜室100は、薄膜としてのMgO(酸化マグネシウム)の材料(図3中の蒸発源6)を貯留したMgO材料容器5と、電子ビーム2を照射する電子銃(電子ビーム照射手段)1と、この電子銃1に設けられ、電子銃1より照射される電子ビーム2を集束させる集束コイル3と、電子ビーム2をMgO材料容器5に向かうように偏向する偏向コイル(偏向手段)4と、偏向コイル4に薄膜が付着することを防止するため該偏向コイル4を覆うように配設された偏向コイル防着板(防着部材)20と、プラズマディスプレイパネルの基板7を搬送する図示しない搬送機構と、を備えて構成されている。
【0037】
電子銃1より出力された電子ビーム2は、集束コイル3により絞られた後、偏向コイル4により進行方向が曲げられて、MgO材料容器5に照射される。
【0038】
MgO材料容器5内の蒸発源6は、電子ビーム2の照射により加熱されて蒸発し、蒸発成分8となって基板7の表面に到達する。
【0039】
これにより、基板7の表面上にMgO膜が成膜される。
【0040】
なお、このような成膜は、基板7を搬送機構により搬送しながら、順次、複数の基板7に対して連続的に行われる。
【0041】
また、MgO材料容器5は、図示しない回転機構を備え、成膜中、水平面内において回転する。
【0042】
図4は偏向コイル防着板20の構造を示す上面図である。
【0043】
図4に示すように、偏向コイル防着板20は、平面視が略コ字状のブロック状の形状となっている。
【0044】
そして、偏向コイル防着板20の表面、具体的には、例えば、相互に対向する一対の面21、22には、それぞれ複数のピン(突起)23が形成されている。
【0045】
このピン23の突出高さは、例えば、5mm程度であることが好ましい。
【0046】
なお、MgO材料容器5は、図3に示すように、偏向コイル防着板20のほぼ真下に配設されている。
【0047】
次に、動作を説明する。
【0048】
上記のような構造の成膜装置を用いてプラズマディスプレイパネルの基板7の表面にMgO膜を成膜するには、成膜室100内を真空状態(低圧状態)とし、複数の基板7を搬送機構により順次搬送しながら、電子銃1より電子ビーム2を出力する。
【0049】
電子銃1より出力された電子ビーム2は、集束コイル3により絞られた後、偏向コイル4により進行方向が曲げられて、MgO材料容器5に照射される。
【0050】
MgO材料容器5内の蒸発源6は、電子ビーム2の照射により加熱されて蒸発し、蒸発成分8となって基板7の表面に到達する。
【0051】
これにより、基板7の表面上にMgO膜が成膜される。
【0052】
なお、MgO材料容器5は、図示しない回転機構を備え、成膜中、水平面内において回転する。
【0053】
ところで、成膜時間の経過とともに成膜室100内の部品へ蒸着成分8による着膜が進行するが、特に、偏向コイル防着板20の直下には蒸発源6(MgO材料容器5)が位置しているため、該偏向コイル防着板20には他の部分よりも着膜が進行する。
【0054】
図5は偏向コイル防着板20に薄膜12が着膜した様子を示す上面図である。
【0055】
実施例1の場合、偏向コイル防着板20の表面には複数のピン23が形成されているので、偏向コイル防着板20の表面積が従来よりも増加している。
【0056】
このため、偏向コイル防着板20の表面に着膜可能な薄膜12の量が従来よりも増加し、従来よりも薄膜12が落下しにくいようにすることができる。
【0057】
更に、着膜した薄膜12をピン23により好適に保持することができるので、このことによっても、従来よりも薄膜12が落下しにくいようにすることができる。
【0058】
よって、従来よりも長期に亘って安定した成膜条件を維持することが可能となるため、プラズマディスプレイパネルの品質を向上させることができるとともに、偏向コイル防着板20の交換頻度及び洗浄頻度を減少させることができるので、工程削減及び低コスト化が図れる。
【0059】
図6は偏向コイル防着板の使用時間と薄膜12の落下(膜剥離)の発生との相関を示す図であり、横軸が使用時間(単位:時間(h))、縦軸が着膜量(単位:mm)となっている。
【0060】
図6には、従来の構造の偏向コイル防着板9を使用した場合と、実施例1の構造の偏向コイル防着板20(ピン23の突出高さが5mm及び20mm)を使用した場合のデータをそれぞれ示す。
【0061】
図6に示すように、従来の構造の偏向コイル防着板9を使用した場合、使用時間が34時間となって着膜量が28mm程度となった段階で膜剥離が発生し、薄膜12が落下片となって落下した。
【0062】
対して、実施例1(ピン23の突出高さが5mm)の構造の偏向コイル防着板20を使用した場合、使用時間が70時間となって着膜量が57mm程度となっても膜剥離が発生しなかった。
【0063】
また、実施例1(ピン23の突出高さが20mm)の構造の偏向コイル防着板20を使用した場合、使用時間が46時間となって着膜量が38mm程度となった段階で膜剥離が発生し、薄膜12が落下片となって落下した。
【0064】
これらの結果から、従来の構造の偏向コイル防着板20よりも、実施例1の構造の偏向コイル防着板20のほうが、膜剥離を抑制できることが分かる。
【0065】
また、実施例1の構造の偏向コイル防着板20においても、ピン23の突出高さが5mm程度のものを用いた場合に、特に好適に膜剥離を抑制できることが分かる。
【0066】
なお、ピン23の突出高さが20mmの場合、ピン23に着膜する薄膜12の量が局所的に多くなることにより許容値を超えて膜剥離してしまうことが観察により分かった。
【0067】
以上のような実施例1によれば、プラズマディスプレイパネルの基板7の表面に所定の薄膜を形成する成膜装置において、薄膜の材料を貯留したMgO材料容器5と、電子ビーム2を照射する電子銃1と、電子銃1より出力された電子ビーム2をMgO材料容器5に向かうように偏向する偏向コイル4と、偏向コイル4に薄膜が付着することを防止するため該偏向コイル4を覆うように配設された偏向コイル防着板20と、を備え、偏向コイル防着板20の表面には複数のピン23が形成されているので、偏向コイル防着板20に付着した薄膜が落下しにくくなる。よって、従来よりも長期に亘って安定した成膜条件を維持することが可能となるため、プラズマディスプレイパネルの品質を向上させることができるとともに、偏向コイル防着板20の交換頻度及び洗浄頻度を減少させることができるので、工程削減及び低コスト化が図れる。
【実施例2】
【0068】
実施例2に係るプラズマディスプレイパネルの成膜装置は、偏向コイル防着板20のピン23の構造が上記の実施例1に係るプラズマディスプレイパネルの成膜装置と相違する点の他は、上記の実施例1に係る成膜装置と同様に構成されている。
【0069】
図7は実施例2の場合の偏向コイル防着板20の構造を示す上面図である。
【0070】
図7に示すように、実施例2の場合、偏向コイル防着板20のピン23の表面には複数の凹凸が形成されている。
【0071】
このため、実施例2の場合、実施例1の場合よりも更に偏向コイル防着板20の表面積が増加し、着膜可能な薄膜12の量が増加する。よって、実施例1の場合よりも一層好適に、薄膜12の落下を抑制することが可能となる。
【0072】
また、偏向コイル防着板20に薄膜が着膜した場合、該薄膜がピン23の凹凸に食い込むようになって保持されることとなり、このことによっても、薄膜12の落下を好適に抑制することが可能となる。
【0073】
以上のような実施例2によれば、ピン23の表面が凹凸構造とされているので、実施例1の場合よりも一層好適に、薄膜12の落下を抑制することが可能となる。
【実施例3】
【0074】
実施例3に係るプラズマディスプレイパネルの成膜装置は、偏向コイル防着板20の構造が上記の実施例1に係るプラズマディスプレイパネルの成膜装置と相違する点の他は、上記の実施例1に係る成膜装置と同様に構成されている。
【0075】
図8は実施例3の場合の偏向コイル防着板20の構造を示す上面図である。
【0076】
図8に示すように、実施例3の場合、偏向コイル防着板20の表面、具体的には、例えば、相互に対向する一対の面21,22には、それぞれ複数の凹凸が形成されている。
【0077】
このため、実施例3の場合も、上記の各実施例の場合と同様に、従来技術よりも偏向コイル防着板20の表面積が増加し、着膜可能な薄膜12の量が増加する。よって、従来技術の場合よりも好適に、薄膜12の落下を抑制することが可能となる。
【0078】
以上のような実施例3によれば、プラズマディスプレイパネルの基板7の表面に所定の薄膜を形成する成膜装置において、薄膜の材料を貯留したMgO材料容器5と、電子ビーム2を照射する電子銃1と、電子銃1より出力された電子ビーム2をMgO材料容器5に向かうように偏向する偏向コイル4と、偏向コイル4に薄膜が付着することを防止するため該偏向コイル4を覆うように配設された偏向コイル防着板20と、を備え、偏向コイル防着板20の表面が凹凸構造とされているので、偏向コイル防着板20に付着した薄膜が落下しにくくなる。よって、従来よりも長期に亘って安定した成膜条件を維持することが可能となるため、プラズマディスプレイパネルの品質を向上させることができるとともに、偏向コイル防着板20の交換頻度及び洗浄頻度を減少させることができるので、工程削減及び低コスト化が図れる。
【0079】
なお、上記の各実施例では、偏向コイル防着板20において、相互に対向する一対の面21、22にのみピン23或いは凹凸を形成した例を説明したが、偏向コイル防着板20におけるその他の部位にピン23或いは凹凸を形成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】従来の成膜装置の成膜室の構造を示す正面断面図である。
【図2】図1の成膜装置の偏向コイル防着板の構造を示す上面図である。
【図3】実施例1に係る成膜装置の成膜室の構造を示す正面断面図である。
【図4】実施例1に係る成膜装置が備える偏向コイル防着板の構造を示す上面図である。
【図5】図4の偏向コイル防着板に薄膜が着膜した様子を示す上面図である。
【図6】実施例1による効果を示す図である。
【図7】実施例2に係る成膜装置が備える偏向コイル防着板の構造を示す上面図である。
【図8】実施例3に係る成膜装置が備える偏向コイル防着板の構造を示す上面図である。
【符号の説明】
【0081】
1 電子銃(電子ビーム照射手段)
4 偏向コイル(偏向手段)
5 MgO材料容器(薄膜材料容器)
7 基板
20 偏向コイル防着板(防着部材)
23 ピン(突起)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマディスプレイパネルの基板表面に所定の薄膜を形成する成膜装置において、
前記薄膜の材料を貯留した薄膜材料容器と、
電子ビームを照射する電子ビーム照射手段と、
前記電子ビーム照射手段より出力された電子ビームを前記薄膜材料容器に向かうように偏向する偏向手段と、
前記偏向手段に前記薄膜が付着することを防止するため該偏向手段を覆うように配設された防着部材と、
を備え、
前記防着部材の表面には複数の突起が形成されていることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの成膜装置。
【請求項2】
前記突起の表面が凹凸構造とされていることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの成膜装置。
【請求項3】
プラズマディスプレイパネルの基板表面に所定の薄膜を形成する成膜装置において、
前記薄膜の材料を貯留した薄膜材料容器と、
電子ビームを照射する電子ビーム照射手段と、
前記電子ビーム照射手段より出力された電子ビームを前記薄膜材料容器に向かうように偏向する偏向手段と、
前記偏向手段に前記薄膜が付着することを防止するため該偏向手段を覆うように配設された防着部材と、
を備え、
前記防着部材の表面が凹凸構造とされていることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの成膜装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の成膜装置を用いてプラズマディスプレイパネルの基板表面に所定の薄膜を形成する工程を備えることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2007−73221(P2007−73221A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−256153(P2005−256153)
【出願日】平成17年9月5日(2005.9.5)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(000232151)パイオニアプラズマディスプレイ株式会社 (27)
【Fターム(参考)】