説明

プラズマディスプレイ装置の駆動方法、プラズマディスプレイ装置およびプラズマディスプレイシステム

【課題】右目用画像と左目用画像とのクロストークを抑制するとともに、書込み放電を安定させて、品質の高い立体画像を表示する。
【解決手段】プラズマディスプレイ装置の駆動方法であって、右目用画像信号を表示する右目用フィールドと左目用画像信号を表示する左目用フィールドとを交互に繰り返すとともに、右目用フィールドおよび左目用フィールドのそれぞれは、最初に輝度重みの最も大きいサブフィールドを配置し、それ以降は輝度重みが順次小さくなるようにサブフィールドを配置し、最後に輝度重みの最も小さいサブフィールドを配置し、かつ最後に配置されたサブフィールドの初期化期間では強制初期化動作を行い、それ以前に配置されたサブフィールドの初期化期間では選択初期化動作を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャッタ眼鏡を用いて立体視することができる右目用画像と左目用画像とを、プラズマディスプレイパネルに交互に表示するプラズマディスプレイ装置の駆動方法、プラズマディスプレイ装置およびプラズマディスプレイシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマディスプレイパネル(以下、「パネル」と略記する)として代表的な交流面放電型パネルは、1対の走査電極と維持電極とからなる表示電極対が複数形成された前面基板と、複数のデータ電極が形成された背面基板とを対向配置し、その間に多数の放電セルが形成されている。そして放電セル内でガス放電により紫外線を発生させ、この紫外線で赤色、緑色および青色の各色の蛍光体を励起発光させてカラー表示を行う。
【0003】
パネルを駆動する方法としては、1フィールド期間を複数のサブフィールドに分割した上で、発光させるサブフィールドの組合せによって階調表示を行うサブフィールド法が一般的である。各サブフィールドは、初期化期間、書込み期間および維持期間を有する。初期化期間では初期化放電を発生し、続く書込み動作に必要な壁電荷を形成する初期化動作を行う。初期化動作には、直前のサブフィールドの動作にかかわらず初期化放電を発生させる強制初期化動作と、直前のサブフィールドで書込み放電を行った放電セルのみで初期化放電を発生させる選択初期化動作とがある。書込み期間では、表示する画像に応じて放電セルで選択的に書込み放電を発生し壁電荷を形成する。そして維持期間では、走査電極と維持電極とに交互に維持パルスを印加して維持放電を発生させ、対応する放電セルの蛍光体層を発光させることにより画像表示を行う。この維持放電による蛍光体層の発光は階調表示に関係する発光であり、強制初期化動作にともなう発光は階調表示に関係しない発光である。
【0004】
サブフィールド法の中でも最も低い階調である黒を表示する際の輝度を下げ、階調表示に関係しない発光を極力減らしてコントラストを向上させる駆動方法が検討されている。例えば特許文献1には、強制初期化動作を行う回数を1フィールドに1回とし、緩やかに変化する傾斜波形電圧を用いて強制初期化動作を行う駆動方法が開示されている。
【0005】
またこのようなパネルを用いて立体画像を表示する方法についても検討されている。その一つとして、複数のサブフィールドを、右目用画像を表示するサブフィールド群と左目用画像を表示するサブフィールド群とに分け、それぞれのサブフィールド群の最初のサブフィールドの書込み期間の開始に同期してシャッタ眼鏡のシャッタを開閉する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
このような方法によって立体視するためには、右目と左目とで異なった画像を見る必要がある。そのため、右目用シャッタおよび左目用シャッタを有するシャッタ眼鏡を用い、右目用画像を表示している期間では右目用シャッタを開き左目用シャッタを閉じて、左目で右目用画像を見えなくし、左目用画像を表示している期間では左目用シャッタを開き右目用シャッタを閉じて、右目で左目用画像を見えなくしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−242224号公報
【特許文献2】特開2000−112428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、パネルで用いられている蛍光体は残光時間が長く、維持放電を終了した後も数ミリ秒(ms)の間は残光が持続するという特性をもつ蛍光体材料も存在する。そのため、右目用画像を表示する期間が終了した後もしばらくの間は右目用画像が残像としてパネルに残ることになる。そして右目用画像の残像が消える前に左目用画像を表示すると、左目用画像に右目用画像が混じる、いわゆるクロストークが発生し、立体視が困難になるといった課題があった。
【0009】
また強制初期化動作の回数を減らした駆動方法では、書込み放電を安定して発生させるために必要な壁電荷の量およびプライミングの量がサブフィールドの配列に大きく依存する。そしてプライミングの不足、壁電荷の減少等が発生すると書込み放電が不安定となり、画像表示品質が低下するという課題もあった。
【0010】
本発明は、これらの課題に鑑みなされたものであり、右目用画像と左目用画像とのクロストークを抑制するとともに、書込み放電を安定させて、品質の高い立体画像を表示することができるプラズマディスプレイ装置の駆動方法、プラズマディスプレイ装置およびプラズマディスプレイシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために本発明は、走査電極と維持電極とデータ電極とを有する放電セルを複数配列したパネルと、パネルを駆動する駆動回路とを備えたプラズマディスプレイ装置の駆動方法であって、複数のサブフィールドを有し右目用画像信号を表示する右目用フィールドと、複数のサブフィールドを有し左目用画像信号を表示する左目用フィールドとを交互に繰り返すとともに、右目用フィールドおよび左目用フィールドのそれぞれは、最初に輝度重みの最も大きいサブフィールドを配置し、それ以降は輝度重みが順次小さくなるようにサブフィールドを配置し、最後に輝度重みの最も小さいサブフィールドを配置し、かつ最後に配置されたサブフィールドの初期化期間では直前のサブフィールドの動作にかかわらず初期化放電を発生させる強制初期化動作を行い、それ以前に配置されたサブフィールドの初期化期間では直前のサブフィールドで書込み放電を行った放電セルのみで初期化放電を発生させる選択初期化動作を行うことを特徴とする。この方法により、右目用画像と左目用画像とのクロストークを抑制するとともに、書込み放電を安定させて、品質の高い立体画像を表示することができるプラズマディスプレイ装置の駆動方法を提供することができる。
【0012】
また本発明のプラズマディスプレイ装置の駆動方法は、右目用フィールドおよび左目用フィールドのいずれかのフィールドのサブフィールドで書込み放電を行う放電セルでは、そのフィールドの最後に配置された強制初期化動作を行うサブフィールドでも書込み放電を行ってもよい。
【0013】
また本発明は、走査電極と維持電極とデータ電極とを有する放電セルを複数配列したパネルと、パネルを駆動する駆動回路とを備えたプラズマディスプレイ装置であって、駆動回路は、複数のサブフィールドを有し右目用画像信号を表示する右目用フィールドと、複数のサブフィールドを有し左目用画像信号を表示する左目用フィールドとを交互に繰り返すとともに、右目用フィールドおよび左目用フィールドのそれぞれは、最初に輝度重みの最も大きいサブフィールドを配置し、それ以降は輝度重みが順次小さくなるようにサブフィールドを配置し、最後に輝度重みの最も小さいサブフィールドを配置し、かつ最後に配置されたサブフィールドの初期化期間では直前のサブフィールドの動作にかかわらず初期化放電を発生させる強制初期化動作を行い、それ以前に配置されたサブフィールドの初期化期間では直前のサブフィールドで書込み放電を行った放電セルのみで初期化放電を発生させる選択初期化動作を行うことを特徴とする。この構成により、右目用画像と左目用画像とのクロストークを抑制するとともに、書込み放電を安定させて、品質の高い立体画像を表示することができるプラズマディスプレイ装置を提供することができる。
【0014】
また本発明のプラズマディスプレイ装置の駆動回路は、右目用フィールドおよび左目用フィールドに同期したタイミング信号を出力するタイミング信号出力部を有することが望ましい。
【0015】
また本発明のプラズマディスプレイシステムは、走査電極と維持電極とデータ電極とを有する放電セルを複数配列したパネルと、複数のサブフィールドを有し右目用画像信号を表示する右目用フィールドと、複数のサブフィールドを有し左目用画像信号を表示する左目用フィールドとを交互に繰り返すとともに、右目用フィールドおよび左目用フィールドのそれぞれは、最初に輝度重みの最も大きいサブフィールドを配置し、それ以降は輝度重みが順次小さくなるようにサブフィールドを配置し、最後に輝度重みの最も小さいサブフィールドを配置し、かつ最後に配置されたサブフィールドの初期化期間では直前のサブフィールドの動作にかかわらず初期化放電を発生させる強制初期化動作を行い、それ以前に配置されたサブフィールドの初期化期間では直前のサブフィールドで書込み放電を行った放電セルのみで初期化放電を発生させる選択初期化動作を行ってパネルを駆動する駆動回路と、右目用フィールドおよび左目用フィールドに同期したタイミング信号を出力するタイミング信号出力部と、タイミング信号出力部から出力されたタイミング信号を受信する受信部と右目用シャッタおよび左目用シャッタを有し、タイミング信号にもとづき右目用シャッタおよび左目用シャッタを開閉するシャッタ眼鏡とを備えたことを特徴とする。この構成により、右目用画像と左目用画像とのクロストークを抑制するとともに、書込み放電を安定させて、品質の高い立体画像を表示することができるプラズマディスプレイシステムを提供することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、右目用画像と左目用画像とのクロストークを抑制するとともに、書込み放電を安定させて、品質の高い立体画像を見るための画像を表示することができるプラズマディスプレイ装置の駆動方法、プラズマディスプレイ装置およびプラズマディスプレイシステムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の(実施の形態1)に用いるパネルの構造を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の(実施の形態1)に用いるパネルの電極配列図である。
【図3】本発明の(実施の形態1)におけるプラズマディスプレイ装置の回路ブロック図とプラズマディスプレイシステムを示す図である。
【図4】本発明の(実施の形態1)におけるパネルの各電極に印加する駆動電圧波形図である。
【図5】本発明の(実施の形態1)におけるサブフィールド構成を示す模式図である。
【図6】本発明の(実施の形態1)におけるコーディングを示す図である。
【図7】本発明の(実施の形態2)におけるコーディングを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置について、図面を用いて説明する。
【0019】
(実施の形態1)
図1は、本発明の(実施の形態1)に用いるパネル10の構造を示す分解斜視図である。ガラス製の前面基板21上には、走査電極22と維持電極23とからなる表示電極対24が複数形成されている。そして表示電極対24を覆うように誘電体層25が形成され、その誘電体層25上に保護層26が形成されている。背面基板31上にはデータ電極32が複数形成され、データ電極32を覆うように誘電体層33が形成され、さらにその上に井桁状の隔壁34が形成されている。そして、隔壁34の側面および誘電体層33上には赤色、緑色および青色の各色に発光する蛍光体層35が設けられている。蛍光体層35は、赤色蛍光体として(Y、Gd)BO:Euを、緑色蛍光体としてZnSiO:Mnを、青色蛍光体としてBaMgAl1017:Euをそれぞれ用いることができるが、もちろん上記蛍光体に限定されるものではない。
【0020】
これら前面基板21と背面基板31とは、微小な放電空間を挟んで表示電極対24とデータ電極32とが交差するように対向配置され、その外周部はガラスフリット等の封着材によって封着されている。そして放電空間には、放電ガスとして、例えばネオンとキセノンとの混合ガスが封入されている。放電空間は隔壁34によって複数の区画に仕切られており、表示電極対24とデータ電極32とが交差する部分に放電セルが形成されている。そしてこれらの放電セルが放電、発光することにより画像が表示される。
【0021】
なお、パネル10の構造は上述したものに限られるわけではなく、例えばストライプ状の隔壁を備えたものであってもよい。
【0022】
図2は、本発明の(実施の形態1)に用いるパネル10の電極配列図である。パネル10には、行方向に長いn本の走査電極SC1〜走査電極SCn(図1の走査電極22)およびn本の維持電極SU1〜維持電極SUn(図1の維持電極23)が配列され、列方向に長いm本のデータ電極D1〜データ電極Dm(図1のデータ電極32)が配列されている。そして、1対の走査電極SCi(i=1〜n)および維持電極SUiと一つのデータ電極Dj(j=1〜m)とが交差した部分に放電セルが形成され、放電セルは放電空間内にm×n個形成されている。そして、例えばデータ電極Dp(p=3×q:qはm/3以下の整数)を有する放電セルには赤の蛍光体が、データ電極Dp+1を有する放電セルには緑の蛍光体が、データ電極Dp+2を有する放電セルには青の蛍光体がそれぞれ蛍光体層35として塗布されている。
【0023】
図3は、本発明の(実施の形態1)におけるプラズマディスプレイ装置40の回路ブロック図とプラズマディスプレイシステムを示す図である。プラズマディスプレイ装置40は、走査電極22と維持電極23とデータ電極32とを有する放電セルを複数配列したパネル10と、パネル10を駆動する駆動回路とを備えている。駆動回路は、画像信号処理回路41、データ電極駆動回路42、走査電極駆動回路43、維持電極駆動回路44、タイミング発生回路45および各回路ブロックに必要な電源を供給する電源回路(図示せず)を備えている。またプラズマディスプレイ装置40は、視聴者が使用するシャッタ眼鏡50、およびシャッタを開閉するタイミング信号をシャッタ眼鏡50に出力するタイミング信号出力部46を備えている。
【0024】
画像信号処理回路41は、右目用画像信号と左目用画像信号とをフィールド毎に交互に入力する。そして入力した右目用画像信号をサブフィールド毎の発光・非発光を示す右目用画像データに変換し、左目用画像信号をサブフィールド毎の発光・非発光を示す左目用画像データに変換する。データ電極駆動回路42は、右目用画像データおよび左目用画像データをデータ電極D1〜データ電極Dmのそれぞれに対応する書込みパルスに変換し、データ電極D1〜データ電極Dmのそれぞれに印加する。
【0025】
タイミング発生回路45は、水平同期信号および垂直同期信号をもとにして各回路ブロックの動作を制御する各種のタイミング信号を発生し、それぞれの回路ブロックへ供給する。またシャッタ眼鏡50のシャッタを開閉するタイミング信号をタイミング信号出力部46に出力する。タイミング信号出力部46は、右目用フィールドおよび左目用フィールドに同期したタイミング信号を、例えばLED等の発光素子を用いて赤外線の信号に変換してシャッタ眼鏡50に供給する。
【0026】
走査電極駆動回路43はタイミング信号にもとづいて走査電極22のそれぞれに駆動電圧波形を印加し、維持電極駆動回路44はタイミング信号にもとづいて維持電極23に駆動電圧波形を印加する。シャッタ眼鏡50はタイミング信号出力部46から出力されたタイミング信号を受信する受信部(図示せず)と右目用液晶シャッタ52Rおよび左目用液晶シャッタ52Lとを有し、受信したタイミング信号にもとづいて右目用液晶シャッタ52Rおよび左目用液晶シャッタ52Lを開閉する。
【0027】
次に、パネル10を駆動するための駆動電圧波形とその動作について説明する。プラズマディスプレイ装置40は、サブフィールド法、すなわち1フィールドを複数のサブフィールドに分け、サブフィールド毎に各放電セルの発光・非発光を制御することによって階調表示を行う。本実施の形態においては、複数のサブフィールドを有し右目用画像信号を表示する右目用フィールドと、複数のサブフィールドを有し左目用画像信号を表示する左目用フィールドとを交互に繰り返して表示した画像を、右目用フィールドおよび左目用フィールドに同期したシャッタ眼鏡50を用いて立体視する。そしてフリッカのない立体画像を表示するために、フィールド周波数を通常の2倍の120Hzに設定している。
【0028】
右目用フィールドと左目用フィールドとは表示する画像信号が異なるだけであり、フィールドを構成するサブフィールドの数、各サブフィールドの輝度重み、サブフィールドの配列等、フィールドの構成は同じであるので、まず一つのフィールドの構成と各電極に印加する駆動電圧波形について説明する。各フィールドは複数のサブフィールドを有し、それぞれのサブフィールドは初期化期間、書込み期間および維持期間を備える。初期化期間では初期化放電を発生し、続く書込み放電に必要な壁電荷を各電極上に形成する。このときの初期化動作には、それまでの放電の有無にかかわらず強制的に初期化放電を発生させる強制初期化動作と、直前の書込み期間において書込み放電を行った放電セルのみで選択的に初期化放電を発生させる選択初期化動作とがある。書込み期間では、発光させるべき放電セルで書込み放電を発生し壁電荷を形成する。そして維持期間では、輝度重みに応じた数の維持パルスを表示電極対24に交互に印加して、書込み放電を発生した放電セルで維持放電を発生させて発光させる。
【0029】
本実施の形態においては、1フィールドを5つのサブフィールド(SF1、SF2、SF3、SF4、SF5)に分け、サブフィールドのそれぞれは(16、8、4、2、1)の輝度重みをもつ。このように、フィールドの最初に輝度重みの最も大きいサブフィールドを配置し、それ以降は輝度重みが順次小さくなるようにサブフィールドを配置し、フィールドの最後には輝度重みが最も小さいサブフィールドを配置している。
【0030】
また本実施の形態においては、フィールドの最後に配置されたサブフィールドであるSF5の初期化期間では強制初期化動作を行い、それ以外のサブフィールドであるSF1〜SF4の初期化期間では選択初期化動作を行う。
【0031】
図4は、本発明の(実施の形態1)におけるパネル10の各電極に印加する駆動電圧波形図である。
【0032】
選択初期化動作を行うSF1の初期化期間では、維持電極SU1〜維持電極SUnに電圧Ve1を、データ電極D1〜データ電極Dmに電圧0(V)をそれぞれ印加し、走査電極SC1〜走査電極SCnには電圧Vi4に向かって緩やかに下降する傾斜波形電圧を印加する。すると直前のサブフィールドである1フィールド前のSF5(図示せず)で維持放電を起こした放電セルでは微弱な初期化放電が発生し、走査電極SCi上および維持電極SUi上の壁電圧(ここで、電極上の壁電圧とは電極を覆う誘電体層上、保護層上、蛍光体層上等に蓄積された壁電荷により生じる電圧を表す。)が弱められる。またデータ電極Dkに対しては、直前の維持放電によってデータ電極Dk上に十分な正の壁電圧が蓄積されているので、この壁電圧の過剰な部分が放電され、書込み動作に適した壁電圧に調整される。一方、直前のサブフィールドで維持放電を起こさなかった放電セルについては放電することはなく、それ以前の壁電圧が保たれる。
【0033】
このように選択初期化動作は、直前のサブフィールドの書込み期間で書込み動を行った放電セル、したがって維持期間で維持動作を行った放電セルに対して選択的に初期化放電を行う動作である。
【0034】
続く書込み期間では、維持電極SU1〜維持電極SUnに電圧Ve2を印加し、走査電極SC1、走査電極SC2、・・・、走査電極SCnのそれぞれには電圧Vcを印加する。
【0035】
次に、1番目の走査電極SC1に負の電圧Vaの走査パルスを印加する。そして、データ電極D1〜データ電極Dmのうち1行目に発光させるべき放電セルのデータ電極Dk(k=1〜m)に正の電圧Vdの書込みパルスを印加する。すると書込みパルスを印加した放電セルのデータ電極Dk上と走査電極SC1上との交差部の電圧差は、外部印加電圧の差(Vd−Va)にデータ電極Dk上の壁電圧と走査電極SC1上の壁電圧の差とが加算されたものとなり放電開始電圧を超える。そして、データ電極Dkと走査電極SC1との間および維持電極SU1と走査電極SC1との間に書込み放電が起こり、走査電極SC1上に正の壁電圧が蓄積され、維持電極SU1上に負の壁電圧が蓄積され、データ電極Dk上にも負の壁電圧が蓄積される。このようにして、1行目に発光させるべき放電セルで書込み放電を起こして各電極上に壁電圧を蓄積する書込み動作が行われる。一方、書込みパルスを印加しなかったデータ電極と走査電極SC1との交差部の電圧は放電開始電圧を超えないので、書込み放電は発生しない。
【0036】
以下、走査電極SC2、走査電極SC3、・・・、走査電極SCnについて同様に書込み動作を行う。
【0037】
続く維持期間では、まず走査電極SC1〜走査電極SCnに電圧Vsの維持パルスを印加するとともに維持電極SU1〜維持電極SUnに電圧0(V)を印加する。すると書込み放電を起こした放電セルでは、走査電極SCi上と維持電極SUi上との電圧差が電圧Vsに走査電極SCi上の壁電圧と維持電極SUi上の壁電圧との差が加算されたものとなり放電開始電圧を超える。そして、走査電極SCiと維持電極SUiとの間に維持放電が起こり、このとき発生した紫外線により蛍光体層35が発光する。そして走査電極SCi上に負の壁電圧が蓄積され、維持電極SUi上に正の壁電圧が蓄積される。さらにデータ電極Dk上にも正の壁電圧が蓄積される。書込み期間において書込み放電が起きなかった放電セルでは維持放電は発生せず、初期化期間の終了時における壁電圧が保たれる。
【0038】
続いて、走査電極SC1〜走査電極SCnには電圧0(V)を、維持電極SU1〜維持電極SUnには電圧Vsの維持パルスをそれぞれ印加する。すると、維持放電を起こした放電セルでは、維持電極SUi上と走査電極SCi上との電圧差が放電開始電圧を超えるので再び維持電極SUiと走査電極SCiとの間に維持放電が起こり、維持電極SUi上に負の壁電圧が蓄積され走査電極SCi上に正の壁電圧が蓄積される。このようにして輝度重みに応じた数の維持パルスを走査電極SC1〜走査電極SCnと維持電極SU1〜維持電極SUnとに交互に印加し、書込み期間において書込み放電を起こした放電セルで維持放電を継続して発生させる。
【0039】
そして、維持期間の最後には電圧Vrに向かって緩やかに上昇する傾斜波形電圧を走査電極SC1〜走査電極SCnに印加して、データ電極Dk上の正の壁電圧を残したまま、走査電極SCi上および維持電極SUi上の壁電圧を弱める。こうして維持期間における維持動作が終了する。
【0040】
選択初期化動作を行うSF2の初期化期間の動作は、SF1の初期化期間の動作と同様である。すなわち、維持電極SU1〜維持電極SUnに電圧Ve1を、データ電極D1〜データ電極Dmに電圧0(V)をそれぞれ印加し、走査電極SC1〜走査電極SCnには電圧Vi4に向かって緩やかに下降する傾斜波形電圧を印加する。すると直前のサブフィールドであるSF1で維持放電を起こした放電セルでは微弱な初期化放電が発生し、走査電極SCi上および維持電極SUi上の壁電圧が弱められる。またデータ電極Dkに対しては、直前の維持放電によってデータ電極Dk上に十分な正の壁電圧が蓄積されているので、この壁電圧の過剰な部分が放電され、書込み動作に適した壁電圧に調整される。一方、直前のサブフィールドで維持放電を起こさなかった放電セルについては放電することはなく、それ以前の壁電圧が保たれる。
【0041】
続く書込み期間の動作はSF1の書込み期間の動作と同様であるため説明を省略する。続く維持期間の動作も、維持パルスの数を除いてSF1の維持期間の動作と同様である。続くSF3〜SF4の動作も、維持パルスの数を除いてSF2の動作と同様である。
【0042】
強制初期化動作を行うSF5の初期化期間の前半部では、データ電極D1〜データ電極Dmに電圧0(V)を印加し、維持電極SU1〜維持電極SUnに電圧0(V)を印加する。そして走査電極SC1〜走査電極SCnには、維持電極SU1〜維持電極SUnに対して放電開始電圧以下の電圧Vi1から、放電開始電圧を超える電圧Vi2に向かって緩やかに上昇する傾斜波形電圧を印加する。この傾斜波形電圧が上昇する間に、走査電極SC1〜走査電極SCnと維持電極SU1〜維持電極SUn、データ電極D1〜データ電極Dmとの間でそれぞれ微弱な初期化放電が起こる。そして、走査電極SC1〜走査電極SCn上に負の壁電圧が蓄積されるとともに、データ電極D1〜データ電極Dm上および維持電極SU1〜維持電極SUn上には正の壁電圧が蓄積される。
【0043】
初期化期間の後半部では、維持電極SU1〜維持電極SUnに正の電圧Ve1を印加し、走査電極SC1〜走査電極SCnには、維持電極SU1〜維持電極SUnに対して放電開始電圧以下となる電圧Vi3から放電開始電圧を超える電圧Vi4に向かって緩やかに下降する傾斜波形電圧を印加する。この間に、走査電極SC1〜走査電極SCnと維持電極SU1〜維持電極SUn、データ電極D1〜データ電極Dmとの間でそれぞれ微弱な初期化放電が起こる。そして、走査電極SC1〜走査電極SCn上の負の壁電圧および維持電極SU1〜維持電極SUn上の正の壁電圧が弱められ、データ電極D1〜データ電極Dm上の正の壁電圧は書込み動作に適した値に調整される。以上により、全ての放電セルに対して強制的に初期化放電を行う強制初期化動作が終了する。
【0044】
続くSF5の書込み期間の動作はSF1〜SF4の書込み期間の動作と同様であり、維持期間の動作も維持パルスの数を除いてSF1〜SF4の維持期間の動作と同様である。
【0045】
このように本実施の形態においては、最初に輝度重みの最も大きいサブフィールドを配置し、それ以降は輝度重みが順次小さくなるようにサブフィールドを配置し、最後に輝度重みの最も小さいサブフィールドを配置し、かつ最後に配置されたサブフィールドの初期化期間では直前のサブフィールドの動作にかかわらず初期化放電を発生させる強制初期化動作を行い、それ以前に配置されたサブフィールドの初期化期間では直前のサブフィールドで書込み放電を行った放電セルのみで初期化放電を発生させる選択初期化動作を行っている。
【0046】
なお、本実施の形態において各電極に印加する電圧値は、例えば、電圧Vi1=145(V)、電圧Vi2=335(V)、電圧Vi3=190(V)、電圧Vi4=−160(V)、電圧Va=−180(V)、電圧Vc=−35(V)、電圧Vs=190(V)、電圧Vr=190(V)、電圧Ve1=125(V)、電圧Ve2=130(V)、電圧Vd=60(V)である。ただしこれらの電圧値は、単に一例を挙げたに過ぎず、パネル10の特性やプラズマディスプレイ装置40の仕様等に合わせて、適宜最適な値に設定することが望ましい。
【0047】
次に本実施の形態におけるプラズマディスプレイ装置40のサブフィールド構成について再度説明する。図5は、本発明の(実施の形態1)におけるサブフィールド構成を示す模式図である。本実施の形態においては立体画像を表示するために、フィールド周波数を通常の2倍の120Hzに設定し、右目用フィールドと左目用フィールドとを交互に配置する。1つのフィールドには、5つのサブフィールド(SF1、SF2、SF3、SF4、SF5)が配置されている。またサブフィールド(SF1、SF2、SF3、SF4、SF5)のそれぞれは(16、8、4、2、1)の輝度重みをもつ。
【0048】
このように、輝度重みの大きいサブフィールドの順に配置された5つのサブフィールドで1つのフィールドを構成している。すなわち、フィールドの最初に輝度重みが最も大きいサブフィールドを配置し、フィールドの2番目に輝度重みが2番目に大きいサブフィールドを配置し、フィールドの3番目に輝度重みが3番目に大きいサブフィールドを配置し、フィールドの4番目に輝度重みが4番目に大きいサブフィールドを配置し、フィールドの最後に輝度重みが最も小さいサブフィールドを配置している。またフィールドの最後に配置されるサブフィールドの初期化期間では強制初期化動作を行い、それ以外のサブフィールドの初期化期間では選択初期化動作を行う。
【0049】
シャッタ眼鏡50の右目用液晶シャッタ52Rおよび左目用液晶シャッタ52Lは、タイミング信号出力部46から出力されるタイミング信号を受信して、シャッタ眼鏡50を以下のように制御する。シャッタ眼鏡50の右目用液晶シャッタ52Rは、右目用フィールドのSF1の書込み期間の開始に同期してシャッタを開き、右目用フィールドのSF5の維持期間の終了に同期してシャッタを閉じる。また左目用液晶シャッタ52Lは、左目用フィールドのSF1の書込み期間の開始に同期してシャッタを開き、左目用フィールドのSF5の維持期間の終了に同期してシャッタを閉じる。
【0050】
このようにサブフィールドを配置するとともにシャッタ眼鏡50を制御することにより、右目用画像と左目用画像とのクロストークを抑制するとともに、書込み放電を安定させて、品質の高い立体画像を表示することができる。以下にその理由について説明する。
【0051】
蛍光体の残光の強さは、蛍光体の発光時の輝度に比例し、一定の時定数で減衰するという特性を示す。維持期間における発光輝度は輝度重みの大きいサブフィールドほど高いので、残光を弱くするためにはフィールドの早い時期に輝度重みの大きいサブフィールドを配置することが望ましい。したがって本実施の形態においてはクロストークの抑制を考慮して、輝度重みの最も大きいサブフィールドから順にサブフィールドを配置している。
【0052】
一方、書込み放電の安定性について考えると、明るい階調を表示する放電セルでは複数のサブフィールドで維持放電を発生するので、これらの維持放電にともなう十分な量のプライミングが供給され、安定した書込み放電を発生させることができる。しかし暗い階調、特に最も輝度重みの小さいフィールドのみで発光させるべき放電セルではプライミングが不足して書込み放電が不安定となりやすい。
【0053】
本実施の形態においては、最も輝度重みの小さいサブフィールドであるSF5の初期化期間において強制初期化動作を行っている。そのため、強制初期化動作で生じたプライミングが残存する間に書込み放電を発生させることができるので、最も輝度重みの小さいサブフィールドであるSF5のみで発光させる放電セルであっても安定した書込み放電を発生させることができる。またそれ以外のサブフィールドの初期化期間では選択初期化動作を行い、コントラストを向上させている。
【0054】
次に、本実施の形態における階調の表示方法について説明する。図6は、本発明の(実施の形態1)における、表示すべき階調とそのときのサブフィールドの書込み動作の有無との関係(以下、「コーディング」と略記する)を示す図であり、「1」は書込み動作を行うことを示し、「0」は書込み動作を行わないことを示している。
【0055】
上述したコーディングに従って、例えば階調「0」、すなわち黒を表示する放電セルでは、SF1〜SF5の全てのサブフィールドで書込み動作を行わない。するとその放電セルは一度も維持放電することなく輝度も最も低くなる。また階調「1」を表示する放電セルでは、輝度重み「1」をもつサブフィールドであるSF5でのみ書込み動作を行い、それ以外のサブフィールドでは書込み動作を行わない。するとその放電セルは輝度重み「1」に応じた回数の維持放電を発生し「1」の明るさを表示する。また階調「7」を表示する放電セルでは輝度重み「4」をもつSF3と輝度重み「2」をもつSF4と輝度重み「1」をもつSF5とで書込み動作を行う。するとその放電セルはSF3の維持期間に輝度重み「4」に応じた回数の維持放電を発生し、SF4の維持期間に輝度重み「2」に応じた回数の維持放電を発生し、SF5の維持期間に輝度重み「1」に応じた回数の維持放電を発生するため、合計で「7」の明るさを表示する。他の階調も同様に、図6に示すコーディングに従ってそれぞれのサブフィールドで書込み動作を行うかまたは書込み動作を行わないように制御する。
【0056】
なお、このコーディングをさらに工夫することにより、さらに安定した書込み放電を発生させることができる。以下にその一例を、(実施の形態2)として説明する。
【0057】
(実施の形態2)
本発明の(実施の形態2)に用いるパネル10の構造、プラズマディスプレイ装置40の回路ブロック図、パネル10の各電極に印加する駆動電圧波形、サブフィールド構成は(実施の形態1)と同様であるので説明を省略する。(実施の形態2)が(実施の形態1)と異なる点は、コーディングである。
【0058】
図7は、本発明の(実施の形態2)におけるコーディングを示す図である。このように(実施の形態2)においては、右目用フィールドおよび左目用フィールドのいずれかのフィールドにおいて、そのフィールドのいずれかのサブフィールドで書込み放電を行う放電セルでは、そのフィールドの最後に配置された強制初期化動作を行うサブフィールドでも書込み放電を行うように制御している。このようなコーディングにより階調を表示することで、SF5で維持放電を発生させる機会が非常に高くなる。
【0059】
本実施の形態においては、図4および図5に示したように、フィールドの最初に配置されたSF1は選択初期化動作を行うサブフィールドである。したがって直前のサブフィールドである前フィールドのSF5で維持放電が発生しないと、SF1でも初期化放電が発生しない。そしてSF1は輝度重みの最も大きいサブフィールドであるので、SF1の書込み放電が不安定になると画像表示品質を大きく損なうことになる。
【0060】
しかしながら、図7に示したコーディングを用いて階調を表示すると、SF5で維持放電を発生させる機会が非常に高くなる。したがって、次のフィールドのSF1で初期化放電が発生する機会も非常に高くなり、SF1で安定した書込み放電を発生させることができる。
【0061】
なお(実施の形態1)、(実施の形態2)においては、一つのフィールドは5つのサブフィールドを有するとして説明した。しかしサブフィールドの数は上記に限定されるものではない。例えばサブフィールドの数をさらに増やすことで、表示できる階調の数もさらに増やすことができる。また(実施の形態1)、(実施の形態2)においては、サブフィールドの輝度重みを「2」のべき乗、すなわち(16、8、4、2、1)であるとして説明した。しかしサブフィールドの輝度重みも上記に限定されるものではない。例えば(12、7、3、2、1)等として階調を決めるサブフィールドの組合せに冗長性を持たせることにより、動画擬似輪郭の発生を抑制したコーディングが可能となる。
【0062】
さらに、(実施の形態1)、(実施の形態2)において、駆動時間に余裕があり休止期間を設ける場合には、強制初期化動作の直前に休止期間を設けることが望ましい。このように休止期間を設けることにより、輝度重みの大きいサブフィールドのクロストークを減らすとともに、強制初期化動作にともなうプライミングが残留する間に次のフィールドの書込み動作を行うことができるので、書込み放電を安定させることができる。本実施の形態においてはSF4とSF5との間にわずかではあるが休止期間を設けている。これによりSF1〜SF4のクロストークを減らすとともに、SF5の強制初期化動作にともなうプライミングを用いて、次のフィールドのSF1の書込み動作を安定させている。
【0063】
さらに、(実施の形態1)、(実施の形態2)において用いた具体的な各数値は、単に一例を挙げたに過ぎず、パネルの特性やプラズマディスプレイ装置の仕様等に合わせて、適宜最適な値に設定することが望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、右目用画像と左目用画像とのクロストークを抑制するとともに、書込み放電を安定させて、品質の高い立体画像を表示することができ、プラズマディスプレイ装置の駆動方法やプラズマディスプレイ装置、加えてプラズマディスプレイシステムとして有用である。
【符号の説明】
【0065】
10 パネル
22 走査電極
23 維持電極
24 表示電極対
32 データ電極
35 蛍光体層
40 プラズマディスプレイ装置
41 画像信号処理回路
42 データ電極駆動回路
43 走査電極駆動回路
44 維持電極駆動回路
45 タイミング発生回路
46 タイミング信号出力部
50 シャッタ眼鏡
52R 右目用液晶シャッタ
52L 左目用液晶シャッタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走査電極と維持電極とデータ電極とを有する放電セルを複数配列したプラズマディスプレイパネルと、前記プラズマディスプレイパネルを駆動する駆動回路とを備えたプラズマディスプレイ装置の駆動方法であって、
複数のサブフィールドを有し右目用画像信号を表示する右目用フィールドと、複数のサブフィールドを有し左目用画像信号を表示する左目用フィールドとを交互に繰り返すとともに、
前記右目用フィールドおよび前記左目用フィールドのそれぞれは、最初に輝度重みの最も大きいサブフィールドを配置し、それ以降は輝度重みが順次小さくなるようにサブフィールドを配置し、最後に輝度重みの最も小さいサブフィールドを配置し、
かつ最後に配置されたサブフィールドの初期化期間では直前のサブフィールドの動作にかかわらず初期化放電を発生させる強制初期化動作を行い、それ以前に配置されたサブフィールドの初期化期間では直前のサブフィールドで書込み放電を行った放電セルのみで初期化放電を発生させる選択初期化動作を行うことを特徴とするプラズマディスプレイ装置の駆動方法。
【請求項2】
前記右目用フィールドおよび前記左目用フィールドのいずれかのフィールドのサブフィールドで書込み放電を行う放電セルでは、そのフィールドの最後に配置された強制初期化動作を行うサブフィールドでも書込み放電を行うことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置の駆動方法。
【請求項3】
走査電極と維持電極とデータ電極とを有する放電セルを複数配列したプラズマディスプレイパネルと、前記プラズマディスプレイパネルを駆動する駆動回路とを備えたプラズマディスプレイ装置であって、
前記駆動回路は、
複数のサブフィールドを有し右目用画像信号を表示する右目用フィールドと、複数のサブフィールドを有し左目用画像信号を表示する左目用フィールドとを交互に繰り返すとともに、
前記右目用フィールドおよび前記左目用フィールドのそれぞれは、最初に輝度重みの最も大きいサブフィールドを配置し、それ以降は輝度重みが順次小さくなるようにサブフィールドを配置し、最後に輝度重みの最も小さいサブフィールドを配置し、
かつ最後に配置されたサブフィールドの初期化期間では直前のサブフィールドの動作にかかわらず初期化放電を発生させる強制初期化動作を行い、それ以前に配置されたサブフィールドの初期化期間では直前のサブフィールドで書込み放電を行った放電セルのみで初期化放電を発生させる選択初期化動作を行うことを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【請求項4】
前記駆動回路は、前記右目用フィールドおよび前記左目用フィールドに同期したタイミング信号を出力するタイミング信号出力部を有することを特徴とする請求項3に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項5】
走査電極と維持電極とデータ電極とを有する放電セルを複数配列したプラズマディスプレイパネルと、
複数のサブフィールドを有し右目用画像信号を表示する右目用フィールドと、複数のサブフィールドを有し左目用画像信号を表示する左目用フィールドとを交互に繰り返すとともに、前記右目用フィールドおよび前記左目用フィールドのそれぞれは、最初に輝度重みの最も大きいサブフィールドを配置し、それ以降は輝度重みが順次小さくなるようにサブフィールドを配置し、最後に輝度重みの最も小さいサブフィールドを配置し、かつ最後に配置されたサブフィールドの初期化期間では直前のサブフィールドの動作にかかわらず初期化放電を発生させる強制初期化動作を行い、それ以前に配置されたサブフィールドの初期化期間では直前のサブフィールドで書込み放電を行った放電セルのみで初期化放電を発生させる選択初期化動作を行って前記プラズマディスプレイパネルを駆動する駆動回路と、
前記右目用フィールドおよび前記左目用フィールドに同期したタイミング信号を出力するタイミング信号出力部と、
前記タイミング信号出力部から出力されたタイミング信号を受信する受信部と右目用シャッタおよび左目用シャッタを有し、前記タイミング信号にもとづき前記右目用シャッタおよび前記左目用シャッタを開閉するシャッタ眼鏡と
を備えたことを特徴とするプラズマディスプレイシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−99989(P2011−99989A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−254661(P2009−254661)
【出願日】平成21年11月6日(2009.11.6)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】