説明

プリプレグの製造方法及び樹脂含浸装置

【課題】ディップ槽内における樹脂ワニスの滞留を効果的に抑制して、高粘度、高チクソ性の樹脂ワニスを使用する場合でも基材への樹脂の良好な含浸性を維持すると共に高粘度化或いはゲル化した樹脂ワニスの付着を防止することができるプリプレグの製造方法を提供する。
【解決手段】基材1に樹脂ワニス2を含浸するにあたり、ディップ槽3内に貯留された樹脂ワニス2中を長尺の基材1が通過するようにすると共に、基材1の進入位置に対して基材1の引出位置とは反対側の位置において樹脂ワニス2をディップ槽3へ供給すると共に基材1の引出位置に対して基材1の進入位置とは反対側の位置において樹脂ワニス2をディップ槽3から排出することによりディップ槽3内に基材1の進行方向に向かう樹脂ワニス2の流動を生じさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長尺の基材を搬送しながら樹脂ワニスを含浸させた後に樹脂成分をBステージ化するプリプレグの製造方法、及びこの方法において基材への樹脂ワニスの含浸に使用される樹脂含浸装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プリント配線板の製造等に使用されるプリプレグは、通常は例えば繊維質の基材1に熱硬化性樹脂を含む樹脂ワニス2を含浸し、加熱乾燥してBステージ状態にすることで作製されている。このようなプリプレグを作製するにあたっては、長尺の基材1を連続的に搬送しながら順次、樹脂ワニス2の含浸と加熱乾燥とを行う連続工程が広く採用されている。
【0003】
このようにプリプレグを作製するにあたって、樹脂ワニス2の含浸方式は種々のものが採用されているが、その一つにディッピングによるものがある。これは、図8に示すように、樹脂ワニス2が貯留されているディップ槽3内へ長尺な基材1を連続的に導入して樹脂ワニス2中に浸漬し、このディップ槽3から導出された基材1が一対のスクイズロール4間を通過するようにして余分な樹脂ワニス2を絞り取るようにしたものである。そしてこのようにして樹脂ワニス2を含浸した基材1は次工程へ搬送されて、加熱乾燥処理が施されるものである。ここで、図8中の符号5はスクイズロール4に付着した樹脂ワニス2を掻き取る掻取具を、符号6はディップ槽3へ樹脂ワニス2を供給するための供給管を、符号8はディップ槽3からオーバーフローした樹脂ワニス2を受け止めるオーバーフロー槽を、符号9はディップロールを、それぞれ示す。
【0004】
このようにディッピングにより樹脂ワニス2を含浸する場合には、ディップ槽3に貯留されている樹脂ワニス2の粘度を一定に保つ必要があるが、ディップ槽3内の樹脂ワニス2からは溶剤が揮発していき、これにより樹脂ワニス2の粘度が上昇して基材1への含浸性が充分に得られなくなる場合がある。そこでディップ槽3からは順次樹脂ワニス2を排出すると共に、粘度調整された樹脂ワニス2を順次供給するようにして、ディップ槽3中の樹脂ワニス2の粘度を一定に保つことが行われている。例えばこの図8に示すものでは、ディップ槽3の底部に接続された供給管6からディップ槽3内に樹脂ワニス2を供給すると共にこのディップ槽3からオーバーフローする樹脂ワニス2を排出するようにしている。また、特許文献1に開示されるように、基材の上側と下側とから粘度調整された樹脂ワニスを供給し、それによりオーバーフローした樹脂ワニスをディップ槽から排出するようにしたものもある。
【特許文献1】特開2003−335875号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記のような従来の手法では、ディップ槽3内における樹脂ワニス2の流動は基材1によって遮られやすいため、ディップ槽3内に樹脂ワニス2の滞留が生じて、高粘度化或いはゲル化した樹脂ワニス2が発生し、そのため基材1への樹脂含浸性が低下したり、高粘度化或いはゲル化した樹脂ワニス2が基材1に付着して成形性が悪化したりすることがあった。例えば図8に示すものでは、基材1の経路の上方側におけるこの基材1に囲まれた領域は基材1に遮られて樹脂ワニス2が滞留しやすくなり、そのため樹脂ワニス2の上面の基材1の引き出し位置付近にゲル化した樹脂ワニス2が溜まりやすくなり、これが基材1に付着して成形性の悪化に繋がるおそれがあった。また、特許文献1に記載のものでは、基材の上下両側から樹脂ワニスを供給することで樹脂ワニスの滞留を抑制しようとしたものであるが、それでも基材の経路の上方側におけるこの基材に囲まれた領域ではどうしても樹脂ワニスが滞留しやすくなるものであり、そのため特に高粘度、高チクソ性の樹脂ワニスを使用する場合には、樹脂ワニスの上面の基材の引き出し位置付近にゲル化した樹脂ワニスが溜まりやすくなるものであった。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、ディップ槽内における樹脂ワニスの滞留を効果的に抑制して、高粘度、高チクソ性の樹脂ワニスを使用する場合でも基材への樹脂の良好な含浸性を維持すると共に高粘度化或いはゲル化した樹脂ワニスの付着を防止することができるプリプレグの製造方法、及びこの方法において基材への樹脂ワニスの含浸に使用される樹脂含浸装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るプリプレグの製造方法は、長尺の基材1を搬送しながらこの基材1に樹脂ワニス2を含浸する工程と、樹脂ワニス2を含浸した基材1の樹脂成分をBステージ化する工程とを含むプリプレグの製造方法において、基材1に樹脂ワニス2を含浸するにあたり、ディップ槽3内に貯留された樹脂ワニス2中を長尺の基材1が通過するようにすると共に、基材1の進入位置に対して基材1の引出位置とは反対側の位置において樹脂ワニス2をディップ槽3へ供給すると共に基材1の引出位置に対して基材1の進入位置とは反対側の位置において樹脂ワニス2をディップ槽3から排出することによりディップ槽3内に基材1の進行方向に向かう樹脂ワニス2の流動を生じさせることを特徴とするものである。これにより、基材1におけるディップ槽3の内面と対向する側の一面とディップ槽3の内面との間において、樹脂ワニス2が基材1の進行方向に向けて流動する領域における樹脂ワニス2の滞留が生じにくくなり、またこのとき樹脂ワニス2の流動方向は基材1の進行方向に向かう方向であるので、ディップ槽3全体に亘って樹脂ワニス2の流動が促進され、ディップ槽3内の全体に亘って樹脂ワニス2の滞留が生じにくくなる。
【0008】
このプリプレグの製造方法においては、ディップ槽3において基材1の幅方向に亘り均一に樹脂ワニス2の供給と排出を行うことによりディップ槽3内に基材の進行方向に向かう樹脂ワニス2の流動を生じさせることが好ましい。この場合、ディップ槽3内において基材1の幅方向に亘り均一な樹脂ワニス2の流動を促すことができる。
【0009】
また、オーバーフロー方式によりディップ槽3への樹脂ワニス2の供給とディップ槽3からの樹脂ワニス2の排出とを行うことも好ましく、この場合、ノズル形状や圧力バラツキに左右されることなく基材1の方向に均一な流動を生じさせることが容易なものとなる。
【0010】
また、ディップ槽3内における基材1の経路の下方から樹脂ワニス2の排出を行うことも好ましく、この場合、ディップ槽3に供給された樹脂ワニス2は、樹脂ワニス2が排出されることによって、基材1の進入位置に対して基材1の引出位置とは反対側の位置における樹脂ワニス2の供給位置から、基材1の経路の下方における樹脂ワニス2の排出位置までに亘る領域において樹脂ワニス2の流動が更に促進される。
【0011】
また、ディップ槽3内において樹脂ワニス2の流動方向に沿った方向に樹脂ワニス2を吐出することも好ましく、この場合、樹脂ワニス2の吐出位置と、基材1の引出位置に対して基材1の進入位置とは反対側の位置における樹脂ワニス2の引出位置との間での樹脂ワニス2の流動を更に促進することができる。
【0012】
本発明に係る樹脂含浸装置は、長尺な基材1を搬送しながら前記基材1に樹脂ワニス2を含浸する樹脂含浸装置において、内部に樹脂ワニス2が貯留されるディップ槽3と、基材1の進入位置に対して基材1の引出位置とは反対側の位置において樹脂ワニス2を前記ディップ槽3内へ供給する供給手段と、基材1の引出位置に対して基材1の進入位置とは反対側の位置において樹脂ワニス2を前記ディップ槽3から排出する排出手段とを具備することを特徴とするものである。これにより、供給手段からの樹脂ワニス2の供給と排出手段からの樹脂ワニス2の排出に伴って、基材1におけるディップ槽3の内面と対向する側の一面とディップ槽3の内面との間において、樹脂ワニス2が基材1の進行方向に向けて流動し、この領域における樹脂ワニス2の滞留が生じにくくなり、またこのとき樹脂ワニス2の流動方向は基材1の進行方向に向かう方向であるので、ディップ槽3全体に亘って樹脂ワニス2の流動が促進され、ディップ槽3内の全体に亘って樹脂ワニス2の滞留が生じにくくなる。
【0013】
この樹脂含浸装置においては、上記供給手段がディップ槽3において基材1の幅方向に亘り均一に樹脂ワニス2を供給するものであることが好ましく、この場合、ディップ槽3内において基材1の幅方向に亘り均一な樹脂ワニス2の流動を促すことができる。
【0014】
また、上記供給手段がオーバーフローにより樹脂ワニス2をディップ槽3へ供給する供給用オーバーフロー槽20を備えることも好ましく、この場合、ノズル形状や圧力バラツキに左右されることなく基材1の幅方向に均一な流動を容易に生じさせることができる。
【0015】
また、上記排出手段がディップ槽3において基材1の幅方向に亘り均一に樹脂ワニス2の排出を行うものであることも好ましく、この場合、ディップ槽3内において基材1の幅方向に亘り均一な樹脂ワニス2の流動を促すことができる。
【0016】
また、樹脂ワニス2をディップ槽3内における基材1の経路の下方から排出する排出口22を備えることも好ましく、この場合、ディップ槽3に供給された樹脂ワニス2は、排出口22から樹脂ワニス2が排出されることによって、基材1の進入位置に対して基材1の引出位置とは反対側の位置における樹脂ワニス2の供給位置から、排出口22までに亘る領域において樹脂ワニス2の流動が更に促進される。
【0017】
また、ディップ槽3内における樹脂ワニス2の流動方向に沿った方向に樹脂ワニス2を吐出する供給口23を備えることも好ましく、この場合、供給口23の配置位置と、基材1の引出位置に対して基材1の進入位置とは反対側の位置における樹脂ワニス2の排出位置との間での樹脂ワニス2の流動を更に促進することができる。
【0018】
また、基材1の進入位置に対して基材1の引出位置側の位置において樹脂ワニス2を前記ディップ槽3内へ供給する供給手段と、基材1の引出位置に対して基材1の進入位置側の位置において樹脂ワニス2を前記ディップ槽3から排出する排出手段とを備えることも好ましく、この場合、基材1の両面側において樹脂ワニス2の流動を更に促進することができる。
【0019】
このとき、更にディップ槽3内における基材1の一面側と他面側にそれぞれ樹脂ワニス2の流動方向を基材1の進行方向に沿ってガイドするガイド板19を設けることも好ましく、この場合、基材1の両面と各ガイド板19との間にそれぞれ樹脂ワニス2が流通する経路が形成され、この経路における樹脂ワニス2の流動が更に促進される。
【発明の効果】
【0020】
本発明では、ディップ槽への樹脂ワニスの供給と排出とを利用することで、ディップ槽の全体に亘って樹脂ワニスの更新を促進することができ、これにより基材への樹脂ワニスの含浸性を一定に保つと共に、樹脂ワニスの高粘度化やゲル化が抑制されて、高粘度化したりゲル化したりした樹脂ワニスが基材に付着することを防止することができ、成形性の悪化を防止できるものであり、また高粘度、高チクソ性のワニスを用いる場合であっても、不良の発生を抑制できるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0022】
基材1としては、プリプレグの作製に使用される適宜の繊維質基材が用いられる。例えばガラス繊維や適宜の有機繊維の織布又は不織布が挙げられる。この基材1としては長尺なものが用いられ、この基材1が長手方向に沿って搬送されながら、順次、基材1に樹脂ワニス2を含浸する工程と、樹脂ワニス2を含浸した基材1の樹脂成分をBステージ化する工程とを経て、プリプレグが作製される。
【0023】
樹脂ワニス2も、プリプレグの作製に使用される適宜のものが用いられるものであり、例えばエポキシ樹脂、PPO(ポリフェニレンオキサイド)樹脂等の熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物を有機溶剤で希釈して粘度調整がなされたものが用いられる。
【0024】
基材1に樹脂ワニス2を含浸するにあたっては、基材1をディップ槽3内の樹脂ワニス2に浸漬するディッピング法が用いられる。
【0025】
図1〜6は、ディッピング法により基材1に樹脂ワニス2を含浸する樹脂含浸装置の例を示す。これらの例では、樹脂ワニス2が貯留されたディップ槽3内には、水平回転軸を有するディップロール9が樹脂ワニス2中に沈むように配設されており、基材1はディップ槽3の上方から樹脂ワニス2内に導入され、ディップロール9に掛け支えられることで上方に折り返されて樹脂ワニス2の液面から導出され、上方に引き出されるように搬送されるものであり、このときディップロール9内の樹脂ワニス2を通過するように搬送される。このとき、樹脂ワニス2中における基材1の経路は略V字状となる。
【0026】
また、ディップ槽3から引き出された基材1は、一対のスクイズロール4間を通過するようになっており、これにより基材1に付着した樹脂ワニス2のうち余分なものが絞り取られるようになっている。
【0027】
本発明では、ディップ槽3に樹脂ワニス2を供給すると共に、ディップ槽3内の余剰の樹脂ワニス2を排出するようにし、このとき、基材1の進入位置に対して基材1の引出位置とは反対側の位置において樹脂ワニス2をディップ槽3へ供給すると共に基材1の引出位置に対して基材1の進入位置とは反対側の位置において樹脂ワニス2をディップ槽3から排出することで、この樹脂ワニス2の供給と排出とを利用してディップ槽3内に、基材1の進行方向に向かう樹脂ワニス2の流動を生じさせるものである。
【0028】
ここで、基材1の進入位置とは、基材1がディップ槽3に向けて導入される際にディップ槽3に貯留されている樹脂ワニス2の液面と基材1とが交差する位置であり、また基材1の引出位置とは、ディップ槽3中の基材1が引き出される際に樹脂ワニス2の液面と基材1とが交差する位置である。
【0029】
このように樹脂ワニス2の供給と排出とを行うようにすると、樹脂ワニス2から溶剤が揮発しても、ディップ槽3内の樹脂ワニス2を順次更新してこの樹脂ワニス2の粘度を一定に保つことができ、しかも樹脂ワニス2の流動は基材1の進行方向に沿って生じるために、樹脂ワニス2の流動が阻害されず更に促進されて、ディップ槽3の全体に亘って樹脂ワニス2の更新が促進され、これにより基材1への樹脂ワニス2の含浸性を一定に保つことができるものであり、また樹脂ワニス2の高粘度化やゲル化が抑制されて、高粘度化したりゲル化したりした樹脂ワニス2が基材1に付着することを防止することができ、成形性の悪化を防止できるものである。
【0030】
このとき、樹脂含浸装置には、ディップ槽3への樹脂ワニス2の供給を行う供給手段と、ディップ槽3からの樹脂ワニス2の排出を行う排出手段とが設けられる。
【0031】
供給手段は、例えば図7に示すように、樹脂ワニス2の供給経路である供給管6と、この供給管6に樹脂ワニス2を流通させるための駆動力を発生するポンプ等の駆動源13とで構成することができる。また排出手段は、例えば樹脂ワニス2の排出経路である排出管7と、この排出管7に樹脂ワニス2を流通させるための駆動力を発生するポンプ等の駆動源14とで構成することができる。
【0032】
図1は、樹脂含浸装置の一例を示すものである。図示の例では、ディップ槽3の内面はディップ槽3内における基材1の経路に沿った形状を有しており、この内面が樹脂ワニスの流動方向をガイドするガイド板19として機能して、基材1のガイド板19に対向する面とこのガイド板19との間に樹脂ワニス2が流通する経路が形成されている。また、基材1の進入位置に対して基材1の引出位置とは反対側の位置、図示の例ではディップ槽3の基材1が進入される側の縁部と基材1の進入位置との間の位置においてディップ槽3の上方からディップ槽3に向けて樹脂ワニス2を吐出する吐出ノズル等の吐出器18が設けられている。この吐出器18は、上記の供給手段の供給管6が接続するなどして、供給手段の一部をなしている。そしてこの吐出器18から樹脂ワニス2が吐出されることによりディップ槽3に樹脂ワニス2が供給されるものである。
【0033】
一方、基材1の引出位置に対して基材1の進入位置とは反対側の位置、図示の例ではディップ槽3の、基材1が引き出される側の縁部には、排出用オーバーフロー槽8が設けられている。この排出用オーバーフロー槽8は、上記の排出手段における排出管7に接続されるなどして、排出手段の一部をなしている。そして、ディップ槽3からオーバーフローして排出用オーバーフロー槽8に流出することにより、ディップ槽3から樹脂ワニス2が排出されるものである。
【0034】
このような樹脂含浸装置を用い、長尺な基材1を搬送しながらディップ槽3内の樹脂ワニス2を通過させると共に、上記供給手段からの樹脂ワニス2の供給と上記排出手段からの樹脂ワニス2の排出とを行うと、基材1におけるディップ槽3の内面と対向する側の一面とディップ槽3の内面との間において、樹脂ワニス2が基材1の進行方向に向けて流動し、この領域における樹脂ワニス2の滞留が生じにくくなる。このとき樹脂ワニス2の流動方向は基材1の進行方向に向かう方向であるので、樹脂ワニス2の流動が基材1の進行によって阻害されるようなことがなく、樹脂ワニス2の流動が促進されるため、基材1の経路の上方側におけるこの基材1に囲まれた領域においても樹脂ワニス2の流動が促され、ディップ槽3内の全体に亘って樹脂ワニス2の滞留が生じにくくなる。これにより、ディップ槽3内における樹脂ワニス2の粘度を一定に保ち、基材1に対する樹脂ワニス2の含浸量を一定に維持することができるものであり、またディップ槽3内に高粘度化或いはゲル化した樹脂ワニス2が発生することを防止してこのような樹脂ワニス2が基材1に付着することを防止し、成形性の悪化を防止することができる、また高粘度、高チクソ性のワニスを用いる場合であっても、不良の発生を抑制できるものである。
【0035】
また図示の例では特にディップ槽3の内面がディップ槽3内における基材1の経路に沿った形状を有して樹脂ワニスの流動方向をガイドするガイド板19として機能することで、基材1のガイド板19に対向する面とこのガイド板19との間に樹脂ワニス2が流通する経路が形成されていることから、この経路における樹脂ワニス2の流動が更に促進されるものである。
【0036】
このような樹脂含浸装置においては、供給手段による樹脂ワニス2の供給を、基材1の幅方向に亘り均一に行うようにすることが好ましく、例えば上記吐出器18の吐出口を基材1の幅方向に沿って長いスリット状に形成してこの吐出口から樹脂ワニス2を均一な流量で吐出するようにする。この場合、ディップ槽3内において基材1の幅方向に亘り均一な樹脂ワニス2の流動を促すことができ、基材1の全体にわたり樹脂ワニス2を更新して基材1へのゲル化した樹脂ワニス2の付着や成形不良等を更に確実に防止することができる。
【0037】
また、排出手段による樹脂ワニス2の排出も、基材1の幅方向に亘り均一に行うようにすることが好ましく、例えば上記排出用オーバーフロー槽8を基材1の幅方向に沿って設けると共にディップ槽3と排出用オーバーフロー槽8との間の仕切りの高さを全体に亘って同一なものとする。この場合もディップ槽3内において基材1の幅方向に亘り均一な樹脂ワニス2の流動を促すことができ、基材1の全体にわたり樹脂ワニス2を更新して基材1へのゲル化した樹脂ワニス2の付着や成形不良等を更に確実に防止することができるものである。
【0038】
図2に示す例では、上記図1の構成において、吐出器18に代えて、ディップ槽3の基材1が進入する側の縁部に供給用オーバーフロー槽20が設けられており、この供給用オーバーフロー槽20には上記の供給手段の供給管6が接続するなどして、供給手段の一部をなしている。そしてこの供給用オーバーフロー槽20に樹脂ワニス2が供給されることにより樹脂ワニス2が供給用オーバーフロー槽20をオーバーフローしてディップ槽3に供給されるものである。このような樹脂含浸装置では、ノズル形状や圧力バラツキに左右されることなく基材1の幅方向に均一な流動を生じさせることが容易なものとなる。
【0039】
また、このような樹脂含浸装置においても、供給手段による樹脂ワニス2の供給を、基材1の幅方向に亘り均一に行うようにすることが好ましく、例えば上記供給用オーバーフロー槽20を基材1の幅方向に沿って設けると共にディップ槽3と供給用オーバーフロー槽20との間の仕切りの高さを全体に亘って同一なものとする。この場合もディップ槽3内において基材1の幅方向に亘り均一な樹脂ワニス2の流動を促すことができ、基材1の全体にわたり樹脂ワニス2を更新して基材1へのゲル化した樹脂ワニス2の付着や成形不良等を更に確実に防止することができるものである。
【0040】
また、図3に示す例では、図2に示す構成において、ディップ槽3と排出用オーバーフロー槽8との間の仕切りとして、上下動可能な水平調整仕切り21を設けたものである。このような水平調整仕切り21を上下動させることにより、ディップ槽3と排出用オーバーフロー槽8との間の仕切りの高さを変更し、これによりディップ槽2からの樹脂ワニス2の排出量を調整することができ、またそれに伴ってディップ槽2内における樹脂ワニス2の流動速度を調整することができ、基材1へのゲル化した樹脂ワニス2の付着や成形不良等が生じないようにするための最適な条件にて基材1への樹脂ワニス2の含浸を行うことができるものである。
【0041】
尚、勿論図1に示す例においてこのような水平調整仕切り21を設けても良い。
【0042】
また、図4に示す例では、図3に示す構成において、ディップ槽3内における基材1の経路の下方に、ディップ槽3から樹脂ワニス2を排出するための排出口22を設けたものである。この排出口22は、図示の例では、ディップ槽3の底部においてディップロール9の下方に設けられている。この排出口22の形成位置は、図示のようにディップロール9の下方において、やや基材1の進入位置側に位置するようにすることが好ましい。この排出口22は樹脂ワニス2を吸引するなどしてこの排出口22の形成位置においてディップ槽3から樹脂ワニス2を排出するものであり、例えば上記の排出管7に接続するなどして、排出手段の一部をなしている。
【0043】
このような排出口22を設けると、ディップ槽3に供給された樹脂ワニス2は、上記排出口22から樹脂ワニス2が排出されることによって、基材1の進入位置に対して基材1の引出位置とは反対側の位置における樹脂ワニス2の供給位置から、排出口22までに亘る領域において樹脂ワニス2の流動が更に促進される、そして、樹脂ワニス2の流動は、排出口22の形成位置から排出口22にて排出されるものと、基材1の引出位置に対して基材1の進入位置とは反対側の位置における樹脂ワニス2の排出位置へ向かうものとに分岐して、ディップ槽3から排出されるものである。これにより、基材1へのゲル化した樹脂ワニス2の付着や成形不良等を更に確実に防止することができるものである。
【0044】
尚、このような排出口22は、勿論図1、図2に示す構成において設けても良い。
【0045】
また、図5に示す例では、図6に示す例において、ディップ槽3内に樹脂ワニス2を吐出することでディップ槽3における樹脂ワニス2の流動を補助する供給口23を設けている。この供給口23は、図示の例ではディップ槽3の底部において、ディップロール9に対してディップ槽3の、基材1の引出位置側に設けられている。また、このとき供給口23は、排出口22よりも、基材1の引出位置側に設けられている。この供給口23は上方に向けて樹脂ワニス2を吐出するように形成されており、すなわちディップロール9よりも下流側における基材1とディップ槽3の内面との間の樹脂ワニス2の流動方向(図示の例では上方向)に沿う方向に向けて樹脂ワニス2を吐出するようになっている。このような供給口23は、上記の供給手段の供給管6に接続するなどして、供給手段の一部をなしている。そしてこの吐出器18から樹脂ワニス2が吐出されることによりディップ槽3に樹脂ワニス2が供給されるものである。
【0046】
このような供給口23を設けると、供給口23から樹脂ワニス2が吐出されることによって、供給口23の形成位置(樹脂ワニス2の吐出位置)と、基材1の引出位置に対して基材1の進入位置とは反対側の位置における樹脂ワニス2の排出位置との間での樹脂ワニス2の流動が更に促進され、これにより、基材1へのゲル化した樹脂ワニス2の付着や成形不良等を更に確実に防止することができるものである。この供給口23は、ディップ槽3内における樹脂ワニス2の流動に沿った方向に樹脂ワニス2を吐出するものであれば良く、このため供給口23の形成位置は図5に示されるものに限られない。
【0047】
尚、このような供給口23は、勿論図1〜3に示す構成において設けるようにしても良い。
【0048】
図6に示す例では、ディップ槽3は、上方に開口する基材1の進入口24と、上方に開口する基材1の引出口25とが別個に形成されており、ディップ槽3は一端に前記進入口24が形成されると共に他端に前記引出口25が形成された管状の流路として形成されている。図示の例ではディップ槽3は基材1の経路に沿った略V字状に形成され、このV字状のディップ槽3の一端が上方に開口する基材1の進入口24として形成され、他端が上方に開口する基材1の引出口25として形成されている。ディップロール9はディップ槽3内においてV字の略頂点位置に配設されている。このとき、基材1の一面に対向するディップ槽3の内面は、ディップ槽3内における基材1の経路に沿った形状を有しており、この内面が樹脂ワニス2の流動方向をガイドするガイド板19として機能する。これによりディップ槽3の内部には、基材1の一面とこれに対向するガイド板19との間に樹脂ワニス2が流通する経路が形成されている。また基材1の他面に対向するディップ槽3の内面も、ディップ槽3内における基材1の経路に沿った形状を有しており、樹脂ワニス2の流動方向をガイドするガイド板19として機能する。これによりディップ槽3の内部には、基材1の他面とこれに対向するガイド板19との間にも樹脂ワニス2が流通する経路が形成されている。
【0049】
また、ディップ槽3の進入口24の上方には、基材1の進入位置に対して基材1の引出位置とは反対側の位置と、基材1の進入位置に対して基材1の引出位置側の位置とにおいて、それぞれディップ槽3に向けて樹脂ワニス2を吐出する吐出ノズル等の吐出器18が設けられている。この吐出器18は、上記の供給手段の供給管6が接続するなどして、供給手段の一部をなしている。また、この吐出器18は、樹脂ワニス2の供給を、基材1の幅方向に亘り均一に行うようにすることが好ましく、例えばこの吐出器18の吐出口を基材1の幅方向に沿って長いスリット状に形成してこの吐出口から樹脂ワニス2を均一な流量で吐出することが好ましい。また吐出器18に代えて適宜の樹脂ワニス2の供給機構を設けても良く、例えば進入口24の、基材の進入位置に対して基材の引出位置とは反対側の位置と、基材の進入位置に対して基材の引出位置側の位置における縁部に、それぞれ上記のような供給用オーバーフロー槽20を設けても良い。
【0050】
また、引出口25は広く開口しており、また、基材の引出位置に対して基材の進入位置とは反対側の位置と、基材の引出位置に対して基材の進入位置側の位置において、引出口25の縁部にはそれぞれ排出用オーバーフロー槽8が設けられている。この排出用オーバーフロー槽8は、上記のものと同様に上記の排出手段における排出管7に接続されるなどして、排出手段の一部をなしている。このとき、排出手段による樹脂ワニス2の排出も、基材1の幅方向に亘り均一に行うようにすることが好ましく、例えば上記排出用オーバーフロー槽8を基材1の一面側と他面側の縁部において、基材1の幅方向に沿って設けると共にディップ槽3と排出用オーバーフロー槽8との間の仕切りの高さを全体に亘って同一なものとすることが好ましい。
【0051】
このように形成される樹脂含浸装置では、進入口24側で基材の引出位置に対して基材1の進入位置とは反対側の位置において吐出器18から樹脂ワニス2が吐出されると共に、引出口25側で基材の引出位置に対して基材の進入位置とは反対側の位置においてオーバーフロー槽から樹脂ワニス2が排出されることにより、ディップ槽3内における基材1の経路の一面側には、基材1の進行方向に向かう樹脂ワニスの流動が生じる。また進入口24側で基材の引出位置に対して基材の進入位置側の位置において吐出器18から樹脂ワニス2が吐出されると共に、引出口25側で基材の引出位置に対して基材の進入位置側の位置において排出用オーバーフロー槽8から樹脂ワニス2が排出されることにより、ディップ槽3内における基材1の経路の他面側でも、基材1の進行方向に向かう樹脂ワニスの流動が生じる。このようにディップ槽3内における基材1の経路の両面側において基材1の進行方向に向かう樹脂ワニス2の流動が生じることにより、基材1の経路の両面側において樹脂ワニス2の滞留が生じにくくなり、これにより、ディップ槽3内における樹脂ワニス2の粘度を一定に保ち、基材1に対する樹脂ワニス2の含浸量を一定に維持することができるものであり、またディップ槽3内に高粘度化或いはゲル化した樹脂ワニス2が発生することを防止してこのような樹脂ワニス2が基材に付着することを防止し、成形性の悪化を防止することができるものである。
【0052】
また図示の例では特にディップ槽3の内面が、基材1の経路の一面側と他面側とで、共にディップ槽3内における基材1の経路に沿った形状を有して樹脂ワニスの流動方向をガイドするガイド板19として機能し、基材1の両面と各ガイド板19との間に樹脂ワニス2が流通する経路が形成されていることから、この経路における樹脂ワニス2の流動が更に促進されるものである。
【0053】
尚、この図6に示す構成において、上記のような供給口23や排出口22を設けるようにしても良い。
【実施例】
【0054】
(実施例1〜6、比較例1)
上記の図1〜6に示す各実施の形態及び図8に示した従来技術に示した各装置構成を用いて、実際に基材1に対する樹脂ワニス2の含浸を行い、その結果を評価した。
【0055】
ここで、基材1としては日東紡績株式会社の品番「WEA−05E」を用い、これを245〜294N/m(24〜30kgf/m)の張力をかけながら搬送するようにした。
【0056】
また、樹脂ワニス2としては下記のワニス1、ワニス2の、二種類のものを用いた。
【0057】
・ワニス1:臭素化エポキシ(ダウケミカル日本株式会社製「DER514L EK80」)67.3質量%、ノボラック型エポキシ樹脂(東都化成社製「YDCN220 EK75」)10.3質量%、ジシアンジアミド(日本カーバイド工業株式会社製 12質量%のDMF溶液「DICY」)11.9質量%、メトキシプロパノール10.5質量%、2−メチル−4−メチルイミダゾール0.03質量%を配合して得られるFR−4タイプ、粘度200cps(cP)、チクソトロピックインデックス(TI値)2以下。
【0058】
・ワニス2:PPO(日本ジーイープラスチック株式会社製「ノリル640−111」)16質量%、TAIC(日本化成株式会社製)24質量%、トルエン(ナカライテスク株式会社製)50質量%、パーブチルP(日本油脂株式会社製)20質量%、シリカ(株式会社アドマテックス製「アドマファインS0−C2」)8質量%を配合して得られるフィラー含有PPO樹脂ワニス、粘度600〜800cps(cP)、チクソトロピックインデックス(TI値)5〜6。
【0059】
そして、各実施形態ごとに、基材1への樹脂ワニス2の含浸を連続的に行い、次いで130℃、5分間の条件で加熱乾燥を行って樹脂成分のBステージ化して、プリプレグを製造した。
【0060】
樹脂ワニス2として上記のワニス1,2をそれぞれ用い、プリプレグの製造を連続的に10時間、20時間、30時間行った場合の、製造されたプリプレグの外観を観察した結果を、下記の表1に示す。なお、「タテスジ」は、樹脂ワニス2の粘度変化による含浸不良により生じるプリプレグの樹脂ムラの有無を評価したものであり、また「ゲル化物」は、プリプレグの表面にゲル化した樹脂ワニス2が付着したことによる成形不良の有無を評価したものである。
【0061】
尚、表中の供給量の欄の6,18,20,23の数字は、それぞれ供給管6、吐出器18、供給用オーバーフロー槽20、供給口23からの樹脂ワニス2の供給量を示し、また8,22の数字はそれぞれ排出用オーバーフロー槽8、排出口22からの樹脂ワニス2の排出量を示す。
【0062】
【表1】

【0063】
表1に示すように、比較例1と比べると、実施例1〜6では順次不良発生が抑制されており、また高粘度、高チクソ性のワニス2を用いる場合であっても、不良の発生を抑制できることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の実施の形態の他例を示す概略断面図である。
【図3】本発明の実施の形態の他例を示す概略断面図である。
【図4】本発明の実施の形態の他例を示す概略断面図である。
【図5】本発明の実施の形態の他例を示す概略断面図である。
【図6】本発明の実施の形態の他例を示す概略断面図である。
【図7】樹脂ワニスの循環フローを示す概略図である。
【図8】従来技術の一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0065】
1 基材
2 樹脂ワニス
3 ディップ槽
19 ガイド板
20 供給用オーバーフロー槽
22 排出口
23 供給口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺の基材を搬送しながらこの基材に樹脂ワニスを含浸する工程と、樹脂ワニスを含浸した基材の樹脂成分をBステージ化する工程とを含むプリプレグの製造方法において、基材に樹脂ワニスを含浸するにあたり、ディップ槽内に貯留された樹脂ワニス中を長尺の基材が通過するようにすると共に、基材の進入位置に対して基材の引出位置とは反対側の位置において樹脂ワニスをディップ槽へ供給すると共に基材の引出位置に対して基材の進入位置とは反対側の位置において樹脂ワニスをディップ槽から排出することによりディップ槽内に基材の進行方向に向かう樹脂ワニスの流動を生じさせることを特徴とするプリプレグの製造方法。
【請求項2】
ディップ槽において基材の幅方向に亘り均一に樹脂ワニスの供給と排出を行うことによりディップ槽内に基材の進行方向に向かう樹脂ワニスの流動を生じさせることを特徴とする請求項1に記載のプリプレグの製造方法。
【請求項3】
オーバーフロー方式によりディップ槽への樹脂ワニスの供給とディップ槽からの樹脂ワニスの排出とを行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のプリプレグの製造方法。
【請求項4】
ディップ槽内における基材の経路の下方から樹脂ワニスの排出を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のプリプレグの製造方法。
【請求項5】
ディップ槽内において樹脂ワニスの流動方向に沿った方向に樹脂ワニスを吐出することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のプリプレグの製造方法。
【請求項6】
長尺な基材を搬送しながら前記基材に樹脂ワニスを含浸する樹脂含浸装置において、内部に樹脂ワニスが貯留されるディップ槽と、基材の進入位置に対して基材の引出位置とは反対側の位置において樹脂ワニスを前記ディップ槽内へ供給する供給手段と、基材の引出位置に対して基材の進入位置とは反対側の位置において樹脂ワニスを前記ディップ槽から排出する排出手段とを具備することを特徴とする樹脂含浸装置。
【請求項7】
上記供給手段がディップ槽において基材の幅方向に亘り均一に樹脂ワニスを供給するものであることを特徴とする請求項6に記載の樹脂含浸装置。
【請求項8】
上記供給手段がオーバーフローにより樹脂ワニスをディップ槽へ供給する供給用オーバーフロー槽を備えるものであることを特徴とする請求項6又は7に記載の樹脂含浸装置。
【請求項9】
上記排出手段がディップ槽において基材の幅方向に亘り均一に樹脂ワニスの排出を行うものであることを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の樹脂含浸装置。
【請求項10】
樹脂ワニスをディップ槽内における基材の経路の下方から排出する排出口を備えることを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載の樹脂含浸装置。
【請求項11】
ディップ槽内における樹脂ワニスの流動方向に沿った方向に樹脂ワニスを吐出する供給口を備えることを特徴とする請求項6乃至10のいずれかに記載の樹脂含浸装置。
【請求項12】
基材の進入位置に対して基材の引出位置側の位置において樹脂ワニスを前記ディップ槽内へ供給する供給手段と、基材の引出位置に対して基材の進入位置側の位置において樹脂ワニスを前記ディップ槽から排出する排出手段とを備えることを特徴とする請求項6乃至11のいずれかに記載の樹脂含浸装置。
【請求項13】
ディップ槽内における基材の一面側と他面側にそれぞれ樹脂ワニスの流動方向を基材の進行方向に沿ってガイドするガイド板を設けたことを特徴とする請求項12に記載の樹脂含浸装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−123221(P2006−123221A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−311494(P2004−311494)
【出願日】平成16年10月26日(2004.10.26)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】