説明

プリンタヘッド及びこれを備えた画像形成装置

【課題】 プリンタヘッドの長寿命化、画像形成装置における画質の安定化を図る。
【解決手段】
プリンタヘッドは、素子基板(10)と、該素子基板上に配列されており感光体を露光するための複数の発光素子(11)とを備える。素子基板のうち少なくとも複数の発光素子に接するように内側封止手段(21、22)が設けられ、素子基板上における複数の発光素子が形成された素子領域が直接に封止される。該内側封止手段の外表面を覆うように外側封止手段(31)が設けられ、素子領域が間接的に封止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばプリンタ、コピー、ファクシミリ等の画像形成装置において、感光体を露光して静電潜像を形成するために用いられる、有機EL(Electro-luminescence)プリンタヘッド等のプリンタヘッド或いはラインヘッドと、これを備えた画像形成装置との技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の有機ELプリンタヘッドでは、ライン状に配列された複数の有機EL発光素子におけるデータ信号に応じた点灯・非点灯が、ライン走査信号に応じたタイミングで順次行われる。
【0003】
ところで、有機EL発光素子は電流駆動型の素子であり、駆動電流によって発熱する。素子の周囲に酸素や水分が存在する場合には、この熱により酸化が促進されて素子が劣化する。このため、有機EL素子の封止構造については、これまでにも種々の工夫がなされている。一般的な封止構造としては、缶封止(特許文献1を参照)、ベタ封止(特許文献2を参照)、及び、薄膜封止(特許文献3を参照)などが知られている。
【0004】
【特許文献1】特許第2800813号公報
【特許文献2】特開平9−274990号公報
【特許文献3】特開平5−182759号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、有機EL発光素子を画像形成装置のプリンタヘッド或いはラインヘッドに適用しようとする場合には、プリンタ内の環境がディスプレイ等の場合と比べて極めて厳しく、通常の封止構造では劣化防止が困難であるという技術的問題点がある。
【0006】
即ち、プリンタ内では、例えば、定着器で加熱して紙面上にトナーを定着させるため、定着器等からは多大な熱と、紙に含まれる水分とが放出されている。そのため、プリンタヘッドの有機EL発光素子は、ディスプレイの有機EL発光素子とは比較にならないほど高温多湿の環境下にある。
【0007】
更に、有機ELプリンタヘッドは、有機EL発光素子の配列方向を長手方向とする細長い形状をしているため、熱膨張等により素子基板に撓みや捩れが生じやすい。ところが、プリンタヘッドは、わずかに変位しても、例えば画像投影用の光学系や感光体との距離にばらつきが生じたり、カラープリンタの場合にドット位置が他の色とずれたりしてしまうことから、プリンタヘッドにおける変位誤差の許容値はかなり小さい。そのため、撓みや捩れが十分抑制されなければ、印刷画像の品質が低下するという技術的問題点がある。
【0008】
本発明は、例えば上記問題点に鑑みてなされたものであり、長寿命化及び画質の安定化を可能ならしめるプリンタヘッド及びこれを備えた画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のプリンタヘッドは、上記課題を解決するために、素子基板と、該素子基板上に配列されており感光体を露光するための複数の発光素子と、前記素子基板のうち少なくとも前記複数の発光素子に接するように設けられ、前記素子基板上における前記複数の発光素子が形成された素子領域を直接に封止する内側封止手段と、該内側封止手段の外表面を覆うように設けられ、前記素子領域を間接的に封止する外側封止手段とを備える。
【0010】
本発明のプリンタヘッドによれば、有機EL発光素子等の発光素子の夫々に駆動電流を供給することで、感光体に対して、発光素子列からライン状の光を発光可能である。
【0011】
このようなプリンタヘッドは、例えばプリンタ、コピー、ファクシミリ等の画像形成装置において、感光体を露光して静電潜像を形成するために用いられる。その駆動時には、感光体に形成された静電潜像は現像され、トナー付着によりトナー画像が形成される。トナー画像は、コピー用紙等の記録媒体上に転写され、定着器で加熱されることで記録媒体上に定着される。その際、画像形成装置内では、定着器等から多大な熱と、紙に含まれる水分とが放出される。
【0012】
このため、プリンタヘッドの発光素子は、画像形成装置に特有の、ディスプレイの発光素子とは比較にならないほど高温多湿の環境下に曝されることになる。とりわけ、有機EL発光素子等の有機材料を含んだ素子は、温度が高いほど、酸素や水分による劣化の進行が速いことが経験的に知られており、高温多湿のプリンタ内は、まさに劣化条件が揃っているといえる。プリンタヘッドの発光素子は、仮にディスプレイ等に適用される発光素子と同程度に封止されていたとしても、確率的に封止部材を透過する酸素や水分が多いために劣化の進行を十分に抑制できないおそれがある。
【0013】
これに対し、本発明のプリンタヘッドでは、素子基板上の素子領域が、内側封止手段によって直接封止され、更に、内側封止手段を外側から覆うように設けられた外側封止手段によって間接的に封止されている。
【0014】
各封止手段は、外気に含まれる酸素や水分を素子領域から遮断する封止機能を有した部材からなり、例えば、缶封止用に座繰りの付いたガラス基板、或いはベタ封止用のガラス基板、防湿効果のある薄膜ないしフィルム材等である。外側封止手段は、こうした封止部材のいずれか一つであってもよいが、同種又は異種の封止部材を複数用いることによって多重に設けられてもよい。そして、その最も内側に、発光素子に接する内側封止手段が設けられる。また、これらの封止手段は、基板上の素子領域の封止を目的として設けられるが、例えば各種配線や駆動回路が搭載された領域などの、基板上のそれ以外の領域まで封止するようにしてもよい。特に外側封止手段は、素子基板全体を覆うように設けるほうが、構造上確実に封止できること等の理由により、好ましい。
【0015】
この場合の発光素子は、例えば2重、3重と、多重に封止されているので、高温多湿の環境下に配置されているにも関わらず、外気中の酸素や水分の素子内部への侵入が極めて良好に防止され、劣化を十分に抑制することが可能となる。
【0016】
また、このようなプリンタヘッドは、素子基板上に2以上の封止部材が搭載されていることから、構造上、剛性が高まる。プリンタヘッドは一般に、わずかな変位でもSLA(セルフォック・レンズ・アレイ:登録商標)や感光体との距離にばらつきが生じたり、カラープリンタの場合に各色の感光体に形成される静電潜像のドット位置に相対的なずれが生じたりしてしまうために、変位誤差の許容範囲はかなり小さい。
【0017】
これに対し、本発明のプリンタヘッドは高い剛性を有しているので、仮に、熱膨張等による撓みや捩れが発生しようとしても十分抑制可能であり、こうした変形に起因する印刷画像の画質低下を回避することができる。
【0018】
以上の結果、本発明のプリンタヘッドによれば、長寿命化が実現可能であり、安定した画質で印刷画像を提供することが可能となる。
【0019】
本発明のプリンタヘッドの一態様では、前記内側封止手段は、封止性材料で構成されており前記複数の発光素子を覆うように前記素子基板上に配置された封止膜からなる。
【0020】
この態様によれば、素子基板上に、内側封止手段として、発光素子を覆う封止膜が設けられている。封止膜は、酸素や水分が透過しにくい封止性材料からなり、例えば、発光素子上に真空蒸着等により層形成される薄膜、或いは発光素子上に貼付されるフィルムといった形態をとる。即ち、封止膜により、発光素子には所謂“薄膜封止”がなされる。
【0021】
ここで、本発明における「封止性材料」とは、酸素や水分等の発光素子に悪影響を及ぼす物質を遮断する機能を有した材料を意味している。そのような封止性材料としては、例えば、蒸着膜ないしフィルムの状態で適用されるポリブタジエン、テフロン(登録商標)、ポリスチレン、炭化水素、長鎖脂肪酸等の有機高分子や、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化シリコン、窒化シリコン、或いは基板ガラス等の無機材料などの水分や酸素が透過しにくい材料、所謂耐水性や吸水性のある材料ないし酸素透過性の低い材料等である。
【0022】
この封止膜は、発光素子と密着することで、構造上、より確実な封止が可能である。また、発光素子と密着しているため、占有する空間領域が小さくて済み、外側封止手段による多重封止構造をとるのに有利である。
【0023】
本発明のプリンタヘッドの他の態様では、前記内側封止手段は、封止性材料で構成されており前記素子基板と対向配置される第1封止基板と、該第1封止基板と前記素子基板との間に充填されており前記第1封止基板を前記素子基板に貼り付ける接着層とからなる。
【0024】
この態様によれば、素子基板上に、内側封止手段として、素子基板と対向配置される第1封止基板と、第1封止基板と複数の発光素子との間に充填される接着層とが設けられている。第1封止基板は、例えばガラス等の封止性材料からなり、接着層を介在させて発光素子を覆っている。接着層は、発光素子にベタ状に密着し、第1封止基板と発光素子との間隙に酸素や水分が侵入するのを防ぐように作用する。即ち、第1封止基板と接着層とにより、発光素子には所謂“ベタ封止”がなされる。尚、接着層は、例えば硬化性接着剤等からなり、封止能の有無は特に限定されない。
【0025】
この場合、第1封止基板は、接着層により発光素子に接着されることで、構造上、より確実な封止が可能である。また、発光素子と接着されているため、占有する空間領域が小さくて済み、外側封止手段による多重封止構造をとるのに有利である。
【0026】
加えて、この態様では、発光素子が素子基板と第1封止基板とに挟まれた状態となっている。そのため、駆動時に発光素子において生じた熱は、これら2つの基板に概ね均等に伝導してゆく。このため、放熱効果が高いという利点がある。即ち、放熱効率が高いために、熱による素子劣化が防止され、長寿命化に寄与する。
【0027】
また仮に、第1封止基板がないと、発光素子にて生じた熱は殆ど素子基板に伝導されるために、素子基板と外側封止手段とには熱膨張による変位差が生じて、プリンタヘッドに撓みや捩れを引き起こしてしまう。これに対し、本態様では、発光素子から発生する熱は、発光素子の上下両方に均等に伝導されるため、上記のような変位差が生じ難く、プリンタヘッドに撓みや捩れが生じ難い。前述したように、画像形成装置が許容するプリンタヘッドの変位誤差範囲はかなり小さく、その変形は極力抑制される必要があるが、ここでは、上記の構成により撓みや捩れを抑制することができる。よって、このプリンタヘッドによれば、安定した画質で印刷画像を提供することを可能となる。
【0028】
本発明のプリンタヘッドの他の態様では、前記外側封止手段は、封止性材料で構成されると共に片面に凹部を有し、前記複数の発光素子を、前記凹部において空間を介在させて覆うように、前記素子基板上に配置される第2封止基板からなる。
【0029】
この態様によれば、素子基板上に、外側封止手段として、第2封止基板が設けられている。第2封止基板は、例えばガラス基板等の封止性材料からなり、凹部において、空間を介在させて発光素子を覆っている。即ち、第2封止基板により、発光素子には所謂“缶封止”がなされる。
【0030】
第2封止基板は、凹部の深さに応じて、発光素子との間にある程度の大きさの空間を設けることができる。よって、その内部に、内側封止手段や他の外側封止手段を設けるためのスペースを確保することが比較的容易であり、多重封止構造をとるのに有利である。
【0031】
この外側封止手段により缶封止を行う態様では、前記空間には、脱水剤及び脱酸素剤の少なくとも一方が封入されていてもよい。
【0032】
この場合、第2封止基板の凹部内は、仮に酸素や水分が侵入したとしても、脱水剤ないし脱酸素剤に吸収されるので、酸素濃度や湿度が低減される。よって、発光素子に対する酸素や水分の侵入を一層効果的に防止可能である。
【0033】
本発明のプリンタヘッドの他の態様では、前記外側封止手段は、封止性材料で構成されており前記素子基板と対向配置される第3封止基板と、該第3封止基板と前記素子基板との間に充填されており前記第3封止基板を前記素子基板に貼り付ける接着層とからなる。
【0034】
この態様によれば、素子基板上に、外側封止手段として、素子基板と対向配置される第3封止基板と、第3封止基板と複数の発光素子との間に充填される接着層とが設けられている。即ち、発光素子には、所謂“ベタ封止”がなされる。即ち、第3封止基板と接着層とは、前述した第1封止基板とその接着層と例えば同様の材料からなり、同様に作用して封止を行う。
【0035】
第3封止基板は、接着層の厚みに応じて、発光素子との間にある程度の大きさの空間を設けることができる。よって、その内部に、内側封止手段や他の外側封止手段を設けるためのスペースを確保することが比較的容易であり、多重封止構造をとるのに有利である。
【0036】
本発明のプリンタヘッドの他の態様では、前記素子基板、前記内側封止手段及び前記外側封止手段の各間の熱膨張率差に起因した変形が防止されるように、前記素子基板、前記内側封止手段及び前記外側封止手段のうちの少なくとも2つの熱膨張率が互いに揃えられている。
【0037】
この態様によれば、駆動時に発生する画像形成装置内の熱によって、プリンタヘッド内の素子基板、内側封止手段及び外側封止手段が熱膨張したとしても、これらのうちの少なくとも2つは熱膨張率の差が殆ど或いは実践上全くないことから、プリンタヘッドの変形が抑制される。尚、素子基板、内側封止手段及び外側封止手段は、できるだけ熱膨張率が揃えられていることが好ましく、その意味では、同じ材料で構成されることが望ましい。例えば、封止手段が基板である場合に、内側の封止基板と外側の封止基板、或いはこれらの一方又は両方と素子基板を、同一のガラス基板とするとよい。
【0038】
前述したように、画像形成装置が許容するプリンタヘッドの変位誤差範囲はかなり小さく、その変形は極力抑制される必要がある。一方、比較的高温の画像形成装置内では、熱膨張がプリンタヘッドの主な変形要因と考えられるので、このように主な部材の熱膨張率を制御すれば、プリンタヘッドの撓みや捩れを効果的に抑制でき、結果として、変形等に起因する印刷画像の画質低下を回避することが可能となる。
【0039】
本発明のプリンタヘッドの他の態様によれば、熱による変位量が、搭載される画像形成装置に許容されるプリンタヘッドの変位誤差範囲内に収まるように、前記素子基板、前記内側封止手段及び前記外側封止手段のうちの少なくとも1つは、難変形性の材料からなる。
【0040】
この態様によれば、プリンタヘッド内の素子基板、内側封止手段及び外側封止手段のうちの少なくとも1つが変形しにくい材質であることにより、仮に、画像形成装置内の熱によってこれらが熱膨張し、その熱膨張率差に応じて応力が発生しても、応力による変形や応力の伝播が抑制される。よって、プリンタヘッドの撓みや捩れを効果的に抑制することができ、結果として、変形等に起因する印刷画像の画質低下を回避することが可能となる。
【0041】
本発明の画像形成装置は、上記課題を解決するために、上述した本発明に係るプリンタヘッド(但し、その各種態様を含む)と、前記感光体と、前記プリンタヘッドによる露光によって前記感光体に形成された静電潜像を現像することで可視像を形成する現像手段と、前記形成された可視像を記録媒体上に転写する転写手段と、前記転写された可視像を前記記録媒体上に定着させる定着手段とを備える。
【0042】
本発明の画像形成装置によれば、上述した本発明に係るプリンタヘッドを備えるので、装置の長寿命化を図ることが可能である。また、定着器手段が、例えば汎用性の高い加熱により定着を行う定着器であっても、その発熱等によって生じるプリンタヘッドの変形に起因する画質低下が回避されるために、安定した画質で印刷画像を提供することが可能である。
【0043】
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の各実施形態では、発光素子の一例である有機EL発光素子を搭載したプリンタヘッドを例に挙げて説明する。
【0045】
<第1実施形態>
図1から図3を参照して、本発明の第1実施形態に係るプリンタヘッドの構成について説明する。図1は、本実施形態に係るプリンタヘッドの構成を表す断面図である。図2は、このプリンタヘッドの本体部の外観を表す斜視図である。図3は、図2に示したプリンタヘッド本体における回路の構成を表している。尚、図1は、プリンタヘッドの短手方向における断面であり、図2に示した本体部の横断面に対応している。また、図1と図2とは、各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材の縮尺を異ならしめてある。
【0046】
図1において、プリンタヘッド1は、その本体部2が、封止基板21及び31によって2重に封止されてなる。本体部2は、例えば、通常のプリンタヘッドと同様に構成されている。
【0047】
図2において、本体部2は、ライン状に配列された有機EL発光素子11と、これら有機EL発光素子11に電流を流すための画素回路15及び駆動部20とが、素子基板10上に搭載されてなる。
【0048】
素子基板10は、図中の左右方向を長手方向とする短冊形状のガラス基板、石英基板、半導体基板等から構成される。素子基板10は、その長手方向に、例えばAサイズの印刷用紙に印刷可能なように20cm〜30cmの長さを有する一方で、その短手方向に、例えば10mmの長さを有する。
【0049】
また、本発明の「発光素子」の一例たる有機EL発光素子11は、夫々、対応する駆動制御用の画素回路15と共に、素子基板10上の素子領域11a内に形成されている。
【0050】
駆動部20は、その構成を特に限定されないが、例えば、データ信号が供給される外部回路接続端子12と、外部回路接続端子12に接続された複数のデータ線13と、発光部11を駆動するためのライン走査回路14とを備えている。データ線13には、外部回路接続端子12を介して、データ信号源からデータ信号が夫々供給される。ライン走査回路14は、発光タイミングを制御するライン走査信号を、各画素回路15に供給するように構成されている。尚、図中斜線で示した領域31’は、封止基板31が接合される領域である。
【0051】
図3において、画素回路15は、例えばライン走査信号S1、S2、…Sn及びデータ信号により駆動状態が制御されるトランジスタTR1及びTR2、有機EL発光素子11に電流を流すための陰極5a及び陽極5bを含んでなり、対応する有機EL発光素子11の発光・非発光の2値状態を制御するように構成されている。尚、画素回路15は、電圧プログラム方式、電流プログラム方式等の各種方式で駆動される。
【0052】
このような有機EL発光素子11を搭載した本体部2は、仮に、何の対策も施さなければ、また有機ELディスプレイと同程度の防湿対策が施されたのであれば、プリンタ等の画像形成装置内に配置された場合には、比較的容易に素子が劣化するおそれがある。即ち、画像形成装置内は、コピー用紙等の紙媒体から放出される水分により、ディスプレイ等と比較してもかなり湿度が高い。また、駆動電流による素子自体の発熱だけでなく、定着器等の他の構成要素から放出される熱も加わるために、環境温度が高い。このため、有機EL発光素子を搭載したプリンタヘッドは、有機ELディスプレイに比べて格段に信頼性の高い封止が必要となる。
【0053】
そこで、本実施形態のプリンタヘッド1では、素子基板10上における、素子領域11aと駆動部20が搭載される領域とを包含する封止領域10aが、封止基板21及び31によって封止されている(図1を参照)。ここで素子領域11aだけでなく、素子基板10上の全ての構成要素をまとめて封止するようにしたのは、基板上を部分的に封止するのでは気密性に対する信頼性が低下したり、位置合わせなどの必要から製造効率が低下したりするなどのおそれがあるためである。但し、例えば駆動回路を後から外付けする場合など、プリンタヘッドの構造によっては、そのような封止方法を適宜に採ってよいのは勿論である。
【0054】
封止基板21は、本発明の「第1封止基板」の一例として、封止領域10aと対向配置され、素子基板10に接着層22によって貼り付けられている。即ち、封止基板21は、例えば石英基板やガラス基板等の撓みや捩れが生じ難い難変形性で、かつ封止能を有する材料からなり、接着層22を介在させて封止領域10aを覆っている。接着層22は、封止領域10aにベタ状に密着し、封止基板21と有機EL発光素子11との間隙に酸素や水分が侵入するのを防ぐように作用する。この場合、接着層22は、例えば光硬化性接着剤からなる。
【0055】
このように、封止基板21は、有機EL発光素子11に直に接着されるために、構造上、より確実な封止が可能である。また、有機EL発光素子11に直に接着されることで、封止に必要な厚みを薄くすることができ、封止基板31による多重封止構造をとるのに有利である。
【0056】
封止基板31は、本発明の「第2封止基板」の一例として、封止基板21の外表面を覆うように配置されており、これにより素子領域10aが缶封止される。封止基板31は、例えば石英基板やガラス基板等の撓みや捩れが生じ難い難変形性で、かつ封止能を有する材料からなり、座繰りを入れるなどにより片面に凹部31aが形成されている。そして、この凹部31aにおいて、空間31bを介在させて封止領域10aが覆われている。ここでは、素子基板10、封止基板21及び31は同一材料からなる。即ち、これらの基板では熱膨張率が揃えられている。その作用及び効果については、後述する。
【0057】
封止基板31は、凹部31aの深さに応じて、ある程度の大きさの空間31bを設けることができる。よって、その内部に、封止基板21を設けるためのスペースを確保することが比較的容易であり、多重封止構造をとるのに有利である。
【0058】
また、空間31bには、脱水剤32及び脱酸素剤33が封入されている。そのため、凹部31a内は、仮に酸素や水分が侵入しても、脱水剤32や脱酸素剤33に吸収させることで、酸素濃度や湿度を極めて低く保つことができる。よって、有機EL発光素子11に対する酸素や水分の侵入を一層効果的に防止することが可能である。
【0059】
このように、本実施形態のプリンタヘッド1では、封止領域10a、つまりは複数の有機EL発光素子11が2重に封止されているために、プリンタ等の画像形成装置に特有の高温多湿の環境下に配置された場合においても、外気中の酸素や水分の有機EL発光素子11内部への侵入が極めて良好に防止され、その劣化を十分に抑制することが可能となる。従って、長寿命化が可能である。
【0060】
また、プリンタヘッド1では、有機EL発光素子11が、素子基板10と封止基板21とに挟まれた状態となっている。そのため、駆動時に有機EL発光素子11において生じた熱は、これら2つの基板に概ね均等に伝導させることができる。従って、このプリンタヘッド1は、放熱効果が高く、熱による素子劣化を防止することができる。これは、長寿命化に寄与する。
【0061】
次に、図4及び図5を参照して、プリンタヘッド1の画像形成装置に搭載される際の具体的構成について説明する。図4は、光学系と一体化されたプリンタヘッドの外観構成を表す斜視図であり、図5は、その断面図である。尚、図4と図5とでは、上下が逆に表されている。また、図4と図5とは、各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材の縮尺が適宜に異ならしめてある。
【0062】
図4及び図5において、プリンタヘッド1と光学系60とは、支持部材70により一体的に支持されている。後述する画像形成装置においては、プリンタヘッド1は、この状態で搭載される。プリンタヘッド1は、両面には非接触の状態で、素子基板10の端部で支持部材70に把持される。光学系60は、例えばSLA(セルフォック・レンズ・アレイ:登録商標)等のレンズ系であり、素子領域11aに有機EL発光素子11に形成される像を、ちょうど画像形成装置の感光体面に結像するような位置に配置される。
【0063】
こうした光学的要請から、一般にプリンタヘッドには変形が殆ど許されない。ところが、プリンタヘッド1ないし素子基板10は、ディスプレイ等とは異なり、特徴的な細長い形状をしているために、撓んだり捩れたりしやすい。加えて、駆動時に、画像形成装置内の温度上昇により素子基板10や封止基板が熱膨張すれば、その変位量の違いに起因してプリンタヘッド1に撓みや捩れが生じるおそれが多分にある。
【0064】
こうしたプリンタヘッド1の変形は、仮に支持部材70で素子基板10を強く固定するとしても、十分抑制することは困難である。そこで、プリンタヘッド1自体を撓みや捩れが生じない構造にする必要がある。
【0065】
これに対し、プリンタヘッド1は、素子基板10に2つの封止基板21及び31が接合されている(図1を参照)ことから、構造上、撓みや捩れの発生を抑制し得るような高い剛性が付与されている。
【0066】
また、素子基板10に2つの封止基板が接合された構造により、駆動時に有機EL発光素子11から発生する熱は、有機EL発光素子11の上下(即ち、封止基板21側と素子基板10側)に均等に伝導される。そのため、封止基板21の更に上方の封止基板31と素子基板10とには、熱膨張による変位に差が生じ難い。更に、ここでは、上記のように素子基板10、封止基板21及び31は熱膨張率が揃えられているため、基本的に一様に熱膨張する。よって、熱膨張を考慮しても、プリンタヘッド1には撓みや捩れが殆ど或いは実践上全く生じないことになる。
【0067】
以上の結果、本実施形態におけるプリンタヘッド1によれば、その撓みや捩れを構造的に抑制して、画像形成装置が許容する変位誤差範囲内に十分に収めることが可能である。よって、このプリンタヘッド1を画像形成装置に用いることで、画質良好な印刷画像を安定して供給できる。
【0068】
<第2実施形態>
次に、図6を参照して、第2実施形態に係るプリンタヘッドの構成について説明する。図6は、このプリンタヘッドの全体の構成を概略的に表す断面図である。尚、以降の実施形態では、第1実施形態と同様の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を適宜に省略する。
【0069】
本実施形態におけるプリンタヘッド3は、第1実施形態の封止基板21に代えて、封止膜23が設けられている。封止膜23は、例えば、透水性や酸素透過性の低い材料で封止領域10a上に直接形成される単層膜又は多層膜であってもよいし、封止領域10aに直接貼り付けられる単層又はラミネート状の封止フィルムであってもよい。封止膜23は、有機EL発光素子11と密着することで、構造上、確実な封止が可能である。また、封止膜23は、有機EL発光素子11と密着しているため、占有する空間領域が小さくて済み、封止基板31による多重封止構造をとるのに有利である。
【0070】
このように、本実施形態のプリンタヘッド3においても、複数の有機EL発光素子11が2重に封止されているために、プリンタ等の画像形成装置に特有の高温多湿の環境下に配置された場合でも、外気中の酸素や水分の有機EL発光素子11内部への侵入が極めて良好に防止され、長寿命化が可能である。
【0071】
また、ここでも、素子基板10には封止基板31が接合されており、プリンタヘッド3には、構造上、撓みや捩れの発生を抑制し得るような高い剛性が付与されている。更に、素子基板10と封止基板31とは熱膨張率が揃えられている。よって、本実施形態においても、プリンタヘッド3の撓みや捩れが抑制され、このプリンタヘッド3を画像形成装置に用いることで、画質良好な印刷画像を安定して供給できる。
【0072】
<第3実施形態>
次に、図7を参照して、第2実施形態に係るプリンタヘッドの構成について説明する。図7は、このプリンタヘッドの全体の構成を概略的に表す断面図である。
【0073】
本実施形態におけるプリンタヘッド4は、上記の封止膜23と封止基板41とによって、素子基板10上の封止領域10aが2重に封止されている。封止基板41は、本発明の「第3封止基板」の一例として、封止領域10aと対向配置され、素子基板10に接着層42によって貼り付けられている。即ち、封止基板41は、例えば石英基板やガラス基板等の撓みや捩れが生じ難い難変形性で、かつ封止能を有する材料からなり、接着層42及び封止膜23を介在させて封止領域10aを覆っている。ここで、封止基板41には素子基板10と同一材料の基板が用いられている。接着層42は、封止膜23の外表面にベタ状に密着し、封止基板41と有機EL発光素子11との間隙に酸素や水分が侵入するのを防ぐように作用する。接着層42は、例えば光硬化性接着剤からなる。
【0074】
封止基板41は、接着層42の厚みに応じて、有機EL発光素子11との間にある程度の大きさの空間を設けることができる。よって、その内部に、封止膜23を設けるためのスペースを確保することが比較的容易であり、多重封止構造をとるのに有利である。
【0075】
このように、本実施形態のプリンタヘッド4においても、複数の有機EL発光素子11が2重に封止されているために、プリンタ等の画像形成装置に特有の高温多湿の環境下に配置された場合でも、外気中の酸素や水分の有機EL発光素子11内部への侵入が極めて良好に防止され、長寿命化が可能である。
【0076】
また、この場合、素子基板10には封止基板41が接合されており、プリンタヘッド4には、構造上、撓みや捩れの発生を抑制し得るような高い剛性が付与されている。更に、素子基板10と封止基板41とは、同一材料からなることで熱膨張率が揃えられている。よって、本実施形態においても、プリンタヘッド4の撓みや捩れが抑制され、このプリンタヘッド4を画像形成装置に用いることで、画質良好な印刷画像を安定して供給できる。
【0077】
<プリンタの実施形態>
次に、図8を参照して、上記実施形態のプリンタヘッドを備えたプリンタに係る実施形態について説明する。図8は、本実施形態に係るプリンタの主要構成を示す図式的断面図である。尚、以下の実施形態では、プリンタヘッドをYMCK用に4つ備えたカラープリンタを例に挙げて説明する。
【0078】
図8において、プリンタは、YMCK用の4つの画像形成ユニット1001Y、1001M、100C及び1001Kを備え、これらのユニットは夫々、本発明に係る「感光体」の一例たる感光ドラム1002と、その周囲に順に配置されたクリーナ1011、帯電器1012、上記実施形態に係るプリンタヘッド、本発明に係る「現像手段」の一例たる現像器1013、本発明に係る「定着手段」の一例たる定着器1040を備えて構成されている。
【0079】
次に本実施形態のプリンタの構成をその動作と共に説明する。
【0080】
図8において、クリーナ1011により、前回のサイクルで感光ドラム1002の表面に残ったトナーが除去された後、今回のサイクル用に帯電器1012によって、コロナ放電等により感光ドラム1002の表面が帯電される。続いて、上述した実施形態のプリンタヘッドによるデータ信号に応じた露光によって、感光ドラム1002の表面にデータ信号に応じた静電潜像が形成される。続いて、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)及びK(黒)のうち、各ユニットに対応する色のトナーを用いることで、現像器1013による現像が行われ、感光ドラム1002の表面には、トナー付着による可視像たるトナー画像の形成が行われる。他方、転写ベルト1020は、ローラ1021、1022等により回動されている。そして、各感光ドラム1002に対向する転写位置にて、転写ローラ1014で裏側から押された状態で、感光ドラム1002上のトナー画像が転写ベルト1020上に転写される。この転写されたトナー画像は、搬送装置1030により搬送されるコピー用紙等の用紙1050上に更に転写される。即ち、ここでは、転写ローラ1014、転写ベルト1020及び搬送装置1030などが、本発明の「転写手段」の一例を構成している。続いて、用紙1050上に転写されたトナー像は、定着器1040にて加熱加圧されることによって定着される。定着器1040は、熱源を有する定着ローラ140とこれに圧接される加圧ローラ240とから構成されている。そして、排出トレー上に画像形成済みの用紙1050が排出される。
【0081】
この動作時のプリンタ内部は、定着器1040等から放出される熱と、定着器1040で加熱された用紙1050から放出される水分とにより、ディスプレイ等と比べてかなりの高温多湿になっている。そのため、通常のプリンタヘッドでは、水分による劣化が熱により促進され、その寿命は比較的短くなってしまう。但し、ここでは、上記実施形態に係る、2重に封止されたプリンタヘッドを備えるようにしたので、このような厳しい環境下でも十分に劣化を抑制することができる。
【0082】
また、周囲の温度上昇や有機EL発光素子11の発熱等によってプリンタヘッドの各構成部材が熱膨張したとしても、上記実施形態において説明したように、主な部材は撓みや捩れが生じにくい材質で構成され、その熱膨張率が揃えられていること、プリンタヘッドに構造的な剛性が付与されていること、更に第1実施形態の場合は有機EL発光素子11からの熱が上下方向に均等に伝導されること等によって、プリンタヘッドに撓みや捩れが殆ど或いは実践上全く生じない。
【0083】
そのため、プリンタヘッドの変形に起因して生じる、プリンタヘッドと光学系60ないし感光ドラム1002との距離のばらつきや、画像形成ユニット間での形成画像のドット位置ずれが防止され、結果として印刷画像の画質低下が防止される。
【0084】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨、あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うプリンタヘッド及びこれを備えたプリンタもまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の第1実施形態に係るプリンタヘッドの構成を示す断面図である。
【図2】第1実施形態のプリンタヘッドの外観構成を示す斜視図である。
【図3】第1実施形態のプリンタヘッドにおける電気的な接続態様を示すブロック図である。
【図4】第1実施形態のプリンタヘッドが支持部材により光学系と一体化された様子を表す斜視図である。
【図5】図4に示したプリンタヘッド、光学系を支持した状態の支持部材の横断面図である。
【図6】第2実施形態のプリンタヘッドの構成を示す断面図である。
【図7】第3実施形態のプリンタヘッドの構成を示す断面図である。
【図8】本発明の実施形態に係るプリンタの主要構成を示す図式的断面図である。
【符号の説明】
【0086】
1、3、4…プリンタヘッド、2…本体部、10…素子基板、10a…封止領域、11…有機EL発光素子、11a…素子領域、12…外部回路接続端子、13…データ線、14…ライン走査回路、15…画素回路、20…駆動部、21、31、41…封止基板、22、42…接着層、23…封止膜、31a…(封止基板31の)凹部、31b…空間部、1001Y、1001M、1001C、1001K…画像形成ユニット、1002…感光ドラム、1012…帯電器、1013…現像器、1020…転写ベルト、1030…搬送装置、1040…定着器、1050…用紙。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
素子基板と、
該素子基板上に配列されており感光体を露光するための複数の発光素子と、
前記素子基板のうち少なくとも前記複数の発光素子に接するように設けられ、前記素子基板上における前記複数の発光素子が形成された素子領域を直接に封止する内側封止手段と、
該内側封止手段の外表面を覆うように設けられ、前記素子領域を間接的に封止する外側封止手段と
を備えることを特徴とするプリンタヘッド。
【請求項2】
前記内側封止手段は、封止性材料で構成されており前記複数の発光素子を覆うように前記素子基板上に配置された封止膜からなることを特徴とする請求項1に記載のプリンタヘッド。
【請求項3】
前記内側封止手段は、封止性材料で構成されており前記素子基板と対向配置される第1封止基板と、該第1封止基板と前記素子基板との間に充填されており前記第1封止基板を前記素子基板に貼り付ける接着層とからなることを特徴とする請求項1に記載のプリンタヘッド。
【請求項4】
前記外側封止手段は、封止性材料で構成されると共に片面に凹部を有し、前記複数の発光素子を、前記凹部において空間を介在させて覆うように、前記素子基板上に配置される第2封止基板からなることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のプリンタヘッド。
【請求項5】
前記空間には、脱水剤及び脱酸素剤の少なくとも一方が封入されていることを特徴とする請求項4に記載のプリンタヘッド。
【請求項6】
前記外側封止手段は、封止性材料で構成されており前記素子基板と対向配置される第3封止基板と、該第3封止基板と前記素子基板との間に充填されており前記第3封止基板を前記素子基板に貼り付ける接着層とからなることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のプリンタヘッド。
【請求項7】
前記素子基板、前記内側封止手段及び前記外側封止手段の各間の熱膨張率差に起因した変形が防止されるように、前記素子基板、前記内側封止手段及び前記外側封止手段のうちの少なくとも2つの熱膨張率が互いに揃えられていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のプリンタヘッド。
【請求項8】
熱による変位量が、搭載される画像形成装置に許容されるプリンタヘッドの変位誤差範囲内に収まるように、前記素子基板、前記内側封止手段及び前記外側封止手段のうちの少なくとも1つは難変形性の材料からなることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のプリンタヘッド。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載のプリンタヘッドと、
前記感光体と、
前記プリンタヘッドによる露光によって前記感光体に形成された静電潜像を現像することで可視像を形成する現像手段と、
前記形成された可視像を記録媒体上に転写する転写手段と、
前記転写された可視像を前記記録媒体上に定着させる定着手段と
を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−102966(P2006−102966A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−288701(P2004−288701)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】