説明

プリンタ及びプリンタの制御方法

【課題】Yバーを駆動する駆動源の駆動量を補正する補正値を自動的に算出する。
【解決手段】メディアが載置固定されるフラットベッド10には、Yバー30をX軸方向に搬送する駆動モータ44a,44bと、駆動モータ44a,44bの回転量を検出するロータリーエンコーダ45a,45bと、リニアスケール50a,50bと、が設けられており、ヘッドユニット20が搭載されるYバー30には、リニアスケール50a,50bを検出してYバー30の移動量を直接計測する光学式リニアエンコーダ51a,51bと、が設けられている。そして、制御部60は、ロータリーエンコーダ45a,45bで検出した駆動量と、光学式リニアエンコーダ51a,51bで直接計測した移動量とに基づいて、駆動モータ44a,44bの駆動量を補正するための補正値を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッドユニットを保持すると共にフラットベッドに対して移動可能に保持されたYバーを備えるフラットベッド型のプリンタ及びこのプリンタの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のフラットベッド型のインクジェットプリンタは、メディアが載置されるフラットベッドと、インク液滴を吐出するヘッドが搭載されたヘッドユニットを走査方向に移動可能に保持して搬送方向に移動可能に保持されたYバーとを備えている。このYバーは、フラットベッドの両側部に設けられた一対のガイドレールに摺動自在に連結されており、単一のモータ(駆動源)により、搬送方向に移動可能となっている。
【0003】
そして、Yバーを搬送方向に移動させる際は、モータ軸に取り付けられたエンコーダによりYバーの搬送方向における移動量を算出して、モータの回転量を制御している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−253132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、大型のフラットベッド型インクジェットプリンタでは、Yバーが長大化するとともに、YバーのX軸方向への移動量が大きくなる。このため、印刷画像の画質を向上させるためには、YバーのX軸方向への移動精度を向上させることが有効である。
【0006】
そこで、従来は、4パスや8パスなどの複数パスでメディアに画像を印刷し、この印刷画像からパス間のインク液滴の着弾距離をルーペで目視測定し、この目視測定結果に基づいて、モータの駆動量を補正する補正テーブルを作成していた。そして、次回以降、Yバーを1パス分X軸方向に移動する際は、この補正テーブルに基づいて、モータの駆動量を補正していた。
【0007】
しかしながら、目視測定により補正テーブルを作成すると、作業者による測定精度の不均一性により、Yバーの移動精度を十分に向上させることができないという問題があった。しかも、このように補正テーブルを作成すると、作業者の負担が大きく、補正テーブルを作成する時間が長くなって、人件費などのコストが高くなるという問題もあった。また、Yバーが長大化し、かつ、移動精度を向上させる上で、Yバーの左右差も無視できない。
【0008】
そこで、本発明は、Yバーを駆動する駆動源の駆動量を補正する補正値を自動的に算出することができるプリンタの補正値作成装置及びプリンタの補正値作成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るプリンタの補正値算出装置は、メディアが載置されるフラットベッドの上方において第一の方向に延在し、インク液滴を吐出するヘッドユニットを第一の方向に移動可能に保持するYバーを備えるプリンタの補正値算出装置であって、Yバーを第一の方向に直交する第二の方向に搬送する駆動源と、駆動源の駆動量を計測する駆動量計測装置と、フラットベッドに対するYバーの移動量を直接計測する移動量計測装置と、駆動源の駆動制御を行う駆動制御装置と、を備え、駆動制御装置は、駆動量計測装置により計測された駆動量と、移動量計測装置により計測された移動量と、に基づいて、駆動源の駆動量を補正する補正値を算出することを特徴とする。
【0010】
本発明に係るプリンタの補正値算出装置では、駆動源を駆動制御してYバーを第二の方向に移動させる際に、駆動量計測装置により駆動源の駆動量を計測し、移動量計測装置によりYバーの移動量を直接計測する。このとき、駆動量計測装置により計測された駆動量と、移動量計測装置により直接計測された移動量とを比較することで、駆動源の駆動量に対するYバーの移動量の関係を算出することができる。そこで、駆動制御装置により、これらの駆動量と移動量との関係に基づいて駆動源の駆動量の補正値を算出することで、自動的且つ高精度に、駆動源の駆動量の補正値を算出することができる。そして、この算出された補正値に基づいて駆動源を駆動させることで、YバーのX軸方向への移動精度が向上するため、印刷画像の高画質化を図ることができる。
【0011】
この場合、駆動源は、Yバーの第一の方向における一方端部を搬送する第一の駆動源と、Yバーの第一の方向における他方端部を搬送する第二の駆動源と、を備えることを特徴とする。このように、第一の駆動機構と第二の駆動機構とによりYバーの第一の方向における両端部を独立して搬送することで、第一の方向に対するYバーの傾きを調整することができる。これにより、Yバーが第一の方向に長くなったとしても、Yバーの第一の方向における両端部の移動量を均一にして、Yバーの傾きを抑制することができる。
【0012】
そして、移動量計測装置は、Yバーの第一の方向における一方端部の移動量を計測する第一の計測装置と、Yバーの第一の方向における他方端部の移動量を計測する第二の計測装置と、を備えることを特徴とする。このように、第一の計測装置及び第二の計測装置により、Yバーの一方端部と他方端部とを独立して計測することで、Yバーの第1の方向における両端部の移動ズレを検出することができる。そこで、これらの移動量に基づいて補正値を算出することで、Yバーの左右差や傾きを抑制することができる。
【0013】
また、駆動源は、モータであって、駆動量計測装置は、モータの回転量を計測することを特徴とする。このように、モータの回転量を計測することで、容易に駆動源の駆動量を計測することができる。
【0014】
また、移動量計測装置は、フラットベッドに取り付けられたリニアスケールと、Yバーに取り付けられてリニアスケールを検出するリニアエンコーダと、を備えることを特徴とする。このように、リニアスケールとリニアエンコーダとを用いることで、フラットベッドに対するYバーの移動量を高精度に検出することができる。
【0015】
本発明に係るプリンタの補正値算出方法は、メディアが載置されるフラットベッドの上方において第一の方向に延在し、インク液滴を吐出するヘッドユニットを第一の方向に移動可能に保持するYバーを備えるプリンタの補正値算出方法であって、フラットベッドに対してYバーを第一の方向に直交する第二の方向に搬送する駆動源により、Yバーを第二の方向に搬送する搬送ステップと、搬送ステップにおける駆動源の駆動量を計測する駆動量計測ステップと、搬送ステップにより搬送されたYバーの移動量を直接計測する移動量計測ステップと、駆動量計測ステップにより計測された駆動量と、移動量計測ステップにより計測された移動量とに基づいて、搬送ステップにおいて駆動源を駆動する駆動量を補正する補正値を算出する補正値算出ステップと、を有することを特徴とする。
【0016】
本発明に係るプリンタの補正値算出方法によれば、駆動量計測ステップにおいて計測された駆動源の駆動量と、移動量計測ステップにおいて直接計測されたYバーの移動量とを比較することで、駆動源の駆動量に対するYバーの移動量の関係を算出することができる。そこで、補正値算出ステップにおいて、これらの駆動量と移動量との関係に基づいて駆動源の駆動量の補正値を算出することで、自動的且つ高精度に、駆動源の駆動量の補正値を算出することができる。そして、搬送ステップにおいて、この算出された補正値に基づいて駆動源を駆動させることで、YバーのX軸方向への移動精度が向上するため、印刷画像の高画質化を図ることができる。
【0017】
この場合、駆動源は、Yバーの第一の方向において一方端部を搬送する第1の駆動源と、Yバーの第一の方向において他方端部を搬送する第2の駆動源と、を備えており、駆動量計測ステップは、第1の駆動源の駆動量と、第2の駆動源の駆動量とを、独立して計測し、移動量計測ステップは、Yバーの第一の方向における一方端部の移動量と、Yバーの第一の方向における他方端部の移動量とを、独立して計測し、補正値算出ステップは、Yバーの第一の方向における一方端部の駆動量の補正値と、Yバーの第一の方向における他方端部の駆動量の補正値と、を算出することを特徴とする。
【0018】
この方法によれば、補正値算出ステップにおいて、移動量計測ステップで計測された第1の駆動源の駆動量と移動量計測ステップで直接計測されたYバーの一方端部の移動量とに基づき、第1の駆動源の駆動量の補正値が算出され、同様に、移動量計測ステップで計測された第2の駆動源の駆動量と移動量計測ステップで直接計測されたYバーの他方端部の移動量とに基づき、第2の駆動源の駆動量の補正値が算出される。このように、第1の駆動源の駆動量の補正値と第2の駆動源の駆動量の補正値とを算出することで、Yバーが第一の方向に長くなったとしても、Yバーの第二の方向における両端部の移動量を均一にして、Yバーの傾きを抑制することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、Yバーを駆動する駆動源の駆動量を補正する補正値を自動的に算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施形態に係るインクジェットプリンタを示す概略斜視図である。
【図2】図1に示すインクジェットプリンタの機能構成を示す概略平面図である。
【図3】制御部の機能構成を示すブロック図である。
【図4】制御部の処理動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明に係るインクジェットプリンタの好適な実施形態について詳細に説明する。なお、全図中、同一又は相当部分には同一符号を付すこととする。
【0022】
図1は、実施形態に係るインクジェットプリンタを示す概略斜視図であり、図2は、図1に示すインクジェットプリンタの機能構成を示す概略平面図である。図1及び図2に示すように、インクジェットプリンタ1は、印刷対象のメディア(不図示)が載置固定されるフラットベッド10と、インク液滴を吐出するヘッドユニット20が搭載されるYバー30と、を主構成要素としている。そして、このインクジェットプリンタ1は、メディアをフラットベッド10に載置固定した状態で、ヘッドユニット20を走査方向に移動させると共に、Yバー30を走査方向に直交する搬送方向に搬送することで、メディアに画像を印刷するものである。そこで、以下に、インクジェットプリンタ1の構成について詳細に説明する。なお、以下の説明では、走査方向をY軸方向(第一の方向)、搬送方向をX軸方向(第二の方向)とする。
【0023】
フラットベッド10は、フレーム構成の基台部11により所定高さに支持されており、その上面にメディアを載置して吸着固定するものである。このため、フラットベッド10の上面は、平面上に形成されており、吸引装置(不図示)により吸引される複数の吸引孔(不図示)が形成されている。
【0024】
そして、フラットベッド10には、Yバー30が載置されてYバー30をX軸方向移動可能に保持する一対のレール12と、Yバー30をX軸方向に搬送するための駆動機構40が設けられている。
【0025】
図2に示すように、一対のレール12は、フラットベッド10のY軸方向における一方端部(図2において左側端部)に設けられた第一レール12aと、フラットベッド10のY軸方向における他方端部(図2において右側端部)とに設けられた第二レール12bと、により構成されている。すなわち、Yバー30は、フラットベッド10のY軸方向における両端部において、第一レール12aと第二レール12bとにより保持されている。
【0026】
駆動機構40は、フラットベッド10のY軸方向における一方端部に設けられた第一駆動機構40aと、フラットベッド10のY軸方向における他方端部とに設けられた第二駆動機構40bと、により構成されている。
【0027】
第一駆動機構40aは、X軸方向に沿って配列される駆動プーリ41a及び従動プーリ42aと、駆動プーリ41a及び従動プーリ42aとに掛け渡されたタイミングベルト43aと、駆動プーリ41aの回転軸に連結されて駆動プーリ41aを回転駆動する駆動モータ44aと、駆動モータ44aの駆動軸に取り付けられたロータリーエンコーダ45aと、を備えている。そして、タイミングベルト43aは、Yバー30のY軸方向において一方端部(図2において左側端部)に連結されている。このタイミングベルト43aは、カーボンを主構成要素とした高剛性のタイミングベルトを採用しており、伸縮率が低く抑えられている。また、駆動モータ44aと駆動プーリ41aとは、所定の減衰比を有する減衰器(不図示)を介して連結されている。
【0028】
ロータリーエンコーダ45aは、駆動モータ44aの駆動軸の回転量を検出するセンサである。ロータリーエンコーダ45aは、例えば、駆動モータ44aの駆動軸の回転変位量に応じてパルスを発生するロータリーエンコーダであって、このロータリーエンコーダ45aが発生するパルスをカウントすることで、駆動モータ44aの駆動軸の回転量(駆動量)を計測することができる。すなわち、ロータリーエンコーダ45aは、駆動モータ44aの駆動軸の回転量を計測することで、駆動モータ44aの駆動量を計測する。
【0029】
そして、第一駆動機構40aは、駆動モータ44aを回転駆動させると、駆動モータ44aの駆動軸に連結された駆動プーリ41aが回転し、この駆動プーリ41aと従動プーリ42aとに掛け渡されたタイミングベルト43aが回転することにより、Yバー30の一方端部がX軸方向に牽引される。このとき、ロータリーエンコーダ45aは、駆動モータ44aの回転を検出して、この回転変位量に応じてパルスを発生し、この発生するパルスをカウントすることで、駆動モータ44aの回転量を計測する。
【0030】
第二駆動機構40bは、X軸方向に沿って配列される駆動プーリ41b及び従動プーリ42bと、駆動プーリ41b及び従動プーリ42bとに掛け渡されたタイミングベルト43bと、駆動プーリ41bの回転軸に連結されて駆動プーリ41bを回転駆動する駆動モータ44bと、駆動モータ44bの駆動軸に取り付けられたロータリーエンコーダ45bと、を備えている。そして、タイミングベルト43bは、Yバー30のY軸方向において他方端部(図2において右側端部)に連結されている。このタイミングベルト43bは、カーボンを主構成要素とした高剛性のタイミングベルトを採用しており、伸縮率が低く抑えられている。また、駆動モータ44bと駆動プーリ41bとは、所定の減衰比を有する減衰器(不図示)を介して連結されている。
【0031】
ロータリーエンコーダ45bは、駆動モータ44bの駆動軸の回転量を検出するセンサである。ロータリーエンコーダ45bは、例えば、駆動モータ44bの駆動軸の回転変位量に応じてパルスを発生するロータリーエンコーダであって、このロータリーエンコーダ45bが発生するパルスをカウントすることで、駆動モータ44bの駆動軸の回転量を計測することができる。すなわち、ロータリーエンコーダ45bは、駆動モータ44bの駆動軸の回転量を計測することで、駆動モータ44bの回転量を計測する。
【0032】
そして、第二駆動機構40bは、駆動モータ44bを回転駆動させると、駆動モータ44bの駆動軸に連結された駆動プーリ41bが回転し、この駆動プーリ41bと従動プーリ42bとに掛け渡されたタイミングベルト43bが回転することにより、Yバー30の他方端部がX軸方向に牽引される。このとき、ロータリーエンコーダ45bは、駆動モータ44bの回転を検出して、この回転変位量に応じてパルスを発生し、この発生するパルスをカウントすることで、駆動モータ44bの駆動量を計測する。
【0033】
このように、第一駆動機構40aと第二駆動機構40bとは、同一の構成であって、フラットベッド10のY軸方向における中心を通りX軸方向に延びる中心線に対して線対称に構成されている。これにより、Yバー30をY軸方向においてバランスよく保持しながらX軸方向に搬送することが可能となっている。
【0034】
さらに、フラットベッド10には、第一駆動機構40aのタイミングベルト43aに沿って配置されるリニアスケール50aと、第二駆動機構40bのタイミングベルト43bに沿って配置されるリニアスケール50bと、が取り付けられている。
【0035】
リニアスケール50aは、フラットベッド10のY軸方向における一方端部に取り付けられており、後述するYバー30に搭載される光学式リニアエンコーダ51aによりYバー30のY軸方向における一方端部の移動量を計測するためのスケールである。このため、リニアスケール50aは、X軸方向に延在する長尺の帯状に形成されており、数〜数十μmのピッチでスリットが形成されている。
【0036】
リニアスケール50bは、フラットベッド10のY軸方向における他方端部に取り付けられており、後述するYバー30に搭載される光学式リニアエンコーダ51bによりYバー30のY軸方向における他方端部の移動量を計測するためのスケールである。このため、リニアスケール50bは、X軸方向に延在する長尺の帯状に形成されており、数〜数十μmのピッチでスリットが形成されている。
【0037】
このように、リニアスケール50aとリニアスケール50bとは、同一の構成であって、フラットベッド10のY軸方向における中心線に対して線対称に構成されている。これにより、Yバー30のY軸方向における両端部の移動量を、略同条件で計測することが可能となっている。
【0038】
Yバー30は、フラットベッド10の第一レール12a及び第二レール12bにより、X軸方向に移動可能に支持されており、ヘッドユニット20をY軸方向に搬送すると共に、フラットベッド10に対してX軸方向に搬送されるものである。このため、Yバー30には、第一レール12aに案内されてX軸方向に転がる第一ローラ31aと、第二レール12bに案内されてX軸方向に転がる第二ローラ31bと、ヘッドユニット20をY軸方向に移動可能に支持するスライダー軸32と、ヘッドユニット20をスライダー軸32に沿ってY軸方向に搬送するヘッドユニット駆動機構33と、が設けられている。
【0039】
ヘッドユニット駆動機構33は、上述した第一駆動機構40aや第二駆動機構40bと同様な構成であり、Y軸方向に沿って配列される駆動プーリ34及び従動プーリ35と、この駆動プーリ34及び従動プーリ35に掛け渡されてヘッドユニット20に連結されたタイミングベルト36と、駆動プーリ34を回転駆動する駆動モータ37と、により構成されている。
【0040】
そして、ヘッドユニット駆動機構33は、駆動モータ37を回転駆動させると、駆動モータ37の駆動軸に連結された駆動プーリ34が回転し、この駆動プーリ34と従動プーリ35とに掛け渡されたタイミングベルト36が回転することにより、ヘッドユニット20がY軸方向に牽引される。
【0041】
さらに、Yバー30には、リニアスケール50aに対向する上方位置に配置された光学式リニアエンコーダ51aと、リニアスケール50bに対向する上方位置に配置された光学式リニアエンコーダ51bと、が設けられている。
【0042】
光学式リニアエンコーダ51aは、リニアスケール50aに形成されたスリットを検出するエンコーダ(計測器)であり、このスリットをカウントすることで、リニアスケールに対する光学式リニアエンコーダ51aの移動量を計測するものである。例えば、光学式リニアエンコーダ51aから赤外線を発光し、リニアスケール50aから反射された赤外線の波形を分析することで、リニアスケール50aのスリットを検出すると共に、このスリットをカウントすることができる。そして、リニアスケール50aはフラットベッド10のY軸方向における一方端部に取り付けられるとともに、光学式リニアエンコーダ51aはYバー30のY軸方向における一方端部に取り付けられているため、光学式リニアエンコーダ51aは、リニアスケール50aに形成されたスリットをカウントすることで、フラットベッド10に対するYバー30のY軸方向における一方端部の移動量を直接計測するものである。
【0043】
光学式リニアエンコーダ51bは、リニアスケール50bに形成されたスリットを検出するエンコーダ(計測器)であり、このスリットをカウントすることで、リニアスケールに対する光学式リニアエンコーダ51bの移動量を計測するものである。例えば、光学式リニアエンコーダ51bから赤外線を発光し、リニアスケール50bから反射された赤外線の波形を分析することで、リニアスケール50bのスリットを検出すると共に、このスリットをカウントすることができる。そして、リニアスケール50bはフラットベッド10のY軸方向における他方端部に取り付けられるとともに、光学式リニアエンコーダ51bはYバー30のY軸方向における他方端部に取り付けられているため、光学式リニアエンコーダ51bは、リニアスケール50bに形成されたスリットをカウントすることで、フラットベッド10に対するYバー30のY軸方向における他方端部の移動量を直接計測するものである。
【0044】
そして、このインクジェットプリンタ1には、印刷制御を行う制御部60が設けられている。
【0045】
制御部60は、ヘッドユニット20と、ヘッドユニット駆動機構33の駆動モータ37と、第一駆動機構40aの駆動モータ44a及びロータリーエンコーダ45aと、第二駆動機構40bの駆動モータ44b及びロータリーエンコーダ45bと、光学式リニアエンコーダ51aと、光学式リニアエンコーダ51bと、電気的に接続されている。そして、制御部60は、ヘッドユニット20、駆動モータ37、駆動モータ44a及び駆動モータ44bを制御して、フラットベッド10に載置されたメディアに画像を印刷する印刷制御を行う。更に、制御部60は、ロータリーエンコーダ45a及びロータリーエンコーダ45bの計測結果と、光学式リニアエンコーダ51a及び光学式リニアエンコーダ51bの計測結果とに基づいて、駆動モータ44a及び駆動モータ44bの回転量を補正する補正値を算出する。
【0046】
図3は、制御部の機能構成例を示すブロック図である。図3に示すように、制御部60は、ヘッド駆動制御部61、インク吐出制御部62、Yバー駆動制御部63、及び補正値算出部64として機能する。なお、制御部60は、例えば、CPU、ROM、RAMを含むコンピュータを主体として構成されている。そして、以下に説明する制御部60の各機能は、CPUやRAM上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませ、CPUの制御のもとで動作させることで実現される。
【0047】
ヘッド駆動制御部61は、駆動モータ37の駆動制御を行い、ヘッドユニット20をY軸方向に搬送するものである。
【0048】
インク吐出制御部62は、ヘッド駆動制御部61によりヘッドユニット20がY軸方向に搬送されている際に、ヘッドユニット20のインク吐出制御を行い、ヘッドユニット20からインク液滴を吐出させるものである。
【0049】
Yバー駆動制御部63は、ヘッド駆動制御部61による駆動モータ37の駆動制御と、インク吐出制御部62によりヘッドユニット20のインク吐出制御とにより、1パス分の画像印刷が終了すると、駆動モータ44aの駆動制御と、駆動モータ44bの駆動制御とを行い、Yバー30をX軸方向に1パス分搬送するものである。
【0050】
補正値算出部64は、駆動モータ44a及び駆動モータ44bの回転量を補正する補正値が登録された補正テーブルを生成するものである。すなわち、補正値算出部64は、ロータリーエンコーダ45a及びロータリーエンコーダ45bが計測した駆動モータ44a及び駆動モータ44bの駆動軸の回転量と、光学式リニアエンコーダ51a及び光学式リニアエンコーダ51bが直接計測したYバー30のY軸方向における一方端部及び他方端部の移動量とを取得する。そして、補正値算出部64は、ロータリーエンコーダ45a及びロータリーエンコーダ45bが検出した駆動モータ44a及び駆動モータ44bの回転量から予測されるYバーの移動予測位置と、光学式リニアエンコーダ51a及び光学式リニアエンコーダ51bが直接計測したYバーの移動量とに基づいて、駆動モータ44a及び駆動モータ44bの回転量を補正するための補正テーブルを生成する。
【0051】
次に、図4を参照しながら、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1の処理動作について説明する。図4は、制御部の処理を示すフローチャートである。なお、以下に説明するインクジェットプリンタ1の処理動作は、制御部60の制御により行われる。すなわち、制御部60において、CPUなどで構成される処理部(不図示)が、ROMなどの記憶装置に記録されたプログラムに従い、ヘッド駆動制御部61、インク吐出制御部62、Yバー駆動制御部63、補正値算出部64などの機能を統括管理することで、以下の処理が行われる。
【0052】
制御部60は、外部装置からインクジェットプリンタ1に印刷データ(作図コマンド)が転送されることにより、以下の処理を開始する。
【0053】
図4に示すように、まず、制御部60は、ヘッドユニット20をY軸方向に移動させながら、ヘッドユニット20からインク液滴を吐出させる(ステップS1)。すなわち、ステップS1では、駆動モータ37の駆動制御を行うと共に、ヘッドユニット20のインク吐出制御を行い、ヘッドユニット20をY軸方向に移動させながら、ヘッドユニット20からインク液滴を吐出させる。これにより、フラットベッド10の上面に吸着固定されたメディアに、1パス分の画像が印刷される。
【0054】
次に、制御部60は、Yバー30をX軸方向に1パス分搬送する(ステップS2)。すなわち、ステップS2では、Yバー30を1パス分搬送するために必要な回転量となるように駆動モータ44a及び駆動モータ44bの駆動制御を行う。このとき、後述するステップS6で生成される補正テーブルに設定された補正値に基づいて、駆動モータ44a及び駆動モータ44bの回転量を補正した後、駆動モータ44a及び駆動モータ44bの駆動制御を行う。すると、駆動モータ44aの回転駆動が駆動プーリ41aに伝達され、駆動プーリ41a及び従動プーリ42aに掛け渡されたタイミングベルト43aが回転し、Yバー30のY軸方向における一方端部がX軸方向に1パス分牽引される。同様に、駆動モータ44bの回転駆動が駆動プーリ41bに伝達され、駆動プーリ41b及び従動プーリ42bに掛け渡されたタイミングベルト43bが回転し、Yバー30のY軸方向における他方端部がX軸方向に1パス分牽引される。これにより、Yバー30全体が、X軸方向に1パス分搬送される。なお、このとき、Yバー30に取り付けられた光学式リニアエンコーダ51a及び光学式リニアエンコーダ51bは、フラットベッド10に取り付けられたリニアスケール50a及びリニアスケール50bのスリットを検出すると共に、その数をカウントしている。
【0055】
次に、制御部60は、駆動モータ44a及び駆動モータ44bの駆動軸の回転量を計測する(ステップS3)。すなわち、ステップS3では、ステップS2においてYバー30をX軸方向に1パス分搬送する際に、ロータリーエンコーダ45a及びロータリーエンコーダ45bがカウントした駆動モータ44a及び駆動モータ44bの駆動軸の回転量を取得する。
【0056】
次に、制御部60は、ステップS3で計測した駆動モータ44a及び駆動モータ44bの駆動軸の回転量からYバー30のY軸方向における一方端部及び他方端部の予測移動量を算出する(ステップS4)。駆動モータ44a及び駆動モータ44bの回転量に対するYバー30のY軸方向における移動量は機械的に定まる。そこで、この駆動軸の回転量に対するYバー30の移動量との関係を予め設定しておき、ステップS4では、この設定した関係を参照して、Yバー30のY軸方向における一方端部の予測移動量と、Yバー30のY軸方向における他方端部の予測移動量とを算出する。
【0057】
また、制御部60は、Yバー30の移動量を直接計測する(ステップS5)。すなわち、ステップS5では、ステップS2においてYバー30をX軸方向に1パス分搬送する際に、光学式リニアエンコーダ51a及び光学式リニアエンコーダ51bがカウントしたリニアスケール50a及びリニアスケール50bのスリットのカウント値を取得する。そして、光学式リニアエンコーダ51aから取得したカウント値に基づいて、フラットベッド10に対するYバー30のX軸方向における一方端部の移動量を測定する。同様に、光学式リニアエンコーダ51bから取得したカウント値に基づいて、フラットベッド10に対するYバー30のX軸方向における他方端部の移動量を測定する。このとき、Yバー30の捩れや機械的な誤差などにより、Yバー30のX軸方向における一方端部の移動量と他方端部の移動量とは必ずしも一致するとは限らない。
【0058】
次に、制御部60は、ステップS4により算出したYバー30の予測移動量と、ステップS5で直接計測したYバー30の移動量とに基づいて、駆動モータ44a及び駆動モータ44bの回転量を補正するための補正テーブルを生成する(ステップS6)。
【0059】
すなわち、ステップS6では、まず、ステップS4により算出したYバー30のY軸方向における一方端部の予測移動量と、ステップS5で直接計測したYバー30のY軸方向における一方端部の移動量との差分を算出する。そして、この算出した差分に対応する駆動モータ44aの回転量を算出し、この算出した回転量を駆動モータ44aの回転量の補正値とする。同様に、ステップS4により算出したYバー30のY軸方向における他方端部の予測移動量と、ステップS5で直接計測したYバー30のY軸方向における他方端部の移動量との差分を算出する。そして、この算出した差分に対応する駆動モータ44bの回転量を算出し、この算出した回転量を駆動モータ44bの回転量の補正値とする。
【0060】
そして、フラットベッド10に対するYバー30の移動位置における補正値をX軸方向の全域において算出し、この算出した補正値により補正テーブルを生成する。このため、補正テーブルには、フラットベッド10に対するYバー30の移動位置における補正値が、フラットベッド10に対するYバーのX軸方向における全移動位置について登録されている。なお、制御部60は、ステップS2において、Yバー30をX軸方向に1パス分移動させるように駆動モータ44aを駆動させるため、予測移動量は1パス分の移動量となる。このため、この予測移動量と直接計測したYバー30の移動量との差分により算出される補正値は、Yバー30を正確に1パス分搬送させるものとなる。
【0061】
このようにして補正テーブルが生成されると、次回以降、上述したステップS2では、この補正テーブルから、フラットベッド10に対するYバーのX軸方向における移動位置における補正値を読み出し、駆動モータ44a及び駆動モータ44bの回転量を補正した後、駆動モータ44a及び駆動モータ44bを駆動制御する。これにより、Yバー30のY軸方向における一方端部及び他方端部が、正確に1パス分搬送される。
【0062】
次に、制御部60は、外部装置から転送された印刷データを全て印刷したか否かを判定する(ステップS7)。
【0063】
そして、印刷データを全て印刷していないと判定すると(ステップS7:NO)、制御部60は、ステップS1に戻り、再度上述したステップS1〜ステップS6を繰り返す。
【0064】
一方、印刷データを全て印刷したと判定すると(ステップS7:YES)、制御部60は、印刷処理を終了する。
【0065】
このように、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1によれば、駆動モータ44a及び駆動モータ44bを駆動制御してYバー30をX軸方向に移動させる際に、ロータリーエンコーダ45a及びロータリーエンコーダ45bにより駆動モータ44a及び駆動モータ44bの回転量を計測し、光学式リニアエンコーダ51a及び光学式リニアエンコーダ51bによりYバー30の移動量を直接計測する。そして、ロータリーエンコーダ45a及びロータリーエンコーダ45bにより計測された回転量からYバー30の予測移動量を算出することで、この算出された予測移動量と光学式リニアエンコーダ51a及び光学式リニアエンコーダ51bにより直接計測された移動量とを比較することで、駆動モータ44a及び駆動モータ44bの回転量に対するYバー30の移動量の関係を算出することができる。そこで、制御部60により、これらの回転量と移動量との関係に基づいて駆動モータ44a及び駆動モータ44bの回転量の補正値を算出することで、自動的且つ高精度に、駆動モータ44a及び駆動モータ44bの回転量の補正値を算出することができる。そして、この算出された補正値に基づいて駆動モータ44a及び駆動モータ44bを駆動させることで、Yバー30のX軸方向への移動精度が向上するため、印刷画像の高画質化を図ることができる。
【0066】
この場合、駆動モータ44aと駆動モータ44bとのダブル駆動によりYバー30のY軸方向における両端部を独立して搬送することで、Y軸方向に対するYバーの傾きを調整することができる。これにより、インクジェットプリンタ1の大型化に伴いYバー30がY軸方向に長くなったとしても、Yバー30のY軸方向おける両端部の移動量を均一にして、Yバー30の傾きを抑制することができる。
【0067】
そして、光学式リニアエンコーダ51a及び光学式リニアエンコーダ51bにより、Yバー30の一方端部と他方端部とを独立して計測することで、Yバー30のY軸方向における両端部の移動ズレを検出することができる。そこで、これらの移動量に基づいて補正値を算出することで、Yバー30の傾きを抑制することができる。
【0068】
また、Yバー30をX軸方向に搬送する第一駆動機構40a及び第二駆動機構40bの駆動源を駆動モータ44a及び駆動モータ44bとし、ロータリーエンコーダ45a及びロータリーエンコーダ45bにより駆動モータ44a及び駆動モータ44bの駆動軸の回転量を計測することで、容易に駆動モータ44a及び駆動モータ44bの回転量を計測することができる。
【0069】
また、フラットベッド10に対するYバー30の移動量の計測を、リニアスケール50aと光学式リニアエンコーダ51a、リニアスケール50bと光学式リニアエンコーダ51bとにより行うことで、フラットベッド10に対するYバー30の移動量を高精度に検出することができる。
【0070】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態において、Yバー30のX軸方向への移動と、ヘッドユニット20のY軸方向への移動は、駆動プーリと、従動プーリと、タイミングベルトと、駆動モータとを備えるベルト駆動により行うものとして説明したが、例えば、ボールねじと、Yバー30又はヘッドユニット20に連結されたボール軸受けと、ボールねじを回転駆動する駆動モータとを備えるボールねじ機構などにより行うものであってもよい。
【0071】
また、上記実施形態において、Yバー30のX軸方向の移動量の計測は、リニアスケールと、光学式リニアエンコーダとにより行うものとして説明したが、例えば、ロータリーエンコーダ、磁気式計測装置、測距レーダなどにより行うものであってもよい。ロータリーエンコーダを用いる場合は、Yバー30にロータリーエンコーダ冶具であるホイールをY軸方向周りに回転可能に取り付け、このホイールをフラットベッド10に接触させる。なお、ホイールの外周面は、摩擦係数の高い素材を用いて、フラットベッド10に対して滑らないようにする。そして、Yバー30をX軸方向に移動させると、Yバー30に取り付けられたホイールがフラットベッド10上を転がるため、このホイールの回転量を検出することで、Yバー30のX軸方向の移動量を直接計測することができる。また、磁気式計測装置を用いる場合は、メモリなどのマークが記録された磁気テープをフラットベッド10に貼り付け、Yバー30にこの磁気テープの記録情報を読み取る磁気ヘッドを取り付ける。そして、Yバー30をX軸方向に移動させると、Yバー30に取り付けられた磁気ヘッドによりフラットベッド10に貼り付けられた磁気テープの記録情報が読み取られるため、この記録情報を検出することで、Yバー30のX軸方向の移動量を直接計測することができる。
【0072】
また、上記実施形態において、Yバー30のX軸方向への搬送は、第一駆動機構40aと第二駆動機構40bの左右独立駆動方式を採用するものとして説明したが、第一駆動機構40aの駆動プーリ41aと、第二駆動機構40bの駆動プーリ41bとを、一軸の駆動シャフトで連結し、この駆動シャフトを単一の駆動モータで回転駆動する連動駆動方式を採用するものであってもよい。
【0073】
また、上記実施形態において、Yバー30のX軸方向の移動量を直接計測するものとして説明したが、例えば、Yバー30のX軸方向の移動位置を直接計測し、この直接計測した移動位置からYバー30のX軸方向の移動量を算出するものとしてもよい。
【0074】
また、上記実施形態において、Yバー30を1回で搬送する1パスの搬送量は固定的なものとして説明したが、例えば、メディアの種類やインクの種類などによって1パスの搬送量が適宜変更されるものとしてもよい。
【0075】
なお、上記実施形態では、特にパス数を特定することなく説明したが、例えば、8パスで印刷する場合の駆動モータの回転量(駆動量)を補正する補正テーブルを作成しておき、4パスや2パスなどの他のパス数で印刷する場合は、8パスの補正テーブルに登録された補正値を適宜乗算することで対応することができる。例えば、4パスで印刷する場合は、8パスで印刷する場合に比べてパス幅が2倍になるため、8パスの補正テーブルに登録された補正値を2倍して、駆動モータの回転量を補正する。
【0076】
また、上記実施形態において、リニアスケール50a,50bにはスリットが形成されるものとして説明したが、このスリットの代わりに山型の刻みを形成するものとしてもよい。この場合、光学式リニアエンコーダ51a,51bは、リニアスケール50a,50bに形成された山型の刻みの数をカウントすることで、リニアスケール50a,50bに対する光学式リニアエンコーダ51a,51bの移動量を計測することができる。これにより、フラットベッド10に対するYバー30のY軸方向における一方端部の移動量を直接計測することができる。
【0077】
また、上記実施形態において、タイミングベルト43a,43bは、カーボンを主構成要素としたものを例に説明したが、高剛性の材質であれば如何なるものであってもよく、例えば、スチールベルト、鉄芯入りのベルトであってもよい。
【符号の説明】
【0078】
1…インクジェットプリンタ、10…フラットベッド、11…基台部、12…レール、12a…第一レール、12b…第二レール、20…ヘッドユニット、30…Yバー、31a…第一ローラ、31b…第二ローラ、32…スライダー軸、33…ヘッドユニット駆動機構、34…駆動プーリ、35…従動プーリ、36…タイミングベルト、37…駆動モータ、40…駆動機構、40a…第一駆動機構、40b…第二駆動機構、41a…駆動プーリ、41b…駆動プーリ、42a…従動プーリ、42b…従動プーリ、43a…タイミングベルト、43b…タイミングベルト、44a…駆動モータ、44b…駆動モータ、45a…ロータリーエンコーダ、45b…ロータリーエンコーダ、50a…リニアスケール、50b…リニアスケール、51a…光学式リニアエンコーダ、51b…光学式リニアエンコーダ、60…制御部、61…ヘッド駆動制御部、62…インク吐出制御部、63…バー駆動制御部、64…補正値算出部。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
メディアが載置されるフラットベッドの上方において第一の方向に延在し、インク液滴を吐出するヘッドユニットを前記第一の方向に移動可能に保持するYバーを備えるプリンタの補正値算出装置であって、
前記Yバーを前記第一の方向に直交する第二の方向に搬送する駆動源と、
前記駆動源の駆動量を計測する駆動量計測装置と、
前記フラットベッドに対する前記Yバーの移動量を直接計測する移動量計測装置と、
前記駆動源の駆動制御を行う駆動制御装置と、
を備え、
前記駆動制御装置は、前記駆動量計測装置により計測された駆動量と、前記移動量計測装置により計測された移動量とに基づいて、前記駆動源の駆動量の補正値を算出することを特徴とするプリンタの補正値算出装置。
【請求項2】
前記駆動源は、
前記Yバーの第一の方向における一方端部を搬送する第一の駆動源と、
前記Yバーの第一の方向における他方端部を搬送する第二の駆動源と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のプリンタの補正値算出装置。
【請求項3】
前記移動量計測装置は、
前記Yバーの第一の方向における一方端部の移動量を計測する第一の計測装置と、
前記Yバーの第一の方向における他方端部の移動量を計測する第二の計測装置と、
を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のプリンタの補正値算出装置。
【請求項4】
前記駆動源は、モータであって、
前記駆動量計測装置は、前記モータの回転量を計測することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のプリンタの補正値算出装置。
【請求項5】
前記移動量計測装置は、
前記フラットベッドに取り付けられたリニアスケールと、
前記Yバーに取り付けられて前記リニアスケールを検出するリニアエンコーダと、
を備えることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のプリンタ。
【請求項6】
メディアが載置されるフラットベッドの上方において第一の方向に延在し、インク液滴を吐出するヘッドユニットを前記第一の方向に移動可能に保持するYバーを備えるプリンタの補正値算出方法であって、
前記フラットベッドに対して前記Yバーを前記第一の方向に直交する第二の方向に搬送する駆動源により、前記Yバーを前記第二の方向に搬送する搬送ステップと、
前記搬送ステップにおける前記駆動源の駆動量を計測する駆動量計測ステップと、
前記搬送ステップにより搬送された前記Yバーの移動量を直接計測する移動量計測ステップと、
前記駆動量計測ステップにより計測された駆動量と、前記移動量計測ステップにより計測された移動量とに基づいて、前記搬送ステップにおいて前記駆動源を駆動する駆動量の補正値を算出する補正値算出ステップと、
を有することを特徴とするプリンタの補正値算出方法。
【請求項7】
前記駆動源は、
Yバーの第一の方向において一方端部を搬送する第1の駆動源と、
Yバーの第一の方向において他方端部を搬送する第2の駆動源と、
を備えており、
前記駆動量計測ステップは、前記第1の駆動源の駆動量と、前記第2の駆動源の駆動量とを、独立して計測し、
前記移動量計測ステップは、前記Yバーの第一の方向における一方端部の移動量と、前記Yバーの第一の方向における他方端部の移動量とを、独立して計測し、
前記補正値算出ステップは、前記Yバーの第一の方向における一方端部の駆動量の補正値と、前記Yバーの第一の方向における他方端部の駆動量の補正値と、を算出することを特徴とする請求項6に記載のプリンタ。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−42088(P2011−42088A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−191183(P2009−191183)
【出願日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【出願人】(000137823)株式会社ミマキエンジニアリング (437)
【Fターム(参考)】