説明

プリンタ装置及び印刷方法

【課題】複数のカテゴリの画像データが1枚の記録用紙に混在することを防止し、印刷された記録用紙の取り扱いを容易にする。
【解決手段】入力されたキャプチャ画像データを順に画像メモリに保存し、入力されたキャプチャ画像データの種類を判別部12で判別し、判別部12が入力されたキャプチャ画像データが前に入力された画像データと種類が異なると判別したとき、判別部12が種類が異なると判別したキャプチャ画像データより前のキャプチャ画像データを印刷ヘッド14で印刷する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビデオカメラやテレビなどの映像機器に接続して、画像を印刷するプリンタ装置及びこれを用いた印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ビデオカメラ等の映像機器で撮影されたビデオ信号を構成する1フレーム又は1フィールドを画像メモリに記憶し、この画像メモリに保存された画像データを印刷するビデオプリンタ装置がある。このビデオプリンタ装置には、前述したビデオカメラだけではなく、超音波撮影装置、MRI、電子顕微鏡、内視鏡等にも接続され、医療現場や研究所、学校等にも幅広い分野で使用されている。
【0003】
このビデオプリンタ装置は、入力端子に接続された各種映像機器からのビデオ信号を所望のタイミングで取り込んで画像メモリに記憶し、プリント方向やプリントモード等を選択した後、プリント釦を押すことで、直ちに1枚の記録用紙に1画像又は複数の画像を印刷できる。このような有用性から、1台のビデオプリンタ装置に対し、セレクタ等を介して複数種類の映像機器を接続したり、複数のユーザで共有して利用することも一般的に行われている。
【0004】
しかしながら、これまでのビデオプリンタ装置は、画像メモリに記憶された画像データがプリント釦の押圧操作によって順次印画されるだけである。したがって、図6(A)に示すように、1枚の記録用紙に複数の画像を印画する設定となっている場合には、異なるカテゴリの画像が1枚の記録用紙に印画されてしまうという不都合が発生する状況にあった。別のカテゴリの画像が1枚の記録用紙に印刷されてしまった場合には、図6(B)及び図6(C)に示すように、1枚だけ異なったカテゴリの画像部分を切り取って分離し、慎重に編集してファイル管理する必要がある。
【0005】
しかしながら、図6(B)に示す切抜きされた記録用紙、図6(C)に示す切り離された記録用紙は、何れも扱い難く、外観的にも統一感がないものとなってしまう。特に、前述したような業務等での使用においては、個人利用とは異なり、運用面で多くの課題を呈しており、早期に解決する工夫が必要である。
【0006】
なお、1台のプリンタを複数のユーザや装置で共有するために、様々なカテゴリの印刷物が混在して排出される場合の管理や分類に関する技術としては、下記特許文献1乃至引用文献3がある。しかしながら、これらの文献に記載されたものは、出力結果をユーザが認識しやすくしたものであって、印刷物の管理までを考慮したものではない。
【0007】
【特許文献1】特開2003−80791号公報
【特許文献2】特開平10−211740号公報
【特許文献3】特開平10−29358号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数のカテゴリの画像データが1枚の記録用紙に混在することを防止し、印刷された記録用紙の取り扱いを容易にすることができるプリンタ装置及び印刷方法を提供することにある。
【0009】
また、本発明の目的は、同じ画像を、誤って何回も印刷することを防止することができるプリンタ装置及び印刷方法を提供することにある。
【0010】
更に、本発明の目的は、印刷と同時に表示を消すようにして、ユーザが視覚的にも、装置の動作状況を容易に把握できるようにするプリンタ装置及び印刷方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るプリンタ装置は、映像機器から入力された画像データを印刷するプリンタ装置において、入力された画像データを順に保存する画像メモリと、上記画像メモリに保存された画像データを印刷する印刷手段と、上記入力された画像データの種類を判別する判別手段と、上記判別手段での画像データの判別結果に応じて、上記画像データに保存されている画像データを上記印刷手段で印刷するように制御する制御手段とを備える。上記制御手段は、上記判別手段が入力された画像データが前に入力された画像データと種類が異なると判別したとき、上記判別手段が種類が異なると判別した画像データより前の画像データを印刷手段で印刷する。
【0012】
本発明に係る印刷方法は、以上のようなプリンタ装置を用いて、種類の異なる画像を別の記録用紙に印刷できるようにするものである。
【0013】
また、本発明に係るプリンタ装置は、映像機器から入力された画像データを印刷するプリンタ装置において、入力された画像データを順に保存する画像メモリと、上記画像メモリに保存された画像データを印刷する印刷手段と、上記入力された画像データを判別する判別手段と、上記判別手段での画像データの判別結果に応じて、上記画像データに保存されている画像データを上記印刷手段で印刷するように制御する制御手段とを備える。上記制御手段は、上記判別手段が入力された画像データが前に入力された画像データと異なると判別したとき、上記判別手段が異なると判別した画像データより前の画像データを印刷手段で印刷する。
【0014】
本発明に係る印刷方法は、以上のようなプリンタ装置を用いて、異なる画像を別の記録用紙に印刷できるようにするものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、判別手段が入力された画像データの種類又は画像データが前に入力された画像データの種類又は画像データと異なると判別したとき、判別手段が異なると判別した画像データより前の画像データを印刷手段で印刷するようにしたので、複数のカテゴリの画像データが1枚の記録用紙に混在して印画されることを防止し、印刷された記録用紙の取り扱いを容易にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明が適用されたビデオプリンタ装置について図面を参照して説明する。
【0017】
図1に示すように、本発明を適用したビデオプリンタ装置1は、医療現場で用いられるものであり、入力側に、映像機器として内視鏡装置2が接続され、更に、出力側に、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)で構成されたビデオモニタ5が接続されている。そして、ビデオプリンタ装置1は、内視鏡装置2から入力されたキャプチャ画像データを記録用紙に印刷するものである。
【0018】
ここで、内視鏡装置2は、入力端子2aを有しており、ここでは、HD(High Definition)方式のカメラを備えた第1の内視鏡プローブ3aと、SD(Standard Definition)方式のカメラを備えた第2の内視鏡プローブ3bの何れかが接続される。内視鏡装置2は、第1の内視鏡プローブ3a、第2の内視鏡プローブ3bの何れかを使用しているとき、使用中の内視鏡プローブが撮影した映像データをビデオプリンタ装置1に出力し、また、操作部4を構成するキャプチャ釦が押されたとき、キャプチャ釦が押されたタイミングの1フレーム又は1フィールド分のキャプチャ画像データをビデオプリンタ装置1にビデオモニタ5で表示できるように出力する。
【0019】
すなわち、内視鏡装置2は、第1の内視鏡プローブ3a、第2の内視鏡プローブ3bの何れかを使用しているとき、ビデオプリンタ装置1の出力端子に接続されたビデオモニタ5に表示するための同期信号を含むSD方式又はHD方式の映像又はキャプチャ画像データをビデオプリンタ装置1に出力する。ビデオプリンタ装置1は、内視鏡装置2から入力されたHD方式又はSD方式の映像又はキャプチャ画像データを、記録用紙6に印刷すると共に、モニタ用の映像データをビデオモニタ5に出力し、内視鏡装置2からの映像データ又はキャプチャ画像データを表示画面に表示する。
【0020】
なお、このビデオモニタ5は、ビデオプリンタ装置1に内蔵された一体型であっても良く、また、ビデオプリンタ装置1に対して外付けであっても良い。
【0021】
具体的に、本発明が適用されたビデオプリンタ装置1は、図2に示すように、内視鏡装置2と接続される入力端子11よりキャプチャ画像データが入力される判別部12と、入力端子11より入力されたキャプチャ画像データを保存する画像メモリ13と、画像メモリ13に保存された画像データを印刷する印刷ヘッド14と、印刷ヘッド14を駆動制御する印刷駆動部15と、ユーザにより操作信号を発生する操作部16と、全体の動作を制御する制御部17とを備える。また、入力端子11より入力された第1の内視鏡プローブ3aや第2の内視鏡プローブ3bが撮影した映像データをビデオモニタ5に出力する出力端子18とを備える。
【0022】
判別部12は、映像用の入力端子11を介して内視鏡装置2から入力されたキャプチャ画像データの種類を判別する。具体的に、内視鏡装置2は、上述のように、HD方式の第1の内視鏡プローブ3a、SD方式の第2の内視鏡プローブ3bの何れかが接続される。そこで、入力端子11には、ビデオモニタ5に表示するための垂直及び水平同期信号を含むSD方式又はHD方式のキャプチャ画像データが内視鏡装置2から入力されることになる。
【0023】
ここで、SD方式又はHD方式の相違を説明すると、HD方式は、高解像度を実現するため、SD方式より同期信号の周期が短い。判別部12は、SD方式とHD方式の同期信号の周期の違いを検出することによって、内視鏡装置2から入力される画像データの種類を検出する。
【0024】
画像メモリ13には、入力端子11より入力されたキャプチャ画像データが時間順に保存される。なお、画像メモリ13に保存される順番は、操作順、すなわちキャプチャされた順であっても良い。この画像メモリ13に保存されている画像データは、ユーザの操作によって又は印刷が終了したとき消去される。
【0025】
印刷ヘッド14は、高度な印画品質を実現するため、サーマルヘッドが用いられている。印刷対象となる記録用紙6は、樹脂等の基材シートに記録層が設けられた記録紙であり、サーマルヘッドによって印刷する画像データに応じた熱エネルギを記録層に印加することによって所望の画像が転写される。
【0026】
なお、印刷ヘッド14にサーマルヘッドを用いるとき、普通紙等に、インクリボンの染料等の色材を熱転写して、画像を形成するようにしても良い。また、印刷ヘッド14としては、サーマルヘッドの他、液室で圧力を発生させてノズルよりインクを吐出するインクジェット用の印刷ヘッドを用いても良い。
【0027】
印刷駆動部15は、印刷ヘッド14を駆動制御すると共に、印刷データを生成する。具体的に、印刷駆動部15は、画像メモリ13より印刷する画像データを読み出して、印刷データを生成する。例えば、印刷するために選択されたキャプチャ画像データを、1枚の記録用紙6に最大で4枚の画像データを印刷できるようにする4枚取りの印刷データを生成する。また、印刷駆動部15は、判別部12で入力端子11より入力された画像データの種類が異なったと判別したとき、種類が異なると判別部12が判断した前までの画像データを使用して、上述のように、最大4枚取り等の方式に合うような印刷データを生成する。なお、1枚の記録用紙6に印画される画像の数は、4枚に限定されるものではない。
【0028】
操作部16は、ビデオプリンタ装置1の装置本体に設けられたタッチパネル、複数の押し釦でなる。操作部16は、印刷開始釦、内視鏡装置2の第1の内視鏡プローブ3a、第2の内視鏡プローブ3bの何れかが撮影している映像をキャプチャするためのキャプチャ釦、内視鏡装置2からの映像信号をビデオモニタ5に表示させるモードと印刷データをビデオモニタ5に表示させるモードとを切り換えるモード切換釦等で構成されている。このような操作釦で構成される操作部16は、ユーザにより操作されると、種類に応じた操作信号を発生して制御部17に入力する。
【0029】
制御部17は、操作部16より入力された操作信号に応じて装置全体を制御する。例えば、モード切換釦で、ビデオモニタ5に内視鏡装置2からの映像データを表示するモードが選択されたとき、内視鏡装置2からの映像データを出力端子18よりそのままビデオモニタ5に出力する。また、制御部17は、モード切換釦でキャプチャ画像データを表示するモードが選択されているとき、画像メモリ13に保存されているキャプチャ画像データを読み出し、ビデオモニタ5でSD又はHD方式の表示を行うのに必要な垂直及び水平同期信号等を含む複合映像データ、すなわちモニタ表示用の同期信号を含む画像データを生成し、これをビデオモニタ5に出力し、印刷する画像データの確認を行うことができるようにする。このとき、制御部17は、判別部12が同種類であると判別したキャプチャ画像データを、4枚取りの大きさにしてSD方式又はHD方式それぞれでビデオモニタ5の一画面に表示できるようにする。すなわち、異なる種類のキャプチャ画像データは、同一の画面に表示されないようにする。
【0030】
ここで、内視鏡装置2のキャプチャ釦、ビデオプリンタ装置1のキャプチャ釦の何れかが押されたとき、ビデオプリンタ装置1に入力端子11より入力されるキャプチャ画像データを図3を参照して説明する。このキャプチャ画像データ20は、図3に示すように、第1の内視鏡プローブ3a、第2の内視鏡プローブ3bの何れかが撮影したキャプチャ画像部21と、このキャプチャ画像部21の患者のIDナンバ、名前、性別、年齢、備考患者名等の患者識別データで構成された患者識別部22と、撮影に用いた内視鏡プローブを識別するための各種ステータスデータで構成されたステータス識別部23で構成されている。内視鏡装置2は、ビデオプリンタ装置1の入力端子11に対して図3に示すようなキャプチャ画像データを出力し、ビデオプリンタ装置1の制御部17は、画像メモリ13に、入力端子11に入力された順番、すなわち時間順に保存する。
【0031】
次に、以上のように構成されたビデオプリンタ装置1又は内視鏡装置2のキャプチャ釦が押されたときの動作について図4を参照して説明する。
【0032】
ビデオプリンタ装置1の制御部17は、ステップS1において、入力端子11に内視鏡装置2から映像データが入力されたかどうかを判断し、映像データの入力がないとき、ステップS1を繰り返し、映像データの入力があるとき、ステップS2に進む。
【0033】
ステップS2において、制御部17は、内視鏡装置2の操作部4を構成するキャプチャ釦又はビデオプリンタ装置1の操作部16を構成するキャプチャ釦が押されたかを判断する。そして、制御部17は、キャプチャ釦が押されたとき、ステップS3に進み、キャプチャ釦が押されていないとき、ステップS2を繰り返す。そして、キャプチャ釦が押されたとき、制御部17は、画像メモリ13に、キャプチャ釦が押された時点の内視鏡装置2から入力された図3に示すキャプチャ画像データを画像メモリ13に保存する。これと同時に、制御部17は、ビデオモニタ5に、画像メモリ13に保存するキャプチャ画像データを出力端子18に出力し、ビデオモニタ5でキャプチャしたキャプチャ画像データを確認することができるようにする。
【0034】
ステップS4において、制御部17は、画像メモリ13に保存する画像データの種類を判別する。具体的に、入力端子11に入力される画像データが第1の内視鏡プローブ3aから入力されたHD方式の画像データであるか、第2の内視鏡プローブ3bから入力されたSD方式の画像データであるかを、同期信号の周期を検出することによって判断する。そして、制御部17は、前に入力されたキャプチャ画像データの同期信号と周期が同じとき、ステップS1に戻る。また、制御部17は、同期信号の周期が前に入力されたキャプチャ画像データの同期信号と異なるとき、ステップS5に進み、同期信号が同じキャプチャ画像データの印刷準備に入る。
【0035】
このとき、制御部17は、ユーザの混乱を防止するため、更なるキャプチャ画像データの取り込み、すなわち内視鏡装置2からのキャプチャ画像データの入力を禁止するようにしても良い。
【0036】
また、制御部17は、順に入力端子11に入力されるキャプチャ画像データが同じ間、画像メモリ13より読み出したキャプチャ画像データをビデオモニタ5に例えば一画面に最大4枚の画像を表示する。
【0037】
前に入力されたキャプチャ画像データと同期信号が異なるとき、ステップS5において、制御部17は、印刷する同期信号が同じキャプチャ画像データ、すなわち異なる同期信号のキャプチャ画像データが入力される前までのキャプチャ画像データを画像メモリ13より読み出し、印刷駆動部15に出力する。そして、印刷駆動部15は、入力されたキャプチャ画像データに基づいて印刷データを生成する。例えば、印刷駆動部15は、1枚の記録用紙6に、4枚の画像を印刷できる印刷データを生成する。また、印刷駆動部15は、印刷する画像が4枚を超えるとき、2枚目、更に3枚目の記録用紙6用の印刷データを生成する。また、制御部17は、垂直及び水平同期信号を含む複合映像データを生成し、ビデオモニタ5に表示する。
【0038】
ステップS6において、制御部17は、印刷駆動部15で生成した印刷データに応じて印刷ヘッド14を駆動する。かくして、記録用紙6には、同期信号の同じキャプチャ画像データが印刷されることになる。なお、ここで、制御部17は、ビデオモニタ5に表示されている印刷を行った印刷データと同じキャプチャ画像の表示を消去し、ユーザが印刷終了を認識できるようにしても良い。
【0039】
更に、制御部17は、印刷が終了した後、印刷が終了したキャプチャ画像データを画像メモリ13より消去し、印刷の完了した画像データが誤って何度も印刷されることを防止できるようにしても良い。
【0040】
ここで、以上のような処理に従って印刷された記録用紙6の状態を説明する。図5に示すように、例えば一枚の記録用紙には、画像が4枚取りされる。ここで、印刷される画像、すなわち同期信号が同じと判断されたキャプチャ画像が3枚とすると、図中右下が空白領域25となる。これによって、一の記録用紙6には、同一種類のキャプチャ画像データのみが印刷されることになる。
【0041】
以上のような、ビデオプリンタ装置1によれば、入力端子11に入力されるキャプチャ画像データの種類が異なったとき、それまでのキャプチャ画像データを印刷するようにしたので、1枚の記録用紙の中に、複数種類の画像データが混在することを防止することができる。
【0042】
また、画像データの種類の判別は、複合映像データの一部の信号を使って行い、例えば映像信号とは別の制御データを用いて行うものではない。すなわち、この判別は、映像データ用の信号線を用い、制御用の信号線でやり取りされる識別データを用いて行うものではない。したがって、ビデオプリンタ装置1は、仮に、内視鏡装置2との間の制御線が外れていたとしても、この画像データの種類の判別を確実に行って、画像データの種類が異なったとき自動的に印刷することができる。
【0043】
したがって、内視鏡装置2から入力される画像データの同期信号の種類が代わったときは、患者が異なったときとみなすことができる。本発明が適用されたビデオプリンタ装置1では、入力されるキャプチャ画像データの同期信号が異なったとき、それまでのキャプチャ画像データ、すなわち同期信号が同じキャプチャ画像データを自動的に印刷するようにしたので、一の記録用紙に複数の患者のキャプチャ画像データが印刷されることを防止することができ、ユーザが手間をかけずに印画物の管理を行うことができる。また、仮に、ビデオプリンタ装置1と内視鏡装置2との間の制御線が外れていたときにも、それまでのキャプチャ画像データ、すなわち同期信号が同じキャプチャ画像データを自動的に印刷することができる。
【0044】
以上の例では、同期信号を用いて画像データの種類を判別する場合を説明したが、種類の識別に当たってはこれに限定されるものではない。例えば、第1の内視鏡プローブ3aがカラー方式で第2の内視鏡プローブ3bが白黒方式のとき、判別部12で入力されたキャプチャ画像データがカラーであるか白黒であるかを判別するようにし、カラーから白黒又は白黒からカラーに変わったとき、以前の画像データを印刷するようにしても良い。すなわち、本発明では、映像データの一部を用いて種類判別を行えば良い。
【0045】
また、以上の例では、画像データに付随する同期信号によって入力端子11に入力されたキャプチャ画像データの種類を判別したが、本発明は、キャプチャ画像データそのものに含まれる識別用画像パターンによって種類を判別するようにしても良い。
【0046】
すなわち、上述した第1の内視鏡プローブ3aと第2の内視鏡プローブ3bとを切り換える際には、第1の内視鏡プローブ3a又は第2の内視鏡プローブ3bからの入力が途切れ、全体が同一色の例えば全体が白又は黒のダミー画像データがビデオプリンタ装置1に入力されるようにする。ここでは、このダミー画像データを識別用画像パターンとして用いる。この場合、上述したステップS4において、制御部17は、内視鏡装置2より入力された画像データが識別用画像パターンであるかを判断し、識別用画像パターンが検出されたとき、それまでの画像メモリ13に保存されているキャプチャ画像データを印刷するようにしても良い。
【0047】
更に、識別用画像パターンとしては、ダミー画像データの他、入力される画像データの一部を識別用画像パターンとして用いても良い。例えば、撮影する場所、例えば胃内であるか、大腸内であるかによって、画像データのRGBデータが異なる。そこで、このRGBデータの特徴的部分を識別用画像パターンとして用い、RGBデータの特徴的部分が変化したとき、画像メモリ13に保存されている以前のキャプチャ画像データを印刷するようにしても良い。
【0048】
以上、入力側の映像機器に、内視鏡装置2を用いた例を説明したが、この内視鏡装置2に用いる内視鏡プローブ3a,3bとしては、硬性内視鏡や軟性内視鏡を適用することができる。また、ビデオプリンタ装置1に接続される映像機器は、医療現場を想定したときには、内視鏡装置2の他、超音波撮影装置、MRI、電子顕微鏡等であっても良く、また、ビデオプリンタ装置1には、異なる種類の医療用映像機器が接続されていても良い。更に、ビデオプリンタ装置1に接続される映像機器としては、コンシューマ用又は業務用のディジタル若しくはアナログのビデオカメラ、ビデオデッキ等であっても良い。更に、ビデオプリンタ装置1に接続される映像機器の数は特に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明が適用されたビデオプリンタ装置の使用例を説明する図である。
【図2】本発明が適用されたビデオプリンタ装置のブロック図である。
【図3】内視鏡装置から入力されるキャプチャ画像データを示す図である。
【図4】本発明が適用されたビデオプリンタ装置の動作を説明するフローチャートである。
【図5】記録用紙に印刷れた状態を示す図である。
【図6】従来の印刷例を示す図である。
【符号の説明】
【0050】
1 ビデオプリンタ装置、2 内視鏡装置、2a 入力端子、2b 入力端子、3a 第1の内視鏡プローブ、3b 第2の内視鏡プローブ、4 操作部、5 ビデオモニタ、6 記録用紙、11 入力端子、12 判別部、13 画像メモリ、14 印刷ヘッド、15 印刷駆動部、16 操作部、17 制御部、18 出力端子、20 キャプチャ画像データ、21 キャプチャ画像部、22 患者識別部、23 ステータス識別部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像機器から入力された画像データを印刷するプリンタ装置において、
入力された画像データを順に保存する画像メモリと、
上記画像メモリに保存された画像データを印刷する印刷手段と、
上記入力された画像データの種類を判別する判別手段と、
上記判別手段での画像データの判別結果に応じて、上記画像データに保存されている画像データを上記印刷手段で印刷するように制御する制御手段とを備え、
上記制御手段は、上記判別手段が入力された画像データが前に入力された画像データと種類が異なると判別したとき、上記判別手段が種類が異なると判別した画像データより前の画像データを印刷手段で印刷するようにしたプリンタ装置。
【請求項2】
上記判別手段は、上記映像機器から入力される同期信号に基づいて上記入力される画像データの種類を判別する請求項1記載のプリンタ装置。
【請求項3】
上記制御手段は、上記判別手段が種類が異なると判別した画像データより前の画像データの印刷が終了したとき、上記画像メモリに保存されている印刷が終了した画像データを上記画像メモリより消去する請求項1記載のプリンタ装置。
【請求項4】
更に、上記画像メモリに保存された画像データを表示する表示手段が内蔵又は外付けされており、
上記制御手段は、上記判別手段が種類が異なると判別した画像データより前の画像データの印刷が終了したとき、上記画像メモリに保存されている印刷が終了した画像データの表示を、表示画面上から消す請求項3記載のプリンタ装置。
【請求項5】
映像機器から入力された画像データをプリンタ装置で印刷する印刷方法において、
上記入力された画像データを順に画像メモリに保存するステップと、
上記入力された画像データの種類を判別手段で判別するステップと、
上記判別手段が入力された画像データが前に入力された画像データと種類が異なると判別したとき、上記判別手段が種類が異なると判別した画像データより前の画像データを印刷手段で印刷するステップとを有する印刷方法。
【請求項6】
上記画像データの種類を判別するステップは、上記映像機器から入力される同期信号に基づいて上記入力される画像データの種類を判別する請求項5記載の印刷方法。
【請求項7】
更に、上記判別手段が種類が異なると判別した画像データより前の画像データの印刷が終了したとき、上記画像メモリに保存されている印刷が終了した画像データを上記画像メモリより消去するステップを有する請求項5記載の印刷方法。
【請求項8】
更に、上記判別手段が種類が異なると判別した画像データより前の画像データの印刷が終了したとき、上記画像メモリに保存されている印刷が終了した画像データの表示を、表示画面上から消すステップを有する請求項7記載の印刷方法。
【請求項9】
映像機器から入力された画像データを印刷するプリンタ装置において、
入力された画像データを順に保存する画像メモリと、
上記画像メモリに保存された画像データを印刷する印刷手段と、
上記入力された画像データを判別する判別手段と、
上記判別手段での画像データの判別結果に応じて、上記画像データに保存されている画像データを上記印刷手段で印刷するように制御する制御手段とを備え、
上記制御手段は、上記判別手段が入力された画像データが前に入力された画像データと異なると判別したとき、上記判別手段が異なると判別した画像データより前の画像データを印刷手段で印刷するようにしたプリンタ装置。
【請求項10】
上記判別手段は、予め設定された識別用画像パターンによって、上記入力された画像データを判別する請求項9記載のプリンタ装置。
【請求項11】
上記制御手段は、上記判別手段が異なると判別した画像データより前の画像データの印刷が終了したとき、上記画像メモリに保存されている印刷が終了した画像データを上記画像メモリより消去する請求項9記載のプリンタ装置。
【請求項12】
更に、上記画像メモリに保存された画像データを表示する表示手段が内蔵又は外付けされており、
上記制御手段は、上記判別手段が異なると判別した画像データより前の画像データの印刷が終了したとき、上記画像メモリに保存されている印刷が終了した画像データの表示を、表示画面上から消す請求項11記載のプリンタ装置。
【請求項13】
映像機器から入力された画像データをプリンタ装置で印刷する印刷方法において、
上記入力された画像データを順に画像メモリに保存するステップと、
上記入力された画像データを判別手段で判別するステップと、
上記判別手段が入力された画像データが前に入力された画像データと異なると判別したとき、上記判別手段が異なると判別した画像データより前の画像データを印刷手段で印刷するステップとを有する印刷方法。
【請求項14】
上記画像データを判別するステップは、予め設定された識別用画像パターンによって、上記入力された画像データを判別する請求項13記載の印刷方法。
【請求項15】
更に、上記判別手段が異なると判別した画像データより前の画像データの印刷が終了したとき、上記画像メモリに保存されている印刷が終了した画像データを上記画像メモリより消去するステップを有する請求項13記載の印刷方法。
【請求項16】
更に、上記判別手段が異なると判別した画像データより前の画像データの印刷が終了したとき、上記画像メモリに保存されている印刷が終了した画像データの表示を、表示画面上から消すステップを有する請求項15記載の印刷方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−152790(P2007−152790A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−352483(P2005−352483)
【出願日】平成17年12月6日(2005.12.6)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】