説明

プリントシステムおよび画像形成装置

【課題】ユーザの待ち時間を抑制することが可能な印刷技術を提供する。
【解決手段】プリントシステムにおいて、MFPでの或るユーザUAによる第1の印刷出力に伴う非スリープ期間にて、通知メッセージMSが他のユーザUBに送信される(S15)。通知メッセージMSは、MFPでの同時期印刷出力の予定の有無(第1の印刷出力に引き続いて第2の印刷出力を行うか否か)を問い合わせる内容を含む。同時期印刷出力を行う予定である旨が返信される場合にはMFPにおけるスリープ状態への移行待機期間が延長される(S17)。これにより、ユーザUBは、MFP10aがスリープモードへ移行する前に、スプール中のプリントジョブJBbをユーザUAのプリントジョブJBaに引き続いてMFP10aを用いて印刷出力させることが可能である。したがって、ユーザUBはスリープモードからの復帰を待たずに、MFP10aによる認証印刷出力を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MFP(Multi Function Peripherals)などの画像形成装置および当該画像形成装置を利用したプリントシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
MFP(Multi Function Peripherals)等の画像形成装置においては、不要な待機電力を抑制するために、所定の無操作期間が経過すると、当該画像形成装置内の定着器等への電力供給を遮断するスリープモードが設けられている。
【0003】
近年の画像形成装置では、電力消費量をさらに抑制するため、スリープモードへの移行までの待機期間(スリープモードへの移行待機期間とも称する)の短縮が図られている。たとえば、ネットワークプリンティングにおいては、プリント出力後に直ちにスリープモードに移行させることによって、省電力性能の向上を実現するものも存在する(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−4150号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
スリープモードへの移行待機期間が短縮化されると、結果的にスリープモードに移行している時間が多くなる。そのため、例えばMFPでコピー動作を行うユーザは、多くの場合において、スリープモードからの復帰を待ってから印刷することが求められる。
【0006】
しかしながら、スリープモードからの復帰には比較的長い時間を要するため、ユーザの待ち時間が長くなりユーザの利便性は低下する、との問題が生じる。
【0007】
そこで、この発明は、ユーザの待ち時間を抑制することが可能な印刷技術を提供することを課題する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決すべく、請求項1の発明は、プリントシステムであって、画像形成装置の第1の印刷出力に伴う非スリープ期間において、ユーザに対して、前記画像形成装置による第2の印刷出力を前記第1の印刷出力に引き続いて行う同時期印刷出力の予定の有無を問い合わせる内容の通知を行う通知手段と、前記同時期印刷出力を行う予定である旨が返信されない場合には前記画像形成装置におけるスリープ状態への移行待機期間を第1の値に設定し、前記同時期印刷出力を行う予定である旨が返信される場合には前記移行待機期間を第1の値よりも大きな第2の値に設定する設定手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明に係るプリントシステムにおいて、前記通知手段は、第1のユーザによる前記第1の印刷出力に伴う非スリープ期間において、第2のユーザに向けて前記通知を行うことを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項2の発明に係るプリントシステムにおいて、前記第1の印刷出力は、前記第1のユーザによる認証印刷出力であることを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、請求項3の発明に係るプリントシステムにおいて、前記通知手段は、スプール中の認証印刷ジョブの依頼元ユーザを前記第2のユーザとして決定することを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明は、請求項4の発明に係るプリントシステムにおいて、前記通知手段は、前記依頼元ユーザによる前記画像形成装置の使用頻度が所定の閾値以上であると判定されることを条件に、前記依頼元ユーザに対して前記通知を行うことを特徴とする。
【0013】
請求項6の発明は、請求項4の発明に係るプリントシステムにおいて、前記通知手段は、前記プリントシステムにおける複数の画像形成装置のそれぞれの前記依頼元ユーザによる使用頻度のうち、前記依頼元ユーザによる前記画像形成装置の使用頻度が最も高いと判定されることを条件に、前記依頼元ユーザに対して前記通知を行うことを特徴とする。
【0014】
請求項7の発明は、請求項4の発明に係るプリントシステムにおいて、ユーザごとの指定出力装置を予め指定する指定手段とをさらに備え、前記通知手段は、前記画像形成装置が前記依頼元ユーザによる指定出力装置であることを条件として、前記依頼元ユーザに対して前記通知を行うことを特徴とする。
【0015】
請求項8の発明は、請求項4の発明に係るプリントシステムにおいて、前記依頼元ユーザによるスプール中の認証印刷ジョブに関する印刷ジョブ種類を解析する解析手段と、前記印刷ジョブ種類に応じた指定出力装置をユーザごとに予め指定する指定手段とをさらに備え、前記通知手段は、前記画像形成装置が、前記印刷ジョブ種類に応じて前記依頼元ユーザによって予め指定された指定出力装置であることを条件として、前記依頼元ユーザに対して前記通知を行うことを特徴とする。
【0016】
請求項9の発明は、請求項8の発明に係るプリントシステムにおいて、前記通知手段は、前記依頼元ユーザによる前記認証印刷ジョブがモノクロ印刷ジョブである場合には、前記画像形成装置がモノクロ印刷ジョブに対応して前記依頼元ユーザにより指定された指定出力装置であることを条件として、前記依頼元ユーザに対して前記通知を行い、前記依頼元ユーザによる前記認証印刷ジョブがカラー印刷ジョブである場合には、前記画像形成装置がカラー印刷ジョブに対応して前記依頼元ユーザにより指定された指定出力装置であることを条件として、前記依頼元ユーザに対して前記通知を行うことを特徴とする。
【0017】
請求項10の発明は、請求項4の発明に係るプリントシステムにおいて、前記プリントシステムの複数の画像形成装置が配置されている居室に対する各ユーザの入退室情報を管理する入退出管理手段、をさらに備え、前記通知手段は、前記居室に配置された複数のドアのうち前記画像形成装置の最寄りの所定のドアから前記依頼元ユーザが入室していると判定されることを条件に、前記依頼元ユーザに対して前記通知を実行することを特徴とする。
【0018】
請求項11の発明は、請求項2の発明に係るプリントシステムにおいて、前記通知手段は、前記画像形成装置の使用頻度が所定の閾値以上であるユーザを前記第2のユーザとして決定することを特徴とする。
【0019】
請求項12の発明は、請求項2の発明に係るプリントシステムにおいて、前記通知手段は、前記プリントシステムにおける複数の画像形成装置のそれぞれの特定ユーザによる使用頻度のうち、前記特定ユーザによる前記画像形成装置の使用頻度が最も高いと判定されることを条件に、前記特定ユーザに対して前記通知を行うことを特徴とする。
【0020】
請求項13の発明は、請求項2の発明に係るプリントシステムにおいて、前記プリントシステムの複数の画像形成装置が配置されている居室に対する各ユーザの入退室情報を管理する入退出管理手段、をさらに備え、前記通知手段は、前記居室に配置された複数のドアのうち前記画像形成装置の最寄りの所定のドアから入室しているユーザを前記第2のユーザとして決定することを特徴とする。
【0021】
請求項14の発明は、請求項2ないし請求項13のいずれかの発明に係るプリントシステムにおいて、前記第1の印刷出力の完了予定時期を算出する算出手段、をさらに備え、前記通知手段は、前記算出手段によって算出された前記完了予定時期を前記第2のユーザに通知した上で、前記同時期印刷出力の予定の有無を前記第2のユーザに問い合わせることを特徴とする。
【0022】
請求項15の発明は、請求項1ないし請求項14のいずれかの発明に係るプリントシステムにおいて、前記設定手段は、前記移行待機期間の延長に伴う延長後の前記移行待機期間中の消費電力量がスリープ状態からの復帰時の消費電力量以下である、との条件を充足するように、前記第2の値を設定することを特徴とする。
【0023】
請求項16の発明は、画像形成装置であって、第1の印刷出力に伴う非スリープ期間において、ユーザに対して、前記画像形成装置による第2の印刷出力を前記第1の印刷出力に引き続いて行う同時期印刷出力の予定の有無を問い合わせる内容の通知を行う通知手段と、前記同時期印刷出力を行う予定である旨が返信されない場合には前記画像形成装置におけるスリープ状態への移行待機期間を第1の値に設定し、前記同時期印刷出力を行う予定である旨が返信される場合には前記移行待機期間を第1の値よりも大きな第2の値に設定する設定手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
請求項1ないし請求項16に記載の発明によれば、第1の印刷出力に伴う非スリープ期間において、第2の印刷出力を第1の印刷出力に引き続いて行う同時期印刷出力の予定の有無がユーザに問い合わせられる。そして、同時期印刷出力を行う予定である旨が返信される場合には、当該画像形成装置におけるスリープモードへの移行待機期間が比較的大きな第2の値に延長される。そのため、当該画像形成装置がスリープモードへ移行する前に、当該画像形成装置を用いた新たな印刷出力を行うことが可能である。したがって、ユーザはスリープモードからの復帰を待たずに、新たな印刷出力を得ることが可能であり、ユーザの待ち時間を抑制することが可能である。
【0025】
特に、請求項5ないし請求項13に記載の発明によれば、効率的に通知を行うことが可能である。
【0026】
また特に、請求項14に記載の発明によれば、第1の印刷出力の完了予定時期が通知されるので、第2のユーザは、同時期印刷出力の実行の是非を判定し易くなる。
【0027】
また特に、請求項15に記載の発明によれば、移行待機期間に消費される消費電力量が過大になることを防止して、消費電力を抑制することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】第1実施形態に係るプリントシステムを示す概略図である。
【図2】MFPの概略構成を示す機能ブロック図である。
【図3】コンピュータシステムの構成を示す図である。
【図4】プリントサーバおよび認証サーバの構成を示す機能ブロック図である。
【図5】プリントシステムにおけるデータの流れ等を示す図である。
【図6】プリントシステムにおけるデータの流れ等を示す図である。
【図7】プリントシステムにおけるデータの流れ等を示す図である。
【図8】プリントシステムにおけるデータの流れ等を示す図である。
【図9】第1実施形態に係る動作の一部を示すフローチャートである。
【図10】通知メッセージを示す図である。
【図11】消費電力の経時変化を示す図である(比較例)。
【図12】消費電力の経時変化を示す図である(第1実施形態)。
【図13】各プリントジョブデータのヘッダ部等の構成を示す概念図である。
【図14】第2実施形態で利用されるデータテーブルを示す図である。
【図15】第2実施形態で利用されるデータテーブルを示す図である。
【図16】第3実施形態で利用されるデータテーブルを示す図である。
【図17】第4実施形態で利用されるデータテーブルを示す図である。
【図18】複数のドアと複数のMFPとの位置関係を示す図である。
【図19】第4実施形態に係るプリントシステムを示す概略図である。
【図20】入退出管理サーバの構成を示す機能ブロック図である。
【図21】第5実施形態に係るプリントシステムにおける動作を示す図である。
【図22】第5実施形態に係るプリントシステムにおける動作を示す図である。
【図23】第5実施形態に係るプリントシステムにおける動作を示す図である。
【図24】第5実施形態に係る動作の一部を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0030】
<1.第1実施形態>
<1−1.概要>
この第1実施形態においては、プリントシステムとして、認証印刷(後述)を行うことが可能な認証プリントシステムを例示する。
【0031】
図1は、第1実施形態に係るプリントシステム1(1A)を示す概略図である。
【0032】
図1に示すように、プリントシステム1Aは、複数の画像形成装置10(詳細には、10a,10b,10c,...)と複数のクライアントコンピュータ(以下、単に「クライアント」とも称する)70(70a,70b,...)とを備える。ここでは、画像形成装置(印刷装置)として、MFP(マルチ・ファンクション・ペリフェラル(Multi Function Peripheral))が例示されている。
【0033】
また、プリントシステム1Aは、コンピュータ50,60とをさらに備える。プリントサーバ50は、プリントサーバ機能を有するサーバコンピュータであり、認証サーバ60は、認証処理機能を有するサーバコンピュータである。コンピュータ50は、「プリントサーバ」とも称され、コンピュータ60は、「認証サーバ」とも称される。
【0034】
これらの複数のMFP10とプリントサーバ50と認証サーバ60と複数のクライアント70とは、ネットワークNWを介して互いに接続されており、ネットワーク通信を実行することが可能である。なお、ネットワークNWは、LAN、WAN、インターネットなどによって構成される。また、ネットワークNWへの接続形態は、有線接続であってもよく或いは無線接続であってもよい。
【0035】
プリントシステム1Aは、次のような「認証印刷」が可能なプリントシステムである。具体的には、このプリントシステム1Aのユーザは、クライアント70において認証印刷操作を実行して、プリントサーバ50に印刷ジョブ(プリントジョブ)を認証情報ともにスプールする。その後、当該ユーザは、或るMFP10による認証動作を経て、プリントサーバ50に蓄積された印刷データを当該MFP10により印刷出力させる。
【0036】
ところで、このような認証印刷においても、消費電力低減のためには、スリープモード(低消費電力待機モードとも称する)へ移行するまでの待機期間(スリープモードへの移行待機期間とも称する)を短縮し、比較的早期にスリープモードへ移行することが好ましい。
【0037】
そこで、この実施形態においては、原則として、或るユーザUAによる認証印刷動作が或るMFP10において完了すると短期間の待機期間t1(たとえば、ゼロ秒〜数十秒)の後に当該MFP10をスリープモード(スリープ状態)へ移行させる技術を提案する。
【0038】
しかしながら、仮にスリープモードへの移行待機期間が常に非常に短い期間に設定されると、当該MFP10がスリープモード状態を有している時間が多くなる。そのため、別のユーザUBが当該MFP10を用いて認証印刷出力を得る際には、殆どの場合において、スリープモードからの復帰を待つことが求められる。スリープモードからの復帰には比較的長い時間を要するため、ユーザの待ち時間が長くなりユーザの利便性が低下する、との問題が生じ得る。なお、スリープモードへの移行待機期間が常に非常に短い期間t1に設定される技術を、比較例に係る技術(あるいは単に比較例)とも称するものとする。
【0039】
そこで、この実施形態においては、MFP10aは、ユーザUAによる第1の印刷出力に伴う(MFP10aの)非スリープ状態継続期間(ここでは、ユーザUAによる認証印刷出力期間)において、別ユーザUBに対して、通知メッセージMSを送信する。ここにおいて、ユーザUBは、プリントサーバ50にスプール中の認証印刷出力用データ(別のプリントジョブデータ)の送付元ユーザ(換言すれば、スプール中の認証印刷ジョブの依頼元ユーザ)である。また、「非スリープ状態継続期間」は、「非スリープ期間」あるいは「定常状態継続期間(ないし稼働状態継続期間)」等とも称される。また、通知メッセージMSは、MFP10aによる第2の印刷出力を第1の印刷出力に引き続いて行う予定の有無を問い合わせる内容を有する。換言すれば、通知メッセージMSは、第1の印刷出力に関する非スリープ期間内に(端的に言えば同時期に)第2の印刷出力を行う予定(同期印刷出力(あるいは単に同時期印刷)の予定とも称する)の有無を問い合わせる内容を有する。
【0040】
このように、MFP10aは、ユーザUAによるMFP10aの第1の印刷出力に関する非スリープ期間において、ユーザUBに対して、同時期印刷出力の予定の有無を問い合わせる内容の通知を行う。
【0041】
そして、同時期印刷出力を行う予定である旨が返信されない場合(同時期印刷出力を行わない予定である旨が返信される場合を含む)には、原則通り、プリントジョブJBaの終了時点から待機期間t1が経過した直後に当該MFP10をスリープモードへ移行させる。一方、同時期印刷出力を行う予定である旨が返信される場合には、例外的に、当該MFP10におけるスリープモードへの移行待機期間を比較的短い期間t1から比較的長い期間t2(たとえば、数分)に延長する。これによれば、別ユーザUBは、延長期間中において(MFP10がスリープモードへ移行する前に)、スプール中のプリントジョブデータをMFP10を用いて印刷出力させることが可能である。したがって、ユーザUBはスリープモードからの復帰を待たずに、認証印刷出力を得ることが可能である。すなわち、ユーザUBの待ち時間を抑制することが可能である。
【0042】
なお、「同時期印刷出力」の予定の有無に関する問い合わせは、システム等により推奨される印刷時期(推奨印刷時期)での印刷出力の予定の有無に関する問い合わせであるとも表現される。また、当該問い合わせは、同時期印刷出力の勧誘であるとも表現される。
【0043】
以下、このような内容についてさらに詳細に説明する。
【0044】
<1−2.MFPの構成>
図2は、MFP10の概略構成を示す機能ブロック図である。
【0045】
図2の機能ブロック図に示すように、このMFP10は、画像読取部2、印刷出力部3、通信部4、格納部5、入出力部6およびコントローラ9等を備えており、これらの各部を複合的に動作させることによって、各種の機能を実現する。なお、MFP10は、画像形成装置あるいは印刷出力装置などとも表現される。
【0046】
画像読取部2は、MFP10の所定の位置に載置された原稿を光学的に読み取って(すなわちスキャンして)、当該原稿の画像データ(原稿画像なしいスキャン画像とも称する)を生成する処理部である。この画像読取部2は、スキャン部であるとも称される。
【0047】
印刷出力部3は、印刷対象に関するデータに基づいて紙などの各種の媒体に画像を印刷出力する出力部である。
【0048】
通信部4は、公衆回線等を介したファクシミリ通信を行うことが可能な処理部である。さらに、通信部4は、ネットワークNWを介したネットワーク通信が可能である。このネットワーク通信では、TCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)およびFTP(File Transfer Protocol)等の各種のプロトコルが利用される。当該ネットワーク通信を利用することによって、MFP10は、所望の相手先との間で各種のデータを授受することが可能である。また、MFP10は、この通信部4を用いて、電子メールの送受信を行うことも可能である。
【0049】
格納部5は、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置で構成される。格納部5は、1つ又は複数のボックスを有している。各ボックスは、MFP10内に設けられる格納領域(記憶領域)である。当該ボックスの中には、各種のデータファイル等が格納される。
【0050】
入出力部6は、MFP10に対する入力を受け付ける操作入力部6aと、各種情報の表示出力を行う表示部6bとを備えている。詳細には、MFP10には操作パネル6c(図1参照)が設けられている。この操作パネル(タッチスクリーン)6cは、液晶表示パネルに圧電センサ等が埋め込まれて構成されており、表示部6bの一部として機能するとともに、操作入力部6aの一部としても機能する。
【0051】
コントローラ9は、MFP10に内蔵され、MFP10を統括的に制御する制御装置である。コントローラ9は、CPUおよび各種の半導体メモリ(RAMおよびROM)等を備えるコンピュータシステムとして構成される。コントローラ9は、CPUにおいて、ROM(例えば、EEPROM)内に格納されている所定のソフトウエアプログラム(以下、単にプログラムとも称する)PG1を実行することによって、各種の処理部を実現する。なお、当該プログラムPG1は、USBメモリなどの可搬性の記録媒体、あるいはネットワークNW等を介してMFP10にインストールされるようにしてもよい。
【0052】
図2に示すように、コントローラ9は、認証印刷処理部11と通知部12と待機期間設定部13と算出部14と印刷制御部15とを含む各種の処理部を実現する。
【0053】
認証印刷処理部11は、認証印刷における各種処理を実行する処理部である。たとえば、認証印刷処理部11は、プリントサーバ50に格納された印刷データの印刷出力指示(プルプリント操作)を受け付けるとともに、認証サーバ60との間で認証情報を授受し、認証印刷の可否を決定する。
【0054】
通知部12は、通知メッセージMS(後述)の送信先を決定するとともに、決定された送信先に向けて通知メッセージMSを送信する処理部である。
【0055】
待機期間設定部13は、稼働状態のMFP10をスリープ状態(スリープモード)へ移行させるまでの待機期間を設定する処理部である。
【0056】
算出部14は、印刷出力部3による印刷出力の完了予定時期を算出する処理部である。
【0057】
印刷制御部15は、印刷出力部3の印刷出力動作を制御する処理部である。
【0058】
<1−3.プリントサーバ50の構成>
プリントサーバ50は、コンピュータシステム(コンピュータ)として構成される。具体的には、図3に示すように、プリントサーバ50は、CPU22、半導体メモリ(RAM等)23、ハードディスクドライブ24、表示部(液晶表示部等)25、および入力部(キーボード、マウス等)26を備えて構成される(図3参照)。プリントサーバ50は、そのCPU22等を用いて各種のプログラムPG2を実行することによって様々な機能を実現する。なお、プログラムPG2は、CD−ROM、DVD−ROMおよびUSBメモリなどの可搬性の記録媒体に記録されており、当該記録媒体を介してプリントサーバ50にインストールされる。あるいは、プログラムPG2は、ネットワークNW等を介してプリントサーバ50にインストールされるようにしてもよい。
【0059】
また、プリントサーバ50は、図4に示すように、印刷データ受信部51aと印刷データ送信部51bと印刷データ格納部53と通知先選定部55とを備える。なお、図4は、プリントサーバ50および認証サーバ60の構成を示す機能ブロック図である。
【0060】
印刷データ受信部51aは、各クライアント70から各プリントジョブ(詳細には、プリントジョブデータ(印刷データ))を受信する処理部である。また、印刷データ送信部51bは、各MFP10に対して、各プリントジョブデータを送信する処理部である。なお、印刷データ受信部51aおよび印刷データ送信部51bは、印刷データ通信部51とも総称される。
【0061】
印刷データ格納部53は、各クライアント70からのプリントジョブを格納(スプール)する処理部である。
【0062】
通知先選定部55は、通知メッセージMSの通知先(後述)を選定する処理部である。
【0063】
プリントサーバ50は、各クライアント70からのプリントジョブを格納する。詳細には、各クライアント70からのプリントジョブは、プリントサーバ50の印刷データ格納部(スプーラ)53にスプールされる。スプールされたプリントジョブが通常印刷ジョブである場合には、プリントサーバ50は、対応MFP(対応出力プリンタ)にプリントジョブを転送して、当該MFPに印刷出力させる。一方、スプールされたプリントジョブが認証印刷ジョブである場合には、プリントサーバ50は、そのままプリントジョブを保持しておく。そして、その後、或るMFP10からの認証出力要求が送信されてきた時点で、当該MFP10にプリントジョブを転送して、当該出力対応プリンタに印刷出力させる。
【0064】
<1−4.認証サーバ60の構成>
認証サーバ60も、プリントサーバ50等と同様に、コンピュータシステム(コンピュータ)として構成される。
【0065】
この認証サーバ60は、図4に示すように、認証要求受信部61aと認証結果送信部61bと認証処理部63とを備える。
【0066】
認証要求受信部61aは、各MFP10において操作ユーザにより入力された認証情報等を含む認証要求データを受信する処理部である。また、認証処理部63は、各MFP10から送信されてきた認証情報と、予め登録されている正規の認証情報とを比較して認証動作を実行する処理部である。さらに、認証結果送信部61bは、認証処理部63による認証結果をMFP10に対して返信する処理部である。なお、認証要求受信部61aおよび認証結果送信部61bは、認証情報通信部61とも総称される。
【0067】
<1−5.クライアントコンピュータの構成>
クライアント70も、プリントサーバ50等と同様に、コンピュータシステム(コンピュータ)として構成される。
【0068】
クライアント70には所定のOS(オペレーティングシステム)がインストールされており、複数のソフトウエアプログラムを当該OS上で実行することが可能である。これらの複数のソフトウエアプログラムの中には、比較的上位階層のアプリケーションソフトウエア(たとえば、ワードプロセッサ)などが含まれる。
【0069】
そして、当該アプリケーションソフトウエア(たとえば、ワードプロセッサ)などにおいて、ユーザによる印刷操作が実行される。これにより、通常印刷および認証印刷が実行され得る。
【0070】
<1−6.本システムにおける動作>
つぎに、このシステム1Aにおける動作について図5〜図9等を参照しながら説明する。図5〜図8は、システム1Aにおけるデータの流れ等を順次に示す図であり、図9は、一部の動作を示すフローチャートである。
【0071】
まず、図5に示すように、ユーザUAは、クライアント70aを用いて認証印刷指示を実行する。この認証印刷指示に応答して、クライアント70aにて生成された認証印刷出力用データ(プリントジョブデータ)JBaが、クライアント70aからプリントサーバ50へと送信され、プリントサーバ50内の印刷データ格納部(スプーラ)53にスプールされる。このプリントジョブデータJBaのヘッダ部には、ユーザUAの認証情報Da1(たとえば認証IDのみ)が含まれている(図13参照)。
【0072】
同様に、他のユーザによる認証印刷指示も付与される。たとえば、ユーザUBによる認証印刷指示が実行され、クライアント70bにて生成された認証印刷出力用データ(プリントジョブデータ)JBbが、クライアント70bからプリントサーバ50へと送信され、プリントサーバ50内の印刷データ格納部53にスプールされる。このプリントジョブデータJBbのヘッダ部には、ユーザUBの認証情報Db1(たとえば認証IDのみ)が含まれている(図13参照)。
【0073】
なお、認証印刷においては、各ユーザがMFP10を用いて認証印刷出力操作(プルプリント操作)を行うまでは、印刷出力はなされない。
【0074】
その後、図6に示すように、或るタイミングで、ユーザUAは、MFP10aの載置場所へと移動し、MFP10aを用いてプルプリント操作を実行する。
【0075】
具体的には、まず、図9にも示すようにユーザUAは認証印刷出力操作を開始する(ステップS11)。詳細には、ユーザUAは、MFP10aの操作パネル6cを用いて、認証情報Da2(認証IDおよびパスワード)を入力し、認証操作を開始する(時刻T11)。なお、MFP10aがスリープ状態(スリープモード)に遷移している場合には、当該スリープ状態から定常状態(通常モード)への復帰処理も行われる。
【0076】
MFP10aは、入力された認証情報Da2を認証処理要求データとともに認証サーバ60に送信する。認証サーバ60の認証要求受信部61aにより認証情報Da2等が受信されると、認証サーバ60の認証処理部63は、入力された認証情報Da2(認証IDおよびパスワード)と正規の認証情報Da1(認証IDおよびパスワード)とを照合して、認証処理を実行する。認証サーバ60には、正規の認証情報Da1(認証IDおよびパスワード)が予め格納されている。
【0077】
入力された認証情報Da2が正規の認証情報Da1に一致すると判定されるときには、認証サーバ60(詳細には認証結果送信部61b)は、「認証成功」をMFP10aに送信するとともに、プリントサーバ50を経由してプリントジョブJBaがMFP10aに送信される。なお、入力された認証情報Da2が正規の認証情報Da1に一致しないと判定されるときには、認証サーバ60(認証結果送信部61b)は「認証失敗」をMFP10aに送信する。認証失敗時にはプリントジョブJBaはMFP10aに送信されない。
【0078】
MFP10aは、「認証成功」時にのみ、プリントサーバ50からプリントジョブJBaを受信し、MFP10aの印刷出力部3を用いてプリントジョブJBaの印刷出力動作を開始する(ステップS12(時刻T12))。
【0079】
つぎに、MFP10aは、通知メッセージMS(後述)の「通知先」に関する検索処理をプリントサーバ50に依頼する(ステップS13)。
【0080】
プリントサーバ50は、印刷データ格納部53内に格納されている未出力のプリントジョブデータを検索し、その依頼元ユーザ(送付元ユーザ)を特定する(ステップS14)。具体的には、未出力(且つ非出力中)の各プリントジョブデータJB内に含まれる認証情報(例えば認証ID(図13参照))に基づいて、各プリントジョブの依頼元(送付元)のユーザを特定する。
【0081】
そして、プリントサーバ50(通知先選定部55)は、通知メッセージMS(後述)の通知先(通知先ユーザ)を決定する。ここでは、各プリントジョブの依頼元(送付元)のユーザの全てが通知先ユーザとして選定される。ただし、MFP10aにログイン中(印刷操作中)のユーザUAは、通知先ユーザから除外される。
【0082】
たとえば、図6の状態においては、未出力のプリントジョブJBbに対応するユーザUBが通知メッセージMSの通知先ユーザとして決定される。なお、印刷出力中のプリントジョブJBaおよび対応ユーザUAは、検索対象から除外される。
【0083】
そして、プリントサーバ50は、決定された通知先ユーザに関する情報M1(たとえば、通知先ユーザの電子メールアドレス)をMFP10aに送信する。
【0084】
MFP10aは、当該情報M1を受信すると、当該情報M1等に基づいて通知メッセージMSを作成する(ステップS15)。たとえば、通知メッセージMSは、「現在、MFP1号機で印刷が実行されています。印刷処理は5分後に完了します。引き続いて、MFP1号機の稼働中に同機で印刷されますか?」などの文言を含む。この通知メッセージMSは、「同時期印刷出力」の予定の有無を問い合わせるメッセージである。
【0085】
ここにおいて、通知メッセージMSには、現在実行中のプリントジョブJBaの印刷出力完了予定時期に関する情報(「5分後に印刷完了」等)が含まれることが好ましい。プリントジョブJBの印刷出力完了予定時期は、プリントジョブJBaの印刷所要時間(たとえば、「5分」)で表現されてもよく、現在時刻と印刷所要時間とに基づいて算出される完了予定時刻(たとえば、「13時00分」)で表現されてもよい。
【0086】
具体的には、MFP10aの算出部14は、印刷出力部3の印刷出力性能(印刷出力速度)とプリントジョブJBaのデータ量とに基づいて、プリントジョブJBaの印刷出力に要する時間(印刷所要時間)ta(例えば5分)を算出する。そして、算出部14は、算出された印刷所要時間等に基づいて、印刷出力完了予定時期に関する情報を求める。求められた情報は、通知メッセージMSに含められる。
【0087】
そして、MFP10aの通知部12は、プリントサーバ50によって決定された通知先ユーザをそのまま最終的な通知先ユーザとして決定し、通知メッセージMSをその通知先ユーザに関する通信先に向けて送信する(図7参照)。また、通知メッセージMSの通知先ユーザに関する通信先(通知先アドレス等)は、上記の情報M1に基づいて決定される。たとえば、通知メッセージMSは、通知先ユーザUBの電子メールアドレス宛に送信される。
【0088】
ユーザUBのクライアント70bは、ユーザUBの電子メールアドレス宛の通知メッセージMSを受信して、クライアント70bの表示部25(図3および図7参照)に通知メッセージMSの内容を表示する(図10参照)(ステップS16)。
【0089】
このようにして、MFP10aは、ユーザUAによる認証印刷出力期間において、別ユーザUBに対して通知メッセージMSを送信する。これにより、同時期印刷出力の予定の有無を問い合わせる内容の通知が行われる。詳細には、算出部14によって算出された印刷出力完了予定時期を別ユーザUBに通知した上で、同時期印刷出力の予定の有無が当該ユーザに問い合わせられる。
【0090】
ユーザUBは、通知メッセージMSを視認すると、スプール中のプリントジョブJBbの認証印刷出力を現在稼働中のMFP10a(非スリープ状態のMFP10a)を用いて実行するか否かを決定する。この際、上述したように、通知メッセージMSには、印刷ジョブJBaの印刷出力の完了予定時期(たとえば5分後)が含まれている。したがって、通知先ユーザUBは、同時期印刷出力の実行の是非を判定し易くなる。
【0091】
そして、同時期印刷出力を実行する旨(詳細には、現在実行中のプリントジョブの終了後に引き続いてプリントジョブJBbの認証印刷をMFP10aを用いて実行する旨)を決定する場合には、その旨を含む指示RTを返信する。たとえば、「同時期印刷出力を行う予定である」旨が所定の書式で記載された返信メールが当該指示RTとしてクライアント70bからMFP10aに向けて送信される。
【0092】
MFP10aは、返信メールを受信し、「ユーザUBは同時期印刷出力を行う予定である」旨を認識すると、MFP10aにおけるスリープモードへの移行待機期間SBを、比較的短い期間t1(たとえば、ゼロ秒〜数秒)ではなく、比較的長い期間t2(たとえば、数分)(t2>t1)に設定する(ステップS17)。このように、MFP10a(待機期間設定部13)は、基準値t1から延長後の値t2へと移行待機期間SBを延長する。
【0093】
その後、ユーザUAのプリントジョブJBaの印刷出力が完了する(ステップS18(時刻T18))。これにより、ユーザUAは、(「認証成功」時にのみ)プリントジョブJBaの印刷出力物を得ることができる。
【0094】
ユーザUBは、ユーザUAによるプリントジョブJBaの印刷出力が完了する頃にMFP10aの載置場所へと移動し、自らのプリントジョブJBbの認証印刷出力操作を開始する(ステップS21)(図8も参照)。そして、認証サーバ60による認証処理を経て、MFP10aは、プリントジョブJBaをプリントサーバ50から受信し、印刷出力部3を用いてプリントジョブJBbの印刷出力動作を実行する。これにより、ユーザUBは、プリントジョブJBbの印刷出力物を得ることができる。
【0095】
この際、MFP10aの移行待機期間SBが延長されている場合には、ユーザUBは、MFP10aの稼働期間中(延長された稼働期間中)において(MFP10aがスリープモードへ移行する前に)、スプール中のプリントジョブJBbをユーザUAのプリントジョブJBaに引き続いてMFP10aを用いて印刷出力させることが可能である。したがって、ユーザUBはスリープモードからの復帰を待たずに、MFP10aによる認証印刷出力を得ることが可能である。すなわち、ユーザUBの待ち時間を抑制することが可能である。
【0096】
なお、ユーザUAのプリントジョブJBaの印刷出力が完了しても(あるいはステップS15での通知メッセージ送信から一定期間が経過しても)、通知先ユーザUBからの返信メールが受信されない場合には、MFP10aは、「ユーザUBによる同時期印刷出力は行われない」と判定し、移行待機期間SBを延長しない。そして、MFP10aは、原則通り、プリントジョブJBaの終了時点(時刻T18)から待機期間t1が経過した直後にスリープモードに移行する。
【0097】
図11および図12は、消費電力の経時変化を示す概念図である。図11は、移行待機期間SBが延長されない場合を示しており、図12は、移行待機期間SBが延長される場合を示している。図11は、比較例に係る動作に対応し、図12は、この実施形態に係る動作に対応する。
【0098】
図11に示すように、移行待機期間SBが常に延長されない場合には、ユーザUAのプリントジョブJBaの印刷出力動作が時刻T18に完了して所定の移行待機期間t1(図11ではゼロ)が経過した後に、スリープモードに移行する。その後、ユーザUBがそのプリントジョブJBbに関する認証印刷出力操作を時刻T20に開始する。そして、MFP10aは、スリープモードからの復帰処理を時刻T20の直後の時刻T31に開始し、復帰処理に要する期間tmの経過後の時刻T32において、定常状態(稼働状態)に復帰してユーザUBのプリントジョブJBbの印刷出力動作を開始する。このように、ユーザUBは、プリントジョブJBbの印刷出力を行う際に、スリープモードからの復帰に要する期間tmの経過を待たなくてはならない。
【0099】
一方、図12に示すように、この実施形態においては、移行待機期間SBが延長され、ユーザUAのプリントジョブJBaの印刷出力動作が時刻T18に完了した後においても、MFP10aは定常状態(稼働状態)を有している。そして、MFP10aからの通知メッセージMSを受領したユーザUBは、時刻T20にユーザUBがそのプリントジョブJBbに関する認証印刷出力操作を開始する。このとき、MFP10aは、定常状態を有しているので、スリープ状態(スリープモード)からの復帰処理を行うことを要しない。そのため、ユーザUBのプリントジョブJBbの印刷出力動作は、時刻T20の直後の時刻T22に開始される。すなわち、ユーザUBのプリントジョブJBbは、スリープモードからの復帰期間tmの経過を待つことなく開始される。
【0100】
以上のように、この第1実施形態においては、ユーザUAによる認証印刷ジョブJBaの認証印刷出力に伴う非スリープ期間(MFP10aの非スリープ期間)において、別の印刷出力をプリントジョブJBaの印刷出力に引き続いて行う同時期印刷出力の予定の有無が別のユーザUB(スプール中の認証印刷ジョブの依頼元ユーザ)に問い合わせられる。そして、同時期印刷出力を行う予定である旨が返信される場合には、当該MFP10aにおけるスリープモードへの移行待機期間が比較的大きな第2の値t2に延長される。そのため、当該MFP10aがスリープモードへ移行する前に、当該MFP10aを用いた新たな認証印刷出力を行うことが可能である。したがって、ユーザUBはスリープモードからの復帰を待たずに、新たな認証印刷出力を得ることが可能である。すなわち、ユーザUBの待ち時間を抑制することが可能である。
【0101】
また、延長後の移行待機期間t2は、式(1)を満たすように決定されることが好ましい。
【0102】
【数1】

【0103】
ただし、値Pmは、スリープモードから復帰する際の所要消費電力(復帰電力とも称される)であり、値tmは、スリープモードから復帰する際の所要時間であり、値Pwは、待機期間における消費電力(待機消費電力とも称される)である。
【0104】
この式(1)は、移行待機期間SBの延長に伴う延長後の移行待機期間t2に消費される消費電力量(Pw・t2)が、スリープ状態から定常状態への復帰時の消費電力量(Pm・tm)以下になる、との条件を表している。
【0105】
延長後の移行待機期間t2が式(1)を満たすことによれば、移行待機期間t2に消費される消費電力量(Pw・t2)が過大になることを防止して、消費電力を抑制することが可能である。すなわち、移行待機期間t2が過大になることに起因する消費電力の増大を防止することができる。
【0106】
なお、上記第1実施形態においては、スプール中のプリントジョブの依頼元ユーザである単一の別ユーザUBに対してのみ通知メッセージMSが送信される場合が例示されているが、これに限定されない。たとえば、スプール中のプリントジョブの依頼元ユーザである複数のユーザUB,UC等に対して通知メッセージMSが送信されるようにしてもよい。あるいは、スプール中のプリントジョブの依頼元ユーザであるか否かに拘わらず、複数のユーザUB,UC等に対して通知メッセージMSが送信されるようにしてもよい。
【0107】
また、上記第1実施形態においては、ユーザUAによる印刷出力期間において、通知メッセージMSが送信される場合が例示されているが、これに限定されない。具体的には、ユーザUAの印刷出力開始前(ユーザUAによる認証印刷指示操作中(例えば時刻T11〜時刻T12)等)に通知メッセージMSが通知されてもよい。あるいは、ユーザUAの印刷出力完了後且つスリープモードへ移行するまでの期間(例えば、時刻T18から時間t1経過後の時刻T19までの期間)等に通知メッセージMSが通知されてもよい。このように、通知メッセージMSは、MFP10の非スリープ期間(例えば、時刻T11〜時刻T19)に通知されれば十分である。
【0108】
<2.第2実施形態>
第2実施形態は、第1実施形態の変形例である。
【0109】
この第2実施形態においては、スプール中のプリントジョブの依頼元ユーザのうち、現在稼働中であるMFP10a(非スリープ状態のMFP10a)の使用頻度が高いユーザに対して、当該MFP10から通知メッセージMSが送信される場合を例示する。以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0110】
図14は、ユーザUBによる各MFPの使用頻度を記録したデータテーブルTB2(TB2b)を示す図である。
【0111】
このデータテーブルTB2bにおいては、ユーザUBの各MFP10a,10b,10c,...の使用頻度(所定期間TMにおける使用回数)が記録されている。図14においては、所定期間TM(たとえば1年)においてユーザUBがMFP10a(「1号機」)を100回利用したことが記録されている。すなわち、ユーザUBによるMFP10a(「1号機」)の使用頻度は、「100」である。同様に、ユーザUBによるMFP10b(「2号機」)の使用頻度は、「94」であり、ユーザUBによるMFP10c(「3号機」)の使用頻度は、「30」である。また、ユーザUBによるMFP10d(「4号機」)の使用頻度は、「10」であり、ユーザUBによるMFP10e(「5号機」)の使用頻度は、「1」である。
【0112】
図15は、別のユーザUCによる各MFPの使用頻度を記録したデータテーブルTB2(TB2c)を示す図である。図15においては、所定期間TM(たとえば1年)においてユーザUCがMFP10a(「1号機」)を2回利用したことが記録されている。すなわち、ユーザUCによるMFP10a(「1号機」)の使用頻度は、「2」である。同様に、ユーザUCによるMFP10b(「2号機」)の使用頻度は、「150」であり、ユーザUCによるMFP10c(「3号機」)の使用頻度は、「40」である。また、ユーザUCによるMFP10d(「4号機」)の使用頻度は、「84」であり、ユーザUCによるMFP10e(「5号機」)の使用頻度は、「120」である。
【0113】
なお、他のユーザUA,UD等に関しても同様のデータテーブルTB2が記録されているものとする。各データテーブルTB2は、例えばプリントサーバ50に格納される。
【0114】
そして、この第2実施形態では、プリントサーバ50およびMFP10aは、ステップS15(図9参照)における通知メッセージMSの通知先ユーザとして、当該MFP10aの使用頻度が所定の閾値(たとえば、「90」)以上であるユーザを決定する。
【0115】
より詳細には、複数のユーザUA,UB,UC,UDによるプリントジョブ(認証印刷ジョブ)がプリントサーバ50にスプールされている場合において、ユーザUAが自らのプリントジョブJBaをMFP10aを用いて認証印刷出力を実行している状況を想定する。このような状況において上記第1実施形態と同様の動作が実行される。
【0116】
ただし、ステップS15(図9)においては、認証印刷出力実行中のMFP10aは、認証印刷ジョブの全依頼元ユーザUA,UB,UC,UDから認証印刷出力実行中ユーザUAを除外したユーザUB,UC,UDのうち、次のような条件C1を充足するユーザのみに対して通知メッセージMSを送信する。ここでは、条件C1として、稼働中のMFP10(非スリープ状態のMFP10)の使用頻度が所定の閾値TH1(たとえば「90」)以上のユーザであること、を採用する。
【0117】
そのため、プリントサーバ50は、ステップS14において、条件C1に基づいて通知先ユーザを選定する。たとえば、ユーザUBによるMFP10aの使用頻度は「100」(>TH1)であり、ユーザUBは上記条件C1を充足するため、ユーザUBは通知先ユーザとして決定される。一方、ユーザUCによるMFP10aの使用頻度は「2」(<TH1)であり、ユーザUBは上記条件C1を充足しないため、ユーザUCは通知先ユーザから除外される。他のユーザUC,UDについても、同様にして、条件C1を充足するか否かに応じて、通知先ユーザとして決定されるか否かが決定される。
【0118】
そして、条件C1を充足するユーザ(たとえばユーザUB,UD)のみが通知先として決定される。プリントサーバ50は、このようにして決定された通知先に関する情報をMFP10aに送信する。MFP10aは、プリントサーバ50から受信した当該情報に基づいて、プリントサーバ50により決定された通知先ユーザをそのまま最終的な通知先ユーザとして決定し、当該通知先ユーザに向けて通知メッセージMSを送信する。
【0119】
以後、第1実施形態と同様の動作が実行される。
【0120】
なお、同様の動作が各MFP10iにおいて実行され得る。特にステップS15において、各MFP10iは、当該プリントシステム1における複数のMFP10のうち、或る依頼元ユーザの使用頻度が所定の閾値以上の装置であると当該MFP10iが判定されることを条件に、通知メッセージMSを当該依頼元ユーザに向けて送信する。より詳細には、たとえば、MFP10bは、或る依頼元ユーザUCによる当該MFP10bの使用頻度が所定の閾値TH1以上であると判定されることを条件に、依頼元ユーザUCに対して通知メッセージMSを通知する。
【0121】
このような態様によっても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0122】
また、以上のような態様によれば、たとえば、認証印刷出力中のMFP10aは、ユーザUB,UC,UD(認証印刷ジョブの依頼元ユーザであり、且つ、プルプリント操作による認証印刷出力実行中のユーザUAを除くユーザ)のうち、上記条件C1を充足するユーザのみに対して通知メッセージMSを送信する。換言すれば、スプール中の各プリントジョブの依頼元ユーザによるMFP10aの使用頻度が所定の閾値以上であると判定されることを条件に、非スリープ状態のMFP10aから当該依頼元ユーザに対して通知メッセージMSが通知される。したがって、通知メッセージMSは適切に絞り込まれた通知先にのみ通知され得る。特に、そのMFP10を高頻度で利用するユーザに効率的に通知メッセージMSを送信することが可能である。換言すれば、各ユーザに対して無用の通知メッセージMSが頻繁に通知されることを抑制することが可能である。
【0123】
なお、上記第2実施形態においては、スプール中の各プリントジョブの依頼元ユーザによるMFP10aの使用頻度が所定の閾値TH1以上であると判定されることを条件に、通知メッセージMSが当該依頼元ユーザに通知される場合を例示したが、これに限定されない。使用頻度に関する別の条件に基づいて、各依頼元ユーザについて、通知メッセージMSの通知先ユーザとしての適格性を判定するようにしてもよい。
【0124】
たとえば、スプール中の認証印刷ジョブの依頼元ユーザにとって、プリントシステムにおける複数のMFP10のうち最も使用頻度が高い装置(最高使用頻度装置とも称する)がMFP10a(同時期印刷出力の対象装置)であることを条件に、当該依頼元ユーザに対して通知メッセージMSが通知されるようにしてもよい。換言すれば、依頼元ユーザによる複数のMFP10のそれぞれの使用頻度のうち、当該依頼元ユーザによるMFP10a(同時期印刷出力の対象装置)の使用頻度が最も高いと判定されることを条件に、当該依頼元ユーザに対して通知メッセージMSが通知されるようにしてもよい。
【0125】
たとえば、図14に示すように、ユーザUBは、複数のMFP10(10a〜10e)のうちMFP10aを最も頻繁に利用する。このようなユーザUBに対しては、MFP10aで認証印刷出力動作が実行されているときに、MFP10aに関する同時期印刷出力の予定の有無を問い合わせる通知メッセージMSが通知されるようにしてもよい。
【0126】
同様に、図15に示すように、ユーザUCは、複数のMFP10(10a〜10e)のうちMFP10bを最も頻繁に利用する。このようなユーザUBに対しては、MFP10bで認証印刷出力動作が実行されているときに、MFP10bに関する同時期印刷出力の予定の有無を問い合わせる通知メッセージMSが通知されるようにしてもよい。
【0127】
他のユーザUD等についても同様である。
【0128】
これによれば、各ユーザから見て、複数のMFPのうち当該各ユーザがそれぞれ最も頻繁に利用するMFPに関して、同時期印刷出力の予定の有無を問い合わせる通知メッセージMSが送信されてくる。したがって、各ユーザは、当該各ユーザから見て最も頻繁に利用するMFPに関する同時期印刷出力を容易に行うことが可能であるので、MFPにおける同時期印刷出力が効率的に促進される。
【0129】
<3.第3実施形態>
第3実施形態は、第1実施形態の変形例である。
【0130】
この第3実施形態においては、スプール中のプリントジョブの種類(ここではモノクロ印刷ジョブであるかカラー印刷ジョブであるか)に基づいて、稼働中のMFP10(非スリープ状態のMFP10)から通知メッセージMSを送信するか否かが判定される場合を例示する。以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0131】
図16は、ユーザUBによるプリントジョブの種類(プリントタイプ)ごとの指定MFPを記録したデータテーブルTB3(TB3b)を示す図である。
【0132】
図16においては、ユーザUBによって、「カラー印刷」用の出力装置としてMFP10a(「1号機」)が指定され、「モノクロ印刷」用の出力装置としてMFP10b(「2号機」)が指定されている状況が示されている。換言すれば、「同時期印刷出力」の実行候補装置が、出力対象のプリントジョブの種類に応じて、複数のMFP10iの中から選択されて定められている。MFP10aは、カラー印刷ジョブに対応して依頼元ユーザUBにより指定された出力指定装置であり、MFP10bは、モノクロー印刷ジョブに対応して依頼元ユーザUBにより指定された出力指定装置である。
【0133】
また、同様に、他のユーザUA,UC,UD,...についても同様のデータテーブルTB3が記録されている。
【0134】
このように、各データテーブルTB3は、ユーザごとの指定出力装置を予め指定するデータテーブルである。より詳細には、各データテーブルTB3は、印刷ジョブ種類に応じた指定出力装置(MFP10i)をユーザごとに予め指定するデータテーブルである。各データテーブルTB3は、たとえば、プリントサーバ50に格納される。
【0135】
ここにおいて、複数のユーザUA,UB,UC,UDによるプリントジョブ(認証印刷ジョブ)がプリントサーバ50にスプールされている場合において、ユーザUAが自らのプリントジョブJBaをMFP10aを用いて認証印刷出力を実行している状況を想定する。このような状況において上記第1実施形態と同様の動作が実行される。
【0136】
ただし、ステップS15(図9)においては、認証印刷出力実行中のMFP10aは、認証印刷ジョブの全依頼元ユーザUA,UB,UC,UDから認証印刷出力実行中ユーザUAを除外したユーザUB,UC,UDのうち、次のような条件C3を充足するユーザのみに対して通知メッセージMSを送信する。ここでは、条件C3として、稼働中のMFP10(非スリープ状態のMFP10)がそのユーザの指定出力装置であること、を採用する。
【0137】
そのため、この第3実施形態では、ステップS14にて、プリントサーバ50の通知先選定部55は、スプール中のプリントジョブJBの印刷ジョブ種類(プリントタイプ)を解析する。具体的には、通知先選定部55は、ユーザUBによるスプール中のプリントジョブJBbが、カラー印刷ジョブであるかモノクロ印刷ジョブであるかを判定する。
【0138】
そして、ユーザUBがステップS15での送信先として選択されるか否かが、通知先選定部55によってテーブルTB3bに基づいて決定される。
【0139】
詳細には、ユーザUBによるプリントジョブJBbがカラー印刷ジョブであると判定される場合には、通知先選定部55は、テーブルTB3bに基づき、稼働中のMFP10aによる通知先としてユーザUBを選択する。なお、稼働中の他のMFP10b,10c,10d,...等による通知先としてはユーザUBは選択されない。
【0140】
また、ユーザUBによるプリントジョブJBbがモノクロ印刷ジョブであると判定される場合には、稼働中のMFP10aによる通知先としてユーザUBは選択されない。なお、稼働中の他のMFP10c,10d,...等による通知先としてもユーザUBは選択されない。一方、稼働中のMFP10bによる通知先としてはユーザUBが選択される。
【0141】
このような態様によっても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0142】
また、上記のような態様によれば、認証印刷出力実行中のMFP10a(非スリープ状態のMFP10a)は、認証印刷出力実行中のユーザUA以外の全ての依頼元ユーザUB,UC,UDのうち、上記条件C3を充足するユーザのみに対して通知メッセージMSを送信する。したがって、通知メッセージMSは適切に絞り込まれた通知先にのみ通知され得る。より詳細には、稼働中のMFP10aが依頼元ユーザによる指定出力装置であることを条件として、当該依頼元ユーザに向けて通知メッセージMSが送信されるので、効率的に通知メッセージMSを送信することが可能である。特に、稼働中のMFP10aが印刷ジョブ種類に応じて依頼元ユーザによって予め指定された指定出力装置であることを条件として、当該依頼元ユーザに向けて通知メッセージMSが送信される。したがって、或るMFP10iからは、プリントタイプ毎に当該MFP10iを出力装置として指定したユーザに対して、効率的に通知メッセージMSを送信することが可能である。
【0143】
なお、第3実施形態においては、各ユーザは、印刷ジョブ種類ごとに指定出力装置を指定する場合を例示したが、これに限定されない。たとえば、各ユーザは印刷ジョブ種類に依拠することなく、所望の1又は複数のMFP10を指定印刷出力装置としてデータテーブルTB3にて指定するようにしてもよい。そして、各MFP10iは、当該各MFP10iが依頼元ユーザによる指定出力装置であることを条件として、当該依頼元ユーザに対して通知メッセージMSを通知するようにしてもよい。
【0144】
<4.第4実施形態>
第4実施形態は、第1実施形態の変形例である。
【0145】
この第4実施形態においては、複数のMFP10が載置された居室に対する入退室情報に基づいて、通知先ユーザが選定される場合を例示する。詳細には、稼働中のMFP10(非スリープ状態のMFP10)に関する最寄りのドアから入室したユーザに対して通知メッセージMSが送信される場合を例示する。以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0146】
図17は、ユーザが入室時に利用したドア番号(入室ドア番号とも称する)と最寄りのMFPとの対応関係を記録したデータテーブルTB4を示す図である。また、図18は、居室における複数のドアDR1〜DR3と複数のMFP10a〜10gとの位置関係を示す図である。図18に示すように、この居室には、プリントシステム1の複数のMFP10(10a〜10g)が配置されている。さらに、図19は、この第4実施形態に係るシステム構成を示す図である。また、図20は、入退出管理サーバ40の機能ブロック図である。
【0147】
図19に示すように、第4実施形態に係るプリントシステム1Dにおいては、ユーザの入退出(入退室)を管理する入退出管理サーバ(入退室管理サーバとも称する)40がさらに設けられている。入退出管理サーバ40(より詳細には入退出管理部43(図20参照))は、居室に対する各ユーザの入退出情報(各ユーザの入退出時刻および各ユーザの入室ドア番号等)を管理する。なお、各ユーザの入退出は、たとえば、各ドアの近傍に配置された入退出レコーダ等によって管理されればよい。
【0148】
図18に示すように、MFP10a〜10dはドアDR1の付近に配置されており、MFP10e,10fはドアDR2の付近に配置されており、MFP10gはドアDR3の付近に配置されている。
【0149】
図17に示すデータテーブルTB4は、図18のような位置関係を反映させて予め生成されたデータテーブルである。当該データテーブルTB4は、例えば入退出管理サーバ40に格納される。
【0150】
ここでは、複数のユーザUA,UB,UC,UDによるプリントジョブ(認証印刷ジョブ)がプリントサーバ50にスプールされている場合において、ユーザUAが自らのプリントジョブJBaをMFP10aを用いて認証印刷出力を実行している状況を想定する。このような状況において上記第1実施形態と同様の動作が実行される。
【0151】
ただし、ステップS15においては、認証印刷出力実行中のMFP10aは、認証印刷ジョブの全依頼元ユーザUA,UB,UC,UDから認証印刷出力実行中ユーザUAを除外したユーザUB,UC,UDのうち、次のような条件C4を充足するユーザのみに対して通知メッセージMSを送信する。ここでは、条件C4として、稼働中のMFP10(非スリープ状態のMFP10)に関する最寄りのドアから入室しているユーザであること、を採用する。たとえば、居室に配置された複数のドアDR1〜DR3のうちMFP10aの最寄りのドアDR1から或るユーザが入室していると判定されることを条件に、MFP10aは、当該ユーザを通知先ユーザとして決定して、通知メッセージMSを送信する。
【0152】
そのため、入退出管理サーバ40(詳細には、通知先選定部45(図20))は、ステップS14において、条件C4に基づいて通知先ユーザを選定する。たとえば、ユーザUBがドアDR1から入室しており且つ未退出である旨が入退出記録に基づいて判定される場合には、入退出管理サーバ40は、ユーザUBをMFP10aの最寄りのドアから入室しているユーザである旨をデータテーブルTB4に基づいて判定する。そして、その判定結果が入退出管理サーバ40からMFP10aに送信される。MFP10aは、当該判定結果に基づいて、ユーザUBに対して通知メッセージMSを送信する。
【0153】
同様にして、その他のユーザUC,UD,UE等についても、稼働中のMFP10aに関する最寄りのドアDR1から入室しているユーザであるか否かが判定される。そして、その判定結果に基づいて、通知メッセージMSの通知先が決定される。
【0154】
たとえば、ユーザUB,UDがドアDR1から入室しており、ユーザUCがドアDR2から入室しており、ユーザUDのみが既に退出済みである場合を想定する。この場合には、MFP10aによる通知メッセージMSの通知先としては、条件C4に基づいて、ユーザUBのみが選定される。ユーザUC,UDは、MFP10aによる通知メッセージMSの通知先から除外される。同様に、MFP10bによる通知メッセージMSの通知先としては、ユーザUCのみが選定される。ユーザUB,UDは、MFP10bによる通知メッセージMSの通知先から除外される。
【0155】
以後、第1実施形態と同様の動作が実行される。
【0156】
これにより、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0157】
また、上記のような態様によれば、認証印刷出力実行中のMFP10a(非スリープ状態のMFP10a)は、認証印刷出力実行中のユーザUA以外の全てのユーザUB,UC,UDのうち、上記条件C4を充足するユーザのみに対して通知メッセージMSを送信する。したがって、通知メッセージMSは適切に絞り込まれた通知先にのみ通知され得る。特に、或るMFP10iからは、最寄りのドアDRから入室したユーザ(ひいては当該MFP10iの近傍に存在する可能性の高いユーザ)に対して効率的に通知メッセージMSを送信することが可能である。換言すれば、各ユーザに対して無用の通知メッセージMSが頻繁に通知されることを抑制することが可能である。
【0158】
<5.第5実施形態>
上記第1〜第4実施形態においては、プリントシステムにおいて「認証印刷」を行う場合に本発明を適用する態様について説明したが、この第5実施形態においては、プリントシステムにおいて「非認証印刷」を行う場合に本発明を適用する態様について説明する。第5実施形態は、第1実施形態の変形例である。以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0159】
第5実施形態に係るプリントシステム1Eは、第1実施形態に係るプリントシステム1Aと同様の構成を備えている。
【0160】
ただし、プリントシステム1Eにおいては、認証印刷ではなく通常の印刷動作において上記の通知メッセージMSが適宜のユーザに向けて送信される。
【0161】
このシステム1Eにおける動作について図21〜図24等を参照しながら説明する。図21〜図23は、システム1Aにおけるデータの流れ等を順次に示す図であり、図24は、一部の動作を示すフローチャートである。
【0162】
まず、図21に示すように、ユーザUAは、MFP10aの載置場所へと移動する。そして、ユーザUAは、MFP10aの操作パネル6cを用いて、認証情報Da2を入力し、認証操作を開始する(ステップS31(図24参照))。なお、MFP10aがスリープ状態(スリープモード)に遷移している場合には、当該スリープ状態から定常状態(通常モード)への復帰処理も行われる。
【0163】
MFP10aは、入力された認証情報Da2を認証処理要求データとともに認証サーバ60に送信する(図24参照)。認証サーバ60の認証要求受信部61aにより認証情報Da2等が受信されると、認証サーバ60の認証処理部63は、入力された認証情報Da2と正規の認証情報Da1とを照合して、認証処理を実行する。入力された認証情報Da2が正規の認証情報Da1に一致すると判定されるときには、認証サーバ60(詳細には認証結果送信部61b)は「認証成功」をMFP10aに送信する。なお、入力された認証情報Da2が正規の認証情報Da1に一致しないと判定されるときには、認証サーバ60(認証結果送信部61b)は「認証失敗」をMFP10aに送信する。
【0164】
MFP10aは、「認証成功」時にのみユーザUAによる通常の印刷出力動作等を許可する。
【0165】
「認証成功」時において、ユーザUAは、引き続いて、MFP10aを用いて印刷出力操作(コピー操作あるいはボックス印刷操作等等)を実行する。MFP10aは、ユーザUAによる印刷出力操作に従ってユーザUAのプリントジョブJBaに関する印刷出力動作を開始する(ステップS32(図24))。
【0166】
つぎに、ステップS35において、MFP10aの通知部12は、通知メッセージMSの通知先を決定するとともに、通知メッセージMSを作成して、当該通知先に向けて通知メッセージMSを送信する(図22も参照)。
【0167】
詳細には、MFP10aは、この実施形態においては、全てのユーザ(システム1Aにおける全ての登録ユーザ)を通知先ユーザとして決定する。ただし、ここでは、MFP10aにログイン中(印刷操作中)のユーザUAは、通知先ユーザから除外される。具体的には、MFP10aの通知部12は、ユーザUA以外のユーザUB,UCを通知先ユーザとして決定する。
【0168】
そして、MFP10aの通知部12は、第1実施形態と同様にして作成した通知メッセージMSを、決定された通知先ユーザUB,UCに関する通信先(たとえば、ユーザUB,UCの各電子メールアドレス)に向けて送信する(図22)。
【0169】
ユーザUBのクライアント70bは、ユーザUBの電子メールアドレス宛の通知メッセージMSを受信して、クライアント70bの表示部25に通知メッセージMSの内容を表示する(ステップS36)。同様に、ユーザUCのクライアント70Cは、ユーザUCの電子メールアドレス宛の通知メッセージMSを受信して、クライアント70Cの表示部25に通知メッセージMSの内容を表示する。
【0170】
このようにして、MFP10aは、MFP10aの非スリープ期間(詳細にはユーザUAによる認証印刷出力期間)において、別ユーザUB,UCに対して通知メッセージMSを送信する。
【0171】
ユーザUBは、通知メッセージMSを視認すると、現在稼働中のMFP10aを用いて新たなプリントジョブを実行するか否かを決定する。そして、現在実行中のプリントジョブの終了後に引き続いて自らの新たなプリントジョブをMFP10aを用いて実行する旨を決定する場合には、その旨を含む指示RTを返信する。たとえば、「同時期印刷出力を行う予定である」旨が所定の書式で記載された返信メールが当該指示RTとしてクライアント70bからMFP10aに向けて送信される。
【0172】
ユーザUCに関しても、同様の動作が実行される。
【0173】
そして、MFP10aは、ユーザUC,UCから返信メールを受信し、「ユーザUBおよびユーザUCのうち少なくとも一人が同時期印刷出力を行う予定である」旨を認識すると、MFP10aにおけるスリープモードへの移行待機期間SBを、比較的短い期間t1(たとえば、ゼロ秒〜数十秒)ではなく、比較的長い期間t2(たとえば、数分)に設定する(ステップS37)。換言すれば、MFP10aは、値t1から値t2へと移行待機期間SBを延長する。
【0174】
その後、ユーザUAのプリントジョブJBaが終了する(ステップS38(時刻T18))。
【0175】
さらに、ユーザUBは、ユーザUAによるプリントジョブJBaの印刷終了時期にMFP10aの載置場所へと移動し、自らの新たなプリントジョブJBbの印刷出力操作を実行する(図23参照)。これにより、ユーザUBは、新たなプリントジョブJBbの印刷出力物を得ることができる。
【0176】
この際、MFP10aの移行待機期間SBが延長されている場合には、ユーザUBは、MFP10aの稼働期間中(延長された稼働期間中)において(MFP10aがスリープモードへ移行する前に)、新たなプリントジョブJBbをユーザUAのプリントジョブJBaに引き続いてMFP10aを用いて印刷出力させることが可能である。したがって、ユーザUBはスリープモードからの復帰を待たずに、MFP10aによる認証印刷出力を得ることが可能である。すなわち、ユーザUBの待ち時間を抑制することが可能である。
【0177】
なお、ユーザUAのプリントジョブJBaの出力が完了しても(あるいはステップS35での通知メッセージ送信から一定期間が経過しても)、通知先ユーザ(ユーザUB,UC)からの返信メールが受信されない場合には、MFP10aは、「ユーザUB,UCによる同時期印刷出力は行われない」と判定し、移行待機期間SBを延長しない。そして、MFP10aは、原則通り、プリントジョブJBaの終了時点から待機期間t1が経過した直後にスリープモードに移行する。
【0178】
以上のように、この第5実施形態においては、MFP10aのプリントジョブJBaの印刷出力に伴う非スリープ期間において、新たな印刷出力をプリントジョブJBaの印刷出力に引き続いて行う同時期印刷出力の予定の有無が登録ユーザUB,UCに問い合わせられる。そして、同時期印刷出力を行う予定である旨が返信される場合には、当該MFP10aにおけるスリープモードへの移行待機期間が比較的大きな第2の値t2に延長される。そのため、当該MFP10aがスリープモードへ移行する前に、当該MFP10aを用いた新たな印刷出力を行うことが可能である。したがって、ユーザUB(および/またはユーザUC)はスリープモードからの復帰を待たずに、新たな印刷出力を得ることが可能であり、当該ユーザの待ち時間を抑制することが可能である。
【0179】
なお、この第5実施形態においては、登録ユーザであるユーザUA,UB,UCのうち、実行中のプリントジョブJBaに対応するユーザUAを、通知メッセージMSの通知先から除外する場合を例示したが、これに限定されない。たとえば、印刷実行中のユーザUAを除外することなく、全ての登録ユーザであるユーザUA,UB,UCに対して通知メッセージMSが通知されるようにしてもよい。あるいは、通知メッセージMSの通知を希望するユーザ(通知希望ユーザ)の全部ないし一部に対して、通知メッセージMSが通知されるようにしてもよい。
【0180】
また、この第5実施形態においては、認証処理等が認証サーバ60を用いて行われる場合を例示したが、これに限定されない。MFP10内部に認証処理部を設け認証サーバ60を用いないようにしてもよい。
【0181】
あるいは、認証処理自体を実行しない場合に本発明を適用するようにしてもよい。その場合には、たとえば、印刷実行中のユーザUAを通知先から除外することなく、全ての登録ユーザに通知メッセージMSを通知するようにすればよい。あるいは、全ての登録ユーザのうち、当該MFP10aの使用頻度が閾値よりも高いユーザにのみ、通知メッセージMSを通知するようにしてもよい。
【0182】
また、上記第5実施形態においては、操作ユーザがMFP10の載置場所に移動してMFP10にログインする場合を例示しているが、これに限定されない。たとえば、各ユーザが、ネットワークを介して所望の印刷データをMF10に送信して、当該印刷データに基づいて印刷出力させる場合に上記の思想を適用するようにしてもよい。すなわち、ネットワークプリンティングに上記の思想を適用するようにしてもよい。
【0183】
また、第5実施形態等に対しても、第2実施形態等と同様の改変を施すことが可能である。
【0184】
たとえば、システムの登録ユーザUA,UB,UC,...のうち、MFP10aの使用頻度が所定の閾値以上であるユーザ(例えばUB,UD等)を通知メッセージMSの通知先ユーザとして決定するようにしてもよい。
【0185】
あるいは、システムの登録ユーザUA,UB,UCのうちの或るユーザにとって、プリントシステムにおける複数のMFP10のうち最も使用頻度が高い装置(最高使用頻度装置とも称する)がMFP10a(同時期印刷出力の対象装置)であることを条件に、当該ユーザに対して通知メッセージMSが通知されるようにしてもよい。換言すれば、複数のMFP10のそれぞれの特定ユーザによる使用頻度のうち、当該特定ユーザによるMFP10aの使用頻度が最も高いと判定されることを条件に、当該特定ユーザに対して通知メッセージMSが通知されるようにしてもよい。
【0186】
あるいは、居室に配置された複数のドアのうちMFP10a(同時期印刷出力の対象装置)の最寄りのドアDR1から入室しているユーザUBが通知先ユーザとして決定されるようにしてもよい。
【0187】
<6.その他>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0188】
たとえば、上記各実施形態においては、電子メールによる通知が例示されているが、これに限定されず、ネットワークNWを介してメッセージを授受するソフトウエア(メッセンジャー)を用いて通知メッセージMSが送受信されるようにしてもよい。あるいは、専用のアプリケーションソフトウエアによって通知メッセージMSの授受が行われるようにしてもよい。なお、通知先ユーザに関する情報M1としては、通知先ユーザに対応するクライアント70のIPアドレス等が送受信されればよい。
【0189】
また、上記各実施形態では、MFP10により通知メッセージMSが送信される場合が示されているが、これに限定されない。たとえば、プリントサーバ50により通知メッセージMSが各通知先ユーザに向けて送信されるようにしてもよい。
【0190】
また、上記各実施形態においては、各データテーブルTB2,TB3,TB4がプリントサーバ50内に格納される場合を例示したが、これに限定されず、各データテーブルTB2,TB3,TB4は各MFP10iにそれぞれ格納されるようにしてもよい。
【0191】
また、上記各実施形態においては、認証IDの入力を伴う認証動作が行われる場合を例示したが、これに限定されない。たとえば、認証用カードを利用した認証動作が行われるようにしてもよい。あるいは、生体認証による認証動作が行われるようにしてもよい。
【0192】
また、上記各実施形態においては、画像形成装置(印刷装置)として、MFPを例示したが、これに限定されない。たとえば、画像形成装置は、単機能プリンタなどであってもよい。
【0193】
また、上記各実施形態においては、プリントサーバ50は、MFP10とは別に設けられる場合を例示したが、これに限定されない。たとえば、MFP10がプリントサーバ50の機能と同様の機能をも実行するようにしてもよい。詳細には、MFP10が印刷データ格納部53と同等の格納部を有し、通知先選定部55と同等の通知先選定部を有するようにしてもよい。
【0194】
同様に、MFP10が認証サーバ60の機能と同様の機能をも実行するようにしてもよい。
【0195】
また、上記第1実施形態等においては、印刷出力完了時期がプリントジョブJBaに基づいて算出され、算出値に応じて移行待機期間が延長される場合を例示したが、これに限定されない。たとえば、延長期間t3(=t2−T1)として、予め定められた一定値(たとえば「5分」)が用いられるようにしてもよい。
【0196】
あるいは、延長期間t3は、ユーザの指定により任意に設定されるようにしてもよい。たとえば、通知メッセージMSに対する応答指示RTにおいて延長後の移行待機期間SBに関する値t2(指定期間)がユーザUBにより指定され、当該値t2に基づいて延長後の移行待機期間SBが設定されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0197】
1 プリントシステム
10 MFP(画像形成装置)
50 プリントサーバ
60 認証サーバ
70 クライアント
JB プリントジョブ
MS 通知メッセージ
SB 移行待機期間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリントシステムであって、
画像形成装置の第1の印刷出力に伴う非スリープ期間において、ユーザに対して、前記画像形成装置による第2の印刷出力を前記第1の印刷出力に引き続いて行う同時期印刷出力の予定の有無を問い合わせる内容の通知を行う通知手段と、
前記同時期印刷出力を行う予定である旨が返信されない場合には前記画像形成装置におけるスリープ状態への移行待機期間を第1の値に設定し、前記同時期印刷出力を行う予定である旨が返信される場合には前記移行待機期間を第1の値よりも大きな第2の値に設定する設定手段と、
を備えることを特徴とするプリントシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のプリントシステムにおいて、
前記通知手段は、第1のユーザによる前記第1の印刷出力に伴う非スリープ期間において、第2のユーザに向けて前記通知を行うことを特徴とするプリントシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のプリントシステムにおいて、
前記第1の印刷出力は、前記第1のユーザによる認証印刷出力であることを特徴とするプリントシステム。
【請求項4】
請求項3に記載のプリントシステムにおいて、
前記通知手段は、スプール中の認証印刷ジョブの依頼元ユーザを前記第2のユーザとして決定することを特徴とするプリントシステム。
【請求項5】
請求項4に記載のプリントシステムにおいて、
前記通知手段は、前記依頼元ユーザによる前記画像形成装置の使用頻度が所定の閾値以上であると判定されることを条件に、前記依頼元ユーザに対して前記通知を行うことを特徴とするプリントシステム。
【請求項6】
請求項4に記載のプリントシステムにおいて、
前記通知手段は、前記プリントシステムにおける複数の画像形成装置のそれぞれの前記依頼元ユーザによる使用頻度のうち、前記依頼元ユーザによる前記画像形成装置の使用頻度が最も高いと判定されることを条件に、前記依頼元ユーザに対して前記通知を行うことを特徴とするプリントシステム。
【請求項7】
請求項4に記載のプリントシステムにおいて、
ユーザごとの指定出力装置を予め指定する指定手段と、
をさらに備え、
前記通知手段は、前記画像形成装置が前記依頼元ユーザによる指定出力装置であることを条件として、前記依頼元ユーザに対して前記通知を行うことを特徴とするプリントシステム。
【請求項8】
請求項4に記載のプリントシステムにおいて、
前記依頼元ユーザによるスプール中の認証印刷ジョブに関する印刷ジョブ種類を解析する解析手段と、
前記印刷ジョブ種類に応じた指定出力装置をユーザごとに予め指定する指定手段と、
をさらに備え、
前記通知手段は、前記画像形成装置が、前記印刷ジョブ種類に応じて前記依頼元ユーザによって予め指定された指定出力装置であることを条件として、前記依頼元ユーザに対して前記通知を行うことを特徴とするプリントシステム。
【請求項9】
請求項8に記載のプリントシステムにおいて、
前記通知手段は、
前記依頼元ユーザによる前記認証印刷ジョブがモノクロ印刷ジョブである場合には、前記画像形成装置がモノクロ印刷ジョブに対応して前記依頼元ユーザにより指定された指定出力装置であることを条件として、前記依頼元ユーザに対して前記通知を行い、
前記依頼元ユーザによる前記認証印刷ジョブがカラー印刷ジョブである場合には、前記画像形成装置がカラー印刷ジョブに対応して前記依頼元ユーザにより指定された指定出力装置であることを条件として、前記依頼元ユーザに対して前記通知を行うことを特徴とするプリントシステム。
【請求項10】
請求項4に記載のプリントシステムにおいて、
前記プリントシステムの複数の画像形成装置が配置されている居室に対する各ユーザの入退室情報を管理する入退出管理手段、
をさらに備え、
前記通知手段は、前記居室に配置された複数のドアのうち前記画像形成装置の最寄りの所定のドアから前記依頼元ユーザが入室していると判定されることを条件に、前記依頼元ユーザに対して前記通知を実行することを特徴とするプリントシステム。
【請求項11】
請求項2に記載のプリントシステムにおいて、
前記通知手段は、前記画像形成装置の使用頻度が所定の閾値以上であるユーザを前記第2のユーザとして決定することを特徴とするプリントシステム。
【請求項12】
請求項2に記載のプリントシステムにおいて、
前記通知手段は、前記プリントシステムにおける複数の画像形成装置のそれぞれの特定ユーザによる使用頻度のうち、前記特定ユーザによる前記画像形成装置の使用頻度が最も高いと判定されることを条件に、前記特定ユーザに対して前記通知を行うことを特徴とするプリントシステム。
【請求項13】
請求項2に記載のプリントシステムにおいて、
前記プリントシステムの複数の画像形成装置が配置されている居室に対する各ユーザの入退室情報を管理する入退出管理手段、
をさらに備え、
前記通知手段は、前記居室に配置された複数のドアのうち前記画像形成装置の最寄りの所定のドアから入室しているユーザを前記第2のユーザとして決定することを特徴とするプリントシステム。
【請求項14】
請求項2ないし請求項13のいずれかに記載のプリントシステムにおいて、
前記第1の印刷出力の完了予定時期を算出する算出手段、
をさらに備え、
前記通知手段は、前記算出手段によって算出された前記完了予定時期を前記第2のユーザに通知した上で、前記同時期印刷出力の予定の有無を前記第2のユーザに問い合わせることを特徴とするプリントシステム。
【請求項15】
請求項1ないし請求項14のいずれかに記載のプリントシステムにおいて、
前記設定手段は、前記移行待機期間の延長に伴う延長後の前記移行待機期間中の消費電力量がスリープ状態からの復帰時の消費電力量以下である、との条件を充足するように、前記第2の値を設定することを特徴とするプリントシステム。
【請求項16】
画像形成装置であって、
第1の印刷出力に伴う非スリープ期間において、ユーザに対して、前記画像形成装置による第2の印刷出力を前記第1の印刷出力に引き続いて行う同時期印刷出力の予定の有無を問い合わせる内容の通知を行う通知手段と、
前記同時期印刷出力を行う予定である旨が返信されない場合には前記画像形成装置におけるスリープ状態への移行待機期間を第1の値に設定し、前記同時期印刷出力を行う予定である旨が返信される場合には前記移行待機期間を第1の値よりも大きな第2の値に設定する設定手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2012−171138(P2012−171138A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−33522(P2011−33522)
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】