説明

プリント回路基板上へ導体を連続配線するための方法および前記方法を実施するための装置

本発明は、プリント回路基板を製造するために、好ましくは回路基板支持部への接続用途に用いられる導電膜に、その深さまたは直径が好ましくは導電膜の厚さよりも大きい導体を溶接するための方法に関係する。前記方法によれば、少なくとも溶接プロセス中にわたり導電膜が熱絶縁プレートに接触しており、前記プレートの熱伝導率は導電膜の熱伝導率よりも低い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の包括的な汎用表現による、プリント回路基板を製造するために、好ましくは回路基板支持部に接続される導電膜に、その深さまたは直径が好ましくは導電膜の厚さよりも大きい導体を溶接するための方法、およびこの方法を実施するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、電気的および電子的回路用のプリント回路基板上での信号および電流は、ストリップ導体によって伝達されるが、ストリップ導体はエッチング手順によって製造される、すなわち、支持基板に塗膜した銅膜の所要のストリップ導体間の領域がエッチングにより除去され、したがって電気的に互いに隔絶され、所要の個所にだけ銅膜が残される。構成部品密度、配線密度、およびエッチング手順の技術的能力にある程度起因して、銅膜とこの方法により形成できるストリップ導体の断面の深さは制限されるので、ここでより高い電流の伝送とさらにルーティングは、特に1層または2層の回路基板の場合、この方法によるとしばしば不十分または不可能になる。要求の厳しい技術的仕様が規定されている場合は特にそうである。
【0003】
独国特許発明第10108168号明細書は、ワイヤ・プリンティング法を適用したマルチワイヤ・プリント回路基板を製造するための方法を記述している。この方法では、電導性ワイヤ・プリンティング材料からなる薄い表面要素の内側の面に適切な導体を定義されたやり方で配線し、表面要素の規定された接点に接触させて固定する。次に、接触された導体を有する表面要素の内側の面に安定化表面要素を固定する。この後、接点を残りの表面要素から隔離し、それによって電気的に互いに隔絶されるように、薄い表面要素を外側の面から所定の構造に加工する。制限された厚さのこのプリント回路基板を積層して、コンパクトな多層回路に組み立てることができる。
【0004】
従来のプリント回路基板に見られたいくつかの不都合は、独国特許発明第10108168号明細書に記載された方法によって回避することができる。しかし、例えば、薄い銅膜上への厚いワイヤの溶接性は、独国特許発明第10108168号明細書に記載された方法によると現在まで制限されたままである。したがって、特に薄い導電膜に厚い導体を溶接する際に、そして溶接された領域において導電膜に干渉せずに溶接ポイントの周囲の区域で有効な導体断面積の連続を大部分維持するように、薄い導電膜に溶接可能な導体の範囲とそれによって達成される溶接の品質と溶接の信頼性をさらに改良することが重要問題であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、検討対象の本発明の目的は、プリント回路基板を製造するために、好ましくは回路基板支持部に接続される導電膜に、その深さまたは直径が好ましくは導電膜の厚さよりも大きい導体を溶接するための方法であり、同方法は簡易で経済的な態様で実現可能であり、自動ワイヤ・プリンティング機で産業的に利用可能であり、現在までに周知の方法、特に前述した方式による方法を大幅に改良する方法を指定することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、この目的は、少なくとも溶接プロセス中にわたり導電膜が熱絶縁プレートに接触しており、前記プレートの熱伝導率が導電膜の熱伝導率よりも低い、請求項1の包括的な汎用表現による導体を導電膜に溶接するための方法によって解決される。
【0007】
検討対象の本発明の装置の態様によれば、当該目的は、請求項26に記載されたとおりの本発明による方法を実施するための装置によって解決される。装置は、電子的制御装置によって数値制御される少なくとも以下にあげる装置を有する。
【0008】
a)導電膜(4)と導体格納ユニット(16)の間の相対的移動を起こさせるための装置(8、10,14)、
b)導電膜(4)上の電気的接続ポイント(36、40)に導体(2)を一体的に結合するための装置(24)。
【0009】
本発明の方法を用いることで、エレクトロニクス分野における通例の用途で見られる、典型的なサイズの18μmから70μmの間の銅膜に広範囲にわたる導体を有利な方式で溶接することが可能であり、導体を保護された方式で通し、プリント回路基板の内部に埋め込むことができる。このプロセスでは、特に円形または長方形の断面をもつ導体が使用され、導体の直径または深さは、例えば、導電膜の厚さの2〜10倍大きい。さらに、本発明による方法は、数100μmの厚さをもつ銅膜にも有利に使用できる。さらに別の利点は、本発明による方法を用いて達成できる溶接の高レベルの信頼性と品質である。さらに、本発明の方法により、いわゆる「ホット・スポット」の形成が回避できるように、溶接ポイントの区域で電流の流れに利用可能な有効な断面積の連続が大部分維持可能である。さらに、好ましくない周囲条件に対して機械的に化学的に非常に耐性のある溶接が達成できる。広範囲にわたる溶接可能な導体と導電膜の選択の大きな自由度の結果として、本発明による方法は、特に電力および高電流分野のみならず、精密エレクトロニクス、高集積エレクトロニクス、および/または高部品密度などのパワーエレクトロニクスとの組み合わせにおいても新たな応用分野の開発を可能にする。さらにほかの利点は、高い溶接速度と、例えば、数値制御されたワイヤ・プリンティング機を用いた非常に有望な産業上の利用可能性である。
【0010】
好適な実施形態では、少なくとも溶接域の周囲にある領域における熱絶縁プレートの熱伝導率は、導電膜の熱伝導率よりも少なくとも2分の1、好ましくは5分の1に小さくすることができる。このように、溶接中に発生する熱の制御された除去により、特に優れた溶接品質を達成することができる。
【0011】
さらに別の実施形態では、熱絶縁プレートは、導電膜および/または溶接プロセス中の温度負荷よりも大きい溶融温度と熱安定性を有することができる。その結果、絶縁プレートの軟化、絶縁プレートの導電膜への接続および/または熱絶縁プレートと導電膜の間の好ましくない物理的、化学的相互作用が溶接中にわたり回避される。
【0012】
さらに別の好適な実施形態では、熱絶縁プレートは、少なくとも溶接域の周囲にある導電膜との接触区域において、好ましくは導電膜の全接触区域において母材よりも大きな熱安定性および/または低い熱伝導率をもつコーティングを有することができる。このようなコーティングの塗着によって、熱絶縁プレートの特性をさらに向上させることができ、絶縁プレートの本体はコーティングとは異なる材料で製造され得る。その結果、本体とコーティングの特性がより高い程度に最適化され、溶接中のプロセス制御により良く適応させることもできる。
【0013】
さらに別の好適な実施形態によれば、熱絶縁プレートは、少なくとも溶接域の周囲にある導電膜との接触区域において、好ましくは全接触区域において、好ましくは不活性コーティングの形態で不活性表面を有することができる。このような不活性表面または不活性コーティングによって、第一に、加熱中に、導電膜および/または周囲空気および/またはその他存在物質と接触する熱絶縁プレートにおいて溶接プロセスの結果生じる表面変化を避けることができる。第二に、導電膜と熱絶縁プレートの物理的、生理化学的、および/または化学的接着を防止できる。
【0014】
さらに別の好適な実施形態では、熱絶縁プレートは、電気的伝導性、好ましくは高導電性とすることができる。その結果、熱絶縁プレートを溶接電流の伝送および/または伝導に使用することができ、これは溶接結果の向上をもたらす。
【0015】
さらに別の好適な実施形態では、熱絶縁プレートの厚さは、好ましくは導電膜の厚さよりも少なくとも5倍から300倍以下の大きさとすることができる。このようにして、熱絶縁と電流伝導率に関して好適な条件を作り出せる。
【0016】
さらに別の好適な実施形態では、熱絶縁プレートは、導電膜と好ましくは銅ブロックからなる配電装置の間に配置することができる。より大きな厚さ(例えば、熱絶縁プレートの10倍の厚さ)をもつ銅ブロックが導電膜と反対の熱絶縁プレート面に配置される、熱絶縁プレートのこのようなサンドイッチ配置によって、溶接電流の均一な配給と放電が保証され得る。
【0017】
さらに別の好適な実施形態では、溶接されるべき導体の深さまたは直径は、好ましくは導電膜の厚さよりも2〜10倍の大きさとすることができる。このような厚い導体を使用することにより、例えば18〜70μmの導電膜の従来の薄い厚さのままで高電力回路基板を清掃することが可能である。
【0018】
さらに別の好適な実施形態では、ワイヤおよび/または回路基板の材料金属以外の金属からなる追加の構成要素を溶接ポイントに導入することができる。このような構成要素を導入することにより、拡散プロセスによって溶接プロセス中にマイクロ合金範囲で均質な共晶相が生じる。その結果、結合温度と結合安定性に有利な影響をもたらす。
【0019】
さらに別の好適な実施形態では、ワイヤは、ワイヤおよび/または基板とは異なる、少なくとも一つの追加の金属構成要素を、好ましくは金属コーティングの形態で、特に銀または錫のどちらかを有することができる。このようにすれば、技術的に特に簡易で便利な変形によって前述の実施形態の利点に到達できる。
【0020】
さらに別の好適な実施形態では、溶接は接触溶接法によって実行することができる。これにより、溶接パラメータの特に厳密なモニタリングと制御、局所に集中した加熱、および特に高品質の溶接結果が保証可能である。
【0021】
さらに別の好適な実施形態では、基板水平面を基準にして溶接電極と反対側にカウンタ電極を配置することができる。このような連続溶接法によって、より高い溶接電流を使用でき、これは特に厚い導体をより厚い導電膜に溶接するのに有利になり得る。
【0022】
さらに別の好適な実施形態では、2個の溶接電流伝導電極を接触表面の水平面に対して同一面上に導電膜と熱絶縁プレートの間に配置することができる。このようにして、絶縁プレートの伝導率条件とは無関係に、溶接電流の供給と溶接電流の除去を同一面、すなわち導電膜の処理面から実行できる。
【0023】
さらに別の好適な実施形態では、結果として溶接個所に溶接電流のより強い集束が作られるように、2個の溶接電極を導体に対して位置決めすることができる。
【0024】
さらに別の好適な実施形態では、カウンタ電極は表面電極として形成し、溶接電極のプレートの水平面と同一面に配置することができる。このようにすれば、電気的に非伝導性または伝導性の悪い熱絶縁プレートを使用する場合にも、例えば、厚い導体でも溶接を実行することができる。
【0025】
さらに別の好適な実施形態では、熱融解によりおよび/または機械的除去または被覆剥ぎまたはピンチングにより、好ましくはレーザを使用した熱融解によりまたは溶接電極を使用した焼きむきにより絶縁導体から絶縁被覆を除去することができる。このようにして、望ましくない個所での導電膜との電気的接触または交差区域でのその他の導体との電気的接触を確実に回避する、および/またはより高い絶縁レベルを達成する絶縁導体をワイヤ・プリンティングに使用することができる。この実施形態で述べた方法によって、本発明の方法を使用する自動ワイヤ・プリンティング機を用いた経済的かつ効率的な方式でこのようなワイヤを配線し、導電膜に接触させることができる。
【0026】
さらに別の好適な実施形態では、絶縁被覆の溶融による除去は、好ましくはプロセス・パラメータを制御し、モニターしながら、導体に対して位置決め可能な電極ペアによって実行可能である。このようにして、レーザまたは導体被覆除去装置を使用せずに、迅速で、簡単で、経済的な方式で絶縁導体の絶縁を除去することができる。
【0027】
さらに別の好適な実施形態では、導体に対して位置決め可能な電極ペアの極性方向は、被覆除去時に定期的に変更可能である。このようにして、被覆除去プロセス中の不均一な電極の焼きむきを回避できる。
【0028】
さらに別の好適な実施形態では、導体に対して位置決め可能な電極ペアは同一極性をもつことができ、連続溶接のために並列に接続可能である。このようすれば、導体の被覆除去プロセスと連続接触溶接法で実行される導体の導電膜への溶接を同一電極ペアにより、再位置決めをせずに、極めて迅速に、経済的にかつ効率的に実行できる。
【0029】
さらに別の好適な実施形態では、プレス装置によって、少なくとも溶接プロセス中、導体を張設し押さえ付けることができる。このようなプレス装置の使用により、特に導体供給装置から導体が分離した後、導体が溶接プロセス中に持ち上がったり、伸びたりすることを防止できると共に、導体の不正確な配線を回避でき、溶接不良を回避できる。
【0030】
さらに別の好適な実施形態では、好ましくは導体の配線方向が変えられる個所で導体をその個所に接着することができる。このように導体を所定の位置に固定することによって、導体の正確な平坦な配線を保証することができ、したがって、「直交ワイヤ・ルーティング」も実行でき、例えば、ボア・ホール域またはビア域で望ましくない導体の交差または並置を避けることができる。このプロセスでは、配線またはワイヤ・ルーティングのレイアウトに指定された位置に選択的にワイヤ・プリンティング中に接着剤を塗布することもできるし、または導体の位置決めの前にまたは前の作業ステップで予め導電膜に固定された接着ポイント構造または接着表面構造を備え付ける、あるいは備え付けるか、または前加工し、その後に配線された導体を所定の位置に確実に固定することもできる。
【0031】
さらに別の好適な実施形態では、好ましくは滴下、噴射、または噴霧することによって、接着剤を接着ポイントに塗布することができる。このように、接着剤を局所に非常に高い正確度で塗布することができ、導体と導電膜の間に導入することができる。
【0032】
さらに別の好適な実施形態では、好ましくはUV放射により、電磁エネルギーをかけることにより接着剤を活性化することができる、および/または接着剤を交差結合させることができる、および/または接着の設定を加速することができる。このような接着剤を使用することにより、設定時間が大幅に短縮可能になり、ある場合は1秒未満に保たれる。これは、機器による高速なワイヤ・プリンティングにとても有利である。
【0033】
さらに別の好適な実施形態では、プリント回路基板上に配置された電気的接点間に絶縁導体を連続的に配線するための方法が数値制御装置によって実行可能である。これは、以下のステップを少なくとも含む。
a)導体の最初の接続ポイントへ結合されるべき接続部位の絶縁被覆を除去する。
b)導体の接続部位をプリント回路基板の最初の接続ポイントに位置付けるために、プリント回路基板と導体の少なくとも接続部位の間の相対的移動を起こさせる。
c)導体の接続部位を最初の接続ポイントに一体的に結合する。
d)導体の次の接続部位をプリント回路基板の次の接続ポイントに位置付けるために、配線されるべき長さだけ導体を送り出しながら、導体とプリント回路基板の間の相対的移動を起こさせる。
e)次の接続ポイントへ位置付けられた導体の接続部位の絶縁被覆を除去する。
f)導体の接続部位を次の接続ポイントに一体的に結合する。
g)最後の接続ポイントへ到達時までステップd)からf)を続ける。
h)導線の配線された長さを切り離す。
i)ここで、ステップa)とb)の順序および/またはステップd)とe)の順序は入れ替えることができる。
【0034】
このような方法を用いて、ワイヤ・プリント回路基板のプロトタイプ製造、少量連続製造および産業的製造を経済的かつ効率的に実施することができる。
【0035】
この方法により達成される利点は、ワイヤ・プリンティング・プロセスは完全に自動化され、いかなる仕様により作成されたワイヤ・プリント回路基板でも、それを製造するために作業要員による追加の介入は必要ないという事実に特に見られる。導体はさらに、最初の接続ポイントから最後の接続ポイントまで何個の追加の接続ポイントがその間に介在しようと中断することなく連続的に配線される。その結果、発生するいかなる接点の問題も劇的に減少される。この方法により、特に複数の層において導体が上下に重なる場合でも、導体を何個でも各々、最初の接着ポイントから最後の接続ポイントまでプリント可能な方式で導電膜上に配線できる。
【0036】
より好ましくは、導体とプリント回路基板の間の相対的移動は、導体を収容する導体格納ユニットに相対した水平面内のプリント回路基板の移動によって起きる。さらに、導体の少なくとも接続部位は、プリント回路基板に相対して位置付けられる。このような運動学は、例えば、工作機械で常用されるクロス・テーブルによって簡単に実現可能であり、前記クロス・テーブルは一つの平面に配置された二つの軸に対して駆動される。同時に、各軸は自軸のトラック・ポジショニングが与えられる。
【0037】
本発明による方法を実行するための装置の態様によれば、いくつもの実施形態がここでも考えられ、これらの形態の選抜したものを以下に説明する。
【0038】
好適な実施形態において、当該装置は、絶縁導体から絶縁被覆を除去するための装置を有することができる。このように、前述した自動化した手順と関連して、導体と完成品の回路基板の表面ストリップ導体との間および各導体自体の間の望ましくない電気的な接触を確実に回避するという前述した利点をもつ絶縁導体を使用することが可能である。
【0039】
さらに別の好適な実施形態では、当該装置は、導体を切断するための装置を有することができる。その結果、導体が配線されていく方向で導電膜の接続ポイントよりも後ろで、導体の確実な自動的な切り取りを実行することができる。
【0040】
さらに別の好適な実施形態では、プリント回路基板と導体格納ユニットの間の相対的移動を起こさせるための装置は、導電膜を張設し、少なくとも二つの水平軸(X、Y)方向に移動可能なクロス・テーブル、垂直軸(Z)に沿ってクロス・テーブルに相対して駆動可能な支持スライド、導体から絶縁被覆を除去するための装置、導電膜上の電気的接続ポイントに導体を一体的に結合するための装置、導体を切断するための装置、およびコントローラによってスライドに対して旋回するように駆動可能なピボット・アーム、このピボット・アームは導体格納ユニットを支える、を含むことができる。このように、信頼できるように、かつ経済的に製造可能な装置が、本発明による方法を実行するために製造可能である。
【0041】
さらに別の好適な実施形態では、導体格納ユニットは、導体が配線されるその瞬間の方向に直角にピボット・アームによって旋回され得る導体格納ローラによって形成することができる。このように、導体繰り出し装置は導体が配線される方向へ調整可能になっている。
【0042】
さらに別の好適な実施形態では、ピボット・アームに取り付けられて、制御装置によって駆動可能であるワイヤ送りを発生するための装置をさらに含むことができる。選択的なワイヤ送りによって、最適な製造品質と接続ポイント間に展開される速度の要件に合わせて、導体の張りを選択的に調整することができる。
【0043】
したがって、ルーティング・プランに従った第一の接続ポイントへの溶接により所定の位置に導体が固定された後、導体をこのように張設し、配線するために、導体ドライブがプリント中に制御装置にワイヤ送りを発生するための装置をトルクなしで切換えさせること、またはほんのわずかなトルクでこれを作動させることは、通常、得策である。導体を配線したまたはプリントした導体区間から切断した後、導体を捕らえて保持するために、ワイヤ送り装置のロールの実質的フリーホイールが持ち上げられる。その結果、導体格納ロールの制御されない導体の繰り出しが防止される。
【0044】
好適な実施形態では、導体が方向転換するポイントでプリント回路基板に導体を接着するために、制御装置によって駆動可能な接着装置を備えることができる。このような駆動可能な接着装置によって、例えば、いわゆる「直交ワイヤ・ルーティング」を実行するように、または望ましくない導体の交差や導体の並置を避けるように、または、例えば、ボア・ホール域またはビア域での導体の配線を避けるように、接着ポイントを選択的に設定できるので、導体の正確な配線をこのような所定位置への固定によって保証することができる。
【0045】
さらに別の好適な実施形態では、当該装置は熱絶縁プレートを有することができる。これにより、特に高い溶接点品質が達成可能であり、広い帯域幅にわたる断面積とサイズの導体の溶接をプリント回路基板の製造向けなどの市販の導電膜上で確実に実施することができる。
【0046】
さらに別の好適な実施形態では、当該装置は、導体を張設しおよび/または押さえ付けるための装置を有することができ、これにより、導体の特に信頼性のある正確な配線と不良溶接の広範な回避が達成できる。
【0047】
前述の本発明の展開は、個々の従属請求項に言明される本発明の目的の適切な設計可能性の選抜したもののみを表わす。これらの特別な設計可能性は個々に適用可能であるし、または技術的に可能であり目的に見合う限りにおいて、前述の設計可能性のいくつかを請求項1による方法とまたは請求項26による当該方法を実施するための装置と組み合わせて適用してもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
以下に、添付の図に関連した好適な実施形態を例として使用し、本発明をさらに詳細に説明する。
【0049】
本発明の好適な実施形態による、図1に全体として1により識別した装置は、電気的接続ポイントを形成するために備えられた導電膜の少なくとも二つの区域間に絶縁材で被覆することができる導体2を配線する機能を果たす。前記導電膜は、回路基板支持部に接続された後、回路基板支持部と共にプリント回路基板の形成に指定される。接続ポイントの形成に指定されるこれらの離散的区域は、回路基板上に備えることができるどんなストリップ導体とも同様に、例えば、回路基板支持部へ接続した導電膜を部分的にエッチングして分離またはエッチングして除去することにより、導電膜の回路基板支持部への接続後にプリント回路基板を形成するためのその後のステップで隔離されるので、これらの区域は互いに電気的に隔絶される。「接続ポイント」という用語は、ここでは最も広義に理解すべきである、すなわち、これは、導体2のすべての電気的接続可能性、プリント回路基板の積層のための導電膜4上への接続、または導電膜上に配置された接触区域への接続またはキャリア膜上への接続、または製造すべきプリント回路基板上に配置され、導体2の接続に適している接点構造または導電構造、電気的または電子的構成部品、機械的構成部品またはその他の構造への接続を含むものとする。
【0050】
導電膜4は、熱絶縁プレート10を介してクロス・テーブル上に張設される。この際、例えば、クロス・テーブルを水平面に配置された二つの軸XとYに関して駆動することによって、導電膜4は、支持スタンド6上で移動可能なスライド8に対して水平面で適当な位置に置かれるようにする。同時に、各軸は自軸のトラック・ポジショニングを与えられる。
【0051】
支持スタンド6は、装置1のフレームに取り付けられて、例えば、L字形に形成される。スライド8は、支持スタンド6上でZ軸に沿って駆動可能であり、同様にZ軸のトラック・ポジショニングが発生し得る。垂直ピボット軸12の周りを旋回可能であり、回転ドライブを有するピボット・アーム14は、スライド8上にピボット・ベアリングで支持される。前記ピボット・アーム14は、ある量の導体2が巻かれている導体格納ロール16を支える。ピボット・アーム14は、プリント回路基板4の方向に下に延びる拡張アーム8の上にさらにワイヤ・フィード調整装置20を支持する。前記ワイヤ・フィード調整装置20は、導体2を導体格納ロール6から繰り出すことができる。この機能は、例えば、2個の従動ロール22によって実現され、従動ロールは回転方向によりそれらの間を通る導体2を進めたり、戻したりする。さらに、プリント回路基板4上の接続ポイントへ導体が付着後、導体格納ロール16から導体が引き出されているとき、単に導線を導くだけのワイヤ・フィード調整装置20に相対したクロス・テーブルの動きによって、導体2に抵抗を全くかけずに、またはわずかな所定の抵抗をかけるだけで、これらのロール22はフリーホイール動作に切り換えることができる、または所定の方式でブレーキがかけられる。
【0052】
さらに、スライド8は、例えば、導電膜4に対向するその前面に、プリント回路基板上の電気的接続ポイントに導体を一体的に結合するための装置を有する。この装置は、例えば、溶接ヘッドをもつ溶接装置24によって実現される。さらに、スライド8は、好ましくは急速乾燥性UV接着剤により導体2を導電膜4上に接着するための接着装置26を有する。さらに、スライド8は、例えば、レーザを使用した熱的方法により、または溶接電極を使用した焼きむきにより、適切に配置された切刃または回転切削ローラによる機械的プロセスにより、または溶接電極を用いた圧力ピンチングまたは削りピンチングにより導体2から絶縁被覆を除去するための被覆除去装置28を有する。さらに、スライド8は、繰り出された導体2を導体格納ロール16にまだ残っているワイヤから切り離すための切り離し装置30を有する。さらに、当該装置は、例えば、導体格納ロール16に残っているワイヤ42から導体が切り離された後にも、それによって導体2を溶接するまで確実に張設し、押さえ付けることができるプレス装置31を有する。
【0053】
好ましくはスライド8の前面に配置された、上に名をあげた装置24、26、28、30は、各処理ステップで必要とされる各作業ポイントとの距離または接触が、導電膜4の方向へ垂直Z軸に沿ってスライドが駆動されるまで起こらないように、それらの底位置で、導電膜または接続ポイントとして対象となる導電膜4の区域から一定の垂直距離をとる。ピボット・アーム14のピボット軸12は、スライド8の前面に配置された装置24、26、28、30のすぐ近くに置かれる。このようにして、ピボット・アーム14の拡張アーム18に取り付けられて、導体2の自由端38を取り囲むワイヤ・フィード調整装置20が、ピボット・アーム14の回転にかかわらず、これらの装置24、26、28、30から常に大体同一の半径方向距離をもつようにする。
【0054】
装置1の名をあげたすべての装置8、10、14、20、22、24、26、28、30および31は、中央制御装置32に、導電膜4上への導体2の配線またはプリンティング構成に関するデータが入力ユニット34を介して読み込まれる、マイクロプロセッサベースの数値制御(CNC)によって制御される。
【0055】
開始点は、装置1の初期状態であり、このとき、その表面に導体を介した電気的接続ポイントが予め定められている導電膜4は、熱絶縁プレートと共に、適切な場合、配電装置として機能する銅ブロックも加えて、クロス・テーブル上に張設される。さらに、導体格納ロール16から一部分が繰り出された導体2の端部38が、ワイヤ・フィード調整装置20に挿入される。最後に、導電膜4上への導体2の配線またはプリンティング構成に関するデータが入力ユニット34を介して制御装置32に読み込まれる。
【0056】
こうした背景の下、装置1の機能は次の通りである。制御装置32は、導体格納ロール16をワイヤ・プリンティングまたはワイヤ配線の方向に直角に位置付けるように、ピボット・アーム14のドライブへの制御信号を制御する。この後、クロス・テーブルのX軸とY軸の対応するドライブにより、およびワイヤ・フィード調整装置20の助けで開始されたフィードにより、導体2は導電膜4上の最初の接続ポイント36に位置付けられる。この後、接続部位に相当する導体2の端部38の絶縁被覆が、被覆除去装置28によって除去される。例えば、レーザ・ビーム37を用いて、導体2のプラスチック製の絶縁被覆を所定の個所で融解して除去する。あるいは、被覆除去プロセスを先に完了し、その後に位置付けプロセスを行ってももちろんかまわない。次に、スライド8を垂直Z軸に沿って駆動し、溶接装置24の溶接ヘッドを最初の接続ポイントの水平面まで下げる。溶接ヘッドの起動によって、導体2の裸の端部38が最初の接続ポイント36に溶接されて、その結果、導電膜4またはキャリア膜上に配置された接続ポイントに取外し不可能に結合される。このプロセスは、図2に概略的に示される。接続ポイント36への付着によって導体2はすでに所定の位置に固定されたので、この直後、ワイヤ・フィード調整装置20はドライブもトルクない状態に切り換えられ、導体は次のプリンティングまたは配線のために自由に動けるようになる。
【0057】
導電膜4の次の接続ポイントへ駆動するために、クロス・テーブルは制御装置32によってしかるべく駆動されて、このようにして導体2はキャリア膜にプリントまたは配線される。直前の接続ポイントと次の接続ポイント間の最短の接続に関して方向転換がワイヤ・プリンティング中に必要になった場合、例えば、電子構成部品中の接続ポイントを導体2によってカバーさせるのを避けるために、クロス・テーブルのドライブを停止させ、スライドをZ軸に沿って駆動し、接着ポイントを設定するために導電膜4の水平面まで接着装置26を下降させることによって、導電膜上の所定の位置に導体2は接着装置26によって固定される。このステップは、図3に概略的に示される。必要性に応じて、このステップを何回も繰り返すこともできる。
【0058】
接着が完了した後、次の接続ポイントに到達するまで、クロス・テーブルを駆動することによって、導体2はさらに導電膜にプリントされる。導体2と接続ポイント間に一体的結合を引き起こすために、そこで順番に被覆除去装置28と溶接装置24が起動される。上記の各ステップは、最後の接続ポイント40に到達するまで繰り返される。この時点で、スライド8は、プリント回路基板の水平面まで下降された後、導体2の次の接続部位46の絶縁被覆が被覆除去装置28によって除去され、図4に示すとおり、溶接装置24によって前記接続部位46は導電膜4に取外し不可能に結合される。導体2を再び捉えるために、ワイヤ・フィード調整装置20のロール22の先の実質的なフリーホイールは持ち上げられる。その結果、配線されたまたはプリントされた導体44から切り離された後、最後の接続ポイント40と導体格納ロール16の間に延びる導体の区間42が制御されない形で繰り出されることが防止される。したがって、プリントされたまたは配線された導体区間44は、図5に示すように、最後の接続ポイント40の直後で、切り離し装置30によって導体格納ロール16に割り当てられた残りの長さから切り離される。
【0059】
連続した導電膜4上にワイヤ・プリンティングを実行する代わりに、回路基板支持部への接続によって後で製造されるべきプリント回路基板の表面に配線するために用意された個別の接続構造やその他の導電構造を、例えば、キャリア膜へ転写したり、別途に適当な方式で所定の位置に配置し固定することも可能である。導体2のワイヤ・プリンティングのこの状態では、その展開の結果、非常に広い帯域幅にわたる異なる接続構造と表面導電構造を回路基板支持部への接続によってプリント回路基板上に作り出すことができる。
【0060】
ワイヤ・プリンティングを連続した導電膜上に施す変形によれば、プリント回路基板表面に配置される接続および導電部の目的で用意された接続および導電構造は、接続ポイント36、40を銅膜外に加工するための、例えば、エッチング・プロセスによって、導体2の配線またはワイヤ・プリンティング後に互いに分離され、互いに絶縁される。ただし、このような構造は既存の回路レイアウトにより事前にすでに知られているので、導体4の接続とまだ離散化していない接続ポイント36、40は予め製造することができる。さらに、導体2が与えられた導電膜4の表面は、絶縁材および補強材のプリプレグを導電膜4と共にプリント回路基板に圧着または封入することにより、安定化および絶縁被覆層を与えることができる。
【0061】
上記したもの以外の運動学を示す装置1によってもここに説明した機能を実行することができることは明らかである。具体的に、さらに別の実施形態によれば、導電膜は、例えば、静止形態で配置することができ、すべての移動は3軸方向に駆動可能なスライドによって実行可能である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の好適な実施形態による、電気的接続ポイントを形成するために備えられた導電膜の区域間に絶縁導体を配線するための装置の斜視図
【図2】製造ステップ中の図1に示した装置の概略図
【図3】さらなる製造ステップ中の図1に示した装置の概略図
【図4】さらなる製造ステップ中の図1に示した装置の概略図
【図5】さらなる製造ステップ中の図1に示した装置の概略図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント回路基板を製造するために、好ましくは回路基板支持部への接続用途に用いられる導電膜に、その深さまたは直径が好ましくは前記導電膜の厚さよりも大きい導体を溶接するための方法であり、
少なくとも溶接プロセス中にわたり前記導電膜が熱絶縁プレートに接触しており、前記プレートの熱伝導率は前記導電膜の熱伝導率よりも低いことを特徴とする方法。
【請求項2】
少なくとも溶接域の周囲にある領域における前記熱絶縁プレートの熱伝導率は、前記導電膜の熱伝導率よりも少なくとも2分の1、好ましくは5分の1の比率で小さいことを特徴とする、請求項1に記載の導電膜に導体を溶接するための方法。
【請求項3】
前記熱絶縁プレートは、前記導電膜および/または溶接プロセス中の温度負荷よりも大きい溶融温度と熱安定性を有することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の導電膜に導体を溶接するための方法。
【請求項4】
前記熱絶縁プレートは、少なくとも溶接域の周囲にある前記導電膜との接触区域において、好ましくは前記導電膜の全接触区域において母材が有するよりも高い熱安定性および/または低い熱伝導率をもつコーティングを有することができることを特徴とする、上記請求項の少なくとも一つに記載の導電膜に導体を溶接するための方法。
【請求項5】
前記熱絶縁プレートは、少なくとも溶接域の周囲にある前記導電膜との接触区域において、好ましくは前記導電膜の全接触区域において、好ましくは不活性コーティングの形態で不活性表面を有することができることを特徴とする、上記請求項の少なくとも一つに記載の導電膜に導体を溶接するための方法。
【請求項6】
前記熱絶縁プレートは電気的伝導性であることを特徴とする、上記請求項の少なくとも一つに記載の導電膜に導体を溶接するための方法。
【請求項7】
前記熱絶縁プレートの厚さは、好ましくは前記導電膜の厚さよりも少なくとも5倍から300倍以下大きいことを特徴とする、上記請求項の少なくとも一つに記載の導電膜に導体を溶接するための方法。
【請求項8】
前記熱絶縁プレートは、前記導電膜と好ましくはCuブロックからなる配電装置との間に配置されることを特徴とする、上記請求項の少なくとも一つに記載の導電膜に導体を溶接するための方法。
【請求項9】
溶接されるべき導体の深さまたは直径は、好ましくは前記導電膜の厚さよりも2〜10倍大きいことを特徴とする、上記請求項の少なくとも一つに記載の導電膜に導体を溶接するための方法。
【請求項10】
ワイヤおよび/または基板とは異なる追加の金属構成要素を溶接ポイントに導入することを特徴とする、上記請求項の少なくとも一つに記載の導電膜に導体を溶接するための方法。
【請求項11】
ワイヤは、ワイヤおよび/または基板とは異なる少なくとも一つの追加の金属構成要素を、好ましくは金属コーティングの形態で、特にAgまたはSnのどちらかを有することを特徴とする、上記請求項の少なくとも一つに記載の導電膜に導体を溶接するための方法。
【請求項12】
溶接は接触溶接法によって実行されることを特徴とする、上記請求項の少なくとも一つに記載の導電膜に導体を溶接するための方法。
【請求項13】
基板の平面を基準にして溶接電極と反対側にカウンタ電極を配置することを特徴とする、上記請求項の少なくとも一つに記載の導電膜に導体を溶接するための方法。
【請求項14】
2個の溶接電流通電電極を接触表面の平面に対して同一面上に前記導電膜と前記熱絶縁プレートの間に配置することを特徴とする、上記請求項の少なくとも一つに記載の導電膜に導体を溶接するための方法。
【請求項15】
2個の溶接電極を導体に対して位置決めすることができることを特徴とする、上記請求項の少なくとも一つに記載の導電膜に導体を溶接するための方法。
【請求項16】
カウンタ電極は表面電極として形成され、溶接電極の熱絶縁プレートの平面と同一面に配置されることを特徴とする、上記請求項の少なくとも一つに記載の導電膜に導体を溶接するための方法。
【請求項17】
熱融解によりおよび/または機械的除去または被覆剥ぎまたはピンチングにより、好ましくはレーザを用いた熱融解によりまたは溶接電極を用いた焼きむきにより絶縁導体から絶縁被覆を除去できることを特徴とする、上記請求項の少なくとも一つに記載の導電膜に導体を溶接するための方法。
【請求項18】
絶縁被覆の溶融による除去は、好ましくはプロセス・パラメータを制御し、モニターしながら、導体に対して位置決め可能な電極ペアによって実行されることを特徴とする、上記請求項の少なくとも一つに記載の導電膜に導体を溶接するための方法。
【請求項19】
導体に対して位置決め可能な電極ペアの極性方向は、被覆除去時に定期的に変更されることを特徴とする、上記請求項の少なくとも一つに記載の導電膜に導体を溶接するための方法。
【請求項20】
導体に対して位置決め可能な電極ペアは同一極性をもち、連続溶接のために好ましくは並列に接続されることを特徴とする、上記請求項の少なくとも一つに記載の導電膜に導体を溶接するための方法。
【請求項21】
少なくとも溶接プロセス中、導体はプレス装置によって張設され、押さえ付けられることを特徴とする、上記請求項の少なくとも一つに記載の導電膜に導体を溶接するための方法。
【請求項22】
好ましくは導体の配線方向が変えられる個所で導体をその個所に接着することを特徴とする、上記請求項の少なくとも一つに記載の導電膜に導体を溶接するための方法。
【請求項23】
好ましくは滴下、噴射、または噴霧することによって、接着剤を接着個所に塗布することを特徴とする、上記請求項の少なくとも一つに記載の導電膜に導体を溶接するための方法。
【請求項24】
好ましくはUV放射により、電磁エネルギーをかけることにより接着剤を活性化することができる、および/または接着剤を交差結合させることができる、および/または設定を加速することができることを特徴とする、上記請求項の少なくとも一つに記載の導電膜に導体を溶接するための方法。
【請求項25】
数値制御装置(1)を用いて、導電膜(4)上に配置された電気的接点(36、40)間に絶縁導体(2)を連続的に配線するための方法であり、
a)導体(2)の最初の接続ポイント(36)へ結合されるべき接続部位(38)の絶縁被覆を除去するステップと、
b)導体(2)の接続部位(38)を導電膜(4)上の最初の接続ポイントに位置付けるために、導電膜(4)と導体(2)の少なくとも接続部位(38)の間の相対的移動を起こさせるステップと、
c)導体(2)の接続部位(38)を最初の接続ポイント(36)に一体的に結合するステップと、
d)導体(2)の次の接続部位(46)を導電膜(4)上の次の接続ポイント(40)に位置付けるために、配線されるべき導体長さ(44)だけ導体を送り出しながら、導体(2)と導電膜(4)の間の相対的移動を起こさせるステップと、
e)次の接続ポイント(40)へ位置付けられた導体(2)の接続部位(46)の絶縁被覆を除去するステップと、
f)導体(2)の接続部位(46)を次の接続ポイント(40)に一体的に結合するステップと、
g)最後の接続ポイント(40)へ到達時までステップd)からf)を続けるステップと、
h)導線の配線された長さ(44)を切り離すステップと、
ここで、
i)ステップa)とb)の順序および/またはステップd)とe)の順序は入れ替えることができる、
を少なくとも含む方法。
【請求項26】
上記の請求項の少なくとも一つに記載の方法を実施するための装置であり、ともに電子的制御装置(32)によって数値制御される、
a)導電膜(4)と導体格納ユニット(16)の間の相対的移動を起こさせるための装置(8、10、14)と、
b)導電膜(4)上の電気的接続ポイント(36、40)に導体(2)を一体的に結合するための装置(24)と、
を少なくとも含む装置。
【請求項27】
当該装置は、導体(2)の絶縁被覆を除去するための装置(28)を有することを特徴とする、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
当該装置は、導体(2)を切り離すための装置(30)を有することを特徴とする、請求項26または請求項27の少なくとも一つに記載の装置。
【請求項29】
導電膜(4)と導体格納ユニット(16)の間の相対的移動を起こさせるための装置は、少なくとも二つの水平軸(X、Y)方向に移動可能であり、導電膜(4)を張設するクロス・テーブル(10)と、垂直軸(Z)に沿ってクロス・テーブル(10)に相対して駆動可能な支持スライド(8)と、導体(2)から絶縁被覆を除去するための装置(28)と、導電膜(4)上の電気的接続ポイント(36、40)に導体(2)を一体的に結合するための装置(24)と、導体(2)を切り離すための装置(30)と、導体格納ユニット(16)を支持しかつ制御ユニットによってスライド(8)に対して旋回するように駆動可能なピボット・アーム(14)とを含むことを特徴とする、請求項26から請求項28の少なくとも一つに記載の装置。
【請求項30】
前記導体格納ユニットは、前記導体が配線されるその瞬間の方向に直角にピボット・アーム(14)によって旋回され得る導体格納ローラ(16)によって形成されることを特徴とする、請求項28から請求項29の少なくとも一つに記載の装置。
【請求項31】
前記制御装置によって駆動可能であり、ワイヤ・フィードを発生させるための装置であり、ピボット・アーム(14)に保持される装置(26)をさらに含むことを特徴とする、請求項26から請求項30の少なくとも一つに記載の装置。
【請求項32】
制御ユニット(32)によって駆動可能な接着装置(26)が、導体(2)が方向転換する個所で導電膜(4)に導体(2)を接着するために備えられることを特徴とする、請求項26から請求項31の少なくとも一つに記載の装置。
【請求項33】
当該装置は熱絶縁プレートを有することを特徴とする、請求項26から請求項32の少なくとも一つに記載の装置。
【請求項34】
当該装置は、導体を張設しおよび/または押さえ付けるための装置を有することを特徴とする、請求項26から請求項33の少なくとも一つに記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−529263(P2008−529263A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−551637(P2007−551637)
【出願日】平成18年1月24日(2006.1.24)
【国際出願番号】PCT/EP2006/000616
【国際公開番号】WO2006/077167
【国際公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【出願人】(507248321)ユマテック ゲーエムベーハー (4)
【Fターム(参考)】