説明

プリント基板検査装置及び検査方法

【課題】スルーホールの内壁面に形成された傷を正確に検出することができるプリント基板検査装置及び検査方法を提供する。
【解決手段】プリント基板12のスルーホール12aの一方の面側に配置した反射部23と、前記プリント基板12の他方の面側から前記スルーホール12aを照明する照明手段31と、前記プリント基板12の他方の面側から前記スルーホール12aを撮像する撮像装置32と、該撮像装置32で撮像した前記スルーホール12aの画像情報に基づいてスルーホール欠陥を検査する欠陥検査手段33とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント基板に形成されたスルーホールの欠陥を検査するプリント基板検査装置及び検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のプリント基板検査装置としては、例えば、基板の貫通孔の形成方向に対して所定角度から前記貫通孔へ光を照射する照明手段と、前記照明手段の反対側に貫通孔の形成方向に対して所定角度で設置された撮像手段と、画像勝利手段とを備えた外観検査装置を用いてスルーホール等の貫通孔の外観検査を行なう外観検査装置と基板の外観検査方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、プリント基板載置手段と、プリント基板を所定速度検査位置を通過するように搬送する搬送手段と、検査位置に位置するプリント基板に形成されたスルーホール壁面を照射するライン状照射手段と、ライン状照射手段を介して照射されたスルーホールの壁面の像を撮像するようにライン状照射手段とはプリント基板を挟んで反対側に、スルーホールの中心軸方向に対して光軸が所定角度傾斜して配置されたライン状撮像手段を有し、ライン状照射手段から出射した光を拡散する拡散手段を、検査位置におけるライン状照射手段から出射した光のスルーホールの入射側近傍に配置したプリント基板のスルーホール壁面欠陥検査装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2007−177847号公報
【特許文献2】特開2007−127486号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1及び2に記載の従来例にあっては、ともに、プリント基板のスルーホールに対して下面側から所定角度で照明光を入射し、スルーホールを透過した反射光を撮像手段で撮像することにより、スルーホールの欠陥を検査するようにしているので、照明光の入射角を傾け、且つ撮像装置の光軸も照明光の入射角とは異なる角度に傾けることにより、照明光が直接撮像装置に入射されないようにして、照明光で照明されたスルーホール内壁を撮像装置で撮像して撮像データを得るようにしている。
【0005】
しかしながら、照明手段及び撮像手段をプリント基板を挟むように配置する場合には、スルーホールの直径が比較的大きい場合には、スルーホール壁面の画像を比較的鮮明に撮像することができるが、スルーホールの直径が小さくなるにつれてスルーホール壁面の鮮明な画像を得ることが困難となるという未解決の課題がある。しかも、スルーホールに形成された欠陥が、導通検査では正常と認識される程度の微細な欠陥が存在する所謂疑似断線状態である場合には、微細な欠陥を画像データから判別することは困難であるという未解決の課題がある。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、スルーホールの内壁面に形成された傷を正確に検出することができるプリント基板検査装置及び検査方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係るプリント基板検査装置は、プリント基板のスルーホールの一方の面側に配置した反射部と、前記プリント基板の他方の面側から前記スルーホールを照明する照明手段と、前記プリント基板の他方の面側から前記スルーホールを撮像する撮像装置と、該撮像装置で撮像した画像情報に基づいてスルーホール欠陥を検査する欠陥検査手段とを備えたことを特徴としている。
【0007】
また、請求項2に係るプリント基板のスルーホール欠陥検査装置は、請求項1に係る発明において、前記撮像装置がライン型撮像装置で構成され、前記プリント基板と前記撮像装置とを相対移動させる相対移動手段を備えていることを特徴としている。
さらに、請求項3に係るプリント基板検査装置は、請求項1に係る発明において、前記撮像装置がエリア型撮像装置で構成されていることを特徴としている。
【0008】
さらにまた、請求項4に係るプリント基板検査装置は、請求項1乃至3の何れか1つに係る発明において、前記プリント基板のスルーホールの裏面側に反射部を密着させる密着保持手段を備えたことを特徴としている。
なおさらに、請求項5に係るプリント基板検査装置は、請求項4に係る発明において、前記反射部を多孔質シートで形成し、前記密着保持手段は、前記プリント基板を前記多孔質シートを介して吸着保持するプリント基板保持テーブルで構成されていることを特徴としている。
【0009】
また、請求項6に係るプリント基板検査装置は、請求項4に係る発明において、前記密着保持手段は、前記プリント基板を前記反射部を介して載置する載置テーブルと、前記プリント基板の表面側に載置する透明体と、該透明体を前記プリント基板及び反射部を介して前記載置テーブルに圧接する圧接手段とを備えていることを特徴としている。
さらに、請求項7に係るプリント基板検査装置は、請求項4に係る発明において、前記密着保持手段は、前記プリント基板を挟持しながら搬送する上下一対の搬送ローラを有する少なくとも2組の搬送手段を所定間隔を保って配置し、該2組の搬送手段間に前記プリント基板の裏面側に密接する反射部を配設した構成を有することを特徴としている。
【0010】
さらにまた、請求項8に係るプリント基板検査装置は、請求項1乃至7の何れか1つに係る発明において、前記欠陥検査手段は、正規のスルーホールを形成した基準プリント基板のスルーホール画像と、前記撮像装置で撮像したスルーホール画像とを比較することにより、スルーホール欠陥を検査するように構成されていることを特徴としている。
なおさらに、請求項9に係るプリント基板検査装置は、請求項1乃至7の何れか1つに係る発明において、前記欠陥検査手段は、プリント基板に形成されている同形のスルーホール画像情報同士を比較することにより、スルーホール欠陥を検査するように構成されていることを特徴としている。
【0011】
また、請求項10に係るプリント基板検査装置は、請求項1乃至9の何れか1つに係る発明において、前記撮像装置は欠陥選別度の高いカラー画像情報を出力するように構成されていることを特徴としている。
さらに、請求項11に係るプリント基板検査装置は、請求項1乃至9の何れか1つに係る発明において、前記撮像装置はグレースケール画像情報を出力するように構成されていることを特徴としている。
【0012】
さらにまた、請求項12に係るプリント基板検査方法は、プリント基板のスルーホールの一方の面側に反射部を配置した状態で、前記プリント基板を他方の面側から照明手段で照明し、照明された前記スルーホールを前記プリント基板の他方の面側から撮像装置で撮像する撮像ステップと、撮像したスルーホール画像情報に基づいてスルーホール欠陥を検査する欠陥検査ステップとを備えたことを特徴としている。
なおさらに、請求項13に係るプリント基板検査方法は、請求項12に係る発明において、前記反射部は前記プリント基板のスルーホール裏面側に密着保持されていることを特徴としている。
【0013】
また、請求項14に係るプリント基板検査方法は、請求項12又は13に係る発明において、前記撮像装置がライン型撮像装置で構成され、前記プリント基板と前記撮像装置とを相対移動手段で相対移動させながらスルーホールを撮像することを特徴としている。
さらに、請求項15に係るプリント基板検査方法は、請求項12又は13に係る発明において、前記撮像装置がエリア型撮像装置で構成されていることを特徴としている。
【0014】
さらにまた、請求項16に係るプリント基板検査方法は、請求項12乃至15の何れか1つに係る発明において、前記欠陥検査ステップは、正規のスルーホールを形成した基準プリント基板のスルーホール画像と、前記撮像装置で撮像したスルーホール画像とを比較することにより、スルーホール欠陥を検査することを特徴としている。
なおさらに、請求項17に係るプリント基板検査方法は、請求項12乃至16の何れか1つに係る発明において、前記欠陥検査ステップは、プリント基板に形成されている同形のスルーホール画像情報同士を比較することにより、スルーホール欠陥を検査することを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、検査対象となるプリント基板の一方の面側に反射部を配置し、他方の面側にスルーホールを照明する照明手段及び照明されたスルーホールを撮像する撮像装置を配置し、撮像装置で撮像したスルーホールの画像情報に基づいてスルーホール欠陥を検査するので、直接スルーホール欠陥の画像を撮像することなく、スルーホール画像の輝度情報からスルーホール欠陥を正確に検出することができるという効果が得られる。
しかも、単に撮像装置で撮像したスルーホールの画像情報に基づいてスルーホール欠陥の有無を検査するだけでよく、スルーホール欠陥を一々精査する必要がないので、スルーホール欠陥検査を短時間で行なうことができる。
ここで、撮像装置としては、ライン型撮像装置及びエリア型撮像装置の何れでも適用可能であるとともに、画像情報としてはカラー画像情報及び多階調のグレースケール画像情報の何れでも適用可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実態の形態について図面に基づいて説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係るプリント基板検査装置を示す外観斜視図である。この図1において、プリント基板検査装置10は、ケース体11の上下方向の中間位置に、プリント基板12を載置して、前後に水平状態で摺動自在な載置テーブル13を有する。また、プリント基板検査装置10は載置テーブル13の上部側の前面板14に設けられた支持アーム15を有し、この支持アーム15の先端に例えば液晶ディスプレイで構成される表示装置16が支持されている。さらに、プリント基板検査装置10は載置テーブル13の下側にプリント基板の形状データ等を入力するための入力装置17が配設されている。
【0017】
載置テーブル13は、図2に示すように、上面におけるプリント基板載置領域に断面V字状の吸着溝21が所定間隔を保って複数形成されているとともに、各吸着溝21の底部に所定間隔を保って真空吸着源に接続された吸着孔22が開口されている。さらに載置テーブル13のプリント基板12のプリント基板載置面13aには、反射部としての白色の多孔質シート23が設置され、この多孔質シート23を介してプリント基板12を吸着保持することにより、プリント基板12の反りを矯正するとともに、プリント基板12の一方の面例えば裏面12aに多孔質シート23を密着させる。ここで、吸着溝21の幅は吸着時に多孔質シート23がプリント基板12の底面から離間しない程度の幅及び長さに選定されている。
【0018】
そして、載置テーブル13は、図示しない摺動機構によって、図1に示すケース体11の開口部11aによってプリント基板載置面13aを外部に露出しているプリント基板脱着位置とこのプリント基板脱着位置より後方側におけるケース体11内の検査位置との間で摺動可能とされている。
ケース体11内の検査位置には、図2に示すように、載置テーブル13に載置されたプリント基板12の他方の面側すなわち表面側に対向して、載置テーブル13の移動方向に対して直交する垂直面VFに対して反時計方向に所定角度だけ傾斜されたプリント基板12のスルーホール12aに対して斜めに照射光を照射する照度手段としてのライン照明装置31が配設されている。そして、このライン照明装置31に対して垂直面VFを挟んで対向するようにライン照明装置31によって照明されたプリント基板12のスルーホール12aを撮像するライン型カラー撮像装置32が配設されている。
【0019】
そして、ライン型カラー撮像装置32で撮像されたプリント基板12の画像データが図3に示すように画像処理装置33に入力される。この画像処理装置33には、図3に示すように、ライン型カラー撮像装置32の他に、照明装置31、基準画像データメモリ34、外部記憶装置35、載置テーブル往復駆動機構37、表示装置16及び入力装置17が接続されている。
【0020】
基準画像データメモリ34は、基準画像となる良品のプリント基板12の表面をライン型カラー撮像装置32で撮像し、この撮像により得られる基準カラー画像情報の赤色(R)成分の検査対象となるスルーホールの中央位置での濃度値を記憶するメモリである。
外部記憶装置35は、ハードディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、フラッシュメモリ等で構成され、後述するように画像データを大量に記憶可能に構成されている。
【0021】
載置テーブル往復駆動機構37は、載置テーブル13をプリント基板12がプリント基板着脱位置から検査位置に向かう往路については比較的低速で定速移動制御し、検査位置からプリント基板着脱位置に向かう復路については比較的高速で移動制御する。
そして、画像処理装置33では、載置テーブル13によって搬送されるプリント基板12を撮像したライン型カラー撮像装置32で撮像したカラー画像情報に基づいて外部記憶装置35に格納された画像処理プログラムに従ってプリント基板12に形成されたスルーホール12aの欠陥を検査する。
【0022】
このスルーホール12aの欠陥検出は、上述したように、プリント基板12の一方の面に反射部としての白色の多孔質シート23を密着させた状態で、プリント基板12の他方の面に照明装置31及び撮像装置32を配置して、スルーホール12aをライン型カラー撮像装置32で撮像することにより、このライン型カラー撮像装置32から出力される画像データからスルーホール12aの欠陥の有無を正確に判断することが可能となる。
【0023】
本発明者等は、種々の実験を行なった結果、プリント基板12の一方の面に白色シート等の反射部を密着させ、このプリント基板12の他方の面側からスルーホール12aを照明装置31で照明するとともに、照明されたスルーホール12aをプリント基板12の他方の面側に配置した撮像装置32で撮像し、その撮像データから欠陥の有無を正確に識別することができることを知見した。
【0024】
すなわち、正常なスルーホール12aを有する図4に示すような厚さ1.1mmのプリント基板12を用意し、このプリント基板12の正常な例えば直径0.5mmの150個のスルーホール12aのうち図3で拡大して示す例えば左下部におけるNo.83、No.84、No.95及びNo.120で表されるスルーホール12aの内壁面に、それぞれフェムト秒レーザにより、図4で拡大図示するように、内壁の異なる位置に傷を付加し、残りの中央部のNo.100で表されるスルーホール12aについてはドリルによって穿孔してスルーホールのメッキ部を全て除去して試験用プリント基板を形成した。
【0025】
この試験用プリント基板を使用して、その一方の面例えば裏面側に白色シートを密着させ、他方の面例えば表面側を、図2に対応して照明装置及びライン型カラー撮像装置を備えたフラットヘッドスキャナを使用し、試験用プリント基板を図4に示すように横長状態として照明装置及びライン型カラー撮像装置を所定速度で移動させながら試験用プリント基板をライン型カラー撮像装置32で撮像した。このとき、150個のφ0.5mmの全てのスルーホールの中心位置(基板裏面にある反射シートが写っている位置)でのカラー画像情報を抽出し、抽出したカラー画像情報をRGB色空間上での各成分に分け、全てのスルーホール12aに対してプロットした結果を図5に示す。ここで、図5(a)は赤色(R)成分の濃度値を、図5(b)は緑色(G)成分の濃度値を、図5(c)は青色(B)成分の濃度値をそれぞれ表す。
【0026】
この図5から明らかなように、スルーホール12aの内壁面に銅メッキが形成されていることからライン型カラー撮像装置で撮像したカラー画像情報のうち赤色(R)成分については図5(a)に示すように、内壁面に傷が存在しない正常なスルーホール12aについては「○」で示すように、赤色(R)成分の濃度値が90〜120の範囲内に収まっているのに対し、無い壁面に傷が存在するスルーホール12aであるNo.83、No.84、No.95及びNo.120については「●」で示すように、正常なスルーホール12aの赤色(R)成分の最低濃度値90より低い79〜62の範囲内に低下し、さらに内壁面にメッキが存在しないNo.100のスルーホール12aについては赤色R成分の濃度値がさらに低い10程度となった。この結果から、ライン型カラー撮像装置とは反対側に反射シートを配置した状態で、ライン型カラー撮像装置でプリント基板を撮像したカラー情報のうちスルーホール12aの中心位置における赤色(R)成分を抽出することにより、スルーホール12aの内壁面での傷の有無を正確に判別することができることが知見できた。
【0027】
因みに、ライン型カラー撮像装置から出力されるカラー画像情報のうち、青色(B)成分については、図5(b)に示すように、正常なスルーホール12aについて青色(B)成分の濃度値が35〜60の範囲となり、内壁面に傷が存在するNo.84のスルーホール12aの青色(B)成分の濃度値が36、No.95のスルーホール12aの青色(B)成分の濃度値が34、No.83及びNo.100のスルーホール12aの青色(B)成分の濃度値が29、No.120のスルーホール12aの青色(B)成分の濃度値が28となり、青色(B)成分の濃度値が35〜40の範囲で正常なスルーホール12aと内壁面に傷を有するスルーホール12aとの正確な判別が困難となっている。
【0028】
同様に、ライン型カラー撮像装置から出力されるカラー画像情報のうち、緑色(G)成分については、図5(c)に示すように、正常なスルーホール12aの緑色(G)成分の濃度値が27〜46の範囲内となり、これに対して内壁面に傷を有するNo.84のスルーホール12aにおける緑色(G)成分の濃度値が31、No.95のスルーホール12aの緑色(G)成分の濃度値が28、No.120のスルーホール12aの緑色(G)成分の濃度値が24、No.83及びNo.100のスルーホール12aにおける緑色(G)成分の濃度値が22となっている。この結果から、No.84及びNo.95のスルーホールについては正常なスルーホール12aとの明確な判別が困難となっている。
【0029】
一方、前述した試験用プリント基板12を、図6(a)の横長状態から反時計方向に90度回転させた図6(b)に示す縦長状態、さらに反時計方向に90度回転させた図6(c)に示す横長状態及びさらに反時計方向に90度回転させた図6(d)に示す縦長状態のそれぞれについて、前述したと同様にプリント基板12の下面側に白色シートを密着させてフラットヘッドスキャナのライン型カラー撮像装置で撮像したカラー画像情報のうちのφ0.5mmのスルーホール12aの中心位置における赤色(R)成分の濃度値を測定した結果を図7(a)〜(d)に示す。このうち、図7(a)は前述した図4(a)と同様の図であり、他の図との比較のために再掲した。
【0030】
この図7から明らかなように、図6(b)のように試験用プリント基板12を図6(a)の横長状態から反時計方向に90度回転させて縦長状態としたときに、図7(b)に示すように、正常なスルーホール12aの赤色(R)成分の濃度値と内壁面に傷を有するNo.84のスルーホール12aの赤色(R)成分の濃度値と一番接近しているが、両者の区別を容易にすることができ、その他の試験用プリント基板12の回転位置でも、図7(c)及び(d)に示すように、正常なスルーホール12aの赤色(R)成分の濃度値と、無い壁面に傷を有するスルーホール12aとの判別を容易に行なうことができる。特に、スルーホール12aの無い壁面にメッキが全く存在しない場合には、赤色(R)成分の濃度値が極端に“0”に近い小さな値となり、確実に欠陥の有無を判別することができる。
【0031】
さらに、図7(c)及び(d)において、「▲」で表示されたNo.23のスルーホール12aについて精査したところ、スルーホール12aの内壁面に傷はないが、レジストが内壁面に付着していることが判明した。この場合には、スルーホール欠陥とはならないが、スルーホール12aの内壁面にレジストの付着によって、ライン型カラー撮像装置で撮像したカラー画像情報に含まれる赤色(R)成分の濃度値が正常なスルーホール12aの濃度値と正確に判別可能な程度に低下することが実証された。
【0032】
この結果、スルーホール12aの内壁面に傷や異物の付着がない場合には、プリント基板12の裏面側に密着された反射シートが存在することにより、プリント基板12の表面側に配置された照明装置からの照射光がスルーホール12a内で乱反射することによって、同じくプリント基板12の表面側に配置したライン型カラー撮像装置で撮像したときに、カラー画像情報の赤色(R)成分の濃度値が高くなる。一方、スルーホール12aの内壁面に傷があったり、光を吸収する異物が付着していたりした場合には、傷や異物によって照射光又は反射光の一部が吸収されて、ライン型カラー撮像装置から出力されるカラー画像情報の赤色(R)成分の濃度値が減少することになる。したがって、ライン型カラー撮像装置でプリント基板12のスルーホール12aを撮像したときのカラー画像情報に含まれる赤色(R)成分の濃度値によってスルーホール12aに傷や銅メッキ不良を正確に検出することができる。
【0033】
さらに、上述した試験用プリント基板12の表裏を逆にして、試験用プリント基板12の表面に反射シートを密着させ、図8に示す試験用プリント基板12の裏面をライン型カラー撮像装置で撮像したところ、カラー画像情報に含まれる赤色(R)成分の濃度値は、図9に示すように、前述した図5及び図7と同様に、内壁面が正常なスルーホール12aと内壁面に傷又は内壁面にメッキが存在しない場合とで明確な差異を生じることが判明し、さらにスルーホール12aの内周面にレジストが付着している場合でも正常なスルーホール12aと差別化できた。
【0034】
さらにまた、上述した試験用プリント基板12の裏面側に反射シートを密着させ、表面側に照明装置及びデジタルカラーカメラを配置し、デジタルカラーカメラで試験用プリント基板12をその表面側から撮像した場合のカラー画像情報に含まれる赤色(R)成分の濃度値は、図10に示すように、前述したフラットヘッドスキャナのライン型カラー撮像装置で撮像した場合と同様に、正常なスルーホールと傷又はメッキ不良の不良スルーホールとを明確に判別することができた。
【0035】
一方、図11に示すように、厚み1.5mmで、直径0.25mmのスルーホール42及び直径1.3mmのスルーホール43を形成した全面銅メッキ状態の未完成基板を試験用基板41として用意し、この試験用基板41のスルーホール42についてはNo.27及びNo.42についてスルーホール内壁に傷を付け、No.65についてはメッキが存在しない状態とし、同様にスルーホール43についてもNo.4についてはスルーホール内壁に傷を付けており、その他は正常なスルーホールとした。
【0036】
この試験用基板41を前述したフラットヘッドスキャナのライン型カラー撮像装置で撮像し、撮像した試験用基板41の画像データのうち全てのスルーホール42の中心位置での色情報を抽出し、RGB色空間上での赤色(R)成分、緑色(G)成分及び青色(B)成分の濃度値を直径0.25mmの全てのスルーホール42についてプロットした結果を図12(a)、(b)及び(c)に示す。
【0037】
この図12から明らかなように、直径0.25mmのスルーホール42についても、図12(a)に示す赤色(R)成分の濃度値では、スルーホール内壁面に傷がある「●」で示すスルーホール42のNo.27及びNo.42については「○」で示す正常なスルーホール42の濃度値に対して十分に小さい値となり、同様に「●」で示す内壁面に銅メッキが存在しないスルーホール42のNo.65については濃度値が極端に小さくなっており、直径0.25mmのスルーホール42については、内壁面の欠陥の有無を正確に判別することができることが実証された。
【0038】
一方、緑色(G)成分については、図12(b)に示すように、内壁面に傷があるNo.27及びNo.42のスルーホール42については欠陥の有無の判別は困難であるが、内壁面に銅メッキが存在しないNo.65のスルーホール42については緑色(G)成分の濃度値が正常なスルーホール42の濃度値に比較して十分に小さく内壁面に銅メッキが存在するか否かの判別は十分に行なえることが実証された。
【0039】
さらに、青色(B)成分については、図12(c)に示すように、内壁面に傷があるNo.27及びNo.42のスルーホール42及び内壁面に銅メッキが存在しないNo.65の濃度値と、正常なスルーホール42の濃度値との差別化が困難であり、スルーホール42の欠陥の有無を判定することは困難である。
この結果、全面銅メッキの未完成基板を試験用基板41とした場合には、直径0.25mmのスルーホール42については、ライン型カラー撮像装置32で撮像したカラー画像情報のうちの赤色(R)成分を抽出することにより、スルーホール41の内壁面の欠陥の有無を正確に検出することができる。
【0040】
また、試験用基板41の直径1.3mmのスルーホール43については、前述したフラットヘッドスキャナのライン型カラー撮像装置で撮像したカラー画像情報の各スルーホール43の中心位置におけるRGB空間上の赤色(R)成分、緑色(G)成分及び青色(B)成分の濃度値をプロットすると図13(a)、(b)及び(c)のようになり、赤色(R)成分、緑色(G)成分及び青色(B)成分のそれぞれにおいて、「○」で表す正常なスルーホール43と、「●」で表す内壁面に傷を有するNo.4のスルーホール43とで明らかな濃度値の差があり、スルーホール径が大きい場合には、赤色(R)成分、緑色(G)成分及び青色(B)成分の何れであっても、スルーホール43の欠陥の有無を正確に判別することができることが実証された。
【0041】
このように、プリント基板12の一方の面に白色等の反射シートを照明装置からの照明光が外部に漏出しないように密着させた状態で、プリント基板12の他方の面側に照明装置及びライン型カラー撮像装置又はデジタルカメラのようなエリア型カラー撮像装置を配置して、照明装置で照明したスルーホールを撮像装置で撮像し、撮像したカラー画像情報に基づいてスルーホール12aの内壁面に傷が存在したりメッキの付着不良があったりする不良スルーホール12aを正確に検出することができる。特に、スルーホール12aの内周面の色に対応した色成分を抽出することにより、正確にスルーホール欠陥の有無を判別することができる。
【0042】
このため、本実施形態では、顕微鏡等を使用した目視により、正常なスルーホールを有する良品のプリント基板12におけるカラー画像情報の赤色(R)成分の濃度値と検査対象となるプリント基板12のカラー画像情報の赤色8(R)成分の濃度値とを比較することにより、濃度値の差異に基づいてスルーホールの欠陥検査を行なう。
このため、画像処理装置33では、先ず、例えば顕微鏡等を使用した目視検査により良品と判断したプリント基板を用意し、このプリント基板を載置テーブル13上に載置しておく。
【0043】
この状態で、照明装置31を点灯させた状態で、図14に示す基準データ収集処理を実行する。この基準データ収集処理は、先ず、ステップS1で、載置テーブル往復駆動機構37に対して、検査位置側に低速での定速移動指令を出力し、次いで、ステップS2に移行して、ライン型カラー撮像装置32に対して、プリント基板12のカラー撮像指令を出力する。
【0044】
次いで、ステップS3に移行して、ライン型カラー撮像装置32から出力されるライン毎のカラー画像情報を順次読込み、次いでステップS4に移行して、プリント基板12が検査終了位置に達したか否かを判定し、プリント基板12が検査終了位置に達していない場合には、前記ステップS3に戻り、検査終了位置に達すると、ステップS5に移行して、ライン型カラー撮像装置32に対して撮像停止指令を出力する。
【0045】
次いで、ステップS6に移行して、ライン型カラー撮像装置32から読込んだカラー画像データについて検査対象となる同一径のスルーホール12aの中心位置に対応する例えば赤色(R)成分の濃度値を抽出し、抽出した濃度値を検査対象となるスルーホールに個別に割り当てた連続番号となる識別番号に対応させて基準画像データメモリ34に格納する。
【0046】
次いで、ステップS7に移行して、載置テーブル往復駆動機構37に対して、プリント基板着脱位置に向かう復路駆動指令を出力し、次いで、ステップS8に移行して、載置テーブル13がプリント基板着脱位置に達したか否かを判定し、プリント基板着脱位置に達していないときにはプリント基板着脱位置に達するまで待機し、プリント基板着脱位置に達したときにはステップS9に移行して、載置テーブル往復駆動機構37に対して停止指令を出力してから処理を終了する。
【0047】
次に、検査対象となるプリント基板12を載置テーブル13上に載置し、この状態で、画像処理装置33で図15に示すスルーホール欠陥検査処理を実行する。
このスルーホール欠陥検査処理は、先ず、ステップS11〜S16で、前述した基準データ収集処理と同様の処理を行なって、検査対象となるプリント基板12の検査対象となるスルーホール12aの中心位置に対応する例えば赤色(R)成分の濃度値を抽出し、抽出した濃度値をスルーホールに割り当てられた識別番号に対応させて外部記憶装置35の所定記憶領域に記憶する。
【0048】
次いで、ステップS17に移行して、基準画像データメモリ34に記憶されている基準プリント基板における各スルーホール12aの識別番号に対応する赤色(R)成分の濃度値を読出すとともに、外部記憶装置35の所定記憶領域に記憶されている検査対象となるプリント基板12の各スルーホール12aの識別番号に対応する赤色(R)成分の濃度値を読出す。
【0049】
次いで、ステップS18に移行して、識別番号の順位を表す変数nを“1”に設定してからステップS19に移行し、第n番目の識別番号について基準プリント基板の赤色(R)成分の濃度値から検査対象プリント基板の赤色(R)成分の濃度値を減算した偏差ΔRが所定閾値Rth以上であるか否かを判定し、ΔR<Rthであるときには、検査対象となるスルーホール12aに内部欠陥がないものと判断してステップS20に移行する。
【0050】
このステップS20では、外部記憶装置35の所定記憶領域に格納された該当する識別番号に対応して設けられた判定結果記入領域に正常であることを表す例えば“0”のフラグを書込んでからステップS21に移行する。
このステップS21では、全ての識別番号について判定処理を終了したか否かを判定し、判定処理していない識別番号が存在する場合には、ステップS22に移行して、現在の変数nを“1”だけインクリメントした新たな変数n算出してから前記ステップS19に戻る。
【0051】
一方、ステップS19の判定結果が、ΔR≧Rthであるときには、該当する識別番号に対応するスルーホール12aに内部欠陥があるものと判断して、ステップS23に移行して、外部記憶装置35の所定記憶領域に格納された該当する識別番号に対応して設けられた判定結果記入領域に異常であることを表す例えば“1”のフラグを書込んでから前記ステップS21に移行する。
【0052】
また、前記ステップS21の判定結果が、全ての識別番号について判定処理が終了した場合には、ステップS24に移行して、外部記憶装置35の所定記憶領域の識別番号に対応した判定結果記憶領域に“1”のフラグが記憶されているか否かを判定し、“1”のフラグが記憶されていないときには正常なプリント基板であるものと判断して、ステップS25に移行し、正常である旨のガイダンス情報を表示装置16に表示してからスルーホール欠陥検査処理を終了し、ステップS24の判定結果が判定結果記憶領域に“1”のフラグが記憶されているときには欠陥プリント基板であると判断して、ステップS26に移行して、欠陥プリント基板である旨のガイダンス情報と、欠陥スルーホールの識別番号とを表示装置16に表示してからスルーホール欠陥検査処理を終了する。この図15の処理が欠陥検査手段に対応している。
【0053】
次に、上記実施形態の動作を説明する。
先ず、顕微鏡等を使用してスルーホールを精査して、各スルーホールに欠陥のない正常なプリント基板12を基準プリント基板として、その表面を上面側として載置テーブル13の白色の多孔質シート23上における所定位置に載置する。この状態で、真空吸着源を作動させて、吸着溝21で多孔質シート23を基準プリント基板12の裏面側に密着させた状態で基準プリント基板12を吸着保持する。これにより、プリント基板12の反りも矯正される。
【0054】
次いで、画像処理装置33で、所定の開始ボタンを押すことにより、図14の基準データ収集処理を開始する。
この基準データ収集処理では、載置テーブル13を検査位置に移動させる往路定速移動指令を載置テーブル往復駆動機構37に出力して、載置テ―ブル13を後方の検査位置に移動させる(ステップS1)。
次いで、ライン型カラー撮像装置32に対してカラー撮像指令を出力することにより(ステップS2)、このライン型カラー撮像装置32で、基準プリント基板12の表面を撮像して、基準プリント基板12のカラー画像情報を出力する。
【0055】
このライン型カラー撮像装置32から出力されるカラー画像情報を順次ライン毎に読込み(ステップS3)、このカラー画像情報の読込みを基準プリント基板12か検査終了位置に達するまで繰り返し(ステップS4)、基準プリント基板が検査終了位置に達すると、ライン型カラー撮像装置32に対して撮像停止指令が出力されて(ステップS5)、このライン型カラー撮像装置32でのプリント基板12の撮像が停止される。
【0056】
その後、読込んだカラー画像情報から検査対象となる予め指定された径のスルーホール12aの全てに対して、スルーホール12aの中心位置に対応する赤色(R)成分の濃度値を抽出して、抽出した赤色(R)成分の濃度値を識別番号に対応させて基準画像データメモリ34に格納する(ステップS6)。
その後、載置テーブル往復駆動機構37に対して復路駆動指令を出力し(ステップS7)、これによって載置テーブル13を前方の基板着脱位置に復帰させ、載置テーブル13が基板着脱位置に復帰すると、載置テーブル往復駆動機構37に対して停止指令を出力してから基準データ収集処理を終了する。
【0057】
このように、基準データ収集処理では、正常なスルーホール12aを有する基準プリント基板12の検査対象となる同一径の全てのスルーホール12aについてカラー画像情報から赤色(R)成分を抽出し、検査対象となるスルーホール12aの中心位置における赤色(R)成分の濃度値を識別番号に対応させて基準画像データメモリ34に格納する。
このようにして基準画像データメモリ34に基準プリント基板の検査対象となるスルーホール12aの中心位置における赤色(R)成分の濃度値が格納されて収集処理が終了すると、検査対象となるプリント基板12をその表面側を上面に向けて載置テーブル13の多孔質シート23上に載置する。この状態で、真空吸着源を作動させて、検査対象プリント基板12を載置テーブル13上にその裏面に多孔質シート23を密着させた状態で吸着保持する。
【0058】
その後、所定の開始ボタンを押下することにより、画像処理装置33で、図15に示すスルーホール欠陥検査処理を実行する。
このスルーホール欠陥検査処理では、前述した基準プリント基板12のデータ収集処理と同様の処理を行なって、ライン型カラー撮像装置32で検査対象プリント基板12を撮像して、そのカラー画像情報を画像処理装置33で読込み、このカラー画像情報から検査対象となるスルーホール12aの中心位置の赤色(R)成分の濃度値を抽出し、抽出した赤色(R)成分の濃度値を外部記憶装置35の所定記憶領域に記憶する(ステップS11〜S16)。
【0059】
その後、基準画像データメモリ34から基準プリント基板12の第1番目の識別番号の赤色(R)成分の濃度値を読込むとともに外部記憶装置35の所定記憶領域から検査対象プリント基板12の第1番目の識別番号の赤色(R)成分の濃度値を読込み、前者から後者を減算して濃度値偏差ΔRを算出し、算出した濃度値偏差ΔRが所定の閾値Rth以上であるか否かを判定する(ステップS19)。
このとき、検査対象プリント基板12の検査対象スルーホール12aが正常であるときには、濃度値偏差ΔRが所定の閾値Rthより小さくなり(ΔR<Rth)、正常と判断されてステップS19からステップS20に移行して、外部記憶装置35の該当する識別番号の判定結果記憶領域に“0”のフラグを書込む。
【0060】
一方、検査対象プリント基板12の検査対象スルーホール12aの内壁面に傷があったり、メッキ付着不良があったり、レジスト付着があったりすると、この検査対象スルーホール12aの中心位置における赤色(R)成分の濃度値が正常時に比較して明確に小さくなる。このため、ステップS19の判定を行なうことにより、濃度値偏差ΔRが所定閾値Rthより十分に大きくなり、スルーホール欠陥と判断されてステップS19からステップS23に移行して、外部記憶装置35の該当する識別番号の半径結果記憶領域に“1”のフラグを書込む。
【0061】
その後、順次識別番号をインクリメントしながら検査対象プリント基板12の検査対象のスルーホール12aの全てについて順次基準プリント基板12の検査対象のスルーホール12aとの赤色(R)成分の濃度値偏差ΔRを算出し、算出した濃度偏差ΔRが所定閾値Rth以下であるか否かを判定することにより、スルーホール12aの内壁面の欠陥の有無を正確に検出することができる。
【0062】
そして、検査対象スルーホール12aの全てについて欠陥判定処理が終了すると、ステップS21からステップS24に移行して、外部記憶装置35に記憶されている各識別番号のフラグのうち“1”となっているフラグが存在するか否かを判定し、“1”となっているフラグが存在せず、フラグが全て“0”である場合には、正常プリント基板であると判断して、表示装置16に正常である旨のガイダンス情報を表示する(ステップS25)。
一方、外部式おく装置35に記憶されている各識別番号のうち“1”となっているフラグが存在する場合には、スルーホール結果が存在するものと判断されて、表示装置16にスルーホール結果が発生している旨のガイダンス情報を表示するとともに、欠陥スルーホールの識別番号を表示する。
【0063】
このように、上記第1の実施形態によると、検査するプリント基板12の一方の面側に白色等の反射シート23を密着させた状態で、他方の面側からスルーホール12aを照明装置31で照明するとともに、他方の面側からライン型カラー撮像装置32でスルーホールを撮像し、撮像したカラー画像情報のうちの例えばスルーホール12aの内壁面の色に近い色成分すなわちスルーホール12の内壁面が銅メッキされている場合には、検査対象となるスルーホール12aの赤色(R)成分の濃度値を抽出する。そして、抽出した赤色(R)成分の濃度値を正常な基準プリント基板のスルーホール12aの赤色(R)成分の濃度値と比較することにより、検査対象のスルーホール12aの欠陥の有無を正確に判別することができる。
【0064】
しかも、ライン型カラー撮像装置32で撮像した検査対象となるプリント基板12の画像情報から検査対象となるスルーホールの濃度値を抽出するだけでよく、実際にスルーホール12aに生じている欠陥画像を一々精査するものではないとともに、特殊な画像解析などの複雑な画像編集処理等を必要としないので、プリント基板1枚当たりのスルーホール欠陥検査を短時間で行なうことができる。
なお、上記第1の実施形態においては、撮像装置としてライン型カラー撮像装置32を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、ライン型グレースケール撮像装置を適用し、その撮像部に赤色透過フィルタを配設して、赤色成分のみを撮像するようにしてもよい。
【0065】
また、上記第1の実施形態おいては、反射部材として多孔質シート23を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図16に示すように、載置テーブル13上の検査対象となるプリント基板12の外側及び多孔質シート23を囲繞し、プリント基板12より僅かに突出する弾性凸部51を配設し、プリント基板12の上面及び弾性凸部51を覆う大きさのシート状透明体52を配設する構成として、シート状透明体52を吸着することにより、プリント基板12の反りを矯正しながら多孔質シート23との密着性を確保する構成とするようにしてもよい。
【0066】
次に、本発明の第2の実施形態を図17について説明する。
この第2の実施形態では、前述したプリント基板12を水平方向として搬送する搬送ラインの途中に、プリント基板検査装置60を設けたものである。
このプリント基板検査装置60では、搬送されるプリント基板12を、水平方向に所定間隔を保って配設された上下一対の搬送ローラ61及び62で搬送し、両搬送ローラ61及び62間に、少なくともプリント基板12の下面側に接触する上面が白色の反射部とされた例えばテトラフルオロエチレン等の合成樹脂材で構成された反射部材63が圧縮コイルバネなどの弾性支持部材64で支持されて配設された構成を有する。そして、反射部材63とはプリント基板12を挟んで反対側に前述した第1の実施形態と同様のライン型照明装置31及びライン型カラー撮像装置32が配置されている。
【0067】
また、弾性支持部材64は、搬送ローラ61及び62間にプリント基板12が存在しない状態で、反射部材63の上面がプリント基板12の上面12より突出することがないように反射部材63を支持し、反射部材63の上面には、プリント基板12の端面に係合して反射部材63を弾性支持部材64に抗して下方に移動させる傾斜係合面63aが形成されている。
【0068】
この第2の実施形態によると、搬送ローラ61及び62間にプリント基板12が存在しない状態で、反射部材63の上面がプリント基板12の搬送経路に突出しているが、この状態で、搬送ローラ61によってプリント基板12が搬送されると、その端面が反射部材63の傾斜係合面63aに係合することにより、反射部材63が弾性支持部材64に抗して下方に降下し、その上面が弾性支持部材64によってプリント基板12の下面に圧接することになる。このため、プリント基板12の下面と反射部材63の上面とが密着した状態で摺接することになり、プリント基板12に形成されたスルーホール12aが反射部材63の上面の反射部によって閉塞される。
【0069】
したがって、反射部材63に対してプリント基板12を挟んで反対側に配置されたライン型照明装置31によってスルーホール12aの内壁面が照明され、この照明されたスルーホール12aをライン型カラー撮像装置32で撮像することにより、ライン型カラー撮像装置32からプリント基板12のカラー画像情報が出力され、このカラー画像情報が第1の実施形態のように画像処理装置33に供給されることにより、各スルーホール12aの中心位置でのカラー画像情報が抽出され、抽出されたカラー画像情報の例えば赤色(R)成分の濃度値によって前述した第1の実施形態と同様にスルーホール内壁面の欠陥の有無を正確に判別することができる。
【0070】
次に、本発明の第3の実施形態を図18について説明する。
この第3の実施形態においては、前述した第1及び第2の実施形態で、プリント基板12をライン型カラー撮像装置32で撮像したときに、図18(a)に示すように、搬送方向の中央部にライン型カラー撮像装置32が配置され、このライン型カラー撮像装置32の所定視野角範囲でライン状にプリント基板12の上面が撮像される。このとき、ライン型カラー撮像装置32で撮像したスルーホール12aの画像は、ライン型カラー撮像装置32の真下のスルーホール12aについては図18(c)に示すように、円形画像となるが、中央位置から左右両端に向かうに従ってスルーホール12aの画像は短軸が徐々に短くなる図18(d)に示す楕円形画像となる。
【0071】
このため、中央部のスルーホール12aのカラー画像RGB空間上の各成分の濃度値は中央部のスルーホール12aで高い値となり、これから端に行くに従い小さい値となる。
このため、中央部のスルーホール12aと端部側のスルーホール12aの濃度値を比較した場合には、正確な欠陥判断を行なうことができないことになる。
このため、ライン型カラー撮像装置32で撮像したプリント基板12のカラー画像情報を図18(b)に示すように、プリント基板12の搬送方向と直交する方向に所定幅の帯状の単位エリアを設定し、この単位エリア内に存在するスルーホール12a群についてライン型カラー撮像装置32で撮像された基準プリント基板12及び検査対象プリント基板のカラー画像情報におけるスルーホール12aの中心位置のカラー画像情報のRGB空間上でのスルーホール12aの内壁面の色に近い色成分の濃度値同士を比較することにより、スルーホール12aの欠陥の有無をより正確に判別することができる。この場合、単位エリアの幅は狭い程欠陥スルーホールの判別精度が向上するものであるが、狭くし過ぎると検査時間が長くかかることから、要求される欠陥判別精度に応じた幅に設定することが好ましい。
【0072】
なお、上記第3の実施形態においては、基準プリント基板及び検査対象プリント基板のカラー画像情報を単位エリア毎に比較する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、基準プリント基板のカラー撮像情報を用いることなく、検査対象プリント基板毎に単位エリア内の同形のスルーホール12aについてのRGB空間上でのスルーホール12aの内壁面の色に近い色成分の濃度値同士を比較することにより、濃度値が他の濃度値より低い濃度値を有するスルーホール12aを欠陥有りと判断することもできる。
【0073】
次に、本発明の第4の実施形態を図19及び図20について説明する。
この第4の実施形態においては、プリント基板12をライン型カラー撮像装置32で撮像する場合に代えて所定階調数のライン型グレースケール撮像装置を適用するようにしたものである。
すなわち、第4の実施形態では、図19に示すように、前述した第1の実施形態において、ライン型カラー撮像装置32を所定階調例えば256階調のグレースケール画像情報を出力可能なライン型モノクロ撮像装置70に変更している。
【0074】
このようにライン型モノクロ撮像装置70を適用した場合に、前述した第1の実施形態と同様の試験用プリント基板12を使用して、第1の実施形態におけるプリント基板検査装置10の載置テーブル13の多孔質シート23上に載置した状態で、載置テーブル13を検査位置に所定速度で移動させてライン型照明装置31で試験用プリント基板12の上面を照明しながらライン型モノクロ撮像装置70で試験用プリント基板12を撮像し、このライン型モノクロ撮像装置70から出力される例えば8ビットのグレースケール撮像情報を外部記憶装置35の所定記憶領域に格納する。このとき、試験用プリント基板12をライン型モノクロ撮像装置70で底部まで撮像できる載置テーブル13の移動方向と直交する方向の中央位置に載置して撮像した場合の第1のグレースケール画像情報と、ライン型モノクロ撮像装置70で底部は全く撮像できない載置テーブル13の移動方向と直交する方向の右端部位置に載置して撮像した場合の第2のグレースケール撮像情報とをそれぞれを外部記憶装置35の所定記憶領域に格納した。
【0075】
そして、外部記憶装置35に格納された第1及び第2のグレースケール撮像情報のそれぞれについて、画像編集ソフトを使用して、ぼかし処理を1回行なった後に、ノイズ除去処理を1回行い、さらに最小値フィルタ処理を4回行なう第1の画像処理と、同様に画像編集ソフトを使用して、最大値フィルタ処理を1回行った後に最小値フィルタ処理を4回行なう第2の画像処理とを行なった。ここで、最小値フィルタ処理は、グレースケール撮像情報に含まれるスルーホール領域内で一番暗い画素を抽出し易くするために使用している。
【0076】
そして、第1及び第2のグレースケール撮像情報のそれぞれについて第1の画像処理を行なって、各スルーホール12aの中心位置の輝度を抽出した結果を図19(a)及び(b)に示す。この第1の画像処理では、スルーホール領域内で一番暗い画素のみで比較した場合に撮像時の明るさのバラツキやノイズで虚報が発生する可能性があるので、バラツキを薄める目的でぼかし処理とノイズ除去フィルタ処理を行なっている。
【0077】
しかしながら、試験用プリント基板12を載置テーブル13の移動方向と直交する方向の中央位置に載置して撮像した第1のグレースケール画像情報を第1の画像処理を行なった場合には図19(a)に示すように、「◆」で表す正常なスルーホール75の明るさと、「□」で表す内壁面に傷を付けた欠陥スルーホール76の明るさとでは一部については明確な差がみられず、正常なスルーホール75と欠陥スルーホール76との判別が困難であるが、試験用プリント基板12を載置テーブル13の移動方向と直交する方向の右端に載置して撮像した第2のグレースケール画像情報を第1の画像処理を行なった場合には図19(b)に示すように、「◆」で表す正常なスルーホール75の明るさと、「□」で表す内壁面に傷を付けた欠陥スルーホール76の明るさとでは明確な差が得られ、正常なスルーホール75と欠陥スルーホール76とを正確に判別することができる。
【0078】
また、第1及び第2のグレースケール撮像情報のそれぞれについて第2の画像処理を行なって、各スルーホール12aの中心位置の輝度を抽出した結果を図19(c)及び(d)に示す。この第2の画像処理では、上述した第1の画像処理で特別に暗くなってしまう画素を斧俗目的で最小値フィルタ処理を行なっている。
このため、試験用プリント基板12を載置テーブル13の移動方向と直交する方向の中央位置に載置して撮像した第1のグレースケール画像情報を第2の画像処理を行なった場合には図19(c)に示すように、「◆」で表す正常なスルーホール75の明るさと、「□」で表す内壁面に傷を付けた欠陥スルーホール76の明るさとで差別化することができ、正常なスルーホール75と欠陥スルーホール76との判別が可能である。
【0079】
さらに、試験用プリント基板12を載置テーブル13の移動方向と直交する方向の右端に載置して撮像した第2のグレースケール画像情報を第1の画像処理を行なった場合には図19(d)に示すように、「◆」で表す正常なスルーホール75の明るさと、「□」で表す内壁面に傷を付けた欠陥スルーホール76の明るさとでは明確な差が得られ、正常なスルーホール75と欠陥スルーホール76とを正確に判別することができる。
【0080】
なお、上記各実施形態においては、検査対象となるプリント基板12を照明装置31及びライン型撮像装置32,70に対して移動させる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、検査対象となるプリント基板12を固定し、照明装置31及びライン型撮像装置32,70を一緒に移動させるようにしてもよい。
また、上記各実施形態においては、ライン型撮像装置を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、プリント基板12の所定の大きさの面積を撮像するデジタルカラーカメラ等のエリア撮像装置を適用するようにしてもよい。この場合には、1枚のプリント基板を複数のエリアに分割して撮像するので、エリア画像を撮像した撮像情報に基づいて欠陥検査を行なうことになり、撮像範囲が狭いため欠陥検査を容易に行なうことができるとともに、検査結果でスルーホールの欠陥が検出されたときに、欠陥を有するスルーホールを再度撮像して再検査することが可能となり、欠陥検出精度をさらに向上させることができる。
【0081】
さらに、上記各実施形態においては、反射部として多孔質シート23や反射部材63を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、白色等の照明光を反射し易いシート等の反射部材を適用することができる。
さらにまた、上記各実施形態においては、図15に示すスルーホール欠陥検査処理を実行する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、基準プリント基板及び測定対象プリント基板のカラー画像情報を比較してスルーホール欠陥を検査可能な構成であれば、任意のスルーホール欠陥検査処理を適用することができる。
【0082】
また、上記各実施形態においては、照明装置31を点灯したままの状態で、欠陥検査を行なう場合について説明したが、これに限定されるものではなく、検査開始時に照明装置31を点灯し、検査終了時に照明装置31を消灯するようにしてもよい。
さらに、上記各実施形態においては、スルーホール12aの形状が円形である場合について説明したが、これに限定されるものではなく、長穴形状などの特殊形状を有する場合でも、大きさが等しい同一形状のスルーホールについて上記と同様にカラー撮像することにより、欠陥検出を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るプリント基板検査装置を示す外観斜視図である。
【図2】図1の載置テーブル、照明装置及びライン型カラー撮像装置の模式的断面図である。
【図3】本発明に適用し得る画像処理装置を示すブロック図である。
【図4】検査対象となるプリント基板を一部を拡大して示す表面図である。
【図5】図4の検査対象となるプリント基板の検査対象となるスルーホールのカラー撮像情報の赤色(R)成分、緑(G)成分及び青色(B)成分の濃度値を表すグラフである。
【図6】検査対象となるプリント基板の回転位置を示す表面図である。
【図7】図6の回転位置におけるカラー撮像情報の検査対象スルーホールの赤色(R)成分の濃度値を表すグラフである。
【図8】検査対象となるプリント基板の裏面図である。
【図9】図8のカラー画像情報の検査対象スルーホールの赤色(R)成分の濃度値を表すグラフである。
【図10】図8のデジタルカラーカメラで撮像したカラー画像情報の検査対象スルーホールの赤色(R)成分の濃度値を表すグラフである。
【図11】未完成プリント基板を示す表面図である。
【図12】図11のカラー画像情報の検査対象となる小径スルーホールのカラー撮像情報の赤色(R)成分、緑(G)成分及び青色(B)成分の濃度値を表すグラフである。
【図13】図11のカラー画像情報の検査対象となる大径スルーホールのカラー撮像情報の赤色(R)成分、緑(G)成分及び青色(B)成分の濃度値を表すグラフである。
【図14】画像処理装置で実行する基準データ収集処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図15】画像処理装置で実行するスルーホール欠陥検査処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図16】本発明の第1の実施形態の変形例を示す載置テーブル、照明装置及びライン型カラー撮像装置の模式的断面図である。
【図17】本発明の第2の実施形態を示す載置テーブル、照明装置及びライン型カラー撮像装置の模式的断面図である。
【図18】本発明の第3の実施形態を示す説明図である。
【図19】本発明の第4の実施形態を示す載置テーブル、照明装置及びライン型カラー撮像装置の模式的断面図である。
【図20】第4の実施形態での検査対象プリント基板におけるグレースケール画像情報の検査対象スルーホールでの明るさを示すグラフである。
【符号の説明】
【0084】
10…プリント基板検査装置、12…プリント基板、12a…スルーホール、13…載置テーブル、16…表示装置、23…多孔質シート、31…ライン照明装置、32…ライン型カラー撮像装置、33…画像処理装置、34…基準画像メモリ、35…外部記憶装置、37…載置テーブル往復駆動機構、70…ライン型モノクロ撮像装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント基板のスルーホールの一方の面側に配置した反射部と、前記プリント基板の他方の面側から前記スルーホールを照明する照明手段と、前記プリント基板の他方の面側から前記スルーホールを撮像する撮像装置と、該撮像装置で撮像した前記スルーホールの画像情報に基づいてスルーホール欠陥を検査する欠陥検査手段とを備えたことを特徴とするプリント基板検査装置。
【請求項2】
前記撮像装置がライン型撮像装置で構成され、前記プリント基板と前記撮像装置とを相対移動させる相対移動手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載のプリント基板検査装置。
【請求項3】
前記撮像装置がエリア型撮像装置で構成されていることを特徴とする請求項1に記載のプリント基板検査装置。
【請求項4】
前記プリント基板のスルーホールの裏面側に反射部を密着させる密着保持手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のプリント基板検査装置。
【請求項5】
前記反射部を多孔質シートで形成し、前記密着保持手段は、前記プリント基板を前記多孔質シートを介して吸着保持するプリント基板保持テーブルで構成されていることを特徴とする請求項4に記載のプリント基板検査装置。
【請求項6】
前記密着保持手段は、前記プリント基板を前記反射部を介して載置する載置テーブルと、前記プリント基板の表面側に載置する透明体と、該透明体を前記プリント基板及び反射部を介して前記載置テーブルに圧接する圧接手段とを備えていることを特徴とする請求項4に記載のプリント基板検査装置。
【請求項7】
前記密着保持手段は、前記プリント基板を挟持しながら搬送する上下一対の搬送ローラを有する少なくとも2組の搬送手段を所定間隔を保って配置し、該2組の搬送手段間に前記プリント基板の裏面側に密接する反射部を配設した構成を有することを特徴とする請求項4に記載のプリント基板検査装置。
【請求項8】
前記欠陥検査手段は、正規のスルーホールを形成した基準プリント基板のスルーホール画像と、前記撮像装置で撮像したスルーホール画像とを比較することにより、スルーホール欠陥を検査するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載のプリント基板検査装置。
【請求項9】
前記欠陥検査手段は、プリント基板に形成されている同形のスルーホール画像情報同士を比較することにより、スルーホール欠陥を検査するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載のプリント基板検査装置。
【請求項10】
前記撮像装置は欠陥選別度の高いカラー画像情報を出力するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載のプリント基板検査装置。
【請求項11】
前記撮像装置はグレースケール画像情報を出力するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載のプリント基板検査装置。
【請求項12】
プリント基板のスルーホールの一方の面側に反射部を配置した状態で、前記プリント基板を他方の面側から照明手段で照明し、照明された前記スルーホールを前記プリント基板の他方の面側から撮像装置で撮像する撮像ステップと、撮像したスルーホール画像情報に基づいてスルーホール欠陥を検査する欠陥検査ステップとを備えたことを特徴とするプリント基板検査方法。
【請求項13】
前記反射部は前記プリント基板のスルーホール裏面側に密着保持されていることを特徴とする請求項12に記載のプリント基板検査方法。
【請求項14】
前記撮像装置がライン型撮像装置で構成され、前記プリント基板と前記撮像装置とを相対移動手段で相対移動させながらスルーホールを撮像することを特徴とする請求項12又は13に記載のプリント基板検査方法。
【請求項15】
前記撮像装置がエリア型撮像装置で構成されていることを特徴とする請求項12又は13に記載のプリント基板検査方法。
【請求項16】
前記欠陥検査ステップは、正規のスルーホールを形成した基準プリント基板のスルーホール画像と、前記撮像装置で撮像したスルーホール画像とを比較することにより、スルーホール欠陥を検査することを特徴とする請求項12乃至15の何れか1項に記載のプリント基板検査方法。
【請求項17】
前記欠陥検査ステップは、プリント基板に形成されている同形のスルーホール画像情報同士を比較することにより、スルーホール欠陥を検査することを特徴とする請求項12乃至16の何れか1項に記載のプリント基板検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−48602(P2010−48602A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−211689(P2008−211689)
【出願日】平成20年8月20日(2008.8.20)
【出願人】(591129508)シライ電子工業株式会社 (9)
【出願人】(591065549)福岡県 (121)
【Fターム(参考)】