説明

プリント有機フォトダイオードアレイを備えるイメージング測定システム

イメージング測定システムは、プリントフォトダイオードの行と列とを備えるマクロ有機フォトダイオードアレイを含む。そのアレイ配列は、製造容易性、及び、イメージングシステム内の湾曲したサポートへの組み立てのために曲げることができるものであってもよい。2層以上のフォトダイオードが、スペクトルCTイメージングシステムでの使用のために提供されてもよく、複数のスライスとして提供されてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、全般的にイメージング技術に関し、特に、CT及び他の画像診断技術に有用なデータ測定システムに関する。これらの画像診断技術は、医用画像、例えば荷物スキャニングのためのセキュリティ画像、及び他のコンテキストを含む多くのコンテキストで有用である。
【背景技術】
【0002】
既に知られているCTイメージングシステムにおける課題の1つは、X線検出器をそのシステムの他の部分に、機械的且つ電気的に接続する点にある。実際、既知のCTデータ測定システムのコストの主要部は、検出器アレイのそれぞれがデータ測定システムにつながれ且つ空間的及び電気的に高い精度でデータ測定システムに機械的に搭載されるようにするコネクタから生じている。CT画像の良好な画質を得るには、大抵、各アレイにおけるディクセル(検出器のピクセル(画素))を、互いに対し、また、X線管の焦点に対し、そして、そのクレードルに対して正確に取り付けることが要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5933168号明細書
【特許文献2】米国特許出願第61/087195号明細書
【特許文献3】国際特許出願PCT/IB2008/055276号明細書
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Ramuzら、“High Sensitivity Organic Photodiodes with Low Dark Currents and Increased Lifetimes”, Organic Electronics, Vol.9, no.3, pp.369-376 (2008)
【非特許文献2】Keivanidisら、“X-ray Stability and Response of Polymeric Photodiodes for Imaging Applications”, Applied Physics Letters, vol.92, no.2, (3頁)(2008)
【非特許文献3】Ludvig Edmanら、”A New Way Could Lead to Cheap and Flexible Electronics”, Printed Electronics World、2009年4月13日
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、一連のサブアセンブリによって必須の精度を実現する。そのため、シンチレータは、許容誤差の過度の増大を防止するための極めて高い精度で検出器アレイを形成するために、プリントフォトダイオードアレイに関して位置付けられる。この設計は、データ測定システム全体のコスト及び複雑さを大幅に低減させる。また、この提案されたシステムは、2層スペクトルCTシステム等の多層スペクトルCTデータ測定システムを形成するための層の複製にも役立つ。このように、CT又は他のイメージング装置におけるデータ測定システムを形成するための、プリント有機フォトダイオードアレイの使用は、極めて有益である。本発明は、CTスキャナ又は他のイメージングスキャナのデータ測定システムにおけるプリント有機フォトダイオードを用いるための様々な構造及び配置に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によると、画像スキャンを実行するためにイメージングシステムの中心Z軸の回りを回転する放射線源と、サポートの上に行と列の形でプリントされた複数の個別のフォトダイオードを含むプリント有機フォトダイオードアレイとを含むイメージングシステムが提供される。そのサポートは湾曲しており、フォトダイオードの行のそれぞれがその湾曲したサポートの湾曲に沿って整列し、且つ、フォトダイオードの列のそれぞれがイメージングシステムの中心Z軸に平行に整列する。有機フォトダイオードは、PCBMベースのポリマー材料で構成されてもよい。フォトダイオードのそれぞれは、検出器アレイのディクセルの1つを形成するために、シンチレータに関連付けられる。シンチレータは、複合シンチレータであってもよい。検出器アレイは、2以上の層を含んでいてもよい。2以上の層のそれぞれは、スペクトルCTイメージングシステムとして使用されるよう、プリント有機フォトダイオードアレイと、シンチレータアレイの関連層とを含む。
【0007】
本発明の別の態様によると、イメージングシステムで用いられる曲げることができるプリント有機フォトダイオードアレイアセンブリが提供される。そのプリント有機フォトダイオードアレイアセンブリは、曲げることができるサポートを含む。その曲げることができるサポートは、例えば、PETフィルム、ポリイミドフィルム、PEETフィルム、又はナイロンフィルムであってもよい。そのアレイアセンブリは、イメージング装置における画像データ測定システムとして、クレードル内に取り付け可能であり、各フォトダイオードがディクセルを形成すべくシンチレータに関連付けられるようにする。検出器アレイは、スペクトルCTイメージングシステムとしての使用のために、2以上の層を含んでいてもよい。また、そのようなアレイを作るための関連の方法も提供される。
【0008】
好適な実施例に関する以下の詳細な説明を読むことによって、多数の有利点及び利益が、当業者にとって明らかなものとなる。本発明は、様々な構成要素、及び構成要素の配置を具体化し、また、様々なプロセス操作、及びプロセス操作の順序を具体化し得る。図面は、好適な実施例を例示することのみを目的とするものであり、本発明を限定するものとして解釈されることはない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】CTイメージング装置100を示す。
【図2】有機フォトダイオードアレイ200の正面図である。
【図3】有機フォトダイオードアレイ200の側面図である。
【図4】有機フォトダイオードアレイ200の前面の拡大図である。
【図5】マクロ検出器アレイ250を形成するためにシンチレータ502が追加された、有機フォトダイオードアレイ200の正面図である。
【図6】マクロ検出器アレイ250を形成するためにシンチレータ502が追加された、有機フォトダイオードアレイ200の側面図である。
【図7】マクロ検出器アレイ250を形成するためにシンチレータ502が追加された、CTイメージング装置100内に配置されるマクロ有機フォトダイオードアレイ200の概略軸横断図である。
【図8】マクロ有機フォトダイオードアレイ200の製造、組み立て、及び、マクロ検出器アレイを形成するためのシンチレータ502の追加のプロセス800を示す。
【図9】マクロ有機フォトダイオードアレイ900の部分正面図である。
【図10】図11の線10−10に沿った、マクロ有機フォトダイオードアレイ900の側断面図である。
【図11】マクロ有機フォトダイオードアレイ900の遠位面の拡大図である。
【図12】フォトダイオードアレイ900及びシンチレータを包含するマクロ検出器アレイ950の製造及び組み立てのプロセス1200を示す。
【図13】2以上の層を有するマクロ有機フォトダイオードアレイ1300の断面図である。
【図14】スペクトルCTイメージングシステムの概略軸横断図である。
【図15】第4世代CTイメージング装置1500の概略正面図である。
【図16】第4世代CTイメージング装置1500の概略断面図である。
【図17】マクロ検出器アレイの製造及び組み立て、並びに、複合シンチレータの使用のプロセス1700を示す。
【図18】マクロ有機フォトダイオードアレイを用いた扇形のイメージング要素1801の概略軸横断図である。
【図19】複数の扇形の要素1801を包含するマクロ検出器アレイ1850の概略側断面図である。
【図20】スペクトルCT装置に適したマクロ有機フォトダイオードアレイを用いる扇形のイメージング要素の概略軸横断図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[CTイメージング装置]
図1は、イメージングスキャンを実行するCTイメージング装置100の一例を示す。CTイメージング取得システム102は、ガントリ104と、Z軸に沿って移動するテーブル106とを含む。患者又は他の撮像対象の物体(図示せず。)は、テーブル106上に横たわり、ガントリ104の開口108内に配置されるように移動させられる。ひとたびその患者又は物体が適切な位置に置かれると、X線源110が、ガントリ104内のX線データ測定システム114によって収集されるX線112を発する(図1では、ガントリ104内に収容されるX線源110及びX線データ測定システム114を見せるために、ガントリ104の一部116が切り取られている。)。データ測定システム114は、複数のフォトダイオードを含む。複数のフォトダイオードのそれぞれは、クレードル118に配置される関連のX線シンチレータ(図示せず。)を有する。X線源110及びデータ測定システム114は、様々な位置からのCTイメージングデータを記録するために、しばしばテーブル106の直線移動と連動して、開口108の回りを一緒に回転する。この回転は、X線源110及びクレードル118のそれぞれが、ガントリ104内の共通のロータ(図示せず。)に取り付けられているために、可能となっている。
【0011】
その後、CTイメージング取得システム102は、通信リンク101を通じて、CTイメージングデータをCT撮像・処理・表示システム120に渡す。本書では説明目的のためにシステム102及び120が別々のシステムとして示され且つ説明されているが、他の実施例では、それらは、単一システムの一部であってもよい。CTイメージングデータは、メモリ124にデータを保存するイメージプロセッサ122に移動する。イメージプロセッサ122は、撮像された患者又は他の物体の画像を生成するために、CTイメージングデータを電子的に処理する。イメージプロセッサ122は、関連するディスプレイ126上に結果として得られる画像を表示し得る。キーボード及び/又はマウス装置等のユーザ入力128は、ユーザがプロセッサ122を制御できるように提供される。
【0012】
[CTデータ測定システム(4スライス)]
図2及び図3で示すように、本書で説明されるデータ測定システムは、例えばプリント有機フォトダイオードアレイである、有機フォトダイオードアレイ200を含む。アレイ200は、サポート204の前面203上にプリントされた、複数の、望ましくは有機フォトダイオード202で構成される。図2で示す有機フォトダイオード202は、矩形形状であるが、任意の形状が用いられてもよく、それらフォトダイオードのサイズは、望ましくは、約0.5〜5mm×約0.5〜5mmである。有機フォトダイオード202は、フォトダイオード202のグループ206として配置される。例えば、グループ206のそれぞれは、16個のフォトダイオード202を含む。図2及び図3では示されていないが、通常、所与のグループ206における隣接する任意の2つのフォトダイオード202の間には隙間が存在し、各方向に約1.2mmのピッチをもたらす。複数のグループ206は、例えば、4つの行208と42個の列210とで配置され、図2では3つの列210しか示されていないが、全部で2688個のフォトダイオード202がアレイ200にある。それ故に、有機フォトダイオードアレイ200は、通常、約75〜100cmの長さLと、約15cmの幅Wと、約100μmの厚さtを有する。このようなアレイ200は、4つの行208のそれぞれがイメージングスライスを表す4スライスCTイメージングシステムにとって有用である。それ故に、アレイ200は、Z軸が図2で示すように配置されるように、CTイメージング装置100内に配置される。アレイ200における有機フォトダイオード202のこの配置は、単なる代表例であり、特定の用途のニーズに合うように他の任意の配置が用いられてもよい。
【0013】
フォトダイオード202のそれぞれは、プリント材料、望ましくは、有機材料で構成される。好適な実施例では、PCBMベースのポリマー材料が、プリント有機フォトダイオード材料として使用される。例えば、Ramuzらの“High Sensitivity Organic Photodiodes with Low Dark Currents and Increased Lifetimes”, Organic Electronics, Vol.9, no.3, pp.369-376 (2008)は、PCBM/P3HT及び他のポリマーブレンドを包含する有機フォトダイオードを報告している。また、Keivanidisらの“X-ray Stability and Response of Polymeric Photodiodes for Imaging Applications”, Applied Physics Letters, vol.92, no.2, (3頁)(2008)は、PCBM/P3HTベースのポリマー系を含む、X線に対して透過性のある(X ray hard)有機フォトダイオードを報告している。160cmに及ぶダイオードアレイに対応可能なNanoident社によって開発された種類のプリント技術を用いることによって、マクロ有機フォトダイオードアレイは、シンチレータアレイを搭載しながら、クレードルの弧の長さ全体に及ぶ。
【0014】
ウィスコンシン州ミルウォーキーのSigma-Aldrich Companyは、表1に示すような、適当な有機フォトダイオードを作るために使用され得る複数のPCBM材料を提供する。
【0015】
【表1】

【0016】
有機フォトダイオードアレイ200のサポート204は、望ましくは、安定的だが曲げることのできるプラスチックフィルムである。サポート204は、例えば、ポリエチレン・テレフタレート(PET)フィルム、ポリイミドフィルム、ポリアリールエーテルエーテルケトン(PEEK)フィルム、又は、ナイロンフィルムである。複数の基準開口211は、サポート204の側部のそれぞれに沿って配置される。
【0017】
有機フォトダイオード202は、例えばプリント工程によって、サポート204上に被着されてもよい。アレイ200のようなスライスアレイにとって、適当なプリント工程は、低解像度でのサポート204への有機フォトダイオード202のスピンコーティングプリント、ロールトゥロールプリント、及びシルクスクリーンプリントを含む。また、有機フォトダイオード202をサポート204に被着するために、インクジェットプリント工程が採用されてもよい。更に別の可能性として、Ludvig Edmanらの”A New Way Could Lead to Cheap and Flexible Electronics”, Printed Electronics World (2009年4月13日)は、レーザ光に露光されたフィルムの一部が適当な位置に残り、その後、露光されなかったフィルムの部分を洗い流すために溶液でリンスすることによって現像されることで、有機材料の薄いフィルムが、選択された表面上にプリントされ得ることを報告している。
【0018】
図4で示すように、サポート204の前面203上の導体212は、有機フォトダイオード202のそれぞれからアレイ200の側部に通じる。図2は、図の明瞭化のため、導体212を示していない。内側の2つの行208の有機フォトダイオード202のための導体212は、外側の2つの行208の隣接する2つのフォトダイオード202の間を通過してもよい。導体212は、例えば、増幅器、アナログ・デジタル変換器、マルチプレクサ、特定用途向け集積回路(ASIC)等の、アレイ200の側部のそれぞれに取り付けられる“アクティブな”電子的構成要素214に、有機フォトダイオード202を、出力コネクタと一緒に接続する。アクティブな電子的構成要素214は、それら側部に沿った約5cm幅のマージンに形成され得る。このようにして、導体212は、有機フォトダイオード202のそれぞれに電力を運び、また、有機フォトダイオード202のそれぞれからの出力信号を運ぶ。また、有機フォトダイオード202のそれぞれにおける電極の1つは、例えば、フォトダイオード202の上に配置される透明の導電層を通じて、共通グラウンドに接続される。
【0019】
図5及び図6に示すように、シンチレータ502は、アレイ200の有機フォトダイオード202のそれぞれの上に配置される。シンチレータ502とフォトダイオード202の組み合わせのそれぞれが、X線検出器ディクセル503を形成する。このようにして、有機フォトダイオードアレイ200は、マクロ検出器アレイ250に組み込まれる。シンチレータ502は、入ってくるX線を可視光に変換するよう動作し、その後、可視光は、有機フォトダイオード202によって測定される。典型的な発光物質は、酸硫化ガドリニウム(GOS)及びガドリニウムガリウムアルミニウムガーネット(GGAG)を含む。約1.0mm×1.0mmのサイズの有機フォトダイオード202に対して、シンチレータ502のそれぞれは、約1.1mm×1.1mmの面積であり、シンチレータ502は、その下にあるフォトダイオード202よりも僅かに大きな表面積を覆うことができる。シンチレータ502の高さは、所要のX線阻止能によって決まる。GOSの場合、適当な高さは、約1.5mmであり、GGAGの場合、適当な高さは約2.5mmである。シンチレータ502は、ディクセル503を形成するために、2つの要素の間で光結合をもたらす接着剤を用いて、都合良く、下層の有機フォトダイオード202に接着され得る。検出器アレイ250の全体が、以下で説明されるような湾曲構造を取ることができるように、フォトダイオード202の隣接するグループ206のそれぞれ間には隙間504が存在する。
【0020】
シンチレータ502は、シンチレータアレイ505(図示せず。)として、都合良く予め組み立てられていてもよい。シンチレータアレイのそれぞれは、例えば、マクロ検出器アレイ250における特定の列210に対応する。それ故に、シンチレータアレイ505のそれぞれは、例えば各行が16個又は32個のシンチレータを有する、例えば4行のシンチレータを含む。これらのアレイ505のシンチレータ間のスペースは、白いリフレクタで満たされ得る。その後、シンチレータアレイ505は、フォトダイオード202の上に配置され、例えば毛細管アンダーフィル技術を用いて、適当な位置に接着され得る。組み立て工程を補助するために、シンチレータアレイ505は、フォトダイオードアレイ200の基準開口211にぴったりと合う基準開口を追加的に含んでいてもよい。このようにして、アレイ200及び505の双方は、それらアレイを一緒に接着するために接着剤が塗布され且つ固まる前に、アセンブリ全体を適切に調整することによって、基準開口の両セットを通って延びる基準ピンを有する平面ジグ上に搭載され得る。
【0021】
図7に示すように、ディクセル503を形成するためのシンチレータ502を含むマクロ検出器アレイ250がひとたび組み立てられると、それは、上述の装置100のようなCTイメージング装置におけるデータ測定システム114として用いるために、クレードル118内に挿入され得る。それ故に、図7は、X線投影112をもたらすX線源110と、テーブル106に横たわる撮像対象の患者又は物体702と、マクロ検出器アレイ250との間の相互関係を概略的に示す。クレードル118は、アレイ250をクレードル118内で、すなわち装置100全体の中で適切に配列するために、アレイ250のサポート204における基準開口211を通って延びる基準ピン704を含んでいてもよい。ピン704は、さらに、アレイ250の上に1又は複数の散乱線除去グリッド(図示せず。)を適切に配列するために用いられてもよい。アレイ250は、追加的に或いは単独で適切な接着剤を用いて、クレードル118上の適当な位置に保持されてもよい。アレイ250及びクレードル118は一緒になってデータ測定システム114を構成する。図7では、説明のために、ディクセル503のサイズが、その装置における他の構成要素のサイズに対し、かなり誇張されている。既に述べたように、実際のデータ測定システム114では、図7で示す15個のグループ206の代わりに、データ測定システム114の弧の長さに及ぶディクセル503の約42個のグループ206が存在し得る。TiOが含まれるポリテトラフロオロエチレン(PTFE)等の白いプラスチックの層706が、アレイ250の弧の内面上に配置されてもよい。この層706は、アレイ250を補強し、且つ、アレイ250におけるディクセル503の全てのための上部リフレクタを形成する。
【0022】
ディクセル503を形成するためのシンチレータ502を含むマクロ検出器アレイ250は、図8に示すプロセス800に従って、製造され、且つ、データ測定システム内に取り付けられ得る。図8に示すプロセス800のステップの順序は、特定の用途のニーズに合うように変更されてもよく、また、本書で示され且つ説明される典型的なプロセス800にいくつかのステップが加えられ或いはそのプロセス800からいくつかのステップが取り除かれてもよい。
【0023】
ステップ802において、有機フォトダイオード202が、サポート204の前面203上に被着される。この被着は、例えばプリント工程によって実現され、それによって、PCBMベースのポリマー材料等の、フォトダイオード202を構成する有機材料がサポート204上にプリントされる。フォトダイオードアレイ200のサイズ及び用途に応じて、適当なプリント工程は、ロールトゥロールプリント、シルクスクリーンプリント、スピンコーティングプリント、及びインクジェットプリントを含み得る。また、その有機材料は、溶液から析出され、且つ、パターンを形成するためにフォトエッチングされてもよい。
【0024】
ステップ804において、基準開口211がサポート204に形成される。
【0025】
ステップ806において、導体212が、サポート204の前面203上に被着される。導体212は、有機フォトダイオード202のそれぞれからアレイ200の側部に通じる。導体212は、フォトダイオード202自身と同様に、フォトダイオード202が配置されるところであるサポート204の前面203に適用されるプリント工程を用いて付加されてもよい。同様に、有機フォトダイオード202のそれぞれにおける電極の1つは、例えば、フォトダイオード202の上に配置される透明の導電層を通じて、共通のグラウンドに接続される。ステップ808において、例えば、増幅器、アナログ・デジタル変換器、マルチプレクサ、特定用途向け集積回路(ASIC)等の、関連する“アクティブな”電子的構成要素214が、出力コネクタと一緒に、アレイ200の側部のそれぞれに追加される。
【0026】
ステップ810において、シンチレータ502のアレイ505が準備され、それらアレイ505におけるシンチレータ502の間のスペースが、白いリフレクタで埋められる。しかしながら、シンチレータアレイ505の上部は、最初のうちは、覆われずにそのままとされてもよい。ステップ812において、ピックアンドプレース技術を用いて、シンチレータアレイ505は、マクロ検出器アレイ250を形成するために、アレイ200における有機フォトダイオード202の上に取り付けられる。シンチレータアレイ505は、シンチレータ502とフォトダイオード202との間に直接的に配置される光結合接着剤を含む適当な接着剤を用いて適当な位置に保持され得る。アレイ250の全体が湾曲構造をとることができるように、隙間504が、ディクセルの隣接するグループ206のそれぞれの間に残される。
【0027】
ステップ814において、ディクセル503を形成するためのシンチレータ502を含むマクロ検出器アレイ250は、X線源110に中心がある、硬いクレードル118の半径に適合するように、弧状に曲げられる。ステップ814において、曲げられたアレイ250は、例えば、基準ピン704、及び/若しくは、接着剤、又は、フォトダイオード202の焦点をX線源110に適切に合わせるのに必要な正確な位置決めを実現する他の任意の手段を用いて、そのクレードルに取り付けられる。
【0028】
ステップ816において、電子的接続が完成し、また、データ測定システムの組み立てを完成させるのに必要な他の任意の電子的構成要素が付加される。ステップ818において、TiOを含むポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の白いプラスチックの層706は、アレイ250の弧の内面上に付加され得る。この層706は、アレイ250を補強し、且つ、ディクセル503におけるシンチレータ502のための均一な上部リフレクタを形成する。
【0029】
[(4スライス超の)CTデータ測定システム]
上述のマクロ検出器アレイ250は、4スライスCTイメージング装置に適している。16スライス〜64スライス等のより大きなCTイメージングシステムのためにそのようなアレイ250を作るのは困難となり得る。フォトダイオード202のアクティブ領域及びそれらの感度を過度に低減させることなく、フォトダイオード202及び導体212の双方のための十分なスペースがアレイサポート204の前面203上に見出されなければならない。そのような困難を克服するために、代替のマクロ有機フォトダイオードアレイ900が図9及び図10に示され、それは、4スライスより多いスライスを持つイメージングシステムにより適したものである。より具体的には、そのようなアレイ900の中心線901の一方の側にある半分が図に示されている。アレイ900のそれら2つの半分は、そのうちの一方が図示され、他方が図示されておらず、中心線901に関して対称である。
【0030】
このように、アレイ900は、サポート904の前面903上に配置される複数の有機フォトダイオード902で構成される。図9で示す有機フォトダイオード902は、矩形形状であるが、任意の形状が用いられてもよく、それらフォトダイオードのサイズは、望ましくは、約0.5〜5mm×約0.5〜5mmである。有機フォトダイオード902は、フォトダイオード902のグループ906として配置される。例えば、グループ906のそれぞれは、16個のフォトダイオード902を含む。複数のグループ906は、例えば、16個の行908と42個の列910とで配置されるが、図9では3つの列910しか示されていない。それ故に、マクロ有機フォトダイオードアレイ900は、通常、約75〜100cmの長さLと、約20〜30cmの幅Wと、約100μmの厚さtを有する。このようなアレイ900は、16個の行908のそれぞれがイメージングスライスを表す16スライスCTイメージングシステムにとって有用である。それ故に、アレイ900は、Z軸が図9で示すように配置されるように、CTイメージング装置100内に配置される。アレイ900における有機フォトダイオード902のこの配置は、単なる代表例であり、特定の用途のニーズに合うように他の任意の配置が用いられてもよい。
【0031】
フォトダイオード902のそれぞれは、アレイ200のフォトダイオード202に関連して既に説明されたように、有機材料で構成される。有機フォトダイオード902は、例えばプリント工程によって、サポート904上に被着されてもよい。適当なプリント工程は、低解像度でのサポート904への有機フォトダイオード902のスピンコーティングプリント、ロールトゥロールプリント、及びシルクスクリーンプリントを含む。また、有機フォトダイオード902をサポート904に被着するために、インクジェットプリント工程が採用されてもよい。また、その有機材料は、溶液から析出され、且つ、パターンを形成するためにフォトエッチングされてもよい。
【0032】
また、アレイ200のように、マクロ有機フォトダイオードアレイ900のサポート904は、望ましくは、安定的だが曲げることのできるプラスチックフィルムである。サポート904は、例えば、ポリエチレン・テレフタレート(PET)フィルム、ポリイミドフィルム、ポリアリールエーテルエーテルケトン(PEEK)フィルム、又は、ナイロンフィルムである。同様に、サポート904は、基準開口911を有する。しかしながら、アレイ200とは異なり、アレイ900の導体912は、サポート904の前面903上には配置されない。
【0033】
むしろ、図10及び図11で概略的に示すように、導体912は、前面903の反対側にある、サポート904の遠位面905上に配置され、サポート904における孔920を通じてフォトダイオード902のそれぞれに接続される。この構成は、サポート904の前面903上に配置されるフォトダイオード902の数によるサポート904の前面903上のスペースの制約上、有利である。サポート904の遠位面905にはフォトダイオード902がなく、前面903上よりも、導体912を配置するために利用可能なより多くのスペースが存在するためである。
【0034】
孔920は、10.6μmの炭酸ガス(CO)レーザ又は1.06μmのNd−YAGレーザ等の連続波又はパルス状レーザの集束ビームを用いて、サポート904に形成され得る。連続波レーザが用いられる場合、窒素雰囲気が用いられることが望ましい。サポート904の遠位面905における関連する領域をコーティングする導体912は、望ましくは、光輝金属、又は、そのレーザビームの他の良好なリフレクタであり、また、レーザビームの更なる侵入を阻む。孔920が形成された後、それらは、遠位面905上の導体912への接続を完成させるために、前面903からの導電接着剤922の微小な液滴によって満たされ得る。望ましくは、後の工程で破壊されることなく曲げられるように、可撓性樹脂が採用される。
【0035】
導体912は、従来のインクジェットプリント技術を用いて、(例えば非吸収性の光沢のあるプラスチックである)サポート904の遠位面905上に形成され得る。そのような技術の代表的な例は、米国特許第5933168号明細書に開示されており、5〜7ナノグラムの液滴が作られたことを説明する、そのインクジェットプリント技術の開示を参照により本書で援用する。その特許の教示又は他の従来のインクジェットプリント技術を適応させるために、使用されるインク流体の流体パラメータに適合する材料を、フォトダイオード902の材料、並びに/又は、導体912及び922の材料として選択することが望ましい。理想的には、それらは、動粘性率、接触角、表面張力、及び体積圧縮率に対する密度の比率を含む。プリントされる材料に耐性を示すゴム製隔膜を選択することが有用となり得る。インクジェットプリントは、平行な隣接する導体912の間のスペースを約16μmまで小さくすることができると考えられ、それは、32μmのピッチ、及び、1ミリメートル当たり30個の導体よりも高い密度に相当する。
【0036】
このようにして、図10及び図11で示唆されるように、個別に且つ密に配置される電導体912が、有機フォトダイオード902からアレイ900の側部に通じる。それ故に、導体912は、例えば、増幅器、アナログ・デジタル変換器、マルチプレクサ、特定用途向け集積回路(ASIC)等の、アレイ900の側部のそれぞれに取り付けられる“アクティブな”電子的構成要素914に、有機フォトダイオード902を、出力コネクタと一緒に接続する。電子的構成要素914は、側部に沿った約5cm幅のマージンに形成され、サポート904の前面903又は遠位面905の何れかに載る。このようにして、導体912は、有機フォトダイオード902のそれぞれに電力を運び、また、有機フォトダイオード902のそれぞれからの出力信号を運ぶ。また、有機フォトダイオード902のそれぞれにおける電極の1つは、例えば、フォトダイオード902の上に配置される透明の導電層を通じて、共通グラウンドに接続される。
【0037】
マクロ検出器アレイ250のように、マクロ検出器アレイ950(図示せず。)は、ディクセル503を形成するために有機フォトダイオード902のそれぞれの上にシンチレータ502を配置することによって形成される。シンチレータ502は、矩形のシンチレータアレイ505として、都合良く予め組み立てられていてもよい。シンチレータアレイのそれぞれは、マクロ検出器アレイ250に関して既に説明されたように、マクロ検出器アレイ950における特定の列910に対応する。
【0038】
マクロ検出器アレイ950がひとたび組み立てられると、それは、上述の装置100のようなCTイメージング装置におけるデータ測定システム114として用いるために、クレードル118内に挿入され得る。このプロセスは、基準ピン704の使用を含め、マクロ検出器アレイ250に関して図示され且つ説明されたものと実質的に同じである。
【0039】
マクロ有機フォトダイオードアレイ900、及び、関連するマクロ検出器アレイ950は、図12に示すプロセス1200に従って、製造され、且つ、データ測定システム内に取り付けられ得る。図12に示すプロセス1200のステップの順序は、特定の用途のニーズに合うように変更されてもよく、また、本書で示され且つ説明される典型的なプロセス1200にいくつかのステップが加えられ或いはそのプロセス1200からいくつかのステップが取り除かれてもよい。
【0040】
ステップ1202において、有機フォトダイオード902が、サポート904の前面903上に被着される。この被着は、例えばプリント工程によって実現され、それによって、PCBMベースのポリマー材料等の、フォトダイオード902を構成する有機材料がサポート904上にプリントされる。マクロ検出器アレイ950のサイズ及び用途に応じて、適当なプリント工程は、ロールトゥロールプリント、シルクスクリーンプリント、スピンコーティングプリント、及びインクジェットプリントを含み得る。また、その有機材料は、溶液から析出され、且つ、パターンを形成するためにフォトエッチングされてもよい。
【0041】
ステップ1204において、基準開口911がサポート904に形成される。
【0042】
ステップ1206において、電導体912が、サポート904の遠位面905上に被着される。導体912は、有機フォトダイオード902のそれぞれからマクロ検出器アレイ950の側部に通じる。導体912は、フォトダイオード902自身と同様に、プリント工程を用いて付加されてもよい。ステップ1208において、孔920がサポート904に形成され、ステップ1210において、孔920は、有機フォトダイオード902のそれぞれを、関連する導体912に接続するために、可撓性のエポキシ樹脂922等の導体で満たされる。有機フォトダイオード902のそれぞれにおける電極の1つは、例えば、フォトダイオード902の上に配置される透明の導電層を通じて、共通のグラウンドに接続される。ステップ1212において、例えば、増幅器、アナログ・デジタル変換器、マルチプレクサ、特定用途向け集積回路(ASIC)等の、関連する“アクティブな”電子的構成要素914が、出力コネクタと一緒に、マクロ検出器アレイ950の側部のそれぞれに追加される。
【0043】
ステップ1214において、シンチレータ502(図示せず。)のアレイ505が準備され、それらアレイ505におけるシンチレータ502の間のスペースが、白いリフレクタで埋められる。しかしながら、シンチレータアレイ505の上部は、最初のうちは、覆われずにそのままとされてもよい。ステップ1216において、ピックアンドプレース技術を用いて、シンチレータアレイ505は、マクロ検出器アレイ950におけるディクセル503を形成するために、有機フォトダイオード902の上に取り付けられる。シンチレータアレイ505は、シンチレータ502とフォトダイオード902との間に直接的に配置される光結合接着剤を含む適当な接着剤を用いて適当な位置に保持され得る。アレイ950の全体が湾曲構造をとることができるように、隙間504が、ディクセル503の隣接するグループ906の間に残される。
【0044】
マクロ検出器アレイ950は、X線源110に中心がある、硬いクレードル118の半径に適合するように、弧状に曲げられる。ステップ1218において、曲げられたアレイ950は、例えば、基準ピン704、及び/若しくは、接着剤、又は、フォトダイオード902の焦点をX線源110に適切に合わせるのに必要な正確な位置決めを実現する他の任意の手段を用いて、そのクレードルに取り付けられる。
【0045】
ステップ1220において、電子的接続が完成し、また、データ測定システムの組み立てを完成させるのに必要な他の任意の電子的構成要素が付加される。ステップ1222において、TiOを含むポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の白いプラスチックの層706は、アレイ950におけるシンチレータ502の弧の内面上に付加され得る。この層706は、アレイ950を補強し、且つ、ディクセル503のための上部リフレクタを形成する。
【0046】
この例では、マクロ検出器アレイ950は、16スライスのアレイであり、アレイ950の中心線901の両側のそれぞれに、8スライス、すなわち8つの行908が載る。現在のプリント技術は、1ミリメートル当たり32個の導体をピッチの上限とするものと考えられる。その上限を適用し、且つ、フォトダイオード902のディクセルピッチが1mmであることを前提として、アレイ950のその設計は、全部で64個のスライスのために、中心線901の両側のそれぞれで32スライスを持つアレイを作るべく、直接的に適用され得る。当然ながら、より精細なピッチのプリント方法が見出され或いは知らされた場合には、利用可能なスライスの数は、それに応じて増大する。或いは、より低い空間分解能のイメージングプロセスが容認可能な場合には、フォトダイオード902のディクセルピッチが低減され、その結果、導体912を配置するためのより多くのスペースがもたらされ、それによって、スライスの数を増大させ得る。
【0047】
図13に示すさらに別の実施例では、マクロ有機フォトダイオードアレイ1300及びマクロ検出器アレイ1350によって作られるイメージングスライスの数を増加させる方法が提供される。この実施例では、サポート1304は、複数の層を有する。図13では4つの層1341、1342、1343、及び1344が、代表的な例として示される。4つの層1341、1342、1343、及び1344のそれぞれは、望ましくは、例えば、ポリエチレン・テレフタレート(PET)フィルム、ポリイミドフィルム、ポリアリールエーテルエーテルケトン(PEEK)フィルム、又は、ナイロンフィルム等の、安定的だが曲げることのできるプラスチックフィルムである。個々の層の厚みtは、約10μm〜100μmである。有機フォトダイオード1302は、最上層1341の前面1351に配置される。
【0048】
複数層のマクロ有機フォトダイオードアレイ1300を組み立てるために、4つの層1341、1342、1343、及び1344のそれぞれは、それぞれの前面1351、1352、1353、及び1354上に、適切なネットワークの導体1312がプリントされる。4つの層1341、1342、1343、及び1344は、サポート1304を形成するために、可撓性接着剤により一緒に接着される。孔1320がサポート1304に形成され、導体1312のそれぞれと、前面1351上にある対応する有機フォトダイオード1302との間に通信路を提供する。孔1320は、10.6μmの炭酸ガス(CO)レーザ又は1.06μmのNd−YAGレーザ等の連続波又はパルス状レーザの集束ビームを用いて、サポート1304に形成され得る。連続波レーザが用いられる場合、窒素雰囲気が用いられることが望ましい。導体1312は、孔1320を形成する際にレーザビームによる損傷からサポート1304におけるより深い層を保護するのに役立つよう、望ましくは、光輝金属、又は、そのレーザビームの他の良好なリフレクタである。それ故に、導体1312は、孔1320のそれぞれの底部を形成する。レーザビームの強度及び露光時間のコントロールは、そのレーザビームがその複数層サポート1304の反射金属層1312までのみ侵入しそれ以上は侵入しないことを確保し得る。孔1320が形成された後、それらは、導体1312のそれぞれとの接続を完成させるために、フォトダイオード面1351から孔1320の底まで延びる導電接着剤(図示せず。)によって満たされ得る。
【0049】
このように、複数層の経路を提供することによって、導体1312を保持するためのアレイ1300における利用可能なスペースが大幅に増大される。これは、そのアレイを用いて得られる画像の品質を犠牲にすることなく、より多くのイメージングスライスがそのアレイに形成されるのを可能にする。
【0050】
[スペクトルCTスキャナ]
上述のコンセプトは、スペクトルCT装置に容易に適用され得る。スペクトルCTのために、データ測定システム114は、2つの別々のマクロ検出器アレイを、例えば図14に示すように、底部マクロ検出器アレイ1402及び上部マクロ検出器アレイ1404として、2つの有機フォトダイオードアレイに一緒に組み合わせる。その上部アレイは、除去対象の低エネルギの(より柔らかい)入射X線に優先的に応答し、その底部アレイが優先的に反応する高エネルギの(硬い)X線のみをそのままにしておく。
【0051】
底部マクロ検出器アレイ1402は、(4スライススペクトルCTスキャナまでは)マクロ検出器アレイ250と同じであってもよく、(64スライススペクトルCTスキャナまでは)マクロ検出器アレイ950と同じであってもよく、或いは、(64スライスよりも多いスライスのスペクトルCTスキャナに対しては)マクロ検出器アレイ1350と同じであってもよい。それ故に、底部マクロ検出器アレイ1402は、標準的なサイズの、GOS:Pr、Ce、又は、GGAG:Ce、又は、同様の高Zシンチレータ502と、基準ピン704のためのスペースをもたらす標準的な基準孔とを含む。
【0052】
上部マクロ検出器アレイ1404は、スペクトルCTイメージング機能をもたらすために追加される。底部アレイ1402に対する上部アレイ1404の設計における2つの主な違いが存在する。第1に、上部アレイ1404は、より柔らかいX線に優先的に反応するより低いエネルギのアレイであり、それ故に、底部マクロ検出器アレイ1402におけるGOS:Pr、Ce又はGGAG:Ceシンチレータの代わりに、例えばZnSe:Tlシンチレータを含む。第2に、底部マクロ検出器アレイ1402の構成要素と比較して、上部マクロ検出器アレイ1404のシンチレータ及びフォトダイオードは、サイズが僅かに小さく、僅かに小さい間隔を有し、また、基準孔の間隔が僅かに低減されている。このことは、クレードル118にある底部マクロ検出器アレイ1402の上に上部マクロ検出器アレイ1404が取り付けられるのを可能にし、さらに、それに応じて僅かに小さい半径でX線源110に焦点が合わせられるのを可能にする。また、このことは、正確な位置決めのために、底部マクロ検出器アレイ1402と同じ基準ピン704を用いて、上部マクロ検出器アレイ1404がデータ測定システム114内に取り付けられるのを可能にする。マクロ検出器アレイ1402及び1404のそれぞれに、別々の上部層706が用いられてもよい。
【0053】
[第4世代CTスキャナ]
本書に記載される技術は、図15及び図16に示す装置1500等の第4世代CTスキャナに関連して使用されてもよい。第4世代CTイメージング装置において、データ測定システムは、撮像される関心領域を取り囲むX線検出器の完全なリングを含む。オフセット回転式X線源は、静止したままのそれらの検出器が受けるX線を発する。
【0054】
それ故に、図15及び図16を参照すると、第4世代CTイメージング装置1500は、Z軸に沿って直線的に移動するテーブル1506を受け入れるための開口1504を備えた固定ガントリ1502を有する。テーブル1506は、開口1504に出入りする。第4世代CT装置1500の撮像対象である患者又は他の物体は、テーブル1506の上に配置される。オフセットX線源1508は、円形経路1510に沿って、関心領域の回りを回転する。少なくともガントリ1502内に配置される第1リングは、上述のようなマクロ検出器アレイ1512を含む。より具体的には、上述の実施例のそれぞれにおけるサポート要素204、904、及び1304は、ガントリ1502内のリング形状のクレードル(図示せず。)の内周に等しい長さLを有し得る。このように、フォトダイオード及び関連シンチレータを含むアレイ250、950、又は1350は、接着剤及び/又は基準開口・基準ピン構成を用いて、リングクレードルの内周に取り付けられ得る。言い換えれば、第4世代CT装置1500において、固定リングクレードルは、上述のアレイ250、950、及び1350における回転クレードル118に取って代わるものである。リングクレードルは、完全なリングの形を取ってもよく、或いは、完全なリングのうちの円弧のみの形を取ってもよい。
【0055】
また、第1のリング形状のマクロ検出器アレイ1512の内側に第2のリング形状のマクロ検出器アレイ1514を追加することによって、スペクトルCT機能が第4世代CT装置1500に追加されてもよい。それ故に、このスペクトルCTの実施例では、第1マクロ検出器アレイ1512は、GOS:Pr、Ce又はGGAG:Ce等の高エネルギシンチレータ502を包含し、一方で、第二マクロ検出器アレイ1514は、例えばZnSe:Tlシンチレータを含む低エネルギアレイである。また、第一マクロ検出器アレイ1512の構成要素と比較して、第二マクロ検出器アレイ1514のシンチレータ及びフォトダイオードは、サイズが僅かに小さく、僅かに小さい間隔を有し、また、基準孔の間隔が僅かに低減されている。このことは、リング形状のサポート上の第一マクロ検出器アレイ1512の円周内に第二マクロ検出器アレイ1514が取り付けられるのを可能にする。また、このことは、正確な位置決めのために、第一マクロ検出器アレイ1512と同じ基準ピンを用いて、第二マクロ検出器アレイ1514が取り付けられるのを可能にする。より多くのアレイ層が追加的に用いられてもよい。
【0056】
本書で記載されるようにマクロ有機フォトダイオードアレイ及び関連するマクロ検出器アレイは、特に、第4世代CTイメージング装置1500に適している。そのマクロ検出器アレイは、現行のCTイメージング装置で使用されるセラミックシンチレータ及びシリコンフォトダイオードよりも、生産及び設置が大幅に安価である。電子的な接続性に関するコストも顕著に低減される。それ故に、関心領域を完全に取り囲むのに十分な検出器を生産する際に実現されるコスト削減は、相当なものとなり得る。さらに、データ測定システムにおける均一性及び時間的安定性に関する要件は、第4世代CTにおいて大幅に緩和される。感度、ダークノイズ、及び各検出器の線形性の全てが、撮像のための各被曝の直前に調整され得るからである。そして、第4世代CT装置1500ではX線源1508のみを回転させればよく、低い機械的精度が要求されるだけであるため、ガントリに関する機械的コストが低減され得る。
【0057】
[複合シンチレータ]
上述の実施例は、GOS及びGGAG等の無機シンチレータ包含する。代替例の1つとして、2008年8月8日に出願された米国特許出願第61/087195号、2007年12月21日に出願された米国特許出願第61/087195号に基づく優先権を主張する2008年12月12日に出願された国際特許出願PCT/IB2008/055276号に記載されるような複合シンチレータが使用され得る。それらの出願は、これにより、明示的に、複合シンチレータの開示に関して、参照により本書に援用される。それら複合シンチレータは、コスト削減を実現可能であり、また、熱応力性能を改善できる。
【0058】
図17は、複合シンチレータを備えたマクロ有機フォトダイオードアレイを含むデータ測定システムの製造及び組み立てのプロセス1700を示す。図17に示すプロセス1700のステップの順序は、特定の用途のニーズに合うように変更されてもよく、また、本書で示され且つ説明される典型的なプロセス1700にいくつかのステップが加えられ或いはそのプロセス1700からいくつかのステップが取り除かれてもよい。
【0059】
ステップ1702において、有機フォトダイオードが、上述のように、サポートの前面上に被着される。この被着は、例えばプリント工程によって実現され、それによって、PCBMベースのポリマー材料等の、フォトダイオードを構成する有機材料がそのサポート上にプリントされる。フォトダイオードアレイのサイズ及び用途に応じて、適当なプリント工程は、ロールトゥロールプリント、シルクスクリーンプリント、スピンコーティングプリント、及びインクジェットプリントを含み得る。また、その有機材料は、溶液から析出され、且つ、パターンを形成するためにフォトエッチングされてもよい。ステップ1704において、基準開口がサポートに形成され、また、ステップ1706において、導体孔がサポートに形成される。ステップ1708において、電導体がサポートの遠位面に被着される。導体は、有機フォトダイオードのそれぞれからアレイの側部に通じる。導体は、フォトダイオード自身と同様に、サポートに適用されるプリント工程を用いて付加されてもよい。有機フォトダイオードのそれぞれにおける電極の1つは、例えば、フォトダイオードの上に配置される透明の導電層を通じて、共通のグラウンドに接続される。
【0060】
その後、ステップ1710において、複合シンチレータブロックがサポートの前面上に成形され、ステップ1712において硬化される。ステップ1714において、そのシンチレータブロックの下の隣接する有機フォトダイオードの間の境界に対応する一連の平行スロットがそのシンチレータブロックにおいてカットされる。このようにして、細長いスライスがシンチレータブロックに形成される。白いリフレクタは、シンチレータブロックにおけるそれらスライスの間のスロット内、及び、端面上にコーティングされ、且つ、ステップ1716において硬化される。
【0061】
ステップ1718において、ステップ1714でカットされた上述のスロットに垂直なスロットを形成するために、シンチレータブロックに対して別の一連のカットが行われる。そして、組み合わされたスロットパターンが、シンチレータブロックの下のフォトダイオードと一緒になってディクセルを形成する。ステップ1720において、白いリフレクタは、シンチレータブロックにおける、新しいスロット内、及び、その端面上にコーティングされ、且つ、硬化される。ステップ1722において、モジュールを形成するためにそれらのスロットのうちのいくつかが必要に応じて拡げられてもよい。そのアレイが湾曲構造となるべく容易に曲げられるようにするためである。
【0062】
ステップ1724において、サポートの前面上にある有機フォトダイオードを、サポートの遠位面上にある導体に電気的に接続するために、導電接着剤がサポートの導体孔内に配置される。ステップ1726では、例えば、増幅器、アナログ・デジタル変換器、マルチプレクサ、特定用途向け集積回路(ASIC)等の、関連する“アクティブな”電子的構成要素が、出力コネクタと一緒に、アレイの側部のそれぞれに取り付けられる。ステップ1726では、散乱線除去グリッドもまたそのアレイに付加される。その後、データ測定システムは、弧状に曲げられ、そして、X線源に正確に焦点を合わせるようにサポートの基準孔をクレードルにおける基準ピンの上に位置付けることによって、クレードル内に配置される。適切な配置を用いることで、このプロセスは、第3又は第4世代のデータ測定システムに対して使用され得る。
【0063】
[プリントされたイメージングスライス要素]
さらに別の代替のデータ測定システム1800の構成を図18及び図19に示す。そのシステム1800は、積み重ねられた関係にある複数の扇形要素1801を一緒に組み合わせることによって作られる。要素1801のそれぞれは、アレイ1800の単一のイメージングスライスに対応する。図18に示すように、スライスアレイ要素1801のそれぞれは、サポート1804の第一の側1805に、望ましくはグループ1806として被着される、複数の有機フォトダイオード1802と、対応するシンチレータ1803とを含む。図を簡単にするため、図18では、1つのグループ1806においてのみ個々のフォトダイオード1802とシンチレータ1803とが示されている。図に示すフォトダイオード1802及びシンチレータ1803は、扇形であるが、任意の形状が用いられてもよい。入射放射線Rに曝される上部のシンチレータ1803の断面のサイズは、望ましくは、約0.5〜5mmであり、望ましくは、先端での断面よりも基部での断面のほうが僅かに大きい。それらシンチレータは、放射線Rの全てを吸収するために、望ましくは、約0.5〜6mmである。それ故に、図19に示すようにZ軸が配置されるように、アレイ1800は、CTイメージング装置100内に配置される。そのZ軸に沿った有機フォトダイオードスライス1801のそれぞれの厚みtは、X線放射線Rのほとんどがシンチレータ1803に吸収されるように、約100μm以下であり、且つ、幾何的量子効率(DQDE)が高い。実際のスライス要素1801では、例えば、約16個のフォトダイオード1802をそれぞれ有する約42個のグループ1806(すなわち合計で672個のフォトダイオード1802)が、図示される13個のグループ1806の代わりに、サポート1804の弧の長さにわたって広がる。
【0064】
フォトダイオード1802のそれぞれは、本書における他の実施例に関して既に説明したように、有機材料で構成される。有機フォトダイオード1802は、例えばプリント工程によって、サポート1804上に被着されてもよい。適当なプリント工程は、低解像度でのサポート1804への有機フォトダイオード1802のスピンコーティングプリント、ロールトゥロールプリント、及びシルクスクリーンプリントを含む。また、有機フォトダイオード1802をサポート1804に被着するために、インクジェットプリント工程が採用されてもよい。また、その有機材料は、溶液から析出され、且つ、パターンを形成するためにフォトエッチングされてもよい。
【0065】
システム1800のサポート1804は、望ましくは、安定的な硬いプラスチックフィルムである。サポート1804は、例えば、ポリエチレン・テレフタレート(PET)フィルム、ポリイミドフィルム、ポリアリールエーテルエーテルケトン(PEEK)フィルム、又は、ナイロンフィルムである。強度及び剛性をもたらすために、追加的な薄い金属サポート(図示せず。)が付加されてもよい。さらに、サポート1804は、他の実施例と同様に、基準開口1811を有する。
【0066】
電導体(図示せず。)は、フォトダイオード1802のそれぞれから、サポート1804上に取り付けられた“アクティブな”電子的構成要素1814に通じる。それら構成要素は、例えば、増幅器、アナログ・デジタル変換器、マルチプレクサ、特定用途向け集積回路(ASIC)等を、出力コネクタと共に含み得る。それら導体は、従来のインクジェットプリント技術を用いて形成され得る。それら導体は、フォトダイオード1802をも有する第一面1805上に配置され得る。或いは、それらは、例えば、10.6μmの炭酸ガス(CO)レーザ又は1.06μmのNd−YAGレーザ等の連続波又はパルス状レーザの集束ビームを用いてサポート1804を通る孔を配置することによって、サポート1804の反対側の面に配置されてもよい。或いは、図13の実施例と同様に、全ての導体を入れるのに十分なスペースを作るために、サポート材料1804の複数の層が用いられてもよい。フォトダイオード1802のそれぞれにおける電極の1つは、例えば、フォトダイオード1802の上に配置される透明の導電層を通じて、共通グラウンドに接続される。
【0067】
ひとたび複数のスライス要素1801が作られると、対応するアレイ1800は、複数のスライス要素1801を一緒に積み重ねることによって組み立てられ得る。これは、4スライスイメージング装置100に対応する4つの要素1801を用いることによって、図19に図示されている。理想的には、スライス1801は、僅かに先細になり、それらの“焦点”をX線源110に合わせるために、先端部よりも基部のところでより厚くなっている。基準ピンは、スライス要素1801のそれぞれをアレイ1800内に適切に位置付けるために、スライス要素1801のそれぞれにおける位置合わせ用基準孔1811を通って延びる。
【0068】
図20は、スペクトルCTイメージング装置に適したスライス要素2001を示す。したがって、要素2001は、図18及び図19の実施例に関して説明された方法で他の同様の要素2001と積み重ねられたときに、撮像用システム2000(図示せず。)を形成する単一イメージングスライスに対応する。スライス要素2001は、複数の有機フォトダイオード2002と、サポート2004の第一の側2005に被着される対応するシンチレータ2003とを、望ましくはグループ2006として含む。説明を容易にするために、図20では、複数のグループ2006のうちの1つのみで、個々のフォトダイオード2002及びシンチレータ2003が示されている。有機フォトダイオード2002及びシンチレータ2003は、図示されるように、扇形であるが、任意の形状が用いられてもよい。入射放射線Rの観点から見たシンチレータ2003の断面のサイズは、望ましくは、約0.5〜5mm×0.5〜5mmである。図20において、フォトダイオード2002のサイズは、説明のために、スライス要素2001における他の構成要素のサイズに比べて、大幅に誇張されている。実際のスライス要素2001では、例えば約42個のグループ2006が、図示される13個のグループ2006の代わりに、サポート2004の弧の長さにわたって広がり得る。
【0069】
フォトダイオード2002の第一(遠位)アレイ2012におけるグループ2006のそれぞれは、GOS:Pr、Ce又はGGAG:Ce等の高エネルギシンチレータ2003を包含し、一方で、第二(近位)アレイ2014は、例えばZnSe:Tlシンチレータ2003を含む低エネルギアレイである。また、第一アレイ2012における構成要素と比較して、第二アレイ2014におけるシンチレータ及びフォトダイオードは、サイズが僅かに小さく、また、僅かに小さい間隔を有する。このことは、第一アレイ2012の上に第二アレイ2014が取り付けられるのを可能にし、さらに、入射放射線Rの放射線源に適切に焦点が合わせられるのを可能にする。
【0070】
図示されていないが、要素2001においてイメージングディクセルを形成する一対のフォトダイオード2002/シンチレータの組み合わせが、そのディクセルとそれらスライスとの間に配置される薄い重金属(40μ〜80μのモリブデン)のサポートシート上に取り付けられてもよい。また、これらのシートは、散乱放射線Rが検出器のピクセルに達して画像を曇らせてしまうのを防止するための散乱線除去用コリメータのフィンとしての機能を果たし得る。
【0071】
適切な配置を用いることにより、このプロセスは、第3又は第4世代データ測定システムに使用され得る。
【0072】
本発明は好適な実施例に関して説明された。上述の詳細な説明を読んで理解することで、変更及び修正が生じ得るのは明らかである。本発明は、添付の請求項又はその均等物の範囲内に含まれる限り、そのような変更及び修正の全てを含むものとして解釈されることを意図する。本発明は、様々な構成要素、及び、構成要素の配置、並びに、様々なステップ、及びステップの順序の形を取り得る。図面は、好適な実施例の説明のみを目的とするものであり、本発明を限定するものとして解釈されることはない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イメージングシステムであって:
イメージングスキャンを実行するために当該イメージングシステムの中心Z軸の回りを回転する放射線源;及び
行及び列の形で湾曲したサポートに配置される複数の個別の有機フォトダイオードを含み、該有機フォトダイオードの行のそれぞれが、該湾曲したサポートの湾曲に沿って並べられ、且つ、該有機フォトダイオードの列のそれぞれが、当該イメージングシステムの前記中心Z軸に平行に並べられる、有機フォトダイオードアレイ;
を有するイメージングシステム。
【請求項2】
前記有機フォトダイオードは、PCBMベースのポリマー材料を含む、
請求項1のイメージングシステム。
【請求項3】
前記湾曲したサポートは、曲げられるフィルムを含む、
請求項1又は2のイメージングシステム。
【請求項4】
前記曲げられるフィルムは、PETフィルム、ポリイミドフィルム、PEETフィルム、又はナイロンフィルムを含む、
請求項3のイメージングシステム。
【請求項5】
前記有機フォトダイオードの行のそれぞれは、当該イメージングシステムによって実行されるイメージングスキャン中の単一のイメージングスライスに対応する、
請求項1乃至4の何れかのイメージングシステム。
【請求項6】
前記放射線源と前記有機フォトダイオードとの間に配置される一又は複数のシンチレータを更に有する、
請求項1乃至5の何れかのイメージングシステム。
【請求項7】
前記シンチレータは、複合シンチレータ材料から形成される、
請求項6のイメージングシステム。
【請求項8】
前記有機フォトダイオードは、プリント工程によって、前記湾曲したサポートに配置される、
請求項1乃至7の何れかのイメージングシステム。
【請求項9】
前記湾曲したサポートに配置される一又は複数のアクティブな電子的構成要素に前記有機フォトダイオードのそれぞれを動作可能に接続する導体経路を更に有する、
請求項1乃至8の何れかのイメージングシステム。
【請求項10】
前記導体経路は、前記有機フォトダイオードが配置される前記湾曲したサポートの表面の実質的に反対側にある前記サポートの遠位面に配置され、
前記導体経路を前記有機フォトダイオードに電気的に接続するために導体材料で満たされる前記サポートにおける孔を更に含む、
請求項9のイメージングシステム。
【請求項11】
前記湾曲したサポートは、上層と1又は複数の下層とを含む2以上の層で構成され、
前記有機フォトダイオードは、前記上層に配置され、且つ、
前記下層のそれぞれは、前記上層に近く且つ前記導体経路の少なくとも1つが配置される上面を含む、
請求項9のイメージングシステム。
【請求項12】
前記湾曲したサポートは、当該イメージングシステムの前記中心Z軸の周囲全体の周りに延びる、
請求項1乃至11の何れかのイメージングシステム。
【請求項13】
前記有機フォトダイオードアレイは、2層の有機フォトダイオードを含み、
第一層は、1又は複数の高エネルギシンチレータに関連付けられ、
第二層は、1又は複数の低エネルギシンチレータに関連付けられる、
請求項1乃至12の何れかのイメージングシステム。
【請求項14】
イメージングシステムであって:
イメージングスキャンを実行するために当該イメージングシステムの中心Z軸の回りを回転する放射線源;及び
互いに積み重ねられた関係の少なくとも2つの扇形要素と、該扇形要素に配置される複数の個別の有機フォトダイオードとを含む有機フォトダイオードアレイ;
を有するイメージングシステム。
【請求項15】
イメージングシステムで使用される曲げられる有機フォトダイオードアレイアセンブリであって、該アレイが:
曲げられるサポート;
前記サポートに配置される複数の個別の有機フォトダイオード;
前記サポートにおける前記有機フォトダイオードの上に配置される1又は複数のシンチレータ;
前記サポートに配置される1又は複数のアクティブな電子的構成要素;及び
前記アクティブな電子的構成要素の少なくとも1つに前記有機フォトダイオードのそれぞれを動作可能に接続する導体経路;を有する、
曲げられる有機フォトダイオードアレイアセンブリ。
【請求項16】
前記有機フォトダイオードは、前記曲げられるサポートに行及び列の形で配置され、
前記有機フォトダイオードの行のそれぞれは、前記イメージングシステムによって実行されるイメージングスキャン中の単一のイメージングスライスに対応し、且つ、
前記列は、前記イメージングシステムの中心Z軸に平行に並べられる、
請求項15の曲げられるアレイアセンブリ。
【請求項17】
前記有機フォトダイオードは、PCBMベースのポリマー材料を含む、
請求項15又は16の曲げられるアレイアセンブリ。
【請求項18】
前記曲げられるサポートは、PETフィルム、ポリイミドフィルム、PEETフィルム、又はナイロンフィルムを含む、
請求項15、16、又は17の曲げられるアレイアセンブリ。
【請求項19】
前記シンチレータは、複合シンチレータ材料から形成される、
請求項15、16、17、又は18の曲げられるアレイアセンブリ。
【請求項20】
当該アセンブリは、イメージングデータ測定システムを形成するために、イメージングシステム内のクレードルに取り付けられる、
請求項15、16、17、18、又は19の曲げられるアレイアセンブリ。
【請求項21】
前記有機フォトダイオードは、プリント工程によって、前記サポートに配置される、
請求項15、16、17、18、19、又は20の曲げられるアレイアセンブリ。
【請求項22】
前記導体経路は、前記曲げられるサポートにおける、前記有機フォトダイオードと共通の面に配置される、
請求項15、16、17、18、19、20、又は21の曲げられるアレイアセンブリ。
【請求項23】
前記導体経路は、前記有機フォトダイオードが配置される前記面の実質的に反対側にある前記サポートの遠位面に配置され、
前記サポートは、前記導体経路を前記有機フォトダイオードに電気的に接続するために導体材料で満たされる孔を含む、
請求項15、16、17、18、19、20、21、又は22の曲げられるアレイアセンブリ。
【請求項24】
前記サポートは、上層と1又は複数の下層とを含む2以上の層で構成され、
前記有機フォトダイオードは、前記上層に配置され、
前記下層のそれぞれは、前記上層に近く且つ前記導体経路の少なくとも1つが配置される上面を含む、
請求項23の曲げられるアレイアセンブリ。
【請求項25】
前記曲げられるサポートは、第4世代イメージングシステムでの使用のために、前記イメージングシステムの中心Z軸を囲む周囲全体にほぼ等しい長さを有する、
請求項15の曲げられるアレイアセンブリ。
【請求項26】
前記有機フォトダイオードアレイは、2層の有機フォトダイオードを含み、
第一層は、1又は複数の高エネルギシンチレータに関連付けられ、
第二層は、1又は複数の低エネルギシンチレータに関連付けられる、
請求項15の曲げられるアレイアセンブリ。
【請求項27】
前記シンチレータは、前記曲げられるサポートにグループで配置され、
前記シンチレータの間の干渉なく当該アレイアセンブリを曲げることを容易にするのに十分に広い隙間を、任意の2つの隣接するグループの間に備える、
請求項15の曲げられるアレイアセンブリ。
【請求項28】
前記曲げられるサポートに配置される1又は複数の基準開口を更に有する、
請求項15の曲げられるアレイアセンブリ。
【請求項29】
イメージングシステムで使用される曲げられる有機フォトダイオードアレイアセンブリを作る方法であって:
曲げられるサポートの前面に複数の個別の有機フォトダイオードを配置するステップ;
前記サポートにおける前記有機フォトダイオードの上に1又は複数のシンチレータを置くステップ;
前記サポートに1又は複数のアクティブな電子的構成要素を置くステップ;及び
前記アクティブな電子的構成要素の少なくとも1つに前記有機フォトダイオードのそれぞれを動作可能に接続する導体経路を形成するステップ;
を有する方法。
【請求項30】
前記1又は複数のシンチレータでシンチレータアレイを形成し、該シンチレータアレイを前記サポートにおける前記有機フォトダイオードの上に置くステップを更に有する、
請求項29の方法。
【請求項31】
前記有機フォトダイオードの上に複合シンチレータブロックを位置付け、該複合シンチレータブロックを硬化し、前記1又は複数のシンチレータを含むシンチレータアレイを形成するために該複合シンチレータブロックにスロットをカットし、該シンチレータをリフレクタ材料でコーティングし、該リフレクタ材料を硬化するステップを更に有する、
請求項29の方法。
【請求項32】
前記スロットのいくつかは、前記シンチレータの間の干渉なく前記アレイアセンブリを曲げることを容易にするのに十分な幅でカットされる、
請求項31の方法。
【請求項33】
前記曲げられるサポートに前記有機フォトダイオードを配置するステップは、プリント工程を含む、
請求項29、30、31、又は32の方法。
【請求項34】
前記有機フォトダイオードが配置される面の実質的に反対側にある前記曲げられるサポートの遠位面に導体経路を形成するステップ、及び、
前記サポートに孔を形成し、前記導体経路を前記有機フォトダイオードに電気的に接続するために、該孔を導体材料で満たすステップ、を更に有する、
請求項29、30、31、32、又は33の方法。
【請求項35】
第4世代イメージングシステムでの使用のために、前記曲げられるサポートは、前記イメージングシステムの中心Z軸を囲む周囲全体にほぼ等しい長さを有する、
請求項29の方法。
【請求項36】
前記有機フォトダイオードアレイを2層で形成するステップを更に有し、
第一層が1又は複数の高エネルギシンチレータに関連付けられ、
第二層が1又は複数の低エネルギシンチレータに関連付けられる、
請求項29の方法。
【請求項37】
前記曲げられるサポートに少なくとも1つの基準開口を形成するステップを更に有する、
請求項29の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公表番号】特表2012−524591(P2012−524591A)
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−506602(P2012−506602)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【国際出願番号】PCT/IB2010/051105
【国際公開番号】WO2010/122433
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】