説明

プレキャストコンクリート製のボックス型ガレージ構造体

【課題】 乗用車2台を横に並べて入れる大型ガレージのプレキャストコンクリート部材の生産の便及び現地搬送の便を図り、一部を現場打ちとして大型でありながら上部押圧に対する抗力の大きな安全性の高いガレージを提供する。
【解決手段】 前後方向を複数個の分割ボックス構造体2aと背面壁6からなるプレキャストコンクリート製ボックス型ガレージ1で、側壁3と底面壁4aを有する左右の分割L型構造体14とその底面壁4a間の現場打ちコンクリート底面壁4bと、左右の分割L型構造体14に載置の分割コンクリート頂版5aからなり、側壁上端面3cと底面壁端面4cに鉄筋出し10を設け、側壁上端面3cに載置の分割コンクリート頂版5aの端部下端面5bにスリーブ12を設けて鉄筋出し10を接続し、左右の底面壁4間の現場打ちコンクリート内に鉄筋15を設けて底面壁端面4cの鉄筋出し10と接続してボックス型ガレージ1とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、プレキャストコンクリートと現場打ちのコンクリートの併用であるハーフプレキャストコンクリート製の住宅用のボックス型ガレージ構造体、特に横に2台併設して収容するハーフプレキャストコンクリート製の住宅用のボックス型ガレージ構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
個人住宅や店舗などに併設する自動車のガレージは、単に敷地の一郭にガレージ用の区画を設け、この区画の上にプラスチックの屋根で覆ったものや、住居の屋根の庇を一部張り出して覆ったものや、住宅の一階部分をガレージとしたものや、家屋と独立してガレージの建屋を有するものや、道路に面した高台を開削して道路に面するガレージとしてその上に家屋を建築したものなどの種々のガレージがある。
【0003】
ところで、このような自動車用のガレージの中で、家屋と独立して形成のガレージや、道路に面した高台を開削して形成のガレージとし、その上に家屋を建築したものなどのガレージでは、ガレージをコンクリート製としたものがある。一般的には、このようなコンクリート製のガレージの多くはコンクリートを現場打ちして建造されている。
【0004】
出願人は、このような現場打ちによるコンクリート製のガレージの建造に代えて、住宅用のプレキャストコンクリートからなる既成のボックス型ガレージを開発し、施工してきた。すなわち、工場で成型したプレキャストコンクリート製のボックス型ガレージの前後方向を数ブロックに分割し、この複数個の分割ブロックを現場に搬入し、前後に並べて設置し、この複数個からなる各ブロックの前後を連結一体化してプレキャスト式の箱型車庫としたもので、特にこの箱型車庫の内部の下部側部にハンチを設けたものを提案している(例えば、特許文献1参照。)。さらに、同じく、工場で成型した複数個のプレキャストコンクリート製のブロックを現場に搬入して上記と同様に設置し、各プレキャストブロックの前後を連結一体化してなるプレキャスト式箱型車庫において、特に箱型車庫を構成するコンクリート製のプレキャストブロックの接合部分に工夫を凝らしたものを提案している(例えば特許文献2参照。)。またさらに、同様に、工場で成型した複数個のプレキャストコンクリート製のブロックを現場に搬入して設置し、各プレキャストブロックの前後を連結一体化してなるプレキャスト式箱型車庫において、特に箱型車庫を構成するプレキャストコンクリート製のブロックの連結構造に関するものを提案している(例えば特許文献3参照。)。さらに、工場で成型した複数のプレキャストコンクリート製のブロックを現場に搬入して設置し、各プレキャストブロックの前後を連結一体化してなるプレキャスト式箱型車庫において、特に側方から偏土圧を受ける場所に設置するプレキャスト箱型車庫の補強構造に関するものを提案している(例えば特許文献4参照。)。
【0005】
ところで、これらのプレキャスト箱型車庫は乗用車1台を駐車させることを目的とするものである。ガレージに乗用車を縦に並べて2台を収納するときは、後方の乗用車を使用するとき、前方の乗用車をガレージから出した後でなければ使用できない。一方、一家に2台以上の乗用車を所有するようになってきているが、2台の乗用車を並べて駐車させて収納することを意識していなかった従来の1台用の既成の箱型すなわちボックス型ガレージでは、これらの2台以上の乗用車を収納使用とする需要に対応できなくなっている。
【0006】
【特許文献1】特開昭61−142261号公報
【特許文献2】特開昭61−142262号公報
【特許文献3】特開昭61−142263号公報
【特許文献4】特開昭61−237768号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、従来の既成の乗用車1台用のボックス型ガレージでは対応できない上記した問題点を解決するものであり、2台の乗用車を横に並べて収納しうる大型のガレージを組み立てるためのプレキャストコンクリート製の部材において、これらの工場における生産の便及び現地への搬送の便を図り、かつ、現地での組立てを容易とし、さらにプレキャストコンクリートに加えて一部を現場打ちすることによりハーフプレキャストコンクリート製すなわちセミプレキャストコンクリート製のガレージとすることで、大型でありながら上部の天井部にかかる押圧による曲げモーメントに対する抗力の大きな安全性の高い大型のガレージを安価にかつ容易に設置しうるものとして提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
従来のように1台の乗用車を収納するガレージでは、前後を分割した複数個のプレキャストブロックから形成しているが、この乗用車1台を収納するガレージではその横幅は、例えば、3000mm前後あれば十分である。したがって、この横幅が3000mm前後であれば、仮にボックス型のガレージをコンクリート製としても、天井部のコンクリート製の頂版が十分に上方から掛かる圧力に耐え得るものとすることは容易であった。
【0009】
しかし、ボックス型のガレージに横に並べて2台の乗用車を収容しようとすれば、その天井部の頂版の横幅は凡そ6000mmもの大きさの幅となる。このために天井部の頂版の曲げモーメントに対する抗力をきわめて大きくする必要がある。特に、ボックス構造のガレージを下部構造としてボックス構造のガレージの上に家屋などを建設する場合には、ガレージの頂版に掛かる曲げモーメントに対する抗力を一層に大きくする必要がある。さらに、ガレージの横幅が凡そ6000mmもの大きな幅になってくると、たとえ前後方向を分割したプレキャストコンクリートブロックから形成しても、ガレージの横幅は大きいので、そのプレキャストコンクリートの工場における製造コスト及び現地への搬送コストが大幅に増大することとなる。
【0010】
そこで、本発明の手段は、第1として、前後方向を分割型としたプレキャストコンクリート製のボックス型ガレージにおいて、その頂版に十分な強度を付与するものであり、さらに、プレキャストコンクリート製のボックス型ガレージ構造を上下に分割する分割型としてその製造コスト及び搬送コストを下げ、かつ分割型としながらボックス型ガレージとしての強度を十分に保持した構造とする。しかも、第2として、分割型の分割位置をL型側壁の上下間の分割に変えて底面壁の左右間の分割に変更し、かつ、ボックス型ガレージの底面壁の一部と頂版を現場打ちコンクリートとして、ボックス型ガレージをハーフプレキャストコンクリート製とすることで、工場における製造コストを下げ、かつ現場への搬送を容易としかつ搬送コストを下げ得るものとすることである。第3として、上記の頂版部分を薄肉のスラブ頂版とその上に現場打ちコンクリートで補強したものとしたものである。第4として、さらに搬送の便を図って、プレキャストコンクリート製の分割型を一層に推し進め、2台の車間の前後端部にプレキャストコンクリート製の逆T型の分割型中間壁を設けて区画し、これらの分割型中間壁の上部を梁部とし、下部を左右に張り出す底面壁として前後端部中間壁から延ばして互いに当接し、中間に設けた梁部により頂版の幅を狭小とすることで頂版に掛かる強度を補強するものである。さらに、これを推し進めることで1台毎を区画して2台以上の自動車を収納し得る一層に大型のプレキャストコンクリート製のボックス型ガレージ構造体とすることである。
【0011】
すなわち、上記の課題を解決するための本発明の手段は、請求項1の発明の手段では、乗用車2台を並列駐車可能な横幅を有する正面が開放され、左右の側壁と底面壁と上面壁から形成したボックス構造体である。このボックス構造体は、前後方向を複数個に分割の分割ボックス構造体からなっている。最後部の分割ボックス構造体の背面には背面壁を有して、これらでプレキャストコンクリート製のボックス型ガレージとなっている。このボックス型ガレージにおいて、各分割ボックス構造体は、側壁の中間で上下に分断した下部分割ボックス構造体と上部分割ボックス構造体からを形成されている。この下部分割ボックス構造体の側壁上端面には上方に突出する鉄筋出しを設けている。この鉄筋出しに対面する上部分割ボックス構造体の側壁下端面には、側壁内に設けたスリーブの開孔口を設けている。この上部分割ボックス構造体の側壁下端面のスリーブに上記の下部分割ボックス構造体の側壁上端面の鉄筋出しを嵌挿してプレキャストコンクリート製のボックス型ガレージ構造体とされている。
【0012】
請求項2の発明の手段では、乗用車2台を並列駐車可能な横幅を有する正面が開放され、左右の側壁と底面壁と上面壁から形成したボックス構造体である。このボックス構造体は、前後方向を複数個に分割の分割ボックス構造体からなっている。最後部の分割ボックス構造体の背面には背面壁を有して、これらでプレキャストコンクリート製のボックス型ガレージとなっている。これらの点は請求項1と同様である。このプレキャストコンクリート製のボックス型ガレージにおいて、側壁と短尺幅の底面壁からなる断面L型の左右の分割L型構造体と、左右の分割L型構造体の底面壁間に打設の現場打ちコンクリート底面壁と、左右の分割L型構造体に載置する分割コンクリート頂版から分割ボックス構造体は形成されている。これらにおいて、左右の分割L型構造体の側壁上端面と底面壁端面には、突出する鉄筋継手の鉄筋出しを設けている。さらに、左右の分割L型構造体の側壁上端面の鉄筋出しに対面する分割コンクリート頂版の端部下端面にはスリーブを有して開孔口を開いている。これらのスリーブに左右の分割L型構造体の側壁上端面の鉄筋出しを嵌挿し、かつ、上記の左右の底面壁間に打設の現場打ちコンクリート内に鉄筋を配設し、該鉄筋を左右の分割L型構造体の底面壁端面の鉄筋出しと接続してプレキャストコンクリート製のボックス型ガレージ構造体とされている。
【0013】
請求項3の発明の手段では、同じく請求項1の発明の手段と同様に、乗用車2台を並列駐車可能な横幅を有する正面が開放され、左右の側壁と底面壁と上面壁から形成したボックス構造体である。このボックス構造体は、前後方向を複数個に分割の分割ボックス構造体からなっている。最後部の分割ボックス構造体の背面には背面壁を有して、これらでプレキャストコンクリート製のボックス型ガレージとなっている。これらの点は請求項1と同様である。このプレキャストコンクリート製のボックス型ガレージにおいて、側壁と短尺幅の底面壁からなる断面L型の左右の分割L型構造体と、左右の分割L型構造体の底面壁間に打設の現場打ちコンクリート底面壁と、左右の分割L型構造体に載置する分割薄肉スラブ頂版と、左右の分割L型構造体の側壁上と分割薄肉スラブ頂版上に打設の現場打ちコンクリートから分割ボックス構造体は形成されている。これらにおいて、左右の分割L型構造体の側壁上端面には、上方へ突出するトラス筋を設け、かつ、底面壁端面には、側方へ突出する鉄筋継手の鉄筋出しを設けている。さらに、分割薄肉スラブ頂版には、上方へ突出するトラス筋を頂版全面に設けている。この分割薄肉スラブ頂版を左右の側壁上端面のトラス筋の間に載置している。さらに、これらの全てのトラス筋を分割薄肉スラブ頂版上に打設した現場打ちコンクリート内に埋設係止し、かつ、上記の左右の底面壁間に打設の現場打ちコンクリート内に鉄筋を配設し、これらの鉄筋を左右の分割L型構造体の底面壁端面の鉄筋出しと接続してプレキャストコンクリート製のボックス型ガレージ構造体とされている。
【0014】
請求項4の発明の手段では、同じく請求項1の発明の手段と同様に、乗用車2台を並列駐車可能な横幅を有する正面が開放され、左右の側壁と底面壁と上面壁から形成したボックス構造体である。このボックス構造体は、前後方向を複数個に分割の分割ボックス構造体からなっている。最後部の分割ボックス構造体の背面には背面壁を有して、これらでプレキャストコンクリート製のボックス型ガレージとなっている。これらの点は請求項1と同様である。このプレキャストコンクリート製のボックス型ガレージにおいて、側壁と短尺幅の底面壁からなる断面L型の左右の分割L型構造体と、左右の分割L型構造体の中間に垂直中間壁と左右に張り出す短尺幅の底面壁からなる断面逆T型の分割逆T型構造体と、左右の分割L型構造体と分割逆T型構造体の間の底面壁間に打設の現場打ちコンクリート底面壁と、左右の分割L型構造体と分割逆T型構造体との上に載置の分割コンクリート頂版から分割ボックス構造体は形成されている。これらにおいて、左右の分割L型構造体の側壁上端面及び分割逆T型構造体の垂直中間壁上端面には、上方へ突出する鉄筋継手の鉄筋出しを設けている。さらに、左右の分割L型構造体及び分割逆T型構造体の底面壁端面には、側方へ突出する鉄筋継手の鉄筋出しを設けている。また、さらに、分割コンクリート頂版の端部下面内にはスリーブを設け、これらのスリーブに上記の鉄筋出しを挿嵌して左右の分割L型構造体の側壁上端面と分割逆T型構造体の垂直中間壁上端面に分割コンクリート頂版を載置し、かつ、上記の左右の分割L型構造体の底面壁と中間の分割逆T型構造体の底面壁間に打設の現場打ちコンクリート内に鉄筋を配設し、該鉄筋を左右の分割L型構造体及び中間の分割逆T型構造体の各底面壁端面から左右に突出する鉄筋出しと接続してプレキャストコンクリート製のボックス型ガレージ構造体とされている。
【0015】
請求項5の発明の手段では、同じく請求項1の発明の手段と同様に、乗用車2台を並列駐車可能な横幅を有する正面が開放され、左右の側壁と底面壁と上面壁から形成したボックス構造体である。このボックス構造体は、前後方向を複数個に分割の分割ボックス構造体からなっている。最後部の分割ボックス構造体の背面には背面壁を有して、これらでプレキャストコンクリート製のボックス型ガレージとなっている。これらの点は請求項1と同様である。このプレキャストコンクリート製のボックス型ガレージにおいて、側壁と短尺幅の底面壁からなる断面L型の左右の分割L型構造体と、左右の分割L型構造体の中間に垂直中間壁と左右に張り出す短尺幅の底面壁からなる断面逆T型の分割逆T型構造体と、左右の分割L型構造体と分割逆T型構造体との間の底面壁間に打設の現場打ちコンクリート底面壁と、左右の分割L型構造体の側壁上端面とその中間の分割逆T型構造体の垂直中間壁上端面に載置の分割薄肉スラブ頂版と、左右の分割L型構造体の側壁上と中間の分割逆T型構造体の垂直中間壁上と分割薄肉スラブ頂版上に打設の現場打ちコンクリートから分割ボックス構造体は形成されている。これらにおいて、左右の分割L型構造体の側壁上端面及び中間の分割逆T型構造体の垂直中間壁上端面には、上方へ突出するトラス筋を設けている。さらに、左右の分割L型構造体及び分割逆T型構造体の底面壁端面には、側方へ突出する鉄筋継手の鉄筋出しを設け、さらに、分割薄肉スラブ頂版に上方へ突出するトラス筋を頂版全面に設けている。そして、左右の側壁上端面のトラス筋と中間の垂直中間壁上端面のトラス筋との間に分割薄肉スラブ頂版を載置し、これらのトラス筋を左右の側壁上端面と中間の垂直中間壁上端面と分割薄肉スラブ頂版上に打設の現場打ちコンクリート内に埋設係止し、かつ、上記の左右の分割L型構造体の底面壁と中間の分割逆T型構造体の底面壁間に打設の現場打ちコンクリート内に鉄筋を配設し、これらの鉄筋を左右の分割L型構造体及び中間の分割逆T型構造体の各底面壁端面の鉄筋出し及び中間の分割逆T型構造体の各底面壁の端面から左右に突出する鉄筋出しと接続してプレキャストコンクリート製のボックス型ガレージ構造体とされている。
【0016】
なお、本発明の上記構成の中間の分割逆T型構造体を有する構造とすることで、これらを横に連接することで、2台に限らずそれ以上の乗用車を収納可能とするプレキャストコンクリート製のボックス型ガレージ構造体を容易に形成することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明のプレキャストコンクリート製のボックス型ガレージ構造体は、分割ブロックから構成し、さらに部分的に現場打ちによるコンクリートを採用することで、大型にもかかわらず工場における製造及び現地への搬送に要するコストを低減し、さらに、現場での建造コストを下げ、かつ、接合部を鉄筋とスリーブからなるもの、トラス筋を現場打ちのコンクリートに埋設するもの、及び鉄筋同士の接合によるものなどとすることにより、ボックス型ガレージ構造体の強度、特に頂版上部に掛かる曲げモーメントに対する抗力を高めて頂版の強度を向上せしめ、2台の乗用車を横に並べて収納しうるものとするなど、時代の要請に適ったボックス型ガレージ構造体を容易に低コストで建設することができるなど、本願は優れた効果を奏するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図面を参照しながら、本発明の最良の実施の形態の例について以下に説明する。先ず、請求項1の発明の一実施の形態を図1〜図4により示す。図1は、乗用車2台を並列駐車可能な横幅7aを有する正面7が開放され、左右の側壁3、3と底面壁4と上面壁5から形成したボックス構造体2である。このボックス構造体2は、前後方向を複数個に分割の分割ボックス構造体2aからなっている。最後部の分割ボックス構造体2aの背面には、背面壁6を有しており、これらでプレキャストコンクリート製のボックス型ガレージ1となっている。図1はプレキャストコンクリート製のボックス型ガレージ構造体1の正面図である。その大きさは、正面7から見て、高さ3100mm、横幅6800mmで、これらはプレキャストコンクリートからなる左右の側壁3、3と底面壁4と上面壁5からなり、その厚さはいずれも400mmである。正面7から見た内側の大きさは、高さ2300m、横幅6000mmで、内側の4隅は縦横200mmの面取り8により斜めに肉厚に形成されている。各分割ボックス構造体2aの奥行きは1500mmで、この分割ボックス構造体2aが前後方向に4体が接続され、全体で6000mmの奥行きを有する。
【0019】
この請求項1の実施の形態では、このプレキャストコンクリート製のボックス型ガレージ1は分割ボックス構造体2aから形成されている。図2の側面図に示すように、分割ボックス構造体2aの後端には、下部背面壁6aと、その上に積んでモルタル接合された上部背面壁6bからなる背面壁6を有する。これらの背面壁6の下部背面壁6aと上部背面壁6bは図4の(a)の正面図と(b)の側面図に示すように、同一大きさのコンクリート製で、横幅6800mm、高さ1550mm、厚さ400mmである。一方、図3に示すように、分割ボックス構造体2aの側壁3は上下の中間で接続された下部側壁3aと上部側壁3bから形成されている。それらの下部側壁3aと上部側壁3bのそれぞれの大きさは高さが1550mmである。したがって、分割ボックス構造体2aは下部分割ボックス構造体2bと上部分割ボックス構造体2cからモルタル接合され、側壁3に形成されている。ところで、図3の(a)の正面図及び(b)の側面図に示すように、下部分割ボックス構造体2bの下部側壁3aの上端面9には、上方に突出する鉄筋出し10を2列で各列4本を有する。この鉄筋出し10に対面する上部分割ボックス構造体2cの上部側壁3bの下端面11には、上部側壁3b内に設けたスリーブ12の開孔口13を2列で各列4個を有する。これらの上部分割ボックス構造体2cの上部側壁3bの下端面11のスリーブ12に下部分割ボックス構造体2bの下部側壁3aの上端面9の鉄筋出し10を嵌挿して接合し、図1に示すプレキャストコンクリート製のボックス型ガレージ構造体1に形成している。この場合、接合に当たってスリーブ12には、例えば無収縮モルタルを充填して鉄筋だしを挿入して固化して接合する。さらに、各分割ボックス構造体2a同士とさらに背面壁6との接合はモルタルにより接合されている。
【0020】
次いで、請求項2の発明の一実施の形態について説明する。乗用車2台を並列駐車可能な横幅7aを有する正面7が開放され、左右の側壁3、3と底面壁4と上面壁5から形成したボックス構造体2である。このボックス構造体2は、前後方向を複数個に分割の分割ボックス構造体2aからなっている。最後部の分割ボックス構造体2aの背面には上下を下部背面壁6aと上部背面壁6bに分割した背面壁6を有して、これらでプレキャストコンクリート製のボックス型ガレージ1となっている。これらの点は請求項1の構成と同様であり、その大きさも同様である。
【0021】
この請求項2の発明のプレキャストコンクリート製のボックス型ガレージ1を図5〜図8と図4により示す。図5の(a)に示す正面図において、側壁3、3と1600mmの長さの短尺幅の底面壁4aからなる断面L型の左右の分割L型構造体14、14と、左右の分割L型構造体14、14の短尺幅の底面壁4a、4a間に打設の長さ3600mmの現場打ちコンクリート底面壁4bと、左右の分割L型構造体14、14の側壁上端面3cに載置する分割コンクリート頂版5aから分割ボックス構造体2aは形成されている。図6の側面図に示すように、分割ボックス構造体2aは前後に4体が接続され、後端に、図4で示す、背面壁6の下部背面壁6aと上部背面壁6bを接続してボックス構造体2に形成されている。
【0022】
これらにおいて、左右の分割L型構造体14、14の側壁上端面3cと底面壁端面4cには、図7の(a)の正面図と(b)の右側面図に示すように、突出する鉄筋継手の鉄筋出し10を設けている。さらに、図8の(a)の平面図と(b)の右側面図に示すように、左右の分割L型構造体14、14の側壁上端面3cの鉄筋出し10に対面する分割コンクリート頂版5aにスリーブ12が内蔵され、分割コンクリート頂版5aの端部下端面5bにはそのスリーブ12の開孔口13を開口している。これらのスリーブ12に分割L型構造体14の側壁上端面3cの鉄筋出し10を嵌挿して、モルタルで固化している。さらに、上記の左右の短尺の底面壁4a、4a間に、図5の(a)に示す、左右に突出する鉄筋15、15を配設して現場打ちコンクリート底面壁4bを打設している。図5の(b)に示すように、これらの左右に突出する鉄筋15、15を左右の分割L型構造体14、14の各底面壁端面4cの各鉄筋出し10と重ね合わせてそれぞれシース管16に通し、シース管16内の鉄筋出し10と鉄筋15の周囲に無収縮モルタル17を注入固化し、さらに上記の現場打ちコンクリートを鉄筋15やシース管16の周囲に打設して現場打ちコンクリート底面壁4bとし、プレキャストコンクリート製のボックス型ガレージ構造体1に形成している。
【0023】
次いで、請求項3の発明の一実施の形態について図9〜図12と上記の図4により説明する。この実施の形態では、上記の請求項2の手段の構成と略同様である。相違するところは、分割ボックス構造体2aの分割コンクリート頂版5aに変えて分割薄板スラブ頂版5cと現場打ちコンクリート頂版5dを採用し、これらと分割L型構造体14、14との接続を請求項2の手段における鉄筋出し10とスリーブ12による接続構造に変えて、トラス筋18と現場打ちコンクリートによる接続構造とした点である。したがって、この相違点について以下に説明する。
【0024】
この請求項3の発明の一実施の形態のプレキャストコンクリート製のボックス型ガレージ1は、図11に示す、左右の分割L型構造体14、14の各側壁上端面3cから突出するトラス筋18を配設し、これらの左右のトラス筋18の間に分割薄肉スラブ頂版5cを図9及び図10に示すように載置している。この分割薄肉スラブ頂版5cの上面には、図12に示すように、上面から突出する多数のトラス筋18を幅方向に6列を設け、各列の多数のトラス筋18内を貫いて1本の鉄筋18aを通して接合している。この場合、この分割薄肉スラブ頂版5cの幅は6000mmである。さらに、分割L型構造体14、14の各側壁上端面3cのトラス筋18と、それらの間に載置の分割薄肉スラブ頂版5cのトラス筋18との上全面に現場打ちでコンクリートを打設して、図9及び図10に示すように、現場打ちコンクリート頂版5dを形成している。その他の構成は請求項2の実施の形態と同様として、現場打ちコンクリート底面壁4bを有する底面壁4を有する分割ボックス構造体2aとしてハーフプレキャストコンクリート製のボックス型ガレージ構造体1としている。
【0025】
次いで、請求項4の発明の一実施の形態につい説明する。この実施の形態は、乗用車2台を並列駐車可能な横幅7aを有する正面7が開放され、左右の側壁3、3と底面壁4と上面壁5から形成したボックス構造体2と背面壁6から、ボックス型ガレージ1が形成されている。このボックス構造体2は、前後方向を複数個の分割ボックス構造体2aからなっている。後部の分割ボックス構造体2aの背面には、上下を下部背面壁6aと上部背面壁6bに分割した背面壁6を有して、これらでプレキャストコンクリート製のボックス型ガレージ1となっている。これらの点は請求項1の構成と同様であり、その大きさも同様である。
【0026】
この請求項4の発明のプレキャストコンクリート製のボックス型ガレージ1を図13〜図18に示す。図13に示す正面図において、側壁3と短尺幅の底面壁4aからなる断面L型の左右の分割L型構造体14、14と、これらの分割L型構造体14、14の中間に垂直中間壁19aと左右に張り出す短尺幅の底面壁19c、19cからなる断面逆T型の分割逆T型構造体19と、左右の分割L型構造体14、14の底面壁4a、4aと分割逆T型構造体19の左右の底面壁19c、19c間に打設の左右の現場打ちコンクリート底面壁4b、4bと、左右の分割L型構造体14、14の各側壁3、3と、分割逆T型構造体19の垂直中間壁19aの上に載置の分割コンクリート頂版5aから分割ボックス構造体2aは形成されている。
【0027】
これらにおいて、図15に示すように左右の分割L型構造体14、14の側壁上端面3c、3c、及び、図16に示すように分割逆T型構造体19、19の垂直中間壁上端面19bには、上方へ突出する鉄筋継手の鉄筋出し10を設けている。さらに、左右の分割L型構造体14、14及び分割逆T型構造体19の底面壁端面4cには、側方へ突出する鉄筋継手の鉄筋出し10を設けている。さらに、図17の(a)の平面図、(b)の側面図に示すように、分割コンクリート頂版5aの端部下面5b内にはスリーブ12を設けている。これらのスリーブ12に上記の鉄筋出し10を、図13及び図14に示すように、それぞれ挿嵌して、左右の分割L型構造体14、14の側壁上端面3cと分割逆T型構造体19の垂直中間壁上端面19bに分割コンクリート頂版5aを載置している。さらに、上記の左右の分割L型構造体14、14の底面壁4a、4aと中間の分割逆T型構造体19の短尺幅の底面壁19c、19c間に、それぞれ打設の現場打ちコンクリート内に鉄筋15を配設して現場打ち底面壁コンクリート底面壁4b、4bとしている。この場合、左右の分割L型構造体14、14及び中間の分割逆T型構造体19の各底面壁端面4c、4cから左右に突出する鉄筋出し10に鉄筋15を重ねて、図5の(b)に示すシース管16に通し、これらのシース管16内に無収縮モルタル17を挿入して固化により接続し、中間壁付き分割ボックス構造体20を形成し、これと背面壁6とでボックス型ガレージ1としている。
【0028】
ところで、図14に示すように、これらの中間壁付き分割ボックス構造体20を形成する中間の分割逆T型構造体19は、その一体の前後方向の長さが、上記の請求項1〜3の分割ボックス構造体2aの2体分の奥行き長さを有している。その2体分の奥行きの長さのうち、その1体分の奥行きの長さの垂直中間壁19aの部分が開口部21の1/2大の開口部21aとして抜かれており、図16の(b)に示すように、この1/2大の開口部21aの上の面取り8の部分と下の短尺幅の底面壁19cの面取り部8を除く部分のみとが前後方向に長さ3000mmの梁状として残されて開口部21に形成されている。すなわち図14に示すように、これらの2体分の奥行き長さを有する分割逆T型構造体19、19の中間に開口部21が位置するように前後対称的に接続している。さらに、図18の(a)の正面図と、(b)の側面図に示すように、後部の中間壁付き分割ボックス構造体20の背面に、上記したように上下を下部背面壁6aと上部背面壁6bに分割した背面壁6を一体に接続して、プレキャストコンクリート製のボックス型ガレージ構造体1に形成している。この場合、上記の分割コンクリート頂版5aの奥行きの長さは、1500mmで請求項2の実施の形態と同様であるが、分割コンクリート頂版5aの幅は分割L型構造体14と中間の分割逆T型構造体19の幅の3600mmであり、これらは請求項2の幅の略1/2で、図13に見られるように、左右の2枚の分割コンクリート頂版5a、5aが垂直中間壁19a上で接続されている。同様に、上記の図18の背面壁6の幅も3600mmであり、上記の請求項1〜3の実施の形態の背面壁6の幅の略1/2である。このように、請求項4の発明は、よりコンパクトに細分化されているので、製造あるいは搬送コストが低減されている。
【0029】
請求項5の発明の手段の一実施の形態について、図19〜図22と上記の図11と図18により説明する。この実施の形態では、上記の請求項4の手段の構成と略同様である。相違するところは、分割ボックス構造体2aの分割コンクリート頂版5aに変えて、請求項3の手段に用いられたと同様に、分割薄板スラブ頂版5cと現場打ちコンクリート頂版5dを採用し、これらと分割L型構造体14、14及び分割逆T型構造体19との接続を、請求項4の手段における鉄筋出し10とスリーブ12による接続構造に変えて、トラス筋18と現場打ちコンクリートによる接続構造とした点である。この相違点について以下に説明する。
【0030】
この請求項5の発明の一実施の形態のプレキャストコンクリート製のボックス型ガレージ1は、図19及び図20に示すように、左右の分割L型構造体14、14の側壁上端面3cと、それらの中間に配置の分割逆T型構造体19の垂直中間壁上端面19bに分割薄肉スラブ頂版5cを載置している。この場合、分割薄肉スラブ頂版5cの幅は3600mmで、請求項3の幅の略1/2である。さらに、図11と同様の左右の分割L型構造体14、14の側面上端面3cと、図21に示す中間の分割逆T型構造体19の垂直中間壁上端面19bと、図22に示す分割薄肉スラブ頂版5cのそれぞれにトラス筋18を設け、これらの全面に、図19及び図20に示す、現場打ちコンクリートを打設してトラス筋18を埋設して現場打ちコンクリート頂版5dに形成し、分割ボックス構造体2aとしている。その他の構成は請求項4の実施の形態と同様としてハーフプレキャストコンクリート製のボックス型ガレージ構造体1としている。
【0031】
以上の実施の形態として説明したように、本発明の各請求項の発明では、分割構造としたプレキャストコンクリート製品を現場で組立て、適宜これに現場打ちコンクリートを加えて一体化してボックス型ガレージ1とするものであり、各部材の接合点を鉄筋出し10とスリーブ12あるいはトラス筋18で、さらに鉄筋出し10の鉄筋と鉄筋15をシース管16で重ねて連結しているので、その結合力は頑丈である。さらに、本発明における頂版構造は上方からの押圧に対する湾曲力も非常に強くなっている。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】請求項1の発明のボックス型ガレージの一実施の形態の正面図である。
【図2】図1の矢視A−Aで示す側面図である。
【図3】ボックス構造体の上下分割した図で、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図4】背面壁で、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図5】請求項2の発明のボックス型ガレージの(a)は一実施の形態の正面図で、(b)はシース管の接続構造を示す図である。
【図6】図5の(a)の矢視A−Aで示す側面図である。
【図7】分割L型構造体の(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図8】分割コンクリート頂版の(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図9】請求項3の発明のボックス型ガレージの一実施の形態の正面図である。
【図10】図9の矢視A−Aで示す側面図である。
【図11】分割L型構造体の(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図12】分割コンクリート頂版の(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【図13】請求項4の発明のボックス型ガレージの一実施の形態の正面図である。
【図14】図13の矢視A−Aで示す側面図である。
【図15】分割L型構造体の(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図16】分割逆T型構造体の(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図17】分割コンクリート頂版の(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図18】背面壁で、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図19】請求項5の発明のボックス型ガレージの一実施の形態の正面図である。
【図20】図19の矢視A−Aで示す側面図である。
【図21】分割逆T型構造体の(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図22】分割コンクリート頂版の(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【符号の説明】
【0033】
1 プレキャストボックス型ガレージ
2 ボックス構造体
2a 分割ボックス構造体
2b 下部分割ボックス構造体
2c 上部分割ボックス構造体
3 側壁
3a 下部側壁
3b 上部側壁
3c 側壁上端面
4 底面壁
4a 短尺幅の底面壁
4b 現場打ちコンクリート底面壁
4c 底面壁端面
5 上面壁
5a 分割コンクリート頂版
5b 端部下端面
5c 分割薄肉スラブ頂版
5d 現場打ちコンクリート頂版
6 背面壁
6a 下部背面壁
6b 上部背面壁
7 正面
7a 横幅
8 面取り
9 上端面
10 鉄筋出し
11 下端面
12 スリーブ
13 開孔口
14 分割L型構造体
15 鉄筋
16 シース管
17 無収縮モルタル
18 トラス筋
18a 鉄筋
19 分割逆T型構造体
19a 垂直中間壁
19b 垂直中間壁上端面
19c 底面壁
20 中間壁付き分割ボックス構造体
21 開口部
21a 1/2大の開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗用車2台を並列駐車可能な横幅を有する正面が開放され、左右の側壁と底面壁と上面壁からボックス構造体に形成され、前後方向を複数個に分割の分割ボックス構造体からなり、かつ、最後部の分割ボックス構造体の背面に背面壁を有するプレキャストコンクリート製のボックス型ガレージにおいて、側壁の中間で分断した下部分割ボックス構造体と上部分割ボックス構造体から分割ボックス構造体を形成し、下部分割ボックス構造体の側壁上端面に上方に突出する鉄筋出しを設け、該鉄筋出しに対面する上部分割ボックス構造体の側壁下端面にスリーブを設け、該スリーブに上記の下部分割ボックス構造体の側壁上端面の鉄筋出しを嵌挿していることを特徴とするプレキャストコンクリート製のボックス型ガレージ構造体。
【請求項2】
乗用車2台を並列駐車可能な横幅を有する正面が開放され、左右の側壁と底面壁と上面壁からボックス構造体に形成され、前後方向を複数個に分割の分割ボックス構造体からなり、かつ、最後部の分割ボックス構造体の背面に背面壁を有するプレキャストコンクリート製のボックス型ガレージにおいて、側壁と短尺幅の底面壁からなる断面L型の左右の分割L型構造体と、左右の分割L型構造体の底面壁間に打設の現場打ちコンクリート底面壁と、左右の分割L型構造体に載置する分割コンクリート頂版から分割ボックス構造体を形成し、左右の分割L型構造体の側壁上端面と底面壁端面に突出する鉄筋継手の鉄筋出しを設け、左右の分割L型構造体の側壁上端面の鉄筋出しに対面する分割コンクリート頂版の端部下端面にスリーブを設け、該スリーブに左右の分割L型構造体の側壁上端面の鉄筋出しを嵌挿し、かつ、上記の左右の底面壁間に打設の現場打ちコンクリート内に鉄筋を配設し、該鉄筋を左右の分割L型構造体の底面壁端面の鉄筋出しと接続していることを特徴とするプレキャストコンクリート製のボックス型ガレージ構造体。
【請求項3】
乗用車2台を並列駐車可能な横幅を有する正面が開放され、左右の側壁と底面壁と上面壁からボックス構造体に形成され、前後方向を複数個に分割の分割ボックス構造体からなり、かつ、最後部の分割ボックス構造体の背面に背面壁を有するプレキャストコンクリート製のボックス型ガレージにおいて、側壁と短尺幅の底面壁からなる断面L型の左右の分割L型構造体と、左右の分割L型構造体の底面壁間に打設の現場打ちコンクリート底面壁と、左右の分割L型構造体に載置の分割薄肉スラブ頂版と、左右の分割L型構造体の側壁上と分割薄肉スラブ頂版上に打設の現場打ちコンクリートから分割ボックス構造体を形成し、左右の分割L型構造体の側壁上端面に上方へ突出するトラス筋を設け、かつ、底面壁端面に側方へ突出する鉄筋継手の鉄筋出しを設け、さらに、分割薄肉スラブ頂版に上方へ突出するトラス筋を頂版全面に設け、左右の側壁上端面のトラス筋の間に分割薄肉スラブ頂版を載置し、さらに、これらのトラス筋を分割薄肉スラブ頂版上に打設の現場打ちコンクリート内に埋設係止し、かつ、上記の左右の底面壁間に打設の現場打ちコンクリート内に鉄筋を配設し、該鉄筋を左右の分割L型構造体の底面壁端面の鉄筋出しと接続していることを特徴とするプレキャストコンクリート製のボックス型ガレージ構造体。
【請求項4】
乗用車2台を並列駐車可能な横幅を有する正面が開放され、左右の側壁と底面壁と上面壁からボックス構造体に形成され、前後方向を複数個に分割の分割ボックス構造体からなり、かつ、最後部の分割ボックス構造体の背面に背面壁を有するプレキャストコンクリート製のボックス型ガレージにおいて、側壁と短尺幅の底面壁からなる断面L型の左右の分割L型構造体と、左右の分割L型構造体の中間に垂直中間壁と左右に張り出す短尺幅の底面壁からなる断面逆T型の分割逆T型構造体と、左右の分割L型構造体と分割逆T型構造体の間の底面壁間に打設の現場打ちコンクリート底面壁と、左右の分割L型構造体と分割逆T型構造体との上に載置の分割コンクリート頂版から分割ボックス構造体を形成し、左右の分割L型構造体の側壁上端面及び分割逆T型構造体の垂直中間壁上端面に上方へ突出する鉄筋継手の鉄筋出しを設け、かつ、左右の分割L型構造体及び分割逆T型構造体の底面壁端面に側方へ突出する鉄筋継手の鉄筋出しを設け、さらに、分割コンクリート頂版の端部下面内にスリーブを設け、これらのスリーブに上記の鉄筋出しを挿嵌して左右の分割L型構造体の側壁上端面と分割逆T型構造体の垂直中間壁上端面に分割コンクリート頂版を載置し、かつ、上記の左右の分割L型構造体の底面壁と中間の分割逆T型構造体の底面壁間に打設の現場打ちコンクリート内に鉄筋を配設し、該鉄筋を左右の分割L型構造体及び中間の分割逆T型構造体の各底面壁端面から左右に突出する鉄筋出しと接続していることを特徴とするプレキャストコンクリート製のボックス型ガレージ構造体。
【請求項5】
乗用車2台を並列駐車可能な横幅を有する正面が開放され、左右の側壁と底面壁と上面壁からボックス構造体に形成され、前後方向を複数個に分割の分割ボックス構造体からなり、かつ、最後部の分割ボックス構造体の背面に背面壁を有するプレキャストコンクリート製のボックス型ガレージにおいて、側壁と短尺幅の底面壁からなる断面L型の左右の分割L型構造体と、左右の分割L型構造体の中間に垂直中間壁と左右に張り出す短尺幅の底面壁からなる断面逆T型の分割逆T型構造体と、左右の分割L型構造体と分割逆T型構造体との間の底面壁間に打設の現場打ちコンクリート底面壁と、左右の分割L型構造体の側壁上端面とその中間の分割逆T型構造体の垂直中間壁上端面に載置の分割薄肉スラブ頂版と、左右の分割L型構造体の側壁上と中間の分割逆T型構造体の垂直中間壁上と分割薄肉スラブ頂版上に打設の現場打ちコンクリートから分割ボックス構造体を形成し、左右の分割L型構造体の側壁上端面及び中間の分割逆T型構造体の垂直中間壁上端面に上方へ突出するトラス筋を設け、かつ、左右の分割L型構造体及び分割逆T型構造体の底面壁端面に側方へ突出する鉄筋継手の鉄筋出しを設け、さらに、分割薄肉スラブ頂版に上方へ突出するトラス筋を頂版全面に設け、左右の側壁上端面のトラス筋と中間の垂直中間壁上端面のトラス筋との間に分割薄肉スラブ頂版を載置し、これらのトラス筋を左右の側壁上端面と中間の垂直中間壁上端面と分割薄肉スラブ頂版上に打設の現場打ちコンクリート内に埋設係止し、かつ、上記の左右の分割L型構造体の底面壁と中間の分割逆T型構造体の底面壁間に打設の現場打ちコンクリート内に鉄筋を配設し、該鉄筋を左右の分割L型構造体及び中間の分割逆T型構造体の各底面壁端面の鉄筋出し及び中間の分割逆T型構造体の各底面壁の端面から左右に突出する鉄筋出しと接続していることを特徴とするプレキャストコンクリート製のボックス型ガレージ構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2007−107202(P2007−107202A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−297086(P2005−297086)
【出願日】平成17年10月12日(2005.10.12)
【出願人】(000161817)ケイコン株式会社 (37)
【Fターム(参考)】