説明

プログラム、情報記憶媒体、ゲーム装置及び移動玩具

【課題】キャラクタデータを反映させた移動玩具の動作制御を可能にするプログラム、情報記憶媒体、ゲーム装置及び移動玩具を提供すること。
【解決手段】ゲーム装置は、移動玩具(車両玩具)の動作を制御するためのデータである動作制御データを記憶する動作制御データ記憶部174(走行制御データ記憶部)と、移動玩具に対応づけられるキャラクタのキャラクタデータを設定するキャラクタデータ設定部118と、キャラクタデータを記憶するキャラクタデータ記憶部176と、キャラクタデータに基づき動作制御データの設定内容を変更する設定変更部130と、移動玩具の動作を制御するための動作制御データを、移動玩具に送信するための処理を行う送信処理部104を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報記憶媒体、ゲーム装置及び移動玩具等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数のコースパーツを連結することで構成されるコース上を走行させて楽しむ車両玩具(移動玩具)が知られている。このような車両玩具の従来例としては例えば特許文献1、2がある。
【0003】
特許文献1には、コース状態に応じて、所定のプログラムに基づく自動操縦と、遠隔コントローラによる手動操縦とを切り替えることができる車両玩具走行装置が開示されている。この車両玩具走行装置では、自動操縦用プログラムは、外部端末において事前に設定されて、人形を模した記憶装置に書き込まれる。そして、この記憶装置を車両玩具に接続することで、自動操縦用プログラムを車両玩具に転送する。
【0004】
また特許文献2には、ゲーム装置でゲームプレイすることで得られた制御情報を車両玩具に転送し、この制御情報に基づいて車両玩具の走行を制御する技術が開示されている。
【特許文献1】特開平6−269574号公報
【特許文献2】特開2000−210476号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1、2の従来技術では、画一的な制御情報により車両玩具の走行が制御されるだけであった。このため、車両玩具を用いたプレイが単調になってしまうという課題があった。また、繰り返し車両玩具を走行させた場合にも、車両玩具の走行に変化がないため、プレーヤに飽きられやすく、更に、車両玩具に対するプレーヤの思い入れも生じにくいという課題があった。
【0006】
また、車両玩具を用いたこれまでのホビーレーシングカーでは、パーツ交換によるラップタイムの向上に限界があると共に、どのパーツを交換すれば、ラップタイムの向上に効果的なのかを、プレーヤは、客観的に評価できなかった。このため、プレーヤにすぐに飽きられてしまうという課題があった。
【0007】
この点、特許文献2の従来技術では、プレーヤがゲーム装置でゲームプレイすることで得られた制御情報により、車両玩具を走行させることで、ゲームの面白味の幅を広げている。
【0008】
しかしながら、この特許文献2の従来技術では、実際のコースとゲーム上のコースはリンクしていなかった。また実際の車両玩具の走行特性とゲーム上の車の走行特性もリンクしていなかった。このため、ゲーム装置でのセッティングを車両玩具側に反映させたり、逆に車両玩具の実際の走行結果を、ゲーム装置側に反映させることができないという課題があった。
【0009】
また特許文献2の従来技術では、キャラクタデータを反映させた車両玩具の動作制御も行われていなかった。
【0010】
本発明の幾つかの態様によれば、キャラクタデータを反映させた移動玩具の動作制御を可能にするプログラム、情報記憶媒体、ゲーム装置及び移動玩具を提供できる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、移動玩具の動作を制御するためのデータである動作制御データを記憶する動作制御データ記憶部と、前記移動玩具に対応づけられるキャラクタのキャラクタデータを設定するキャラクタデータ設定部と、前記キャラクタデータを記憶するキャラクタデータ記憶部と、前記キャラクタデータに基づき前記動作制御データの設定内容を変更する設定変更部と、前記移動玩具の動作を制御するための前記動作制御データを、前記移動玩具に送信するための処理を行う送信処理部とを含むゲーム装置に関係する。また本発明は、上記各部としてコンピュータを機能させるプログラム、又は該プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に関係する。
【0012】
本発明によれば、移動玩具に対してキャラクタデータが対応づけられて設定される。そして、移動玩具に対応づけられたキャラクタデータに基づいて、移動玩具の動作を制御するためのデータである動作制御データの設定内容が変更される。そして、このように設定内容が変更された動作制御データが、移動玩具に送信されて、この動作制御データに基づいて移動玩具の動作が制御される。このようにすれば、キャラクタデータを反映させた移動玩具の動作制御が可能になり、これまでにない移動玩具の動作制御手法を提供できる。
【0013】
また本発明に係るゲーム装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記動作制御データ記憶部は、前記動作制御データとして、前記移動玩具の走行制御データを、前記コースの各コース区間に対応づけて記憶し、前記設定変更部は、前記コースの各コース区間に対応づけられた前記走行制御データを、前記キャラクタデータに基づき変更し、前記送信処理部は、前記移動玩具の走行を制御するための前記走行制御データを、前記移動玩具に送信するための処理を行ってもよい。
【0014】
このようにすれば、各コース区間での移動玩具の走行制御が、キャラクタデータ毎に異なるようになり、これまでにない移動玩具の動作制御手法を提供できる。
【0015】
また本発明に係るゲーム装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記動作制御データ記憶部は、前記走行制御データとして、前記移動玩具が有する原動機に供給される動力の大きさを設定する動力設定データを、前記コースの各コース区間に対応づけて記憶し、前記設定変更部は、前記コースの各コース区間に対応づけられた前記動力設定データを、前記キャラクタデータに基づき変更し、前記送信処理部は、前記移動玩具の走行を制御するための前記動力設定データを、前記移動玩具に送信するための処理を行ってもよい。
【0016】
このようにすれば、各コース区間での移動玩具の原動機への動力設定が、キャラクタデータ毎に異なるようになり、これまでにない移動玩具の動作制御手法を提供できる。
【0017】
また本発明に係るゲーム装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記設定変更部は、前記移動玩具の前記コースでの走行距離に応じて前記原動機に供給される動力が低くなる場合に、前記動力の減少率を、前記キャラクタデータに基づき異ならせてもよい。
【0018】
このようにすれば、キャラクタデータに応じて、走行距離に応じた動力の減少の度合いが変化するようになり、単調ではないリアルな移動玩具の走行を表現できる。
【0019】
また本発明に係るゲーム装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記動作制御データ記憶部は、前記走行制御データとして、前記移動玩具の加減速制御データを、前記コースの各コース区間に対応づけて記憶し、前記設定変更部は、前記コースの各コース区間に対応づけられた前記加減速制御データを、前記キャラクタデータに基づき変更し、前記送信処理部は、前記加減速制御データを、前記移動玩具に送信するための処理を行ってもよい。
【0020】
このようにすれば、キャラクタに応じて異なる加減速制御データが設定されて、移動玩具の走行が制御されるようになるため、キャラクタデータに応じて移動玩具の加減速特性を変化させることが可能になる。
【0021】
また本発明に係るゲーム装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記設定変更部は、前記動作制御データの設定内容を変更する処理として、前記キャラクタデータに応じた動作制御を前記移動玩具に指示する指示情報を、前記動作制御データに付加する処理を行い、前記送信処理部は、前記指示情報が付加された前記動作制御データを、前記移動玩具に送信するための処理を行ってもよい。
【0022】
このようにすれば、動作制御データに付加した指示情報を用いて、キャラクタデータに応じた動作制御を移動玩具に行わせることが可能になる。
【0023】
また本発明に係るゲーム装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記設定変更部は、前記指示情報として、前記キャラクタデータのパラメータ値を、前記動作制御データに付加する処理を行い、前記送信処理部は、前記キャラクタデータの前記パラメータ値が付加された前記動作制御データを、前記移動玩具に送信するための処理を行ってもよい。
【0024】
このようにすれば、動作制御データに付加したキャラクタデータのパラメータ値を用いて、キャラクタデータのパラメータ値に応じた動作制御を移動玩具に行わせることが可能になる。
【0025】
また本発明に係るゲーム装置、プログラム及び情報記憶媒体では、送信された前記動作制御データに基づき前記移動玩具が動作することで得られた実動作結果データを、前記移動玩具から受信するための処理を行う受信処理部と、受信した前記実動作結果データに基づいて、前記キャラクタデータのパラメータ値を変更する処理を行うパラメータ処理部を含んでもよい(当該受信処理部、パラメータ処理部としてコンピュータを機能させてもよい)。
【0026】
このようにすれば、移動玩具の実動作結果データを、キャラクタのパラメータ値に反映させることが可能になる。
【0027】
また本発明に係るゲーム装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記設定変更部は、前記パラメータ値が変更された前記キャラクタデータに基づいて、前記動作制御データの設定内容を変更してもよい。
【0028】
このようにすれば、移動玩具の実動作結果データをキャラクタのパラメータ値に反映させて、そのパラメータ値に基づいて、移動玩具の動作制御の内容を変化させることが可能になる。
【0029】
また本発明に係るゲーム装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記設定変更部は、前記動作制御データの設定内容を変更する処理として、変更された前記キャラクタデータの前記パラメータ値を、前記動作制御データに付加する処理を行ってもよい。
【0030】
このようにすれば、移動玩具の実動作結果が反映されたキャラクタデータのパラメータ値を動作制御データに付加して、移動玩具を制御することが可能になる。
【0031】
また本発明に係るゲーム装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記パラメータ処理部は、前記実動作結果データに基づいて、プレーヤのプレイ成績が高いと評価された場合に、前記キャラクタデータのパラメータ値を上昇させ、前記設定変更部は、前記キャラクタデータの前記パラメータ値が上昇した場合に、前記動作制御データの設定内容を優位な設定内容に変更してもよい
このようにすれば、プレーヤは、移動玩具の実走行において良い成績を収めると、それによってキャラクタデータのパラメータ値も上昇し、動作制御データも優位な設定になる。これにより、プレーヤは、更に良い成績を狙えるようになるため、プレーヤのモチベーションを向上させることができる。
【0032】
また本発明に係るゲーム装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記移動玩具に対応する仮想移動体を仮想空間内で動作させる動作シミュレーション処理を行うシミュレーション処理部と、前記動作シミュレーションの結果データに基づいて、前記キャラクタデータのパラメータ値を変更する処理を行うパラメータ処理部を含んでもよい(当該シミュレーション処理部、パラメータ処理部としてコンピュータを機能させてもよい)。
【0033】
このようにすれば、移動玩具に対応する仮想移動体の動作シミュレーション結果データを、キャラクタのパラメータ値に反映させることが可能になる。
【0034】
また本発明に係るゲーム装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記設定変更部は、前記パラメータ値が変更された前記キャラクタデータに基づいて、前記動作制御データの設定内容を変更してもよい。
【0035】
また本発明に係るゲーム装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記設定変更部は、前記動作制御データの設定内容を変更する処理として、変更された前記キャラクタデータの前記パラメータ値を、前記動作制御データに付加する処理を行ってもよい。
【0036】
このようにすれば、動作シミュレーション結果が反映されたキャラクタデータのパラメータ値を動作制御データに付加して、移動玩具を制御することが可能になる。
【0037】
このようにすれば、移動玩具に対応する仮想移動体の動作シミュレーション結果データを、キャラクタのパラメータ値に反映させて、そのパラメータ値に基づいて、移動玩具の動作制御の内容を変化させることが可能になる。
【0038】
また本発明に係るゲーム装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記パラメータ処理部は、前記動作シミュレーション結果データに基づいて、プレーヤのプレイ成績が高いと評価された場合に、前記キャラクタデータのパラメータ値を上昇させ、前記設定変更部は、前記キャラクタデータの前記パラメータ値が上昇した場合に、前記動作制御データの設定内容を優位な設定内容に変更してもよい。
【0039】
このようにすれば、プレーヤは、移動玩具の動作シミュレーションにおいて、良い成績を収めると、それによってキャラクタデータのパラメータ値も上昇し、動作制御データも優位な設定になる。これにより、動作シミュレーションでの成績向上の追求に関するプレーヤのモチベーションを向上させることが可能になる。
【0040】
また本発明に係るゲーム装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記キャラクタデータ設定部は、キャラクタ選択画面においてプレーヤにより選択されたキャラクタのデータを、前記移動玩具に対応づけられたキャラクタデータとして設定してもよい。
【0041】
このようにすれば、プレーヤが選択したキャラクタのデータを、移動玩具に対応づけて、そのキャラクタデータに基づいて移動玩具の動作制御を実行できるようになる。
【0042】
また本発明に係るゲーム装置、プログラム及び情報記憶媒体では、前記キャラクタデータ設定部は、外部記憶媒体からの情報に基づいてキャラクタ取得の条件が満たされたと判断した場合に、取得条件が満たされたキャラクタのデータを、前記移動玩具に対応づけられたキャラクタデータとして設定してもよい。
【0043】
このようにすれば、ゲーム装置と移動玩具をリンクさせるのみならず、ゲーム装置を介して、外部記憶媒体と移動玩具をリンクさせることが可能になる。
【0044】
また本発明は、ボディと、前記ボディに搭載され、移動玩具を移動させるための原動機と、移動玩具の制御を行う制御部と、前記移動玩具の動作を制御するためのデータである動作制御データを記憶する記憶部と、移動玩具に対応づけられるキャラクタのキャラクタデータに応じてその設定内容が変更される前記動作制御データを、外部のゲーム装置から受信するための外部インターフェース部とを含み、前記制御部は、キャラクタデータに応じてその設定内容が変更される前記動作制御データに基づいて、移動玩具の動作制御を行う移動玩具に関係する。
【0045】
本発明によれば、移動玩具に対してキャラクタデータが対応づけられて設定される。そして、キャラクタデータに応じてその設定内容が変更される動作制御データが、ゲーム装置から外部インターフェース部を介して受信され、受信された動作制御データに基づいて、移動玩具が制御される。このようにすれば、キャラクタデータを反映させた移動玩具の動作制御が可能になり、これまでにない動作制御手法で制御される移動玩具を提供できる。
【0046】
また本発明では、前記外部インターフェース部は、前記キャラクタデータのパラメータ値が付加された前記動作制御データを、前記ゲーム装置から受信し、前記制御部は、前記キャラクタデータの前記パラメータ値に応じた移動玩具の動作制御を行ってもよい。
【0047】
このようにすれば、キャラクタデータのパラメータ値に応じて移動玩具の動作制御が変化するようになり、移動玩具の多様な動作制御が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0049】
1.コース
図1(A)に、本実施形態の移動玩具の一例である車両玩具を走行させるコースの例を斜視図で示す。なお以下では移動玩具として、車の形状を模した車両玩具を例にとり説明するが、本実施形態の移動玩具はこれに限定されない。
【0050】
車両玩具10(広義には移動玩具)が走行するコース60は、図1(A)に示すように、直線形状、カーブ形状、スロープ形状等の各種形状の複数のコースパーツCP1〜CP16を連結することで構成される。具体的には、コース60は、第1の周回コース61と、この第1の周回コース61に後続するように配置される第2の周回コース62により構成される。第1の周回コース61は、コースパーツCP1〜CP8により構成される。第2の周回コース62は、コースパーツCP9〜CP16により構成され、第1の周回コース61と略同一のコース形状になっている。
【0051】
第1の周回コース61は、直線コースパーツCP1、カーブコースパーツCP2、スロープコースパーツCP3、カーブコースパーツCP4、スロープコースパーツCP5、カーブコースパーツCP6、直線コースパーツCP7、カーブコースパーツCP8を順に連結することで構成される。
【0052】
直線コースパーツCP1は、直線コースパーツCP7より長い直線形状のコースパーツであり、カーブコースパーツCP2に連結される。カーブコースパーツCP2は、ループ形状のコースパーツであり、スロープコースパーツCP3に連結される。スロープコースパーツCP3は、カーブコースパーツCP2及びCP10と立体交差するように、スロープ形状の架橋となって、後続のカーブコースパーツCP4に連結される。カーブコースパーツCP4は、緩やかなカーブコースであり、カーブコースパーツCP12と立体交差するように、スロープ形状の架橋となって、後続のスロープコースパーツCP5に連結される。スロープコースパーツCP5は、直線コースパーツCP1、CP9と立体交差するように、スロープ形状の架橋となって、後続のカーブコースパーツCP6に連結される。カーブコースパーツCP6は、カーブ形状のコースパーツであり、後続の直線コースパーツCP7に連結される。直線コースパーツCP7は、直線形状のコースパーツであり、後続のカーブコースパーツCP8に連結される。カーブコースパーツCP8は、ループ形状のコースパーツであり、後続の第2の周回コース62の導入コースとなる直線コースパーツCP9に連結される。なおコースパーツCP9〜CP16で構成される第2の周回コース62は、第1の周回コース61とほぼ同様の構成・形状になっているため、その説明を省略する。
【0053】
図1(B)に、図1(A)のA−Aに示す部分の断面図を示す。図1(B)に示すように、コース60の各部では、第1の周回コース61と第2の周回コース62が並列され、各周回コース61、62に対し両サイドに、それぞれ側壁63L、63R、64L、64Rが設けられている。そして、各周回コース61、62の略中央には、黒色のセンターラインCL1、CL2が設けられている。
【0054】
また本実施形態では、図1(A)に示すように、各コースパーツCP1〜CP16の連結部付近に、白色のマーカMC1〜MC16が設けられており、そのうち、直線コースブロックCP1の一端に設けられるマーカMC1がスタートライン(スタートエリア)となる。そして、マーカMC1をスタートラインとして走行開始した車両玩具10は、ゲーム装置(外部端末)から転送される走行制御データによって走行が制御されて、コース60上を反時計回りで走行する。そして、本実施形態では、これらのマーカMC1〜MC16でコース60を区切ることによって、コース区間CS1〜CS16が設定されている。即ち、コースパーツCP1〜CP16に対応して、コース区間CS1〜CS16が設定される。なお、本実施形態のコースは、図1(A)、図1(B)の形状に限定されず、種々の変形実施が可能である。
【0055】
2.車両玩具
図2に、本実施形態の移動玩具の一例である車両玩具10の外観斜視図を示す。本実施形態では、図2に示すように、車両玩具10のボディ12は、スポーツカー等の外形を模した外装部14と、前輪18と後輪20(接地部)が一対ずつ設けられるシャシ16とを含む。これらの前輪18および後輪20は、シャシ16に搭載されたモータ等の原動機によって駆動されて、車両玩具10を移動させる。
【0056】
図2に示すように、ボディ12の四隅には、ガイドローラ(プレート)21、22、23、24(24について図3参照)がそれぞれ設けられている。これらのガイドローラ21〜24は、コース60を走行中に図1(B)に示す側壁63L、63R、64L、64Rにヒットすることで、車両玩具10のコース60上での進行を円滑にすると共に、車両玩具10の走行の安定性を担保するための部材である。
【0057】
なお、本実施形態では、車両玩具10は、ボディ12(外装部14)がスポーツカーを模した形状になっているが、車両玩具10は、これに限らず様々な形態の自動車(例えば、トラック等)、或いは二輪車(例えば、バイク等)の外形を有していてもよい。また、本実施形態の移動玩具は、車両玩具に限定されず、例えば、競馬の競走馬等の動物や漫画等の各キャラクタを模した人形等をコースに沿って移動させるものにも適用可能である。
【0058】
図3は、本実施形態の車両玩具10の内部構成を示す平面図であり、ボディ12の外装部14を取り外した状態を示す。本実施形態では、車両玩具10は、前輪18(18L、18R)及び後輪20(20L、20R)をそれぞれ左右に一対ずつ有し、これら前輪18、後輪20を軸支する前輪用車軸(シャフト)26、後輪用車軸28に、シャシ16の後方側に搭載されるモータ30の駆動が伝達され、前輪18及び後輪20が回転駆動される四輪駆動車両玩具である。なお、所与の動力を供給して車両玩具10を走行移動させるための機械的エネルギーに変換する原動機は、モータ30に限定されず、例えば小型エンジン等の他の原動機であってもよい。
【0059】
後輪用車軸28には、後輪20を駆動させるための後輪駆動用ギア32が設けられ、当該後輪駆動用ギア32を介して、当該後輪用車軸28にモータ30の駆動が伝達される。また、後輪用車軸28には、前輪用車軸26にモータ30の駆動を伝達するための後輪側クラウンギア34が設けられており、前輪用車軸26に駆動を伝達するための駆動伝達軸36の端部に設けられる後輪側駆動伝達ギア38と噛合している。
【0060】
一方、前輪用車軸26には、駆動伝達軸36を介してモータ30の駆動を伝達するための前輪側クラウンギア40が設けられており、駆動伝達軸36の他端に設けられる前輪側駆動伝達ギア42と噛合している。このため、モータ30が駆動すると、モータ30の駆動が後輪駆動用ギア32、後輪側駆動伝達ギア38、駆動伝達軸36、前輪側駆動伝達ギア42、および前輪側クラウンギア40を介して伝達され、本実施形態の車両玩具10が四輪駆動となる。なお、本実施形態の車両玩具10のモータ30に所与の動力を供給して車両玩具10を走行させるための機械的エネルギーに変換する動力伝達機構は、図3の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
【0061】
また、前輪用車軸26は、シャシ16に対し軸部44を介して軸支される前輪軸支持部46に回転自在に支持されている。このため、前輪18は、前輪用車軸26を介して水平軸周りに回転可能とすることによって車両玩具10を走行させ、かつ軸部44で軸支される前輪軸支持部46を介して垂直軸周りに揺動可能とすることによって、車両玩具10の走行方向を変化させる。
【0062】
シャシ16の略中央には、モータ30に対して動力となる電力を供給する電源として乾電池48(動力源)が設置されている。乾電池48の設置場所は、シャシ16の略中央に限定されないが、重量を有する乾電池48をシャシ16の略中央に設置することによって、車両玩具10の重心が略中央に移動し、車両玩具10の走行動作が安定するようになるので、乾電池48の設置場所は、シャシ16の略中央に設置することが好ましい。なお、本実施形態では、電力供給源として乾電池48を設置する車両玩具10としているが、電力供給を充電式によるものとすることも可能である。
【0063】
更に、車両玩具10がコース60上に走行中にコース60と対向するボディ12の接地面側、すなわちシャシ16の裏面側の前方には、当該接地面側のコース60への対向を検知するセンサ50が設けられている。このセンサ50は、コース60に設けられた複数のマーカMC1〜MC16の各マーカを検知する。具体的には本実施形態では、センサ50は、検知対象の輝度(輝度情報)を検知する。そしてセンサ50からの検知結果(検知信号)に基づいて、シャシ16の裏面側となる接地面側が、コース60に対向しているか否かを検知する。
【0064】
具体的には、センサ50は、図1(B)に示すコース60の黒色のセンターラインCL1、CL2と対向するように配置され、検知対象(センターライン、マーカ等)の輝度(画像)を検知する。この場合に、コースの輝度であるセンターラインCL1、CLの輝度は、所与の基準輝度未満であり、白色マーカMC1〜MC16の輝度は、基準輝度以上になるように設定される。そして、車両玩具10が走行してコース60上に設けられているMC1〜MC16の各マーカを通過すると、センサ50の検知対象の輝度が基準輝度未満から基準輝度以上になったと判断されて、各マーカが検出される。一方、センサ50の検出対象の輝度が、所定判定時間以上、基準輝度未満であると判断されると、車両玩具10のジャンプ等により、シャシ16の裏面側、すなわち接地面側がコース60に対向しなくなったと判定される。このようにセンサ50がコース60のセンターラインCL1、CL2およびマーカMC1〜MC16を適宜読み取るためには、センサ50は、シャシ14の裏面側(接地面側)のうち、前輪18L、18R(広義には第1、第2の接地部)の間に配置されることが好ましい。
【0065】
本実施形態では、車両玩具10が通常通りコース60を走行している場合は、当該センサ50がコース60と対向するので、所与の間隔でコース60上に設けられている白色のマーカMC1〜MC16を読み取れる。一方、車両玩具10がジャンプしたり、コースアウト、転倒等した場合には、車両玩具10の接地面がコース60に対向しなくなるので、所定判定時間以上経過しても、マーカMC1〜MC16を読み取れなくなる。これによりジャンプ等を検出できる。
【0066】
なお、センサ50としては、例えば反射型のフォトセンサ(赤外線センサ)を用いることができる。この反射型のフォトセンサは、LED等の発光素子を有し、当該発光素子で発光した光を、検知対象で反射させて、その反射光を検知するセンサである。但しセンサ50は、反射型のフォトセンサには限定されず、距離センサ、バーコード読み取りセンサ、或いはCCD等の各種センサを用いることができる。
【0067】
また、車両玩具10のスタート後(レース開始後、原動機がオンになた後)に、常時、センサ50による検知対象の検知を実行するようにしてもよい。即ち、スタート後、常にセンサ50による検知を行い、得られた検知結果のデータを記憶部330に蓄積して行く。このとき、例えば検知結果のデータを記憶部330の図示しないリングバッファに格納すうようにしてもよい。この場合には、リングバッファの全ての格納領域に検知結果データが書き込まれると、その後は検知結果が上書きされることになるため、リングバッファに格納される検知結果データが所定時間毎に更新されるようになる。
【0068】
車両玩具10のボディ12(シャシ16)の後端側には、ブレーキランプ等として機能する発光素子52L、52Rが設けられており、車両玩具10の速度変化時(例えば減速時、加速時等)に点灯する。これにより、減速時のブレーキランプの点灯等を擬似的に表現できる。
【0069】
図4に、本実施形態の車両玩具(移動玩具)10の機能ブロック図の例を示す。車両玩具10のボディ12内には、車両玩具10の各構成要素を制御するための回路部品が実装された回路基板(システム基板)300が設けられている。この回路基板300は、図4に示すように、制御部310、記憶部330、発光素子駆動部340、駆動部350、センサコントローラ360、外部インターフェース(I/F)部370を含む。
【0070】
制御部310は、車両玩具10(移動玩具)の制御を行う。具体的には、記憶部330から読み出されたデータやプログラムなどに基づいて、車両玩具10全体の制御や、回路基板300の各構成要素(駆動部等)の制御を行う。本実施形態では、制御部310は、例えばセンサ50からの検知情報や、記憶部330に記憶されるデータ(走行制御データ、動力設定データ、電力設定データ)に基づいて、モータ(広義には原動機)30を駆動するための制御を行う。この制御部310の機能は、各種プロセッサ(CPU等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
【0071】
記憶部330は、各種プログラムやデータを記憶するものであり、その機能はRAMやROMなどにより実現できる。例えば制御部310は、記憶部330から読み出されたプログラムにより動作し、記憶部330をワーク領域として各種処理を行う。また外部のゲーム装置(外部端末)から受信した走行制御データなどの各種データは、記憶部330に保存される。なお、メモリーカードなどの携帯型情報記憶装置の装着が可能な移動玩具の場合には、当該携帯型情報記憶装置によって、記憶部330の一部の機能を実現してもよい。
【0072】
発光素子駆動部340は、LED等の発光素子52を駆動する。例えば本実施形態では、制御部310は、車両玩具10の減速制御時(ブレーキング時)に、発光素子52を発光させる制御を行う。具体的には、車両玩具10の減速時に、制御部310からの指示信号に基づいて、発光素子駆動部340が発光素子52を駆動して発光させ、ブレーキランプの点灯を疑似的に表現する。この場合の発光期間(減速期間)は、例えば後述する各コース区間の前半の第1の期間である。或いは、走行制御データに基づいて減速制御を行うと判断した場合、一定の期間だけ、発光素子52を発光させるようにしてもよい。
【0073】
駆動部350(モータ駆動部)は、制御部310の制御の下でモータ30を駆動する。例えばモータ30(原動機)は、車両玩具10(移動玩具)のボディ12に搭載され、所与の動力(電力)が供給されて車両玩具10を走行(移動)させる。駆動部350はこのモータ30を駆動する。
【0074】
例えば車両玩具10を走行させる場合には、駆動部350はモータ30をPWM駆動する。この場合のPWM駆動のデューティは、記憶部330から読み出された走行制御データ(動力設定データ、電力設定データ)により設定される。そして、車両玩具10の走行速度は、PWM駆動のデューティにより制御できる。また車両玩具10の加速制御を行う場合には、例えば高いデューティ(例えば100パーセント)に対応する電圧をモータ30に印加する。一方、減速制御を行う場合には、例えば通常走行時とは逆極性の電圧をモータ30に印加する。
【0075】
また本実施形態では、センサ50からの検知結果に基づいて、ボディ12の接地面側がコース60に所定の判定時間以上対向していないと判断された場合に、モータ30への電力(動力)の供給をオンからオフに切り替えて、モータ30を停止させる。即ちPWM駆動を停止して、モータ30の回転動作を停止させる。この場合に、モータ30の慣性による回転動作を、逆極性の電圧印加により十分に減速した後に、電力供給を停止してもよい。
【0076】
センサコントローラ360は、センサ50の制御等を行うコントローラである。具体的には、センサ50からの検知信号を受けて、検知信号に対応するデータを制御部310に出力する。例えばセンサ50が反射型のフォトセンサである場合には、センサ50は、LED等の発光素子により実現される投光部と、検知対象からの反射光を受光する受光部を有する。この場合にセンサコントローラ360は、発光素子を発光させたり、受光部からの検知信号を検出する処理などを行う。
【0077】
外部インターフェース(I/F)部370は、外部機器とのインターフェース処理を行うものである。具体的には、外部機器であるゲーム装置から走行制御データなどのデータを受信したり、ゲーム装置に対して実走行結果データなどのデータを送信する。
【0078】
この場合の外部I/F部370によるインターフェースは、RS232CやUSBなどの有線のインターフェースにより実現してもよいし、赤外線などの無線のインターフェースにより実現してもよい。例えば赤外線通信(IRDA)により、外部I/F部370のインターフェースを実現する場合には、車両玩具10の例えば裏面側に赤外線の受光センサを設ける。そしてゲーム装置側(ゲーム装置本体やゲーム装置に装着されるICカード)の発光素子からの赤外線を、この受光センサで検知することで、ゲーム装置からの走行制御データ(動作制御データ)等のデータを、車両玩具10にダウンロードする。また車両玩具10の例えば裏面側に赤外線の発光素子を設ける。そして、この発光素子からの赤外線を、ゲーム装置側の受光センサにより検知することで、車両玩具10の走行結果データ(動作結果データ)等のデータを、ゲーム装置にアップロードする。
【0079】
そして本実施形態では、記憶部330は、コース60での移動玩具(狭義には車両玩具10)の走行(広義には移動)を制御するためのデータである走行制御データ(広義には動作制御データ)を記憶する。この走行制御データは、移動玩具の各コース区間での速度等を設定するためのデータである。
【0080】
またセンサ50は、コース60に設けられた複数のマーカMC1〜MC16の各マーカを検知する。例えば移動玩具が各マーカの設置位置を通過した時に、その通過を検知し、移動玩具が、どのコース区間に位置するのかを検出する。
【0081】
そして記憶部330は、走行制御データとして、コース60の各コース区間において原動機(狭義にはモータ30)に供給される動力の大きさを設定する走行制御データ(動力設定データ)を、コース60の各コース区間に対応づけて記憶する。この走行制御データは、例えばモータ30に供給される電力(実効電圧)を設定するためのデータであり、具体的にはモータ30をPWM駆動する際のデューティを設定するためのデータである。
【0082】
制御部310は、センサ50からの検知情報に基づいて、コース60の第iのコース区間(iは自然数)から第i+1のコース区間に移動玩具が移動したと判断した場合に、第i+1のコース区間に対応づけられた第i+1の走行制御データ(第i+1の電力設定データ)と、第iのコース区間に対応づけられた第iの走行制御データ(第iの電力設定データ)との差分情報(差分値)に基づいて、移動玩具の減速制御及び加速制御の少なくとも一方を行う。この場合、例えば減速制御(急減速)のみを行ってもよいし、加速制御(急加速)のみを行ってもよい。或いは、減速制御及び加速制御の両方を行ってもよい。
【0083】
更に具体的には制御部310は、差分情報に基づき減速制御や加速制御を行うと判断した場合には、第i+1のコース区間における前半の第1の期間において、第i+1の走行制御データに対応する第i+1の速度に近づくように、移動玩具を減速したり、加速する制御を行う。例えば第iのコース区間での第iの速度から第i+1の速度に移動玩具を減速させたり、加速させる。そして第i+1のコース区間における後半の第2の期間において、移動玩具を第i+1の速度で走行させるための制御を行う。例えば定速の第i+1の速度で走行するように制御する。
【0084】
この場合に、減速制御や加速制御を行う第1の期間の長さを、差分情報に基づいて設定してもよい。例えば差分値が大きいほど第1の期間の長さを長くする。
【0085】
例えば原動機であるモータ30をPWM駆動する場合には、駆動部350は、第iのコース区間では、第iの走行制御データにより設定される第iのデューティでモータ30をPWM駆動し、第i+1のコース区間では、第i+1の走行制御データにより設定される第i+1のデューティでモータ30をPWM駆動する。
【0086】
更に具体的には、駆動部350は、差分情報に基づき減速制御を行うと判断された場合には、第i+1のコース区間における前半の第1の期間において、通常走行時の電圧とは逆極性の電圧をモータ30に印加する。例えば通常走行時に正の電圧を印加する場合には、減速時には負の電圧を印加して、モータ30の回転にブレーキングをかける。そして駆動部350は、後半の第2の期間において、第i+1のデューティでモータ30をPWM駆動する。これにより移動玩具を、減速し、その後に第i+1のデューティで設定される速度で定速走行させることが可能になる。
【0087】
また駆動部350は、差分情報に基づき加速制御を行うと判断された場合には、第i+1のコース区間における前半の第1の期間において、第i+1のデューティよりも高いデューティに対応する電圧をモータ30に印加する。例えばデューティ=100パーセントに対応する正極性の電圧をモータ30に印加する。一方、後半の第2の期間において、第i+1のデューティでモータ30をPWM駆動する。これにより移動玩具を、加速し、その後に第i+1のデューティで設定される速度で定速走行させることが可能になる。
【0088】
また駆動部350は、第iのデューティと第i+1のデューティとの差分(絶対値)が大きくなればなるほど長くなるように、第1の期間の長さを設定する。そして設定された第1の期間において移動玩具の減速制御又は加速制御を行う。このようにすれば、差分が大きくなればなるほど、移動玩具が十分に減速又は加速されるようになる。
【0089】
また本実施形態では、外部I/F部370は、移動玩具に対応づけられたキャラクタデータに応じてその設定内容が変更される動作制御データ(走行制御データ)を、外部のゲーム装置(外部端末)から受信する。そして制御部310は、キャラクタデータに応じてその設定内容が変更される動作制御データに基づいて、移動玩具の動作制御を行う。更に具体的には、外部I/F部370は、キャラクタデータのパラメータ値(最高速度、最低速度、加速度、減速度、制動力、反応速度等)が付加された動作制御データをゲーム装置から受信する。そして制御部310は、このパラメータ値に応じた移動玩具の動作制御を行う。即ちキャラクタデータのパラメータ値に応じて異なる動作制御を行う。
【0090】
3.ゲーム装置
図5に、本実施形態のゲーム装置(画像生成装置)の外観図を示す。ここではゲーム装置の一例として携帯型ゲーム装置を示している。なお本実施形態のゲーム装置は、このような携帯型ゲーム装置には限定されず、例えば携帯型ゲーム装置以外のゲーム装置や、ゲームプログラムの実行が可能な携帯型情報端末や携帯電話機などの種々のゲーム装置に適用できる。
【0091】
図5のゲーム装置は、タッチパネル型の表示部190と、通常の表示部191を有する。また操作部として機能する方向指示キー(十字キー)400、操作ボタン402や、音出力部として機能するスピーカ404、406を有する。また情報記憶媒体として機能するICカード410(ゲームカード、ゲームカートリッジ)が着脱自在に装着されるカードスロット412を有する。このICカード410には、ゲームプログラム(ゲームデータ)が記憶される。なおスタイラスペン420は、タッチパネル型の表示部190へのタッチ操作を、プレーヤ(ユーザ)の指の代わりに行うためのものである。
【0092】
表示部190、191には種々の画像(メニュー画面、シミュレーション画像、ゲーム画像)が表示される。これらの表示部190、表示部191は、TFTなどのカラー液晶ディスプレイにより構成できる。そしてタッチパネル型の表示部190では、カラー液晶ディスプレイの上面(或いは下面)にタッチパネルが一体的に形成されており、これによりタッチ操作による操作入力が可能になる。
【0093】
例えばタッチパネル型の表示部190には、後述する走行制御データ(動作制御データ)の設定画面が表示される。また表示部191には、シミュレーション画像(ゲーム画像)が表示される。具体的には、コース60に対応する仮想コース430(コース60を模した仮想空間内のコース)が表示される。また車両玩具10に対応する仮想移動体440(車両玩具を模した移動オブジェクト)が表示され、仮想移動体440が仮想コース430で走行する様子が表示される。なお、これらの仮想移動体440、仮想コース430は、表示部に表示されるオブジェクトであってもよいし、非表示のオブジェクトであってもよい。
【0094】
図6に本実施形態のゲーム装置の機能ブロック図の例を示す。なお本実施形態のゲーム装置は図6の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0095】
操作部160は、プレーヤが操作データを入力するためのものであり、その機能は、方向指示キー、操作ボタン、或いはジョイスティックなどにより実現できる。
【0096】
記憶部170は、処理部100や通信部196などのワーク領域となるもので、その機能はRAM(DRAM、VRAM)などにより実現できる。この記憶部170は、走行特性データ記憶部172、コースデータ記憶部173、走行制御データ記憶部174、キャラクタデータ記憶部176、描画バッファ178を含む。
【0097】
走行特性データ記憶部172(広義には動作特性データ記憶部)は走行特性データ(広義には動作特性データ)を記憶する。この走行特性データ(動作特性データ)は、移動玩具の動作特性(走行特性、動き特性、モーション特性)に基づき設定されたデータである。具体的には、コース上を移動する移動玩具の走行特性(加速特性、ブレーキング特性、コーナリング特性等)に基づき設定されたデータである。
【0098】
コースデータ記憶部173はコースデータ(コース特性データ)を記憶する。このコースデータは、移動玩具が移動するコースのコース特性(コース長、コース幅、コーナー曲率等)に基づき設定されたデータである。
【0099】
走行制御データ記憶部174(広義には動作制御データ記憶部)は走行制御データ(動作制御データ)を記憶する。この走行制御データ(動作制御データ)は、移動玩具の走行(動き、モーション等の動作)を制御するためのデータである。具体的には、コースでの移動玩具の走行(速度、加速度、旋回等)を制御するためのデータである。
【0100】
キャラクタデータ記憶部176はキャラクタデータ(パイロットデータ、ドライバデータ)を記憶する。ここで、キャラクタは、移動玩具を擬似的(仮想的)に操作(搭乗)するものとして、仮想的に設定されるものである。例えばゲームにおいては、ゲーム空間を走行する車のドライバとして、仮想的なキャラクタが設定される。本実施形態では、このようなキャラクタの概念を、移動玩具に対しても拡張している。即ち、実在しないドライバが、あたかも移動玩具を操縦しているかのような仮想現実をプレーヤに体感させるために、本実施形態ではこのようなキャラクタデータを用意する。このキャラクタデータの実体は、例えばキャラクタ名などのキャラクタ識別情報や、キャラクタの能力或いはステータス等を表す各種パラメータである。このパラメータとしては、例えばキャラクタ(プレーヤ)の経験値、技術(技量)、耐久力(体力)、判断力、反射神経、或いは運動能力などを数値的に表す能力パラメータやステータスパラメータがある。またキャラクタデータに基づいて移動玩具の走行制御を行う場合、ドライバであるキャラクタの走行に関連するパラメータとして、最高速度、最低速度、加速度、減速度、制動力(ブレーキ)、或いは反応速度などのパラメータを考えることができる。
【0101】
情報記憶媒体180(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、ICカード(メモリーカード)、光ディスク(CD、DVD)、HDD(ハードディスクドライブ)、或いはメモリ(ROM)などにより実現できる。処理部100は、情報記憶媒体180に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。即ち情報記憶媒体180には、本実施形態の各部としてコンピュータ(操作部、処理部、記憶部、出力部を備える装置)を機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)が記憶される。
【0102】
タッチパネル型の表示部190は、プレーヤ(ユーザ)が種々の操作を行ったり、本実施形態により生成された画像を表示するためのものであり、例えば、LCD、有機ELなどのディスプレイと、それに一体的に形成されたタッチパネルなどにより実現できる。タッチパネル方式としては、抵抗膜方式(4線式、5線式)、静電容量結合方式、超音波表面弾性波方式、赤外線走査方式などがある。
【0103】
表示部191は、本実施形態により生成された画像を表示するためのものであり、例えばLCD、有機ELなどのディスプレイにより実現できる。なお表示部191としてタッチパネル型のディスプレイを用いてもよい。
【0104】
音出力部192は、本実施形態により生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォン端子などにより実現できる。
【0105】
補助記憶装置194(補助メモリ、2次メモリ)は、記憶部170の容量を補うために使用される記憶装置であり、SDメモリーカード、マルチメディアカードなどのICカードにより実現できる。この補助記憶装置194は脱着自在になっているが、内蔵されるものであってもよい。この補助記憶装置194は、ゲームの途中結果などのセーブデータや、プレーヤ(ユーザ)の個人的な画像データや音楽データなどを保存するために使用される。
【0106】
通信部196は、有線や無線の通信網(ネットワーク)を介して外部(例えば移動玩具、サーバ、他のゲーム装置等)との間で通信を行うものであり、その機能は、通信用ASIC又は通信用プロセッサなどのハードウェアや、通信用ファームウェアにより実現できる。
【0107】
例えばゲーム装置と移動玩具との間でデータの送受信を行う場合には、通信部196の機能は、RS232CやUSBなどの規格にしたがってデータ転送を行う転送コントローラにより実現できる。この場合に、この転送コントローラを、図5のICカード410に内蔵させてもよい。またICカード410に、カードなどの外部情報記憶媒体の情報を読み取るバーコードリーダ等のコントローラを更に内蔵させてもよい。またゲーム装置と移動玩具との間で、通信部196により無線(例えば赤外線通信)によりデータを送受信するようにしてもよい。或いは、USBメモリなどの携帯型記憶装置を用いて、ゲーム装置と移動玩具との間でデータを送受信してもよい。
【0108】
なお本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(データ)は、サーバ(ホスト装置)が有する情報記憶媒体からネットワーク及び通信部196を介して情報記憶媒体180(あるいは記憶部170、補助記憶装置194)に配信してもよい。このようなサーバ(ホスト装置)による情報記憶媒体の使用も本発明の範囲内に含めることができる。
【0109】
処理部100(プロセッサ)は、操作部160からの操作データやプログラムなどに基づいて、ゲーム処理(シミュレーション処理)、画像生成処理、或いは音生成処理などを行う。この場合のゲーム処理としては、ゲームの内容やゲームモードを決定する処理、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理、ゲームを進行させる処理、或いはゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理などがある。この処理部100の機能は、各種プロセッサ(CPU、GPU等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
【0110】
処理部100は、シミュレーション処理部102、送信処理部104、受信処理部106、認証処理部108、比較処理部110、表示制御部112、成績評価部114、アップロード処理部116、キャラクタデータ設定部118、パラメータ処理部120、解除条件設定部122、解除条件判断部124、設定変更部130を含む。なおこれらの一部の構成要素(例えば認証処理部、比較処理部、解除条件設定部、解除条件判断部等)を省略する構成としてもよい。
【0111】
シミュレーション処理部102は、移動玩具に対応する仮想移動体を仮想空間内(シミュレーション空間内)で動作(走行、モーション)させるシミュレーション(走行シミュレーション、動作シミュレーション)を行う。例えばコースに対応する仮想コース上で仮想移動体を走行させるシミュレーション処理を行ったり、仮想移動体のモーション(動き)を変化させるシミュレーション処理を行う。
【0112】
具体的にはシミュレーション処理部102は、移動玩具に対応して設けられ動作特性データに基づきその動作特性が設定される仮想移動体を、仮想空間内において、動作制御データにしたがって動作(仮想動作)させるシミュレーションを行う。そして、動作シミュレーションの結果データを生成する。更に具体的にはシミュレーション処理部102は、移動玩具に対応して設けられ走行特性データに基づきその走行特性が設定される仮想移動体を、コースに対応して設けられコースデータに基づきそのコース特性が設定される仮想空間内の仮想コースにおいて、走行制御データにしたがって走行(仮想走行)させるシミュレーション処理を行う。そして、走行シミュレーションの結果データを生成する。
【0113】
この場合のシミュレーション処理は、通常のレーシングゲーム等と同様に、仮想移動体の移動情報(位置、回転角度、速度、或いは加速度)を、1フレーム(1/60秒)毎に順次求める走行シミュレーション処理を行うことで実現してもよい。或いは、通常の格闘技ゲーム等と同様に、仮想移動体の動作情報(パーツオブジェクトの位置、或いは回転角度)を、1フレーム毎に順次求める動作シミュレーション処理を行うことで実現してもよい。
【0114】
例えば走行シミュレーションの場合には、仮想移動体の加速性能、最高速性能、ブレーキング性能、或いはコーナリング性能等を、走行特性データにより設定する。また、コースデータを、通常のレーシングゲームと同様の手法により設定する。例えばコースに沿って設定された複数のサンプリングポイントの各サンプリングポイントに対して、コース幅やコース方向などを対応づけたコースデータを用意する。そしてこのコースデータを用いて、移動玩具が走行する実際のコース(例えば、基本コースや店舗の特設コース等)に対応した仮想コースを、仮想空間(ゲーム空間)内に構築する。そして、レーシングゲームで一般的に使用される自動走行アルゴリズムにより、仮想移動体を仮想コース内で走行させるシミュレーション処理を行う。そして必要であれば、図5に示すように、仮想移動体440が仮想コース430上で走行する様子を、表示部191に表示する。
【0115】
或いは、このような仮想移動体のリアルタイムなシミュレーション走行処理は行わずに、動作特性データや動作制御データを入力データとし、動作シミュレーション結果データを出力データとするテーブルデータを用いて、シミュレーション処理を実現してもよい。具体的には、走行特性データやコースデータや走行制御データを入力データとし、ラップタイムなどの走行シミュレーション結果データを出力データとするテーブルデータを用いて、シミュレーション処理を実現する。
【0116】
このテーブルデータは、記憶部170の図示しないテーブルデータ記憶部に記憶される。そしてシミュレーション処理部102は、このテーブルデータを用いて、シミュレーション処理を実行する。この場合のテーブルデータは、例えば移動玩具のメーカが、移動玩具を実際に動作させたり、移動玩具を実際のコースで走行させることで、様々な条件のテーブルデータを用意する。例えば、同じコースで同じ種類(車種)の移動玩具であっても、移動玩具に装着されるパーツが異なる場合には、異なったシミュレーション結果データになるように、複数のテーブルデータの各テーブルデータを作成する。そして、作成したテーブルデータを、ゲームソフトのデータとして情報記憶媒体180に格納したり、ネットワーク、通信部196を介して外部からダウンロードできるようにする。
【0117】
送信処理部104は、移動玩具に対してデータを送信するための処理を行う。例えば送信するデータを記憶部170に用意したり、データの送信を通信部196に指示する。具体的には、送信処理部104は、動作制御データを移動玩具に送信するための処理を行う。例えば動作制御データとして走行制御データを送信する。更に具体的には、コースの各コース区間に対応づけられた走行制御データ(動力設定データ、電力設定データ)を送信する。或いは走行制御データとして、コースデータ取得用の走行制御データを移動玩具に送信してもよい。
【0118】
受信処理部106は、移動玩具からのデータを受信するための処理を行う。例えばデータの受信を通信部196に指示したり、受信したデータを記憶部170に保存する。具体的には、受信処理部106は、送信処理部104により送信された動作制御データに基づき移動玩具が動作することで得られた実動作結果データを、移動玩具から受信するための処理を行う。更に具体的には、送信処理部104により送信された走行制御データに基づき移動玩具がコースを走行することで得られた実走行結果データを、移動玩具から受信するための処理を行う。この場合に、コースの各コース区間での移動玩具の実走行ラップタイムデータを、実走行結果データとして受信してもよいし、コースの各コース区間での移動玩具の実加減速データを、実走行結果データとして受信してもよい。或いは、送信されたコースデータ取得用走行制御データに基づき移動玩具がコースを走行することで得られたコースデータ取得用の実走行結果データを、受信してもよい。
【0119】
認証処理部108は、移動玩具から受信したデータの認証処理を行う。例えば受信した実走行結果データ(広義には実動作結果データ)が正当なデータ(アップロード等が許可されるデータ)であるか否かを認証する。具体的には、移動玩具がコースのスタート地点からスタートしてコースのゴール地点を通過したと判定された場合に、実走行結果データが正当なデータであると判断する。例えば、スタート地点に対応するコース区間とゴール地点に対応するコース区間を移動玩具が通過したと、センサからの検知情報に基づき判断された場合に、その走行により得られた実走行結果データが正当なデータであると判断する。この場合に、コースの全てのコース区間(マーカ)を通過(検知)したことを条件に、その実走行結果データが正当なデータであると判断してもよい。或いは、移動玩具がコースでジャンプして、センサによる検出が読み飛ばされることを考慮し、100パーセントよりも小さい一定の割合(例えば90パーセント)以上のコース区間(マーカ)を通過(検知)したことを条件に、正当なデータであると判断してもよい。
【0120】
比較処理部110は、データの比較処理を行う。例えば、受信処理部106により受信された実走行結果データ(実動作結果データ)と、シミュレーション処理部102でのシミュレーション処理により得られた走行シミュレーション結果データ(動作シミュレーション結果データ)との比較処理を行う。この場合の比較処理としては、例えば各コース区間での実走行ラップタイムと、そのコース区間でのシミュレーションラップタイムを比較し、その差分を求める処理などがある。或いは、各コース区間での実加減速データと、そのコース区間でのシミュレーション加減速データの比較処理を行ってもよい。そして、このような比較処理を行うことで、実走行結果を向上させるのに必要なパーツを特定する。そして表示制御部112は、この比較処理での比較結果に基づいて、移動玩具のパーツ変更のアドバイス画面(変更パーツ表示画面)を表示する制御を行う。
【0121】
表示制御部112は、表示部190、191の表示制御を行う。例えば処理部100で行われる種々の処理(シミュレーション処理、ゲーム処理)の結果に基づいて、描画バッファ178への画像の描画処理を行い、これにより画像(例えば図5の走行制御データ設定画面の画像、シミュレーション画像)を生成し、生成された画像を表示部190、191に表示する。この場合に、生成する画像は、いわゆる2次元画像であってもよいし、3次元画像であってもよい。そして3次元画像を生成する場合には、まず、座標変換(ワールド座標変換、カメラ座標変換)、クリッピング処理、或いは透視変換等のジオメトリ処理が行われ、その処理結果に基づいて、描画データ(プリミティブ面の頂点の位置座標、テクスチャ座標、色データ、法線ベクトル或いはα値等)が作成される。そして、この描画データ(プリミティブ面データ)に基づいて、透視変換後(ジオメトリ処理後)のオブジェクト(1又は複数プリミティブ面)を描画バッファ178(フレームバッファ、中間バッファなどのピクセル単位で画像情報を記憶できるバッファ。VRAM)に描画する。これにより、仮想空間(オブジェクト空間)内において仮想カメラ(所与の視点)から見える画像が生成される。
【0122】
そして本実施形態では表示制御部112は、実動作結果データを表示部に表示する制御を行う。具体的には、実走行結果データを、コースの各コース区間に対応づけて表示する制御を行う。更に具体的には、実走行結果データであるラップタイムデータや加減速データを、コースの各コース区間に対応づけて表示する。或いは、シミュレーション処理により得られた走行シミュレーション結果データ(動作シミュレーション結果データ)に対して、実走行結果データ(実動作結果データ)を関連づけて表示してもよい。
【0123】
成績評価部114(成績演算部)は、プレーヤのプレイ成績(走行成績、得点、ポイント、勝敗等)の評価処理(演算処理)を行う。例えば、受信した実走行結果データ(実動作結果データ)に基づいて、移動玩具についてのプレーヤのプレイ成績(ラップタイム等の実走行結果、得点等の実動作結果)を評価する。或いはプレーヤのゲームプレイのプレイ成績を評価してもよい。
【0124】
アップロード処理部116は、データのアップロード処理を行う。具体的には、通信部196及びネットワークを介して、プレーヤの実走行結果データ(実動作結果データ)などのプレイ成績を、外部のサーバ等にアップロードする処理を行う。これにより、サーバの管理の下で、プレーヤの実走行結果データのランキング表示などが可能になる。この場合に、受信した実走行結果データが正当なデータであると認証処理部108により判断された場合に、正当なデータであると判断された実走行結果データを、ネットワークを介してアップロードしてもよい。即ち正当な実走行結果データについてはアップロードを許可し、不正な実走行結果データについてはアップロードを許可しないようにする。
【0125】
キャラクタデータ設定部118はキャラクタデータの設定処理(取得処理、選択処理)を行う。例えば、移動玩具に対応づけられるキャラクタのキャラクタデータ(識別情報、パラメータ)を設定する。即ち移動玩具を擬似的に操作するものとして想定されるキャラクタのデータを取得(選択)して、キャラクタデータ記憶部176に設定(格納)する。
【0126】
更に具体的にはキャラクタデータ設定部118は、キャラクタ選択画面においてプレーヤにより選択されたキャラクタのデータを、移動玩具に対応づけられたキャラクタデータとして設定する。即ち、複数のキャラクタが表示されるキャラクタ選択画面において、プレーヤが所望のキャラクタを設定すると、そのキャラクタのデータが、移動玩具用のキャラクタとして関連づけられる。或いは、外部記憶媒体(例えばカードなどの印刷物や、データを電子的に記憶する記憶装置)からの情報(例えばキャラクタデータそのもの、或いはゲーム装置内に記憶されているキャラクタデータの使用を許可するデータ)に基づいて、キャラクタ取得の条件(キャラクタの使用許可条件)が満たされたと判断した場合に、取得条件が満たされたキャラクタのデータを、移動玩具に対応づけられたキャラクタデータとして設定してもよい。
【0127】
パラメータ処理部120は、キャラクタデータのパラメータ値に対する種々の処理を行う。具体的には、受信処理部106により受信された実動作結果データに基づいて、キャラクタデータのパラメータ値を変更する処理を行う。そして設定変更部130は、パラメータ値が変更されたキャラクタデータに基づいて、動作制御データの設定内容を変更する。更に具体的には、パラメータ処理部120は、実動作結果データに基づいて、プレーヤのプレイ成績が高いと評価された場合に、キャラクタデータのパラメータ値を上昇させる。例えば、プレーヤのプレイ成績が、判定基準となるプレイ成績よりも高いと、成績評価部114により評価された場合に、キャラクタデータのパラメータ値(例えば経験値、技術等のパラメータ値)を上昇させる。設定変更部130は、キャラクタデータのパラメータ値が上昇した場合に、動作制御データの設定内容を優位な設定内容に変更する。即ちパラメータ値が上昇する前の動作制御データよりも、移動玩具の動作結果(走行結果)が優位になるように、動作制御データを変更する。
【0128】
或いはパラメータ処理部120は、シミュレーション処理部102での動作シミュレーション結果データに基づいて、キャラクタデータのパラメータ値を変更する処理を行う。そして設定変更部130は、パラメータ値が変更されたキャラクタデータに基づいて、動作制御データの設定内容を変更する。更に具体的には、パラメータ処理部120は、シミュレーション結果データに基づいて、プレーヤのシミュレーションでのプレイ成績が高いと評価された場合に、キャラクタデータのパラメータ値を上昇させる。設定変更部130は、キャラクタデータのパラメータ値が上昇した場合に、動作制御データの設定内容を優位な設定内容に変更する。
【0129】
解除条件設定部122は、移動玩具の動作リミット(速度リミット、加速度リミット、ブレーキ性能リミット等)の解除条件を設定する処理を行う。この場合に、プレーヤが使用する移動玩具の種類に応じて、解除条件の設定を変更してもよい。例えば第1の種類の移動玩具が使用された場合には、その移動玩具の解除条件として第1の解除条件を設定し、第2の種類の移動玩具が使用された場合には、その移動玩具の解除条件として第2の解除条件を設定する。或いは、解除条件設定部122は、移動玩具の解除条件として複数の解除条件を設定してもよい。この場合には設定変更部130は、複数の解除条件のうちの第1の解除条件が満たされたと判断された場合には、移動玩具の第1の動作リミットを解除する。一方、第2の解除条件が満たされたと判断された場合には、移動玩具の第2の動作リミットを解除する。そして第2の動作リミットにより設定されるリミット値は、第1の動作リミットにより設定されるリミット値よりも高くなっている。
【0130】
解除条件判断部124は、移動玩具の動作リミットの解除条件が満たされたか否かの判断処理を行う。設定変更部130は、解除条件が満たされたと判断された場合に、移動玩具の動作リミットが解除されるように、動作制御データの設定内容を変更する。そして送信処理部104は、このように動作リミットが解除された動作制御データを、移動玩具に送信するための処理を行う。なお解除条件判断部124は、移動玩具から受信した実動作結果データに基づいて、動作リミットの解除条件が満たされたか否かを判断してもよい。例えば移動玩具の走行距離が所与の距離を超えた場合、移動玩具の走行回数が所与の回数を超えた場合、移動玩具のコース周回回数が所与の回数を超えた場合、移動玩具の走行速度(最高速)が所与の速度を超えた場合、移動玩具のラップタイムが所与のタイムよりも短くなった場合の少なくとも1つの場合に、動作リミットの解除条件が満たされたと判断する。或いはパラメータ処理部120がプレーヤのプレイ成績の評価結果に基づいてキャラクタデータのパラメータ値の演算処理を行った場合に、解除条件判断部124は、演算処理が行われたキャラクタデータのパラメータ値に基づいて、動作リミットの解除条件が満たされたか否かを判断してもよい。或いは、プレーヤがゲームプレイにより所与のアイテムを取得した場合(アイテムデータに対してプレーヤの取得フラグが設定された場合)に、動作リミットの解除条件が満たされたと判断してもよい。
【0131】
設定変更部130は、種々の設定の変更処理を行う。例えば、移動玩具に対応づけられたキャラクタデータに基づき、動作制御データの設定内容を変更する処理を行う。この場合の動作制御データの設定内容の変更処理としては、例えば、キャラクタデータに応じて、動作制御データのデータ値自体を増加させたり減少させる処理がある。或いは、キャラクタデータに応じた動作制御を移動玩具に指示する指示情報(コマンド、パラメータ値等)を、動作制御データに付加する処理(動作制御データに含ませる処理)であってもよい。この場合には、この指示情報を受信した移動玩具側が、その指示情報に応じた移動玩具の動作制御を行う。例えば動作制御データに付加する指示情報としては、キャラクタデータのパラメータ値などがある。この場合には、移動玩具側は、キャラクタデータのパラメータ値に応じた移動玩具の動作制御を行う。
【0132】
また、例えば、動作制御データとして、移動玩具の走行制御データが、コースの各コース区間に対応づけて記憶されていたとする。この場合には、設定変更部130は、コースの各コース区間に対応づけられた走行制御データの設定内容(データ値)を、キャラクタデータに基づき変更する。
【0133】
また走行制御データとして、移動玩具が有する原動機に供給される動力(電力)の大きさを設定する動力設定データが、コースの各コース区間に対応づけて記憶されていたとする。この場合には、設定変更部130は、コースの各コース区間に対応づけられた動力設定データを、キャラクタデータに基づき変更する。この時、移動玩具のコースでの走行距離に応じて原動機に供給される動力が低くなる場合には、この動力設定データの減少率(低下率)を、キャラクタデータに基づき異ならせてもよい。
【0134】
また走行制御データとして、移動玩具の加減速制御データ(移動玩具の加速又は減速を制御するデータ)が、コースの各コース区間に対応づけて記憶されていたとする。この場合には、設定変更部130は、コースの各コース区間に対応づけられた加減速制御データを、キャラクタデータに基づき変更する。
【0135】
なお、シミュレーション処理部102でのシミュレーション処理の結果に基づいて、新キャラクタの発生イベントが起きたとする。例えばシミュレーション処理でのプレーヤのプレイ成績が、一定の基準を満たした場合に、その報償として、プレーヤが今までは選択できなかったキャラクタを発生させて、キャラクタ選択画面において選択できるようにする。この場合には、その発生した新キャラクタのキャラクタデータに基づいて、動作制御データの設定内容を変更してもよい。即ち新キャラクタが発生したことを条件に、動作制御データを、キャラクタ発生前よりも優位な設定内容に変更してもよい。
【0136】
また設定変更部130は、移動玩具のパーツ変更に対応して走行特性データ(動作特性データ)の設定内容を変更する処理を行ってよい。例えばプレーヤが、自身が所有する移動玩具のモータ、タイヤ等のパーツを変更し、パーツの選択画面等において、その変更を入力(登録)すると、設定変更部130は、それに応じて走行特性データの設定内容(走行シミュレーションのアルゴリズムのパラメータや、使用するテーブルデータ等)を変更する。そしてシミュレーション処理部102は、変更後の走行特性データに基づいて、仮想移動体を仮想コースで走行させるシミュレーション処理を行う。
【0137】
具体的には設定変更部130は、移動玩具が有する原動機(モータ、エンジン)の変更に対応して、走行特性データのうちの加速特性データ(馬力、トルクのデータ)を変更する。例えば、プレーヤが移動玩具の原動機を別の種類の原動機に取り替えた場合には、それに応じて仮想移動体の加速特性(馬力、トルク)も変更する。そしてシミュレーション処理部102は、変更後の加速特性データに基づきその加速特性が設定される仮想移動体を、仮想コースで走行(疑似走行、仮想走行)させるシミュレーション処理を行う。また設定変更部130は、移動玩具が有するタイヤの変更に対応して、走行特性データのうちのコーナリング特性データ(グリップ能力、旋回能力のデータ)を変更する。例えば、プレーヤが移動玩具のタイヤを別の種類のタイヤに取り替えた場合には、それに応じて仮想移動体のコーナリング特性も変更する。そしてシミュレーション処理部102は、変更後のコーナリング特性データに基づきそのコーナリング特性が設定される仮想移動体を、仮想コースで走行させるシミュレーション処理を行う。
【0138】
4.本実施形態の手法
4.1 走行制御データの設定
次に本実施形態の手法について説明する。まず走行制御データ(広義には動作制御データ)の設定手法について説明する。
【0139】
なお、以下では、コース上での移動玩具の走行を、走行制御データに基づいて制御する場合を主に例にとり説明するが、本実施形態の手法は、このような走行の制御には限定されない。例えば移動玩具の手足、体の動きや、パーツの動作等を制御する場合にも、本実施形態の手法は適用できる。この場合には、ゲーム装置から移動玩具に対して、移動玩具の手足、体の動きやパーツの動作を制御するための動作制御データを送信し、移動玩具側は、この動作制御データに基づいて、手足、体の動きやパーツの動作を制御することになる。
【0140】
図7に走行制御データの設定画面の例を示す。この設定画面は、図5に示すようにタッチパネル型の表示部190に表示され、プレーヤは、この設定画面において、図1(A)のコース60の各コース区間CS1〜CS16での走行制御データを設定する。
【0141】
例えば、走行制御データの雛形データ(メーカ側が用意するデフォルトの走行制御データ)が存在する場合や、過去に設定して保存した走行制御データが存在する場合には、図7のJ1に示すアイコンを、タッチパネル型表示部190へのタッチ操作により選択して、そのセッティング内容を読み出す。また走行制御データの設定が完了した場合には、J2に示すアイコンを選択して、そのセッティング内容を保存する。また走行制御データを車両玩具10に送信(ダウンロード)する場合には、J3に示すアイコンを選択する。一方、実走行結果データ(実動作結果データ)等を車両玩具10から受信(アップロード)する場合には、H1に示すアイコンを選択する。
【0142】
また、コース選択画面を表示して、コースを選択する場合には、H2に示すアイコンを選択し、コースの周回数を設定する場合には、H3に示すアイコンを選択する。また、キャラクタ選択画面を表示して、車両玩具10を仮想的に操作するキャラクタ(ドライバ)を選択する場合には、H4に示すアイコンを選択する。
【0143】
また図7のJ4では、スタート地点に対応するコース区間CS1での走行制御データとして、「61」が設定されている。この場合の走行制御データは、モータ30の動力設定データ(電力設定データ)であり、具体的には後述するPWM駆動におけるデューティである。走行制御データを「61」を設定することで、このコース区間CS1では、61パーセントのデューティでモータ30がPWM駆動される。即ちコース区間CS1は、距離の長い直線の区間であるため、プレーヤは、高いデューティを設定して、車両玩具を加速させる。
【0144】
また図7のJ5では、次のコース区間CS2での走行制御データとして、「10」が設定されている。即ちコース区間CS2は急カーブの区間であるため、コースアウトしないように、プレーヤは、低いデューティを設定して、車両玩具10を減速させる。
【0145】
また図7のJ6では、次のコース区間CS3での走行制御データとして、「29」が設定されている。即ちコース区間CS3は、直線の区間であるため、プレーヤは、コース区間CS2よりも高いデューティを設定して、車両玩具10を加速させる。同様にしてコース区間CS3〜CS7の走行制御データを設定し、J7に示すように第1の周回コース61の最終のコース区間CS8の走行制御データを設定する。またJ8、J9、J10、J11等に示すように、第2の周回コース62のコース区間CS9〜CS16の走行制御データを設定する。
【0146】
図8のJ20では、プレーヤは、スタイラスペン420を用いたドラッグ操作により、走行制御データを設定している。図8のJ20では、ドラッグ操作により走行制御データが「62」に設定され、その後にJ21に示すアイコンを選択することで、「62」の走行制御データの設定が確定する。なお、設定をキャンセルする場合にはJ22に示すアイコンを選択する。
【0147】
全てのコース区間についての走行制御データの設定が完了すると、プレーヤは図8のJ3に示すアイコンを選択する。そして、ゲーム装置から車両玩具10への全ての走行制御データの送信(ダウンロード)が完了すると、図9に示すような画面が表示される。
【0148】
以上の本実施形態の走行制御データの設定手法によれば、プレーヤは、複数のコース区間の走行制御データを、簡素な作業で効率良く入力することが可能になる。
【0149】
4.2 キャラクタデータによる走行制御
さて、図2に示すホビーレーシングカーでは、プレーヤは、モータやタイヤなどのパーツを交換するチューニングを行って、他のプレーヤとラップタイプを競い合う。
【0150】
しかしながら、これまでのホビーレーシングカーでは、プレーヤは、パーツを交換した車両玩具をコースで周回させるという単調な作業に終始するだけであったため、飽きられやすいという問題があった。また、機械である車両玩具に対しては、プレーヤは思い入れを生じにくく、車両玩具に対する愛着を高めることも難しかった。
【0151】
この点、前述の特許文献2の従来技術では、プレーヤがゲーム装置でゲームプレイすることで得られた制御情報により、車両玩具側を走行させることで、ゲームの面白味の幅を広げている。
【0152】
しかしながら、この特許文献2の従来技術においても、車両玩具を擬人化してプレーヤの思い入れや愛着を高めるという仕組みは考えられていなかった。
【0153】
本実施形態では、このような課題を解決するために、キャラクタデータ(パイロットデータ、ドライバデータ)を用いて車両玩具の動作を制御する手法を採用している。
【0154】
例えば図10において、走行制御データ記憶部174(動作制御データ記憶部)は、車両玩具(移動玩具)の走行(動作)を制御するための走行制御データ(動作制御データ)を記憶する。そして、車両玩具に擬似的に搭乗させるキャラクタのデータが、キャラクタデータ設定部118により設定されて、キャラクタデータ記憶部176に記憶される。即ちプレーヤが、車両玩具に搭乗させることを所望するキャラクタ(パイロット)を選択すると、そのキャラクタデータが、車両玩具に対応づけられる。
【0155】
そして設定変更部130は、車両玩具に対して設定されたキャラクタデータに基づいて、走行制御データ(動作制御データ)の設定内容を変更する。また送信処理部104は、このように設定内容が変更された走行制御データを、車両玩具に送信する。すると、車両玩具は、キャラクタデータが反映された走行制御データに基づいてその走行(動作)が制御されて、コース上を走行するようになる。
【0156】
例えば、車両玩具に対応づけられたキャラクタデータが異なると、車両玩具の最高速度、最低速度、加速度、減速度、制動力(ブレーキング力)、反応速度、耐久力等が変化する。例えば第1のキャラクタデータ(第1のパイロット)が車両玩具に設定されると、車両玩具の最高速度は高くなるが、加速度は低くなる。一方、第2のキャラクタデータ(第2のパイロット)が車両玩具に設定されると、車両玩具の加速度は上昇するが、最高速度は低くなり、第3のキャラクタデータが設定されると、加速度は上昇するが、減速度は低くなる。また第1のキャラクタデータの設定では、車両玩具の耐久力が高くなり、周回を重ねても走行速度はあまり低下しないが、第2のキャラクタデータの設定では、耐久力が低くなり、周回を重ねるにつれて走行速度が大きく低下する。
【0157】
キャラクタデータに基づく走行制御データの設定内容の変更処理としては、例えば走行制御データのデータ値自体を変更する処理や、キャラクタデータに応じた走行制御を車両玩具に指示する指示情報(コマンド、パラメータ値)を走行制御データに付加する処理などがある。
【0158】
例えば、最高速の能力のスキルが高いパイロットが擬人化された第1のキャラクタデータが、車両玩具のキャラクタデータとして選択された場合には、最高速を高くすることを指示する指示情報を走行制御データに含ませて、車両玩具に送信する。そして車両玩具側が、例えばモータの制御等を変えることで、車両玩具の最高速を高くする。この場合に、ゲーム装置側でのキャラクタの成長(経験値の上昇)に伴い、車両玩具の最高速を徐々に高くするようにしてもよい。
【0159】
一方、加速能力のスキルが高いパイロットが擬人化された第2のキャラクタデータが、車両玩具のキャラクタデータとして選択された場合には、加速度を高くすることを指示する指示情報を走行制御データに含ませて、車両玩具に送信する。そして車両玩具側が、例えばモータの制御等を変えることで、車両玩具の加速度を高くする。この場合に、ゲーム装置側でのキャラクタの成長に伴い、車両玩具の加速度を徐々に高くするようにしてもよい。
【0160】
次に、キャラクタデータに基づいて走行制御データのデータ値自体を変更する手法の詳細について説明する。
【0161】
例えば図11(A)では、車両玩具の走行制御データが、コースの各コース区間CS1〜CS16に対応づけられている。この場合に本実施形態では、コースの各コース区間に対応づけられた走行制御データを、キャラクタデータに基づき変更する。
【0162】
即ち図11(A)において、車両玩具のドライバ(パイロット)としてキャラクタCAが選択されると、コース区間CS1〜CS16に対して走行制御データDSA1〜DSA16が設定される。例えばプレーヤが図7〜図9の手法で入力した走行制御データが、DSA1〜DSA16に変更される。一方、ドライバとしてキャラクタCBが選択されると、コース区間CS1〜CS16に対して走行制御データDSB1〜DSB16が設定され、キャラクタCCが選択されると、走行制御データDSC1〜DSC16が設定される。この場合に、走行制御データDSA1〜DSA16、DSB1〜DSB16、DSC1〜DSC16は、少なくともその一部が異なった値のデータになっている。
【0163】
そして本実施形態では、キャラクタCAが選択された場合には、走行制御データDSA1〜DSA16が送信されて、DSA1〜DSA16に基づき車両玩具の走行が制御される。一方、キャラクタCBやCCが選択された場合には、走行制御データDSB1〜DSB16やDSC1〜DSC16が送信されて、DSB1〜DSB16やDSC1〜DSC16に基づき車両玩具の走行が制御される。
【0164】
このようにすれば、各コース区間での車両玩具の走行制御が、キャラクタ毎に異なるようになり、これまでにない車両玩具の走行制御手法を提供できる。
【0165】
また図11(B)では、走行制御データとして、車両玩具のモータ(原動機)に供給される動力(電力)の大きさを設定する動力設定データが、コースの各コース区間CS1〜CS16に対応づけられている。
【0166】
そして図11(B)に示すように、キャラクタCAが選択されると、コース区間CS1、CS2、CS3・・・CS15、CS16での動力設定データ(後述するモータのPWM駆動のデューティ)は、例えば65、13、34・・・52、7になる。即ち図7の設定に比べて、前半のコース区間CS1、CS2、CS3では速い速度設定に変更される一方で、後半のコース区間CS15、CS16では遅い速度設定に変更されている。このようにすれば、あたかも先行逃げ切り型のキャラクタCAにより操作されて走行しているかのように見える車両玩具を表現できる。
【0167】
一方、図11(B)に示すように、キャラクタCBが選択されると、コース区間CS1、CS2、CS3・・・CS15、CS16での動力設定データは、例えば54、8、25・・・72、13になる。即ち図7の設定に比べて、前半のコース区間CS1、CS2、CS3では遅い速度設定に変更される一方で、後半のコース区間CS15、CS16では速い速度設定に変更されている。このようにすれば、あたかも後半追い込み型のキャラクタCBにより操作されて走行しているかのように見える車両玩具を表現できる。
【0168】
また、図11(B)に示すように、キャラクタCCが選択されると、コース区間CS1、CS2、CS3・・・CS15、CS16での動力設定データは、例えば58、15、27・・・56、16になる。即ち図7の設定に比べて、カーブ形状のコース区間CS2、CS16が速い速度設定に変更されている。このようにすれば、あたかもカーブでの速度が速いキャラクタCCにより操作されて走行しているかのように見える車両玩具を表現できる。
【0169】
また例えば、コースでの車両玩具の走行距離(周回数)に応じてモータに供給される動力(電力)が低くなるように設定すれば、コース周回により、ドライバであるキャラクタが疲れて、車両玩具の速度が遅くなるという耐久力の低下についても表現できる。
【0170】
例えば図12(A)、図12(B)において、各コース区間CS1〜CS16の動力設定データは、コースの周回を重ねるにつれて徐々に低くなるように設定されている。即ちコースでの走行距離に応じてモータに供給される動力(電力)が低くなるように設定されている。
【0171】
例えば図12(A)のキャラクタCAの場合、コース区間CS1の動力設定データは、コース周回の1周目では61に設定されているが、2周目では59になり、3周目では56に低下する。これらの動力設定データは、後述するモータのPWM駆動のデューティーを表す。従って、このように動力設定データを設定することで、コース周回を重ねるにつれて、各コース区間での車両玩具の速度が徐々に低くなり、ドライバが疲れて耐久力が減少して行く様子を表現できる。
【0172】
そして図12(A)、図12(B)では、モータに供給される動力の減少率が、キャラクタデータに基づき設定されている。即ち、図12(A)のキャラクタCAは耐久力(体力)が高いキャラクタとして設定され、図12(B)のキャラクタCBは耐久力が低いキャラクタとして設定されている。このため、図12(B)の耐久力が低いキャラクタCBが選択された場合には、図12(A)の耐久力が高いキャラクタCAが選択された場合に比べて、コース周回による動力設定データの減少率が高くなる。例えばキャラクタCAでは、コース区間CS1の動力設定データ(デューティ)が、コース周回につれて61、59、56というように減少するのに対して、キャラクタCBでは、61、57、50というように高い減少率で動力設定データ(デューティ)が減少する。
【0173】
以上のようにすることで、キャラクタCA、CBの耐久力の違いに応じて、車両玩具の走行の様子が異なるようになるため、単調ではないリアルな車両玩具の走行を表現でき、繰り返し遊んでも飽きの来にくいホビーレーシングカーを提供できる。
【0174】
なお、以上では、走行制御データがモータの動力設定データである場合について説明したが、本実施形態はこれに限定されず、例えば走行制御データは加減速制御データなどであってもよい。
【0175】
例えば図13(A)、図13(B)では、車両玩具の加減速制御データ(加速又は減速を制御するデータ)がコースの各コース区間に対応づけられている。この場合に本実施形態では、コースの各コース区間に対応づけられた加減速制御データを、キャラクタデータに基づき変更し、変更された加減速制御データを車両玩具に送信して、車両玩具の加速や減速を制御する。
【0176】
即ち図13(A)、図13(B)は、コース区間CS1、CS2に設定される加減速制御データの例である。図13(A)、図13(B)において、横軸はコース区間内距離であり、縦軸は車両玩具の速度になっている。横軸のコース区間内距離は、コース区間に対応するマーカから車両玩具までの距離を表す。
【0177】
そして図13(A)に示すように、キャラクタCAは、加速時の速度の立ち上がりが速く、高い加速能力に設定されている。一方、キャラクタCBは、加速時の速度の立ち上がりが遅く、低い加速能力に設定されている。キャラクタCCは、キャラクタCAとCBの中間の加速能力に設定されている。
【0178】
一方、図13(B)では、キャラクタCAは、減速時の速度の立ち下がりが遅く、低い減速能力(ブレーキング能力)に設定されている。一方、キャラクタCBは、減速時の速度の立ち下がりが速く、高い減速能力に設定されている。キャラクタCCは、キャラクタCAとCBの中間の減速能力に設定されている。
【0179】
図13(A)、図13(B)のようにキャラクタに応じて異なる加減速制御データを設定すれば、例えばキャラクタCAを選択した場合には、加速能力は高いが減速能力(ブレーキング能力)が低いキャラクタCAにより操作されて走行しているかのように見える車両玩具を表現できる。一方、キャラクタCBを選択した場合には、加速能力は低いが減速能力が高いキャラクタCBにより操作されて走行しているかのように見える車両玩具を表現できる。従って、プレーヤの選択したキャラクタに応じて車両玩具の加減速特性が変化するようになり、これまでにないホビーレーシングカーを提供できる。
【0180】
4.3 キャラクタデータのパラメータ値の変更
本実施形態では、車両玩具の実走行結果に基づいてキャラクタデータのパラメータ値を変更するようにしてもよい。例えば図14(A)では、走行制御データ(動作制御データ)をゲーム装置から車両玩具に送信するのみならず、その走行制御データに基づき車両玩具がコースを走行することで得られた実走行結果データ(実動作結果データ)を、車両玩具から受信している。そして図14(A)では、パラメータ処理部120が、受信した実走行結果データに基づいて、キャラクタデータのパラメータ値を変更している。また設定変更部130は、パラメータ値が変更されたキャラクタデータに応じて、走行制御データの設定内容を変更している。
【0181】
具体的にはパラメータ処理部120は、実走行結果データでのプレーヤのプレイ成績が高い場合には、キャラクタデータのパラメータ値を上昇させる。そして設定変更部130は、キャラクタデータのパラメータ値が上昇した場合に、実走行結果データを優位な内容に変更する。
【0182】
例えば図14(B)にキャラクタデータのデータ構造の例を示す。このキャラクタデータは、キャラクタ名などの識別情報や、キャラクタタイプなどの属性情報や、経験値、技術、スピード、耐久力などのパラメータ値を有している。このうち、パラメータ処理部120は、キャラクタデータのパラメータ値を、実走行結果データに基づいて変更する。
【0183】
例えば、車両玩具の実ラップタイムが高かったり、最高速を更新した場合など、車両玩具を用いたプレーヤのプレイ成績が高いと評価された場合には、キャラクタデータのパラメータ値を上昇させる。具体的には技術、スピードなどのパラメータ値を上昇させる。或いは、車両玩具の走行距離が所定の距離を超えた場合や、走行周回数が所定の回数を超えた場合に、キャラクタデータの経験値や耐久力などのパラメータ値を上昇させる。
【0184】
そしてこのように、車両玩具についてのプレーヤのプレイ成績が良く、キャラクタデータのパラメータ値が上昇すると、今度は、車両玩具を制御する走行制御データの設定内容を、キャラクタデータのパラメータ値の上昇前よりも優位な設定内容に変更する。例えば車両玩具による実走行で、高いラップタイムを獲得すると、キャラクタデータのパラメータ値を上昇させて、図13(A)の加速能力や図13(B)の減速能力が向上するように、走行制御データの設定内容を変更する。或いは、キャラクタデータの経験値等のパラメータ値が低い時には、プレーヤの入力した走行制御データと、実際に車両玩具に送信される走行制御データの間に誤差を持たせる。一方、パラメータ値が上昇すると、プレーヤの入力した走行制御データと、実際に車両玩具に送信される走行制御データの間の誤差を小さくして、設定の精度を高める。或いはパラメータ値が上昇するにつれて、高いラップタイムを獲得できる理想的な走行制御データに近づくように、プレーヤの入力した走行制御データを補正する処理を行ってもよい。
【0185】
以上のような本実施形態の手法によれば、プレーヤは、車両玩具の実走行において、ラップタイムなどについて良い成績を収めると、それによってキャラクタデータのパラメータ値も上昇し、走行制御データも優位な設定になる。これにより、プレーヤは、更に高いラップタイム等を狙えるようになる。従って、速さの追求に関するプレーヤのモチベーションを向上させることができ、飽きの来にくいホビーレーシングカーのシステムを提供できる。
【0186】
また本実施形態によれば、これまでの車両玩具の世界には無かった、車両玩具を操縦するキャラクタの成長という面白さを新たに導入することができ、ホビーレーシングカーの遊びの幅を広げることができる。
【0187】
なお、以上では、車両玩具の実走行結果により、キャラクタデータのパラメータ値を変更する場合について説明したが、車両玩具に対応する仮想移動体の走行シミュレーション(動作シミュレーション)の結果により、キャラクタデータのパラメータ値を変更してもよい。
【0188】
例えば図15において、シミュレーション処理部102は、車両玩具(移動玩具)に対応する仮想移動体を仮想空間内で走行させるシミュレーション処理を行っている。このようなシミュレーション処理を行うことで、後述するように、車両玩具を実際に走行させなくても、仮想空間内において車両玩具に対応する仮想移動体を試走させて、パーツのチューニング設定などを行うことが可能になる。
【0189】
そしてパラメータ処理部120は、シミュレーション処理部102での走行シミュレーション(ゲーム処理)の結果データに基づいて、キャラクタデータのパラメータ値を変更する。例えば走行シミュレーション結果データに基づいて、プレーヤのシミュレーションでのプレイ成績が高いと評価された場合には、キャラクタデータのパラメータ値を上昇させる。すると、設定変更部130は、パラメータ値が変更されたキャラクタデータにより、走行制御データの設定内容を変更する。即ちキャラクタデータのパラメータ値が上昇した場合には、走行制御データの設定内容を優位な設定内容に変更する。例えば走行制御データである加減速制御データを変更して、車両玩具の加速能力や減速能力が高くなるように設定する。
【0190】
以上のようにすれば、プレーヤは、車両玩具に対応する仮想移動体のシミュレーション走行において、ラップタイムなどについて良い成績を収めると、それによってキャラクタデータのパラメータ値も上昇し、走行制御データも優位な設定になる。これにより、走行シミュレーションでの速さの追求に関するプレーヤのモチベーションを向上させることができる。
【0191】
4.4 キャラクタデータの設定
次にキャラクタデータの設定手法の具体例について説明する。
【0192】
例えば図16(A)にキャラクタ選択画面の例を示す。プレーヤは、このキャラクタ選択画面に表示される複数のキャラクタCA、CB、CCの中から所望のキャラクタを選択し、自身が使用する車両玩具に仮想的に搭乗させる。このようなキャラクタ選択画面での選択操作により、車両玩具に対して、プレーヤが使用するキャラクタデータが対応づけられる。そして、このキャラクタデータに基づいて、車両玩具の走行制御データの設定内容を変更することが可能になる。
【0193】
また図16(B)では、外部記憶媒体の一例であるキャラクタカード450に、キャラクタに関する情報を設定されている。具体的には、キャラクタカード450に印刷されたバーコードに対して、そのカードに印刷されたキャラクタの使用を可能にする鍵情報等が設定されている
ゲーム装置に装着されるICカード411(ゲームカートリッジ)には、バーコードリーダ414を制御するコントローラや、ゲーム装置と車両玩具10との間でデータを送受信するためのRS232Cなどの転送コントローラが内蔵されている。
【0194】
そしてゲーム装置は、バーコードリーダ414によりキャラクタカード450のバーコードを読み取ることで、キャラクタの鍵情報を取得する。この時、そのキャラクタのパラメータ値や識別情報などのキャラクタデータは、ゲーム装置内(例えば記憶部、情報記憶媒体)に記憶されている。そして、キャラクタカード450から読み出された鍵情報に基づいて、ゲーム装置内に記憶されているキャラクタデータの使用が許可される。このように、外部記憶媒体であるキャラクタカード450からの情報である鍵情報に基づいて、キャラクタ取得の条件が満たされたと判断されると、取得条件が満たされたキャラクタのデータが、車両玩具に対応づけられるようになる。
【0195】
このようにすれば、プレーヤに対して、車両玩具10に仮想的に搭乗させるキャラクタのカードを集めるという、これまでのホビーレーシングカーには無かった新たな楽しみ方を提供できる。即ちゲーム装置と車両玩具10とをリンクさせるのみならず、ゲーム装置を介して、キャラクタカード450と車両玩具10をリンクさせることが可能になる。従って、車両玩具10の遊び方の幅を広げることができ、プレーヤに取って飽きの来にくいシステムを提供できる。
【0196】
4.5 キャラクタデータを用いた処理の詳細
次に、キャラクタデータを用いた本実施形態の処理の詳細について図17、図18のフローチャートを用いて説明する。
【0197】
図17の処理では、まず、図16(A)で説明したようなキャラクタ選択画面を表示する(ステップS71)。そしてプレーヤがキャラクタを選択したか否かを判断し(ステップS72)、選択した場合には、そのキャラクタのデータを、車両玩具の搭乗キャラクタのキャラクタデータに設定する(ステップS73)。即ちそのキャラクタデータを車両玩具に対応づける。
【0198】
次に、図10で説明したように、設定されたキャラクタデータに基づいて走行制御データの設定内容を変更する(ステップS74)。そしてプレーヤがデータの送信を選択したか否かを判断し(ステップS75)、選択した場合には、走行制御データを車両玩具に送信する(ステップS76)。
【0199】
次に、プレーヤがデータの受信を選択したか否かを判断し(ステップS77)、選択した場合には、ステップS76で送信した走行制御データに対応する実走行結果データを、車両玩具から受信する(ステップS78)。そして、受信した実走行結果データに基づいてプレーヤのプレイ成績を評価する(ステップS79)。そして、図14(A)、図14(B)で説明したように、プレイ成績の評価結果に基づいて、キャラクタデータのパラメータ値を変更して(ステップS80)、ステップS74に戻る。
【0200】
図18の処理では、まず、図15で説明したように、走行制御データに基づいて走行シミュレーション処理を実行する(ステップS81)。そして、走行シミュレーションが終了したか否かを判断し(ステップS82)、終了した場合には、その走行シミュレーションの結果に基づいてプレーヤのプレイ成績を評価する(ステップS83)。そして、プレイ成績の評価結果に基づいて、キャラクタデータのパラメータ値を変更する(ステップS84)。次に、パラメータ値が変更されたキャラクタデータに基づいて、走行制御データの設定内容を変更する(ステップS85)。
【0201】
4.6 シミュレーション処理
前述のように、図2のホビーレーシングカーでは、プレーヤは、モータやタイヤなどのパーツを交換するチューニングを行って、他のプレーヤとラップタイプを競い合う。
【0202】
しかしながら、これまでのホビーレーシングカーでは、交換したパーツが、ラップタイムの向上にどの程度貢献したかを、プレーヤは客観的に評価することができなかった。従って、プレーヤは、試行錯誤をして、直感的にパーツを交換せざるを得なかった。このため、ラップタイムをなかなか短縮することができず、ラップタイムの向上に限界があり、これが原因でプレーヤにすぐに飽きられてしまうという課題があった。
【0203】
また、プレーヤは、図1に示すような占有面積が大きなコースを自宅に設置することは難しいため、特設コースが設置された店舗に出向き、そこでパーツを色々と変えながら、ラップタイム短縮のために試行錯誤する。従って、車両玩具のチューニングを、手軽に行うことができず、このようなチューニング作業の面倒さが、ホビーレーシングカーからプレーヤの興味を遠ざける原因となっていた。
【0204】
この点、前述の特許文献2の従来技術では、プレーヤがゲーム装置でゲームプレイすることで得られた制御情報により、車両玩具側を走行させることで、ゲームの面白味の幅を広げている。
【0205】
しかしながら、この特許文献2の従来技術では、車両玩具が実際に走るコースと、ゲーム装置においてゲーム空間に構築される仮想的なコースは、お互いにリンクしていなかった。また、車両玩具の走行特性と、ゲーム空間で走行する車の走行性能もリンクしていなかった。このため、ゲーム装置でのセッティングを車両玩具側に反映させたり、逆に車両玩具の実際の走行結果を、ゲーム装置側に反映させることができないという課題があった。
【0206】
本実施形態では、このような課題を解決するために以下に説明するような手法を採用している。
【0207】
即ち、まず本実施形態では、コース上を移動する車両玩具の走行特性に基づき設定されたデータである走行特性データや、車両玩具が移動するコースのコース特性に基づき設定されたデータであるコースデータを用意する。また図7〜図9に示すような手法で設定される走行制御データを用意する。そして、これらの走行特性データとコースデータと走行制御データとに基づいて、ゲーム装置において、車両玩具のセッティングのためのシミュレーション処理を行う。
【0208】
このようにすることで、車両玩具が走る実際のコースと、ゲーム装置側において、車両玩具に対応する仮想移動体が走行する仮想コースとが、お互いにリンクするようになる。また車両玩具の加速性能などの走行特性と、ゲーム装置側の仮想移動体の走行特性もリンクするようになる。従って、プレーヤは、例えば特設コースが設置されている店舗等に出向かなくても、自身が所有するゲーム装置でのシミュレーション処理により、車両玩具の走行を仮想的に試すことができる。また実機の車両玩具の実走行結果をゲーム装置側に取り込むことで、交換したパーツのラップタイムへの貢献度合い等を、客観的に判断することが可能になる。従って、試行錯誤により、直感に頼っていたこれまでのホビーレーシングカーでは実現できなかったチューニングの面白さを、プレーヤに提供できるようになる。
【0209】
例えば図19(A)〜図19(C)に、車両玩具の走行特性の設定のためにゲーム装置の表示部に表示される画面の例を示す。
【0210】
まず、図19(A)に示すように、車種選択画面を表示する。プレーヤは、この選択画面において、自身が使用する車両玩具の車種を選択する。具体的には、選択画面に車両玩具の商品名を表示し、プレーヤは、この商品名の中から自身が所有する車両玩具の商品名を選択する。
【0211】
次に、図19(B)、図19(C)に示すように、パーツセット選択画面を表示する。プレーヤは、この選択画面において、車両玩具のチューニングに使用しているパーツを選択する。例えば図19(B)では、プレーヤは、基本パーツセットB1に代えて、グレートアップパーツセットB2を購入して使用しているため、このグレードアップパーツセットB2を選択する。また、このグレードアップパーツセットB2のうち、変更しているパーツがあれば、図19(C)の選択画面で、変更しているパーツを選択する。なお、図19(B)のようなパーツセットの選択画面を表示せずに、図19(C)に示すように、変更しているパーツを直接に選択するようにしてもよい。
【0212】
以上のような選択画面を表示し、プレーヤが、自身が使用する車種やパーツを選択することで、プレーヤの使用する車両玩具の走行特性が特定されて、走行特性データが設定される。即ち車両玩具やパーツを製造・販売するメーカは、車両玩具の重さや形状、モータの馬力やトルク、タイヤの大きさやグリップ力、シャシの強化度や走行安定性などを把握している。従って、プレーヤが、自身が使用する車両玩具の車種やパーツ名をゲーム装置に入力することで、その車両玩具の加速力、最高速、コーナリング性能、走行安定性等を特定できる。従って、特定された走行特性を、シミュレーション処理のアルゴリズムが取り扱うことができるフォーマットの走行特性データとして用意することで、実際の車両玩具の走行特性に適合したシミュレーション処理が可能になる。なお、この走行特性データを作成するための車種、パーツ等のデータベース情報は、ゲーム装置が有するネットワークへの接続機能を利用して、適宜、ゲーム装置にダウンロードするようにしてもよい。
【0213】
以上のように走行特性データを設定することで、プレーヤが実際にコース上で走行させる車両玩具と、仮想コース上で走行させる仮想移動体とをマッチングさせて、リンクさせることが可能になる。
【0214】
次に図20に示すように、プレーヤが使用するコースの選択画面を表示する。例えば図20では、選択候補となるコースとして、スタータキットとして販売される基本オーバルコースや基本8の字コースが表示されている。また、例えば東京の店舗Aに設置されている特設コースが、選択候補コースとして表示されている。
【0215】
即ち、スタータキット等として市販される基本オーバルコースや基本8の字コースのコース形状についてはすぐに特定できる。一方、特定の店舗に設置される公式レース用の特設コースについても、市販用のコースパーツと同じコースパーツで作成されているため、使用されているコースパーツやその接続構成を特定することで、特設コースのコース形状についても特定できる。
【0216】
この場合に、特設コースの使用コースパーツや接続構成の情報については、ネットワークを介してゲーム装置にダウンロードするようにしてもよいし、プレーヤが、コース編集画面において配置設定することで、特定してもよい。即ち、プレーヤは、このコース編集画面において、コースパーツの画像を適宜組み合わせて接続することで、特設コースと同じ形状のコースを作成して編集する。そして、編集されたコースを登録することで、その特設コースに対応するコースデータを設定する。
【0217】
以上のようにコースデータを設定することで、車両玩具が実際に走行するコースと、仮想移動体が走行する仮想コースとをマッチングさせて、リンクさせることが可能になる。
【0218】
次に、図7、図8に示す走行制御データ設定画面を表示する。プレーヤは、この設定画面において、試行錯誤しながら、良いラップタイムを獲得するのに必要な走行制御データを設定する。そして、プレーヤが、シミュレーション処理の開始を指示すると、図19(A)〜図19(C)で設定された走行特性データと、図20で設定されたコースデータと、図7、図8で設定された走行制御データに基づいて、シミュレーション処理が実行される。即ち走行特性データに基づきその走行特性が設定される仮想移動体を、コースデータに基づきそのコース特性が設定される仮想空間内の仮想コースにおいて、走行制御データにしたがって走行させるシミュレーション処理が実行される。
【0219】
そしてプレーヤは、走行シミュレーションの結果データを確認し、走行制御データを再度設定して、自身が所望するラップタイムを獲得できるまで、シミュレーション処理を繰り返し実行させる。こうして、ゲーム装置側で、車両玩具の走行に関する仮想的なチューニングを繰り返す。そしてプレーヤは、満足する結果が得られると、ゲーム装置と車両玩具を有線又は無線で接続して、図9に示すように最終的な走行制御データを車両玩具に送信して、その記憶部に記憶させる。そして、図1等に示すコース上で車両玩具を実際に走行させる。
【0220】
例えば、週末に、店舗の特設コースで公式レースが開催される場合に、プレーヤは、平日に、ゲーム装置を用いてシミュレーションを行って、車両玩具の仮想的なチューニングを繰り返す。
【0221】
この場合に、プレーヤの自宅には特設コースは存在しないが、ゲーム装置の仮想空間内には、特設コースのコースデータに基づいて特設コースに対応する仮想コースが構築されている。プレーヤは、この仮想コースにおいて、自身が出場させる車両玩具に対応する仮想移動体を走行させるシミュレーション処理を、ゲーム装置を用いて実行させる。そして、プレーヤの納得が行くまで、チューニング設定を繰り返して、週末の公式レースに参加する。
【0222】
この時、例えば、特定のパーツが原因で、良いラップタイムを獲得できない場合には、図19(B)、図19(C)で説明した手法により、パーツを交換する設定を行う。この場合に、プレーヤは、実際にパーツを購入しなくても、仮想的にパーツ交換を行って、そのパーツがラップタイム向上に有効か否かを、シミュレーションにより確認することができる。そして、特定のパーツ(例えばモータ、タイヤ)を交換することで、シミュレーションにおいて、良いラップタイムを獲得できた場合には、そのパーツを実際に購入して、車両玩具に装着し、週末の公式レースに参加する。
【0223】
以上のように本実施形態によれば、特設コースのように自宅に置けないようなコースについても、ゲーム装置でのシミュレーション処理により、車両玩具を仮想的に試走させることができる。また、交換するパーツを購入する前に、プレーヤは、そのパーツのラップタイムへの貢献度合い等を、客観的に評価できる。従って、プレーヤの利便性を向上できると共に、シミュレーションにより高いレベルのチューニングを行って、ラップタイムの向上を目指すことができるため、速さの追求に関するプレーヤのモチベーションを向上させることができ、飽きの来にくいホビーレーシングカーのシステムを提供できる。
【0224】
なお、シミュレーション処理は、車両玩具に対応する仮想移動体のリアルな走行シミュレーション処理を行って、走行シミュレーション処理の結果データを求めるものであってもよいし、このようなリアルな走行シミュレーション処理を行わずに、走行特性データ、コースデータ、走行制御データとテーブルデータに基づいて、走行シミュレーション処理の結果データを瞬時に求めるような処理であってもよい。また走行シミュレーション処理を、ゲーム処理の一部として行ってもよく、この場合には、図5に示すように、車両玩具に対応する仮想移動体が移動する様子を示す演出画像を、ゲーム画像として表示すればよい。
【0225】
4.7 実走行結果データ
本実施形態では、図21(A)に示すように、走行制御データをゲーム装置から車両玩具に送信するのみならず、その走行制御データに基づき車両玩具がコースを走行することで得られた実走行結果データを、車両玩具から受信するようにしてもよい。
【0226】
図21(B)に実走行結果データの一例を示す。図21(B)では、コースの各コース区間での車両玩具の実走行ラップタイムデータを、実走行結果データとして受信している。この受信された実走行結果データは、ゲーム装置の表示部に表示される。
【0227】
この場合に図21(B)では、実走行結果データが、コースの各コース区間に対応づけて表示されている。例えば、コース区間CS1に対して、CS1での実走行結果データである実走行ラップタイム=0.89秒が対応づけられて表示され、コース区間CS2に対して、CS2での実走行ラップタイム=0.62秒が対応づけられて表示される。
【0228】
また図22(A)では、ゲーム装置側でのシミュレーション処理により走行シミュレーション結果データが得られている。そして車両玩具から受信した実走行結果データと、この走行シミュレーション結果データの両方が表示される。また実走行結果データと走行シミュレーション結果データの比較処理が行われている。
【0229】
具体的には図22(B)に示すように、シミュレーション処理により得られた走行シミュレーション結果データに対して、受信した実走行結果データが関連づけて表示される。例えばコース区間CS1に対して、CS1での実走行ラップタイム=0.94秒と、CS1での走行シミュレーション結果データであるシミュレーションラップタイム=0.89秒とが対応づけられて表示される。またコース区間CS2に対して、CS2での実走行ラップタイム=0.63秒と、CS2でのシミュレーションラップタイム=0.62秒とが対応づけられて表示される。
【0230】
以上のような実走行結果データは、車両玩具がそのセンサによりコース上のマーカ等を検知することで計測することができる。例えばコース区間CSiのマーカMCiをセンサが検知すると、カウンタのカウント値のカウント動作を開始し、次のコース区間CSi+1のマーカMCi+1を検知すると、カウント動作を停止する。こうして得られたカウント値により、そのコース区間CSiでの実走行ラップタイムデータを得ることができる。そして、各コース区間において計測された実走行ラップタイムデータを各コース区間に対応づけた実走行結果データを、ゲーム装置に送信することで、ゲーム装置は、図21(B)に示すような表示を行うことができる。また走行シミュレーション結果データについても、仮想コース上に設定された仮想マーカを用いて、走行シミュレーション時に上記と同様のカウント処理を行うことで、求めることができ、これにより図22(B)に示すような表示が可能になる。
【0231】
なおゲーム装置での実走行結果データや走行シミュレーション結果データの表示形態は、図21(B)、図22(B)に限定されない。例えば図7に示すような画面を表示して、各コース区間CS1〜CS16に対応づけて、実走行結果データや走行シミュレーション結果データを表示してもよい。
【0232】
また実走行結果データや走行シミュレーション結果データとしては、ラップタイムデータに限定されず、種々のデータを想定することができ、例えば車両玩具の加速又は減速の度合いを表す実加減速データであってもよい。
【0233】
図23(A)、図23(B)に加減速データの例を示す。図23(A)はコース区間CS1に対応づけられる加減速データであり、図23(B)はコース区間CS2に対応づけられる加減速データである。図23(A)において、横軸はコース区間内距離であり、縦軸は車両玩具(仮想移動体)の速度になっている。横軸のコース区間内距離は、コース区間CS1に対応するマーカMC1から車両玩具(仮想移動体)までの距離を表す。図23(B)も同様である。
【0234】
図23(A)は、例えば直線のコース区間CS1において、停止状態の車両玩具が加速して、加速後に一定の速度で走行している状態を示している。図23(B)は、例えば直線のコース区間CS1で加速した車両玩具が、カーブのコース区間CS2において減速している状態を示している。
【0235】
図23(A)、図23(B)に示す加減速データは、例えば車両玩具に加速センサを設けることで測定できる。或いは、タイヤの部分にロータリエンコーダを設けて、このロータリエンコーダによりタイヤの回転速度を検出することで、加速度データを測定してもよい。このようなロータリエンコーダは、例えば反射型のフォトセンサを、そのセンサ面がタイヤのホイールに対向するように設置し、スリットが設けられたタイヤのホイールのうち、スリット以外の部分で反射した光を検知することで実現できる。
【0236】
図23(A)、図23(B)に示すような加減速データを車両玩具側で測定し、ゲーム装置がこの加減速データを受信して、表示部に表示することで、プレーヤは、ラップタイムだけでは知ることができない情報を得ることができる。即ち図23(A)に示すような加速特性のデータを表示することで、プレーヤは、モータの馬力やトルクが最適な設定か否かを判断できる。また図23(B)に示すような減速特性のデータを表示することで、プレーヤは、タイヤのグリップ力や、逆極性電圧印加によるモータの制動動作が最適な設定か否かを判断できる。
【0237】
以上の本実施形態の手法によれば、走行制御データを車両玩具に送信し、その走行制御データに対応する実走行結果データを車両玩具から受信することで、プレーヤは、自身が設定した走行制御データが、最適な設定か否かを客観的に判断することができる。また実走行結果データを各コース区間に対応づけて表示することで、各コース区間に設定した走行制御データの妥当性についても客観的に判断できる。
【0238】
従って、設定した走行制御データを送信し、それに対応する実走行結果データを受信して、設定の妥当性を判断するという作業を繰り返すことで、プレーヤは、最適なチューニング設定を容易に得ることができる。この結果、これまでのように直感に頼って行っていたチューニング設定を、実走行結果データに基づいて客観的に評価して行うことが可能になり、これまでにないチューニングの楽しみをプレーヤに与えることができる。
【0239】
また、車両玩具のパーツを変更した場合に、そのパーツ変更の効果についても、プレーヤは、実走行結果データに基づいて客観的に評価できるようになり、プレーヤの改造の楽しみを更に増すことができる。
【0240】
また、例えばシミュレーション処理は、理想的な走行特性データ及びコースデータに基づいて行われるものであるため、それによる走行シミュレーション結果データは、現実とは食い違っている場合が多い。
【0241】
この点、図22(B)のように、走行シミュレーション結果データと実走行結果データとを対応づけて表示すれば、プレーヤは、シミュレーションの走行と現実の走行の違いを、客観的に認識できる。従って、プレーヤは、この違いを考慮しながら、ゲーム装置においてシミュレーションによる仮想的なチューニングを行うことが可能になり、シミュレーションによるチューニングの精度を向上できる。
【0242】
なお、走行シミュレーション結果データと実走行結果データの比較処理を行い、その比較結果に基づいて補正データを求め、その補正データに基づいて、走行シミュレーション結果データを実走行結果データに近づけるための補正処理を行ってもよい。このようにすることで、シミュレーションによるチューニングの精度を更に向上できる。
【0243】
なお本実施形態では、実走行結果データ等をウェブ上にアップロードできるようにしておよい。このようなアップロードを行う場合に、ユーザであるプレーヤは、購入したカードにチャージした回数に応じて、ウェブ上のネットワークランキングに参加できるようにしてもよい。この場合に、カードには、個人IDのみを記録し、ネットワークランキングのための業務用筐体に、自身の車両玩具の実走行結果データを転送して、その実走行結果データをサーバにアップロードする。そして、サーバにアップロードすると、そのアップロードの回数分だけ、カードに記録されチャージ回数を減少させる。これにより、実走行結果データのアップロード回数に応じて、プレーヤに課金することが可能になる。
【0244】
また、プレーヤの実走行結果データに対応する走行制御データについても、ウェブ上にアップロードできるようにしてもよい。このようにすれば、プレーヤは、例えば高いラップタイムを獲得した他のプレーヤの走行制御データをダウンロードし、そのダウンロードされた走行制御データを用いて、自身の車両玩具のセッティングを行って遊ぶことができるため、遊びの幅を広げることができる。この場合、他のプレーヤの走行制御データのダウンロード時に、上述したカードを用いた方法等により、プレーヤに対して課金を行ってもよい。また、ダウンロードした他のプレーヤの走行制御データのコピーについては禁止し、その走行制御データから直接得られた実走行結果データのアップロードについても禁止してもよい。
【0245】
或いは、全国のプレーヤの走行制御データを用いて、サーバにおいてシミュレーション処理を行うことで、ネットワーク上で仮想のレース大会を開催し、そのレースの様子を、映像の形態で、各店舗の端末にライブモニタで表示したり、携帯端末で閲覧できるようにしてもよい。
【0246】
4.8 ゲーム装置側の詳細な処理
次にゲーム装置側の詳細な処理フローについて図24〜図28のフローチャートを用いて説明する。
【0247】
図24はメインループの処理フローである。まず、プレーヤに対してメニュー画面を表示する(ステップS21)。そしてプレーヤがセッティングモード(初期設定モード)を選択した場合には、セッティング処理に移行し(ステップS22、S23)、走行シミュレーションモードを選択した場合には、走行シミュレーション処理に移行する(ステップS24、S25)。またプレーヤが、データ送信モードを選択した場合には、データ送信処理に移行し(ステップS26、S27)、データ受信モードを選択した場合には、データ受信処理に移行する(ステップS28、S29)。
【0248】
図25はセッティング処理の詳細を示すフローチャートである。まず図19(A)〜19(C)で説明した車種選択画面やパーツ選択画面を表示する(ステップS31、S32)。そして、プレーヤにより選択された車種、パーツに基づいて、走行特性データを設定する(ステップS33)。
【0249】
次に、図20で説明したコース選択画面を表示する(ステップS34)。そして、プレーヤにより選択されたコースに基づいてコースデータを設定する(ステップS35)。このようにして、車両玩具やコースについての初期セッティングを終了する。シミュレーション処理は、例えばこのような初期セッティングの完了後に許可する。
【0250】
図26は走行シミュレーション処理の詳細を示すフローチャートである。まず、走行特性データ記憶部から、図25のセッティング処理で設定された走行特性データを読み出す(ステップS41)。また、コースデータ記憶部から、図25のセッティング処理で設定されたコースデータを読み出す(ステップS42)。また、走行制御データ記憶部から、図7、図8で説明した手法により設定された走行制御データを読み出す(ステップS43)。
【0251】
そして、読み出された走行特性データ、コースデータ、走行制御データに基づいて、走行シミュレーション処理を実行する(ステップS44)。そして、走行シミュレーションが終了すると、その走行シミュレーション結果を表示部に表示する(ステップS45、S46)。例えば各コース区間にシミュレーションラップタイムを対応づけて表示する。
【0252】
図27はデータ送信処理の詳細を示すフローチャートである。まず、図7、図8で説明した走行制御データの設定画面を表示する(ステップS51)。そして、全てのコース区間についてのプレーヤの入力設定が完了したか否かを判断する(ステップS52)。そして、入力設定が完了した場合には、プレーヤがデータ送信を選択したか否かを判断し(ステップS53)、データ送信を選択した場合には、その走行制御データを車両玩具に送信する(ステップS54)。
【0253】
図28はデータ受信処理の詳細を示すフローチャートである。まず車両玩具がゲーム装置に適正に接続されたか否かを確認する(ステップS61)。そして、適正に接続されたことが確認されると、プレーヤがデータの受信を選択したか否かを判断し(ステップS62)、データ受信を選択した場合には、実走行結果データを車両玩具から受信する(ステップS63)。
【0254】
次に、受信した実走行結果データをコース区間に関連づけて表示する(ステップS64)。そして、走行シミュレーションを行っている場合には、受信した実走行結果データと、走行シミュレーション結果データを、コース区間に関連づけて表示する(ステップS65、S66)。また実走行結果データと走行シミュレーション結果データの比較処理を行い(ステップS67)、比較処理の結果に基づいて、お勧めのパーツのアドバイス画面を表示する(ステップS68)。
【0255】
4.9 減速制御、加速制御
次に本実施形態の減速制御、加速制御の手法について説明する。
【0256】
図29(A)に走行制御データのデータ構造の例を示す。図29(A)では、CS1〜CSNの各コース区間に対して、DS1〜DSNの各走行制御データが対応づけられて、図6の走行制御データ記憶部172に記憶される。具体的には、走行制御データとして、各コース区間においてモータに供給される動力(電力)の大きさを設定する走行制御データ(動力設定データ)が、CS1〜CSNの各コース区間に対応づけて記憶される。
【0257】
この走行制御データは、図7〜図9で説明した手法により設定できる。図7を例にとれば、コース区間CS1にはDS1=61、コース区間CS2にはDS2=10というように走行制御データDS1、DS2が設定される。そしてDS1=61と設定されたコース区間CS1では、車両玩具の速度が速くなり、DS2=10と設定されたコース区間CS2では、車両玩具の速度が遅くなる。
【0258】
また図29(B)に示すように、車両玩具MTに設けられたセンサにより、コース上のマーカMCi+1(iは自然数)が検知される。これにより、車両玩具MTが、コース区間CSiからコース区間CSi+1に進入したことが検出される。なお、マーカMCi+1は、例えばコースブロックに一体形成されて埋め込まれる樹脂部材により実現してもよいし、コースブロックにはり付けられた白色のテープにより実現してもよい。或いはICタグなどのデバイスにより実現してもよい。
【0259】
このようにセンサからの検知情報に基づいて、コースの第iのコース区間CSiから第i+1のコース区間CSi+1に車両玩具MTが移動したと判断した場合に、差分情報DFに基づいて、車両玩具MTの減速制御や加速制御が行われる。
【0260】
ここで差分情報DFは、コース区間CSiに対応づけられた走行制御データDSiと、コース区間CSi+1に対応づけられた走行制御データDSi+1との差分DSi+1−DSiに対応した情報である。この差分情報DFは、DSi+1とDSiの差分そのものであってもよいし、差分を引数とした関数により設定される情報であってもよい。
【0261】
例えば図30(A)では、コース区間CSiではDSi=60であり、CSi+1ではDSi+1=40になっている。この場合には、DF=DSi+1−DSi=ー20であり、差分が負になるため、車両玩具MTの速度を低くする減速制御を行う。
【0262】
一方、図30(B)では、コース区間CSiではDSi=60であり、CSi+1ではDSi+1=90になっている。この場合には、DF=DSi+1−DSi=30であり、差分が正になるため、車両玩具MTの速度を高くする加速制御を行う。なお差分情報DFに基づいて、図30(A)の減速制御と図30(B)の加速制御のいずれか一方のみを行ってもよい。
【0263】
また図31(A)では、差分情報DFにより、減速制御を行うと判断されている。この場合には、コース区間CSi+1における前半の第1の期間T1において、第i+1の走行制御データDSi+1(動力設定データ)に対応する第i+1の速度Vi+1に近づくように、車両玩具MTを減速する制御を行う。即ち、第1の期間T1では、前のコース区間CSiでの速度ViからVi+1に減速するように制御が行われる。そして、コース区間CSi+1の後半の第2の期間T2では、車両玩具MTを速度Vi+1で移動させるための制御が行われる。即ち、ViからVi+1に減速した後、例えば定速の速度Vi+1で移動するように車両玩具MTが制御される。
【0264】
また図31(B)では、差分情報DFにより、加速制御を行うと判断されている。この場合には、コース区間CSi+1における前半の第1の期間T1において、速度Vi+1に近づくように、車両玩具MTを加速する制御を行う。即ち、第1の期間T1では、前のコース区間CSiでの速度ViからVi+1に加速するように制御が行われる。そして、コース区間CSi+1の後半の第2の期間T2では、車両玩具MTを速度Vi+1で移動させるための制御が行われる。即ち、ViからVi+1に加速した後、例えば定速の速度Vi+1で移動するように車両玩具MTが制御される。
【0265】
更に図31(C)、図31(D)では、図31(A)、図31(B)の減速制御又は加速制御を行う第1の期間T1の長さを、差分情報DFに応じて変化させている。
【0266】
例えば図31(C)では、DFが大きいため、期間T1の長さを長くする。このようにすれば、差分情報DFに応じて、減速期間や加速期間が長くなるため、コース区間CSiでの車両玩具MTの速度Viを、コース区間CSi+1での速度Vi+1に効率良く近づけることが可能になる。
【0267】
一方、図31(D)では、DFが小さいため、期間T1の長さを短くする。このようにすれば、減速期間や加速期間が短くなるため、減速しすぎて、速度Vi+1を下回ってしまったり、加速しすぎて速度Vi+1を上回ってしまうというような事態の発生を防止できる。
【0268】
以上の本実施形態の手法によれば、プレーヤは、各コース区間に対して走行制御データを設定するだけで、その走行制御データに応じた速度で車両玩具MTを走行させることが可能になる。例えば図30(A)や図30(B)においてプレーヤは、コース区間CSi+1において車両玩具MTの減速や加速を明示的に指定しなくても、コース区間CSi、CSi+1への走行制御データDSi、DSi+1の設定だけで、車両玩具MTが自動的に減速又は加速するようになる。従って、プレーヤは、各コース区間に対して所望の走行制御データを設定するだけという簡素な作業で、車両玩具MTの移動を制御できるようになり、プレーヤにとって利便性の高いインターフェース環境を提供できる。
【0269】
また図31(A)〜図31(D)のように、定速走行させる期間T2の前に、減速又は加速する期間T1を設定することで、そのコース区間に設定された所望の速度に、車両玩具MTの速度を効率良く近づけることが可能になる。
【0270】
例えば、このような減速又は加速用の期間T1を設けない手法によると、車両玩具MTが有する慣性等が原因で、車両玩具MTの速度を、そのコース区間に設定された所望の速度に早期に近づけることが難しくなる。このため、各コース区間に設定された走行制御データと、それによる車両玩具MTの実際の速度とが、線形関係にならなくなってしまう。例えば走行制御データをDSi+1=50に設定した場合の速度に対して、DSi+1=80に設定した場合の速度は、線形の関係を保って1.6倍になることが望ましい。しかしながら、期間T1を設けないと、このような線形の関係を保つことが難しくなる。
【0271】
この点、図31(A)〜図31(D)の本実施形態の手法によれば、各コース区間に設定された速度に、車両玩具MTの速度を効率良く近づけることができるため、走行制御データと、それによる車両玩具MTの実際の速度とを、ほぼ線形な関係にすることが可能になる。従って、プレーヤが所望する速度で車両玩具MTが各コース区間で走行するようになり、プレーヤの意向をより反映した車両玩具MTの走行制御が可能になる。
【0272】
4.10 PWM駆動
さて、原動機がモータである場合には、モータはPWM方式により駆動することが望ましい。即ち、走行制御データにより設定されるデューティで、原動機であるモータをPWM駆動する。
【0273】
例えば図32(A)に示すように。走行制御データが「60」に設定されていた場合には、デューティが60パーセントのPWMの駆動波形でモータを駆動する。また走行制御データが「40」に設定されていた場合には、デューティが40パーセントのPWMの駆動波形でモータを駆動する。このようにモータをPWM駆動すれば、モータはデューティに対応した実効電圧で駆動されるようになるため、デューティを変化させることで、車両玩具MTを所望の速度で移動させることが可能になる。
【0274】
例えば図32(B)において、車両玩具MTがコース区間CSiに位置している時には、コース区間CSiの走行制御データにより設定される第iのデューティDTiでモータをPWM駆動する。一方、車両玩具MTがコース区間CSiからCSi+1に進入した場合には、コース区間CSi+1の走行制御データにより設定される第i+1のデューティDTi+1でモータをPWM駆動する。例えばコース区間CSiに設定されるデューティDTi=60の場合には、図32(A)の60パーセントのデューティのPWM駆動波形でモータを駆動し、コース区間CSi+1に設定されるデューティDTi+1=40の場合には、図32(A)の40パーセントのデューティのPWM駆動波形でモータを駆動する。
【0275】
更に具体的には図33(A)に示すように、DF<0となる減速制御の場合には、コース区間CSi+1における前半の第1の期間T1において、通常走行時の電圧とは逆極性の電圧をモータに印加する。即ち通常のPWM駆動時にモータの第1、第2の端子間に正極性の電圧が印加される場合には、図33(A)の期間T1ではモータの第1、第2の端子間に負極性の電圧が印加される。これによりモータの回転にブレーキングをかけて、車両玩具MTを減速させることができる。そしてコース区間CSi+1の後半の第2の期間T2において、CSi+1に設定されたデューティDTi+1でモータをPWM駆動する。これにより減速後、例えば定速走行に移行するようになる。
【0276】
一方、図33(B)に示すように、DF>0となる加速制御の場合には、前半の第1の期間T1において、デューティDTi+1よりも高いデューティに対応する電圧をモータに印加する。例えばデューティ=100パーセントの電圧を印加する。これによりモータの回転が加速されて、車両玩具MTが加速される。後半の第2の期間T2において、CSi+1に設定されたデューティDTi+1でモータをPWM駆動する。これにより加速後、例えば定速走行に移行するようになる。
【0277】
なお図31(C)、図31(D)で説明したように、コース区間CSiに設定されたデューティDTiとコース区間CSi+1に設定されたデューティDTi+1との差分が大きくなればなるほど長くなるように、第1の期間T1の長さを設定する。そして設定された第1の期間T1において車両玩具の減速制御又は加速制御を行うようにする。このようにすれば減速期間又は加速期間となる第1の期間T1が、デューティの差分に応じて長くなったり、短くなる。これにより車両玩具MTの減速の度合いや加速の度合いが自動的に調整されるため、適正な減速又は加速制御を実現できる。
【0278】
4.11 駆動部
次に図4の駆動部350の詳細な構成及び動作について説明する。図34に駆動部350の回路構成例を示す。
【0279】
図34に示すように駆動部350は、第1〜第4のトランジスタTR1〜TR4を含む。また第5、第6のトランジスタTR6、TR7や、ダイオードDI1〜DI4や、抵抗R1〜R6を含むことができる。ここでトランジスタTR1〜TR6は例えば電界効果型のトランジスタ(FET)である。なおトランジスタTR1〜TR6は、MOS型FETであってもよいし、接合型FETであってもよい。或いはバイポーラ型のトランジスタであってもよい。また本実施形態の駆動部350は図34の構成に限定されず、その構成要素の一部(例えばトランジスタTR6、TR7、ダイオードDI1〜DI4等)を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
【0280】
P型のトランジスタTR1は、第1の電源VDDのノードNDと、モータ30の第1の端子TM1のノードNT1との間に設けられる。具体的にはトランジスタTR1は、そのソース、ゲート、ドレインに、各々、ノードND、N1、NT1が接続される。またノードNDとN1の間には抵抗R1が設けられる。
【0281】
P型のトランジスタTR2は、ノードNDと、モータ30の第2の端子TM2のノードNT2との間に設けられる。具体的にはトランジスタTR2は、そのソース、ゲート、ドレインに、各々、ノードND、N2、NT2が接続される。またノードNDとN2の間には抵抗R2が設けられる。
【0282】
N型のトランジスタTR3は、ノードNT1と第2の電源VSS(GND)のノードNSとの間に設けられる。具体的にはトランジスタTR3は、そのソース、ゲート、ドレインに、各々、ノードNS、N3、NT1が接続される。またノードN3とNSの間には抵抗R3が設けられ、ノードN3には制御信号SG3が入力される。
【0283】
N型のトランジスタTR4は、ノードNT2とNSとの間に設けられる。具体的にはトランジスタTR4は、そのソース、ゲート、ドレインに、各々、ノードNS、N4、NT2が接続される。またノードN4とNSの間には抵抗R4が設けられ、ノードN4には制御信号SG4が入力される。
【0284】
N型のトランジスタTR5は、ノードN1とNSの間に設けられる。具体的にはトランジスタTR5は、そのソース、ゲート、ドレインに、各々、ノードNS、N5、N1が接続される。またノードN5とNSの間には抵抗R5が設けられ、ノードN5には制御信号SG5が入力される。
【0285】
N型のトランジスタTR6は、ノードN2とNSの間に設けられる。具体的にはトランジスタTR6は、そのソース、ゲート、ドレインに、各々、ノードNS、N6、N2が接続される。またノードN6とNSの間には抵抗R6が設けられ、ノードN6には制御信号SG6が入力される。
【0286】
また、ダイオードDI1はノードNDとNT1の間に設けられ、ダイオードDI2はノードNDとNT2の間に設けられ、ダイオードDI3はノードNT1とNSの間に設けられ、ダイオードDI4はノードNT2とNSの間に設けられる。
【0287】
図34の駆動部350では、車両玩具の通常走行時には、トランジスタTR1がオンになり、トランジスタがオフTR2、TR3がオフになる。そしてトランジスタTR4がPWM駆動のデューティにしたがってオン・オフされる。一方、車両玩具の減速制御時には、トランジスタTR1、TR4がオフになり、トランジスタTR2、TR3がオンになる。これにより、モータの第1の端子TM1と第2の端子TM2との間に、通常走行時の電圧(正電圧)とは逆極性の電圧(負電圧)が印加される。
【0288】
図35に、図34の駆動部350の詳細な動作を説明するための信号波形例を示す。図35のH1に示すように、コース区間CSiでは走行制御データが「80」に設定されるため、期間T2においてデューティDTi=80のPWM駆動が行われている。具体的には、制御信号SG6、SG3がLレベルになることで、トランジスタTR6、TR2、TR3がオフになり、制御信号SG5がHレベルになることで、トランジスタTR5、TR1がオンになる。また制御信号SG4の駆動波形のデューティが80に設定されて、デューティDTi=80のPWM駆動波形で、トランジスタTR4がオン、オフされる。なおこれらの制御信号は例えば図4の制御部310により生成される。
【0289】
図35のH2に示すように、コース区間CSi+1のマーカMCi+1が検出されると、H3に示すように走行制御データの差分情報DFが求められる。ここでは、コース区間CSi、CSi+1の走行制御データは、各々、「80」、「20」に設定されているため、DF=−60になり、減速制御が行われる。そして、コース区間CSi+1の前半の第1の期間T1の長さが、差分情報DF=−60に対応する長さに設定され、T1=60msecに設定される。これにより、T1=60msecの期間、逆極性の電圧が印加されて、車両玩具が減速(ブレーキング)される。
【0290】
具体的には、制御信号SG6、SG3がHレベルになることで、トランジスタTR6、TR2、TR3がオンになり、制御信号SG5、SG4がLレベルになることで、トランジスタTR5、TR1、TR4がオフになる。このようにトランジスタTR2、TR3がオンになり、TR1、TR4がオフになると、図34から明らかなように、モータ30の第2の端子TM2がVDDに設定され、第1の端子TM1がVSSに設定されるため、モータ30に対して逆極性の電圧が印加され、その回転にブレーキングがかかる。これにより、車両玩具を減速させることが可能になる。
【0291】
次に図35のH4に示すように、コース区間CSi+1の後半の第2の期間T2ではデューティDTi+1=20でPWM駆動が行われる。具体的には、制御信号SG6、SG3がLレベルになることで、トランジスタTR6、TR2、TR3がオフになり、制御信号SG5がHレベルになることで、トランジスタTR5、TR1がオンになる。そして制御信号SG4の駆動波形のデューティが20に設定されて、デューティDTi+1=20のPWM駆動波形で、トランジスタTR4がオン、オフされる。
【0292】
また図35のH5に示すように、次のコース区間CSi+2では、デューティDTi+2=100でのPWM駆動が行われる。なお図35では、差分情報に基づく減速制御は行っているが、差分情報に基づく加速制御については行っていない。
【0293】
以上のような構成の駆動部350を採用すれば、簡素な制御信号で、車両玩具の減速制御等を効率的に実現できる。また制御部310は、各コース区間に設定された走行制御データ(デューティ)を用いて、図35に示すような制御信号を生成するだけで済むため、制御部310の処理負荷も軽減できる。また車両玩具を減速させる場合に、図35のH4に示すようなPWM駆動信号を印加するだけでは、車両玩具が慣性を有するため、車両玩具の十分な減速を期待することが難しい。この点、本実施形態の手法によれば、H3に示すような逆極性電圧を印加しているため、車両玩具を十分に減速して、車両玩具の速度を、そのコース区間の走行制御データに対応した速度に設定することが可能になる。
【0294】
4.12 車両玩具側の詳細な処理
次に車両玩具側の詳細な処理フローについて図36のフローチャートを用いて説明する。図36は、主に図4の制御部310が行う処理を示したものである。
【0295】
まず、走行制御データをゲーム装置から受信したか否かを判断する(ステップS1)。そして走行制御データを受信した場合には、受信した走行制御データ(区間データ)を図4の記憶部330に格納する(ステップS2)。
【0296】
次に、車両玩具の動作開始を指示するセレクトボタンが押されたか否かを判断する(ステップS3)。そして、押された場合には、走行制御データの区間番号iを1に設定し(ステップS4)、車両玩具の走行をスタートする(ステップS5)。即ちモータの駆動を開始する。
【0297】
次に、i番号の走行制御データDSiの値を、モータ駆動用のPWM値に設定する(ステップS6)。そして、センサ50によりマーカが検出されたか否かを判断する(ステップS7)。マーカが検出された場合には、コース区間CSi+1の走行制御データDSi+1とコース区間CSiの走行制御データDSiとの間に、DSi+1<DSiの関係が成り立つか否かを判断する(ステップS8)。そして、DSi+1<DSiである場合には、減速制御を行うと判断し、DF=DSi+1−DSiに対応する期間T1だけ、デューティ=100の逆極性電圧をモータに印加する(ステップS9)。即ち図35のH3に示すような逆極性電圧の印加を行う。
【0298】
次に、i=16か否かを判断する(ステップS10)。そしてi=16ではない場合には、iを1だけインクリメントして(ステップS11)、ステップS6に戻る。一方、i=16になった場合には、車両玩具がゴール地点に対応するコース区間CS16にゴールしたと判断して、区間番号iを初期値である1に設定する(ステップS12)。
【0299】
4.13 キャラクタデータを用いた車両玩具の走行制御
次に、キャラクタデータを用いた車両玩具の走行制御の詳細について説明する。図37にキャラクタ選択画面(ドライバ選択画面)の具体例を示す。図37のキャラクタ選択画面において、プレーヤは、自身が所望するキャラクタを選択する。すると、選択されたキャラクタが車両玩具に対応づけられて、そのキャラクタのデータに基づいて車両玩具の走行制御が行われる。
【0300】
例えば図37では、車両玩具のドライバであるキャラクタの走行に関するパラメータとして、最高速度、最低速度、加速度、減速度、ブレーキ(制動力)、反応速度のパラメータが設定される。そしてこれらのパラメータの値は、各キャラクタに応じて異なった値に設定されている。
【0301】
なお、キャラクタの最高速度等の各パラメータ値を、図37のようにキャラクタ選択画面において明示的にプレーヤに表示してもよいし、表示しないようにしてもよい。例えば各パラメータ値を明示的に表示しない場合には、このようなパラメータ値を暗示するような情報を、キャラクタ選択画面においてプレーヤに対応づけて表示すればよい。また、図38に示すような編集画面を表示して、キャラクタの各パラメータ値をプレーヤ自身が編集できるようにしてもよい。
【0302】
なお、図37の画面の右上には、スピードアップの設定画面も表示されている。即ち、車両玩具が、電池で駆動されるモータにより走行する場合、コース周回を重ねるにつれてモータに供給される電力(動力)が低下し、車両玩具の走行速度が低下してしまうという課題がある。
【0303】
この点、図37のスピードアップ設定画面では、プレーヤは、車両玩具のスピードアップを設定できる。具体的には、コース周回の何周目でスピードアップするのかと、スピードアップ量である上昇率(電力上昇率)を設定できる。例えば図37では3回(所定回数)のスピードアップの設定が可能になっている。
【0304】
例えば、プレーヤが先行逃げ切り型を目指す場合には、1周目、2周目、3周目というような前半の周回において、高い上昇率のスピードアップを設定する。一方、後半追い込み型を目指す場合には、8周目、9周目、10周目というように後半の周回において、高い上昇率のスピードアップを設定する。こうすることで、プレーヤは多様な戦略を立てることができ、車両玩具の遊びの幅を広げることができる。
【0305】
さて、本実施形態では図39(A)に示すように、設定変更部130は、走行制御データ(動作制御データ)の設定内容を変更する処理として、キャラクタデータに応じた動作制御を車両玩具(移動玩具)に指示する指示情報を、走行制御データに対して付加する処理を行う。そして送信処理部104は、指示情報が付加された動作制御データを、車両玩具に送信する。そして車両玩具は、送信された走行制御データを、ゲーム装置から受信し、キャラクタデータに応じてその設定内容が変更される走行制御データに基づいて、その走行制御が行われる。
【0306】
この場合に、走行制御データに付加される指示情報(走行制御データに含ませる指示情報)としては、例えばキャラクタデータのパラメータ値等が考えられる。即ち図37に示すような各キャラクタの最高速度、最低速度、加速度、減速度、制動力(ブレーキ)、反応速度などのパラメータ値を、走行制御データに付加して、車両玩具に送信する。すると車両玩具の制御部が、走行制御データとこのパラメータ値に基づいて、車両玩具の走行を制御する。
【0307】
例えば図39(B)において、キャラクタCAの最高速度VHAはキャラクタCBの最高速度VHBよりも高く設定され、キャラクタCAの最低速度VLAはキャラクタCBの最低速度VLBよりも低く設定されている。即ちキャラクタCAの走行速度レンジRVA=VHA〜VLAは、キャラクタCBの走行速度レンジRVB=VHB〜VLBよりも広いレンジになっている。
【0308】
そして、プレーヤがキャラクタCAを選択し、キャラクタCAが車両玩具のドライバに設定されたとする。この場合に、図7等で説明した走行制御データをDS=100に設定すれば最高速度VHAになり、DS=0に設定すれば最低速度VLAになるように、走行制御データが変換される。即ち、変換後の走行制御データをDS’とすると、DS’=VLA+(VHA−VLA)×(DS/100)になる。例えばVHA=90、VLA=10とすると、DS=100の場合にDS’=VHA=90になり、DS=0の場合にDS’=VLA=10になる。
【0309】
一方、プレーヤがキャラクタCBを選択し、キャラクタCBが車両玩具のドライバに設定されると、走行制御データをDS=100に設定すれば最高速度VHBになり、DS=0に設定すれば最低速度VLBになるように、走行制御データが変換される。即ち、DS’=VLB+(VHB−VLB)×(DS/100)になる。
【0310】
このようにすれば、キャラクタに応じて走行速度レンジを異ならせることができる。例えばキャラクタCAでは、走行速度レンジRVAが広いため、ピーキーな速度変化が可能になる。一方、キャラクタCBでは、走行速度レンジRVBが狭いため、狭い範囲で細かな速度制御が可能になる。
【0311】
また図39(C)において、キャラクタCAは、その加速度パラメータが大きな値に設定され、キャラクタCBは、その加速度パラメータが小さな値に設定されている。
【0312】
そして加速度パラメータ値が大きいキャラクタCAがプレーヤにより選択された場合には、前半期間である加速期間T1(DF>0)が長い期間に設定される。このように加速期間T1を長くすることで、車両玩具の加速の度合いが大きくなる。
【0313】
一方、加速度パラメータ値が小さいキャラクタCBが選択された場合には、加速期間T1(DF>0)が短い期間に設定される。このように加速期間T1を短くすることで、キャラクタCAに比べて加速の度合いが小さくなる。
【0314】
以上のように、加速度パラメータ値に応じて加速期間T1の長さを変化させることで、選択されたキャラクタに応じて加速の度合いを異ならせる走行制御が可能になる。
【0315】
また図39(D)において、キャラクタCAは、その減速度パラメータが小さな値に設定され、キャラクタCBは、その減速度パラメータが大きな値に設定されている。
【0316】
そして減速度パラメータ値が小さいキャラクタCAがプレーヤにより選択された場合には、前半期間である減速期間T1(DF<0)が短い期間に設定される。このように減速期間T1を短くすることで、車両玩具の減速の度合いが小さくなる。
【0317】
一方、減速度パラメータ値が大きいキャラクタCBが選択された場合には、減速期間T1(DF<0)が長い期間に設定される。このように加速期間T1を長くすることで、キャラクタCAに比べて減速の度合いが大きくなる。
【0318】
以上のように、減速度パラメータ値に応じて、前半期間である減速期間T1の長さを変化させることで、選択されたキャラクタに応じて減速の度合いを異ならせる走行制御が可能になる。
【0319】
また図40(A)において、キャラクタCAは、その制動力(ブレーキ)パラメータが大きな値に設定され、キャラクタCBは、その制動力パラメータが小さな値に設定されている。
【0320】
そして制動力パラメータ値が大きいキャラクタCAがプレーヤにより選択された場合には、前半期間である減速期間T1(DF<0)において、高デューティ(例えば100パーセント)の逆極性電圧がモータに印加される。このように減速期間T1において、高デューティの逆極性電圧をモータに印加することで、車両玩具に強い制動力がかかり、早期に減速することが可能になる。
【0321】
一方、制動力パラメータ値が小さいキャラクタCBが選択された場合には、減速期間T1(DF<0)において、低デューティ(例えば50パーセント)の逆極性電圧がモータに印加される。このように減速期間T1において、低デューティの逆極性電圧をモータに印加することで、キャラクタCAに比べて、車両玩具にかかる制動力が弱くなり、ゆっくりと減速するようになる。
【0322】
以上のように、制動力パラメータ値に応じて、減速期間T1での逆極性電圧のデューティを変化させることで、選択されたキャラクタに応じて制動力の度合いを異ならせる走行制御が可能になる。
【0323】
また図40(B)において、キャラクタCAは、その反応速度パラメータが速くなる値に設定され、キャラクタCBは、その反応速度パラメータが遅くなる値に設定されている。
【0324】
そして反応速度が速いキャラクタCAがプレーヤにより選択された場合には、マーカMCi+1を検知後、実際に加速等が行われるまでの反応期間TRが短くなる。このように反応期間TRが短くなることで、車両玩具は即座に加速等するようになり、レスポンスが速くなる。
【0325】
一方、反応速度が遅いキャラクタCBが選択された場合には、マーカMCi+1を検知後、実際に加速等が行われるまでの反応期間TRが長くなる。このように反応期間TRが長くなることで、車両玩具はすぐには加速等しないようになり、レスポンスが遅くなる。
【0326】
以上のように、反応速度パラメータ値に応じて、反応期間TRの長さを変化させることで、選択されたキャラクタに応じて反応速度を異ならせる走行制御が可能になる。
【0327】
なお本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、明細書又は図面中の記載において広義や同義な用語(移動玩具、原動機、動作制御データ、動作特性データ、実動作結果データ、動作シミュレーション結果データ等)として引用された用語(車両玩具、モータ、走行制御データ、走行特性データ、実走行結果データ、走行シミュレーション結果データ等)は、明細書又は図面中の他の記載においても広義や同義な用語に置き換えることができる。
【0328】
また、キャラクタデータに基づく動作制御データの変更手法、キャラクタデータの設定手法、移動玩具の制御手法、マーカの検知手法、走行制御データの設定手法、移動玩具の減速・加速制御手法、原動機の駆動手法、シミュレーション処理手法等は、本実施形態で説明したものに限定されず、これらと均等な手法も本発明の範囲に含むことができる。また本発明が適用される移動玩具、ゲーム装置は、本発明で説明したような構成の移動玩具やゲーム装置に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0329】
【図1】図1(A)、図1(B)は車両玩具が走行するコースの説明図。
【図2】本実施形態が適用される車両玩具の外観斜視図。
【図3】本実施形態が適用される車両玩具の内部構成を示す平面図。
【図4】本実施形態が適用される車両玩具の機能ブロック図。
【図5】本実施形態が適用されるゲーム装置の外観図。
【図6】本実施形態が適用されるゲーム装置の機能ブロック図。
【図7】走行制御データの設定手法を説明するための図。
【図8】走行制御データの設定手法を説明するための図。
【図9】走行制御データの設定手法を説明するための図。
【図10】キャラクタデータに基づいて走行制御データの設定内容を変更する手法の説明図。
【図11】図11(A)、図11(B)はキャラクタデータに基づいて各コース区間の走行制御データ、動力設定データを変更する手法の説明図。
【図12】図12(A)、図12(B)はキャラクタ毎に動力の減少率を異ならせる手法の説明図。
【図13】図13(A)、図13(B)はキャラクタデータに基づいて各コース区間の加減速制御データを変更する手法の説明図。
【図14】図14(A)、図14(B)は実走行結果データに基づいてキャラクタデータのパラメータ値を変更する手法の説明図。
【図15】走行シミュレーション結果データに基づいてキャラクタデータのパラメータ値を変更する手法の説明図。
【図16】図16(A)、図16(B)はキャラクタデータの設定手法の説明図。
【図17】キャラクタデータを用いた本実施形態の詳細な処理のフローチャート。
【図18】キャラクタデータを用いた本実施形態の詳細な処理のフローチャート。
【図19】図19(A)〜図19(C)は、走行特性データの設定手法を説明する図。
【図20】コースデータの設定手法を説明する図。
【図21】図21(A)、図21(B)は実走行結果データを受信して表示する手法の説明図。
【図22】図22(A)、図22(B)は実走行結果データと走行シミュレーション結果データを比較して表示する手法の説明図。
【図23】図23(A)、図23(B)は加減速データを説明する図。
【図24】ゲーム装置側の詳細な処理のフローチャート。
【図25】ゲーム装置側の詳細な処理のフローチャート。
【図26】ゲーム装置側の詳細な処理のフローチャート。
【図27】ゲーム装置側の詳細な処理のフローチャート。
【図28】ゲーム装置側の詳細な処理のフローチャート。
【図29】図29(A)、図29(B)は本実施形態の減速制御、加速制御の手法の説明図。
【図30】図30(A)、図30(B)は差分情報に基づく減速制御、加速制御の手法の説明図。
【図31】図31(A)〜図31(D)は差分情報に基づく減速制御、加速制御の手法の説明図。
【図32】図32(A)、図32(B)はPWM駆動を用いた減速制御、加速制御の手法の説明図。
【図33】図33(A)、図33(B)はPWM駆動を用いた減速制御、加速制御の手法の説明図。
【図34】駆動部の具体的な構成例を示す図。
【図35】駆動部での具体的な信号波形例を示す図。
【図36】車両玩具側の詳細な処理のフローチャート。
【図37】キャラクタ選択画面の例。
【図38】キャラクタのパラメータ値の編集画面の例。
【図39】図39(A)〜図39(D)はキャラクタデータのパラメータ値を用いた走行制御手法の説明図。
【図40】図40(A)、図40(B)はキャラクタデータのパラメータ値を用いた走行制御手法の説明図。
【符号の説明】
【0330】
CSi、CSi+1 コース区間、DSi、DSi+1 走行制御データ、
MCi、MCi+1 マーカ、DTi、DTi+1 デューティ、
MT 車両玩具、DF 差分情報、CP1〜CP16 コースブロック、
10 車両玩具、12 ボディ、30 モータ、50 センサ、52 発光素子、
60 コース、61、62 第1、第2の周回コース、
100 処理部、102 シミュレーション処理部、104 送信処理部、
106 受信処理部、108 認証処理部、110 比較処理部、112 表示制御部、
114 成績評価部、116 アップロード処理部、118 キャラクタデータ設定部、
120 パラメータ処理部、122 解除条件設定部、124 解除条件判断部、
130 設定変更部、160 操作部、170 記憶部、172 走行特性データ記憶部、
173 コースデータ記憶部、174 走行制御データ記憶部、
176 キャラクタデータ記憶部、178 描画バッファ、
190 タッチパネル型表示部、191 表示部、192 音出力部、
194 補助記憶装置、196 通信部、
300 回路基板、310 制御部、330 記憶部、340 発光素子駆動部、
350 駆動部、360 センサコントローラ、370 外部インターフェース部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動玩具の動作を制御するためのデータである動作制御データを記憶する動作制御データ記憶部と、
前記移動玩具に対応づけられるキャラクタのキャラクタデータを設定するキャラクタデータ設定部と、
前記キャラクタデータを記憶するキャラクタデータ記憶部と、
前記キャラクタデータに基づき前記動作制御データの設定内容を変更する設定変更部と、
前記移動玩具の動作を制御するための前記動作制御データを、前記移動玩具に送信するための処理を行う送信処理部として、
コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項2】
請求項1において、
前記動作制御データ記憶部は、
前記動作制御データとして、前記移動玩具の走行制御データを、前記コースの各コース区間に対応づけて記憶し、
前記設定変更部は、
前記コースの各コース区間に対応づけられた前記走行制御データを、前記キャラクタデータに基づき変更し、
前記送信処理部は、
前記移動玩具の走行を制御するための前記走行制御データを、前記移動玩具に送信するための処理を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項3】
請求項2において、
前記動作制御データ記憶部は、
前記走行制御データとして、前記移動玩具が有する原動機に供給される動力の大きさを設定する動力設定データを、前記コースの各コース区間に対応づけて記憶し、
前記設定変更部は、
前記コースの各コース区間に対応づけられた前記動力設定データを、前記キャラクタデータに基づき変更し、
前記送信処理部は、
前記移動玩具の走行を制御するための前記動力設定データを、前記移動玩具に送信するための処理を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項4】
請求項3において、
前記設定変更部は、
前記移動玩具の前記コースでの走行距離に応じて前記原動機に供給される動力が低くなる場合に、前記動力の減少率を、前記キャラクタデータに応じて異ならせることを特徴とするプログラム。
【請求項5】
請求項2において、
前記動作制御データ記憶部は、
前記走行制御データとして、前記移動玩具の加減速制御データを、前記コースの各コース区間に対応づけて記憶し、
前記設定変更部は、
前記コースの各コース区間に対応づけられた前記加減速制御データを、前記キャラクタデータに基づき変更し、
前記送信処理部は、
前記加減速制御データを、前記移動玩具に送信するための処理を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかにおいて、
前記設定変更部は、
前記動作制御データの設定内容を変更する処理として、前記キャラクタデータに応じた動作制御を前記移動玩具に指示する指示情報を、前記動作制御データに付加する処理を行い、
前記送信処理部は、
前記指示情報が付加された前記動作制御データを、前記移動玩具に送信するための処理を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項7】
請求項6において、
前記設定変更部は、
前記指示情報として、前記キャラクタデータのパラメータ値を、前記動作制御データに付加する処理を行い、
前記送信処理部は、
前記キャラクタデータの前記パラメータ値が付加された前記動作制御データを、前記移動玩具に送信するための処理を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかにおいて、
送信された前記動作制御データに基づき前記移動玩具が動作することで得られた実動作結果データを、前記移動玩具から受信するための処理を行う受信処理部と、
受信した前記実動作結果データに基づいて、前記キャラクタデータのパラメータ値を変更する処理を行うパラメータ処理部として、
コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
請求項8において、
前記設定変更部は、
前記パラメータ値が変更された前記キャラクタデータに基づいて、前記動作制御データの設定内容を変更することを特徴とするプログラム。
【請求項10】
請求項9において、
前記設定変更部は、
前記動作制御データの設定内容を変更する処理として、変更された前記キャラクタデータの前記パラメータ値を、前記動作制御データに付加する処理を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項11】
請求項9又は10において、
前記パラメータ処理部は、
前記実動作結果データに基づいて、プレーヤのプレイ成績が高いと評価された場合に、前記キャラクタデータのパラメータ値を上昇させ、
前記設定変更部は、
前記キャラクタデータの前記パラメータ値が上昇した場合に、前記動作制御データの設定内容を優位な設定内容に変更することを特徴とするプログラム。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれかにおいて、
前記移動玩具に対応する仮想移動体を仮想空間内で動作させる動作シミュレーション処理を行うシミュレーション処理部と、
前記動作シミュレーションの結果データに基づいて、前記キャラクタデータのパラメータ値を変更する処理を行うパラメータ処理部として、
コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項13】
請求項12において、
前記設定変更部は、
前記パラメータ値が変更された前記キャラクタデータに基づいて、前記動作制御データの設定内容を変更することを特徴とするプログラム。
【請求項14】
請求項13において、
前記設定変更部は、
前記動作制御データの設定内容を変更する処理として、変更された前記キャラクタデータの前記パラメータ値を、前記動作制御データに付加する処理を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項15】
請求項13又は14において、
前記パラメータ処理部は、
前記動作シミュレーション結果データに基づいて、プレーヤのプレイ成績が高いと評価された場合に、前記キャラクタデータのパラメータ値を上昇させ、
前記設定変更部は、
前記キャラクタデータの前記パラメータ値が上昇した場合に、前記動作制御データの設定内容を優位な設定内容に変更することを特徴とするプログラム。
【請求項16】
請求項1乃至15のいずれかにおいて、
前記キャラクタデータ設定部は、
キャラクタ選択画面においてプレーヤにより選択されたキャラクタのデータを、前記移動玩具に対応づけられたキャラクタデータとして設定することを特徴とするプログラム。
【請求項17】
請求項1乃至15のいずれかにおいて、
前記キャラクタデータ設定部は、
外部記憶媒体からの情報に基づいてキャラクタ取得の条件が満たされたと判断した場合に、取得条件が満たされたキャラクタのデータを、前記移動玩具に対応づけられたキャラクタデータとして設定することを特徴とするプログラム。
【請求項18】
コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体であって、請求項1乃至17のいずれかに記載のプログラムを記憶したことを特徴とする情報記憶媒体。
【請求項19】
移動玩具の動作を制御するためのデータである動作制御データを記憶する動作制御データ記憶部と、
前記移動玩具に対応づけられるキャラクタのキャラクタデータを設定するキャラクタデータ設定部と、
前記キャラクタデータを記憶するキャラクタデータ記憶部と、
前記キャラクタデータに基づき前記動作制御データの設定内容を変更する設定変更部と、
前記移動玩具の動作を制御するための前記動作制御データを、前記移動玩具に送信するための処理を行う送信処理部と、
を含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項20】
ボディと、
前記ボディに搭載され、移動玩具を移動させるための原動機と、
移動玩具の制御を行う制御部と、
前記移動玩具の動作を制御するためのデータである動作制御データを記憶する記憶部と、
移動玩具に対応づけられるキャラクタのキャラクタデータに応じてその設定内容が変更される前記動作制御データを、外部のゲーム装置から受信するための外部インターフェース部と、
を含み、
前記制御部は、
前記キャラクタデータに応じてその設定内容が変更される前記動作制御データに基づいて、移動玩具の動作制御を行うことを特徴とする移動玩具。
【請求項21】
請求項20において、
前記外部インターフェース部は、
前記キャラクタデータのパラメータ値が付加された前記動作制御データを、前記ゲーム装置から受信し、
前記制御部は、
前記キャラクタデータの前記パラメータ値に応じた移動玩具の動作制御を行うことを特徴とする移動玩具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【公開番号】特開2009−247574(P2009−247574A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−98793(P2008−98793)
【出願日】平成20年4月4日(2008.4.4)
【出願人】(000134855)株式会社バンダイナムコゲームス (1,157)
【Fターム(参考)】