説明

プログラム、情報記憶媒体及びゲーム装置

【課題】傾倒式、スライド式又は回転式のアナログ操作部を用いて多彩な操作入力を可能とし、プレーヤに新たな操作感を与えることで興趣性を増したゲームを提供する。
【解決手段】アナログスティック1500を備える家庭用ゲーム装置1において、アナログスティック1500から入力される操作信号に基づき、アナログスティックの操作点(現在位置)を検出し、閾値判定基準位置から操作点までの距離rが所定時間T内に閾値L(又はL/2)を超えた場合に、連打操作入力が成功したと判定して、閾値判定基準位置をアナログスティックの操作点に更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータに、傾倒式、スライド式又は回転式のアナログ操作部の操作入力に基づき、連打入力回数を計数させるためのプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
近時の家庭用ゲーム装置等に装備されているゲームコントローラには、アナログスティックが標準で装備されている場合が多い。アナログスティックとは、放射方向(360度)に傾斜入力可能な操作棹を有し、該操作棹の傾斜具合に応じてアナログ的な数値を入力することができるポインティングデバイスの一種である。
【0003】
アナログスティックを使用することで、ボタンスイッチによるON−OFFの断続的な入力では実現が難しい素早く細かな、又滑らかに連続した操作入力が可能となり、種々のゲームにおいて、高い操作性と臨場感が得られる。例えば、特許文献1には、カーレースゲームのハンドル操作をアナログスティックを用いて行わせる技術が開示されている。この方法によれば、アナログスティックの傾斜方向の変化に応じた方向に仮想ハンドルのハンドル角度を制御することで、ボタンスイッチにはない滑らかなハンドル操作を実現したり、アナログスティックを回転させる動作が仮想ハンドルを回す操作に感覚的に近いため、ゲームの体感性をより高めるといった効果が実現できる。
【特許文献1】特開2004−33429号公報
【0004】
一方、従来からプレーヤが音楽に合わせて所定の被叩打部を叩打し、擬似的な演奏を楽しむゲーム装置が知られている。例えば、太鼓型操作装置を備えた業務用ゲーム装置のゲーム画面に叩打操作の入力タイミングを指示する指示標識を表示させ、プレーヤは指示標識に従い、BGMに合わせて太鼓型操作装置の被叩打部を叩打することで操作入力を行い演奏ゲームを楽しむ。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された技術は、例えば、カーレースゲーム等のハンドル操作を行うゲームには好適なものの、例えば、上述した演奏ゲーム等の他のゲームへの適用は困難であった。
【0006】
上述した太鼓型操作装置を備えた業務用ゲーム装置の演奏ゲームを家庭用ゲーム装置に適用する場合、太鼓型操作装置に代えて、ボタンスイッチによるON−OFF入力により叩打操作を行わせる必要がある。叩打操作をボタンスイッチの操作入力だけで行う場合はゲームが単調となってしまい、操作(演奏)という面において家庭用ゲーム装置で演奏ゲームの楽しさを再現することは困難である。そこで、家庭用ゲーム装置に備えるアナログスティックの操作入力方法を工夫することで、より魅力のあるゲームを再現することはできないだろうか。
【0007】
本発明の課題は、傾倒式、スライド式又は回転式のアナログ操作部を用いて多彩な操作入力を可能とし、プレーヤに新たな操作感を与えることで興趣性を増したゲームを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、第1の発明は、
コンピュータに、傾倒式、スライド式又は回転式のアナログ操作部(例えば、図1のコントローラ1110,図5の操作部10)の操作入力に基づき、連打入力回数を計数させるためのプログラム(例えば、図5の連打判定処理プログラム324)であって、
所与の基準操作状態に対する前記アナログ操作部の操作状態の変位に基づいて、連打入力の判定対象とする操作入力がなされたことを検知する入力検知手段(例えば、図5の連打判定部226,図14のステップS34〜S48)、
前記入力検知手段により検知された際の前記アナログ操作部の操作状態を前記基準操作状態として更新する検知基準更新手段(例えば、図5の連打判定部226,図14のステップS36,S44)、
前記入力検知手段による検知に基づいて連打入力回数を計数する連打入力回数計数手段(例えば、図5の連打判定部226,図14のステップS50)、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0009】
第15の発明は、
傾倒式、スライド式又は回転式のアナログ操作部(例えば、図1のコントローラ1110,図5の操作部10)の操作入力に基づき、連打入力回数を計数するゲーム装置(例えば、図1の家庭用ゲーム装置1)であって、
所与の基準操作状態に対する前記アナログ操作部の操作状態の変位に基づいて、連打入力の判定対象とする操作入力がなされたことを検知する入力検知手段(例えば、図5の連打判定部226,図14のステップS34〜S48)と、
前記入力検知手段により検知された際の前記アナログ操作部の操作状態を前記基準操作状態として更新する検知基準更新手段(例えば、図5の連打判定部226,図14のステップS44)と、
前記入力検知手段による検知に基づいて連打入力回数を計数する連打入力回数計数手段(例えば、図5の連打判定部226,図14のステップS50)と、
を備えたゲーム装置である。
【0010】
第1、第15の発明によれば、傾斜式、スライド式又は回転式のアナログ操作部の操作状態の所与の基準操作状態に対する変位に基づいて、連打入力の判定対象とする操作入力がなされたことを検知し、この検知に基づいて連打入力回数を計数することにより、アナログ操作部に対する操作入力をその操作状態に応じて連打入力回数といった定量的な値に置き換えることができる。また、前記入力検知手段により検知された際のアナログ操作部の操作状態を前記基準操作状態として更新することにより、前回の検知の際のアナログ操作部の操作状態から現在のアナログ操作部の操作状態の変位を、連打入力の判定対象とする操作入力として検知することができる。これにより、操作状態が任意に変位するアナログ操作部の特性を活かして、新たな操作感をプレーヤに与えることができる。
【0011】
第2の発明は、第1の発明のプログラムであって、
前記検知基準更新手段が、前記入力検知手段による前回の検知から所定の間隔判定時間内に新たな検知がなされない場合に、前記基準操作状態を所定の初期基準操作状態に更新する基準初期化手段(例えば、図5の連打判定部226,図14のステップS36)を有するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0012】
第2の発明によれば、前記入力検知手段による前回の検知から所定の間隔判定時間内に新たな検知がなされない場合に、前記基準操作状態を所定の初期基準操作状態に更新するため、プレーヤは所定の間隔判定時間内に新たな検知がなされるように、アナログ操作部を操作しなければならないといった制約が加わり、操作入力にスピード性を要求するといったことができる。
【0013】
第3の発明は、第2の発明のプログラムであって、
前記間隔判定時間を変更する間隔判定時間変更手段(例えば、図5のゲーム演算部22)として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0014】
第3の発明によれば、間隔判定時間を変更することができるので、プレーヤの操作入力の習熟度に合わせた好適な間隔判定時間を設定することができる。例えば、操作入力に習熟しているプレーヤに対しては、間隔判定時間を短く変更して、より速い操作で操作入力を行わなければならないといった制約を課すことができる。一方、操作入力に習熟していないプレーヤに対しては、間隔判定時間を長く変更して、遅い操作入力が許容されるように設定することができる。
【0015】
第4の発明は、第2又は第3の発明のプログラムであって、
前記連打入力回数計数手段が、前記基準操作状態が前記初期基準操作状態であった場合の前記入力検知手段の検知に対する連打入力回数の計数を行わないように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0016】
第4の発明によれば、前記基準操作状態が前記初期基準操作状態であった場合の前記入力検知手段の検知に対する連打入力回数の計数を行わないようにすることで、基準操作状態が初期基準操作状態に更新されないように、アナログ操作部を操作入力し続けなければならないといった制約を加えることができ、プレーヤに緊張感を与えることができる。
【0017】
第5の発明は、第1〜第4の発明のプログラムであって、
前記入力検知手段による前回の検知から所定の連打終了判定間隔時間内に新たな検知がなされない場合に、連打入力が終了したと判定する連打終了判定手段(例えば、図5の連打判定部226)として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0018】
第5の発明によれば、所定の連打終了判定間隔時間内に新たな検知行われるようにアナログ操作部を素早く操作しなければ連打入力が終了してしまうといったペナルティを与えることにより、プレーヤに緊張感を与えることができる。
【0019】
第6の発明は、第5の発明のプログラムであって、
前記連打終了判定間隔時間を変更する連打終了判定間隔時間変更手段(例えば、図5の連打判定部226)として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0020】
第6の発明によれば、プレーヤの操作入力の習熟度に応じて連打終了判定間隔時間を変更することができ、プレーヤのプレイレベルに応じたゲームを提供することができる。
【0021】
第7の発明は、第1〜第6の発明のプログラムであって、
前記入力検知手段が、前記基準操作状態に対する操作状態の変位量が所与の閾値に達した場合に前記検知を行うように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0022】
第7の発明によれば、前記基準操作状態に対する操作状態の変位量が所与の閾値に達した場合に前記検知を行うため、プレーヤは変位量が所与の閾値に達するようにアナログ操作部を大きく操作入力する必要がある。これにより、プレーヤは操作感を楽しむことができる。
【0023】
第8の発明は、第7の発明のプログラムであって、
前記操作状態は前記アナログ操作部の操作方向及び当該方向への操作量で定義され、
前記入力検知手段が、前記基準操作状態の操作方向への当該基準操作状態の操作量に対する、前記アナログ操作部の現在の操作方向への現在の操作量の相対的な変位量が前記閾値に達した場合に前記検知を行うように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0024】
第8の発明によれば、アナログ操作部の操作方向及び当該方向への操作量に基づいて、これらの相対的な変位量が所与の閾値に達した場合に前記検知を行うため、プレーヤの操作入力を操作方向、及び当該操作方向への操作量といった観点からアナログ操作部に対する特有の操作について、適切な検知を行うことができる。
【0025】
また、第9の発明として、第7の発明のプログラムであって、
前記アナログ操作部が傾倒式の操作部であった場合に、
前記入力検知手段を、前記アナログ操作部の前記基準操作状態での傾斜方向における当該基準操作状態での傾斜角度に対する、前記アナログ操作部の現在の傾斜方向における現在の傾斜角度の相対的な変位量が前記閾値に達した場合に前記検知を行うように前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成しても良い。
【0026】
また、第10の発明として、第7の発明のプログラムであって、
前記アナログ操作部がスライド式の操作部であった場合に、
前記入力検知手段を、前記アナログ操作部の前記基準操作状態でのスライド方向における当該基準操作状態でのスライド量に対する、前記アナログ操作部の現在のスライド方向における現在のスライド量の相対的な変位量が前記閾値に達した場合に前記検知を行うように前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成しても良い。
【0027】
また、第11の発明として、第7の発明のプログラムであって、
前記アナログ操作部が回転式の操作部であった場合に、
前記入力検知手段を、前記アナログ操作部の前記基準操作状態での回転方向における当該基準操作状態での回転速度に対する、前記アナログ操作部の現在の回転方向における現在の回転速度の相対的な変位量が前記閾値に達した場合に前記検知を行うように前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成しても良い。
【0028】
第12の発明は、第7〜第11の発明のプログラムであって、
前記閾値を変更する閾値変更手段として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0029】
第12の発明によれば、閾値変更手段により前記閾値を変更することにより、入力検知手段により連打入力の判定対象とする操作入力がなされたことの検知の難易度を可変することができる。つまり、閾値を大きい値に変更した場合、前記変位量を大きくしなければ検知手段による検知がなされないため、プレーヤはアナログ操作部を大きく動かさなければならず、操作入力の難易度が向上する。一方、閾値を小さい値に変更した場合、前記変位量が小さくても入力検知手段による検知がなされるため、プレーヤはアナログ操作部を小さく動かせば良く、操作入力の難易度は低下する。このように、難易度を可変にすることにより、プレーヤのプレイレベルに応じたゲームを提供することができる。
【0030】
第13の発明は、第1〜第12の発明のプログラムであって、
前記連打入力回数計数手段によって計数された連打入力回数に応じて、所定の表示キャラクタの移動、挙動及び表示形態のうち少なくとも1つを可変に制御する表示キャラ制御手段として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである
【0031】
第13の発明によれば、連打入力回数計数手段によって計数された連打入力回数に応じて、所定の表示キャラクタの移動、挙動、表示形態といったものが可変されるため、プレーヤの操作入力に応じてゲーム進行が制御されることとなり、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0032】
第14の発明は、
第1〜13の発明の何れかのプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。
【0033】
第14の発明によれば、第1〜第13の発明と同様の作用効果を奏する情報記憶媒体を実現し得る。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、傾倒式、スライド式又は回転式のアナログ操作部を用いて多彩な操作入力を可能とし、プレーヤに新たな操作感を与えることで興趣性を増したゲームを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態を説明する。なお、以下では、BGMに合わせてゲーム画面に表示された操作入力のタイミング等を指示する指示標識に従って、プレーヤが操作入力を行う演奏ゲームについて説明するが、本発明の適用がこれに限定されるものではない。
【0036】
1.ゲーム装置の外観例
本実施の形態における家庭用ゲーム装置1について図を参照して説明する。図1(a)は、家庭用ゲーム装置1の一例を示す外観図である。図1(a)に示すように、家庭用ゲーム装置1は、本体装置1100と、コントローラ1110,1110と、スピーカ1202を具備するディスプレイ1200と、を備える。コントローラ1110,1110は本体装置1100に接続され、ディスプレイ1200は、画像信号及び音信号を伝送可能なケーブルKによって本体装置1100に接続されている。
【0037】
また、本体装置1100は、例えばCPUやICメモリ等を搭載した制御ユニットや、CD−ROM1104等の情報記憶媒体の読取装置を具備する。そして、CD−ROM1104等から読み出したゲーム情報と、コントローラ1110,1110からの操作信号とに基づいて種々のゲーム処理を実行し、ゲーム画面の画像信号及びゲーム音の音信号を生成する。さらに、生成した画像信号及び音信号をディスプレイ1200に出力して、ディスプレイ1200にゲーム画面を表示させると共に、スピーカ1202からゲーム音を出力させる。
【0038】
本体装置1100がゲーム処理を行うために必要なプログラムやデータ等を含むゲーム情報等は、例えば本体装置1100に着脱自在な情報記憶媒体であるCD−ROM1104やICメモリ1106、メモリカード1108等に格納されている。
【0039】
コントローラ1110,1110は、プレーヤがゲーム操作等を入力するためのボタンスイッチ等を具備し、操作に応じた操作信号を本体装置1100に出力する。図1(b)に、本実施形態におけるコントローラ1110の平面図を示す。図1(b)に示すように、コントローラ1110は、左右に2つのグリップ1300a、1300bと、グリップ1300a、1300bの内側にそれぞれ設けられたアナログスティック1500a、1500bを備える本体1400と、本体1400の表面上に設けられたボタン群1600と、から主に構成される。
【0040】
アナログスティック1500aは、左手用のアナログスティックであり、プレーヤがグリップ1300aを握った際に左手の親指が届く範囲に配置される。アナログスティック1500bは、右手用のアナログスティックであり、プレーヤがグリップ1300bを握った際に右手の親指が届く範囲に配置される。このアナログスティック1500a、1500bは、真上に直立した位置が中立位置であって、放射方向(360度の方向)に傾斜し、且つ直立した状態で旋回可能であり、また、外力が加わらないときは中立位置に弾性保持される。また、アナログスティック1500a,1500bの基端部にはX座標、Y座標を操作信号(アナログ値)として出力するセンサを備え、プレーヤが傾斜操作することによって、二次元領域の任意の座標位置を傾斜方向、傾斜角度に応じて指定できるようになっている。なお、アナログスティック1500a、1500bの傾斜の検出方法は特に問わない。
【0041】
ボタン群1600は、左手ボタン群1600aと、右手ボタン群1600bとに分割され、それぞれプレーヤがグリップ1300a、1300bを握った際の左右の親指が届く範囲にそれぞれ配置される。左手ボタン群1600aには、4つの矢印ボタン←,↑,→,↓と、1つの補助ボタンL1が含まれ、右手ボタン群1600bには、4つの機能ボタン○,×,△,□と、1つの補助ボタンR1が含まれる。
【0042】
プレーヤは、ディスプレイ1200に表示されたゲーム画面の指示標識に応じて、コントローラ1110,1110に備えられたアナログスティック1500a,1500b、ボタン群1600a,1600bをそれぞれ操作して演奏ゲームを楽しむ。
【0043】
2.ゲーム概要
次に、本実施形態のゲームの概要について説明する。図2は、本実施形態におけるゲーム画面の一例を示す図である。図2に示すように、2人対戦型のゲーム画面の場合、各プレーヤ毎に表示領域が上段と下段に分割され、上段には、1Pプレーヤ用の表示領域が設けられ、下段には2Pプレーヤ用の表示領域が設けられる。各表示領域は、標識表示エリアEA10と、フレーズ表示エリアEA20と、演出エリアEA30とを備えて構成されている。
【0044】
標識表示エリアEA10には、操作入力すべき操作部位(例えば、ボタン又はアナログスティック等)を指示すると共に、操作入力の入力タイミングや入力期間を指示するための指示標識が表示される。標識表示エリアEA10の左端には、判定枠F10が表示され、標識表示エリアEA10の右端から発生した指示標識が、判定枠F10の方向に向かって所定速度で移動するように表示される。この指示標識が判定枠F10に到達するタイミングが操作入力の入力タイミングとして指示される。
【0045】
各指示標識は、Lボタン用標識MA10、Rボタン用標識MA20、アナログスティック用標識MA30の3種類があり、各指示標識は、操作部位に応じたアイコンにより識別表示されている。具体的に、Lボタン用標識MA10は、外側が着色等された二重丸アイコンにより表示され、Rボタン用標識MA20は内側が着色等された二重丸アイコンにより表示され、アナログスティック用標識MA30は、内側が着色等された棒状アイコンにより表示されている。また、Lボタン用標識MA10,Rボタン用標識MA20は、1つのアイコンに対して1回の操作入力を指示し、アナログスティック用標識MA30は、1つのアイコンに対してその長さに応じた連打操作入力を指示する。以下、アナログスティック用標識MA30を、連打標識MA30と呼ぶ。連打操作入力の指示とは、連打標識MA30の左端が判定枠F10に到達してから、その右端が判定枠F10を通過するまでの間、アナログスティックによる操作入力を連続して行わせる指示である。尚、連打操作入力の方法については後述する。
【0046】
フレーズ表示エリアEA20には、標識表示エリアEA10に表示される指示標識に対応するフレーズが表示され、各フレーズは対応する指示標識の移動に随伴してフレーズ表示エリアEA20を右から左へと所定速度で移動する。各フレーズは、指示標識に対応した3種類があり、具体的には、Lボタン用標識MA10に対応したフレーズ“カッ”と、Rボタン用標識MA20に対応したフレーズ“ドン”と、連打標識MA30に対応したフレーズ“ドドドドドン”とがある。
【0047】
演出エリアEA30は、各プレーヤに応じたプレーヤキャラクタ、プレーヤの操作入力に応じた演出用の動画像、指示標識に応じた演出用の動画像が表示される。具体的には、各プレーヤのプレーヤキャラクタとして、和太鼓を模したキャラクタCA10が表示され、指示標識に応じた演出用の動画像として、連打標識MA30に応じた神社の鈴を模したキャラクタCA20が表示されている。このように、連打標識MA30に対しては、神社の鈴を振るようにアナログスティック1500を連続して操作入力するように促している。また、演出エリアEA30には、ポイントゲージGA10が表示され、各プレーヤに与えられたポイントに応じてゲージの長さが増減表示される。
【0048】
3.原理
次に、指示標識に対してコントローラ1110から入力された操作入力の検出原理について説明する。より詳細には、連打標識MA30に対してアナログスティック1500から入力された操作信号に基づく操作入力の検出原理について説明する。図3は、アナログスティック1500の操作状態と、アナログスティック1500から出力される操作信号との関係を説明する図である。図3(a)は、アナログスティック1500の操作状態を示す上面図及び側面図である。上面図に示すように、アナログスティック1500の中立位置を基準点として、左右方向をX軸方向とし、前後方向をY軸方向とする。アナログスティック1500の操作状態が基準点から変位すると、その傾斜方向及び傾斜角度に応じて二次元領域の座標位置を含む操作信号が出力される。この操作信号を図3(b)に示すXY平面上に投影した座標位置がアナログスティック1500の操作点として検出される。
【0049】
具体的には、アナログスティック1500の操作に応じて出力された操作信号は、図3(b)に示すX値とY値で示される操作点P1(x1,y1)に変換される。また、操作点P1に基づき基準点P0からの距離rが操作量として算出される。なお、図3(b)の円C1は、アナログスティック1500の可動領域を示している。
【0050】
続いて、アナログスティック1500の操作入力に応じた連打操作入力の判定方法の原理について説明する。図4は、連打操作入力の判定方法を説明するための図であり、円C1は、アナログスティック1500の可動領域を示している。
【0051】
まず、図4(a)に示すように、アナログスティック1500の基準点P0を閾値判定基準位置(以下、基準点P0が閾値判定基準位置の場合「初期閾値判定基準位置」と呼ぶ)に設定し、初期閾値判定基準位置P0(0,0)からアナログスティック1500の操作点P1(x1,y1)までの距離r1を算出する。そして、距離r1が所定時間T(例えば、1秒)内に閾値L/2(例えば、円C1の半径の1/2)を超えたか否かを判定する。この場合、図4(a)に示す斜線領域内に操作点P1が達した場合、閾値を超えたと判定する。判定結果により、距離r1が所定時間T内に閾値L/2を超えた場合、アナログスティック1500の現在位置、すなわち操作点P1を閾値判定基準位置に更新して、1回目の判定が終了する。
【0052】
続いて、2回目の判定方法について説明する。先ず、アナログスティック1500の操作点P2(x2,y2)を検出し、更新された閾値判定基準位置P1から操作点P2(x2,y2)までの距離r2を算出する。そして、距離r2が所定時間T(例えば、1秒)内に閾値L(例えば、円C1の半径)を超えたか否かを判定する。この場合、図4(b)に示す斜線領域内に操作点P2が達した場合、閾値を超えたと判定する。判定結果により、距離r2が所定時間T内に閾値を超えた場合、連打操作入力の回数を+1カウントアップして2回目の判定が終了する。
【0053】
以降の判定方法は、2回目の判定方法と同様に行われる。すなわち、図4(c)に示すように、図4(b)において閾値を超えたと判定された際の操作点P2を閾値判定基準位置に更新して、閾値判定基準位置P2からアナログスティック1500の操作点P3までの距離r3を算出する。そして、距離r3が、所定時間T内に閾値を超えたか否かを判定し、判定結果に基づき連打操作入力の回数を+1カウントアップする。このように、1回目の連打操作判定においては、連打操作入力の成功の有無に関わらず連打回数は計数せず、2回目以降における連打操作判定において連打操作入力が成功した場合に連打回数を計数する。
【0054】
尚、上述した連打操作判定において、距離rが所定時間T内に閾値Lを超えなかった場合、即ち、連打操作入力に失敗した場合、閾値判定基準位置を初期閾値判定基準位置に更新し、上述した1回目の判定方法に基づき、連打操作判定を行う。このように、閾値判定基準位置が初期閾値判定基準位置に更新されると、1回目の連打操作判定においては、連打操作入力の成功の有無に関わらず連打回数は計数されないため、失敗に対するペナルティを課すといったことができる。これにより、プレーヤに連続して連打操作入力を行うように促すことができる。なお、以降にカウントされる連打操作入力の回数は、従前の回数に累積的にカウントされるものとするとしても良く、従前の回数はクリアされ、新たに回数がカウントされるものとしても良い。
【0055】
以上の連打操作判定を、上述した連打標識MA30により指示される入力期間中、繰り返し実行する。つまり、連打標識MA30の左端が判定枠F10に到達してから連打標識MA30の右端が判定枠F10を通過するまでの間に、アナログスティック1500に対して行われた操作入力に基づき上述した連打操作判定を実行する。
【0056】
これにより、アナログスティック1500を、あたかも神社の鈴を振り鳴らすかのような方法にて操作入力を行うことができ、アナログスティック1500の新たな操作感を楽しむことができる。また、閾値判定基準位置から操作点までの距離rが閾値Lを超えなければならないため、プレーヤは連打操作入力を成功させるため、アナログスティックを大きく操作する必要があり、その操作感を楽しむことができる。
【0057】
また、所定時間T内に閾値を超えなくてならないという制約が加わるため、操作のスピード性が要求され、ゲームの緊張感が保たれる。さらに、閾値判定基準位置が適宜更新されるため、プレーヤは、閾値判定基準位置に基づき放射方向に操作入力を行うようになり、放射方向に変位可能なアナログスティック1500の特性を活かした操作方法とすることができる。
【0058】
また、所定時間Tを超えた場合、閾値判定基準位置が初期閾値判定基準位置に更新されるが、初期閾値判定基準位置から連打操作判定が成功した場合は、連打回数のカウントアップはされない。従って、プレーヤは、閾値判定基準位置が初期閾値判定基準位置に更新されないように、素早く連続して操作入力を行う必要があり、プレーヤに緊張感を与えることができる。
【0059】
4.機能構成
次に、本実施形態における家庭用ゲーム装置1の機能構成について説明する。図5は、本実施の形態の家庭用ゲーム装置1の内部構成の一例を示すブロック図である。図5に示すように、家庭用ゲーム装置1は、操作部10、処理部20、記憶部30、表示部40、音出力部50等を備えて構成され、ビデオゲームを実行してゲーム画像を生成し、生成したゲーム画像を表示部40に表示させる。
【0060】
操作部10は、プレーヤによる操作指示を受け付け、操作に応じた操作信号を処理部20に出力する。この機能は、例えばボタンやアナログスティック、アナログパッド、ダイヤル、マウス、トラックボール、キーボード、各種センサ等によって実現される。図1ではコントローラ1110がこれに相当する。
【0061】
処理部20は、家庭用ゲーム装置1全体の制御やゲームの進行、画像生成等の各種演算処理を行う。この機能は、例えばCPU(CISC型、RISC型)、ASIC(ゲートアレイ等)等の演算装置やその制御プログラムにより実現される。図1では、本体装置1100に具備される制御ユニットがこれに相当する。
【0062】
また、処理部20は、主な機能部として、ゲームに係る演算処理を行うゲーム演算部22と、ゲーム演算部22の処理によって求められた各種のデータに基づき、ゲーム画面を表示させるための画像信号の生成を実行する画像生成部24と、効果音やBGM等のゲーム音の生成及びゲーム音を出力させるための音信号の生成を実行する音生成部26とを含む。
【0063】
ゲーム演算部22は、主な機能部として、標識制御部222、入力制御部224、連打判定部226を含む。標識制御部222は、ゲーム進行プログラム322に従ったゲーム進行処理の実行に際して、プレーヤに操作入力の入力タイミング等を指示するための指示標識をゲーム画面に表示させる制御を行う。入力制御部224は、アナログスティック1500から入力される操作信号に基づいて、操作点の座標位置や閾値判定基準位置と操作点との距離を算出する。連打判定部226は、連打判定処理プログラム324に従って連打判定処理を実行し、アナログスティック1500からの操作入力に基づき連打操作判定を行う。
【0064】
画像生成部24は、例えばCPUやDSP等の演算装置やその制御プログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等によって実現される。画像生成部24は、ゲーム演算部22による演算結果に基づきゲーム画面を生成し、ゲーム画面の画像信号を表示部40に出力する。
【0065】
表示部40は、画像生成部24からの画像信号に基づいて、例えば1/60秒毎に1フレームの画面を再描画しながらゲーム画面を表示する。この機能は、例えばCRT、LCD、ELD、PDP、HMD等のハードウェアによって実現される。図1では、ディスプレイ1200がこれに相当する。
【0066】
音生成部26は、例えばCPUやDSP等の演算装置及びその制御プログラムによって実現され、ゲーム中に使用される効果音やBGM等のゲーム音を生成し、生成したゲーム音の音信号を音出力部50に出力する。
【0067】
音出力部50は、音生成部26からの音信号に基づいて、BGMや効果音等のゲーム音声を出力する。この機能は、例えばスピーカ等によって実現される。図1では、スピーカ1202がこれに相当する。
【0068】
記憶部30は、処理部20に家庭用ゲーム装置1を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのシステムプログラムや、ゲームを実行させるために必要なプログラムやデータ等を記憶すると共に、処理部20の作業領域として用いられ、処理部20が各種プログラムに従って実行した演算結果や操作部10から入力される入力データ等を一時的に記憶する。この機能は、例えば各種ICメモリやハードディスク、CD−ROM、DVD、MO、RAM、VRAM等によって実現される。図1では、本体装置1100が具備するCD−ROM1104、ICメモリ1106、メモリカード1108がこれに該当する。
【0069】
また、記憶部30は、処理部20をゲーム演算部22として機能させるためのゲームプログラム32及びゲームデータ34を記憶する。具体的には、ゲームプログラム32として、ゲーム進行プログラム322、連打判定処理プログラム324を記憶する。また、ゲームデータ34として、プレイデータ342、音楽データ群344、譜面データ群346、連打ルール情報348、連打操作データ350、閾値判定基準位置データ352、連打回数データ354、ポイントデータ356、を記憶している。
【0070】
プレイデータ342は、各曲目毎に音楽データと譜面データとの対応関係、ゲーム難易度、連打難易度を記憶している。図6に、プレイデータ342の一例を示す。図6において、曲目は、演奏ゲームの種類を特定する情報であり、曲名称(例えば、「曲A」)により定義されている。また、曲目に対応付けて音楽データと譜面データが記憶されている。音楽データ(例えば、音楽A)は、当該ステージのプレイ中にBGMとして出力するための音楽データを特定する情報である。また、譜面データ(例えば、譜面A)は、当該ステージに対応付けられた譜面データを特定するための情報である。尚、音楽データ及び譜面データ自体は、音楽データ群344及び譜面データ群346に格納されている。
【0071】
また、曲目に対応付けて、ゲームの難易度と連打難易度が記憶されている。ゲーム難易度は、各曲目における演奏ゲームの難易度を定義する情報であり、例えば、「易」、「普通」、「難」の3段階に分類される。具体的には、曲目のテンポの速さ、ゲーム中に提示される指示標識の数、種類、組合わせ等により定義される。連打難易度は、アナログスティック1500からの操作入力に基づいて連打操作判定を行う際の連打操作判定の難易度を定義する情報であり、例えば、「簡単」、「普通」、「難しい」の3段階に分類される。具体的には、後述する所定時間T、閾値Lのパラメータにより定義される。
【0072】
次に、図7を参照して譜面データ群346のデータ構成例について説明する。図7に示すように、譜面データ群346は、各曲目に対応した複数の譜面データを格納しており、同図には、譜面データAのデータ構成例を示している。図7において、譜面データAは、入力タイミング346a、標識識別番号346b、標識種別346c、フレーズ346dを記憶している。
【0073】
入力タイミング346aは、ゲームプレイ開始時を基準とした入力タイミングや入力期間を記憶している。例えば、Rボタン用標識の場合、ゲームプレイ開始時からの経過時間(例えば、T1)を入力タイミングとして記憶し、連打標識の場合、ゲームプレイ開始時からの経過時間(例えば、T2〜T3)を入力タイミング及び入力期間として記憶している。
【0074】
標識識別番号346bは、指示標識を特定するための識別情報(例えば、「M101」)である。標識種別346cは、Rボタン用標識、Lボタン用標識、連打標識の各指示標識のうち何れかの指示標識を記憶している。フレーズ346dは、ゲーム画面において、指示標識とともに表示させるフレーズを記憶している。具体的には、Rボタン用標識のフレーズとして“ドン”、Lボタン用標識のフレーズとして“カッ”、連打標識のフレーズとして“ドドドドン”、をそれぞれ記憶している。
【0075】
連打ルール情報348は、連打操作判定の判定基準となるパラメータを連打難易度に対応付けて記憶している。図8に連打ルール情報348のデータ構成例を示す。図8において、連打ルール情報348は、連打難易度348aに対応付けて、距離348b、時間348cを記憶している。連打難易度348aは、上述したプレイデータ342に記憶された連打難易度に対応し、3段階の難易度(例えば、「簡単」、「普通」、「難しい」)を定義する。
【0076】
距離348bは、連打操作判定を行う際の距離の閾値Lの値を記憶している。閾値Lは、連打操作判定において、閾値判定基準位置から操作点までの距離と比較して、連打操作入力が成功したか否かを判定するための閾値である。時間348cは、連打操作判定を行う際の所定時間Tの値を記憶している。所定時間Tは、連打操作判定において、閾値判定基準位置から操作点までの距離が閾値を超えるのに要した時間が、所定時間内であったか否かを判定するための時間である。
【0077】
ここで、連打難易度348aと、距離348b及び時間348cとの関係について説明する。連打操作判定を行う場合、距離の閾値Lが小さい場合、アナログスティック1500の変位量が小さくても連打操作入力が成功と判定されるため、連打操作入力の難易度は簡単となる。一方、距離の閾値Lが大きい場合、アナログスティック1500の変位量を大きくしなければ連打操作入力が成功と判定されないため、連打操作入力の難易度は難しくなる。また、時間Tの閾値が長い場合、比較的時間に余裕がある間にアナログスティック1500を距離Lだけ変位させればよいので、連打操作入力の難易度は簡単となる。一方、時間Tの閾値が短い場合、短時間の内にアナログスティック1500を閾値Lを超えるように変位させなければならないため、連打操作入力の難易度は難しくなる。
【0078】
以上のように、距離348b及び時間348cを適宜設定することにより、連打操作入力の難易度を任意に変更することができる。従って、距離348b及び時間348cは、初期設定により予め初期値が設定されている以外に、プレーヤの入力設定に応じて、任意の値が設定可能であるとしても良い。これにより、プレーヤは自己のプレイレベルに応じた演奏ゲームを楽しむことができる。
【0079】
連打操作データ350は、連打標識MA30により指示された入力期間内にアナログスティック1500から入力された操作信号に基づく操作データを更新可能に記憶している。具体的には、図9に示すように、アナログスティック1500の現在位置(例えば、「(0,0)」)と、閾値判定基準位置からの距離(例えば、「r0」)とを記憶している。
【0080】
閾値判定基準位置352は、閾値判定基準位置をXY座標に基づき更新可能に記憶する。具体的には、初期値としてアナログスティック1500の基準点(例えば、(0,0))を初期閾値判定基準位置として記憶し、後述する連打判定処理の実行に伴って設定された操作点を閾値判定基準位置として、更新可能に記憶する。
【0081】
連打回数データ354は、連打操作判定において連打操作入力が成功したと判定された回数を記憶している。具体的には、図11に示すように、2人対戦型の場合、連打判定処理の実行に伴ってカウントされた連打操作入力の回数を、1Pプレーヤ及び2Pプレーヤにそれぞれ対応付けて記憶している。
【0082】
ポイントデータ356は、演奏ゲーム実行中にプレーヤに与えられるポイントを記憶している。具体的には、図12に示すように、2人対戦型の場合、1Pプレーヤ及び2Pプレーヤに対応付けてポイントを記憶している。各プレーヤは、ゲーム開始時に予め定められたポイント(例えば、「100pt」)をそれぞれ保持し、ゲームの進行に応じてプレーヤの保持するポイントが加算又は減算されるものとする。
【0083】
5.処理の流れ
本実施形態における処理の流れについて説明する。
図13は、ゲーム演算部22がゲーム進行プログラム342を実行することで実現されるゲーム処理を示すフローチャートである。処理中のループは、ゲーム中、プレーヤ毎に繰り返し実行されるループである。
【0084】
図13において、先ず、ゲーム演算部22は、プレイデータ342に設定されている曲目を一覧表示するための処理を行い、プレーヤにより曲目の選択操作を受け付ける(ステップS2)。次いで、曲目の選択操作に応じた演奏ゲームを開始する(ステップS4)。
【0085】
具体的には、ゲーム演算部22は、演奏ゲームの開始に際して曲目に対応する音楽データを音楽データ群344から取得して、音生成部26に出力し、曲目のBGMをスピーカから出力させる。また、標識制御部222は、曲目に対応する譜面データを取得し、譜面データに従って指示標識の移動を制御する。詳細には、標識制御部222は、譜面データに設定されるタイミング346aに基づき該当する指示標識が判定枠に到達するようにその表示位置を設定・更新する。すなわち、標識制御部222は、予め設定された指示標識の移動速度をもとに、タイミングから当該指示標識の移動開始タイミングを逆算する。そして、標識制御部222は、逆算した移動開始タイミングで当該指示標識が標識移動経路の移動開始位置に表示されるように表示位置を設定するとともに、その表示位置を移動するように更新する。以上により、演奏ゲームが開始、実行される。
【0086】
続いて、ゲーム演算部22は、プレーヤ毎にループ処理を開始する。以下、ループ処理の説明において、処理対象となっているプレーヤを「対象プレーヤ」という。先ず、ゲーム演算部22は、標識制御部222により連打標識MA30が出題されたか否かを判定する(ステップS6)。ここで、連打標識MA30の出題の有無は、連打標識MA30が判定枠F10に到達したか否かによって判定される。
【0087】
連打標識MA30が出題された場合(ステップS6;YES)、即ち、連打標識MA30の左端が判定枠F10に到達した場合、連打判定部226に後述する連打判定処理を実行させて、操作入力の連打操作判定を行う(ステップS8)。一方、連打標識MA30が出題されていない場合(ステップS6;NO)、コントローラ1110を介して操作入力が行われたか否かを判定する(ステップS10)。
【0088】
操作入力が行われた場合(ステップS10;YES)、当該操作入力が入力タイミングに一致しているか否かを判定し(ステップS12)、入力タイミングに一致していない場合は、そのままループ処理を終了する。一方、入力タイミングに一致している場合(ステップS12;YES)、対象プレーヤのポイントデータに5ポイントを加算して(ステップS14)、和太鼓の叩打音を模した音をスピーカ1202から出力させる(ステップS16)。
【0089】
ステップS10に戻り、操作入力が行われない場合(ステップS10;NO)、連打標識MA30以外の指示標識による入力タイミングを超過した否かを判定する(ステップS18)。入力タイミングを超過していない場合(ステップS18;NO)、そのままループ処理を終了する。一方、入力タイミングを超過した場合(ステップS18;NO)、対象プレーヤのポイントデータから5ポイントを減算して(ステップS20)、ループ処理を終了する。
【0090】
そして、各プレーヤに対してループ処理を実行すると、ゲーム演算部22は、ゲーム終了判定を行う(ステップS22)。このゲーム終了判定は、曲目が終了したか、各プレーヤのポイントデータが0になったか等に基づいて判定される。ゲームが終了していないと判定された場合(ステップS22;NO)、プレーヤ毎に上述したループ処理を繰り返して実行する。また、ゲームが終了したと判定された場合(ステップS22;YES)、ゲーム処理を終了する。
【0091】
次に、連打判定処理について説明する。図14は、ゲーム処理の一部として実行される連打判定処理を示すフローチャートである。この処理は、連打判定部226が、連打判定処理プログラム324を実行することにより実現される処理である。尚、処理中のループA、ループBは、連打標識MA30により指示される入力期間中、繰り返し実行される処理であり、ループAは、上述した1回目の連打操作判定を行う処理に該当し、ループBは、上述した2回目の連打操作判定を行う処理に該当する。
【0092】
図14において、連打判定部226は、先ず、アナログスティック1500の入力監視を開始する(ステップS32)。具体的には、アナログスティック1500から入力される操作信号を監視し、入力された操作信号に基づきアナログスティック1500の現在位置(操作点)を検出する。また、現在位置から閾値判定基準位置までの距離を算出し、連打操作データ350の現在位置及び距離を逐次更新する。
【0093】
続いて、ループAの実行を開始する。先ず、操作入力が開始されてからの経過時間を計測するためのタイマtをリセットする(ステップS34)。次いで、初期閾値判定基準位置(即ち、閾値判定基準位置「0,0」)を設定して基準位置データ352を更新する(ステップS36)。そして、連打操作データ350に基づき、初期閾値判定基準位置から現在の操作点までの距離rが連打ルール情報348に記憶される閾値L/2を超えたか否かを判定する(ステップS38)。
【0094】
距離rが閾値L/2を超えていない場合(ステップS38;NO)、タイマtが所定時間Tを経過したか否かを判定する(ステップS40)。所定時間Tを経過していない場合(ステップS40;NO)、所定時間Tが経過するまでの間、距離rが閾値L/2を超えたか否かの判定を繰り返し実行する。また、所定時間Tが経過した場合(ステップS40;YES)、ループAを終了する。つまり、所定時間T内に距離rが閾値を超えなかった場合は、1回目の連打操作入力に失敗したこととなる。ここで、連打標識MA30に指示される入力期間内であれば、再度ループAの実行を開始して、1回目の操作入力判定を行うことができる。
【0095】
一方、距離rが閾値L/2を超えた場合(ステップS38;YES)、即ち、1回目の連打操作入力が成功した場合、ループBの実行を開始する。連打判定部226は、まず、タイマtをリセットし(ステップS42)、1回目の連打操作入力が成功した際の操作点、即ち、連打操作データ350に記憶されている現在位置を、閾値判定基準位置として設定して基準位置データ352を更新する(ステップS44)。続いて、連打操作データ350に基づき、閾値判定基準位置から操作点までの距離rが閾値Lを超えたか否かを判定する(ステップS46)。
【0096】
距離rが閾値Lを超えていない場合(ステップS46;NO)、タイマtが所定時間Tを経過したか否かを判定する(ステップS48)。所定時間Tを経過していない場合(ステップS48;NO)、所定時間Tが経過するまでの間、距離rが閾値Lを超えたか否かの判定を繰り返し実行する。また、所定時間Tが経過した場合(ステップS48;YES)、ループBを終了する。つまり、所定時間T内に距離rが閾値Lを超えなかった場合は、2回目の操作入力判定に失敗したこととなる。ここで、連打標識MA30に指示される入力期間内であれば、再度ループAの実行を開始して、1回目の操作入力判定を行うことができる。
【0097】
一方、距離rが閾値Lを超えた場合(ステップS50;YES)、即ち、2回目の連打操作入力が成功した場合、連打回数データ354の連打回数を+1カウントアップし(ステップ50)、操作入力に合わせて和太鼓の叩打音を模した音をスピーカ1202から出力させる(ステップS52)。そして、ループBを終了するが、この場合、2回目の連打操作入力が成功しているため、連打標識に指示される入力期間内であれば、再度ループBの実行を開始して、連打操作判定を行うことができる。
【0098】
そして、連打標識MA30に指示される入力期間が終了すると、連打回数データ354に記憶された連打回数に基づいてポイントを算出する(ステップS54)。具体的には、連打回数を0.1倍した値に20ptを乗算し、得られたポイントをポイントデータ356に加算する。なお、連打回数が0であった場合は、ペナルティとして、対象プレーヤのポイントデータ356から5ポイントを減算する。そして、連打判定処理を終了する。
【0099】
6.ハードウェア構成
次に、本実施の形態における家庭用ゲーム装置1を実現するためのハードウェア構成の一例について図15を参照して説明する。図15に示すハードウェア構成では、CPU1000、ROM1002、RAM1004、情報記憶媒体1006、画像生成IC1010、音生成IC1008、I/Oポート1012、1014を備え、各部がシステムバス1016により相互にデータ入出力可能に接続されている。また、I/Oポート1012には入力装置1022が、I/Oポート1014には通信装置1024が、それぞれ接続されている。
【0100】
CPU1000は、情報記憶媒体1006に格納されるプログラム、ROM1002に格納されるシステムプログラム(装置本体の初期化情報等)、入力装置1022によって入力される信号等に従って、機器全体の制御や各種データ処理を行う。このCPU1000は、図5に示す処理部20に相当する。
【0101】
RAM1004は、CPU1000の作業領域等として用いられる記憶部であり、情報記憶媒体1006やROM1002内の所与の内容、CPU1000の演算結果等が格納される。このRAM1004は、図5に示す記憶部30の一部を構成するものである。
【0102】
情報記憶媒体1006は、プログラム、画像データ、音データ、プレイデータ等が主に格納されるものである。この情報記憶媒体1006は、図5に示す記憶部30の一部を構成するものである。本実施の形態を実現するものがコンピュータシステムである場合には、情報記憶媒体1006は、ゲーム進行プログラム32などを格納する情報記憶媒体としてのCD−ROM、DVD或いはハードディスク等が用いられる。
【0103】
また、この装置に設けられている画像生成IC1010と音生成IC1008により、音や画像の好適な出力が行えるようになっている。
【0104】
画像生成IC1010は、CPU1000の命令によって、ROM1002、RAM1004、情報記憶媒体1006等から送られる情報に基づいて画素情報を生成する集積回路であり、生成される表示信号は表示装置1026に出力される。表示装置1026は、CRT、LCD、ELD、PDP、HMD等により実現され、図5に示す表示部40に相当する。
【0105】
また、音生成IC1008は、CPU1000の命令によって、情報記憶媒体1006やROM1002に記憶される情報、RAM1004に格納される音データに応じた音信号を生成する集積回路であり、生成される音信号はスピーカ1020によって出力される。スピーカ1020は、図5に示す音出力部50に相当する。
【0106】
入力装置1022は、各種操作を入力するための装置であり、その機能は、アナログスティック、アナログパッド、ボタン、マウス、トラックボール、タッチパネル等のハードウェアにより実現される。この入力装置1022は、図5に示す操作部10に相当する。
【0107】
通信装置1024は装置内部で利用される情報を外部とやりとりするものであり、他の装置と通信回線を介して接続されてプログラムに応じた所与の情報を送受すること等に利用される。
【0108】
7.作用・効果
以上のように、本実施形態によれば、アナログスティック1500を備える家庭用ゲーム装置1において、アナログスティック1500から入力される操作信号に基づき、アナログスティックの操作点(現在位置)を検出し、閾値判定基準位置から操作点までの距離rが所定時間T内に閾値Lを超えた場合に、連打操作入力が成功したと判定して、連打回数を+1カウントアップする。これにより、アナログスティック1500が可動範囲で連続して操作入力された場合に、アナログスティックの操作状態を連打回数といった定量的な値に置き換えることができ、当該値に応じてゲーム進行を制御することができる。
【0109】
従って、例えば、ボタンスイッチによるON−OFFの断続的な入力では実現が難しい素早く連続した操作入力が可能となり、高い操作性を実現することができる。また、連打操作判定では、閾値判定基準位置から操作点までの距離rが閾値Lを超えなければならないため、プレーヤは連打操作入力を成功させるため、アナログスティックを大きく操作する必要がある。これにより操作感を楽しむことができる。さらに、所定時間T内に閾値を超えなくてならないという制約が加わるため、操作のスピード性が要求され、ゲームの緊張感が保たれる。
【0110】
また、連打操作入力が成功する毎に、連打操作入力が成功した際のアナログスティックの操作点に従って閾値判定基準位置が更新されるため、プレーヤは、閾値判定基準位置に基づき放射方向に操作入力を行うようになり、放射方向に変位可能なアナログスティック1500の特性を活かした操作方法とすることができる。これにより、新たな操作感を楽しむことができる。
【0111】
また、所定時間T内に操作入力が閾値Lを超えなかった場合、即ち、連打操作入力が失敗した場合、閾値判定基準位置が初期閾値判定基準位置に更新されるため、連続して連打回数をカウントアップすることができなくなる。従って、プレーヤは、連打操作入力を連続して成功させるようにするため、アナログスティックを素早く大きく操作入力する必要があり、これにより操作感を楽しむことができる。
【0112】
また、連打ルール情報348には、連打難易度に応じて連打操作判定を行う際の基準となる距離の閾値Lや所定時間Tを変更可能とし、設定された連打難易度に応じて連打操作判定を行う。例えば、距離の閾値Lを大きく設定することで、難易度を高くしたり、距離の閾値Lを小さく設定することで、難易度を低くするといったことができる。また、所定時間Tを短く設定することで、難易度を高くしたり、所定時間Tを長く設定することで、難易度を低くするといったことができる。これにより、プレーヤは自己のプレイレベルに応じたゲームを楽しむことができる。
【0113】
8.変形例
本発明についての好適な実施形態の一例について説明したが、本発明は、上記したものに限らず、発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜変更可能である。以下、変形例について説明する。
【0114】
8−1.ゲーム装置
上述した実施形態におけるゲーム装置を実現する具体例としては、家庭用ゲーム装置に限定されるものではなく、図16に示すような、携帯型ゲーム装置2であって良い。例えば、図16(a)に示すような携帯型ゲーム装置2aの中には、アナログスティックに代えて、基準位置から放射方向にスライド操作が可能なアナログパッド210といった操作部が設けられているものがある。そこで、このアナログパッド210から入力される操作信号(例えば、アナログパッドのスライド方向及びスライド量を示す信号)に基づき、上述したゲーム処理及び連打判定処理を実行することにより、本発明を携帯型ゲーム装置に適用する構成であっても良い。これにより、アナログスティック以外の操作部を用いて、上述した操作方法を実現することができ、多彩な操作入力が可能なゲーム装置を提供することができる。
【0115】
また、アナログスティック、アナログパッドの他、マウスやトラックボール等を用いた回転式の操作部を有するゲーム装置に本発明を適用しても良い。例えば、図16(b)に示すような携帯型ゲーム装置2bの場合、回転式の操作部210b(例えば、トラックボールやマウスボール)から入力される操作信号(例えば、トラックボールやマウスボールの回転方向及び回転速度を示す信号)に基づき、上述したゲーム装置及び連打判定処理を実行することにより、本発明を実現可能である。その他、本発明を適用可能なゲーム装置が、業務用ゲーム装置、PDA等の装置であってもよいことは勿論である。
【0116】
8−2.連打終了判定
上述した実施形態では、連打標識MA30に指示された入力期間中に入力された操作入力について連打操作判定を行い、連打操作判定が成功だった場合は、全て連打回数にカウントすることとしたが、この構成に限定されない。例えば、入力期間中に1度でも連打操作入力が失敗した場合、それ以降の操作入力を当該入力期間が終了するまで受け付けない、或いは、連打操作入力として回数をカウントアップしない構成としても良い。つまり、上述した実施形態では、連打操作入力に失敗した場合であっても、連打標識MA30に指示された入力期間中であれば、閾値判定基準位置が初期閾値判定基準に更新されるだけで、再度操作入力を行える構成であった。しかし、一度連打操作入力に失敗した場合は、連打標識の入力期間中であっても以降の操作入力を受け付けないようにすることで、プレーヤは失敗をすることが許されなくなり、ゲームの緊張感を高めることができる。
【0117】
また、連打操作終了の判定基準を緩やかにするようにしても良い。例えば、連打操作入力が2回以上失敗とされた場合に、連打操作終了と判定する構成であっても良い。或いは、連打ルール情報348に、更に連打終了判定時間FTを設定し、連打終了判定時間FT内に連打操作入力が成功しなかった場合に、連打操作判定を終了することとしても良い。この場合、連打終了判定時間FTと、所定時間Tとの関係は、FT≧Tを満たすこととする。つまり、FT=Tの場合、ゲームルール上最も厳しいルールとなり得る。
【0118】
9−3.連打難易度
上述した実施形態では、連打難易度を定義するパラメータとして、距離の閾値Lと所定時間Tとを設定する場合について説明を行ったが、何れか一方のみをパラメータとして連打難易度を定義する構成であっても良い。さらに、距離の閾値Lのみをパラメータとして連打難易度を定義する場合は、1回目の連打操作判定、すなわち初期閾値判定基準位置における連打操作入力の成功を、+1カウントとして連打回数を計数しても良い。つまり、時間Tが設定されない場合は、連打難易度は閾値判定基準位置に依存しないため、1回目の連打操作判定における連打操作入力の成功を、2回目の連打操作判定と同様にカウントしても不都合が生じない。この場合、連打回数を容易に増やすことができる。
【0119】
9−4.他のゲームへの適用
上述した実施形態は、本発明を演奏ゲームに適用した場合について説明を行ったが、本発明を適用可能なゲームは演奏ゲームに限定されるものではない。例えば、本発明を野球ゲームに適用した場合について説明する。
【0120】
図17(a)は、野球ゲームにおける投手と打者との対戦画面であり、打者CA30が未だ打撃を行っておらず、投手CA40が未だ投球を行っておらず、打者CA30が次に行う動作である打撃動作に対する打撃指示(事前指示)を、プレーヤが入力するための期間(打撃入力期間)におけるゲーム画面である。ゲーム画面には、現在の回数やその表/裏、得点、投球カウント等の他、伸縮可能なバーの長さによってスイング強度を示すスイングバーBA10が表示されている。
【0121】
プレーヤにより、打撃入力期間において、アナログスティック1500による連打操作入力が行われると、連打回数に応じてスイングバーBA10のバーの長さが伸縮する。そして、プレーヤにより打撃指示を入力されると、図17(b)に示すように、スイングバーBA10に表示されたスイング強度により打者CA30の打撃動作が制御される。例えば、連打操作入力を多く行うことにより、打者にフルスイングを行わせたり、連打操作入力を少なく行うことにより、打者にハーフスイングを行わせるというように、アナログスティック1500の操作入力に応じてスイング強度を自由に調節し、野球ゲームを楽しむことができる。
【0122】
また、本発明をゴルフゲームに適用した場合について説明する。図18は、ゴルフゲームにおけるショット画面であり、ゴルフコース上でショット動作を待機中のゴルファーCA50が表示され、ゴルファーCA50が行う動作であるショット動作に対するショット指示を、プレーヤが入力するための期間におけるゲーム画面である。ゲーム画面には、現在のコース、当該コースの基準打数、当該コースの全体距離、ピンまでの残りの距離、ショット数等の他、伸縮可能なバーの長さによってショット強度を示すショットバーBA20が表示されている。
【0123】
プレーヤにより、ショット入力期間において、アナログスティック1500による連打操作が行われると、連打回数に応じてショットバーBA20のバーの長さが伸縮する。そして、プレーヤにより使用するクラブやボールを打つ方向、ゴルフボールを叩く位置等が入力され、打撃指示を入力されると、図18(b)に示すように、ショットバーBA20に表示されたショット強度によりゴルファーCA50のショット動作が制御される。このように、プレーヤはアナログスティック1500の連打操作入力により、ショット強度を自由に調節してゴルフゲームを楽しむことができる。
【0124】
さらに、本発明を格闘ゲームに適用した場合について説明する。図19(a)は、格闘ゲームにおけるプレーヤキャラクタと敵キャラクタとの対戦中のゲーム画面であり、プレーヤが操作するプレーヤキャラクタCA60と、コンピュータ又は対戦相手のプレーヤが操作する相手キャラクタCA70が表示されている。ゲーム画面には、各キャラクタの体力値を示す体力ゲージ、ラウンド毎の勝敗結果、タイムの他、伸縮可能なバーの長さによって特別攻撃動作の発動条件パラメータを示す発動条件クリアバーBA30が表示されている。この発動条件クリアバーBA30には、特別攻撃動作の発動条件の閾値RA10が表示されている。
【0125】
プレーヤにより、アナログスティック1500による連打操作入力が行われると、連打回数に応じてバーの長さが伸縮する。そして、バーの長さ、即ち、発動条件パラメータが閾値RA10まで達した場合、図19(b)に示すように、プレーヤキャラクタによる特別攻撃動作(例えば、必殺キックや連続パンチ)が行われる。格闘ゲームにおいては、プレーヤキャラクタが攻撃を行う間に、相手キャラクタからも攻撃を受け得る。そこで、相手キャラクタからの攻撃を最小限に抑えるために、特別攻撃動作を素早く繰り出すことがゲーム進行上必須である。このため、アナログスティック1500を素早く連打操作入力してゲームを行うこととなり、その操作感を楽しませることができる。
【0126】
以上のように、野球ゲーム、ゴルフゲーム、格闘ゲームといった種々のゲームにおいて、アナログスティックを用いた新たな操作感を与えることができ、ゲームの魅力を一段と引き立てることができる。
【0127】
9−5.演出表示
また、上述した実施形態では、連打操作入力の回数に応じてゲームポイントを算出する場合について説明をおこなったが、連打操作入力の回数に応じた演出表示等の特別処理を行う構成であっても良い。例えば、連打標識MA30に対する連打操作入力の回数が一定の値を超えた場合、標識消去処理を行っても良い。標識消去処理とは、自プレーヤ用の標識表示エリアに表示される標識を焼却する演出表示を行い、焼却した標識については入力しなくとも入力成功とみなす処理である。
【0128】
図20は、1Pプレーヤが所定回数の連打操作入力を行った場合におけるゲーム画面例を示す図である。図20に示すように、1Pプレーヤ用の標識表示エリアEA10に表示されている指示標識を焼却する演出表示が行われ、判定枠F10に到達する指示標識が非表示化される。演出表示により非表示化された指示標識については、その指示標識の入力タイミングで叩打音が自動的に出力されて自動演奏が行われると共に、当該指示標識の操作入力が正しく入力されたと見なされてゲームポイントが判定され、ポイントデータ356が更新される。このように、連打操作入力の回数に応じてポイントデータを更新するだけでなく、演出表示やゲーム上の特典を与えることにより、ゲームの興趣性を一層増すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】(a)本実施の形態における家庭用ゲーム装置の概観図、(b)ゲームコントローラの概観図。
【図2】本実施形態のゲーム概要を説明する図。
【図3】アナログスティックの操作状態と操作信号との関係を説明する図。
【図4】連打操作判定の原理を説明する図。
【図5】家庭用ゲーム装置の機能ブロック図。
【図6】プレイデータのデータ構成例を示す図。
【図7】譜面データのデータ構成例を示す図。
【図8】連打ルール情報のデータ構成例を示す図。
【図9】連打操作データのデータ構成例を示す図。
【図10】閾値判定基準位置データのデータ構成例を示す図。
【図11】連打回数データのデータ構成例を示す図。
【図12】ポイントデータのデータ構成例を示す図。
【図13】ゲーム処理を示すフローチャート。
【図14】連打判定処理を示すフローチャート。
【図15】ハードウェア構成の一例を示す図。
【図16】ゲーム装置の変形例を示す図。
【図17】野球ゲームに適用した場合の変形例を示す図。
【図18】ゴルフゲームに適用した場合の変形例を示す図。
【図19】格闘ゲームに適用した場合の変形例を示す図。
【図20】演出表示を行った場合の変形例を示す図。
【符号の説明】
【0130】
1 家庭用ゲーム装置
10 操作部
12 1P用操作部
14 2P用操作部
20 処理部
22 ゲーム演算部
222 標識制御部
224 入力制御部
226 連打判定部
24 画像生成部
26 音生成部
30 記憶部
32 ゲームプログラム
322 ゲーム進行プログラム
324 連打判定処理プログラム
34 ゲームデータ
342 プレイデータ
344 音楽データ群
346 譜面データ群
348 連打ルール情報
350 連打操作データ
352 閾値判定基準位置データ
354 連打回数データ
356 ポイントデータ
40 表示部
50 音出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、傾倒式、スライド式又は回転式のアナログ操作部の操作入力に基づき、連打入力回数を計数させるためのプログラムであって、
所与の基準操作状態に対する前記アナログ操作部の操作状態の変位に基づいて、連打入力の判定対象とする操作入力がなされたことを検知する入力検知手段、
前記入力検知手段により検知された際の前記アナログ操作部の操作状態を前記基準操作状態として更新する検知基準更新手段、
前記入力検知手段による検知に基づいて連打入力回数を計数する連打入力回数計数手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項2】
前記検知基準更新手段が、前記入力検知手段による前回の検知から所定の間隔判定時間内に新たな検知がなされない場合に、前記基準操作状態を所定の初期基準操作状態に更新する基準初期化手段を有するように前記コンピュータを機能させるための請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記間隔判定時間を変更する間隔判定時間変更手段として前記コンピュータを機能させるための請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記連打入力回数計数手段が、前記基準操作状態が前記初期基準操作状態であった場合の前記入力検知手段の検知に対する連打入力回数の計数を行わないように前記コンピュータを機能させるための請求項2又は3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記入力検知手段による前回の検知から所定の連打終了判定間隔時間内に新たな検知がなされない場合に、連打入力が終了したと判定する連打終了判定手段として前記コンピュータを機能させるための請求項1〜4の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記連打終了判定間隔時間を変更する連打終了判定間隔時間変更手段として前記コンピュータを機能させるための請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記入力検知手段が、前記基準操作状態に対する操作状態の変位量が所与の閾値に達した場合に前記検知を行うように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜6の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記操作状態は前記アナログ操作部の操作方向及び当該方向への操作量で定義され、
前記入力検知手段が、前記基準操作状態の操作方向への当該基準操作状態の操作量に対する、前記アナログ操作部の現在の操作方向への現在の操作量の相対的な変位量が前記閾値に達した場合に前記検知を行うように前記コンピュータを機能させるための請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記アナログ操作部は傾倒式の操作部であり、
前記入力検知手段が、前記アナログ操作部の前記基準操作状態での傾斜方向における当該基準操作状態での傾斜角度に対する、前記アナログ操作部の現在の傾斜方向における現在の傾斜角度の相対的な変位量が前記閾値に達した場合に前記検知を行うように前記コンピュータを機能させるための請求項7に記載のプログラム。
【請求項10】
前記アナログ操作部はスライド式の操作部であり、
前記入力検知手段が、前記アナログ操作部の前記基準操作状態でのスライド方向における当該基準操作状態でのスライド量に対する、前記アナログ操作部の現在のスライド方向における現在のスライド量の相対的な変位量が前記閾値に達した場合に前記検知を行うように前記コンピュータを機能させるための請求項7に記載のプログラム。
【請求項11】
前記アナログ操作部は回転式の操作部であり、
前記入力検知手段が、前記アナログ操作部の前記基準操作状態での回転方向における当該基準操作状態での回転速度に対する、前記アナログ操作部の現在の回転方向における現在の回転速度の相対的な変位量が前記閾値に達した場合に前記検知を行うように前記コンピュータを機能させるための請求項7に記載のプログラム。
【請求項12】
前記閾値を変更する閾値変更手段として前記コンピュータを機能させるための請求項7〜11の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項13】
前記連打入力回数計数手段によって計数された連打入力回数に応じて、所定の表示キャラクタの移動、挙動及び表示形態のうち少なくとも1つを可変に制御する表示キャラ制御手段として前記コンピュータを機能させるための請求項1〜12の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項14】
請求項1〜13の何れか一項に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体。
【請求項15】
傾倒式、スライド式又は回転式のアナログ操作部の操作入力に基づき、連打入力回数を計数するゲーム装置であって、
所与の基準操作状態に対する前記アナログ操作部の操作状態の変位に基づいて、連打入力の判定対象とする操作入力がなされたことを検知する入力検知手段と、
前記入力検知手段により検知された際の前記アナログ操作部の操作状態を前記基準操作状態として更新する検知基準更新手段と、
前記入力検知手段による検知に基づいて連打入力回数を計数する連打入力回数計数手段と、
を備えたゲーム装置。

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図1】
image rotate