説明

プロジェクタおよび投写方法

【課題】光変調器への入射光の光量むらがある場合であっても、当該光量むらの影響を抑制することにより、輝度むらを低減した画像を投写することが可能なプロジェクタ等を提供すること。
【解決手段】プロジェクタ100が、光変調器140の表示領域の外部に設けられ、光変調器140への入射光の光量を測定する複数の光量測定部190と、当該複数の光量測定部によって測定された光量に基づき、上記表示領域における入射光の光量の分布を決定する光量分布決定部180と、当該分布に応じて光変調器140を制御するための制御値を決定する制御値決定部162を含んで構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクタおよび投写方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、プロジェクタ内のランプのアーク位置は時間が経過することによって変化する場合がある。このような場合、液晶パネル等の光変調器への入射光の光量が光変調器内の表示領域において均一とならず、投写画像の画質が劣化してしまう。このような経時変化に対応する手法として、特開2005−55760号公報では、調光手段によって調光された光の光量を検出し、検出結果に応じて調光手段を自動較正する手法が記載されている。しかし、当該手法は、1つの光学センサを用いた手法であるため、表示領域における光量の分布を把握することはできず、表示領域における光量むらの問題を解決することはできない。
【0003】
また、特開2004−228948号公報では、投写されたキャリブレーション画像を撮像し、撮像画像における画像表示領域を複数の対象領域に区分し、各対象領域における平均明るさ指標値に基づき、入出力特性データを補正して色むらを補正する手法が記載されている。
【特許文献1】特開2005−55760号公報
【特許文献2】特開2004−228948号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特開2004−228948号公報の手法は、投写されたキャリブレーション画像を撮像する手法であるため、キャリブレーション画像が投写されるスクリーンや当該スクリーンに照射される照明光等の影響を受けてしまい、使用環境が変化する度に経時変化に応じた補正を行う必要があり、ランプのアーク位置の変化等に起因する光量むらを補正する場合には効率性に欠ける。
【0005】
本発明の目的は、光変調器への入射光の光量むらがある場合であっても、当該光量むらの影響を抑制することにより、輝度むらを低減した画像を投写することが可能なプロジェクタおよび投写方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係るプロジェクタは、光変調器の表示領域の外部に設けられ、前記光変調器への入射光の光量を測定する複数の光量測定部と、前記複数の光量測定部によって測定された光量に基づき、前記表示領域における入射光の光量の分布を決定する光量分布決定部と、前記分布に応じて前記光変調器を制御するための制御値を決定する制御値決定部と、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る投写方法は、光変調器と、当該光変調器の表示領域の外部に設けられた複数の光量測定部と、光量分布決定部と、制御値決定部とを有するプロジェクタによる画像の投写方法であって、前記複数の光量測定部は、前記光変調器への入射光の光量を測定し、前記光量分布決定部は、前記複数の光量測定部によって測定された光量に基づき、前記表示領域における入射光の光量の分布を決定し、前記制御値決定部は、前記分布に応じて前記光変調器を制御するための制御値を決定し、前記光変調器は、前記制御値と、入力画像信号とに基づき、前記入射光を変調することにより、投写対象領域へ向け画像を投写することを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、プロジェクタは、光変調器の表示領域の外部の所定の位置に設けられた複数の光量測定部によって測定された光量を用いることにより、表示領域における入射光の光量の分布を決定することができるので、当該分布に応じて光変調器を制御するための制御値を適切に決定することができるため、光量むらの影響を抑制することができ、輝度むらを低減した画像を投写することができる。
【0009】
また、前記光量分布決定部は、前記分布として、前記複数の光量測定部によって測定された光量の平均値と各光量測定部の測定光量との差分値または理想光量値と測定光量との差分値に基づき、前記表示領域における調整対象領域ごとの出力光量補正値を演算し、前記制御値決定部は、前記調整対象領域ごとの前記出力光量補正値に基づき、前記制御値を決定してもよい。
【0010】
これによれば、プロジェクタは、光量の平均値と各光量測定部の測定光量との差分値または理想光量値と測定光量との差分値から各光量測定部の測定対象領域ごとの光量の相違を把握することができ、当該相違に応じて補正値や制御値を決定することができる。
【0011】
また、前記制御値決定部は、前記調整対象領域ごとの前記出力光量補正値と、前記光変調器における入力画像信号値ごとの出力光量を示す入出力データとに基づき、前記表示領域における画素ごとの入力画像信号の補正値である信号補正値を決定するとともに、前記入力画像信号値と、前記信号補正値とに基づき、前記制御値を決定してもよい。
【0012】
これによれば、プロジェクタは、表示領域の画素ごとに入力画像信号値を補正することにより、出力光量を調整することができるため、光量むらの影響を抑制することができ、輝度むらを低減した画像を投写することができる。
【0013】
また、前記光変調器は、液晶パネルと、当該液晶パネルを駆動する駆動部と、前記液晶パネルに対する前記入射光の出射側に設けられた遮光部材と、を含み、前記光量測定部は、前記液晶パネルに対する前記入射光の入射側であって、かつ、前記液晶パネルを介した前記遮光部材の対向位置に設けられ、前記制御値決定部は、前記制御値として、前記駆動部の駆動に用いられる前記液晶パネルへの印加電圧を決定してもよい。
【0014】
これによれば、プロジェクタは、遮光部材の対向位置に光量測定部を設けることにより、観察者に光量測定部を見られることなく、光量むらの影響を抑制することができる。また、これによれば、プロジェクタは、光量測定結果に応じて液晶パネルへの印加電圧を決定することができるため、液晶パネルにおける光量むらの影響を抑制し、輝度むらを低減した画像を投写することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明をプロジェクタに適用した実施例について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下に示す実施例は、特許請求の範囲に記載された発明の内容を何ら限定するものではない。また、以下の実施例に示す構成のすべてが、特許請求の範囲に記載された発明の解決手段として必須であるとは限らない。
【0016】
(第1の実施例)
図1は、第1の実施例におけるプロジェクタ100の機能ブロック図である。プロジェクタ100は、PC(Personal Computer)等から画像信号等を入力する信号入力部110と、入力画像信号に対して画像処理(例えば、色、明るさ、画像の形状等の補正等)を実行する画像処理部120と、光源の一種であるランプ130と、投写用のレンズ150と、ランプ130からの光を変調してレンズ150に出力する光変調器140と、ランプ130、光変調器140等を制御する制御部160を含んで構成されている。
【0017】
また、光変調器140は、画像の表示領域を有する液晶パネル144と、表示領域外の光が出力されないようにするための遮光部材の一種である遮光マスク146と、液晶パネル144を駆動する駆動部142を含んで構成されている。
【0018】
また、プロジェクタ100は、液晶パネル144の表示領域外に設けられる4つの光量測定部190と、光量測定部190の光量測定結果に基づき、液晶パネル144の表示領域における光量分布を決定する光量分布決定部180を含んで構成されている。また、制御部160は、光量分布決定部180によって決定された分布に応じて駆動部142を制御するための制御値を決定する制御値決定部162を含み、入力信号値と出力輝度値とが対応付けられた入出力データ164と、入力信号値を補正するための補正データ166を記憶している。
【0019】
なお、これらの各部の機能は、例えば、以下のハードウェアを用いてプロジェクタ100に実装してもよい。例えば、信号入力部110としては画像信号入力端子等、画像処理部120としては画像処理回路等、駆動部142としては液晶駆動回路等、制御部160としてはCPU、RAM等、光量分布決定部180としてはCPU等、光量測定部190としては輝度センサ等が用いられてもよい。
【0020】
ここで、光変調器140における光量測定部190の配置について説明する。図2は、第1の実施例における光変調器140の正面図である。また、図3は、第1の実施例における光変調器140の側面図である。
【0021】
例えば、液晶パネル144の表示領域ABCDの辺ABの中点付近の遮光マスク146の対向位置に光量測定部190−1が設けられ、辺BCの中点付近の遮光マスク146の対向位置に光量測定部190−2が設けられ、辺CDの中点付近の遮光マスク146の対向位置に光量測定部190−3が設けられ、辺DAの中点付近の遮光マスク146の対向位置に光量測定部190−4が設けられている。このように、各光量測定部190は、遮光マスク146の対向位置にあるため、レンズ150側、すなわち、ユーザからは視認できないようになっている。
【0022】
また、図3に示すように、ランプ130からの入射光は、光量測定部190、液晶パネル144に入射する。当該入射光は、遮光マスク146によって遮光されることにより、表示領域ABCDのみを透過して出射光として液晶パネル144から出射される。すなわち、光量測定部190を設けた場合であっても、投写される画像への影響はない。
【0023】
次に、入出力データ164についてより詳細に説明する。図4は、第1の実施例における入出力データ164を示す図である。また、図5は、図4に示す入出力データ164をグラフ化した図である。
【0024】
入出力データ164は、例えば、画像処理部120から出力される入力信号値と、当該入力信号値が入力された場合の望ましい出力輝度値との対応付けを示すデータである。なお、図4において、各値は最小値が0で最大値が1023になるように正規化されている。
【0025】
次に、本実施例における画像の投写手順について説明する。図6は、第1の実施例における画像の投写手順を示すフローチャートである。プロジェクタ100が起動した場合、制御部160は、ランプ130を発光させる(ステップS1)。
【0026】
ランプ130の発光後、ランプ130の光量が安定すると、制御部160は、光量測定部190を制御し、光量測定部190−1〜190−4は、入射光の輝度値を測定する(ステップS2)。光量測定部190−1の測定輝度値をL1、光量測定部190−2の測定輝度値をL2、光量測定部190−3の測定輝度値をL3、光量測定部190−4の測定輝度値をL4とする。
【0027】
光量分布決定部180は、(L1+L2+L3+L4)/4の演算結果である平均輝度値LAを演算し、LAと各測定輝度値との差分値ΔL1〜ΔL4を演算する(ステップS3)。
【0028】
制御値決定部162は、図2に示すように、対象画素Pから各光量測定部190までの距離D1〜D4を演算し、D1〜D4の合計値DSを演算する(ステップS4)。例えば、対象画素Pの座標を(x、y)とし、表示領域の左上の座標をA(0,0)、表示領域の右上の座標をB(X,0)とした場合、光量測定部190−1の座標は(X/2,0)となる。この場合、D1は、例えば、(X/2−x)を二乗した値にyを二乗した値を加えた値の平方根となる。D2〜D4も同様に求められる。
【0029】
制御値決定部162は、ΔL1〜ΔL4、D1〜D4、DSに基づき、図5に示す出力輝度補正値ΔLを演算する(ステップS5)。例えば、制御値決定部162は、対象画素における各光量測定部190における入射光の影響度に基づき、対象画素における出力輝度補正値ΔLを演算する。より具体的には、対象画素Pにおける光量測定部190−1における入射光の影響度E1は、(DS−D1)/{(DS−D1)+(DS−D2)+(DS−D3)+(DS−D4)}である。対象画素Pにおける光量測定部190−2〜190−3における入射光の影響度E2〜E4も同様である。
【0030】
したがって、ΔL=ΔL1×E1+ΔL2×E2+ΔL3×E3+ΔL4×E4となる。例えば、D1=10、D2=20、D3=50、D4=20、DS=100、ΔL1=10、ΔL2=20、ΔL3=20、ΔL4=10の場合、E1=(100−10)/{(100−10)+(100−20)+(100−50)+(100−20)}=0.3となる。同様に、E2=0.27、E3=0.17、E4=0.27となる。したがって、この場合、ΔL=10×0.3+20×0.27+20×0.17+10×0.27=14.5になる。
【0031】
なお、制御値決定部162は、E1〜E4の合計値が1になるように適宜調整してΔLを演算してもよい。また、制御値決定部162は、D1〜D4のいずれかが0である場合または0に近い値(例えば、最大距離の10分の1以下等)である場合、対象画素に最も近い光量測定部190の差分値をそのままΔLとして用いてもよい。
【0032】
制御値決定部162は、対象画素ごとの出力輝度補正値ΔLを示す補正データ166を更新する(ステップS6)。制御部160および光量分布決定部180は、全対象画素に対してΔLを求める処理が終了したかどうかを判定する(ステップS7)。終了していない場合、制御部160および光量分布決定部180は、次の対象画素を選択してステップS4〜S7の処理を繰り返し実行する。
【0033】
なお、対象画素は、表示領域の全画素であってもよいし、表示領域の一部の画素であってもよい。表示領域の一部の画素である場合、制御部160は、上述した処理で求めたΔLを用いて補間演算を行って別の画素のΔLを求めてもよい。
【0034】
図5に示すように、制御値決定部162は、入力信号値Vに対する出力輝度値LにΔLを加算することにより、調整後の出力輝度値L’を決定し、L’に対応する入力信号値V’、VとV’の差分値ΔVを決定することができる。全対象画素に対する処理が終了し、補正データ166が完成すると、制御値決定部162は、入力信号値を、補正データ166に基づき補正して光変調器140への印加電圧(制御値)を決定する(ステップS8)。例えば、実際の入力信号値がVで出力輝度値がLである場合、制御値決定部162は、入力信号値がV’で出力輝度値がL’になる印加電圧を決定する。
【0035】
駆動部142は、駆動部142は、制御値決定部162によって決定された各画素に対する印加電圧で液晶パネル144の各画素を駆動し、プロジェクタ100は、液晶パネル144、レンズ150を介して画像を投写する(ステップS9)。
【0036】
以上のように、本実施例によれば、プロジェクタ100は、光変調器140の表示領域の外部に設けられた複数の光量測定部190によって測定された光量を用いることにより、表示領域における入射光の光量の分布を決定することができるので、当該分布に応じて光変調器140を制御するための制御値を適切に決定することができるため、光量むらの影響を抑制することができ、輝度むらを低減した画像を投写することができる。
【0037】
また、本実施例によれば、プロジェクタ100は、光量の平均値と各光量測定部190の測定光量との差分値から各光量測定部190の測定対象領域ごとの光量の相違を把握することができ、当該相違に応じて補正値や制御値を決定することができる。
【0038】
また、本実施例によれば、プロジェクタ100は、表示領域の画素ごとに入力画像信号値を補正することにより、出力光量を調整することができるため、光量むらの影響を抑制することができ、輝度むらを低減した画像を投写することができる。
【0039】
また、本実施例によれば、プロジェクタ100は、遮光マスク146の対向位置に光量測定部190を設けることにより、観察者に光量測定部190を見られることなく、光量むらの影響を抑制することができる。また、本実施例によれば、プロジェクタ100は、光量測定結果に応じて液晶パネル144への印加電圧を決定することができるため、液晶パネル144における光量むらの影響を抑制し、輝度むらを低減した画像を投写することができる。
【0040】
(第2の実施例)
図7は、第2の実施例における光変調器140の正面図である。第2の実施例では、光量測定部191−1〜191−4を表示領域の4隅に設けている。このように、光量測定部191−1〜191−4を表示領域の4隅に設けた場合であっても、プロジェクタ100は、第1の実施例と同様の手法で画素ごとの制御値を求めることができ、光量むらの影響を抑制し、輝度むらを低減した画像を投写することができる。
【0041】
(その他の実施例)
なお、本発明の適用は上述した実施例に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、光量測定部190、191の設置位置や個数は上述した実施例には限定されない。例えば、光量測定部190、191は、表示領域の左上と右下の表示領域外の位置に1つずつ設けられてもよいし(合計2個)、表示領域の4隅と各辺の中点の表示領域外の位置に1つずつ設けられてもよい(合計8個)。
【0042】
また、上述した実施例では、ΔL1〜ΔL4として、平均輝度値と測定輝度値との差分値が用いられているが、理想光量値と測定輝度値との差分値が用いられてもよい。なお、理想光量値は、光量むらのない状態で光量測定部190、191で測定した輝度値が用いられてもよい。
【0043】
また、プロジェクタ100は、起動する度に上述した光量むら補正処理を実行する必要はなく、例えば、1か月ごと、6か月ごと等の所定期間経過時に上述した光量むら補正処理を実行してもよい。すなわち、制御部160は、補正データ166を記憶可能であるため、プロジェクタ100は、一旦正確な補正データ166を生成しておくことにより、光量の測定を行うことなく、補正データ166を用いて光量むらに応じた補正を行うことができる。
【0044】
また、光量を示す値は、輝度値には限定されず、例えば、照度値、Y値(XYZ値におけるY値)等の明るさを示す種々の値を採用可能である。また、遮光部材は、遮光マスク146等の固定的な遮光部材には限定されず、例えば、液晶シャッタ、アイリス等の駆動可能な遮光部材であってもよい。
【0045】
また、上述した実施例では、光量分布決定部180は、調整対象領域として画素を採用し、画素ごとの出力光量補正値を演算しているが、調整対象領域は画素には限定されず、複数画素(例えば、2×2画素、3×3画素等)で構成される画素ブロックであってもよい。
【0046】
また、制御値決定部162は、距離D1〜D4を簡易的に求めてもよい。例えば、制御値決定部162は、光量測定部190、191の座標を(xn,yn)、対象画素Pの座標を(x、y)とした場合、xn−xの絶対値とyn−yの絶対値を比較して大きい方の値を距離として適用してもよい。
【0047】
また、液晶パネル144は3板(例えば、それぞれがR、G、Bに対応した液晶パネル等)でもよい。この場合、光量測定部190、191は、各液晶パネルに設けられてもよいし、1つの液晶パネルに設けられてもよいし、光源からの光を分離する光分離部の直前に設けられてもよい。例えば、光量測定部190、191が1つの液晶パネルに設けられる場合、光量分布決定部180は、当該液晶パネルへの入射光量の測定値から他の液晶パネルへの入射光量の測定値を推定してもよい。
【0048】
また、プロジェクタ100は、前面投写型のものであってもよいし、背面投射型のものであってもよい。また、プロジェクタ100の機能を複数の装置(例えば、PCとプロジェクタ等)に分散して実装してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】第1の実施例におけるプロジェクタの機能ブロック図である。
【図2】第1の実施例における光変調器の正面図である。
【図3】第1の実施例における光変調器の側面図である。
【図4】第1の実施例における入出力データを示す図である。
【図5】図4に示す入出力データをグラフ化した図である。
【図6】第1の実施例における画像の投写手順を示すフローチャートである。
【図7】第2の実施例における光変調器の正面図である。
【符号の説明】
【0050】
100 プロジェクタ、110 信号入力部、120 画像処理部、130 ランプ、140 光変調器、142 駆動部、144 液晶パネル、146 遮光マスク(遮光部材)、150 レンズ、160 制御部、162 制御値決定部、164 入出力データ、166 補正データ、180 光量分布決定部、190、191 光量測定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光変調器の表示領域の外部に設けられ、前記光変調器への入射光の光量を測定する複数の光量測定部と、
前記複数の光量測定部によって測定された光量に基づき、前記表示領域における入射光の光量の分布を決定する光量分布決定部と、
前記分布に応じて前記光変調器を制御するための制御値を決定する制御値決定部と、
を含むことを特徴とするプロジェクタ。
【請求項2】
請求項1に記載のプロジェクタにおいて、
前記光量分布決定部は、前記分布として、前記複数の光量測定部によって測定された光量の平均値と各光量測定部の測定光量との差分値または理想光量値と測定光量との差分値に基づき、前記表示領域における調整対象領域ごとの出力光量補正値を演算し、
前記制御値決定部は、前記調整対象領域ごとの前記出力光量補正値に基づき、前記制御値を決定することを特徴とするプロジェクタ。
【請求項3】
請求項2に記載のプロジェクタにおいて、
前記制御値決定部は、前記調整対象領域ごとの前記出力光量補正値と、前記光変調器における入力画像信号値ごとの出力光量を示す入出力データとに基づき、前記表示領域における画素ごとの入力画像信号の補正値である信号補正値を決定するとともに、前記入力画像信号値と、前記信号補正値とに基づき、前記制御値を決定することを特徴とするプロジェクタ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のプロジェクタにおいて、
前記光変調器は、
液晶パネルと、
当該液晶パネルを駆動する駆動部と、
前記液晶パネルに対する前記入射光の出射側に設けられた遮光部材と、
を含み、
前記光量測定部は、前記液晶パネルに対する前記入射光の入射側であって、かつ、前記液晶パネルを介した前記遮光部材の対向位置に設けられ、
前記制御値決定部は、前記制御値として、前記駆動部の駆動に用いられる前記液晶パネルへの印加電圧を決定することを特徴とするプロジェクタ。
【請求項5】
光変調器と、当該光変調器の表示領域の外部に設けられた複数の光量測定部と、光量分布決定部と、制御値決定部とを有するプロジェクタによる画像の投写方法であって、
前記複数の光量測定部は、前記光変調器への入射光の光量を測定し、
前記光量分布決定部は、前記複数の光量測定部によって測定された光量に基づき、前記表示領域における入射光の光量の分布を決定し、
前記制御値決定部は、前記分布に応じて前記光変調器を制御するための制御値を決定し、
前記光変調器は、前記制御値と、入力画像信号とに基づき、前記入射光を変調することにより、投写対象領域へ向け画像を投写することを特徴とする投写方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−186546(P2009−186546A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−23648(P2008−23648)
【出願日】平成20年2月4日(2008.2.4)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】