説明

プロジェクタ機能付き携帯電子機器用アダプタ、プロジェクタ機能付き携帯電子機器

【課題】プロジェクタ機能をどのような環境においても使用可能とするアダプタを提供する。加えて、携帯電子機器を操作しても投影画面が揺れないアダプタを提供する。
【解決手段】プロジェクタ機能付き携帯電話機1用のアダプタ101は、筐体と、筐体に配設された表示部108と、プロジェクタ機能付き携帯電子機器1を載置可能な載置部114と、プロジェクタ機能付き携帯電子機器1が載置部114に載置された状態で出射する光を受光して表示部108に投影する投影レンズ117と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプロジェクタ機能を有する携帯電話機、PDA、携帯型ゲーム機、携帯用テレビ、携帯用ラジオ等の携帯電子機器の投影画面を表示するアダプタに関する。加えて、本発明は、このアダプタが用いられる携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、携帯用の電子機器にもプロジェクタ機能を持たせ、投影画面を白い壁や、従来から存在するスクリーンに投影することが行われている。
特許文献1には、このようなプロジェクタ機能を有する携帯電子機器が記載されている。
この携帯電子機器は投影先であるスクリーン等からの一定距離を維持する必要があるが、スクリーン等からの一定距離を維持する方法としては、ユーザが手に持ってスクリーン等と一定の距離を維持する方法がある。
また、他の方法として、手に持たない場合にはテーブル等の上にこの携帯電子機器を載せて、スクリーン等からの一定距離を維持する方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007―267292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されている携帯電子機器では、スクリーン等に投影するためのスクリーンや白くフラットな壁面等を用意しなければならず、プロジェクタ機能を使用する環境が限られてしまう。
手に持って投影する場合には、ユーザの手のわずかな動きによって投影画面が揺れてしまうため、携帯電子機器を手で固定し続けなければならない。かかる手の動きの固定は、ユーザに忍耐を強いることになってしまう。
一方、テーブル等に固定する場合には、ユーザは手に持たなくて済むものの、携帯電話電子機器を固定するためのテーブル等を用意しなくてはならず、使用環境が限られてしまう。さらに、テーブル等に載せて画面の揺れがないとしても、投影画面の切換え等を行う場合には携帯電子機器を操作しなくてはならないのでその際には、投影画面の振れが生じてしまう。
【0005】
本発明の目的は、プロジェクタ機能をどのような環境においても使用可能とするアダプタを提供すること、及び、携帯電子機器を操作しても投影画面が揺れないアダプタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のプロジェクタ機能付き携帯電子機器用アダプタは、筐体と、前記筐体に配設された表示部と、プロジェクタ機能付き携帯電子機器を載置可能な載置部と、前記プロジェクタ機能付き携帯電子機器が前記載置部に載置された状態で出射する光を受光して前記表示部に投影する投影レンズと、を有する。
【0007】
好適には、前記筐体に配設された入力部と、前記プロジェクタ機能付き携帯電子機器に、前記入力部より入力された信号を発信する通信部と、を有する。
【0008】
好適には、前記載置部の少なくとも一側面側に前記入力部が配置されている。
【0009】
好適には、前記筐体は、前記表示部が配設された第1の筐体と、前記入力部が配設された第2の筐体と、前記第1の筐体と第2の筐体とを連結する連結部と、を有し、前記連結部は、前記第1の筐体と前記第2の筐体とを動可能に支持しており、前記第2の筐体の前記表示部側の面と前記第2筐体の前記入力部側の面とを対向した状態に折り畳み可能である。
【0010】
好適には、前記第1の筐体と第2の筐体が折り畳まれる際には、前記投影レンズは取り外される。
【0011】
好適には、前記連結部は、前記第1の筐体と前記第2の筺体の開度を一定に保持可能である。
【0012】
好適には、前記表示部は、水性ペンによるインクによって書込可能、及び、当該インクを消去可能な材料によって構成する。
【0013】
好適には、前記表示部は入力を検出可能な検出部を有し、前記通信部は、前記検出部が検出した入力情報をプロジェクタ機能付き携帯電子機器に送信する。
【0014】
本発明のプロジェクタ機能付き携帯電子機器は、第1の筐体と、連結部によって前記第1の筐体と開閉自在に形成される第2の筐体と、前記第1の筐体に配設された表示部と、
前記第2の筐体に配設された入力部と、前記第2の筐体に形成されたプロジェクタ機能付き携帯電子機器を載置可能な載置部と、前記プロジェクタ機能付き携帯電子機器が前記載置部に載置された状態で出射する光を受光して前記表示部に投影する投影レンズと、を含むプロジェクタ機能付き携帯電子機器用アダプタの前記第1の筐体と前記第2の筐体の開度に対して前記プロジェクタ機能付き携帯電子機器用アダプタの通信部から発信された開度情報信号を受信する通信部と、前記開度情報信号に応じて投影画像を調整する制御部と、前記制御部によって調整された画像を、前記投影レンズを介して前記表示部に投影するプロジェクタ部と、を有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、プロジェクタ機能をどのような環境においても使用可能とするアダプタを提供すること、及び、携帯電子機器を操作しても投影画面が揺れないアダプタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る携帯電子機器の外観図である。
【図2】本発明の実施形態に係る携帯電話機における外観の斜視図である。
【図3】本発明の実施形態における、アダプタの外観図である。
【図4】携帯電話機が配置された状態における表示装置の外観図である。
【図5】投影レンズの正面図、側面図及び背面図である
【図6】図4の携帯電話機を配置したアダプタを側面から見た側面図である。
【図7】本発明におけるアダプタと携帯電話機の信号処理系を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明の実施形態に係る携帯電話機1の外観を開状態で示す斜視図である。
【0018】
携帯電話機1は、いわゆる折り畳み式の携帯電話機1として構成されており、開状態と閉状態との間で互いに回動可能に携帯連結部9によって連結された上部ケース2及び下部ケース3を有している。図1は、上部ケース2及び下部ケース3の開状態を示している。
上部ケース2は、下部ケース3と対向する部分を構成する上部フロントケース4と、下部ケース3とは反対側部分を構成する上部リアケース5とを有している。
下部ケース3は、上部ケース2と対向する部分を構成する下部フロントケース6と、上部ケース2とは反対側部分を構成する下部リアケース7とを有している。
【0019】
上部フロントケース4及び上部リアケース5はネジ等により互いに固定され、上部フロントケース4及び上部リアケース5の間に形成された空間に種々の電子部材を収容する収容空間を構成する。
下部フロントケース6及び下部リアケース7もネジ等により互いに固定され、下部フロントケース6及び下部リアケース7の間に形成された空間に種々の電子部材を収容する収容空間を構成する。
これらの上部フロントケース4、上部リアケース5、下部フロントケース6及び下部リアケース7は、例えば、樹脂により形成されている。
【0020】
なお、方向を示すときは、上部リアケース5から上部フロントケース4に向かう方向を表面方向(図1においては、紙面手前の方向)といい、上部フロントケース4から上部リアケース5に向かう方向を裏面方向(図1においては、紙面奥手の方向)という。
同様に下部リアケース7から下部フロントケース6に向かう方向を表面方向(図1においては、紙面手前の方向)といい、下部フロントケース6から下部リアケース7に向かう方向を裏面方向(図1においては、紙面奥手の方向)という。
【0021】
また、上部ケース2において携帯連結部9に向かう方向を結合部方向(図1の上部ケース2においては、紙面下の方向)といい、その逆を結合部反対方向(図1の上部ケース2においては、紙面上方向)という。
同様に、下部ケース3においても、携帯連結部9に向かう方向を結合部方向(図1の下部ケース3においては、紙面上の方向)といい、その逆を結合部反対方向(図1の下部ケース3においては、紙面下の方向)という。
【0022】
さらに、図1のように上部ケース2を上にし、下部ケース3を下にした状態とした時に、右側に来る側面を携帯右側面11とし、左側に来る側面を携帯左側面12という。
そして、携帯右側面11側に向かう方向を右側面方向(図1においては、紙面右の方向)といいい、携帯左側面12面に向かう方向を左側面方向(図1においては、紙面左の方向)という。
【0023】
なお、上記の方向の定義は、後述するアダプタ101についても同様に用いる。
【0024】
図1のように、上部フロントケース4には携帯表示部8が配置されている。
この携帯表示部8は、携帯電話機1の状態、ユーザの操作内容、発信先電話番号、電子メールの内容の表示、ゲーム画面等の様々な情報を表示するためのものである。
また、携帯表示部8はLCD(液晶ディスプレイ)、OLED(Organic light-emitting diode:有機EL)等によって構成されている。
【0025】
また、図1のように、下部フロントケース6の表面方向には、携帯入力部10が配置されている。この携帯入力部10をユーザが操作することによって、携帯電話機1に命令の入力、文字の入力等がなされる。
【0026】
また、上述してきた携帯電話機1の構造は、後述するアダプタ101においてもほぼ同じ構造を有している。
【0027】
図2は、本発明の実施形態に係る携帯電話機1における外観の斜視図である。
【0028】
図2のように、携帯電話機1の上部ケース2及び下部ケース3を接合する携帯連結部9近傍の下部ケース3にプロジェクタ部13が配置されている。
なお、プロジェクタ部13の位置や大きさは適宜変更可能である。
【0029】
図3は、本発明の実施形態における、アダプタ101の外観図である。
【0030】
アダプタ101は、上部筐体102と下部筐体103を有し、上部筐体102と下部筐体103は連結部109を介して結合されている。連結部109は、上部筐体102と下部筐体103を回動可能、つまり、折り畳みが可能な状態で結合している。図3は開状態での表示装置の斜視図となっている。
折りたたみ時には、投影レンズ117は取り外される。
【0031】
上部筐体102には表示部108が配置されている。そしてこの表示部108はスクリーンの機能を果たすために、投影された光を反射するために白色かつ平面状に構成される。表示部108の材質は例えばポリエステルフィルムから構成する。
【0032】
下部筐体103には、パーソナルコンピュータ(特にノート型パーソナルコンピュータ)等に用いられているキーボードと同様の入力部110が配置される。このようにパーソナルコンピュータに用いられているものとほぼ同様のキーボードを、携帯電話機1で用いられているキー配列と対比して「フルキーボード」と定義する。
なお、入力部110はパソコンと同様のキー配列である必要は必ずしもなく、プロジェクタ機能をより使いやすくするための光の強度の調整キーなどの各種のキーが追加されていてもよいし、逆に、不要なキーは削除されていてもよい。
また、入力部110の中央には携帯電話機1を配置するための載置部114を設ける。載置部114には、携帯電話機1を収納するために窪みを作成してもよいし、さらには、携帯電話機1を固定するためのバンド、両面テープ等が配置されていてもよい。
【0033】
下部筐体103と上部筐体102との接合部付近の下部筐体103には投影レンズ117が配置されている。
【0034】
また、下部筐体103の載置部114に該当する部分の内部には、携帯電話機1とデータのやり取りを行うための通信装置が内蔵されている。
なお、通信手段は電波通信でも赤外線通信であってもよい。場合によっては、コネクタを配置してこれと物理的に結合させることによって通信をさせることも可能である。
さらになお、通信手段は必ずしも載置部114の内部に配置する必然性はなく設計上の必要に応じて適宜変更可能である。
【0035】
図4は、携帯電話機1が配置された状態におけるアダプタ101の外観図である。
【0036】
図4のように、載置部114にプロジェクタ部13(図2参照のこと)と投影レンズ117が対向するように配置される。これによって、プロジェクタ部13から放射された光を投影レンズ117が受けることが可能となる。
もっとも、投影レンズ117はプロジェクタ部13から放射された光を受光することができるのであればどのような位置に配置することも可能である。
【0037】
図5は、投影レンズ117の正面図、側面図及び背面図である。
【0038】
図5(c)は投影レンズ117を携帯電話機1の載置部114側から見た正面図である。
正面図側には携帯電話機1のプロジェクタ部13から放射される光を受光する入射面118と、入射面118から投影レンズ117の内部に入射した光を反射する第2反射面120が配置されている。
【0039】
図5(a)は投影レンズ117を携帯電話機1の載置部114とは反対側から見た背面図である。
背面図側には、入射部18から投影レンズ117の内部に入射した光を反射する第1反射面119と、投影レンズ117から光を放射する放射面121とが配置されている。
【0040】
図5(b)は、投影レンズ117の側面図であって、後述する図6と同一の方向から見た図面である。
図5(b)のように、投影レンズ117は紙面上下方向の長さは、紙面左右方向に比べて長くなっている。そこで、紙面上下方向を長手方向と定義し、紙面左右方向を短手方向と定義する。
投影レンズ117の入射面118は短手方向と略垂直に形成されている。第1反射面119は短手方向に対して略45度を成すように形成されている。第2反射面120は短手方向と略垂直に形成されている。また、放射面121は短手方向と略45度を成すように形成されている。
なお、投影レンズ117の紙面手前及び奥手方向の厚さは、図5(a)及び(c)の様にすべて同一である。
【0041】
もっとも、上述した投影レンズ117の形状はあくまで一つの実施例にすぎず、より小型化・鮮明化・軽量化・製造の容易化等のために様々な形状とすることができる。
例えば、プロジェクタ部13から放射された光を十分に拡大することができるのであれば、1反射面19及び第2反射面120を介さずに直接表示部108に放射することもできる。
【0042】
投影レンズ117は、ガラス又は透明なアクリル樹脂等のプラスチックから構成される。もっとも、これらの材料に限定する趣旨ではなく、プロジェクタ部13からの光の入射を受け、反射し、放射することができるものであればどのようなものであってもよい。
【0043】
図6は、図4の携帯電話機1を配置したアダプタ101を側面から見た側面図である。
【0044】
図6の様に、携帯電話機1のプロジェクタ部13から放射された光は、投影レンズ117の入射面118から入射する。そして、投影レンズ117は、入射した光を第1反射面119及び第2反射面120介して光を導光し、放射面121から放射する。
放射された光は、上部筐体102の表示部108に投影される。
【0045】
図7は、本発明におけるアダプタ101と携帯電話機1の信号処理系を示すブロック図である。
【0046】
まず、携帯電話機1側の信号処理系について説明する。
図7に示されるように、携帯電話機1は、制御・処理の中枢である携帯制御部57と、携帯通信部51と、携帯入力部10と、プロジェクタ部13、携帯表示部8のそれぞれが、アドレス、データ、コントロールのためのラインが複数本からなる携帯システムバス58に共通に接続され、構成される。
【0047】
携帯通信部51は、無線通信システムを捕捉し、通信ネットワークに接続される基地局との間で無線通信を行い、各種データの送受信を行う。
本発明では、特にアダプタ101の通信部151からの通信を受ける役割を有している。
この際の通信形式は、きわめて短距離の通信であるから基地局との通信に用いるような方式である必要は必ずしもなく、例えば、無線LANの方式の通信を用いてもよいし、赤外線通信方式であってもよい。
さらに場合によっては、有線による方法でもよい。
【0048】
携帯入力部10は、例えば、電源キー、通話キー、数字キー、文字キー、方向キー、決定キー、発信キー、ファンクションキーなど、各種の機能が割り当てられたキーを有しており、これらのキーがユーザによって操作された場合に、その操作内容に対応する信号を発生し、これをユーザの指示として携帯制御部57に出力する。
【0049】
携帯表示部8は、携帯制御部57から供給される映像信号に応じた画像を表示する。
携帯表示部8は、例えば、携帯通信部51による無線発信時における発信先の電話番号、着信時における発信元の電話番号、受信メールや送信メールの内容、日付、時刻、電池残量、発信成否、待ち受け画面等を表示する。
【0050】
プロジェクタ部13は、携帯制御部57の命令に従い、プロジェクタの発光量、プロジェクタに表示する画面の変更等を行う。
【0051】
携帯制御部57は、携帯電話機1の全体的な動作を統括的に制御する。
すなわち、携帯制御部57は、携帯電話機1の各種処理が携帯入力部10の操作に応じて適切な手順で実行されるように、上述した各ブロックの動作(携帯通信部51における信号の送受信、携帯表示部8における画像の表示)を制御する。
【0052】
次に、アダプタ101側の信号処理系について説明する。
図7に示されるように、アダプタ101は、制御・処理の中枢である制御部157と、通信部151と、入力部110のそれぞれが、アドレス、データ、コントロールのためのラインが複数本からなるシステムバス158に共通に接続され、構成される。
【0053】
通信部151は、無線通信システムを捕捉し、携帯電話機1との間で無線通信を行い、各種データの送受信を行う。
この際の通信形式は、携帯電話機1の携帯通信部51が採用するのと同一の通信方法を用いる。前述のように、例えば、有線通信、無線LAN通信、赤外線通信などがありうる。
【0054】
入力部110は、フルキーボードによって構成される。さらに、プロジェクタ機能に都合がよい各種キーがさらに配置されていてもよい。例えば、光の色や光量の調整キーなどである。
【0055】
制御部157は、入力部110になされた入力内容を処理し、処理後の信号を必要に応じて通信部151に送る。
【0056】
最後に、アダプタ101と携帯電話機1とのデータの流れについて説明する。
アダプタ101の入力部110において入力された命令は、電気信号に変換されて制御部157に送られる。
そして、制御部157において各種処理が行われて、その処理がなされた信号のうち、携帯電話機1に通信する必要がある信号を通信部151に送る。
そして、通信部151は、この信号を各種の通信方法によって携帯電話機1の携帯通信部51に送信する。
携帯電話機1の携帯通信部51は、アダプタ101の通信部151によって送信された信号を受信する。
そして、携帯通信部51は、その信号を携帯制御部57に送る。
携帯制御部57は、その信号を各種処理して、プロジェクタ部13に命令を送る。
これを受けたプロジェクタ部13は、携帯制御部57から命令された内容に応じて投影画面を変化させ、または、その光量や色合いなどを変化させる。
【0057】
前述したようにアダプタ101側で行う処理は極めて単純なものであるから、制御部157は極めて単純なもので足りる。
場合によっては、制御部157を有せず入力部110において入力されたものをすべて、通信部151を通じて携帯電話機1に送信してもよい。
また、通信部151もきわめて短距離を通信するにすぎないため小型かつ消費電力が少ないもので足りる。そうすると、バッテリもきわめて小型なものでたりる。
また、入力部110も単に入力を受け付ければ足りるのであるから、薄型化・小型化することができる。
さらに、表示部108も単に白い幕があれば足りるのであるから、これも薄型化することができる。
そうだとすると、アダプタ101は極めて薄型化小型化することができる。
【0058】
また、上記説明してきたアダプタ101はノート型パーソナルコンピュータのような2つ折りのものを念頭に説明してきたが、必ずしもこのような形状である必要はない。
具体的には、入力部110はシート状であり柔軟性に富む材料によって構成することも可能であり、表示部108も白いシートであれば足りるのであることから、アダプタ101を折り曲げ、又は、丸めることも可能に構成することもできる。
さらに、2つおりである必要もなく、4つ以上に折りたたんで収納しておき、使用時には組み立てて図3のような形状として使用することもできる。
【0059】
<変形例その1>
表示部108は、白いスクリーン上であるのであるから、この表面についてホワイトボード用のペンなどによって書き込み可能とするのが好適である。
具体的な方法としては、表示部108をペンインクの成分が染み込まない材料によって構成し、かつ、ホワイトボード消しによって消すことが可能となるように表面を滑らかに構成する。なお、ホワイトボードの材質は周知である。
そうすれば、必要に応じて書き込むことが可能となり、さらに、必要に応じてホワイトボード消しによって消すことができる。
これによって、ユーザが直接に書き込むこと及び消去することが容易になり利便性が増す。
【0060】
<変形例その2>
さらに、好適な変形例について記載する。
前述の変形例その1では、表示部108に直接書きこんでいた。
しかし、その方法では、書いた文字などを消去する必要が生ずる。さらに、書きこんだ内容を保存することができない。
そこで、表示部108に圧力センサーなどを配置して、外部から圧力ペンや指による圧力を検出した場合に、その情報を携帯電話機1に送信する。
そして、携帯電話機1の携帯制御部57は、プロジェクタ部13が表示する画面を変化させる。
これによって、アダプタ101が表示する内容にユーザが書き込むことを可能とするものである。
なお、圧力ペンではなく、水性ペンによって物理的に書き込む変形例その1の方法によることに加えて、変形例その2の方法をも用いることも可能である。
また、圧力センサーは一例であり、ペンの位置や赤色ポインタの位置を光学的に検出する方法であってもよい。
【0061】
<変形例その3>
アダプタ101は、上部筐体102と下部筐体103とから構成されて、両者はその開度を変更可能な連結部109によって連結されている。
そうすると、上部筐体102が下部筐体103とどの程度の開度を有しているかによって、投影レンズ117を経由して表示部108に照射される画像の様子は異なるはずである。具体的には、開度が大きいのであれば、上部筐体102の連結部反対方向位置に投影される画像は投影レンズ117(プロジェクタ部13)からの距離が遠くなってしまうことによって、大きく映し出されてしまう。逆に、開度が小さい場合には上部筐体102の連結部反対方向位置に投影される画像は投影レンズ117(プロジェクタ部13)からの距離が近くなることによって、小さく映し出されてしまう。
かかる事態は、プロジェクタの表示装置としては好ましくない。
そこで、携帯電話機1は、開度情報に基づいてプロジェクタ部13によって放射される画像を変更するべきである。
【0062】
具体的な方法としては、まず、アダプタ101は、上部筐体102と下部筐体103との開度情報を検出し、その開度情報信号を通信部151によって携帯電話機1に送信する。
その開度情報信号を携帯電話機1は携帯通信部51によって受信する。携帯通信部51は、その開度情報信号を携帯制御部57へ送る。
携帯制御部57は、表示部8によって本来投影するべき画像となるように、プロジェクタ部13が出射する投影画像を、開度情報信号に基づいて計算して調整(修正)する。
そして、プロジェクタ部13は調整された画像を表示部に投影する。
【0063】
以上の実施形態によれば、プロジェクタ機能付き携帯電話機1用のアダプタ101は、筐体と、筐体に配設された表示部108とを有している。
そして、プロジェクタ機能付き携帯電子機器1を載置可能な載置部114と、プロジェクタ機能付き携帯電子機器1が載置部114に載置された状態で出射する光を受光して前記表示部108に投影する投影レンズ117とを有する。
このような構成を有する、プロジェクタ機能付き携帯電話機1用のアダプタ101を用いることによって、ユーザはどこでも携帯電話機1のプロジェクタ機能を利用することができる。
つまり、プロジェクタ投影用のスクリーンを用意しなくても、プロジェクタ機能を利用することができる。
さらに、表示部108は携帯電話機1のプロジェクタ機能用に特化したスクリーンであるため、携帯電話機1のプロジェクタ機能に最適に表示部108を設計することができる。その結果、投影図面を見やすく構成することが可能となる。
さらに、携帯電話機1のプロジェクタ部13と表示部108の位置関係が変化しないのであるから、投影画面が振れるようなことがないため、視認性が向上する。
加えて、ユーザは、プロジェクタ部13がある携帯電話機1を手で保持する必要がないため、使用が楽である。
また、このような構成によって、アダプタ101は軽量、小型、薄型、柔軟性を有するようにも作製することができる。それによって、アダプタ101の運搬性を上げることができる。
【0064】
筐体に配設された入力部110と、プロジェクタ機能付き携帯電子機器1に、入力部110より入力された信号を発信する通信部151と、を有する。
このような構成によって、ユーザは携帯電話機1を操作することなく、携帯電話機1のプロジェクタ部13によって投影される画面を変更することができる。そしてそのことは、投影される画面に振れ等を生じさせないという効果を有する。
【0065】
載置部114の少なくとも一側面側に前記入力部110が配置されている
このような構成によって、ノート型パーソナルコンピュータの様に携帯電話機1が載置されたアダプタ101を操作することができる。そして、そのことは、ユーザがノート型パソコンを持ち歩かなくても済むという利点を生む。
【0066】
筐体は、表示部108が配設された上部筐体102と、入力部110が配設された下部筐体103と、上部筐体102と下部筐体103とを連結する連結部109と、を有している。
そして、連結部109は、上部筐体102と下部筐体103とを開動可能に支持しており、上部筐体の前記表示部108側の面と下部筐体の前記入力部110側の面とを対向した状態に折り畳み可能である。
このような構成によって、アダプタ101は小型化することが可能である。また、よりノート型パーソナルコンピュータに近い使用環境とすることができる。
【0067】
上部体102と下部筐体103が折り畳まれる際には、投影レンズ117は取り外される。
このような構成によって、体積が大きい投影レンズ117を収容する空間を筐体に設ける必要がなくなり、筺体を小型化薄型化することが可能となる。
【0068】
連結部109は、前記上部筐体102と前記下部筺体103の開度を一定に保持可能である。
このような構成によって、表示部108に標示される投影画像が変化することがない。
【0069】
表示部108は、水性ペンによるインクによって書込可能、及び、当該インクを消去可能な材料によって構成する。
このような構成によって、ユーザが表示部108に書き込んだ内容をプロジェクタ部13が投影する投影画像に反映することができる。
そして、そのことはユーザの操作性が増すということを意味する。
【0070】
表示部108は入力を検出可能な検出部を有し、記通信部151は、検出部が検出した入力情報をプロジェクタ機能付き携帯電子機器に送信する。
このような構成によって、水性ペンなどがなくても、指、圧力ペン等による入力が可能となり利便性がます。また、書きこんだ内容を容易に消去・加工が容易になる。
【0071】
本発明のプロジェクタ機能付き携帯電話機1は、上部筐体102と、連結部109によって上部筐体102と開閉自在に形成される下部筐体103と、上部筐体102に配設された表示部108と、下部筐体103に配設された入力部110と、下部筐体103に形成されたプロジェクタ機能付き携帯電話機1を載置可能な載置部114と、プロジェクタ機能付き携帯電話機1が載置部114に載置された状態で出射する光を受光して表示部108に投影する投影レンズ117と、を含むプロジェクタ機能付き携帯電子機器用アダプタ101の上部筐体102と下部筐体103の開度に対してプロジェクタ機能付き携帯電話機1の通信部151から発信された開度情報信号を受信する携帯通信部51とを有している。
そして、開度情報信号に応じて投影画像を調整する携帯制御部57と、制御部57によって調整された画像を、投影レンズ117を介して表示部108に投影するプロジェクタ部13と、を有している。
このような構成によって、アダプタ101の開度に応じて投影画像が補正されるのであるから、どのような開度においても適切な投影画像を得ることができる。
【0072】
なお、以上の実施形態において、上部筐体102及び下部筐体103は本発明の筐体の一例である。
【0073】
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
【0074】
携帯電子機器は、携帯電話機1に限定されない。例えば、携帯電子機器は、ノートパソコン、PDA、ゲーム機、カメラであってもよい。また、携帯電子機器は、折り畳み式のものに限定されない。ケースが一体的に構成されたもの(1つのみのケース)であってもよい
【0075】
また、アダプタ101の形状は任意に選択可能である。特に、本発明のアダプタ101は、構成部材が柔軟であっても良いので、きわめて高い形状の自由度を有する。
【符号の説明】
【0076】
1…携帯電話機、2…上部ケース、3…下部ケース、4…上部フロントケース、5…上部筐体リアケース、6…下部筐体フロントケース、7…下部筐体リアケース、8…携帯表示部、9…携帯連結部、10…携帯入力部、11…右側面、12…左側面、13…プロジェクタ部、51…携帯通信部、57…携帯制御部、58…携帯システムバス、
101…アダプタ、102…上部筐体(第1の筐体)、103…下部筐体(第2の筐体)、110…入力部、114…載置部、108…表示部、109…連結部、117…投影レンズ、118…入射面、119…第1反射面、120…第2反射面、121…放射面、151…通信部、157…制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体に配設された表示部と、
プロジェクタ機能付き携帯電子機器を載置可能な載置部と、
前記プロジェクタ機能付き携帯電子機器が前記載置部に載置された状態で出射する光を受光して前記表示部に投影する投影レンズと、を有する
プロジェクタ機能付き携帯電子機器用アダプタ。
【請求項2】
前記筐体に配設された入力部と、
前記プロジェクタ機能付き携帯電子機器に、前記入力部より入力された信号を発信する通信部と、を有する
請求項1に記載のプロジェクタ機能付き携帯電子機器用アダプタ。
【請求項3】
前記載置部の少なくとも一側面側に前記入力部が配置されている
請求項2に記載のプロジェクタ機能付き携帯電子機器用アダプタ。
【請求項4】
前記筐体は、
前記表示部が配設された第1の筐体と、
前記入力部が配設された第2の筐体と、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とを連結する連結部と、を有し、
前記連結部は、前記第1の筐体と前記第2の筐体とを開動可能に支持しており、前記第1の筐体の前記表示部側の面と前記第2の筐体の前記入力部側の面とを対向した状態に折り畳み可能である
請求項2又は3に記載のプロジェクタ機能付き携帯電子機器用アダプタ。
【請求項5】
前記第1の前記筐体と第2の筐体が折り畳まれる際には、前記投影レンズは取り外される
請求項4に記載のプロジェクタ機能付き携帯電子機器用アダプタ。
【請求項6】
前記連結部は、前記第1の筐体と前記第2の筺体の開度を一定に保持可能である
請求項4又は5に記載のプロジェクタ機能付き携帯電子機器用アダプタ。
【請求項7】
前記表示部は、水性ペンによるインクによって書込可能、及び、当該インクを消去可能な材料によって構成する
請求項1〜4いずれか1項に記載のプロジェクタ機能付き携帯電子機器用アダプタ。
【請求項8】
前記表示部は入力を検出可能な検出部を有し、
前記通信部は、前記検出部が検出した入力情報をプロジェクタ機能付き携帯電子機器に送信する
請求項1〜5いずれか1項に記載のプロジェクタ機能付き携帯電子機器用アダプタ。
【請求項9】
第1の筐体と、
連結部によって前記第1の筐体と開閉自在に形成される第2の筐体と、
前記第1の筐体に配設された表示部と、
前記第2の筐体に配設された入力部と、
前記第2の筐体に形成されたプロジェクタ機能付き携帯電子機器を載置可能な載置部と、
前記プロジェクタ機能付き携帯電子機器が前記載置部に載置された状態で出射する光を受光して前記表示部に投影する投影レンズと、を含むプロジェクタ機能付き携帯電子機器用アダプタの前記第1の筐体と前記第2の筐体の開度に対して前記プロジェクタ機能付き携帯電子機器用アダプタの通信部から発信された開度情報信号を受信する通信部と、
前記開度情報信号に応じて投影画像を調整する制御部と、
前記制御部によって調整された画像を、前記投影レンズを介して前記表示部に投影するプロジェクタ部と、を有する
プロジェクタ機能付き携帯電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−232931(P2010−232931A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−77808(P2009−77808)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】