説明

プロセスカートリッジの梱包用保護部材

【課題】像担持体と、加圧部材により付勢されて像担持体と接触ニップ部を形成する、像担持体を帯電するための帯電部材と、を有し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジ10の両端部に対してそれぞれ装着されて、カートリッジの側端部にそれぞれ配備された機構部を覆い隠す、カートリッジの梱包用保護部材100・200として、カートリッジの画像形成装置本体に対する装着セットに際して、セット前の開梱時に圧解除部材の取り外し忘れや操作ミスがないように操作の単純化を図る。
【解決手段】カートリッジ10に装着された状態において、接触ニップ部に隙間を付与するための離間部に進入していて、帯電部材を加圧部材の付勢力に抗して像担持体から離間させた状態に保持する圧解除部材102・206が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジの梱包用保護部材に関する。
【0002】
ここで、電子写真画像形成装置とは、電子写真画像形成プロセス(電子写真画像形成方式)を用いて記録媒体(例えば、記録紙、OHPシート等)に画像を形成するものである。該画像形成装置の例としては、電子写真複写機、電子写真プリンタ、ファクシミリ装置、ワードプロセッサ、及びこれらの複合機(マルチファンクションプリンタ等)などが含まれる。
【0003】
また、プロセスカートリッジとは、プロセス手段としての、帯電手段、現像手段、クリーニング手段の少なくとも1つと、画像形成される像担持体としての電子写真感光体とを一体的にカートリッジ化し、画像形成装置本体に対して着脱可能としたものである。プロセス手段は、像担持体としての電子写真感光体に作用するものであって、帯電手段、現像手段、クリーニング手段の少なくとも1つを意味する。従って、プロセスカートリッジには、少なくともプロセス手段としての帯電手段と像担持体としての電子写真感光体とを一体的にカートリッジ化して画像形成装置本体に着脱可能とするものも含まれる。
【0004】
画像形成装置本体とは、プロセスカートリッジ以外の画像形成装置部分である。
【背景技術】
【0005】
従来、電子写真画像形成プロセスを用いた画像形成装置においては、プロセスカートリッジ方式が採用されている。このプロセスカートリッジ方式によれば、画像形成装置のメンテナンスをサービスマンによらずに使用者(ユーザー)自身で行うことができるので、格段に操作性を向上させることができる。そのために、このプロセスカートリッジ方式は、画像形成装置において広く用いられている。
【0006】
又、プロセスカートリッジを画像形成装置本体に装着する際、適正な操作感を保ちつつ、装着完了時にプロセスカートリッジと画像形成装置本体との位置関係を精度よく維持する必要がある。また、プロセスカートリッジを入手して画像形成装置本体にセットする作業は、世界的に見てユーザーの技術や器用さに依存することなく、容易に誰でも確実に着脱できることが好ましく、さまざまな改善が行われてきた。
【0007】
ここで、プロセスカートリッジを画像形成装置本体に対して着脱する際の作業として知られているものに、感光体ドラムと一次帯電ローラとのニップ部の圧解除方法が知られている。
【0008】
その一つとして、特許文献1には、プロセスカートリッジの枠体からのカバー部材の外れを防止し、かつ電子写真感光体の周面と帯電手段とを離間させる取り外し可能な係止部材が開示されている。また、前記係止部材を備えるプロセスカートリッジ、及び前記プロセスカートリッジの枠体からのカバー部材の取り忘れを防止できる電子写真画像形成装置が開示されている。係止部材は、プロセスカートリッジの枠体に対しカバー部材を係止し、かつ電子写真感光体と帯電手段との間に挿入されて電子写真感光体の周面と帯電手段とを離間させる係止腕を有する。プロセスカートリッジは、係止部材を取り外し可能に備える。電子写真画像形成装置は、プロセスカートリッジのカバー部材が枠体に装着されている間はプロセスカートリッジを装着不能とする形状の開口部を有する。
【0009】
また、像担持体と接触帯電部材との長期間の接触による不良画像の発生を、簡単に、低コストで、しかも大型化することなく防止できる帯電装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置を提供するものとして、特許文献2がある。
【0010】
この特許文献2の場合は、L字形部材33によって帯電ローラ3の芯金33bを保持し、巻きバネ22の付勢力に抗して感光体ドラム2から帯電ローラ3を離間させる。この位置で、固定部材35によりL字形部材33を枠体23に固定して、帯電ローラ3の離間状態を維持させる。固定部材35とL字形部材33を除去すると、帯電ローラ3は巻きバネ22の付勢力によって感光体ドラム2に接触し、画像形成が可能となる。
【0011】
また、特許文献3には、画像形成装置本体内にプロセスカートリッジを装着した状態で梱包し、輸送・運搬した際に、転写ローラ及び感光体の損傷を無くすことを目的とした構成が開示されている。この特許文献2には、電子写真画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジを装着した状態で運搬可能な電子写真画像形成装置が記載されている。この画像形成装置は、プロセスカートリッジが電子写真画像形成装置本体に装着された際に、プロセスカートリッジの有する像担持体と圧接可能な、画像形成装置本体に設けられた転写ローラを有する。また、電子写真画像形成装置の運搬時に、像担持体と転写ローラとが離間するようにする離間部材を有する。離間部材は、電子写真画像形成装置の運搬時における転写ローラとプロセスカートリッジの有する像担持体との距離を、電子写真画像形成装置の使用時における転写ローラと像担持体との距離より広げる離間部を有する。
【特許文献1】特開2000−181328号公報
【特許文献2】特開2002−251051号公報
【特許文献3】特開2006−58459号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記従来技術は、当時として望まれていた性能を十分に満たすものであった。しかし、近年、更なる性能の向上が求められるようになってきた。
【0013】
本発明は、上記従来技術を更に発展させたものである。その目的とするところは、プロセスカートリッジの梱包用保護部材として、プロセスカートリッジの画像形成装置本体に対する装着セットに際して、セット前の開梱時に圧解除部材の取り外し忘れや操作ミスがないように操作の単純化を図ることにある。また、部品や機構の破損、圧解除部材の破損が生じないようにすることにある。また、輸送時における圧解除部材の離脱による像担持体へのダメージなどの発生を防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するための本発明に係るプロセスカートリッジの梱包用保護部材の代表的な構成は、像担持体と、加圧部材により付勢されて前記像担持体と接触ニップ部を形成する、前記像担持体を帯電するための帯電部材と、を有し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジの両端部に対してそれぞれ装着されて、プロセスカートリッジの側端部にそれぞれ配備された機構部を覆い隠す、プロセスカートリッジの梱包用保護部材であって、前記プロセスカートリッジに装着された状態において、前記接触ニップ部に隙間を付与するための離間部に進入していて、前記帯電部材を前記加圧部材の付勢力に抗して前記像担持体から離間させた状態に保持する圧解除部材が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
上記の梱包用保護部材によれば、プロセスカートリッジの画像形成装置本体に対する装着セットに際して、セット前の開梱時に圧解除部材の取り外し忘れや操作ミスがないように操作の単純化を図ることができる。部品や機構の破損、圧解除部材の破損が生じないようにすることができる。輸送時における圧解除部材の離脱による像担持体へのダメージなどの発生を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。但し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載が無い限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する主旨のものではない。
【0017】
[実施例]
(全体構成)
まず、図5Aを用いて、本実施例における画像形成装置の全体的な概略構成について説明する。本例の画像形成装置は、電子写真方式、インライン型、中間転写ベルト(中間転写手段)を有するフルカラー画像形成装置(フルカラープリンタ)である。
【0018】
この画像形成装置2は、画像形成装置本体内に、図面上左側から右側に一定の間隔をおいて配置された、第1から第4の4つのプロセスカートリッジ10(10Y・10M・10C・10K)を備えている。以下、プロセスカートリッジをカートリッジと記す。各カートリッジ10は画像形成装置本体に対して着脱可能であり、所定に装着されて使用される。図5Bは図5Aにおける1つのカートリッジ部分の拡大図である。
【0019】
各カートリッジ10は、それぞれ、カートリッジ枠体内の略中央部に、画像け像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、感光体ドラムと記す)18が設置されている。そして、その感光体ドラム18の周囲に、感光体ドラム18に作用するプロセス手段としての、一次帯電手段(一次帯電器)19、現像手段30、クリーニング手段31が配置されている。
【0020】
感光体ドラム18は、画像形成装置本体側の駆動手段(不図示)により、矢印の時計方向に所定の速度で回転駆動される。
【0021】
一次帯電手段19は感光体ドラム18に接触して感光体ドラムの表面を所定の極性・電位に一様に帯電するための帯電部材である。本実施例において、この帯電部材19は、芯金と、その芯金周りに同心一体に形成されている導電性弾性ローラ部を有する帯電ローラである。帯電ローラ19は、感光体ドラム18に対して並行に配列されており、芯金の両端部をそれぞれ軸受部材を介してカートリッジ枠体に対して回転可能に保持させてある。そして、芯金の両端部或いは芯金両端部の軸受部材をそれぞれ加圧部材(不図示、例えば、弾性バネ部材等の加圧手段)によって感光体ドラム18の方向に導電性弾性ローラ部の弾性に抗して付勢している。これにより、帯電ローラ19は、自由状態において、感光体ドラム18に対して所定の押圧力で接触して、感光体ドラム18と接触ニップ部(帯電ニップ部)を形成している。本例においては、この帯電ローラ19は、感光体ドラム18の回転に従動して回転し、画像形成装置本体側の帯電バイアス電源(不図示)から芯金に対して印加される帯電バイアスによって感光体ドラム18の表面を負極性の指定の電位に均一に帯電する。
【0022】
現像手段30は、本実施例では、反転現像装置であり、一成分現像剤或いは二成分現像剤が収容されている。現像剤は回転駆動される現像スリーブ(現像ローラ)30aに担持されて感光体ドラム18に適用される。現像スリーブ30aには画像形成装置本体側の現像バイアス電源(不図示)から所定の現像バイアスが印加される。これによって、感光体ドラム18の静電潜像がトナー画像として反転現像される。30bは現像容器内の現像剤を攪拌・搬送するスクリュウ軸である。
【0023】
第1のカートリッジ10Yは、現像装置30にイエロー(Y)色のトナーを含む現像剤が収容されていて、感光体ドラム18にY色トナー画像を形成する。第2のカートリッジ10Mは、現像装置30にマゼンタ(M)色のトナーを含む現像剤が収容されていて、感光体ドラム18にM色トナー画像を形成する。第3のカートリッジ10Cは、現像装置30にシアン(C)色のトナーを含む現像剤が収容されていて、感光体ドラム18にC色トナー画像を形成する。第4のカートリッジ10Kは、現像装置30にブラック(K)色のトナーを含む現像剤が収容されていて、感光体ドラム18にK色トナー画像を形成する。
【0024】
クリーニング手段31は、本実施例においては、ブレードクリーニング方式のクリーニング装置(ドラムクリーナ装置)であり、感光体ドラム18に対してクリーニングブレード31aをカウンターに当接させて配設してある。このクリーニング装置31は、次に説明する中間転写ベルト12に対するトナー画像の一次転写後の感光体ドラム面に残留した転写残トナーを感光体ドラム面から掻き取って除去して、感光体ドラム面を清掃する装置である。31bはクリーニング容器内の廃トナーを排出搬送するスクリュウ軸である。
【0025】
帯電ローラ19と現像装置30との間の下方には露光装置11が設置されている。本実施例において、この露光装置11は、与えられる画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応した発光を行うレーザー発光手段、ポリゴンミラー、レンズ、反射ミラー等で構成されている。そして、各感光体ドラム18にレーザー光Lによる走査露光を行うことによって、帯電ローラ19で帯電された感光体ドラム18の表面に画像情報に応じた各色パターンに対応した静電潜像を形成する。
【0026】
各カートリッジ10の上方には転写ベルトユニット13が設置されている。転写ベルトユニット13は、二次転写対向ローラを兼ねる駆動ローラ14と、従動ローラ15と、テンションローラ16とを備えており、この3本のローラ間にエンドレスベルト状の可撓性を有する中間転写ベルト12が懸回張設されている。中間転写ベルト12は駆動ローラ14により矢印の反時計方向に、各カートリッジ10における感光体ドラム18の回転速度と同じ速度で循環移動される。転写ベルトユニット13内には、各カートリッジ10の感光体ドラム18に対応する位置に、それぞれ、一次転写手段としての一次転写ローラ20が配置されている。各一次転写ローラ20は中間転写ベルト12の下行側のベルト部分を挟んで、感光体ドラム18に対向して付勢されるよう配置されている。各カートリッジ10において、感光体ドラム18と中間転写ベルト12との当接ニップ部が一次転写ニップ部T1である。
【0027】
そして、各1次転写ローラ20には転写バイアス電源(不図示)からトナーの帯電極性(負)とは逆極性(正)で所定電位の一次転写バイアスが所定の制御タイミングで印加される。これにより、各カートリッジ10の感光体ドラム18に形成されたトナー画像が、循環移動している中間転写ベルト12上に、各一次転写ニップ部T1において順次に所定に重ね合わされた形態で一次転写されていく。即ち、中間転写ベルト12上には、最終的に、Y色・M色・C色・K色の各色トナー画像の重畳からなる未定着のカラー画像が合成形成される。
【0028】
転写ベルトユニット13の駆動ローラ14には中間転写ベルト12を挟んで二次転写ローラ32が圧接しており、中間転写ベルト12と二次転写ローラ32との当接ニップ部が二次転写ニップ部T2である。
【0029】
また、二次転写ニップ部T2の記録材搬送方向下流側には、定着ローラ41と加圧ローラ40を有する定着装置33が縦パス構成で設置されている。
【0030】
そして、給送カセット3に積載されてセットされた記録材(転写材)Pが給送ローラ4によって一枚ずつ分離給送され、レジストローラ対5によって二次転写ニップ部T2に所定の制御タイミングで搬送される。また、二次転写ローラ32には二次転写バイアス電源(不図示)からトナーの帯電極性(負)とは逆極性(正)で所定電位の二次転写バイアスが所定の制御タイミングで印加される。これにより、二次転写ニップ部T2で挟持搬送されていく記録材Pの面に、中間転写ベルト12上の未定着のカラー画像が一括して二次転写されていく。二次転写ニップ部T2を出た記録材Pは、中間転写ベルト12の面から分離されて、定着装置33に導入される。記録材Pは定着装置33の定着ローラ41と加圧ローラ40の圧接ニップ部である定着ニップ部で挟持搬送される。これにより、加熱加圧されて未定着のカラー画像が固着画像として記録材上に定着される。そして、その記録材Pが画像形成物として、排出ローラ43によって排出トレイ44へと排出される。
【0031】
また、記録材分離後の中間転写ベルト12は、ベルトクリーニング装置(不図示)により二次転写残トナーの除去を受けて清掃され、繰り返して作像に供される。
【0032】
ところで、各カートリッジ10及び転写ベルトユニット13は、その性質上、使用寿命が画像形成装置本体に比較して短い。そのため、画像形成装置本体の寿命をまっとうする為には、カートリッジ10及び転写ベルトユニット13は使用寿命となる度(満足できる品質の画像を形成することが出来なく程度まで機能が低下したとき)に、新旧交換を必要とする。
【0033】
本例の画像形成装置においては、カートリッジ10及び転写ベルトユニット13を容易に交換可能とするため、図5Cに示す構成にしている。即ち、排出トレイ44及び転写ベルトユニット13を備えたユニットを上扉ユニット101として画像形成装置本体に対しヒンジ部101aを中心に開閉自在に構成している。上扉ユニット101を画像形成装置本体の上方(矢印A方向)に向けて開くことにより、画像形成装置内部を大きく開放状態にできる。これにより、カートリッジ10及び転写ベルトユニット13の双方を画像形成装置本体に自在に脱着可能とし、メンテナンス性を向上させている。即ち、カートリッジ10は感光体ドラム18の軸線に対し垂直な方向において、画像形成装置本体のカートリッジ収納部に対して所定の要領で脱着して新旧交換を行う。また、転写ベルトユニット13は、開いた上扉ユニット101の内側のユニット収納部に対して所定の要領で脱着して新旧交換を行う。その後、上扉ユニット101を画像形成装置本体の下方(矢印B向)に向けて閉じ込む。
【0034】
(カートリッジ)
ここで、便宜上、カートリッジ10の長手方向(感光体ドラム18の軸線方向)の一方側を右又は右側、他方側を左又は左側とする。
【0035】
図2の(a)はカートリッジの正面図、(b)は上面図である。図3はカートリッジの左側端部の図、図4はカートリッジの右側端部の図である。図6はカートリッジの左側端部の斜視図である。図7と図8はカートリッジの右側端部の斜視図である。
【0036】
カートリッジ10には、前述したように、像担持体としての感光体ドラム18、帯電部材としての帯電ローラ19、クリーニング手段としてのクリーニング装置31などが内蔵されている。
【0037】
カートリッジ10の外側部(外観部)には、画像形成装置本体から駆動力を伝達されるカップリング61、感光体ドラム18を覆うシャッタ部材(ドラムシャッタ)60、シャッタ部材60を回動させるための軸であるシャッタ回動軸64が配備されている。また、把手53、カラートナーの種類を認識させる非互換設定部材59、画像形成装置本体から帯電バイアスと現像バイアスを給電するための給電部接点62・63、グランドと接続するグランドアース接点56が配備されている。また、現像剤やトナーを供給するための供給口であるところの現像剤補給部55が配備されている。また、カートリッジ内部に配備したクリーニング装置31から排出される使用済みトナーの排出口54、感光体ドラム18・現像スリーブ30a・スクリュウ軸30b,31bなどに駆動を伝達する駆動ギヤトレイン66等の主な構成物が配備されている。
【0038】
シャッタ部材60は、自由状態においては、感光体ドラム18を覆う閉じ位置に移動している。本実施例においては、シャッタ部材60は、カートリッジ10が画像形成装置本体のカートリッジ収納部に挿入される過程において、その挿入移動に連動して開き動作する構成にされている。また、逆に、カートリッジ10が画像形成装置本体のカートリッジ収納部から抜き出される過程において、その抜き出し移動に連動して閉じ動作する構成にされている。また、シャッタ部材60は、画像形成装置本体に対する上扉ユニット101の開閉動作に連動させて、上扉ユニット101の開き動作に連動して閉じ動作させ、閉じ動作に連動して開き動作させる構成にすることもできる。
【0039】
また、カートリッジ10が画像形成装置本体のカートリッジ収納部に所定に挿入されることで、給電部接点62・63とアース接点56が夫々画像形成装置本体側の本体電気接点(不図示)に接触して、画像形成装置本体側の電気系統と導通した状態になる。
【0040】
また、カートリッジ10が画像形成装置本体のカートリッジ収納部に所定に挿入されることで、使用済みトナーの排出口54が画像形成装置本体側の廃トナー回収系統(不図示)と連結状態になる。
【0041】
また、カートリッジ10が画像形成装置本体のカートリッジ収納部に所定に挿入され、上扉ユニット101が閉じ込まれることで、これに連動して、カップリング61に対して画像形成装置本体側の駆動カップリング(不図示)が結合方向に移動する。これにより、画像形成装置本体側からカートリッジ10側に駆動力を伝達することが可能となる。逆に、上扉ユニット101が画像形成装置本体から開かれると、これに連動して、カップリング61に対して画像形成装置本体側の駆動カップリングが結合解除方向に移動する。
【0042】
カートリッジ10の右側端部と右側端部にはそれぞれガイド部58・57が設けられていて、このガイド部58・57に、後述する梱包用保護部材(梱包用保護手段)100・200が支持されると共にスライド移動可能にガイドされる。
【0043】
また、圧解除部材挿入口65がカートリッジ10の左右側にそれぞれ開口されている。この圧解除部材挿入口65からカートリッジ内部の帯電ローラ19の軸部(感光体ドラム18と帯電ローラ19の接触ニップ部に隙間を付与するための離間部)に対して、梱包用保護部材100・200に具備させた圧解除部材がアクセスできるようになっている。圧解除部材については後述する。
【0044】
(カートリッジの梱包用保護部材)
図1はカートリッジ10の右側端部と左側端部に梱包用保護部材100・200が夫々に装着されている状態の斜視図である。52は乾燥剤、取扱説明書などの付属品であり、剥離容易なテープ状保持手段TPでカートリッジ10の外側に貼付してある。
【0045】
カートリッジの梱包用保護部材100・200は、全体に、可撓性樹脂材質の成形品である。そして、カートリッジの物流に際して、カートリッジの右側端部と左側端部に対してそれぞれ装着されて、カートリッジの側端部にそれぞれ配備された機構部を覆い隠して防護する部材である。即ち、梱包用保護部材100・200は、カートリッジ10に装着された状態において、カートリッジ10の駆動ギヤトレイン66、給電部接点62・63、グランドアース接点56の少なくとも1つを覆い隠して保護する。
【0046】
使用者(ユーザー)は、カートリッジ10の使用に際して、カートリッジ10の右側端部と左側端部から梱包用保護部材100・200を取り外す。また、付属品52も取り外す。梱包用保護部材100・200は、カートリッジ10に装着された状態においては、カートリッジ10の画像形成装置本体のカートリッジ収納部に干渉して装着を阻止する部材(邪魔部材)となる。
【0047】
装着されている梱包用保護部材100・200の取り外しは、各梱包用保護部材100・200の可撓アーム101、102を夫々に矢印(小)の方向[1]に指で引っ張る。そうすると、装着されている梱包用保護部材100・200が夫々に矢印(大)の方向[2]に動いてカートリッジ10の右側端部と左側端部から外れるように成っている。
【0048】
図9乃至図11は、カートリッジ10の右側端部に適用する梱包用保護部材100(梱包用保護部材の右側部材)の形態図である。
【0049】
この梱包用保護部材100は、カートリッジ10の右側端部に装着されて、カートリッジ10の右側端部側に配備された機構部である、カップリング61、駆動ギヤトレイン66等を覆い隠して保護する。
【0050】
この梱包用保護部材100は、さまざまな機能を一体的になしたところに特徴がある。その機能とは、カートリッジ10に装着された該梱包用保護部材100を取り外す際に指を掛ける可撓アーム101は樹脂の撓み力や弾性回復力を利用してバネ性を持たせてある。この可撓アーム101は、指で摘めるようにレバー状の形状を形成してあり、図1で示したように、右手人差し指が掛けられるようにしてある。逃げ部106は、図1で親指の位置になり、親指がカートリッジ10に触れるように逃がした形状としてある。可撓アーム101にはカートリッジ10のガイド部58に係止させるための掛止爪部103が設けられ、可撓アーム101を指で解除しない限り、梱包用保護部材100がカートリッジ10から容易に脱落することを防止する機能を有している。即ち、梱包用保護部材100は、カートリッジ10に対する着脱用のスナップフィットの掛止爪部103を具備し、一体的な可撓アーム101と成したロック手段を有する。そして、梱包用保護部材100は、可撓アーム101の上記の操作によりロック解除して同時に引き動かすことによってカートリッジからの取り外し操作とする。
【0051】
また、梱包用保護部材100には、カートリッジ10の非互換設定部材59の逃げ部107・108が設けてあり、各種の色設定など異なる種類のカートリッジにも共通に使用できるようにしてある。
【0052】
梱包用保護部材100は、カートリッジ10の右側端部の全体を覆うようにカバーリングされている。そして、この梱包用保護部材100の一部に、帯電ローラ19を前記の加圧部材の付勢力に抗して感光体ドラム18から離間させた状態に保持する圧解除部材102が一体的に形成されている。この圧解除部材102は、梱包用保護部材100がカートリッジ10の右側端部に装着されている状態において、カートリッジ10の右側の圧解除部材挿入口65からカートリッジ内部に挿入されている。その挿入された圧解除部材102の先端部が、感光体ドラム18と帯電ローラ19の接触ニップ部に隙間を付与するための右側の離間部に進入していて、帯電ローラ19を前述した加圧部材の付勢力に抗して感光体ドラム18から離間させた状態に保持している。
【0053】
また、梱包用保護部材100には、カートリッジ10との位置を保持し、荷重を受けることができる突当てリブ109を任意の部位に配備している。111・114は突当て面である。
【0054】
そして、梱包用保護部材100の全体の弾性力と、圧解除部材102が弾性力を持っているので、略同一方向である刻印された矢印105・104の方向に引き動かすと、梱包用保護部材100と圧解除部材102が同時にカートリッジ10から外れる。圧解除部材102が圧解除部材挿入口65から抜けることにより、その圧解除部材102の先端部による帯電ローラ19の感光体ドラム18から離間保持状態が解除される。これにより、帯電ローラ19が加圧部材の付勢力により感光体ドラム18に接触した状態になる。
【0055】
図12乃至図14は、カートリッジ10の左側端部に適用する梱包用保護部材200(梱包用保護部材の左側部材)を説明する図である。
【0056】
この梱包用保護部材200は、カートリッジ10の左側端部に装着されて、カートリッジ10の左側端部側に配備された機構部である、給電部接点62・63、グランドアース接点56、シャッタ回動軸64等を覆い隠して保護する。給電部接点62・63、グランドアース接点56が覆い隠されて保護されることで、接点の汚れや錆の発生の原因である手垢や汗が付着することが防止される。
【0057】
この梱包用保護部材200も、さまざまな機能を一体的になしたところに特徴がある。その機能とは、カートリッジ10に装着された梱包用保護部材200を取り外す際に指を掛ける可撓アーム201は樹脂の撓み力や弾性回復力を利用してバネ性を持たせてある。この可撓アーム201は、指で摘めるようにレバー状の形状を形成してあり、図1で示したように、左手人差し指が掛けられるようにしてある。逃げ部207は、図1で親指の位置になり、親指がカートリッジ10に触れるように逃がした形状としてある。可撓アーム201にはカートリッジ10のガイド57に係止させるための掛止爪部210が設けられ、可撓アーム201を指で解除しない限り、梱包用保護部材200がカートリッジ10から容易に脱落することを防止する機能を有している。即ち、梱包用保護部材200は、カートリッジ10に対する着脱用のスナップフィットの掛止爪部210を具備し、一体的な可撓アーム201と成したロック手段を有する。そして、梱包用保護部材200は、可撓アーム201の上記の操作によりロック解除して同時に引き動かすことによってカートリッジからの梱包用保護部材200の取り外し操作とする。
【0058】
梱包用保護手段200はカートリッジ10の左側端部の全体を覆うようにカバーリングされている。そして、この梱包用保護部材200の一部に、帯電ローラ19を前記の加圧部材の付勢力に抗して感光体ドラム18から離間させた状態に保持する圧解除部材206が一体的に形成されている。この圧解除部材206は、梱包用保護部材200がカートリッジ10の左側端部に装着されている状態において、カートリッジ10の左側の圧解除部材挿入口65からカートリッジ内部に挿入されている。その挿入された圧解除部材206の先端部が、感光体ドラム18と帯電ローラ19の接触ニップ部に隙間を付与するための左側の離間部に進入していて、帯電ローラ19を前述した加圧部材の付勢力に抗して感光体ドラム18から離間させた状態に保持している。
【0059】
また、梱包用保護部材200には、突当てリブ214がカートリッジ10の枠体と当接するように数箇所配備されている。本実施例においては、梱包用保護部材200がカートリッツ10に装着された状態において、突当てリブ214が、感光体ドラム18に対して閉じているシャッタ部材60の開動作を阻止する動作阻止部材として、シャッタアームに干渉している。これにより、シャッタアームの回動が阻止されて、シャッタ部材60は開くことがなく、梱包用保護部材200が装着された状態で感光体ドラム18を保護することができる。即ち、上記の動作阻止部材214により、カートリッジ10の梱包が解かれて梱包用保護部材200が取り外されるまで、シャッタ部材60が開かないようにしている。205はカバー部、208は保持リブ、209はガイド面、212は保持リブ、213は突当てリブ、215は突起である。
【0060】
そして、梱包用保護部材200の全体の弾性力と、圧解除部材206が弾性力を持っているので、略同一方向である刻印された矢印204・202の方向に引き動かすと、梱包用保護部材200と圧解除部材206が同時にから外れるようになっている。圧解除部材206が圧解除部材挿入口65からカートリッジ外部に抜け出ることにより、その圧解除部材206の先端部による帯電ローラ19の感光体ドラム18から離間保持状態が解除される。これにより、帯電ローラ19が加圧部材の付勢力により感光体ドラム18に接触した状態になる。
【0061】
また、梱包用保護部材100・200は右と左で一対となるため刻印によって「R」「L」の区別文字を刻印してある。また、可撓アーム201にはアーム解除方向を示す矢印203が刻印されて操作をわかりやすくしてある。
【0062】
図15は右側端部と左側端部に梱包用保護部材100・200が夫々装着されたカートリッジ10の正面図である。図16は、梱包用保護部材200を装着したカートリッジ10の左側端部の図、図17は、梱包用保護部材100を装着したカートリッジ10の右側端部の図である。また、図18は、図15のB−B線矢視断面図である。
【0063】
梱包用保護手段100・200の圧解除部材102・206は、カートリッジ10の右側部と左側部にそれぞれ配置された圧解除部材挿入口65に嵌め込まれている。この状態で、カートリッジ10の右側と左側の離間部にそれぞれ圧解除部材102・206の先端部が進入していて、帯電ローラ19が加圧部材の付勢力に抗して感光体ドラム18から離間されている状態に保持されている。また、カートリッジ10の右側端部と左側端部はそれぞれ梱包用保護部材100・200でカバーされているので、使用者はこの状態では内部に容易に触ることができないようになされている。
【0064】
梱包用保護部材100は、カートリッジ10の右側端部に装着されて、カートリッジ10の右側端部側に配備された機構部である、カップリング61、駆動ギヤトレイン66等を覆い隠して保護する。梱包用保護部材100は、ガイド部58の一端部と掛止爪部103とが合致し、保持することでスナップフィット状に保持するようになっている。また、カートリッジ10との位置を保持し、荷重を受けることができる突当てリブ109が数箇所配備されている。これによって、使用者がうっかり手を滑らせてカートリッジを落下させても保護できるように、梱包用保護部材100には全体的にアールを付与形成して応力の分散するようにしてある。また、内部の比較的鋭利な構成部品を保護しながら、使用者の安全に配慮してある。
【0065】
梱包用保護部材200は、カートリッジ10の左側端部に装着されて、カートリッジ10の左側端部側に配備された機構部である、ギヤ66、給電部接点62・63、グランドアース接点56、シャッタ回動軸64等を覆い隠して保護する。梱包用保護部材200は、ガイド部57の一端部と掛止爪部210とが合致し、保持することでスナップフィット状に保持するようになっている。また、突当てリブ214はカートリッジ10の枠体と当接するように数箇所配備されている。これによって、使用者がうっかり手を滑らせて落下させても保護できるように、梱包用保護部材200には全体的にアールを付与形成して応力の分散するようにしてある。また、内部の比較的鋭利な構成部品を保護しながら、ユーザーの安全に配慮してある。
【0066】
梱包用保護部材100・200が装着されているカートリッジ10は、夫々にガイド58・57を受ける保持リブ113・112,208・211、及び圧解除部材102、206によって、長手方向左右どのちらかを上に持ち、ぶら下げることができる。梱包用保護部材100又は200を持って、カートリッジ10をぶら下げても、カートリッジ10は、梱包用保護部材100又は200の上記の保持リブと圧解除部材によって支えられ、保持されるのでうっかり抜け落ちるようなことはない。
【0067】
これによって、誤って落としそうになったり、床面や机面に落下させてしまったり、片支持落下させてもカートリッジは梱包用保護部材100又は200で保護されるほか、安全性を向上することができるようになる。
【0068】
また、梱包用保護部材100・200を装着した状態の図15で示しているように、カートリッジ10の長手端部の梱包用保護部材100・200の端部は左右夫々にケーシング端面と可撓アーム101・201とが略同一面とされている。また、梱包用保護部材200では、さらに追加して突起215を設けて略同一面を形成している。カートリッジ10を床面に落下させた際の最も衝撃が大きくなるのは長手方向の落下である。従来はダンボールやEPS(発泡スチロール)などで保護して衝撃吸収していた。しかし、梱包箱からカートリッジを取り出し、画像形成装置本体に装着する間の状況で落下させて壊してしまう事もあり得るため、これを最大限度保護することが求められていた。梱包用保護部材100・200のこれらの突起は、垂直落下の際の床面との衝撃を分散するために設けられたものである。特に、可撓アーム101・201も同時に同一面であるので、掛止爪部103・210がカートリッジ10のガイド部58・57の係止状態から容易に外れないように配慮してある。更に、本実施の形態では、梱包用保護部材100・200として、衝撃吸収力が高く、可撓性、柔軟性が高く、比較的安価な樹脂材質であるところのポリプロピレンを用いたことで、低温度環境でも変形するが粉砕することがない安全な材質を用いている。同様に利用する他の材質としてエラストマーなどの柔軟性のある樹脂を用いてもよい。
【0069】
上記のように、梱包用保護部材100・200は、圧解除部材102・206を一体的に形成させたことにより、梱包部品と圧解除部品とを個別に外す必要がない。そして、梱包用保護部材100・200は、ワンアクションで取り外しできるようにしている。圧解除部材102・206の離間部からの退避方向と梱包用保護部材100・200のカートリッジからの引き抜き方向が同じ方向である。そして、カートリッジ10の一方側の端部に装着される梱包用保護部材100と他方側の端部に装着される梱包用保護部材200は同じ方向に挿抜される。これにより、梱包用保護部材100・200は可撓アーム101・201に指を懸けて引っ張るだけで同時的に取り外しができる。
【0070】
このように、カートリッジ10の長手両端部側面を覆い隠す梱包用保護部材100・200を設けたことにより、両端部にある機構部品に対する保護ができる。詳しくは、シャッタ部材60の回動部への不要な力がかからないようにして、感光体ドラム18とシャッタ部材60が擦れる事を防止できる。且つ、シャッタ部材60の回動を阻止したことで使用者が手で感光体ドラム18の表面に触れないようになり、使用開始までできるだけ使用者操作からデリケートな感光体表面を守ることができるようになる。
【0071】
また、梱包用保護部材100・200は、ワンタッチで着脱可能であるので、操作が単純で容易になり、従来のような梱包用テープや多くのシート材などを必要としなくなるメリットがある。更に、圧解除部材102・206が一体化されているので、従来のような操作を省くことができるほか、部品の削減によるコストの低減も実現できる。
【0072】
梱包用保護部材100・200の内側には、ギヤトレインや、電気接点、カップリング機構や、トナー供給、使用済みトナー回収口などの精密機密を要する部品が内蔵されている。これを丸ごと保護出来る他、ギヤトレインの潤滑油脂や、トナーなどの汚れを使用者に付着させないように保護することができるメリットがある。
【0073】
これにより、複雑で手間の掛かる使用者操作を、未然に本梱包用保護部材を用いたことで、うっかりした外し忘れによる装着不能にする機構を不要としたり、圧解除動作の確実化を実現できる。これと共に、面倒な作業を必要としなくなり、ユーザークレームが低減できる。
【0074】
従って、従来のテーピングなどの煩雑な組立作業、及びユーザーサイドでは操作性、作業効率の改善を図りながら、コストダウンと、より幅広いユーザーサイドに渡り、操作が容易に行える。且つ、信頼性の高い梱包用保護部材を装着したプロセスカートリッジを提供する事が可能と成った。
【0075】
これにより、ワールドワイド市場において、売り切りの製品のユーザーに対する誤操作を防止でき、操作性の向上と、信頼性の向上に寄与できた。
【0076】
また、梱包組立時の、カートリッジ10に対する梱包用保護部材100・200の装着は次のようになされる。即ち、梱包用保護部材100・200をそれぞれカートリッジ1の右側端部と左側端部とに矢印と逆方向(取り外し方向と逆の方向)に挿入する。そうすると、梱包用保護部材100・200がカートリッジ10側のガイド部58・57に対して、それぞれ可撓アーム101・201がレバーを作動させる方向と同一方向に拡がされながら装着される。これにより、スムーズかつ容易に装着させることができる。そして、梱包用保護部材100・200が規定のセット位置に至ると樹脂ケーシングの弾性力によってカートリッジ10のガイド部58・57に係止されることになる。
【0077】
ここで、帯電ローラ19の圧解除の機能について懸念される問題として次のような事項がある。感光体ドラム18に対して帯電ローラ19は真っ直ぐ平行状態を維持しながら離間させる必要がある。帯電ローラ19の長手端部の位置を片側ずつ持ち上げると、てこの原理、あるいは圧解除部材が挿入される際の押し込み力が帯電ローラ長手中央部の導電性弾性体に伝わる。そして、摩擦力の限度を超えた瞬間に帯電ローラ19を感光体ドラム18に摺擦させてしまい、静電気と摺擦痕が残って、画像形成装置でハーフトーンなどの画像を出力した際にそのメモリが画像として現れる恐れが出てくるのである。
【0078】
従来では、手作業において、圧解除コマを左右同時に装着するという困難な手作業を行っていた。本実施の形態では、帯電ローラ19の右側と左側の圧解除の際は、感光体ドラム18の摺擦メモリを防止するために、装着しやすくなること、工具やロボットでハンドリングしやすいサイズや形状とした。これにより、これらの工具を用いて左右同時に装着するようにすることが容易になり、摺擦メモリを未然に防止することができるようになり、品質の向上も図ることができるようになった。
【0079】
また、感光体ドラム18、現像スリーブ30a、スクリュウ軸30b・31b等の駆動伝達に用いられるギヤにはグリースなどが塗布されているので、ユーザーが手を汚す恐れがあった。しかし、本梱包用保護部材100・200を用いることで、梱包用保護部材のケーシングがバリアとなって内部を保護するので、うっかり触る恐れがなくなり手指の汚れも防止することができる。
【0080】
また、図16において、突当てリブ214によって、シャッタ部材60はシャッタアームの回動が阻止されるので、開くことがなく、梱包用保護手段200が装着された状態で感光体ドラム18を保護することができる。
【0081】
本発明の趣旨であるところの、使用者への保護と作業の単純化を達成しながら、安全且つ確実なプロセスカートリッジの保護機能を満足しつつ、組み立てのオートメーションにも対応した低コスト化を実現する、梱包用保護部材の提供ができるようになった。
【0082】
プロセスカートリッジにおいて、像担持体は、実施例の電子写真感光体の他、静電記録誘電体などであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】カートリッジの右側端部と左側端部に梱包用保護部材が夫々に装着されている状態の斜視図である。
【図2】(a)はカートリッジの正面図、(b)は上面図である。
【図3】カートリッジの左側端部の図である。
【図4】カートリッジの右側端部の図である。
【図5A】実施例の画像形成装置の全体的な概略構成について説明する図である。
【図5B】図5Aにおける1つのカートリッジ部分の拡大図である。
【図5C】画像形成装置本体から上扉ユニットを開いた状態の画像形成装置の図である。
【図6】カートリッジの左側端部の斜視図である。
【図7】カートリッジの右側端部の斜視図である。
【図8】カートリッジの右側端部の斜視図である。
【図9】カートリッジの右側端部に適用する梱包用保護部材の説明図である。
【図10】カートリッジの右側端部に適用する梱包用保護部材の説明図である。
【図11】カートリッジの右側端部に適用する梱包用保護部材の説明図である。
【図12】カートリッジの左側端部に適用する梱包用保護部材の説明図である。
【図13】カートリッジの左側端部に適用する梱包用保護部材の説明図である。
【図14】カートリッジの左側端部に適用する梱包用保護部材の説明図である。
【図15】右側端部と左側端部に梱包用保護部材が夫々装着されたカートリッジの正面図である。
【図16】梱包用保護部材を装着したカートリッジの左側端部の図である。
【図17】梱包用保護部材を装着したカートリッジの右側端部の図である。
【図18】図15のB−B線矢視断面図である。
【符号の説明】
【0084】
C …回動軸
D …バネ支点
P …記録材
2 …画像形成装置
3 …給送カセット
4 …給送ローラ
5 …レジストローラ対
10(Y・M・C・K) …カートリッジ
10a …斜面
11 …露光装置
12 …転写ベルトユニット
12a …突起
18 …感光体ドラム
19 …一次帯電器(帯電ローラ)
20 …一次転写ローラ
30 …現像装置
31 …ドラムクリーナ装置
32 …二次転写ローラ
40 …加圧ローラ
41 …定着ローラ
43 …排出ローラ
44 …排出トレイ
51 …上扉ユニット
52 …付属品
53 …把手
54 …使用済みトナー排出口
55 …現像材補給部
56 …アース接点
57 …ガイド
58 …ガイド
59 …非互換設定部材
60 …シャッタ部材
61 …カップリング
62 …接点
63 …接点
64 …シャッタ回動軸
65 …圧解除部材挿入口
66 …ギヤ
100 …梱包用保護部材
101 …可撓アーム
102 …圧解除部材
103 …掛止爪部
104 …矢印
105 …矢印
106 …逃げ部
107 …逃げ部
108 …逃げ部
109 …突当てリブ
110 …ガイド面
111 …突当て面
112 …保持リブ
113 …保持リブ
114 …突当て面
200 …梱包用保護部材
201 …可撓アーム
202 …矢印
203 …矢印
204 …矢印
205 …カバー
206 …圧解除部材
207 …逃げ部
208 …保持リブ
209 …ガイド面
210 …掛止爪部
211 …保持リブ
212 …保持リブ
213 …突当てリブ
214 …突当てリブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体と、加圧部材により付勢されて前記像担持体と接触ニップ部を形成する、前記像担持体を帯電するための帯電部材と、を有し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジの両端部に対してそれぞれ装着されて、プロセスカートリッジの側端部にそれぞれ配備された機構部を覆い隠す、プロセスカートリッジの梱包用保護部材であって、
前記プロセスカートリッジに装着された状態において、前記接触ニップ部に隙間を付与するための離間部に進入していて、前記帯電部材を前記加圧部材の付勢力に抗して前記像担持体から離間させた状態に保持する圧解除部材が形成されていることを特徴とする梱包用保護部材。
【請求項2】
前記梱包用保護部材は可撓性樹脂材質であって、前記プロセスカートリッジに対する着脱用のスナップフィットの掛止爪部を具備し、一体的な可撓アームと成したロック手段を有し、前記可撓アームの操作によりロック解除して同時に引き動かすことによって前記プロセスカートリッジから取り外し操作することを特徴とする請求項1に記載の梱包用保護部材。
【請求項3】
前記梱包用保護部材は、前記プロセスカートリッジに装着された状態においては、プロセスカートリッジの画像形成装置本体への装着を阻止する部材となることを特徴とする請求項1又は2に記載の梱包用保護部材。
【請求項4】
前記梱包用保護部材には、前記プロセスカートリッジに装着された状態において、前記像担持体に対して閉じているシャッタ部材の開き動作を阻止する動作阻止部材が形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の梱包用保護部材。
【請求項5】
前記梱包用保護部材は、前記プロセスカートリッジに装着された状態においては、プロセスカートリッジの駆動ギヤトレイン、給電部接点、グランドアース接点の少なくとも1つを覆い隠して保護することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の梱包用保護部材。
【請求項6】
前記圧解除部材の前記離間部からの退避方向と前記梱包用保護部材の前記プロセスカートリッジからの引き抜き方向が同じ方向であり、前記プロセスカートリッジの一方側の端部に装着される梱包用保護部材と他方側の端部に装着される梱包用保護部材は同じ方向に挿抜されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の梱包用保護部材。

【図15】
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【図18】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−86141(P2009−86141A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−253743(P2007−253743)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】