説明

プロセスカートリッジ及びこれを用いた画像形成装置

【課題】画像形成装置本体との電気接点部39を有するプロセスカートリッジにおいて、電気接点の安定性を更に向上させる。プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置を小型化する。
【解決手段】装置本体からの位置決めのための押圧力を受ける2箇所の間に電気接点39を設けることにより電気接点の安定化を図る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式を採用する複写機やプリンタ等に使用されるプロセスカートリッジ及びこれを用いた画像形成装置に関するものである。
【0002】
ここで、画像形成装置とは、電子写真画像形成方式を用いて記録媒体に画像を形成するものである。そして、電子写真画像形成装置の例としては、例えば、電子写真複写機、電子写真プリンタ(例えば、レーザービームプリンタ、LEDプリンタ等)、ファクシミリ装置及びワードプロセッサ等が含まれる。
【0003】
また、プロセスカートリッジとは、帯電手段、現像手段またはクリーニング手段と電子写真感光体ドラムとを一体的にカートリッジ化し、このカートリッジを電子写真画像形成装置本体に対して着脱可能とするものである。および、帯電手段、現像手段、クリーニング手段の少なくとも1つと電子写真感光体ドラムとを一体的にカートリッジ化して電子写真画像形成装置本体に着脱可能とするものである。更に、少なくとも現像手段と電子写真感光体ドラムとを一体的にカートリッジ化して電子写真画像形成装置本体に着脱可能とするものをいう。
【背景技術】
【0004】
画像形成装置に着脱可能なプロセスカートリッジにおいては、プロセスカートリッジが画像形成装置本体に装着された際に、プロセスカートリッジの電気接点部に対する画像形成装置の電気接点コネクタの当接圧を安定させることが求められる。そのために、カートリッジを付勢するバックアップ部材を設けることが行われてきた(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−45857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前述した従来技術を更に発展させたものである。
【0007】
本発明の目的は、画像形成装置本体との電気接点部を有するプロセスカートリッジにおいて、電気接点の安定性を更に向上させることである。
【0008】
また、本発明の他の目的は、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置を小型化することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するための本発明に係るプロセスカートリッジの代表的な構成は、
プロセスカートリッジに対する本体押圧部材と、本体位置決め部と、を有する画像形成装置の装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、
感光体ドラムと、
前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着された際に、前記本体位置決め部と係合して前記プロセスカートリッジの位置決めをするための被支持部と、
前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着された際に、前記被支持部を前記本体位置決め部に押圧するために、前記本体押圧部材に設けられた第1の押圧部に押圧される第1の被押圧部と、
前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着された際に、前記被支持部を前記本体位置決め部に押圧するために、前記本体押圧部材に設けられた第2の押圧部に押圧される第2の被押圧部と、
前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着された際に、前記本体押圧部材に設けられた本体電気接点部と電気的に接続する、前記感光体ドラムの軸線と交差する水平方向において前記第1の被押圧部と前記第2の被押圧部との間に設けられたカートリッジ電気接点と、
を有することを特徴とする。
【0010】
また、上記の目的を達成するための本発明に係る画像形成装置の代表的な構成は、
プロセスカートリッジを着脱可能で、記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、
(i)第1の押圧部と、第2の押圧部と、本体電気接点部と、を有する本体押圧部材と、
(ii)前記プロセスカートリッジが前記画像形成装置の装置本体に装着された際に、前記プロセスカートリッジの位置決めをするための本体位置決め部と、
(iii)感光体ドラムと、
前記プロセスカートリッジが前記画像形成装置の装置本体に装着された際に、前記本体位置決め部と係合して前記プロセスカートリッジの位置決めをするための被支持部と、
前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着された際に、前記被支持部を前記本体位置決め部に押圧するために、前記本体押圧部材に設けられた第1の押圧部に押圧される第1の被押圧部と、
前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着された際に、前記被支持部を前記本体位置決め部に押圧するために、前記本体押圧部材に設けられた第2の押圧部に押圧される第2の被押圧部と、
前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着された際に、前記本体押圧部材に設けられた本体電気接点部と電気的に接続する、前記感光体ドラムの軸線と交差する水平方向において前記第1の被押圧部と前記第2の被押圧部との間に設けられたカートリッジ電気接点と、
を有する前記プロセスカートリッジを取り外し可能に装着するための装着部材と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、画像形成装置本体との電気接点部を有するプロセスカートリッジにおいて、電気接点の安定性を更に向上させることができる。
【0012】
本発明によれば、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例の画像形成装置の外観斜視図である。
【図2】図1の画像形成装置の縦断左側面模式図である。
【図3】図2の部分的な拡大図である。
【図4】装置開閉ドアを開いた状態の画像形成装置の外観斜視図である。
【図5】装置開閉ドアを開いた状態の画像形成装置の縦断左側面模式図である。
【図6】カートリッジトレイを装置本体の外側に引き出した状態の画像形成装置の外観斜視図である。
【図7】カートリッジトレイを装置本体の外側に引き出した状態の画像形成装置の縦断左側面模式図である。
【図8】非駆動側から見たカートリッジの外観斜視図である。
【図9】駆動側から見たカートリッジの外観斜視図である。
【図10】カートリッジの横断左面図である。
【図11】駆動側から見たカートリッジトレイの外観斜視図である。
【図12】非駆動側から見たカートリッジトレイの外観斜視図である。
【図13】カートリッジの非駆動側の位置決め固定状態を示した図である。
【図14】カートリッジの駆動側の位置決め固定状態を示した図である。
【図15】カートリッジの非駆動側の位置決め固定が解除された状態を示した図である。
【図16】カートリッジの駆動側の位置決め固定が解除された状態を示した図である。
【図17】メモリー用のカートリッジ電気接点を有する基板の斜視図である。
【図18】カートリッジ側の突起部とカートリッジ電気接点を有する基板の分解斜視図である。
【図19】カートリッジの位置決め部とカートリッジ電気接点を有する基板の位置関係の説明図である。
【図20】カートリッジ側の基板と突起部部分の平面図と、本体押圧部材の下面図である。
【図21】本体電気接点とカートリッジ電気接点の接続が解除された状態を示した図である。
【図22】本体電気接点とカートリッジ電気接点の接続が解除された状態を示した図(図21とは見る角度を違えた図)である。
【図23】本体電気接点とカートリッジ電気接点が接続が解除された状態を示した図である。
【図24】バネ性を有する本体電気接点のアジャスト機能とワイピング機能の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】

[実施例1]
《画像形成装置の全体的な概略構成》
図1は本実施例のカラー電子写真画像形成装置の外観斜視図、図2は縦断左側面模式図、図3は図2の部分的な拡大図である。
【0015】
この画像形成装置1は、電子写真プロセスを用いた、4色フルカラーのレーザープリンタである。この画像形成装置1はパソコン・イメージリーダ等の外部ホスト装置(不図示)から制御部(制御回路基板)2に入力する電気的画像信号に基いて記録媒体(例えば、用紙、OHPシート、ラベル等)Sに対する画像形成を実行する。
【0016】
以下の説明において、画像形成装置1に関して、前側(正面側)とは装置開閉ドア3を配設した側である。後側とはそれとは反対側である。前後方向とは、装置本体の後側から前側に向かう方向(前方向)と、その逆の方向(後方向)である。左右とは装置本体を前側から見て左または右である。左右方向とは、右から左に向かう方向(左方向)と、その逆の方向(右方向)である。
【0017】
また、電子写真感光体ドラムの長手方向(軸線方向)の一端側と他端側とをそれぞれ駆動側と非駆動側とする。
【0018】
画像形成装置1の装置本体1A内には、後側から前側にかけて、装置本体に着脱可能な複数個の第1から第4の4つのプロセスカートリッジPY・PM・PC・PKを水平方向(横方向)に並べて配設(インライン構成、タンデム型)してある。各カートリッジは、収容させた現像剤の色が異なるだけで、互いに同様の電子写真プロセス機構である。
【0019】
本実施例の各カートリッジは、電子写真感光体ドラム4と、このドラム4に作用するプロセス手段としての帯電手段5及びクリーニング手段7を備えたドラムユニット(第1の枠体)と、現像手段を有する現像ユニット(第2の枠体)6と、の組立て体である。帯電手段5としては帯電ローラを用いている。クリーニング手段7としてはクリーニングブレードを用いている。現像手段としては現像ローラ6aを用いている。
【0020】
第1のカートリッジPYは、現像容器内にイエロー(Y)の現像剤を収容させてあり、ドラム4面はY色の現像剤像を形成する。第2のカートリッジPMは、現像容器内にマゼンタ(M)の現像剤を収容させてあり、ドラム4面にM色の現像剤像を形成する。第3のカートリッジPCは、現像容器内にシアン(C)の現像剤を収容させてあり、ドラム4面にC色の現像剤像を形成する。第4のカートリッジPKは、現像容器内にブラック(K)の現像剤を収容させてあり、ドラム4面にK色の現像剤像を形成する。
【0021】
カートリッジPY・PM・PC・PKの上方部には、レーザースキャナユニット8が配設されている。このスキャナユニット8は、外部ホスト装置から制御部2に入力する、上記の各色の画像情報に対応して変調したレーザー光Lを出力する。そして、レーザー光Lは、カートリッジの上面に設けた露光窓部9を通過して、各カートリッジのドラム面を走査露光する。
【0022】
カートリッジPY・PM・PC・PKの下方部には、転写部材としての中間転写ベルトユニット10を配設してある。このユニット10は、転写ベルトとしての、可撓性を有するエンドレスベルト12と、このベルト12を懸回張設して循環移動させる駆動ローラ13・ターンローラ14・テンションローラ15と、を有する。駆動ローラ13とテンションローラ15は装置本体1A内の後側に配設されている。ターンローラ14は装置本1A内の前側に配設されている。
【0023】
各カートリッジのドラム4は、その下面が、ベルト12の上行側ベルト部分の上面に接している(一次転写ニップ部)。ベルト12の内側には、上行側ベルト部分を介して各カートリッジのドラム4に対向させて一次転写ローラ16を配設している。駆動ローラ14には、ベルト12を介して二次転写ローラ17を当接させてある。
【0024】
ベルトユニット10の下方部には、給送ユニット18を配設してある。このユニット18は、用紙トレイ19、給送ローラ20、分離パッド21等を有する。用紙トレイ19は装置本体前側から出し入れ自由である(フロントローデング)。
【0025】
装置本体1A内の後側の上部には、定着ユニット22と、排紙ユニット23を配設してある。装置本体1Aの上面は排出トレイ24である。定着ユニット22は定着フィルムアセンブリ22aと加圧ローラ22bを有するものを用いている。排出ユニット23は、ローラ23aとコロ23bである。
【0026】
装置本体1A内の装着位置に装着されている状態にある各カートリッジは、後述するカートリッジ押圧機構により上から押圧されて装置本体側の位置決め部に位置決め固定された状態に保持されている。また、カートリッジの駆動入力部に対して装置本体側の駆動出力部が結合している。また、カートリッジ側の入力電気接点に対して装置本体側の給電系統が導通化している。
【0027】
フルカラー画像を形成するための動作は次のとおりである。第1〜第4の各カートリッジPY・PM・PC・PKのドラム4が矢印の反時計方向に所定の速度で回転駆動される。ベルト12も矢印の時計方向(ドラム回転に順方向)にドラム4の速度に対応した速度で回転駆動される。スキャナユニット8も駆動される。この駆動に同期して、各カートリッジにおいてそれぞれ所定の制御タイミングで帯電ローラ5がドラム4の表面を所定の極性・電位に一様に帯電する。
【0028】
スキャナユニット8は各ドラム4の表面を各色の画像信号に応じて変調されたレーザー光Lで走査露光する。これにより、各ドラム4の表面に対応色の画像信号に応じた静電潜像が形成される。形成された静電潜像が現像ユニット6により現像剤像として現像される。
【0029】
上記のような電子写真画像形成プロセス動作により、第1のカートリッジPYのドラム4にはフルカラー画像のイエロー成分に対応するY色現像剤像が形成される。そして、その現像剤像がベルト12上に一次転写される。
【0030】
第2のカートリッジPMのドラム4にはフルカラー画像のマゼンタ成分に対応するM色現像剤像が形成される。そして、その現像剤像が、ベルト12上にすでに転写されているY色の現像剤像に重畳されて一次転写される。
【0031】
第3のカートリッジPCのドラム4にはフルカラー画像のシアン成分に対応するC色現像剤像が形成される。そして、その現像剤像が、ベルト12上にすでに転写されているY色+M色の現像剤像に重畳されて一次転写される。
【0032】
第4のカートリッジPCのドラム4にはフルカラー画像のブラック成分に対応するK色現像剤像が形成され、その現像剤像が、ベルト12上にすでに転写されているY色+M色+C色の現像剤像に重畳されて一次転写される。
【0033】
このようにして、ベルト12上にY色+M色+C色+K色の4色フルカラーの未定着現像剤像が形成される。
【0034】
各カートリッジにおいて、ベルト12に対する現像剤像の一次転写後のドラム4の表面に残留した転写残現像剤はクリーニング手段7により除去される。
【0035】
一方、所定の制御タイミングで給送ローラ20が駆動される。これにより、ローラ20と分離パッド21との協働で、用紙トレイ19上に積載されている用紙Sが1枚分離給送される。そして、用紙Sは、二次転写ローラ17とベルト12とのニップ部(二次転写ニップ部)に導入される。これにより、用紙Sが該ニップ部を挟持搬送されていく過程でベルト12上の4色重畳の現像剤像が用紙Sの面に順次に一括転写される。
【0036】
用紙Sはベルト12の面から分離されて定着ユニット22へ導入され、定着ニップ部で加熱・加圧される。これにより、各色現像剤像の混色及び用紙への定着がなされる。そして用紙Sは、定着ユニット22を出て、フルカラー画像形成物として排出ユニット23によりトレイ24上に排出される。
【0037】
用紙分離後のベルト12の表面に残留した二次転写残現像剤は、ベルトクリーニング器25にて除去される。ベルト12のクリーニングは、例えば第1のカートリッジPYの一次転写ニップ部において二次転写残現像剤をドラム4の表面に静電的に付着させてクリーニング手段7にて除去させることで、ベルトクリーニング器25を無しにすることもできる。
【0038】
《カートリッジ交換方式》
第1〜第4の各カートリッジPY・PM・PC・PKは、画像形成に使用されるにつれて、それぞれ、現像ユニット6に収容されている現像剤が消費される。
【0039】
そこで、例えば、個々のカートリッジの現像剤残量を検知する手段(不図示)を具備させて、制御部2において、検知残量値を、予め設定したカートリッジ寿命予告や寿命警告のための閾値と比較させる。そして、検知残量値が閾値よりも少ない残量値となったカートリッジについては、表示部(不図示)に、そのカートリッジについての寿命予告あるいは寿命警告を表示させる。これにより使用者に、交換用のカートリッジの準備を促す、あるいはカートリッジの交換を促して、出力画像の品質を維持するようにしている。
【0040】
本実施例の画像形成装置において、カートリッジの交換は、ユーザービリティ向上のために、カートリッジをカートリッジトレイ(引き出し部材、カートリッジを支持しながら移動する移動部材)に乗せ、フロントアクセスにより交換する方式である。即ち、カートリッジトレイはプロセスカートリッジを取り外し可能に装着するための装着部材である。
【0041】
カートリッジトレイが装置本体1Aの最も外側に引き出された際には、全てのカートリッジが装置本体1Aの外側に出る。従って、トレイに対するカートリッジの交換作業が行い易い。
【0042】
すなわち、画像形成装置の前面側には、装置本体内へカートリッジを挿入させる、及び、装置本体からカートリッジを取り出すために、カートリッジを通過させる開口26を設けてある。
【0043】
そして、この開口26を閉じる閉鎖位置と、開口26を開放する開放位置と、の間を移動可能な装置開閉部材としてのドア3を設けてある。
【0044】
本実施例においては、このドア3は、ドア下辺側の横軸(ヒンジ軸)27を中心に装置本体1Aに対して開閉回動可能である。ドア3は、ヒンジ軸27を中心に立て起こし方向に回動して、図1・図2のように、装置本体1Aに対して閉じ込んだ状態にすることができる。このドア3の閉じにより開口26が閉鎖される。また、ドア3は、ヒンジ軸27を中心に装置本体1Aの手前側に倒し回動して、図4・図5のように、装置本体1Aから開いた状態にすることができる。これにより、装置本体前面の開口26が大きく開放される。3aはドア3に設けた取手部である。
【0045】
装置本体1Aの骨格となるメインフレームの左フレーム(非駆動側)の内側と右フレーム(駆動側)の内側には対向させて、前後方向を長手とする左右一対のトレイ保持部材(移動手段)28L・28R(図4)が配設されている。この保持部材28L・28R間に、カートリッジトレイ29を、前後方向に水平にスライド移動可能に保持させてある。カートリッジPY・PM・PC・PKはこのトレイ29に支持されている。
【0046】
ドア3と保持部材28L・28Rはドアリンク30を介して連結してあり、ドア3の開き回動に連動して、保持部材28L・28Rがドアリンク30により引かれて装置本体1A内をガイド部材(不図示)に沿って前方と上方すなわち斜め上に所定量移動する。これにより、保持部材28L・28Rはその前側部が、図4・図5のように、開口26から装置本体外方に所定量突出した位置に引き出される。
【0047】
この保持部材28L・28Rの移動に連動して、各カートリッジPY・PM・PC・PKの駆動入力部に対する装置本体側の駆動出力部の結合が解除された状態になる(駆動解除)。各カートリッジを位置決め固定している押圧機構によるカートリッジの押圧が解除される(カートリッジ押圧解除)。また、トレイ29の位置決め固定が解除される。各カートリッジ側の入力電気接点に対する装置本体側の給電系統の導通が解除される(給電解除)。
【0048】
そして、各カートリッジPY・PM・PC・PKを支持しているトレイ29が保持部材28L・28Rとともに斜め上に移動することで、各カートリッジが位置決め部より浮き上がる。これにより、各カートリッジのドラム4の下面がベルト12の面から離間して非接触状態(図5)になり、トレイ29は装置本体1Aより引き出し可能となる。
【0049】
そこで、使用者が、開口26から露呈している取手部29aをつかんでトレイ29を保持部材28L・28Rに対して実質的に水平方向にスライド移動させる。そして、トレイ29を、図6・図7のように、開口26から装置本体外側の所定の引き出し位置まで十分に引き出す。
【0050】
これにより、トレイ29に保持されている第1〜第4の4つカートリッジPY・PM・PC・PKの全体が開口26を通過して装置本体1Aの外側に露出し、全カートリッジの上面が開放される。トレイ29は、所定の十分量引き出されると、ストッパー部分(不図示)によりそれ以上の引き出し移動が阻止される。また、トレイ29は、所定の引き出し位置まで実質的に水平に引き出されている状態が保持部材28L・28Rにより安定に保たれる。
【0051】
本構成により、ベルト12を移動させること無く、フロントアクセスによるカートリッジの交換が可能となる。
【0052】
トレイ29は、個々のカートリッジを真上に取り出し可能にラフに支持している。また、トレイ29は、個々のカートリッジを真下に向かって移動させることによって支持する。そこで、交換すべき使用済みのカートリッジを、図7の2点鎖線示のように、トレイ29から上方に持ち上げて抜き外す。そして、新しいカートリッジをトレイ29に対して上から嵌め入れて乗せる。
【0053】
本実施例においては、トレイ29は、装置本体1Aの外側から内側へ移動する移動方向において、上流側から下流側へ、それぞれ、K色、C色、M色、Y色の現像剤を収納しているカートリッジPK、PC、PM、及びPYをこの順番に並べて支持している。このように本実施例によれば、現像剤の消費が多い、即ち交換頻度の高いカートリッジPKを一番手前側に配置している。従って、引き出しを外側へ少し引き出せば、カートリッジPKを装置本体Aの外側へ露出させることができる。よって、カートリッジPKの交換操作性を向上させることができた。
【0054】
トレイ29に対するカーリッジの新旧交換をしたら、こんどは上記とは逆の手順で、引き出されているトレイ29を保持部材28L・28Rに対して後方向に水平にスライド移動させて、開口26から装置本体内側に押し入れる。この押し入れは、トレイ29がストッパー部分(不図示)によりそれ以上の押し入れが阻止されるまで十分に行って図4・図5の状態に戻す。
【0055】
そして、ドア3を閉じ回動する。このドア3の閉じ回動に連動して、保持部材28L・28Rがドアリンク30で押されて装置本体内をガイド部材(不図示)に沿って後方と下方、すなわち斜め下方に所定量戻し移動される。この保持部材28L・28Rの戻し移動に連動して、カートリッジ押圧機構が押圧動作して各カートリッジが装置本体側に位置決め部に位置決め固定される。
【0056】
また、各カートリッジPY・PM・PC・PKの駆動入力部に対する装置本体側の駆動出力部の結合がなされる。また、各カートリッジ側の入力電気接点に対する装置本体側の給電系統の導通化がなされる。また、トレイ29の位置決め固定がなされる。各カートリッジPY・PM・PC・PKのドラム4の下面がベルト12の面に接触状態になる。すなわち、各カートリッジPY・PM・PC・PKが装置本体内における潜像形成位置に装着された図1・図2の状態に復帰して画像形成動作が可能な状態になる。
【0057】
トレイ29は、カートリッジを支持し、ドラム4の長手方向とは交差する実質的に水平方向に移動可能で、装置本体内側の装着位置と、装着位置から外側に引き出された、カートリッジを装着可能な引き出し位置と、をとり得る引き出し部材である。
【0058】
また、保持部材28L・28Rが、トレイ29をカートリッジを着脱出来る引き出し位置に移動する前に、トレイ29を装着位置から上方向に移動させる、および、装着位置へ向かって下方向に移動させる移動手段である。
【0059】
別の言い方をすれば、保持部材28L・28Rは、トレイ29を支持する支持部材であって、トレイ29を前記引き出し位置と前記装着位置との間で移動させるための第1の位置と、トレイ29を前記潜像形成位置に位置させるための第2の位置とを取り得る。そして、ドア3が閉じるのに連動して、保持部材28L・28Rは、前記第1の位置から前記第2の位置に移動する。また、ドア3が開かれるのに連動して、保持部材28L・28Rは、前記第2の位置から前記第1の位置に移動する。
【0060】
《カートリッジ》
本実施例において、第1から第4のプロセスカートリッジPY・PM・PC・PKは何れも同様の構成をとっている。図8〜図10によりカートリッジの構成を説明する。
【0061】
図8はカートリッジを非駆動側から見た斜視図、図9はカートリッジを駆動側から見た斜視図、図10はカートリッジの横断右側面である。
【0062】
カートリッジは、ドラム4の軸線方向a−aを左右方向とし、この左右方向を長手とする横長のアセンブリであり、ドラムユニット(第1の枠体)31と、現像ユニット(第2の枠体)6との組立て体である。
【0063】
図10を参照して、ドラムユニット31は、クリーニング容器(クリーニング枠体)31aに、ドラム4と、帯電ローラ5と、クリーニングブレード7を有している。ドラム4は容器31aの左右の側板間に軸受け部32L・32Rを介して回転自在に取り付けられている。帯電ローラ5は、ドラム4に並行に配列してドラム4に接触させ、容器31aの左右の側板間に軸受け部を介して回転自在に取り付けられている。
【0064】
ブレード7は基部を容器31aに固定した弾性ゴムブレードであり、ドラム回転方向に対してカウンター方向にドラム4に当接させて配設してある。ブレード7はドラム上の転写残現像剤を除去する役目をする。このブレード7によりドラム上から除去された現像剤は、容器31a内に収容される。
【0065】
現像ユニット6は、現像容器(現像枠体)6eに、現像ローラ6aと、現像剤塗布ローラ6bと、現像剤規制部材(現像ブレード)6cを有している。そして、容器6e内に現像剤である現像剤(不図示)を収容している。現像ローラ6aは弾性ゴムローラで構成され、容器6eの左右の側板間に軸受け部を介して回転自在に取り付けられている。現像剤塗布ローラ6bは現像ローラ6aに現像剤を塗布する部材であり、現像ローラ6aに並行に配列して現像ローラ6aに接触させ、容器6eの左右の側板間に軸受け部を介して回転自在に取り付けられている。
【0066】
現像剤規制部材6cは基部を容器6eに固定した弾性薄板部材であり、現像剤塗布ローラ6bよりも現像ローラ回転方向下流側において、現像ローラ回転方向に対してカウンター方向に現像ローラ6aに当接させて配設してある。この現像剤規制部材6cは現像剤塗布ローラ6bにより現像ローラ6aに塗布された現像剤を一定の厚みに規制するとともに、塗布された現像剤に所定の帯電電荷量を付与する役目をする。
【0067】
カートリッジの駆動側の側面には、ドラム駆動カップリング(ドラム駆動力受け部)33と、現像駆動カップリング(現像ローラ動力受け部)34を配設してある。また、駆動側の保持受け部35Rを配設してある。この保持受け部35Rはカートリッジの上部側に配設してある。ドラム駆動カップリング33は、ドラム4に同軸上に配設してあり、カートリッジが装置本体に装着された状態で、装置本体からドラム4を回転するための駆動力を受ける。
【0068】
現像駆動カップリング34は、カートリッジが装置本体に装着された状態で、装置本体から現像ローラ6aと現像剤塗布ローラ6bを回転するための駆動力を受ける。保持受け部35Rは、カートリッジをトレイ29に支持するためにトレイ29に支持される部分であり、カートリッジの上部側に配設してある。また、駆動側の軸受け部32Rをカートリッジが装置本体に装着された際に、駆動側の本体位置決め部と係合してカートリッジを位置決めするための駆動側の被支持部としている。この被支持部32Rはカートリッジの下方に有る。
【0069】
カートリッジの非駆動側の側面部には、非駆動側の保持受け部35Lを配設してある。この保持受け部35Lは、カートリッジをトレイ29に駆動側の保持受け部35Rと協働して支持するためにトレイ29に支持される部分であり、カートリッジの上部側に配設してある。また、非駆動側の軸受け部32Lをカートリッジが装置本体に装着された際に、非駆動側の本体位置決め部と係合してカートリッジを位置決めするための非駆動側の被支持部としている。この被支持部32Lはカートリッジの下方に有る。
【0070】
ドラム駆動カップリング33と現像駆動カップリング34に対しては、それぞれ、カートリッジが装置本体に装着された際に装置本体側の第1の駆動出力部(不図示)と第2の駆動出力部(不図示)が結合した状態になる。そして、第1の駆動出力部からドラム駆動カップリング33に駆動が伝達されることで、ドラム4が、図10において、反時計方向に所定の速度で回転駆動される。帯電ローラ5はこのドラム4の回転に従動して回転する。
【0071】
また、第2の駆動出力部から現像駆動カップリング34に駆動が伝達される。現像駆動カップリング33は同軸上に一体的に形成された段ギア(不図示)を有しており、現像ローラ6aと現像剤塗布ローラ6bを駆動する駆動ギア(不図示)に各々直列に噛み合っている。よって、現像ローラ6aと現像剤塗布ローラ6bを図10において時計方向に回転させるため、現像駆動カップリング34には図10において反時計方向の回転駆動が装置本体の第2の駆動出力部より入力される。
【0072】
容器6e内の現像剤は回転駆動される現像剤塗布ローラ6bによって回転駆動される現像ローラ6aに塗布される。現像ローラ6aに塗布された現像剤は現像剤規制部材6cによって一定の厚みに規制されるとともに電荷が付与されて、現像ローラ6aの回転により現像ローラ6aとドラム4の接触部である現像部位に搬送されてドラム面の潜像の現像に供される。
【0073】
現像後の現像ローラ6a上に残された現像剤は引き続く現像ローラ6aの回転により容器6e内に戻されて現像剤塗布ローラ6bによって現像ローラ6a上から除去される。この現像剤の除去と同時的に現像ローラ6aには現像剤塗布ローラ6bによって新たに現像剤が塗布される。
【0074】
カートリッジの非駆動側である左側面部には、第1〜第4のカートリッジ電気接点36〜39を配設してある。第1の電気接点36は帯電ローラ5と電気的に接続しており、装置本体から帯電ローラに供給する帯電バイアスを受ける。第2の電気接点37は現像ローラ5と電気的に接続しており、装置本体から現像ローラに供給する現像バイアスを受ける。
【0075】
第3の電気接点38は現像剤塗布ローラ6bと電気的に接続しており、装置本体から現像剤塗布ローラに供給する塗布バイアスを受ける。第4の電気接点39はメモリーを有する電気接点であり、装置本体側の制御部2と電気的に接続する。その接続により制御部2とメモリーとの通信がなされる。
【0076】
第1と第2の電気接点36・37はカートリッジの左側面から露出して設けられている。第3の電気接点38は、トレイ29が装置本体の外側から内側へ移動する方向のカートリッジ先端に露出して配置されている。第4の電気接点38は、カートリッジ上面の非駆動側に露出して配置されている。
【0077】
《カートリッジトレイ》
図11・図12によりトレイ29を説明する。このトレイ29は、前後左右の4つの枠部29b・29c・29d・29eを結合させて矩形の大枠部を構成させている。その大枠部内を3枚の仕切り板29kで前後方向に略等分に4つに仕切って、後枠部分29c側から前枠部分29b側へ順に、第1〜第4の横長小枠部29(1)〜29(4)を形成させてある。
【0078】
各小枠部29(1)〜29(4)がそれぞれ第1〜第4の4つカートリッジPY・PM・PC・PKを挿入して保持させる部分(カートリッジ収容空間、カートリッジ装着部)である。トレイ29は各横長小枠部29(1)〜29(4)においてカートリッジPY・PM・PC・PKをラフに保持する。
【0079】
各小枠部29(1)〜29(4)において、右枠部(駆動側)29eには、装置本体1A側の第1の駆動出力部と第2の駆動出力部がトレイに対して出入りする穴部29f・29gを配設してある。また、左枠部(非駆動側)29dには、カートリッジが有する第1〜第3の電気接点36〜38にそれぞれ電気的に接続する、バネ材を用いた弾力性を有する第1〜第3の中間電気接点41〜43を配設してある。
【0080】
中間電気接点41〜43はそれぞれ各カートリッジ収容空間29(1)〜29(4)の内側に位置する内側接触部(a)と外側に位置する外側接触部(b)とを有している。内側接触部(a)と外側接触部(b)は導通している。中間電気接点41〜43の内側接触部(a)とカートリッジ側の第1〜第3の電気接点36〜38とがそれぞれ電気的に接続することが可能である。また、中間電気接点41〜43の外側接触部(b)と装置本体のバイアス基板に設けられた対応の出力電気接点(本体電気接点:不図示)とがそれぞれ電気的に接続することが可能である。
【0081】
各カートリッジPY・PM・PC・PKは、対応するカートリッジ収容空間29(1)〜29(4)内に上から挿入される。カートリッジを挿入していくと、駆動側と非駆動側の保持受け部35R・35Lの下面がトレイ29の左右枠部29d・29eの上面に受け止められる。これにより、カートリッジがトレイ29に乗って支持された状態になる。すなわち、トレイ29は、各カートリッジを真上に取り出し可能に支持しており、各カートリッジを真下に向かって移動させることによって支持する。
【0082】
また、カートリッジ側の第1〜第3の電気接点36〜38と、トレイ29側の中間電気接点41〜43の内側接触部(a)とが弾性的に接触してそれぞれ電気的に接続した状態になる。トレイ29は装置本体内に移動される。そして、各カートリッジが潜像形成位置に装着された状態においては、トレイ29側の中間電気接点41〜43の外側接触部(b)が装置本体側のバイアス基板に設けられた対応の出力電気接点に弾性的に接触して電気的に接続した状態になる。
【0083】
すなわち、各カートリッジの第1〜第3の電気接点36〜38に対して装置本体側の給電系統がトレイ29側の中間電気接点41〜43を介して導通化する。中間電気接点41〜43は装置本体側の出力電気接点から受けたバイアスをカイートリッジ側に供給する役目をする。
【0084】
上記の実施例では、電気接点類をカートリッジの非駆動側とトレイ29の非駆動側に配置したが、この例に制限することなく、駆動側に配置しても良い。
【0085】
《カートリッジの位置決め固定》
図13は非駆動側におけるカートリッジの装置本体に対する位置決め固定状態を示している。図14は駆動側におけるカートリッジの装置本体に対する位置決め固定状態を示している。
【0086】
各カートリッジは装置本体に装着された際に、非駆動側と駆動側の被支持部32Lと32Rが、それぞれ、装置本体側の非駆動側と駆動側の本体位置決め部44Lと44Rに係合して、装置本体はカートリッジを下方から支持する。すなわち、カートリッジはドラム4の長手方向において少なくとも2箇所で装置本体内に支持される。
【0087】
本実施例においては、非駆動側と駆動側の本体位置決め部44Lと44Rは、それぞれ、装置本体内の左右側に対向させて固定して配設した、前後方向を長手とする左右一対のステー部材45Lと45Rに長手に沿って形成具備させたV字溝である。このV字溝に被支持部の下向き円弧部が嵌り込んでカートリッジの位置決めがなされる。すなわち、カートリッジ側の被支持部32L・32Rは、ドラム軸線を中心軸とした円筒形状であり、その円筒形状の一部である2箇所の円弧面と、本体位置決め部44L・44Rに設けられた略V字形状を有する2つの斜面が各々係合する構成となっている。
【0088】
また、各カートリッジは装置本体に装着された際に、非駆動側と駆動側の上面の被押圧部が、それぞれ、装置本体側の非駆動側と駆動側の本体押圧部材46L・46Rが下方に押圧される。これにより、非駆動側と駆動側の被支持部32L・32Rが、それぞれ、非駆動側と駆動側の本体位置決め部44L・44Rに押圧されて、カートリッジが位置決め固定される。
【0089】
各カートリッジに対応する非駆動側の本体押圧部材46Lは、前後方向を長手とする非駆動側の押圧部保持部材47Lの下面側に長手に沿って配列してある。そして、各本体押圧部材46Lは、押圧力を発生させるための弾性部材(圧縮コイルバネ)48Lを介して本体押圧部材47Lに対して上下方向にスライド移動可能に保持させてある。
【0090】
また、各カートリッジに対応する駆動側の本体押圧部材46Rも、前後方向を長手とする駆動側の押圧部保持部材47Rの下面側に長手に沿って配列してある。そして、各本体押圧部材46Rは、それぞれ、押圧力を発生させるための弾性部材48Rを介して押圧部保持部材47Rに対して上下方向にスライド移動可能に保持させてある。
【0091】
上記の非駆動側と駆動側の押圧部保持部材47L・47Rは、ドア3の開閉動作(ドアリンク30の動作)に連動して装置本体内を上下に並行移動する(連動機構は図に省略)。装置本体に対してドア3を十分に閉めた閉状態に向けて閉めていくと、ドアリンク30を介して押圧部保持部材47L・47Rが押し下げられて、本体押圧部材46L・46Rの下面がカートリッジ上面の被押圧部に当接する。
【0092】
そして、引き続く押圧部保持部材47L・47Rの押し下げ移動により弾性部材48L・48Rが押圧部保持部材47L・47Rと本体押圧部材46L・46Rとの間に押し縮められる。その弾性部材48L・48Rの押し縮め反力によりカートリッジの被押圧部が本体押圧部材46L・46Rにより押圧される。これにより、非駆動側と駆動側の被支持部32Lと32Rが、それぞれ、非駆動側と駆動側の本体位置決め部44Lと44Rに押圧されて、カートリッジが位置決め固定される。
【0093】
ドア3が開かれると、ドア開放動作に連動して押圧部保持部材47L・47Rが上方に並行移動して、図15・図16のように、本体押圧部材46L・46Rがカートリッジから離れて、カートリッジの押圧が解除される。
【0094】
《第4のカートリッジ電気接点39と本体押圧部材46Lとの関係》
本実施例において、カートリッジの非駆動側の上面に配設した前記第4のカートリッジ電気接点39(図8)はメモリー用の電気接点であり、図17のように、一対の接点部39a・39bを基板49の表面に露出させて配設してある。基板49の裏面にはメモリーMが設けられている。電気接点39(a・b)はこのメモリーMと電気的に接続している。
【0095】
ドラムユニット(第1の枠体)31の非駆動側の上面には、図18のように、ドラム4の軸線と交差する水平方向において、上記基板49の長手寸法に対応する両側に間隔をあけて2つの突起部50・50を具備させてある。上記基板49は電気接点39(a・b)を有する表面側を上向きにし、長手方向をドラム4の軸線と交差する水平方向にして、上記2つの突起部50・50の間に嵌め入れて、ドラムユニット31の上面に対して接着して配設してある。
【0096】
また、上記基板49は、図19のように、カートリッジの装置本体に対する装着状態において、非駆動側の円筒形状の被支持部32LがV字状の本体位置決め部44Lに対して2点a・bで支持されるその2点を結ぶ線分の垂直2等分線N上に設けられている。ここで、カートリッジの被支持部32L・32Rは上記垂直2等分線N上(垂直2等分線上)にドラム4の回転中心(ドラム軸線a−a)が位置するようにドラム4を支持する軸受け部である。
【0097】
非駆動側の本体押圧部材46Lは、カートリッジの上記基板49と突起部50・50を設けた部分に対応する。そして、本体押圧部材46Lの下面には、カートリッジ上面から凸形状に突出している基板49と突起部50・50に係合する下向きの凹形状46aを有する。図20は、カートリッジ側の基板49と突起部50・50部分の平面図と、本体押圧部材46Lの下面図である。
【0098】
本体押圧部材46Lの凹形状46aの底面に本体電気接点部51を配設してある。本体電気接点部51は一対の接点部(本体電気接点先端部)51a・51bを基板52の表面に露出させて配設してあり、リード線(不図示)を介して制御部2に電気的に連絡している。
【0099】
本体押圧部材46Lは、カートリッジの装置本体に対する装着状態において、カートリッジ側の凸形状である基板49と突起部50・50に凹形状46aが係合(嵌合)する。そして、本体押圧部材46Lの下面部分46bと46cが、それぞれ、カートリッジの上面部分31bと31cに当接する。本体押圧部材46Lはカートリッジを弾性部材48Lの圧縮反力で押圧する。
【0100】
本体押圧部材46Lにおいて、下面部分46bと46cは、ドラム4の軸線方向と交差する基板52を中にした一方側と他方側の下面部分であり、下面部分46bが第1の押圧部、下面部分46cが第2の押圧部である。
【0101】
また、その第1と第2の押圧部46b・46cで押圧されるカートリッジ側の上面部分31bと31cが、第1の被押圧部と第2の被押圧部である。カートリッジ電気接点39(a・b)を有する基板49と突起部50・50は、上記の第1の被押圧部31bと第2の被押圧部31cの間に設けられている。
【0102】
そして、カートリッジの装置本体に対する装着状態において、カートリッジ電気接点39(a・b)と本体押圧部材46L側の電気接点部51(a・b)とが接触して電気的に接続する。これにより、装置本体の制御部2とカートリッジ側のメモリーMとの間で通信が可能となる。
【0103】
カートリッジの突起部50・50は、それぞれ、本体押圧部材46Lの凹形状46aと係合して、ドラム4の軸線方向において本体押圧部材46Lの位置決めを行う第1位置決め部50aを有する。また、ドラム4の軸線方向と交差する方向において本体押圧部材46Lの位置決めを行う第2位置決め部50bを有する。そして、第1位置決め部50aと第2位置決め部50bは、本体電気接点部51(a・b)がカートリッジ電気接点39(a・b)と接触する前に本体押圧部材46Lを位置決めする高さを有する。
【0104】
本体押圧部材46Lは、ドア3が開かれると、ドア開放動作に連動して押圧部保持部材47Lが上方に並行移動することで、カートリッジから離れて、カートリッジの押圧が解除される。また、本体電気接点部51(a・b)とカートリッジ電気接点39(a・b)の接続が解除される。
【0105】
図21と図22は、本体押圧部材46Lがカートリッジから離れて、本体電気接点部51(a・b)とカートリッジ電気接点39(a・b)の接続が解除された状態を示している。図23は、本体押圧部材46Lがカートリッジを押圧して、カートリッジ電気接点39(a・b)と本体押圧部材46L側の電気接点部51(a・b)とが接触して電気的に接続している状態を示している。
【0106】
カートリッジと装置本体の電気接点の配置位置と、カートリッジの装置本体に対する被押圧部の配置位置を考えた場合、装置本体の押圧部はカートリッジの位置変動に対して追従する。そして、カートリッジの第1の被押圧部31bと第2の被押圧部31cの間にカートリッジ電気接点39を配置することにより、カートリッジ電気接点39と本体電気接点部51の距離は一定に保たれる。よって、カートリッジ電気接点39と本体電気接点部51の接点圧の変動は低減され、電気接点の安定性を確保することが可能となる。
【0107】
また、カートリッジを押圧する押圧力を、カートリッジ電気接点39を本体電気接点部51に押圧する押圧力にも利用している。したがって、カートリッジ及び画像形成装置を小型化することが可能になる。
【0108】
本体押圧部材46Lはカートリッジの電気接点位置規制部によりドラム4の軸線方向とその軸に対して交差する装置本体の水平方向の軸方向に対して嵌合の関係を持っている。つまり、カートリッジの位置変動(カートリッジ電気接点の位置変動)に対して、本体押圧部材46Lは本体電気接点部51が追従する構成となっている。
【0109】
そのため、カートリッジのカートリッジ電気接点39と本体電気接点部51のせん断方向への位置ズレを低減することが可能となり、カートリッジ電気接点39と本体電気接点部51のせん断方向の摺擦による削れ等が低減できる。よって、さらに電気接点の安定性を確保することが可能となる。
【0110】
また、図24に示すよう、本体電気接点部51(a・b)の先端部はバネ性を持っており、カートリッジ電気接点39(a・b)に対してアジャスト機能を備えている。さらに本体電気接点部51(a・bの先端部はカートリッジ電気接点39(a・b)に当接する際には、カートリッジ電気接点39(a・bの表面をスライドするためカートリッジ電気接点39(a・b)の表面の異物を取り除くワイピング機能を備えている。図24の(b)は(a)における(b)−(b)線に沿う部分の拡大断面図、(c)は(b)において破線で囲った部分の拡大図である。
【0111】
以上説明したように、カートリッジの装置本体から押圧力を受ける第1の被押圧部と第2の被押圧部の間にカートリッジ電気接点を設けることにより、カートリッジと装置本体の電気接点の安定性を向上することが可能となる。さらに、プロセスカートリッジ及び画像形成装置の小型化することが可能になった。
【0112】
尚、前述した実施例では、装置本体1Aの設置面に対して水平方向に直線的に移動するトレイ29を説明した。しかしながら、本発明の移動部材は、これに限定されるものではない。例えば、装置本体1Aの設置面に対して斜め上方へ、或いは、斜め下方へ直線的に移動する構成であっても良い。尚、この場合であっても、直線的に移動した後、下降する構成を有することは勿論である。
【符号の説明】
【0113】
1・・電子写真画像形成装置(装置本体)、3・・装置開閉ドア、P(Y・M・C・K)・・プロセスカートリッジ、4・・電子写真感光体ドラム、8・・スキャナユニット、10・・中間転写ベルトユニット、18・・給紙ユニット、22・・定着ユニット、28L・28R・・トレイ保持部材(移動手段)、29・・カートリッジトレイ(移動部材)、36〜39・・カートリッジ側の電気接点、41〜43・・カートリッジトレイ側の中間電気接点、46L・46R・・本体押圧部材、51・・本体電気接点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスカートリッジに対する本体押圧部材と、本体位置決め部と、を有する画像形成装置の装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、
感光体ドラムと、
前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着された際に、前記本体位置決め部と係合して前記プロセスカートリッジの位置決めをするための被支持部と、
前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着された際に、前記被支持部を前記本体位置決め部に押圧するために、前記本体押圧部材に設けられた第1の押圧部に押圧される第1の被押圧部と、
前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着された際に、前記被支持部を前記本体位置決め部に押圧するために、前記本体押圧部材に設けられた第2の押圧部に押圧される第2の被押圧部と、
前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着された際に、前記本体押圧部材に設けられた本体電気接点部と電気的に接続する、前記感光体ドラムの軸線と交差する水平方向において前記第1の被押圧部と前記第2の被押圧部との間に設けられたカートリッジ電気接点と、
を有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項2】
前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着された際に、前記被支持部は、前記プロセスカートリッジの下方に設けられ、前記第1の被押圧部、前記第2の被押圧部、及び、前記カートリッジ電気接点は、前記プロセスカートリッジの上方に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項3】
前記被支持部は、前記本体位置決め部に2点で支持され、前記2点の垂直2等分線上に前記カートリッジ電気接点を有する基板が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項4】
前記被支持部は、前記垂直2等分線上に前記感光体ドラムの回転中心が位置する、前記感光体ドラムを支持する軸受け部であることを特徴とする請求項3に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項5】
前記プロセスカートリッジは、前記感光体ドラムの軸線方向において前記本体押圧部材の位置決めをおこなう第1位置決め部と、前記感光体ドラムの軸線方向と交差する水平方向において前記本体押圧部材の位置決めをおこなう第2位置決め部と、を有する突起部を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項6】
前記突起部は、前記感光体ドラムの軸線と交差する水平方向において、前記カートリッジ電気接点を有する基板の両側に有することを特徴とする請求項5に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項7】
前記第1位置決め部と前記第2位置決め部は、前記本体電気接点部が前記カートリッジ電気接点と接触する前に前記本体押圧部材を位置決めする高さを有することを特徴とする請求項5または6に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項8】
プロセスカートリッジを着脱可能で、記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、
第1の押圧部と、第2の押圧部と、本体電気接点部と、を有する本体押圧部材と、
前記プロセスカートリッジが前記画像形成装置の装置本体に装着された際に、前記プロセスカートリッジの位置決めをするための本体位置決め部と、
感光体ドラムと、
前記プロセスカートリッジが前記画像形成装置の装置本体に装着された際に、前記本体位置決め部と係合して前記プロセスカートリッジの位置決めをするための被支持部と、
前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着された際に、前記被支持部を前記本体位置決め部に押圧するために、前記本体押圧部材に設けられた第1の押圧部に押圧される第1の被押圧部と、
前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着された際に、前記被支持部を前記本体位置決め部に押圧するために、前記本体押圧部材に設けられた第2の押圧部に押圧される第2の被押圧部と、
前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着された際に、前記本体押圧部材に設けられた本体電気接点部と電気的に接続する、前記感光体ドラムの軸線と交差する水平方向において前記第1の被押圧部と前記第2の被押圧部との間に設けられたカートリッジ電気接点と、
を有する前記プロセスカートリッジを取り外し可能に装着するための装着部材と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
前記画像形成装置は、前記装置本体の内側の装着位置と、前記装着位置から引き出された、前記プロセスカートリッジを装着可能な引き出し位置と、をとり得る引き出し部材を有することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記引き出し部材は、複数個の前記プロセスカートリッジを装着可能であることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記引き出し部材は、前記感光体ドラムと交差する方向で、ほぼ水平方向に、前記装置本体に移動可能であることを特徴とする請求項9または10に記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate


【公開番号】特開2012−212188(P2012−212188A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−178133(P2012−178133)
【出願日】平成24年8月10日(2012.8.10)
【分割の表示】特願2006−355651(P2006−355651)の分割
【原出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】