説明

プロセッサ制御システム、方法、及びプログラム

【課題】本発明は、消費電力を低減しながらもプロセッサの処理能力の低下を防止可能なプロセッサ制御システムを提供する。
【解決手段】管理装置の管理側制御手段の一部11は、温度計測手段にて計測された温度が閾値をこえたら、プロセッサの動作周波数を下げる第1制御機能と、第1制御機能にて前記動作周波数を下げた状態において前記プロセッサの処理性能が低下したら、前記予備用プロセッサを含む前記予備セルを動的に追加する第2制御機能とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロセッサ制御システム、管理対象装置、管理装置、プロセッサ制御方法、管理制御プログラム、及びプロセッサ制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
サーバなどのコンピュータ装置においては、その温度を下げるために、例えば空調の温度を下げて周囲の気温を下げることが行われる。または、コンピュータ装置の温度を下げるために、CPUのクロックを下げて消費電力を削減する技術が知られている(特許文献1など)。
特許文献1では、消費電力の浪費をさけるために、CPUの発熱温度状態にしたがって、CPUのクロック周波数を適正値に可変設定させる点が開示されている。
【特許文献1】特開平9−237132号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、関連技術では空調の温度を下げることによる電力の消費が大きい、という課題があった。
その理由は、空調の温度を下げる手法では、広いデータセンタであれば全体を冷やす必要があるからである。
【0004】
又、特許文献1などでは、管理対象装置で動作しているオペレーティングシステムの処理能力が遅くなる、という課題があった。
その理由は、省電力をおこなうとCPUの実行クロックを下げてしまうため、そのコンピュータ上で動作しているオペレーティングシステムのタスク処理が遅くなり、処理能力が遅くなり、性能が低下するためである。
【0005】
本発明の目的は、上述の課題を解決することにあり、消費電力を低減しながらもプロセッサの処理能力の低下を防止可能なプロセッサ制御システム、管理対象装置、管理装置、プロセッサ制御方法、管理制御プログラム、及びプロセッサ制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明のプロセッサ制御システムは、少なくともメインセルと予備セルとを備えている管理対象装置と、前記管理対象装置と通信網を介して情報の授受を行い当該管理対象装置を管理制御する管理装置と、を備え、前記管理対象装置における前記メインセルは、少なくとも1つのプロセッサと、前記プロセッサの温度を計測する温度計測手段と、を備え、前記管理対象装置における前記予備セルは、少なくとも1つの予備用プロセッサを備え、前記管理装置は、前記温度計測手段にて計測された温度に応じて前記プロセッサの動作周波数を管理制御可能な管理側制御手段を備え、前記管理側制御手段は、前記温度計測手段にて計測された温度が閾値をこえたら、前記プロセッサの動作周波数を下げる第1制御機能と、前記第1制御機能にて前記動作周波数を下げた状態において前記プロセッサの処理性能が低下したら、前記予備用プロセッサを含む前記予備セルを動的に追加する第2制御機能とを含むことを特徴としている。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の(プロセッサ制御システムにおける)管理対象装置は、少なくとも1つのプロセッサと前記プロセッサの温度を計測する温度計測手段とを備えたメインセルと、少なくとも1つの予備用プロセッサを備えた予備セルと、これらの各セルを制御するとともに前記温度計測手段にて計測された温度に応じて前記プロセッサの動作周波数を制御可能な管理対象側制御手段と、を備え、前記管理対象側制御手段は、前記温度計測手段にて計測された温度が閾値をこえたら、前記プロセッサの動作周波数を下げる第1制御機能と、前記第1制御機能にて前記動作周波数を下げた状態において前記プロセッサの処理性能が低下したら、前記予備用プロセッサを含む前記予備セルを動的に追加する第2制御機能とを含むことを特徴としている。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の(プロセッサ制御システムにおける)管理装置は、少なくとも1つのプロセッサと前記プロセッサの温度を計測する温度計測手段とを備えたメインセルと、少なくとも1つの予備用プロセッサを備えた予備セルとを備えている管理対象装置を通信網を介して管理制御する管理装置であって、前記温度計測手段にて計測された温度に応じて前記プロセッサの動作周波数を管理制御可能な管理側制御手段を備え、前記管理側制御手段は、前記温度計測手段にて計測された温度が閾値をこえたら、前記プロセッサの動作周波数を下げる第1制御機能と、前記第1制御機能にて前記動作周波数を下げた状態において前記プロセッサの処理性能が低下したら、前記予備用プロセッサを含む前記予備セルを動的に追加する第2制御機能とを含むことを特徴としている。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の(管理装置における)プロセッサ制御方法は、少なくとも1つのプロセッサと前記プロセッサの温度を計測する温度計測手段とを備えたメインセルと、少なくとも1つの予備用プロセッサを備えた予備セルとを備えている管理対象装置を通信網を介して管理制御する管理装置にあって、前記プロセッサを管理制御するプロセッサ制御方法であって、計測された前記プロセッサの温度情報を取得し、この取得された温度が閾値をこえたら、前記プロセッサの動作周波数を下げる第1制御をし、前記動作周波数を下げた状態において前記プロセッサの処理性能が低下したら、前記予備用プロセッサを含む前記予備セルを動的に追加する第2制御をする、ことを特徴としている。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の(管理対象装置における)プロセッサ制御方法は、少なくとも1つのプロセッサと前記プロセッサの温度を計測する温度計測手段とを備えたメインセルと、少なくとも1つの予備用プロセッサを備えた予備セルとを備えている管理対象装置にあって、前記プロセッサを管理制御するプロセッサ制御方法であって、前記プロセッサの温度情報を計測し、この計測された温度が閾値をこえたら、前記プロセッサの動作周波数を下げる第1制御をし、前記動作周波数を下げた状態において前記プロセッサの処理性能が低下したら、前記予備用プロセッサを含む前記予備セルを動的に追加する第2制御をする、ことを特徴としている。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の管理制御プログラムは、少なくとも1つのプロセッサと前記プロセッサの温度を計測する温度計測手段とを備えたメインセルと、少なくとも1つの予備用プロセッサを備えた予備セルとを備えている管理対象装置を通信網を介して管理制御する管理装置が備えたコンピュータに諸機能を実現させることが可能な管理制御プログラムであって、計測された前記プロセッサの温度情報を取得する取得機能と、この取得された温度が閾値をこえたら、前記プロセッサの動作周波数を下げる第1制御機能と、前記動作周波数を下げた状態において前記プロセッサの処理性能が低下したら、前記予備用プロセッサを含む前記予備セルを動的に追加する第2制御機能と、を前記コンピュータに実現させることを特徴としている。
【0012】
上記目的を達成するため、本発明のプロセッサ制御プログラムは、少なくとも1つのプロセッサと前記プロセッサの温度を計測する温度計測手段とを備えたメインセルと、少なくとも1つの予備用プロセッサを備えた予備セルとを備えている管理対象装置が備えたコンピュータに諸機能を実現させることが可能なプロセッサ制御プログラムであって、計測された温度が閾値をこえたら、前記プロセッサの動作周波数を下げる第1制御機能と、前記動作周波数を下げた状態において前記プロセッサの処理性能が低下したら、前記予備用プロセッサを含む前記予備セルを動的に追加する第2制御機能と、を前記コンピュータに実現させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、温度が設定された閾値を超えた場合にプロセッサの動作周波数をさげて、温度の安定化を図り、また、このときにこの装置で動作しているプロセッサの動作周波数を下げたことによる処理性能の低下が発生した場合、予備セルを追加することで、温度を一定に保ちながら、プロセッサ処理の負担を下げ、動作に影響を与えないようにするという、関連技術にない優れたプロセッサ制御システム、管理対象装置、管理装置、プロセッサ制御方法、管理制御プログラム、及びプロセッサ制御プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
〔プロセッサ制御システムの基本的構成〕
先ず、プロセッサ制御システムの基本的構成について説明する。図1に示すように、本発明のプロセッサ制御システム1は、少なくともメインセル30と予備セル40とを備えている管理対象装置20と、前記管理対象装置20と通信網を介して情報の授受を行い当該管理対象装置20を管理制御する管理装置の一例又は一部である制御端末装置10と、を備えているものである。
【0015】
前記管理対象装置20における前記メインセル30は、少なくとも1つのプロセッサの一部又は一例であるCPU34と、前記プロセッサの温度を計測する温度計測手段の一例又は一部である温度センサ35とを備えている。
前記管理対象装置20における前記予備セル40は、少なくとも1つの予備用プロセッサの一例又は一部であるCPU44を備えている。
【0016】
前記管理装置の一例又は一部である制御端末装置10は、前記温度計測手段にて計測された温度に応じて前記プロセッサの動作周波数を管理制御可能な管理側制御手段の一例又は一部である管理ソフトウエア11を備える。
ここで、前記管理側制御手段は、前記温度計測手段にて計測された温度が閾値をこえたら、前記プロセッサの動作周波数を下げる第1制御機能と、前記第1制御機能にて前記動作周波数を下げた状態において前記プロセッサの処理性能が低下したら、前記予備用プロセッサを含む前記予備セルを動的に追加する第2制御機能とを備える。
【0017】
このようなプロセッサ制御システムでは、管理対象装置において、温度が設定された閾値を超えた場合にプロセッサの動作周波数をさげて、温度の安定化を図り、また、このときにこの管理対象装置で動作しているプロセッサの動作周波数を下げたことによる処理性能の低下が発生した場合、予備セルを追加することで、温度を一定に保ちながら、プロセッサ処理の負担を下げ、動作に影響を与えないようにすることができる。
【0018】
すなわち、本発明では、管理対象装置として、例えばIPMI(Intelligent Platform Management Interface)(特にCPUの温度情報取得機能)および、ICPIに対応したCPUとメモリとシステムボードで構成されたセルを複数個もつコンピュータなどを対象とすることができる。
【0019】
ここで、管理装置(制御端末装置)は、管理対象装置と連携し、CPUの温度をIPMIで管理し、温度が危険閾値を超えた場合に、ICPIのP―State制御を利用し、CPUの実行クロックを下げ、省電力モードにし、温度を下げるようにする。
このときに、管理装置(制御端末装置)は、管理対象装置と連携し、この管理対象装置の上で動作しているオペレーティングシステムにおいてCPUの実行クロックを下げたことによるタスク処理の遅延が発生した場合、予備のセルを追加することで、Partition(パーテーション)を拡張し、CPU処理の負担を下げ、管理対象装置の温度を一定に保ちながら動作に影響を与えないようにする。
【0020】
また、管理装置(制御端末装置)は、管理対象装置と連携し、オペレーティングシステムの負荷量が下がってきた場合に動的に追加したパーティションを切り離し、追加したセルの電源を落とすことで、電力の節約を行う。このようにすることで、データセンタ内においてのホットスポットを解消し、空調電力の削減を行う。
【0021】
このようにして、管理装置(制御端末装置)は、管理対象装置と連携し、複数CPUを有し、CPUの存在するセルごとにPartition(パーテーション)を作成できる管理対象装置の温度を管理し、温度が設定された閾値を超えた場合に、CPUの動作を省電力モードにして実行最大クロックをさげて、温度の安定化を図る。
また、管理装置(制御端末装置)は、管理対象装置と連携し、このときにこの管理対象装置の上で動作しているオペレーティングシステムにおいてCPUの実行クロックを下げたことによるタスク処理の遅延が発生した場合、予備のセルを追加することで、温度を一定に保ちながら、Partition(パーテーション)を拡張し、CPU処理の負担を下げ、動作に影響を与えないようにする。
【0022】
さらに、管理装置(制御端末装置)は、管理対象装置と連携し、オペレーティングシステムの負荷量が下がってきた場合に動的に追加したパーティションを切り離し、追加したセルの電源を落とすことで、電力の節約を行う。
【0023】
以下、このような本発明の「プロセッサ制御システム」のさらに具体的な実施の形態の一例について、図面を参照して説明する。
【0024】
〔第1の実施の形態〕
(プロセッサ制御システムの全体構成)
先ず、本実施の形態のプロセッサ制御システムの具体的構成について、全体構成から説明し、続いて各部の詳細構成について説明することとする。図1は、本発明における第1実施の形態のプロセッサ制御システムの全体の概略構成の一例を示すブロック図である。
【0025】
図1に示すように、本実施の形態のプロセッサ制御システム1は、制御端末装置(管理装置)10と、この制御端末装置10と通信網(ネットワーク)を介して通信接続された管理対象装置20とを含む構成としている。
【0026】
制御端末装置10は、管理対象装置20の各部をソフトウエアにより管理制御する管理側制御手段の一例又は一部である管理ソフトウエア11と、管理対象装置20との間で情報の授受を行うための通信手段の一例又は一部であるNIC(ネットワークインターフェースカード)12とを含む構成としている。
【0027】
管理ソフトウエア11は、温度を管理する温度管理機能と、CPUクロック(動作周波数)の制御を行う動作周波数制御機能と、パーテーションの制御を行うパーテーション制御機能とを備えている。
【0028】
管理対象装置20は、少なくとも1つのセル(メインセル)30と、少なくとも1つ以上の予備用の予備セル40と、メインセル30のみによる第1動作制御とメインセル30と予備セル40とによる第2動作制御とを適宜変更可能に制御するシステムコントローラ50とを備えている。
【0029】
管理対象側制御手段の一例又は一部であるシステムコントローラ50は、オペレーティングシステム31が動作しているパーティションに動的に予備のセルを選択的に適宜、追加、削除することが出来る機能を備える。
従って、第1動作制御では、第1パーテーションはメインセル30により構成され、第2動作制御では、第1パーテーションはメインセル30と予備セル40とにより構成される。
【0030】
メインセル30は、例えば第1システムボードにより構成され、動作周波数制御手段としてのICPI制御部33と、少なくとも1つのプロセッサの一例又は一部であるであるCPU34と、CPU34の温度を計測する温度計測手段の一例又は一部である温度センサ35と、冷却のための冷却手段もしくは空冷手段ないしは空冷用駆動機構の一例又は一部であるファン(FAN)36と、ファン36の回転数などの物理量ないしは駆動機構状態を計測する(空冷用駆動機構関連の)物理量計測手段の一例又は一部であるファン(FAN)回転数センサ37と、IPMIの制御を行うプロセッサ環境情報取得手段ないしはメインセル制御手段としてのBMC(ベースボードマネージメントコントローラ)38とを備えている。
【0031】
又、メインセル30は、管理対象側制御手段の一例又は一部を構成するオペレーティングシステム31を搭載している。このオペレーティングシステム31は、メインセル30が備えた記憶手段に搭載することができる。
オペレーティングシステム31は、パーティション上で動作し、CPUのクロック制御を行うためのインタフェースであるクロック制御I/F32を備えている。
【0032】
BMC38は、IPMI(Intelligent Platform Management Interface)によりCPUの温度情報取得機能、電源のオンオフリセット機能、FANの回転数情報取得機能、電源電圧情報取得機能、通信の暗号化機能などトを備える。
IPMIは、システムハードウェアやセンサーのモニタリング、システムコンポーネントの制御、リモート管理や復旧のための重要システムイベントログの取得を行う機能を備える。又IPMIは、温度、ファン、電圧、ハードウェアエラー(メモリー、ネットワーク関連)、シャーシ侵入などのハードウェアの健康状態をモニターする機能を備える。
【0033】
予備セル40は、メインセル30同様に、例えば第2システムボードにより構成され、動作周波数制御手段としてのICPI制御部43と、少なくとも一つの予備用プロセッサの一例又は一部であるCPU44と、温度計測手段の一例又は一部である温度センサ45と、冷却のための冷却手段もしくは空冷手段ないしは空冷用駆動機構の一例又は一部であるファン(FAN)46と、ファン46の回転数などの物理量ないしは駆動機構状態を計測する(空冷用駆動機構関連の)物理量計測手段の一例又は一部であるファン回転数センサ47と、IPMIの制御を行うプロセッサ環境情報取得手段ないしは予備セル制御手段としてのBMC48とを備えている。又、予備セル40は、記憶手段を備える。
【0034】
このため、メインセル30側の各部を第1のICPI制御部、第1のプロセッサ、第1の温度計測手段、第1の冷却手段、第1の物理量計測手段、第1のBMCとし、予備セル40側の各部を第2のICPI制御部、第2のプロセッサ、第2の温度計測手段、第2の冷却手段、第2の物理量計測手段、第2のBMCということもできる。
【0035】
制御端末装置(管理装置)10は、プログラム制御により動作するものであり、ネットワーク関連の通信機能を有していれば、デスクトップ、ラップトップコンピュータ、その他無線・有線通信機能を有する情報機器、情報家電機器(テレビ・携帯音楽プレーヤ・ゲーム機)、またはこれに類するコンピュータなどいかなるコンピュータでもよく、移動式・固定式を問わない。
【0036】
制御端末装置(管理装置)10のハードウエア構成は、種々の情報等を表示するための表示部(スクリーン)、この表示部の表示画面上(の各種入力欄等)にデータを操作入力するための操作入力部(例えばキーボード・マウス・各種ボタン・表示操作部<画面上のボタン>・タッチパネル等)、各種信号・データを送受信するための送受信部ないしは通信部(各種通信インターフェースやモデムなど)、各種プログラム・各種データを記憶しておく記憶部(例えばメモリ、ハードディスク等)、これらの制御を司る制御部(例えばCPU、MPU、DSP等)などを有することができる。
【0037】
又、管理対象装置20は、プログラム制御により動作するものであり、ネットワーク関連の通信機能を有していれば、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、またはこれに類するコンピュータなどいかなるコンピュータでもよく、移動式・固定式を問わない。
【0038】
管理対象装置20のハードウエア構成は、前述の構成とともに、各種信号・データを送受信するための送受信部ないしは通信部(各種通信インターフェースやモデムなど)、各種プログラム・各種データを記憶しておく記憶部(例えばメモリ、ハードディスク等)などを有することができる。
【0039】
又、管理対象装置20は、種々の情報等を表示するための表示部(スクリーン)、この表示部の表示画面上(の各種入力欄等)にデータを操作入力するための操作入力部(例えばキーボード・マウス・各種ボタン・表示操作部<画面上のボタン>・タッチパネル等)などを必要に応じて備えてよい。
【0040】
ここで、本実施の形態の制御端末装置10は、「管理装置」の一例又は一部ということもできる。
又、管理ソフトウエア11は、「管理側制御手段」の一例又は一部ということもできる。
更に、CPU34は、「プロセッサ」の一例又は一部ということもできる。更に又、CPU44は、「予備用プロセッサ」の一例又は一部ということもできる。又、温度センサ35は、「温度計測手段」の一例又は一部ということもできる。更に、ファン36は、「冷却手段」の一例又は一部ということもできる。
又更に、システムコントローラ50とBMC38とBMC48とICPI制御部33とICPI制御部43とオペレーティングシステム31とにより「管理対象側制御手段」の一例又は一部を構成することができる。
【0041】
管理装置は、管理対象装置と通信網を介して情報の授受を行い当該管理対象装置を管理制御する。
「管理側制御手段」は、前記温度計測手段にて計測された温度に応じて前記プロセッサの動作周波数を管理制御する。
又、前記管理側制御手段は、前記温度計測手段にて計測された温度が閾値をこえたら、前記プロセッサの動作周波数を下げる第1制御機能を備えてよい。
更に、前記管理側制御手段は、前記第1制御機能にて前記動作周波数を下げた状態において前記プロセッサの処理性能が低下したら、前記予備用プロセッサを含む前記予備セルを動的に追加する第2制御機能を備えてよい。
【0042】
更に、前記管理側制御手段における第2の制御機能では、前記管理対象装置が備えているオペレーティングシステムのタスクがキューに溜まり負荷量が上がると、前記予備用プロセッサを含む前記予備セルを動的に追加する機能を備えてよい。
【0043】
又、前記管理側制御手段は、前記管理対象装置が備えているオペレーティングシステムの負荷量が下がったら、動的に追加した前記予備セルを切り離し、その切り離した前記予備セルの電源をオフとする第3制御機能を備えてよい。
【0044】
更に又、前記管理側制御手段における前記第1制御機能では、前記プロセッサの稼動モードを省電力モードとし、この省電力モードにおける動作周波数とする機能を備えてよい。
【0045】
又更に、前記管理側制御手段は、前記温度計測手段にて計測された温度が閾値をこえたら、前記冷却手段が備える冷却機能を最大とする第4制御機能を備えてよい。この場合、前記第1制御機能では、前記第4制御機能で冷却機能を最大とした状態において、前記温度計測手段にて計測された温度が閾値をこえたら、前記プロセッサの動作周波数を下げる機能を備えてよい。
さらにこの場合、第2制御機能では、前記冷却機能が最大であって、前記動作周波数を下げた状態において前記プロセッサの処理性能が低下したら、前記予備用プロセッサを含む前記予備セルを動的に追加する機能を備えてよい。
【0046】
又、前記管理側制御手段は、前記冷却手段が備える冷却機能を最大とし、前記プロセッサの動作周波数を下げた状態において、前記温度計測手段にて計測された温度が閾値をこえたら、前記省電力モードにおける動作周波数からさらに前記プロセッサにおける動作周波数の低減限界にまで当該動作周波数を下げる第5制御機能を備えてよい。
この場合、前記第2制御機能では、前記冷却機能が最大であって、前記動作周波数を低減限界にまで下げた状態において前記プロセッサの処理性能が低下したら、前記予備用プロセッサを含む前記予備セルを動的に追加する機能を備えてよい。
【0047】
(動作処理手順について)
(全体の概略動作)
次に、上述のような構成を有するプロセッサ制御システムにおける全体の動作処理手順について、図2乃至図3を参照しつつ説明する。図2は、本発明の第1の実施の形態によるプロセッサ制御システムにおける動作処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0048】
本実施の形態に係るプロセッサ管理制御における動作処理手順は、少なくとも1つのプロセッサと前記プロセッサの温度を計測する温度計測手段とを備えたメインセルと、少なくとも1つの予備用プロセッサを備えた予備セルとを備えている管理対象装置を通信網を介して管理制御する管理装置が備えたコンピュータが行うものを対象とするものである。
【0049】
本実施の形態に係るプロセッサ管理制御における全体の動作処理手順は、基本的手順として、管理側制御手段として機能する管理装置が、計測された前記プロセッサの温度情報を取得し(例えば図2に示すステップS11:温度情報取得ステップ)、この取得された温度が閾値をこえたら、前記プロセッサの動作周波数を下げる第1制御をし(例えば図2に示すステップS12とステップS16からなるステップ:第1制御ステップ)、前記動作周波数を下げた状態において前記プロセッサの処理性能が低下したら、前記予備用プロセッサを含む前記予備セルを動的に追加する第2制御をする(例えば図2に示すステップS17とステップS20からなるステップ又はステップS19とステップS20からなるステップ:第2制御ステップ)、ことができる。
【0050】
さらに、この動作制御手順では、前記第2制御をするに際にしては、前記管理対象装置が備えているオペレーティングシステムのタスクがキューに溜まり負荷量が上がると、前記予備用プロセッサを含む前記予備セルを動的に追加することができる。
【0051】
又、この動作処理手順では、前記管理対象装置が備えているオペレーティングシステムの負荷量が下がったら、動的に追加した前記予備セルを切り離し、その切り離した前記予備セルの電源をオフとする第3制御をする(例えば図3に示すステップS32とステップS34とステップS35からなるステップ:第3制御ステップ)ことができる。
【0052】
さらに、この動作制御手順では、前記第1制御をするに際しては、前記プロセッサの稼動モードを省電力モードとし、この省電力モードにおける動作周波数とすることができる。
【0053】
又更に、この動作制御手順では、前記メインセルは、前記プロセッサを冷却する冷却手段を備える場合に、前記温度計測手段にて計測された温度が閾値をこえたら、前記冷却手段が備える冷却機能を最大とする第4制御(例えば図2に示すステップS13とステップS14からなるステップ:第4制御ステップ)をさらに実行できる。
この場合、前記第1制御をするに際しては、前記第4制御において冷却機能を最大とした状態において、前記温度計測手段にて計測された温度が閾値をこえたら、前記プロセッサの動作周波数を下げることができる。
又、前記第2制御をするに際しては、前記冷却機能が最大であって、前記動作周波数を下げた状態において前記プロセッサの処理性能が低下したら、前記予備用プロセッサを含む前記予備セルを動的に追加することができる。
【0054】
さらに、この動作制御手順では、前記冷却手段が備える冷却機能を最大とし、前記プロセッサの動作周波数を下げた状態において、前記温度計測手段にて計測された温度が閾値をこえたら、前記省電力モードにおける動作周波数からさらに前記プロセッサにおける動作周波数の低減限界にまで当該動作周波数を下げる第5制御(例えば図2に示すステップS17とステップS18からなるステップ:第5制御ステップ)をさらに実行できる。
この場合、前記第2制御をするに際しては、前記冷却機能が最大であって、前記動作周波数を低減限界にまで下げた状態において前記プロセッサの処理性能が低下したら、前記予備用プロセッサを含む前記予備セルを動的に追加することができる。
【0055】
(詳細動作)
以下、これを詳述する。
図2に示すように、先ず、管理側制御手段として機能する制御端末装置の管理ソフトウェアは、NIC12を通じて、管理対象装置20のシステムコントローラ50にアクセスを開始する。
【0056】
さらに、管理側制御手段として機能する制御端末装置10は、システムコントローラ50からIPMIプロトコルにより、CPUの現在の温度を取得する(ステップS11:プロセッサ温度情報取得ステップないしはプロセッサ温度情報取得機能)。
【0057】
次に、管理側制御手段として機能する制御端末装置10は、取得された温度情報の値を、管理ソフトウェアに事前に設定してある閾値(既設定温度閾値情報)ないしは温度制御条件情報と比較し、取得された温度が閾値をこえているか否かを判定する処理を行う(ステップS12:温度閾値判定ステップないしは温度閾値判定機能)。
【0058】
このステップS12の判定処理において、取得された温度が閾値をこえていると判定された場合、管理側制御手段として機能する制御端末装置10は、ステップS13に進む。
一方、このステップS12の判定処理において、取得された温度が閾値をこえていないと判定された場合、管理側制御手段として機能する制御端末装置10は、ステップS19に進む。
【0059】
続いて、ステップS13において、管理側制御手段として機能する制御端末装置10は、ファンの回転数に関する情報をシステムコントローラ50からIPMIプロトコルにより取得し(回転数情報取得ステップないしは回転数情報取得機能)、取得した回転数情報が最大回転数であるか否かを判定する処理を行う(ステップS13:回転数判定ステップないしは回転数判定機能)。
【0060】
このステップS13の判定処理において、取得された回転数が最大であると判定された場合、管理側制御手段として機能する制御端末装置10は、ステップS15に進む。
一方、このステップS13の判定処理において、取得された回転数が最大でないと判定された場合、管理側制御手段として機能する制御端末装置10は、ステップS14に進む。
【0061】
すなわち、最大でなかった場合、管理側制御手段として機能する制御端末装置10は、ファンの回転数を制御し、当該回転数を最大に設定する(ステップS14:回転数設定制御ステップないしは回転数設定制御機能)。
そして、再度、ステップS11にもどり、状態の監視を続ける。
【0062】
他方、最大であった場合、管理側制御手段として機能する制御端末装置10(の管理ソフトウェア11)は、監視している第1パーテーションで動作しているオペレーティングシステム31にアクセスし、CPUの稼動モードを確認する処理を行う(プロセッサ稼働モード確認ステップないしはプロセッサ稼働モード確認機能)。
そして、管理側制御手段として機能する制御端末装置10は、CPUの稼動モードが省電力モードで稼動しているか否かを判定する処理を行う(ステップS15:省電力モ−ド判定ステップないしは省電力モ−ド判定機能)。
【0063】
このステップS15の判定処理において、取得された稼働モードが省電力モードであると判定された場合、管理側制御手段として機能する制御端末装置10は、ステップS17に進む。
一方、このステップS15の判定処理において、取得された稼働モードが省電力モードでないと判定された場合、管理側制御手段として機能する制御端末装置10は、ステップS16に進む。
【0064】
すなわち、省電力モードで稼動していない場合、管理側制御手段として機能する制御端末装置10は、オペレーティングシステム31の省電力機能を用いる。具体的には、管理側制御手段として機能する制御端末装置10は、クロック制御I/F32よりICPIのP―State制御を用い、CPU34の実行クロック(動作周波数)を落とし、電力の消費量を下げるとともにCPU34の温度を下げる設定を行う(ステップS16:第1の動作周波数変更制御ステップないしは第1の動作周波数変更制御機能)。
その後、またステップS11にもどり、状態の監視を行う。
【0065】
そして、管理側制御手段として機能する制御端末装置10は、CPUの実行クロックが限界値(設定可能最小値)まで下がっているか否かを判定する処理を行う(ステップS17:動作周波数限界値到達可否判定ステップないしは動作周波数限界値到達可否判定機能)。
【0066】
このステップS17の判定処理において、実行クロックが限界値であると判定された場合、管理側制御手段として機能する制御端末装置10は、ステップS20に進む。
一方、このステップS17の判定処理において、実行クロックが限界値でないと判定された場合、管理側制御手段として機能する制御端末装置10は、ステップS18に進む。
すなわち、ここまでの対応で、温度に改善が見られなかった場合、管理側制御手段として機能する制御端末装置10は、CPU34の実行クロック(動作周波数)を設定することが可能な最小の値まで落とす処理を行う(ステップS18:第2の動作周波数変更制御ステップないしは第2の動作周波数変更制御機能)。
その後、またステップS11にもどり、状態の監視を行う。
【0067】
他方、前記ステップS12の判定処理において温度が閾値をこえていない場合、管理側制御手段として機能する制御端末装置10は、省電力モードで動作し、かつOS(オペレーティングシステム)のタスクがキューに溜まっているか否かを判定する処理を行う(ステップS19:キュー滞留状態判定ステップないしはキュー滞留状態判定機能)。
【0068】
このステップS19の判定処理において、タスクがキューに溜まっていると判定された場合、管理側制御手段として機能する制御端末装置10は、ステップS20に進む。
一方、このステップS19の判定処理において、タスクがキューに溜まっていないと判定された場合、管理側制御手段として機能する制御端末装置10は、ステップS11に戻り状態の監視を行う。
【0069】
このようにして、以上までの手順で、温度の改善が見られなかった場合(ステップS17の「Yes」)、もしくは、温度の改善は見られたがオペレーティングシステム31のパフォーマンスカウンターやプロセスの状況からタスクがキューに溜まり、処理性能が著しく落ちていると判断された場合(ステップS19の「Yes」)、管理側制御手段として機能する制御端末装置10は、ステップS20を実施する。
【0070】
すなわち、管理側制御手段として機能する制御端末装置10は、予備セル40を追加する(ステップS20:予備セル追加ステップないしは予備セル追加機能)。
具体的には、管理側制御手段として機能する制御端末装置10は、予備セル40を第1パーテーションに割り当て、オペレーティングシステム31からはCPUが1つ増えた状態(メインセルのCPU34と予備セルのCPU44)にする。
これにより、オペレーティングシステム31において実行される処理を、2つのCPU(CPU34、CPU44)で分散させることによって、性能の改善を図り、温度の安定化を図りつつ、処理性能の維持を実現する。
またこのとき、この管理対象パーティションにおいて、予備セル40の追加を行ったことを示すフラグを、管理ソフトウェア11が立て特定の記憶領域に記憶する。
【0071】
(セル切り離し手順)
次に、温度が安定し、かつ、オペレーティングシステムの処理の量が減った場合、追加で割り当てたセルを切り離し、その電源を落とすことで、消費電力の削減を行う手順を図3を参照しつつ説明する。
【0072】
先ず、管理側制御手段として機能する制御端末装置10は、システムコントローラ50からIPMIの情報を取得し、CPUの温度情報を取得する(ステップS31:プロセッサ温度情報取得ステップないしはプロセッサ温度情報取得機能)。
【0073】
続いて、管理側制御手段として機能する制御端末装置10は、図2に示すステップS20において予備セルの追加を示すフラグ(予備セル追加フラグ)が立ててあるか否かを確認し、予備セルの追加が行われたか否かを判定する処理を行う(ステップS32:予備セル追加有無判定ステップないしは予備セル追加有無判定機能)。
【0074】
このステップS32の判定処理において、予備セルの追加が行われていないと判定された場合、管理側制御手段として機能する制御端末装置10は、ステップS37に進む。
【0075】
一方、このステップS32の判定処理において、予備セルの追加が行われていると判定された場合、管理側制御手段として機能する制御端末装置10は、そのパーテーションの温度が適温か否かを判定する処理を行う(ステップS33:パーテーション温度判定ステップないしはパーテーション温度判定機能)。
【0076】
このステップS33の判定処理において、パーテーションの温度が適温でないと判定された場合、管理側制御手段として機能する制御端末装置10は、ステップS31に戻り状態の監視を行う。
【0077】
一方、このステップS33の判定処理において、パーテーションの温度が適温であると判定された場合、管理側制御手段として機能する制御端末装置10は、追加した予備セルをパーテーションから切り離す処理を行う(ステップS34:追加セル切り離しステップないしは追加セル切り離し機能)。
この際、管理側制御手段として機能する制御端末装置10は、予備セル40を追加したことを示すフラグ(予備セル追加フラグ)を削除する処理を行う。
又、管理側制御手段として機能する制御端末装置10は、切り離した予備セルの電源を落とす処理をも行う。
【0078】
その後、一定の時間様子をみて、管理側制御手段として機能する制御端末装置10は、予備セル40を切り離した影響を受けて、オペレーティングシステム31にてタスクがキューに溜まってしまっている状態になっているか否か確認、判定する処理を行う(ステップS35:切り離し後キュー滞留状態判定ステップないしは切り離し後キュー滞留状態判定機能)。
【0079】
このステップS35の判定処理において、切り離し後にタスクがキューに溜まっていないと判定された場合、管理側制御手段として機能する制御端末装置10は、ステップS37に進む。
【0080】
一方、このステップS35の判定処理において、切り離し後にタスクがキューに溜まっていると判定された場合、管理側制御手段として機能する制御端末装置10は、省電力モードで動作しているCPUの実行最大クロックを上げる処理を行う(ステップS36:実行最大動作周波数増加ステップないしは実行最大動作周波数増加機能)。
その後、管理側制御手段として機能する制御端末装置10は、ステップS31に戻り状態の監視を行う。
【0081】
次に、管理対象のパーティションの状態はセルの追加する前の状態に戻っているため、再度、図2に示す温度管理フローの処理を行い、監視を続ける(ステップS37:温度再管理ステップないしは温度再管理機能)。
【0082】
以上のように本実施の形態によれば、温度が設定された閾値を超えた場合にプロセッサのクロックをさげて、温度の安定化を図り、また、このときにこの装置の上で動作しているオペレーティングシステムにおいてプロセッサの実行クロックを下げたことによるタスク処理の遅延が発生した場合、予備のセルを追加することで、温度を一定に保ちながら、プロセッサ処理の負担を下げ、動作に影響を与えないようにする。
【0083】
すなわち、本実施の形態では、管理対象装置として、例えばIPMI(Intelligent Platform Management Interface)(特にCPUの温度情報取得機能)および、ICPIに対応したCPUとメモリとシステムボードで構成されたセルを複数個もつコンピュータなどを対象とすることができる。
【0084】
ここで、管理装置(制御端末装置)は、管理対象装置と連携し、CPUの温度をIPMIで管理し、温度が危険閾値を超えた場合に、ICPIのP―State制御を利用し、CPUの実行クロックを下げ、省電力モードにし、温度を下げるようにする。
このときに、管理装置(制御端末装置)は、管理対象装置と連携し、この管理対象装置の上で動作しているオペレーティングシステムにおいてCPUの実行クロックを下げたことによるタスク処理の遅延が発生した場合、予備のセルを追加することで、Partition(パーテーション)を拡張し、CPU処理の負担を下げ、管理対象装置の温度を一定に保ちながら動作に影響を与えないようにする。
【0085】
また、管理装置(制御端末装置)は、管理対象装置と連携し、オペレーティングシステムの負荷量が下がってきた場合に動的に追加したパーティションを切り離し、追加したセルの電源を落とすことで、電力の節約を行う。このようにすることで、データセンタ内においてのホットスポットを解消し、空調電力の削減を行う。
【0086】
このようにして、管理装置(制御端末装置)は、管理対象装置と連携し、複数CPUを有し、CPUの存在するセルごとにPartition(パーテーション)を作成できる管理対象装置の温度を管理し、温度が設定された閾値を超えた場合に、CPUの動作を省電力モードにして実行最大クロックをさげて、温度の安定化を図る。
また、管理装置(制御端末装置)は、管理対象装置と連携し、このときにこの管理対象装置の上で動作しているオペレーティングシステムにおいてCPUの実行クロックを下げたことによるタスク処理の遅延が発生した場合、予備のセルを追加することで、温度を一定に保ちながら、Partition(パーテーション)を拡張し、CPU処理の負担を下げ、動作に影響を与えないようにする。
【0087】
さらに、管理装置(制御端末装置)は、管理対象装置と連携し、オペレーティングシステムの負荷量が下がってきた場合に動的に追加したパーティションを切り離し、追加したセルの電源を落とすことで、電力の節約を行う。
【0088】
したがって、以下の効果を奏することができる。
第一の効果は、管理対象装置の温度を下げるためにCPUの実行クロックを下げてもオペレーティングシステムのタスク処理能力を維持することができることである。
その理由は、動的にセルのパーティションへの追加を行うことによって、オペレーティングソフトはCPUが増えた状態になり、並列処理が可能になるためである。
【0089】
第二の効果は、温度管理のために、電力を極力消費しないようにすることができることである。
その理由は、CPUの実行クロックを落とすことで、省電力に貢献できる。
又、外気温に頼らずシステム内で温度の安定化を図るため、空調の設定温度を下げる行為を行うことなく温度の安定化ができる。
更に、オペレーティングシステムの処理量が減った場合には、追加したセルをパーティションから切り離し、電源を落とすことによって極力電力を使わないようにすることができるためである。
【0090】
ここで、図1に示すブロック図における一部の各ブロックは、コンピュータにより実行可能なプログラムにより機能化された状態を示すソフトウエアモジュール構成であってもよい。
【0091】
すなわち、物理的構成は例えば一又は複数のCPU(或いは一又は複数のCPUと一又は複数のメモリ)等ではあるが、各部(回路・手段)によるソフトウエア構成は、プログラムの制御によってCPUが発揮する複数の機能を、それぞれ複数の部(手段)による構成要素として表現したものである。
【0092】
CPUがプログラムによって実行されている動的状態(プログラムを構成する各手順を実行している状態)を機能表現した場合、CPU内に各部(手段)が構成されることになる。プログラムが実行されていない静的状態にあっては、各手段の構成を実現するプログラム全体(或いは各手段の構成に含まれるプログラム各部)は、メモリなどの記憶領域に記憶されている。
【0093】
以上に示した各部(手段)は、プログラムにより機能化されたコンピュータをプログラムの機能と共に実現し得るように構成しても、また、固有のハードウエアにより恒久的に機能化された複数の電子回路ブロックからなる装置で構成してもよい。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現でき、いずれかに限定されるものではない。
【0094】
また、各セル(メインセル、予備セル)は、通信可能な専用のコンピュータからなる装置としてそれぞれ構成し、これらの各装置によりシステムを構成してもよい。逆に、各セルを単一の装置として構成したシステムであってもよい。
【0095】
[その他の各種変形例]
また、本発明にかかる装置及び方法は、そのいくつかの特定の実施の形態に従って説明してきたが、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく本発明の本文に記述した実施の形態に対して種々の変形が可能である。
【0096】
例えば、上記構成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。すなわち、上記実施の形態では、メインセルが1個、予備セルが1個の場合を示したが、本発明は、これらの個数を制限するものではない。
例えば、メインセル1個に対して予備セルが2以上用意されていてもかまわない。この場合、必要に応じて予備セル1個を追加したり、予備セル2個を追加したりするようにしてメインセルの処理負担を軽減するようにしてもよい。
【0097】
また、管理対象装置としては、例えば電子機器や電子機器の多重化装置であってもよい。例えば、電子計算機の冗長化装置(冗長化されたサーバや冗長化された各種ネットワークスイッチ及び冗長化された構内交換機等)の一部に用いてもよい。
例えば、サーバを多重化した多重化装置において、電子機器の一例であるサーバには、複数のCPUやメモリ、HDD、チップセット、その他の回路などの主要コンポーネントが1つの電子機器内に装備されている場合を含む。これらの複数の電子機器である各サーバを多重化した多重化装置においては、一つのOS(オペレーティングシステム)(全体制御部)にて多重化装置を制御することができる。この場合、障害が発生すると、障害部分の一のサーバを切り離し、他の新たなサーバに交換することにより、故障したモジュールを交換し運用を継続して行うことができるようになっている。
そのような多重化装置においても前記プロセッサの制御を行うことができる。
【0098】
更に、プロセッサとして、CPUの場合を示したが、他の各々のプロセッサ、種々の単位のプロセッサであってもかまわない。例えばMPUであってもよいし、CPUにFPUを加えたもの、マルチコアCPUなど如何なる形態でもよい。
【0099】
又、CPU34の温度を計測する温度計測手段の一例又は一部である温度センサ35を設けたが、CPU34の周辺の温度を計測する他の温度センサ(他温度計測手段)を備えてもよい。
【0100】
前記制御端末装置の機能をシステムコントローラなどの管理対象装置側が備えてもよい。つまり、管理対象側制御手段は、これらの各セルを制御するとともに前記温度計測手段にて計測された温度に応じて前記プロセッサの動作周波数を制御できる。この場合、前記管理対象側制御手段は、前記温度計測手段にて計測された温度が閾値をこえたら、前記プロセッサの動作周波数を下げる第1制御機能を備えてもよい。又、前記第1制御機能にて前記動作周波数を下げた状態において前記プロセッサの処理性能が低下したら、前記予備用プロセッサを含む前記予備セルを動的に追加する第2制御機能を備えてよい。
【0101】
この場合、前記管理対象側制御手段における第2の制御機能では、前記管理対象装置が備えているオペレーティングシステムのタスクがキューに溜まり負荷量が上がると、前記予備用プロセッサを含む前記予備セルを動的に追加する機能を備えてよい。
【0102】
又、前記管理対象側制御手段は、前記管理対象装置が備えているオペレーティングシステムの負荷量が下がったら、動的に追加した前記予備セルを切り離し、その切り離した前記予備セルの電源をオフとする第3制御機能を備えてよい。
【0103】
更に、前記管理対象側制御手段における前記第1制御機能では、前記プロセッサの稼動モードを省電力モードとし、この省電力モードにおける動作周波数とする機能を備えてよい。
【0104】
又更に、前記管理対象側制御手段は、前記温度計測手段にて計測された温度が閾値をこえたら、前記冷却手段が備える冷却機能を最大とする第4制御機能を備えてよい。この場合、前記第1制御機能では、前記第4制御機能で冷却機能を最大とした状態において、前記温度計測手段にて計測された温度が閾値をこえたら、前記プロセッサの動作周波数を下げる機能を備えてよい。また、前記第2制御機能では、前記冷却機能が最大であって、前記動作周波数を下げた状態において前記プロセッサの処理性能が低下したら、前記予備用プロセッサを含む前記予備セルを動的に追加する機能を備えてよい。
【0105】
更に又、前記管理側制御手段は、前記冷却手段が備える冷却機能を最大とし、前記プロセッサの動作周波数を下げた状態において、前記温度計測手段にて計測された温度が閾値をこえたら、前記省電力モードにおける動作周波数からさらに前記プロセッサにおける動作周波数の低減限界にまで当該動作周波数を下げる第5制御機能を備えてよい。
この場合、前記第2制御機能では、前記冷却機能が最大であって、前記動作周波数を低減限界にまで下げた状態において前記プロセッサの処理性能が低下したら、前記予備用プロセッサを含む前記予備セルを動的に追加する機能を備えてよい。
【0106】
又、本発明の一実施の形態に係るプロセッサ制御における動作処理手順は、少なくとも1つのプロセッサと前記プロセッサの温度を計測する温度計測手段とを備えたメインセルと、少なくとも1つの予備用プロセッサを備えた予備セルとを備えている管理対象装置が備えたコンピュータが行うものを対象とするものである。
【0107】
この一実施の形態に係るプロセッサ制御における全体の動作処理手順は、基本的手順として、管理対象側制御手段として機能する管理対象装置が、前記プロセッサの温度を計測し(例えば図2に示すステップS11:温度計測ステップ)、この計測された温度が閾値をこえたら、前記プロセッサの動作周波数を下げる第1制御をし(例えば図2に示すステップS12とステップS16からなるステップ:第1制御ステップ)、前記動作周波数を下げた状態において前記プロセッサの処理性能が低下したら、前記予備用プロセッサを含む前記予備セルを動的に追加する第2制御をする(例えば図2に示すステップS17とステップS20からなるステップ又はステップS19とステップS20からなるステップ:第2制御ステップ)、ことができる。
【0108】
その他の構成およびその他のステップないしは機能並びにその作用効果については、前述した実施の形態の場合と同一となっている。また、上記の説明において、上述した各ステップの動作内容及び各部の構成要素並びにそれらによる各機能をプログラム化(ソフトウエアプログラム)し、コンピュータに実行させてもよい。
【0109】
さらに、以上説明した方法は、コンピュータがプログラムを記録媒体から読み込んで実行することによっても実現することが出来る。すなわち、上述のプログラムを、情報記録媒体に記録した構成であってもよい。
【0110】
又、本発明の一実施形態による管理装置では、少なくとも1つのプロセッサと前記プロセッサの温度を計測する温度計測手段とを備えたメインセルと、少なくとも1つの予備用プロセッサを備えた予備セルとを備えている管理対象装置を通信網を介して管理制御することができる。この場合、計測された前記プロセッサの温度情報を取得する取得機能と、この取得された温度が閾値をこえたら、前記プロセッサの動作周波数を下げる第1制御機能と、前記動作周波数を下げた状態において前記プロセッサの処理性能が低下したら、前記予備用プロセッサを含む前記予備セルを動的に追加する第2制御機能と、を備えてよい。
【0111】
又、本発明の一実施形態による管理装置では、前記管理対象装置が備えているオペレーティングシステムの負荷量が下がったら、動的に追加した前記予備セルを切り離し、その切り離した前記予備セルの電源をオフとする第3制御機能をさらに備えてよい。
【0112】
又、本発明の一実施形態による管理対象装置では、少なくとも1つのプロセッサと前記プロセッサの温度を計測する温度計測手段とを備えたメインセルと、少なくとも1つの予備用プロセッサを備えた予備セルとを備えている。この場合、計測された温度が閾値をこえたら、前記プロセッサの動作周波数を下げる第1制御機能と、前記動作周波数を下げた状態において前記プロセッサの処理性能が低下したら、前記予備用プロセッサを含む前記予備セルを動的に追加する第2制御機能と、を備えてよい。
【0113】
またさらに、前述した実施形態の機能を実現する本発明のプログラムは、前述した各実施の形態における各種ブロック図などに示された処理部(処理手段)、機能などに対応したプログラムや、フローチャートなどに示された処理手順、処理手段、機能などに対応したプログラムや、各種データ構造を利用するプログラムなどにおいて各々処理される各処理プログラム、本明細書で全般的に記述される方法(ステップ)、説明された処理、データの全体もしくは各部を含む。
【0114】
さらにまた、上記実施の形態におけるシステムにおいて、管理装置と管理対象装置との間の通信構造は、クライアントサーバーシステム、ピアツーピア(Peer To Peer)通信によるシステムであってもよい。
【0115】
また、前記実施の形態における「システム」とは、複数の装置が論理的に集合した物をいい、各構成の装置が同一筐体中にあるか否かは問わない。このため、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0116】
さらに、上述の管理対象装置としては、サーバコンピュータ、パーソナルコンピュータに限らず、EWS(エンジニアリングワークステーション)、中型コンピュータ、メインフレームなどが挙げられる。
【0117】
さらにまた、本明細書において、フローチャートに示されるステップは、記載された手順に従って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理を含むものである。さらに、実装の必要に応じて、本明細書で説明した特定の手順(ステップ)を、組み合わされた手順(ステップ)として実装、除去、追加、または再配置することができる。
【0118】
さらに、「通信」では、無線通信および有線通信は勿論、無線通信と有線通信とが混在した通信、即ち、ある区間では無線通信が行われ、他の区間では有線通信が行われるようなものであってもよい。さらに、ある装置から他の装置への通信が有線通信で行われ、他の装置からある装置への通信が無線通信で行われるようなものであってもよい。
【0119】
そして、この通信には通信網が含まれる。通信網を構成するネットワークとしては、例えば携帯電話回線網(基地局及び交換システムを含む)、公衆電話回線網、IP電話網、ISDN回線網などこれに類する各種回線網、インターネット(乃ち、TCP・IPプロトコルを用いた通信態様)やイントラネット、LAN<イーサネット(登録商標)、やギガビットイーサネット(登録商標)などを含む>、WAN、光ファイバー通信網、電力線通信網、ブロードバンド対応可能な各種専用回線網などいずれのハードウエア構成でもよい。さらに、ネットワークは、TCP・IPプロトコルの他、種々の通信プロトコルを用いたネットワークあるいはソフトウエア的に構築された仮想ネットワークやこれに類するあらゆるネットワークを含むネットワークなどいかなる通信プロトコルであってもよい。また、ネットワークは、有線に限らず、無線(衛星通信、各種高周波通信手段等を含む)ネットワーク(例えば、簡易電話システムや携帯電話のようなシングルキャリア通信システム、W―CDMAやIEEE802.11bに準拠した無線LANのようなスペクトラム拡散通信システム、IEEE802.11aやHiperLAN/2のようなマルチキャリア通信システム、などを含むネットワーク)であっても構わず、これらの組み合わせを利用してもよく、他のネットワークと接続されたシステムであってもよい。さらに、ネットワークは、ポイントツーポイント、ポイントツーマルチポイント、マルチポイントツーマルチポイントなど如何なる形態でもよい。
【0120】
また、管理装置と管理対象装置との間の通信構造に際し、いずれか一方又は双方に形成されるインタフェースの種類は、例えばパラレルインタフェース、USBインタフェース、IEEE1394、LANやWAN等のネットワークやその他これに類するもの、もしくは今後開発される如何なるインタフェースであっても構わない。
【0121】
ところで、このような管理装置は、単独で存在する場合もあるし、ある機器(例えば管理装置と管理対象装置が一体的になった装置や、管理装置が他の装置に組み込まれるなど)に組み込まれた状態で利用されることもあるなど、発明の思想としてはこれに限らず、各種の態様を含むものである。
さらにまた、一部がソフトウェアであって、一部がハードウェアで実現されている場合であってもよく、一部を記憶媒体上に記憶しておいて必要に応じて適宜読み込まれるような形態のものとしてあってもよい。
【0122】
また、発明の範囲は、図示例に限定されないものとする。さらに、上記各実施の形態には種々の段階が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。つまり、上述の各実施の形態同士、あるいはそれらのいずれかと各変形例のいずれかとの組み合わせによる例をも含む。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本発明は、プロセッサ制御全般に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるプロセッサ制御システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態によるプロセッサ制御システムにおける動作処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施の形態によるプロセッサ制御システムにおける動作処理手順の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0125】
1 プロセッサ制御システム
10 制御端末装置
11 管理ソフトウエア(管理側制御手段の一部)
12 NIC(ネットワークインターフェースカード)
20 管理対象装置
30 メインセル
31 オペレーティングシステム(管理対象側制御手段の一部)
32 クロック制御I/F
33 ICPI制御部(管理対象側制御手段の一部)
34 CPU(プロセッサ)
35 温度センサ(温度計測手段)
36 ファン
37 ファン回転数センサ
38 BMC(管理対象側制御手段の一部)
40 予備セル
43 ICPI制御部(管理対象側制御手段の一部)
44 CPU(予備用プロセッサ)
45 温度センサ
46 ファン
47 ファン回転数センサ
48 BMC(管理対象側制御手段の一部)
50 システムコントローラ(管理対象側制御手段の一部)



【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともメインセルと予備セルとを備えている管理対象装置と、前記管理対象装置と通信網を介して情報の授受を行い当該管理対象装置を管理制御する管理装置と、を備え、
前記管理対象装置における前記メインセルは、少なくとも1つのプロセッサと、前記プロセッサの温度を計測する温度計測手段と、を備え、
前記管理対象装置における前記予備セルは、少なくとも1つの予備用プロセッサを備え、
前記管理装置は、
前記温度計測手段にて計測された温度に応じて前記プロセッサの動作周波数を管理制御可能な管理側制御手段を備え、
前記管理側制御手段は、前記温度計測手段にて計測された温度が閾値をこえたら、前記プロセッサの動作周波数を下げる第1制御機能と、前記第1制御機能にて前記動作周波数を下げた状態において前記プロセッサの処理性能が低下したら、前記予備用プロセッサを含む前記予備セルを動的に追加する第2制御機能と、を含むことを特徴とするプロセッサ制御システム。
【請求項2】
請求項1に記載のプロセッサ制御システムにおいて、
前記管理側制御手段における第2の制御機能では、
前記管理対象装置が備えているオペレーティングシステムのタスクがキューに溜まり負荷量が上がると、前記予備用プロセッサを含む前記予備セルを動的に追加する機能をその内容とすることを特徴とするプロセッサ制御システム。
【請求項3】
請求項2に記載のプロセッサ制御システムにおいて、
前記管理側制御手段は、
前記管理対象装置が備えているオペレーティングシステムの負荷量が下がったら、動的に追加した前記予備セルを切り離し、その切り離した前記予備セルの電源をオフとする第3制御機能を備えることを特徴とするプロセッサ制御システム。
【請求項4】
請求項3に記載のプロセッサ制御システムにおいて、
前記管理側制御手段における前記第1制御機能では、前記プロセッサの稼動モードを省電力モードとし、この省電力モードにおける動作周波数とする機能をその内容とすることを特徴とするプロセッサ制御システム。
【請求項5】
請求項4に記載のプロセッサ制御システムにおいて、
前記メインセルは、前記プロセッサを冷却する冷却手段を備え、
前記管理側制御手段は、
前記温度計測手段にて計測された温度が閾値をこえたら、前記冷却手段が備える冷却機能を最大とする第4制御機能を備え、
前記第1制御機能では、
前記第4制御機能で冷却機能を最大とした状態において、前記温度計測手段にて計測された温度が閾値をこえたら、前記プロセッサの動作周波数を下げる機能をその内容とし、
前記第2制御機能では、
前記冷却機能が最大であって、前記動作周波数を下げた状態において前記プロセッサの処理性能が低下したら、前記予備用プロセッサを含む前記予備セルを動的に追加する機能をその内容とすることを特徴とするプロセッサ制御システム。
【請求項6】
請求項5に記載のプロセッサ制御システムにおいて、
前記管理側制御手段は、
前記冷却手段が備える冷却機能を最大とし、前記プロセッサの動作周波数を下げた状態において、前記温度計測手段にて計測された温度が閾値をこえたら、前記省電力モードにおける動作周波数からさらに前記プロセッサにおける動作周波数の低減限界にまで当該動作周波数を下げる第5制御機能を備え、
前記第2制御機能では、
前記冷却機能が最大であって、前記動作周波数を低減限界にまで下げた状態において前記プロセッサの処理性能が低下したら、前記予備用プロセッサを含む前記予備セルを動的に追加する機能をその内容とすることを特徴とするプロセッサ制御システム。
【請求項7】
少なくとも1つのプロセッサと前記プロセッサの温度を計測する温度計測手段とを備えたメインセルと、少なくとも1つの予備用プロセッサを備えた予備セルと、これらの各セルを制御するとともに前記温度計測手段にて計測された温度に応じて前記プロセッサの動作周波数を制御可能な管理対象側制御手段と、を備え、
前記管理対象側制御手段は、前記温度計測手段にて計測された温度が閾値をこえたら、前記プロセッサの動作周波数を下げる第1制御機能と、前記第1制御機能にて前記動作周波数を下げた状態において前記プロセッサの処理性能が低下したら、前記予備用プロセッサを含む前記予備セルを動的に追加する第2制御機能と、を含むことを特徴とする管理対象装置。
【請求項8】
少なくとも1つのプロセッサと前記プロセッサの温度を計測する温度計測手段とを備えたメインセルと、少なくとも1つの予備用プロセッサを備えた予備セルとを備えている管理対象装置を通信網を介して管理制御する管理装置であって、
前記温度計測手段にて計測された温度に応じて前記プロセッサの動作周波数を管理制御可能な管理側制御手段を備え、
前記管理側制御手段は、前記温度計測手段にて計測された温度が閾値をこえたら、前記プロセッサの動作周波数を下げる第1制御機能と、前記第1制御機能にて前記動作周波数を下げた状態において前記プロセッサの処理性能が低下したら、前記予備用プロセッサを含む前記予備セルを動的に追加する第2制御機能と、を含むことを特徴とする管理装置。
【請求項9】
少なくとも1つのプロセッサと前記プロセッサの温度を計測する温度計測手段とを備えたメインセルと、少なくとも1つの予備用プロセッサを備えた予備セルとを備えている管理対象装置を通信網を介して管理制御する管理装置にあって、前記プロセッサを管理制御するプロセッサ制御方法であって、
計測された前記プロセッサの温度情報を取得し、
この取得された温度が閾値をこえたら、前記プロセッサの動作周波数を下げる第1制御をし、
前記動作周波数を下げた状態において前記プロセッサの処理性能が低下したら、前記予備用プロセッサを含む前記予備セルを動的に追加する第2制御をする、
ことを特徴とするプロセッサ制御方法。
【請求項10】
請求項9に記載のプロセッサ制御方法において、
前記管理対象装置が備えているオペレーティングシステムの負荷量が下がったら、動的に追加した前記予備セルを切り離し、その切り離した前記予備セルの電源をオフとする第3制御をする、
ことを特徴とするプロセッサ制御方法。
【請求項11】
請求項10に記載のプロセッサ制御方法において、
前記第1制御をするに際しては、前記プロセッサの稼動モードを省電力モードとし、この省電力モードにおける動作周波数とすることを特徴とするプロセッサ制御方法。
【請求項12】
請求項11に記載のプロセッサ制御方法において、
前記メインセルは、前記プロセッサを冷却する冷却手段を備え、
前記温度計測手段にて計測された温度が閾値をこえたら、前記冷却手段が備える冷却機能を最大とする第4制御をさらに実行し、
前記第1制御をするに際しては、
前記第4制御において冷却機能を最大とした状態において、前記温度計測手段にて計測された温度が閾値をこえたら、前記プロセッサの動作周波数を下げ、
前記第2制御をするに際しては、
前記冷却機能が最大であって、前記動作周波数を下げた状態において前記プロセッサの処理性能が低下したら、前記予備用プロセッサを含む前記予備セルを動的に追加することを特徴とするプロセッサ制御方法。
【請求項13】
請求項12に記載のプロセッサ制御方法において、
前記冷却手段が備える冷却機能を最大とし、前記プロセッサの動作周波数を下げた状態において、前記温度計測手段にて計測された温度が閾値をこえたら、前記省電力モードにおける動作周波数からさらに前記プロセッサにおける動作周波数の低減限界にまで当該動作周波数を下げる第5制御をさらに実行し、
前記第2制御をするに際しては、
前記冷却機能が最大であって、前記動作周波数を低減限界にまで下げた状態において前記プロセッサの処理性能が低下したら、前記予備用プロセッサを含む前記予備セルを動的に追加することを特徴とするプロセッサ制御方法。
【請求項14】
少なくとも1つのプロセッサと前記プロセッサの温度を計測する温度計測手段とを備えたメインセルと、少なくとも1つの予備用プロセッサを備えた予備セルとを備えている管理対象装置にあって、前記プロセッサを管理制御するプロセッサ制御方法であって、
前記プロセッサの温度情報を計測し、
この計測された温度が閾値をこえたら、前記プロセッサの動作周波数を下げる第1制御をし、
前記動作周波数を下げた状態において前記プロセッサの処理性能が低下したら、前記予備用プロセッサを含む前記予備セルを動的に追加する第2制御をする、
ことを特徴とするプロセッサ制御方法。
【請求項15】
少なくとも1つのプロセッサと前記プロセッサの温度を計測する温度計測手段とを備えたメインセルと、少なくとも1つの予備用プロセッサを備えた予備セルとを備えている管理対象装置を通信網を介して管理制御する管理装置が備えたコンピュータに諸機能を実現させることが可能な管理制御プログラムであって、
計測された前記プロセッサの温度情報を取得する取得機能と、
この取得された温度が閾値をこえたら、前記プロセッサの動作周波数を下げる第1制御機能と、
前記動作周波数を下げた状態において前記プロセッサの処理性能が低下したら、前記予備用プロセッサを含む前記予備セルを動的に追加する第2制御機能と、
を前記コンピュータに実現させることを特徴とする管理制御プログラム。
【請求項16】
請求項15に記載の管理制御プログラムにおいて、
前記管理対象装置が備えているオペレーティングシステムの負荷量が下がったら、動的に追加した前記予備セルを切り離し、その切り離した前記予備セルの電源をオフとする第3制御機能をさらに前記コンピュータに実現させることを特徴とする管理制御プログラム。
【請求項17】
請求項16に記載の管理制御プログラムにおいて、
前記第1制御機能では、
前記プロセッサの稼動モードを省電力モードとし、この省電力モードにおける動作周波数とする機能をその内容とし、これを前記コンピュータに実現させることを特徴とするプロセッサ制御プログラム。
【請求項18】
請求項17に記載の管理制御プログラムにおいて、
前記メインセルは、前記プロセッサを冷却する冷却手段を備え、
前記温度計測手段にて計測された温度が閾値をこえたら、前記冷却手段が備える冷却機能を最大とする第4制御機能をさらに前記コンピュータに実現させ、
前記第1制御機能では、
前記第4制御機能において冷却機能を最大とした状態において、前記温度計測手段にて計測された温度が閾値をこえたら、前記プロセッサの動作周波数を下げる機能をその内容とし、これを前記コンピュータに実現させ、
前記第2制御機能では、
前記冷却機能が最大であって、前記動作周波数を下げた状態において前記プロセッサの処理性能が低下したら、前記予備用プロセッサを含む前記予備セルを動的に追加する機能をその内容とし、これを前記コンピュータに実現させることを特徴とする管理制御プログラム。
【請求項19】
請求項18に記載の管理制御プログラムにおいて、
前記冷却手段が備える冷却機能を最大とし、前記プロセッサの動作周波数を下げた状態において、前記温度計測手段にて計測された温度が閾値をこえたら、前記省電力モードにおける動作周波数からさらに前記プロセッサにおける動作周波数の低減限界にまで当該動作周波数を下げる第5制御機能をさらに前記コンピュータに実現させ、
前記第2制御機能では、
前記冷却機能が最大であって、前記動作周波数を低減限界にまで下げた状態において前記プロセッサの処理性能が低下したら、前記予備用プロセッサを含む前記予備セルを動的に追加する機能をその内容とし、これを前記コンピュータに実現させることを特徴とする管理制御プログラム。
【請求項20】
少なくとも1つのプロセッサと前記プロセッサの温度を計測する温度計測手段とを備えたメインセルと、少なくとも1つの予備用プロセッサを備えた予備セルとを備えている管理対象装置が備えたコンピュータに諸機能を実現させることが可能なプロセッサ制御プログラムであって、
計測された温度が閾値をこえたら、前記プロセッサの動作周波数を下げる第1制御機能と、
前記動作周波数を下げた状態において前記プロセッサの処理性能が低下したら、前記予備用プロセッサを含む前記予備セルを動的に追加する第2制御機能と、
を前記コンピュータに実現させることを特徴とするプロセッサ制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−97257(P2010−97257A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−265313(P2008−265313)
【出願日】平成20年10月14日(2008.10.14)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】