プローブカードおよびその製造方法
【課題】簡易な構造の垂直型接触子を有するプローブカードおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のプローブカード1は、配線板2から起立しており水平方向に湾曲する弓形状に形成されているばね部3aを有する接触子3を備えている。接触子3は、配線板2に形成したレジスト球をスパッタ型にして形成した球殻形状のシード膜にばね金属をめっきすることにより形成される。
【解決手段】本発明のプローブカード1は、配線板2から起立しており水平方向に湾曲する弓形状に形成されているばね部3aを有する接触子3を備えている。接触子3は、配線板2に形成したレジスト球をスパッタ型にして形成した球殻形状のシード膜にばね金属をめっきすることにより形成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プローブカードおよびその製造方法に係り、特に、アレイ状に配置された接触子(プローブ)を有するプローブカードとして好適に利用できるプローブカードおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、集積回路の製造工程においては、ウェハを個々のチップに切り離す前にウェハテストを行なうため、プローブカードが用いられている。そのプローブカードにおいてウェハと導通するために用いられる端子がプローブと称される接触子である。
【0003】
従来のプローブカードに設けられた接触子の構造については、大きく分けて、水平配置または傾斜配置された細長い片持板からなるカンチレバー構造と、垂直方向(高さ方向)に起立した垂直伸縮自在の針やばねからなる垂直型といわれる2つの構造がある。ここで、垂直型の接触子については、カンチレバー型の接触子よりも接触子のレイアウトの自由度が高く、アレイ配置することができる点にメリットがあるといわれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−340794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の垂直型の接触子は、垂直方向(高さ方向)に伸縮するコイルばねが接触部となる針に垂直方向(高さ方向)への付勢を与えることによって垂直伸縮自在に形成されているため、その構造が複雑になってしまうという問題があった。接触子の構造が複雑化すると、接触子を高密度配置することが困難になるので、アレイ配置ができるというメリットを最大限に生かしきれない。
【0006】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、簡易な構造の垂直型接触子を有するプローブカードおよびその製造方法を提供することを本発明の目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するため、本発明のプローブカードは、その第1の態様として、配線板から起立しており水平方向に湾曲する弓形状に形成されているばね部を有する接触子を備えていることを特徴としている。
【0008】
本発明の第1の態様のプローブカードによれば、弓形状のばね部がたわむことにより、接触子に垂直方向の弾性力を発揮させることができる。
【0009】
本発明の第2の態様のプローブカードは、第1の態様のプローブカードにおいて、接触子のばね部は、ばね部の中途部からその頂部に向かってその幅が小さくなるように形成されていることを特徴としている。
【0010】
本発明の第2の態様のプローブカードによれば、釣り竿の形状効果と同様、先端がたわみやすく、中途部がたわみにくいばね部を形成することができる。
【0011】
本発明の第3の態様のプローブカードは、第1または第2の態様のプローブカードにおいて、接触子のばね部は、ばね部の中途部からその底部に向かってその幅が小さくなるように形成されていることを特徴としている。
【0012】
本発明の第3の態様のプローブカードによれば、釣り竿の形状効果と同様、底部がたわみやすく、中途部がたわみにくいばね部を形成することができる。また、先端および底部の幅が小さく、中途部の幅が狭い場合、接触子が押圧された際にばね部の先端を水平方向に移動させずに垂直方向にスライドすることができる。
【0013】
本発明の第4の態様のプローブカードは、第1から第3のいずれか1の態様のプローブカードにおいて、接触子のばね部は、ばね部の頂部の表面を接触部として接触部が電極パッドと平行になるような形状に形成されていることを特徴としている。
【0014】
本発明の第4の態様のプローブカードによれば、電極パッドとの接触面を大きくすることができる。
【0015】
本発明の第5の態様のプローブカードは、第1から第3のいずれか1の態様のプローブカードにおいて、接触子のばね部は、ばね部の頂部の先端または先端周縁の稜線を接触部として接触部が電極パッドと接触するような形状に形成されていることを特徴としている。
【0016】
本発明の第5の態様のプローブカードによれば、接触部が鋭利になっているので、電極パッドの表面に形成された酸化膜を切削し、良好な導電性を確保することができる。
【0017】
本発明の第6の態様のプローブカードは、第1から第5のいずれか1の態様のプローブカードにおいて、接触子のばね部は、球殻をその極点付近を通過しながらその中心軸と平行に複数切断して得られる半球殻よりも小さな弓型個片と同様の形状に形成されていることを特徴としている。
【0018】
本発明の第6の態様のプローブカードによれば、先端および底部がたわみやすいシングルアームパンタグラフ状のばね部が形成されるので、接触子の幅を拡大することなく、垂直方向へのストローク量の大きい接触子を形成することができる。
【0019】
また、前述した目的を達成するため、本発明のプローブカードの製造方法は、その第1の態様として、プローブカードに用いられる配線板の表面にレジスト材を用いて形成されたレジスト柱を熱硬化することにより、球、楕円球その他の球に近似した略球形状のレジスト球を形成するレジスト球形成工程と、レジスト球の全表面をスパッタしてシード膜を形成するシード膜形成工程と、シード膜にレジスト除去孔を形成するレジスト除去孔形成工程と、レジスト除去孔からレジスト球を除去するレジスト球除去工程と、レジスト除去孔形成工程の前後いずれかにおいて配線板の垂直方向からみたシード膜の一部にミリング被膜を形成するミリング被膜形成工程と、レジスト球除去工程およびミリング被膜形成工程の終了後においてシード膜に対して垂直方向からミリングすることによりミリング被膜が形成されたシード膜の一部以外の部分を除去するシード膜部分除去工程と、シード膜部分除去工程後に不要なミリング被膜を除去するミリング被膜除去工程と、ミリング被膜除去工程後において残されたシード膜の一部に金属製弾性部材をめっきすることにより、シード膜の一部に金属製弾性膜を積層した接触子のばね部を形成するばね部形成工程とを備えることを特徴としている。
【0020】
本発明の第1の態様のプローブカードの製造方法によれば、ばね部が弓形状に形成されるので、簡易な構造により垂直方向の弾性力を発揮させる接触子をプローブカードに形成することができる。
【0021】
本発明の第2の態様のプローブカードの製造方法は、第1の態様のプローブカードの製造方法において、レジスト柱は、その直径をRとし、その高さをHとした場合、H/R≒2を満たす寸法に形成されていることを特徴としている。
【0022】
本発明の第2の態様のプローブカードの製造方法によれば、上記条件を満たす場合、真球に近い球形のレジスト球を形成することができる。
【0023】
本発明の第3の態様のプローブカードの製造方法は、第1または第2の態様のプローブカードの製造方法において、接触子のばね部は、ばね部の頂部の表面を接触部として接触部が電極パッドと平行になるような形状に形成されていることを特徴としている。
【0024】
本発明の第3の態様のプローブカードの製造方法によれば、電極パッドとの接触面を大きくすることができる。
【0025】
本発明の第4の態様のプローブカードの製造方法は、第1または第2の態様のプローブカードの製造方法において、接触子のばね部は、ばね部の頂部の先端または先端周縁の稜線を接触部として接触部が電極パッドと接触するような形状に形成されていることを特徴としている。
【0026】
本発明の第4の態様のプローブカードの製造方法によれば、接触部が鋭利になっているので、電極パッドの表面に形成された酸化膜を切削し、良好な導電性を確保することができる。
【0027】
本発明の第5の態様のプローブカードの製造方法は、第1から第4のいずれか1の態様のプローブカードの製造方法において、接触子のばね部は、球殻をその極点付近を通過しながらその中心軸と平行に複数切断して得られる半球殻よりも小さな弓型個片と同様の形状に形成されていることを特徴としている。
【0028】
本発明の第5の態様のプローブカードの製造方法によれば、先端および底部がたわみやすいシングルアームパンタグラフ状のばね部が形成されるので、接触子の幅を拡大することなく、垂直方向へのストローク量の大きい接触子を形成することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明のプローブカードによれば、弓形のばね部がたわむことによって接触子が弾性力を発揮するので、プローブカードに設けられた接触子の構造を簡易にすることができるという効果を奏する。
【0030】
また、本発明のプローブカードの製造方法によれば、略球形状のレジスト球の表面をめっき型としてばね部を形成しているので、弓形のばね部を有するプローブカードの接触子を容易に形成することができる。これにより、弓形のばね部を有する簡易構造の接触子を備えたプローブカードを容易に製造することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本実施形態のプローブカードの一例を示す部分斜視図
【図2】本実施形態のプローブカードの一例を示す部分斜視図
【図3】本実施形態のプローブカードの一例を示す部分斜視図
【図4】本実施形態のプローブカードの一例を示す部分正面図
【図5】本実施形態のプローブカードの一例を示す部分正面図
【図6】本実施形態のプローブカードの一例を示す部分斜視図
【図7】本実施形態のプローブカードの一例を示す部分正面図
【図8】本実施形態のプローブカードの製造方法の一例をAからHの順に示す部分断面図
【図9】本実施形態のシード膜においてミリングによって残った部分の一例を示す平面図
【図10】本実施形態のシード膜においてミリングによって残った部分の一例を示す平面図
【図11】本実施形態のシード膜においてミリングによって残った部分の一例を示す平面図
【図12】本実施形態のレジスト柱の円柱半径とレジスト球の半径との関係を示すグラフ
【図13】本実施形態のレジスト柱とレジスト球との変化の関係を概念的に示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明のプローブカードおよびその製造方法をその一実施形態により説明する。
【0033】
はじめに、本実施形態のプローブカード1を説明する。
【0034】
本実施形態のプローブカード1は、図1に示すように、配線板2およびアレイ配置された接触子3を備えている。なお、図1には、1個の接触子3のみを図示している。
【0035】
配線板2としては、プローブカード1に用いられる一般的な配線板2が用いられている。
【0036】
接触子3は、ばね部3a、接触部3bおよび底部3cを有しており、弾性および導電性に優れた材料を用いて形成されている。弾性および導電性に優れた材料としては、例えば、Ni−PやNi−PにCuやAu等を積層した積層材料その他の金属材料が挙げられる。
【0037】
接触子3のばね部3aは、水平方向に湾曲する弓形状に形成されており、配線板2の接続端子2aと電気的に接続しながら配線板2から起立している。C字形のように水平方向に湾曲する弓形状としては、種々の形状が挙げられる。例えば、図1または図2に示すように、ばね部3aの幅を垂直方向に滑らかに変化させた弓形状や、図3に示すように、ばね部3aの幅を一定にした弓形状などが挙げられる。本実施形態のばね部3aとしては、ばね部3aの幅を変化させた弓形状を採用することが好ましい。
【0038】
図1に示したばね部3aの幅を変化させた弓形状を詳細に説明すると次の通りである。接触子3のばね部3aは、ばね部3aの中途部3dからその頂部に向かってその幅が小さくなるとともに、ばね部3aの中途部3dからその底部3cに向かってその幅が小さくなるように形成されていることが好ましい。
【0039】
ばね部3aの接触部3bは、ばね部3aの頂部に形成されている。この接触部3bとしては、種々の形状が挙げられる。例えば、この接触部3bは、図4に示すように、ばね部3aの表面を接触部3bとして、ウェハテストするチップ10に形成された電極パッド11と平行になるような形状に形成されていてもよい。
【0040】
また、この接触部3bは、図5に示すように、ばね部3aの頂部の先端を接触部3bとし、電極パッド11に対してひっかくように接触するような形状に形成されていてもよい。また、この接触部3bは、図6に示すように、ばね部3aの頂部の先端周縁の稜線4を接触部3bとして、電極パッド11に対してひっかくように接触するような形状に形成されていてもよい。
【0041】
なお、図1の接触子3と図2の接触子3との違いとしては、ばね部3aの頂部が尖っているか角張っているかの違いや、図1の底部3cの幅は狭くなっているが図2の底部3は変化していないといった違いである。もちろん、図7に示すように、ばね部3aの頂部に突起部を形成し、それを接触部3bとしても良い。
【0042】
次に、本実施形態のプローブカード1の製造方法を説明する。
【0043】
本実施形態のプローブカード1の製造方法は、図8に示すように、レジスト球形成工程、シード膜形成工程、レジスト除去孔形成工程、レジスト球除去工程、ミリング被膜形成工程、シード膜部分除去工程、ミリング被膜除去工程およびばね部形成工程を備えている。
【0044】
レジスト球形成工程においては、図8Aに示すように、プローブカード1に用いられる配線板2の表面にレジスト柱(図示せず)を形成し、そのレジスト柱を熱硬化することにより、レジスト球20を形成する。
【0045】
レジスト球20の形成の基になるレジスト柱は、レジスト材を用いて、配線板2の表面にレジスト膜を形成し、そのレジスト膜に円柱が形成されるように露光および現像を行なうことにより、形成される。このレジスト柱は、その直径をRとし、その高さをHとした場合に、例えば、R=50μm、H=100μmに設定するなど、H/R≒2を満たす寸法に形成されていることが好ましい。
【0046】
レジスト球20の球形としては、球、楕円球その他の球に近似した略球形状である。ただし、配線板2との接触面積を確保するため、正確には、配線板2に球、楕円球その他の球に近似した略球が埋没したような下部が欠損した略球形状になっている。レジスト球20の熱硬化条件としては、例えば、硬化温度を100℃〜130℃に設定し、処理時間を5〜20分間に設定し、処理回数を1回または複数回に設定する。熱硬化条件はレジスト柱の大きさとレジスト球20の形状に依存する。
【0047】
シード膜形成工程においては、図8Bに示すように、レジスト球20の全表面をスパッタしてシード膜21を形成する。シード膜の材質としてはCuやTi/Cuを選択することが好ましい。Ti/Cuを選択した場合、Cu層側だけにばね部形成工程のめっき材をめっきさせる等の技術をあわせて用いてもよい。シード膜21の厚さは1μm〜3μm程度である。
【0048】
スパッタ装置の構造上、レジスト球20の上部にはシード膜21が形成されやすく、レジスト球20の下部にはシード膜21が形成されにくい。そのため、スパッタ方向やスパッタ条件を刻々と変化させることにより、レジスト球20の全表面にシード膜21を形成する。ただし、シード膜21は、その後のばね部形成工程のめっきを行なうための導通膜であるため、シード膜21の厚みがレジスト球20の上部と下部とにおいて異なっていたとしても、導通可能なシード膜21がレジスト球20の全表面に形成されていれば問題はない。また、シード膜21の厚みを厚くするのが困難な場合、シード膜21にさらなるCuめっきを施しても良い。
【0049】
レジスト除去孔形成工程においては、図8Cに示すように、シード膜21にレジスト除去孔21aを形成する。レジスト除去孔21aとは、球殻形状のシード膜21に設けられた貫通孔であり、その個数や大きさに制限はない。
【0050】
レジスト球除去工程においては、図8Dに示すように、レジスト除去孔21aからレジスト球20を除去する。具体的には、レジスト除去孔21aからレジスト除去剤を投入し、レジスト球20を溶解して生じたレジスト溶解液をレジスト除去孔21aから抜き出すことにより、レジスト球20を除去する。
【0051】
ミリング被膜形成工程においては、図8E(a)および図8E(b)に示すように、配線板2の垂直方向からみたシード膜21の一部にミリング被膜22を形成する。ミリング被膜22の材質としては、レジスト材(ネガレジストがより好ましい)やNi、Ni−Pなど、イオンミリングに対してCuよりもミリング量が少ない材質が好ましい。また、ミリング被膜22がCu膜であったとしても、シード膜21の膜厚よりもミリング被膜22の膜厚が厚い場合はミリング被膜22として使用できる。見る方向を垂直方向に限定したのは、シード膜21のミリング方向が垂直方向と平行だからである。また、ミリング被膜22が形成されるシード膜21の一部とは、のちの工程においてめっきが施される部分であり、接触子3のばね部3aの一層を構成する。なお、ミリング被膜22の形成工程はレジスト除去孔形成工程およびレジスト球除去工程を阻害しないので、ミリング被膜22の形成時期はレジスト除去孔形成工程の前後いずれであってもよい。
【0052】
シード膜部分除去工程においては、図8F(a)および図8F(b)に示すように、レジスト球除去工程およびミリング被膜形成工程の終了後、シード膜21に対して垂直方向からミリングを行なう。ミリング方向が垂直方向と平行なので、ミリング被膜22が傘となってその下方に位置する一部のシード膜21はミリングされず、残部のシード膜21がミリングされる。これにより、ミリング被膜22が形成されたシード膜21の一部以外の部分が除去される。
【0053】
ミリング被膜除去工程においては、図8Gに示すように、シード膜21を部分除去した後、ばね部3aとして不要なミリング被膜22を除去する。ミリング被膜22には、ばね部3aとして必要なものと、不要なものとがある。たとえば、ばね部形成工程においてめっきされる材料がNi−Pであれば、Ni−Pのミリング被膜22は後のめっき工程でそのまま利用できるので、ばね部3aとして必要なミリング被膜22といえる。Cuのミリング被膜22であれば、そのままシード膜21として利用できるので、ばね部3aに必要なミリング被膜22といえる。それに対し、レジスト材などのNi−PやCu以外のミリング被膜22であれば、ばね部3aとして利用できないので、ばね部3aとして不要なミリング被膜22となる。このような不要なミリング被膜22は、この工程において除去しておく。
【0054】
ばね部形成工程においては、図8Hに示すように、ミリング被膜22を除去した後、残されたシード膜21の一部に金属製弾性部材を用いてめっき膜23を形成する。金属製弾性部材としては、NiやNi−Pなどのばね材料に適した金属材料を選択すると良い。このめっきにより、シード膜21の一部にめっき膜23を積層させた接触子3のばね部3aが形成される。
【0055】
ここで、ばね部形成工程において形成される接触子3のばね部3aの頂部は、接触子3の接触部3bとなる。この接触部3bの形状は、ミリング被膜22の形状および形成位置に依存する。したがって、図9に示すように、ミリング被膜22の形状を平面視扇形とし、球殻のシード膜21の極点21cがその扇形のミリング被膜22の内部に位置するような大きさおよび配置に設定すると、接触部3bが電極パッド11と平行になるような形状に形成される。
【0056】
その一方、図10または図11に示すように、その扇形状に形成されたミリング被膜22の外部に球殻のシード膜21の極点21cが位置するような大きさおよび配置に設定すると、ばね部3aの頂部の先端または先端周縁の稜線4を接触部3bとして接触部3bが電極パッド11と接触するような形状に形成される。
【0057】
なお、必須工程ではないが、ばね部3aの接触部3bとして図7に示すような突起を形成する場合、ばね部形成工程の後に当該突起をめっき形成しても良い。
【0058】
現時点において、接触子3のばね部3aの好適な形状としては、図1から図3に示すような、球殻をその極点21c付近を通過しながらその中心軸と平行に複数切断して得られる半球殻よりも小さな弓型個片と同様の形状と考えられる。
【0059】
次に、本実施形態のプローブカード1の作用を説明する。
【0060】
本実施形態のプローブカード1においては、例えば図1から図3に示すように、弓形状のばね部3aを有する接触子3が形成されている。ウェハテストの対象となるチップ10の電極パッド11に接触子3が接触すると、弓形状のばね部3aが垂直方向にたわむので、接触子3に垂直方向の弾性力を発揮させることができる。
【0061】
接触子3の弾性変形の態様は、そのばね部3aの形状に大きく依存する。上記の通り、図1または図2に示すように、ばね部3aの中途部3dからその頂部に向かってその幅が小さくなるようにばね部3aを形成すると、釣り竿の形状効果と同様、先端がたわみやすく、中途部3dがたわみにくいばね部3aを形成することができる。同様に、ばね部3aの中途部3dからその底部3cに向かってその幅が小さくなるようにばね部3aを形成すると、底部3cがたわみやすく、中途部3dがたわみにくいばね部3aを形成することができる。
【0062】
さらに、図1に示すように、先端および底部3cの幅が狭く、中途部3dの幅が広い場合、接触子3が押圧された際にばね部3aの先端を水平方向に移動させずに垂直方向にスライドすることができる。例えば、接触子3のばね部3aが、球殻をその極点21c付近を通過しながらその中心軸と平行に複数切断して得られる半球殻よりも小さな弓型個片と同様の形状に形成されていると、先端および底部3cがたわみやすいシングルアームパンタグラフ状のばね部3aが形成されるので、接触子3の幅を拡大することなく、垂直方向へのストローク量の大きい接触子3を形成することができる。
【0063】
接触子3の接触部3bの形状を変化させることによっても種々の効果が期待できる。ばね部3aの頂部の表面を接触部3bとした場合、図4に示すように、接触部3bが電極パッド11と平行になるような形状に形成されていることが好ましい。こうすることにより、電極パッド11との接触面を大きくすることができる。それに対し、図5または図6に示すように、ばね部3aの頂部の先端または先端周縁の稜線4を接触部3bとした場合、接触部3bが電極パッド11と接触するような形状に形成されていることが好ましい。これによれば、接触部3bが鋭利になるので、接触部3bと接触パッドの接触により電極パッド11の表面に形成された酸化膜が切削されるので、良好な導電性を確保することができる。
【0064】
次に、本実施形態のプローブカード1の製造方法の作用を説明する。
【0065】
本実施形態のプローブカード1の製造方法においては、図8に示すように、複数の工程を経てプローブカード1の配線板2に接触子3が形成される。ここで、図8E(a)および(b)に示すように、ミリング被膜22が平面視において球殻形状のシード膜21の一部に形成されているため、ばね部3aを形成するシード膜21が球殻形状から弓形状に形成される。その結果、図8Hに示すように、シード膜21の一部をめっきすることにより、ばね部3aが弓形状に形成されるので、簡易な構造により垂直方向の弾性力を発揮させる接触子3をプローブカード1に形成することができる。
【0066】
また、略球殻形のシード膜21を形成する型となる略球形のレジスト球20は、レジスト柱を熱硬化させることにより形成される。このレジスト柱は、その直径をRとし、その高さをHとした場合、H/R≒2を満たす寸法に形成されていることが好ましい。上記条件を満たす場合、真球に近い球形のレジスト球20を形成することができる。
【0067】
上記の結果は、図12に示されている。また、レジスト柱30の高さを一定にしてその直径Rを異ならせて得たレジスト球20の形状を図13に示している。図12において、X軸はレジスト柱30の円柱半径R/2を示しており、Y軸はレジスト球20の半径rを示している。レジスト柱30の熱硬化前後において体積は理論上同じであるから、円柱の体積の公式と球体の体積の公式とをイコールで結び、レジスト球20の理論半径rを求めると、「r3=3R2h/16」となる(なお、レジスト柱30を熱硬化させるとレジストの特定成分が揮発し、残存成分が互いに結合するので、レジスト柱30の収縮が生じる。そのため、実際にはレジスト柱30の熱硬化前後においてそれらの体積は異なるが、真球に近い球形のレジスト球20を得るための計算においては体積変化がないと擬制しても問題はない。また、配線板2と接するレジスト柱30の底部の大きさはあまり変化しないので、熱硬化後のレジスト柱30は配線板側の一部を切り落とした略球形になり、正確にはレジスト球20が真球になって配線板2と点接触するといったことはないが、これについても上記計算においては問題はない。)。このレジスト球20の理論半径rと実測半径との交点を求めると、R/2≒25、r≒35であるから、H/R≒2を満たすレジスト柱30から真球に近い球形のレジスト球20を形成することができることが明らかである。これは、図13に示したレジスト球30の形状からも同様のことが言える。
【0068】
なお、本実施形態のプローブカード1の製造方法においては、ばね部3aの頂部の表面を接触部3bとした場合の接触部3bの作用効果、ばね部3aの頂部の先端または先端周縁の稜線4を接触部3bとした場合の作用効果、および、球殻切断により得られた弓型個片形状に係るばね部3aの作用効果については、上記で説明した通りである。
【0069】
すなわち、本実施形態のプローブカード1によれば、弓形のばね部3aがたわむことによって接触子3が弾性力を発揮するので、プローブカード1に設けられた接触子3の構造を簡易にすることができるという効果を奏する。
【0070】
また、本実施形態のプローブカード1の製造方法によれば、略球形状のレジスト球20の表面をめっき型としてばね部3aを形成しているので、弓形のばね部3aを有するプローブカード1の接触子3を容易に形成することができる。これにより、弓形のばね部3aを有する簡易構造の接触子3を備えたプローブカード1を容易に製造することができるという効果を奏する。
【0071】
なお、本発明は、前述した実施形態などに限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0072】
1 プローブカード
2 配線板
2a 配線端子
3 接触子
3a ばね部
3b 接触部
3c 底部
3d 中途部
4 稜線
10 チップ
11 電極パッド
【技術分野】
【0001】
本発明は、プローブカードおよびその製造方法に係り、特に、アレイ状に配置された接触子(プローブ)を有するプローブカードとして好適に利用できるプローブカードおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、集積回路の製造工程においては、ウェハを個々のチップに切り離す前にウェハテストを行なうため、プローブカードが用いられている。そのプローブカードにおいてウェハと導通するために用いられる端子がプローブと称される接触子である。
【0003】
従来のプローブカードに設けられた接触子の構造については、大きく分けて、水平配置または傾斜配置された細長い片持板からなるカンチレバー構造と、垂直方向(高さ方向)に起立した垂直伸縮自在の針やばねからなる垂直型といわれる2つの構造がある。ここで、垂直型の接触子については、カンチレバー型の接触子よりも接触子のレイアウトの自由度が高く、アレイ配置することができる点にメリットがあるといわれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−340794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の垂直型の接触子は、垂直方向(高さ方向)に伸縮するコイルばねが接触部となる針に垂直方向(高さ方向)への付勢を与えることによって垂直伸縮自在に形成されているため、その構造が複雑になってしまうという問題があった。接触子の構造が複雑化すると、接触子を高密度配置することが困難になるので、アレイ配置ができるというメリットを最大限に生かしきれない。
【0006】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、簡易な構造の垂直型接触子を有するプローブカードおよびその製造方法を提供することを本発明の目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するため、本発明のプローブカードは、その第1の態様として、配線板から起立しており水平方向に湾曲する弓形状に形成されているばね部を有する接触子を備えていることを特徴としている。
【0008】
本発明の第1の態様のプローブカードによれば、弓形状のばね部がたわむことにより、接触子に垂直方向の弾性力を発揮させることができる。
【0009】
本発明の第2の態様のプローブカードは、第1の態様のプローブカードにおいて、接触子のばね部は、ばね部の中途部からその頂部に向かってその幅が小さくなるように形成されていることを特徴としている。
【0010】
本発明の第2の態様のプローブカードによれば、釣り竿の形状効果と同様、先端がたわみやすく、中途部がたわみにくいばね部を形成することができる。
【0011】
本発明の第3の態様のプローブカードは、第1または第2の態様のプローブカードにおいて、接触子のばね部は、ばね部の中途部からその底部に向かってその幅が小さくなるように形成されていることを特徴としている。
【0012】
本発明の第3の態様のプローブカードによれば、釣り竿の形状効果と同様、底部がたわみやすく、中途部がたわみにくいばね部を形成することができる。また、先端および底部の幅が小さく、中途部の幅が狭い場合、接触子が押圧された際にばね部の先端を水平方向に移動させずに垂直方向にスライドすることができる。
【0013】
本発明の第4の態様のプローブカードは、第1から第3のいずれか1の態様のプローブカードにおいて、接触子のばね部は、ばね部の頂部の表面を接触部として接触部が電極パッドと平行になるような形状に形成されていることを特徴としている。
【0014】
本発明の第4の態様のプローブカードによれば、電極パッドとの接触面を大きくすることができる。
【0015】
本発明の第5の態様のプローブカードは、第1から第3のいずれか1の態様のプローブカードにおいて、接触子のばね部は、ばね部の頂部の先端または先端周縁の稜線を接触部として接触部が電極パッドと接触するような形状に形成されていることを特徴としている。
【0016】
本発明の第5の態様のプローブカードによれば、接触部が鋭利になっているので、電極パッドの表面に形成された酸化膜を切削し、良好な導電性を確保することができる。
【0017】
本発明の第6の態様のプローブカードは、第1から第5のいずれか1の態様のプローブカードにおいて、接触子のばね部は、球殻をその極点付近を通過しながらその中心軸と平行に複数切断して得られる半球殻よりも小さな弓型個片と同様の形状に形成されていることを特徴としている。
【0018】
本発明の第6の態様のプローブカードによれば、先端および底部がたわみやすいシングルアームパンタグラフ状のばね部が形成されるので、接触子の幅を拡大することなく、垂直方向へのストローク量の大きい接触子を形成することができる。
【0019】
また、前述した目的を達成するため、本発明のプローブカードの製造方法は、その第1の態様として、プローブカードに用いられる配線板の表面にレジスト材を用いて形成されたレジスト柱を熱硬化することにより、球、楕円球その他の球に近似した略球形状のレジスト球を形成するレジスト球形成工程と、レジスト球の全表面をスパッタしてシード膜を形成するシード膜形成工程と、シード膜にレジスト除去孔を形成するレジスト除去孔形成工程と、レジスト除去孔からレジスト球を除去するレジスト球除去工程と、レジスト除去孔形成工程の前後いずれかにおいて配線板の垂直方向からみたシード膜の一部にミリング被膜を形成するミリング被膜形成工程と、レジスト球除去工程およびミリング被膜形成工程の終了後においてシード膜に対して垂直方向からミリングすることによりミリング被膜が形成されたシード膜の一部以外の部分を除去するシード膜部分除去工程と、シード膜部分除去工程後に不要なミリング被膜を除去するミリング被膜除去工程と、ミリング被膜除去工程後において残されたシード膜の一部に金属製弾性部材をめっきすることにより、シード膜の一部に金属製弾性膜を積層した接触子のばね部を形成するばね部形成工程とを備えることを特徴としている。
【0020】
本発明の第1の態様のプローブカードの製造方法によれば、ばね部が弓形状に形成されるので、簡易な構造により垂直方向の弾性力を発揮させる接触子をプローブカードに形成することができる。
【0021】
本発明の第2の態様のプローブカードの製造方法は、第1の態様のプローブカードの製造方法において、レジスト柱は、その直径をRとし、その高さをHとした場合、H/R≒2を満たす寸法に形成されていることを特徴としている。
【0022】
本発明の第2の態様のプローブカードの製造方法によれば、上記条件を満たす場合、真球に近い球形のレジスト球を形成することができる。
【0023】
本発明の第3の態様のプローブカードの製造方法は、第1または第2の態様のプローブカードの製造方法において、接触子のばね部は、ばね部の頂部の表面を接触部として接触部が電極パッドと平行になるような形状に形成されていることを特徴としている。
【0024】
本発明の第3の態様のプローブカードの製造方法によれば、電極パッドとの接触面を大きくすることができる。
【0025】
本発明の第4の態様のプローブカードの製造方法は、第1または第2の態様のプローブカードの製造方法において、接触子のばね部は、ばね部の頂部の先端または先端周縁の稜線を接触部として接触部が電極パッドと接触するような形状に形成されていることを特徴としている。
【0026】
本発明の第4の態様のプローブカードの製造方法によれば、接触部が鋭利になっているので、電極パッドの表面に形成された酸化膜を切削し、良好な導電性を確保することができる。
【0027】
本発明の第5の態様のプローブカードの製造方法は、第1から第4のいずれか1の態様のプローブカードの製造方法において、接触子のばね部は、球殻をその極点付近を通過しながらその中心軸と平行に複数切断して得られる半球殻よりも小さな弓型個片と同様の形状に形成されていることを特徴としている。
【0028】
本発明の第5の態様のプローブカードの製造方法によれば、先端および底部がたわみやすいシングルアームパンタグラフ状のばね部が形成されるので、接触子の幅を拡大することなく、垂直方向へのストローク量の大きい接触子を形成することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明のプローブカードによれば、弓形のばね部がたわむことによって接触子が弾性力を発揮するので、プローブカードに設けられた接触子の構造を簡易にすることができるという効果を奏する。
【0030】
また、本発明のプローブカードの製造方法によれば、略球形状のレジスト球の表面をめっき型としてばね部を形成しているので、弓形のばね部を有するプローブカードの接触子を容易に形成することができる。これにより、弓形のばね部を有する簡易構造の接触子を備えたプローブカードを容易に製造することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本実施形態のプローブカードの一例を示す部分斜視図
【図2】本実施形態のプローブカードの一例を示す部分斜視図
【図3】本実施形態のプローブカードの一例を示す部分斜視図
【図4】本実施形態のプローブカードの一例を示す部分正面図
【図5】本実施形態のプローブカードの一例を示す部分正面図
【図6】本実施形態のプローブカードの一例を示す部分斜視図
【図7】本実施形態のプローブカードの一例を示す部分正面図
【図8】本実施形態のプローブカードの製造方法の一例をAからHの順に示す部分断面図
【図9】本実施形態のシード膜においてミリングによって残った部分の一例を示す平面図
【図10】本実施形態のシード膜においてミリングによって残った部分の一例を示す平面図
【図11】本実施形態のシード膜においてミリングによって残った部分の一例を示す平面図
【図12】本実施形態のレジスト柱の円柱半径とレジスト球の半径との関係を示すグラフ
【図13】本実施形態のレジスト柱とレジスト球との変化の関係を概念的に示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明のプローブカードおよびその製造方法をその一実施形態により説明する。
【0033】
はじめに、本実施形態のプローブカード1を説明する。
【0034】
本実施形態のプローブカード1は、図1に示すように、配線板2およびアレイ配置された接触子3を備えている。なお、図1には、1個の接触子3のみを図示している。
【0035】
配線板2としては、プローブカード1に用いられる一般的な配線板2が用いられている。
【0036】
接触子3は、ばね部3a、接触部3bおよび底部3cを有しており、弾性および導電性に優れた材料を用いて形成されている。弾性および導電性に優れた材料としては、例えば、Ni−PやNi−PにCuやAu等を積層した積層材料その他の金属材料が挙げられる。
【0037】
接触子3のばね部3aは、水平方向に湾曲する弓形状に形成されており、配線板2の接続端子2aと電気的に接続しながら配線板2から起立している。C字形のように水平方向に湾曲する弓形状としては、種々の形状が挙げられる。例えば、図1または図2に示すように、ばね部3aの幅を垂直方向に滑らかに変化させた弓形状や、図3に示すように、ばね部3aの幅を一定にした弓形状などが挙げられる。本実施形態のばね部3aとしては、ばね部3aの幅を変化させた弓形状を採用することが好ましい。
【0038】
図1に示したばね部3aの幅を変化させた弓形状を詳細に説明すると次の通りである。接触子3のばね部3aは、ばね部3aの中途部3dからその頂部に向かってその幅が小さくなるとともに、ばね部3aの中途部3dからその底部3cに向かってその幅が小さくなるように形成されていることが好ましい。
【0039】
ばね部3aの接触部3bは、ばね部3aの頂部に形成されている。この接触部3bとしては、種々の形状が挙げられる。例えば、この接触部3bは、図4に示すように、ばね部3aの表面を接触部3bとして、ウェハテストするチップ10に形成された電極パッド11と平行になるような形状に形成されていてもよい。
【0040】
また、この接触部3bは、図5に示すように、ばね部3aの頂部の先端を接触部3bとし、電極パッド11に対してひっかくように接触するような形状に形成されていてもよい。また、この接触部3bは、図6に示すように、ばね部3aの頂部の先端周縁の稜線4を接触部3bとして、電極パッド11に対してひっかくように接触するような形状に形成されていてもよい。
【0041】
なお、図1の接触子3と図2の接触子3との違いとしては、ばね部3aの頂部が尖っているか角張っているかの違いや、図1の底部3cの幅は狭くなっているが図2の底部3は変化していないといった違いである。もちろん、図7に示すように、ばね部3aの頂部に突起部を形成し、それを接触部3bとしても良い。
【0042】
次に、本実施形態のプローブカード1の製造方法を説明する。
【0043】
本実施形態のプローブカード1の製造方法は、図8に示すように、レジスト球形成工程、シード膜形成工程、レジスト除去孔形成工程、レジスト球除去工程、ミリング被膜形成工程、シード膜部分除去工程、ミリング被膜除去工程およびばね部形成工程を備えている。
【0044】
レジスト球形成工程においては、図8Aに示すように、プローブカード1に用いられる配線板2の表面にレジスト柱(図示せず)を形成し、そのレジスト柱を熱硬化することにより、レジスト球20を形成する。
【0045】
レジスト球20の形成の基になるレジスト柱は、レジスト材を用いて、配線板2の表面にレジスト膜を形成し、そのレジスト膜に円柱が形成されるように露光および現像を行なうことにより、形成される。このレジスト柱は、その直径をRとし、その高さをHとした場合に、例えば、R=50μm、H=100μmに設定するなど、H/R≒2を満たす寸法に形成されていることが好ましい。
【0046】
レジスト球20の球形としては、球、楕円球その他の球に近似した略球形状である。ただし、配線板2との接触面積を確保するため、正確には、配線板2に球、楕円球その他の球に近似した略球が埋没したような下部が欠損した略球形状になっている。レジスト球20の熱硬化条件としては、例えば、硬化温度を100℃〜130℃に設定し、処理時間を5〜20分間に設定し、処理回数を1回または複数回に設定する。熱硬化条件はレジスト柱の大きさとレジスト球20の形状に依存する。
【0047】
シード膜形成工程においては、図8Bに示すように、レジスト球20の全表面をスパッタしてシード膜21を形成する。シード膜の材質としてはCuやTi/Cuを選択することが好ましい。Ti/Cuを選択した場合、Cu層側だけにばね部形成工程のめっき材をめっきさせる等の技術をあわせて用いてもよい。シード膜21の厚さは1μm〜3μm程度である。
【0048】
スパッタ装置の構造上、レジスト球20の上部にはシード膜21が形成されやすく、レジスト球20の下部にはシード膜21が形成されにくい。そのため、スパッタ方向やスパッタ条件を刻々と変化させることにより、レジスト球20の全表面にシード膜21を形成する。ただし、シード膜21は、その後のばね部形成工程のめっきを行なうための導通膜であるため、シード膜21の厚みがレジスト球20の上部と下部とにおいて異なっていたとしても、導通可能なシード膜21がレジスト球20の全表面に形成されていれば問題はない。また、シード膜21の厚みを厚くするのが困難な場合、シード膜21にさらなるCuめっきを施しても良い。
【0049】
レジスト除去孔形成工程においては、図8Cに示すように、シード膜21にレジスト除去孔21aを形成する。レジスト除去孔21aとは、球殻形状のシード膜21に設けられた貫通孔であり、その個数や大きさに制限はない。
【0050】
レジスト球除去工程においては、図8Dに示すように、レジスト除去孔21aからレジスト球20を除去する。具体的には、レジスト除去孔21aからレジスト除去剤を投入し、レジスト球20を溶解して生じたレジスト溶解液をレジスト除去孔21aから抜き出すことにより、レジスト球20を除去する。
【0051】
ミリング被膜形成工程においては、図8E(a)および図8E(b)に示すように、配線板2の垂直方向からみたシード膜21の一部にミリング被膜22を形成する。ミリング被膜22の材質としては、レジスト材(ネガレジストがより好ましい)やNi、Ni−Pなど、イオンミリングに対してCuよりもミリング量が少ない材質が好ましい。また、ミリング被膜22がCu膜であったとしても、シード膜21の膜厚よりもミリング被膜22の膜厚が厚い場合はミリング被膜22として使用できる。見る方向を垂直方向に限定したのは、シード膜21のミリング方向が垂直方向と平行だからである。また、ミリング被膜22が形成されるシード膜21の一部とは、のちの工程においてめっきが施される部分であり、接触子3のばね部3aの一層を構成する。なお、ミリング被膜22の形成工程はレジスト除去孔形成工程およびレジスト球除去工程を阻害しないので、ミリング被膜22の形成時期はレジスト除去孔形成工程の前後いずれであってもよい。
【0052】
シード膜部分除去工程においては、図8F(a)および図8F(b)に示すように、レジスト球除去工程およびミリング被膜形成工程の終了後、シード膜21に対して垂直方向からミリングを行なう。ミリング方向が垂直方向と平行なので、ミリング被膜22が傘となってその下方に位置する一部のシード膜21はミリングされず、残部のシード膜21がミリングされる。これにより、ミリング被膜22が形成されたシード膜21の一部以外の部分が除去される。
【0053】
ミリング被膜除去工程においては、図8Gに示すように、シード膜21を部分除去した後、ばね部3aとして不要なミリング被膜22を除去する。ミリング被膜22には、ばね部3aとして必要なものと、不要なものとがある。たとえば、ばね部形成工程においてめっきされる材料がNi−Pであれば、Ni−Pのミリング被膜22は後のめっき工程でそのまま利用できるので、ばね部3aとして必要なミリング被膜22といえる。Cuのミリング被膜22であれば、そのままシード膜21として利用できるので、ばね部3aに必要なミリング被膜22といえる。それに対し、レジスト材などのNi−PやCu以外のミリング被膜22であれば、ばね部3aとして利用できないので、ばね部3aとして不要なミリング被膜22となる。このような不要なミリング被膜22は、この工程において除去しておく。
【0054】
ばね部形成工程においては、図8Hに示すように、ミリング被膜22を除去した後、残されたシード膜21の一部に金属製弾性部材を用いてめっき膜23を形成する。金属製弾性部材としては、NiやNi−Pなどのばね材料に適した金属材料を選択すると良い。このめっきにより、シード膜21の一部にめっき膜23を積層させた接触子3のばね部3aが形成される。
【0055】
ここで、ばね部形成工程において形成される接触子3のばね部3aの頂部は、接触子3の接触部3bとなる。この接触部3bの形状は、ミリング被膜22の形状および形成位置に依存する。したがって、図9に示すように、ミリング被膜22の形状を平面視扇形とし、球殻のシード膜21の極点21cがその扇形のミリング被膜22の内部に位置するような大きさおよび配置に設定すると、接触部3bが電極パッド11と平行になるような形状に形成される。
【0056】
その一方、図10または図11に示すように、その扇形状に形成されたミリング被膜22の外部に球殻のシード膜21の極点21cが位置するような大きさおよび配置に設定すると、ばね部3aの頂部の先端または先端周縁の稜線4を接触部3bとして接触部3bが電極パッド11と接触するような形状に形成される。
【0057】
なお、必須工程ではないが、ばね部3aの接触部3bとして図7に示すような突起を形成する場合、ばね部形成工程の後に当該突起をめっき形成しても良い。
【0058】
現時点において、接触子3のばね部3aの好適な形状としては、図1から図3に示すような、球殻をその極点21c付近を通過しながらその中心軸と平行に複数切断して得られる半球殻よりも小さな弓型個片と同様の形状と考えられる。
【0059】
次に、本実施形態のプローブカード1の作用を説明する。
【0060】
本実施形態のプローブカード1においては、例えば図1から図3に示すように、弓形状のばね部3aを有する接触子3が形成されている。ウェハテストの対象となるチップ10の電極パッド11に接触子3が接触すると、弓形状のばね部3aが垂直方向にたわむので、接触子3に垂直方向の弾性力を発揮させることができる。
【0061】
接触子3の弾性変形の態様は、そのばね部3aの形状に大きく依存する。上記の通り、図1または図2に示すように、ばね部3aの中途部3dからその頂部に向かってその幅が小さくなるようにばね部3aを形成すると、釣り竿の形状効果と同様、先端がたわみやすく、中途部3dがたわみにくいばね部3aを形成することができる。同様に、ばね部3aの中途部3dからその底部3cに向かってその幅が小さくなるようにばね部3aを形成すると、底部3cがたわみやすく、中途部3dがたわみにくいばね部3aを形成することができる。
【0062】
さらに、図1に示すように、先端および底部3cの幅が狭く、中途部3dの幅が広い場合、接触子3が押圧された際にばね部3aの先端を水平方向に移動させずに垂直方向にスライドすることができる。例えば、接触子3のばね部3aが、球殻をその極点21c付近を通過しながらその中心軸と平行に複数切断して得られる半球殻よりも小さな弓型個片と同様の形状に形成されていると、先端および底部3cがたわみやすいシングルアームパンタグラフ状のばね部3aが形成されるので、接触子3の幅を拡大することなく、垂直方向へのストローク量の大きい接触子3を形成することができる。
【0063】
接触子3の接触部3bの形状を変化させることによっても種々の効果が期待できる。ばね部3aの頂部の表面を接触部3bとした場合、図4に示すように、接触部3bが電極パッド11と平行になるような形状に形成されていることが好ましい。こうすることにより、電極パッド11との接触面を大きくすることができる。それに対し、図5または図6に示すように、ばね部3aの頂部の先端または先端周縁の稜線4を接触部3bとした場合、接触部3bが電極パッド11と接触するような形状に形成されていることが好ましい。これによれば、接触部3bが鋭利になるので、接触部3bと接触パッドの接触により電極パッド11の表面に形成された酸化膜が切削されるので、良好な導電性を確保することができる。
【0064】
次に、本実施形態のプローブカード1の製造方法の作用を説明する。
【0065】
本実施形態のプローブカード1の製造方法においては、図8に示すように、複数の工程を経てプローブカード1の配線板2に接触子3が形成される。ここで、図8E(a)および(b)に示すように、ミリング被膜22が平面視において球殻形状のシード膜21の一部に形成されているため、ばね部3aを形成するシード膜21が球殻形状から弓形状に形成される。その結果、図8Hに示すように、シード膜21の一部をめっきすることにより、ばね部3aが弓形状に形成されるので、簡易な構造により垂直方向の弾性力を発揮させる接触子3をプローブカード1に形成することができる。
【0066】
また、略球殻形のシード膜21を形成する型となる略球形のレジスト球20は、レジスト柱を熱硬化させることにより形成される。このレジスト柱は、その直径をRとし、その高さをHとした場合、H/R≒2を満たす寸法に形成されていることが好ましい。上記条件を満たす場合、真球に近い球形のレジスト球20を形成することができる。
【0067】
上記の結果は、図12に示されている。また、レジスト柱30の高さを一定にしてその直径Rを異ならせて得たレジスト球20の形状を図13に示している。図12において、X軸はレジスト柱30の円柱半径R/2を示しており、Y軸はレジスト球20の半径rを示している。レジスト柱30の熱硬化前後において体積は理論上同じであるから、円柱の体積の公式と球体の体積の公式とをイコールで結び、レジスト球20の理論半径rを求めると、「r3=3R2h/16」となる(なお、レジスト柱30を熱硬化させるとレジストの特定成分が揮発し、残存成分が互いに結合するので、レジスト柱30の収縮が生じる。そのため、実際にはレジスト柱30の熱硬化前後においてそれらの体積は異なるが、真球に近い球形のレジスト球20を得るための計算においては体積変化がないと擬制しても問題はない。また、配線板2と接するレジスト柱30の底部の大きさはあまり変化しないので、熱硬化後のレジスト柱30は配線板側の一部を切り落とした略球形になり、正確にはレジスト球20が真球になって配線板2と点接触するといったことはないが、これについても上記計算においては問題はない。)。このレジスト球20の理論半径rと実測半径との交点を求めると、R/2≒25、r≒35であるから、H/R≒2を満たすレジスト柱30から真球に近い球形のレジスト球20を形成することができることが明らかである。これは、図13に示したレジスト球30の形状からも同様のことが言える。
【0068】
なお、本実施形態のプローブカード1の製造方法においては、ばね部3aの頂部の表面を接触部3bとした場合の接触部3bの作用効果、ばね部3aの頂部の先端または先端周縁の稜線4を接触部3bとした場合の作用効果、および、球殻切断により得られた弓型個片形状に係るばね部3aの作用効果については、上記で説明した通りである。
【0069】
すなわち、本実施形態のプローブカード1によれば、弓形のばね部3aがたわむことによって接触子3が弾性力を発揮するので、プローブカード1に設けられた接触子3の構造を簡易にすることができるという効果を奏する。
【0070】
また、本実施形態のプローブカード1の製造方法によれば、略球形状のレジスト球20の表面をめっき型としてばね部3aを形成しているので、弓形のばね部3aを有するプローブカード1の接触子3を容易に形成することができる。これにより、弓形のばね部3aを有する簡易構造の接触子3を備えたプローブカード1を容易に製造することができるという効果を奏する。
【0071】
なお、本発明は、前述した実施形態などに限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0072】
1 プローブカード
2 配線板
2a 配線端子
3 接触子
3a ばね部
3b 接触部
3c 底部
3d 中途部
4 稜線
10 チップ
11 電極パッド
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線板から起立しており水平方向に湾曲する弓形状に形成されているばね部を有する接触子を備えている
ことを特徴とするプローブカード。
【請求項2】
前記接触子のばね部は、前記ばね部の中途部からその頂部に向かってその幅が小さくなるように形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のプローブカード。
【請求項3】
前記接触子のばね部は、前記ばね部の中途部からその底部に向かってその幅が小さくなるように形成されている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプローブカード。
【請求項4】
前記接触子のばね部は、前記ばね部の頂部の表面を前記接触部として前記接触部が電極パッドと平行になるような形状に形成されている
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のプローブカード。
【請求項5】
前記接触子のばね部は、前記ばね部の頂部の先端または前記先端周縁の稜線を前記接触部として前記接触部が電極パッドと接触するような形状に形成されている
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のプローブカード。
【請求項6】
前記接触子のばね部は、球殻をその極点付近を通過しながらその中心軸と平行に複数切断して得られる半球殻よりも小さな弓型個片と同様の形状に形成されている
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のプローブカード。
【請求項7】
プローブカードに用いられる配線板の表面にレジスト材を用いて形成されたレジスト柱を熱硬化することにより、球、楕円球その他の球に近似した略球形状のレジスト球を形成するレジスト球形成工程と、
前記レジスト球の全表面をスパッタしてシード膜を形成するシード膜形成工程と、
前記シード膜にレジスト除去孔を形成するレジスト除去孔形成工程と、
前記レジスト除去孔から前記レジスト球を除去するレジスト球除去工程と、
前記レジスト除去孔形成工程の前後いずれかにおいて前記配線板の垂直方向からみた前記シード膜の一部にミリング被膜を形成するミリング被膜形成工程と、
前記レジスト球除去工程および前記ミリング被膜形成工程の終了後において前記シード膜に対して前記垂直方向からミリングすることにより前記ミリング被膜が形成された前記シード膜の一部以外の部分を除去するシード膜部分除去工程と、
前記シード膜部分除去工程後に不要な前記ミリング被膜を除去するミリング被膜除去工程と、
前記ミリング被膜除去工程後において残された前記シード膜の一部に金属製弾性部材をめっきすることにより、前記シード膜の一部に金属製弾性膜を積層した接触子のばね部を形成するばね部形成工程と
を備えることを特徴とするプローブカードの製造方法。
【請求項8】
前記レジスト柱は、その直径をRとし、その高さをHとした場合、H/R≒2を満たす寸法に形成されている
ことを特徴とする請求項7に記載のプローブカードの製造方法。
【請求項9】
前記接触子のばね部は、前記ばね部の頂部の表面を前記接触部として前記接触部が電極パッドと平行になるような形状に形成されている
ことを特徴とする請求項7または請求項8に記載のプローブカードの製造方法。
【請求項10】
前記接触子のばね部は、前記ばね部の頂部の先端または前記先端周縁の稜線を前記接触部として前記接触部が電極パッドと接触するような形状に形成されている
ことを特徴とする請求項7または請求項8に記載のプローブカードの製造方法。
【請求項11】
前記接触子のばね部は、球殻をその極点付近を通過しながらその中心軸と平行に複数切断して得られる半球殻よりも小さな弓型個片と同様の形状に形成されている
ことを特徴とする請求項7から請求項10のいずれか1項に記載のプローブカードの製造方法。
【請求項1】
配線板から起立しており水平方向に湾曲する弓形状に形成されているばね部を有する接触子を備えている
ことを特徴とするプローブカード。
【請求項2】
前記接触子のばね部は、前記ばね部の中途部からその頂部に向かってその幅が小さくなるように形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のプローブカード。
【請求項3】
前記接触子のばね部は、前記ばね部の中途部からその底部に向かってその幅が小さくなるように形成されている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプローブカード。
【請求項4】
前記接触子のばね部は、前記ばね部の頂部の表面を前記接触部として前記接触部が電極パッドと平行になるような形状に形成されている
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のプローブカード。
【請求項5】
前記接触子のばね部は、前記ばね部の頂部の先端または前記先端周縁の稜線を前記接触部として前記接触部が電極パッドと接触するような形状に形成されている
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のプローブカード。
【請求項6】
前記接触子のばね部は、球殻をその極点付近を通過しながらその中心軸と平行に複数切断して得られる半球殻よりも小さな弓型個片と同様の形状に形成されている
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のプローブカード。
【請求項7】
プローブカードに用いられる配線板の表面にレジスト材を用いて形成されたレジスト柱を熱硬化することにより、球、楕円球その他の球に近似した略球形状のレジスト球を形成するレジスト球形成工程と、
前記レジスト球の全表面をスパッタしてシード膜を形成するシード膜形成工程と、
前記シード膜にレジスト除去孔を形成するレジスト除去孔形成工程と、
前記レジスト除去孔から前記レジスト球を除去するレジスト球除去工程と、
前記レジスト除去孔形成工程の前後いずれかにおいて前記配線板の垂直方向からみた前記シード膜の一部にミリング被膜を形成するミリング被膜形成工程と、
前記レジスト球除去工程および前記ミリング被膜形成工程の終了後において前記シード膜に対して前記垂直方向からミリングすることにより前記ミリング被膜が形成された前記シード膜の一部以外の部分を除去するシード膜部分除去工程と、
前記シード膜部分除去工程後に不要な前記ミリング被膜を除去するミリング被膜除去工程と、
前記ミリング被膜除去工程後において残された前記シード膜の一部に金属製弾性部材をめっきすることにより、前記シード膜の一部に金属製弾性膜を積層した接触子のばね部を形成するばね部形成工程と
を備えることを特徴とするプローブカードの製造方法。
【請求項8】
前記レジスト柱は、その直径をRとし、その高さをHとした場合、H/R≒2を満たす寸法に形成されている
ことを特徴とする請求項7に記載のプローブカードの製造方法。
【請求項9】
前記接触子のばね部は、前記ばね部の頂部の表面を前記接触部として前記接触部が電極パッドと平行になるような形状に形成されている
ことを特徴とする請求項7または請求項8に記載のプローブカードの製造方法。
【請求項10】
前記接触子のばね部は、前記ばね部の頂部の先端または前記先端周縁の稜線を前記接触部として前記接触部が電極パッドと接触するような形状に形成されている
ことを特徴とする請求項7または請求項8に記載のプローブカードの製造方法。
【請求項11】
前記接触子のばね部は、球殻をその極点付近を通過しながらその中心軸と平行に複数切断して得られる半球殻よりも小さな弓型個片と同様の形状に形成されている
ことを特徴とする請求項7から請求項10のいずれか1項に記載のプローブカードの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−223686(P2010−223686A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−69783(P2009−69783)
【出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】
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