説明

ヘアケア組成物および毛髪処理の方法

本発明は、頭髪の処理のための組成物、キット、および方法を提供する。組成物は、適切な賦形剤内にフッ素化された(しかし、過フッ素化されていない)、重合化されていない組成物を含み、髪に有益な効果を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2007年10月22日出願の米国暫定特許出願第60/981,625号、2007年10月22日出願の米国暫定特許出願第60/981,632号、および2008年6月26日出願の米国特許出願第12/147,397号の優先権を主張し、これらの出願は参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、毛髪処理のための組成物、キット、および方法に関するものである。より具体的には、本発明は、下記の化合物を使用した毛髪処理のための組成物、キット、および方法を含むが、重合化の効果を与える薬剤を含まない。
【0003】
本発明は、長持ちする耐湿性をもたらす新規な組成物をさらに提供し、この組成物は、自然な毛髪よりも汚れ粒子に反発し、一方で、同時に残留物がはるかに少なく、かつ長持ちする光沢を作り出す。
【背景技術】
【0004】
ヘアケア産業は、米国内だけでも数十億ドル規模の産業である。該産業は、シャンプー、ジェル、ムース、ローション、スプレー、コンディショナー、ヘアカラー製品、ポマード、セラム、ワックス、および修復製品を含む多大な品揃えのヘアケア製品の開発、生産、およびマーケティングを含む。これらの製品のほとんどは、ユーザーの毛髪への塗布に際して所望の特性を付与するために、既形成重合体を利用している。例えば、毛髪に光沢を与える、毛髪をスタイリングする、ヘアスタイルを保持する、毛髪に所望の質感もしくは感触を与える、ヘアカラーを際立たせる、毛髪を調整する、素早くセットできるように毛髪を乾燥させる、毛髪をまっすぐ延ばすもしくは滑らかにする、毛髪をやわらかくする、毛髪を強くする、処理しにくい毛髪を扱いやすくする、光学的性質を強化する、毛髪に保持力を提供する、縮れの調整を提供する、および/または損傷した毛髪を修復するために重合体が使用される。
【0005】
上述の有用な特質の一部は、ケラチンおよび特に頭髪に対する高い親和力を有するシリコーンまたは他のコンディショニング剤を含む組成物の使用により既存のヘアケア製品に提供されてきた。こうした化合物には、シクロメチコン、ジメチコノール、ジメチコン、シクロペンンタシロキサン、シクロメチコン、トリメチルシロキフェニル、ジメチコノール、シクロペンンタシロキサンジメチコンコポリオール等のシリコーンを含むがこれに限らない。しかしながら、毛髪のようなケラチン繊維上のこのような組成物のコーティングは、しばしば不快な粘着性のある感触を有し、かつ例えば手が毛髪を通過した時に、転移により容易に失われる場合もまたある。加えて、こうした転移の結果、毛髪は汚れた、べたべたした、または粘着性のある印象を与える場合がある。また、こうしたシリコーン化合物および重合体の使用の効果は、毛髪をシャンプーすることによって取り除かれるため長持ちせず、したがって組成物の毛髪への塗布を、例えばリンス、洗髪、またはシャンプーの後、繰り返す必要がある。
【0006】
毛髪を特定のアクリレート単量体で処理し、かつ毛髪をその場でフリーラジカル重合により重合化する試みが行われてきた。例えば、米国特許第3,676,550号は、特定のアクリレートおよびメタクリレート組成物の毛髪処理剤としての使用を開示している。これらの組成物は、「不活性溶媒」(10〜90%の水を含み、残余は水混和性有機溶媒である)を採用している。
【0007】
残念ながら、その場でのフリーラジカル重合化を採用する組成物および方法は、強い薬品が関与するために、毛髪を劣化させる傾向がある。こうした組成物および方法に対して報告された別の問題は、採用された薬品が毛髪および/もしくは皮膚を刺激することならびに/またはこれらに有害であること、および毛髪にざらざらした感触を残すこと、ならびに毛髪の脱色を生じることである。さらに、こうした毛髪処理剤の多くが、処置の前に毛髪の減少を伴う場合があり、これはさらなる毛髪の損傷を発生させる。
【0008】
その場での重合化に関与する強い薬品および/または条件を避けるための一つの手段は、こうした開始剤を必要としない単量体を避けることであったが、その代わり水分(水)の存在下で容易に重合化する単量体を採用することであった。したがって、米国特許第5,082,010号は、毛髪処理剤としてシアノアクリレートを使用してきたことを示している。シアノアクリレート単量体は、水分の存在下で容易に重合化し、「瞬間接着剤」と言われている。「Crazy Glue(クレージーグルー)」(2−シアノアクリレート)は、こうした一例である。加えて、医療用接着剤、2−オクチルシアノアクリレートは、手術で使用する創傷接着剤として使用するためにFDAの認可を受けている。空中の、または生体液もしくは生物組織からの水分との接触は、こうしたシアノアクリレートの重合化に対して十分である。
【0009】
したがって、既存のヘアケア処理は、数多くの技術的な限界に悩まされている。これらの技術的な限界に加えて、既存のヘアケア処方の使用の機能的な限界および欠点がある。多くのヘアケア製品に共通する一つの問題は、有効性および有効期間が不十分なことである。例えば、既存のヘアケア処理は、強固ではなく、一日でその効果を失う可能性がある。多くの処理は、水に、または過度の湿度への暴露により、その有効性を失う。加えて、多くの毛髪処理は、毛髪を押し下げ、剥がれ落ち、見えない残渣を残し、迅速な乾燥およびセッティングを失敗させ、適切な保持を提供せず、処理しにくい毛髪に対しては効果的でない(例えば、天然パーマ)。これらの問題の一部を克服するために処理が開発されてきたが、一般的にこれらは、毛髪を損傷する可能性がある還元剤および/または酸化剤により毛髪を永久的に処理することを含んでいる。したがって、依然として、一般的なユーザーの日常の困難を克服し、様々な環境において毛髪繊維を損傷することなく有効性を維持する毛髪処理の必要がある。毛髪処理が長持ちし、毛髪を押し下げず、剥がれ落ちず、いかなる望ましくない残渣を残さないことが好ましい。さらに、毛髪処理は、比較的早く乾燥およびセッティングし、適切な保持を供給し、かつ処理しにくい毛髪を扱うことができることが好ましい。
【発明の概要】
【0010】
本明細書に記述されるように、毛髪に塗布され、毛髪製品の消費者にとって望ましい効果および特性を作り出す特定の有機化学化合物が発見された。該化合物は、好ましくは、一般的にヘアケア製品に使用されているもののような重合体ではない。該化合物は、フッ素化されているが、過フッ素化されてはいない。特定の実施形態では、本明細書に記述された化合物の組み合わせは、毛髪を処理するために使用される。本発明の組成物、キット、および方法は、頭髪に対して特に望ましい数多くの有用な効果を提供し、その効果には以下のものが含まれる。(1)毛髪への水分の透過の制御(縮れの制御)、(2)毛髪にざらざらした感触無しに柔らかい感触を提供する(コンディショニング)、(3)毛髪への光沢の増加、(4)毛髪の色の強化、(5)毛髪のべたべたした感触の回避(およびこれに続く毛髪への汚れの蓄積の防止)、(6)迅速な乾燥およびセッティング、(7)毛髪のスタイルの作成および/または保持の補助の可能性、(8)毛髪の強度の追加、(9)わずかな量の残渣(のみを残すすなわち「無重量化」)、(10)毛髪を剥がれ落とさない、(11)1日より長い間、5日より長い間におよび保持する、(12)毛髪の表面エネルギーに、減少を含めて、影響する、(13)処置しにくい毛髪に取り扱う可能性を与え、加えて損傷した毛髪を修復する、(14)保持の提供、(15)形態の提供。
【0011】
一実施形態では、発明は、過フッ素化されていない、重合化されていない化学式(I)の化合物を含む毒性の無い組成物を美容的に許容できる賦形剤とともに毛髪に塗布するステップを含む、頭髪を処理する方法であって、
【0012】
【化1】

【0013】
式中XはCH2、CHCH3、およびCCH3CH3からなる群から選択され、
式中、R1およびR2は、水素、環式もしくは非環式C1〜C20脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20へテロ脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20アシル、C1〜C20アリール、C1〜C20ヘテロアリール、−OC(=O)Rであって、式中、Rは、アルケニルラジカルであるもの、−COORA、−C(=O)RA、−OH、−NRBC、および−CONRBCからなる群から独立に選択されるものであって、式中RA、RB、およびRCは、水素、環式もしくは非環式C1〜C20脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20へテロ脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20アシル、C1〜C20アリール、C1〜C20ヘテロアリールからなる群から独立に選択されるものであって、基は置換基であってもよく、または非置換基であってもよく、式中R1およびR2は、置換であってもよく、または非置換であってもよく、R1およびR2はともに少なくとも3つの炭素原子を含むように提供され、R1およびR2はともに全部で少なくとも4つのフッ素原子により置換され、R1およびR2はともに1つ以下の芳香環構造を含み、かつ化学式(I)の化合物はSi−O結合を含まずに提供され、ポリエーテル、酸フッ化物、オキシアセトアミド、もしくは炭酸塩ではない、方法である。
【0014】
特定の実施形態では、R1およびR2のうちの少なくとも1つが、−COORA、−C(=O)RA、−OH、−NRBCまたは−CONRBCにより置換され、式中RA、RB、およびRCは、水素、環式もしくは非環式C1〜C20脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20へテロ脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20アシル、C1〜C20アリール、およびC1〜C20ヘテロアリールからなる群から独立に選択され、基は置換基であってもよく、非置換基であってもよい。
【0015】
別の態様では、過フッ素化されていない、非重合体の化合物は、水分に対する抵抗の指標である水分流束の減少を提供するように、美容的に許容できる賦形剤とともに毛髪に塗布される。別の態様では、過フッ素化されてはいない、非重合体の化合物は、汚れに対する抵抗を提供するように、美容的に許容できる賦形剤とともに毛髪に塗布される。別の態様では、過フッ素化されていない、非重合体の化合物は、毛髪上に実質的に他のヘアケア製品より少ない、組成物の無重量であることの指標である、残渣を提供するように、美容的に許容できる賦形剤とともに毛髪に塗布される。
【0016】
特定の実施形態では、本発明による方法は、化合物を塗布した後、毛髪をリンスするステップからなるステップを採用しない。
【0017】
本発明による特定の実施形態では、化学式(I)の化合物を含む組成物は、組成物の重合化が実質的に無い条件の下で毛髪に塗布される。
【0018】
特定の実施形態では、本発明による方法は、約160℃を超える温度を発する加熱源により毛髪を加熱するステップを採用せず、そしてさらにより好適には、毒性の無い組成物を塗布した後、約120℃を超える温度を発する加熱源により毛髪を加熱するステップを持たない。
【0019】
本発明は、上述の化学式(I)の化合物を含む少なくとも1つの毒性の無い組成物、およびキットの使用説明を含む、頭髪を処理するためのキットもまた提供し、該使用説明は、上述のように、毛髪をリンスする、毛髪を加熱する、または重合化開始剤を使用する指示をしない。
【0020】
本発明は、発明に関する適切な賦形剤を含んだ美容ヘアケア組成物内のフッ素化した化合物の処方もまた提供する。
【0021】
本明細書の試験および比較試験に使用された実施例では、化合物は、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルメタクリレートである。「ヘアスプレーA」は実施例29に対応し、「ヘアスプレーB」は実施例30に対応し、「ヘアクリームA」は実施例31に対応し、「ヘアクリームB」は実施例32に対応し、「ヘアクリームC」は実施例33に対応し、「ヘアクリームD」は実施例34に対応する。
【0022】
別の実施形態では、本発明は、毛髪の水分流束が減少するように、ヘアケア組成物を塗布するステップを含む頭髪を処理する方法である。特定の実施形態では、該方法により処理された毛髪は、少なくとも4%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも50%、または少なくとも80%の水分流束の減少を有する。
【0023】
水分流束の減少は、本明細書に記述されたプロトコルに従って測定され、水分に対する抵抗の指標を提供する。したがって、本発明による方法は、縮れを減少するために使用されてもよい。
【0024】
さらに別の態様では、方法は、重量の追加の減少をもたらすヘアケア組成物を頭髪に塗布するステップを含む。実施形態では、該方法によって処理された毛髪は、15%未満、10%未満、7%未満、または5%未満の重量の追加を有する。重量の追加は、本明細書に記述されたプロトコルに従って測定され、汚れの蓄積に対する抵抗の指標を提供する。重量の追加がより少ない毛髪は、汚れに対してより抵抗力がある。
【0025】
さらに別の実施形態では、本発明は、無重量化の感触をより強く提供する、ヘアケア組成物を塗布するステップを含む毛髪を処理する方法である。無重量化は、本明細書に記述されたプロトコルによって測定される、組成物の重量削減により特徴付けられる場合がある。本発明による実施形態では、該組成物は、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも70%、少なくとも80%、または少なくとも90%の重量削減を提供する。
【0026】
本発明は、例えば、顎鬚、脚、および腋の下などの、身体のあらゆる部分の毛を剃るときの補助となるように毛髪の潤滑に役立てるために使用することができる新規な組成物もまた提供する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本発明の特徴および利点は、同一のまたは機能的に同様な要素を伴う図面とともに用いることによって、下記に添付された発明を実施するための形態によりさらに明白になる。
【図1】本発明による一実施形態および競合他社の製品に対する、水と比較したDVS等温ヒステリシスを示すプロットである。
【図2】無重量化試験Iに従って試験したときの、本発明による処方および競合他社の製品である、55℃における、スプレー/セラムおよびクリームに対して、それぞれ10分および30分の乾燥時間後に残留している質量のパーセントである。
【図3】本発明による実施形態および競合他社の製品に対するスターチ試験I(n=3)によって試験された、毛髪の房の重量の追加のパーセントである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
一実施形態では、本発明は、過フッ素化されていない、重合化されていない化学式(I)の化合物を含む毒性の無い組成物を美容的に許容できる賦形剤とともに毛髪に塗布するステップを含む、頭髪を処理する方法であって、
【0029】
【化2】

【0030】
式中XはCH2、CHCH3、およびCCH3CH3からなる群から選択され、
式中R1およびR2は、水素、環式もしくは非環式C1〜C20脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20へテロ脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20アシル、C1〜C20アリール、C1〜C20ヘテロアリール、−OC(=O)Rであって、式中、Rは、アルケニルラジカルであるもの、−COORA、−C(=O)RA、−OH、−NRBC、および−CONRBCからなる群から独立に選択されるものであって、式中RA、RB、およびRCは、水素、環式もしくは非環式C1〜C20脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20へテロ脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20アシル、C1〜C20アリール、およびC1〜C20ヘテロアリールからなる群から独立に選択されるものであって、基は置換基であってもよく、または非置換基であってもよく、式中R1およびR2は、置換であってもよく、または非置換であってもよく、R1およびR2はともに少なくとも3つの炭素原子を含むという条件で、R1およびR2はともに全部で少なくとも4つのフッ素原子により置換され、R1およびR2はともに1つ以下の芳香環構造を含み、かつ化学式(I)の化合物はSi−O結合を含まないという条件で、ポリエーテル、酸フッ化物、オキシアセトアミド、もしくは炭酸塩ではない、方法である。
【0031】
化学式(I)内のR1およびR2は、下記のR1’およびR2’と同じ一般的定義を有してもよい。
【0032】
特定の実施形態では、R1およびR2の一方または両方は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シアノ、ハロ、ホルミル、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、−NH2、−N(H)アルキル、−N(アルキル)2、−C(=O)OH、−C(=O)Oアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、およびアルコキシアルキルからなる群から選択される、0個、1個、または2個の置換基によって置換されてもよい。
【0033】
実施形態では、R1およびR2のうちの少なくとも1つが、−COORA、−C(=O)RA、−OH、−NRBCまたは−CONRBCにより置換され、式中RA、RB、およびRCは、水素、環式もしくは非環式C1〜C20脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20へテロ脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20アシル、C1〜C20アリール、およびC1〜C20ヘテロアリールからなる群から独立に選択され、基は置換基であってもよく、非置換基であってもよい。
【0034】
例えば、RA、RBおよびRCのうちの1つ以上は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シアノ、ハロ、ホルミル、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、−C(=O)OH、−C(=O)Oアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、およびアルコキシアルキルからなる群から選択される、0個、1個、または2個の置換基によって置換されてもよい。
【0035】
特定の実施形態では、毛髪は、化学式(I)によるアクリレート、またはメタクリレート化合物を含む組成物により処理され、式中R1およびR2は、化学式(II)による化合物を産出するように選択され、
【0036】
【化3】

【0037】
式中、R11は水素またはメチルであって、所望により1つ以上フッ素で置換したもの、およびR12は、環式もしくは非環式、置換もしくは非置換、分岐状もしくは非分岐状脂肪族、環式もしくは非環式、置換もしくは非置換、分岐状もしくは非分岐状ヘテロ脂肪族、置換もしくは非置換、分岐状もしくは非分岐状アシル、置換もしくは非置換アリール、および置換もしくは非置換ヘテロアリールからなる群から選択されるラジカルであり、R12は化学式(I)の「X」部分を含む。
【0038】
本発明の方法は、好適には約0.1重量%を超える、より好適には約0.01重量%を超える、さらにより好適には約0.01重量%を超える、室温以上で活性化される加熱活性化開始剤、および室温で活性である開始剤、からなる群から選択される、フリーラジカル開始剤を含む組成物を塗布するステップを採用しない。
【0039】
本発明の方法は、約0.1重量%を超える、好適には約0.01重量%を超える、さらにより好適には約0.001重量%を超える、周辺光の下で活性化するuv活性化フリーラジカル開始剤を含む組成物を塗布するステップを含むステップを、好適には採用しない。
【0040】
特定の実施形態では、本発明の方法は、毒性の無い組成物を塗布するステップの後、約160℃より高い温度を発する加熱源、さらにより、好適には約120℃より高い温度を発する加熱源により毛髪を加熱するステップを含むステップを、好適には採用しない。
【0041】
好適な実施形態では、上述の化学式(I)のR12は、少なくとも4個のフッ素原子を含む。
【0042】
好適な実施形態では、上述の化学式(I)の化合物は、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキシルジメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキシルジアクリレート、1H,1H,11H−エイコサフルオロウンデシルアクリレート、1H,1H,11H−エイコサフルオロウンデシルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロール-1,6−ヘキシルジアクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキシルジメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルアクリレート、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロ−1,5−ペンチルジアクリレート、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロ−1,5−ペンチルジメタクリレート、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチルアクリレート、および1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチルメタクリレートからなる群から選択される。
【0043】
好適な実施形態では、化学式(I)の化合物は、オクタフルオロペンチルメタクリレートである。さらに、より好適には、化学式(I)による化合物は、
【0044】
【化4】

【0045】
である。
【0046】
本明細書に記述された特徴における、上述の化学式(I)の化合物を含む毒性の無い組成物に関する好適な実施形態は、上述の各個別の化合物にすべて適用可能である。例えば、本発明の方法は、上述の各個別の化合物に対して適用され、該方法は、室温以上の温度で活性化する加熱活性化開始剤、および室温で活性である開始剤からなる群から選択される、約0.01重量%を超えるフリーラジカル開始剤含む組成物を塗布するステップを採用しない。例えば、本発明の方法は、上述の各個別の化合物に対して適用され、該方法は、毒性の無い組成物を塗布するステップの後、約120℃より高い温度を発する加熱源により毛髪を加熱するステップを採用しない
【0047】
本発明は、上述の化学式(I)の化合物を含む毒性の無い組成物を毛髪に塗布するステップを含む頭髪を処理する方法もまた提供し、該方法は、該化合物を塗布するステップの後、該毛髪をリンスするステップを含むステップを採用しない。好適には、方法は、化合物を塗布した後、少なくとも30分から数時間、例えば、約1時間、2時間、3時間、または4時間以内に毛髪をリンスするステップを含むステップを採用しない。
【0048】
本発明は、上述の化学式(I)の化合物を含む毒性の無い組成物を、該化合物の実質的な重合化を含まない条件下で毛髪に塗布するステップを含む頭髪を処理する方法もまた提供する。
【0049】
本発明のさらに別の実施形態は、化学式(I)の化合物、または美容的に許容できる賦形剤を伴う活性成分としてのその混合物を含む毛髪を処理するための組成物を提供する。化学式(I)のフッ素化された化合物、またはその混合物は、組成物の0.001重量%〜20重量%、好適には0.01重量%〜10重量%、より好適には組成物の0.1重量%〜5重量%、さらにもっとも好適には組成物の約1重量%〜約3重量%の量で供給されてもよい。この組成物は、実質的にフリーラジカル開始剤、重合化開始剤、または実質的な重合化を生じる重合化触媒の存在が欠如している。
【0050】
本発明は、本発明のヘアケア処方に基づく、毛髪の処理に使用されるキットもまた提供する。別の態様では、本発明は、本発明の美容ヘアケア組成物および毛髪を処理する際の組成物の取り扱い説明を含むキットを提供する。キットは、1回の使用または複数回の使用に対して十分な処方を含んでもよい(例えば、約2回,3回,4回,5回,10回,15回,20回、または50回)。キットは、以下の構成要素のいずれか、またはすべてを含んでもよい。すなわち、ヘアケア組成物、チューブ、ボトル、スプレーボトル、ブラシ、ヘアドライヤー、容器、および取り扱い説明書である。キットの処方は、ローション、ムース、溶液、ジェル、ポマード、セラム、ワックス、乳液、懸濁液、ポンプ式のヘアスプレー、エアゾルスプレー、および非エアゾルスプレー(例えば、噴霧機)としてパッケージされていてもよい。ヘアケア処方は一般的に、輸送のため、および/または組成物の塗布のために適切な容器内に便利なようにパッケージされている。例えば、組成物はポンプスプレーボトル、またはスプレー缶の中に入れて提供されてもよい。特定の実施形態では、最終使用者によって使用されるために、本発明に従った使用のための取り扱い説明を添えて、キットは便利なようにパッケージされる。特定の実施形態では、キットは、処理された毛髪で望ましい特性を作り出すために、適合される。キットは、ヘアダイ、シャンプー、コンディショナー、ジェル、ムース、ポマード、セラム、ワックス等を含む他のヘアケア製品を含んでもよい。キットは、本発明のヘアケア組成物とともに、毛髪を処理するために必要なすべての材料もまた含んでもよい。キットは、ヘアスタイリストの店、または家庭で使用するために便利なようにパッケージされた材料を含んでもよい。
【0051】
特定の実施形態では、本発明のキットの取り扱い説明は、毒性の無い組成物を塗布した後、約160℃を超える、好適には約120℃を超える温度を発する加熱源により毛髪を加熱すること、化合物を塗布した後、少なくとも30分から数時間、例えば、約1時間、2時間、3時間、または4時間、以内に毛髪をリンスすることを指示しない。好適には、キットは、効果的な量の、室温以上で活性化する加熱活性化開始剤、または室温で活性である開始剤等の重合化開始剤を含む組成物を塗布する指示を含まない。好適な実施形態により、本発明によるキットとともに提供された取り扱い指示に従うことにより、化合物の実質的な重合化は生じない。
【0052】
実質的な単量体化合物の重合化を起こさないようにするためには、1つ以上の重合化阻害剤の添加、もはや十分な数のフリーラジカルがなくなるまで十分な時間待ちその効果での終了、反応物の内容物を冷却してフリーラジカルの反応性の制限、およびそれらの組み合わせを含む数多くの手段がある。好適な手段は、例えばN,N−ジエチルヒドロキシラミン、N−ニトロソジフェニルアミン、2,4−ジニトロフェニルヒドラジン、p−フェニレンエジアミン、フェナチアジン、アロオシメン、トリエチルフォスフェート、4−ニトロソフェノール、2−ニトロフェノール、p−アミノフェノール、4−ヒドロキシテンポ(4−ヒドロキシ−2,2,6,6,テトラメチルピペリヂンイルオキシ、フリーラジカルとしても知られる)、ヒドロキノン、p−メトキシヒドロキノン、tert−ブチル−p−ヒドロキノン、2,5−di−tert−ブチル−p−ヒドロキノン、1,4−ナフタレンジオール、4−tert−ブチルカテコール、硫酸銅、硝酸銅、クレゾール、およびフェノール等を含む、1つ以上の重合化阻害剤の添加に関与する。使用される場合、重合化阻害剤または還元剤は、あらゆる重合化を実質的に停止するために有効な量、すなわち重合体固体に対して一般的に25〜5000百万分率(「ppm」)、好適には50〜3500ppm添加される。
【0053】
特定の実施形態によると、本発明は頭髪を処理する方法を提供し、化学式(I)の化合物は、
【0054】
【化5】

【0055】
の構造を有するエステルであり、式中R1およびR2は本明細書に定義された通りであり、RAEが水素でないとき以外は、RAEはRAと同等に定義される。
【0056】
特定の実施形態によると、本発明は頭髪を処理する方法もまた提供し、化学式(I)の化合物は、
【0057】
【化6】

【0058】
の構造を有するアルコールであり、式中R1およびR2は本明細書に定義された通りである。
【0059】
別の実施形態では、本発明による組成物は、
【0060】
【化7】

【0061】
の構造を有するエーテルであり、式中R1、R2、およびRAは本明細書に定義された通りである。したがって、化学式(I)は、R1およびR2は独立に−ORAによって置換されてもよく、または置換されなくてもよく、式中RAは、環式もしくは非環式C1〜C20脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20へテロ脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20アシル、C1〜C20アリール、およびC1〜C20ヘテロ脂肪族からなる群から選択され、これらのいずれかの基は置換基であってもよく、非置換基であってもよいように定義されてもよい。化学式(I)による化合物が、単一のエーテル酸素を含むエーテルである場合、該化合物は、25℃において5mPaより大きい粘度を有し、所望により10mPaより大きい粘度を有し、さらに所望により25℃において20mPaより大きい粘度を有する。好適な実施形態では、該エーテル化合物は、該組成物中の別のフッ素を含む活性化合物の溶媒ではない。
【0062】
同様に、好適な実施形態によると、本発明による組成物は、2つ以上のエーテル部分(2つの隣接する炭素基の間に結合された酸素によって特徴付けられる)を含む化合物を含まない。
【0063】
特定の実施形態によると、本発明は頭髪を処理する方法もまた提供し、化学式(I)の化合物は、
【0064】
【化8】

【0065】
の構造を有するアミドであり、式中R1、R2、RB、およびRCは本明細書に定義された通りである。
【0066】
特定の実施形態によると、本発明は頭髪を処理する方法もまた提供し、化学式(I)の化合物は、
【0067】
【化9】

【0068】
の構造を有するアミドであり、式中R1、R2、RB、およびRCは本明細書に定義された通りである。
【0069】
具体的な官能基、および化学用語の定義は、より詳細に以下に記述される。本発明の目的に対して、化学元素は、CAS version、Handbook of Chemistry and Physics、75th Ed.の内表紙の元素周期律表により識別され、具体的な官能基は、その中に記述されるように一般的に定義される。さらに、有機化学の一般的原理、ならびに具体的な官能基および反応性は、Organic Chemistry、Thomas Sorrell、University Science Books、Sausalito、1999に記述されており、その内容全体は参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0070】
本発明の特定の化合物は、特定の幾何学的形状または立方異性形状で存在する場合がある。本発明は、シス異性体およびトランス異性体、E−異性体およびZ−異性体、R−鏡像体およびS−鏡像体、ジアステレオマー、(d)異性体、(l)異性体、(+)異性体および(−)異性体、これらのラセミ混合物、ならびに他のこれらの混合物を含む、こうしたすべての化合物を本発明の範囲内に含まれることを意図する。追加的な非対象炭素原子は、アルキル基等の置換体内に存在してもよい。こうしたすべての異性体、ならびにこれらの混合物は、本発明に含まれるように意図される。
【0071】
様々な異性体混合比のあらゆるものを含む異性体混合物は、本発明に従って、利用されてもよい。例えば、2つだけの異性体が組み合わせられる場合、50:50、60:40、70:30、80:20、90:10、95:5、96:4、97:3、98:2、99:1、または100:0の異性体比を含む混合物は、本発明によりすべて意図される。当業者は、類似の比がより複雑な異性体混合物に対して意図されることを容易に理解するであろう。
【0072】
本明細書に記述されるように、化合物は、任意の数の置換基もしくは置換部分によって置換されてもよい。一般に、本明細書の化学式に含まれる、「所望により」という用語が前に付いても、もしくは付かなくても、「置換される」、および置換基という用語は、所与の構造における、水素ラジカルの特定された置換基のラジカルによる交換を意味する。任意の所与の構造において、1つ以上の位置が、特定の群から選択された1つ以上の置換基によって置換され得る場合、置換基は、各位置において同じであっても、または異なっていてもよい。本明細書で使用される場合、「置換される」という用語は、すべての許容される有機化合物の置換基を含むことを含むことを意図する。幅広い態様では、許容できる置換基は、有機化合物の非環式および環式、分岐状および非分岐、炭素環式および複素環式、芳香および非芳香置換基を含む。本発明の目的に対して、窒素等のヘテロ原子は水素置換基および/または本明細書に記述されたへテロ原子の原子価を満足する任意の許容できる有機化合物の置換基を有してもよい。さらに、本発明は、いかなる様式でも、許容される有機化合物の置換基により制限されることを意図しない。本明細書で使用される場合、「安定」という用語は、好適には、製造するために十分な安定性を有し、かつ該化合物の完全性を認知できる十分な時間の間維持する化合物を意味し、ならびに好適には十分長い時間の間、本明細書に記述された目的のために有用であることを意味する。
【0073】
本明細書で使用される場合、「アシル」という用語は、−C(O)Rの一般式を有する基を意味し、式中Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、炭素環式、ヘテロ環式、または芳香族へテロ環式である。アシル基の一例は、アセチルである。
【0074】
本明細書で使用される場合、「脂肪族」という用語は、所望により1つ以上の官能基により置換された、飽和および不飽和の両方、直鎖(すなわち、非分岐状)、分岐状、非環式、環式、または多環式脂肪族炭化水素を含む。当業者によって理解されるように、「脂肪族」は、本明細書で意図されるように、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、およびシクロアルキニル部分を含むがこれに限らない。したがって、本明細書で使用される場合、「アルキル」という用語は、直鎖、分岐状、および環式アルキル基を含む。類似の方式が、「アルケニル」、「アルキニル」および同様のものの他の一般名称にも適用される。さらに、本明細書で使用される場合、「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」および同様のものの用語は、置換基および非置換基の両方を包含する。特定の実施形態では、本明細書で使用される場合、「低級アルキル」は、1個〜6個の炭素原子を有するアルキル基(環式、非環式、置換、非置換、分岐状、非分岐状)を示すために使用される。
【0075】
本明細書で使用される場合、「アルキル」という用語は、1個〜20個の炭素原子を含む炭化水素部分から単一の水素原子を取り除くことによって生じる、飽和、直鎖、もしくは分鎖状炭化水素ラジカルを意味する。一部の実施形態では、本発明で採用されたアルキル基は1個〜10個の炭素原子を含む。別の実施形態では、採用されたアルキル基は1個〜8個の炭素原子を含む。さらに他の実施形態では、アルキル基は1個〜6個の炭素原子を含む。さらに別の実施形態では、アルキル基は1個〜4個の炭素原子を含む。アルキルラジカルの例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、sec−ペンチル、イソペンチル、tert−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、sec−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−デシル、n−ウンデシル、ドデシル、および同様のもので、1つまたは2つの置換基を有していてもよいものを含むがこれに限らない。
【0076】
本明細書で使用される場合、「アルコキシ」という用語は、親分子部分に酸素原子を通して結合した、飽和(すなわち、アルキル−O−)基、または不飽和(すなわちアルケニル−O−、およびアルキニル−O−)基を意味する。特定の実施形態では、アルキル基は1個〜20個の脂肪族炭素原子を含む。他の特定の実施形態では、本発明で採用されたアルキル基、アルケニル基、およびアルキニル基は1個〜8個の脂肪族炭素原子を含む。さらに他の実施形態では、アルキル基は1個〜6個の脂肪族炭素原子を含む。さらに他の実施形態では、アルキル基は1個〜4個の脂肪族炭素原子を含む。例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、i−ブトキシ、sec−ブトキシ、ネオペントキシ、n−ヘキソシキ、および同様のものを含むがこれに限らない。
【0077】
本明細書で使用される場合、「アルケニル」という用語は、単一の水素原子の除去による、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する、炭化水素部分から生じる1価の基を意味する。特定の実施形態では、本発明で採用されたアルケニル基は1個〜20個の炭素原子を含む。一部の実施形態では、本発明で採用されたアルケニル基は1個〜10個の炭素原子を含む。別の実施形態では、採用されたアルケニル基は1個〜8個の炭素原子を含む。さらに他の実施形態では、アルケニル基は1個〜6個の炭素原子を含む。さらに別の実施形態では、アルケニル基は1個〜4個の炭素を含む。アルケニル基は、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、1−メチルl−2−ブテン−1−イル、および同様のものを含む
【0078】
本明細書で使用される場合、「アルキニル」という用語は、単一の水素原子の除去による、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する、炭化水素から生じる1価の基を意味する。特定の実施形態では、本発明で採用されたアルキニル基は1個〜20個の炭素原子を含む。一部の実施形態では、本発明で採用されたアルキニル基は1個〜10個の炭素原子を含む。別の実施形態では、採用されたアルキニル基は1個〜8個の炭素原子を含む。さらに他の実施形態では、アルキニル基は1個〜6個の炭素原子を含む。代表的なアルキニル基は、エチニル、2−プロピニル(プロパルギル)、1−プロピニ、および同様のものを含むがこれに限らない。
【0079】
本明細書で使用される場合、「アルキルアミノ」、「ジアルキルアミノ」、および「トリアルキルアミノ」という用語は、それぞれ1個、2個、または3個の、前述のように定義したような、親分子部分に窒素原子を通して結合したアルキル基を意味する。「アルキルアミノ」という用語は、−NHR′構造を有する基を意味し、式中R′は前述のように定義されたアルキル基であり、「ジアルキルアミノ」という用語は、−NR′R″構造を有する基を意味し、式中R′およびR″は、アルキル基からなる群から各々独立に選択される。「トリアルキルアミノ」という用語は、−NR′R″R″′構造を有する基を意味し、式中R′、R″およびR″′は、アルキル基からなる群から各々独立に選択される。特定の実施形態では、アルキル基は1個〜20個の脂肪族炭素原子を含む。特定の他の実施形態では、アルキル基は1個〜10個の脂肪族炭素原子を含む。さらに他の実施形態では、アルキル基は1個〜8個の脂肪族炭素原子を含む。またさらに他の実施形態では、アルキル基は1個〜6個の脂肪族炭素原子を含む。さらに他の実施形態では、アルキル基は1個〜4個の脂肪族炭素原子を含む。加えて、R′、R″、および/またはR′″はともに、所望により−(CH2k−であってもよく、式中kは2から6の整数である。例には、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、ジエチルアミノカルボニル、メチルエチルアミノ、イソプロピルアミノ、ピペリジノ、トリメチルアミノ、およびプロピルアミノを含むがこれに限らない。
【0080】
「アルキルチオエーテル」および「チオアルコキシル」という用語は、親分子部分に硫黄原子を通して結合した、飽和(すなわち、アルキル−S−)基、または不飽和(すなわちアルケニル−S−、およびアルキニル−S−)基を意味する。特定の実施形態では、アルキル基は1個〜20個の脂肪族炭素原子を含む。特定の他の実施形態では、アルキル基は1個〜10個の脂肪族炭素原子を含む。さらに他の実施形態では、アルキル基、アルケニル基、およびアルキニル基は1個〜8個の脂肪族炭素原子を含む。さらに他の実施形態では、アルキル基、アルケニル基、およびアルキニル基は1個〜6個の脂肪族炭素原子を含む。またさらに他の実施形態では、アルキル基、アルケニル基、およびアルキニル基は1個〜4個の脂肪族炭素原子を含む。チオアルコキシル部分の例には、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、および同様のものを含むがこれに限らない。
【0081】
本発明の化合物の上述の脂肪族(およびその他の)部分の置換基の一部の例には、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アルコキシ、アリロキシ、ヘテロアルコキシ、ヘテロアリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアルキルチオ、ヘテロアリールチオ、F、Cl、Br、I、−OH、−NO2、−CN、−CHCl2、−CH2OH、−CH2CH2OH、−CH2NH2、−CH2SO2CH3、−C(O)Rx、−CO2(Rx)、−CON(Rx2、−OC(O)Rx、−OCO2x、−OCON(Rx2、−N(Rx2、−S(O)2x、−NRx(CO)Rx を含むがこれに限らず、式中、Rxは記されるたびごとに独立に、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、またはヘテロアリールアルキルを含むがこれに限らず、上述のおよび本明細書に記述された脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリールアルキル、またはヘテロアリールアルキル置換基のいずれかは、置換もしくは非置換でもよく、分岐状もしくは非分岐状でもよく、環式でも非環式でもよく、かつ上述のおよび本明細書に記述されたアリールもしくはヘテロアリール置換基のいずれかは、置換もしくは非置換であってもよい。一般的に適用可能な置換基の追加的な例は、本明細書に記述された実施例に示された特定の実施形態によって示される。
【0082】
一般的に、本明細書で使用される場合、「アリール」および「ヘテロアリール」という用語は、好適には3〜14の炭素原子を有し、各々が置換もしくは非置換であってもよい、安定した、単環式、または多環式、複素環式、多環式、および複素多環式不飽和部分を意味する。置換基は、上述のあらゆる置換基、すなわち、脂肪族部分、または本明細書に記述された他の部分に対して述べた置換基で、結果として安定した化合物を形成するものを含むがこれに限らない。本発明の特定の実施形態では、「アリール」は、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、インデニル、および同様のものを含むがこれに限らない、1個または2個の芳香環を有する、単環式または二環式の炭素環式環系を意味する。本発明の特定の実施形態では、本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール」という用語は、その1個の環原子がS、O、およびNから選択され、0個、1個、または2個の、環原子がS、O、およびNから独立に選択される追加のヘテロ原子であり、残りの環原子が炭素である、5個〜10個の環原子を有する環式芳香ラジカルであり、該ラジカルが、例えば、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、チオフェニル、フラニル、キノリニル、イソキノリニル、および同様のもの等の任意の環原子を介して残りの分子と結合するものを意味する。
【0083】
アリール基およびヘテロアリール基は、非置換または置換である可能性があり、置換は、そのうちの1個、2個、3個、またはそれ以上の水素原子と、1個以上の下記の部分のいずれかとの独立な交換を含むが、これに限らないことを理解されたい。すなわち、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アルコキシ、アリロキシ、ヘテロアルコキシ、ヘテロアリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアルキルチオ、ヘテロアリールチオ、−F、−Cl、−Br、−I、−OH、−NO2、−CN、−CHCl2、−CH2OH、−CH2CH2OH、−CH2NH2、−CH2SO2CH3、−C(O)Rx、−CO2(Rx)、−CON(Rx2、−OC(O)Rx、−OCO2x、−OCON(Rx2、−N(Rx2、−S(O)2x、−NRx(CO)Rx であり、式中、Rxは記されるたびごとに独立に、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、またはヘテロアリールアルキルを含むがこれに限らず、上述のおよび本明細書に記述された脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリールアルキル、またはヘテロアリールアルキル置換基のいずれかは、置換もしくは非置換でもよく、分岐状もしくは非分岐状でもよく、環式でも非環式でもよく、かつ上述のおよび本明細書に記述されたアリールもしくはヘテロアリール置換基のいずれかは、置換もしくは非置換であってもよい。一般的に適用可能な置換基の追加的な例は、本明細書に記述された実施例に示された特定の実施形態によって示される。
【0084】
本明細書で使用される場合、「カルボン酸」という用語は、化学式−CO2Hの基を意味する。
【0085】
本明細書で使用される場合、「ハロ」および「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選択される原子を意味する。
【0086】
「ハロアルキル」という用語は、それに結合された1個、2個、または3個のハロゲン原子を有する、上述のようなアルキル基を意味し、クロロメチル、ブロモエチル、トリフルオロメチル、および同様のもののような基によって例示される。
【0087】
本明細書で使用される場合、「ヘテロ脂肪族」という用語は、1個以上の酸素、硫黄、窒素、リン、またはケイ素原子を、例えば炭素原子の位置に、含む脂肪族部分を意味する。ヘテロ脂肪族部分は、分岐状、非分岐状、環式もしくは非環式であってもよく、モルホリノ、ピロリジニル等の飽和および不飽和複素環式を含んでもよい。特定の実施形態では、ヘテロ脂肪族部分はその内の1つ以上の水素原子を、1つ以上の部分で、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アルコキシ、アリロキシ、ヘテロアルコキシ、ヘテロアリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアルキルチオ、ヘテロアリールチオ、−F、−Cl、−Br、−I、−OH、−NO2、−CN、−CF3、−CH2CF3、−CHCl2、−CH2OH、−CH2CH2OH、−CH2NH2、−CH2SO2CH3、−C(O)Rx、−CO2(Rx)、−CON(Rx2、−OC(O)Rx、−OCO2x、−OCON(Rx2、−N(Rx2、−S(O)2x、−NRx(CO)Rxを含むがこれに限らない独立な交換物によって置換され、式中、Rxは記されるたびごとに独立に、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、またはヘテロアリールアルキルを含むがこれに限らず、上述のおよび本明細書に記述された脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリールアルキル、またはヘテロアリールアルキル置換基のいずれかは、置換もしくは非置換でもよく、分岐状もしくは非分岐状でもよく、環式でも非環式でもよく、かつ上述のおよび本明細書に記述されたアリールもしくはヘテロアリール置換基のいずれかは、置換もしくは非置換であってもよい。一般的に適用可能な置換基の追加的な例は、本明細書に記述された実施例に示された特定の実施形態によって示される。
【0088】
本明細書で使用される場合、「複素環式」という用語は、芳香もしくは非芳香、部分的に不飽和もしくは完全に飽和の、3から8原子のサイズの単環ならびに二環式および三環式の、芳香5員環もしくは6員環のアリールまたは非芳香環に融合した芳香複素環式基を含んでもよい、環系を含む、3〜10員環の環系を意味する。これらの複素環式環は、酸素、硫黄、および窒素から独立に選択される1個〜3個のヘテロ原子を有するものを含み、窒素へテロ原子および硫黄へテロ原子は、所望により酸化されてもよく、かつ窒素ヘテロ原子は所望により四級化されてもよい。一部の実施形態では、複素環式という用語は、非芳香、5員環、6員環、または7員環の環式または多環式基を意味し、少なくとも1つの環原子は、O、S、およびN(窒素および硫黄へテロ原子は、所望により酸化されてもよい)から選択されるヘテロ原子であり、酸素、硫黄、および窒素から独立に選択される1個〜3個のヘテロ原子を有する融合した6員環の環を含む、二環式基または三環式基を含むがこれに限らず、(i)各5員環の環は0個〜2個の2重結合を有し、各6員環の環は0個〜2個の2重結合を有し、かつ各7員環の環は0個〜3個の2重結合を有し、(ii)窒素および硫黄へテロ原子は、所望により酸化されてもよく、(iii)窒素へテロ原子は所望により四級化されてもよく、かつ(iv)上述の複素環式の環のいずれかはアリールまたはヘテロアリール環と融合してもよい。
【0089】
本明細書で使用される場合、「芳香族ヘテロアリール」という用語は、その1個の環原子が硫黄、酸素、および窒素から選択され、0個、1個、または2個の、環原子が硫黄、酸素、および窒素から独立に選択される追加のヘテロ原子であり、残りの環原子が炭素である、5個〜10個の環原子を有する環式芳香ラジカルであり、該ラジカルが、例えば、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、チオフェニル、フラニル、キノリニル、イソキノリニル、および同様のもの等の任意の環原子を介して残りの分子と結合するものを意味する。芳香複素環式基は、置換基が、分岐状および非分岐状のアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アルコキシ、チオアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルアミノ、アシルアミノ、シアノ、ヒドロキシ、ハロ、メルカプト、ニトロ、カルボキシアルデヒド、カルボキシ、アルコキシカルボニル、およびカルボキシアミドからなる群から選択される非置換または置換であることができる。
【0090】
本発明の化合物に含まれてもよい、具体的な複素環式および芳香複素環式基は、以下のものから生じたラジカルを含む。すなわち、3−メチル−4−(3−メチルフェニル)ピペラジン、3−メチルピペラジン、4−(bis−(4−フルオロフェニル)メチル)ピペラジン、4−(ジフェニルメチル)ピペラジン、4−(エトキシカルボニル)ピペラジン、4−(エトキシカルボニルメチル)ピペラジン、4−(フォニルメチル)ピペラジン、4−(1−フェニルエチル)ピペラジン、4−(1,1−ジメチルエトキシカルボニル)ピペラジン、4−(2−(bis−(2−プロペニル)アミノ)エチル)ピペラジン、4−(2−(ジエチルアミノ)エチル)ピペラジン、4−(2−クロロフェニル)ピペラジン、4−(2−シアノフェニル)ピペラジン、4−(2−エトキシフェニル)ピペラジン、4−(2−エトキシフェニル)ピペラジン、4−(2−エチルフェニル)ピペラジン、4−(2−フルオロフェニル)ピペラジン、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、4−(2−メトキシエチル)ピペラジン、4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン、4−(2−メチルフェニル)ピペラジン、4−(2−メチルチオフェニル)ピペラジン、4−(2−ニトロフェニル)ピペラジン、4−(2−ニトロフェニル)ピペラジン、4−(2−フェニルエチル)ピペラジン、4−(2−ピリジル)ピペラジン、4−(2−ピリミジニル)ピペラジン、4−(2,3−ジメチルフェニル)ピペラジン、4−(2,4−ジフルオロフォエニル)ピペラジン、4−(2,4−ジメトキシフェニル)ピペラジン、4−(2,4−ジメチルフェニル)ピペラジン、4−(2,5−ジメチルフェニル)ピペラジン、4−(3−クロロフェニル)ピペラジン、4−(3−メチルフェニル)ピペラジン、4−(3,4−ジクロロフェニル)ピペラジン、4−(3,4−ジメトキシフェニル)ピペラジン、4−(3,4−ジメチルフェニル)ピペラジン、4−(3,4−メチレンジオキシフェニル)ピペラジン、4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピペラジン、4−(3,5−ジクロロフェニル)ピペラジン、4−(3,5−ジメトキシフェニル)ピペラジン、4−(4−(フェニルメトキシ)フェニル)ピペラジン、4−(4−(3,1−ジメチルエチル)フェニルメチル)ピペラジン、4−(4−クロロフェニル)−3−メチルピペラジン、4−(4−クロロフェニル)ピペラジン、4−(4−クロロフェニル)ピペラジン、4−(4−クロロフェニルメチル)ピペラジン、4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン、4−(4−メトキシフェニル)ピペラジン、4−(4−メチルフェニル)ピペラジン、4−(4−ニトロフェニル)ピペラジン、4−シクロヘキシルピペラジン、4−エチルピペラジン、4−ヒドロキシ−4−(4−クロロフェニル)メチルピペラジン、4−ヒドロキシ−4−フェニルピペラジン、4−ヒドロキシピロリジン、4−メチルピペラジン、4−フェニルピペラジン、4−ピペリジニルピペラジン、4−(2−フラニル)カルボニル)ピペラジン、4−((1,3−ジオキソラン−5−イル)メチル)ピペラジン、6−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−メチルキノリン、1,4−ジアザシクロヘプタン、2,3ジヒドロインドリル、3,3ジメチルピペリジン、4,4−エチレンジオキシピペリラジン、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、アザシクロオクタン、デカヒドロキノリン、ピペラジン、ピペリジン、ピロリジン、チオモルフォリン、およびトリアゾールである。
【0091】
上述にかかわらず、好適な実施形態に従う、本発明による毛髪を処理するための組成物は1個以上の芳香環構造を有する化合物を含まない。好適には、化合物は融合した芳香環を含まない。
【0092】
本明細書で使用される場合、「カルバモイル」という用語は、化学式−CONH2のアミド基を意味する。
【0093】
本明細書で使用される場合、「カルボニルジオキシル」という用語は、化学式−O−CO−ORの炭酸塩基を意味する。
【0094】
本明細書で使用される場合、「炭化水素」という用語は、水素および炭素を含むあらゆる化学基を意味する。炭化水素は、置換でも非置換でもよい。炭化水素は、不飽和、飽和、分岐状、非分岐状、環式、多環式、または複素環式でもよい。例示的な炭化水素には、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、アリール、ビニル、n−ブチル、tert−ブチル、エチニル、シクロヘキシル、メトキシ、ジエチルアミノ、および同様のものを含む。当業者には既知のように、すべての価数は、任意の置換基を作るように満足されなければならない。
【0095】
本明細書で使用される場合、「所望により」という用語が前に付いても付かなくても、「置換される」という用語は、当業者により理解されるように、1つの官能基を、すべての原子の価数を満たすという条件で、他の官能基と、取り替える能力を意味する。任意の所与の構造において、1つ以上の位置が、特定の群から選択された1つ以上の置換基によって置換され得る場合、置換基は、各位置において同じであっても、または異なっていてもよい。置換基は、さらに置換されてもまたよい(例えば、アリール基の置換基は、1つ以上の位置でフッ素とさらに置換された他のアリール基等の、他のそれの置換基を有してもよい)。
【0096】
本明細書で使用される場合、「チオヒドロキシル」および「チオール」という用語は、化学式−SHの基を意味する。
【0097】
本明細書で使用される場合、その中に各有効水素がフッ素で置き換えられた部分を含む場合、化合物は「過フッ素化」している。従って、トリフルオロメチル基を含む化合物は、過フッ素化していて、非過フッ素化しているとみなすことはできない。各有効水素がフッ素により置換された化合物は、過フッ素化していて、化合物がメチル基を含んでいても、含んでいなくても、非過フッ素化しているとはみなされない。
【0098】
本明細書で使用される場合、文中に明確にそうでないと記載されていない限り、単数形、前置詞「a」、前置詞「an」、および前置詞「the」は、複数を含む。従って、例えば、「単量体」に対する言及は、複数の単量体のような複数も含む。
【0099】
「動物」:本明細書で使用される場合、動物という用語は、ヒト、ならびに、哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、および魚類、を含む、ヒトでない動物を意味する。好適には、ヒトでない動物は、哺乳類(例えば、齧歯類、マウス、ラット、ウサギ、サル、イヌ、ネコ、霊長類、またはブタ)である。動物は、家畜化した動物であってもよい。特定の実施形態では、動物は、ヒトである。動物は、遺伝子組み換えした動物であってもよい。
【0100】
「生体適合性」:本明細書で使用される場合、「生体適合性」という用語は、組織に対して毒性の無い化合物を記述することを意図する。「生体適合性」のある化合物とは、これを組織に対して体外から添加した場合、結果として20%以下の組織が死滅する化合物である。体内への投与は、炎症、ガン、出生異常、神経毒性、または他のこうした有害な副作用を生じない。
【0101】
「生分解性」:本明細書で使用される場合、「生分解性」化合物は、組織内に導入されたとき、細胞機構、または加水分解により成分に分解されるものであり、組織に対する識別できる毒性のある影響無しに、組織はこの成分を再利用、または廃棄のいずれかをすることができる(すなわち、成分が体外から組織に添加されたときに約20%未満の組織が死滅する)。該成分は、好適には、体内では、炎症、ガン、出生異常、神経毒性、または他のこうした有害な副作用を生じない。特定の好適な実施形態では、生分解性化合物の分解に依存する化学反応は、触媒作用を及ぼさない。例えば、本発明の材料は、架橋結合した材料にみられるエステル結合の加水分解により分解する場合がある。
【0102】
「ケラチン」:本明細書で使用される場合、「ケラチン」という用語は、毛髪、羊毛、および爪に見られる繊維状構造のタンパク質の類のいずれか1つを意味する。ケラチンタンパク質は、大量のシステイン残基を含む。ヒトの毛髪は、ジスルフィド架橋によって架橋結合した、約15%システイン残基である。らせん状のケラチン分子は、互いに絡み合って、中間径フィラメントと呼ばれる細長い房を形成する。
【0103】
「単量体」:本明細書で使用される場合、「単量体」は、他の単量体と共有結合で結びついて重合体を形成する能力を持つ化合物である。単量体の例として、アクリレート、メタクリレート、エポキシド含有化合物、スチレン、およびビニルアルコールが挙げられる。特定の実施形態では、本発明に対して有用な単量体は、フリーラジカル重合化の影響を受けやすい。
【0104】
「オリゴマー」:本明細書で使用される場合、「オリゴマー」という用語は、共有結合により結合した有限な数の構造単位を有する化合物を意味する。オリゴマーは、対応する重合体よりも少ない単量体ユニットを有する。オリゴマーは、その構造を作り上げる、少なくとも3個、一般的には最高100個の単量体ユニットを有する。
【0105】
「ペプチド」または「タンパク質」:本明細書で使用される場合、「ペプチド」または「タンパク質」は、ペプチド結合により互いに結合した少なくとも3個のアミノ酸の鎖を含む。「タンパク質」および「ペプチド」は、同じ意味で使われてもよい。ペプチドは、個々のペプチド、またはペプチドの集合体を意味する場合がある。発明のペプチドは、好適には、天然アミノ酸のみを含むが、非天然アミノ酸(すなわち、天然には生じないが、ポリペプチド鎖に組み込むことが可能な化合物)、および/または当該技術分野で既知のアミノ酸類似体は、相互交換的に採用されてもよい。また、発明のペプチドの中の1つ以上のアミノ酸は、例えば、炭水化物群、リン酸基、ファルネシル基、イソファルネシル基、脂肪酸基、共役、機能化、または他の改質のためのリンカー等の化学物質の付加により改造されていてもよい。好適な実施形態では、ペプチドの改造は、より安定したペプチド(例えば体内での半減期の増大)を導出する。これらの改造は、ペプチドの環化、D−アミノ酸の組み込み等を含んでもよい。改造のいずれも、ペプチドの望まれる生物的活動と実質的に干渉しない。
【0106】
「重合体」:本明細書で使用される場合、「重合体」という用語は、共有結合により結合した、繰り返し構造単位(単量体)の化合物を意味する。重合体は、一般的に分子量が高く、数十、数百、数千、またはさらに多くの単量体を含む場合がある。複数のメチレン基を有するC20等の脂肪族基は、重合体とはみなされない。
【0107】
活性ヘアケア成分
様々な活性ヘアケア成分が、フッ素化された小さい有機分子を含む、本発明の美容ヘアケア組成物に使用されてもよい。化合物の組み合わせは、毛髪を処理し、これにより異なる美容効果を作り出すために使用されてもよい。幅広い種類の化合物を使用できることにより、毛髪の処理によって、上述のような対象物の毛髪に対する望ましい効果を含む、様々な望ましい特徴を達成することを可能にもする。
【0108】
好適な実施形態では、本発明の組成物、および方法は、シリコーンを含む組成物の利点を、その欠点の多くを伴わずに利用できるようにする。従って、本発明の組成物および方法は、好適にはまったくシリコーン化合物(すなわち、Si−O結合を含むもの)を採用せず、好適には該化合物および方法は、このようなシリコーン化合物を10重量/体積%未満採用し、好適にはこのようなシリコーン化合物を1重量/体積%未満採用し、より好適には0.5重量/体積%未満であり、より好適には0.2重量/体積%未満であり、より好適には0.1重量/体積%未満であり、より好適には0.05重量/体積%未満であり、より好適には0.01重量/体積%未満であり、かつさらにより好適には0.001重量/体積%未満である。
【0109】
本発明の組成物および方法に採用される好適な化合物は、例えば、体内で重合化する組成物と対照的に、毒性が無く、毛髪もしくは皮膚に対して無害で、かつ毛髪にざらざらした感触を残さない、もしくは毛髪の脱色を生じない。さらに、好適な発明の組成物および方法は、フリーラジカル重合化剤、または還元剤もしくは酸化剤のいずれかを伴う毛髪の前処理剤もしくは後処理剤に依存しない。特定の実施形態では、発明の組成物および方法は、フリーラジカル開始剤、重合化開始剤、または重合化触媒を採用しない。特定の実施形態では、発明の組成物および方法は、約0.001重量%を超えない、より好適には、約0.01重量%未満の、さらにより好適には、約0.1重量%未満のフリーラジカル開始剤、重合化開始剤、または重合化触媒を採用しない特定の実施形態では、1モルの単量体に対して、1モル当たり約0.001を超えないフリーラジカル開始剤、重合化開始剤、または重合化触媒を有する。したがって、発明の組成物および方法は、好適には約0.001重量%を超える、より好適には、約0.01重量%を超えない、さらにより好適には、約0.1重量%を超えない、過酸化物、過酸、過酸化物生成系、ペルオキソ一硫酸、ペルオキソ二硫酸、ジアゾ化合物、レドックス系触媒(NH428/NaHSO3、H2O/Fe3+、S28-2/RSH、Fe3+/HSO3-、Ce+4/ROH、KMnO4/クエン酸、亜硫酸ナトリウム等)を採用しない。
【0110】
特定のシアノアクリレートとは対照的に、本発明の好適な組成物は、シアノアクリレートに対するように単量体を生体液または生体組織からの水分に接触によるように、単純に単量体を水分に暴露されただけでは容易には重合化しない、単量体を採用する。実際、本発明の単量体は、例えば、担体として90%を超える水を含む、水性担体を使用した安定した組成物として処方されていてもよい。本発明の単量体は、シアノアクリレートではない。
【0111】
本発明の組成物の使用は、単純で容易である。好適には、本発明の組成物は、洗髪された直後の毛髪に塗布される。毛髪を完全に乾燥させる必要はなく、むしろ毛髪はタオルで拭った程度の乾燥であってもよく、毛髪に水分が残っていてもよく、水が滴るほど濡れていてもよい。本発明の組成物を、例えば、櫛またはブラシを使用して、毛髪に塗布し、かつ毛髪に入れ込み、その後、好適には従来のヘアドライヤーからの熱を使用して、さらにより好適には160℃以下の温度を発する加熱源を使用して、さらにより好適には120℃以下の温度を発する加熱源を使用して、毛髪を風で乾かす。クリームの組成物の場合、クリームを毛髪の端部に組み込み、その後組成物は毛髪の長さの残部に組み込むことが推奨される。本発明の組成物を毛髪に塗布した後、リンスするステップは必要なく、実際、好適にはリンスするステップが無い。
【0112】
本発明に対して有用な化合物は、一般的に低分子量の有機化合物である。特定の実施形態では、化合物は、オリゴマー化合物、または重合化合物ではない。すなわち、化合物は、低分子量オリゴマー、または低分子量重合化合物ではない。特定の実施形態では、化合物は、ペプチド、またはタンパク質ではない。特定の実施形態では、化合物は、オリゴヌクレオチドではない。特定の実施形態では、化合物は、生分子(すなわち、自然に見出される化合物)ではない。特定の実施形態では、化合物は、二量体である。特定の他の実施形態では、化合物は、三量体である。
【0113】
毛髪の処理に使用される化合物の分子量は、一般的に、賦形剤からの残渣を残さずに、処理された毛髪から化合物の実質的な蒸発を避けるために十分である。これにより組成物は、本明細書に記述されたように制限できる、「無重量化」の質を有する結果を有する。特定の実施形態では、化合物の分子量は、約3000g/mol未満、約2500g/mol未満、約2000g/mol未満、約1500g/mol未満、約1000g/mol未満、約500g/mol未満、または約400g/mol未満であってもよい。
【0114】
複数の実施形態では、化合物の分子量は、約50g/mol〜約500g/mol、100g/mol〜約500g/mol、100g/mol〜約1000g/mol、200g/mol〜約1000g/mol、500g/mol〜約1000g/mol、または1000g/mol〜約2000g/molの範囲である。
【0115】
化合物は、一般的に、50℃より高い沸点を有する。特定の実施形態では、化合物の沸点は、55℃より高い、60℃より高い、65℃より高い、70℃より高い、75℃より高い、80℃より高い、85℃より高い、90℃より高い、95℃より高い、100℃より高い、110℃より高い、120℃より高い、130℃より高い、140℃より高い、150℃より高い、175℃より高い、または200℃より高い。
【0116】
組成物は、一般的に、40℃より低い融点を有する。特定の実施形態では、組成物の融点は、35℃未満、30℃未満、35℃未満、30℃未満、25℃未満、20℃未満、15℃未満、10℃未満、0℃未満である。
【0117】
特定の実施形態では、化合物は、約10℃未満の融点および約60℃を超える沸点、約20℃未満の融点および約70℃を超える沸点、約20℃未満の融点および約80℃を超える沸点、約10℃未満の融点および約100℃を超える沸点、または約20℃未満の融点および約100℃を超える沸点を有する。
【0118】
特定の実施形態では、化合物は、二重結合または三重結合等の不飽和官能基を含む。不飽和官能基の例には、アルケン、アルキン、カルボニル、およびイミンを含む。特定の実施形態では、化合物は、共役不飽和系、a,p−不飽和カルボニル部分、アクリレート部分、クロトン酸部分、メタクリレート部分、2−フルオロアクリレート部分、ジアクリレート部分、ジクロトン酸部分、またはジメタクリレート部分を含む。特定の実施形態では、化合物は、アルケン、ビニル基、アリール基、ジエン、または共役ジエン部分を含む特定の実施形態では、化合物は、アルキンを含む。特定の実施形態では、化合物は、エンイン部分を含む。特定の実施形態では、化合物は、アリール、フェニル、またはスチレン部分を含む。特定の実施形態では、化合物は、ヘテロアリール部分を含む。
【0119】
特定の実施形態では、本発明のヘアケアシステムに有用な化合物は、アルケン含有基を含む。特定の具体的な実施形態では、アルケンは、一置換されている。他の実施形態では、アルケンは、二置換されている。二置換されたアルケンは、シス配列、もしくはトランス配列のいずれか、またはこれらのいかなる混合であってもよい。さらに他の実施形態では、アルケンは、三置換されている。三置換されたアルケンは、E配列、もしくはZ配列のいずれか、またはこれらのいかなる混合であってもよい。さらにまた他の実施形態では、アルケンは、四置換されている。ここでも、様々な異性体が可能であり、これらは本発明の部分であるとみなされる。
【0120】
したがって、化合物は、
【0121】
【化10】

【0122】
の化学式のうちの1つに従って定義されてもよく、式中R1′およびR2′は、水素、ハロゲン、環式または非環式の、置換または非置換の、分岐状または非分岐状の脂肪族、環式または非環式の、置換または非置換の、分岐状または非分岐状のヘテロ脂肪族、置換または非置換の、分岐状または非分岐状のアシル、置換または非置換の、分岐状または非分岐状のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、−ORA′、−C(O)RA′、−CO2A′、−C(O)N(RA′2、−SRA′、−SORA′、−SO2A′、−NRA′、−N(RA′2、−NHC(O)RA′、および−C(RA′3、であり式中RA′は記述されるたびごとに、水素、環式または非環式の、置換または非置換の、分岐状または非分岐状の脂肪族、環式または非環式の、置換または非置換の、分岐状または非分岐状のヘテロ脂肪族、置換または非置換の、分岐状または非分岐状のアシル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールチオ、および保護基からなる群から独立に選択されものであるか、またはR1′およびR2′は環構造を形成するものからなる群から各々独立に選択されるものであり、かつ、化学式(I)に関連して記述されたように、R1′およびR2′のうちの1つがメチレン部分を含むという条件付きで、R1′がハロゲンである場合、R2′は水素でないという条件である。
【0123】
好適な実施形態では、R1′またはR2′は、シアノアクリレート部分を構成しない。
【0124】
好適な実施形態では、R1′またはR2′は、アクリレートを形成し、アクリレートエステルの部分は、過フッ素化されていない。
【0125】
他の実施形態では、R1′は、置換、または非置換の、分岐状または非分岐状の脂肪族部分である。特定の実施形態では、R1′は、アルキル部分を含む。特定の実施形態では、R1′は、C1〜C6アルキル部分を含む。特定の実施形態では、R1′は、以下の化学式のものの1つである。
【0126】
【化11】

【0127】
当業者により理解されるように、上述のアルキル基のいずれかは、置換で、分岐状で、不飽和で、および/または環式であってもよい。
【0128】
特定の具体的な実施形態では、R1′は、以下の化学式のものである。
【0129】
【化12】

【0130】
式中、nは、0〜20を含む整数である。特定の実施形態では、nは、0〜12を含む整数である。特定の実施形態では、nは、0〜6を含む整数である。特定の実施形態では、nは、1〜6を含む整数である。特定の実施形態では、nは、3〜20を含む整数である。
【0131】
特定の実施形態では、R1′は、以下の化学式のものである。
【0132】
【化13】

【0133】
式中、nは、0〜20を含む整数である。特定の実施形態では、nは、0〜12を含む整数である。特定の実施形態では、nは、0〜6を含む整数である。特定の実施形態では、nは、1〜6を含む整数である。特定の実施形態では、nは、3〜20を含む整数である。
【0134】
さらに他の実施形態では、R1′は、置換、または非置換の、分岐状または非分岐状のヘテロ脂肪族部分である。さらにまた他の実施形態では、R1′は、置換、または非置換の、アシル部分である。
【0135】
他の実施形態では、R1′は、置換、または非置換の、アリール部分である。特定の具体的な実施形態では、R1′は、以下の化学式のものである。
【0136】
【化14】

【0137】
特定の具体的な実施形態では、R1′は、以下の化学式のものである。
【0138】
【化15】

【0139】
特定の具体的な実施形態では、R1′は、置換、または非置換の、フェニル部分である。特定の実施形態では、R1′は、置換されたフェニル部分(例えば、1個、2個、3個、4個、または5個の置換基を伴うフェニル環)である。他の実施形態では、R1′は、置換、または非置換の、ヘテロアリール部分である。
【0140】
特定の実施形態では、R1′は、−C(O)RA′である。他の実施形態では、R1′は、−CO2A′である。特定の実施形態では、RA′は、C1〜C6アルキル部分である。特定の実施形態では、RA′はメチルである。特定の実施形態では、RA′は以下のものである。
【0141】
【化16】

【0142】
他の実施形態では、RA′は、t−ブチルである。特定の実施形態では、R1′は、−CO2A′であり、式中RA′は、以下の化学式の中のものの1つである。
【0143】
【化17】

【0144】
当業者により理解されるように、上述のアルキル基のいずれかは、置換で、分岐状で、不飽和で、および/または環式であってもよい。
【0145】
特定の実施形態では、R1′は、−CO2A′であり、式中RA′は、以下の化学式のものである。
【0146】
【化18】

【0147】
式中、nは、0〜20を含む整数であり、mは、1〜6を含む偶数または奇数の整数である。
【0148】
特定の実施形態では、R1′は、−CO2A′であり、式中RA′は、以下の化学式のものである。
【0149】
【化19】

【0150】
式中、nは、0〜20を含む整数である。特定の実施形態では、nは、0〜12を含む整数である。特定の実施形態では、nは、0〜6を含む整数である。特定の実施形態では、nは、1〜6を含む整数である。
【0151】
特定の実施形態では、R1′は、−CO2A′であり、式中RA′はアリールまたはアリールアルキルである。特定の具体的な実施形態では、R1′は、−CO2A′であり、式中RA′は、以下の化学式のものである。
【0152】
【化20】

【0153】
式中、nは、0〜12を含む整数である。特定の実施形態では、nは0である。特定の実施形態では、nは1である。他の実施形態では、nは2,3,4,5、または6である。特定の具体的な実施形態では、R1′は、−CO2A′であり、式中RA′は、以下の化学式のものである。
【0154】
【化21】

【0155】
式中、nは、0〜12を含む整数である。特定の実施形態では、nは0である。特定の実施形態では、nは1である。他の実施形態では、nは2,3,4,5、または6である。
【0156】
特定の実施形態では、R1′またはR2′は、少なくとも1つのハロゲンを含み、R1′がハロゲンの場合、R2′はハロゲンでは無いという条件である。特定の実施形態では、R1′またはR2′は、少なくとも1つのフッ素を含み、R1′がフッ素の場合、R2′はフッ素では無いという条件である。
【0157】
特定の実施形態では、R2′は、置換、または非置換の、分岐状または非分岐状の脂肪族である。さらに他の実施形態では、R2′は、C1〜C6アルキルである。特定の実施形態では、R2′は、アルキル部分である。特定の実施形態では、R2′はメチルである。特定の実施形態では、R2′はエチルである。特定の実施形態では、R2′はプロピルである。特定の実施形態では、R2′はブチルである。特定の実施形態では、R2′は、アリール、またはヘテロアリール部分である。特定の実施形態では、R2′は、フェニル部分である。
【0158】
特定の実施形態では、R2′は−CO2A′であり、式中RA′は、1つまたは2つのハロゲンで置換された、環式または非環式の、分岐状または非分岐状の脂肪族である。
【0159】
特定の他の実施形態では、R2′は、−CO2A′であり、式中RA′は、以下のものである。
【0160】
【化22】

【0161】
式中、nは、0〜20を含む整数であり、mは、1〜6を含む偶数または奇数の整数である。
【0162】
特定の他の実施形態では、R2′は、−CO2A′であり、式中RA′は、以下のものである。
【0163】
【化23】

【0164】
式中、nは、0〜20を含む整数である。
【0165】
特定の実施形態では、R1′は、−CO2A′である。他の実施形態では、R1′は−CO2A′であり、R2′はC1〜C6アルキルである。他の実施形態では、R1′は−CO2A′であり、R2′はメチルである。他の実施形態では、R1′は−CO2A′であり、R2′はフッ素である。
【0166】
特定の実施形態では、R1′は、水素、ハロゲン、および環式もしくは非環式で、分岐状または非分岐状の脂肪族、またはアリールで、最高6個の炭素を有するものからなる群から選択され、式中前記アルキルもしくはアリールは、所望により、ハロゲン、−OH、および−OCH3からなる群から選択される、1つ以上の官能基と置換されてもよく、かつ、R2′は、RA′、−C(O)RA′および−CO2A′からなる群から選択され、式中RA′は、環式もしくは非環式で、置換もしくは非置換で、分岐状もしくは非分岐状の脂肪族である。
【0167】
特定の実施形態では、R1′は、水素、ハロゲン、および環式もしくは非環式で、分岐状または非分岐状の脂肪族、またはアリールで、最高6個の炭素を有するものからなる群から選択され、式中前記アルキルもしくはアリールは、所望により、ハロゲン、−OH、および−OCH3からなる群から選択される、1つ以上の官能基と置換されてもよく、かつ、R2′は、−CO2Hである。
【0168】
特定の実施形態では、化合物は、以下の化学式のメタクリレートである。
【0169】
【化24】

【0170】
または
【0171】
【化25】

【0172】
式中、RA′は、化学式(I)のメチレン基を含むものと定義される。
【0173】
特定の実施形態では、化合物は、以下の化学式の2−フルオロアクリレートである。
【0174】
【化26】

【0175】
または
【0176】
【化27】

【0177】
特定の実施形態では、化合物は、以下の化学式のクロトン酸エステルである。
【0178】
【化28】

【0179】
または
【0180】
【化29】

【0181】
特定の実施形態では、毛髪の処理に有用なメタクリレートは、以下の化学式のものである。
【0182】
【化30】

【0183】
特定の実施形態では、フッ素化した有機化合物は、本発明の毛髪処理システムに基づき毛髪に塗布される。フッ素化された化合物は、一般的に不飽和官能基、および少なくとも1個のフッ素原子を含む。不飽和官能基は、二重結合、または三重結合を含む。例示的な不飽和官能基は、アルケン、アルキン、カルボニル、イミン、チオカルボニル、アクリレート、メタクリレート、アクリレート、クロトン酸エステル、スチレン、ニトリル、シアノ、ビニル、スチレン、クロトネート、ケイ皮酸エステル、ジエン、トリエン、エンイン、マレイミド等を含む。
【0184】
フッ素化した化合物は、1個のフッ素原子を含むものから過フッ素化の状態から1個フッ素原子が少ないものまでの範囲であってもよい。特定の実施形態では、化合物の官能基は、例えば、アルキル、アルケニル、アシル、アリール、ヘテロアリール、複素環式、または炭素環式部分等のようにフッ素化している。特定の実施形態では、フッ素化化合物は、少なくとも、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、または20個のフッ素原子を含む。他の実施形態では、フッ素化化合物は、少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも40個のフッ素原子を含む。当業者によって理解されるように、化合物が大きくなるほど、化合物はより多くのフッ素原子を有する可能性がある。さらに、毛髪に塗布されたとき化合物が望ましい特徴を与える(例えば、見た目、感触)ように、毛髪に塗布された化合物は、十分なフッ素原子を含むものとする。
【0185】
特定の実施形態では、水素およびフッ素原子の総数の少なくとも、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%は、フッ素化化合物のフッ素原子である。特定の実施形態では、水素およびフッ素原子の総数の少なくとも50%は、フッ素化化合物のフッ素原子である。特定の実施形態では、水素およびフッ素原子の総数の少なくとも80%は、フッ素化化合物のフッ素原子である。特定の実施形態では、水素およびフッ素原子の総数の少なくとも90%は、フッ素化化合物のフッ素原子である。
【0186】
特定の実施形態では、フッ素化化合物は、フッ素化アルケンである。特定の具体的な実施形態では、フッ素化アルケンは、一置換されている。他の実施形態では、フッ素化アルケンは、二置換されている。二置換されたフッ素化アルケンは、シス配列、もしくはトランス配列のいずれか、またはこれらの混合であってもよい。さらに他の実施形態では、フッ素化アルケンは、三置換されている。三置換されたフッ素化アルケンは、E配列、もしくはZ配列のいずれか、またはこれらの混合であってもよい。さらにまた他の実施形態では、フッ素化アルケンは、四置換されている。ここでも、様々な異性体が可能であり、これらは本発明の部分であるとみなされる。特定の実施形態では、フッ素化化合物は、フッ素化アルキンである。
【0187】
例示的な一置換されたフッ素化化合物は、以下のものを含む。
【0188】
【化31】

【0189】
例示的な、毛髪の処理に有用な二置換されたフッ素化化合物は、以下のものを含む。
【0190】
【化32】

【0191】
特定の実施形態では、フッ素化化合物は、1つ以上の異なる化合物と混合される。当業者により理解されるように、混合物は、1つの化合物単独では得られない望ましい特徴を有する場合がある。特定の実施形態では、2つの異なる化合物が毛髪に塗布される。他の実施形態では、3つの異なる化合物が毛髪に塗布される。異なる化合物が使用される場合、化合物は毛髪に、同時にまたは別々に塗布される。特定の実施形態では、化合物はすべて、毛髪に塗布される同じ溶液の中にある。特定の実施形態では、化合物の1つは、フッ素化されており、それ以外のものはフッ素化されていない。他の実施形態では、すべての化合物は、フッ素化されている。
【0192】
本明細書に記述された化合物は、当該技術において既知の任意の方法を使用して、毛髪に塗布できる。処理される毛髪は、化合物または化合物の溶液を用いた、ブラシがけ、噴霧、すり込み、浸たし、染み込み等により処理される。特定の実施形態では、化合物は、水、アルコール、水/アルコール、またはアルコール/水混合物(5%/95%と10%/90%との間、10%/90%と20%/80%との間、20%/80%と30%/70%との間、30%/70%と40%/60%との間、および40%/60%と50%/50%との間)、または他の担体等の担体に溶解して、毛髪に塗布される。担体は、ジフルオロエタン、またはジメチルエーテル等の推進剤を含んでもよい。一般的に、化合物の濃度は、0.1%〜10%の範囲である。特定の実施形態では、濃度は、0.1%〜3%の範囲である。他の実施形態では、濃度は、0.1%〜2%の範囲である。
【0193】
組成物は、一般的に、様々な有機担体(例えば、アルコール)、プロピレングリコール、グリセロール、水、または水溶液に可溶である。特定の実施形態では、化合物は、50:50水/エタノール溶液中で、少なくとも10g/dLの溶解性を有する。特定の実施形態では、化合物は、50:50水/エタノール溶液中で、少なくとも5g/dLの溶解性を有する。特定の実施形態では、化合物は、50:50水/エタノール溶液中で、少なくとも4g/dLの溶解性を有する。特定の実施形態では、化合物は、50:50水/エタノール溶液中で、少なくとも3g/dLの溶解性を有する。特定の実施形態では、化合物は、50:50水/エタノール溶液中で、少なくとも2g/dLの溶解性を有する。特定の実施形態では、化合物は、50:50水/エタノール溶液中で、少なくとも1g/dLの溶解性を有する。特定の実施形態では、化合物は、50:50水/エタノール溶液中で、少なくとも0.5g/dLの溶解性を有する。水溶液は、酸または塩基であってもよい。特定の実施形態では、化合物は、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、変性エタノール、イソプロパノール、ブタノール)中に可溶である。
【0194】
重合化開始剤
好適には、本発明は、重合化開始剤を含まず、より好適には、周辺光下、もしくはuv光下で、または熱源を使用して活性化する重合化開始剤を含まない。
【0195】
美容ヘアケア組成物
本発明は、上述のヘアケア活性成分、および美容的に許容できる賦形剤を含む、美容ヘアケア組成物を提供する。ヘアケア業界で使用される美容的に許容できる賦形剤は、いくつかの分類に分けることができる。分類の構成要素は、最終組成物の使用(例えば、ヘアスプレー、コンディショナー、シャンプー)に依存して、最終ヘアケア組成物に含まれていても、除外されていてもよい。賦形剤の分類には、以下のものが含まれる。すなわち、(1)保存剤/酸化防止剤/キレート剤、(2)日焼け止め剤、(3)ビタミン、(4)ヘアダイ/ヘアカラー剤、(4)タンパク質/アミノ酸、(5)植物抽出物、(6)保湿剤、(7)香料/香水、(8)オイル/皮膚軟化剤/潤滑剤/バター、(9)浸透剤、(10)増粘剤/粘性改良剤、(11)重合体/樹脂/毛髪固定剤/膜形成剤、(12)界面活性剤/洗剤/乳化剤/乳白剤、(13)揮発性物質/推進剤/溶媒/担体、(14)液体展色剤/溶媒/担体、(15)塩、(16)pH調整剤/緩衝液/中和剤、(17)ヘアコンディショニング剤、(18)静電防止剤/縮れ防止剤、(19)ふけ防止剤、(20)毛髪ウェーブ剤/毛髪展伸剤、および(21)吸収剤である。
【0196】
特定の実施形態では、美容ヘアケア組成物は、スプレーである。スプレーは、一般的に、ヘアケア活性成分、および担体または推進剤を含む。特定の実施形態では、担体は、水およびアルコールの混合物である。特定の実施形態では、スプレー組成物は、所望により、保存剤、酸化防止剤、日焼け防止剤、ビタミン、タンパク質、ペプチド、植物抽出物、保湿剤、オイル、皮膚軟化剤、潤滑剤、増粘剤、ヘアコンディショニング剤、重合体、または界面活性剤もまた含む。特定の実施形態では、組成物は、オイルを含む。特定の実施形態では、組成物は、重合体を含む。特定の実施形態では、組成物は、保湿剤を含む。特定の実施形態では、組成物は、香料を含む。特定の実施形態では、組成物は、水、アルコール、オイル、香料、およびヘアケア活性成分を含む。特定の実施形態では、組成物は、水、アルコール、オイル、重合体、香料、およびヘアケア活性成分を含む。特定の実施形態では、組成物は、水、アルコール、静電防止剤、香料、およびヘアケア活性成分を含む。特定の実施形態では、組成物は、水、アルコール、ヘアコンディショニング剤、香料、およびヘアケア活性成分を含む。特定の実施形態では、組成物は、水、アルコール、界面活性剤、香料、およびヘアケア活性成分を含む。特定の実施形態では、組成物は、水、アルコール、皮膚軟化剤、香料、およびヘアケア活性成分を含む。ヘアスプレー組成物は、エアゾル分与器、またはポンプスプレー分与器である容器から分与される。こうした分与器は、当該技術において既知であり、American National Can Corp.およびContinental Can Corp.を含む様々な製造者から市販されている。
【0197】
特定の実施形態では、加圧されたエアゾル容器からヘアスプレー組成物が分与されたとき、組成物を容器から押し出すために推進剤が使用される。好適な推進剤は、本明細書に記述される。特定の実施形態では、推進剤は、液化可能な気体である。特定の実施形態では、推進剤は、ハロゲン化した推進剤である。他の実施形態では、組成物は、いかなるフッ素化された推進剤、または塩素化された推進剤をも含まない。一般的に、組成物中の推進剤の量は、約10重量%〜約60重量%である。特定の実施形態、組成物中の推進剤の量は、約15重量%〜約50重量%の範囲である。特定の実施形態では、2つの容器中のように、推進剤は、ヘアスプレー組成物と分離されている。他の好適なエアゾル分与器は、圧縮空気である推進剤によって特徴付けられており、圧縮空気は使用前にポンプまたは同等の装置を使用して分与器に充填することができる。こうした分与器は、両者とも参照することにより本明細書に組み込まれる、米国特許第4,077,441号、および米国特許第4,850,577号、ならびに、これも参照することにより本明細書に組み込まれる、1992年2月21日に出願された米国特許出願整理番号第07/839,648号に記述されている。従来の、非エアゾルポンプスプレー分与器、すなわち噴霧器もまた、本発明のヘアスプレー組成物に適用してもよい。特定の実施形態では、ヘアスプレー組成物が加圧されたエアゾル容器から分与される場合、容器は、本質的に推進剤を含まず、かつ本発明に適用するようにボトルの中に「袋または嚢」を使用する。この応用の例は、Excelパッケージである。
【0198】
特定の実施形態では、美容ヘアケア組成物は、クリームである。本発明のクリームは、一般的に、ヘアケア活性成分、担体、オイル、ヘアコンディショニング剤、および増粘剤を含む。特定の実施形態では、クリームは、香料もまた含む。特定の実施形態では、クリームは、植物抽出物もまた含む。特定の実施形態では、クリームは、界面活性剤もまた含む。特定の実施形態では、クリームは、重合体もまた含む。本発明のクリームは、チューブ、タブ、ボトル、または他の好適な容器にパッケージされてもよい。
【0199】
特定の実施形態によると、本発明は、上述の化学式(I)の過フッ素化されていない、非重合化化合物、ならびにレオロジー改良剤および非イオン乳化剤を含む賦形剤を含む毒性の無いヘアケア組成物である。これにより、非アルコール水性のスプレー可能なゲル懸濁液を、偽塑性外部相を介して、高いゼロせん断粘度で、フッ素化化合物を送達することができる。レオロジー改良剤は、好適には、組成物の0.1重量%〜2.0重量%である。レオロジー改良剤の例には、ポリアクリル酸グリセリル、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボマー、アクリレート共重合体、アクリル酸/vpクロスポリマー、またはキサンタンガムを含む。非イオン乳化剤は、好適には、組成物の0.05重量%〜5.0重量%である。非イオン乳化剤の例は、ラウレス−23、オクチルドデセス−20、オレス−10、Peg−40水素添加ヒマシ油、ポラキソマー127、ポリソルベート20、またはセテアレス−20を含む。具体的に上述されていない、他のレオロジー改良剤および非イオン乳化剤が、市販されており、当業者には既知である。ヘアケア製品に好適な他の賦形剤を、望ましい機能性を達成するために、非アルコールスプレーに添加してもよい。
【0200】
水分抵抗性
毛髪上の水分、および水分の毛髪内への浸透は、毛髪のタンパク質の配置を乱し、結果として、縮れの増加のような、美容的に望ましくない変化を生じさせる。本発明は、毛髪、具体的には頭皮上の毛髪または頭皮から生えた毛髪に有益な水分抵抗特性を追加する。本発明の水分抵抗性は、動的蒸気収着(DVS)により測定されるときの、水の収着/脱着のヒステリシスを参照する。DVSでは、サンプルは、既定の一定な相対湿度の連続的な空気の流れに暴露された微量てんびんに配置される。湿度のある空気がサンプルを通過すると、一定の水分濃度の領域がその周辺に生成される。この領域は、サンプルへの、およびサンプルからの水蒸気の質量移動を最大化することにより平衡化される、水蒸気収着または脱着を急速に確立させる。
【0201】
水蒸気の収着/脱着によるサンプル(例えば、毛髪の見本)中の質量変化を、特定の温度において、相対湿度の異なるレベルの間で測定することができる。質量の変化は、相対湿度の関数としてプロットすることができ、これは、湿度が上昇するときに水蒸気の収着相(吸収および/または吸着)の性質に関する情報を提供し、逆に湿度が減少するときに水蒸気の脱着の性質に関する情報を提供する。相対湿度の任意の特定の値における、収着相と脱着相との質量変化の違いは、ヒステリシスとして知られ、毛髪上および毛髪内の水分に対する抵抗または制御のための毛髪処理の能力を評価するための指標として使用することができる。下記のように、本発明は、特に30〜80%RHの相対湿度の値の範囲にわたって、ヒステリシスの低減を提供する。
【0202】
本発明の記載では、水分抵抗性は、DVSプロトコルIに従って測定される。「水分流束の減少」とは、DVSプロトコルIに従って動的蒸気収着の対象となったときに、処理された毛髪がヒステリシスの減少を示すことを意味する。
【0203】
DVSプロトコルI
1. 50gの漂白した毛髪の房(標準単一漂白、ウェーブのある縮れた毛髪、米国ニューヨーク州ホワイトプレーンのInternational Hair Importersから入手)を0.30mLの脱イオン水で、所望によりピペットを介して、湿らせ、もつれがある場合に取り除くように軽く櫛を通す。
2. 以下の量の組成物を、毛髪の房に塗布する。すなわち、セラムに対しては(0.09g〜0.12g)、クリーム/ローション/ムースに対しては(0.20g〜0.25g)、スプレーに対しては(0.35g〜0.40g)であり、これを均一に分散し、かつ毛髪に櫛を通す。好適には、毛髪への処方の重量比は、セラムに対しては約0.073、クリーム/ローション/ムースに対しては0.15、スプレーに対しては0.25とすることとする。
3. スタイリングは、ヘアブラシを10回通し、かつ約50℃〜120℃で強に設定したブロードライヤーで吹くことを含む。
4. スタイリングの後、毛髪は切断され、各房の中間からの部分(約300mg)をDVSにより分析する。
5. DVSの条件は以下の通りである。別段に記載が無い限り、採用する温度は25℃である。
収着相:相対湿度30%から開始し、各ステップで相対湿度10%ずつ上昇させて、相対湿度90%まで上昇する。脱着相:相対湿度90%から開始し、各ステップで相対湿度10%ずつ低下させて、相対湿度0%まで低下する。各相対湿度条件において、サンプルは4時間維持され、次の相対湿度レベルへの上昇または降下は、20分の時間をかけて行われるようにプログラムされる。
【0204】
このような毛髪サンプルのDVS実験からヒステリシスの値を監視することにより、毛髪処理の水分に対する抵抗または水分の制御の能力の評価ができる。
【0205】
本発明は、(1)水を使用した制御処理および(2)Kerastase(登録商標)Oleo Relax Serum(米国内で2008年に購入、以下「商品例A」と称する)等のシリコーン製品(これは実際には、水と比較しでヒステリシスを上昇させる)のいずれと比較しても優れた水分抵抗性を提供する。好適には、上述した本発明の毛髪の房への使用は、対照の毛髪(水で処理した)と比較して、上述のDVSプロトコルにより試験した場合、相対湿度30%〜80%の範囲にわたり、平均ヒステリシス値の4%の減少を提供する。より好適には、上述した本発明の毛髪の房への使用は、対照の毛髪(水で処理した)と比較して、上述のDVSプロトコルにより試験した場合、相対湿度30%〜80%の範囲にわたり、平均ヒステリシス値の10%より大きい減少を提供し、さらにより好適には20%を超える減少を提供する。さらにより好適には、上述した本発明の毛髪の房への使用は、対照の毛髪(水で処理した)と比較して、上述のDVSプロトコルにより試験した場合、相対湿度30%〜80%の範囲にわたり、平均ヒステリシス値の50%以上の減少を提供し、80%以上の減少さえも提供する。
【0206】
無重量化
ヘアケア製品を使用する者は、上述の有用な効果を望む。しかしながら、このようなユーザーは、残渣/製品が毛髪中または毛髪上にあるという感触を得たくない。性能は維持するが、毛髪中の残渣の重量または「感触」をより少なくする組成物を、しかしながら、好む。
【0207】
本発明の組成物は、「無重量化試験I」に従って、55℃、相対湿度10%で10分間(スプレー処方の場合)および30分間(クリーム/ローション/セラム/ムース処方の場合)加熱した後、製品の性能は維持するが、その重量の25%以上、好適にはその重量の50%、より好適にはその重量の70%以上、さらにより好適には重量の80%以上、そしてもっとも好適にはその重量の95%以上を有益に失う。
【0208】
無重量化試験I
組成物を、蓋の無い容器の中に分与し、均等に広げる。例えば、容器は、半径9cmでへりが0.5cmの寸法である、円形の容器である。
1. 容器にラベルを付け、その後3gを処方し、その直前と直後に重量を測る。
2. 組成物は、オーブンに入れる前に、平衡化するように、周囲条件(25℃、相対湿度30%)で、5分間放置する。
3. 容器を、55℃、相対湿度10%に制御されたオーブンの中に配置する。
4. 各ディッシュは、スプレー組成物に対しては10分で、クリーム/ローション/セラム/ムース組成物に対しては30分で、取り出され、質量を記録する。
【0209】
本発明による毛髪の処理のための組成物は、Kerastase(登録商標)Oleo Relax Serum(「商品例A」)、John Frieda(登録商標)Frizz Ease(「商品例B」)、Biosilk(登録商標)Silk Therapy(「商品例H」)、Redken(登録商標)Smooth Down Heat Glide(「商品例C」)、Nexxus(登録商標)Sleek Memory Straightening Smooth Spray(「商品例D」)、Barex(登録商標)Re−define Creme(「商品例G」)、Fekkai(登録商標)Glossing Cream(「商品例E」)、およびBedhead(登録商標)Curls Rock(「商品例F」)(すべて米国内で2008年に購入)に対する使用量についてのパッケージの使用説明に従った場合、乾燥減量により平均少なくとも25%、残渣の残りがより少なかった。本発明の処方の「無重量化」の利点に対する1つの理由は、上述のヘアケア製品に見出されるレベルのシリコーン化合物を必要とせず、かつ好適には含まないことであると考えられる。
【0210】
汚れ抵抗性
毛髪繊維内への水分の浸透を制御または低減するために多くの材料が使用される。しかしながら、これらの材料のほとんどは、オイルベース、またはシリコーンベースである。結果として得られる効果は、重い残渣の感触と組み合わされたわずかな水分抵抗であり、これは、グリースおよび微粒子を引き付ける。当該技術では、毛髪繊維内への水分の透過を制御または低減し、一方で毛髪の感触を、軽量で、油っこさのない、かつ汚れ/微粒子の引き付けを最低限にする組成物が望ましい。
【0211】
毛髪への汚れおよび粒子の引き付けにより、一日を通して、毛髪は、より軟弱で、より重く、より鈍い状態になる。環境の汚染物質に抵抗する能力は、毛髪により長持ちするスタイルと輝きを与える。したがって、本発明の毛髪処理の組成物の汚れの蓄積に抵抗する能力が、試験され、かつ商品例Aと比較された。コーンスターチが汚れとして選択された。USPコーンスターチは均一に白く、毛髪に組み込むことができ、黒い毛髪上では優れたコントラストを提供するので、デジタル写真技術により定量化できるグレースケール測定が可能である。残ったコンスターチは、重量測定分析によっても評価された。
【0212】
スターチ抵抗(重量測定法)
以下に記述したように毛髪上で試験した場合、本発明のヘアケア組成物は、15重量%未満の、好適には10重量%未満の、より好適には7重量%未満の、そしてもっとも好適には5重量%未満の重量の追加を提供することとする。汚れに対する抵抗性の指標としては、「重量の追加」は、スターチ試験Iに従う重量の追加測定を意味する。
【0213】
スターチ試験I
1. 50g未使用の暗褐色の毛髪の房(米国ニューヨーク州ホワイトプレーンのInternational Hair Importersから入手)を0.30mLの水で、所望によりピペットを介して、湿らせる。
2. 以下の量の組成物を、毛髪の房に塗布する。すなわち、セラムに対しては(0.10g〜0.12g)、クリーム/ローション/ムースに対しては(0.20g〜0.25g)、スプレーに対しては(0.35g〜0.40g)であり、これを均一に分散し、かつ毛髪に櫛を通す。好適には、毛髪への処方の重量比は、セラムに対しては約0.073、クリーム/ローション/ムースに対しては0.15、スプレーに対しては0.25とすることとする。
3. 毛髪は、ヘアブラシ、および高速および高温に設定したブロードライヤーにより、約50℃〜120℃で30秒間スタイリングする。
4. 房をコーンスターチの槽内で、例えば、約2gのUSPコーンスターチの中で、浸透させる。
5. 房をコーンスターチの槽から取り出し、すべての固着していないコーンスターチが取り除かれるよう、例えば、10秒間、手で振る。
6. 房は、重量測定され、新しい質量が記録される。
【0214】
本発明は、毛髪のあるいかなる動物に使用してもよい。システムは、ヒトの毛髪を処理するために特に有用である。しかしながら、他の哺乳類の毛髪または毛皮もまた、処理してもよい。例えば、本発明のシステムを使用して、イヌ、およびネコ等の、家畜化した動物の毛髪、または毛皮を処理してもよい。加えて、齧歯類(例えば、マウス、ラット、ウサギ、モルモット等)のような試験動物、または霊長類の毛髪、または毛皮を処理してもよい。特定の実施形態では、ヒト(例えば、刈り取った毛髪)、または他の動物からの毛髪サンプルが、本発明により、試験された。本発明により処理された毛髪、または毛皮のサンプルは、本発明の範囲内であるとみなされる。これらの毛髪、または毛皮のサンプルは、該毛髪、または該毛皮の上に化合物が含まれる。特定の実施形態では、毛髪はヒトの毛髪である。他の実施形態では、毛髪は、ヒト以外の毛髪である。特定の実施形態では、毛髪、または毛皮は、イヌ、またはネコの毛髪、または毛皮である。他の実施形態では、毛髪は、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、スナネズミ、または霊長類の毛髪である。本発明の毛髪処理システムは、かつら、付け毛、およびヘアピースに含まれる毛髪の処理にもまた使用することができる。
【0215】
本発明のこれらの、および他の態様は、本発明の特定の具体的な実施形態を示すことを意図する、以下の実施例を考慮することによって、さらに理解されるが、特許請求の範囲に定義された本発明の範囲を制限することを意図しない。
【0216】
実施例
実施例1−処理した毛髪の試験
本明細書に記述された試験は、光沢/艶、破断強度、および毛髪繊維の厚さを試験するために使用されてもよい。
【0217】
この例では、毛髪の光沢/艶の測定が提案される。毛髪のサンプルに、組成物を塗布し、かつカールおよびブラシがけした後、毛髪は円筒の周りに巻かれ、太陽光を擬似するランプの下に置かれる。艶の円錐の幅を測定し、市販品と比較する。
【0218】
この例では、毛髪の破断強度の測定が提案される。単一の毛髪繊維(処理されたもの、および処理されていないもの)を、Instronに取り付けることができ、これは繊維の一方の端を引っ張り、特定の力で繊維を破断する。
【0219】
この例では、毛髪の厚さの測定が提案される。毛髪繊維(処理されたもの、および処理されていないもの)の断面を、顕微鏡法により検査し、かつ測定することができる。
【0220】
この例では、処理された毛髪の湿度に対する抵抗性が提案される。この特性は、スタイリングした毛髪の房を湿度の高い環境に置くことによって測定できる。
【0221】
この実施形態では、感触が提案される。感触のパラメータは、所与の材料に対して毛髪繊維上で評価される。専門家のブラインドテストにより、べたつき、すべり、剛さ、滑らかさ、油っこさ、および強さ等のいくつかのパラメータが評価できる。
【0222】
実施例2−スタイリングスプレー
以下は、様々なヘアケア組成物に含まれる例示的なフッ素化化合物を含む。フッ素化化合物は、例えば、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキシルジメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキシルジアクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキシルジアクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキシルジメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルアクリレート、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロ−1,5−ペンチルジアクリレート、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロ−1,5−ペンチルジメタクリレート、または上述の本発明に使用される他の任意のフッ素化化合物であってもよい。当業者により理解されるように、これらの処方は、メタクリレート、アクリレート、アルケン、ハロゲン化化合物等の、本明細書に記述された他の化合物を送達するために使用されてもよい。
フッ素化化合物を含む、例示的なスタイリングスプレーは以下のものを含んでいてもよい。
【0223】
【表1】

【0224】
実施例3−スタイリングスプレー
フッ素化化合物を含む、例示的なスタイリングスプレーは以下のものを含んでいてもよい。
【0225】
【表2】

【0226】
フッ素化化合物は、上述の実施例2に記述したものと同様である。
【0227】
実施例4−スタイリングスプレー
別の例示的なスタイリングスプレーは、以下のものを含んでいてもよい。
【0228】
【表3】

【0229】
フッ素化化合物は、上述の実施例2に記述したものと同様である。
【0230】
実施例5−スタイリングスプレー
フッ素化化合物を含む、例示的なスタイリングスプレーは以下のものを含んでいてもよい。
【0231】
【表4】

【0232】
フッ素化化合物は、上述の実施例2に記述したものと同様である。
【0233】
実施例6−スタイリングスプレー
フッ素化化合物を含む、別の例示的なスタイリングスプレーは以下のものを含んでいてもよい。
【0234】
【表5】

【0235】
フッ素化化合物は、上述の実施例2に記述したものと同様である。
【0236】
実施例7−スタイリングクリーム
フッ素化化合物を含む、例示的なスタイリングクリームは以下のものを含んでいてもよい。
【0237】
【表6】

【0238】
フッ素化化合物は、上述の実施例2に記述したものと同様である。
【0239】
実施例8−スタイリングクリーム
フッ素化化合物を含む、例示的なスタイリングクリームは以下のものを含んでいてもよい。
【0240】
【表7】

【0241】
フッ素化化合物は、上述の実施例2に記述したものと同様である。
【0242】
実施例9−スタイリングクリーム
フッ素化化合物を含む、例示的なスタイリングクリームは以下のものを含んでいてもよい。
【0243】
【表8】

【0244】
フッ素化化合物は、上述の実施例2に記述したものと同様である。
【0245】
実施例10−スタイリングスプレー
フッ素化化合物を含む、例示的なスタイリングスプレーは以下のものを含んでいてもよい。
【0246】
【表9】

【0247】
フッ素化化合物は、上述の実施例2に記述したものと同様である。
【0248】
実施例11−スタイリングクリーム
フッ素化化合物を含む、例示的なスタイリングクリームは以下のものを含んでいてもよい。
【0249】
【表10】

【0250】
フッ素化化合物は、上述の実施例2に記述したものと同様である。
【0251】
実施例12−スタイリングクリーム
フッ素化化合物を含む、例示的なスタイリングクリームは以下のものを含んでいてもよい。
【0252】
【表11】

【0253】
フッ素化化合物は、上述の実施例2に記述したものと同様である。
【0254】
実施例13−スタイリングクリーム
フッ素化化合物を含む、スタイリングクリームの別の処方は以下のものを含んでいてもよい。
【0255】
【表12】

【0256】
フッ素化化合物は、上述の実施例2に記述したものと同様である。
【0257】
実施例14−スタイリングクリーム
フッ素化化合物を含む、別の例示的なスタイリングクリームの処方は以下のものを含んでいてもよい。
【0258】
【表13】

【0259】
フッ素化化合物は、上述の実施例2に記述したものと同様である。
【0260】
実施例15−スタイリングクリーム
フッ素化化合物を含む、スタイリングクリームの別の例示的な処方は以下のものを含んでいてもよい。
【0261】
【表14】

【0262】
フッ素化化合物は、上述の実施例2に記述したものと同様である。
【0263】
実施例16−スタイリングクリーム
フッ素化化合物を含む、例示的なスタイリングクリームは以下のものを含んでいてもよい。
【0264】
【表15】

【0265】
フッ素化化合物は、上述の実施例2に記述したものと同様である。
【0266】
実施例17−スタイリングスプレー
フッ素化化合物を含む、例示的なスタイリングスプレーは以下のものを含んでいてもよい。
【0267】
【表16】

【0268】
フッ素化化合物は、上述の実施例2に記述したものと同様である。
【0269】
実施例18−非アルコール水性スタイリングスプレージェル
フッ素化化合物は、最初に非イオン乳化剤と予混合された。乳化剤とフッ素化化合物の予混合は、懸濁した乳濁液滴の適正な形成を確実にするためのものであり、結果として、フッ素化化合物の単一または複数の二層コーティングが得られる。乳化剤の濃度は、ミセルの形成は懸濁の安定性を改善しないので、CMC(臨界ミセル濃度)より低いままに保たれる。組成物は均質化され、液滴サイズは15ミクロン未満だった。これにより、オイルに対する乳化剤の比をより低くし、適正な懸濁した液滴の分散、および組成物の安定を得ることができる。結果は、水性ベースのフッ素化化合物の懸濁であり、これは合体、凝集、および/またはフッ素化化合物の相分離に抵抗する。合成器(例えば、スプレーポンプ)にせん断力をかけ、粘度を減少し、かつ均一なスプレーパターンを介してフッ素化化合物を送達できるようにする。せん断力の除去により、粘度が戻り、組成物が安定化する。
【0270】
一般的な、フッ素化化合物を含む、非アルコール水性スタイリングスプレージェルの例示的な組成物は、以下のものを含んでいてもよい。
【0271】
【表17】

【0272】
フッ素化化合物は、上述の実施例2に記述したものと同様である。
【0273】
実施例19−非アルコール水性スタイリングスプレージェル
より具体的な、フッ素化化合物を含む、非アルコール水性スタイリングスプレージェルの例示は、以下のものを含んでいてもよい。
【0274】
【表18】

【0275】
フッ素化化合物は、上述の実施例2に記述したものと同様である。
【0276】
上記の組成物は、以下に記述したプロセスを使用して製造されてもよい。
【0277】
フェーズAは、水、およびLubrajel II XDからなる。まず、ベッセルに水を入れ、35℃に加熱した。その後、Lubrajel II XDの総量の10%を加え、少なくとも20分間混合した。フェーズBは、フッ素化化合物、オクチルドデセス−20、および香料の混合からなる。分離したベッセル内で、オクチルドデセス−20を35℃に暖めた。その後、フッ素化化合物および香料をベッセルに加えた。内容物を、均一になるまで混合した。フェーズBをフェーズAに加え、均一になるまでこれらを混合した。その後、混合物を、粒子サイズが5〜15ミクロンになるまで均一化し、その後、間隔の開いたブレードのプロペラでゆっくりと混合し、脱気した。フェーズCは、Lubrajel II XDの残部および保存剤からなる。その後、フェーズCの構成要素を、上記のフェーズAおよびフェーズBの混合物に加え、1時間の間混合した。その後、混合物を、21℃〜25℃に冷却した。
【0278】
実施例20−非アルコール水性スタイリングスプレージェル
比重が1.00より大きいフッ素化化合物を含む非アルコール水性スプレージェルをさらに安定化させるために、パラフィンブレンド等の低比重材料を組成物に加えてもよい。低比重材料の添加は、油相の比重を1.00にバランスし、より高い懸濁の安定性を可能にする。
【0279】
一般的な、フッ素化化合物を含む、非アルコール水性スタイリングスプレージェルの例示的な組成物は、以下のものを含んでいてもよい。
【0280】
【表19】

【0281】
フッ素化化合物は、上述の実施例2に記述したものと同様である。
【0282】
実施例21−非アルコール水性スタイリングスプレージェル
より具体的な、フッ素化化合物を含む、非アルコール水性スタイリングスプレージェルの例示は、以下のものを含んでいてもよい。
【0283】
【表20】

【0284】
フッ素化化合物は、上述の実施例2に記述したものと同様である。
【0285】
上記の組成物は、以下に記述したプロセスを使用して製造されてもよい。
【0286】
フェーズAは、水、アミノメチルプロパノール(AMP)、およびアクリル酸/VP共重合体からなる。まず、ベッセルに水を入れ、50℃に加熱した。その後、AMPの必要な総量の10%を加えた。その後、アクリル酸/VP共重合体を、強く攪拌しながら加え、少なくとも1時間混合した。フェーズBは、フッ素化化合物、ラウレス−23、ラウレス−4、およびSiClone SR−5の混合からなる。別のベッセルで、フッ素化化合物、ラウレス−23、ラウレス−4、およびSiClone SR−5を37℃で予混合した。フェーズBをフェーズAに加え、均一になるまで混合した。その後、混合物を、30℃まで冷却し、粒子径が5〜15ミクロンに下がるように、均一化した。その後、混合物を、間隔の開いたブレードのプロペラでゆっくりと混合し、脱気した。フェーズCは、AMPの残部からなる。その後、フェーズCを、上記のフェーズAおよびフェーズBの混合物に加え、1時間の間混合した。その後、混合物を、21℃〜25℃に冷却した。
【0287】
実施例22−スタイリングクリーム
フッ素化化合物を含む、例示的なスタイリングクリームは以下のものを含んでいてもよい。
【0288】
【表21】

【0289】
フッ素化化合物は、上述の実施例2に記述したものと同様である。
【0290】
実施例23−スタイリングポマード
フッ素化化合物を含む、例示的なスタイリングポマードは以下のものを含んでいてもよい。
【0291】
【表22】

【0292】
フッ素化化合物は、上述の実施例2に記述したものと同様である。
【0293】
実施例24−エアゾルヘアスタイリングスプレー
フッ素化化合物を含む、例示的なエアゾルヘアスタイリングスプレーは以下のものを含んでいてもよい。
【0294】
【表23】

【0295】
フッ素化化合物は、上述の実施例2に記述したものと同様である。
【0296】
実施例25−エアゾルヘアスタイリングムース
フッ素化化合物を含む、例示的なエアゾルヘアスタイリングムースは以下のものを含んでいてもよい。
【0297】
【表24】

【0298】
フッ素化化合物は、上述の実施例2に記述したものと同様である。
【0299】
実施例26−エアゾルシェービングクリーム
フッ素化化合物を含む、例示的なエアゾルシェービングクリームは以下のものを含んでいてもよい。
【0300】
【表25】

【0301】
フッ素化化合物は、上述の実施例2に記述したものと同様である。
【0302】
実施例27−エアゾルシェービングジェル
フッ素化化合物を含む、例示的なエアゾルシェービングジェルは以下のものを含んでいてもよい。
【0303】
【表26】

【0304】
フッ素化化合物は、上述の実施例2に記述したものと同様である。
【0305】
実施例28−シェービングクリーム
フッ素化化合物を含む、例示的なシェービングクリームは以下のものを含んでいてもよい。
【0306】
【表27】

【0307】
フッ素化化合物は、上述の実施例2に記述したものと同様である。
【0308】
実施例29−ヘアスプレーA
フッ素化化合物を含む、例示的なスタイリングスプレーは以下のものを含んでいてもよい。
【0309】
【表28】

【0310】
フッ素化化合物は、上述の実施例2に記述したものと同様である。
【0311】
上記の組成物は、以下に記述したプロセスを使用して製造されてもよい。
【0312】
フェーズAは、変性アルコール、および水からなる。まず、ベッセルに水を入れる。その後、変性アルコールを水が入っているベッセルに加える。均一なフェーズAが得られるまで、内容物を混合する。フェーズBは、フッ素化化合物、PEG−40水素添加ヒマシ油、および香料の混合物からなる。別個のベッセル内で、PEG−40水素添加ヒマシ油を30℃に加熱した。その後、フッ素化化合物および香料をベッセルに加えた。均一なフェーズBが得られるまで、内容物を混合した。フェーズBをフェーズAに加え、均一になるまでこれらを混合した。フェーズCは、C10〜40イソアルキルアミドプロピルエチルジモニウムエトサルフェート、およびジプロピレングリコールからなる。上記のフェーズAおよびフェーズBの混合物に、上記の均一な組成物が得られるまでフェーズCを加えた。
【0313】
実施例30−ヘアスプレーB
フッ素化化合物を含む、例示的なスタイリングスプレーは以下のものを含んでいてもよい。
【0314】
【表29】

【0315】
フッ素化化合物は、上述の実施例2に記述したものと同様である。
【0316】
上記の組成物は、以下に記述したプロセスを使用して製造されてもよい。
【0317】
フェーズAは、変性アルコール、および水からなる。まず、ベッセルに水を入れる。その後、変性アルコールを水が入っているベッセルに加える。均一なフェーズAが得られるまで、内容物を混合する。フェーズBは、フッ素化化合物、PEG−40水素添加ヒマシ油、および香料の混合物からなる。別個のベッセル内で、PEG−40水素添加ヒマシ油を30℃に加熱した。その後、フッ素化化合物および香料をベッセルに加えた。均一なフェーズBが得られるまで、内容物を混合した。フェーズBをフェーズAに加え、均一になるまでこれらを混合した。フェーズCは、C10~40イソアルキルアミドプロピルエチルジモニウムエトサルフェート、およびジプロピレングリコールからなる。上記のフェーズAおよびフェーズBの混合物に、上記の均一な組成物が得られるまでフェーズCを加えた。
【0318】
実施例31−ヘアクリームA
フッ素化化合物を含む、例示的なスタイリングクリームは以下のものを含んでいてもよい。
【0319】
【表30】

【0320】
フッ素化化合物は、上述の実施例2に記述したものと同様である。
【0321】
上記の組成物は、以下に記述したプロセスを使用して製造されてもよい。
【0322】
フェーズAは、水からなる。まず、ベッセルに水を入れる。その後、ベッセルを50℃に加熱した。フェーズBは、ミリスチルアルコール、ステアリン酸PEG−8、ポリソルベート20、ポリアクリレート−13、およびポリイソブテンの混合物からなる。フェーズBの成分をフェーズAに加え、ポリソルベート20、ポリアクリレート−13、およびポリイソブテンを加える前に、ミリスチルアルコール、およびステアリン酸PEG−8、が溶解できるようにする。内容物を、強い攪拌で30分間、または均一になるまで混合した。プロピオン酸PPG−2ミリスチルエーテルからなるフェーズCを、上記のフェーズA、およびフェーズBの混合物に加え、内容物が均一になるまで混合した。混合物を45℃に冷却した。その後、フェノキシエタノール、カプリリルグリコール、およびソルビン酸からなるフェーズDを、上記の混合物に加え、内容物が均一になるまで混合した。混合物を30℃に冷却した。その後、フッ素化化合物、および香料からなるフェーズEを、上記の混合物に加え、内容物が均一になるまで混合した。その後、混合物に水を適量加え、上記の組成物が得られるように均一化された。
【0323】
実施例32−ヘアクリームB
フッ素化化合物を含む、例示的なスタイリングクリームは以下のものを含んでいてもよい。
【0324】
【表31】

【0325】
フッ素化化合物は、上述の実施例2に記述したものと同様である。
【0326】
上記の組成物は、以下に記述したプロセスを使用して製造されてもよい。
【0327】
フェーズAは、水からなる。まず、ベッセルに水を入れる。その後、ベッセルを60℃に加熱した。フェーズBは、セチルアルコール、ポリソルベート20、ポリアクリレート−13、およびポリイソブテンの混合物からなる。フェーズBの成分を、フェーズAに加え、ポリソルベート20、ポリアクリレート−13、およびポリイソブテンを加える前に、セチルアルコールが溶解できるようにする。内容物を、強い攪拌で30分間、または均一になるまで混合した。上記のフェーズAおよびフェーズBの混合物に、ステアリン酸オクチルからなるフェーズCを均一になるまで加えた。混合物を45℃に冷却した。その後、フェノキシエタノール、カプリリルグリコール、およびソルビン酸からなるフェーズDを、上記の混合物に加え、内容物が均一になるまで混合した。混合物を30℃に冷却した。その後、フッ素化化合物、および香料からなるフェーズEを、上記の混合物に加え、内容物が均一になるまで混合した。その後、混合物に水を適量加え、上記の組成物が得られるように均一化した。
【0328】
実施例33−ヘアクリームC
フッ素化化合物を含む、例示的なスタイリングコントロールクリームは以下のものを含んでいてもよい。
【0329】
【表32】

【0330】
フッ素化化合物は、上述の実施例2に記述したものと同様である。
【0331】
上記の組成物は、以下に記述したプロセスを使用して製造されてもよい。
【0332】
フェーズAは、水、VP/VA共重合体、およびVP/メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体からなる。まず、ベッセルに水を入れる。その後、VP/VA共重合体、およびVP/メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体をベッセルに加える。その後、ベッセルを50℃に加熱した。フェーズBは、ミリスチルアルコール、ステアリン酸PEG−8、ポリソルベート20、ポリアクリレート−13、およびポリイソブテンの混合物からなる。フェーズBの成分が、フェーズAに加え、ポリソルベート20、ポリアクリレート−13、およびポリイソブテンを加える前に、ミリスチルアルコール、およびステアリン酸PEG−8が溶解できるようにする。内容物を、強い攪拌で30分間、または均一になるまで混合した。上記のフェーズAおよびフェーズBの混合物に、プロピオン酸PPG−2ミリスチルエーテルからなるフェーズCを均一になるまで加えた。混合物を45℃に冷却した。その後、フェノキシエタノール、カプリリルグリコール、およびソルビン酸からなるフェーズDを、上記の混合物に加え、内容物が均一になるまで混合した。混合物を30℃に冷却した。その後、フッ素化化合物、グリセリン、および香料からなるフェーズEを、上記の混合物に加え、内容物が均一になるまで混合した。その後、混合物に水を適量加え、上記の組成物が得られるように均一化した。
【0333】
上述の内容は、本発明の、特定の非限定的な、好適な実施形態の記述である。当業者は、下記の特許請求の範囲に定義されるように、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、この記述に対する様々な変更および改良がなされ得ることを理解するであろう。
【0334】
実施例34−ヘアクリームD
フッ素化化合物を含む、例示的なヘアスタイリングコントロールクリームは以下のものを含んでいてもよい。
【0335】
【表33】

【0336】
フッ素化化合物は、上述の実施例2に記述したものと同様である。
【0337】
上記の組成物は、以下に記述したプロセスを使用して製造されてもよい。
【0338】
フェーズAは、水、VP/VA共重合体、およびVP/メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体からなる。まず、ベッセルに水を入れる。その後、VP/VA共重合体、およびVP/メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体をベッセルに加える。その後、ベッセルを50℃に加熱した。フェーズBは、ミリスチルアルコール、ステアリン酸PEG−8、ポリソルベート20、ポリアクリレート−13、およびポリイソブテンの混合物からなる。フェーズBの成分を、フェーズAに加え、ポリソルベート20、ポリアクリレート−13、およびポリイソブテンを加える前に、ミリスチルアルコール、およびステアリン酸PEG−8が溶解できるようにする。内容物を、強い攪拌で30分間、または均一になるまで混合した。上記のフェーズAおよびフェーズBの混合物に、プロピオン酸PPG−2ミリスチルエーテルからなるフェーズCを均一になるまで加えた。混合物を45℃に冷却した。その後、フェノキシエタノール、カプリリルグリコール、およびソルビン酸からなるフェーズDを、上記の混合物に加え、内容物が均一になるまで混合した。混合物を30℃に冷却した。その後、フッ素化化合物、グリセリン、および香料からなるフェーズEを、上記の混合物に加え、内容物が均一になるまで混合した。その後、混合物に水を適量加え、上記の組成物が得られるように均一化された。
【0339】
上述の内容は、本発明の、特定の非限定的な、好適な実施形態の記述である。当業者は、下記の特許請求の範囲に定義されるように、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、この記述に対する様々な変更および改良がなされ得ることを理解するであろう。
【0340】
実施例35−シャンプー
フッ素化化合物を含む、別の例示的なシャンプーの処方は以下のものを含んでいてもよい。
【0341】
【表34】

【0342】
フッ素化化合物は、上述の実施例2に記述したものと同様である。
【0343】
実施例36−コンディショナー
フッ素化化合物を含む、別の例示的なコンディショナーの処方は以下のものを含んでいてもよい。
【0344】
【表35】

【0345】
フッ素化化合物は、上述の実施例2に記述したものと同様である。
【0346】
比較実施例1−水分抵抗力
本発明の好適な実施形態(ヘアスプレーA)により処理された毛髪の見本の湿度抵抗力は、競合他社の製品(商品例A)により処理された毛髪の見本の湿度抵抗力、ならびに処理されていない毛髪の見本の湿度抵抗力と、上述の動的蒸気収着(DVS)プロトコルIにより比較された。塗布した製品の量(パッケージの取り扱い説明に基づいて測定した)を、表1の製品の標的量に示し、これらは、100mg(商品例A)、および370mg(ヘアスプレーA)だった。
【0347】
【表36】

【0348】
図1、および図2は、ヘアスプレーAが、水で処理したサンプル、または商品例Aで処理したサンプルと比較して、湿度90%における水分の移送を著しく阻害していることを示している。ヘアスプレーAの塗布を増やすことにより、効果が増大している。
【0349】
上記の「水分抵抗力」の項に記述したように、毛髪の処理の有する、毛髪上および毛髪内の水分に対する抵抗または制御の能力を評価するために、特定の相対湿度における水の吸着/脱着の差(いわゆる「ヒステリシス」)を指標として使用することができる。図3では、ヘアスプレーAにより処理されたサンプルに対する全体的なヒステリシスの値が下がるほど、商品例Aで処理されたサンプルに対する毛髪上に吸着、および毛髪内に浸透することができる水が少なくなることが示される。これは、本発明が毛髪繊維上に蒸気障壁を生成するという仮定と一致する。一方、商品例Aにより処理されたサンプルは、劣った蒸気障壁機能を示す、水により処理されたサンプルと極めて同様な反応を示す。実際、複数のシャンプーによる商品例Aの5つの処理サンプルは、水で処理されたサンプルより性能ご劣っていることを示している。これは、シャンプーが毛髪の空隙率を増加させた結果であり、商品例A処理が毛髪繊維を保護するための適切な障壁を提供できない結果である可能性がある。蒸気障壁機能における差をさらに実証するために、図4に示すように、水で処理されたサンプルに対する処理されたサンプルの蒸気抵抗力の百分率をとることにより、ヒステリシスデータから水分抵抗の値が計算された。 相対湿度が40%、60%、および80%における各製品の等温ヒステリシス(%)と等温ヒステリシス(%)との間の差が百分率で計算された。図4に示すように、ヘアスプレーAの複数回の塗布は、水分抵抗力を向上させたが、一方でシリコーンベースの商品例Aは、60%、および80%の相対湿度において、水処理されたサンプルと比較していかなる抵抗力も示さなかった。
【0350】
比較実施例2−無重量性
本発明の好適な実施形態の残渣および総合的な重量は、上述の無重量化試験Iプロトコルを使用して、主要なシリコーンベースの商品と比較された。使用された製品の量(パッケージの取り扱い説明に基づく)は、表2に示される。処方は、オーブン内で、10分間(スプレーおよびセラム製品)または30分間(クリーム製品)のいずれかの間、55℃でインキュベートされ、残渣が判定された。
【0351】
【表37】

【0352】
実験の結果残留した平均質量は、括弧内の標準偏差(n>3)とともに下記の表3、および図5〜図7に示される。
【0353】
【表38】

【0354】
実験結果より、本発明の処方が、平均で、残された残渣がシリコーンベースの製品と比較して、少なくとも重量で25%少ないことが明らかである。
【0355】
比較実施例3−汚れ抵抗力
本発明の好適な実施形態の、毛髪上における微粒子の蓄積に抵抗する能力は、上述のスターチ試験Iプロトコルおよびスターチ試験IIプロトコルを使用して、試験され、主要なシリコーンベースの縮れ防止商品に対して比較された。使用された製品の量(パッケージの取り扱い説明に基づく)は、表4に示される。
【0356】
【表39】

【0357】
図8〜図9に示した実験結果から、本発明の処方は、平均で、微粒子に対して、代表的なシリコーンを含んだ製品よりも100%抵抗し、水のみよりも30%抵抗する。
【0358】
上述の内容は、本発明の、特定の非限定的な、好適な実施形態の記述である。当業者は、下記の特許請求の範囲に定義されるように、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、この記述に対する様々な変更および改良がなされ得ることを理解するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭髪を処理する方法であって、
過フッ素化されていない、重合化されていない化学式(I)の化合物を含む、毒性の無い組成物を、美容的に許容できる賦形剤とともに、前記毛髪に塗布するステップを含み、
【化1】

式中XはCH2、CHCH3、およびCCH3CH3からなる群から選択され、
式中、R1およびR2は水素、環式もしくは非環式C1〜C20脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20へテロ脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20アシル、C1〜C20アリール、C1〜C20ヘテロアリール、−OC(=O)Rであって、式中、Rは、アルケニルラジカルであるもの、−COORA、−C(=O)RA、−OH、−NRBC、および−CONRBCからなる群から独立に選択されるものであって、式中RA、RB、およびRCは水素、環式もしくは非環式C1〜C20脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20へテロ脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20アシル、C1〜C20アリール、およびC1〜C20ヘテロアリール、からなる群から独立に選択されるものであり、基は、置換であっても、非置換であってもよく、
式中R1およびR2は、置換であってもよく、または非置換であってもよく、R1およびR2はともに少なくとも3つの炭素原子を含む条件で、R1およびR2はともに全部で少なくとも4つのフッ素原子により置換され、R1およびR2はともに1つ以下の芳香環構造を含み、化学式(I)の化合物はSi−O結合を含まない条件で、ポリエーテル、酸フッ化物、オキシアセトアミド、または炭酸塩ではない方法。
【請求項2】
1およびR2のうちの少なくとも1つは、少なくとも、−COORA、−C(=O)RA、−OH、−NRBC、または−CONRBCのうちの1つと置換され、
式中RA、RB、およびRCは、水素、環式もしくは非環式C1〜C20脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20へテロ脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20アシル、C1〜C20アリール、およびC1〜C20ヘテロアリールからなる群から独立に選択され、基は置換であってもよく、非置換であってもよい、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記化合物は、化学式(II)による化合物であり、
【化2】

式中、R11は、所望により最大2個のフッ素原子で置換される、水素またはメチルであり、
12は、環式もしくは非環式C1〜C20脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20へテロ脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20アシル、C1〜C20アリール、およびC1〜C20ヘテロアリールからなる群から選択されるラジカルを含むメチレンである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記化合物は、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキシルジメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキシルジアクリレート、1H,1H,11H−エイコサフルオロウンデシルアクリレート、1H,1H,11H−エイコサフルオロウンデシルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキシルジアクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキシルジメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルアクリレート、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロ−1,5−ペンチルジアクリレート、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロ−1,5−ペンチルジメタクリレート、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチルアクリレート、および1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチルメタクリレートからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記化合物は、
【化3】

である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記化合物は、前記毛髪上で実質的に重合化しない、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記方法は、前記組成物を塗布した後、前記毛髪をリンスするステップを採用しない、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、(i)約0.1重量%を越える、周辺光の下で活性化するuv活性化フリーラジカル開始剤を含む組成物を塗布するステップ、または(ii)室温以上で活性化する加熱活性化開始剤、および室温で活性化する活性剤からなる群から選択される約0.01重量%を超えるフリーラジカル開始剤を含む組成物を塗布するステップをさらに採用しない、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
頭髪を処理する方法であって、
過フッ素化されていない、重合化されていない化学式(I)の化合物を含む、毒性の無い組成物を、美容的に許容できる賦形剤とともに、前記毛髪に塗布するステップを含み、
【化4】

式中XはCH2、CHCH3、およびCCH3CH3からなる群から選択され、
式中、R1およびR2は水素、環式もしくは非環式C1〜C20脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20へテロ脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20アシル、C1〜C20アリール、C1〜C20ヘテロアリール、−OC(=O)Rであって、式中、Rは、アルケニルラジカルであるもの、−COORA、−C(=O)RA、−OH、−NRBC、および−CONRBCからなる群から独立に選択されるものであって、式中RA、RB、およびRCは水素、環式もしくは非環式C1〜C20脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20へテロ脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20アシル、C1〜C20アリール、およびC1〜C20ヘテロアリール、からなる群から独立に選択されるものであり、基は、置換であっても、非置換であってもよく、
式中R1およびR2は、置換であってもよく、または非置換であってもよく、R1およびR2はともに少なくとも3つの炭素原子を含む条件で、R1およびR2はともに全部で少なくとも4つのフッ素原子により置換され、R1およびR2はともに1つ以下の芳香環構造を含み、化学式(I)の化合物はSi−O結合を含まない条件で、ポリエーテル、酸フッ化物、オキシアセトアミド、または炭酸塩ではなく、
前記組成物で処理された毛髪は、水分流束が少なくとも4%減少する、方法。
【請求項10】
1およびR2のうちの少なくとも1つは、少なくとも、−COORA、−C(=O)RA、−OH、−NRBC、または−CONRBCのうちの1つと置換され、
式中RA、RB、およびRCは、水素、環式もしくは非環式C1〜C20脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20へテロ脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20アシル、C1〜C20アリール、およびC1〜C20ヘテロアリールからなる群から独立に選択され、基は置換であってもよく、非置換であってもよい、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記化合物は、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキシルジメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキシルジアクリレート、1H,1H,11H−エイコサフルオロウンデシルアクリレート、1H,1H,11H−エイコサフルオロウンデシルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキシルジアクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキシルジメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルアクリレート、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロ−1,5−ペンチルジアクリレート、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロ−1,5−ペンチルジメタクリレート、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチルアクリレート、および1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチルメタクリレートからなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記化合物は、
【化5】

である、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記組成物を塗布された毛髪は、水分流束が少なくとも10%減少する、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記組成物を塗布された毛髪は、水分流束が少なくとも20%減少する、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記組成物を塗布された毛髪は、水分流束が少なくとも50%減少する、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記組成物を塗布された毛髪は、水分流束が少なくとも80%減少する、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
頭髪を処理するための方法であって、
過フッ素化されていない、重合化されていない化学式(I)の化合物を含む、毒性の無い組成物を、美容的に許容できる賦形剤とともに、毛髪に塗布するステップを含み、
【化6】

式中XはCH2、CHCH3、およびCCH3CH3からなる群から選択され、
式中R1およびR2は、式中、R1およびR2は、水素、環式もしくは非環式C1〜C20脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20へテロ脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20アシル、C1〜C20アリール、C1〜C20ヘテロアリール、−OC(=O)Rであって、式中、Rは、アルケニルラジカルであり、−COORA、−C(=O)RA、−OH、−NRBC、および−CONRBCからなる群から独立に選択され、式中RA、RB、およびRCは、水素、環式もしくは非環式C1〜C20脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20へテロ脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20アシル、C1〜C20アリール、およびC1〜C20ヘテロアリールからなる群から独立に選択され、基は置換であってもよく、非置換であってもよく、
式中R1およびR2は、置換であってもよく、または非置換であってもよく、R1およびR2はともに少なくとも3つの炭素原子を含む条件で、R1およびR2はともに全部で少なくとも4つのフッ素原子により置換され、R1およびR2はともに1つ以下の芳香環構造を含み、化学式(I)の化合物はSi−O結合を含まない条件で、ポリエーテル、酸フッ化物、オキシアセトアミド、または炭酸塩ではなく、
前記組成物で処理された毛髪は、汚れに対する抵抗力があり、重量の追加が15%以下である、方法。
【請求項18】
1およびR2のうちの少なくとも1つは、少なくとも、−COORA、−C(=O)RA、−OH、−NRBC、または−CONRBCのうちの1つと置換され、
式中、RA、RB、およびRCは、水素、環式もしくは非環式C1〜C20脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20へテロ脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20アシル、C1〜C20アリール、およびC1〜C20ヘテロアリールからなる群から独立に選択され、基は置換であってもよく、非置換であってもよい、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記化合物は、化学式(II)による化合物であり、
【化7】

式中、R11は、所望により最大2個のフッ素原子で置換される、水素またはメチルであり、
12は、環式もしくは非環式C1〜C20脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20へテロ脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20アシル、C1〜C20アリール、およびC1〜C20ヘテロアリールからなる群から選択されるラジカルを含むメチレンである、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記化合物は、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−17,6−ヘキシルジメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキシルジアクリレート、1H,1H,11H−エイコサフルオロウンデシルアクリレート、1H,1H,11H−エイコサフルオロウンデシルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキシルジアクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキシルジメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルアクリレート、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロ−1,5−ペンチルジアクリレート、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロ−1,5−ペンチルジメタクリレート、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチルアクリレート、および1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチルメタクリレートからなる群から選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記化合物は、
【化8】

である、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記組成物で処理された毛髪は、重量の追加が10%以下である、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記組成物で処理された毛髪は、重量の追加が7%以下である、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
前記組成物で処理された毛髪は、重量の追加が5%以下である、請求項17に記載の方法。
【請求項25】
過フッ素化されていない、重合化されていない化学式(I)の化合物を、美容的に許容できる賦形剤とともに含む、毒性の無いヘアケア組成物であって、
【化9】

式中XはCH2、CHCH3、およびCCH3CH3からなる群から選択され、
式中、R1およびR2は水素、環式もしくは非環式C1〜C20脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20へテロ脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20アシル、C1〜C20アリール、C1〜C20ヘテロアリール、−OC(=O)Rであって、式中、Rは、アルケニルラジカルであるもの、−COORA、−C(=O)RA、−OH、−NRBC、および−CONRBCからなる群から独立に選択されるものであって、式中RA、RB、およびRCは水素、環式もしくは非環式C1〜C20脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20へテロ脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20アシル、C1〜C20アリール、およびC1〜C20ヘテロアリール、からなる群から独立に選択されるものであり、基は、置換であっても、非置換であってもよく、
式中R1およびR2は、置換であってもよく、または非置換であってもよく、R1およびR2はともに少なくとも3つの炭素原子を含む条件で、R1およびR2はともに全部で少なくとも4つのフッ素原子により置換され、R1およびR2はともに1つ以下の芳香環構造を含み、化学式(I)の化合物はSi−O結合を含まない条件で、ポリエーテル、酸フッ化物、オキシアセトアミド、または炭酸塩ではなく、
組成物は、少なくとも25%の重量削減を有する、ヘアケア組成物。
【請求項26】
1およびR2のうちの少なくとも1つは、−COORA、−C(=O)RA、−OH、−NRBC、または−CONRBCのうちの少なくとも1つと置換され、
式中RA、RB、およびRCは、水素、環式もしくは非環式C1〜C20脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20へテロ脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20アシル、C1〜C20アリール、およびC1〜C20ヘテロアリールからなる群から独立に選択され、基は置換であってもよく、非置換であってもよい、請求項39に記載のヘアケア組成物。
【請求項27】
前記化合物は、化学式(II)による化合物であり、
【化10】

式中、R11は、所望により最高2個のフッ素原子で置換される、水素またはメチルであり、
12は、環式もしくは非環式C1〜C20脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20へテロ脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20アシル、C1〜C20アリール、およびC1〜C20ヘテロアリールからなる群から選択されるラジカルを含むメチレンであり、
前記化合物は、毛髪上で実質的に重合化しない、請求項39に記載のヘアケア組成物。
【請求項28】
前記化合物は、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキシルジメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキシルジアクリレート、1H,1H,11H−エイコサフルオロウンデシルアクリレート、1H,1H,11H−エイコサフルオロウンデシルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキシルジアクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキシルジメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルアクリレート、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロ−1,5−ペンチルジアクリレート、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロ−1,5−ペンチルジメタクリレート、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチルアクリレート、および1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチルメタクリレートからなる群から選択される、請求項25に記載のヘアケア組成物。
【請求項29】
前記化合物は、
【化11】

である、請求項25に記載のヘアケア組成物。
【請求項30】
前記組成物は、重量削減が少なくとも50%である、請求項25に記載のヘアケア組成物。
【請求項31】
前記組成物は、重量削減が少なくとも70%である、請求項25に記載のヘアケア組成物。
【請求項32】
前記組成物は、重量削減が少なくとも80%である、請求項25に記載のヘアケア組成物。
【請求項33】
前記組成物は、重量削減が少なくとも90%である、請求項25に記載のヘアケア組成物。
【請求項34】
前記組成物は、重量削減が少なくとも95%である、請求項25に記載のヘアケア組成物。
【請求項35】
頭髪を処理するキットであって、
過フッ素化されていない、重合化されていない化学式(I)の化合物を含む、毒性の無い組成物の、美容的に許容できる賦形剤を伴う、前記毛髪への塗布を含み、
【化12】

式中XはCH2、CHCH3、およびCCH3CH3からなる群から選択され、
式中、R1およびR2は水素、環式もしくは非環式C1〜C20脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20へテロ脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20アシル、C1〜C20アリール、C1〜C20ヘテロアリール、−OC(=O)Rであって、式中、Rは、アルケニルラジカルであるもの、−COORA、−C(=O)RA、−OH、−NRBC、および−CONRBCからなる群から独立に選択されるものであって、式中RA、RB、およびRCは水素、環式もしくは非環式C1〜C20脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20へテロ脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20アシル、C1〜C20アリール、およびC1〜C20ヘテロアリール、からなる群から独立に選択されるものであり、基は、置換であっても、非置換であってもよく、
式中R1およびR2は、置換であってもよく、または非置換であってもよく、R1およびR2はともに少なくとも3つの炭素原子を含む条件で、R1およびR2はともに全部で少なくとも4つのフッ素原子により置換され、R1およびR2はともに1つ以下の芳香環構造を含み、化学式(I)の化合物はSi−O結合を含まない条件で、ポリエーテル、酸フッ化物、オキシアセトアミド、または炭酸塩ではなく、
前記キットの使用のための取り扱い説明は、(i)前記毒性のない組成物を塗布した後、約160℃を超える温度を発する加熱源により毛髪を加熱することを含むステップ、または(ii)前記組成物を塗布した後、前記毛髪をリンスすることを含むステップを指示しない、キット。
【請求項36】
1およびR2のうちの少なくとも1つは、−COORA、−C(=O)RA、−OH、−NRBC、または−CONRBCのうちの少なくとも1つと置換され、
式中、RA、RB、およびRCは、水素、環式もしくは非環式C1〜C20脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20へテロ脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20アシル、C1〜C20アリール、およびC1〜C20ヘテロアリールからなる群から独立に選択され、基は置換であってもよく、非置換であってもよい、請求項45に記載の方法。
【請求項37】
前記化合物は、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキシルジメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキシルジアクリレート、1H,1H,11H−エイコサフルオロウンデシルアクリレート、1H,1H,11H−エイコサフルオロウンデシルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキシルジアクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキシルジメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルアクリレート、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロ−1,5−ペンチルジアクリレート、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロ−1,5−ペンチルジメタクリレート、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチルアクリレート、および1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチルメタクリレートからなる群から選択される、請求項35に記載のキット。
【請求項38】
前記化合物は、
【化13】

である請求項35に記載のキット。
【請求項39】
毒性の無いヘアケア組成物であって、
過フッ素化されていない、重合化されていない化学式(I)の化合物、およびレオロジー改良剤と非イオン乳化剤とを含む賦形剤を含み、
【化14】

式中XはCH2、CHCH3、およびCCH3CH3からなる群から選択され、
式中、R1およびR2は水素、環式もしくは非環式C1〜C20脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20へテロ脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20アシル、C1〜C20アリール、C1〜C20ヘテロアリール、−OC(=O)Rであって、式中、Rは、アルケニルラジカルであるもの、−COORA、−C(=O)RA、−OH、−NRBC、および−CONRBCからなる群から独立に選択されるものであって、式中RA、RB、およびRCは水素、環式もしくは非環式C1〜C20脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20へテロ脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20アシル、C1〜C20アリール、およびC1〜C20ヘテロアリール、からなる群から独立に選択されるものであり、基は、置換であっても、非置換であってもよく、
式中R1およびR2は、置換であってもよく、または非置換であってもよく、R1およびR2はともに少なくとも3つの炭素原子を含む条件で、R1およびR2はともに全部で少なくとも4つのフッ素原子により置換され、R1およびR2はともに1つ以下の芳香環構造を含み、化学式(I)の化合物はSi−O結合を含まない条件で、ポリエーテル、酸フッ化物、オキシアセトアミド、または炭酸塩ではない、ヘアケア組成物。
【請求項40】
1およびR2のうちの少なくとも1つは、−COORA、−C(=O)RA、−OH、−NRBC、または−CONRBCのうちの少なくとも1つと置換され、
式中RA、RB、およびRCは、水素、環式もしくは非環式C1〜C20脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20へテロ脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20アシル、C1〜C20アリール、およびC1〜C20ヘテロアリールからなる群から独立に選択され、基は置換であってもよく、非置換であってもよい、請求項39に記載のヘアケア組成物。
【請求項41】
前記レオロジー改良剤は、ポリアクリル酸グリセリル、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボマー、アクリレート共重合体、アクリル酸/vpクロスポリマー、およびキサンタンガムからなる群から選択され、前記非イオン乳化剤は、ラウレス−23、オクチルドデセス−20、オレス−10、Peg−40水素添加ヒマシ油、ポラキソマー127、ポリソルベート20、およびセテアレス−20からなる群から選択される、請求項39に記載のヘアケア組成物。
【請求項42】
前記化合物は、化学式(II)による化合物であり、
【化15】

式中、R11は、所望により最高2個のフッ素原子で置換される、水素またはメチルであり、
12は、環式もしくは非環式C1〜C20脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20へテロ脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20アシル、C1〜C20アリール、およびC1〜C20ヘテロアリールからなる群から選択されるラジカルを含むメチレンであり、
前記化合物は、毛髪上で実質的に重合化しない、請求項39に記載のヘアケア組成物。
【請求項43】
前記化合物は、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキシルジメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキシルジアクリレート、1H,1H,11H−エイコサフルオロウンデシルアクリレート、1H,1H,11H−エイコサフルオロウンデシルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキシルジアクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキシルジメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルアクリレート、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロ−1,5−ペンチルジアクリレート、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロ−1,5−ペンチルジメタクリレート、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチルアクリレート、および1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチルメタクリレートからなる群から選択される、請求項39に記載のヘアケア組成物。
【請求項44】
前記化合物は、
【化16】

である、請求項39に記載のヘアケア組成物。
【請求項45】
頭髪を処理するための方法であって、
化学式(I)の化合物を含む、毒性の無い組成物を、美容的に許容できる賦形剤とともに、毛髪に塗布するステップを含み、
【化17】

式中XはCH2、CHCH3、およびCCH3CH3からなる群から選択され、
式中、R1およびR2は水素、環式もしくは非環式C1〜C20脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20へテロ脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20アシル、C1〜C20アリール、C1〜C20ヘテロアリール、−OC(=O)Rであって、式中、Rは、アルケニルラジカルであるもの、−COORA、−C(=O)RA、−OH、−NRBC、および−CONRBCからなる群から独立に選択されるものであって、式中RA、RB、およびRCは水素、環式もしくは非環式C1〜C20脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20へテロ脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20アシル、C1〜C20アリール、およびC1〜C20ヘテロアリール、からなる群から独立に選択されるものであり、基は、置換であっても、非置換であってもよく、
式中R1およびR2は、置換であってもよく、または非置換であってもよく、R1およびR2はともに少なくとも3つの炭素原子を含む条件で、R1およびR2はともに全部で少なくとも4つのフッ素原子により置換され、R1およびR2はともに1つ以下の芳香環構造を含み、化学式(I)の化合物はSi−O結合を含まない条件で、ポリエーテル、酸フッ化物、オキシアセトアミド、または炭酸塩ではなく、
前記組成物で処理された毛髪は、重量の追加が15%以下で、水分流束が少なくとも4%減少する、方法。
【請求項46】
1およびR2のうちの少なくとも1つは、少なくとも、−COORA、−C(=O)RA、−OH、−NRBC、または−CONRBCのうちの1つと置換され、
式中、RA、RB、およびRCは、水素、環式もしくは非環式C1〜C20脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20へテロ脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20アシル、C1〜C20アリール、およびC1〜C20ヘテロアリールからなる群から独立に選択され、基は置換であってもよく、非置換であってもよい、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記化合物は、化学式(II)による化合物であり、
【化18】

式中、R11は、所望により最大2個のフッ素原子で置換される、水素またはメチルであり、
12は、環式もしくは非環式C1〜C20脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20へテロ脂肪族、環式もしくは非環式C1〜C20アシル、C1〜C20アリール、およびC1〜C20ヘテロアリールからなる群から選択されるラジカルを含むメチレンである、請求項45に記載の方法。
【請求項48】
前記化合物は、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキシルジメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキシルジアクリレート、1H,1H,11H−エイコサフルオロウンデシルアクリレート、1H,1H,11H−エイコサフルオロウンデシルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキシルジアクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキシルジメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルアクリレート、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロ−1,5−ペンチルジアクリレート、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロ−1,5−ペンチルジメタクリレート、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチルアクリレート、および1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチルメタクリレートからなる群から選択される、請求項45に記載の方法。
【請求項49】
前記化合物は、
【化19】

である、請求項45に記載の方法。
【請求項50】
前記組成物で処理された毛髪は、重量の追加が10%以下で、水分流束が少なくとも10%減少する、請求項45に記載の方法。
【請求項51】
前記組成物で処理された毛髪は、重量の追加が7%以下で、水分流束が少なくとも20%減少する、請求項45に記載の方法。
【請求項52】
前記組成物で処理された毛髪は、重量の追加が5%以下で、水分流束が少なくとも50%減少する、請求項45に記載の方法。
【請求項53】
頭髪を処理する方法であって、
【化20】

を含む、毒性の無い組成物を、薬学的に許容できる賦形剤とともに、毛髪に塗布するステップを含む方法。
【請求項54】
オクタフルオロペンチルメタクリレートを美容的に許容できる担体中に含む、毒性の無いヘアケア組成物。
【請求項55】
頭髪を処理する方法であって、毒性の無い組成物を毛髪に塗布するステップを含み、前記組成物で処理された毛髪は、水分流束が少なくとも4%減少し、汚れに対する抵抗力を持ち、かつ重量の追加が15以下であり、前記組成物の重量削減が少なくとも50%である方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−500824(P2011−500824A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−531208(P2010−531208)
【出願日】平成20年10月22日(2008.10.22)
【国際出願番号】PCT/US2008/080819
【国際公開番号】WO2009/055489
【国際公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(510112730)リビング プルーフ インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】