説明

ヘアコンディショニング成分が含まれている組成物を噴霧させる製品放出システム

毛髪用化粧品組成物を噴霧させる製品放出システムであって、(a)耐圧容器、(b)キャピラリー搭載スプレーヘッド、及び、(c)噴射剤含有化粧品組成物を備えており、該組成物に少なくとも1つのヘアコンディショニング成分が含まれており、該成分がカチオン性界面活性剤、アミノ界面活性剤、シリコーン化合物、脂肪族アルコール、油、植物抽出物、タンパク質加水分解物、アミノ酸、パンテノール、パンテニルエチルエーテル、ソルビトール、ベタイン、及び、クレアチンから選択されている製品放出システムについて説明する。噴霧化は、前記キャピラリーを用いて行われる。前記キャピラリーの直径は0.1〜1mm、長さは5〜100mmであるのが好ましい。噴霧速度は0.01〜5g/秒であるのが好ましい。前記組成物はとりわけ、ゲル、ろう、又は、エマルションにすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の目的は、化粧品組成物を噴霧させる製品放出システムであって、耐圧容器、キャピラリー搭載スプレーヘッド、及び、噴射剤含有化粧品組成物を備えており、該組成物に少なくとも1つのヘアコンディショニング成分が含まれており、該成分がカチオン性界面活性剤、アミノ界面活性剤、シリコーン化合物、脂肪族アルコール、油、植物抽出物、タンパク質加水分解物、アミノ酸、パンテノール、パンテニルエチルエーテル、ソルビトール、ベタイン、及び、クレアチンから選択されている製品放出システムである。すなわち、本発明の目的はヘアトリートメントのための対応法である。
【背景技術】
【0002】
多くの毛髪用化粧製品にはヘアコンディショニング成分が含まれている。ヘアコンディショニング成分は、少なくとも1つのヘアケア効果、例えば、濡れた毛髪、若しくは、乾いた毛髪内で櫛通り特性を向上させる効果、濡れている時、若しくは、乾いている時の毛髪の保持力を向上させる効果、毛髪の光沢を向上させる効果、又は、風で乱れる影響を軽減させる効果を備えている物質である。最高に強力なヘアケア効果を備えている製品は一般に、非流体、クリーム状、ペースト状、半固体、又は、ゲル状の稠度を備えているコンディショナー、毛髪修復製品、ゲル、ワックス、整髪クリーム、又は、トリートメントのような高粘性製品である。現在市場に出回っている製品は典型的に、容器から取って手に配置し、両手の間で少し広げてから毛髪に付ける。このように行う際には製品は均一には広がらず、その上、一部の製品塊が手の上に残る。これまで、均一に高粘性配合物(例えば、粘度が1,500mPa.s超、又は、5,000mPa.s超であるコンディショナー及び毛髪修復製品)を非常に正確に毛髪に広げるのは不可能であった。低粘度の流体製品は簡単且つより均一に広げることができるが、ヘアコンディショニング及びヘアケア効果の強度が低い場合が多い。
【0003】
液体を噴霧させるプロセスは、キャピラリーを用いて噴霧を形成させるPCT国際公開特許WO 03/051523 A1号から知られている。液体、すなわち流体組成物の噴霧に関連する用途についてのみ記載されている。液体製品を噴霧するための備品は、キャピラリーを用いて噴霧を形成させるPCT国際公開特許WO 03/051522 A2号に記載されている。液体、すなわち流体組成物を噴霧するための利用についてのみ記載されており、該液体組成物の粘性はまた高いこともあるが、噴霧可能な最大粘度として5,000mPa.sが記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、毛髪に正確に広げることができるとともに、高粘性の非流体、クリーム状、若しくは、ペースト状毛髪修復製品と同様の強力なケア及びコンディショニング効果も備えているか、又は、該製品の効果を上回っている製品に対するニーズが存在している。本発明の目的は、とりわけ、毛髪上での拡散力、櫛通り特性、毛髪の光沢及び/若しくはこれまでスプレーとしては利用できなかった従来のヘアトリートメント組成物の保持特性並びに/又は前記組成物で処理した毛髪を更に向上させることであった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、化粧品組成物を噴霧させる製品放出システムである。前記製品放出システムには、
(a)耐圧容器、
(b)キャピラリー搭載スプレーヘッド、及び、
(c)噴射剤含有化粧品組成物を備えており、
噴霧化が該キャピラリーを用いて行われ、該組成物に、カチオン性界面活性剤、アミノ界面活性剤、シリコーン化合物、脂肪族アルコール、油、植物抽出物、タンパク質加水分解物、アミノ酸、パンテノール、パンテニルエチルエーテル、ソルビトール、ベタイン、及び、クレアチンから選択される少なくとも1つのヘアコンディショニング剤が含まれている製品放出システム。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
「噴霧」という用語は、消散粒子の形状で製品を放出させることを意味するものと理解する。前記消散粒子は、さまざまな形、稠度、大きさにすることができる。噴霧粒子の特性としては、微小エアゾール噴霧から液滴、雪様滴、固体噴霧フレーク、及び、噴霧フォームに至るまでのすべての特性を挙げることができる。
【0007】
明示的に別段の指定がない限り、以下で示す成分の量(例えば重量%)はそれぞれ、噴射剤を含まない基本組成物に基づいている。噴射剤の量は、噴射剤を含む全組成物に基づいている。
【0008】
本組成物は25℃で非液体であるか及び/又は粘度が5,000mPa.s超(ハーケ(HAAKE)VT−550レオメーター、検体SV−DIN、温度25℃、剪断力12.9s-1で測定)であるのが好ましい。本発明に従って用いる組成物の、稠度に関する特性は、噴射剤を含まない基本組成物に基づいている(明示的に別段の指定がある場合を除く)。本発明の観点における非液性組成物はとりわけ、流動不可能な組成物であり、例えば、25℃の温度で、45度に傾いているガラス表面を流れ落ちないことによって判断することができる。ゲル組成物は、典型的な測定範囲内(0.01〜40Hz)のオシログラフィーの測定結果を用いた場合、25℃において、記憶モジュールG’が喪失モジュールG”よりも大きいことを特徴としている。
【0009】
用いる組成物の粘度は、ハーケ(HAAKE)VT−550レオメーター、検体SV−DIN、温度25℃、剪断速度12.9s-1で測定した場合で、5,000超〜100,000以下であるのが好ましく、又は、10,000〜50,000mPa.sが特に好ましく、及び、25,000〜35,000mPa.sであるのが極めて好ましい。
【0010】
金属又はプラスチックから作成したエアゾールスプレー缶を耐圧容器として用いることができる。好ましい金属はブリキ及びアルミニウムであり、その一方で、好ましいプラスチックはポリエチレンテレフタレートである。
【0011】
キャピラリー搭載スプレーヘッドを備えており、キャピラリーを用いて噴霧を形成させる好適な噴霧システムは、PCT国際公開特許WO 03/051523 A1号、及び、PCT国際公開特許WO 03/051522 A2号に記載されている。キャピラリーの直径は0.1〜1mm、とりわけ0.6mm以下であるのが好ましく、また、長さは5〜100mm、とりわけ5〜50mmであるのが好ましい。また、噴霧原理は、「エアゾールヨーロッパ(Aerosol Europe)」13巻、2005年1号、6〜11ページに記載されている。本噴霧システムは、キャピラリー噴霧の原理に基づくものである。従来の旋回ノズル、及び、必要であれば取り込みチューブをキャピラリーに置き換える。従来の噴霧システムと比べて、エネルギーを消費し大量の噴射剤に依存しながら缶の中身を旋回させる必要性、及び、溶媒で製品を著しく希釈させる必要性がない。ほんの少量の噴射剤を用いる場合でさえ、製品は、取り込みチューブキャピラリーのウォールの上方へ上昇し、スプレーヘッドの(広い方の)キャピラリーのバルブの後、出口開口部の方向に進む。この方式では、流動噴射剤からの小液滴が液体の表面から切り離され、エアゾールとして流動し続ける。製品の流動を抑制する旋回室も噴霧ノズルも利用可能なものがないため、システム内のエネルギーを、より効率的に用いて、所望の噴霧を生成させることができる。噴霧速度は、噴射剤又は噴射剤混合物によって生成される内圧と併せて、キャピラリー形状を選択することによって調節することができる。好ましい噴霧速度は0.01〜0.5g/秒、又はとりわけ0.1〜0.3g/秒である。噴霧化によって生成される噴霧液滴のサイズは、組成物の内圧又は粘度と併せて、キャピラリー形状を選択することによって調節することができる。好適なキャピラリー噴霧化システムは、ベーリンガーインゲルハイムマイクロパーツ社(Boehringer Ingelheim microParts GmbH)製のトルスプレー(TRUSPRAY)(登録商標)と称されている製品で得ることができる。
【0012】
好ましい液滴のサイズ分布は、dv(50)値が最大200μm、例えば50〜200μmであるサイズ分布であり、特に好ましいのは最大100μm、例えば70〜90μmであるものであり、及び/又は、dv(90)値が最大160μm、例えば90〜160μmであるサイズ分布であり、特に好ましいのは最大150μm、例えば115〜150μmであるものである。dv(50)又はdv(90)の値によって、全ての液滴の50%又は90%が備えている最大直径を得られる。液滴サイズ分布は、例えば、レーザービーム回折に基づく粒度測定ユニット、例えば、マルバーン(Malvern)の粒度測定装置の力を借りて割り出すことができる。既存のキャピラリーの噴霧時、雪様の稠度、フレーク、又はフォーム(噴霧フォーム)を形成させる組成物も好ましい。
【0013】
用いる噴射剤は、低級アルカン、とりわけ、例えばn−ブタン、i−ブタン、及び、プロパンなどのC3〜C5炭化水素、又は、これらの混合物に加え、F152a(1,1−ジフルオロエタン)又はF134(テトラフルオロエタン)などのジメチルエーテル又はフッ素炭化水素、更には、例えば、N2、N2O、及び、CO2など、検討されている圧力を示すその他のガス状噴射剤、並びに、前記噴射剤の混合物から選択することができる。噴射剤は、プロパン、n−ブタン、イソブタン、ジメチルエーテル、フッ素化炭化水素、及び、これらの混合物から選択するのが好ましい。これに加え、噴射剤の含有量は15〜85重量%であるのが好ましく、特に好ましいのは25〜75重量%である。
【0014】
本組成物には、化粧品として許容可能な溶媒、好ましくは水媒体、アルコール媒体、又は、水アルコール媒体が含まれている。エタノール及びイソプロパノールなど、1〜4個の炭素原子を備えている低級アルコールをアルコールとして、とりわけ、典型的には化粧品用の目的で用いるアルコールとして、含有させることができる。本組成物のpHは2.0〜9.5の範囲内にすることができる。他のpH値を必要とする特殊用途形状がない場合には、4〜8の範囲のpHがとりわけ好ましい。追加の共溶媒として、有機溶媒、又は、沸点が400℃未満である溶媒の混合物を0.1〜15重量%、又は、好ましくは1〜10重量%の量で含有させることができる。n−ペンタン、ヘキサン、イソペンタンなどの非分岐又は分岐炭化水素、及び、シクロペンタン、シクロヘキサンなどの環状炭化水素が追加の共溶媒としてとりわけ適している。これらの揮発性炭化水素は噴射剤として用いることもできる。特に好ましいその他の水溶性溶媒は、最大で30重量%の量のグリセリン、エチレングリコール、及び、プロピレングリコールである。
【0015】
本発明による製品放出システムは、ヘアートリートメントで用いることができる。本組成物は、毛髪ケア用の剤、例えばリーブオン又はリンスオフ製品として塗布できる例えば毛髪修復製品又はヘアリンスや、ヘアスタイルを一時的に整え直したり及び/又は持続させたりする剤、例えばヘアスプレー、ヘアラッカー、ヘアゲル、ヘアワックス、スタイリングクリームなどや、永久的、半永久的、又は一時的な染毛剤、例えば酸化染毛剤又は非酸化毛髪着色剤又は毛髪脱色剤や、永久的な毛髪再構築剤、例えば、還元剤が含まれている弱アルカリ性若しくは酸性のパーマ剤若しくはストレートパーマ剤の形状の毛髪再構築剤、酸化剤が含まれているパーマ安定剤の形状の毛髪再構築剤にすることができる。
【0016】
前記ヘアコンディショニング成分は、本発明による組成物内に、0.01〜20重量%、又は、とりわけ0.05〜10、若しくは、0.1〜5重量%の量で含まれているのが好ましい。前記ヘアコンディショニング剤は、0.01〜5%の水媒体、アルコール媒体、又は、水アルコール溶液又は分散液、例えば、保持力又は櫛通り力を増大させるか、光沢を向上させる前記溶液又は分散液内で用いた時、濡れた毛髪又は乾いた毛髪上にヘアケア又はコンディショニング効果をもたらすことのできるヘアコンディショニング剤であると理解する。前記ヘアコンディショニング剤はとりわけ、「国際化粧成分辞典及びハンドブック(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook)」(第10版、2004年)で「ヘアコンディショニング剤(Hair Conditioning Agents)」の機能が示されているものである。
【0017】
好適なカチオン性界面活性剤、又は、アミノ界面活性剤には、溶液中で正電荷を帯びているとともに、以下の一般式で表すことのできるアミノ基及び/又は四級化親水性アンモニウム基が含まれている。
(+)1234(-)
式中、R1〜R4は相互に独立して、1〜22個の炭素(C)原子を有する脂肪族基、脂肪族基、芳香族基、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、又は、アルカリール基を表しており、少なくとも1つの残基に少なくとも6個、好ましくは少なくとも8個の炭素(C)原子が備わっており、X-はアニオン、例えば、ハロゲン化物、アセテート、ホスフェート、ニトレート、又は、アルキルサルフェートであり、好ましくはクロリドである。炭素原子及び水素原子に加えて、脂肪族基には、架橋化合物、又は、その他の基、例えば、追加のアミノ基を含めることもできる。好適なカチオン性界面活性剤の例は、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルトリメチルアンモニウム塩のクロリド又はブロミド、例えば、セチルトリメチルアンモニウムクロリド又はブロミド、テトラデシルトリメチルアンモニウムクロリド又はブロミド、アルキルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロリド又はブロミド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド又はブロミド、アルキルピリジニウム塩、例えばラウリル又はセチルピリジニウムクロリド、アルキルアミドエチルトリメチルアンモニウムエーテルサルフェート、並びに、アミンオキシドのようなカチオン性を有する化合物、例えば、アルキルメチルアミンオキシド、又はアルキルアミノエチルジメチルアミンオキシドである。特に好ましいのは、C8〜22アルキルジメチルベンジルアンモニウム化合物、C8〜22アルキルトリメチルアンモウニウム化合物、特にセチルトリメチルアンモニウムクロリド、C8〜22アルキルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム化合物、ジ−(C8〜22アルキル)−ジメチルアンモニウム化合物、C8〜22アルキルピリジニウム塩、C8〜22アルキルアミドエチルトリメチルアンモニウムエーテルサルフェート、C8〜22アルキルメチルアミンオキシド、及び、C8〜22アルキルアミノエチルジメチルアミンオキシドである。
【0018】
前記カチオン性界面活性剤に加えて、その他の好適なカチオン性又はアミノ置換界面活性剤は、R1−NH−(CH2)n−NR2R3の式、
又はR1−NH−(CH2)n−N+R2R3R4 X-の式の界面活性剤である。
【0019】
式中、R1は8〜24個の炭素(C)原子を有するアシル又はアルキル残基であり、該残基は分枝又は直鎖、飽和又は不飽和にすることができ、それによって、アシル及び/又はアルキル残基に1つ以上のOH基を含めることができ、又、R2、R3、及び、R4は互いに独立して、1〜6個の炭素(C)原子を有する水素、アルキル、又は、アルコキシアルキル残基であり、該残基は、同じ又は異なる飽和又は不飽和にすることができるとともに、1つ以上のヒドロキシ基で置換することができ、また、X-はアニオン、特にハロゲンイオン、又は、一般式RSO3-の化合物であり、式中、Rは、1〜4個の炭素(C)原子を有する飽和又は不飽和アルキル残基の意味であり、nは1〜10、好ましくは2〜5の整数を意味している。
【0020】
活性ヘアコンディショニング化合物は、アミドアミン及び/又は上記の式の四級化アミドアミンであるのが好ましく、式中、R1は、8〜24個の炭素(C)原子を有する分枝又は直鎖、飽和又は不飽和アシル残基であって、少なくとも1つのPH基を含めることのできるアシル残基である。好ましいのは、前記アミン及び/又は四級化アミンであり、残基R2、R3、及び、R4の少なくとも1つは、一般式CH2CH2OR5による残基を意味しており、R5は、1〜4個の炭素(C)原子を有するアルキル残基、ヒドロキシエチル、又は、Hを意味することができる。任意に、四級化することのできる好適なアミン又はアミドアミンは特に、INCI名がリシノールアミドプロピルベタイン、リシノールアミドプロピルジメチルアミン、リシノールアミドプロピルジメチルラクテート、シノールアミドプロピルエチルジモニウムエトサルフェート、リシノールアミドプロピルトリモニウムクロリド、リシノールアミドプロピルトリモニウムメトサルフェート、コカミドプロピルベタイン、コカミドプロピルジメチルアミン、コカミドプロピルエチルジモニウムエトサルフェート、コカミドプロピルトリモニウムクロリド、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、イソステアリルアミドプロピルジメチルアミン、ステアリルアミドプロピルジメチルアミン、クオタニウム−33、ウンデシレンアミドプロピルトリモニウムメトサルフェートであるものである。
【0021】
ある1つの実施形態では、本発明による、ヘアコンディショニング成分としての剤には、少なくとも1つのシリコーン化合物が、好ましくは0.01〜15重量%の量で含まれており、シリコーン化合物としては、揮発性及び不揮発性シリコーン、並びに、前記剤に溶解可能及び溶解不可能なシリコーンが挙げられる。1つの実施形態は、25℃において粘度が0.001m2/秒(1,000cSt)〜2m2/秒(2,000,000cSt)、又は、好ましくは0.01m2/秒(10,000cSt)〜1.8m2/秒(1,800,0000cSt)、若しくは、0.1m2/秒(100,000cSt)〜1.5m2/秒(1,500,000cSt)である高分子量シリコーンである。シリコーン化合物としては、ポリアルキル及びポリアリールシロキサン、とりわけ、メチル、エチル、プロピル、フェニル、メチルフェニル、及びフェニルメチル基を有するものが挙げられる。ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、及び、ポリメチルフェニルシロキサンが好ましい。更には、屈折率が少なくとも1.46又は少なくとも1.52の、光沢をもたらすアリール化シリコーンも好ましい。前記シリコーン化合物としては、とりわけ、INCI名がシクロメチコン、ジメチコン、ジメチコノール、ジメチコンコポリオール、フェニルトリメチコン、アモジメチコン、トリメチルシリルアモジメチコン、ステアリルシロキシシリケート、ポリメチルシルセスキオキサン、及び、ジメチコンクロスポリマーである物質が挙げられる。シリコーン樹脂及びシリコーンエラストマーも適しており、これらは高架橋シロキサンである。架橋シリコーンを同時に用いて、好ましくはクリーム状、固体、又は、高粘性の組成物に稠度をもたらすことができる。架橋シリコーンは、例えば、INCI名がアクリレート/ビス−ヒドロキシプロピルジメチコンクロスポリマー、ブチルジメチコンメタクリレート/メチルメタクリレートクロスポリマー、C30〜45アルキルセテアリルジメチコンクロスポリマー、C30〜45アルキルジメチコン/ポリシクロヘキセンオキシドクロスポリマー、セテアリルジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー、ジメチコンクロスポリマー、ジメチコンクロスポリマー−2、ジメチコンクロスポリマー−3、ジメチコン/ジビニルジメチコン/シルセスキオキサンクロスポリマー、ジメチコン/PEG−10/15クロスポリマー、ジメチコン/PEG−15クロスポリマー、ジメチコン/PEG−10クロスポリマー、ジメチコン/フェニルビニルジメチコンクロスポリマー、ジメチコン/ポリグリセリン−3クロスポリマー、ジメチコン/チタネートクロスポリマー、ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー、ジメチコン/ビニルトリメチルシロキシシリケートクロスポリマー、ジメチコノール/メチルシラノール/シリケートコポリマー、ジフェニルジメチコンクロスポリマー、ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサンクロスポリマー、ジビニルジメチコン/ジメチコンクロスポリマー、ラウリルジメチコンPEG−15クロスポリマー、ラウリルジメチコン/ポリグリセリン−3クロスポリマー、メチルシラノール/シリケートクロスポリマー、PEG−10ジメチコンクロスポリマー、PEG−12ジメチコンクロスポリマー、PEG−10ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー、PEG−10/ラウリルジメチコンクロスポリマー、PEG−15/ラウリルジメチコンクロスポリマー、シリコーンクオタニウム−16/グリシドキシジメチコンクロスポリマー、スチレン/アクリレート/ジメチコンアクリレートクロスポリマー、トリフルオロプロピルジメチコン/PEG−10ジメチコンクロスポリマー、トリフルオロプロピルジメチコン/トリフルオロプロピルジビニルジメチコンクロスポリマー、トリフルオロプロピルジメチコン/ビニルトリフルオロプロピルジメチコン/シルセスキオキサンクロスポリマー、トリメチルシロキシシリケート/ジメチコンクロスポリマー、トリメチルシロキシシリケート/ジメチコンクロスポリマー、ビニルジメチコン/ラウリルジメチコンクロスポリマー、ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサンクロスポリマー、及び、ビニルジメチル/トリメチルシロキシシリケートステアリルジメチコンクロスポリマーである架橋シリコーンである。
【0022】
好ましいシリコーンは、環状ジメチルシロキサン、直鎖ポリジメチルシロキサン、ポリジメチルシロキサンとポリエチレンオキシド及び/又はポリプロピレンオキシド由来のブロックポリマー、末端又は側鎖ポリエチレンオキシド又はポリプロピレンオキシドラジカルを有するポリジメチルシロキサン、末端ヒドロキシル基を有するポリジメチルシロキサン、フェニル置換ポリジメチルシロキサン、シリコーンエマルション、シリコーンエラストマー、シリコーンワックス、シリコーンガム、アミノ置換シリコーン、四級アンモニア基で置換したシリコーン、並びに、架橋シリコーンである。
【0023】
カチオン活性シリコーン化合物も特に好ましい。これらの化合物は、カチオン性基又はカチオン化可能な基で置換されている。好適なカチオン活性シリコーン化合物は、少なくとも1つのアミノ基又は少なくとも1つのアンモニウム基のいずれかを有している。アミノ基を有するシリコーンポリマーは、アモジメチコン及びトリメチルシリルアモジメチコンというINCI名で知られている。これらのポリマーは、アミノアルキル基を有するポリジメチルシロキサンである。アミノアルキル基は、側基又は末端基にすることができる。好適なアミノシリコーンは、以下の一般式のアミノシリコーンである。
8910Si−(OSiR1112)x−(OSiR13Q)y−OSiR141516
8、R9、R14、及び、R15は相互に独立して同じ又は異なる物質であり、C1〜C10アルキル、フェニル、ヒドロキシ、水素、C1〜C10アルコキシ若しくはアセトキシ、又は、好ましくはC1〜C4アルキル、及び、特に好ましくはメチル又はトリメチルシリルを意味している。
【0024】
10及びR16は相互に独立して同じ又は異なる物質であり、−(CH2a−NH2(aは1〜6に相当する)、C1〜C10アルキル、フェニル、ヒドロキシ、水素、C1〜C10アルコキシ若しくはアセトキシ、又は、好ましくはC1〜C4アルキル、及び、特に好ましくはメチルを意味している。R11、R12、及び、R13は相互に独立して同じ又は異なる物質であり、水素、C1〜C20炭化水素(O及びN原子が含まれていてよい)、又は、好ましくはC1〜C10アルキル若しくはフェニル、又は、特に好ましくはC1〜C4アルキルを意味しているが、とりわけメチルである。Qは、−A−NR1718、又は、−A−N+171819を意味しており、式中、Aは2価のC1〜C20アルキレン化合物基を表しており、O及びN原子、並びに、OH基も含まれていてよく、R17、R18、及び、R19は相互に独立して同じ又は異なる物質であり、水素、C1〜C22炭化水素、又は、好ましくはC1〜C4アルキル若しくはフェニルを意味している。Qの好ましいラジカルは、−(CH23−NH2、−(CH23NHCH2CH2NH2、−(CH23OCH2CHOHCH2NH2、及び、−(CH23N(CH2CH2OH)2、−(CH23−NH3+、及び、−(CH23OCH2CHOHCH2+(CH3220であり、式中、R20はC1〜C22アルキル基(OH基が備わっていてもよい)であり、xは1〜10,000、又は、好ましくは1〜1,000の数を意味しており、yは、1〜500、又は、好ましくは1〜50の数を意味している。アミノシリコーンの分子量は、500〜100,000であるのが好ましい。アミン部分(meq/g)は0.05〜2.3の範囲であるのが好ましく、0.1〜0.5がとりわけ好ましい。
【0025】
2つの末端四級アンモニウム基を有する好適なシリコーンポリマーは、クオタニウム−80というINCI名で知られている。前記ポリマーは、2つの末端アルキルアンモニウム基を有するジメチルポリシロキサンである。好適な四級アミノシリコーンは、以下の一般式のものである。
212223+−A−SiR89−(OSiR1112n−OSiR89−A−N+2122232X-
Aは2価のC1〜C20アルキレン化合物基を表しており、O及びN原子、並びに、OH基も含めることができ、−(CH23OCH2CHOHCH2であるのが好ましい。
【0026】
8、及び、R9は相互に独立して同じ又は異なる物質であり、C1〜C10アルキル、フェニル、ヒドロキシ、水素、C1〜C10アルコキシ若しくはアセトキシ、又は、好ましくはC1〜C4アルキル、及び、特に好ましくはメチルを意味している。
【0027】
11、及び、R12は相互に独立して同じ又は異なる物質であり、水素、C1〜C20炭化水素(O及びN原子を含めることができる)、又は、好ましくはC1〜C10アルキル若しくはフェニル、又は、特に好ましくはC1〜C4アルキルを意味しているが、とりわけメチルである。
【0028】
21、R22、及び、R23は相互に独立して、C1〜C22アルキル基ヒドロキシル基を含めることができる)を意味しており、この場合、基の少なくとも1つが10個の炭素(C)原子を有しているとともに、残りの基が1〜4個の炭素(C)原子を有しているのが好ましく、nは0〜200、好ましくは10〜100の数である。これらのタイプのジ四級ポリジメチルシロキサンは、ドイツのゴールドシュミット(GOLDSCHMIDT)からアビル(Abil)(登録商標)クワット(Quat)3270、3272、及び、3274という商品名で販売されている。
【0029】
好適なヘアコンディショニング油はとりわけ、融点が25℃未満、沸点が好ましくは250℃超、とりわけ300℃超である疎水性油である。揮発性油を用いることもできる。原則としては、当業者に一般的に知られているいずれかの油を用いることができる。好適な油は、植物若しくは動物油、鉱油(流動パラフィン)、又は、これらの混合物である。炭化水素油、例えばパラフィン又はイソパラフィン油、スクアラン、脂肪酸エステル、例えば、イソプロピルミリステート、脂肪酸及びポリオール由来の油など、とりわけトリグリセリドが適している。
【0030】
好適な植物油は、例えば、ヒマワリ油、ココヤシ油、ヒマシ油、ラノリン油、ホホバ油、トウモロコシ油、大豆油、ククイナッツ油、(スイート)アーモンド油、クルミ油、モモ種子油、アボカド油、ティーツリー油、ゴマ油、ツバキ油、月見草油、米糠油、パーム核油、マンゴー種子油、ナタネツケバナ油、アザミ油、マカデミアナッツ油、ブドウ種子油、アンズ種子油、ババス油、オリーブ油、小麦麦芽油、カボチャ種子油、アオイ油、ヘーゼルナッツ油、ベニバナ油、キャノーラ油、サザンカ油、及び、シアバターである。
【0031】
6〜C30、又は、好ましくはC10〜C22、及び、特に好ましくはC12〜C22の炭素(C)原子が含まれている飽和、モノ又はポリ−不飽和、分枝又は非分枝脂肪族アルコールを脂肪族アルコールとして用いることができる。本発明の観点では、例えば、デカノール、オクタノール、オクテノール、ドデカノール、ドデセノール、デセノール、オクタジエノール、ドデカジエノール、デカジエノール、オレイルアルコール、エルカアルコール、リシノールアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、アラキジルアルコール、カプリルアルコール、カプリンアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、及び、ベヘニルアルコール、並びに、これらのゲルベアルコールを用いることができ、この場合、このリストは代表的なものであり、制限するためのものではないとみなすべきである。脂肪族アルコールは天然脂肪酸から抽出するのが好ましいが、還元を介して脂肪酸のエステルから再生させることも想定できる。天然物質であるトリグリセリド、例えば牛脂、パーム油、ピーナッツ油、カブ油、綿実油、大豆油、ヒマワリ種子油、及び、亜麻仁油の還元、又は、対応するアルコールによって生じる、脂肪酸エステルと該トリグリセリドのエステル交換製品の還元によって生成させた脂肪族アルコール部分を本発明に従って用いることができ、したがって、異なる脂肪族アルコールの混合物を表している。羊毛脂アルコールも本発明に従って用いることができる。
【0032】
好適な植物抽出物は典型的に、植物全体を抽出することによって生成させる。しかし、個々のケースに応じて、植物の種子及び/又は葉のみから抽出物を生成させる方が好ましい場合もある。本発明に従って主に好ましいのは、緑茶、オーク樹皮、イラクサ、ウィッチヘーゼル、ホップ、ヘナ、カモミール、ゴボウ根、トクサ、サンザシ、ボダイジュ花、アーモンド、アロエベラ、松葉、セイヨウトチノキ、ビャクダン、ジュニパー、ココナッツ、マンゴー、アンズ、レモン、小麦、キウイ、メロン、オレンジ、グレープフルーツ、セージ、ローズマリー、カバノキ、アオイ、タネツケバナ、野生のタイム、ノコギリソウ、タイム、メリッサ、レストハロー、フキタンポポ、マシュマロ、分裂組織、朝鮮人参、及び、朝鮮人参の根の抽出物である。水、アルコール、及び、これらの混合物を抽出剤として用いて、上記の植物抽出物を生成させることができる。単独の抽出剤としても、水との混合物中のものとしても好ましいアルコールは、低級アルコール、例えばエタノール及びイソプロパノールであるが、とりわけ好ましいのは多価アルコール、例えばエチレングリコール及びプロピレングリコールであり、例えば、比率が1:10〜10:1の水/ポロピレングリコールに基づく植物抽出物である。植物抽出物は、純粋な形状又は希釈した形状で用いることができる。希釈した形状で用いる場合、植物抽出物には典型的に、溶媒として再生させる際に用いた活性物質、及び、抽出剤又は抽出剤混合物が約2〜80重量%含まれている。複数、とりわけ2つの異なる植物抽出物の混合物を用いることもできる。
【0033】
追加の好適なヘアコンディショニング剤はタンパク質加水分解物及びアミノ酸である。本発明の観点におけるタンパク質加水分解物は、タンパク質加水分解物及び/又はアミノ酸、並びに、これらの誘導体であると理解する。誘導体は例えば、脂肪酸との縮合生成物、又は、カチオン修飾タンパク質加水分解物である。タンパク質加水分解物は、(酸性、アルカリ性、又は、酵素触媒反応による)タンパク質の分解によって得られる生成物混合物である。また、タンパク質加水分解物という用語には、加水分解物全体とともに、個々のアミノ酸、及び、その誘導体、並びに、各種アミノ酸の混合物も含まれると理解する。アミノ酸は例えば、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、シスチン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、及び、バリンである。更には、本発明に従ってアミノ酸及びアミノ酸誘導体から構成させたポリマーも、タンパク質加水分解物という用語に含まれる。後者としては例えば、ポリアラニン、ポリアスパラギン、ポリセリンなどが挙げられる。その他の例は、L−アラニル−L−プロリン、ポリグリシン、グリシル−L−グルタミン、又は、D/L−メチオニン−S−メチルスルホニウムクロリドである。β−アミノ酸及びその誘導体、例えば、β−アラニン、アントラニル酸、又は、馬尿酸を用いることもできる。タンパク質加水分解物のモル質量は1.25E−22g(75ダルトン)であり(グリシンのモル質量は3.32E−19g(200,000ダルトン))、前記モル質量は1.25E−22g(75ダルトン)〜8.30E−20g(50,000ダルトン)が好ましく、特に好ましいのは1.25E−22g(75ダルトン)〜3.32E−20g(20,000ダルトン)である。
【0034】
本発明に従うと、植物、動物、海産物、又は、合成物由来のタンパク質加水分解物を用いることができる。動物タンパク質加水分解物は例えば、エラスチン、コラーゲン、ケラチン、シルク、及び、乳タンパク質加水分解物であり、塩の形状にすることもできる。本発明に従うと、植物由来のタンパク質加水分解物、例えば、大豆、アーモンド、エンドウ豆、ジャガイモ、米、及び、小麦タンパク質加水分解物、並びに、これらと脂肪酸との縮合生成物の使用が好ましい。このようなタンパク質加水分解物の使用が好ましいものの、必要であれば、該タンパク質加水分解物の代わりに、入手したその他のアミノ酸混合物を用いることができる。
【0035】
好適なカチオン由来のタンパク質加水分解物は、例えば、アルカリ性、酸性、又は、酵素タンパク質加水分解物をグリシジルトリアルキルアンモニウム塩又は3−ハロ−2−ヒドロキシプロピルトリアルキルアンモニウム塩で転化させることによって得ることのできる物質混合物である。タンパク質加水分解産物の出発原料として用いられるタンパク質は、植物又は動物起源であってよい。標準的な出発物質は例えば、ケラチン、コラーゲン、エラスチン、大豆タンパク質、米タンパク質、乳タンパク質、小麦タンパク質、絹タンパク質、又はアーモンドタンパク質である。加水分解の結果、モル質量が約100〜約50,000の範囲内にある物質混合物を得られる。通常の平均モル質量は、約500〜約1,000の範囲内である。カチオン由来のタンパク質加水分解物に、1つ又は2つのC8〜C22アルキル鎖、及び、それに応じて2つ又は1つのC1〜C4アルキル短鎖が備わっていると有益である。1つのアルキル長鎖が含まれている化合物が好ましい。カチオン性タンパク質誘導体は例えば、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解小麦タンパク質、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解カゼイン、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解ケラチン、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解シルク、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解大豆タンパク質、又は、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解小麦、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解カゼイン、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解コラーゲン、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解ケラチン、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解米糠タンパク質、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解シルク、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解大豆タンパク質、及びヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解植物タンパク質というINCI名で知られている。
【0036】
1つの実施形態では、本発明による組成物はゲルであり、少なくとも1つの増粘剤又はゲル形成剤が好ましくは0.01〜20重量%、若しくは、0.1〜10重量%、0.5〜8重量%、又は、特に好ましくは1〜5重量%の量で含まれている。国際化粧成分辞典及びハンドブック(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook)(第10版、2004年)で「増粘剤(Viscosity Increasing Agent)」の機能が示されている物質が本質的に適している。増粘剤又はゲル系製剤は増粘ポリマーであるのが好ましく、アクリル酸とメタクリル酸とから選択される少なくとも1つの第1の型のモノマー、及び、アクリル酸とエトキシル化脂肪族アルコールとのエステルから選択される少なくとも1つの第2の型のモノマー由来のコポリマー;架橋ポリアクリル酸;アクリル酸とメタクリル酸とから選択される少なくとも1つの第1の型のモノマー、及び、アクリル酸とC10〜C30アルコールとのエステルから選択される少なくとも1つの第2の型のモノマー由来の架橋コポリマー;アクリル酸とメタクリル酸とから選択される少なくとも1つの第1の型のモノマー、及び、イタコン酸とエトキシル化脂肪族アルコールとのエステルから選択される少なくとも1つの第2の型のモノマー由来のコポリマー;アクリル酸とメタクリル酸とから選択される少なくとも1つの第1の型のモノマー、イタコン酸とエトキシル化C10〜C30アルコールとのエステルから選択される少なくとも1つの第2の型のモノマー、及び、C1〜C4アミノアルキルアクリレートから選択される第3の型のモノマー由来のコポリマー;アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、及び、メタクリル酸エステルから選択される2つ以上のモノマー由来のコポリマー;ビニルピロリドン及びアンモニウムアクリロイルジメチルタウレート由来のコポリマー;アンモニウムアクリロイルジメチルタウレート、及び、メタクリル酸とエトキシル化脂肪族アルコールとのエステルから選択されるモノマー由来のコポリマー;ヒドロキシエチルセルロース;ヒドロキシプロピルセルロース;ヒドロキシプロピルグアー;グリセリルポリアクリレート;グリセリルポリメタクリレート;少なくとも1つのC2、C3、又はC4アルキレン、及び、スチレン由来のコポリマー;ポリウレタン;ヒドロキシプロピルデンプンホスフェート;ポリアクリルアミド;無水マレイン酸とメチルビニルエーテル由来の、デカジエンで架橋されたコポリマー;ローカストビーンガム;グアーガム;キサンタン;デヒドロキサンタン;カラギーナン;カラヤガム;加水分解コーンスターチ;ポリエチレンオキシド、脂肪族アルコール、及び、飽和メチレンジフェニルジイソシアネート由来のコポリマー(例えばPEG−150/ステアリルアルコール/SMDIコポリマー)から選択するのが特に好ましい。
【0037】
ある追加的な実施形態では、本組成物はろう様であり、25℃で固体である少なくとも1つのろうが好ましくは10〜80重量%、とりわけ20〜60重量%、又は、25〜50重量%の量で含まれており、加えて、必要であれば、室温で液体であるその他の非水溶性物質も含まれている。ろう状粘度は、針入度の値(尺度0.1mm、試験重量100g、試験時間5秒、試験温度25℃、DIN 51 579に準拠)が好ましくは2〜70、又は、とりわけ3〜40であること、及び/又は、組成物が溶解していてもよく、25℃超の凝固点、又は、好ましくは30〜70℃の範囲内にあるか、若しくは、特に好ましくは104−40〜55℃の範囲内にある凝固点を備えていることを特徴とするのが好ましい。
【0038】
原則として、ろう又はろう状物質として、先行技術分野において既知のいずれかのろうを用いることができる。前記ろうとしては、動物、植物、及び、合成ろう、マイクロクリスタリンワックス、マクロクリスタリンワックス、固形パラフィン、石油ゼリー、ワセリン、地ろう、モンタンろう、フィッシャートロプシュワックス、ポリオレフィンワックス、例えばポリブテン、蜜ろう、羊毛ろう、及び、その誘導体、例えば、羊毛ろうアルコール、カンデリラろう、オリーブワックス、カルナバワックス、日本ろう、リンゴワックス、硬化油脂、脂肪酸エステル、凝固点が40℃超である脂肪酸グリセリド、シリコーンワックス、又は、親水性ワックス、例えば、分子量が800〜20,000、好ましくは2,000〜10,000g/モルである高分子量ポリエチレングリコールワックスが挙げられる。前記ろう又はろう状物質の凝固点は25℃超であり、又は、好ましくは40℃若しくは55℃超である。針入度の値(0.1mm、100g、5秒、25℃、DIN 51 579に準拠)は2〜70、又は、特に3〜40の範囲内にあるのが好ましい。
【0039】
別の実施形態では、組成物はエマルション様であり、稠度はクリーム様であるのが好ましい。前記エマルションは油中水型エマルション、水中油型エマルション、マイクロエマルション、又は、高級エマルションにすることができる。水に加えて、室温(25℃)で液体である少なくとも1つの疎水性油、及び、少なくとも1つの乳化剤が含まれているのが好ましい。前記油の含有量は好ましくは1〜20重量%であり、又は、とりわけ2〜10重量%である。前記乳化剤の含有量は好ましくは0.01〜30重量%であり、又は、とりわけ0.1〜20重量%、若しくは、0.5〜10重量%である。追加のヘアコンディショニング物質を例えば0〜20重量%、又は、好ましくは0.01〜10重量%の量で含めることができる。
【0040】
好適な乳化剤としては、非イオン性、アニオン性、カチオン性、又は、双性イオン性の界面活性剤を挙げることができる。好適な非イオン性界面活性剤は、例えば、
−エトキシル化脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪酸グリセリド、又は、アルキルフェノール、特に、2〜30モルのエチレンオキシド及び/若しくは1〜5モルのプロピレンオキシドをC8〜C22脂肪族アルコール、C12〜C22脂肪族アルコール、又は、アルキル基中に8〜15個の炭素(C)原子を有するアルキルフェノールに付加させた生成物、
−1〜30モルのエチレンオキシドをグリセロールに付加させた生成物であるC12〜C22脂肪酸モノ及びジエステル、
−5〜60モルのエチレンオキシドをヒマシ油又は硬化ヒマシ油に付加させた生成物、
−脂肪酸糖エステル、特に、スクロース及び1つ又は2つのC8〜C22脂肪酸由来のエステル、INCI名:スクロースココエート、スクロースジラウレート、スクロースジステアレート、スクロースラウレート、スクロースミリステート、スクロースオレエート、スクロースパルミテート、スクロースリシノレエート、スクロースステアレート、
−ソルビタンと、エトキシル化度が4〜20である1つ、2つ、又は3つのC8〜C22脂肪酸由来のエステル、
−ポリグリセリル脂肪酸エステル、特に、1つ、2つ、又はそれ以上のC8〜C22脂肪酸と、好ましくは2〜20のグリセリル単位を有するポリグリセロール由来のポリグリセリル脂肪酸エステル、
−C8〜C22のアルキル基を有するアルキルグルコシド、アルキルオリゴグルコシド、及び、アルキルポリグルコシド、例えば、デシルグルコシド、又は、ラウリルグルコシドである。
【0041】
好適なアニオン性界面活性剤は、例えば、カルボン酸の塩及びエステル、アルキルエーテルサルフェート及びアルキルサルフェート、脂肪族アルコールエーテルサルフェート、スルホン酸及びその塩(例えばスルホスクシネート又は脂肪酸イセチオネート)、リン酸エステル及びその塩、アシルアミノ酸及びその塩である。これらのアニオン性界面活性剤の包括的な説明は、出版物「フィールダー−補助剤辞典(FIEDLER - Lexikon der Hilfsstoffe [FIEDLER − Dictionary of Adjuvants])」第1巻、第5版(2002年)、97〜102ページに記載されており、この出版物は、前記について明示的に言及している。好ましい界面活性剤は、2〜30モルのエチレンオキシドをC8〜C22脂肪族アルコールに付加させた生成物とのリン酸のモノ、ジ、及び/又はトリエステルである。
【0042】
好適な両性界面活性剤は例えば、以下の式で表される、脂肪族四級アンモニウム、ホスホニウム、及び、スルホニウム化合物の誘導体である。
【0043】
【化1】

式中R1は、8〜18個の炭素(C)原子、エチレンオキシド単位、0〜約10個のエチレンオキシド単位及び0〜1個のグリセロール単位を有する直鎖又は分枝鎖アルキル、アルケニル、又はヒドロキシアルキル基を表しており、YはN、P、又は、S含有基であり、R2は、1〜3個の炭素(C)原子を有するアルキル又はモノヒドロキシアルキル基であり、Yがイオウ原子である場合のx+yの合計は2であり、Yが窒素原子又はリン原子である場合のx+yの合計は3であり、R3は、1〜4個の炭素(C)原子を有するアルキレン又はヒドロキシアルキレン基であり、Z(-)は、カルボキシレート基、サルフェート基、ホスホネート基、又は、ホスフェート基を表している。ベタインのようなその他の両性界面活性剤も好適である。ベタインの例としては、C8〜C18アルキルベタイン、例えば、ココジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチル−α−カルボキシエチルベタイン、セチルジメチルカルボキシメチルベタイン、オレイルジメチル−γ−カルボキシプロピルベタイン、及び、ラウリル−ビス−(2−ヒドロキシプロピル)−α−カルボキシエチルベタイン;C8〜C18スルホベタイン、例えば、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ステアリルジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルジメチルスルホエチルベタイン、ラウリル−ビス−(2−ヒドロキシエチル)スルホプロピルベタイン;イミダゾール、C8〜18アルキルジメチルアンモニウムアセテート、C8〜18アルキルジメチルカルボニルメチルアンモニウム塩、及び、C8〜18脂肪酸アルキルアミドベタインのカルボキシル誘導体、例えば、ヤシ脂肪酸アミドプロピルベタイン及びN−ヤシ脂肪酸アミドエチル−N−[2−(カルボキシメトキシ)エチル]グリセリン(CTFA名:ココアンホカルボキシグリシネート)が挙げられる。
【0044】
本発明に従って用いられる化粧品組成物には、毛髪又は皮膚/頭皮向けの少なくとも1つの追加の活性化粧品成分又は添加物を含めることもできる。この活性成分又は添加物は、例えば、ヘアコンディショニング物質、ヘアセッティング物質、光防護性物質、防腐剤、顔料、直接浸透性毛髪染料、粒子状物質、酸化剤、還元剤、及び、酸化染毛剤前駆体製品から選択することができる。前記活性成分及び添加物は、その種類及び使用目的に応じて、好ましくは、0.01〜20重量%、又は、とりわけ0.05〜10、若しくは、0.1〜5重量%の量で含まれている。
【0045】
一つの実施形態では、本発明による、ヘアコンディショニング又はヘアセッティング添加物としての剤には、アニオン性基、又は、アニオン化可能な基を有する少なくとも1つのポリマーが0.01〜20重量%、又は、0.05〜10重量%の量で含まれており、アニオン化可能な基は、例えば有機アミン、又は、アルカリ若しくはアルカリ土類水酸化物のような典型的な塩基を用いて脱プロトン化できる例えばカルボン酸基、スルホン酸基、又は、リン酸基のような酸性基であると理解する。アニオン性ポリマーは、アルカリ性中和剤を用いて、部分的又は完全に中和することができる。50〜100%、特に好ましくは70〜100%、酸性基をポリマー内で中和させる前記種類の剤が好ましい。有機又は無機塩基を中和剤として使用することができる。塩基の特定例は、例えばアミノメチルプロパノール(AMP)、トリエタノールアミン、又はモノエタノールアミンなどのアミノアルカノール、またとりわけ、アンモニア、NaOH、及びKOHである。
【0046】
アニオン性ポリマーは、天然又は合成源由来の酸性基含有モノマー単位を有するホモポリマー又はコポリマーとすることができ、必要であれば、酸性基が含まれていないコモノマーで重合することができる。考えられる酸性基は、スルホン酸基、リン酸基、及び、カルボン酸基であり、その中でもカルボン酸基が好ましい。好適な酸性基含有モノマーは、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、及び、無水マレイン酸、特にマレイン酸のC1〜C7アルキルモノエステル、並びに、アルデヒドカルボン酸、又はケトカルボン酸である。酸性基で置換されていないコモノマーは、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、アルキル及びジアルキルアクリルアミド、アルキル及びジアルキルメタクリルアミド、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、ビニルカプロラクトン、ビニルピロリドン、ビニルエステル、ビニルアルコール、プロピレングリコール、又は、エチレングリコール、アミン置換ビニルモノマー、例えば、ジアルキルアミノアルキルアクリレート、ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、モノアルキルアミノアルキルアクリレート、及び、モノアルキルアミノアルキルメタクリレートであり、この場合、これらのモノマーのアルキル基はC1〜C7アルキル基であるのが好ましく、C1〜C3アルキル基であるのが特に好ましい。
【0047】
酸性基を有する好適なポリマーは特に、アクリル酸又はメタクリル酸のホモポリマー、アクリル酸又はメタクリル酸エステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、及びビニルピロリドンから選択されるモノマーを有するアクリル酸又はメタクリル酸のコポリマー、クロトン酸のホモポリマー、並びに、多官能性剤と非架橋又は架橋するビニルエステル、アクリル酸又はメタクリル酸エステル、アクリルアミド及びメタクリルアミドから選択されるモノマーを有するクロトン酸のコポリマーである。好適な天然ポリマーは、例えばセラックである。
【0048】
酸性基を有する好ましいポリマーは、
アクリル酸、アルキルアクリレート、及び、N−アルキルアクリルアミド由来のターポリマー(INCI名:アクリレート/アクリルアミドコポリマー)、特に、アクリル酸、エチルアクリレート、及び、N−tert−ブチルアクリルアミド由来のターポリマー;架橋又は非架橋ビニルアセテート/クロトン酸コポリマー(INCI名:VA/クロトネートコポリマー);1つ以上のC1〜C5アルキルアクリレート、特に、C2〜C4アルキルアクリレート、及び、アクリル酸又はメタクリル酸から選択される少なくとも1つのモノマー由来のコポリマー(INCI名:アクリレートコポリマー)、例えば、tert−ブチルアクリレート、エチルアクリレート、及び、メタクリル酸由来のターポリマー;ポリスチレンスルホネートナトリウム;ビニルアセチレン/クロトン酸/ビニルアルカノエートコポリマー、例えば、ビニルアセテート、クロトン酸、及び、ビニルプロピオネート由来のコポリマー;ビニルアセテート、クロトン酸、及び、ビニルネオデカノエート由来のコポリマー(INCI名:VA/クロトネート/ビニルプロピネートコポリマー、VA/クロトネート/ビニルネオデカノエートコポリマー):アミノメチルプロパノールアクリレートコポリマー;ビニルピロリドン、並びに、アクリル酸及びメタクリル酸に加えて、必要であれば、アクリル酸エステル、及びメタクリル酸エステルから選択される少なくとも1つの更なるモノマー由来のコポリマー;メチルビニルエーテル及びマレイン酸モノアルキルエステル由来のコポリマー(INCI名:PVM/MAコポリマーのエチルエステル、PVM/MAコポリマーのブチルエステル);アリルメタクリレート、並びに、アクリル酸及びメタクリル酸に加え、必要であれば、アクリル酸エステル、及び、メタクリル酸エステルとから選択される少なくとも1つの更なるモノマー由来のコポリマーのアミノメチルプロパノール塩;エチルアクリレート、及び、メタクリル酸由来の架橋コポリマー;ビニルアセテート、モノ−n−ブチルマレエート、及び、イソボルニルアクリレート由来のコポリマー;アクリル酸及びメタクリル酸、並びに、必要であれば、アクリル酸エステル、及び、メタクリル酸エステルから選択される2つ以上のモノマー由来のコポリマー;オクチルアクリルアミド、並びに、アクリル酸及びメタクリル酸に加え、必要であれば、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルから選択される少なくとも1つのモノマー由来のコポリマー;ジグリコール、シクロヘキサンジメタノール、イソフタル酸、及びスルホイソフタル酸由来のポリエステルであり、前記ポリマーのアルキル基は概して、1、2、3、又は4個の炭素(C)原子を有しているのが好ましい。
【0049】
1つの実施形態では、本発明による、ヘアコンディショニング又はヘアセッティング添加物としての剤には、少なくとも1つの双性イオン性及び/又は両性ポリマーが好ましくは0.01〜20重量%、又は、0.05〜10重量%の量で含まれており、又は、特に好ましくは0.1〜5重量%の量で含まれている。双性イオン性ポリマーは同時に、少なくとも1つのアニオン性電荷及び少なくとも1つのカチオン性電荷を有している。両性ポリマーは、少なくとも1つの酸性基(例えばカルボン酸基又はスルホン酸基)、及び、少なくとも1つのアルカリ性基(例えばアミノ基)を呈している。酸性基は、例えば有機アミン、又は、アルカリ若しくはアルカリ土類水酸化物のような典型的な塩基を用いて、脱プロトン化することができる。
【0050】
好ましい双性イオン性又は両性ポリマーは、
アルキルアクリルアミド、アルキルアミノアルキルメタクリレート、並びに、アクリル酸及びメタクリル酸に加え、必要であればそれらのエステル由来の2つ以上のモノマーから形成されているコポリマー、特に、オクチルアクリルアミド、アクリル酸、ブチルアミノエチルメタクリレート、メチルメタクリレート、及び、ヒドロキシプロピルメタクリレート由来のコポリマー(INCI名:オクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー);四級アミノ基を有する少なくとも1つの第1の型のモノマー、及び、酸性基を有する少なくとも1つの第2の型のモノマーから形成されているコポリマー;脂肪アルコールアクリレート、アルキルアミンオキシドメタクリレート、並びに、アクリル酸及びメタクリル酸に加え、必要であれば、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルから選択される少なくとも1つのモノマー由来のコポリマー、特に、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、エチルアミンオキシドメタクリレート、並びに、アクリル酸及びメタクリル酸に加え、必要であれば、それらのエステルから選択される少なくとも1つのモノマー由来のコポリマー;メタクリロイルエチルベタイン、並びに、アクリル酸及びメタクリル酸エステルから選択される少なくとも1つのモノマー由来のコポリマー;アクリル酸、メチルアクリレート、及び、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド由来のコポリマー(INCI名:ポリクオタニウム−47);アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、及び、アクリレート由来のコポリマー、又は、アクリルアミド、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、2−アミドプロピルアクリルアミドスルホネート、及び、ジメチルアミノプロピルアミン由来のコポリマー(INCI名:ポリクオタニウム−43);四級クロノイルベタイン、又は、四級クロトノイルベタインエステルから生成可能なオリゴマー又はポリマーである。
【0051】
1つの実施形態では、本発明による、ヘアコンディショニング又はヘアセッティング添加物としての剤には、少なくとも1つのカチオン性ポリマー、すなわち、カチオン性基、又は、カチオン化可能な基、特に、一級、二級、三級、又は、四級アミン基を有するポリマーが好ましくは0.01〜20重量%、又は、0.05〜10重量%の量で含まれており、又は、特に好ましいのは0.1〜5重量%である。カチオン性電荷密度は1〜7meq/gであるのが好ましい。
【0052】
好適なカチオン活性ポリマーは、ヘアセッティング又はヘアコンディショニングポリマーであるのが好ましい。好適なカチオン性ポリマーには、好ましくは四級アミノ基が含まれている。カチオン性ポリマーは、ホモ又はコポリマーにすることができ、四級窒素属がポリマー鎖中に、又は好ましくは1つ以上のモノマー上の置換基として含まれている。アンモニウム基が含まれているモノマーは、非カチオン性モノマーで共重合することができる。好適なカチオン性モノマーは、ラジカル重合を起こすことができる不飽和化合物であり、少なくとも1つのカチオン性基、特に、例えばトリアルキルメタクリルオキシアルキルアンモニウム、トリアルキルアクリルオキシアルキルアンモニウム、ジアルキルジアリルアンモニウムなどのアンモニウム置換ビニルモノマー、及び、ピリジニウム、イミダゾリウム、又は四級ピロリドン、例えば、アルキルビニルイミダゾリウム、アルキルビニルピリジニウム、又はアルキルビニルピロリドン塩などの環状カチオン性窒素含有基を有する四級ビニルアンモニウムモノマーが備わっている。これらのモノマーのアルキル基は、低級アルキル基、例えば、C1〜C7のアルキル基であるのが好ましく、特に好ましいのはC1〜C3アルキル基である。
【0053】
アンモニウム基が含まれているモノマーは、非カチオン性モノマーで共重合することができる。好適なコモノマーは、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、アルキル及びジアルキルアクリルアミド、アルキル及びジアルキルメタクリルアミド、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、ビニルカプロラクトン、ビニルカプロラクタム、ビニルピロリドン、ビニルエステル、例えばビニルアセテート、ビニルアルコール、プロピレングリコール、又は、エチレングリコールであり、これらのモノマーのアルキル基は、C1〜C7のアルキル基であるのが好ましく、特に好ましいのはC1〜C3のアルキル基である。
【0054】
四級アミノ基を有する好適なポリマーは、例えばCTFAの「化粧品成分辞典(Cosmetic Ingredient Dictionary)」に、メチルビニルイミダゾリウムクロリド/ビニルピロリドンコポリマー(ポリクオタニウム−16)、又は四級化ビニルピロリドン/メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマー(ポリクオタニウム−11)などのポリクオタニウムという名称で記載されているポリマー、並びに、例えば四級末端基を有するシリコーンポリマー(クオタニウム−80)などの四級シリコーンポリマー又はシリコーンオリゴマーである。
【0055】
好ましい合成由来のカチオン性ポリマーは、
ポリ(ジメチルジアリルアンモニウムクロリド);アクリルアミド及びジメチルジアリルアンモニウムクロリド由来のコポリマー;ジエチルサルフェートと、ビニルピロリドン及びジメチルアミノエチルメタクリレート由来のコポリマーの反応により形成される四級アンモニウムポリマー、特に、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートメトサルフェートコポリマー(例えば、ガフクァット(Gafquat)(登録商標)755N、ガフクァット(Gafquat)(登録商標)734);メチルビニルイミダゾリウムクロリド及びビニルピロリドン由来の四級アンモニウムポリマー(例えばルビクァット(LUVIQUAT)(登録商標)HM550);ポリクオタニウム−35;ポリクオタニウム−57;トリメチルアンモニウムエチルメタクリレートクロリド由来のポリマー;ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ナトリウムアクリレート、及び、アクリルアミド由来のターポリマー(例えばマークァット(Merquat)(登録商標)プラス(Plus)3300);ビニルピロリドン、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、及び、メタクリロイルアミノプロピルラウリルジメチルアンモニウムクロリド由来のコポリマー;ビニルピロリドン、ジメチルアミノエチルメタクリレート、及び、ビニルカプロラクタム由来のターポリマー(例えばガフィックス(Gaffix)(登録商標)VC713);ビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドコポリマー(例えばガフクァット(Gafquat)(登録商標)HS100);ビニルピロリドン及びジメチルアミノエチルメタクリレート由来のコポリマー;ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、及びジメチルアミノプロピルアクリルアミド由来のコポリマー;少なくとも1つの四級アンモニウム基で置換したヒドロキシ酸から選択される少なくとも1つの第1の基型のモノマーから形成されているポリ又はオリゴエステル;末端部を四級アンモニウム基で置換したジメチルポリシロキサンである。
【0056】
天然ポリマーに由来する好適なカチオン性ポリマーは特に、多糖類のカチオン性誘導体、例えば、セルロース、デンプン、又はグアーのカチオン性誘導体である。更には、キトサン及びキトサン誘導体も好適である。カチオン性多糖類は、例えば以下の一般式によって表される。
G−O−B−N+abc-
Gはアンヒドログルコース残基、例えば、デンプン又はセルロースアンヒドログルコースであり、
Bは2価の結合基、例えば、アルキレン、オキシアルキレン、ポリオキシアルキレン、又はヒドロキシアルキレンであり、
a、Rb、及び、Rcは、相互に独立して、18個までの炭素(C)原子を有することのできるアルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アルコキシアルキル、又はアルコキシアリールであり(この際、Ra、Rb、及び、Rcの炭素原子総数は最大20個であるのが好ましい)、
Xは従来型のカウンターアニオン、例えば、ハロゲン化物、アセテート、ホスフェート、ニトレート、又は、アルキルサルフェート、好ましくはクロライドである。カチオン性セルロースは、例えば、ポリクオタニウム−24、又は、ポリクオタニウム−10というINCI名を有するものである。好適なカチオン性グアー誘導体は、例えば、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロライドというINCI名を有している。
【0057】
特に好ましいカチオン性活性物質は、キトサン、キトサン塩、及び、キトサン誘導体である。本発明に従って用いることのできるキトサンは、完全又は部分的に脱アセチル化されているキチンにすることができる。一例として、その分子量は、20,000〜500万g/mol、例えば30,000〜70,000g/molの広範に渡って分布させることができる。ただし、前記分子量は100,000g/モル超であるのが好ましく、200,000〜700,000g/モルであるのが特に好ましい。脱アセチル化度は好ましくは10〜99%であり、特に好ましくは60〜99%である。好ましいキトサン塩はキトソニウムピロリドンカルボキシレート、例えば、分子量が約200,000〜300,000g/モル、脱アセチル化度が70〜85%であるカイタマー(Kytamer)(登録商標)PCである。考慮に入れることのできるキトサン誘導体としては、四級化、アルキル化、又はヒドロキシアルキル化誘導体、例えばヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、又は、ヒドロキシブチルキトサンが挙げられる。キトサン又はキトサン誘導体は、中和された状態又は部分的に中和された形態で存在しているのが好ましい。中和度は、遊離塩基基の数に基づき計算した場合で、少なくとも50%となるのが好ましく、70〜100%になるのが特に好ましい。中和剤としては原則、化粧品として適合性のあるいずれかの無機又は有機酸、例えば、ギ酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、クエン酸、ピロリドンカルボン酸、塩酸などを用いることができ、その中ではピロリドンカルボン酸が特に好ましい。
【0058】
天然源由来の好ましいカチオン性ポリマー:
ヒドロキシエチルセルロース及びジアリルジメチルアンモニウムクロリド由来のカチオン性セルロース誘導体、ヒドロキシエチルセルロース及びトリメチルアンモニウム置換エポキシド由来のカチオン性セルロース誘導体、キトサン及びその塩、ヒドロキシアルキルキトサン及びその塩、アルキルヒドロキシアルキルキトサン及びその塩、N−ヒドロキシアルキルキトサンアルキルエーテル。
【0059】
1つの実施形態では、本発明の剤には、少なくとも1つの合成又は天然非イオン性皮膜形成ポリマーが0.01〜15重量%、又は、好ましくは0.5〜10重量%含まれている。好適な合成非イオン性ポリマーは、ビニルラクタム、例えばビニルピロリドン又はビニルカプロラクタムなど;ビニルエステル、例えば、ビニルアセテートなど;ビニルアルコール、ビニルホルムアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド、アルキルアクリルアミド、ジアルキルアクリルアミド、アルキルメタクリルアミド、ジアルキルメタクリルアミド、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、アルキルマレイミド、例えば、エチルマレイミド又はヒドロキシエチルマレイミドなど、及び、アルキレングリコール、例えば、プロピレングリコール又はエチレングリコールなどのモノマーの少なくとも1つから由来するホモ又はコポリマーであり、該モノマーのアルキル及び/又はアルキレン基はC1〜C7アルキル基であるのが好ましく、又は、特に好ましいのはC1〜C3アルキル基である。
【0060】
好適なホモポリマーは、例えば、ビニルカプロラクタム、ビニルピロリドン、又はN−ビニルホルムアミドのホモポリマーである。更に好適な合成非イオン性ポリマーは、例えば、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールコポリマー、ビニルピロリドン及びビニルアセテート由来のコポリメリド、ビニルピロリドン、ビニルアセテート、及び、ビニルプロピオネート由来のターポリマー、ポリアクリルアミド;ポリビニルアルコール、並びに、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールコポリマーである。好適な天然皮膜形成ポリマーは、とりわけ、サッカリド系のポリマー、好ましくはグルカン、例えば、セルロースとその誘導体である。好適な誘導体は、とりわけ、アルキル及び/又はヒドロキシアルキル置換基を有する誘導体であり、前記アルキル基は、例えば、1〜20個、又は、好ましくは1〜4個の炭素(C)原子を有することができ、例えばヒドロキシアルキルセルロースである。好ましい非イオン性ポリマーは、ポリビニルピロリドン、ポリビニルカプロラクタム、ビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマー、ポリビニルアルコール、イソブチレン/エチルマレイミド/ヒドロキシエチルマレイミドコポリマー;ビニルピロリドン、ビニルアセテート、及び、ビニルプロピオネート由来のコポリマーである。
【0061】
1つの実施形態では、本発明による剤には、光防護性物質が好ましくは0.01〜10重量%、若しくは、0.1〜5重量%、又は、特に好ましくは0.2〜2重量%の量で含まれている。前記光防護性物質としては、とりわけ、欧州特許第1,084,696号に記載されている全ての光防護性物質が挙げられる。4−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシルエステル、メチルメトキシシンナメート、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、及び、ポリエトキシル化p−アミノベンゾエートが好ましい。
【0062】
1つの実施形態では、本発明による剤には、アルキルアクリレート及びアルキルメタクリレート由来のA−Bブロックコポリマー;アルキルメタクリレート及びアクリロニトリル由来のA−Bブロックコポリマー;ラクチド及びエチレンオキシド由来のA−B−Aブロックコポリマー;カプロラクトン及びエチレンオキシド由来のA−B−Aブロックコポリマー;アルキレン又はアルカジエン化合物、スチレン、及び、アルキルメタクリレート由来のA−B−Cブロックコポリマー;アクリル酸、スチレン、及び、アルキルメタクリレート由来のA−B−Cブロックコポリマー;星型ブロックコポリマー;高分岐ポリマー;デンドリマー;本質的に導電性の3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン、並びに、本質的に導電性のポリアニリンから選択される少なくとも1つのヘアコンディショニング添加物が0.01〜20、特に好ましくは0.05〜10、又は、殊のほか好ましくは0.1〜5重量%含まれている。
【0063】
1つの実施形態では、本発明による剤には、少なくとも1つの防腐剤が0.01〜5、又は、特に好ましくは0.05〜1重量%含まれている。好適な防腐剤は、「国際化粧成分辞典及びハンドブック(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook)」第10版で「防腐剤(Preservatives)」の機能を有するものとして列挙されている物質、例えば、フェノキシエタノール、ベンジルパラベン、ブチルパラベン、エチルパラベン、イソブチルパラベン、イソプロピルパラベン、メチルパラベン、プロピルパラベン、ヨードプロピニルブチルカルバメート、メチルジブロモグルタロニトリル、及び、DMDMヒダントインである。
【0064】
好ましい実施形態では、本発明による剤には、少なくとも1つの顔料が含まれている。前記顔料は、製品塊若しくは毛髪に着色効果をもたらす有色顔料にすることができ、又は、前記顔料は、製品若しくは毛髪に光沢効果をもたらす光沢増進顔料にすることができる。毛髪内における着色又は光沢効果は一時的であるのが好ましく、すなわち、該効果は、次に該毛髪を洗うまで残存するとともに、典型的なシャンプーで該毛髪を洗うことによって除去することができる。前記顔料は製品塊に溶解せず、0.01〜25重量%の量で含有させることができ、5〜15重量%が好ましい粒径は1〜200μm、又は、とりわけ3〜150μm、及び、特に好ましくは10〜100μmである。前記顔料は、適用媒体に実質的に溶解しない着色剤であり、無機又は有機にすることができる。無機−有機混合顔料も可能である。無機顔料が好ましい。無機顔料の利点は、光、気候、温度に対する並外れた耐性である。無機顔料は、天然源の顔料、例えば、白亜、オーカー、アンバー、緑土、バーントシェンナ、又は、グラファイトから製造した顔料にすることができる。前記顔料は、白色顔料、例えば二酸化チタン又は酸化亜鉛など、黒色顔料、例えば黒酸化鉄など、着色顔料、例えばウルトラマリン又は赤酸化鉄など、光沢顔料、金属効果顔料、真珠光沢顔料、及び、蛍光又はリン光顔料にすることもでき、少なくとも1つの顔料が着色非白色顔料であるのが好ましい。金属酸化物、金属水酸化物、及び、金属酸化物の水和物、混合相顔料、イオウ含有シリケート、金属硫化物、複合金属シアン化物、金属サルフェート、金属クロメート、及び、金属ボリブデート、並びに、金属そのもの(ブロンズ顔料)が適している。二酸化チタン(CI77891)、黒酸化鉄(CI77499)、黄酸化鉄(CI77492)、赤及び褐酸化鉄(CI77491)、マンガンバイオレット(CI77742)、ウルトラマリン(ナトリウムアルミニウムスルホシリケート、CI77007、顔料青29)、酸化クロム水和物(CI77289)、紺青(フェロシアン化第二鉄、CI77510)、及び、カルミン(コチニール)がとりわけ適している。
【0065】
特に好ましいのは、二酸化チタン又はオキシ塩化ビスマスのような金属酸化物又は金属オキシ塩化物、並びに、必要であれば、酸化鉄、紺青、ウルトラマリン、カルミンのような追加の色彩供与物質など(この場合、色彩は、層の厚みを変えることによって決定することができる)でコーティングされている雲母系の真珠光沢顔料及び着色顔料である。これらのタイプの顔料は、例えば、ドイツのメルク(Merck)によって、ロナ(Rona)(登録商標)、カラロナ(Colorona)(登録商標)、ディクロナ(Dichrona)(登録商標)、及び、ティミロン(Timiron)(登録商標)という商品名の下で販売されている。
【0066】
有機顔料は、例えば、天然顔料セピア、ガルシニアカンボジア、ボーンブロック、バンダイクブラウン、インディゴ、クロロフィル、及び、その他の植物色素である。合成有機顔料は、例えば、アゾ顔料、アントラキノド、インジゴイド、及び、ジオキサジン、キナクリドン、フタロシアニン、イソインドリノン、ペリレン、ペリノン、金属錯体、アルカリブルー、及び、ジケトビロロピロール顔料である。
【0067】
1つの実施形態では、本発明による剤には、少なくとも1つの粒子状物質が0.01〜10、又は、特に好ましくは0.05〜5重量%含まれている。好適な物質は、例えば、室温(25℃)で固体且つ粒子状である物質である。シリカ、シリケート、アルミネート、アルミナ、雲母、塩、とりわけ無機金属塩、金属酸化物、例えば二酸化チタン、ミネラル、及び、ポリマー粒子は若干適している。前記粒子は、溶解していない形で、好ましくは着実に分散した形で、前記剤内に存在するとともに、毛髪に塗布した後、及び、溶媒が蒸発した後、固体状で該毛髪上に堆積することができる。着実な分散は、固体粒子の沈下を完全に抑えるほどの十分に高い降伏点を有する組成物をもたらすことによって、実現可能である。十分な降伏点は、適切なゲル形成剤を適量で用いることによって実現させることができる。好ましい粒子状物質は、シリカ(シリカゲル、二酸化ケイ素)、及び、金属塩、とりわけ無機金属塩であり、この場合、シリカが特に好ましい。金属塩は、例えば、アルカリ又はアルカリ土類ハロゲン化物、例えば、塩化ナトリウム又は塩化カリウム、並びに、アルカリ又はアルカリ土類サルフェート、例えば、ナトリウムサルフェート又はマグネシウムサルフェートである。
【0068】
追加の実施形態は、永久的に毛髪を再構築する剤に関するものである。前記物質には、少なくとも1つの還元剤、とりわけ、ケラチンを還元するメルカプト化合物が、好ましくは0.5〜15重量%の量で含まれている。パーマ剤は、水性アルカリ(pH=5〜10)調合剤として存在しているのが好ましく、該調合剤には、ケラチンを還元するメルカプト化合物として、例えばシステイン、システアミン、N−アセチル−L−システイン、メルカプトカルボン酸、例えば、メルカプト酢酸若しくはチオ乳酸、又は、メルカプトカルボン酸の塩、例えば、メルカプト酢酸若しくはチオ乳酸のアンモニウム及びグアニジン塩が含まれている。所要のアルカリ度は、アンモニア、有機アミン、アンモニウム、及び、アルカリカーボネート、又は、バイカーボネートを加えることによって実現させる。水性媒体内に効果的な含有量の亜硫酸塩又はメルカプトカルボン酸エステルが備わっている中性又は酸性(pH=4.5〜7)の毛髪再構築剤もまた考慮することもできる。初めのケースでは、好ましくはナトリウム若しくはアンモニウム亜硫酸塩、又は、有機アミンを有する硫酸の塩、例えば、モノエタノールアミン及びグアニジンを約2〜12重量%の濃度(SO2として算出)で用いることができる。後者のケースでは、とりわけメルカプト酢酸モノグリコールエステル又はグリセリンエステルを約5〜50重量%の濃度(2〜16重量%の含有量のメルカプト酢酸に相当する)で用いる。本発明による、毛髪を永久的に再構築する剤には、上記のケラチン還元化合物の混合物を含めることもできる。酸化後処理のために、少なくとも1つの酸化剤が含まれている、本発明による安定剤を用いることができる。これらのタイプの安定剤の1つの中で用いることのできる酸化剤の例は、ナトリウム及びカリウムブロメート、過ホウ酸ナトリウム、過酸化尿素、並びに、過酸化水素である。酸化剤の濃度は約0.5〜10重量%にすることができる。本発明による、毛髪を永久的に再構築する剤、並びに、本発明による安定剤のいずれも、水性主成分上のエマルション形状又は増粘形状で、とりわけ、クリーム、ゲル、又はペーストとして存在させることができる。
【0069】
本発明に従って用いる組成物には更に、ヘアトリートメント剤用としてよく用いられるいずれかの添加成分、例えば、香油;乳白剤、例えばエチレングリコールジステアレート、スチレン/PVPコポリマー又はポリスチレンなど;保湿剤;光沢剤;製品染料;酸化防止剤を、いずれも好ましくは0.01〜10重量%の量で含めることができ、この場合、その総量は10重量%を超えないのが好ましい。
【0070】
本発明の特定の実施形態はヘアコンディショニング剤に関するものである。ヘアコンディショニング剤は例えば、コンディショナー、トリートメント、毛髪修復製品、リンスなどである。本発明によるヘアコンディショニング剤は、乾いた毛髪、湿った毛髪、又は、濡れた毛髪に塗布した後、該毛髪中に残留させることができ、又は、適切な作用期間後にすすぎ落とすことができる。前記作用期間は、毛髪のタイプによる。原則として、0.5〜30分、又は、とりわけ0.5〜10分、及び、好ましくは1〜5分の作用期間を想定することができる。
【0071】
本発明の目的はヘアトリートメントの方法でもあり、該方法では、
−本発明による製品放出システムを提供し、
−該製品放出システムによって、該システムに含まれている組成物を毛髪上に噴霧し、及び、
−噴霧した該組成物を、作用期間後に該毛髪から洗い流すか、該毛髪内に残存させる。
【0072】
また、とりわけ製品が雪様稠度を備えている場合、又は、製品がフレーク若しくはフォーム状をしている場合には、毛髪に直接スプレーする代わりに、製品を手、又は、適用装置、例えば櫛若しくはブラシの上に置いてから、毛髪の中に配置する。
【0073】
本発明による製品は、本発明に従って用いる特殊なエアゾール噴霧システムを用いるその特殊用途によって、毛髪内における高いコンディショニング性能によって特徴付けられるとともに、制約される。用いることによる利点は、従来の製品と同様又はそれ以上のコンディショニング効果とともに塗布の快適さ、拡散力の向上、及び、より無駄の少ない投与、並びに、毛髪を傷めることなく、濡れた毛髪及び乾いた毛髪での保持力を向上させる点とともに、濡れた毛髪及び乾いた毛髪での櫛通り特性の向上によって特徴付けられる。キャピラリーシステムの極めて正確な噴霧作用は、毛髪上において、非常に高いレベルの均一性を有する製品拡散をもたらす。これは、コンディショニング効果の向上と消費量の減少につながる。製品を手の中で広げる必要がないためである。本発明による製品の更なる利点は、単に噴射剤、噴射剤組成物、又は、噴射剤の圧力を変えることによって、異なる噴霧特性を正確に調節できる点であり、該噴霧特性は従来、基礎的な活性成分組成物用としては受け入れらていなかった。前記噴霧特性としては、微小エアゾール霧化噴霧及び雪様滴から、噴霧フレーク及び噴霧フォームまでのすべての特性が挙げられる。
【0074】
以下の実施例は、本発明の更なる目的の例証を提供するであろう。
【実施例】
【0075】
以下の実施例では、個々の活性成分組成物は、個別に示されている噴射剤とともに、耐圧エアゾール缶の中に充填するとともに、例えばトルスプレー(TRUSPRAY)という商品名の下、ベーリンガーインゲルハイムマイクロパーツ社(Boehringer Ingelheim microParts GmbH)から入手可能なキャピラリー噴霧システムを搭載させた。
【0076】
(実施例1)
【0077】
【表1】

標準的な毛髪に対する基本的なケア、毛髪を傷めることなく状態を整える。
【0078】
(実施例2)
【0079】
【表2】

肯定的特性:痛んだ毛髪のための非常に高いコンディショニング性能
【0080】
(実施例3)
【0081】
【表3】

肯定的特性:非常に痛んだ毛髪の構造均衡化。
【0082】
(実施例4)
【0083】
【表4】

肯定的特性:融和性の高い敏感頭皮のための毛髪修復製品
【0084】
(実施例5)
【0085】
【表5】

肯定的特性:敏感頭皮のための非常に痛んだ毛髪用の低刺激性毛髪修復製品。
【0086】
(実施例6)
【0087】
【表6】

肯定的特性:構造的に痛んでいる毛髪のバランスをセラムが整える。
【0088】
(実施例7)
【0089】
【表7】

肯定的特性:標準的な毛髪から、やや痛んでいる毛髪のためのデイリーヘアケアが毛髪を傷めることなく状態を整える。
【0090】
(実施例8)
【0091】
【表8】

肯定的特性:乾燥及び痛んでいる髪の状態を整える。
【0092】
(実施例9)
【0093】
【表9】

肯定的特性:毛髪を非常になめらかにするとともに、毛髪を傷めることなく状態を整えるゲル状ヘアコンディショナー。
【0094】
(実施例10)
【0095】
【表10】

肯定的特性:日常使用向けの基本的なヘアケア。
【0096】
(実施例11)
【0097】
【表11】

肯定的特性:染色して痛んでいる毛髪向けのコンディショナー
【0098】
(実施例12)
【0099】
【表12】

肯定的特性:染毛して非常に痛んでいる毛髪用のコンディショニング毛髪修復製品
【0100】
(実施例13)
【0101】
【表13】

肯定的特性:大きなストレスを受けた毛髪用の、頭皮に優しい低刺激性毛髪修復製品。
【0102】
【表14】

【0103】
上記の充填比率を用いると、微小噴霧化スプレーで製品を塗布することができる。
【0104】
【表15】

【0105】
上記の充填比率を用いると、雪様噴霧として、又は、小型フレークで製品を塗布することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛髪用化粧品組成物を噴霧させる製品放出システムであって、
(a)耐圧容器、
(b)キャピラリー搭載スプレーヘッド、及び、
(c)噴射剤含有化粧品組成物
を備えており、噴霧化が該キャピラリーを用いて行われ、該組成物に、カチオン性界面活性剤、アミノ界面活性剤、シリコーン化合物、脂肪族アルコール、油、植物抽出物、タンパク質加水分解物、アミノ酸、パンテノール、パンテニルエチルエーテル、ソルビトール、ベタイン、及び、クレアチンから選択される少なくとも1つのヘアコンディショニング剤が含まれている製品放出システム。
【請求項2】
前記キャピラリーの直径が0.1〜1mm、及び、長さが5〜100mmである、請求項1に記載の製品放出システム。
【請求項3】
噴霧速度が0.01〜5g/秒である、請求項1又は2に記載の製品放出システム。
【請求項4】
前記噴射剤が、プロパン、ブタン、ジメチルエーテル、フッ素化炭化水素、及び、これらの混合物から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製品放出システム。
【請求項5】
前記ヘアコンディショニングカチオン性界面活性剤、及び、アミノ界面活性剤が、C8〜22アルキルジメチルベンジルアンモニウム化合物、C8〜22アルキルトリメチルアンモニウム化合物、C8〜22アルキルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム化合物、ジ−(C8〜22アルキル)ジメチルアンモニウム化合物、C8〜22アルキルピリジニウム塩、C8〜22アルキルアミドエチルトリメチルアンモニウムエーテルサルフェート、C8〜22アルキルメチルアミンオキシド、C8〜22アルキルアミノエチルジメチルアミンオキシド、アミドアミン、及び、四級化アミドアミンから選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製品放出システム。
【請求項6】
前記ヘアコンディショニングシリコーン化合物が、環状ジメチルシロキサン、直鎖ポリジメチルシロキサン、ポリジメチルシロキサン、及び、ポリエチレンオキシド及び/又はポリプロピレンオキシド由来のブロックポリマー、末端又は側鎖ポリエチレンオキシド又はポリプロピレンオキシドラジカルを有するポリジメチルシロキサン、末端ヒドロキシル基を有するポリジメチルシロキサン、フェニル置換ポリジメチルシロキサン、シリコ−ンエマルション、シリコーンエラストマー、シリコーンワックス、シリコーンガム、アミノ置換シリコーン、1つ以上の四級アンモニウム基で置換したシリコーン、並びに、架橋シリコーンから選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製品放出システム。
【請求項7】
前記ヘアコンディショニング脂肪族アルコール及び油が、8〜22個の炭素(C)原子を有する分枝又は非分枝アルコール、脂肪酸エステル、鉱油、イソパラフィン油、パラフィン油、スクアラン、ヒマワリ種子油、ココヤシ油、ヒマシ油、ラノリン油、ホホバ油、トウモロコシ油、及び、大豆油から選択される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の製品放出システム。
【請求項8】
前記組成物が、ゲル、ワックス、又は、エマルションである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の製品放出システム。
【請求項9】
前記ゲル型組成物に、少なくとも1つの増粘剤又はゲル形成剤が0.01〜20重量%の量で含まれている、請求項8に記載の製品放出システム。
【請求項10】
前記増粘剤又はゲル形成剤が、アクリル酸とメタクリル酸とから選択される少なくとも1つの第1の型のモノマー、及び、アクリル酸とエトキシル化脂肪族アルコールとのエステルから選択される少なくとも1つの第2の型のモノマー由来のコポリマー;架橋ポリアクリル酸;アクリル酸とメタクリル酸とから選択される少なくとも1つの第1の型のモノマー、及び、アクリル酸とC10〜C30アルコールとのエステルから選択される少なくとも1つの第2の型のモノマー由来の架橋コポリマー;アクリル酸とメタクリル酸とから選択される少なくとも1つの第1の型のモノマー、及び、イタコン酸とエトキシル化脂肪族アルコールとのエステルから選択される少なくとも1つの第2の型のモノマー由来のコポリマー;アクリル酸とメタクリル酸とから選択される少なくとも1つの第1の型のモノマー、イタコン酸とエトキシル化C10〜C30アルコールとのエステルから選択される少なくとも1つの第2の型のモノマー、及び、C1〜C4アミノアルキルアクリレートから選択される第3の型のモノマー由来のコポリマー;アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、及び、メタクリル酸エステルから選択される2つ以上のモノマー由来のコポリマー;ビニルピロリドン及びアンモニウムアクリロイルジメチルタウレート由来のコポリマー;アンモニウムアクリロイルジメチルタウレート、及び、メタクリル酸とエトキシル化脂肪族アルコールとのエステルから選択されるモノマー由来のコポリマー;ヒドロキシエチルセルロース;ヒドロキシプロピルセルロース;ヒドロキシプロピルグアー;グリセリルポリアクリレート;グリセリルポリメタクリレート;少なくとも1つのC2、C3、又は、C4アルキレン、及び、スチレン由来のコポリマー;ポリウレタン;ヒドロキシプロピルデンプンホスフェート;ポリアクリルアミド;無水マレイン酸、及び、メチルビニルエーテル由来の、デカジエンで架橋したコポリマー;ローカストビーンガム;グアーガム;キサンタン;デヒドロキサンタン;カラギーナン;カラヤガム;加水分解コーンスターチ;ポリエチレンオキシド、脂肪族アルコール、及び、飽和メチレンジフェニルジイソシアネート由来のコポリマーから選択される増粘ポリマーである、請求項9に記載の製品放出システム。
【請求項11】
前記ワックス状組成物に、25℃で固体である少なくとも1つのワックスが10〜80重量%の量で含まれている、請求項8に記載の製品放出システム。
【請求項12】
前記ワックスが、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、羊毛ろう、羊毛ろうアルコール、カンデリラろう、オリーブワックス、カルナバワックス、日本ろう、リンゴワックス、硬化油脂、脂肪酸エステル、脂肪酸グリセリド、脂肪酸トリグリセリド、及び、ポリエチレングリコールワックスから選択される、請求項11に記載の製品放出システム。
【請求項13】
前記エマルション型組成物が、油中水型、水中油型、又は、マイクロエマルションであり、前記エマルション型組成物に、少なくとも1つの乳化剤が0.1〜30重量%の量で、及び、少なくとも1つの油が1〜20重量%の量で、並びに、水が含まれている、請求項8に記載の製品放出システム。
【請求項14】
前記乳化剤が、2〜30モルのエチレンオキシド及び/若しくは1〜5モルのプロピレンオキシドをC8〜C22脂肪族アルコールに付加させた生成物;2〜30モルのエチレンオキシド及び/若しくは1〜5モルのプロピレンオキシドをC12〜C22脂肪酸に付加させた生成物;2〜30モルのエチレンオキシド、及び/若しくは、1〜5モルのプロピレンオキシドをアルキル基中に8〜15個の炭素(C)原子を有するアルキルフェノールに付加させた生成物;1〜30モルのエチレンオキシドをグリセロールに付加させた生成物のC12〜C22脂肪酸モノ及びジエステル;5〜60モルのエチレンオキシドをヒマシ油又は硬化ヒマシ油に付加させた生成物;2〜30モルのエチレンオキシドをC8〜C22脂肪族アルコールに付加させた生成物とのリン酸のモノ、ジ、若しくはトリエステル;スクロース及び1つ若しくは2つのC8〜C22脂肪酸由来のエステル;ソルビタン、1つ、2つ、又は3つのC8〜C22脂肪酸及び4〜20の1つのエトキシル化度由来のエステル;1つ、2つ、又はそれ以上のC8〜C22脂肪酸、及び、2〜20のグリセリル単位を有するポリグリセロール由来のポリグリセリル脂肪酸エステル;並びに、アルキルグリコシドから選択される、請求項13に記載の製品放出システム。
【請求項15】
前記組成物に、ヘアコンディショニング物質、ヘアセッティング物質、シリコーン化合物、光防護性物質、防腐剤、顔料、直接浸透性毛髪染料、粒子状物質、酸化剤、還元剤、及び、酸化染毛剤前駆体製品から選択される少なくとも1つの追加活性成分又は添加物が含まれている、請求項1〜14のいずれか一項に記載の製品放出システム。
【請求項16】
前記活性成分又は添加物が、0.01〜20重量%の量で含まれている、請求項15に記載の製品放出システム。
【請求項17】
ヘアコンディショニング又はヘアセッティング物質として非イオン性ポリマーが含まれており、該ポリマーが、ポリビニルピロリドン、ポリビニルカプロラクタム、ビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマー、ポリビニルアルコール、イソブチレン/エチルマレイミド/ヒドロキシエチルマレイミドコポリマー;ビニルピロリドン、ビニルアセテート、及び、ビニルプロピオネート由来のコポリマーから選択される、請求項15又は16に記載の製品放出システム。
【請求項18】
ヘアコンディショニング又はヘアセッティング物質としてアニオン性ポリマーが含まれており、該ポリマーが、アクリル酸、エチルアクリレート、及び、N−tert−ブチルアクリルアミド由来のターポリマー;架橋又は非架橋ビニルアセテート/クロトン酸コポリマー;tert−ブチルアクリレート、エチルアクリレート、及び、メタクリル酸から由来のターポリマー;ナトリウムポリスチレンスルホネート;ビニルアセテート、クロトン酸、及び、ビニルプロピオネート由来のコポリマー;ビニルアセテート、クロトン酸、及び、ビニルネオデカノエート由来のコポリマー;アミノメチルプロパノールアクリレートコポリマー;ビニルピロリドン、並びに、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、及び、メタクリル酸エステルから選択される少なくとも1つの追加のモノマー由来のコポリマー;メチルビニルエーテル、及び、マレイン酸モノアルキルエステル由来のコポリマー;アリルメタクリレート、並びに、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、及び、メタクリル酸エステルから選択される少なくとも1つの追加のモノマー由来のコポリマーのアミノメチルプロパノール塩;エチルアクリレート、及び、メタクリル酸由来の架橋コポリマー;ビニルアセテート、モノ−n−ブチルマレエート、及び、イソボルニルアクリレート由来のコポリマー;アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、及び、メタクリル酸エステルから選択される2つ以上のモノマー由来のコポリマー;オクチルアクリルアミド、並びに、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、及び、メタクリル酸エステルから選択される少なくとも1つのモノマー由来のコポリマー;ジグリコール、シクロヘキサンジメタノール、イソフタル酸、及び、スルホイソフタル酸由来のポリエステルから選択される、請求項15又は16に記載の製品放出システム。
【請求項19】
ヘアコンディショニング又はヘアセッティング物質として双性イオン性又は両性ポリマーが含まれており、該ポリマーが、オクチルアクリルアミド、アクリル酸、ブチルアミノエチルメタクリレート、メチルメタクリレート、及び、ヒドロキシプロピルメタクリレート由来のコポリマー;ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、エチルアミンオキシドメタクリレート、並びに、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、及び、メタクリル酸エステルから選択される少なくとも1つのモノマー由来のコポリマー;メタクリロイルエチルベタイン、並びに、メタクリル酸、及び、メタクリル酸エステルから選択される少なくとも1つのモノマー由来のコポリマー;アクリル酸、メチルアクリレート、及び、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド由来のコポリマー;四級クロトンベタイン、又は、四級クロトンベタインエステルから生成可能なオリゴマー又はポリマーから選択される、請求項15又は16に記載の製品放出システム。
【請求項20】
ヘアコンディショニング又はヘアセッティング物質としてカチオン性基、又は、カチオン化可能な基を有するポリマーが含まれており、該ポリマーが、ヒドロキシエチルセルロース及びジアリルジメチルアンモニウムクロリド由来のカチオン性セルロース誘導体;ヒドロキシエチルセルロース及びトリメチルアンモニウムで置換したエポキシド由来のカチオン性セルロース誘導体;ポリ(ジメチルジアリルアンモニウムクロリド);アクリルアミド及びジメチルジアリルアンモニウムクロリド由来のコポリマー;ジエチルサルフェートと、ビニルピロリドン及びジメチルアミノエチルメタクリレート由来のコポリマーとの反応により形成される四級アンモニウムポリマー;メチルビニルイミダゾリウムクロリド及びビニルピロリドン由来の四級アンモニウムポリマー;ポリクオタニウム−35;トリメチルアンモニウムエチルメタクリレートクロリド由来のポリマー;ポリクオタニウム−57;末端部を四級アンモニウム基で置換したジメチルポリシロキサン;ビニルピロリドン、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、及び、メタクリロイルアミノプロピルラウリルジメチルアンモニウムクロリド由来のコポリマー;キトサン及びその塩;ヒドロキシアルキルキトサン及びその塩;アルキルヒドロキシアルキルキトサン及びその塩;N−ヒドロキシアルキルキトサンアルキルエーテル;ビニルカプロラクタム、ビニルピロリドン、及び、ジメチルアミノエチルメタクリレート由来のコポリマー;ビニルピロリドン及びジメチルアミノエチルメタクリレート由来のコポリマー、ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、及び、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド由来のコポリマー;少なくとも1つの四級アンモニウム基で置換したヒドロキシカルボン酸から選択される少なくとも1つの第1の型のモノマーから形成されているポリ又はオリゴエステルから選択される、請求項15又は16に記載の製品放出システム。
【請求項21】
少なくとも1つの光防護性物質が含まれており、該光防護性物質が、4−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシルエステル、メチルメトキシシンナメート、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、及び、ポリエトキシル化p−アミノベンゾエートから選択される、請求項15〜20のいずれか一項に記載の製品放出システム。
【請求項22】
活性成分及び添加物が含まれており、前記活性成分及び添加物が、アルキルアクリレート及びアルキルメタクリレート由来のA−Bブロックコポリマー;アルキルメタクリレート及びアクリロニトリル由来のA−Bブロックコポリマー;ラクチド及びエチレンオキシド由来のA−B−Aブロックコポリマー;カプロラクトン及びエチレンオキシド由来のA−B−Aブロックコポリマー;アルキレン又はアルカジエン化合物、スチレン、及び、アルキルメタクリレート由来のA−B−Cブロックコポリマー;アクリル酸、スチレン、及び、アルキルメタクリレート由来のA−B−Cブロックコポリマー;星型ブロックコポリマー;高分岐ポリマー;デンドリマー;本質的に導電性の3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン;並びに、本質的に導電性のポリアニリンから選択される、請求項15〜21のいずれか一項に記載の製品放出システム。
【請求項23】
少なくとも1つの顔料が含まれており、該顔料が、二酸化チタン(CI77891)、黒酸化鉄(CI77499)、黄酸化鉄(CI77492)、赤及び褐酸化鉄(CI77491)、マンガンバイオレット(CI77742)、ウルトラマリン(CI77007)、酸化クロム水和物(CI77289)、紺青(CI77510)、オキシ塩化ビスマス(CI77163)、カルミン(コチニール)、二酸化チタン又はオキシ塩化ビスマスのような金属酸化物又は金属オキシ塩化物、並びに、必要であれば、酸化鉄、紺青、ウルトラマリン、又は、カルミンのような追加の色彩供与物質でコーティングされている雲母系の真珠光沢顔料及び着色顔料から選択されており、層の厚みを変えることによって前記色彩が決定される、請求項15〜22のいずれか一項に記載の製品放出システム。
【請求項24】
少なくとも1つの粒子状物質が含まれており、該粒子状物質が、シリカ、シリケート、アルミネート、アルミナ、雲母、不溶性金属塩、金属酸化物、ミネラル、及び、不溶性ポリマー粒子から選択される、請求項15〜23のいずれか一項に記載の製品放出システム。
【請求項25】
前記組成物が、O/Wエマルション、W/Oエマルション、又は、マイクロエマルションの形状をしており、該組成物に、
(a)少なくとも1つの油又は脂肪族アルコールが1〜20重量%、
(b)カチオン性、アニオン性、双性イオン性、及び、非イオン性の界面活性剤から選択される少なくとも1つの乳化剤が0.1〜30重量%、並びに、
(c)シリコーン化合物、植物抽出物、タンパク質加水分解物、アミノ酸、パンテノール、パンテニルエチルエーテル、ソルビトール、ベタイン、及び、クレアチンから選択される少なくとも1つの追加のヘアコンディショニング成分が0〜20重量%
含まれている、請求項1に記載の製品放出システム。
【請求項26】
ヘアトリートメントを目的とする、請求項1〜25のいずれか一項に記載の製品放出システムの利用。
【請求項27】
ヘアトリートメントの方法であって、
−請求項1〜25のいずれか一項に記載の製品放出システムを提供し、
−該製品放出システムによって、この中に含まれている組成物を毛髪上に噴霧し、及び、
−該組成物を、作用期間後に該毛髪から洗い流すか、該毛髪内に残存させる
方法。

【公表番号】特表2008−546779(P2008−546779A)
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−518222(P2008−518222)
【出願日】平成18年6月13日(2006.6.13)
【国際出願番号】PCT/US2006/023073
【国際公開番号】WO2007/001843
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】