説明

ヘアコンディショニング組成物

【課題】塗布時には毛髪になじみやすいため均一に塗布しやすく、乾燥直後の仕上り時には毛髪に滑らかで、柔らかく、しっとりとした良好な感触を与え、更に時間が経った後も毛髪の滑らかさと指通りの良さが持続するヘアコンディショニング組成物を提供すること。
【解決手段】(A)カチオン性界面活性剤0.1〜5質量%、(B)ノニオン性界面活性剤0.1〜5質量%、(C)高級アルコール0.2〜10質量%、(D)1分子内に水酸基を3個以上有する多価アルコール5〜50質量%、(E)油性成分0.1〜20質量%および(F)水を含有するヘアコンディショニング組成物であって、上記成分(A)〜(D)の混合物に成分(E)を加えて多価アルコール中油型乳化物を調製し、次いでこの多価アルコール中油型乳化物に成分(F)を加えて水中油型乳化物とする二段階乳化法により製造するヘアコンディショニング組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はヘアコンディショニング組成物に関し、更に詳しくは、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、高級アルコール、1分子内に水酸基を3個以上有する多価アルコール、油性成分および水の各成分を組み合わせ、特定の二段階乳化法を用いて製造した乳化組成物であって、塗布時には毛髪になじみやすいため均一に塗布しやすく、乾燥直後の仕上り時には毛髪に滑らかで、柔らかく、しっとりとした良好な感触を与え、更に時間が経った後も毛髪の滑らかさと指通りの良さが持続する、優れたコンディショニング効果を有するヘアコンディショニング組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
毛髪にコンディショニング効果を与えるヘアコンディショニング組成物は、剤型的には液状、乳液状、クリーム状、ミスト状、フォーム(泡沫)状等、種々の形態があり、ヘアリンス、ヘアトリートメント、ヘアクリーム、ヘアパック、ヘアエッセンス等のノンエアゾール製品や、ヘアコンディショニングフォーム、ヘアコンディショニングスプレー等のエアゾール製品等として、インバス用の製品(洗い流すタイプ)、アウトバス用の製品(毛髪付けたままにしておくタイプ)に広く用いられてきた。
【0003】
通常、ヘアリンス等のヘアコンディショニング組成物は、カチオン性界面活性剤、高級アルコールおよび水を組み合わせて液晶構造を有するゲルを形成させ、これに油性成分を添加して乳化することにより調製されるものであり、塗布後の毛髪表面に薄い油性の保護膜を形成させて滑らかさ等を付与することができるものである。そして、その製造方法は、カチオン性界面活性剤水溶液に高級アルコールと油性成分を添加し乳化する分散乳化法が一般的である(例えば、非特許文献1参照。)。
【0004】
ところが、従来のヘアコンディショニング組成物は毛髪表面に対するなじみが充分とはいえず、毛髪に均一に塗布しにくい場合があった。また、乾燥直後の仕上り時には毛髪に滑らかさや柔らかさが認められるものの、その後時間が経つにつれ毛髪が硬くなる傾向があり、例えば前日の夜にヘアコンディショニングをしても翌日にはその効果がなくなってしまうというように、コンディショニング効果が持続しない場合があった。そこで、より毛髪に均一に塗布しやすく、前日の夜にヘアコンディショニングをすれば一日経っても充分なコンディショニング効果が残るような、コンディショニング効果の持続性に優れたヘアコンディショニング組成物の開発が望まれ、そのために、例えば常温液状の高級アルコールや高重合ポリエチレングリコール等、毛髪に特有の効果を有する特定化合物の配合が検討されてきた(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
【非特許文献1】新化粧品学(南山堂 光井武夫著)第422〜424頁
【特許文献1】特開平10−7532号公報
【特許文献2】特開平10−330226号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の方法では毛髪に対するコンディショニング効果を得る一方で、配合する上記特定化合物の特性により、不自然な膜感や洗い流し時のヌルヌル感などの不快感を与える場合があった。従って、本発明が解決しようとする課題は、このような特定化合物に由来する不快感を感じることなく、毛髪に均一に塗布しやすく、乾燥直後の仕上り時には、毛髪に滑らかで、柔らかく、しっとりとした良好な感触を与え、更に時間が経った後も毛髪の滑らかさと指通りの良さが持続する、優れたコンディショニング効果を有するヘアコンディショニング組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる実情において、本発明者は上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、(A)カチオン性界面活性剤、(B)ノニオン性界面活性剤、(C)高級アルコール、(D)1分子内に水酸基を3個以上有する多価アルコール、(E)油性成分および(F)水の各成分の組み合わせにおいて、成分(A)〜(E)の各々特定量にて第一段階の乳化を行ない、次いで成分(F)を加えて第二段階の乳化を行なう、二段階乳化法を用いて製造すれば、より均一な液晶構造を形成させることができること、そしてこれが上記課題を克服し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち本発明は、
次の成分(A)〜(F)、
(A)カチオン性界面活性剤 0.1〜5質量%
(B)ノニオン性界面活性剤 0.1〜5質量%
(C)高級アルコール 0.2〜10質量%
(D)1分子内に水酸基を3個以上有する多価アルコール 5〜50質量%
(E)油性成分 0.1〜20質量%
(F)水
を含有するヘアコンディショニング組成物であって、上記成分(A)〜(D)の混合物に成分(E)を加えて多価アルコール中油型乳化物を調製し、次いでこの多価アルコール中油型乳化物に成分(F)を加えて水中油型乳化物とする二段階乳化法により製造することを特徴とするヘアコンディショニング組成物を提供するものである。
【0008】
また、本発明は、上記二段階乳化法により、均一な液晶構造が形成されることを特徴とする上記のヘアコンディショニング組成物を提供するものである。
【0009】
また、本発明は、成分(A)と成分(B)の配合質量比(B)/(A)が1/10〜1/1の範囲にあることを特徴とする上記のヘアコンディショニング組成物を提供するものである。
【0010】
更に、本発明は、成分(D)がグリセリン、ジグリセリンまたはこれらの混合物から選ばれることを特徴とする上記のヘアコンディショニング組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明のヘアコンディショニング組成物は、塗布時には毛髪になじみやすいため均一に塗布しやすく、乾燥直後の仕上り時には毛髪に滑らかで、柔らかく、しっとりとした良好な感触を与え、更に時間が経った後も毛髪の滑らかさと指通りの良さが持続する、優れたコンディショニング効果を有するものであり、ヘアコンディショニング組成物として優れた品質を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明について更に詳しく説明する。
【0013】
本発明に用いられる成分(A)のカチオン性界面活性剤は、毛髪への親和性および吸着性が良好で、毛髪に滑らかさや柔らかさを付与するはたらきがあり、通常コンディショニング効果の付与剤として毛髪用の化粧料等に使用される化合物である。本発明においては、二段階乳化の第一段階の工程においてこの成分(A)を他の成分(B)〜(D)と共存させて混合物とし、成分(E)を加えて多価アルコール中油型乳化物とした後、第二段階の工程で成分(F)を加えて水中油型乳化物とする配合方法をとることにより、乳化物をより毛髪になじみやすくさせ、毛髪表面への均一な塗布をしやすくすることができる。また、乾燥直後の良好な感触に加え、時間が経った後も毛髪の滑らかさと指通りの良さを持続させることができる。本発明において成分(A)のカチオン性界面活性剤は、通常化粧料等に使用され、毛髪にコンディショニング効果を付与できるカチオン性界面活性剤であれば特に限定されず、使用可能であるが、例えばモノ長鎖アルキル型の第4級アンモニウム塩、ジ長鎖アルキル型の第4級アンモニウム塩またはエチレンオキサイド付加型の第4級アンモニウム塩が好ましい。具体的には塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジベヘニルジメチルアンモニウム、臭化ジベヘニルジメチルアンモニウム、塩化ジセチルジメチルアンモニウム、臭化ジセチルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ジラウリルジメチルアンモニウム、塩化ジポリオキシエチレン(15E.O.)ヤシ油アルキルメチルアンモニウム、塩化ジポリオキシエチレン(4E.O.)ラウリルエーテルジメチルアンモニウム、塩化ステアリン酸アミドプロピルトリメチルアンモニウム、ジココイルエチルヒドロキシエチルメチルアンモニウム・メチル硫酸塩等を挙げることができる。これらのうち、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジベヘニルジメチルアンモニウムが、毛髪に滑らかさや柔らかさを付与し、持続性にも優れたコンディショニング効果を得る上で特に好ましい。
【0014】
本発明において、成分(A)のカチオン性界面活性剤は、必要に応じて1種を単独でまたは2種以上を併用して用いることができ、その配合量は全組成中0.1〜5質量%(以下、単に「%」と記す)、より好ましくは0.5〜3%である。この範囲内であれば毛髪に滑らかで、柔らかく、しっとりとした良好な感触を与え、時間が経った後も毛髪の滑らかさと指通りの良さが持続する優れたコンディショニング効果が得られる。0.1%未満では充分なコンディショニング効果が得られず、5%を超えて配合してもコンディショニング効果の更なる向上は得られず、かえって毛髪にべたつきや重い感触を与えてしまう傾向がある。
【0015】
本発明に用いられる成分(B)のノニオン性界面活性剤は、本発明の二段階乳化において乳化剤としてはたらき、良好な乳化によってヘアコンディショニング組成物を毛髪になじみやすくさせ、毛髪表面への均一な塗布をしやすくすると共に、組成物の経時安定性を向上させるためにも重要な成分である。本発明において成分(B)のノニオン性界面活性剤は、通常化粧料に用いられるものであれば特に限定されず、使用可能であるが、具体的にはポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトールテトラ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド、N−アルキルジメチルアミンオキシド、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等を例示することができる。これらのうち、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ソルビタン脂肪酸エステルが、二段階乳化において良好な乳化剤としてはたらくため、特に好ましい。
【0016】
本発明において成分(B)のノニオン性界面活性剤は、二段階乳化における充分な乳化力と、乳化した組成物の良好な安定性を得る上で、HLBが6〜14の範囲ものが好ましい。このHLBの範囲は、例えば、この範囲を外れる高HLBのノニオン性界面活性剤と同低HLBのノニオン性界面活性剤とを組み合わせるような場合においても、その加重平均値が6〜14の範囲に入っていれば該当することを意味する。
【0017】
本発明において、成分(B)のノニオン性界面活性剤は、必要に応じて1種を単独でまたは2種以上を併用して用いることができ、その配合量は全組成中0.1〜5%、より好ましくは0.3〜3%である。この範囲内であれば組成物の乳化状態も良好であり、毛髪になじみやすいため毛髪表面へ均一に塗布しやすく、充分な経時安定性を有するものが得られる。0.1%未満では充分な乳化ができにくいため、毛髪へのなじみが不充分で毛髪に均一に塗布しにくい場合がある。また、充分な経時安定性も得られにくい。5%を超えて配合しても乳化状態や経時安定性の更なる向上は得られず、かえって毛髪にべたつきを与えてしまう傾向がある。
【0018】
本発明に用いられる成分(C)の高級アルコールは、コンディショニング助剤として成分(A)のカチオン性界面活性剤との併用により、成分(F)の水の存在下液晶構造を有するゲルを形成し、その適度な粘性により手に取ったときに扱いやすく、良好な使用性(使い勝手)を与える。また、系の経時安定性も向上する。本発明において、成分(C)の高級アルコールは通常化粧料に使用できる高級アルコールであれば特に限定されず、使用可能であるが、直鎖または分岐鎖の炭化水素基を有する炭素数12〜22のものが好ましい。具体的にはミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、セトステアリルアルコール、ラノリンアルコール、水素添加ラノリンアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、2−オクチルドデカノール、ヘキサデシルアルコール、イソステアリルアルコール等を例示することができる。これらのうち、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、ベヘニルアルコールが、良好なゲルを形成する上で特に好ましい。
【0019】
本発明において、成分(C)の高級アルコールは必要に応じて1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができ、その配合量は全組成中0.2〜10%、より好ましくは0.5〜8%である。この範囲内であれば、組成物の粘度が安定しており、使用後の毛髪も良好な感触を持続することができる。0.2%未満ではゲルの形成が充分でなく、充分な経時安定性が得られない場合がある。また、10%を超えて配合すると組成物の粘度が経時的に高くなり、使用後の毛髪も経時的に硬くなってしまう場合がある。
【0020】
本発明に用いられる成分(D)は1分子内に水酸基を3個以上有する多価アルコールであり、この成分(D)は二段階乳化の工程途中において、多価アルコール中油型乳化物を調製するために必須の成分である。また、成分(D)は毛髪に対する湿潤作用も有し、本発明においては乾燥直後の毛髪に柔らかさやしっとり感を付与するはたらきも有する。本発明において、成分(D)の多価アルコールは、1分子に水酸基を3個以上有するものであれば特に限定されず使用可能である。具体的にはグリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等を挙げることができるが、二段階乳化のしやすさや、毛髪への柔らかさ、しっとり感の付与の点からグリセリン、ジグリセリンが特に好ましい。
【0021】
本発明において、成分(D)の多価アルコールは必要に応じて1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができ、その配合量は全組成中5〜50%、より好ましくは10〜30%である。この範囲内であれば、二段階乳化の工程中において良好なゲルを形成することができ、また乾燥直後の毛髪に柔らかさやしっとり感を充分に付与することができる。
【0022】
本発明で使用される成分(E)の油性成分は、毛髪に光沢や、滑らかな感触、櫛通りの良さを与え、更にこれら効果の持続性を得る目的で配合される。本発明において、成分(E)の油性成分は二段階乳化の第一段階で成分(A)〜(D)の混合物に加えられ、多価アルコール中油型乳化物を形成させるための油性成分である。成分(E)の油性成分としては、通常化粧料等に使用される油性成分であれば特に限定されず、動物油、植物油、合成油等の起源や、固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わない。成分(E)として、例えば炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、有機シリコーン類、フッ素系油剤類、ラノリン誘導体類等が使用可能であり、より具体的には流動パラフィン、軽質流動イソパラフィン、スクワラン、植物性スクワラン、ワセリン、ポリイソブチレン、ポリブテン、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、エチレンプロピレンコポリマー、モンタンワックス、フィッシュトロプスワックス等の炭化水素類、モクロウ、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油、カメリア油、ローズピップ油、アボカド油等の油脂類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、ホホバ油、2−エチルヘキサン酸酸セチル、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、イソステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ステアリン酸コレステリル、ラノリン脂肪酸コレステリル、オレイン脂肪酸フィトステリル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・2−オクチルドデシル)等のエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸類、低重合度ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、架橋型オルガノポリシロキサン、アミノ変性オルガノポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン等の有機シリコーン類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体等を例示することができる。
【0023】
本発明において、成分(E)の油性成分は必要に応じて1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができ、その配合量は全組成中0.1〜20%、より好ましくは1〜10%である。この範囲であれば、毛髪に充分な光沢や、滑らかな感触、櫛通りの良さを与えることができ、更にこれら効果が持続する。0.1未満では上記効果を充分に得ることが難しく、また、20%を超えて配合しても更なる効果の向上が得られにくく、かえって毛髪にべたつきや重い感触を与えてしまう傾向がある。
【0024】
本発明に用いられる成分(F)の水は、通常化粧料等に使用可能な水であれば特に限定されず、例えば精製水、蒸留水、温泉水、海洋深層水、ラベンダー花水等、種々の水を挙げることができ、必要に応じて、これらの1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0025】
本発明のヘアコンディショニング組成物は、上記成分(A)〜(D)の混合物に成分(E)を加えて多価アルコール中油型乳化物を調製する第一段階と、次いでこの多価アルコール中油型乳化物に成分(F)を加えて水中油型乳化物とする第二段階からなる二段階乳化法により製造される。水性相を外相とし、これに油性相を添加して乳化する通常の分散乳化法では、カチオン性界面活性剤、高級アルコールおよび水による液晶構造を均一に作ることが容易でなく、部分的に高級アルコールが析出してしまうことにより毛髪に均一に塗布しにくくなったり、乾燥直後の毛髪の仕上りが硬くなってしまう場合がある。これに対し、本発明においては、成分(A)のカチオン界面活性剤を上記二段階乳化の第一段階において成分(B)〜(D)と共存させておくことにより、最終的に製造される水中油型乳化物において均一な液晶構造を形成させることができる。従って、この二段階乳化工程により調製されたヘアコンディショニング組成物は毛髪表面への均一な塗布がしやすく、より毛髪になじみやすくなる。また、毛髪表面に均一に塗布されているため、摩擦等による塗布膜の剥離も起きにくく、時間が経った後も毛髪の滑らかさと指通りの良さを持続させることができる。
【0026】
即ち、例えば組成が同じヘアコンディショニング組成物であっても、本発明の二段階乳化法により製造したものは、通常の分散乳化法により製造したものと比較して、その品質において全く異なるものができる。加えて、二段階乳化法によるものはその均一な液晶構造の形成により、組成物の粘度も低くなる傾向があり、これも毛髪表面への均一な塗布をしやすくし、より毛髪へのなじみをよくすることに寄与する。なお、上記二段階乳化法の第一段階において、成分(A)〜(D)の混合物には成分(D)以外の多価アルコールを任意成分として加えておいても良い。しかし、その添加量は本発明の効果を損なわないようにするために、全多価アルコール中50%以下であることが好ましい。
【0027】
本発明のヘアコンディショニング組成物においては、成分(A)と成分(B)の配合質量比(B)/(A)が1/10〜1/1の範囲にあることが好ましい。この範囲内であれば、より均一な液晶構造のゲルを形成することができ、本発明のより顕著な効果を得ることができる。
【0028】
本発明のヘアコンディショニング組成物には、上記の必須成分の他に、目的に応じて本発明の効果を損なわない量的、質的範囲において、毛髪用の化粧品において通常配合されるエチルアルコール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール類、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の成分(D)以外の多価アルコール類、ソルビトール、マルチトール、ショ糖、果糖、でんぷん糖、ラクチトール等の糖類、グアーガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、カラギーナン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アルキル化カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性高分子、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、リン酸またはそれらの塩等のpH調整剤、エデト酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸またはそれらの塩等のキレート剤、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム等の無機塩類、グリシン、アラニン、ロイシン、イソロイシン、L−システイン、アセチルシステイン、L−セリン、L−アルギニン、L−グルタミン酸、L−アスパラギン酸、トリメチルグリシン、ピロリドンカルボン酸またはその塩等のアミノ酸類、アロエベラ、ウィッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出物、水溶性ビタミンCまたはその誘導体、ビタミンEまたはその誘導体等のビタミン類、コラーゲン、ゼラチン等のタンパク質やその誘導体またはそれらの塩、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、パラジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸またはそのナトリウム塩等の紫外線吸収剤、真珠末、パール顔料、着色パール顔料、ラメ剤、酸化鉄、酸化チタン、マイカ、カオリン、モンモリロナイト、ナイロン末、シリコーン樹脂粉体等の粉体、タール色素、天然色素等の色素類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール等の酸化防止剤、パラベン類、イソプロピルメチルフェノール、フェノキシエタノール等の殺菌・防腐剤、香料等を配合することができる。
【0029】
本発明のヘアコンディショニング組成物は、他の成分との併用や容器の機構により、液状、乳液状、クリーム状、ミスト状、フォーム状等、種々の形態にて実施することができ、ヘアリンス、ヘアトリートメント、ヘアクリーム、ヘアパック、ヘアエッセンス等として実施することができる。また、本発明の効果を損なわない量的、質的範囲において液化石油ガス、窒素ガス、炭酸ガス、ジメチルエーテル等の各種噴射剤またはそれらの混合物を加え、エアゾール容器に充填して、ヘアフォーム、ヘアスプレーフォーム等のエアゾール製品としても実施することができる。本発明のヘアコンディショニング組成物は、インバス用の製品においても、またアウトバス用の製品においても、良好な効果を示し、実施可能である。
【0030】
以下に実施例を挙げて、本発明を更に説明する。なお、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【実施例1】
【0031】
本発明品1〜7および比較品1〜7 : ヘアコンディショナー(洗い流しタイプ)
表1、表2に示す組成および下記製法にてヘアコンディショナーを調製し、官能検査および安定性試験により評価、判定を行なった。結果を表1および表2に併記する。
【0032】
【表1】

【0033】
【表2】

【0034】
(製法)
A.成分(1)〜(9)を75℃にて加熱溶解し均一に混合する。
B.成分(10)を75℃に加熱する。
C.成分(11)を75℃に加熱する。
D.AにBを添加して均一に乳化混合する。
E.DにCを添加して均一に乳化混合し、冷却する。
F.Eを容器に充填してヘアコンディショナーを得た。
【0035】
<官能検査>
(評価項目)
<1>塗布時の毛髪へのなじみやすさ(均一な塗布のしやすさ)
<2>すすぎ時の毛髪の感触(滑らかさ、柔らかさ、しっとり感)
<3>乾燥直後の毛髪の感触(滑らかさ、柔らかさ、しっとり感)
<4>12時間後の毛髪の感触(滑らかさ、指通りの良さ)
【0036】
(評価、判定方法)
12名の専門パネルに市販の通常タイプのシャンプーにて洗髪してもらい、その後直ちに本発明品1〜7および比較品1〜7のヘアコンディショナーの各試料を毛髪に塗布してもらった。10分たった後にこれを洗い流してもらい、ヘアドライヤーにて乾燥した後、12時間後まで毛髪の感触について追ってもらった。以上の過程において上記<1>〜<4>の各経時的な評価項目について、下記(イ)7段階評価基準を用いて評価してもらい、各試料の評点の平均値を更に下記(ロ)4段階判定基準を用いて判定した。
【0037】
(イ)7段階評価基準
(評点) :(評価)
6 : 非常に良い
5 : 良い
4 : やや良い
3 : 普通
2 : やや悪い
1 : 悪い
0 : 非常に悪い
(ロ)4段階判定基準
(評点の平均値) :(判定)
5.0以上 : ◎
3.5以上、5.0未満: ○
1.5以上、3.5未満: △
1.5未満 : ×
【0038】
<安定性試験>
(判定項目)
<5>高温安定性
<6>低温安定性
(高温安定性の判定方法)
本発明品1〜7および比較品1〜7の各試料を50℃の条件下に静置して30日後に肉眼にて観察し、下記の(ハ)判定基準を用いて高温安定性を判定した。
(ハ)判定基準
(判定) : (観察結果)
◎ : 異常なし
○ : やや変化はあるが分離せず、ほとんど問題なし
△ : やや分離が認められる
× : 著しい分離が認められる
(低温安定性の判定方法)
本発明品1〜7および比較品1〜7の各試料を5℃の条件下に静置し、30日後に肉眼にて乳化物のキメを外観として観察した。そして更に、室温に戻した後、静置前より粘度が上昇して高くなりすぎ、毛髪に適用しにくいなど製品としての使用性(使い勝手の良さ)に問題があるか否か、またその程度について評価した。これらを総合し、低温安定性として下記の(ニ)判定基準を用いて判定した。
(ニ)判定基準
(判定) : (結果)
◎ : 外観に異常なく、使用性に問題なし
○ : 外観にやや変化はあるが粘度上昇せず、ほとんど問題なし
△ : やや粘度の上昇が認められ、使用性にやや問題がある
× : 著しい粘度上昇が認められ、使用性に問題がある
【0039】
表1および表2の結果から明らかなように、本発明品1〜7のヘアコンディショナーは毛髪になじみやすく均一に塗布しやすい。また、乾燥直後の仕上り時には毛髪に滑らかで、柔らかく、しっとりとした良好な感触を与え、更に、時間が経った後も毛髪の滑らかさと指通りの良さが持続する、優れたコンディショニング効果を有するものであることが実証された。一方、比較品1〜7は全ての項目において満足〜ほぼ満足できるものは得られず、成分(B)のノニオン性界面活性剤の量が不足している比較品1および比較品2は毛髪へのなじみと高温安定性が特に劣り、逆にノニオン性界面活性剤過多の比較品3は仕上り後の毛髪の感触が劣っていた。また、成分(D)のグリセリンの量が不足している比較品4および比較品5は毛髪へのなじみも、すすぎ時から仕上り後にかけて毛髪の感触も劣っていた。更に、成分(A)のカチオン性界面活性剤の配合がない比較品6も、成分(E)の油性成分の配合がない比較品7も、特に仕上り後の毛髪の感触が劣っていた。
【実施例2】
【0040】
本発明品8および比較品8 : ヘアコンディショナー(洗い流しタイプ)
表3に示す組成のヘアコンディショナーを下記2種類の製法にて調製し、各々の試料の稠度値および櫛通り性(指通り性を示す指標として)を以下に示す方法で測定した。結果を表3に併記する。
【0041】
【表3】

【0042】
(本発明品8の製法:二段階乳化法)
A.成分(1)〜(7)を75℃にて加熱溶解し均一に混合する。
B.成分(8)を75℃にて加熱溶解する。
C.成分(9)を75℃に加熱する。
D.AにBを添加して均一に乳化混合する。
E.DにCを添加して均一に乳化混合し、冷却する。
F.Eを容器に充填してヘアコンディショナーを得た。
【0043】
(比較品8の製法:分散乳化法)
A.成分(1)〜(6),(8)を75℃にて加熱溶解する。
B.成分(9)を75℃に加熱する。
C.BにAを添加して均一に乳化混合する。
D.冷却したのち成分(7)を添加して均一に混合する。
E.Dを容器に充填してヘアコンディショナーを得た。
【0044】
<稠度値>
本発明品8および比較品8を調製後、15℃で一昼夜静置した後、稠度(JIS−K−2220準拠、稠度計、30gアルミニウムコーン使用、落下5秒後の値)を測定した。
<櫛通り性試験>
日本人女性1名よりサンプリングした毛髪を用い、2つの毛束(重さ1g、長さ10cm)を作成した。これらの毛束を市販の通常タイプのシャンプーで洗髪した後に、本発明品8および比較品8の各試料を各々毛束に塗布した。これらを5分間放置した後、水洗し、温度25℃、湿度55±2%の恒温恒湿下で乾燥した後、櫛通り性試験用の試料とした。
櫛通り性試験は、特開平11−318861号公報に記載の多関節型ロボット(三菱電機製RV−M1、検出部はストレンゲージ、触子は櫛型触子、信号処理部はカノープス製ADX−98H)を用いて櫛すき運動の反力(gf)を測定することにより行なった。恒温恒湿室での測定環境を温度25℃、湿度55±2%に設定し、毛束を初期位置に固定して、櫛型触子の初期位置、運動条件(速度30mm/秒、移動距離10cm)を設定し、櫛すき運動を行なって、その反力(gf)を測定した。
【0045】
表3の結果から明らかなように、調製方法の異なる本発明品8と比較品8のヘアコンディショナーを比較すると、本発明品8のヘアコンディショナーは同一組成にも関わらず比較品8より稠度が高かった。即ち、これは粘度が低いことを示す。また、多関節型ロボットによる櫛通り性試験では櫛通り反力が低いことより、本発明品8のヘアコンディショナーの方が比較品8よりも毛髪の櫛通りが良いことが示された。以上より、本発明品8のヘアコンディショナーは同一組成の比較品8に比べて、より毛髪に均一に塗布しやすく、塗布後の毛髪の指通りもより優れていることが実証された。
【実施例3】
【0046】
本発明品9 : ヘアトリートメントフォーム(アウトバスタイプ)
下記に示す組成および製法にて、泡沫エアゾールタイプのヘアトリートメントフォームを調製した。
(原液組成)
(成 分) (%)
(1)セトステアリルアルコール 0.5
(2)グリセリン 7
(3)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(20E.O.) 1
(4)塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム 0.5
(5)トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 1
(6)ミリスチン酸イソプロピル 0.1
(7)アミノ変性シリコーン(注1) 0.1
(8)メチルパラベン 0.1
(9)香料 0.1
(10)精製水(加えて100%) 残量
注1:東レ・ダウコーニング社製SM8702C(40%エマルション)(処方中の配合量はアミノ変性シリコーン純分で記載)
【0047】
(製法)
A.成分(1)〜(4)を75℃にて加熱溶解する。
B.成分(5)〜(6)を75℃にて加熱溶解する。
C.成分(10)を75℃に加熱する。
D.AにBを添加して均一に乳化混合する。
E.DにCを添加して均一に乳化混合し、冷却後に成分(7)〜(9)を添加して原液とする。
F.Eの原液95質量部と、噴射剤として液化石油ガス5質量部をエアゾール缶に充填し、ヘアトリートメントフォームを得た。
【0048】
以上のようにして得られた本発明品9のヘアトリートメントフォームは、毛髪になじみやすく、均一に塗布しやすいものであった。また、乾燥直後の仕上り時の毛髪は滑らかで柔らかく、しっとり感を有するものであり、翌日になっても指通りの良さが持続する、優れたコンディショニング効果を有するものであった。
【実施例4】
【0049】
実本発明品10 : ヘアトリートメントミスト(アウトバスタイプ)
下記に示す組成および製法にて、ヘアトリートメントミストを調製した。
(組成)
(成 分) (%)
(1)塩化ジステアリルジメチルアンモニウム 0.05
(2)塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.05
(3)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.1
(4)セトステアリルアルコール 0.2
(5)グリセリン 5
(6)プロピレングリコール 3
(7)メチルフェニルポリシロキサン 0.3
(8)ヘキシレングリコール 0.5
(9)高重合ジメチルポリシロキサン(注2) 0.055
(10)精製水 残量
注2:東レ・ダウコーニング社製BY−22−050A(55%エマルション)(処方中の配合量はジメチルポリシロキサン純分で記載)
【0050】
(製法)
A.成分(1)〜(6)を75℃にて加熱溶解する。
B.成分(7)を75℃に加熱する。
C.成分(10)を75℃に加熱する。
D.AにBを添加して均一に乳化混合する。
E.DにCを添加して均一に乳化混合し、冷却後に成分(8)〜(9)を添加混合する。
F.Eをミストディスペンサー容器に充填し、ヘアトリートメントミストを得た。
【0051】
以上のようにして得られた本発明品10のヘアトリートメントミストは、噴霧した後毛髪になじみやすく、均一に塗布しやすいものであった。また、乾燥直後の仕上り時の毛髪は滑らかで柔らかく、しっとり感を有するものであり、一晩たっても指通りの良さが持続する、優れたコンディショニング効果を有するものであった。
【実施例5】
【0052】
本発明品11 : ヘアパック
下記に示す組成および製法にて、ヘアパックを調製した。
(組成)
(成 分) (%)
(1)塩化ジポリオキシエチレン(15E.O.)
ヤシ油アルキルメチルアンモニウム 3
(2)塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム 2
(3)ポリオキシエチレンフィトステリルエーテル(10E.O.) 1
(4)セトステアリルアルコール 5
(5)ステアリルアルコール 3
(6)ジグリセリン 10
(7)グリセリン 20
(8)2−エチルヘキサン酸セチル 1
(9)フェノキシエタノール 1
(10)香料 0.3
(11)高重合ジメチルポリシロキサン(注3) 5.5
(12)精製水 残量
注3:注2と同じ。
【0053】
(製法)
A.成分(1)〜(7)を75℃にて加熱溶解する。
B.成分(8)を75℃に加熱する。
C.成分(12)を75℃に加熱する。
D.AにBを添加して均一に乳化混合する。
E.DにCを添加して均一に乳化混合し、冷却後に成分(9)〜(11)を添加する。
F.Eを容器に充填し、ヘアパックを得た。
【0054】
以上のようにして得られた本発明品11のヘアパックは、塗布時には毛髪になじみやすく、洗い流し、乾燥させた直後の毛髪は滑らかで柔らかく、しっとり感を有するものであった。しかも、翌日になっても毛髪は滑らかで、指通りの良さが持続する、優れたコンディショニング効果を有するものであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)〜(F)、
(A)カチオン性界面活性剤 0.1〜5質量%
(B)ノニオン性界面活性剤 0.1〜5質量%
(C)高級アルコール 0.2〜10質量%
(D)1分子内に水酸基を3個以上有する多価アルコール 5〜50質量%
(E)油性成分 0.1〜20質量%
(F)水
を含有するヘアコンディショニング組成物であって、上記成分(A)〜(D)の混合物に成分(E)を加えて多価アルコール中油型乳化物を調製し、次いでこの多価アルコール中油型乳化物に成分(F)を加えて水中油型乳化物とする二段階乳化法により製造することを特徴とするヘアコンディショニング組成物。
【請求項2】
二段階乳化法により、均一な液晶構造が形成されることを特徴とする請求項第1項記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項3】
成分(A)と成分(B)の配合質量比(B)/(A)が1/10〜1/1の範囲にあることを特徴とする請求項第1項または第2項に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項4】
成分(D)がグリセリン、ジグリセリンまたはこれらの混合物から選ばれることを特徴とする請求項第1項ないし第3項の何れかの項に記載のヘアコンディショニング組成物。

【公開番号】特開2007−269740(P2007−269740A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−100164(P2006−100164)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(000145862)株式会社コーセー (734)
【Fターム(参考)】