説明

ヘテロ環式有機化合物

本発明は、ステアロイル−CoAデサチュラーゼの活性を調節する式(I)
【化1】


で示される化合物を提供する。ステアロイル−CoAデサチュラーゼの活性を調節するためのかかる誘導体の使用方法およびかかる誘導体を含む医薬組成物も包含される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、ヘテロ環式誘導体のようなステアロイル−CoAデサチュラーゼの阻害剤の分野に関係し、ステアロイル−CoAデサチュラーゼ(SCD)酵素により仲介される疾患、好ましくはSCD1、とりわけ高脂質レベルと関係する疾患、心血管疾患、糖尿病、肥満、メタボリック症候群、皮膚科疾患などを含む、種々のヒト疾患の処置および/または阻止におけるかかる化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
アシルデサチュラーゼ酵素は、食事源か、または肝臓でのデノボ合成のいずれかに由来する脂肪酸の二重結合の形成を触媒する。哺乳動物において、少なくとも3種の脂肪酸デサチュラーゼである、それぞれ異なる特異性を有するΔ9、Δ6およびΔ5が存在し、それぞれ9−10、6−7、および5−6位に二重結合を導入する。
【0003】
ステアロイル−CoAデサチュラーゼ(SCD)は、コエンザイムA(CoA)と共役するとき、NADPH、シトクロムb5、シトクロムb5レダクターゼ、Fe、およびO分子のような補因子(他の薬剤)と作用し、飽和脂肪酸のC9−C10位(Δ9)に二重結合を導入する。好ましい基質は、パルミトイル−CoA(16:0)およびステアロイル−CoA(18:0)であり、それらは、それぞれパルミトレオイル−CoA(16:1)およびオレイル−CoA(18:1)に変換される。得られるモノ−不飽和脂肪酸は、脂肪酸エロンゲース、またはリン脂質、トリグリセリドおよびコレステロールエステルへの組み込みによるさらなる代謝のための基質である。多くの哺乳動物SCD遺伝子がクローン化されている。例えば、2個の遺伝子が、ヒトにおいて同定されており(hSCD1およびhSCD5)、4個のSCD遺伝子が、マウスにおいて単離されている(SCD1、SCD2、SCD3、およびSCD4)。SCDの基本的な生化学的役割は、ラットおよびマウスにおいて1970年代から公知であるが(Jeffcoat, R. et al., Eur. J. Biochem. (1979), Vol. 101, No. 2, pp. 439−445; de Antueno, R. et al., Lipids (1993), Vol. 28, No. 4, pp. 285−290)、最近になってようやく、ヒト疾患過程に直接関与すると見なされている。
【0004】
2個のヒトSCD遺伝子は、既報である:Brownlieら、PCT公開特許出願WO01/62954(その開示内容は、参照によりその全体を本明細書中に包含される。)によるhSCD1、およびBrownlieら、PCT公開特許出願WO02/26944(参照によりその全体を本明細書中に包含される。)によるhSCD2。
【0005】
これまでに、SCD活性を特異的に阻害または調節することが知られている小分子である薬剤様化合物のみが、下記のPCT公開特許出願:WO06/034338、WO06/034446、WO06/034441、WO06/034440、WO06/034341、WO06/034315、WO06/034312、WO06/034279、WO06/014168、WO05/011657、WO05/011656、WO05/011655、WO05/011654、WO05/011653、WO06/130986、WO07/009236、WO06/086447、WO06/101521、WO06/125178、WO06/125179、WO06/125180、WO06/125181、WO06/125194、WO07/044085、WO07/046867、WO07/046868、WO07/050124、WO07/056846およびWO07/071023に見出される。SCD阻害剤はまた、下記の刊行物:Zhao et al. “Discovery of 1−(4−phenoxypiperidin−1−yl)−2−arylaminoethanone stearoyl CoA desaturase 1 inhibitors”, Biorg. Med. Chem. Lett., (2007), 17(12), 3388−3391および Liu et al. “Discovery of potent, orally bioavailable stearoyl −CoA desaturase 1 inhibitors”, J. Med. Chem., (2007), 50(13), 3086−3100にも記載されている。上記化合物の発見前は、ある種の長鎖炭化水素である基質ステアリン酸の類似体のみが、SCD活性研究に用いられていた。公知の例には、チア脂肪酸、シクロプロペノイド脂肪酸およびある種の共役リノール酸異性体が含まれる。特に、cis−12、trans−10共役リノール酸は、SCD酵素活性を阻害し、SCD1 mRNAの量を低減すると考えられているが、cis−9、trans−11共役リノール酸はそうではない。ステルクリア(stercula)および綿実中に見出されるようなシクロプロペノイド脂肪酸はまた、SCD活性を阻害することが公知である。例えば、ステルクリン酸(8−(2−オクチルシクロプロペニル)オクタン酸)およびマルバリン酸(7−(2−オクチルシクロプロペニル)ヘプタン酸)は、それらのC9−C10位にシクロプロペン環を有する、それぞれステルクロイルおよびマルバロイル脂肪酸のC18およびC16誘導体である。これらの薬剤は、阻害剤として作用するためにCoAと共役しなければならず、酵素複合体と直接相互作用することによりSCD酵素活性を阻害し、故にΔ9飽和度低下を阻止すると考えられる。SCD活性を阻害し得る他の薬剤には、9−チアステアリン酸(8−ノニルチオオクタン酸とも称される)および他の脂肪酸のような、チア脂肪酸が含まれる。
【0006】
現在、SCD活性が一般的なヒト疾患過程に直接関与するという確かな証拠があるため、SCD酵素活性の小分子阻害剤の大きな必要性がある:例えば、Attie, A.D. et al., “Relationship between stearoyl−CoA desaturase activity and plasma triglycerides in human and mouse hypertriglyceridemia”, J. Lipid Res. (2002), Vol. 43, No. 11, pp. 1899−907; Cohen, P. et al., “Role for stearoyl−CoA desaturase−1 in leptin mediated weight loss”, Science (2002), Vol. 297, No. 5579, pp. 240−3, Ntambi, J. M. et al., “Loss of stearoyl−CoA desaturase−1 function protects mice against adiposity”, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. (2002), Vol. 99, No. 7, pp. 11482−6を参照のこと。
【0007】
本発明は、SCD活性を調節し、脂質レベル、とりわけ血漿脂質レベルを制御するのに有用であり、かつ異脂肪血症と関係する疾患および脂質代謝障害、とりわけ高脂質レベルと関係する疾患、心血管疾患、糖尿病、肥満、メタボリック症候群などのようなSCD仲介疾患の処置において有用である、新規の薬剤様化合物クラスを提示することによりこの問題を解決する。
【発明の概要】
【0008】
発明の概要
本発明は、ステアロイル−CoAデサチュラーゼの活性を調節するヘテロ環式誘導体を提供する。ステアロイル−CoAデサチュラーゼの活性を調節するためのかかる誘導体の使用方法およびかかる誘導体を含む医薬組成物も包含される。
【0009】
従って、一局面において、本発明は、式(I):
【化1】


[式中、Xは、CHまたはNであり;
Yは、NH、N−CH、OまたはSであり;
Wは、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−OC(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−N(R)C(O)N(R)−、−O−、−S−、−N(R)−、−S(O)−、−N(R)S(O)−、−S(O)N(R)−、−OS(O)N(R)−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−N(R)C(=N(R5a))NR−、−N(R)((R5a)N=)C−、−C(=N(R5a))N(R)−、または直接結合から選択され;
Vは、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−OC(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−N(R)C(O)N(R)−、−O−、−S−、−N(R)−、−S(O)−、−N(R)S(O)−、−S(O)N(R)−、−OS(O)N(R)−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−N(R)C(=N(R5a))NR−、−N(R)((R5a)N=)C−、−C(=N(R5a))N(R)−、=C(R)−または直接結合から選択され;
nは、0、1、2または3であり;
pは、0ないし9であり;
tは、1または2であり;
【0010】
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルからなる群から選択されるか;
または、Rは、2ないし4環を有する多重環構造であって、該環は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から独立して選択され、該環のいくつかまたは全ては互いに縮合していてよく;
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルからなる群から選択されるか;
または、Rは、2ないし4環を有する多重環構造であって、該環は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から独立して選択され、該環のいくつかまたは全ては、互いに縮合していてよく;
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノおよび−N(Rからなる群から選択され;
は、それぞれ独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、−N(R、シクロアルキルアルキルおよびアラルキルからなる群から選択されるか;
または、2個のRは、同一炭素に結合してオキソを形成し、残りのRはそれぞれ上記の通りであり;
は、それぞれ独立して、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキルアルキルおよびアラルキルからなる群から選択され;そして
5aは、水素、アルキル、シクロアルキルアルキルおよびシアノからなる群から選択される。]
で示される化合物、またはその立体異性体、エナンチオマーもしくは互変異性体、その薬学的に許容される塩、その医薬組成物またはそのプロドラッグを提供する。
【0011】
他の局面において、本発明は、哺乳動物、好ましくはヒトにおいて、SCD仲介疾患または状態を処置する方法であって、上記の本発明の化合物の治療的有効量を、それを必要とする該哺乳動物に投与することを含む方法を提供する。
【0012】
他の局面において、本発明は、心血管障害および/またはメタボリック症候群(異脂肪血症、インスリン抵抗性および肥満を含む)に包含される疾患のようなSCD生物学的活性に関係する疾患または状態の処置、予防および/または診断に有用である化合物または医薬組成物を提供する。
【0013】
他の局面において、本発明は、血漿脂質レベル、とりわけ高トリグリセリドまたはコレステロールレベルのような高脂質レベルに関係する疾患または状態を予防または処置する方法であって、かかる高レベルを有する患者において、本明細書に記載の組成物の治療的または予防的有効量を該患者に投与することを含む方法を提供する。本発明はまた、動物において脂質レベル、とりわけトリグリセリドおよびコレステロールレベルを低下する治療的効果を有する新規の化合物に関する。
【0014】
他の局面において、本発明は、上記の本発明の化合物、および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を提供する。一態様において、本発明は、動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒト患者に投与されるとき、薬学的に許容される担体中に本発明の化合物を、トリグリセリドレベルを調節するか、または異脂肪血症と関係する疾患および脂質代謝障害を処置するのに有効量で含む医薬組成物に関する。かかる組成物の一態様において、該患者は、該化合物の投与前に、高脂質レベル、例えば高血漿トリグリセリドまたはコレステロールを有しており、該化合物は該脂質レベルを低下するのに有効量で存在する。
【0015】
他の局面において、本発明は、ステアロイル−CoAデサチュラーゼ(SCD)により仲介される疾患または状態を有する患者を処置する方法、または患者がそれを発症するのを予防する方法であって、かかる疾患または状態を有するか、またはかかる疾患または状態を発症する危険のある患者に、患者に投与されるときSCDの活性を阻害する化合物の治療的有効量を投与することを含む方法を提供する。
【0016】
他の局面において、本発明は、脂質代謝および/または脂質恒常性に関与する各種疾患を、本明細書に記載の方法により同定される化合物を利用して処置する方法を提供する。これと共に、該SCDの生物学的活性を調節し、かつトリグリセリド、VLDL、HDL、LDLおよび/または総コレステロールのような血清脂質レベルに関係するヒト障害または状態を処置するのに有用である治療剤を、供試化合物のライブラリーから同定するためのスクリーニングアッセイに基づいて、該活性を有する各種化合物が、本明細書に記載される。
【0017】
式(I)の化合物に関する本発明の範囲は、限定はしないが、以下の刊行物:
PCT公開特許出願、WO00/25768;
PCT公開特許出願、WO99/47507;
PCT公開特許出願、WO01/60458;
PCT公開特許出願、WO01/60369;
PCT公開特許出願、WO94/26720;
欧州公開特許出願、0438230;
欧州公開特許出願、1184442;
CA2,114,178;および米国特許第5,334,328号;
米国特許第5,310,499号;および
米国公開特許出願、2003/0127627
に記載および/または特許請求されている全ての特定の化合物を含む既知の化合物を包含することを意図しない。
【0018】
発明の詳細な説明
定義
本明細書で称される特定の化学基には、示される化学基において見出される全ての炭素原子数を示す簡潔な表記を前に付す。例えば、C−C12アルキルは7ないし12個の総炭素原子を有する以下に定義のアルキル基を示し、C−C12シクロアルキルアルキルは4ないし12個の総炭素原子を有する以下に定義のシクロアルキルアルキル基を示す。簡潔な表記における総炭素数は、記載される基の置換基において存在し得る炭素を含まない。
【0019】
従って、本明細書および添付の特許請求の範囲で用いられるとき、反対の記載がない限り、以下の用語は示されている意味を有する:
【0020】
“アルキル”は、炭素および水素原子のみを含み、不飽和を含まない、1ないし12個の炭素原子、好ましくは1ないし8個の炭素原子または1ないし6個の炭素原子を有する、直鎖または分枝鎖炭化水素鎖であり、単結合により分子の残りに結合しているもの、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、1−メチルエチル(イソ−プロピル)、n−ブチル、n−ペンチル、1,1−ジメチルエチル(t−ブチル)などを意味する。本明細書中で他に具体的に記載がない限り、アルキル基は所望により1個以上の下記の基:アルキル、アルケニル、ハロ、シアノ、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、−OR14、−OC(O)−R14、−N(R14、−C(O)R14、−C(O)OR14、−C(O)N(R14、−N(R14)C(O)OR16、−N(R14)C(O)R16、−N(R14)(S(O)16)(ここで、tは、1ないし2である。)、−S(O)OR16(ここで、tは、1ないし2である。)、−SR16、−S(O)16(ここで、tは、0ないし2である。)、および−S(O)N(R14(ここで、tは、1ないし2である。){ここで、R14はそれぞれ、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり;そして、R16はそれぞれ、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである。}により置換されていてよい。
【0021】
“アルケニル”は、炭素および水素原子のみを含み、少なくとも1個の二重結合を含み、2ないし12個の炭素原子、好ましくは2ないし8個の炭素原子または2ないし6個の炭素原子を含む、直鎖または分枝鎖炭化水素鎖であり、単結合により分子の残りに結合しているもの、例えば、エテニル、プロプ−1−エニル、ブト−1−エニル、ペント−1−エニル、ペンタ−1,4−ジエニルなどを意味する。本明細書中で他に具体的に記載がない限り、アルケニル基は、所望により1個以上の下記の基:アルキル、アルケニル、ハロ、ハロアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、−OR14、−OC(O)−R14−N(R14、−C(O)R14、−C(O)OR14、−C(O)N(R14、−N(R14)C(O)OR16、−N(R14)C(O)R16、−N(R14)(S(O)16)(ここで、tは、1ないし2である。)、−S(O)OR16(ここで、tは、0ないし2である。)、−SR16、−S(O)16(ここで、tは、1ないし2である。)、および−S(O)N(R14(ここで、tは、1ないし2である。){ここで、R14は、それぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり;そして、R16はそれぞれ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである。}により置換されていてよい。
【0022】
“アルキニル”は、炭素および水素原子のみを含み、少なくとも1個の三重結合を含み、2ないし12個の炭素原子、好ましくは2ないし8個の炭素原子または2ないし6個の炭素原子を含む、直鎖または分枝鎖炭化水素鎖であり、単結合により分子の残りに結合しているものを意味する。本明細書中で他に具体的に記載がない限り、アルキニル基は、所望により1個以上の下記の基:アルキル、アルケニル、ハロ、ハロアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、−OR14、−OC(O)−R14−N(R14、−C(O)R14、−C(O)OR14、−C(O)N(R14、−N(R14)C(O)OR16、−N(R14)C(O)R16、−N(R14)(S(O)16)(ここで、tは、1ないし2である。)、−S(O)OR16(ここで、tは、0ないし2である。)−SR16、−S(O)16(ここで、tは、1ないし2である。)、および−S(O)N(R14(ここで、tは、1ないし2である。){ここで、R14は、それぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり;そして、R16はそれぞれ、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである。}により置換されていてよい。
【0023】
“アルキレン”は、炭素および水素原子のみを含み、1ないし12個の炭素原子を含む、直鎖または分枝鎖二価炭化水素鎖であり、分子の残りがラジカル基に結合しているもの、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、n−ブチレンなどを意味する。アルキレンは、単結合を介して分子の残りおよびラジカル基に結合する。分子の残りおよびラジカル基へのアルキレンの結合点は、鎖内の1個または何れか2個の炭素を介していてよい。本明細書中で他に具体的に記載がない限り、アルキレン基は、所望により1個以上の下記の基:アルキル、アルケニル、ハロ、ハロアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、−OR14、−OC(O)−R14、−N(R14、−C(O)R14、−C(O)OR14、−C(O)N(R14、−N(R14)C(O)OR16、−N(R14)C(O)R16、−N(R14)(S(O)16)(ここで、tは、1ないし2である。)、−S(O)OR16(ここで、tは、1ないし2である。)、−SR16、−S(O)16(ここで、tは、0ないし2である。)、および−S(O)N(R14(ここで、tは、1ないし2である。){ここで、R14は、それぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり;そして、R16はそれぞれ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである。}により置換されていてよい。
【0024】
“アルケニレン”は、炭素および水素原子のみを含み、少なくとも1個の二重結合を含み、2ないし12個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖二価炭化水素鎖であり、分子の残りがラジカル基に結合しているもの、例えば、エテニレン、プロペニレン、n−ブテニレンなどを意味する。アルケニレンは、単結合を介して分子の残りに結合し、そして二重結合または単結合を介してラジカル基に結合する。分子の残りおよびラジカル基へのアルケニレンの結合点は、鎖内の1個または何れか2個の炭素を介していてよい。本明細書中で他に具体的に記載がない限り、アルケニレン基は、所望により1個以上の下記の基:アルキル、アルケニル、ハロ、ハロアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、−OR14、−OC(O)−R14、−N(R14、−C(O)R14、−C(O)OR14、−C(O)N(R14、−N(R14)C(O)OR16、−N(R14)C(O)R16、−N(R14)(S(O)16)(ここで、tは、1ないし2である。)、−S(O)OR16(ここで、tは、1ないし2である。)、−SR16、−S(O)16(ここで、tは、1ないし2である。)、および−S(O)N(R14(ここで、tは、1ないし2である。){ここで、R14は、それぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり;そして、R16はそれぞれ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである。}により置換されていてよい。
【0025】
“アルキニレン”は、炭素および水素原子のみを含み、少なくとも1個の三重結合を含み、2ないし12個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖二価炭化水素鎖であり、分子の残りがラジカル基に結合しているもの、例えばプロピニレン、n−ブチニレンなどを意味する。アルキニレンは、単結合を介して分子の残りおよびラジカル基に結合する。分子の残りおよびラジカル基へのアルキニレンの結合点は、鎖内の1個の炭素または何れか2個の炭素を介していてよい。本明細書中で他に具体的に記載がない限り、アルキニレン基は、所望により1個以上の下記の基:アルキル、アルケニル、ハロ、ハロアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、−OR14、−OC(O)−R14、−N(R14、−C(O)R14、−C(O)OR14、−C(O)N(R14、−N(R14)C(O)OR16、−N(R14)C(O)R16、−N(R14)(S(O)16)(ここで、tは、1ないし2である。)、−S(O)OR16(ここで、tは、1ないし2である。)、−SR16、−S(O)16(ここで、tは、0ないし2である。)、および−S(O)N(R14(ここで、tは、1ないし2である。){ここで、R14は、それぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり;そして、R16はそれぞれ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである。}により置換されていてよい。
【0026】
“アルコキシ”は、式−ORのラジカル(ここで、Rは一般に上記に定義のアルキルラジカルである。)を意味する。アルコキシラジカルのアルキル部分は、所望によりアルキルラジカルに対して上記に定義のとおりに置換されていてよい。
【0027】
“アルコキシアルキル”は、式−R−O−R(ここで、Rは、独立して、上記に定義のアルキルラジカルである。)のラジカルを意味する。酸素原子は、何れかのアルキルラジカル中の何れかの炭素に結合していてよい。アルコキシアルキルラジカルのそれぞれのアルキル部分は、上記のアルキル基に定義の通り、所望により置換されていてよい。
【0028】
“アリール”は、水素および炭素のみを含み、6個から19個の炭素原子、好ましくは6個から10個の炭素原子を有する芳香族性単環式または多環式炭化水素環系を意味し、ここで、環系は部分的に飽和であってよい。アリール基は、フルオレニル、フェニルおよびナフチルのような基を含むが、これらに限定されない。本明細書中で他に具体的に記載がない限り、“アリール”または接頭語“アル(ar)−”(例えば、“アラルキル”中のような)なる用語は、所望によりアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、ハロアルキル、シアノ、ニトロ、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、−R15−OR14、−R15−OC(O)−R14、−R15−N(R14、−R15−C(O)R14、−R15−C(O)OR14、−R15−C(O)N(R14、−R15−N(R14)C(O)OR16、−R15−N(R14)C(O)R16、−R15−N(R14)(S(O)16)(ここで、tは、1ないし2である。)、−R15−S(O)OR16(ここで、tは、1ないし2である。)、−R15−SR16、−R15−S(O)16(ここで、tは、0ないし2である。)、および−R15−S(O)N(R14(ここで、tは、1ないし2である。){ここで、R14は、それぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり;R15は、それぞれ独立して、直接結合または直鎖もしくは分岐鎖アルキレンまたはアルケニレンであり;そして、R16はそれぞれ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである。}からなる群から選択される1個以上の置換基により置換されていてよいアリールラジカルを含むことを意味する。
【0029】
“アラルキル”は、式−Rのラジカル(ここで、Rは上記定義のアルキルラジカルであり、そして、Rは上記定義の1個以上のアリールラジカルであり、例えば、ベンジル、ジフェニルメチルなどである。)を意味する。アラルキルラジカルのアリール部分は、所望によりアリール基に対して上記定義のとおりに置換されていてよい。アラルキルラジカルのアルキル部分は、所望によりアルキル基に対して上記定義のとおりに置換されていてよい。
【0030】
“シクロアルキル”は、炭素および水素原子のみを含み、3ないし15個の炭素原子、好ましくは3ないし12個の炭素原子または3ないし7個の原子を有し、そして飽和または不飽和であり、単結合により分子の残りに結合している、安定な非芳香族性単環式または多環式炭化水素ラジカルであり、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、デカリニルなどを意味する。本明細書中で他に具体的に記載がない限り、用語“シクロアルキル”は、所望によりアルキル、アルケニル、アルキニル、フルオロ、ハロアルキル、シアノ、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、−R15−OR14、−R15−OC(O)−R14、−R15−N(R14、−R15−C(O)R14、−R15−C(O)OR14、−R15−C(O)N(R14、−R15−N(R14)C(O)OR16、−R15−N(R14)C(O)R16、−R15−N(R14)(S(O)16)(ここで、tは、1ないし2である。)、−R15−S(O)OR16(ここで、tは、1ないし2である。)、−R15−SR16、−R15−S(O)16(ここで、tは、0ないし2である。)、および−R15−S(O)N(R14(ここで、tは、1ないし2である。){ここで、R14は、それぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり;R15は、それぞれ独立して、直接結合または直鎖もしくは分枝鎖アルキレンまたはアルケニレン鎖であり;そして、R16はそれぞれ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである。}からなる群から選択される1個以上の置換基により置換されていてよいシクロアルキルラジカルを含むことを意味する。
【0031】
“シクロアルキルアルキル”は、式−Rのラジカル(ここで、Rは上記定義のアルキルラジカルであり、そしてRは上記定義のシクロアルキルラジカルである。)を意味する。シクロアルキルアルキルラジカルのシクロアルキル部分は、所望により上記のシクロアルキルラジカルに定義の通りに置換されていてよい。シクロアルキルアルキルラジカルのアルキル部分は、所望により上記のアルキルラジカルに定義の通りに置換されていてよい。
【0032】
“ハロ”は、ブロモ、クロロ、フルオロまたはヨードを意味する。
“ハロアルキル”は、上記定義の1個以上のハロラジカルにより置換される、上記定義のアルキルラジカルであり、例えばトリフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、1−フルオロメチル−2−フルオロエチル、3−ブロモ−2−フルオロプロピル、1−ブロモメチル−2−ブロモエチルなどを意味する。ハロアルキルラジカルのアルキル部分は、所望によりアルキル基に対して上記定義のとおりに置換されていてよい。
【0033】
“ハロアルコキシ”は、式OR(ここで、Rは、上記定義のハロアルキル基である。)のラジカルを意味する。ハロアルキル基は、所望により、ハロアルキル基について上記に定義の通り置換されていてよい。
【0034】
“ヘテロシクリル”は、炭素原子、ならびに窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1ないし5個のヘテロ原子からなる安定な3ないし18員非芳香環ラジカルを意味する。本発明の目的に関して、ヘテロシクリルラジカルは単環式、二環式または三環式環系であってよく、縮合または架橋環系を含んでいてよく、部分的不飽和であってよく、そして、ヘテロシクリルラジカル中の窒素、炭素または硫黄原子は所望により酸化されていてよく;該窒素原子は所望によりアルキル化/置換されていてよく;そして、該ヘテロシクリルラジカルは、部分的または完全飽和であってよい。かかるヘテロシクリルラジカルの例は、ジオキソラニル、デカヒドロイソキノリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4−ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフリル、トリチアニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、チアモルホリニル、1−オキソ−チオモルホリニル、および1,1−ジオキソ−チオモルホリニル、ホモピペリジニル、ホモピペラジニル、およびキヌクリジニルを含むが、これらに限定されない。本明細書中で他に具体的に記載がない限り、用語“ヘテロシクリル”は、所望によりアルキル、アルケニル、ハロ、ハロアルキル、シアノ、オキソ、チオキソ、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、−R15−OR14、−R15−OC(O)−R14、−R15−N(R14、−R15−C(O)R14、−R15−C(O)OR14、−R15−C(O)N(R14、−R15−N(R14)C(O)OR16、−R15−N(R14)C(O)R16、−R15−N(R14)(S(O)16)(ここで、tは、1ないし2である。)、−R15−S(O)OR16(ここで、tは、1ないし2である。)、−R15−SR16、−R15−S(O)16(ここで、tは、0ないし2である。)、および−R15−S(O)N(R14(ここで、tは、1ないし2である。){ここで、R14は、それぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり;R15は、それぞれ独立して、直接結合または直鎖もしくは分枝鎖アルキレンまたはアルケニレン鎖であり;そして、R16はそれぞれ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである。}からなる群から選択される1個以上の置換基(上記の置換基はそれぞれ非置換である。)により置換されていてよい、上記のヘテロシクリルラジカルを含むことを意味する。
【0035】
“ヘテロシクリルアルキル”は、式−Rのラジカル(ここで、Rは上記定義のアルキルラジカルであり、そして、Rは上記定義のヘテロシクリルラジカルであり、そして、ヘテロシクリルが窒素含有ヘテロシクリルであるとき、該ヘテロシクリルは窒素原子でアルキルラジカルに結合していてもよい。)を意味する。ヘテロシクリルアルキルラジカルのアルキル部分は、所望によりアルキル基に対して上記定義のとおりに置換されていてよい。ヘテロシクリルアルキルラジカルのヘテロシクリル部分は、所望によりヘテロシクリル基について上記定義のとおりに置換されていてよい。
【0036】
“ヘテロアリール”は、炭素原子ならびに窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1ないし5個のヘテロ原子からなる5ないし18員芳香環ラジカルを意味する。本発明の目的に関して、ヘテロアリールラジカルは単環式、二環式または三環式環系であってよく、縮合または架橋環系を含んでいてよく、部分的に飽和であってよく、そしてヘテロアリールラジカル中の窒素、炭素または硫黄原子は、所望により酸化されていてよい(該窒素原子は、所望によりアルキル化/置換されていてよい。)。例には、アゼピニル、アクリジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズインドリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾナフトフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキシニル、ベンゾピラニル、ベンゾピラノニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラノニル、ベンゾチエニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[4,6]イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、ジベンゾフラニル、フラニル、フラノニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、インドリル、インダゾリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、インドーリジニル、イソオキサゾリル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、2−オキソアゼピニル、オキサゾリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピロリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、イソキノリニル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル、およびチオフェニルが含まれるが、これらに限定されない。本明細書中で他に具体的に記載がない限り、用語“ヘテロアリール”は、所望によりアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、ハロアルキル、シアノ、オキソ、チオキソ、ニトロ、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、−R15−OR14、−R15−OC(O)−R14、−R15−N(R14、−R15−C(O)R14、−R15−C(O)OR14、−R15−C(O)N(R14、−R15−N(R14)C(O)OR16、−R15−N(R14)C(O)R16、−R15−N(R14)(S(O)16)(ここで、tは、1ないし2である。)、−R15−S(O)OR16(ここで、tは、1ないし2である。)、−R15−SR16、−R15−S(O)16(ここで、tは、0ないし2である。)、および−R15−S(O)N(R14(ここで、tは、1ないし2である。){ここで、R14は、それぞれ独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルであり;R15は、それぞれ独立して、直接結合または直鎖もしくは分枝鎖アルキレンまたはアルケニレン鎖であり;そして、R16はそれぞれ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである。}からなる群から選択される1個以上の置換基により置換されていてよい、上記に定義のヘテロアリールラジカルを含むことを意味する。
【0037】
“ヒドロキシアルキル”は、式−R−OH(ここで、Rは、上記定義のアルキルラジカルである。)のラジカルを意味する。ヒドロキシ基は、アルキルラジカル内の何れかの炭素上のアルキルラジカルに結合していてよい。ヒドロキシアルキル基のアルキル部分は、所望によりアルキル基について上記に定義の通りに置換されていてよい。
【0038】
“多重環構造”は、2ないし4個の環を含む多環式環系を意味し、ここで、該環は、上記定義のシクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールから独立して選択される。シクロアルキルはそれぞれ、所望によりシクロアルキル基について上記定義のとおりに置換されていてよい。アリールはそれぞれ、所望によりアリール基について上記定義のとおりに置換されていてよい。ヘテロシクリルはそれぞれ、所望によりヘテロシクリル基について上記定義のとおりに置換されていてよい。ヘテロアリールはそれぞれ、所望によりヘテロアリール基について上記定義のとおりに置換されていてよい。環は互いに直接結合を介して結合していてよいか、または、いくつかもしくは全ての環は、互いに縮合していてよい。
【0039】
“プロドラッグ”は、生理的条件下で、または加溶媒分解により本発明の生物学的に活性な化合物に変換され得る化合物を示すことを意味する。故に、用語“プロドラッグ”は、薬学的に許容される本発明の化合物の代謝前駆体を意味する。プロドラッグは、それを必要とする対象に投与するとき不活性であってよいが、インビボで本発明の活性化合物に変換される。プロドラッグは、例えば、血中での加水分解または消化管もしくは肝臓中での変換により、一般的にインビボで急速に変換し、本発明の親化合物を得る。プロドラッグ化合物は、しばしば、哺乳動物生体中での溶解性、組織適合性または遅延放出の利点を提供する(Bundgard, H., Design of Prodrugs (1985), pp. 7−9, 21−24 (Elsevier, Amsterdam)を参照)。
【0040】
プロドラッグの考察は、Higuchi, T., et al., “Pro−drugs as Novel Delivery Systems,” A.C.S. Symposium Series, Vol. 14、およびin Bioreversible Carriers in Drug Design, ed. Edward B. Roche, Anglican Pharmaceutical Association arid Pergamon Press, 1987において提供される(これら両方を参照により本明細書に包含させる)。
【0041】
用語“プロドラッグ”はまた、かかるプロドラッグを哺乳動物対象に投与するとき、インビボで本発明の活性化合物を放出する何らかの共有結合した担体を含むことを意味する。本発明の化合物のプロドラッグは、修飾体が慣用の操作またはインビボで本発明の親化合物に開裂するように、本発明の化合物中に存在する官能基を修飾することにより製造できる。プロドラッグは、本発明の化合物のプロドラッグを哺乳動物対象に投与するとき、ヒドロキシ、アミノまたはメルカプトまたは酸基がそれぞれ開裂し、遊離ヒドロキシ、遊離アミノまたは遊離メルカプトまたは酸基を形成する何らかの基に結合する本発明の化合物を含む。プロドラッグの例は、本発明の化合物中のアルコールのアセテート、ホルメートおよびベンゾエート誘導体またはアミン官能基のアミドなどを含むが、これらに限定されない。
【0042】
“所望の”または“所望により”は、その後に記載の事象が存在しても存在しなくてもよく、この記載は上記の事象または状況が存在する場合と存在しない場合を含むことを意味する。例えば、“所望により置換されていてよいアリール”は、アリールラジカルが置換されていても、置換されていなくてもよく、この記載が置換アリールラジカルおよび置換されていないアリールラジカルの両方を含むことを意味する。
【0043】
“薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤”は、米国食品医薬品局によりヒトまたは家畜動物における使用に対して許容されると承認された全てのアジュバント、担体、賦形剤、流動促進剤、甘味剤、希釈剤、防腐剤、色素/着色剤、風味増強剤、界面活性剤、湿潤剤、分散剤、懸濁化剤、安定化剤、等張剤、溶媒または乳化剤を含むが、これらに限定されない。
【0044】
“薬学的に許容される塩”は、酸および塩基付加塩の両方を含む。
【0045】
“薬学的に許容される酸付加塩”は、遊離塩基の生物学的有効性および特性を保持し、生物学的にまたは別の点で望ましくないことがなく、そして、無機酸、例えば、限定はしないが、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸など、および有機酸、例えば、限定はしないが、酢酸、2,2−ジクロロ酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4−アセトアミド安息香酸、樟脳酸、カンファー−10−スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、炭酸、ケイ皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、グルタル酸、2−オキソ−グルタル酸、グリセロリン酸、グリコール酸、馬尿酸、イソ酪酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、オレイン酸、オロチン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、プロピオン酸、ピログルタミン酸、ピルビン酸、サリチル酸、4−アミノサリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、酒石酸、チオシアン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、ウンデシレン酸などと形成される塩を意味する。
【0046】
“薬学的に許容される塩基付加塩”は、遊離の酸の生物学的有効性および特性を保持し、生物学的または別の点で望ましくないことがない塩を意味する。これらの塩類は、無機塩基または有機塩基を遊離酸に付加することから製造される。無機塩基から誘導される塩は、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウム塩などを含むが、これらに限定されない。好ましい無機塩は、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、カルシウムおよびマグネシウム塩である。有機塩基から誘導される塩は、一級、二級および三級アミン、天然に存在する置換アミン、環状アミンおよび塩基性イオン交換樹脂を含む置換アミンの塩、例えば、アンモニア、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、デアノール、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リシン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、ベネタミン、ベンザチン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N−エチルピペリジン、ポリアミン樹脂などを含むが、これらに限定されない。特に好ましい有機塩基は、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、コリンおよびカフェインである。
【0047】
結晶化はしばしば、本発明の化合物の溶媒和物を生じる。本明細書で用いる用語“溶媒和物”は、1個以上の本発明の化合物分子と1個以上の溶媒分子を含む集合体を意味する。溶媒は水でもよく、その場合、溶媒和物は水和物であり得る。あるいは、溶媒は有機溶媒であってよい。従って、本発明の化合物は、一水和物、二水和物、半水和物、セスキ水和物、三水和物、テトラ水和物などを含む水和物、ならびに対応する溶媒和物形態として存在できる。本発明の化合物は、純粋な溶媒和物であってよく、別の場合では、本発明の化合物は、単に偶発的に水を保持するか、または水といくつかの偶発的な溶媒の混合物であってもよい。
【0048】
“医薬組成物”は、本発明の化合物と、生物学的に活性な化合物を哺乳動物、例えばヒトに送達するために当技術分野で一般的に認められている媒体の製剤を意味する。かかる媒体は、全てのその薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤を含む。
【0049】
“治療的有効量”は、哺乳動物、好ましくはヒトに投与したとき、哺乳動物、好ましくはヒトにおいてSCD仲介疾病または状態の、下記に定義されるような処置を果たすのに十分な本発明の化合物の量を意味する。“治療的有効量”を構成する本発明の化合物の量は、化合物、状態およびその重篤度、ならびに処置される哺乳動物の年齢および体重によって異なるが、通常、当業者により、その知識と本開示を考慮して決定され得る。
【0050】
本明細書で用いる“処置する”または“処置”は、着目する疾患または障害を有する哺乳動物、好ましくはヒトにおける着目する疾患または状態の処置を包含し、(i)特に、かかる哺乳動物がその状態に対して素因を有するが、それを有するとはまだ診断されていないとき、かかる哺乳動物において疾患または状態が起こるのを予防すること;(ii)その疾患または状態を阻止すること、すなわち、その発生を抑えること;または(iii)その疾患または状態を緩和すること、すなわち、その疾患または状態を緩解させることを含む。
【0051】
本明細書で用いる用語“疾患”および“状態”は、互換的に使用可能であるか、または特定の疾患もしくは状態が既知の原因物質を有しておらず(病因がまだ理解されていないため)、故に、まだ疾患としては認められていないが、望ましくない状態または症候群としてのみ認識されており、多かれ少なかれ特定の一連の症状が医師によって確認されている、という点で異なっていてよい。
【0052】
本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩は、1個以上の不斉中心を含んでいてよく、故に、エナンチオマー、ジアステレオマーおよび絶対立体化学に関して、(R)もしくは(S)として、またはアミノ酸では(D)または(L)として定義され得る他の立体異性形態を生じ得る。本発明は、全てのこのような可能性のある異性体、ならびにそれらのラセミ体および光学的に純粋な形態を含むことを意味する。光学的に活性な(+)および(−)、(R)および(S)、または(D)および(L)異性体は、キラルシントン(chiral synthon)またはキラル試薬を用いて製造可能であるか、またはキラルカラムを用いるHPLCのような従来技術を用いて分離することも可能である。本明細書に記載の化合物がオレフィン二重結合または他の幾何学的不斉中心を含むとき、特に他に記載がない限り、これらの化合物はEおよびZ幾何異性体の両方を含むことを意図する。同様に、全ての互変異性形態も含まれることを意図する。
【0053】
“立体異性体”は、同じ結合により結合されている同じ原子から構成されるが、互換性がない異なる三次元構造を有する化合物を意味する。本発明は、種々の立体異性体およびそれらの混合物を意図し、その分子が互いに重ね合わせることができない鏡像である2個の立体異性体である“エナンチオマー”を含む。
【0054】
本明細書で用いる化学命名法および構造式は、ChemDraw Version 10.0(Cambridgesoft Corp., Cambridge, MAから入手可能)により用いられている化学命名法を採用し、それに従っている。
【0055】
発明の態様
本発明の一態様は、式(I):
【化2】


[式中、Xは、CHまたはNであり;
Yは、NH、N−CH、OまたはSであり;
Wは、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−OC(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−N(R)C(O)N(R)−、−O−、−S−、−N(R)−、−S(O)−、−N(R)S(O)−、−S(O)N(R)−、−OS(O)N(R)−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−N(R)C(=N(R5a))NR−、−N(R)((R5a)N=)C−、−C(=N(R5a))N(R)−または直接結合から選択され;
Vは、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−OC(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−N(R)C(O)N(R)−、−O−、−S−、−N(R)−、−S(O)−、−N(R)S(O)−、−S(O)N(R)−、−OS(O)N(R)−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−N(R)C(=N(R5a))NR−、−N(R)((R5a)N=)C−、−C(=N(R5a))N(R)−、=C(R)−または直接結合から選択され;
nは、0、1、2または3であり;
pは、0ないし9であり;
tは、1または2であり;
【0056】
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルからなる群から選択されるか;
または、Rは、2ないし4環を有する多重環構造であって、該環は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から独立して選択され、該環のいくつかまたは全ては互いに縮合していてよく;
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルからなる群から選択されるか;
または、Rは、2ないし4環を有する多重環構造であって、該環は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から独立して選択され、該環のいくつかまたは全ては、互いに縮合していてよく;
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノおよび−N(Rからなる群から選択され;
は、それぞれ独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、−N(R、シクロアルキルアルキルおよびアラルキルからなる群から選択されるか;
または、2個のRは、同一炭素に結合してオキソを形成し、残りのRはそれぞれ上記の通りであり;
は、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキルアルキルおよびアラルキルからなる群から選択され;そして
5aは、水素、アルキル、シクロアルキルアルキルおよびシアノからなる群から選択される。]
で示される化合物、またはその立体異性体、エナンチオマーもしくは互変異性体、その薬学的に許容される塩、その医薬組成物もしくはそのプロドラッグである。
【0057】
式(I)のより好ましい態様は、
Vが、=C(R)−、−N(R−または直接結合であり;
Wが、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−C(O)O−または直接結合であり;
Xが、NまたはCHであり;
YがSであり;
pが、1、2、3、4、5、6または7であり;
が、水素、アルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルからなる群から選択され;
が、水素、アルキル、アルケニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルからなる群から選択され;
が、水素またはアルキルであり;そして
が、水素またはアルキルである。
【0058】
式(I)のより好ましい態様は、
Vが直接結合であり;
Wが、−N(R)C(O)−または−C(O)O−であり;
Xが、NまたはCHであり;
YがSであり;
pが、1、2、3、4、5、6または7であり;
が、アルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキルおよびヘテロアリールアルキルであり;
が、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリールおよびアラルキルからなる群から選択され;
が、水素またはアルキルであり;そして
が、水素またはアルキルである。
【0059】
式(I)のより好ましい態様は、
Vが直接結合であり;
Wが、−N(R)C(O)−であり;
Xが、NまたはCHであり;
YがSであり;
pが、1、2、3、4、5、6または7であり;
nが、1または2であり;
が、アルキル、アリール、アラルキルおよびヘテロアリールからなる群から選択され;
が、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリールおよびアラルキルからなる群から選択され;
がアルキルであり;そして
が水素である。
【0060】
本発明の他の好ましい態様は、式(I)の化合物(ここで、nが1であり、XがNであり、そしてYがSである。)、すなわち、下記の式(Ia):
【化3】


[式中、p、W、V、R、R、RおよびRは、上記の発明の概要に定義の通りである。]
で示される化合物に関する。
【0061】
この化合物群のうち、化合物の下位群は、
Wが、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−OC(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、N(R)C(O)N(R)−、−O−、−S−、−N(R)−、−S(O)−、−N(R)S(O)−、−S(O)N(R)−、−OS(O)N(R)−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−N(R)C(=N(R5a))NR−、−N(R)((R5a)N=)C−、−C(=N(R5a))N(R)または直接結合であり;
Vが、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−OC(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−N(R)C(O)N(R)−、−O−、−S−、−N(R)−、−S(O)−、−N(R)S(O)−、−S(O)N(R)−、−OS(O)N(R)−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−N(R)C(=N(R5a))NR−、−N(R)((R5a)N=)C−、−C(=N(R5a))N(R)−、=C(R)または直接結合であり;
pが、0ないし5であり;
tが、1または2であり;
が、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルからなる群から選択され;
が、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルからなる群から選択され;
が、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ハロ、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、シアノおよび−N(Rからなる群から選択され;
が、それぞれ独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、−N(R、シクロアルキルアルキルおよびアラルキルからなる群から選択されるか;
または、2個のRが、同一炭素に結合してオキソを形成し、残りのRがそれぞれ、上記の通りであり;
が、それぞれ独立して、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキルアルキルおよびアラルキルからなる群から選択され;そして
5aが、水素、アルキル、シクロアルキルアルキルおよびシアノからなる群から選択される、化合物である。
【0062】
この下位群のうち、化合物セットは、
Wが、−N(R)C(O)−または−N(R)S(O)−であり;
Vが、直接結合または−N(R)−であり;
pが、0、1、2、3、4または5であり;
tが、1または2であり;
が、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルから成る群から選択され;
が、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルからなる群から選択され;
が、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ハロ、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、シアノおよび−N(Rからなる群から選択され;
が、それぞれ独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、−N(R、シクロアルキルアルキルおよびアラルキルからなる群から選択されるか;
または、2個のRが、同一炭素に結合してオキソを形成し、残りのRがそれぞれ、上記の通りであり;そして
が、それぞれ独立して、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキルアルキルおよびアラルキルからなる群から選択される、化合物である。
【0063】
この化合物セットのうち、化合物の下位群は、
Wが、−N(H)C(O)−であり;
Vが、直接結合または−N(H)−であり;
pが、0、1、2、3、4または5であり;
が、アラルキルまたはヘテロアリールアルキルであり;
が、水素、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり;
が、水素またはアルキルであり;そして
が、それぞれ独立して、アルキル、ヒドロキシルまたはハロである、化合物である。
【0064】
本発明のさらに好ましい態様は、式(I)の化合物(ここで、nが2であり、XがNであり、そしてYがSである。)、すなわち、下記の式(Ib):
【化4】


[式中、p、W、V、R、R、RおよびRは、上記の本発明の概要に定義の通りである。]
で示される化合物に関する。
【0065】
この化合物群のうち、化合物の下位群は、
Wが、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−OC(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−N(R)C(O)N(R)−、−O−、−S−、−N(R)−、−S(O)−、−N(R)S(O)−、−S(O)N(R)−、−OS(O)N(R)−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−N(R)C(=N(R5a))NR−、−N(R)((R5a)N=)C−、−C(=N(R5a))N(R)−または直接結合であり;
Vが、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−OC(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−N(R)C(O)N(R)−、−O−、−S−、−N(R)−、−S(O)−、−N(R)S(O)−、−S(O)N(R)−、−OS(O)N(R)−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−N(R)C(=N(R5a))NR−、−N(R)((R5a)N=)C−、−C(=N(R5a))N(R)−、=C(R)−または直接結合であり;
pが、0、1、2、3、4、5、6または7であり;
tが、1または2であり;
が、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルからなる群から選択され;
が、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルからなる群から選択され;
が、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノおよび−N(Rからなる群から選択され;
が、それぞれ独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、−N(R、シクロアルキルアルキルおよびアラルキルからなる群から選択され;
が、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキルアルキルおよびアラルキルからなる群から選択され;そして
5aが、水素、アルキル、シクロアルキルアルキルおよびシアノからなる群から選択される、化合物である。
【0066】
この下位群のうち、化合物セットは、
Wが、−N(R)C(O)−または−N(R)S(O)−であり;
Vが、直接結合、−N(R)−または=C(R)−であり;
pが、0、1、2、3、4、5、6または7であり;
tが、1または2であり;
が、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルからなる群から選択され;
が、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルからなる群から選択され;
が、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノおよび−N(Rからなる群から選択され;
が、それぞれ独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、−N(R、シクロアルキルアルキルおよびアラルキルからなる群から選択されるか;
または、2個のRが、同一炭素に結合してオキソを形成し、残りのRがそれぞれ、上記の通りであり;そして
が、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキルアルキルおよびアラルキルからなる群から選択される、化合物である。
【0067】
この化合物セットのうち、化合物の下位群は、
Wが、−N(H)C(O)−であり;
Vが、直接結合、−N(H)−または=C(H)−であり;
pが、0、1、2、3、4または5であり;
が、アラルキルまたはヘテロアリールアルキルであり;
が、水素、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり;
が、水素またはアルキルであり;そして
が、それぞれ独立して、アルキル、ヒドロキシル、オキソまたはハロであるか;
または、2個のRが、同一炭素に結合してオキソを形成し、残りのRがそれぞれ、上記の通りである、化合物である。
【0068】
一態様において、本発明の方法は、ステアロイル−CoAデサチュラーゼ(SCD)、とりわけヒトSCD(hSCD)により仲介される疾患、好ましくは、異脂肪血症と関係する疾患および脂質代謝障害、とりわけ高血漿脂質レベルと関係する疾患、心血管疾患、糖尿病、肥満、メタボリック症候群、皮膚科疾患などの、本発明の化合物の有効量を投与することによる処置および/または予防を対象とする。
【0069】
本発明はまた、本発明の化合物を含む医薬組成物に関する。一態様において、本発明は、薬学的に許容される担体中に、動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒト患者に投与されるとき、トリグリセリドレベルを調節するか、または異脂肪血症と関係する疾患および脂質代謝障害を処置するのに有効量で本発明の化合物を含む組成物に関する。かかる組成物の態様において、患者は、本発明の該化合物の投与前、高脂質レベル、例えば高トリグリセリドまたは高コレステロールを有し、本発明の化合物は、該脂質レベルを低下させるのに有効量で存在する。
【0070】
本発明の化合物の有用性および試験
本発明は、化合物、医薬組成物、ならびにステアロイルCoAデサチュラーゼ(SCD)、とりわけヒトSCD(hSCD)により仲介される疾患、好ましくは異脂肪血症と関係する疾患および脂質代謝障害、とりわけ高血漿脂質レベルと関係する疾患、とりわけ心血管疾患、糖尿病、肥満、メタボリック症候群、皮膚科疾患などの処置および/または予防のための化合物および医薬組成物の使用法であって、かかる処置を必要とする患者に有効量のSCD調節剤、とりわけ阻害剤を投与することによる方法に関する。
【0071】
一般的に、本発明は、動物、とりわけヒトの脂質レベルは、正常範囲外(すなわち、高血漿脂質レベルのような異常な脂質レベル)、とりわけ正常より高いレベルであり、好ましくは該脂質が、遊離または複合脂肪酸、トリグリセリド、リン脂質またはコレステロールのような脂肪酸であるとき、例えば、LDL−コレステロールレベルが増大しているか、またはHDL−コレステロールレベルが低下している、またはこれらの何れかの組合せのとき、異脂肪血症に関連する疾患および/または脂質代謝障害に関して患者を処置するか、またはその発症から保護する方法であって、該脂質関連状態または疾患がSCD仲介疾患または状態であるときに、動物、例えば哺乳動物、とりわけヒト患者に、該化合物がSCD、好ましくはヒトSCD1の活性を調節するのに治療的有効量の本発明の化合物または本発明の化合物を含む医薬組成物を投与することを含む方法を提供する。
【0072】
本発明の化合物は、ヒトSCD酵素、とりわけヒトSCD1の活性を調節、好ましくは阻害する。
【0073】
SCDの活性の調節、とりわけ阻害における本発明の化合物の一般的価値は、以下の実施例12に記載のアッセイを用いて決定することができる。
【0074】
あるいは、障害および疾患の処置における化合物の一般的な価値は、肥満、糖尿病または高トリグリセリドもしくは高コレステロールレベルの処置または耐糖能の改善における化合物の効力を証明するために産業標準動物モデルにおいて確立できる。かかるモデルは、Zucker obese fa/faラット(Harlan Sprague Dawley, Inc. (Indianapolis, Indiana)から入手できる)、またはZucker diabetic fattyラット(ZDF/GmiCrl−fa/fa)(Charles River Laboratories (Montreal, Quebec)から入手できる)、および規定食誘発肥満のモデル(Ghibaudi, L. et al., (2002), Obes. Res. Vol. 10, pp. 956−963)として使用されるSprague Dawleyラット(Charles Rivers)を含む。同様のモデルを、マウスおよびLewisラットで開発した。
【0075】
本発明の化合物はΔ9デサチュラーゼの阻害剤であり、異常なΔ9デサチュラーゼ生物活性の結果であるか、またはΔ9デサチュラーゼ生物活性の調節により改善され得る全てのヒト疾病および障害を含む、ヒトおよび他の生物の疾患および障害を処置するのに有用である。
【0076】
本明細書に定義のとおり、SCD仲介疾患または状態は、SCDの活性が高い、かつ/または、SCD活性の阻害が処置される個体に対して症状の改善をもたらすことを証明できる、何らかの疾患または状態と定義する。本明細書に定義のとおり、SCD仲介疾患または状態は、心血管疾患、異脂肪血症(トリグリセリドの血清レベル障害、高トリグリセリド血症、VLDL、HDL、LDL、脂肪酸飽和度低下指数(例えば、本明細書で他のところで定義されている、18:1/18:0の脂肪酸または他の脂肪酸の比率)、コレステロールおよび総コレステロール、高コレステロール血症、ならびにコレステロール障害(コレステロール逆輸送系異常により特徴付けられる障害を含む)を含むが、これらに限定されない)、家族性混合型脂質異常症、冠動脈疾患、アテローム性動脈硬化症、心臓疾患、脳血管疾患(卒中、虚血性卒中および一過性虚血発作(TIA)を含むが、これらに限定されない)、末梢血管障害、ならびに虚血性網膜症であるか、またはこれらに関係する疾患または状態を含む。
【0077】
SCD仲介疾患または状態はまた、メタボリック症候群(異脂肪血症、肥満およびインスリン抵抗性、高血圧症、微量アルブミン血症、高尿酸血症および凝固性亢進を含むが、これらに限定されない)、X症候群、糖尿病、インスリン抵抗性、耐糖能低下、非インスリン依存性糖尿病、II型糖尿病、I型糖尿病、糖尿病性合併症、体重障害(肥満、太りすぎ、悪液質および食欲不振症を含むが、これらに限定されない)、体重減少、肥満指数およびレプチン関連疾患を含む。好ましい態様において、本発明の化合物は真性糖尿病および/または肥満を処置するために用いられ得る。
【0078】
本明細書で用いる用語“メタボリック症候群”は、II型糖尿病、耐糖能異常、インスリン抵抗性、高血圧、肥満、増大した腹囲、高トリグリセリド血症、低HDL、高尿酸血症、凝固亢進状態および/または微量アルブミン血症の組合せを含む状態を記載するために用いられる認知された臨床用語である。米国心臓協会によりメタボリック症候群の診断のためのガイドライン(Grundy, S. et. al., (2006) Cardiol. Rev. Vol. 13, No. 6, pp. 322−327)を発表している。
【0079】
SCD仲介疾患または状態はまた、脂肪肝、肝臓脂肪症、肝炎、非アルコール肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、アルコール性肝炎、急性脂肪肝、妊娠性脂肪肝、薬剤誘導肝炎、肝赤血球プロトポルフィリン症、鉄過剰障害、遺伝性ヘモクロマトーシス、肝線維症、肝硬変、肝臓癌およびそれらに関連する状態を含む。
【0080】
SCD仲介疾患または状態はまた、原発性高トリグリセリド血症、または高リポタンパク血症、家族性組織球性網膜症、リポタンパク質リパーゼ欠乏症、アポリポタンパク質欠乏症(例えば、ApoCII欠乏症またはApoE欠乏症)などの他の障害もしくは疾患による高トリグリセリド血症、または原因が不明の、または、特定されていない高トリグリセリド血症であるか、またはこれらに関係する疾患または状態を含むが、これらに限定されない。
【0081】
SCD仲介疾患または状態はまた、多価不飽和脂肪酸(PUFA)障害または限定はしないが、湿疹、アクネ、乾癬、ケロイド瘢痕形成もしくは予防、一価不飽和脂肪酸、ワックスエステルなどの粘膜からの産生物もしくは分泌物に関係する疾患を含む皮膚障害を含む。好ましくは、本発明の化合物は、一般的にそれらの形成を生じる過剰な皮脂産生の減少によりケロイド瘢痕形成を予防または緩和し得る。アクネの処置におけるSCD阻害剤の役割の研究が、機能的SCD1遺伝子欠損齧歯動物においてそれらの眼、皮膚、外皮の状態に変化が見られたという発見により進展した(Zheng Y., et al. “SCD1 is expressed in sebaceous glands and is disrupted in the asebia mouse”, Nat. Genet. (1999) 23:268−270. Miyazaki, M., “Targeted Disruption of Steroyl−CoA Desaturase 1 Gene in Mice Causes Atrophy of Sebaceous and Meibomian Glands and Depletion of Wax Esters in the Eyelid”, J. Nutr. (2001), Vol. 131, pp 2260−68., Binczek, E. et al., “Obesity resistance of the Steroyl−CoA Desaturase deficient mouse results from disruption of the epidermal lipid barrier and adaptive thermoregulation”, Biol. Chem. (2007) Vol. 388 No. 4, pp 405−18)。
【0082】
SCD仲介疾患または状態はまた、炎症、副鼻腔炎、喘息、膵炎、骨関節症、リウマチ性関節炎、嚢胞性線維症および月経前症候群を含む。
【0083】
SCD仲介疾患または状態はまた、癌、新生物、悪性腫瘍、転移、腫瘍(良性または悪性)、発癌、肝癌などであるか、またはこれらに関係する疾患または状態を含むが、これらに限定されない。
【0084】
SCD仲介疾患または状態はまた、除脂肪体重または除脂肪筋肉量の増加が望ましい、例えば筋肉増強によるパフォーマンスを増大することが望ましい状態を含む。カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ欠乏症(CPTIまたはCPTII)のようなミオパシーおよび脂質性ミオパシーも、本明細書に包含される。かかる処置は、トリグリセリド産生を低下させ、かつ/または、低脂肪肉製品および/またはより健康な動物を提供するために、ウシ、ブタまたはトリ家畜動物または何れかの他の動物へ投与することを含む、ヒトおよび動物管理において有用である。
【0085】
SCD仲介疾患または状態はまた、神経疾患、精神障害、多発性硬化症、眼疾病および免疫障害であるか、またはそれに関係する疾患または状態を含むが、これらに限定されない。
【0086】
SCD仲介疾患または状態はまた、軽度の認知障害、鬱病、統合失調症、強迫神経障害および双極性障害を含む、神経疾患を含む。
【0087】
SCD仲介疾患または状態はまた、アルツハイマー病、パーキンソン病、レヴィー小体認知症、筋萎縮性側索硬化症またはルー・ゲーリック疾患、アルパース疾患、リー疾患、ペリツェウス・メルツバッヘル疾患、オリーブ橋小脳萎縮症、フリードライヒ失調症、白質萎縮症、レット症候群、II型ラムゼィハント症候群、およびダウン症候群を含む、神経変性疾患を含む。
【0088】
SCD仲介疾患または状態はまた、全てのプラス鎖RNAウイルス、コロナウイルス、SARSウイルス、SARS関連コロナウイルス、トガウイルス、ピコルナウイルス、コクサッキーウイルス、黄熱ウイルス、フラビウイルス科、アルファウイルス(トガウイルス科)(風疹ウイルス、東部ウマ脳炎ウイルス、西部ウマ脳炎ウイルス、ベネズエラウマ脳炎ウイルス、シンドビスウイルス、セムリキ森林ウイルス、チクングンヤウイルス、オニョンニョンウイルス、ロスリバーウイルス、マヤロウイルス、アルファウイルスを含む)、アストロウイルス科(アストロウイルス、ヒトアストロウイルスを含む)、カリチウイルス科(ブタ水疱疹ウイルス、ノーウォークウイルス、カリチウイルス、ウシカリチウイルス、ブタカリチウイルス、E型肝炎を含む);コロナウイルス科(コロナウイルス、SARSウイルス、鳥類感染性気管支炎ウイルス、ウシコロナウイルス、イヌコロナウイルス、ネコ感染性腹膜炎ウイルス、ヒトコロナウイルス299E、ヒトコロナウイルスOC43、マウス肝炎ウイルス、ブタ流行性下痢ウイルス、ブタ血液凝集性脳脊髄炎ウイルス、ブタ伝染性胃腸炎ウイルス、ラットコロナウイルス、シチメンチョウコロナウイルス、ウサギコロナウイルス、ベルンウイルス、ブレダウイルスを含む)、フラビウイルス科(C型肝炎ウイルス、西ナイルウイルス、黄熱ウイルス、セントルイス脳炎ウイルス、デング群、G型肝炎ウイルス、B型日本脳炎ウイルス、マレー渓谷脳炎ウイルス、中央ヨーロッパダニ媒介性脳炎ウイルス、極東ダニ媒介性脳炎ウイルス、キャサヌール森林ウイルス、跳躍病ウイルス、ポーワッサンウイルス、オムスク出血熱ウイルス、Kumilingeウイルス、Absetarov anzalova hyprウイルス、lTheusウイルス、ロシオ脳炎ウイルス、ランガットウイルス、ペスチウイルス、ウシウイルス性下痢、豚コレラウイルス、リオブラボー群、チュレニー群、タヤ群、ウガンダS群、モドック群を含む)、ピコルナウイルス科(コクサッキーAウイルス、ライノウイルス、A型肝炎Aウイルス、脳心筋炎ウイルス、メンゴウイルス、MEウイルス、ヒトポリオウイルス1、コクサッキーBを含む)、ポシウイルス科(ポティウイルス、バイモウイルスを含む)を含むが、これらに限定されないウイルス疾患または感染である、またはそれに関係する疾患または状態を含む。さらにそれは、肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスおよびヒト免疫不全ウイルス(HIV)などにより引き起こされる、またはそれに関連する疾患または感染症であり得る。処置可能なウイルス感染症としては、ウイルスが複製周期の一部としてRNA中間体を用いるもの(肝炎またはHIVウイルス)が含まれ、さらにそれは、インフルエンザおよびパラインフルエンザウイルスなどのRNAマイナス鎖ウイルスにより引き起こされるか、またはそれに関係する疾患または感染症であり得る。
【0089】
本明細書で特定される化合物は、ステアロイル−CoAデサチュラーゼ1(SCD1)のようなΔ9デサチュラーゼにより達成される、種々の脂肪酸の脱飽和(ステアロイル−CoAのC−C10脱飽和のような)を阻害する。これらの化合物はそれ自体、種々の脂肪酸およびその下流の代謝産物の形成を阻害する。これにより、種々の脂肪酸のステアロイル−CoAまたはパルミトイル−CoAおよび他の上流前駆体の蓄積が起こり、これが負のフィードバックループをもたらし、脂肪酸代謝が全体的に変化し得る。これらの結果がいずれも、最終的に、これらの化合物により提供される全体的な治療的利点に関与し得る。
【0090】
典型的に、好結果のSCD阻害治療剤は、以下の基準のいくつかまたは全てを満たし得る。経口アベイラビリティは20%以上でなければならない。動物モデル有効性は、約10mg/Kg、2mg/Kg、1mg/Kgまたは0.5mg/Kg未満であり、対象ヒト用量は、10から250mg/70Kgであるが、この範囲外の用量も許容される(“mg/Kg”は、投与される対象の体重1キログラムあたりの化合物のミリグラムを意味する)。必要な投与量は、好ましくは、1日に1回もしくは2回以下または食事時であるべきである。治療指数(または治療用量に対する毒性用量の比)は、10以上であるべきである。IC50(“阻害濃度−50%”)は、SCD生物学的活性アッセイにおいて特定の時間でSCD活性の50%阻害を達成するために必要な化合物の量の尺度である。SCD酵素、好ましくはマウスまたはヒトSCD酵素の活性を測定するためのすべての方法はいずれも、該SCD活性の阻害において本発明の方法に有用な化合物の活性をアッセイするために使用可能である。本発明の化合物は、15分のミクロソームアッセイにおいて、好ましくは10μM未満、5μM未満、2.5μM未満、1μM未満、750nM未満、500nM未満、250nM未満、100nM未満、50nM未満、最も好ましくは20nM未満のIC50(50%阻害濃度)を示す。本発明の化合物は、可逆的阻害(すなわち、競合的阻害)を示す可能性があり、好ましくは、他の鉄結合タンパク質を阻害しない。
【0091】
本発明の化合物のSCD阻害剤としての同定は、SCD酵素とShanklin J. and Summerville C., Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1991), Vol. 88, pp. 2510−2514に記載のミクロソームアッセイ法を用いて容易に達成された。このアッセイで試験したところ、本発明の化合物は、10μM濃度の試験化合物で50%未満の残留SCD活性、好ましくは、10μM濃度の試験化合物で40%未満の残留SCD活性、より好ましくは、10μM濃度の試験化合物で30%未満の残留SCD活性、いっそうより好ましくは、10μM濃度の試験化合物で20%未満の残留SCD活性を有し、これにより、本発明の化合物はSCD活性の有力な阻害剤であることを示す。
【0092】
これらの結果は、試験化合物とSCDの間の構造−活性相関関係(SAR)の分析のための基礎となる。ある特定の群がより有力な阻害化合物を提供する傾向にある。SAR分析は、当業者が治療剤として用いるための本発明の化合物の好ましい態様を同定するために用い得る手段の1つである。また、本明細書に開示される化合物を試験する他の方法も、当業者には容易に利用可能である。従って、さらに、化合物のSCD阻害能の決定は、インビボで達成され得る。このような一態様では、これは、該化学剤をトリグリセリド(TG)または超低密度リポタンパク質(VLDL)関連障害を有する動物に投与し、次いで該動物において血漿トリグリセリドレベルの変化を検出し、それによってトリグリセリド(−TG)または超低密度リポタンパク質(VLDL)関連障害の処置に有用な治療剤を同定することにより達成される。このような態様において、動物は、このような障害を有しており、該障害の処置を必要とするヒト患者などのヒトであり得る。
【0093】
かかるインビボでの方法の特定の態様において、該動物におけるSCD1活性の変化は活性の低下であり、好ましくは、該SCD1調節剤は、Δ5デサチュラーゼ、Δ6デサチュラーゼまたは脂肪酸シンセターゼまたは活性部位に鉄を含む他の酵素の生物学的活性を実質的に阻害しない。
【0094】
化合物の評価に有用なモデル系としては、高炭水化物食餌で飼育されていたマウス由来の、または肥満症の人を含むヒトドナー由来などの、肝臓ミクロソームの使用を含み得るが、これらに限定されない。HepG2(ヒト肝臓由来)、MCF−7(ヒト乳癌由来)および3T3−L1(マウス脂肪細胞由来)などの不死化細胞株も使用可能である。マウス一次肝細胞などの一次細胞系統も、本発明の化合物の試験に有用である。マウス初代肝細胞のような初代細胞株も、本発明の化合物の試験において有用である。動物をそのまま用いるとき、初代肝細胞源として用いられるマウスも使用可能であり、該マウスはミクロソーム中のSCD活性を増加させるため、および/または血漿トリグリセリドレベル(すなわち、18:1/18:0比)を上昇させるため、高炭水化物食餌で維持されているか;あるいは、通常規定食のマウスまたは正常トリグリセリドレベルのマウスを使用できる。高トリグリセリド血症のために設計された遺伝子組み換えマウスを使用するマウスモデルも使用可能である。ウサギおよびハムスターも、とりわけCETP(コレステロールエステル輸送タンパク質)を発現するものが動物モデルとして有用である。
【0095】
本発明の化合物のインビボ有効性を決定する別の好適な方法は、化合物投与後の対象の飽和度低下指数を測定することによりSCD酵素の阻害に対する影響を間接的に測定することである。
【0096】
本明細書で用いる「飽和度低下指数」は、ある組織サンプルから測定される、SCD酵素の基質に対する生成物の比を意味する。これは3つの異なる方程式18:1n−9/18:0(オレイン酸/ステアリン酸);16:1n−7/16:0(パルミトレイン酸/パルミチン酸);および/または16:1n−7+18:1n−7/16:0(16:0脱飽和の全ての反応生成物/16:0基質を示す)を用いて計算することができる。
【0097】
飽和度低下指数は、基本的に肝臓または血漿トリグリセリドで測定されるが、種々の組織由来の他の選択された脂質画分でも測定可能である。飽和度低下指数は、一般的に言えば、血漿脂質プロファイルのための手段である。
【0098】
多くのヒト疾患および障害は異常SCD1生物学的活性の結果であり、本発明の治療剤を用いてSCD1生物学的活性の調節をすることにより改善できる。
【0099】
SCD発現の阻害はまた、膜リン脂質の脂肪酸組成、ならびにトリグリセリドおよびコレステロールエステルの生産またはレベルにも影響を及ぼし得る。リン脂質の脂肪酸組成は、最終的に膜流動性を決定し、次いで膜内に存在する多数の酵素の活性を調節し、一方、トリグリセリドおよびコレステロールエステルの組成に対する効果はリポタンパク質代謝および脂肪症に影響を及ぼし得る。
【0100】
本発明の方法の実施において、特定の緩衝液、媒体、試薬、細胞、培養条件などの言及は、限定を意図するものではなく、当業者が、考察が示される特定の文脈で着目される、または価値があるものとして認識する全ての関連する材料を含むように読み取られるものと理解すべきである。
【0101】
例えば、ある緩衝液系または培養培地を他のものの代わりに用い、同一でないとしても同様な結果を得ることはしばしば可能である。当業者ならば、かかる系および方法について十分な知識があり、故に過度の実験をすることなく、本明細書に記載の方法および手順を用いる際、最適に目的にかなう置き換えをすることが可能である。
【0102】
あるいは、皮脂腺機能に対するSCD阻害の効果を測定するために別の形式を用いることもできる。リドネット(ridnet)を用いる典型的な研究では、SCD阻害剤の経口、静脈内または局所用製剤を1ないし8日間、齧歯動物に投与する。皮膚サンプルを採取し、皮脂腺の数、大きさまたは脂質含量を決定するための組織学的評価向けに調製する。皮脂腺の大きさ、数または機能の低下は、SCD阻害剤が尋常性座瘡に対して有益な影響を有し得ることを示す(Clark, S.B. et al. “Pharmacological modulation of sebaceous gland activity: mechanisms and clinical applications”, Dermatol. Clin. (2007) Vol. 25, No. 2, pp 137−46. Geiger, J.M., “Retinoids and sebaceous gland activity” Dermatology (1995), Vol. 191, No. 4, pp 305−10)。
【0103】
本発明の医薬組成物および投与
本発明はまた、本明細書に開示される本発明の化合物を含む医薬組成物に関する。一態様において、本発明は、薬学的に許容される担体中に、本発明の化合物を、動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒト患者に投与したとき、トリグリセリドレベルを調節するか、または異脂肪血症に関係する疾患および脂質代謝障害を処置するのに有効な量で含む、医薬組成物に関する。かかる組成物の一態様において、該患者は、本発明の化合物を投与する前に、高い脂質レベル、例えば、高いトリグリセリドまたはコレステロールを有しており、本発明の化合物はこの脂質レベルを低下させるのに有効な量で存在する。
【0104】
本明細書で有用な医薬組成物はまた、それ自体、該組成物を受容する個体に有害な抗体の産生を誘導しない何らかの医薬を含み、過度の毒性なしで投与され得る、何らかの適当な希釈剤または賦形剤を含む薬学的に許容される担体を含む。薬学的に許容される担体は水、塩水、グリセロールおよびエタノールなどのような液体を含むが、これらに限定されない。薬学的に許容される担体、希釈剤および他の賦形剤の完全な考察は、REMINGTON’S PHARMACEUTICAL SCIENCES (Mack Pub. Co., N.J. current edition)に存在する。
【0105】
当業者には、本明細書で意図される疾患および障害の処置に用いるための化合物の適当な用量を決定する方法が既知である。
【0106】
治療用量は、一般に、動物試験からの予備的証拠に基づいてヒトの用量範囲試験を介して確認される。用量は患者に対して望ましくない副作用を引き起こすことなく所望の治療効果をもたらすのに十分でなければならない。動物に対する好ましい用量範囲は、0.5mg/Kg、1.0mg/Kg、2.0mg/Kg、5.0mg/Kgおよび10mg/Kgを含む0.001mg/Kgないし10,000mg/Kgであるが、この範囲外の用量も許容され得る。投薬スケジュールは、1日1回または2回であるが、これより多くても少なくてもよい。
【0107】
また、当業者ならば、投与方法(経口、静脈内、吸入、皮下、経皮、局所的など)、投与形態、好適な医薬賦形剤およびこれらの化合物の、それを必要とする対象への送達に関連するその他の物質を決定することも熟知している。
【0108】
本発明の別の使用において、本発明の化合物は、本明細書に開示される種々の疾患の処置または種々の疾患からの保護に有用である他の化合物を発見するための比較目的の典型的薬剤としてインビトロまたはインビボ研究で使用可能である。
【0109】
本発明の医薬組成物は、ステアロイル−CoAデサチュラーゼを阻害するため、また、ステアロイルデサチュラーゼ活性と関係する状態の処置のための、ヒトを含む哺乳動物に経口または直腸投与のような腸内投与、経皮投与および非経腸投与するのに好適なものである。一般に、医薬組成物は、治療的有効量の本発明の薬理学的に活性な化合物を単独で、または1個以上の薬学的に許容される担体と共に含む。
【0110】
本発明の薬理学的に活性な化合物は、腸内適用または非経腸適用のいずれかに好適な賦形剤または担体と組み合わせて、または混合して、その治療的に有効な量を含む医薬組成物の製造に有用である。経腸または非経腸適用では、有効量の本発明の医薬組成物を錠剤またはゼラチンカプセル剤として投与することが好ましい。かかる医薬組成物は、例えば、活性成分を希釈剤(例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロースおよび/またはグリシン)、滑沢剤(例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸、そのマグネシウムまたはカルシウム塩および/またはポリエチレングリコール)と共に含み、錠剤としては、結合剤(例えば、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、デンプンペースト、ゼラチン、トラガカントガム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび/またはポリビニルピロリドン)および崩壊剤(例えば、デンプン、寒天、アルギン酸またはそのナトリウム塩)または起沸性混合物および吸収剤、着色剤、香味剤および甘味剤も含んでいてよい。
【0111】
本発明のさらなる局面において、化合物は注射組成物の形態、例えば、好ましくは等張水溶液または懸濁液、および脂溶性エマルジョンまたは懸濁液から有利に製造できる坐剤であり得る。該組成物は滅菌可能であり、かつ/または保存剤、安定化剤、湿潤剤または乳化剤、溶解促進剤、浸透圧を調節する塩および/または緩衝剤のようなアジュバントを含んでよい。加えて、それらはまた他の治療的に価値のある物質を含んでいてよい。該組成物は、各々慣用の混合、造粒またはコーティング法に従い製造し、約0.1−75%、好ましくは約1−50%の本活性成分を含む。
【0112】
経皮投与に適当な製剤は、治療的有効量の本発明の化合物を担体と共に含む。有利な担体は、宿主の皮膚の通過を補助するため、吸収性の薬理学的に許容される溶媒を含む。特徴的には、経皮デバイスは、裏打ち部材、本化合物を所望により担体と共に含む貯蔵部、所望により、化合物を宿主の皮膚に制御された所定の速度で長期間にわたり送達するための速度制御バリア、および該デバイスを皮膚に固定するための手段を含む帯具の形態である。
【0113】
最も適当な経路は、処置されるべき状態の性質および重篤度によって変わる。当業者はまた、投与法、投与形態、適当な医薬賦形剤および該化合物の、それを必要とする対象への送達に関連する他の物質を決定することを熟知している。
【0114】
本発明の化合物は、通常、SCD仲介疾患および状態の処置のための1種以上の他の治療剤と組み合わせてもよい。好ましくは、該他の治療剤は、抗糖尿病剤、脂質低下剤、抗肥満剤、抗高血圧剤または強心剤から選択される。
【0115】
故に、本発明のさらなる局面は、治療的有効量の本発明の化合物を1種以上の他の治療剤と組み合わせて含む医薬組成物に関する。例えば、該組成物は、それぞれ当技術分野で既報の治療的有効用量で、治療的有効量の上記の本発明の化合物を別の治療剤と組み合わせて含むように製剤できる。かかる治療剤は、例えば、インスリン、インスリン誘導体および模倣体;スルホニルウレア、例えばグリピジド、グリブリドおよびアマリールのようなインスリン分泌促進物質;メグリチナイド、例えばナテグリニドおよびレパグリニドのようなインスリン分泌促進性スルホニルウレア受容体リガンド;MCC−555、MK767、L−165041、GW7282のようなPPARγおよび/またはPPARα(ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体)リガンド、またはロシグリタゾン、ピオグリタゾン、トログリタゾンのようなチアゾリジンジオン;PTP−112のようなタンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤のようなインスリン増感剤;SB−517955、SB−4195052、SB−216763、NN−57−05441、NN−57−05445のようなGSK3(グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3)阻害剤、またはGW−0791、AGN−194204のようなRXRリガンド;T−1095のようなナトリウム依存性グルコース共輸送体阻害剤、BAY R3401のようなグリコーゲンホスホリラーゼA阻害剤;メトホルミンのようなビグアナイド;アカルボースのようなアルファ−グルコシダーゼ阻害剤;GLP−1(グルカゴン様ペプチド−1)、エキセンディン−4のようなGLP−1類似体、およびGLP−1模倣体;LAF237(ビルダグリプチン)のようなDPPIV(ジペプチジルペプチダーゼIV)阻害剤;3−ヒドロキシ−3−メチル−グルタリル コエンザイムA(HMG−CoA)レダクターゼ阻害剤、例えばロバスタチン、ピタバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、メバスタチン、ベロスタチン(velostatin)、フルバスタチン、ダルバスタチン(dalvastatin)、アトルバスタチン、ロスバスタチン、フルインドスタチン(fluindostatin)およびリバスタチン(rivastatin)のような脂質低下剤、スクアレンシンターゼ阻害剤またはFXR(ファルネソイドX受容体)およびLXR(肝臓X受容体)リガンド、コレスチラミン、フィブラート、ニコチン酸およびアスピリン;オーリスタット、抗高血圧剤、強心剤および脂質低下剤、例えばエタクリン酸、フロセミドおよびトルセミドのようなループ利尿薬のような抗肥満剤;ベナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、フォシノプリル、リシノプリル、モエキシプリル、ペリノドプリル(perinodopril)、キナプリル、ラミプリルおよびトランドラプリルのようなアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤;ジゴキシンのようなNa−K−ATPase膜ポンプ阻害剤;中性エンドペプチダーゼ(NEP)阻害剤;オマパトリラト、サムパトリラト(sampatrilat)およびファシドトリルのようなACE/NEP阻害剤;カンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、テルミサルタンおよびバルサルタン、特にバルサルタンのようなアンジオテンシンIIアンタゴニスト;アセブトロール、アテノロール、ベタキソロール、ビソプロロール、メトプロロール、ナドロール、プロプラノロール、ソタロールおよびチモロールのようなβ−アドレナリン受容体遮断剤;ジゴキシン、ドブタミンおよびミルリノンのような強心剤;アムロジピン、ベプリジル、ジルチアゼム、フェロジピン、ニカルジピン、ニモジピン、ニフェジピン、ニソルジピンおよびベラパミルのようなカルシウムチャネル遮断剤を含み得る。他の特定の抗糖尿病化合物は、Patel Mona (Expert Opin Investig Drugs. (2003) Apr; 12(4):623−33) の図1から7に記載されており、これを参照により本明細書に包含させる。本発明の化合物は、他の活性成分と同時に、その前に、または後に、同じまたは異なる投与経路により個別に、または、同じ医薬製剤で一緒に投与してよい。
【0116】
コード番号(番号)、一般名または商品名で識別される活性成分の構造は、標準概論「The Merck Index」の現行版から、または例えばPatents International(例えば、IMS World Publications)などのデータベースから入手することができる。その対応する内容は参照により本明細書に包含される。
【0117】
別の局面は、SCD仲介疾患または状態の処置のための薬剤の製造のための上記医薬組成物の使用である。
別の局面は、ステアロイル−CoAデサチュラーゼ活性と関係する状態の処置のための薬剤の製造のための上記医薬組成物または組合せの使用である。
ステアロイル−CoAデサチュラーゼの阻害と関係する状態の処置のための上記医薬組成物。
【0118】
化合物の製造
以下の記載において、置換基の組合せおよび/または示した式の変数は、それらの関与が安定な化合物をもたらす場合のみ、許容されると理解される。
【0119】
当業者ならば、以下に記載されている方法において、中間化合物の官能基を好適な保護基で保護する必要があり得ることを理解し得る。このような官能基としては、ヒドロキシ、アミノ、メルカプトおよびカルボン酸が挙げられる。ヒドロキシの好適な保護基としては、トリアルキルシリルまたはジアリールアルキルシリル(例えば、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリルまたはトリメチルシリル)、テトラヒドロピラニルおよびベンジルなどが挙げられる。アミノ、アミジノおよびグアニジノの好適な保護基としては、t−ブトキシカルボニルおよびベンジルオキシカルボニルなどが挙げられる。メルカプトの好適な保護基としては、−C(O)−R”(ここで、R”はアルキル、アリールまたはアリールアルキルである)、p−メトキシベンジルおよびトリチルなどが挙げられる。カルボン酸の好適な保護基としては、アルキル、アリールまたはアリールアルキルエステルが挙げられる。
【0120】
保護基は、当業者に周知であり、かつ本明細書に記載されている標準的な技術に従って付加または除去され得る。
【0121】
保護基の使用については、Green, T.W. and P.G.M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis (2006), 第4版, Wileyに詳細に記載されている。保護基はまた、Wang樹脂または2−クロロトリチル−クロリド樹脂などのポリマー樹脂であってもよい。
【0122】
当業者ならば、本発明の化合物のかかる保護された誘導体は、それ自体は薬理学的活性を有さないが、それらを哺乳動物に投与することができ、その後、体内で代謝されて薬理学的に活性な本発明の化合物を形成し得ることを理解し得る。従って、かかる誘導体は“プロドラッグ”と称され得る。本発明の化合物のプロドラッグは全て、本発明の範囲内に包含される。
【0123】
以下の反応スキームは本発明の化合物の製造方法を説明する。当業者ならば、類似の方法または当業者に公知の方法によりこれらの化合物を製造し得ることを理解する。一般に、出発物質は、Sigma Aldrich、Lancaster Synthesis, Inc.、Maybridge、Matrix Scientific、TCIおよびFluorochem USAなどの供給源から入手することができるか、または当業者に公知の情報源(例えば、Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms, and Structure,第5版 (Wiley, December 2000)参照)に従って合成することができるか、または本発明に記載の通りに製造することができる。R、R、R、R、R、X、Y、WおよびVは、他に特に記載のない限り、明細書に定義の通りである。R’は保護基である。
【0124】
一般的に、本発明の式(I)の化合物(ここでWは、−N(R)C(O)−である。)は、反応スキーム1に記載の一般的方法に従い合成できる。
【0125】
【化5】

【0126】
上記反応スキームの出発物質は市販されているか、または当業者に公知の方法に従って、もしくは本明細書に開示の方法に従って製造され得る。一般に、本発明の化合物は下記の反応スキームにおいて以下のように製造される。
【0127】
アミノカルボン酸(101)およびアミン化合物(102)を当業者に公知の標準アミド結合形成条件下でカップリングさせて、化合物(103)を得る。化合物(103)を酸(104)を用いて別のアミド結合形成反応に付し、化合物(105)を製造し、それを、限定しないが、炭酸カリウムのような塩基の存在下で分子内環化して、環化化合物(106)を得る。化合物(106)を重要な中間体として用いて、(a)アルキル化、または(b)アルドール縮合し、次いで水素化、または(c)臭素化して化合物(107)を製造し、次いでアミン置換する条件下で式(I)の化合物を製造する。
【0128】
あるいは、本発明の式(I)の化合物(ここでWは、−N(R)C(O)−である。)は、反応スキーム2に記載の一般法に従って合成することができる。
【0129】
【化6】

【0130】
上記反応スキームの出発物質は市販されているか、または当業者に公知の方法に従って、もしくは本明細書に開示の方法に従って製造することができる。一般に、本発明の化合物は上記反応スキームにおいて以下のように製造される。
【0131】
出発化合物(201)を、当業者に公知の標準アミド結合形成条件下でアミン(102)とカップリング反応させて、化合物(203)を得る。その後、化合物(203)を、金属触媒反応条件下で化合物(204)とカップリングさせて、式(I)の化合物(ここで、Wは、−N(R)C(O)−である。)を製造する。
【0132】
あるいは、本発明の式(I)の化合物(ここで、Wは、−N(R)C(O)−である。)は、反応スキーム3に記載の一般法に従い合成できる。
【化7】

【0133】
上記反応スキームの出発物質は、市販されているか、または当業者に公知の方法に従って、もしくは本明細書に開示の方法に従って製造することができる。一般に、本発明の化合物は上記反応スキームにおいて以下のように製造される。
【0134】
出発アミノ化合物(103)を、限定しないが、トリエチルアミンのような塩基の存在下で化合物(301)と反応させて、式(I)の化合物を得る。
【0135】
当業者は上記の一般技術に従って本発明の化合物を製造できるが、本発明の化合物のための合成技術のさらなる詳細を、好都合のために本明細書で提供する。繰り返すが、合成において用いられる全ての試薬および反応条件は当業者に既知であるか、または、通常の商業的供給源から市販されている。
【実施例】
【0136】
製造法1
2−アミノ−N−ベンジル−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミドの製造
A.テトラヒドロフラン(60mL)および水(30mL)中、エチル 2−アミノ−4−メチルチアゾール−5−カルボキシレート(6.58g、35.5mmol)およびNaOH(5.40g、135.0mmol)の混合物を、一晩、加熱還流した。テトラヒドロフランを真空下で除去し、残渣を5%塩酸溶液でpH5〜6まで中和した。得られた沈殿を濾過により集め、乾燥させて、粗2−アミノ−4−メチルチアゾール−5−カルボン酸(5.20g、94%)を得た: 1H NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ 7.63 (s, 2H), 2.30 (s, 3H); MS (ES+) m/z 159.1 (M+1)。
【0137】
B.N,N−ジメチルホルムアミド(40mL)中、2−アミノ−4−メチルチアゾール−5−カルボン酸(5.20g、32.9mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(15mL、86.7mmol)の懸濁液に、塩酸N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド(8.18g、42.7mmol)を添加した。得られた混合物を30分間撹拌し、次いで1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(5.78g、42.7mmol)を添加し、その後ベンジルアミン(4.3mL、39.3mmol)を添加した。反応混合物を環境温度で2日間撹拌し、次いで酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を60%収率で得た(4.90g):1H NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ 7.36−7.25 (m, 5H), 5.79 (br s, 1H), 5.36 (br s, 2H), 4.54 (d, J=5.7 Hz, 2H), 2.47 (s, 3H); MS (ES+) m/z 248.4 (M+1)。
【0138】
製造法2
2−アミノ−N−(4−フルオロベンジル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミドの製造
無水N,N−ジメチルホルムアミド(100mL)中、2−アミノ−4−メチルチアゾール−5−カルボン酸(4.20g、26.0mmol)の溶液に、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(9.30g、69.0mmol)、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド(6.60g、34.0mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(4.40g、34.0mmol)および(4−フルオロフェニル)メタンアミン(3.97g、32.0mmol)を添加した。反応混合物を環境温度で18時間撹拌し、N,N−ジメチルホルムアミドを真空下で除去した。残渣を酢酸エチル(400mL)中に溶解し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(2×100mL)および塩水(100mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過し、濾液を真空下で濃縮して、表題化合物を黄色がかった固体として80%収率で得た(5.60g):1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.39−7.17 (m, 2H), 7.01 (t, J=8.3 Hz, 2H), 5.78 (br s, 1H), 5.34 (br s, 2H), 4.50 (d, J=5.6 Hz, 2H), 2.47 (s, 3H); MS (ES+) m/z 266.2 (M+1)。
【0139】
製造法3
N−ベンジル−2−(4−ブロモブタナミド)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミドの製造
テトラヒドロフラン(40mL)中、4−ブロモ酪酸(0.94g、5.50mmol)および4−メチルモルホリン(0.70mL、6.20mmol)の溶液に、クロロギ酸イソブチル(0.75mL、5.60mmol)を0℃で添加した。得られた反応混合物を0℃で2時間撹拌し、次いで2−アミノ−N−ベンジル−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミド(1.24g、5.00mmol)を添加した。環境温度で14時間後、溶媒を真空下で除去し、残渣を酢酸エチル(200mL)中に溶解し、水および塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濾過した。濾液を濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を得た(1.80g、90%):1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.30−7.23 (m, 5H), 5.99 (s, 1H), 4.57−4.55 (m, 2H), 4.34−4.27 (m, 2H), 3.38−3.44 (m, 2H), 2.64−2.18 (m, 5H); MS (ES+) m/z 396.3 (M+1)および 398.3 (M+1)。
【0140】
製造法4
2−(4−ブロモブタナミド)−N−(4−フルオロベンジル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミドの製造
無水ジクロロメタン(100mL)中、4−ブロモブタン酸(4.40g、26.0mmol)の溶液に、N,N’−ジメチルホルムアミドを2滴添加し、次いで塩化オキサリル(4.99g、39.0mmol)を滴下した。反応物を環境温度で4時間撹拌した。溶媒を真空下で除去し、塩化4−ブロモブタノイル(4.87g、26.0mmol)を黄色油状物として得て、それをさらに精製することなく次工程に用いた。
【0141】
無水テトラヒドロフラン(250mL)中、2−アミノ−N−(4−フルオロベンジル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミド(5.60g、22.0mmol)およびトリエチルアミン(2.61g、26.0mmol)の溶液に、無水ジクロロメタン(10mL)中、塩化4−ブロモブタノイル(4.99g、26.0mmol)を0℃で滴下した。反応混合物を環境温度で2時間撹拌し、次いでジクロロメタン(200mL)で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(2×150mL)および塩水(150mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を真空下で濃縮して、表題化合物を黄色油状物として92%収率で得た(8.00g): 1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.61 (br s, 1H), 7.32−7.22 (m, 2H), 7.05−6.94 (m, 2H), 6.14 (t, J=5.6 Hz, 1H), 4.53 (d, J=5.6 Hz, 2H), 3.45 (t, J=6.7 Hz, 2H), 2.65 (t, J=6.7 Hz, 2H), 2.58 (s, 3H), 2.23 (quintet, J=6.7 Hz, 2H); MS (ES+) m/z 413.1 (M+1), 415.1 (M+1)。
【0142】
製造法5
3−(4−フルオロベンジル)ピロリジン−2−オンの製造
A.無水トルエン(20mL)中、ピロリジン−2−オン(1.00g、12.0mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸無水物(2.30mL、16.0mmol)を0℃で滴下した。反応混合物を環境温度で1時間撹拌し、真空下で濃縮した。残渣を真空下で無水トルエン(3×20mL)を用いて蒸発させて、1−(2,2,2−トリフルオロアセチル)ピロリジン−2−オンを透明油状物として得た(2.12g、99%):1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 3.85 (t, J=7.2 Hz, 2H), 2.61 (t, J=8.1 Hz, 2H), 2.22−2.04 (m, 2H)。
【0143】
B.無水テトラヒドロフラン(40mL)中、カリウムtert−ブトキシド(2.00g、18.0mmol)の懸濁液に、無水テトラヒドロフラン(5mL)中、1−(2,2,2−トリフルオロアセチル)−ピロリジン−2−オン(2.12g、12.0mmol)および4−フルオロベンズアルデヒド(1.24mL、12.0mmol)の混合物を0℃で滴下した。反応混合物を環境温度で2時間撹拌し、次いで1時間還流して、真空下で濃縮した。残渣に水(150mL)を添加した。白色の固体沈殿を濾過し、酢酸エチル(50mL)に再溶解し、次いで触媒量のパラジウム炭素(20%w/w)の存在下で、環境温度および大気圧下で3時間、水素化した。反応混合物をセライト栓を通して濾過した。濾液を真空下で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)により精製して、表題化合物を白色固体として得た(0.72g、35%):1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.20−7.09 (m, 2H), 7.00−6.90 (m, 2H), 6.42 (s, 1H), 3.31−3.07 (m, 3H), 2.71−2.54 (m, 2H), 2.19−2.03 (m, 1H), 1.89−1.69 (m, 1H); MS (ES+) m/z 194.1 (M+1)。
【0144】
製造法6
3−(4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピロリジン−2−オンの製造
製造法5に記載の方法に従い、4−フルオロベンズアルデヒドの代わりに4−(トリフルオロメトキシ)ベンズアルデヒドを用いて、1−(2,2,2−トリフルオロアセチル)ピロリジン−2−オンと反応させるために必要とされる改変を行い、表題化合物を白色固体として53%収率で得た:1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.24−7.06 (m, 4H), 3.71−3.50 (m, 2H), 3.34−3.02 (m, 3H), 2.19−2.00 (m, 1H), 1.83−1.70 (m, 1H); MS (ES+) m/z 260.1 (M+1)。
【0145】
製造法7
2−ブロモ−4−メチル−N−(ピリジン−3−イルメチル)チアゾール−5−カルボキサミドの製造
無水ジクロロメタン(80mL)中、2−ブロモ−4−メチルチアゾール−5−カルボン酸(2.25g、10.0mmol)および4−メチルモルホリン(1.25g、11.0mmol)の溶液に、イソブチルクロロギ酸(1.33mL、10.0mmol)を0℃で滴下した。環境温度で2時間撹拌後、反応混合物を0℃まで冷却し、ピリジン−3−イルメタンアミン(1.23g、12.0mmol)を滴下した。反応混合物を環境温度で4時間撹拌し、酢酸エチル(100mL)で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(50mL)および塩水(50mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)により精製し、表題化合物を黄色固体として得た(1.78g、56%):1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.51 (d, J=2.5 Hz, 2H), 7.67 (td, J=7.8, 1.9 Hz, 1H), 7.29−7.26 (m, 1H), 6.36 (br s, 1H), 4.56 (d, J=5.9 Hz, 2H), 2.63 (s, 3H); MS (ES+) m/z 312.1 (M+1), 314.1 (M+1)。
【0146】
製造法8
N−ベンジル−2−ブロモ−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミドの製造
製造法7に記載の方法に従い、ピリジン−3−イルメタンアミンの代わりにベンジルアミンを用いて、2−ブロモ−4−メチルチアゾール−5−カルボン酸と反応させるために必要とされる改変を行い、表題化を黄色固体として60%収率で得た:H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.41−7.26 (m, 5H), 5.99 (br s, 1H), 4.56 (d, J=5.7 Hz, 2H), 2.63 (s, 3H); MS (ES+) m/z 311.2 (M+1), 313.2 (M+1)。
【0147】
製造法9
N−ベンジル−2−(5−ブロモペンタンアミド)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミドの製造
無水ジクロロメタン(25.0mL)中、2−アミノ−N−ベンジル−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミド(1.29g、5.20mmol)およびトリエチルアミン(0.58g、5.72mmol)の混合物に、無水ジクロロメタン(10mL)中、塩化5−ブロモペンタノイル(1.141g、5.72mmol)を0℃で滴下した。反応混合物を環境温度で2時間撹拌し、次いでジクロロメタン(40mL)で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(2×50mL)および塩水(50mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を真空下で濃縮して、表題化合物を黄色油状物として得た(1.91g、92%):1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.81 (br s, 1H), 7.33−7.23 (m, 5H), 5.91 (s, 1H), 4.14 (d, J=5.6 Hz, 2H), 3.51 (t, J=6.7 Hz, 2H), 2.46 (s, 3H), 2.35 (t, J=6.7 Hz, 2H), 1.82 (m, 2H), 1.53 (m, 2H); MS (ES+) m/z 410.1 (M+1), 412.1 (M+1)。
【0148】
実施例1
N−ベンジル−4−メチル−2−(2−オキソピロリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミドの合成
【化8】


アセトン(50mL)および水(5mL)中、N−ベンジル−2−(4−ブロモブタナミド)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミド(1.80g、4.54mmol)の溶液に、炭酸カリウム(1.50g、10.8mmol)を環境温度で滴下した。得られた反応混合物を環境温度で2時間撹拌した。溶媒を真空下で除去し、残渣を水およびt−ブチルメチルエーテルで洗浄して、表題化合物を78%収率で得た(1.12g):mp 222−224℃;1H NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ 8.60 (t, J=6.0 Hz, 1H), 7.33−7.16 (m, 5H), 4.35 (d, J=6.0 Hz, 2H), 3.97 (t, J=7.2 Hz, 2H), 2.59 (t, J=7.8 Hz, 2H), 2.46 (s, 3H), 2.14−1.94 (m, 2H); MS (ES+) m/z 316.4 (M+1)。
【0149】
実施例1.1
N−(4−フルオロベンジル)−4−メチル−2−(2−オキソピロリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミドの合成
【化9】


実施例1に記載の方法に従い、N−ベンジル−2−(4−ブロモブタナミド)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミドの代わりに2−(4−ブロモブタナミド)−N−(4−フルオロベンジル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミドを用いるために必要な改変を行い、表題化合物を白色固体として85%収率で得た:1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 7.39−7.33 (m, 2H), 7.09−7.02 (m, 2H), 4.48 (s, 2H), 4.15−4.09 (m, 2H), 2.68 (t, J=8.1 Hz, 2H), 2.55 (s, 3H), 2.25 (m, 2H); MS (ES+) m/z 334.2 (M+1)。
【0150】
実施例1.2
N−ベンジル−4−メチル−2−(2−オキソピペリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミドの合成
【化10】


実施例1に記載の方法に従い、N−ベンジル−2−(4−ブロモブタナミド)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミドの代わりにN−ベンジル−2−(5−ブロモペンタnamido)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミドを用いるために必要な改変を行い、表題化合物を白色固体として35%収率で得た:mp 175−176℃;1H NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ 7.33−7.25 (m, 5H), 5.96 (s, 1H), 4.57 (d, J=5.6 Hz, 2H), 4.13 (t, J=6.0 Hz, 2H), 2.66 (t, J=6.8 Hz, 2H), 2.64 (s, 3H), 2.02−1.87 (m, 4H); 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 169.8, 162.7, 156.9, 152.0, 138.0, 128.8, 127.9, 127.6, 119.4, 48.0, 44.0, 32.7, 22.5, 20.2, 17.4;MS (ES+) m/z 330.6 (M+1)。
【0151】
実施例1.3
N−(3−フルオロベンジル)−4−メチル−2−(2−オキソピペリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミドの合成
【化11】


実施例1に記載の方法に従い、N−ベンジル−2−(4−ブロモブタナミド)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミドの代わりに2−(5−ブロモペンタンアミド)−N−(3−フルオロベンジル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミドを用いるために必要な改変を行い、表題化合物を白色固体として85%収率で得た: 1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.35−7.23 (m, 1H), 7.15−6.91 (m, 3H), 6.08 (t, J=5.6 Hz, 1H), 4.55 (d, J=5.6 Hz, 2H), 4.12 (t, J=6.0 Hz, 2H), 2.70−2.61 (m, 5H), 2.05−1.84 (m, 4H)。
【0152】
実施例2
N−(4−フルオロベンジル)−4−メチル−2−(2−オキソ−3−(4−(トリフルオロメチル)ベンジル)ピロリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミドの合成
【化12】


無水テトラヒドロフランおよび1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(8/1、v/v)の混合物中、N−(4−フルオロベンジル)−4−メチル−2−(2−オキソピロリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミド(0.13g、0.38mmol)の溶液に、−78℃で、テトラヒドロフラン(0.83mL、0.83mmol)中、リチウム ビス(トリメチルシリル)アミドを滴下した。反応混合物を−78℃で5分間撹拌し、次いで、1−(ブロモメチル)−4−(トリフルオロメチル)ベンゼン(0.058mL、0.38mmol)を滴下した。反応混合物を30分間で−30℃まで温めた。飽和塩化アンモニウム水溶液(10mL)を添加し、次いでジクロロメタンで抽出した(3×10mL)。合わせた有機溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン (1/1))により精製して、表題化合物を白色固体として得た(0.075g、41%):mp 175−176℃(ヘキサン/酢酸エチル); 1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.53 (d, J=7.9 Hz, 2H), 7.32−7.24 (m, 4H), 7.01 (t, J=8.9 Hz, 2H), 6.03 (t, J=5.6 Hz, 1H), 4.52 (d, J=5.6 Hz, 2H), 4.17−4.04 (m, 1H), 3.91−3.81 (m, 1H), 3.30 (dd, J=13.8, 4.3 Hz, 1H), 3.06−2.99 (m, 1H), 2.85 (dd, J=13.8, 8.9 Hz, 1H), 2.61 (s, 3H), 2.32−2.21 (m, 1H), 1.93−1.83 (m, 1H); 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 174.4, 162.3, 155.3, 152.8, 142.4, 133.8, 129.9, 129.6, 129.3, 125.6, 118.6, 115.7, 115.6, 45.9, 44.2, 43.4, 36.2, 24.4, 17.3; MS (ES+) m/z 492.3 (M+1)。
【0153】
実施例2.1
N−(4−フルオロベンジル)−2−(3−(4−フルオロベンジル)−2−オキソピロリジン−1−イル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミドの合成
【化13】


実施例2に記載の方法に従い、1−(ブロモメチル)−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンの代わりに1−(ブロモメチル)−4−フルオロベンゼンを用いて、N−(4−フルオロベンジル)−4−メチル−2−(2−オキソピロリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミドと反応させるのに必要な改変を行い、表題化合物を白色固体として36%収率で得た:mp 196−197℃(ヘキサン/酢酸エチル);1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.31−7.26 (m, 2H), 7.13 (dd, J=8.6, 5.6 Hz, 2H), 7.06−6.90 (m, 4H), 6.03 (t, J=5.6 Hz, 1H), 4.52 (d, J=5.6 Hz, 2H), 4.06−3.95 (m, 1H), 3.95−3.70 (m, 1H), 3.29−3.10 (m, 1H), 3.05−2.92 (m, 1H), 2.88−2.70 (m, 1H), 2.60 (s, 3H), 2.32−2.17 (m, 1H), 2.00−1.80 (m, 1H); 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 174.8, 176.3, 162.3, 161.8, 155.4, 152.9, 133.8, 133.7, 130.4, 129.6, 118.5, 115.7, 115.5, 45.9, 44.4, 43.4, 35.6, 24.2, 17.3; MS (ES+) m/z 442.2 (M+1)。
【0154】
実施例2.2
2−(3−(4−(ジフルオロメトキシ)ベンジル)−2−オキソピロリジン−1−イル)−N−(4−フルオロベンジル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミドの合成
【化14】


実施例2に記載の方法に従い、1−(ブロモメチル)−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンの代わりに1−(ブロモメチル)−4−(ジフルオロメトキシ)ベンゼンを用いて、N−(4−フルオロベンジル)−4−メチル−2−(2−オキソピロリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミドと反応させるのに必要な改変を行い、表題化合物を白色固体として31%収率で得た:mp 143−145℃(ヘキサン/酢酸エチル);1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.34−7.22 (m, 2H), 7.16 (d, J=8.4 Hz, 2H), 7.06−6.93 (m, 4H), 6.45 (t, J=73.9 Hz, 1H), 6.08 (t, J=5.6 Hz, 1H), 4.51 (d, J=5.6 Hz, 2H), 4.09−3.99 (m, 1H), 3.91−3.78 (m, 1H), 3.25−3.12 (m, 1H), 3.05−2.94 (m, 1H), 2.83−2.73 (m, 1H), 2.59 (s, 3H), 2.32−2.18 (m, 1H), 1.98−1.81 (m, 1H); 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 174.7, 162.3, 162.2, 160.6, 155.4, 152.7, 149.9, 135.4, 133.8, 130.3, 129.6, 119.8, 115.6, 112.4, 45.9, 44.3, 43.3, 35.6, 24.2, 17.2; MS (ES+) m/z 490.3 (M+1)。
【0155】
実施例2.3
N−(4−フルオロベンジル)−4−メチル−2−(2−オキソ−3−(4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピロリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミドの合成
【化15】


実施例2に記載の方法に従い、1−(ブロモメチル)−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンの代わりに1−(ブロモメチル)−4−(トリフルオロメトキシ)ベンゼンを用いてN−(4−フルオロベンジル)−4−メチル−2−(2−オキソピロリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミドと反応させるのに必要な改変を行い、表題化合物を白色固体として26%収率で得た:mp 165−166℃(ヘキサン/酢酸エチル);1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.34−7.16 (m, 4H), 7.12 (d, J=8.6 Hz, 2H), 7.01 (t, J=8.6 Hz, 2H), 6.02 (t, J=5.6 Hz, 1H), 4.52 (d, J=5.6 Hz, 2H), 4.09−4.02 (m, 1H), 3.93−3.79 (m, 1H), 3.29−3.20 (m, 1H), 3.05−2.95 (m, 1H), 2.85−2.75 (m, 1H), 2.60 (s, 3H), 2.35−2.19 (m, 1H), 1.99−1.81 (m, 1H); 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 174.6, 162.3, 155.4, 152.8, 148.1, 136.9, 133.7, 131.6, 130.3, 129.6, 121.2, 118.6, 115.7, 45.9, 44.3, 43.4, 35.7, 24.3, 17.2; MS (ES+) m/z 508.3 (M+1)。
【0156】
実施例2.4
N−ベンジル−4−メチル−2−(2−オキソ−3−(4−(トリフルオロメチル)ベンジル)ピロリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミドの合成
【化16】


実施例2に記載の方法に従い、N−(4−フルオロベンジル)−4−メチル−2−(2−オキソピロリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミドの代わりにN−ベンジル−4−メチル−2−(2−オキソピロリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミドを用いて1−(ブロモメチル)−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンと反応させるのに必要な改変を行い、表題化合物を白色固体として27%収率で得た:mp 174−175℃(ヘキサン/酢酸エチル);1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.54 (d, J=8.0 Hz, 2H), 7.39−7.20 (m, 7H), 6.01 (t, J=5.6 Hz, 1H), 4.57 (d, J=5.6 Hz, 2H), 4.14−4.02 (m, 1H), 3.93−3.79 (m, 1H), 3.35−3.24 (m, 1H), 3.09−2.96 (m 1H), 2.90−2.80 (m, 1H), 2.61 (s, 3H), 2.34−2.19 (m, 1H), 1.95−1.81 (m, 1H); 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 174.4, 162.3, 155.3, 152.6, 142.4, 137.8, 129.3, 128.8, 127.9, 127.7, 125.7, 125.6, 125.5, 118.8, 45.9, 44.2, 44.1, 36.2, 24.4, 17.2; MS (ES+) m/z 474.1 (M+1)。
【0157】
実施例2.5
N−ベンジル−2−(3−(4−(ジフルオロメトキシ)ベンジル)−2−オキソピロリジン−1−イル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミドの合成
【化17】


実施例2に記載の方法に従い、N−(4−フルオロベンジル)−4−メチル−2−(2−オキソピロリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミドの代わりにN−ベンジル−4−メチル−2−(2−オキソピロリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミドを用いて、1−(ブロモメチル)−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンの代わりに1−(ブロモメチル)−4−(ジフルオロメトキシ)ベンゼンと反応させるために必要な改変を行い、表題化合物を白色固体として27%収率で得た:mp 132−133℃(ヘキサン/酢酸エチル);1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.41−7.24 (m, 5H), 7.18 (d, J=8.2 Hz, 2H), 7.03 (d, J=8.2 Hz, 2H), 6.46 (dt, J=73.9, 1.0 Hz, 1H), 5.94 (t, J=5.5 Hz, 1H), 4.57 (d, J=5.5 Hz, 2H), 4.11−3.98 (m, 1H), 3.93−3.81 (m, 1H), 3.28−3.16 (m, 1H), 3.08−2.93 (m, 1H), 2.80 (dd, J=13.7, 8.8 Hz, 1H), 2.62 (s, 3H), 2.33−2.19 (m, 1H), 1.99−1.84 (m, 1H); 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 174.6, 162.3, 155.3, 152.7, 137.8, 135.4, 130.3, 128.8, 127.9, 127.7, 119.9, 119.5, 118.7, 115.9, 45.9, 44.4, 44.1, 35.6, 24.2, 17.3; MS (ES+) m/z 472.3 (M+1)。
【0158】
実施例2.6
N−ベンジル−4−メチル−2−(2−オキソ−3−(4−(トリフルオロメチル)ベンジル)ピペリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミドの合成
【化18】


実施例2に記載の方法に従い、N−(4−フルオロベンジル)−4−メチル−2−(2−オキソピロリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミドの代わりにN−ベンジル−4−メチル−2−(2−オキソピペリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミドを用いて、1−(ブロモメチル)−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンと反応させるのに必要な改変を行い、表題化合物を白色固体として47%収率で得た:mp 217−218℃(ヘキサン/酢酸エチル);1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.53 (d, J=8.1 Hz, 2H), 7.38−7.21 (m, 7H), 6.02 (t, J=5.6 Hz, 1H), 4.57 (d, J=5.6 Hz, 2H), 4.35−4.24 (m, 1H), 3.98−3.89 (m, 1H), 3.49−3.41 (m, 1H), 2.93−2.74 (m, 2H), 2.63 (s, 3H), 2.12−1.68 (m, 3H), 1.62−1.42 (m, 1H); 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 171.6, 162.6, 156.9, 152.1, 143.2, 137.9, 129.6, 128.8, 127.9, 127.7, 125.9, 125.5, 125.4, 119.9, 47.9, 44.1, 43.9, 37.3, 24.9, 21.3, 17.4; MS (ES+) m/z 488.1 (M+1)。
【0159】
実施例2.7
N−ベンジル−4−メチル−2−(3−(4−メチルベンジル)−2−オキソピペリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミドの合成
【化19】


実施例2に記載の方法に従い、N−(4−フルオロベンジル)−4−メチル−2−(2−オキソピロリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミドの代わりにN−ベンジル−4−メチル−2−(2−オキソピペリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミドを用いて、1−(ブロモメチル)−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンの代わりに1−(ブロモメチル)−4−メチルベンゼンと反応させるために必要な改変を行い、表題化合物を白色固体として53%収率で得た:mp 110−113℃(ヘキサン/酢酸エチル);1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.37−7.22 (m, 5H), 7.12−6.99 (m, 4H), 6.09 (t, J=5.6 Hz, 1H), 4.56 (d, J=5.6 Hz, 2H), 4.28−4.19 (m, 1H), 3.99−3.86 (m, 1H), 3.43−3.29 (m, 1H), 2.82−2.66 (m, 2H), 2.63 (s, 3H), 2.29 (s, 3H), 2.06−1.69 (m, 3H), 1.61−1.43 (m, 1H); 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 172.2, 162.7, 157.0, 152.1, 138.0, 136.1, 135.8, 129.2, 129.1, 128.8, 127.9, 127.6, 119.4, 48.1, 44.2, 44.0, 37.1, 24.8, 21.2, 21.1, 17.4; MS (ES+) m/z 434.3 (M+1)。
【0160】
実施例2.8
N−ベンジル−2−(3−(3−フルオロベンジル)−2−オキソピペリジン−1−イル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミドの合成
【化20】


実施例2に記載の方法に従い、N−(4−フルオロベンジル)−4−メチル−2−(2−オキソピロリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミドの代わりにN−ベンジル−4−メチル−2−(2−オキソピペリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミドを用いて、1−(ブロモメチル)−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンの代わりに1−(ブロモメチル)−3−フルオロベンゼンと反応させるのに必要な改変を行い、表題化合物を白色固体として89%収率で得た:mp 170−171℃(ヘキサン/酢酸エチル);1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.39−7.17 (m, 6H), 6.99−6.89 (m, 3H), 6.01 (t, J=5.5 Hz, 1H), 4.57 (d, J=5.5 Hz, 2H), 4.33−4.21 (m, 1H), 3.99−3.89 (m, 1H), 3.45−3.36 (m, 1H), 3.86−3.27 (m, 2H), 2.63 (s, 3H), 2.10−1.96 (m, 1H), 1.94−1.73 (m, 2H), 1.61−1.43 (m, 1H); 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 171.8, 162.9, 162.6, 156.9, 152.1, 141.6, 137.9, 130.1, 128.8, 127.9, 127.7, 124.9, 119.5, 114.9, 114.6, 113.6, 48.0, 44.0, 37.3, 24.9, 21.3, 17.4; MS (ES+) m/z 438.2 (M+1)。
【0161】
実施例2.9
N−ベンジル−2−(3−(4−メトキシベンジル)−2−オキソピペリジン−1−イル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミドの合成
【化21】


実施例2に記載の方法に従い、N−(4−フルオロベンジル)−4−メチル−2−(2−オキソピロリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミドの代わりにN−ベンジル−4−メチル−2−(2−オキソピペリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミドを用いて、1−(ブロモメチル)−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンの代わりに1−(ブロモメチル)−4−メトキシベンゼンと反応させるのに必要な改変を行い、表題化合物を白色固体として28%収率で得た:mp 116−118℃(ヘキサン/酢酸エチル);1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.39−7.23 (m, 5H), 7.08 (d, J=8.5 Hz, 2H), 6.80 (d, J=8.5 Hz, 2H), 6.00 (t, J=5.6 Hz, 1H), 4.57 (d, J=5.6 Hz, 2H), 4.29−4.20 (m, 1H), 3.97−3.88 (m, 1H), 3.76 (s, 3H), 3.37−3.27 (m, 1H), 2.82−2.67 (m, 2H), 2.63 (s, 3H), 2.08−1.93 (m, 1H), 1.92−1.71 (m, 2H), 1.62−1.44 (m, 1H); 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 166.3, 156.7, 152.3, 151.1, 146.2, 131.9, 124.9, 124.2, 122.9, 121.9, 121.7, 113.4, 107.9, 49.3, 42.2, 38.3, 38.1, 30.7, 18.8, 15.3, 11.4; MS (ES+) m/z 450.2 (M+1)。
【0162】
実施例2.10
N−ベンジル−2−(3−(2,5−ジフルオロベンジル)−2−オキソピペリジン−1−イル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミドの合成
【化22】


実施例2に記載の方法に従い、N−(4−フルオロベンジル)−4−メチル−2−(2−オキソピロリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミドの代わりにN−ベンジル−4−メチル−2−(2−オキソピペリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミドを用いて、1−(ブロモメチル)−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンの代わりに2−(ブロモメチル)−1,4−ジフルオロベンゼンと反応させるのに必要な改変を行い、表題化合物を白色固体として32%収率で得た:mp 144−145℃(ヘキサン/酢酸エチル);1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.37−7.22 (m, 5H), 7.02−6.81 (m, 3H), 6.01 (t, J=5.6 Hz, 1H), 4.56 (d, J=5.6 Hz, 2H), 4.32−4.20 (m, 1H), 4.03−3.94 (m, 1H), 3.47−3.37 (m, 1H), 2.90−2.73 (m, 2H), 2.63 (s, 3H), 2.12−1.98 (m, 1H), 1.96−1.75 (m, 2H), 1.64−1.45 (m, 1H); 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 171.5, 162.6, 160.2, 158.6, 157.3, 156.9, 152.2, 137.9, 128.8, 127.9, 127.5, 119.6, 117.7, 116.3, 114.7, 47.9, 44.1, 43.0, 30.6, 24.9, 21.3, 17.3; MS (ES+) m/z 456.2 (M+1)。
【0163】
実施例2.11
N−ベンジル−2−(3−ベンジル−2−オキソピペリジン−1−イル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミドの合成
【化23】


実施例2に記載の方法の従い、N−(4−フルオロベンジル)−4−メチル−2−(2−オキソピロリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミドの代わりにN−ベンジル−4−メチル−2−(2−オキソピペリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミドを用いて、1−(ブロモメチル)−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンの代わりに(ブロモメチル)ベンゼンと反応させるために必要な改変を行い、表題化合物を白色固体として26%収率で得た:mp 162−164℃(ヘキサン/酢酸エチル);1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.39−7.32 (m, 10H), 6.01 (br s, 1H), 4.57 (d, J=5.3 Hz, 2H), 4.32−4.18 (m, 1H), 4.02−3.88 (m, 1H), 3.47−3.38 (m, 1H), 2.87−2.69 (m, 2H), 2.64 (s, 3H), 2.07−1.45 (m, 4H); 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 172.2, 162.7, 157.0, 152.2, 138.9, 137.9, 129.2, 128.8, 128.6, 127.9, 127.7, 126.5, 119.4, 48.1, 44.1, 44.0, 37.6, 24.8, 21.2, 17.4; MS (ES+) m/z 420.5 (M+1)。
【0164】
実施例2.12
N−ベンジル−2−(3−(4−フルオロベンジル)−2−オキソピペリジン−1−イル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミドの合成
【化24】


実施例2に記載の方法に従い、N−(4−フルオロベンジル)−4−メチル−2−(2−オキソピロリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミドの代わりにN−ベンジル−4−メチル−2−(2−オキソピペリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミドを用いて、1−(ブロモメチル)−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンの代わりに1−(ブロモメチル)−4−フルオロベンゼンと反応させるのに必要な改変を行い、表題化合物を白色固体として61%収率で得た:mp 154−155℃(ヘキサン/酢酸エチル);1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.34−7.21 (m, 5H), 7.12−7.07 (m, 2H), 6.99−6.88 (m, 2H), 6.16 (t, J=5.6 Hz, 1H), 4.55 (d, J=5.6 Hz, 2H), 4.29−4.16 (m, 1H), 3.97−3.82 (m, 1H), 3.39−3.25 (m, 1H), 2.82−2.66 (m, 2H), 2.61 (s, 3H), 2.06−1.91 (m, 1H), 1.89−1.69 (m, 2H), 1.57−1.41 (m, 1H); 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 171.9, 162.7, 161.6, 156.9, 151.9, 138.0, 134.6, 130.6, 128.8, 127.9, 127.6, 119.6, 115.3, 48.0, 44.1, 44.0, 36.7, 24.8, 21.2, 17.4; MS (ES+) m/z 438.2 (M+1)。
【0165】
実施例2.13
N−(3−フルオロベンジル)−2−(3−(4−フルオロベンジル)−2−オキソピペリジン−1−イル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミドの合成
【化25】


実施例2に記載の方法に従い、N−(4−フルオロベンジル)−4−メチル−2−(2−オキソピロリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミドの代わりにN−(3−フルオロベンジル)−4−メチル−2−(2−オキソピペリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミドを用いて、1−(ブロモメチル)−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンの代わりに1−(ブロモメチル)−4−フルオロベンゼンと反応させるのに必要な改変を行い、表題化合物を白色固体として46%収率で得た:mp 173−175℃(ヘキサン/酢酸エチル);1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.31−7.24 (m, 1H), 7.15−6.88 (m, 7H), 6.12 (t, J=5.6 Hz, 1H), 4.55 (d, J=5.6 Hz, 2H), 4.29−4.21 (m, 1H), 3.98−3.86 (m, 1H), 3.40−3.27 (m, 1H), 2.86−2.69 (m, 2H), 2.62 (s, 3H), 2.08−1.95 (m, 1H), 1.93−1.73 (m, 2H), 1.61−1.44 (m, 1H); 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 171.9, 162.9, 162.6, 161.6, 156.9, 152.4, 140.6, 134.5, 130.5, 130.2, 123.2, 119.1, 115.3, 114.6, 114.4, 47.9, 44.1, 43.4, 36.6, 24.8, 21.2, 17.3; MS (ES+) m/z 456.3 (M+1)。
【0166】
実施例2.14
N−(3−フルオロベンジル)−4−メチル−2−(2−オキソ−3−(4−(トリフルオロメチル)ベンジル)ピペリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミドの合成
【化26】


実施例2に記載の方法に従い、N−(4−フルオロベンジル)−4−メチル−2−(2−オキソピロリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミドの代わりにN−(3−フルオロベンジル)−4−メチル−2−(2−オキソピペリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミドを用いて、1−(ブロモメチル)−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンと反応させる必要な改変を行い、表題化合物を白色固体として41%収率で得た:mp 177−178℃(ヘキサン/酢酸エチル);1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.52 (d, J=8.1 Hz, 2H), 7.30−7.27 (m, 3H), 7.10−6.92 (m, 3H), 6.11 (t, J=5.6 Hz, 1H), 4.56 (d, J=5.6 Hz, 2H), 4.33−4.21 (m, 1H), 4.00−3.88 (m, 1H), 3.53−3.56 (m, 1H), 2.94−2.73 (m, 2H), 2.62 (s, 3H), 2.11−1.95 (m, 1H), 1.94−1.75 (m, 2H), 1.62−1.43 (m, 1H); 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 171.7, 162.9, 162.7, 156.9, 152.4, 143.2, 140.6, 130.3, 129.6, 128.9, 125.9, 125.5, 125.4, 123.3, 122.4, 119.3, 114.7, 114.5, 48.0, 43.9, 43.3, 37.3, 24.9, 21.3, 17.4; MS (ES+) m/z 506.3 (M+1)。
【0167】
実施例3
2−(3−(シクロプロピルメチル)−2−オキソピロリジン−1−イル)−N−(4−フルオロベンジル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミドの合成
【化27】


無水テトラヒドロフランおよび1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(8/1、v/v)の混合物中、N−(4−フルオロベンジル)−4−メチル−2−(2−オキソピロリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミド(0.13g、0.38mmol)の溶液に、−78℃にて、テトラヒドロフラン(0.83mL、0.83mmol)中、リチウム ビス(トリメチルシリル)アミドを滴下した。反応混合物を−78℃で5分間撹拌し、次いでシクロプロパンカルボアルデヒド(0.028mL、0.38mmol)を滴下した。反応混合物を環境温度まで温め、3時間後に飽和塩化アンモニウム水溶液(10mL)を添加した。混合物をジクロロメタンで抽出した(3×10mL)。合わせた有機溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣を酢酸エチル中に溶解し、触媒量のPd/C(20%w/w)の存在下で環境温度および大気圧下で1時間、水素化した。反応混合物をセライト栓を通して濾過し、濾液を真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン(1/1))により精製して、表題化合物を白色固体として得た(0.025g、17%):mp 153−155℃(ヘキサン/酢酸エチル);1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.34−7.23 (m, 2H), 7.01 (t, J=8.6 Hz, 2H), 5.95 (t, J=5.6 Hz, 1H), 4.52 (d, J=5.6 Hz, 2H), 4.23−4.14 (m, 1H), 3.99−3.90 (m, 1H), 2.87−2.78 (m, 1H), 2.62 (s, 3H), 2.53−2.42 (m, 1H), 2.08−1.94 (m, 1H), 1.79−1.69 (m, 1H), 1.52−1.42 (m, 1H), 0.84−0.69 (m, 1H), 0.53−0.39 (m, 2H), 0.16−0.03 (m, 2H); 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 175.9, 162.4, 162.3, 155.5, 152.9, 133.7, 129.6, 118.2, 115.7, 46.2, 43.3, 35.5, 24.9, 17.3, 8.6, 4.8, 4.3; MS (ES+) m/z 388.2 (M+1)。
【0168】
実施例3.1
N−ベンジル−4−メチル−2−(2−オキソ−3−フェネチルピペリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミドの合成
【化28】


実施例3に記載の方法に従い、シクロプロパンカルボアルデヒドの代わりに2−フェニルアセトアルデヒドを用いて、N−(4−フルオロベンジル)−4−メチル−2−(2−オキソピロリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミドの代わりにN−ベンジル−4−メチル−2−(2−オキソピペリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミドと反応させるのに必要な改変を行い、表題化合物を白色固体として24%収率で得た:mp 124−126℃(ヘキサン/酢酸エチル);1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.46−7.09 (m, 10H), 5.98 (t, J=5.4 Hz, 1H), 4.55 (d, J=5.4 Hz, 2H), 4.29−4.20 (m, 1H), 4.07−4.04 (m, 1H), 2.83−2.66 (m, 2H), 2.64 (s, 3H), 2.61−2.48 (m, 1H), 2.41−2.26 (m, 1H), 2.17−2.01 (m, 2H), 1.96−1.76 (m, 2H), 1.74−1.58 (m, 1H); 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 172.8, 162.7, 156.9, 152.2, 141.3, 137.9, 128.8, 128.5, 128.4, 127.9, 127.6, 126.1, 119.1, 47.9, 44.1, 41.4, 33.3, 33.0, 25.7, 21.3, 17.4; MS (ES+) m/z 434.1 (M+1)。
【0169】
実施例3.2
N−ベンジル−4−メチル−2−(2−オキソ−3−(3−フェニルプロピル)ピペリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミドの合成
【化29】


実施例3に記載の方法に従い、シクロプロパンカルボアルデヒドの代わりに3−フェニルプロパナールを用いて、N−(4−フルオロベンジル)−4−メチル−2−(2−オキソピロリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミドの代わりにN−ベンジル−4−メチル−2−(2−オキソピペリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミドと反応させるために必要な改変を行い、表題化合物を白色固体として10%収率で得た:mp 140−141℃(ヘキサン/酢酸エチル);1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.37−7.10 (m, 10H), 5.98 (t, J=4.7 Hz, 1H), 4.55 (d, J=5.3 Hz, 2H), 4.31−4.19 (m, 1H), 4.04−3.91 (m, 1H), 2.69−2.47 (m, 6H), 2.11−1.78 (m, 4H), 1.76−1.53 (m, 4H); 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 172.8, 162.7, 157.0, 152.2, 142.0, 137.9, 128.8, 128.4, 128.3, 127.9, 127.6, 125.9, 119.2, 47.9, 44.1, 42.2, 35.9, 31.4, 28.9, 25.5, 21.3, 17.4; MS (ES+) m/z 448.21 (M+1)。
【0170】
実施例4
2−(3−ブロモ−2−オキソピロリジン−1−イル)−N−(4−フルオロベンジル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミドの合成
【化30】


無水テトラヒドロフラン(25mL)中、N−(4−フルオロベンジル)−4−メチル−2−(2−オキソピロリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミド(0.35g、1.05mmol)の溶液に、−78℃で、テトラヒドロフラン(2.31mL、2.31mmol)中、リチウム ビス(トリメチルシリル)アミドを滴下した。反応混合物を−78℃で5分間撹拌し、次いでN−ブロモスクシンイミド(0.19g、1.05mmol)を滴下した。反応混合物を−78℃で10分間撹拌し、飽和塩化アンモニウム水溶液(10mL)でクエンチし、ジクロロメタンで抽出した(3×10mL)。合わせた有機溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーにより酢酸エチル/ヘキサン(1/1)で溶出して精製し、表題化合物を白色固体として得た(0.22g、51%):1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.34−7.24 (m, 2H), 7.07−6.97 (m, 2H), 5.98 (b s, 1H), 4.66−4.59 (m, 1H), 4.58 (d, J=5.8 Hz, 2H), 4.30−4.14 (m, 2H), 2.86−2.69 (m, 1H), 2.64 (s, 3H), 2.56−2.45 (m, 1H); MS (ES+) m/z 412 (M+1), 414 (M+1)。
【0171】
実施例4.1
N−ベンジル−2−(3−ブロモ−2−オキソピペリジン−1−イル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミドの合成
【化31】


実施例4に記載の方法に従い、N−(4−フルオロベンジル)−4−メチル−2−(2−オキソピロリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミドの代わりにN−ベンジル−4−メチル−2−(2−オキソピペリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミドを用いて、N−ブロモスクシンイミドと反応させるのに必要な改変を行い、表題化合物を黄色油状物として56%収率で得た:MS (ES+) m/z 408.2 (M+1), 410.2 (M+1)。
【0172】
実施例5
2−(3−(2−シクロプロピルエチルアミノ)−2−オキソピロリジン−1−イル)−N−(4−フルオロベンジル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミドの合成
【化32】


テトラヒドロフランおよび水(1/0.1、v/v)の混合物中、2−(3−ブロモ−2−オキソピロリジン−1−イル)−N−(4−フルオロベンジル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミド(0.050g、0.12mmol)の溶液に、炭酸カリウム(0.034g、0.24mmol)および2−シクロプロピルエタンアミン(0.012g、0.15mmol)を添加した。反応混合物を環境温度で17時間撹拌し、真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン(3/1))により精製し、表題化合物を白色固体として得た(0.030g、60%):mp 151−152℃(ヘキサン/酢酸エチル);1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.32−7.22 (m, 2H), 7.05−6.96 (m, 2H), 6.01 (t, J=5.6 Hz, 1H), 4.51 (d, J=5.6 Hz, 2H), 4.27−4.17 (m, 1H), 3.93−3.81 (m, 1H), 3.76−3.66 (m, 1H), 2.88−2.67 (m, 2H), 2.61 (s, 3H), 2.58−2.44 (m, 1H), 2.10−1.91 (m, 1H), 1.52−1.29 (m, 2H), 0.75−0.59 (m, 1H), 0.49−0.37 (m, 2H), 0.08−0.01 (m, 2H); 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 173.6, 162.3, 162.2, 155.2, 152.9, 133.7, 129.6, 118.6, 115.6, 59.5, 47.9, 44.9, 43.4, 35.0, 26.9, 17.3, 8.8, 4.4, 4.2; MS (ES+) m/z 417.3 (M+1)。
【0173】
実施例5.1
N−(4−フルオロベンジル)−2−(3−(4−フルオロベンジルアミノ)−2−オキソピロリジン−1−イル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミドの合成
【化33】


実施例5に記載の方法に従い、2−シクロプロピルエタンアミンの代わりに(4−フルオロフェニル)メタンアミンを用いて、2−(3−ブロモ−2−オキソピロリジン−1−イル)−N−(4−フルオロベンジル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミドと反応させるために必要な改変を行い、表題化合物を白色固体として85%収率で得た:mp 123−124℃(ヘキサン/酢酸エチル);1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.35−7.21 (m, 4H), 7.06−6.92 (m, 4H), 6.07 (t, J=5.6 Hz, 1H), 4.50 (d, J=5.6 Hz, 2H), 4.20 (t, J=5.6 Hz, 1H), 3.97−3.76 (m, 3H), 3.68 (t, J=8.6 Hz, 1H), 2.60 (s, 3H), 2.53−2.37 (m, 1H), 2.11−1.89 (m, 2H); 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 173.6, 162.3, 162.2, 162.1, 155.2, 152.8, 135.0, 133.7, 129.8, 129.6, 118.8, 115.6, 115.4, 58.5, 51.0, 44.8, 43.3, 27.1, 17.3; MS (ES+) m/z 457.3 (M+1)。
【0174】
実施例5.2
N−(4−フルオロベンジル)−4−メチル−2−(2−オキソ−3−(3,3,3−トリフルオロプロピルアミノ)ピロリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミドの合成
【化34】


実施例5に記載の方法に従い、2−シクロプロピルエタンアミンの代わりに3,3,3−トリフルオロプロパン−1−アミンを用いて、2−(3−ブロモ−2−オキソピロリジン−1−イル)−N−(4−フルオロベンジル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミドと反応させるのに必要な改変を行い、表題化合物を白色固体として19%収率で得た:mp 142−143℃(ヘキサン/酢酸エチル);1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.35 (m, 2H), 7.07−6.93 (m, 2H), 6.00 (br s, 1H), 4.51 (d, J=5.4 Hz, 2H), 4.29−4.16 (m, 1H), 3.65−3.81 (m, 1H), 3.76−3.64 (m, 1H), 3.15−3.02 (m, 1H), 2.98−2.85 (m, 1H), 2.61 (s, 3H), 2.60−2.48 (m, 1H), 2.43−2.22 (m, 2H), 2.08−1.89 (m, 1H), 1.79 (br s, 1H); MS (ES+) m/z 445.3 (M+1)。
【0175】
実施例5.3
N−ベンジル−4−メチル−2−(2−オキソ−3−(4−(トリフルオロメチル)ベンジルアミノ)ピペリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミドの合成
【化35】


実施例5に記載の方法に従い、2−シクロプロピルエタンアミンの代わりに(4−(トリフルオロメチル)フェニル)メタンアミンを用いて、2−(3−ブロモ−2−オキソピロリジン−1−イル)−N−(4−フルオロベンジル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミドの代わりにN−ベンジル−2−(3−ブロモ−2−オキソピペリジン−1−イル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミドと反応させるのに必要な改変を行い、表題化合物を白色固体として20%収率で得た:mp 39−40℃(ジエチルエーテル);1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.55 (d, J=8.1 Hz, 2H), 7.45 (d, J=8.1 Hz, 2H), 7.39−7.21 (m, 5H), 6.03 (t, J=5.6 Hz, 1H), 4.55 (d, J=5.6 Hz, 2H), 4.32−4.21 (m, 1H), 4.06−3.96 (m, 1H), 3.93 (s, 2H), 3.50−3.39 (m, 1H), 2.62 (s, 3H), 2.30−2.05 (m, 2H), 1.99−1.83 (m, 2H), 1.81−1.66 (m, 1H); 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 171.4, 162.5, 156.6, 152.0, 143.8, 137.9, 129.4, 128.8, 128.3, 127.9, 127.7, 125.5, 125.4, 119.7, 57.9, 50.9, 47.5, 44.1, 26.5, 20.4, 17.4; MS (ES+) m/z 503.3 (M+1)。
【0176】
実施例5.4
N−ベンジル−2−(3−(シクロプロピルメチルアミノ)−2−オキソピペリジン−1−イル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミドの合成
【化36】


実施例5に記載の方法に従い、2−シクロプロピルエタンアミンの代わりにシクロプロピルメタンアミンを用いて、2−(3−ブロモ−2−オキソピロリジン−1−イル)−N−(4−フルオロベンジル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミドの代わりにN−ベンジル−2−(3−ブロモ−2−オキソピペリジン−1−イル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミドと反応させるのに必要な改変を行い、表題化合物を白色固体として69%収率で得た:mp 125−126℃(ジエチルエーテル);1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.38−7.29 (m, 5H), 5.95 (t, J=5.5 Hz, 1H), 4.56 (d, J=5.5 Hz, 2H), 4.37−4.26 (m, 1H), 4.04−3.91 (m, 1H), 3.54−3.45 (m, 1H), 2.63 (s, 3H), 2.59−2.44 (m, 2H), 2.31−1.82 (m, 4H), 1.81−1.68 (m, 1H), 1.01−0.89 (m, 1H), 0.57−0.41 (m, 2H), 0.23−0.08 (m, 2H); 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 171.5, 162.5, 156.7, 152.2, 137.9, 128.8, 127.9, 127.7, 119.6, 58.5, 52.5, 47.6, 44.1, 26.4, 20.5, 17.4, 11.2, 3.6, 3.3; MS (ES+) m/z 399.3 (M+1)。
【0177】
実施例6
N−ベンジル−2−(4−ベンジル−2−オキソピロリジン−1−イル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミドの合成
【化37】


無水トルエン(3mL)中、4−ベンジルピロリジン−2−オン(0.068g、0.39mmol)、N−ベンジル−2−ブロモ−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミド(0.10g、0.32mmol)、炭酸セシウム(0.16g、0.48mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.006g、0.060mmol)およびxantphos(0.008g、0.013mmol)の混合物を、120℃で15分間、マイクロ波照射した。反応混合物を真空下で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン(1/1))により精製して、表題化合物を白色固体として得た(0.017g、13%):mp 143−144℃(ヘキサン/酢酸エチル);1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.38−7.11 (m, 10H), 5.91 (br s, 1H), 4.56 (d, J=5.5 Hz, 2H), 4.25−4.13 (m, 1H), 3.85−3.72 (m, 1H), 2.95−2.68 (m, 4H), 2.61 (s, 3H), 2.52−2.39 (m, 1H); 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 173.0, 162.3, 155.3, 152.6, 138.2, 137.9, 128.8, 128.7, 127.9, 127.6, 126.8, 118.6, 52.6, 44.0, 40.1, 37.7, 33.4, 17.2; MS (ES+) m/z 406.3 (M+1)。
【0178】
実施例7
(S)−N−ベンジル−2−(4−ヒドロキシ−2−オキソピロリジン−1−イル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミドの合成
【化38】


A.無水ジクロロメタン(40mL)中、(S)−4−ヒドロキシピロリジン−2−オン(1.00g、9.89mmol)の溶液に、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(1.35mL、14.84mmol)およびピリジニウム p−トルエンスルホン酸(0.25g、0.99mmol)を添加した。反応混合物を環境温度で18時間撹拌し、ジエチルエーテル(100mL)で希釈し、塩水(25mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、(4S)−4−(2−オキソテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ピロリジン−2−オンを透明な油状物として得た(1.20g、61%):1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 6.60 (br s, 1H), 4.98−4.57 (m, 1H), 4.57−4.46 (m, 1H), 3.89−3.70 (m, 1H), 3.68−3.22 (m, 3H), 2.69−2.22 (m, 2H), 1.89−1.50 (m, 6H)。
【0179】
B.無水トルエン(3mL)中、(4S)−4−(2−オキソテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ピロリジン−2−オン(0.036g、0.19mmol)、N−ベンジル−2−ブロモ−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミド(0.050g、0.16mmol)、炭酸セシウム(0.079g、0.24mmol)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン]ジクロロパラジウム(II)とジクロロメタン(1:1)の複合体(0.003g、0.003mmol)およびxantphos(0.004g、0.006mmol)の混合物を、80℃で20分間、マイクロ波照射した。反応混合物を酢酸エチル(10mL)で希釈し、水(4mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をエタノール中に溶解し、触媒量のピリジニウム p−トルエンスルホン酸を溶液に添加した。反応混合物を50℃で6時間加熱し、真空下で濃縮した。残渣をジクロロメタン(15mL)中に溶解し、水(5mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。得られた白色固体をジエチルエーテル(25mL)で洗浄し、空気中で乾燥させて、表題化合物を得た(0.028g、53%):mp 203−204℃(ジエチルエーテル);1H NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ 8.60 (t, J=6.0 Hz, 1H), 7.33−7.17 (m, 5H), 5.46 (d, J=3.8 Hz, 1H), 4.47−4.41 (m, 1H), 4.35 (d, J=6.0 Hz, 2H), 4.12−4.04 (m, 1H), 3.93−3.85 (m, 1H), 3.00−2.90 (m, 1H), 2.48 (s, 3H), 2.42−2.33 (m, 1H); 13C NMR (75 MHz, DMSO−d6) δ 173.3, 162.1, 155.9, 140.0, 128.7, 127.7, 127.2, 119.4, 63.6, 57.0, 43.1, 41.7, 17.5; MS (ES+) m/z 332.2 (M+1)。
【0180】
実施例7.1
(R)−N−ベンジル−2−(4−ヒドロキシ−2−オキソピロリジン−1−イル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミドの合成
【化39】


実施例7に記載の方法に従い、(S)−4−ヒドロキシピロリジン−2−オンの代わりに(R)−4−ヒドロキシピロリジン−2−オンを用いるために必要な改変を行い、表題化合物を白色固体として53%収率で得た:mp 203−204℃(ジエチルエーテル);1H NMR (300 MHz, DMSO−d6) δ 8.60 (t, J=6.0 Hz, 1H), 7.33−7.17 (m, 5H), 5.46 (d, J=6.0 Hz, 1H), 4.48−4.40 (m, 1H), 4.35 (d, J=6.0 Hz, 2H), 4.12−4.04 (m, 1H), 3.93−3.85 (m, 1H), 3.00−2.90 (m, 1H), 2.48 (s, 3H), 2.42−2.33 (m, 1H); 13C NMR (75 MHz, DMSO−d6) δ 173.3, 162.1, 155.9, 140.0, 128.7, 127.7, 127.2, 119.4, 63.6, 57.0, 43.1, 41.7, 17.5 MS (ES+) m/z 332.2 (M+1)。
【0181】
実施例8
2−(3−(4−フルオロベンジル)−2−オキソピロリジン−1−イル)−4−メチル−N−(ピリジン−3−イルメチル)チアゾール−5−カルボキサミドの合成
【化40】


無水トルエン(2mL)中、3−(4−フルオロベンジル)ピロリジン−2−オン(0.074g、0.39mmol)、2−ブロモ−4−メチル−N−(ピリジン−3−イルメチル)チアゾール−5−カルボキサミド(0.10g、0.32mmol)、炭酸セシウム(0.16g、0.48mmol)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]−ジクロロパラジウム(II)とジクロロメタン(1:1)の複合体(0.005g、0.006mmol)およびxantphos(0.007g、0.013mmol)の混合物を、80℃で35分間、マイクロ波照射した。反応混合物を真空下で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン(3/1))により精製して、表題化合物を白色固体として得た(0.045g、33%):mp 169−170℃(ヘキサン/酢酸エチル);1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.59 (s, 1H), 8.52 (d, J=4.5 Hz, 1H), 7.68 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.30−7.23 (m, 1H), 7.14 (dd, J=8.0, 5.5 Hz, 2H), 6.95 (t, J=8.8 Hz, 2H), 6.16 (t, J=5.6 Hz, 1H), 4.59 (d, J=5.6 Hz, 2H), 4.07−3.95 (m, 1H), 3.92−3.79 (m, 1H), 3.20 (dd, J=13.9, 4.5 Hz, 1H), 3.07−2.93 (m, 1H), 2.83−2.74 (m, 1H), 2.61 (s, 3H), 2.32−2.18 (m, 1H), 1.98−1.82 (m, 1H); 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 174.8, 163.4, 162.5, 155.5, 153.2, 149.3, 149.1, 135.7, 133.8, 133.7, 130.4, 123.7, 118.2, 115.6, 45.9, 44.4, 41.5, 35.6, 24.2, 17.3; MS (ES+) m/z 425.3 (M+1)。
【0182】
実施例8.1
4−メチル−2−(2−オキソ−3−(4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピロリジン−1−イル)−N−(ピリジン−3−イルメチル)チアゾール−5−カルボキサミドの合成
【化41】


実施例8に記載の方法に従い、3−(4−フルオロベンジル)ピロリジン−2−オンの代わりに3−(4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピロリジン−2−オンを用いて、2−ブロモ−4−メチル−N−(ピリジン−3−イルメチル)チアゾール−5−カルボキサミドと反応させるのに必要な改変を行い、表題化合物を白色固体として34%収率で得た:mp 158−160℃(ヘキサン/酢酸エチル);1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.58 (s, 1H), 8.49 (d, J=4.0 Hz, 1H), 7.68 (d, J=7.8 Hz, 1H), 7.31−7.06 (m, 5H), 6.43 (t, J=5.7 Hz, 1H), 4.58 (d, J=5.7 Hz, 2H), 4.06 (ddd, J=11.5, 8.0, 3.1 Hz, 1H), 3.86 (td, J=11.5, 8.0 Hz, 1H), 3.23 (dd, J=13.9, 4.4 Hz, 1H), 3.08−2.94 (m, 1H), 2.83−2.74 (m, 1H), 2.60 (s, 3H), 2.34−2.19 (m, 1H), 1.94−1.87 (m, 1H); 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 174.6, 162.5, 155.4, 153.2, 149.3, 148.9, 148.0, 138.1, 136.9, 135.7, 133.9, 130.3, 123.7, 121.2, 118.3, 45.9, 44.3, 41.5, 35.7, 24.3, 17.3; MS (ES+) m/z 491.3 (M+1)。
【0183】
実施例9
N−ベンジル−2−(2,6−ジオキソ−4−フェニルピペリジン−1−イル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミドの合成
【化42】


クロロホルム(15mL)中、2−アミノ−N−ベンジル−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミド(0.50g、2.0mmol)とトリエチルアミン(1.8mL、10.0mmol)の撹拌溶液に、二塩化3−フェニルペンタンジオール(0.45g、1.84mmol)を添加した。混合物を環境温度で2時間撹拌し、20%塩酸溶液(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を真空下で濃縮し、残渣を酢酸エチル/ヘキサンから結晶化して、固体を得て、それを冷メタノールで洗浄し、空気乾燥させて、表題化合物を得た(0.46g、60%):1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.50−7.20 (m, 10H), 6.07 (br s, 1H), 4.60 (d, J=5.6 Hz, 2H), 3.60−3.50 (m, 1H), 3.13 (dd, J=17.1, 4.2 Hz, 2H), 2.95 (dd, J=17.1, 12.0 Hz, 2H), 2.68 (s, 3H); MS (ES+) m/z 420.1 (M+1)。
【0184】
実施例10
N−ベンジル−2−(3−(ヒドロキシ(フェニル)メチル)−2−オキソピペリジン−1−イル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミドの合成
【化43】


無水テトラヒドロフラン(10mL)中、N−ベンジル−4−メチル−2−(2−オキソピペリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミド(0.25g、0.76mmol)の溶液に、−78℃で、テトラヒドロフラン(0.83mL、0.83mmol)中、リチウム ビス(トリメチルシリル)アミドを滴下した。反応混合物を−78℃で5分間撹拌し、次いでベンズアルデヒド(0.077mL、0.76mmol)を滴下した。得られた混合物を−30℃まで30分かけてゆっくり温め、次いで水(5mL)を添加し、ジクロロメタンで抽出した(3×10mL)。合わせた有機溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を真空下で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン(1/1))により精製して、表題化合物を白色固体として得た(0.010g、3%):mp 74−75℃(ヘキサン/酢酸エチル);1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.42−7.22 (m, 10H), 6.01 (t, J=5.5 Hz, 1H), 5.63 (d, J=2.5 Hz, 1H), 4.57 (d, J=5.5 Hz, 2H), 4.38−4.30 (m, 1H), 3.91−3.81 (m, 1H), 2.88−2.82 (m, 1H), 2.63 (s, 3H), 2.09−1.51 (m, 4H); 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 171.7, 162.6, 152.0, 141.4, 137.9, 128.8, 128.6, 128.4, 127.9, 127.7, 127.5, 125.8, 119.7, 72.7, 49.8, 48.0, 44.1, 21.6, 19.4, 17.3; MS (ES+) m/z 436.2 (M+1)。
【0185】
実施例10.1
N−ベンジル−2−(3−((5−エチルチオフェン−2−イル)メチレン)−2−オキソピペリジン−1−イル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミドの合成
【化44】


実施例10に記載の方法に従い、ベンズアルデヒドの代わりに5−エチルチオフェン−2−カルボアルデヒドを用いて、N−ベンジル−4−メチル−2−(2−オキソピペリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミドと反応させるために必要な改変を行い、表題化合物を白色固体として14%収率で得た:mp 171−172℃(ヘキサン/酢酸エチル);1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.05 (s, 1H), 7.42−7.22 (m, 5H), 7.16 (d, J=3.7 Hz, 1H), 6.83 (dd, J=0.7, 3.7 Hz, 1H), 5.98 (t, J=5.5 Hz, 1H), 4.57 (d , J=5.5 Hz, 2H), 4.32−4.25 (m, 2H), 2.93−2.81 (m, 4H), 2.65 (s, 3H), 2.15−2.02 (m, 2H), 1.32 (t, J=7.5 Hz, 3H); 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 164.8, 162.7, 157.5, 153.7, 152.4, 137.9, 136.4, 133.6, 132.9, 128.8, 127.9, 127.6, 124.5, 122.7, 119.5, 46.9, 44.1, 25.9, 23.8, 21.9, 17.4, 15.7; MS (ES+) m/z 452.1 (M+1)。
【0186】
実施例10.2
N−ベンジル−4−メチル−2−(2−オキソ−3−(ピリジン−3−イルメチレン)ピペリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミドの合成
【化45】


実施例10に記載の方法に従い、ベンズアルデヒドの代わりにニコチンアルデヒドを用いて、N−ベンジル−4−メチル−2−(2−オキソピペリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミドと反応させるために必要な改変を行い、表題化合物を白色固体として17%収率で得た:mp 206−208℃(酢酸エチル);1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.69 (br s, 1H), 8.54 (br s, 1H), 7.91 (s, 1H), 7.69 (d, J=7.8 Hz, 1H), 7.39−7.21 (m, 6H), 6.26 (t, J=5.5 Hz, 1H), 4.57 (d, J=5.5 Hz, 2H), 4.32−4.22 (m, 2H), 2.93−2.82 (m, 2H), 2.64 (s, 3H), 2.09−1.96 (m, 2H); 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 163.8, 162.6, 157.3, 152.3, 150.7, 149.4, 138.0, 136.8, 135.5, 130.5, 128.8, 127.9, 127.6, 123.5, 120.1, 47.4, 44.0, 25.9, 22.2, 17.4; MS (ES+) m/z 419.2 (M+1)。
【0187】
実施例11
N−ベンジル−4−メチル−2−(2−オキソ−3−(ピリジン−3−イルメチル)ピペリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミドの合成
【化46】


酢酸エチル(10mL)中、N−ベンジル−4−メチル−2−(2−オキソ−3−(ピリジン−3−イルメチレン)ピペリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミド(0.024g、0.053mmol)の溶液を、触媒量のパラジウム炭素(20%w/w)の存在下で、環境温度および大気圧下で、3時間、水素化した。反応混合物をセライト栓を通して濾過し、濾液を真空下で濃縮した。残渣をヘキサン/酢酸エチルから再結晶させて、表題化合物を黄色固体として得た(0.022g、92%):mp 140−141℃(ヘキサン/酢酸エチル);1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.44 (br s, 2H), 7.51 (d, J=7.8 Hz, 1H), 7.42−7.16 (m, 6H), 6.07 (br s, 1H), 4.57 (d, J=5.6 Hz, 2H), 4.33−4.21 (m, 1H), 3.98−3.86 (m, 1H), 3.43−3.29 (m, 1H), 3.91−3.73 (m, 2H), 2.62 (s, 3H), 2.11−2.98 (m, 1H), 1.96−1.74 (m, 2H), 1.62−1.45 (m, 1H); 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 171.5, 162.6, 156.8, 152.1, 150.4, 147.9, 137.9, 136.9, 128.8, 128.7, 127.9, 127.6, 123.6, 119.6, 47.9, 44.1, 43.8, 34.6, 24.9, 21.3, 17.4; MS (ES+) m/z 421.1 (M+1)。
【0188】
実施例12
マウス肝臓ミクロソームを用いる試験化合物のステアロイル−CoAデサチュラーゼ阻害活性の測定
本発明の化合物のSCD阻害剤としての同定は、Shanklin J. and Summerville C., Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1991), Vol. 88, pp. 2510−2514に記載のSCDミクロソームアッセイ法を用いて容易に達成された。
【0189】
マウス肝臓ミクロソームの調製:
高炭水化物、低脂肪食餌の雄ICR異系交配マウスを少量のハロタン(鉱油中15%)麻酔下で、高酵素活性の期間中に放血させることにより屠殺する。直ちに肝臓を冷0.9%NaCl溶液で濯ぎ、計量し、はさみで刻む。他に特に記載のない限り、全ての処理を4℃で行う。肝臓を、0.25Mスクロース、62mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)、0.15M KCl、15mM N−アセチルエイステイン(acetyleysteine)、5mM MgClおよび0.1mM EDTAを含む溶液(1/3w/v)中でPotter−Elvehjem組織ホモジナイザーを用いて4ストロークでホモジナイズする。ホモジネートを10,400xgで20分間遠心して、ミトコンドリアおよび細胞残渣を除去する。上清を3層のチーズクロスを通して濾過し、105,000xgで60分間遠心する。ミクロソームペレットを、小さなガラス/テフロンホモジナイザーで、同じホモジナイズ溶液に穏やかに再懸濁させ、−70℃で保存する。ミトコンドリアの混入がないことを酵素的に評価する。タンパク質濃度は、標品としてウシ血清アルブミンを用いて測定する。
【0190】
マウス肝臓ミクロソームと試験化合物のインキュベーション:
デサチュラーゼ活性は、[9,10−H]ステアロイル−CoAからのOの遊離として測定される。アッセイポイント条件ごとの反応は以下の通りである:2μL 1.5mMステアロイル−CoA、0.25μL 1mCi/mL HステアロイルCoA、10μL 20mM NADH、36.75μL 0.1M PK緩衝液(KHPO/NaHPO、pH7.2)。試験化合物または対照溶液を1μL容量で添加する。50μLのミクロソーム(1.25mg/mL)を添加することで反応を開始させる。プレートを混合し、加熱ブロック(25℃)上で15分間インキュベーションした後、10μLの60%PCAを添加することで反応を停止させる。次に、100μLアリコートを、木炭を前処理したフィルタープレートに移し、このプレートを4000rpmで1分間遠心する。SCD1脱飽和反応により遊離したOを含有する流出液をシンチレーション液に加え、Packard TopCountにて放射能を測定する。データを分析して、試験化合物と対照化合物のIC50を同定する。
【0191】
このアッセイで試験したとき、本発明の代表的な化合物はSCD阻害剤としての活性を示した。この活性は、試験化合物の所望の濃度において残留するSCD酵素活性%に関して、またはIC50濃度として定義した。ステアロイル−CoAデサチュラーゼに対する実施例化合物のIC50(親和性)は20mM前後〜0.0001μMまたは5μM前後〜0.0001μMまたは1μM前後〜0.0001μMの間である。
【0192】
当業者は、試験化合物によるミクロソームまたは細胞中のステアロイルCoAデサチュラーゼの阻害活性を測定するのに有用であり得る本アッセイの種々の変法を理解する。
【0193】
本明細書に引用され、かつ/またはアプリケーションデータシートに列挙されている全ての米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、および非特許刊行物は、参照によりその内容全体を本明細書に包含させる。
【0194】
上記より、本発明の特定の態様が説明の目的のための本明細書に記載されているが、種々な変法が本発明の精神および範囲を逸脱することなくなされ得ることが明らかである。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲による以外には限定されない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】


[式中、Xは、CHまたはNであり;
Yは、NH、N−CH、OまたはSであり;
Wは、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−OC(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−N(R)C(O)N(R)−、−O−、−S−、−N(R)−、−S(O)−、−N(R)S(O)−、−S(O)N(R)−、−OS(O)N(R)−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−N(R)C(=N(R5a))NR−、−N(R)((R5a)N=)C−、−C(=N(R5a))N(R)−、または直接結合から選択され;
Vは、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−OC(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−N(R)C(O)N(R)−、−O−、−S−、−N(R)−、−S(O)−、−N(R)S(O)−、−S(O)N(R)−、−OS(O)N(R)−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−N(R)C(=N(R5a))NR−、−N(R)((R5a)N=)C−、−C(=N(R5a))N(R)−、=C(R)−または直接結合から選択され;
nは、0、1、2または3であり;
pは、0ないし9であり;
tは、1または2であり;
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルからなる群から選択されるか;
または、Rは、2ないし4環を有する多重環構造であって、該環は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から独立して選択され、該環のいくつかまたは全ては互いに縮合していてよく;
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルからなる群から選択されるか;
または、Rは、2ないし4環を有する多重環構造であって、該環は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から独立して選択され、該環のいくつかまたは全ては、互いに縮合していてよく;
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノおよび−N(Rからなる群から選択され;
は、それぞれ独立して、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、−N(R、シクロアルキルアルキルおよびアラルキルからなる群から選択されるか;
または、2個のRは、同一炭素に結合してオキソを形成し、残りのRはそれぞれ上記の通りであり;
は、それぞれ独立して、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキルアルキルおよびアラルキルからなる群から選択され;そして
5aは、水素、アルキル、シクロアルキルアルキルおよびシアノからなる群から選択される。]
で示される化合物、またはその立体異性体、エナンチオマーもしくは互変異性体、その薬学的に許容される塩、その医薬組成物もしくはそのプロドラッグ。
【請求項2】
Vが、=C(R)−、−N(R−または直接結合であり;
Wが、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−C(O)O−または直接結合であり;
Xが、NまたはCHであり;
YがSであり;
pが、1、2、3、4、5、6または7であり;
が、水素、アルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルからなる群から選択され;
が、水素、アルキル、アルケニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルからなる群から選択され;
が、水素またはアルキルであり;そして
が、水素またはアルキルである、
請求項1記載の化合物。
【請求項3】
Vが、直接結合であり;
Wが、−N(R)C(O)−または−C(O)O−であり;
Xが、NまたはCHであり;
YがSであり;
pが、1、2、3、4、5、6または7であり;
が、アルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキルおよびヘテロアリールアルキルからなる群から選択され;
が、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリールおよびアラルキルからなる群から選択され;
が、水素またはアルキルであり;そして
が、水素またはアルキルである、
請求項1記載の化合物。
【請求項4】
Vが、直接結合であり;
Wが、−N(R)C(O)−であり;
Xが、NまたはCHであり;
YがSであり;
pが、1、2、3、4、5、6または7であり;
nが、1または2であり;
が、アルキル、アリール、アラルキルおよびヘテロアリールからなる群から選択され;
が、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリールおよびアラルキルからなる群から選択され;
が、アルキルであり;そして
が水素である、
請求項1記載の化合物。
【請求項5】
該化合物が、
N−ベンジル−2−(2,6−ジオキソ−4−フェニルピペリジン−1−イル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミド;
N−ベンジル−2−(3−ベンジル−2−オキソピペリジン−1−イル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミド;
N−ベンジル−4−メチル−2−(2−オキソ−3−(4−(トリフルオロメチル)ベンジル)ピペリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミド;
N−ベンジル−2−(3−(4−フルオロベンジル)−2−オキソピペリジン−1−イル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミド;
N−ベンジル−4−メチル−2−(3−(4−メチルベンジル)−2−オキソピペリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミド;
N−ベンジル−2−(3−(3−フルオロベンジル)−2−オキソピペリジン−1−イル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミド;
N−ベンジル−2−(3−(2,5−ジフルオロベンジル)−2−オキソピペリジン−1−イル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミド;
N−ベンジル−2−(3−(4−メトキシベンジル)−2−オキソピペリジン−1−イル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミド;
N−ベンジル−2−(3−(ヒドロキシ(フェニル)メチル)−2−オキソピペリジン−1−イル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミド;
N−ベンジル−2−(3−((5−エチルチオフェン−2−イル)メチレン)−2−オキソピペリジン−1−イル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミド;
N−ベンジル−4−メチル−2−(2−オキソ−3−(ピリジン−3−イルメチレン)ピペリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミド;
N−ベンジル−4−メチル−2−(2−オキソ−3−(3−フェニルプロピル)ピペリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミド;
N−ベンジル−4−メチル−2−(2−オキソ−3−(ピリジン−3−イルメチル)ピペリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミド;
N−ベンジル−4−メチル−2−(2−オキソ−3−フェネチルピペリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミド;
N−(3−フルオロベンジル)−4−メチル−2−(2−オキソ−3−(4−(トリフルオロメチル)ベンジル)ピペリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミド;
N−(3−フルオロベンジル)−2−(3−(4−フルオロベンジル)−2−オキソピペリジン−1−イル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミド;
N−ベンジル−2−(3−(シクロプロピルメチルアミノ)−2−オキソピペリジン−1−イル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミド;
N−ベンジル−4−メチル−2−(2−オキソ−3−(4−(トリフルオロメチル)ベンジルアミノ)ピペリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミド;
N−(4−フルオロベンジル)−4−メチル−2−(2−オキソ−3−(4−(トリフルオロメチル)ベンジル)ピロリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミド;
N−(4−フルオロベンジル)−2−(3−(4−フルオロベンジル)−2−オキソピロリジン−1−イル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミド;
2−(3−(4−(ジフルオロメトキシ)ベンジル)−2−オキソピロリジン−1−イル)−N−(4−フルオロベンジル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミド;
N−(4−フルオロベンジル)−4−メチル−2−(2−オキソ−3−(4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピロリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミド;
N−ベンジル−4−メチル−2−(2−オキソ−3−(4−(トリフルオロメチル)ベンジル)ピロリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミド;
N−ベンジル−2−(3−(4−(ジフルオロメトキシ)ベンジル)−2−オキソピロリジン−1−イル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミド;
2−(3−(シクロプロピルメチル)−2−オキソピロリジン−1−イル)−N−(4−フルオロベンジル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミド;
2−(3−(2−シクロプロピルエチルアミノ)−2−オキソピロリジン−1−イル)−N−(4−フルオロベンジル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミド;
N−(4−フルオロベンジル)−2−(3−(4−フルオロベンジルアミノ)−2−オキソピロリジン−1−イル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミド;
N−(4−フルオロベンジル)−4−メチル−2−(2−オキソ−3−(3,3,3−トリフルオロプロピルアミノ)ピロリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミド;
N−ベンジル−2−(4−ベンジル−2−オキソピロリジン−1−イル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミド;
(S)−N−ベンジル−2−(4−ヒドロキシ−2−オキソピロリジン−1−イル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミド;
(R)−N−ベンジル−2−(4−ヒドロキシ−2−オキソピロリジン−1−イル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミド;
2−(3−(4−フルオロベンジル)−2−オキソピロリジン−1−イル)−4−メチル−N−(ピリジン−3−イルメチル)チアゾール−5−カルボキサミド;4−メチル−2−(2−オキソ−3−(4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)ピロリジン−1−イル)−N−(ピリジン−3−イルメチル)チアゾール−5−カルボキサミド;
N−ベンジル−4−メチル−2−(2−オキソピロリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミド;
N−(4−フルオロベンジル)−4−メチル−2−(2−オキソピロリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミド;
N−ベンジル−4−メチル−2−(2−オキソピペリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミド;
N−(3−フルオロベンジル)−4−メチル−2−(2−オキソピペリジン−1−イル)チアゾール−5−カルボキサミド;
2−(3−ブロモ−2−オキソピロリジン−1−イル)−N−(4−フルオロベンジル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミド;および
N−ベンジル−2−(3−ブロモ−2−オキソピペリジン−1−イル)−4−メチルチアゾール−5−カルボキサミド
からなる群から選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項6】
請求項1記載の式(I)の化合物および薬学的に許容される賦形剤または担体を含む、医薬組成物。
【請求項7】
ヒト・ステアロイル−CoAデサチュラーゼ(hSCD)源を、式(I):
【化2】


[式中、Xは、CHまたはNであり;
Yは、NH、N−CH、OまたはSであり;
Wは、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−OC(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−N(R)C(O)N(R)−、−O−、−S−、−N(R)−、−S(O)−、−N(R)S(O)−、−S(O)N(R)−、−OS(O)N(R)−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−N(R)C(=N(R5a))NR−、−N(R)((R5a)N=)C−、−C(=N(R5a))N(R)−、または直接結合から選択され;
Vは、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−OC(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−N(R)C(O)N(R)−、−O−、−S−、−N(R)−、−S(O)−、−N(R)S(O)−、−S(O)N(R)−、−OS(O)N(R)−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−N(R)C(=N(R5a))NR−、−N(R)((R5a)N=)C−、−C(=N(R5a))N(R)−、=C(R)−、または直接結合から選択され;
nは、0、1、2または3であり;
pは、0ないし9であり;
tは、1または2であり;
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルからなる群から選択されるか;
または、Rは、2ないし4環を有する多環構造であって、該環は、独立して、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、該環のいくつかまたは全ては、互いに縮合していてよく;
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルからなる群から選択されるか;
または、Rは、2ないし4環を有する多環構造であって、該環は、独立して、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、該環のいくつかまたは全ては、互いに縮合していてよく;
は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノおよび−N(Rからなる群から選択され;
は、それぞれ独立して、アルキル、オキソ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、−N(R、シクロアルキルアルキルおよびアラルキルからなる群から選択されるか;
または、2個のRは、同一炭素に結合してオキソを形成し、残りのRはそれぞれ、上記の通りであり;
は、それぞれ独立して、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキルアルキルおよびアラルキルからなる群から選択され;そして
5aは、水素、アルキル、シクロアルキルアルキルおよびシアノからなる群から選択される。]
で示される化合物、またはその立体異性体、エナンチオマーもしくは互変異性体、その薬学的に許容される塩、その医薬組成物もしくはそのプロドラッグと接触させることを含む、hSCD活性の阻害方法。
【請求項8】
哺乳動物において、ステアロイル−CoAデサチュラーゼ(SCD)により仲介される疾患または状態を処置する方法であって、治療的有効量の請求項1記載の式(I)の化合物を、それを必要とする該哺乳動物に投与することを含む、方法。
【請求項9】
該疾患または状態が、メタボリック症候群、X症候群、糖尿病、インスリン抵抗性、グルコース耐性の低下、非インスリン依存性真性糖尿病、II型糖尿病、I型糖尿病、糖尿病合併症、体重障害(body weight disorder)、体重減少、肥満指数もしくはレプチン関連疾患である、請求項8記載の方法。
【請求項10】
該メタボリック症候群が、異脂肪血症、肥満、インスリン抵抗性、高血圧、微量アルブミン血症、高尿酸血症、および凝固性亢進状態である、請求項9記載の方法。
【請求項11】
該体重障害が、肥満、過体重、カヘキシーおよび摂食障害である、請求項9記載の方法。
【請求項12】
該疾患または状態が皮膚障害である、請求項8記載の方法。
【請求項13】
該皮膚障害が、湿疹、アクネ、乾癬、またはケロイド瘢痕形成もしくは予防である、請求項12記載の方法。
【請求項14】
治療的有効量の請求項1記載の化合物を、治療的有効量のインスリン、インスリン誘導体もしくは模倣体;インスリン分泌促進物質;インスリン分泌促進性スルホニルウレア受容体リガンド;PPARリガンド;インスリン増感剤;ビグアナイド;アルファ−グルコシダーゼ阻害剤;GLP−1、GLP−1類似体または模倣体;DPPIV阻害剤;HMG−CoAレダクターゼ阻害剤;スクアレンシンターゼ阻害剤;FXRもしくはLXRリガンド;コレスチラミン;フィブラート;ニコチン酸;または、アスピリンと組み合わせて含む、医薬組成物。
【請求項15】
対象における、ステアロイル−CoAデサチュラーゼの阻害により仲介される障害または疾患の処置のための医薬組成物の製造を目的とした、請求項1記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項16】
医薬としての使用のための、請求項1記載の式(I)の化合物。
【請求項17】
対象における、ステアロイル−CoAデサチュラーゼを阻害することにより仲介される障害または疾患の処置のための医薬組成物の製造を目的とした、請求項1記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項18】
医薬としての使用のための、請求項6または14記載の医薬組成物。
【請求項19】
対象における、ステアロイル−CoAデサチュラーゼの阻害により仲介される障害または疾患の処置のための医薬の製造を目的とした、請求項6または14記載の医薬組成物の使用。

【公表番号】特表2010−504348(P2010−504348A)
【公表日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−529356(P2009−529356)
【出願日】平成19年9月19日(2007.9.19)
【国際出願番号】PCT/US2007/078854
【国際公開番号】WO2008/036715
【国際公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【出願人】(506030826)ゼノン・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド (47)
【氏名又は名称原語表記】XENON PHARMACEUTICALS INC.
【Fターム(参考)】