説明

ヘリックス12指向非ステロイド性抗アンドロゲン

【課題】アンドロゲン受容体に対して良好な親和性を有するが、アンドロゲン活性を実質的に欠く抗アンドロゲンを提供する。
【解決手段】この構造を有する化合物またはそれらの塩は、アンドロゲン依存性疾患(例えば、前立腺癌、良性の前立腺肥大、多嚢胞性卵巣症候群、ざ瘡、多毛症、脂漏症、アンドロゲン性脱毛症および男性型禿頭症)を処置するためか、またはそれらに罹患する可能性を低減するために使用される。この化合物は、医薬的に許容可能な希釈剤または担体とともに製剤化され得るか、または他の方法で任意の医薬的剤形に作製され得る。他の活性な医薬物質との組み合わせもまた開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2005年6月17日に出願された仮出願番号60/691,391(この内容は本明細書中で参考として具体的に援用される)の優先権の利益を主張するものである。
【0002】
発明の背景
本発明は、性ステロイド活性の新規な抑制剤に関し、例えば、性ステロイド受容体に対してアンタゴニスト活性を有する化合物に関する。より詳細には、本発明は、アンドロゲン受容体のヘリックス12と相互作用する特定の側鎖を有するある種の化合物、および他のメカニズムの中でもアンドロゲン受容体を介して作用するが、一部または全部のアンドロゲン感受性組織においてそのような受容体を活性化させないことによりアンドロゲン作用を阻害するその化合物の代謝産物に関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術の簡単な説明
ある種のアンドロゲン依存性疾患の処置の際、アンドロゲン誘導性効果を大きく低減すること、または可能であれば、アンドロゲン誘導性効果を排除することが重要である。この目的のためには、「抗アンドロゲン」がアンドロゲン受容体に接近するのを阻害して、アンドロゲンが結合してそれらの受容体を活性化することを防ぐこと、および受容体を活性化するのに利用可能なアンドロゲンの濃度を低下させることの両方が望ましい。アンドロゲンの非存在下であっても、非占有アンドロゲン受容体は、生物学的に活性である可能性がある。従って、この受容体に結合して阻害する抗アンドロゲンは、アンドロゲン産生を抑制するだけの治療よりも良好な治療上の結果をもたらし得る。
【0004】
抗アンドロゲンは、アンドロゲン依存性疾患、例えば、その発症または進行が、アンドロゲン受容体、またはアンドロゲン受容体モジュレータの活性化によって促進される疾患の進行を遅延または停止させる際に有意な治療上の効果を有し得る。
【0005】
アンドロゲン受容体活性化を低減する治療に使用される抗アンドロゲンは、アンドロゲン受容体に対する良好な親和性、および目的の組織における固有のアンドロゲン活性の実質的な欠如の両方を有することが望ましい。前者は、抗アンドロゲンが、アンドロゲン受容体に結合し、それによってアンドロゲンによる受容体への接近を阻害する能力のことを言う。後者は、抗アンドロゲンが、一旦その受容体に結合したときの、その受容体に対する効果のことを言う。一部の抗アンドロゲンは、アンドロゲン受容体を不要に活性化してしまう固有のアンドロゲン活性(「アゴニスト活性」)(この活性化を抑制することが意図されている)を有し得る。換言すれば、望ましくない内因性のアンドロゲン活性を有する抗アンドロゲンは、アンドロゲン受容体にうまく結合し得、望ましくは、天然のアンドロゲンによるそれらの受容体への接近を阻害するが、それ自体が、排他的な抗アンドロゲン作用が所望される組織内の受容体を不要に活性化し得る。
【0006】
公知の非ステロイド性抗アンドロゲン(例えば、フルタミド、カソデックスおよびアナンドロン)は、望ましくないアンドロゲン活性を欠いているが、ステロイド性抗アンドロゲン(すなわち、抗アンドロゲン活性をもたらすように改変されたステロイド性核を有するアンドロゲン誘導体)と比べて低い受容体親和性を有し得る。しかしながら、ステロイド性抗アンドロゲンは、非ステロイド性抗アンドロゲンよりも高頻度で望ましくないアゴニスト特性を有すると考えられている。近年、長い置換基を有し、上記の非ステロイド性抗アンドロゲンよりも良好な活性を有する一部の新規な非ステロイド性抗アンドロゲンが報告され(カワミナミ(Kawaminami)ら、2005年、キノヤマ(Kinoyama)ら、2004年、タッカー(Tucker)ら、2004年)、開示された(米国特許第5,411,981号、同第6,071,957号、米国特許出願公開第2004/0077605号、同第2004/0077606号、EP0100172、FR9100185、FR9208431、EP002892、EP0494819、EP0578516、EP0580459、WO95/18794、WO96/19458、WO97/00071、WO97/19064、WO97/23464、WO98/53826、特開2002−88073号公報)、WO00/37430、WO01/16108、WO01/16133、WO02/24702、WO2004/099188、WO2004/111012、WO2004/113309、WO2005/040136。
【0007】
しかしながら、アンドロゲン受容体に対する非常に高い親和性を有し、望ましくないアゴニスト特性が欠如したステロイド性抗アンドロゲンは、米国仮特許出願番号60/535,121に基づく米国特許出願番号11/030,850に開示された。これらの化合物は、18位にヘリックス12と相互作用する特定の側鎖を有する。
【0008】
一部の組織においてアンタゴニスト活性を有するが、他の組織では活性またはアゴニスト活性を示さない、選択的アンドロゲン受容体モジュレータ(SARM)が、WO02/00617、WO2005/120483、米国特許出願公開第2005/0033074号、同第2005/0250741号、同第2006/0014739号、同第2006/0009529号において報告された。これらのSARMの一部は、筋肉の構築および骨の促進(米国のジーティーエックス社(GTx)によって開発されたオスタリン(Ostarine))、性腺機能低下症、良性の前立腺肥大、骨粗鬆症および女性の性機能不全(米国のリガンド社(Ligand)によって開発されたLGD22262941)または加齢性減退(米国のブリストル・マイヤーズスクイブ社(Bristol−Myers Squibb)によって開発されたBMS564929)について臨床試験中である。
【0009】
したがって、当該分野では、アンドロゲン受容体に対して高親和性を有するが、望ましくないアゴニスト特性を実質的に欠き、全身使用のための良好な非経口または経口生体利用能を有する非ステロイド性抗アンドロゲンが必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
発明の概要
アンドロゲン受容体に対して良好な親和性を有するが、アンドロゲン活性を実質的に欠く抗アンドロゲンを提供することが、本発明の目的である。これらの抗アンドロゲンは、後でより詳細に記載するようなアンドロゲン依存性疾患の処置および予防に有用であり得る。
【0011】
a)アンドロゲン受容体と結合し;
c)ステロイド活性部位をヘリックス12に連結するチャネルを通過するのに十分細くて長い鎖を用いて直接的または間接的にアンドロゲン受容体のヘリックス12を妨害し;
d)アンドロゲン受容体がアゴニストと結合する際に、正常なヘリックス12の配置を阻害する
化合物を提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
1つの実施形態において、本発明は、以下の模式的な分子式:
【0013】
【化1】

【0014】
(式中、
【0015】
【化2】

【0016】
は、アンドロゲン受容体のステロイド活性部位に結合することができる核であり;
Rは、
【0017】
【化3】

【0018】
核の平面に対してほぼ垂直に位置する鎖であり、芳香族環またはヘテロアリール環を含み、ステロイド活性部位をヘリックス12に連結するチャネルを通過するのに十分細くて長く、
【0019】
【化4】

【0020】
核から6〜10オングストローム離れている少なくとも1個の極性官能基を有し、カルボニル、スルホンまたはスルホキシド、スルフィミド、アミン、アミド、N−オキシドおよび第4級アンモニウム塩からなるリストから選択される)
の化合物またはその塩を提供する。
【0021】
医薬的に許容可能な希釈剤または担体および
a)アンドロゲン受容体と結合し;
c)ステロイド活性部位をヘリックス12に連結するチャネルを通過するのに十分細くて長い鎖を用いて直接的または間接的にアンドロゲン受容体のヘリックス12を妨害し;
d)アンドロゲン受容体がアゴニストと結合する際に、正常なヘリックス12の配置を阻害する、
少なくとも1個の化合物の治療有効量を含む医薬組成物を提供することが、本発明の目的である。
【0022】
1つの実施形態において、本発明は、医薬的に許容可能な希釈剤または担体および以下の分子式:
【0023】
【化5】

【0024】
(式中、
【0025】
【化6】

【0026】
は、アンドロゲン受容体のステロイド活性部位に結合することができる核であり;
Rは、
【0027】
【化7】

【0028】
核の平面に対してほぼ垂直に位置する鎖であり、芳香族環またはヘテロアリール環を含み、ステロイド活性部位をヘリックス12に連結するチャネルを通過するのに十分細くて長く、
【0029】
【化8】

【0030】
核から6〜10オングストローム離れている少なくとも1個の極性官能基を有し、カルボニル、スルホンまたはスルホキシド、スルフィミド、アミン、アミド、N−オキシドおよび第4級アンモニウム塩からなる群から選択される)
の少なくとも1個の化合物またはその塩の治療有効量を含む医薬組成物を提供する。
【0031】
1つの実施形態において、
【0032】
【化9】

【0033】
核は、以下の構造:
【0034】
【化10】

【0035】
(式中、点線は、任意の結合を表し;Dは、芳香族部分、複素環部分および環状部分からなる群から選択され;Rは、水素および(C−C)低級アルキルからなる群から選択され;RおよびRは、独立して、水素、ハロゲン、ニトリル、−COCH、−SOCH、メチルおよびハロゲン化メチルからなる群から選択され;ただし、RおよびRの少なくとも1個は、水素でない)を有する。
【0036】
別の実施形態において、Rは、以下の構造:
【0037】
【化11】

【0038】
(式中、nは、0〜3から選択される整数であり;点線は、任意の結合を表し;Eは、芳香族部分およびヘテロアリール部分からなる群から選択され;Yは、1〜4個の原子を有する中間基であり;Zは、1〜4個の介在原子によってEから分離された、少なくとも1個のカルボニル基、スルホン基もしくはスルホキシド基または窒素原子をさらに有する炭化水素部分であり、上記窒素原子は、アミン、アミド、N−オキシド、スルフィミドまたは第4級アンモニウム塩であり、Zは、必要に応じて、他の酸素原子、硫黄原子または窒素原子を有し;Zは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、アルコキシ、C−C直鎖または分枝鎖アルキル、C−C直鎖または分枝鎖アルケニルおよびC−C直鎖または分枝鎖アルキニルからなる群から選択される)を有する。
【0039】
別の実施形態において、本発明は、以下の模式的な分子式:
【0040】
【化12】

【0041】
(式中、nは、0〜3から選択される整数であり;点線は、任意の結合を表し;Dは、芳香族部分、複素環部分および環状部分からなる群から選択され;Eは、芳香族部分およびヘテロアリール部分からなる群から選択され;Rは、水素または低級(C−C)アルキルからなる群から選択され;RおよびRは、独立して、水素、ハロゲン、ニトリル、−COCH、−SOCH、NO、OCH、SCH、メチルおよびハロゲン化メチルからなる群から選択され;ただし、RおよびRの少なくとも1個は、水素でなく;Yは、1〜4個の原子を有する中間基であり;Zは、1〜4個の介在原子によってEから分離された、少なくとも1個のカルボニル基、スルホン基もしくはスルホキシド基または窒素原子をさらに有する炭化水素部分であり、上記窒素原子は、アミン、アミド、N−オキシドまたは第4級アンモニウム塩であり、Zは、必要に応じて、他の酸素原子、硫黄原子または窒素原子を有し;Zは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、アルコキシ、C−C直鎖または分枝鎖アルキル、C−C直鎖または分枝鎖アルケニルおよびC−C直鎖または分枝鎖アルキニルからなる群から選択される)を有する化合物またはその塩を提供する。
【0042】
別の実施形態において、本発明は、医薬的に許容可能な希釈剤または担体および以下の分子式:
【0043】
【化13】

【0044】
(式中、nは、0〜3から選択される整数であり;点線は、任意の結合を表し;Dは、芳香族部分、複素環部分および環状部分からなる群から選択され;Eは、芳香族部分およびヘテロアリール部分からなる群から選択され;Rは、水素および低級(C−C)アルキルからなる群から選択され;RおよびRは、独立して、水素、ハロゲン、ニトリル、−COCH、−SOCH、NO、OCH、SCH、メチルおよびハロゲン化メチルからなる群から選択され;ただし、RおよびRの少なくとも1個は、水素でなく;Yは、1〜4個の原子を有する中間基であり;Zは、1〜4個の介在原子によってEから直接連結されているか、または分離されている、少なくとも1個のカルボニル基、スルホン基もしくはスルホキシド基または窒素原子をさらに有する炭化水素部分であり、上記窒素原子は、アミン、アミド、N−オキシドまたは第4級アンモニウム塩であり、Zは、必要に応じて、他の酸素原子、硫黄原子または窒素原子を有し;Zは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、アルコキシ、C−C直鎖または分枝鎖アルキル、C−C直鎖または分枝鎖アルケニルおよびC−C直鎖または分枝鎖アルキニルからなる群から選択される)の少なくとも1個の化合物またはその塩の治療有効量を含む医薬組成物を提供する。
【0045】
別の実施形態において、本発明は、医薬的に許容可能な希釈剤または担体と共に本発明の化合物を含む局所用または全身用の医薬組成物を提供する。
【0046】
別の態様において、本発明の化合物またはそれを含む医薬組成物は、アンドロゲン悪化型皮膚関連疾患(例えば、ざ瘡、多毛症、脂漏症、アンドロゲン性脱毛症、男性型禿頭症など)の処置または予防に使用される。
【0047】
別の実施形態において、本発明の化合物は、アンドロゲン悪化型全身性疾患(例えば、前立腺癌または良性の前立腺肥大、性的早熟症、多嚢胞性卵巣症候群、高アンドロゲン性(hyperrandrogenic)症候群など)の処置または予防に使用される。
【0048】
別の実施形態において、アンドロゲン悪化型疾患の処置および予防レジメンは、5α−レダクターゼ抑制剤、17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ5型および13型抑制剤、前立腺およびアンドロゲン生合成の他の抑制剤からなる群から選択される他の活性化合物をさらに利用する併用療法の一部として、本明細書中に開示する化合物の使用を含む。
【0049】
別の態様において、組織特異的抗アンドロゲン活性および組織特異的アンドロゲン活性を有する本発明の化合物は、アンドロゲンの刺激の消失に関連する疾患を処置するか、またはその発症リスクを低減するために使用され得る。
【0050】
アンドロゲン刺激の消失に関連する疾患の処置(またはそれに罹患する可能性を低減)するための選択的アンドロゲン受容体モジュレータを提供することが別の目的である。
【0051】
別の態様において、本発明の化合物は、本明細書中に記載する疾患を処置するための薬物の製造に使用される。
【0052】
良好な全身性生体利用能を有する医薬化合物を提供することが別の目的である。
本発明は、下記一般式の化合物またはその医薬的に許容可能な塩に関する。
【0053】
【化14】

【0054】
(上記一般式中、nは0〜3から選択される整数であり;点線は、任意の結合を表し;Rは、水素および低級(C−C)アルキルからなる群から選択され、RおよびRは、水素、ハロゲン、ニトリル、−COCH、−SOCH、NO、OCH、SCH、アルキルスルホキシド、アルキルスルホン、アルキル、メチル、ハロゲン化メチルからなる群から選択され、ここにおいてRおよびRの少なくともいずれかは水素ではなく;Dは、下記式
【0055】
【化15】

【0056】
で表わされ;ここにおいて、WおよびWは、−CH−、酸素および硫黄からなる群から独立して選択され;Yは、−MCHCH−、CHMCH−およびCHCHM−からなる群から選択され;Mは、−O−、−S−、−SO−および−CH−からなる群から選択され;Eは、フェニレンおよび一置換ピリジルからなる群から選択され;Zは、Eに直接結合された、または、1〜4個の介在原子によりEから分離された、少なくとも1つのカルボニル、スルホンまたはスルホキシド基、または、窒素原子を追加的に有する炭化水素であり、前記窒素原子はアミン、アミド、N−オキシド、または四級アンモニウム塩となり、Zは、任意に、他の酸素、窒素または窒素原子を有し;Zは、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、アルコキシ、C−C直鎖または分岐鎖アルキル、C−C直鎖または分岐鎖アルケニル、C−C直鎖または分岐鎖アルキニルからなる群から選択される)
本発明における前記化合物は、下記一般式の化合物
【0057】
【化16】

【0058】
(上記一般式中、nは1〜3から選択される整数であり;RおよびRは、水素、C−CアルキルおよびC−Cアルケニルからなる群から独立して選択され;RおよびRは共に環を形成してもよく;Rは、水素、ハロゲン、OCH、SCH、アルキルスルホキシド、アルキルスルホン、ニトリル、NO、アルキル、メチルおよびトリフルオロメチルからなる群から選択され;Rは、ハロゲン、ニトリル、−COCH、−SOCHおよび−NOからなる群から選択され;R11およびR12は、水素、C−C低級アルキルからなる群から選択されるか、または、窒素、酸素、セレニウム、シリシウムおよび硫黄からなる群から選択される他のヘテロ原子を有していてもよいヘテロ環を共に形成する)であることが好ましい。
【0059】
本発明における前記化合物は、下記群
【0060】
【化17】

【0061】
から選択されることが好ましい。
本発明における前記化合物は、Zが、Y基に対してパラ位に位置し、Zの窒素原子または硫黄原子は、フェニレンまたは一置換ピリジル環に直接結合しているか、または、1〜4個の介在原子によりフェニレンまたは一置換ピリジル環から分離されており、Zは、下記群
【0062】
【化18】

【0063】
(ここにおいて、Z’は、水素、低級C−Cアルキル、アルキレンまたはアリールであり、基Eと共に縮合したZは、下記群
【0064】
【化19】

【0065】
(ここにおいて、Z’およびZ’は、独立して、水素、低級C−Cアルキル、アルキレンまたはアリールである)から選択される二環基を形成する)から選択されることが好ましい。この場合、Eがフェニレンであることがより好ましく、Yが−CHCHO−であることがより好ましい。
【0066】
本発明はまた、下記群
【0067】
【化20】

【0068】
【化21】

【0069】
【化22】

【0070】
から選択される化合物またはその医薬的に許容可能な塩に関する。
本発明はまた、治療有効量の上述の化合物またはその医薬的に許容可能な希釈剤または担体を含む、前立腺癌、良性の前立腺肥大、ざ瘡、脂漏症、多毛症、アンドロゲン性脱毛症、男性型禿頭症、多嚢胞性卵巣症候群、性的成熟症または高アンドロゲン性症候群を処置するか、またはその発症リスクを低減するための医薬組成物に関する。
【0071】
本発明はまた、治療有効量の上述の化合物またはその医薬的に許容可能な希釈剤または担体を含む、筋萎縮および筋力低下、皮膚萎縮、骨減少、貧血、動脈硬化症、心血管疾患、活動力の低下、良好な健康状態の低下、2型糖尿病および腹部の脂肪蓄積からなる群から選択されるアンドロゲン刺激の消失に関する疾患を処置するか、またはその発症リスクを低減するための医薬組成物に関する。
【0072】
これらの医薬組成物において、前記希釈剤または担体は、経口投与に適していることが好ましい。
【0073】
本発明はまた、前立腺癌を処置するか、またはその発症リスクを低減する医薬を製造するための、上述した化合物の使用にも関する。
【0074】
本発明の使用において、前記患者に、13型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼの抑制剤、5型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼの抑制剤、5α−レダクターゼの抑制剤およびアンドロゲン合成酵素の抑制剤からなる群から選択される少なくとも1個の抑制剤の治療有効量を投与することをさらに含むことが好ましい。
【0075】
この場合、5α−レダクターゼの抑制剤および13型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼの抑制剤が投与されることがより好ましい。
【0076】
本発明の使用において、精巣摘出術またはLHRHアゴニストもしくはアンタゴニストの投与をさらに含むことが好ましい。
【0077】
本発明はまた、良性の前立腺肥大を処置するか、またはその発症リスクを低減する医薬を製造するための、上述した化合物の使用にも関する。
【0078】
この場合、前記患者に、抗エストロゲン、アロマターゼの抑制剤、13型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼの抑制剤および5α−レダクターゼの抑制剤からなる群から選択される少なくとも1つの抑制剤の治療有効量を投与することをさらに含むことがより好ましい。
【0079】
またこの場合、5α−レダクターゼの抑制剤および13型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼの抑制剤が投与されることがさらに好ましい。
【0080】
本発明はまた、前立腺癌、良性の前立腺肥大、ざ瘡、脂漏症、多毛症、アンドロゲン性脱毛症、男性型禿頭症、多嚢胞性卵巣症候群、性的成熟症または高アンドロゲン性症候群を処置するか、またはその発症リスクを低減する医薬を製造するための、上述した化合物の使用に関する。
【0081】
本発明はまた、筋萎縮および筋力低下、皮膚萎縮、骨減少、貧血、動脈硬化症、心血管疾患、活動力の低下、良好な健康状態の低下、2型糖尿病および腹部の脂肪蓄積からなる群から選択されるアンドロゲン刺激の消失に関する疾患を処置するか、またはその発症リスクを低減する医薬を製造するための、上述した化合物の使用に関する。
【0082】
本発明はさらに、(a)ざ瘡、脂漏症、多毛症、アンドロゲン性脱毛症もしくは男性型禿頭症;または(b)前立腺癌、良性の前立腺肥大、ざ瘡、脂漏症、多毛症、アンドロゲン性脱毛症、男性型禿頭症、多嚢胞性卵巣症候群、性的成熟症もしくは高アンドロゲン性症候群;または(c)筋萎縮および筋力低下、皮膚萎縮、骨減少、貧血、動脈硬化症、心血管疾患、活動力の低下、良好な健康状態の低下、2型糖尿病および腹部の脂肪蓄積を処置するか、またはその発症リスクを低減する医薬を製造するための、上述した化合物の使用にも関する。
【0083】
本発明の使用において、前記化合物が医薬的に許容可能な希釈剤または担体中で患者に投与されるように調製されることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】図1は、本発明の非ステロイド性アンドロゲン受容体アンタゴニストの作用原理を模式的に表している。
【図2】図2(A:側方からの図、B:上部からの図)は、EM−5744分子の周りの電子密度を示す。1.75Åの解像度のデータを用いて計算した2Fo−Fcマップを、1σレベルで示す。
【図3】図3は、hAR(LBD)−EM−5744複合体構造におけるリガンド結合中空部を示す静電表面を示す。
【図4】図4は、hAR(LBD)−EM−7105複合体構造におけるアンタゴニストEM−7105とリガンド結合中空部のアミノ酸残基との相互作用を示す。
【図5】図5は、アンタゴニストEM−7105の側鎖とアンドロゲン受容体のヘリックス12αとの相互作用を示す。
【図6】図6は、hAR(LBD)−EM−7105複合体構造におけるリガンド結合中空部およびヘリックス12αによって占有される部位を連結する(joning)チャネルの静電表面を示す。EM−7105の側鎖の窒素原子とグルタミド残基709との相互作用に下線を付した。ヘリックス12αのフォールディングが側鎖の端によって阻害されているのが見られる。
【発明を実施するための形態】
【0085】
好ましい実施形態の詳細な説明
hERα(LBD)−ラロキシフェン結晶複合体に関するこれまでの構造研究により、ラロキシフェンによる拮抗作用のメカニズムの構造的な根拠が明らかになっている。その後、アンタゴニストは、アゴニストがLBDのコア内部に結合するのと同じ部位に結合するが、2つのリガンドは、異なる結合様式を示すことが示された。実際に、各クラスのリガンドは、ヘリックス12の配置の違いを特徴とするトランス活性化ドメインの異なる立体構造を誘導する。hAR(LBD)−R1881複合体の結晶学的構造に基づいた本発明者らの分子モデリング(イシオカ(Ishioka)ら、イソオキサゾロン部位を用いた新規の非ステロイド性/非アニリド型アンドロゲン拮抗作用(Novel Non−Steroidal/Non−Anilide Type Androgen Antagonists with Isoxazolone Moiety),バイオオーガニックアンドメディシナルケミストリー(Bioorganic & Medicinal Chemistry)10巻(2002年)1555−1566頁;マッダーナ(Muddana)ら、11β−アルキル−Δ−19−ノルテステロン誘導体:高親和性リガンドおよびアンドロゲン受容体の強力な部分アゴニスト(11β−alkyl−Δ−19−Nortestosterone Derivatives:High−Affinity Ligands and Potent Partial Agonists of the Androgen Receptor),ジャーナル・オブ・メディシナルケミストリー(J.Med.Chem.)2004年、47巻、4985−4988頁)により、ステロイド結合部位とヘリックス12に占有される部位との間に狭いチャネルが発見された。本発明者らは、側鎖が、アンドロゲンステロイド核の炭素18上に位置する場合のみ、アンドロゲン受容体の5残基(Asn705、Trp741、Met742、Thr877およびPhe891)の側鎖によって主に形成されるこの狭いチャネルは、その側鎖を適合(accommodate)し得ることを発見した。ステロイド核上のこの位置から、この開口部を通過する細い側鎖は、受容体の表面に到達し、ヘリックス12の配置を妨害し得る。非ステロイド化合物にまで拡張することにより、本発明者らは、核を有する化合物(hAR(LBD)のステロイド活性部位のアミノ酸残基の一部に結合することができ、上記の発見されたチャネルを通過することができるような正しい位置に側鎖を有する)が、ヒトアンドロゲン受容体の良好なアンタゴニストである良好な候補であり得ることを見出した。hERα(LBD)およびhAR(LBD)は、それぞれヒト型αエストロゲン受容体リガンド結合ドメインおよびヒトアンドロゲン受容体リガンド結合ドメインを意味する。
【0086】
本発明は、上で概説した知見に基づくものであり、化合物およびそのような化合物を含む医薬組成物を提供する。従って、アンドロゲン受容体に結合することができ、上記のチャネルを通過するのに十分細くて長い鎖を有する化合物は、ヘリックス12を妨害し、その正常な配置を阻害するに違いなく、良好なアンタゴニストであるはずである。本明細書中で述べるすべての選択物は、組み合わせて使用され得る。例えば、記載した分子構造の任意の位置における好ましい置換基は、他の任意の位置の好ましい置換基とともに使用され得る。
【0087】
長い置換基を有する多くの化合物を、本発明者らの実験室において合成し、アンドロゲン受容体と結合する能力およびアンドロゲン感受性マウスシオノギ(Shionogi)乳癌細胞のDHT刺激性成長を抑制する能力について試験した。ほとんどの場合において、これらの分子は、高親和性で受容体と結合するが、依然として強力なアゴニストである。しかしながら、本発明者らはまた、受容体に対して高親和性を有する多くの非常に強力なアンタゴニストを得たことから、側鎖の構造が、決定的に(paramout)重要であることが示唆される。これらの異なる分子のアゴニスト特性およびアンタゴニスト特性の分子的根拠を理解するため、および予測されるように配置される側鎖が、本当にチャネルを通過して、ヘリックス12に到達することができることを確認するために、本発明者らは、これらの複合体の3次元構造を決定し、比較するために、ヒトアンドロゲン受容体リガンド結合ドメイン(hAR(LBD))との複合体の状態でこれらの分子(アンドロゲンおよび抗アンドロゲン)の一部の結晶化を試みた。本発明者らは、ここで、1.75Åの解像度で測定したそれらのうちの1つ(hAR(LBD)−EM−5744)の完全な構造を得た。
【0088】
EM−5744は、長い側鎖置換基が18位の炭素原子に付加されているが、ヒトアンドロゲン受容体に対して強力な親和性を有するDHT系リガンドである(以下の構造を参照)。実際に、このリガンドEM−5744は、相対的結合親和性がDHTに対して180およびR1881に対して100という値と比較して、540という相対的結合親和性で野生型hARと結合する。EM−5744は、10−7Mで有意なアゴニスト活性を有するが、このリガンドは、10−6Mの濃度で培地に添加されたときにシオノギ細胞のDHT刺激性成長を抑制しないので、アゴニストと考えられ得る。
【0089】
【化23】

【0090】
図2および図3に示すように、決定された結晶学的構造において、EM−5744のステロイド核は、リガンド結合中空部内に位置し、結合したリガンドと相互作用するアミノ酸残基が、hAR LBD内に合計18個存在する(d≦3.9Å)。これらの残基のほとんどは、疎水性であり、ステロイド骨格と主に相互作用する一方で、一部のみが極性であり、リガンド上の極性原子と水素結合を形成し得る。A環カルボニル基の酸素原子(O−3)は、Arg752と水素結合を形成する(Arg752η2まで2.9Å)。他の2つの残基(Arg752η2およびMet745O)と水素結合したO−3近傍(3.2Å)に水分子も存在する。EM−5744の17βヒドロキシル基は、ASN705δ1(2.8Å)およびThr877γ(2.8Å)と水素結合を形成し、これは、hAR(LBD)−R1881複合体構造で観察されるのと同じパターンである。最後に、C−18側鎖はまた、主に疎水性残基との多くの接触によって十分に安定化されており、予測されるように、チャネルを通ってステロイド結合ポケットから出る。しかしながら、EM−5744の側鎖は、ヘリックス12によって占有されている中空部に到達するようにうまく配置されておらず、その結果として、その配置を妨害できない。この観察結果は、嵩高いC−18側鎖が存在するのにもかかわらず、何故、この化合物が、アゴニストとして作用するのかを十分に説明している。興味深いことに、予測していない相互作用が、EM−5744の側鎖の末端のフッ素原子の1つと残基His874のNη2原子との間に観察された。これらの2つの原子の近位に見られる水分子もまた関与し得る。この相互作用は、おそらく、受容体とのこの第3の結合を有しないDHTまたはR1881と比較して、hARに対するEM−5744のより高い親和性を説明している。同様に、EM−5744のC−18置換基を適合するために、チャネルを形成する残基である残基Trp741の側鎖は、そのCγの周りを180°回転して、hAR(LBD)−R1881複合体構造内の同じ残基と観察されるのと非常に異なる立体構造をとる。リガンド中空部を形成する他の残基はまた、Trp741側鎖移動の結果起こり得る異なる立体構造をとる。本発明の観察結果により、リガンド結合中空部とEM−5744のC−18側鎖がそのポケットから出て通る狭いチャネルとの両方の顕著な柔軟性が示される。
【0091】
図1に示すように、本発明の化合物によるアンドロゲン受容体の結合は、アンドロゲン受容体へのコアクチベータおよびコリプレッサの結合を改変し得ることから、アンドロゲン感受性組織におけるアポトーシスを加速させ得る。抗アンドロゲンは、細胞死をもたらすことさえあり得る。
【0092】
図4〜6は、hAR(LBD)−EM−7105複合体のモデルを示し、ただし、EM−7105は、本発明の非ステロイド抗アンドロゲンである。EM−7105の核は、図4に示すようにリガンド結合中空部内に位置している。この領域のhAR(LBD)−残基のほとんどは、疎水性であり、主に
【0093】
【化24】

【0094】
核と相互作用する一方で、その側鎖上の窒素は、グルタミド709残基上の極性原子と水素結合を形成し得る。この水素結合が生じると、ヘリックス12αのフォールディング(repliement)が阻害されることが、図5および6に見ることができる。
【0095】
本発明の抗アンドロゲンおよびそれらを含む医薬組成物は、その進行がアンドロゲン受容体の活性化によって促進されるアンドロゲン感受性疾患の処置に、本発明に従って利用され得る。
【0096】
これらの疾患としては、前立腺癌、良性の前立腺肥大、ざ瘡、脂漏症、多毛症、アンドロゲン性脱毛症、男性型禿頭症、性的早熟症、多嚢胞性卵巣症候群などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0097】
ある種の状況(例えば、ある濃度)において、本発明の化合物およびそれらを含む医薬組成物は、アンドロゲン性であり得、アンドロゲンが有益であることに関する疾患(例えば、筋肉の萎縮、腹部の脂肪蓄積、皮膚の萎縮、貧血、骨低下、骨粗鬆症、アテローム性動脈硬化症(artherosclerosis)、心血管疾患、2型糖尿病、活動力または良好な健康状態の低下)の予防および処置に本発明に従って利用され得る。
【0098】
【化25】

【0099】
核が、以下の部分:
【0100】
【化26】

【0101】
(式中、点線は、任意の結合を表し;RおよびRは、独立して、水素、ハロゲン、ニトリル、−COCH、−SOCH、−NO、−OCH、−SCH、メチルおよびハロゲン化メチルからなる群から選択され;ただし、RおよびRの少なくとも1個は、水素でなく;RおよびR10は、独立して、水素、ヒドロキシル、ハロゲンおよびメチルからなる群から選択され;Wは、−CH−、酸素および硫黄からなる群から選択される)から選択されることが好ましい。
【0102】
Yが、−MCHCH−、−CHMCH−および−CHCHM−(Mは、−O−、−S−、−SO−および−CH−からなる群から選択される)からなる群から選択されることが好ましく、特には、−CHCHO−が好ましい。
【0103】
Eが、フェニレンおよび一置換ピリジルからなる群から選択されることが好ましく、式中、Zは、Y基に対してパラ位に位置し、Zの窒素原子は、1個の介在原子によってフェニレンまたは一置換ピリジル環から分離されており、特に、Zは、以下の部分:
【0104】
【化27】

【0105】
((Z’は、水素、低級C−Cアルキル、アルキレンまたはアリールであるか)またはZは、E環と融合して、
【0106】
【化28】

【0107】
(Z’およびZ’は、独立して、水素、低級C−Cアルキル、アルキレンまたはアリールである)からなる群から選択される二環部分を形成する)から選択される。
【0108】
Dは、
【0109】
【化29】

【0110】
(式中、WおよびWは、独立して、−CH−、酸素および硫黄からなる群から選択され;R、R、RおよびRは、独立して、水素および(C−C)低級アルキルからなる群から選択され;RおよびR10は、独立して、水素、ヒドロキシル、ハロゲンおよびメチルからなる群から選択される)からなる群から選択されることが好ましい。
【0111】
以下の分子式の化合物:
【0112】
【化30】

【0113】
(式中、nは、1〜3の整数であり;RaおよびRbは、独立して、水素およびC−Cアルキル、C−Cアルケニルからなる群から選択され;RaおよびRbは、一緒になって、環を形成してもよく;Rは、水素、ハロゲン、OCH、SCH、アルキルスルホキシド、アルキルスルホンスルホン、ニトリル、NO、アルキル、メチルおよびトリフルオロメチルからなる群から選択され;Rは、ハロゲン、ニトリル、−COCH,−SOCHおよび−NOからなる群から選択され;R11およびR12は、独立して、水素およびC−C低級アルキルからなる群から選択されるか、またはR11とR12とが一緒になって、窒素、酸素、セレン、ケイ素および硫黄からなる群から選択される別のヘテロ原子を必要に応じて有する複素環を形成し;R13は、水素、ヒドロキシルおよびC−C低級アルキルからなる群から選択され;R14は、水素、ヒドロキシルおよびC−C低級アルキルからなる群から選択され;ただし、R14とR15とが一緒になって、C−C環またはC−C複素環を形成してもよく;R15は、水素およびC−C低級アルキルからなる群から選択され、R13とR14とが一緒になって、C−C環またはC−C複素環を形成してもよく;R16は、水素およびC−C低級アルキルからなる群から選択される)またはその塩およびそれらを含む医薬組成物が好ましい。
【0114】
以下からなる群から選択される分子構造を有する化合物またはその塩およびそれらを含む医薬組成物が、特に好ましい。
【0115】
【化31】

【0116】
いくつかの実施形態において、R11またはR12は、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルラジカルであることが好ましい。
【0117】
いくつかの実施形態において、RaおよびRbは、独立して、水素、メチルおよびエチルからなる群から選択されることが好ましい。
【0118】
は、水素、フッ素、塩素およびシアノからなる群から選択されることが好ましい。
nは3であることが好ましい。
【0119】
好ましい実施形態において、本明細書中における2個または好ましくはそれ以上の選択物を組み合わせて使用する。
【0120】
本発明の抗アンドロゲンは、好ましくは、従来技術において使用される抗アンドロゲンについての従来の抗アンドロゲン濃度で、医薬的に許容可能な希釈剤、賦形剤または担体(カプセルを含む)と共に医薬組成物に製剤化される。本発明の化合物の効力がより高くなることを考慮に入れて、主治医は、各患者の特定の応答に対して用量を調節するために濃度および/または投与量の変更を選択し得る。好ましくは、主治医は、特に処置の開始時に、個別の患者の全般的な応答および抗アンドロゲンの血清レベル(以下に述べる好ましい血清濃度と比較して)をモニターし、処置に対するその患者の全般的な応答をモニターして、所与の患者の代謝または処置に対する反応が不定型である場合は、必要に応じて投与量を調節する。以下でより詳細に述べるように、担体、賦形剤または希釈剤としては、固体のものおよび液体のものが挙げられる。組成物を、即時使用のため以外に調製する場合、典型的には、当該分野で認められた保存剤(例えば、ベンジルアルコール)を含める。本発明の新規な医薬組成物は、アンドロゲン関連疾患の処置またはそのような疾患に罹患する可能性を低減するために使用され得る。全身投与の場合(例えば、前立腺癌、良性の前立腺肥大、性的早熟症、多嚢胞性卵巣症候群および主に皮膚が罹患しているものでない他の疾患の処置のため)、全身使用のために医薬的に許容可能であると当該分野で公知である従来の希釈剤または担体(例えば、食塩水、水、水性エタノール、オイルなど)が使用される。その担体は、諸成分の混合物であることが多い。
【0121】
全身使用のために製剤化する場合、抗アンドロゲンは、従来の方法(例えば、経口的または注射)で投与のために調製され得る。抗アンドロゲンは、例えば、経口経路によって投与され得る。本発明の化合物は、従来の医薬的賦形剤(例えば、噴霧乾燥ラクトースおよびステアリン酸マグネシウム)と共に経口投与用の錠剤またはカプセルに製剤化され得る。当然のことながら、経口投与形態の場合は、風味改善物質を加えてもよい。経口摂取用のカプセルが望ましい場合、当該分野で公知の任意の医薬的カプセルに、さらなる希釈剤および本明細書中で述べる他の添加剤と共に、またはそれら無しで、本発明の活性成分が充填され得る。
【0122】
活性物質は、固形粉末状の担体物質(例えば、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウムまたはリン酸二カルシウム)および結合剤(例えば、ポリビニルピロリドン、ゼラチンまたはセルロース誘導体)とともに混合することにより、また、場合によっては、潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、「Carbowax」またはポリエチレングリコール)もまた加えることにより、錠剤または糖衣錠コアに加工され得る。
【0123】
さらなる形態として、押し込み型(plug)カプセル(例えば、硬質ゼラチンのもの)ならびに軟化剤または可塑剤(例えば、グリセリン)を含む密閉軟質ゼラチンカプセルが使用され得る。押し込み型カプセルは、好ましくは、顆粒の形態で、例えば、充填剤(例えば、ラクトース、サッカロース、マンニトール、デンプン(例えば、ジャガイモデンプンまたはアミロペクチン)、セルロース誘導体または高度に分散されたケイ酸)との混合物中に活性物質を含む。軟質ゼラチンカプセルにおいて、活性物質は、好ましくは、適当な液体(例えば、植物油または液体のポリエチレングリコール)中に溶解されているか、懸濁されている。
【0124】
米国特許第3,742,951号、同第3,797,494号または同第4,568,343号に記載されているような乾燥送達系を使用してもよい。
【0125】
あるいは、活性成分は、当該分野で公知の構造(例えば、欧州特許第0279982号に記載されているものなどの構造)を有する経皮的パッチに配合してもよい。
【0126】
米国特許第5,064,654号、同第5,071,644号または同第5,071,657号に記載されているような溶媒またはデバイスはまた、全身性の効果が所望される場合に、経皮的浸透を容易にするために使用され得る。全身性疾患を処置するために使用する場合、抗アンドロゲンの局所濃度が過剰にならないように、皮膚上の適用部位を変更するのがよい。
【0127】
いくつかの実施形態において、本発明の抗アンドロゲンは、皮膚のアンドロゲン関連疾患(例えば、ざ瘡、脂漏症、多毛症、アンドロゲン性脱毛症および男性型禿頭症)の処置に利用される。これらの目的のいずれかのために使用する場合、抗アンドロゲンは、好ましくは、従来の局所用の担体または希釈剤と共に局所的に投与される。局所的に使用する場合、その希釈剤または担体が、血流または望ましくない全身性の効果を引き起こし得る他の組織への活性成分の経皮浸透を促進しないことが好ましい。
【0128】
本化合物が、皮膚用または局所用の担体または希釈剤にて投与される場合、この担体または希釈剤は、化粧品および医薬の分野において任意の公知のもの(例えば、任意のゲル、クリーム、ローション、軟膏、液状もしくは非液状の担体、乳化剤、溶媒、液状の希釈剤または皮膚もしくは他の生動物組織に悪影響を及ぼさない他の同様のビヒクル)から選択され得る。その担体または希釈剤は、通常、いくつかの成分(液状アルコール、液状グリコール、液状ポリアルキレングリコール、水、液状アミド、液状エステル、液状ラノリン、ラノリン誘導体および同様の材料が挙げられるがこれらに限定されない)の混合物である。アルコールとしては、1価アルコールおよび多価アルコール(エタノール、グリセロール、ソルビトール、イソプロパノール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコール、ヘキシレングリコール、マンニトールおよびメトキシエタノールを含む)が挙げられる。典型的な担体としてはまた、エーテル(例えば、ジエチルエーテルおよびジプロピルエーテル)、メトキシポリオキシエチレン、カーボワックス、ポリエチレングリセロール、ポリオキシエチレンおよびソルビトールが挙げられ得る。通常、局所用担体は、親水性(hydrophylic)および親油性(lipophylic)の溶解度を最大にするために、水とアルコールの両方を含み、例えば、エタノールまたはイソプロパノールと水との混合物である。
【0129】
局所用担体としてはまた、軟膏およびローションに通常使用される他の様々な成分ならびに化粧品および医薬の分野で周知の成分も挙げられ得る。例えば、芳香剤、酸化防止剤、香料、ゲル化剤、増粘剤(例えば、カルボキシメチルセルロース)、界面活性剤、安定剤、軟化剤、着色剤および他の同様の薬剤が存在し得る。
【0130】
軟膏、クリーム、ゲルまたはローション中の活性成分の濃度は、典型的には、約0.1〜20パーセント、好ましくは、0.5〜5パーセントおよび最も好ましくは、2パーセント(ローション、クリーム、ゲルまたは軟膏の総重量に対する重量を基準)である。好ましい範囲内では、濃度が高いほど、より少ない量またはより低い頻度で、ローション、軟膏、ゲルまたはクリームを適用することによって適当な投与量が達成され得る。
【0131】
後述するいくつかの非限定的な実施例では、それぞれ典型的なローションおよびゲルの調製について記載する。ビヒクルに加えて、当業者は、特定の皮膚科学的必要性に適合させるために他のビヒクルを選択し得る。
【0132】
抗アンドロゲンを全身投与する場合、抗アンドロゲンは、好ましくは、経口的または非経口的に投与される。当然、所望の作用部位が皮膚である場合は、局所投与が好ましい。
【0133】
活性な抗アンドロゲンの濃度は、その医薬組成物の投与方法に応じて公知の様式で変更される。経口投与に適した組成物は、好ましくは、少なくとも1個の抗アンドロゲンを含み得、ここで、上記医薬組成物中のそのような抗アンドロゲンのすべての総濃度は、組成物の約1%〜95%(重量基準)および好ましくは、約5%〜約20%である。抗アンドロゲンの組み合わせを使用する場合、すべての抗アンドロゲンの合計の総投与量は、前述の投与量の範囲と等しいのがよい。抗アンドロゲンの血中レベルは、吸収および代謝の個体間のばらつきを考慮に入れた、適当な投与量の好ましい基準である。
【0134】
非経口(parental)注射用に調製する場合、抗アンドロゲンは、好ましくは、約0.1mg/mL〜約100mg/mL(好ましくは、約2.5mg/mL〜約25mg/mL)の濃度で加える。
【0135】
全身性の活性が所望される場合、抗アンドロゲンは、血中血清濃度が所望のレベルに達するのに十分な様式および投与量で投与されることだけが必要である。血清抗アンドロゲン濃度は、典型的には、0.1〜1000μg/L、好ましくは、50〜1000μg/Lおよび最も好ましくは、50〜500μg/Lで維持されるのがよい。適当な血清レベルはまた、治療に対する患者の応答によって評価され得る。
【0136】
典型的な患者については、所望の血清濃度を達成する抗アンドロゲンの適切な投与量は、経口的に投与する場合、10〜2000mg(活性成分)/日/50kg体重である。注射によって投与する場合、約2〜1500mg/日/50kg体重が推奨され、好ましくは、5〜100mg/日/50kg体重である。
【0137】
局所的に使用するためには、ローション、軟膏、ゲルまたはクリームは、過剰分が明白に見えなくなるよう皮膚に十分擦り込むのがよく、好ましくは、少なくとも30分間、皮膚のその領域を洗浄しない。適用した量は、1回の適用につき、少なくとも0.02mgの抗アンドロゲン/cm(好ましくは、0.1〜1mg/cm)を提供するのがよい。1日1〜6回、例えば、1日3回、ほぼ一定間隔で局所用組成物を効果を与える領域に適用するのが望ましい。
【0138】
本発明のいくつかの実施形態において、本発明の抗アンドロゲンは、併用療法の一部として、別の活性成分と組み合わせて使用される。例えば、新規な抗アンドロゲンは、別個の5α−レダクターゼ抑制剤、すなわち、5型もしくは3型の17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ抑制剤または前立腺短鎖デヒドロゲナーゼレダクターゼ1抑制剤(これらは、抗アンドロゲンによっては同じ医薬組成物に組み込まれ得るか、または別々に投与され得る)と共に利用され得る。従って、併用療法は、ジヒドロテストステロンまたはその前駆体の産生を抑制する1個以上の化合物を用いた処置を含み得る。本発明のいくつかの好ましい実施形態において、局所用の医薬組成物は、ステロイド5α−レダクターゼ活性の抑制剤をさらに含む。そのような抑制剤の1つ(「プロペシア」または「プロスカー」)は、メルク・シャープ&ドーム社(Merck Sharp&Dohme)から市販されている。5α−レダクターゼ補酵素の両方を抑制する別の抑制剤「デュタステライド」は、グラクソ・スミスクライン社(GlaxoSmithKline)によって登録されたものである。5型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼの抑制剤(より詳細には、化合物EM−1404)は、国際公開第99/46279号に開示されている。抑制剤13型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼの1つであるEM−1792は、国際公開第2005/000011号に記載されている。
【0139】
5α−レダクターゼ抑制剤を併用療法に使用する場合、本明細書中に記載する本発明に従って、経口投与量は、好ましくは、0.1mg〜100mg/日/50kg体重であり、より好ましくは、0.5mg/日〜10mg/日、例えば、フィナステリドの5.0mg/日である。
【0140】
5型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ抑制剤を併用療法に使用する場合、本明細書中に記載する本発明に従って、経口投与量は、好ましくは、5mg〜500mg/日/50kg体重、より好ましくは、10mg/日〜400mg/日、例えば、EM−1404の300mg/日である。
【0141】
17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(dehydrogenease)5型または13型抑制剤を併用療法に使用する場合、本明細書中に記載する本発明に従って、経口投与量は、好ましくは、10mg〜1000mg/日/50kg体重、より好ましくは、25mg/日〜1000mg/日、例えば、EM−1404またはEM−2881の200mg/日である。
【0142】
所与の疾患の処置またはその発症リスクの低減の必要のある患者は、そのような疾患と診断された患者またはそのような疾患に罹患しやすい患者である。本発明は、遺伝、環境要因または他の認識されている危険因子に起因して、本発明が関連する状態に罹患するリスクが一般集団よりも高い個体に特に有用である。
【0143】
特に記載する場合以外は、本発明の活性化合物の好ましい投与量は、治療目的および予防目的の両方について同一である。本明細書中に記載する各活性成分についての投与量は、処置(または予防)される疾患に関係なく、同じである。
【0144】
2種以上の異なる活性剤が、本明細書中の併用療法の一部として記載されている場合(例えば、酵素抑制剤および抗アンドロゲン)、複数の活性を有する単一の化合物ではなく、複数の異なる化合物が投与される。
【0145】
特に記載する場合以外は、用語「化合物」および任意の関連分子構造は、ラセミ混合物の形態または光学的に活性な形態の任意の可能なその立体異性体を含み得る。
【0146】
特に記載する場合以外または文脈から明らかである場合以外は、本明細書中の投与量は、医薬的賦形剤、希釈剤、担体または他の成分によって影響を受けない活性化合物の重量のことをいうが、望ましくは、本明細書中の実施例において示すように、追加の成分を含む。製薬業界で通常使用されている任意の剤形(カプセル、錠剤、注射など)は、本明細書中の使用に適しており、用語「賦形剤」、「希釈剤」または「担体」は、典型的には、当該業界におけるそのような剤形中に活性成分と共に含まれるものなどの非活性成分を含む。
【0147】
本明細書中に記載する併用療法のいずれかにおいて使用される活性成分のすべてが、他の1種以上の活性成分も含んでいる医薬組成物に製剤化され得る。あるいは、それらを、それぞれ別々に投与してもよいが、患者が、最終的に高い血中レベルを有するように、または他の方法で活性成分(またはストラテジ)の各々の効力を同時に享受するように十分同時である時点で投与し得る。本発明のいくつかの好ましい実施形態において、例えば、1種以上の活性成分は、単一の医薬組成物に製剤化される。本発明の他の実施形態において、少なくとも2個の別個の容器を含むキットが提供され、ただし、活性成分に関して少なくとも1個の他の容器に活性成分を含んでいる。2個以上の異なる容器が、本発明の併用療法において使用される。本明細書中に記載する併用療法はまた、処置または予防が、組み合わせと別の活性成分またはストラテジをさらに含んでいる場合、対象疾患の処置(または予防)のための薬物の製造において、その組み合わせのうちの1種の活性成分の使用を含む。例えば、前立腺癌治療においては、LHRHアゴニストもしくはアンタゴニストまたは3型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼの抑制剤が使用され得る。
【0148】
好ましい化合物
好ましい化合物ならびにそれらの特性および効力のリストを、以下の表に示す。表IおよびIIのみは、マウス乳癌シオノギ細胞に対するアンドロゲン活性/抗アンドロゲン活性のインビトロ測定およびトランスフェクト細胞におけるヒトアンドロゲン受容体への結合の測定およびラットに対する抗アンドロゲン活性のインビボデータ測定を含む。データをどのように収集および報告したかについての詳細な説明は、表に付随する。
【0149】
【表1−1】

【0150】
【表1−2】

【0151】
【表1−3】

【0152】
【表1−4】

【0153】
【表1−5】

【0154】
【表1−6】

【0155】
【表2−1】

【0156】
【表2−2】

【0157】
【表2−3】

【0158】
【表2−4】

【0159】
表1および2の説明:
第1欄には、抗アンドロゲンの実験室での名称を記載する。
【0160】
第2欄には、その抗アンドロゲンの分子構造を記載する。
第3欄には、DHTで刺激されたシオノギマウス乳癌細胞数を50%抑制する用量(IC50)(nMで表示)を示す。値が小さいほど好ましい。
【0161】
第4欄には、式:
%RBA=100×IC50R1811/IC50(化合物)
によって計算されるような、R1881と比較して、トランスフェクト細胞におけるヒトアンドロゲン受容体に対する抗アンドロゲンの相対的結合親和性(RBA)(パーセンテージ(%)で表す)を示す。
【0162】
値が大きいほど好ましい。
第5欄には、ラット前立腺における抗アンドロゲン効力の%を示し、抑制のパーセンテージで表す。
ただし、この抑制のパーセンテージ(%抑制)は、以下の式:
%抑制=100−[W(化合物)−W(コントロール)/W(DHT)−W(コントロール)]×100
によって計算される。
【0163】
Wは、前立腺の重量である。
値が大きいほど好ましい。
【0164】
第6欄には、ラット精嚢における抗アンドロゲン効力の%を示し、抑制のパーセンテージで表す。
ただし、抑制のパーセンテージ(%抑制)は、以下の式:
%抑制=100−[W(化合物)−W(コントロール)/W(DHT)−W(コントロール)]×100
によって計算される。
【0165】
Wは、精嚢の重量である。
値が大きいほど好ましい。
【0166】
第7欄には、ラット肛門挙筋における抗アンドロゲン効力の%を示し、抑制のパーセンテージで表す。
ただし、抑制のパーセンテージ(%抑制)は、以下の式:
%抑制=100−[W(化合物)−W(コントロール)/W(DHT)−W(コントロール)]×100
によって計算される。
【0167】
Wは、精嚢の重量である。
値が大きいほど好ましい。
【0168】
【表3−1】

【0169】
【表3−2】

【0170】
表3の説明:
第1欄には、抗アンドロゲンの分子構造および実験室での名称を記載する。
【0171】
第2欄には、DHTで刺激されたシオノギマウス乳癌細胞数を50%抑制する用量(IC50)(nMで表示)を示す。その化合物が、シオノギマウス乳癌細胞を刺激する場合、用語アゴニストと記載する。値が小さいほど好ましい。
【0172】
第3欄には、式:
%RBA=100×IC50R1811/IC50(化合物)
によって計算されるような、R1881と比較して、トランスフェクト細胞におけるヒトアンドロゲン受容体に対する抗アンドロゲンの相対的結合親和性(RBA)(パーセンテージ(%)で表す)を示す。
【0173】
値が大きいほど好ましい。
第4欄には、ラット前立腺における抗アンドロゲンの効力の%を示し、抑制のパーセンテージで表す。
ただし、この抑制のパーセンテージは、以下の式:
%抑制=100−[W(化合物)−W(コントロール)/W(DHT)−W(コントロール)]×100
によって計算される。
【0174】
Wは、前立腺の重量である。
値が大きいほど好ましい。
【0175】
第5欄には、ラット精嚢における抗アンドロゲン効力の%を示し、抑制のパーセンテージで表す。
ただし、抑制のパーセンテージは、以下の式:
%抑制=100−[W(化合物)−W(コントロール)/W(DHT)−W(コントロール)]×100
によって計算される。
【0176】
Wは、精嚢の重量である。
値が大きいほど好ましい。
【0177】
第6欄には、ラット肛門挙筋における抗アンドロゲンの効力の%を示し、抑制のパーセンテージで表す。
ただし、抑制のパーセンテージは、以下の式:
%抑制=100−[W(化合物)−W(コントロール)/W(DHT)−W(コントロール)]×100
によって計算される。
【0178】
Wは、精嚢の重量である。
値が小さいほど好ましい。
【0179】
第7欄には、ラット前立腺におけるアンドロゲン効力の%を示し、刺激のパーセンテージで表す。
ただし、刺激のパーセンテージは、以下の式:
%刺激=[W(化合物)−W(コントロール)/W(DHT)−W(コントロール)]×100
によって計算される。
【0180】
Wは、前立腺の重量である。
値が小さいほど好ましい。
【0181】
第8欄には、ラット精嚢におけるアンドロゲン効力の%を示し、刺激のパーセンテージで表す。
ただし、刺激のパーセンテージは、以下の式:
%刺激=[W(化合物)−W(コントロール)/W(DHT)−W(コントロール)]×100
によって計算される。
【0182】
Wは、精嚢の重量である。
値が小さいほど好ましい。
【0183】
第9欄には、ラット肛門挙筋におけるアンドロゲン効力の%を示し、刺激のパーセンテージで表す。
ただし、刺激のパーセンテージは、以下の式:
%刺激=[W(化合物)−W(コントロール)/W(DHT)−W(コントロール)]×100
によって計算される。
【0184】
Wは、精嚢の重量である。
値が大きいほど好ましい。
【0185】
【表4】

【0186】
表4の説明:
第1欄には、抗アンドロゲンの実験室での名称を記載する。
【0187】
第2欄には、その抗アンドロゲンの分子構造を記載する。
第3欄には、DHTで刺激されたシオノギマウス乳癌細胞数を50%抑制する用量(IC50)(nMで表示)を示す。値が小さいほど好ましい。
【0188】
第4欄には、式:
%RBA=100×IC50R1811/IC50(化合物)
によって計算されるような、R1881と比較して、トランスフェクト細胞におけるヒトアンドロゲン受容体に対する抗アンドロゲンの相対的結合親和性(RBA)(パーセンテージ(%)で表す)を示す。
【0189】
値が大きいほど好ましい。
第5欄には、処置動物の左耳の皮脂腺の領域対コントロール動物の左耳の皮脂腺の領域の抑制のパーセンテージを示す。エタノール:プロピレングリコール(1:1;v:v)の10μL溶液に溶解した試験化合物を1日あたり3μgの用量で14日間、左耳介の腹側表面の2つの軟骨隆線(cartilage ridge)の間の領域に適用した。
【0190】
好ましい抑制剤の効力
A 抗アンドロゲンのアンドロゲン活性/抗アンドロゲン活性のインビトロアッセイ
好ましい化合物のアンドロゲン活性/抗アンドロゲン活性を、シオノギマウス乳癌細胞を用いて測定した。
【0191】
1.材料
最少必須培地(MEM)、可欠アミノ酸および胎仔ウシ血清をFlow Laboratoriesから購入した。内因性ステロイドを除去するために、血清を1%活性炭(Norit A,フィッシャー社(Fisher))および0.1%デキストランT−70(ファルマシア社(Pharmacia))と共に4℃で一晩インキュベートした。タンパク質結合ステロイドをさらに除去するために、2時間の補足的吸着を25℃にて行った。また、血清を20分間、56℃でインキュベートすることにより、不活化した。
【0192】
5α−ジヒドロテストステロン(DHT)をステラロイズ社(Steraloids)から入手した。抗アンドロゲンヒドロキシフルタミド(OH−FLU)は、T.L.ナガブスチャン(Nagabuschan)博士およびR.ネリ(Neri)博士(シェリング社(Schering Corporation),ケニルワース,米国)のご厚意によりいただいた。
【0193】
2.細胞の分散、培養およびクローン化
アンドロゲン感受性乳腺腫瘍を有するシオノギ雄マウスを、ケイシ マツモト博士(Keishi Matsumoto)(大阪,日本)およびイヴォンヌ ルフェーヴル(Yvonne Lefebvre)博士(オタワ,カナダ)から頂いた。初代培養に向けて、腫瘍を切除し、氷冷滅菌25mM Hepes緩衝液(137mM NaCl;5mM KCl;0.7mM NaHPO;10mMグルコース,pH7.2)で洗浄した。ハサミで分割した後、その腫瘍を分割したものを、3.8mg/mLのコラゲナーゼ(クロストリジウム,ベーリンガー社(Boehringer))、1.5mg/mLのヒアルロニダーゼII(シグマ社(Sigma))および3%ウシ血清アルブミン第V画分(Schwartz−Mann)を含むHepes緩衝液中、37℃で2時間消化した。分散した細胞を遠心分離(500×gで10分間)により回収し、5%デキストランコート炭処理胎仔ウシ血清(DCC−FCS)、1%可欠アミノ酸、10IU/mLのペニシリン、50μg/mLのストレプトマイシンおよび100nMのジヒドロテストステロン(DHT)(ステラロイズ社)を含む最少必須培地(MEM)中で懸濁により2回洗浄した。
【0194】
細胞は、75cmのフラスコ中に75000細胞/mLの密度で、37℃、大気中5%二酸化炭素の雰囲気下にて、同じ培地中に播いた。培地は、1週間に1回交換した。抗アンドロゲンをエタノールに溶解し、選択した原液を最終エタノール濃度が培地中で0.01%未満となるように維持した。エタノールのこのような濃度は、細胞成長に影響を及ぼさない。
【0195】
細胞は、3mMのエチレンジアミン四酢酸(EDTA)(pH7.2)を含むHepes緩衝液中に0.1%パンクレアチン(フローラボラトリーズ社(Flow Laboratories))の溶液中における穏やかな消化によってコンフルエント近く(near−confidence)まで継代培養した。細胞を遠心分離によりペレットにし、培地に再懸濁し、コールターカウンターで計数し、上記のように再び播いた。軟寒天クローン化を、100nM DHTの存在下で記載されている(スタンレイ(Stanley)ら,セル(Cell)10:35−44,1977)ように行った。
【0196】
3.細胞成長の測定
細胞を、20000細胞/ウェルの密度で24ウェルプレートに播いた。表示したように薬剤の濃度を上げて、3連のディッシュに加え、3〜4日ごとに培地を交換して、細胞を10〜12日間成長させた。コールターカウンターで直接計数することによって細胞数を測定した。
【0197】
4.計算および統計解析
ロッドバード(Rodbard),エンドクリノロジー(Endocrinology)に記載されているような最小二乗回帰に従って、抗アンドロゲンのIC50値を計算した。クレイマー(Kramer)多重範囲検定に従って、統計的有意性を計算した。
【0198】
B アンドロゲン受容体(AR)アッセイ
1.組織調製
ヒトアンドロゲン受容体(hAR)でトランスフェクトしたヒト胚腎(HEK−293)細胞の調製:細胞を、6ウェルFalconフラスコ内で約3×10細胞/ウェルまで、10%胎仔ウシ血清を補充したダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中で、37℃、95%大気、5%CO加湿雰囲気下で培養した。リポフェクチントランスフェクションキット(ライフ・テクノロジス社(Life Technologies),オンタリオ,カナダ)を用いて5μgのpCMVneo−hARプラスミドをトランスフェクトした。37℃で6時間インキュベートした後、トランスフェクション培地を除去し、2mLのDMEMを加えた。細胞をさらに48時間培養し、次いで、10cmペトリ皿に移し、そして非トランスフェクト細胞の成長を抑制するために700μg/mLのG−418を含むDMEM中で培養した。耐性コロニーが観察されるまでG−418含有培地を2日ごとに交換した。陽性クローンをPCRによって選択した。hARでトランスフェクトしたHEK293細胞を増幅し、結合アッセイに使用するまで凍結した。
【0199】
HEK−293hAR発現細胞サイトゾル調製:結合アッセイの朝、HEK−293hAR細胞のペレットを解凍し、緩衝液A(25mM Tris−HCl、1.5mM EDTA二ナトリウム塩、10mM α−モノチオグリセロール、10%グリセロールおよび10mMモリブデン酸ナトリウム,pH7.4;625000細胞/0.1mL)に再懸濁した。細胞懸濁液の超音波処理を30秒間×3回(冷却のための間隔を空ける)行い、次いで、105000×gで90分間遠心分離した。
【0200】
2.アンドロゲン受容体アッセイ
ヒドロキシルアパタイト(HAP)アッセイを用いてアンドロゲン結合を測定した。簡潔には、エタノールに可溶化した放射性ステロイド[H]R1881を緩衝液B(10mM Tris−HCl、1.5mM EDTA二ナトリウム塩、10mM ∝−モノチオグリセロール,pH7.4)に希釈した。次いで、細胞サイトゾル調製物のアリコート(0.1mL)を、表示した濃度の非標識化合物(0.1mL、30%エタノールを含む緩衝液B中に調製)の存在下または非存在下で16〜18時間に亘って、0〜4℃にて5nM[H]R1881(0.1mL、100000cpmまで)と共にインキュベートした。プロゲステロン受容体をマスクするためにトリアムシノロンアセトニド(TAC;100nM)を加えた。非結合ステロイドを、緩衝液P(50mM Tris−HCl、10mM KHPO,pH7.4)中に調製された0.3mL HAPと共に0〜4℃で40分間インキュベートすることにより分離した。HAPとのインキュベーションおよび10分間の1000×gでの遠心分離の後、そのペレットを1mLの緩衝液Pで3回洗浄した。その後、1mLのエタノールと共に60分間室温にてインキュベートすることにより、ペレットから放射能を抽出した。遠心分離後、上清をシンチレーションバイアルにデカントし、そしてペレットを再度エタノールで抽出した。シンチレーション液を加えた後、液体シンチレーションカウンターで放射能を測定した。
【0201】
3.計算および統計解析
ロッドバード(Rodbard),エンドクリノロジー(Endocrinology)に記載されているような最小二乗回帰に従って、抗アンドロゲンのIC50値を計算した。クレイマー(Kramer)多重範囲検定に従って、統計的有意性を計算した。R1881と比較して、抗アンドロゲンの相対的結合親和性(RBA)をパーセンテージとして式:
%RBA=100×IC50R1811/IC50(化合物)
によって計算した。
【0202】
C 全身性抗アンドロゲン活性/アンドロゲン活性(未成熟雄ラット)
1.動物
22〜24日齢の未成熟雄ラット(Crl:CD(SD)Br)をチャールス・リバー社(Charles−River,Inc.)(セント・コンスタント,ケベック,カナダ)から入手し、温度(23±1℃)および光(12時間明期/日、7時15分に点灯)が制御された環境のプラスチック容器内に1ケージあたり5匹までを収容した。これらのラットには、げっ歯類用の飼料を与え、水道水を随意に与えた。到着した翌日に、陰嚢経路を介したイソフルラン麻酔下で動物に精巣摘出術(CX)を施し、ランダムに5匹の動物の群に割り当てた。抗アンドロゲン活性のために、ジヒドロテストステロンのシラスティック埋没物(DHT;埋没物の長さ:1cm)1個を、精巣摘出術の際に動物の背側の皮下の領域に挿入した。5匹の動物の群の1つは、コントロールとしてCXのみを施した(DHT埋没物の挿入無し)。
【0203】
2.処置
抗アンドロゲン活性を評価するために、試験化合物を、抗アンドロゲン活性の場合は0.5mg/動物またはアンドロゲン活性の場合は0.2mg/動物の用量を7日間(SD1〜7)、1日に1回、皮下または経口的に投与した。化合物をジメチルスルホキシド(DMSO,10%最終濃度)に可溶化し(可能である場合)、0.4%メチルセルロース懸濁液として投与した。CXコントロール群およびCX+DHTコントロール群のラットには、7日間ビヒクルのみを与えた。1つの群の動物には、参照として抗アンドロゲンのフルタミドを与えた。去勢後の8日目の朝に動物をイソフルラン麻酔下で頸椎脱臼により致死させた。腹側の前立腺および精嚢を速やかに切除し、重量を計測した。
【0204】
3.計算および統計解析
抗アンドロゲン活性については、抑制のパーセンテージ(%抑制)を以下の式:
%抑制=100−[W(化合物)−W(コントロール)/W(DHT)−W(コントロール)]×100
により計算する。
【0205】
アンドロゲン活性については、刺激のパーセンテージを、以下の式:
%刺激=[W(化合物)−W(コントロール)/W(DHT)−W(コントロール)]×100
により計算する。
【0206】
Wは、前立腺、精嚢または肛門挙筋の重量である。
D−局所抗アンドロゲン活性のインビボ評価
雄ハムスターにおける耳脂腺モデルを用いて、局所使用についての化合物の抗アンドロゲン活性を測定した。
【0207】
1.動物
110〜120gの雄ゴールデンシリアンハムスター(SYR)をハーラン・スプラグ−ドーレイ社(Harlan Sprague−Dawley)(マディソン,米国)から入手し、温度(22±3℃)および光(12時間明期/日、7時15分に点灯)が制御された環境下の1プラスチックケージにつき2匹までを収容した。ハムスターに認定げっ歯類用飼料5002(ペレット)を与え、水道水を随意に摂取させた。動物を研究開始前の少なくとも5日間、馴化させた。動物をランダムに8匹のハムスターの群に割り当てた。1つの群のハムスターを投薬開始の日(SD1)にイソフルラン誘導麻酔下で去勢し、コントロール群として使用した。
【0208】
2.処置
抗アンドロゲン活性を評価するために、試験化合物を、1日1回、14日間左耳の内部に局所的に適用した。0.1、0.3または1.0mg/mLの試験化合物を含む、アセトン:エタノール:プロピレングリコール(1:1:2;v:v:v)の10μL溶液を、左耳介の腹側表面の2つの軟骨隆線の間の領域に慎重に適用した。去勢コントロール群および未処置コントロール群の動物について、10分の1μLのビヒクルを左耳に適用した。右耳には溶液を適用しなかった。
【0209】
3.死亡後の観察および測定
研究の15日目に、ハムスターをイソフルラン麻酔下で頸椎脱臼により安楽死させた。両耳を頭部の皮膚に付着した状態で回収し、紙上で平面固定(flat fix)し、次いで、10%中性緩衝ホルマリン中に浸漬した。溶液が適用されていた領域の平面固定した耳に6mmの円形の穴を開ける穿孔を行った。これらの穿孔検体を各耳から回収した。外科用メスを用いて、回収した6mmの丸い耳検体を2つの軟骨隆線の中間で切断した。その耳の丸い検体の2つの等しい部分をパラフィンに包埋した。組織を処理した後、その2つの部分を、平らな6mm領域が外側を向くように互いに平行に垂直に包埋した。各パラフィンブロックから、1切片(5μm厚)を切断し、スライドガラス上に回収した。従って、各スライドには、6mm長の2つの長い切片を含んだ。スライドをヘマトキシリンおよびエオシンで染色した。
【0210】
4.皮脂腺領域の解析
ビデオカメラおよびレンズ番号×5の光学顕微鏡を用いて、スクリーン上に現れる得られた視野は、0.953mmの長さを有する。第1の6mm長切片を左から右に調べる場合、第1および第2の視野は無視し、第3および第4の視野を、画像解析装置による解析用に取り込む。各視野は、0.953mmの長さを有する。スクリーンマウスの補助により、全視野の長さ(0.953mm)内の皮脂腺に印を付けた。また、全視野の長さおよび顆粒層と軟骨の上側の端との間の高さを有する領域を得た。
【0211】
調べた各視野の皮脂腺の総面積(μm)を画像解析装置により計算した。本発明者らはまた、0.953mmの長さおよび顆粒層と軟骨との間の高さを有する総面積を計測した。さらに、腺で占められた領域のパーセンテージを得た。従って、各耳について、2つの切片を切断し、各切片から2つの視野を解析した。4つの読み値の合計を平均し、そしてその平均値の平均標準誤差を画像解析装置によって計算した。結果は、1視野あたりの腺の総面積としてμmで表示し、また、組織中の腺が占める面積のパーセンテージとしても表示した。
【0212】
好ましい活性化合物のいくつかの非限定的な実施例を好ましい合成手法と共に、以下に記載する。
【実施例】
【0213】
好ましい抑制剤合成の実施例
プロトンNMRスペクトルを、Brucker AC−F300装置またはBrucker Avance 400MHzで記録した。以下の省略形:s、一重項;d、二重項;dd、二重項の二重項;t、三重項;q、四重項;およびm、多重項を使用した。化学シフト(δ)は、クロロホルム(Hについて7.26ppmおよび13Cについて77.00ppm)またはアセトン(Hについて2.01ppm)を基準にし、ppmで表した。薄層クロマトグラフィー(TLC)は、0.25mm Kieselgel60F254プレート(E.メルク(E.Merck),ダルムシュタット,ドイツ)にて行った。フラッシュクロマトグラフィには、Merck−Kieselgel60(230−400メッシュA.S.T.M.)を使用した。特に記載がない限り、出発物質および反応物は、市販品を入手し、そのまま使用するか、または標準的な手段により精製した。すべての溶媒ならびに精製および乾燥した反応物は、アルゴン下で保存した。無水反応は、不活性雰囲気下で行い、その装置(set−up)は、アルゴン下で組み立て、冷却した。有機溶液は、硫酸マグネシウムで乾燥し、ロータリーエバポレータで減圧下にて蒸発させた。出発物質および試薬は、アルドリッヒケミカル社(Aldrich Chemical Company,Inc.)(ミルウォーキー,ウイスコンシン)から入手した。
【0214】
チオヒダントイン誘導体(表1および表3)の調製
スキーム1
【0215】
【化32】

【0216】
試薬および条件:(a)0℃〜室温,原液(b)CSCl,HO,室温;(c)TEA,THF,還流;(d)2M HCl水溶液,MeOH,還流;(e)フェノール−CO−R,DIAD,PPh,THF;(f)NR,NaBHCN,AcOH,ACNまたはEtOH.
5−アミノ−2−シアノベンゾトリフルオリド(1a):市販品(マトリックスサイエンティッフィック社(Matrix Scientific))
3−クロロ−4−シアノ−2−メチルアニリン(1b):国際公開第03/096980(A2)号に記載のとおり合成した。
【0217】
4−イソチオシアナト(Isothiocanato)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(2a):チオホスゲン(203mg,1.8mmol)の脱塩水(3.0mL)溶液に、5−アミノ−2−シアノベンゾトリフルオリド(1a)(300mg,1.6mmol)を少量に分けて加え、その反応物を室温で1時間撹拌した。得られた溶液を水(50mL)で希釈し、クロロホルム(3×20mL)で抽出し、次いで、綿栓で濾過した。得られた溶液を減圧下で蒸発させることにより、薄茶色の粗固体(334mg,90%)を得て、次の工程に直接使用した。
【0218】
2−(3−ヒドロキシ−プロピルアミノ)−2−メチル−プロピオニトリル(proprionitrile)(3):0℃のアセトンシアノヒドリン(930mg,10.9mmol)の原溶液に、3−アミノ−1−プロパノール(861mg,11.5mmol)をゆっくりと加えた。得られた溶液を室温で3時間撹拌し、次いで、減圧下で蒸発させることにより、所望の化合物3(1.1g,71%)を得て、精製することなく次の工程に直接使用した。
【0219】
4−[4,4−ジメチル−3−(3−ヒドロキシプロピル)−5−イミノ−2−チオキソ−1−イミダゾリジニル]−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(4a):アルゴン下の化合物2a(500mg,2.2mmol)の無水THF(20mL)溶液に、トリエチルアミン(22mg,0.22mmol)および2−プロピルアミノ−2−シアノ−プロパン(3)(328mg,2.3mmol)を加えた。次いで、その溶液を1時間還流撹拌した。得られた溶液を乾くまで蒸発させ、ジクロロメタン/アセトン(8:2)を溶離剤として用いるフラッシュクロマトグラフィによって精製することにより、627mg(77%)の所望の化合物4aを得た。
【0220】
4−[4,4−ジメチル−3−(3−ヒドロキシプロピル)−5−オキソ−2−チオキソ−1−イミダゾリジニル]−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(5a):化合物4a(627mg,1.7mmol)のメタノール(27mL)溶液に、2N塩酸(5.2mL)を加えた。その溶液を90分間還流し、次いで、氷/水溶液に注ぎ込んだ。その溶液を酢酸エチル(3×30mL)で抽出し、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させることにより、428mg(68%)の所望の化合物5aを得た。1H NMR (400 MHz, Acetone-d6) δ: 1.65 (s, 6H), 3.67 (q, 2H, J = 5.7 Hz), 3.75 (t, 1H, J = 5.01 Hz), 3.90 (m, 2H), 8.03 (d, 1H, J = 6.4 Hz), 8.18 (s, 1H), 8.26 (d, 1H, J = 8.26 Hz).
化合物6aを合成するための通常の手順:
典型的には、0℃の化合物5a(0.40mmol)、トリフェニルホスフィン(0.80mmol)および適切なフェノール(0.80mmol)の無水THF(0.05M)撹拌溶液に、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(DIAD)(0.80mmol)を10分間に亘ってゆっくりと加えた。その溶液を0℃で1時間撹拌し、さらに室温に戻して3時間撹拌した。得られた溶液を酢酸エチル(60mL)で希釈し、10%NaOH溶液(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。得られた粗化合物の精製を、CHCl/アセトン(95:5)を用いたフラッシュクロマトグラフィによって行うことにより、中程度から良好な収率(30〜70%)で一般構造6aの化合物を得た。
【0221】
4−{4,4−ジメチル−5−オキソ−3−[3−(3−プロピオニル−フェノキシ)−プロピル]−2−チオキソ−イミダゾリジン−1−イル}−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(EM−7113):1H NMR (400 MHz, Acetone-d6) δ: 1.15 (t, 3H, J = 7.20 Hz), 1.68 (s, 6H), 2.07 (m, 2H), 3.06 (q, 2H, J = 7.20 Hz), 4.05 (m, 2H), 4.24 (t, 2H, 6.13 Hz), 7.22 (m, 1H), 7.45 (t, 1H, J = 7.92 Hz), 7.53 (s, 1H), 7.61 (d, 1H, 7.69 Hz), 8.03 (dd, 1H, J1 = 6.45; J2= 1.81 Hz), 8.17 (s, 1H), 8.26 (d, 1H, J = 8.27 Hz).
化合物7aを合成するための通常の手順:
典型的には、化合物6a(0.15mmol)の無水アセトニトリル(1mL)溶液に、適切なアミン(0.60mmol)、シアノホウ水素化ナトリウム(0.23mmol)および酢酸(0.75mmol)を加えた。次いで、その溶液を、室温、アルゴン下にて4〜12時間の範囲で撹拌した。得られた溶液を酢酸エチル(15mL)で希釈し、10%炭酸水素ナトリウム水溶液およびブライン溶液で連続的に洗浄した。その有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させることにより、粗アミンを得た。次いで、その粗化合物を、酢酸エチルまたはアセトンを溶離剤として用いたフラッシュクロマトグラフィによって精製することにより、一般構造7の化合物を35〜60%の範囲の収率で得た。
注意:チオヒダントイン(1b−7b)は、化合物(1a−7a)について使用した経路と同じ合成経路によって得た。
【0222】
4−(3−{3−[4−イソプロピルアミノ−メチル]−フェノキシ}−プロピル)−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソ−イミダゾリジン−1−イル)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(EM−7105):1H NMR (400 MHz, Acetone-d6)δ: 1.04 (d, 6H, J = 6.22 Hz), 1.67 (s, 6H), 2.36 (m, 2H), 2.78 (m, 1H), 3.70 (s, 2H), 4.02 (m, 2H), 4.13 (t, 2H, J = 6.16 Hz), 6.91 (d, 2H, J = 4.7 Hz), 7.28 (d, 2H, J = 8.6 Hz), 8.03 (dd, 1H, J1 = 6.46 Hz, J2= 1.80 Hz), 8.18 (s, 1H), 8.26 (d, 1H, J = 8.25 Hz).
4−(3−{3−[4−エチルアミノメチル]−フェノキシ}−プロピル)−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソ−イミダゾリジン−1−イル)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(EM−7148):1H NMR (400 MHz, Acetone-d6) δ: 1.07 (t, 3H, J = 7.12 Hz), 1.67 (s, 6H), 2.36 (m, 2H), 2.60 (m, 2H), 3.70 (s, 2H), 4.02 (m, 2H), 4.13 (t, 2H, J = 6.17 Hz), 6.91 (d, 2H, J = 4.90 Hz), 7.27 (d, 2H, J= 8.61 Hz), 8.03 (dd, 1H, J1 = 6.53 Hz, J2= 1.73 Hz), 8.18 (s, 1H), 8.26 (d, 1H, J = 7.95 Hz).
4−(3−{3−[4−ジメチルアミノメチル]−フェノキシ}−プロピル)−4,4ジメチル−5−オキソ−2−チオキソ−イミダゾリジン−1−イル)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(EM−7192):1H NMR (400 MHz, Acetone-d6) δ: 1.67 (s, 6H), 2.16 (s, 6H), 2.36 (m, 2H) , 3.32 (s, 2H), 4.02 (m, 2H), 4.14 (t, 2H, J= 6.16 Hz), 6.92 (d, 2H, J = 4.7 Hz), 7.23 (d, 2H, J = 8.6 Hz), 8.03 (dd, 1H, J1 = 6.47 Hz, J2 = 1.77 Hz), 8.18 (d, 1H, J = 1.71 Hz), 8.26 (d, 1H, 8.27 Hz).
2−クロロ−4−(3−{3−[4−イソプロピルアミノ−メチル]−フェノキシ}−プロピル)−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソ−イミダゾリジン−1−イル)−3−メチル−ベンゾニトリル(EM−7198):1H NMR (400 MHz, Acetone-d6)δ: 1.04 (d, 6H, J = 6.22 Hz), 1.67 (s, 3H), 2.27 (s, 3H), 2.36 (m, 2H), 2.78 (m, 1H), 3.70 (s, 2H), 4.00, (m, 2H), 4.13 (t, 2H, J = 6.17 Hz), 6.90 (d, 2H, J = 8.60 Hz), 7.27 (d, 2H, J = 8.60 Hz), 7.55 (d, 1H, J = 8.27 Hz), 7.90 (d, 1H, J =8.27 Hz).
4−{4,4−ジメチル−5−オキソ−3−[3−(4−ピロリジン−1−イルメチル−フェノキシ)−]−2−チオキソ−イミダゾリジン−1−イル}−2−トリフルオロ−ベンゾニトリル(EM−7232):1H NMR (400 MHz, Acetone-d6) δ: 1.66 (s, 6H), 1.73 (m, 4H), 2.36 (m, 2H), 2.44 (broad s, 4H), 3.53 (s, 2H), 4.01 (m, 2H), 4.14 (t, 2H, J = 6.16 Hz), 6.90 (d, 2H, J = 8.63 Hz), 7.26 (d, 2H, J = 8.56 Hz), 8.03 (dd, 1H, J1 = 6.58 Hz, J2 = 1.70 Hz), 8.18 (d, 1H, J = 1.72 Hz), 8.26 (d, 1H, 8.27 Hz).
4−[3−(3−{−4−[(イソプロピル−メチル−アミノ)メチル]−フェノキシ}−プロピル−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソ−イミダゾリジン−1−イル)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(EM−7233):1H NMR (400 MHz, Acetone-d6) δ: 1.04 (d, 6H, J = 6.60 Hz), 1.67 (s, 6H), 2.09 (s, 3H), 2.36 (m, 2H), 2.88 (m, 1H), 3.47 (s, 2H), 4.02 (m, 2H), 4.13 (t, 2H, J = 6.16 Hz), 6.91 (d, 2H, J = 8.60 Hz), 7.26 (d, 2H, J = 8.57 Hz), 8.03 (dd, 1H, J1 = 6.64 Hz; J2=1.63 Hz), 8.17 (s, 1H), 8.26 (d, 1H, J = 8.27 Hz).
4−(3−{3−[4−(1−イソプロピルアミノ−エチル)−フェノキシ]−プロピル}−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソ−イミダゾリジン−1−イル)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(EM−7234):1H NMR (400 MHz, Acetone-d6) δ: 0.99 (m, 6H), 1.26 (d, 3H, J = 6.60 Hz), 1.67 (s, 6H), 2.37 (m, 2H), 2.61 (m, 1H), 3.90 (m, 1H), 4.02 (m, 2H), 4.14 (t, 2H, J = 6.17 Hz), 6.92 (d, 2H, J = 8.60 Hz), 7.30 (d, 2H, J = 8.59 Hz), 8.03 (dd, 1H, J1 = 6.57 Hz; J2= 1.60 Hz), 8.17 (s, 1H), 8.26 (d, 1H, J = 8.24 Hz).
4−(3−{3−[4−(1−メチルスルホニル)−フェノキシ]−プロピル}−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソ−イミダゾリジン−1−イル)−2−クロロ−3−メチル−ベンゾニトリル(EM−8260):1H NMR (400 MHz, Acetone-d6) δ: 1.67 (d, 6H, J = 3.7 Hz), 2.26 (s, 3H), 2.43 (m, 2H), 3.07 (s, 3H), 4.04 (m, 2H), 4.30 (t, 2H, J = 6.17 Hz), 7.19 (d, 2H, J = 8.92 Hz), 7.53 (d, 2H, J = 8.32 Hz), 7.88 (m, 3H).
ヒダントイン誘導体の調製(表1)
スキーム2
【0223】
【化33】

【0224】
試薬および条件(a)ホスゲン/トルエン,トルエン,還流;(b)9,TEA,1,2ジクロロエタン,0℃〜室温;(c)6N HCl,還流;(d)NaH,1−クロロプロピル−3−OTHP,DMF,50℃;(e)p−TSA,MeOH;(f)フェノール−R,PPh,DEAD,THF,0℃〜室温;(g)NR1R2,NaBH3CN,AcOH,ACNまたはEtOH.
4−イソシアナト−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(8a)
0℃、アルゴン下の5−アミノ−2−シアノベンゾトリフルオリド(1a)(2.0g,10.7mmol)の酢酸エチル(6mL)溶液に、ホスゲンのトルエン(6.5mL,12.9mmol)2.0M溶液を滴下した。その溶液を0℃で30分撹拌し、室温に戻した。次いで、トルエン(3mL)をその酢酸エチルに加え、得られた溶液を、HClトラップ(固体NaOH)を装着したDean−Stark装置を用いて3時間還流した。蒸留した溶媒の最初の6mLを除去し、トルエン(6mL)に置き換えた。次いで、その溶液を濾過し、蒸発させることにより、化合物8a(1.6g)を橙色油状物として得て、次の工程に直接使用した。IR:2268(強),2232(弱)cm−1
【0225】
2−アミノ−2−メチル−プロピオニトリル(9)
水酸化アンモニウム水溶液(25%)(120mL,0.85mol)、NaCN(15.34g,0.31mol)および塩化アンモニウム(19.75g,0.37mol)の撹拌溶液に、室温でアセトン(14.52g,0.25mol)を滴下した。その溶液を室温で3日間撹拌した。得られた溶液をジクロロメタン(3×50mL)で抽出し、綿栓で濾過した。硫酸ナトリウムを、合わせた有機相に加え、3時間撹拌した。最後に、その溶液を濾過し、減圧下で蒸発させることにより、所望の化合物9(7.80g,45%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 1.48 (s, 6H), 1.64 (broad s, 2H).
4−(4,4−ジメチル−5−イミノ−2−オキソ−1−イミダゾリジニル)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(10a)
0℃、アルゴン下の化合物9(641mg,7.62mmol)およびトリエチルアミン(168mg,1.66mmol)の1,2ジクロロエタン(8.4mL)溶液に、イソシアネート8a(1.54g,7.28mmol)の1,2ジクロロエタン(3.5mL)溶液を滴下した。その溶液を0℃で35分間撹拌し、次いで、氷浴を取り除き、室温でさらに30分間撹拌した。次いで、その溶液を乾くまで蒸発させ、EtOAc/ヘキサン(6:4)を溶離剤として用いたフラッシュクロマトグラフィにより精製することにより、純粋化合物10a(1.02g,47%)を得た。1H NMR (300 MHz, Acetone-d6) δ: 1.54 (m, 6H), 7.45 (broad s, 1H), 8.12 (d, 1H, J = 8.46 Hz), 8.29 (dd, 1H, J1= 6.90 Hz, J2 = 1.61 Hz), 8.46 (s, 1H) , 8.51 (s, 1H).
4−(4,4−ジメチル−2,5−ジオキソ−1−イミダゾリジニル)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(11a)
化合物10aの6N HCl(25mL)の懸濁液を35分間還流した。その冷却した溶液を10%重炭酸溶液に注ぎ込み、酢酸エチル(3×25mL)を用いて抽出した。その有機層をブラインで洗浄し、最後に硫酸マグネシウムで乾燥させることにより、所望の化合物11a(950mg,95%)を得て、次の工程でそのまま使用した。1H NMR (300 MHz, Acetone-d6) δ: 1.54 (s, 6H), 7.81 (broad s, 1H), 8.17 (m, 2H) , 8.26 (s, 1H).
4−{4,4−ジメチル−2,5−ジオキソ−3−[3−(テトラヒドロ−フラン−2−イルオキシ)−プロピル]−イミダゾリジン−1−イル}−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(12a):
アルゴン下、室温の化合物11a(950mg,3.20mmol)の無水DMF(10mL)溶液に、水素化ナトリウム(油状物中60%懸濁液)(140mg,3.50mmol)を慎重に加えた。その溶液を30分間撹拌し、2−(3−クロロプロポキシ)−テトラヒドロ−2H−ピラン(656mg,3.66mmol)を滴下した。最後に、ヨウ化ナトリウム(480mg,3.20mmol)を加え、その溶液を36時間50℃に加熱した。得られた溶液をジエチルエーテル(75mL)で希釈し、10%リン酸カリウムおよびブライン溶液で連続的に洗浄し、最後に硫酸マグネシウムで乾燥させた。粗化合物を、EtOAc/ヘキサン(3:7)を溶離剤として用いたフラッシュクロマトグラフィによって精製することにより、純粋化合物12a(1.03g,73%)を得た。1H NMR (300 MHz, Acetone-d6) δ: 1.51 (m, 4H), 1.57 (s, 6H), 1.6-1.9 (m, 2H), 2.04 (m, 2H), 3.50 (m, 4H), 3.80 (m, 2H), 4.59 (t, 1H, J = 3.42 Hz), 8.18 (m, 2H), 8.27 (s, 1H).
4−[3−(3−ヒドロキシ−プロピル)−4,4−ジメチル−2,5−ジオキソ−イミダゾリジン−1−イル]−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(13a):
室温の化合物12a(1.03g,2.33mmol)のメタノール(10mL)溶液に、p−TSA(88mg,0.46mmol)を加えた。その溶液を室温で3時間撹拌した。次いで、その反応物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、10%重炭酸およびブライン溶液で連続的に洗浄し、最後に硫酸マグネシウムで乾燥させることにより、化合物13a(786mg,95%)を得て、次の工程で直接そのまま使用した。1H NMR (300 MHz, Acetone-d6) δ: 1.57 (s, 6H), 1.92 (m, 2H), 3.54, (t, 2H, J = 7.38 Hz), 3.51-3.63 (m, 2H), 8.18 (m, 2H), 8.27 (s, 1H).
化合物14aを合成するための通常の手順:
典型的には、0℃のアルコール13a(0.70mmol)、トリフェニルホスフィン(1.50mmol)および適切なフェノール(1.40mmol)の無水THF(0.05M)撹拌溶液に、ジエチルアゾジカルボキシレート(DEAD)(1.40mmol)を10分間に亘ってゆっくりと加えた。その溶液を0℃で1時間撹拌し、室温に戻してさらに3時間撹拌した。得られた溶液を酢酸エチル(120mL)で希釈し、10%NaOH溶液(200mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。得られた粗化合物の精製を、CHCl/アセトン(99:1)を用いたフラッシュクロマトグラフィによって行うことにより、一般構造14aの化合物を中程度から良好な収率(45〜70%)で得た。
【0226】
化合物15aを合成するための通常の手順:
典型的には、化合物14a(0.11mmol)の無水アセトニトリル(2.5mL)溶液に、適切なアミン(0.45mmol)、シアノホウ水素化ナトリウム(0.17mmol)および酢酸(0.55mmol)を加えた。次いで、その溶液をアルゴン下、室温にて4〜12時間の範囲で撹拌した。得られた溶液を酢酸エチル(15mL)で希釈し、10%炭酸水素ナトリウム水溶液およびブライン溶液で連続的に洗浄した。その有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。次いで、その粗化合物を酢酸エチルおよびアセトンを溶離剤として用いたフラッシュクロマトグラフィによって精製することにより、一般構造15aの化合物を良好な収率(60〜70%)で得た。
【0227】
4−{3−[3−(4−ジメチルアミノメチル−フェノキシ)−プロピル]−4,4−ジメチル−2,5−ジオキソ−イミダゾリジン−1−イル}−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(EM−7334):1H NMR (400 MHz, Acetone-d6) δ: 1.57 (s, 6H), 2.14 (s, 6H), 2.23 (m, 2H), 3.31 (s, 2H), 3.64 (t, 2H, J = 7.30 Hz), 4.12 (t, 2H, J = 6.07 Hz), 6.88 (d, 2H, J = 8.60 Hz), 7.21 (d, 2H, J = 8.55 Hz), 8.16 (m, 2H), 8.27 (s, 1H).
注意:15b型のヒダントイン誘導体は、化合物15aに対して使用した経路と同じ合成経路によって得ることができた。
【0228】
スクシンイミド誘導体(表1)の調製
スキーム3
【0229】
【化34】

【0230】
試薬および条件:(a)2,2ジメチルコハク酸無水物,220℃;(b)LiHMDS,臭化アリル,THF,−78℃〜室温;(c)LiHMDS,MeI,THF,−78℃〜室温;(d)RuCl−HO,NaIO,CHCN/HO(6:1),室温;(e)NaBH,AcOH,室温;(f)PPh,CBr,CHCl,0℃〜室温;(g)フェノール−R,CsCO,DMF,70℃。
【0231】
4−(3,3−ジメチル−2,5−ジオキソ−1−ピロリジニル)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(16a):
2,2ジメチル無水コハク酸(2.0g,15.6mmol)および4−アミノ−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル1a(2.91g,15.6mmol)を2時間220℃に加熱した。得られた固体(4.59g,99%)を次の工程でそのまま使用した。1H NMR (400 MHz, Acetone-d6) δ: 1.44 (s, 6H), 2.84 (s, 2H), 7.97 (dd, 1H, J1 = 6.74 Hz, J2= 1.63 Hz), 8.08 (s, 1H), 8.24 (d, 1H, J = 8.32 Hz).
4−[3,3,ジメチル−2,5−ジオキソ−4−(2−アリル)−1−ピロリジニル]−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(17a):
アルゴン下の化合物16a(500mg,1.69mmol)の無水THF(20mL)溶液に、LiHMDS(1.90mL,1.94mmol)(THF中1.0M)を−78℃で加えた。その溶液を30分間撹拌した後、臭化アリル(245mg,2.03mmol)を滴下した。得られた溶液を室温に戻し、さらに90分間撹拌した。次いで、その溶液を酢酸エチル(75mL)で希釈し、水およびブラインで連続的に洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、最後に蒸発させた。得られた粗生成物の精製を、酢酸エチル/ヘキサン(1:9)を溶離剤として用いたフラッシュクロマトグラフィによって行うことにより、所望の化合物17aを中程度の収率で得た(120mg,32%)。1H NMR (400 MHz, Acetone-d6) δ: 1.38 (s, 3H), 1.43 (s, 3H), 2.45 (m, 1H), 2.80 (m, 1H), 3.06 (m, 1H), 5.12 (d, 1H, J = 10.21 Hz), 5.24 (d, 1H, J = 17.15 Hz), 6.05 (m, 1H), 7.98 (d, 1H, J = 8.29 Hz), 8.08 (s, 1H), 8.24 (d, 1H, J 8.33 Hz).
4−[3,3,4−トリメチル−2,5−ジオキソ−4−(2−アリル)−1−ピロリジニル]−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(18a):
アルゴン下の化合物17a(100mg,0.296mmol)の無水THF(5mL)溶液に、LiHMDS(0.31mL,0.326mmol)(THF中1.0M)を−78℃で加えた。その溶液を30分間撹拌した後、ヨウ化メチル(126mg,0.887mmol)を滴下した。得られた溶液を室温に戻し、さらに60分間撹拌した。次いで、その溶液を酢酸エチル(30mL)で希釈し、水およびブラインで連続的に洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、最終的に蒸発させることにより、化合物18a(94mg,90%)を得て、次の工程でそのまま使用した。1H NMR (400 MHz, Acetone-d6) δ: 1.30 (s, 3H), 1.34 (s, 3H), 1.38 (s, 3H), 2.51 (m, 2H), 5.17 (m, 2H), 5.89 (m, 1H), 7.98 (dd, 1H, J1 = 6.40 Hz, J2 = 1.90 Hz), 8.07 (s, 1H), 8.24 (d, 1H, J = 8.39 Hz).
4−[3,3,4−トリメチル−2,5−ジオキソ−4−(2−アセトアルデヒド)−1−ピロリジニル]−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(19a):
アルゴン下の化合物18a(94mg,0.267mmol)のアセトニトリル/HO(6:1)(5mL)溶液に、塩化ルテニウム(III)水和物(2mg,0.01mmol)を加え、その溶液を5分間撹拌した。その後、過ヨウ素酸ナトリウム(171mg,0.799mmol)を少量ずつ加え、室温でさらに2時間撹拌した。得られた溶液を酢酸エチル(25mL)で希釈し、重亜硫酸ナトリウム溶液およびブラインで連続的に洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、最後に減圧下で蒸発させた。得られた粗生成物の精製を、酢酸エチル/ヘキサン(4:6)を溶離剤として用いたフラッシュクロマトグラフィによって行うことにより、所望の化合物19aを中程度の収率で得た(39mg,40%)。
【0232】
4−[3,3,4−トリメチル−2,5−ジオキソ−4−(2−ヒドロキシ−エチル)−1−ピロリジニル]−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(20a):
室温の化合物19a(39mg,0.115mmol)の酢酸(2mL)溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(8.5mg,0.230mmol)を加え、次いで、その溶液を室温で1時間撹拌した。得られた溶液を酢酸エチル(25mL)で希釈し、10%炭酸水素ナトリウム溶液およびブラインで連続的に洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、最後に減圧下で蒸発させることより、粗化合物20aを得て、次の工程でそのまま使用した。
【0233】
4−[3,3,4−トリメチル−2,5−ジオキソ−4−(2−ブロモ−エチル)−1−ピロリジニル]−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(21a):
0℃、アルゴン下の化合物20a(33mg,0.097mmol)の無水ジクロロメタン(2mL)溶液に、トリフェニルホスフィン(50mg,0.194mmol)および四臭化炭素(64mg,0.194mmol)を加えた。その溶液を室温に戻し、1時間撹拌した。得られた溶液をジクロロメタン(25mL)で希釈し、綿栓で濾過した。得られた粗生成物の精製を、酢酸エチル/ヘキサン(3:97〜3:7)の勾配を溶離剤として用いたフラッシュクロマトグラフィによって行うことにより、所望の化合物21a(2工程で、15mg,40%)を得た。1H NMR (400 MHz, Acetone-d6) δ: 1.36 (s, 3H), 1.39 (s, 3H), 1.40 (s, 3H), 2.28 (m, 2H), 3.68 (m, 2H), 8.03 (dd, 1H, J1 = 6.57Hz, J2 = 1.84 Hz), 8.14 (d, 1H, J = 1.45 Hz), 8.24 (d, 1H, J = 8.40 Hz).
化合物22aを合成するための通常の手順:
適切なフェノール(0.055mmol)のジメチルホルムアミド(1mL)溶液に、炭酸セシウム(0.055mmol)を加えた。その溶液をアルゴン下で70℃に加熱し、30分間撹拌した後、化合物21a(0.037mmol)を加えた。得られた溶液をさらに60分間撹拌した。次いで、その溶液を水(20mL)に注ぎ込み、ジエチルエーテル(3×10mL)で抽出し、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、最後に減圧下で蒸発させた。得られた粗生成物の精製を、酢酸エチル/ヘキサン(3:7〜100:0)の勾配を溶離剤として用いたフラッシュクロマトグラフィによって行うことにより、所望の化合物22aを中程度の収率(15〜33%)で得た。
【0234】
4−[3−(2−{3−[1−(1−エチル−プロピルアミノ)−ブチル]−フェノキシ}−エチル)−3,4,4−トリメチル−2,5−ジオキソ−ピロリジン−1−イル]−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(EM−6926):1H NMR (400 MHz, Acetone-d6) δ: 0.74-0.87 (m, 9H), 1.16-1.50 (m, 8H) , 1.38 (s, 3H), 1.42 (s, 3H), 1.45 (s, 3H), , 2.08-2.34 (m, 3H), 3.67 (t, 1H, J = 6.81 Hz), 4.22 (m, 2H), 6.71 (m, 1H), 6.89 (m, 2H), 7.18 (m, 1H), 7.96 (m, 1H), 8.07 (d, 1H, J = 1.67 Hz), 8.19 (m, 1H).
注意:22b型のスクシンイミド誘導体は、化合物22aに対して使用した経路と同じ合成経路により得ることができた。
【0235】
ピペリジン誘導体(表3)の調製
スキーム4
【0236】
【化35】

【0237】
試薬および条件:(a)BrCHCOMe,Zn/Cu,TMSCl,THF,室温;(b)LiAlH,THF,0℃;(c)Pd−OH/C(20%),MeOH,60℃;(d)4−フルオロ−2(トリフルオロメチル))ベンゾニトリルまたは2−クロロ−4−フルオロ−ベンゾニトリル,TEA,DMF,80℃;(e)PPh,CBr,KCO,CHCl,室温;(f)フェノール−R,CSCO,DMF,80℃。
【0238】
(1−ベンジル−4−ヒドロキシ−ピペリジン−4−イル)−酢酸メチルエステル(24):
メチルエステルメチル亜鉛ブロミド(4.43g,20.2mmol)のTHF(16mL)の新しく調製した溶液に、1−ベンジル−4−ピペリドン(23,Aldrich)(2.10g,10.1mmol)を室温でゆっくりと加えた。次いで、その溶液をアルゴン下、室温で一晩撹拌した。得られた溶液を水(100mL)に注ぎ込み、ジエチルエーテル(3×30mL)で抽出した。合わせた有機相を0.2N HCl水溶液で洗浄し、次いで、0.2N NaOH溶液で中和した。その有機相を最後にブライン溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。得られた粗化合物の精製を、酢酸エチル/ヘキサン(7:3)を溶離剤として用いたフラッシュクロマトグラフィによって行うことにより、所望の化合物24(1.70g,60%)を得た。1H NMR (400 MHz, Acetone-d6) δ: 1.3-1.55 (m, 2H), 1.6-1.7 (m, 2H), 2.2-2.7 (m, 6H), 2.45-2.65 (m, 5H), 7.31 (m, 5H).
1−ベンジル−4−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピペリジン−4−オール(25):0℃の化合物24(1.70g,6.07mmol)の無水THF(40mL)溶液に、水素化アルミニウムリチウム(THF中1.0M)(12.1mL,12.1mmol)溶液をゆっくりと加えた。次いで、その溶液を0℃で1時間撹拌し、室温に戻してさらに2時間撹拌した。得られた溶液を硫酸ナトリウムの冷10%溶液(300mL)に注ぎ込み、ジエチルエーテル(3×75mL)で抽出し、ブラインで洗浄し、最後に硫酸マグネシウムで乾燥させることにより、粗化合物25(1.32g,87%)を得て、次の工程でそのまま使用した。1H NMR (400 MHz, MeOD) δ: 1.65 (m, 4H), 1.72 (t, 2H, J = 7.06 Hz), 2.45 (m, 2H), 2.62 (m, 2H), 3.56 (s, 2H), 3.76 (t, 2H, J = 7.06 Hz), 7.31 (m, 5H).
4−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピペリジン−4−オール(26):アルゴン下の化合物25(1.32g,5.30mmol)のメタノール(10mL)溶液に、活性炭を担持した水酸化パラジウム(20%)(132mg,10%w/w)を加えた。その溶液を水素で3回パージし、60℃、水素雰囲気下で4時間撹拌した。次いで、得られた溶液をセライトプラグで濾過することにより、所望の化合物26(790mg,94%)を得て、次の工程でそのまま使用した。
【0239】
4−[4−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピペリジン−1−イル]−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(27a):アルゴン下の化合物26(517mg,3.25mmol)の無水ジメチルホルムアミド(15mL)溶液に、トリエチルアミン(1.32g,13.0mmol)および4−フルオロ−2−トリフルオロメチルベンゾニトリル(1.80g,9.52mmol)を加えた。その溶液を80℃で4時間撹拌した。その溶液を室温で冷却し、水(100mL)に注ぎ込み、ジエチルエーテル(3×25mL)で抽出し、ブラインで洗浄し、最後に硫酸マグネシウムで乾燥させた。得られた粗生成物の精製を、酢酸エチル/ヘキサン(7:3)を溶離剤として用いたフラッシュクロマトグラフィによって行うことにより、所望の化合物27a(687mg,68%)を得た。1H NMR (400 MHz, Acetone-d6) δ: 1.74 (m, 6H), 3.45 (m, 2H), 3.85 (m, 4H), 7.24 (dd, 1H, J1 = 6.4 Hz, J2 = 2.5 Hz), 7.32 (d, 1H, J = 2.4 Hz), 7.72 (d, 1H, J = 8.8 Hz).
4−[4−(2−ブロモ−エチル)−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル]−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(28a):0℃、アルゴン下の化合物27a(687mg,2.09mmol)の無水ジクロロメタン(10mL)溶液に、炭酸カリウム(1.16g,8.39mmol)、トリフェニルホスフィン(1.1g,4.19mmol)および四臭化炭素(1.39g,4.19mmol)を加えた。その溶液を室温に戻し、1時間撹拌した。得られた溶液をジクロロメタン(50mL)で希釈し、綿栓で濾過した。得られた粗生成物の精製を、酢酸エチル/ヘキサン(2:8)を用いたフラッシュクロマトグラフィによって行うことにより、所望の化合物28a(470mg,57%)を得た。1H NMR (400 MHz, MeOD) δ: 1.72 (m, 4H), 2.11 (m, 2H), 3.37 (m, 2H), 3.54 (m, 2H), 3.77 (m, 2H), 7.18 (dd, 1H, J1= 6.26 Hz, J2 = 2.62 Hz), 7.27 (d, 1H, J = 2.07 Hz), 7.69 (d, 1H, J = 8.83 Hz).
化合物29aを合成するための通常の手順:適切なフェノール(0.116mmol)のジメチルホルムアミド(3mL)溶液に、炭酸セシウム(0.190mmol)を加えた。その溶液をアルゴン下で70℃に加熱し、30分間撹拌した後、化合物28a(30mg,0.079mmol)を加えた。得られた溶液をさらに4時間撹拌した。次いで、その溶液を水(50mL)に注ぎ込み、ジエチルエーテル(3×20mL)で抽出し、ブライン溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、最後に減圧下で蒸発させた。得られた粗生成物の精製を、酢酸エチル(100%)を溶離剤として用いたフラッシュクロマトグラフィによって行うことにより、所望の化合物29aを中程度から良好な収率(40〜70%)で得た。
【0240】
4−{4−[2−(4−シクロヘキシルアミノメチル−フェノキシ)−エチル]−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル}−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(EM−7332):1H NMR (400 MHz, Acetone-d6) δ: 1.20 (broad s, 8H), 1.81 (m, 4H) , 2.00 (m, 4H), 2.60 (m, 1H), 3.48 (m, 2H), 3.79 (s, 2H), 3.86 (m, 2H), 4.22 (t, 2H, J = 6.64 Hz), 6.88 (d, 2H, J = 8.44 Hz), 7.29 (m, 4H), 7.73 (d, 1H, J = 8.85 Hz).
4−{4−ヒドロキシ−4−[2−(2−メチル−4−モルフォリン−4−イルメチル−フェノキシ)−エチル]−ピペリジン−1−イル}−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(EM−7363):1H NMR (400 MHz, Acetone-d6) δ: 1.85 (m, 4H), 2.07 (m, 2H), 2.17 (s, 3H), 2.36 (broad s, 4H), 3.37 (s, 2H), 3.55 (m, 2H), 3.60 (t, 4H, J = 4.61 Hz), 3.77 (s, 1H), 3.89 (m, 2H), 4.24 (t, 2H, J = 6.43 Hz), 6.88 (d, 1H, J = 8.40 Hz), 7.09 (m, 2H), 7.26 (dd, 1H, J1= 6.26 Hz, J2 = 2.61 Hz), 7.35
(d, 1H, J = 2.5 Hz), 7.74 (d, 1H, J = 8.85 Hz).
4−(4−{2−[4−(2,6−ジメチル−ピペリジン−1−イル−メチル)−フェノキシ]−エチル}−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(EM−7421):1H NMR (400 MHz, Acetone-d6) δ: 1.01 (broad s, 6H), 1.31 (broad s, 4H), 1.62 (broad d, 4H, J = 17.36 Hz), 1.82 (m, 4H), 3.48 (m, 2H), 3.78 (s, 1H), 3.87 (m, 2H), 4.22 (m, 2H), 6.89 (m, 2H), 7.27 (dd, 1H, J1 = 6.26 Hz, J2 = 2.62 Hz), 7.35 (m, 3H), 7.74 (d, 1H, J = 8.95 Hz).
4−(4−{2−[4−(1−プロピル−3−アミノペンチル)−フェノキシ]−エチル}−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(EM−7892):1H NMR (400 MHz, Acetone-d6) δ: 0.79 (m, 9H), 1.20-1.65 (m, 7H), 1.82 (m, 4H), 2.02 (m, 3H), 2.17 (m, 1H), 3.55 (m, 3H), 3.85 (m, 2H), 4.22 (t, 2H, J = 6.63 Hz), 6.87 (d, 2H, J = 8.65 Hz), 7.23 (d, 2H, J = 8.54 Hz), 7.27 (d, 1H, J = 2.57 Hz), 7.34 (d, 1H, J = 2.45 Hz), 7.73 (d, 1H, J = 8.87 Hz).
4−(4−{2−[4−(1−プロピル−ピロリジン)−フェノキシ]−エチル}−4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−イル)−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(EM−7893):1H NMR (400 MHz, Acetone-d6) δ: 0.64 (t, 3H, J = 7.41 Hz), 1.67 (broad s, 5H), 1.82 (m, 4H) , 1.88 (m, 1H), 2.02 (t, 2H, J = 6.65 Hz), 2.31 (broad dd, 4H, J1 = 61.6 Hz, J2= 5.36 Hz), 2.93 (m, 1H), 3.47 (m, 2H), 3.86 (m, 2H), 4.22 (t, 2H, J = 6.63 Hz), 6.87 (d, 2H, J = 8.65 Hz), 7.19 (d, 2H, J = 8.55 Hz), 7.26 (dd, 1H, J16.29 = Hz, J2 = 2.57 Hz), 7.34 (d, 1H, J = 2.46 Hz), 7.73 (d, 1H, J = 8.86 Hz).
注意:29b型のピペリジン誘導体は、化合物29aに対して使用した経路と同じ合成経路によって得ることができた。
【0241】
ピペラジン誘導体(表3)の調製
スキーム5
【0242】
【化36】

【0243】
試薬および条件:(a)Pd(dba),CsCO,BINAP,トルエン,100℃;(b)DMF,TEA,80℃;(c)PPh,CBr,KCO,CHCl,室温;(d)フェノール−R,CsCO,DMF,70℃。
【0244】
4−[4−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピペラジン−1−イル]−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(30a):
方法a:
アルゴンでパージしたシュレンク管にPd(dba)(13mg,0.015mmol)、BINAP(13mg,0.02mmol)および炭酸セシウム(627mg,1.92mmol)を加えた。4−ブロモ−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(500mg,2.0mmol)および1−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジンの無水トルエン(1.5mL)溶液をそのシュレンク管に加え、次いで、その溶液を一晩100℃に加熱した。得られた溶液を酢酸エチル(25mL)で希釈し、セライトで濾過し、減圧下で蒸発させた。得られた粗生成物の精製を、酢酸エチル(100%)を溶離剤として用いたフラッシュクロマトグラフィによって行うことにより、所望の化合物21(60mg,10%)を得た。1H NMR (400 MHz, Acetone-d6) δ: 2.55 (t, 2H, J = 5.82 Hz), 2.65 (t, 4H, J = 5.09Hz), 3.52 (t, 4H, J = 5.11 Hz), 3.65 (t, 2H, J = 5.79 Hz), 7.24 (dd, 1H, J1 = 6.38 Hz, J2= 2.50 Hz), 7.33 (d, 1H, J = 2.43 Hz), 7.76 (d, 1H, J = 8.83 Hz).
方法b:化合物27aに対する実験手順を参照のこと。
【0245】
4−[4−(2−ブロモ−エチル)−ピペラジン−1−イル]−2−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(31a):
0℃のアルコール30a(35mg,0.12mmol)のジクロロメタン(4mL)溶液に、炭酸カリウム(71mg,0.51mmol)、トリフェニルホスフィン(88mg,0.34mmol)および四臭化炭素(112mg,0.35mmol)を加えた。その溶液を室温に戻し、90分間撹拌した。得られた溶液をジクロロメタン(25mL)で希釈し、10%炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、綿栓で濾過した。得られた粗生成物の精製を、酢酸エチル/ヘキサン(7:3)を溶離剤として用いたフラッシュクロマトグラフィによって行うことにより、所望の化合物31a(22mg,60%)を得た。1H NMR (400 MHz, Acetone-d6) δ: 2.71 (t, 4H, J = 5.12 Hz), 2.82 (m, 2H), 3.56 (m, 6H), 7.27 (dd, 1H, J1 = 6.23 Hz, J2 = 2.61 Hz), 7.35 (d, 1H, J = 2.53 Hz), 7.78 (d, 1H, J = 8.84Hz).
化合物32a合成するための通常の手順:
適切なフェノール(0.09mmol)のジメチルホルムアミド(1.5mL)溶液に、炭酸セシウム(0.150mmol)を加えた。その溶液をアルゴン下で70℃に加熱し、30分間撹拌した後、化合物31a(22mg,0.06mmol)を加えた。得られた溶液をさらに4時間撹拌した。次いで、その溶液を水(30mL)に注ぎ込み、ジエチルエーテル(3×15mL)で抽出し、ブライン溶液で洗浄し、最後に硫酸マグネシウムで乾燥させた。得られた粗生成物の精製を、ジクロロメタン/アセトン(95:5)を溶離剤として用いたフラッシュクロマトグラフィによって行うことにより、所望の化合物32aを中程度の収率(25%)で得た。
【0246】
4−{4−[2−(3,5−ジフルオロ−フェノキシ)−エチル]−ピペラジン−1−イル}−2−(トリフルオロメチル)−ベンゾニトリル(EM−7263):1H NMR (400 MHz, Acetone-d6) δ: 2.76 (t, 4H, J = 5.16 Hz), 2.89 (t, 2H, J = 5.38 Hz), 3.50 (t, 4H, J = 5.17 Hz), 4.19 (t, 2H, J = 5.37 Hz), 6.57 (m, 3H), 7.20 (dd, 1H, J1 = 6.28 Hz, J2= 2.58 Hz), 7.30 (d, 1H, J = 2.44 Hz), 7.73 (d, 1H, J = 8.83 Hz).
4−{4−[2−(2−メチル−4−(モルフォリノメチル)−フェノキシ)−エチル]−ピペラジン−1−イル}−2−(トリフルオロメチル)−ベンゾニトリル(EM−7547):1H NMR (400 MHz, Acetone-d6) δ: 2.19 (s, 3H), 2.35 (broad s, 4H), 2.77 (t, 4H, J = 5.12 Hz), 2.88 (t, 2H, J = 5.59 Hz), 3.37 (s, 2H), 3.54 (t, 4H, J = 5.12 Hz), 3.59 (t, 4H, J = 4.62 Hz), 4.17 (t, 2H, J = 5.59 Hz), 6.87 (d, 1H, J= 7.96 Hz), 7.09 (m, 2H), 7.26 (dd, 1H, J1 = 6.26 Hz, J2 = 2.60 Hz), 7.35 (d, 1H, J = 2.49 Hz), 7.76 (d, 1H, J = 8.84 Hz).
注意:32b型のピペラジン誘導体は、化合物32aに対して使用した経路と同じ合成経路によって得ることができた。
【0247】
医薬組成物の実施例
全身使用のための好ましい活性化合物EM−7148を利用したいくつかの医薬組成物を以下に示すが、これは、例としてであって、限定するものでない。本発明の他の化合物またはそれらの組み合わせを、EM−7148の代わりに(またはEM−7148に加えて)使用してもよい。活性成分の濃度は、本明細書中で述べるように広い範囲に亘って変動し得る。含まれ得る他の成分の量およびタイプは、当該分野で周知である。
【0248】
実施例A
【0249】
【表5】

【0250】
実施例B
【0251】
【表6】

【0252】
実施例C
【0253】
【表7】

【0254】
他の抗アンドロゲン(すなわちEM−7105、EM−7203またはEM−7363)で、上記の製剤におけるEM−7148を置き換えてもよい。併用療法のために、5αレダクターゼ抑制剤、17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ5型抑制剤および17b−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ抑制剤13型を、重量%で加え得る(比例して他の成分を減らす)。
【0255】
実施例D
【0256】
【表8】

【0257】
実施例E
【0258】
【表9】

【0259】
実施例F
【0260】
【表10】

【0261】
実施例G
【0262】
【表11】

【0263】
実施例H
【0264】
【表12】

【0265】
実施例I
【0266】
【表13】

【0267】
実施例J
【0268】
【表14】

【0269】
実施例K
【0270】
【表15】

【0271】
実施例L
【0272】
【表16】

【0273】
本発明を、好ましい実施形態および実施例に関して記載したが、これらによって限定されない。当業者は、より広い適用性、および本願またはこれに対して優先権を主張する(直接または間接的に)いずれの特許出願に由来する特許請求の範囲によってのみ限定される本発明の範囲を容易に認識するだろう。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式の化合物またはその医薬的に許容可能な塩。
【化1】

(上記一般式中、nは0〜3から選択される整数であり;
点線は、任意の結合を表し;
は、水素および低級(C−C)アルキルからなる群から選択され、
およびRは、水素、ハロゲン、ニトリル、−COCH、−SOCH、NO、OCH、SCH、アルキルスルホキシド、アルキルスルホン、アルキル、メチル、ハロゲン化メチルからなる群から選択され、ここにおいてRおよびRの少なくともいずれかは水素ではなく;
Dは、下記式
【化2】

で表わされ;
ここにおいて、WおよびWは、−CH−、酸素および硫黄からなる群から独立して選択され;
Yは、−MCHCH−、CHMCH−およびCHCHM−からなる群から選択され;
Mは、−O−、−S−、−SO−および−CH−からなる群から選択され;
Eは、フェニレンおよび一置換ピリジルからなる群から選択され;
は、Eに直接結合された、または、1〜4個の介在原子によりEから分離された、少なくとも1つのカルボニル、スルホンまたはスルホキシド基、または、窒素原子を追加的に有する炭化水素であり、前記窒素原子はアミン、アミド、N−オキシド、または四級アンモニウム塩となり、Zは、任意に、他の酸素、窒素または窒素原子を有し;
は、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、アルコキシ、C−C直鎖または分岐鎖アルキル、C−C直鎖または分岐鎖アルケニル、C−C直鎖または分岐鎖アルキニルからなる群から選択される)
【請求項2】
前記化合物が、下記一般式の化合物
【化3】

(上記一般式中、nは1〜3から選択される整数であり;
およびRは、水素、C−CアルキルおよびC−Cアルケニルからなる群から独立して選択され;RおよびRは共に環を形成してもよく;
は、水素、ハロゲン、OCH、SCH、アルキルスルホキシド、アルキルスルホン、ニトリル、NO、アルキル、メチルおよびトリフルオロメチルからなる群から選択され;
は、ハロゲン、ニトリル、−COCH、−SOCHおよび−NOからなる群から選択され;
11およびR12は、水素、C−C低級アルキルからなる群から選択されるか、または、窒素、酸素、セレニウム、シリシウムおよび硫黄からなる群から選択される他のヘテロ原子を有していてもよいヘテロ環を共に形成する)である、
、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容可能な塩。
【請求項3】
前記化合物が下記群:
【化4】

から選択される、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容可能な塩。
【請求項4】
が、Y基に対してパラ位に位置し、Zの窒素原子または硫黄原子は、フェニレンまたは一置換ピリジル環に直接結合しているか、または、1〜4個の介在原子によりフェニレンまたは一置換ピリジル環から分離されており、Zは、下記群:
【化5】

(ここにおいて、Z’は、水素、低級C−Cアルキル、アルキレンまたはアリールであり、基Eと共に縮合したZは、下記群
【化6】

(ここにおいて、Z’およびZ’は、独立して、水素、低級C−Cアルキル、アルキレンまたはアリールである)
から選択される二環基を形成する)
から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
Eがフェニレンである、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
Yが−CHCHO−である、請求項4に記載の化合物。
【請求項7】
下記群
【化7】

【化8】

【化9】

から選択される化合物またはその医薬的に許容可能な塩。
【請求項8】
治療有効量の請求項1〜7のいずれかに記載の化合物またはその医薬的に許容可能な希釈剤または担体を含む、前立腺癌、良性の前立腺肥大、ざ瘡、脂漏症、多毛症、アンドロゲン性脱毛症、男性型禿頭症、多嚢胞性卵巣症候群、性的成熟症または高アンドロゲン性症候群を処置するか、またはその発症リスクを低減するための医薬組成物。
【請求項9】
治療有効量の請求項1〜7のいずれかに記載の化合物またはその医薬的に許容可能な希釈剤または担体を含む、筋萎縮および筋力低下、皮膚萎縮、骨減少、貧血、動脈硬化症、心血管疾患、活動力の低下、良好な健康状態の低下、2型糖尿病および腹部の脂肪蓄積からなる群から選択されるアンドロゲン刺激の消失に関する疾患を処置するか、またはその発症リスクを低減するための医薬組成物。
【請求項10】
前記希釈剤または担体が、経口投与に適している、請求項8または9に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前立腺癌を処置するか、またはその発症リスクを低減する医薬を製造するための、請求項1〜7のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項12】
前記患者に、13型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼの抑制剤、5型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼの抑制剤、5α−レダクターゼの抑制剤およびアンドロゲン合成酵素の抑制剤からなる群から選択される少なくとも1個の抑制剤の治療有効量を投与することをさらに含む、請求項11に記載の使用。
【請求項13】
5α−レダクターゼの抑制剤および13型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼの抑制剤が投与される、請求項12に記載の使用。
【請求項14】
精巣摘出術またはLHRHアゴニストもしくはアンタゴニストの投与をさらに含む、請求項11〜13のいずれかに記載の使用。
【請求項15】
良性の前立腺肥大を処置するか、またはその発症リスクを低減する医薬を製造するための、請求項1〜7のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項16】
前記患者に、抗エストロゲン、アロマターゼの抑制剤、13型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼの抑制剤および5α−レダクターゼの抑制剤からなる群から選択される少なくとも1つの抑制剤の治療有効量を投与することをさらに含む、請求項15に記載の使用。
【請求項17】
5α−レダクターゼの抑制剤および13型17β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼの抑制剤が投与される、請求項16に記載の使用。
【請求項18】
前立腺癌、良性の前立腺肥大、ざ瘡、脂漏症、多毛症、アンドロゲン性脱毛症、男性型禿頭症、多嚢胞性卵巣症候群、性的成熟症または高アンドロゲン性症候群を処置するか、またはその発症リスクを低減する医薬を製造するための、請求項1〜7のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項19】
筋萎縮および筋力低下、皮膚萎縮、骨減少、貧血、動脈硬化症、心血管疾患、活動力の低下、良好な健康状態の低下、2型糖尿病および腹部の脂肪蓄積からなる群から選択されるアンドロゲン刺激の消失に関する疾患を処置するか、またはその発症リスクを低減する医薬を製造するための、請求項1〜7のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項20】
(a)ざ瘡、脂漏症、多毛症、アンドロゲン性脱毛症もしくは男性型禿頭症;または(b)前立腺癌、良性の前立腺肥大、ざ瘡、脂漏症、多毛症、アンドロゲン性脱毛症、男性型禿頭症、多嚢胞性卵巣症候群、性的成熟症もしくは高アンドロゲン性症候群;または(c)筋萎縮および筋力低下、皮膚萎縮、骨減少、貧血、動脈硬化症、心血管疾患、活動力の低下、良好な健康状態の低下、2型糖尿病および腹部の脂肪蓄積を処置するか、またはその発症リスクを低減する医薬を製造するための、請求項1〜7のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項21】
前記化合物が医薬的に許容可能な希釈剤または担体中で患者に投与されるように調製される、請求項11〜20のいずれかに記載の使用。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−176988(P2012−176988A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−137717(P2012−137717)
【出願日】平成24年6月19日(2012.6.19)
【分割の表示】特願2008−516093(P2008−516093)の分割
【原出願日】平成18年6月16日(2006.6.16)
【出願人】(598009810)アンドルシェルシュ・インコーポレイテッド (11)
【氏名又は名称原語表記】ENDORECHERCHE, INC.
【Fターム(参考)】