説明

ベローズポンプおよびベローズポンプの運転方法

【課題】圧縮流動体を圧縮流体作動室に供給したときに、あるいは圧縮流体によってベローズ蛇腹が伸張すべきときに伸張しないで収縮してしまうという現象の発生を回避することができ、もって従来のベローズポンプでは、ダンパーを使用して脈動を少なくしていたものを、ベローズポンプだけで脈動を少なくし、かつ使用する圧縮空気の量を少なくても駆動できるポンプ駆動方法を確立する。
【解決手段】圧縮流体作動室に接続され、該圧縮流体作動室への圧縮流体の導入の切替えをタイマーからの切替え信号によって行う電磁バルブを設け、ポンプ内部で搬送液の吐出側の出口を液吸引の入り口の穴よりも小さくし、ポンプのベローズ天板側気室への圧縮流体の導入スピードをコントロールするスピードコントローラを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベローズポンプおよびベローズポンプの運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ベローズポンプは、ベローズを伸張、圧縮させて動作させ搬送液を吸引、吐出させるポンプである。ベローズポンプは、ベローズを圧縮することで搬送液を吐出することは、簡単にできるが、該ベローズを伸張させることで液を吸引するのは難しい。
【0003】
特許文献1には、吸入通路及び吐出通路等を形成しているポンプヘッドと、前記ポンプヘッドを両側より挟み込むよう配置された左右のシリンダケースと、前記シリンダケース同士を外周側にあって少なくとも略上下左右の角部である合計4箇所で締め付けているボルト等からなる複数の締結手段と、前記各シリンダケース内に配設されてシリンダケースに吸排気される駆動流体により伸縮する両側の概略有底円筒形ベローズと、前記各ベローズの自由端面側に突設されている軸部材と、前記各軸部材に取り付けられている連結板と、前記各連結板同士を連結している2本のロッドを備え、前記両ベローズが前記駆動流体の吸排気及びロッド等を介し交互に伸長・収縮されることにより、移送流体を前記吸入通路から吸引し前記吐出通路から吐出する2連式ベローズポンプが記載されている。
【0004】
従来のベローズポンプは、ベローズに機械的に操作体を締結して連結した状態で操作できるように機械結合させ、片方のベローズが圧縮することを利用して反対側の機械結合させたベローズを外部から機械的に伸張させているので、この機械結合に必要な軸部材、連結板、ロッド、軸受機構、固定部材その他の多くの部品を必要とし、高額、かつ、組立精度も必要で、組み立てても拘束が多く、動きを安定させるのも困難で工数も多くかかりかつ軸受けが磨耗するなどの不具合を発生する要素が多い。
【0005】
従来のベローズポンプで別の方法として、ベローズを2個対向させて配置し、片方のベローズを圧縮空気で圧縮動作すると直接対向するベローズを押して伸張させるようなロッドを、仕切り部に穴をあけ、搬送流体が入るベローズ内部に該ロッドが挿入することで2つのベローズが連結するように配置することで対向するベローズを圧縮されたベローズで直接反対側のベローズを伸張させるように配置するベローズポンプがある。
【0006】
【特許文献1】特開2004−197689号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ベローズ内部にロッドを入れるとベローズ内部は、ポンプの搬送液が入るところなので、このロッドの影響でポンプの搬送液の流れの抵抗が大きくなるので搬送液の流量が少なくなりロスが増えてしまう。この方法のポンプは、搬送液の流量が少なくなるというポンプとしては、重大な欠点があり、特に大型のポンプには、適さない。
【0008】
従来のベローズに操作体を締結するベローズ駆動方式では、多くの部品が必要になり、複雑になる。また、搬送液流量減少などポンプとしての重大な欠点となる。
そこでベローズポンプをOリングで仕切りをしてシリンダのように動かすことを考えて実際に動かしたときに、ベローズポンプ運転のために駆動流体である圧縮流体を供給した場合、ベローズを構成するベローズ部であるベローズ蛇腹が薄内成形され伸縮容易とされているために、圧縮流体によってベローズ蛇腹が伸縮する前に、伸縮しない状態で、ベローズ蛇腹がベローズの中心に向かう圧縮流体の圧力によって潰されて変形破壊されるという現象が発生する。
【0009】
つまり、ベローズで蛇腹が伸張しないで収縮してしまうので、搬送流体を吸い上げることができず、ベローズポンプとしての運転ができないということが起きる。
【0010】
この現象は、ポンプとしての機能がなくなる重大欠陥である。この現象は、過去にいろいろ実験を繰り返された先行メーカの技術者が開発を断念した原因の現象である。
【0011】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので充分な圧縮流体を供給したときに、圧縮流体によってベローズ蛇腹が変形破壊されたり、あるいは圧縮流体によってベローズ蛇腹が伸張すべきときに伸張しないで収縮してしまうという現象の発生を回避して正常な運転を可能にして、搬送液の吐出時の脈動を回避することで、Oリングで仕切ったベローズポンプの持つ前述の重大欠陥を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、ベローズ天板部にベローズ部が取りつけられて形成されたベローズを少なくとも2つ備え、各ベローズがそれぞれシリンダ内に気密に摺動可能に配設されて、前記シリンダ内であって該シリンダと前記ベローズ部との間に、および前記ベローズ天板部と前記シリンダとの間にそれぞれ圧縮流体作動室が形成され、それぞれの圧縮流体作動室に圧縮流体が導入されることによって前記ベローズ部を圧縮、伸張させて、各ベローズに搬送液を交互に流入させ、各ベローズから搬送液を交互に吐出させるようにしたベローズポンプにおいて、
前記圧縮流体作動室に接続され、該圧縮流体作動室への圧縮流体の導入の切替えを切替え信号生成手段からの切替え信号によって行う電磁バルブを設け、該電磁バルブは、前記切替え信号生成手段で生成された切替信号が用いられ、該切替え信号によって前記圧縮流体の導入導出の切替えがなされるものであって、各ベローズからの搬送液の交互の吐出が機械的に独立して設定され、前記切替え信号生成手段がタイマー切替え信号を生成し、該タイマー切替え信号が生成電磁バルブに伝信されて、またはそれぞれのシリンダとそれぞれのベローズの間に、形成された圧縮液体作動室に接続された配管に、前記圧縮流体の導入スピードをコントロールするスピードコントロール手段が設けられ、該スピードコントロール手段による前記圧縮流体の導入スピードがコントロールされて、前記タイマー切替え信号が各ベローズから交互に吐出される搬送液の吐出完了しないうちに吐出時間切替をおこない吐出時間をラップさせることで吐出液の脈動を少なくすること
を特徴とするベローズポンプを提供する。
【0013】
本発明は、また、前記タイマー切替え信号が前記電磁バルブに送信され、および前記スピードコントロール手段による前記圧縮流体の導入スピードコントロールされること
を特徴としたベローズポンプを提供する。
【0014】
本発明は、また、前記切替え信号生成手段がタイマーを備えていて、切替え信号としてタイマー切替え信号が生成されること
を特徴とするベローズポンプを提供する。
【0015】
本発明は、また、前記スピードコントロール手段が絞りを備えたスピードコントローラを備えていて、絞りによって遅延した切替え信号が生成されること
を特徴とするベローズポンプを提供する。
【0016】
本発明は、また、前記シリンダと前記ベローズ天板部との間に形成された前記圧縮流体作動室から吐出される吐出側穴が、当該圧縮流体作動室に吸引される吸引側穴に比べて断面積が小さくされて吐出液の当該圧縮流体作動室からの吐出を調節したこと
を特徴とするベローズポンプを提供する。
【0017】
本発明は、また、前記吸引側穴の内径は前記吐出側穴の内径に比べて面積比が50%〜10%にされたことを特徴とするベローズポンプを提供する。
【0018】
本発明は、また、前記シリンダと前記ベローズ部との間に形成された双方の前記圧縮流体作動室は直接連結管によって連結され、一方の圧縮流体作動室から吐出される圧縮流体の一部が他方の圧縮流体作動室に送り込まれることを特徴とするベローズポンプを提供する。
【0019】
本発明は、また、前記シリンダと前記ベローズ部との間に形成された前記圧縮流体作動室に接続された空気出入り口配管に圧縮空気圧を低く設定するレギュレータバルブを設け、前記シリンダと前記ベローズ天板部との間に形成された前記圧縮流体室には、前記シリンダと前記ベローズ部との間に形成された前記圧縮流体作動室に比べてより高圧力の圧縮流体を導入するようにしたことを特徴とするベローズポンプを提供する。
【0020】
本発明は、また、供給口に供給側逆止弁が、そして吐出側に吐出側逆止弁が設けられ、これらの逆止弁が重力方向に上下させて動く逆止弁とされ、供給側逆止弁と吐出側逆止弁がペアとして構成され、交互に並列させたことを特徴とするベローズポンプを提供する。
【0021】
本発明は、ベローズ天板部にベローズ部が取りつけられて形勢されたベローズを少なくとも2つ備え、各ベローズがそれぞれシリンダ内に気蜜に摺動可能に配設されて、前記シリンダ内であって該シリンダと前記ベローズ部との間に、および前記ベローズ天板部と前記シリンダとの間にそれぞれ圧縮流体作動室が形成され、それぞれの圧縮流体作動室に圧縮流体が導入されることによって前記ベローズ部を圧縮、伸張させて、各ベローズに搬送液を交互に流入させ、各ベローズから搬送液を交互に吐出させるようになし、前記圧縮流体作動室に接続され、該圧縮流体作動室への圧縮流体の導入の切替えを切替え信号生成手段からの切替え信号によって行う電磁バルブが設けられ、またはそれぞれのシリンダとそれぞれのベローズの間に形成された圧縮流体作動室に接続された配管に、前記圧縮流体の導入スピードをコントロールするスピードコントロール手段が設けられたベローズポンプの運転方法において、
前記電磁バルブが、前記切替え信号生成手段に生成された切替え信号を用いて前記圧縮流体の導入、導出の切替えを行い、
各ベローズからの搬送液の交互の吐出が、機械的に独立に操作され、
前記切替え信号生成手段が、タイマー切替え信号を生成し、該タイマー切替え信号が前記電磁バルブに送信され、または前記スピードコントロール手段が、前記圧縮流体の導入スピードをコントロールして、前記タイマー切替え信号が交互に吐出される搬送液の吐出完了しない内に吐出時間切替えをおこない吐出時間をラップさせることで吐出液の脈動を少なくしたこと
を特徴とするベローズポンプの運転方法を提供する。
【発明の効果】
【0022】
圧縮流体作動室に接続され、該圧縮流体作動室への圧縮流体の導入の切替えをタイマー切替え信号によって行う電磁バルブを設け、あるいは/及びシリンダとベローズ部との間に接続された配管に、圧縮流体の導入スピードをコントロールするスピードコントローラを設けているので、圧縮流体を圧縮流体作動室に供給したときに、あるいは圧縮流体によってベローズ蛇腹が伸張すべきときに伸張しないで収縮してしまうという現象の発生を回避することができ、もって脈動を回避してベローズポンプの正常運転を継続させることができる。
【0023】
シリンダとベローズ蛇腹であるベローズ部との間に形成された圧縮流体作動室に連通させて、この圧縮流体作動室に導入された圧縮流体の作動圧を緩和する圧縮流体排出路を設けたこと、さらには、この圧縮流体排出路を外部の大気に連通させる細穴または小溝によって形成するようにした構成と組み合せて、搬送液吐出時の脈動をより小さくすることができる。
【0024】
磁気バルブは、タイマーからの2つの切替え信号によって圧縮流体の導入の切替えがなされるものであった、2つの切替え信号によって、各ベローズからの搬送液の交互の吐出を機械的に独立して設定するようにすることができ、これによって脈動を更に小さくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0026】
本件出願人にあっては、先に特願2008−265316号としての出願を行った。本件実施例はこの出願に記載した装置および方法改良に関するもので、この出願に記載した装置および方法を理解することによって本実施例を理解し易いものとなるので、当該出願に記載した装置および方法を共に説明し、その後で本実施例を説明することとする。
先願には次の内容の実施例が記載されている。
【0027】
図1は、本発明を説明するためベローズポンプの全体斜視図、図2は図1の正面図、図3は図1の右側面図、図4は図1の左側面図、図5は図1の縦断面図である。
【0028】
図1から図4において、本件実施例のベローズポンプ100は、左右の2つのシリンダ1a、1b(総称する場合には1)、その間に一体に設けられたポンプ本体19、各シリンダの外側に密着して配設されたシリンダ端板4、5を備え、シリンダ端板4、5とシリンダ1a、1bとの間にはOリング4a、5aが配設され、左右両側のシリンダ端板4、5の4つの隅にはそれぞれ固定ボルト34a、34b、34c、34d(総称する場合は34)が貫通して設けられ、ナット35a、35b、35c、35d(総称する場合は35)によって締結される。
【0029】
シリンダ1aの最上部には気室出入り口を兼ねた配管(以下、気室入り口配管という。他の同様の構成物についても同様に配管とする。)8が設けられ、シリンダ内部と連通し、シリンダ1bの最上部には、気室出入り口配管9が設けられ、シリンダ端板4の側方上部には気室出入り口配管6が設けられ、シリンダ端板5a側方上部には気室出入り口配管7が設けられている。
【0030】
シリンダ端板4の側方中央部にはバルブ10が、そしてシリンダ端板5の側方中央部には他のバルブ11が設置してある。それぞれのシリンダ端板に固着されたポンプ本体19は円柱高さの低い形状の中央円柱状に形成され、最上部に搬送液の吐出口17が、そして手前側側方部に搬送液の吸入口18が設けられる。吸入口18と吐出口17とは後述するようにして連通される。
【0031】
図4において、シリンダ1aの中にはベローズ天板部2bが配設され、更にシリンダ1aの中にはベローズ天板部20に一体化されたベローズ蛇腹であるベローズ部2cが配設される。ベローズ天板部2bは板状に形成され、その端面にはOリング溝2aが形成され、このOリング溝2aにはOリング2eが配設され、気密性を確保している。
【0032】
ベローズ部2cは前述のようにベローズ蛇腹構成とされ、伸張および収縮可能とされ、1端側はベローズ天板部2bに固着され、他端側はポンプ本体19の端面に固着される。このような構成によって、すなわちベローズ天板部2bにベローズ部2cが取り付けられて一方のベローズ2が形成される。
【0033】
形成されたベローズ2は、ベローズ天板部2bの端面がシリンダ1bの内面を摺動し、その時に、Oリング溝2aとOリング2eの組み合わせによって気密が保たれる。
【0034】
このようにして気密を保つことの出来るベローズ天板部2bはシリンダ1aの内部空間を左右両側に分けて両側に室を形成する。そして、ベローズ部2cは左側に分けられた室をベローズ内外の室に区割する。従ってここでは、右側に区割され、ベローズ天板部2bとシリンダ1aとによって形成される室をベローズ天板側室12と称する。このベローズ天板側室12は1つの圧縮流体作動室として作用することになる。
【0035】
ベローズ部2cとシリンダ1bとによって、形成される室をベローズ(蛇腹)側気室14と称する。このベローズ側気室14はもう一方の圧縮流体作動室として作用する。従って、ベローズ側気室を圧縮流体作動室という場合がある。ベローズ部2cの内部にベローズ部14、ベローズ天板部2bおよびポンプ本体19によって形成された室は搬送液体搬送室14Aとなる。
【0036】
ベローズ天板側気室12にはシリンダ端板4に設けた気室出入り口配管6が連通しており、この気室出入り口配管6を介して駆動源としての圧縮流体(駆動流体であり、例えば圧縮空気)が導入され、排出される。導入された圧縮流体はベローズ天板部2bの側面に作用し、ベローズ天板部2bを押圧してシリンダ1a内を摺動させる。
【0037】
ベローズ側気室14にはシリンダ1aの円筒部に設けた気室出入り口配管8が連通しており、この気室出入り口配管8を介して駆動源としての圧縮流体が導入され、排出される。導入された圧縮流体はベローズ部2cに作用し、ベローズ2aを伸張させてシリンダ1a内を右方に移動させる。
【0038】
駆動源としての圧縮流体がベローズ天板側室12およびベローズ側気室14のいずれかの室に導入され、排出されることによってベローズ1はシリンダ1内を伸張、収縮する。これに伴なって搬送流体搬送室14Aの容積が増加、減少する。ベローズ天板部2bの両端部にはベローズ天板側気室12とベローズ側気室14を連通させるようにした細孔20、21が設けてある。この細孔20、21の機能については後述する。
以上のようにしてベローズ2が構成される。
他方側のベローズ3についてもベローズ1と同様に構成される。
【0039】
ベローズ天板側気室13にはシリンダ端板5に設けた気室出入り口配管7が連通しており、この気室出入り口配管7を介して駆動源としての圧縮流体が導入され、排出される。導入された圧縮流体はベローズ天板部3bの側面に作用し、ベローズ天板部3bを押圧してシリンダ1b内を摺動させる。
【0040】
ベローズ側気室15にはシリンダ1bの円筒部に設けた気室出入り口配管9が連通しており、この気室出入り口配管8を介して駆動源としての圧縮流体が導入され、排出される。導入された圧縮流体はベローズ部3cに作用し、ベローズ3aを伸張させてシリンダ1b内を左方に移動させる。
【0041】
駆動源としての圧縮流体がベローズ天板側気室13およびベローズ側気室15のいずれかの室に導入され、排出されることによってベローズ2はシリンダ1内を伸張、収縮する。これに伴なって搬送液搬送室15Aの容積が増加、減少する。
【0042】
ベローズ天板部3bの両端部にはベローズ天板側気室13とベローズ側気室15を連通させるようにした細孔22、23が設けてある。この細孔22、23の機能については後述する。
以上のようにしてベローズ3が構成される。
【0043】
図6は、ポンプ本体19の右側面を示し、図7は図5の断面を示し、図7(B)は図5のB−B断面を、そして図7(C)は図5のC−C断面を示し、図8は図5のA−A断面を示す。
【0044】
図4、図7に示すように、ポンプ本体19の下方内部には、吸入口18から搬送液搬送室14A、15Aにそれぞれ吸入側出口29、33を経て連通する連通孔26A、30Aが設けられ、この連通孔26Aに吸入側逆止弁座28が配設され(図7(B))、連通孔30A吸入側逆止弁30が配設される(図7(C))。図7(B)に示すように、連通孔26Aには、逆止弁設置部材19Aが嵌入される、逆止弁設置部材19Aは吸入弁体ガイド27、この吸入弁体ガイド27にガイドされて摺動する吸入側逆止弁26および吸入側逆止弁座28を備える。
【0045】
吸入側逆止弁26は吸入側逆止弁座28に圧接することでシールされ、吸入口18からの搬送液のベローズ2側への流入が阻止される。つまり吸入側出口29からベローズ2の搬送液搬送室14Aへの流れが止められ、ベローズ2内の搬送液やベローズ2の作用によって後述する吐出側逆止弁16からと吐出口17に向けて吐出がなされる。搬送液搬送室14Aの圧力が減少してシールが解除されると、吸入側逆止弁26は吸入弁体ガイド27にガイドされて上方へと摺動し、搬送液が吸入側出口29から搬送液搬送室14Aに流入することを許容する。
【0046】
図7(C)に示すように、連通孔26Aには、逆止弁設置部材19Aが嵌入される、逆止弁設置部材19Aは吸入弁体ガイド31、この吸入弁体ガイド31にガイドされて摺動する吸入側逆止弁30および吸入側逆止弁座32を備える。
【0047】
吸入側逆止弁30は吸入側逆止弁座32に圧接することでシールされ、吸入口18からの搬送液のベローズ3側への流入が阻止される。つまり吸入側出口33からベローズ3の搬送液搬送室15Aへの流れが止められ、ベローズ3内の搬送液をベローズ3の作用によって後述する吐出側逆止弁30から吐出口17に向けて吐出がなされる。搬送液搬送室15Aの圧力が減少してシールが解除されると、吸入側逆止弁30は吸入弁体ガ
イド31にガイドされて上方へと摺動し、搬送液が吸入側出口33から搬送液搬送室15Aに流入することを許容する。
【0048】
このような動作がベローズ2および3の交互の伸張、収縮作用に同調して交互に繰り返えされ、どちらかの搬送液搬送室14A、15Aの搬送液が吐出口へ間断なく吐出側逆止弁16を介して圧送される。
以上のようにしてベローズ2が構成される。
【0049】
図4、図8に示すように、ポンプ本体19の上方内部には、搬送液搬送室14A、15Aに連通する連通孔16Aが設けられ、この連通孔16Aに吐出側逆止弁16が配設され、この吐出側逆止弁16の吐出側は吐出口17に連通される。この吐出側逆止弁16は交互に搬送液搬送室14A、15Aの搬送液を吐出口17に導出させる。
【0050】
図9は、ベローズポンプ駆動流体切換操作回路を示す。図9において、ベローズポンプ駆動流体切換操作回路は、駆動源に接続された駆動流体供給路45に接続されたメインバルブ44を備え、メインバルブ44は内部に切換回路を備えて、この切換によって駆動流体供給路45は気室出入り口配管6と気室出入り口配管9、あるいは気室出入り口配管7と気室出入り口配管8のいずれかに継続される。図示の例にあって駆動流体供給路45は気室出入り配管6および9に接続されていることを示す。駆動流体としての圧縮流体としては、この例では圧縮空気が使用される。以下、圧縮空気を例にとって説明する。図示の例にあっては、気室出入り口配管7および8は大気に開放されていることを示す。従って、この場合にはベローズ天板側気室13は気室出入り口配管7を介して大気開放される。
【0051】
メインバルブ44の回路切換えは、バルブ10およびバルブ11からの操作信号によってなされる。
【0052】
図5において、シリンダ端板4、5の中央付近に段穴4b、5bを設け、ピン38、39をスプリング40、41と共に装着する。これらのピン38、39に対応してバルブ10、11を板にネジ固定して、ネジでこれらの板をシリンダ端板4、5に固定配置する。これらのピン38、39は、ベローズ2、3の伸張、収縮の動きをバブル10、11のメインバブル44の切換え動作のための信号としてメインバルブ44に伝える。この信号は、メインバルブ44の切換え動作に必要な押し込み動作を行うために使用される。すなわち、ベローズ2、3が伸張すると、ピン38、39は、ベローズ2、3に組み込まれたステンレス製の板42、43で押し上げられ、バルブ10、11の切替部を押して圧縮空気の切替えを行う。切替えられた圧縮空気がメインバルブ44の切換えを行うことになる。
【0053】
ポンプとして働かせるために気室出入り口配管6及び9に同時に圧縮空気を入れると、ベローズ2は、気室12に入った圧縮空気によって収縮し、そのベローズ2の収縮で吐出側の逆止弁が動いて、吐出口17を通して搬送液である搬送流体が吐出する。そのときベローズ側気室15に圧縮空気が同時に入るのでベローズ3は伸張する。
【0054】
次に30の吸入側逆止弁が、32の吸入逆止弁座との圧接状態を解除して浮き上がることで18の吸入口から搬送流体をベローズ3内部に引き込む。このとき吐出側逆止弁16は、閉じているので吐出口17へは、ベローズ2からの搬送流体の流れのみである。ベローズ3の伸張によってベローズ天板部3bに接合された板43により、ピン39が押されて、バルブ11が切り替わる。
【0055】
次に、ベローズ2、ベローズ3を圧縮、伸張させた圧縮空気は、メインバルブ44の切換えによって、それぞれ気室出入り口配管6及び9から圧縮空気が大気圧に開放されて出ていき、ピン39は、スプリング41によって戻されてバルブ11も元の位置に復帰する。これと同時に、図9のメインバルブ44の切り替りに伴い、気室出入り口配管7、8に圧縮気体が供給され、ベローズ3が収縮し逆止弁16が開き、吐出口17から搬送流体が吐出する。吸入口18の30の吸入側逆止弁は閉じている。
このとき同時にベローズ2が伸張する。このことで搬送液は、ベローズ2内部の吸入側逆止弁26が浮き上がって28の吸入側逆止弁座との圧接シール状態が無くなるので、ベローズ2の内部に搬送液は18の吸入口から勢い良く流入する。
【0056】
今度は、ベローズ天板部2bに接合された板42により、ピン38が押されて、バルブ10が切り替わる。そうすると、メインバルブ44が再度切り替わり、気室出入り口配管6、9に圧縮気体が供給される。こうして、ベローズの圧縮、伸張動作が繰り返され、搬送液が圧送される。
【0057】
ベローズ側気室14または15に圧縮空気が供給された場合、ベローズ蛇腹であるベローズ部2c、3cは、薄肉成形されており、伸縮することが容易にできるようになっていることから、圧縮空気が入ると蛇腹が伸びるよりも、ベローズ蛇腹が圧縮空気圧力で伸張しない状態で、ベローズ蛇腹がベローズの中心に向かう圧縮空気の圧力で、潰されて変形破壊されてしまう現象がおきる。
つまりベローズが伸張しないで収縮してしまうので、搬送流体を吸い上げることができなくポンプとして働かない現象が生じる。
【0058】
この欠陥は、ベローズ天板側気室12とベローズ側気室14とを連通する細孔20、21、または/およびベローズ天板側気室13とベローズ側気室15とを連通する細孔22、23とが設けることで圧縮流体のロスを若干起こさせることでベローズの蛇腹が潰されて変形することを防ぐことで克服される。つまり連通する細孔20、21、22、23は、ベローズ天板側気室12、13が大気圧に開放されているので圧縮流体のロスが発生する。この圧縮流体のロスは導入された圧縮流体の圧力を緩和することになるのでベローズを潰してしまう圧縮変形をおこさせない機能を持っている。
【0059】
ここでは、ベローズ天板側気室12とベローズ側気室14とを連通する細孔20、21、または/およびベローズ天板側気室13とベローズ側気室15とを連通する細孔22、23を設けてベローズ部の変形破壊を避けた。他の方法として、ベローズ部の蛇腹のあるベローズ側気室14と15のある1a、1bのシリンダ1a、1bの円筒部に同様の細孔を形成して大気と連通することでも同じ効果がある。または、ポンプ本体19に細孔を設けて大気に連通するようにしてもよい。
【0060】
または、その他の方法としては、シールを完全にするのではなく、緩くシールして圧縮空気が漏れるようにすることでも良い。
【0061】
すなわち、シリンダ1a、1bとベローズ部2c、3cとの間に形成されたベローズ(蛇腹)側気室14、15である圧縮流体作動室に連通させて、この圧縮流体作動室に導入された圧縮流体の作動圧を緩和する圧縮流体排出路を設けることによって上述した欠陥を克服する。
【0062】
この圧縮流体排出路は、シリンダ1a、1bベローズ部2c、3cとの間に形成された圧縮流体作動室14、15と、ベローズ天板部2b、3bシリンダ1a、1bとの間に形成された圧縮流体作動室12、13とを連通させる細孔または小溝によって形成することができる。また、この圧縮流体排出路はシリンダ1a、1bとベローズ部2c、3cとの間に形成された圧縮流体作動室14、15を外部の大気に連通させる連通手段によって形成することができる。
【0063】
連通手段は、外部の大気に連通させる細孔がシリンダ1a、1bもしくはポンプ本体19に形成されることによって形成され得る。
【0064】
このように、ベローズの作動のために充分に投入された圧縮気体が投入当初のロスによってベローズ部2cまたはベローズ部3cを変形破壊することなく、ベローズ2またはベローズ3を伸張させる。つまりロスさせることによって、圧縮気体の力がベローズのベローズ部である蛇腹にかかるが潰すまでの力にならないように細穴の大きさ、連通する面積の大きさを選択することにより、ベローズの変形破壊を防ぎつつ、ベローズを伸張させることができる。細孔を余りに大きくすれば、ベローズを作動させることが困難になる。
【0065】
この連通細孔(小溝を含む)の大きさについては、通常バランスを考慮して数個設けるのが良いが、小型のベローズであれば1個の孔でも良い。また、実施例では細孔としたが、小溝でも同じ効果を持たせることができる。またはシールを完全に行うのではなく。シールに若干の隙間を持たせることでも同じような動作が可能である。開放面積については、ポンプの大きさや圧縮空気の圧力によって変化するので、シミュレーションや実験によって決定する。
【0066】
圧縮流体排出路が、シリンダとベローズ部との間に形成された圧縮流体作動室と、ベローズ天板部とシルンダとの間に形成された圧縮流体作動室とを連通させる細孔または小溝の連通孔20、21、22、23によって形成されて、シリンダとベローズとの間に形成された圧縮流体作動室に導入された圧縮流体の一部がベローズ天板部とシリンダとの間に形成された圧縮流体作動室に排出されて導入されたとき、圧縮流体のロスを生成し、脈動を押えることができる。
【0067】
この連通を行うことでベローズの伸張と収縮動作が自在になるので、ベローズポンプを作成するのに従来のベローズポンプと違い、ポンプ機能を作る部品も少なくなり、ほぼ半分以下の部品で動作ができるようになる。
【0068】
また、ポンプの動作を安定させるのに必要な精度を要求する部分については、従来のポンプが多重拘束設計なので構造が複雑で性能を出すのが困難であったが、本実施例のベローズポンプは、精度出しが簡単であるのでポンプ組立が容易であり、ポンプの寿命や信頼性などのポンプの重要な課題も容易に達成でき従来のポンプと比較して非常に有利である。
【0069】
以上のように、本実施例では、ベローズ天板部2b、3bに蛇腹構成であるベローズ部2c、3cが取りつけられて形成されたベローズ2、3を少なくとも2つ備え、各ベローズ2、3がそれぞれシリンダ1a、1b内に気密に摺動可能に配設されて、前記シリンダ内であって該シリンダ1a、1bと前記ベローズ部2c、3cとの間に、および前記ベローズ天板部2b、3bと前記シリンダ1a、1bの間にそれぞれ圧縮流体作動室(ベローズ(蛇腹)側気室14、15およびベローズ天板側気室12、13)が形成され、それぞれの圧縮流体作動室に圧縮流体が導入されることによって前記ベローズ部2c、3cを圧縮、伸張させて、各ベローズに搬送液を交互に流入させ、各ベローズから搬送液を交互に吐出させるようにしたベローズポンプ100が用いられる。
【0070】
このように構成されたベローズポンプにおいて、シリンダ1a、1bとベローズ部2c、3cとの間に形成された圧縮流体作動室に圧縮流体を導入させる時に、圧縮流体排出路からー部の圧縮流体を流出させてこの圧縮流体作動室に導入された圧縮流体の作動圧を緩和するベローズポンプの運転装置及び方法が形成される。
【0071】
また、この運転方法において、シリンダ1a、1bとベローズ部2c、3cとの間に形成された圧縮流体作動室からベローズ天板部2b、3bとシリンダ1a、1bとの間に形成された圧縮流体作動室に一部の圧縮流体を流出させるようにした運転装置及び方法が形成される。
【0072】
また、上述の運転方法において、シリンダ1a、1bとベローズ部2c、3cとの間に形成された圧縮流体作動室から直接外部の大気に一部の圧縮流体を流出させるようにした運転装置及び方法が形成される。
【0073】
また、上述の運転装置及び方法において、シリンダ1a、1bもしくはポンプ本体19に設けた例えば細孔20、21、22、23から一部の圧縮流体を直接大気中に流出させるようにした運転装置及び方法が形成される。
【0074】
本発明の実施例は、以上述べたベローズポンプ構造および運転方法がそのままに、あるいは一部変更して採用される。具体的には、本実施例は、ベローズ天板部にベローズ部が取りつけられて形成されたべローズを少なくとも2つ備え、各ベローズがそれぞれシリンダ内に機密に摺動可能に配設されて、シリンダ内であって該シリンダとベローズ部との間に、および前記ベローズ天板部とシリンダとの間にそれぞれ圧縮流体作動室が形成され、それぞれの圧縮流体作動室に圧縮流体が導入されることによってベローズを圧縮、伸張させて、各ベローズに搬送液体を交互に流入させ、各ベローズから搬送液体を交互に吐出させるようにしたベローズポンプであって、
圧縮流体作動室に接続され、この圧縮流体作動室への圧縮流体の導入の切替えを切替え信号生成手段、例えば、タイマー切替え信号によって行う電磁バルブが設けられる。
【0075】
また、並設してもしくは別個にシリンダと前記ベローズ部との間に接続された配管に、圧縮流体の導入スピードをコントロールするスピードコントロール手段が設けられる。このスピードコントロール手段はタイマー切替えと同時に用いることができる。
【0076】
また、電磁バルブは、切替え信号生成手段として設けられたタイマーからの2つの切替え信号によって圧縮流体の導入の切替えがなされるものであって、2つの切替え信号によって、各ベローズからの搬送液体の交互の吐出を機械的に独立して設定するようにされる。
【0077】
電磁バルブは、タイマーからの2つの切替えタイミングからなる切替え信号によって、あるいはスピードコントロール手段による圧縮流体の遅延導入によって圧縮流体の導入状態が、切替えられ、2つの切替えタイミングが、各ベローズから交互に吐出される搬送流体の吐出時間をラップさせる。
【0078】
この搬送流体の吐出時間ラップを実現するベローズポンプの運転方法は、例えば、圧縮流体作動室に接続された電磁バルブが、この圧縮流体作動室への圧縮流体の導入をタイマーからの切替え信号によって切替えることによって、あるいはシリンダとベローズ部との間に接続された配管に設けられたスピードコントローラは、圧縮流体の導入スピードをコントロールすることで構成される。
【0079】
以下、詳細に説明する。
【実施例】
【0080】
図10は、本発明の実施例の外観を示す。基本的には、先に説明した図1−図9に示した主たる構造、構成、機能、作用が採用される。そして、これらの図に示した一部構成に追加、あるいは変更されて本実施例とされる。
【0081】
図10に示す例にあっては、ベローズポンプ100から先に示した図面からバルブ10、11が外されて、これらのバルブが設けられた部分が塞がれる。あるいは塞いだ状態で製作される。
【0082】
先の実施例にあっては、メインバルブの回路切替えは、バルブ10およびバルブ11からの操作信号によってなされていたが、実施例では後述するように新たな2つの操作手段を設けた。いずれかの操作手段が、または双方組み合せで用いられる。また、気室出入り口配管6、気室出入口配管7、気室出入口配管8および気室出入口配管9を結ぶ新たな圧縮流体作路手段53A、53Bを設けた。この圧縮流体路手段路53Aはベローズ2側に、その圧縮流体路手段53Bはベローズ3側に設けられており、その構造、構成、機能および作用については、後述する。
【0083】
図11は、図10に示すベローズポンプ100の駆動回路を示す。図11に示すように、ベローズポンプ100の駆動回路は、図9に示すベローズポンプ100の駆動回路の一部が変更して構成される。この図において、前述したように1つの切替え信号手段としてのバルブ10、11が削除され、バルブ10、11によるメインバルブ44への制御回路が削除される。メインバルブ44には、電磁バルブが採用され、この電磁バルブは他の切替え信号手段としてのタイマー46からの切替え信号によって作動される。タイマー46からの切替え信号は回線46Aを介してメインバルブ44に伝えられる。タイマー46を採用とすることによって、切替え信号を任意に生成できることになる。すなわち、切替え信号生成の自由度が確保されることになる。
【0084】
メインバルブ44とベローズポンプ100のシリンダ1a、1bとの間には、上述したように、圧縮流体路手段53A、53Bが設けられる。
【0085】
メインバルブ44の圧縮流体供給孔Bと気室出入口配管6及び9とを結んで圧縮流体供給系統61が、そして圧縮流体供給孔Aと気室出入口配管7および8とを結んで圧縮流体供給系統62が設けられる。これらの系統は分岐され、気室出入口配管6に接続される系統が61Aとされ、気室出入口配管9に接続される系統が61Bとされ、気室出入口配管7に接続される系統が62Aとされ、気室出入口配管8に接続される系統が62Bとされる。
【0086】
圧縮流体供給系統61Bには、供給される圧縮流体の供給スピードをコントロールするスピードコントロール手段としてのコントローラ47が設けられ、これに直列に所定の適正圧力に抑圧するレギュレータ51が設けられる。圧縮流体供給系統62Bには、同様にスピードコントロール手段としてのコントローラ48およびレギュレータ52が直列に設けられる。
【0087】
圧縮流体供給系統61および62の一部にそれぞれ急速排気弁49、50がその駆動装置49D、50Dと共に設けられる。
【0088】
前述にコントローラ、レギュレータおよび急速排気弁および圧縮流体系統は、圧縮流体路手段53A、53Bの管体内に図10に示すように内蔵され、外部からは見えない。
【0089】
なお、ベローズポンプ100が、ベローズ天板部にベローズ部が取りつけられて形成されたベローズを少なくとも2つ備え、各ベローズがそれぞれシリンダ内に機密に摺動可能に配設されて、シリンダ内であって該シリンダとベローズ部との間に、およびベローズ天板部とシリンダとの間にそれぞれ圧縮流体作動室が形成され、それぞれの圧縮流体作動室に圧縮流体が導入されることによってベローズ部を圧縮、伸張させて、各ベローズに搬送液体を交互に流入させ、各ベローズから搬送液体を交互に吐出させるようにして構成されるのは先の実施例と同様である。
【0090】
このような構成において、シリンダ1a、1bとベローズ部2c、3cとの間に接続された配管に、スピードコントローラ47、48に直列に圧縮流体の圧力が所定の適正圧力以上にならないようにするレギュレータ49、50が設けられてある。
【0091】
前述のように圧縮流体作動室に接続され、これらの圧縮流体作動室への圧縮流体の導入の切替えをタイマー46からの切替え信号によってメインバルブ44、すなわち電磁バルブを設けている。この側にあってはタイマー切替え信号とタイマー46によって形成しているが、他の手段によって形成するようにしてもよい。
【0092】
また、前述のようにシリンダ1a、1bとベローズ部2c、3cとの間に接続された配管である圧縮流体供給系統61B、62Bに、圧縮流体の導入スピードをコントロールするスピードコントローラ47、48を設けている。
【0093】
本例の場合、メインバルブ44は、片側電磁ソレノイド・片側スプリング駆動メインバルブ(電磁ソレノイド)として構成される。この電磁ソレノイド44にタイマー46からあらかじめ決めたタイミングで電流が流される。この電流が流れた後に電流が切れるまでの時間もあらかじめ決められる。電流が切れると、電磁ソレノイド44に設置されたあらかじめ決めた既成のバネ力で所定のバルブ状態に戻る。このようにタイマー46からの切替え信号によって作動するタイミングと時間とが設定されて電磁ソレノイドが操作、運転される。これによって、一方のベローズを動かすことで搬送流体が吐出され、バネの戻る力の作用を、電磁ソレノイド44の電流の切れる速さに合わせることで他方側のベローズに動作1、ベローズポンプ100の動作は、タイマーの設定時間に対応してなされることになる。このような動作は、プログラムを内蔵したコンピュータによって容易に実現できる。
【0094】
この場合に、ベローズ天板側室12、13に入ってベローズを閉じる圧縮流体の力と量はベローズ側気室14、15のベローズを開くときの圧縮流体の力と量は同じにならないし、同じに出来ないという問題がある。つまり、効率が違うので、ベローズ天板側気室12、13に入る圧縮流体によってベローズの閉じる動きの方が早くなってしまう。
【0095】
スピードコントローラ47または48を使用することによって、使用済の圧縮流体が抜ける方向に絞りを入れて圧縮流体の流過を絞ることでベローズ天板側気室12、13への圧縮流体の入り込みを制限する。この制限によって、効率の違いによって、ベローズ天板側気室12、13に入る圧縮流体によってベローズの閉じる動きが速くなる現象が回避される。また、ベローズ側気室14、15で作用するスピードコントローラ48または47の絞り作用による圧縮流体の排出の遅延がなされる。このようにして、ベローズの内部にある搬送液が急速に吐出することが防止される。スピードコントローラ47、48を設け、その絞りによって圧縮流体の流入、排出を遅らせることで、すなわち、系統に抵抗をかませること(抵抗の付加)で流入、排出を遅らせてベローズの内部にある搬送液が急速に吐出することを防いでいる。このようなポンプドライブ方式を用いることで、搬送液の吐出時の脈動を抑えることができる。そして、この実施例によれば先願で説明した細孔20、21、22、23との組み合わせで搬送液の吐出時の脈動を極めて小さいものとすることができる。
【0096】
本実施例によると、タイマー46のタイマドライブ電源を使用するドライブ方法で、ベローズポンプ100の独立した2つのシリンダ構成として、独立した2つのシリンダーポンプのように動かすことができ、従来のベローズポンプでは、現像のあった搬送液の吐出時の脈動を抑えることができる。
【0097】
図12に示す側は、図11に示す実施例の変形例を示す。図11に示す実施例にあっては、片側電磁ソレノイドで動く電磁バルブであるメインバルブ44を用いているが、図12に示す側では両側電磁ソレノイドで動く電磁バルブであるメインバルブ44を用いている。タイマー46とメインバルブ44とは回線46A、46Bで結ばれる。
【0098】
図12に示す例にあっては、タイマー46は両側電磁ソレノイドの44A、44Bそれぞれの電磁バルブに向けてタイマー時間設定のための信号を送信することができる。他の構成については、図11に示す実施例と同一であり、説明は図11について行った説明を援用する。
【0099】
両側電磁ソレノイドあるいは片側電磁ソレノイドで構成されたメインバルブの場合、タイマー駆動する時に、例えばベローズ右2を動作させ、搬送液を吐出させ、ベローズ左3の搬送液を吐出させる動作に入るときの、タイマー46の設定時間が図13のa)に示すように、時間tだけ切替時間遅れが生じるバルブ駆動となる。スピードコントローラ47、48を設けることによって、搬送液の吐出時の脈動を抑える効果があるが、時間tだけ切替時間遅れが生ずることによる搬送液の吐出時の脈動を抑えることは困難な場合がある。
【0100】
タイマー46を改良して、両側電極ソレノイド44A、44Bを独立して制御するようにすると、図13のb)に示すように圧縮流体を切替えるタイミングをt、t、tのように、シリンダ右液吐出駆動とシリンダ左吐出駆動をラップさせることが可能になる。このようなラップ制御によって、搬送液吐出動作させる時間がベローズ右とベローズ左に切替えるタイミングに微調整をかけることができるので、ベローズポンプの搬送液吐出を重ねることができる。ベローズ左からベローズ右に切替える場合も同様である。
【0101】
このようにベローズポンプの搬送液が重なるように作動させることで切替時間の遅れをなくして、切替えに伴う搬送液吐出の脈動をなくすことができる。この場合に、搬送液吐出流動ばかりでなく、吐出する搬送液の圧力も均等に近づけることができる。このように、脈動防止による吐出流量および吐出圧力を均等にした動作コントロールを実現できる。
【0102】
本実施例のベローズポンプ100は、左右のベローズ2、3に機械的結合がなく、独立して動作させることができる特徴を備え、この独立構成の援用によって搬送液の吐出時の脈動を効果的に防止することができる。
【0103】
このような左右のベローズ2、3に機械的結合がなく、独立して動作することができ、ラップタイミングt、t、tが設定されるような場合に推奨されるベローズ蛇腹構造について説明する。なお、このような蛇腹構造のものが図11の例に援用されることを妨げない。
【0104】
図14に通常のベローズ蛇腹55の構造を示す。D部の詳細を図15に示す。図15に示すように、ベローズを構成する蛇腹が、各蛇腹のヒダの掘り込み幅が圧縮液体側および搬送液体側で等しく形成され、双方に隙間無しの形状とさせ、隣接するヒダは接触することになる。
【0105】
このような構造のものを図12に示す例に援用すると、ベローズの溝が内側も外側に同時に圧接されたような状態となって、搬送液のある側において、ベローズを引き伸ばす動作となったときに、搬送液が粘着剤の作用をして動作が制限されることが予測される。この現象は搬送液の粘度によって影響を受けるおそれがある。
【0106】
このような現象を回避するために、図16および図17に示すベローズ蛇腹構造56を援用することが推奨される。
【0107】
図16は推奨されるベローズ蛇腹56の1例を示し、図17は図16の主要部でA部拡大を示す。
【0108】
図16、図17に示すように、ベローズ蛇腹はベローズの切り込みの幅を変えることで搬送液の入る内側のベローズの切り込み幅が、外側のベローズの切り込み幅よりも大きく設定される。すなわち、ベローズを構成する蛇腹56が、各蛇腹のヒダの掘り込み幅が圧縮流体側で小さく搬送液側で大きく形成されて、搬送液側の隣接するヒダ57が接触しないよう微小隙間58が設けられる。
【0109】
このようにすると、図17において、ベローズの搬送液が最終端まで押し込まれた時に、ベローズのヒダが収縮しても内側のヒダに隙間58が依然として存在し、接触に至るまで潰されない。従って、ベローズの円滑な動きが確保されることになる。ベローズの動きに途切れるような動作がなく、ベローズポンプ100からの搬送液の吐出量が安定し、確保される。搬送液側でベローズのヒダが同上の圧接がなくなるので、ベローズのヒダの磨耗による粉の発生もなくなり、搬送液の汚れがなく、搬送液に汚れを起こさせないベローズポンプにすることができる。このため、ベローズの使用寿命を延ばすことができる。
【0110】
そして、このようなベローズ構成にすると、搬送液の中に研磨材などの固形のものを入れたスラリーを送るポンプとして使用が可能になる。また図18に示すように、隙間58がシート構成のスペーサ59を挟んで外側のベローズが全面で圧接しないようにすることでベローズが接合しないようにする。スペーサ59は、薄平板で中央が空間部90が形成された構造とする。このスペーサ59は、ベローズの一周全部に入れないでベローズの一周の一部に入れると効果が大きい。このスペーサ59でベローズの圧縮が規制されるので高温になるとベローズが柔らかくなり、圧接されてベローズのヒダが接合したように動くことがおこり、ヒダの伸びの均一性が無くなり、ポンプとして搬送液量やヒダが完全に伸びないために接合していないヒダが異常に大きく伸びて変形してしまうというテフロン(登録商標)で作成したベローズ特有の不具合を防ぎ、研磨材の入ったスラリー液をなども搬送することができるようになる。
【0111】
図12のシリンダ1a、1bとベローズ部2c、3cとの間に接続された圧縮空気配管に、スピードコントローラ47、48に直列に圧縮流体の圧力が所定の適正圧力以上にならないようにレギュレータ51、52を設けている。
【0112】
ベローズ側気室14、ベローズ側気室15に入れる圧縮流体はレギュレータ51、52を使って最高圧力をコントロールすることができる。
【0113】
ベローズ側気室14およびベローズ側気室15の圧縮流体の圧力上昇を抑えることで、ベローズ内部にかかる圧力上昇を抑えることができ、脈動を抑える上で効果がある。レギュレータ57、58を設けることでベローズにかかる最大負荷を小さくすることができる。
【0114】
図7、図8に示す例では、吸引側の逆止弁を重力方向に上下動作して開閉するものを使って、吐出側は、スライドするタイプになっていたが、図19では逆止弁設置部材19A、19B、19C、19Dを設け、これらの部材のところに供給側逆止弁26、30と吐出側逆止弁70、71を、全て重力方向に上下させて動く逆止弁構成とし、これらの逆止弁の並びかたは、供給側の逆止弁26、30と吐出側の逆止弁70、71をペアとして交互に並ばせることすなわち並例させたことで最小の設置面積で最も効率の良い配置にした。このような逆止弁の配置構造をとるとポンプ本体19の部分に配置されるすべて弁は、全て共通部品にすることが可能となり、品質管理がしやすくなる。図19において、吐出側の逆止弁70、71を重力方向に上下作動させる弁にすることで逆止弁の作動速度を速くなり、逆止弁の動作を安定させる。つまり逆止弁の切り替を2/100秒程早くすることができるので脈動を少なくするのに有効な手段になる。かつ万一吐出側が急な負荷がかかりポンプの吐出側から大きな液圧がかかった場合にもベローズを破壊される前に弁を閉じることができるので、図7、図8に示すスライドするタイプの逆止弁と比較すると非常に安全なポンプになるという利点がある。
【0115】
またポンプの脈動を抑えるために、吸入側逆止弁26、30の上方にあって搬送液搬送室14A、15Aに連通する穴72、73が設けられ、吐出側逆止弁70の下方にあって搬送液搬送室14A、15Aに連通する穴74、75が設けられる。従って、穴72、73および穴74、75は搬送液搬送室14A、15Aを介して直列に設けてある。更に詳述すれば吸入口18に設けた吸入側逆止弁26、30は穴72、73を介して搬送液搬送室14A、15Aに連通する。そして、吐出口17に設けた吐出側逆止弁70、71は穴74、75を介して搬送液搬送室14A、15Aに連通する。吸入側の穴72、73に対して、吐出側の穴74、75を吸入側の穴よりも小さくすることでベローズを押し込んだときに吐出する液が早く出過ぎるのを防ぐことができる。つまり片側のベローズ内の液が吐出側の穴74から急速に出ていってしまい。もう一方のベローズが吐出側の穴75から吐出を開始するときには、先のベローズの液が早く無くなった場合にもう片側から吐出液が出てきたときには、先のベローズから出てきた液と次のベローズから出てきた液とのつなぎが切れた形で液の脈動がおこる。この脈動の原因である早くベローズ内の液が出て行かないようにするために最適な吐出側の穴74、75の穴径を検討した結果、脈動を無くすために吐出側の穴74、75の穴径を吸入側の穴72、73の穴径に対して小さくすることで切り替えのタイミングでおこる吐出液の枯渇を防ぎ、ベローズ切替のタイミングでおこる液の急速な減少でおこる決定的な脈動のを無くすことができることが判った。この穴74、75穴の大きさは、面積比で吸引側の配管の吸入口18の内径、すなわち吸入側の穴72、73の内径に対して50%〜10%の範囲にすることで有効に脈動を抑えるように動作させることができる。このように穴径に幅があるのは、ポンプを動かす早さとの関係で決められるためである。
【0116】
本実施例のベローズポンプにダンパー機能を組み込んだときのポンプ駆動方法を図20に示す。ベローズポンプ100の駆動を圧縮空気で行うのに先に示した図11、12と違いベローズ側にメインバルブ44からの逆止弁49、50からスピードコントローラ61、62を介して圧縮空気を入れベローズを伸張させ、ベローズを圧縮するとき、ベローズ(蛇腹)側気室14とベローズ(蛇腹)側気室15のベローズの気室を管64を使って直接ベローズ(蛇腹)側気室14とベローズ(蛇腹)側気室15に連結させている。これによって圧縮空気の切り替を行うときにベローズ(蛇腹)側気室14、15の圧縮空気を交互に使用済みの圧縮空気を再利用しあうことができ、この再利用することで圧縮空気の消費を少なくすることができる。先に示したベローズポンプの側と比較すると空気の消費量が約30%少なくて済むので消耗品としてのポンプ駆動圧縮空気の消費をすくなくでき省エネ効果が大いにある。このベローズ(蛇腹)側気室14とベローズ(蛇腹)側気室15の連結部に安全弁63を設置して万一メインバルブ44から供給される圧縮空気圧が上がった場合に、または何らかの事故でベローズ側気室の圧縮空気圧が上昇またはベローズ内圧が大きくなった場合に、ベローズが破壊されないようにすることが可能になる。このような駆動回路を組み、高温の液を送る場合にベローズが軟化した状態で液を送るに際して圧縮空気圧力を制限して使用するようにしているが、万一作業者のミスによってポンプとして使用できない圧力の高い圧縮空気を送ってしまった場合にあっても、ベローズ強度がフッ素樹脂でも高温の軟化によって強度が劣化しているときにおこる事故を防ぎ、安全を確保することができる。ここで使っている逆止弁80A、80Bは、圧縮空気の消耗を少なくすることに寄与し、また連結管64でつながっていることでベローズを61と62の絞り弁61、62で速度調整した圧縮空気で押し込むときに連結管64から反対側のベローズを延ばすための仕事をさせることになり、この作動で、圧縮空気がポンプのベローズを押し込む動作を妨げるように働くので、圧縮空気が必要以上に早く作動するのを避ける事ができる。これによってベローズポンプにダンパー機能を付加するのに必要な駆動回路が形成される。
【0117】
図21は、図20と同じくダンパーとしての機能を持たせるものであるが連結管64に供給する圧縮空気を元になる圧縮空気を駆動流体供給路を分岐した分岐管81分岐して入れることで空気回路を図20より簡略化したものである。この分岐して入れる空気の量は、先に説明した細穴21、22、23から消費される空気の補充分を行う。細穴は細径が小さく、少ないので細穴径が丸0.5mm前後なので丸1mmの径の細い管で十分である。このようにこのポンプが消耗する空気を少なくして、かつダンパー機能をポンプに持たせる場合の調整に欠かせない駆動回路が形成される。
【0118】
この実施例であるベローズポンプ100にはもう一つ重要な要素を付加することができる。図7、図8に示すベローズポンプにない特徴である高圧の吐出を行うベローズポンプとしての駆動が可能である。図22を使用して説明する。先に示したベローズポンプにあっては、圧縮空気圧4.5気圧以下で使用するものである場合、通常の使用方法で高圧にするとベローズが破壊されるおそれがある。このため、高圧で駆動しても破壊しないくするために、気室出入り口配管9に設けたレギュレータバルブ82A、82Bを使用してベローズ側を開くのに使用する圧縮空気の圧力を破壊しない圧力たとえば4.5気圧以下に設定しておくことができる。これによってベローズの押し潰れが起こらないようにすることができる。ベローズを押し込むスピードコントロールバルブ61、62からの圧縮空気圧力を10気圧にすることで、吐出液をより高く上げたい場合にも対応できるポンプになる。また小型で圧力が高いポンプでマイクロバブル、ナノバブルを発生させて洗浄をすることに使用するなど、洗浄の方法の研究も進んできており、バブル発生に有効なポンプとして使用できるという効果がある。また従来のベローズポンプを複数個使って液を供給する場合におこる脈動を抑えるのは、個々のポンプの脈流があり困難であった。しかし本ポンプは、タイマーでコントロールするポンプになっているので複数のポンプで吐出液量を確保し、かつ吐出液量をポンプの駆動時間をコンピュータでコントロールし、脈動をなくすことが可能になり、複数ポンプを使って脈動の少ない大吐出流量を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】ベローズポンプを説明するための全体斜視図。
【図2】図1のベローズポンプの正面図。
【図3】図1のベローズポンプ右側面図。
【図4】図1のベローズポンプ左側面図。
【図5】図1のベローズポンプ断面図。
【図6】図1のポンプ本体右側面図。
【図7】図5のB―B線断面図(図7B)、C―C線断面図(図7C)。
【図8】図5のA―A線断面図。
【図9】図1に用いるベローズポンプ駆動用回路を示す図。
【図10】本発明の実施例のベローズポンプの全体斜視図。
【図11】本実施例に用いるベローズポンプ駆動用回路を示す図。
【図12】図11に示す例の変形例を示すベローズポンプ駆動用回路を示す図。
【図13】タイマー駆動の場合のメインバルブの切替タイミング図。
【図14】ベローズのヒダの加工幅を内側と外側が同じ場合のベローズ収縮図。
【図15】図14のベローズ収縮した場合の圧縮したヒダの部分断面図。
【図16】ベローズヒダが内側のヒダの加工幅が大きく、外側のヒダの加工幅が小さいベローズポンプの断面図。
【図17】図16の吐出側のベローズが圧縮したA部分断面図。
【図18】図17の外側のベローズの密着を避けるためスペーサ挿入の時の断面図。
【図19】逆止弁を全て重力方向にした構成を示す図。
【図20】ベローズポンプのダンパー機能付き空気駆動回路図。
【図21】ベローズポンプのダンパー機能付き空気駆動回路の別回路図。
【図22】ベローズポンプの高圧駆動回路図。
【符号の説明】
【0120】
1a、1b:シリンダ
2:ベローズ
3:ベローズ
2a、3a:Oリング用溝
2b、3b:ベローズ天板部
2c、3c:ベローズ部(蛇腹部)
4:シリンダ端板
5:シリンダ端板
4b、5b:段穴
6:気室出入り口配管
7:気室出入り口配管
8:気室出入り口配管
9:気室出入り口配管
10:バルブ
11:バルブ
12:ベローズ天板側気室
13:ベローズ天板側気室
14:ベローズ(蛇腹)側気室
14A:搬送液搬送室(ベローズ2側)
15:ベローズ(蛇腹)側気室
15A:搬送液搬送室(ベローズ3側)
16:吐出側逆止弁
16A:連通孔
17:吐出口
18:吸入口
19:ポンプ本体
19A:逆止弁設置部材
20、21、22、23:細孔
26:吸入側逆止弁(ベローズ2側)
26A:連通孔
27:吸入弁体ガイド(ベローズ2側)
28:吸入側逆止弁座(ベローズ2側)
29:吸入側出口(ベローズ2側)
30:吸入側逆止弁(ベローズ3側)
31:吸入弁体ガイド(ベローズ3側)
32:吸入側逆止弁座(ベロー3側)
33:吸入側出口(ベローズ3側)
42:板
43:板
44:メインバルブ
45:駆動流体供給路
46:タイマー
47:スピードコントローラ
48:スピードコントローラ
49:急速排気弁
50:急速排気弁
51:レギュレータ
52:レギュレータ
53:従来ベローズで内側と外側ヒダの加工幅が均一のバルブ蛇腹
54:ベローズのヒダの隙間
55:従来のベローズ
56:改良ベローズ
57:ヒダ
58:隙間
59:スペーサ(シート)
60A、60B:逆止弁
61:スピードコントロールバルブ
62:スピードコントロールバルブ
63:安全弁
64:連結管
70:吐出側逆止弁
71:吐出側逆止弁
72:吸引側の穴
73:吸引側の穴
74:吐出側の穴
75:吐出側の穴
80A,80B:レギュレータバルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベローズ天板部にベローズ部が取りつけられて形成されたベローズを少なくとも2つ備え、各ベローズがそれぞれシリンダ内に気密に摺動可能に配設されて、前記シリンダ内であって該シリンダと前記ベローズ部との間に、および前記ベローズ天板部と前記シリンダとの間にそれぞれ圧縮流体作動室が形成され、それぞれの圧縮流体作動室に圧縮流体が導入されることによって前記ベローズ部を圧縮、伸張させて、各ベローズに搬送液を交互に流入させ、各ベローズから搬送液を交互に吐出させるようにしたベローズポンプにおいて、
前記圧縮流体作動室に接続され、該圧縮流体作動室への圧縮流体の導入の切替えを切替え信号生成手段からの切替え信号によって行う電磁バルブを設け、該電磁バルブは、前記切替え信号生成手段で生成された切替信号が用いられ、該切替え信号によって前記圧縮流体の導入導出の切替えがなされるものであって、各ベローズからの搬送液の交互の吐出が機械的に独立して設定され、前記切替え信号生成手段がタイマー切替え信号を生成し、該タイマー切替え信号が生成電磁バルブに伝信されて、またはそれぞれのシリンダとそれぞれのベローズの間に、形成された圧縮液体作動室に接続された配管に、前記圧縮流体の導入スピードをコントロールするスピードコントロール手段が設けられ、該スピードコントロール手段による前記圧縮流体の導入スピードがコントロールされて、前記タイマー切替え信号が各ベローズから交互に吐出される搬送液の吐出完了しないうちに吐出時間切替をおこない吐出時間をラップさせることで吐出液の脈動を少なくすること
を特徴とするベローズポンプ。
【請求項2】
請求項1において、前記タイマー切替え信号が前記電磁バルブに送信され、および前記スピードコントロール手段による前記圧縮流体の導入スピードコントロールされること
を特徴としたベローズポンプ。
【請求項3】
請求項1または2において、前記切替え信号生成手段がタイマーを備えていて、切替え信号としてタイマー切替え信号が生成されること
を特徴とするベローズポンプ。
【請求項4】
請求項1または2において、前記スピードコントロール手段が絞りを備えたスピードコントローラを備えていて、絞りによって遅延した切替え信号が生成されること
を特徴とするベローズポンプ。
【請求項5】
請求項1または2において、前記シリンダと前記ベローズ天板部との間に形成された前記圧縮流体作動室から吐出される吐出側穴が、当該圧縮流体作動室に吸引される吸引側穴に比べて断面積が小さくされて吐出液の当該圧縮流体作動室からの吐出を調節したこと
を特徴とするベローズポンプ。
【請求項6】
請求項5において、前記吸引側穴の内径は前記吐出側穴の内径に比べて面積比が50%〜10%にされたことを特徴とするベローズポンプ。
【請求項7】
請求項1または2において、前記シリンダと前記ベローズ部との間に形成された双方の前記圧縮流体作動室は直接連結管によって連結され、一方の圧縮流体作動室から吐出される圧縮流体の一部が他方の圧縮流体作動室に送り込まれることを特徴とするベローズポンプ。
【請求項8】
請求項1または2において、前記シリンダと前記ベローズ部との間に形成された前記圧縮流体作動室に接続された空気出入り口配管に圧縮空気圧を低く設定するレギュレータバルブを設け、前記シリンダと前記ベローズ天板部との間に形成された前記圧縮流体室には、前記シリンダと前記ベローズ部との間に形成された前記圧縮流体作動室に比べてより高圧力の圧縮流体を導入するようにしたことを特徴とするベローズポンプ。
【請求項9】
請求項1または2において、供給口に供給側逆止弁が、そして吐出側に吐出側逆止弁が設けられ、これらの逆止弁が重力方向に上下させて動く逆止弁とされ、供給側逆止弁と吐出側逆止弁がペアとして構成され、交互に並列させたことを特徴とするベローズポンプ。
【請求項10】
ベローズ天板部にベローズ部が取りつけられて形勢されたベローズを少なくとも2つ備え、各ベローズがそれぞれシリンダ内に気蜜に摺動可能に配設されて、前記シリンダ内であって該シリンダと前記ベローズ部との間に、および前記ベローズ天板部と前記シリンダとの間にそれぞれ圧縮流体作動室が形成され、それぞれの圧縮流体作動室に圧縮流体が導入されることによって前記ベローズ部を圧縮、伸張させて、各ベローズに搬送液を交互に流入させ、各ベローズから搬送液を交互に吐出させるようになし、前記圧縮流体作動室に接続され、該圧縮流体作動室への圧縮流体の導入の切替えを切替え信号生成手段からの切替え信号によって行う電磁バルブが設けられ、またはそれぞれのシリンダとそれぞれのベローズの間に形成された圧縮流体作動室に接続された配管に、前記圧縮流体の導入スピードをコントロールするスピードコントロール手段が設けられたベローズポンプの運転方法において、
前記電磁バルブが、前記切替え信号生成手段に生成された切替え信号を用いて前記圧縮流体の導入、導出の切替えを行い、
各ベローズからの搬送液の交互の吐出が、機械的に独立に操作され、
前記切替え信号生成手段が、タイマー切替え信号を生成し、該タイマー切替え信号が前記電磁バルブに送信され、または前記スピードコントロール手段が、前記圧縮流体の導入スピードをコントロールして、前記タイナー切替え信号が交互に吐出される搬送液の吐出完了しない内に吐出時間切替えをおこない吐出時間をラップさせることで吐出液の脈動を少なくしたこと
を特徴とするベローズポンプの運転方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2011−117322(P2011−117322A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−273481(P2009−273481)
【出願日】平成21年12月1日(2009.12.1)
【出願人】(304041976)シグマテクノロジー有限会社 (10)
【Fターム(参考)】