説明

ベンゾジアゼピン誘導体およびRSV融合タンパク質阻害剤を含む医薬組成物

薬学的に許容される担体または希釈剤および:(a)RSV融合タンパク質の阻害剤;および(b)RSV複製を阻止できるベンゾジアゼピン誘導体を含む医薬組成物が、RSVに対して非常に活性であることが判明した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一連の抗ウイルス性ベンゾジアゼピン誘導体に関する。特に、RSV融合タンパク質の阻害剤と相互作用し、RSV感染の処置または予防における相加的または相乗的治療効果を提供する、一連のベンゾジアゼピン誘導体に関する。
【0002】
呼吸器合胞体ウイルス(RSV)は、全年齢の呼吸器疾病患者の主要原因である。成人においては、それは軽い風邪症状を起こす傾向にある。学童期の子供においては、風邪および気管支咳を起こし得る。乳幼児(infants and toddlers)においては、細気管支炎(肺の小さい気道の炎症)または肺炎を起こし得る。未就学年齢の小児における中耳感染(中耳炎)の高頻度の原因であることも判明している。生後1年間でのRSV感染は、小児期の喘息の発症と関係している。
【0003】
現在の抗RSV治療は、パリビズマブと呼ばれる、RSVに対するモノクローナル抗体の使用を含む。パリビズマブのこのような使用は、RSVの治療的処置よりむしろ予防的処置である。しかしながら、この抗体はしばしば有効であるが、高価である。実際、その費用は、抗RSV治療の必要性がある多くの人々が利用できないことを意味する。故に既存の抗RSV治療に対する有効な代替物の緊急の必要性がある。
【0004】
RSVの融合(F)タンパク質を阻害することによりRSV複製を阻害する小化合物は、ウイルスの宿主細胞への侵入およびシンシチウム形成を介した宿主細胞からの排泄を遮断する。これらの化合物が高い効果を有することが示されているが、RSVは、これらの化合物に対して、Fタンパク質を変異を介して急速に耐性を発生させる(Morton, C.J. et al, 2003.Virology 311, 275-288)。
【0005】
2003年9月20日出願のPCT/GB03/04050は、RSV複製を阻害する一連のベンゾジアゼピン誘導体を記載している。連続継代実験は、これらの阻害剤に対する耐性の発生が遅いことを示しており、耐性変異体の配列決定がFタンパク質における著しい変異を何ら確認しなかった。故にこれらのベンゾジアゼピンが、Fタンパク質の阻害が関与しない、共通で新規な作用形態を有することが仮定できる。
【0006】
驚くべきことにより、本発明により、(a)RSV融合タンパク質阻害剤および(b)抗RSVベンゾジアゼピンの組合せが、RSVに対して非常に活性であることが示された。成分(a)および(b)は、少なくとも相加効果を有することが判明した。さらに、2成分が相乗的に相互作用し、個々の成分の効果の和よりも大きな組合せ効果を提供することも、本発明の発見である。
【0007】
本発明は、故に、第一の態様において、薬学的に許容される担体または希釈剤と:
(a)RSV融合タンパク質の阻害剤;および
(b)RSV複製を阻止できるベンゾジアゼピン誘導体
を含む、医薬組成物を提供する。
【0008】
成分(a)および(b)が少なくとも相加効果を有することは本発明の発見である。相乗効果および相加性の概念は、もちろん、薬理学の分野では既知である。故に、治療的に有用な相加的組合せは、組合せの効果が、混合物中と同濃度の成分の各々により産生される効果よりも大きいものであることは十分確立されている。故に、本件の場合、xwt%の成分(a)およびywt%の成分(b)を含むある製剤は、唯一の活性成分として、xwt%成分(a)またはywt%成分(b)のいずれかを含む製剤の活性よりも少なくとも大きい活性を有する。
【0009】
このような相加的組合せにおいて、活性成分は典型的に異なる生理学的経路を介して機能する。本件の場合、例えば、成分(a)および成分(b)は、別のRSVタンパク質を阻害すると考えられている。相加的組合せは、それが治療的に有用な効果を、低濃度の各活性成分を使用して達成できるため、治療的に有用である。これは、投薬の副作用を最小限にすることを可能にする。故に、本相加的組合せは、各活性成分が、標的疾患細胞以外の細胞では臨床濃度以下(subclinical)である濃度で存在するように製剤できる。本相加的組合せは、それにも係わらず、両方の成分に応答する標的細胞に対して治療的に有効である。
【0010】
成分(a)に関して、RSV融合タンパク質の阻害剤は、下記を含むアッセイにより同定できる:
(a)RSVをオクタデシルローダミン色素(R18)で標識し;
(b)標識ウイルスと6ウェルプレートに播種したHep−2細胞を、1時間、4℃でプレインキュベートし;
(c)非付着ウイルスを除去し;
(d)候補融合タンパク質阻害剤を添加し;
(e)該6ウェルプレートを37℃で1時間インキュベートし;そして
(f)蛍光の何らかの増加を、典型的に蛍光顕微鏡を使用して測定する。
【0011】
上記アッセイにおいて、蛍光の何らかの増加は、融合事象を意味する。故に、蛍光の増加が検出されないとき、100%阻害が達成される。蛍光の増加が、工程(d)において候補融合タンパク質阻害剤の代わりに増殖培地および溶媒(例えば、10%ウシ胎児血清およびDMSO添加増殖培地)のコントロールを使用した対応するアッセイで観察されるものと等しいとき、0%阻害が達成される。従って、候補融合タンパク質阻害剤で達成される%阻害は、工程(f)における蛍光の定量的評価により決定できる。
【0012】
本明細書で使用する成分(a)は、上記アッセイで決定して、RSV融合タンパク質の、典型的に少なくとも10%、より典型的に少なくとも30%、好ましくは少なくとも50%および最も好ましくは少なくとも75%阻害を達成する化合物である。
【0013】
典型的に、成分(a)は、式(I)
【化1】

〔式中、
− Xは直接結合またはC−Cアルキルであり;該C−Cアルキルは所望によりハロゲン、オキソ、シアノ、ヒドロキシル、OCORまたはS(O)n−C−Cアルキルで置換されていてよく;
− YはR、NR、NCOR、=N−OR、−CONHR、COOR、−OR、アリール、ヘテロアリール、シクリルまたはヘテロシクリルであり、ここで、RおよびRはHまたはC−Cアルキルであり;
− ZはCRであり、ここで、RおよびRは、独立してH、または直鎖、分枝鎖もしくは環状C−Cアルキルであり;
− nは1−2であり;
【0014】
− RはCONR、COまたはC−Cアルキルであり、該C−Cアルキルは、所望によりORまたはNRで置換されていてよく;
− RおよびRは、各々独立してH、C−Cアルキル、SO、COまたはCORであり;
− Rは、NH、CONR、ヘテロアリール、C2−6アルケニル、CO、N=CPh、C(=NH)NHおよびC−Cアルキルから成る群から選択され;該アルキルは、所望によりハロゲン、CN、NR1011、OSOおよびORから成る群から選択されるメンバーで置換されていてよく;
− R10およびR11は、各々独立してH、C−Cアルキル、C3−6シクロアルキル、CO、CORおよびSOから成る群から選択され;
− Rは(1)CO;(2)所望によりCN、ORまたはNRで置換されていてよいC−Cアルキル;および(3)CNで置換されているC2−6アルケニルから成る群から選択され;
【0015】
− Qは
【化2】

(式中、Aは所望によりH、ハロゲン、C−Cアルキル、C2−6アルケニル、シアノ−C−Cアルキル、CO、アリール、ベンゾアミノカルボニル、ヒドロキシベンジル、SONRまたはC3−6シクロアルキルで置換されていてよいCまたはNである。ここで、Aが炭素であるとき、それはまた、所望により二重結合を介してOまたはSで置換さていてもよく;
BはCまたはNであり;ここで、BがCであるとき、それは、所望によりH、C−Cアルキル、NO、CN、ハロゲン、COR、COOR、CONHRC(=NH)NHまたはC(=NOH)NHで置換されていてよい)
から成る群から選択されるメンバーである。〕
の化合物、または薬学的に許容されるその塩である。
【0016】
典型的に、R、RおよびRの少なくとも2個が水素であり、他が水素または−C(NH)NHである。好ましくは、R、RおよびRの全てが水素である。
【0017】
典型的に、−X−YがHであるか、またはXが非置換であるかまたはヒドロキシ基で置換されているC−Cアルキレン基であり、そしてYがH、OH、CN、−NR'R"、−COR'、−SOR'またはフェニルであり、ここで、R'およびR"は同一または異なり、そしてC−Cアルキル基である。
【0018】
典型的に、Zが−CH−である。
典型的に、Qが
【化3】

〔式中、Bは−CH−または−N−であり、Aは−C(O)−または−NH−であり、そしてAは−CH−、−CHR'−または−NR"−であり、ここで、R'はハロゲン原子であり、そしてR"は水素原子またはC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cシクロアルキル、−SO−(C−Cアルキル)、−SO−N(C−Cアルキル)または−(CO−NH)−(C−Cアルキル)−フェニル基であり(ここで、aは0または1である)、この基は非置換であるか、またはヒドロキシもしくはシアノ置換基で置換されている。〕
の部分である。
【0019】
本発明の特に好ましい化合物は、式(Ia)
【化4】

〔式中、
− B、XおよびYは上記式(I)で記載の通りであり、
− Dはシクロプロピル、エチル、4−シアノブチル、イソプロペニル、メチルスルホニル、ジメチルスルファモイル、ベンジルアミノカルバモイルまたはパラ−ヒドロキシベンジルである。〕
の化合物および薬学的に許容されるその塩である。
【0020】
成分(a)はまた式(II)
【化5】

〔式中、
− Lは−CH−または−CHR−CO−であり
− 各Xは、同一または異なり、そしてCHまたはNであり;
− 各Rは、同一または異なり、そしてC−Cアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、フェニルまたは(CH)=NHであり;
− nは1または2であり;
− RはC−CアルコキシまたはC−Cアルコキシ−フェニルであり;
− RはC−Cアルキルであり;
− Lは−CH−または−NH−であり;
− YはC−CアルキルまたはC−Cアルケニルであり;
− ZはH、N(R)、−C(=O)−R、−C(=CH)−R、−CH(OH)−R、−CH(CH)−Rまたは−CH(OCH)−Rであり;
− 各Rは、同一または異なって、HまたはC−Cアルキルであり;
− RはC−Cアルキル−カルボニル、アミノ、ヒドロキシル、アリール、ヘテロアリール、カルボシクリルまたはヘテロシクリルであり;そして
− m=1−6である。〕
の化合物または薬学的に許容されるその塩でもあり得る。
【0021】
誤解を避けるために、Lが−CHR−CO−であるとき、カルボニル部分は、フェニルまたはピリジン部分に結合している。
典型的に、Lは−CH−である。
典型的に、Lは−NH−である。
典型的に、Rはメチルまたはヒドロキシである。典型的に、nは2である。典型的に、各Rは異なる。
典型的に、YはC−Cアルキルである。
典型的に、Zは−NHである。
【0022】
他の好ましい式(II)の化合物は、式
【化6】

〔式中、
− XはCまたはNであり;
− RはC−Cアルキル、ハロゲン、フェニルまたは(CH)=NHであり;
− RはC−CアルコキシまたはC−Cアルコキシ−フェニルであり;
− RはC−Cアルキルであり;
− YはC−CアルキルまたはC−Cアルケニルであり;
− ZはH、NR、−C(=O)−R、−C(=CH)−R、−CH(OH)−R、−CH(CH)−R、−CH(OCH)−Rであり;
− RはH、C−Cアルキルであり;
− RはC−Cアルキル−カルボニル、アミノ、ヒドロキシル、アリール、ヘテロアリール、カルボシクリル、ヘテロシクリルであり;
− m=1−6である。〕
の化合物である。
【0023】
成分(a)はまた式(III)
【化7】

〔式中、
− Xは−N=C−または−CH=CH−であり;
− RはH、ヒドロキシル、アルキル、ハロゲン、ニトロまたはアルコキシであり;該アルコキシは、所望によりカルボキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノまたはアセトアミノでモノ置換されていてよく;
− Rはピラゾリル、トリアゾリルまたはテトラゾリルであり、そしてアミノまたはアルキルで所望により置換されていてよい。〕
の化合物、または薬学的に許容されるその塩であり得る。
【0024】
成分(a)はまた式(IV)
【化8】

の化合物、または薬学的に許容されるその塩であり得る。
【0025】
式(IV)の化合物は、4,4'−ビス−(4,6−ビス−{3−[ビス−(2−カルバモイル−エチル)スルファモイル]−フェニルアミノ}−[1,3,5]トリアジン−2−イルアミノ)−ビフェニル−2,2'−ジスルホン酸である。
【0026】
好ましくは、成分(a)は:
1−シクロプロピル−3−[1−(4−ヒドロキシ−ブチル)−1H−ベンゾイミダゾル−2−イルメチル]−1,3−ジヒドロイミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−オン
{2−[2−(1,2−ジヒドロ−ベンゾトリアゾル−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾル−1−イル]]エチル}−ジエチル−アミン
{2−[2−(3−ヨード−2,3−ジヒドロ−インダゾル−1−イルメチル)−ベンズイミダゾル−1−イル]−エチル}−ジメチル−アミン
1−イソプロペニル−3−[1−(3−メチル−ブチル)−1H−ベンゾイミダゾル−2−イルメチル]−1,3−ジヒドロベンゾイミダゾル−2−オン
1−(4−ヒドロキシ−ベンジル)−3−[1−(3−メチル−ブチル)−1H−ベンゾイミダゾル−2−イルメチル]−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾル−2−オン
1−イソプロペニル−3−[1−(3−オキソ−ブチル)−1H−ベンゾイミダゾル−2−イルメチル]−1,3−ジヒドロベンゾイミダゾル−2−オン
1−エチル−3−[1−(2−ヒドロキシ−2−フェニル−エチル)−1H−ベンゾイミダゾル−2−イルメチル]−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾル−2−オン
1−エチル−3−[1−(4−ヒドロキシ−ブチル)−1H−ベンゾイミダゾル−2−イルメチル]−1,3−ジヒドロベンゾイミダゾル−2−オン
7−[2−(3−イソプロペニル−2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾイミダゾル−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾル−1−イル]−ヘプタンニトリル
5−{3−[1−(3−メタンスルホニル−プロピル)−1H−ベンゾイミダゾル−2−イルメチル]−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾル−1−イル)−ペンタンニトリル
3−[1−(3−メチル−ブチル)−1H−ベンゾイミダゾル−2−イルメチル]−2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾイミダゾル−1−カルボン酸ベンジルアミド
1−メタンスルホニル−3−[1−(3−メチル−ブチル)−1H−ベンゾイミダゾル−2−イルメチル]−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾル−2−オン
3−[1−(3−メチル−ブチル)−1H−ベンゾイミダゾル−2−イルメチル]−2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾイミダゾル−1−スルホン酸ジメチルアミド
1−イソプロペニル−3−(1−プロピル−1H−ベンゾイミダゾル−2−イルメチル)−1,3−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−オン
ビス(5−アミジノ−2−ベンゾイミダゾリル)−メタン
2−{2−[1−[1−(2−アミノ−エチル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−4−メチル−ベンゾイミダゾル−1−イルメチル)−6−メチル−ピリジン−3−オール
または薬学的に許容されるその塩である。
【0027】
さらなる態様において、本組成物は、上記の通りのRSV融合阻害剤および、実施例8の方法により抗RSV活性を有すると同定され得るベンゾジアゼピンを含む阻害剤を含む。
【0028】
典型的に、成分(b)は、式(V)
【化9】

〔式中、
− RはC−Cアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;
− Rは水素またはC−Cアルキルであり;
− 各Rは、同一または異なり、そしてハロゲン、ヒドロキシ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルチオ、C−Cハロアルキル、C−Cハロアルコキシ、アミノ、モノ(C−Cアルキル)アミノ、ジ(C−Cアルキル)アミノ、ニトロ、シアノ、−COR'、−CONR'R"、−NH−CO−R'、−S(O)R'、−S(O)R'、−NH−S(O)R'、−S(O)NR'R"または−S(O)NR'R"であり、ここで、各R'およびR"は、同一または異なり、そして水素またはC−Cアルキルであり;
− nは0から3であり;
− Rは水素またはC−Cアルキルであり;
− Xは−CO−、−CO−NR'−、−S(O)−または−S(O)−であり、ここで、R'は水素またはC−Cアルキルであり;そして
− RはC−Cヒドロキシアルキル基もしくは−(C−Cアルキル)−X−(C−Cアルキル)−X−(C−Cアルキル)基で置換されているアリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリル基であり、ここで、Xは−O−、−S−または−NR'−であり、ここでR'はHまたはC−Cアルキル基であり、そしてXは−CO−、−SO−または−SO−であるか、またはRは−A−Y−Aであり、ここで:
− Aはアリール、ヘテロアリール、カルボシクリルまたはヘテロシクリル基であり;
− Yは直接結合またはC−Cアルキレン、−SO−、−CO−、−O−、−S−または−NR'−部分であり、ここで、R'はC−Cアルキル基であり;そして
− Aはアリール、ヘテロアリール、カルボシクリルまたはヘテロシクリル基である。〕
の化合物、または薬学的に許容されるその塩である。
【0029】
本明細書で使用するC1−6アルキル基または部分は、1個から6個の炭素原子を有する、直鎖または分枝鎖アルキル基または部分、例えばC1−4アルキル基または部分である。C1−4アルキル基および部分の例は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチルおよびt−ブチルを含む。誤解を避けるため、2個のアルキル部分が基中に存在するとき、該アルキル部分は、同じでも異なってもよい。
【0030】
本明細書で使用するヒドロキシアルキル基は、典型的に1個以上のヒドロキシ基で置換されている、上記アルキル基である。典型的に、それは、1個、2個または3個のヒドロキシ基で置換されている。好ましくは、それは1個のヒドロキシ基で置換されている。好ましいヒドロキシアルキル基は、−CH−OHである。
【0031】
本明細書で使用するアシル基は、C2−7アシル基、例えば基−CO−R(ここで、Rは上記C1−6アルキル基である)である。
本明細書で使用するアリール基は、典型的にフェニルまたはナフチルのようなC6−10アリール基である。フェニルが好ましい。アリール基は、非置換であるか、または任意の位置を置換されていてよい。典型的に、それは0個、1個、2個または3個の置換基を担持する。
【0032】
アリール基上の適当な置換基は、ハロゲン、C1−6アルキル、C2−7アシル、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6ハロアルキル、C1−6ハロアルコキシ、ニトロ、シアノ、カルバモイル、モノ(C1−6アルキル)カルバモイル、ジ(C1−6アルキル)カルバモイル、アミノ、モノ(C1−6アルキル)アミノ、ジ(C1−6アルキル)アミノ、−COR'、−CONR'R"、−S(O)R'、−S(O)R'、−S(O)NR'R"、−S(O)NR'R"、−NH−S(O)R'または−NH−CO−R'(ここで、各R'およびR"は、同一または異なり、そして水素またはC1−6アルキルである)を含む。
【0033】
好ましいアリール基の置換基は、ハロゲン、C−Cアルキル、C2−7アシル、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、C−Cアルキルチオ、C1−6ハロアルキル、C1−6ハロアルコキシ、アミノ、モノ(C1−6アルキル)アミノ、ジ(C1−6アルキル)アミノ、ニトロ、シアノ、−COR'、−S(O)R'、−S(O)R'および−S(O)NR'R”を含み、ここで、R'およびR”は、同一または異なり、水素またはC1−4アルキルである。
【0034】
特に好ましい置換基は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シアノ、C1−4アルキル、C2−4アシル、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4ハロアルキル、C1−4ハロアルコキシ、アミノ、モノ(C1−4アルキル)アミノ、ジ(C1−4アルキル)アミノ、ニトロ、−COR'、−S(O)R'および−S(O)NHを含み、ここで、R'はC1−2アルキルである。最も好ましい置換基は、塩素、フッ素、シアノ、C−CアルキルおよびC−Cハロアルキル置換基である。
【0035】
本明細書で使用するアリール基に対する言及は、アリール基が、単環式カルボシクリル、ヘテロシクリルまたはヘテロアリール基に、またはフェニル環に縮合した単環式カルボシクリル、ヘテロシクリルまたはヘテロアリール基である縮合基に縮合している、縮合環系を含む。典型的に、該環系は、アリール基が単環式カルボシクリル、ヘテロシクリルまたはヘテロアリール基に縮合している系である。
【0036】
好ましいこのような縮合環系は、アリール基が単環式ヘテロシクリルまたはヘテロアリール基に、またはフェニル環に縮合した単環式炭素環式基に縮合したもの、特にアリール基がヘテロシクリルまたはヘテロアリール基に縮合したものを含む。このような縮合環系の例は、フェニル環がチエニル基に、またはテトラヒドロフラニル基に縮合して、ベンゾチエニルまたはジヒドロベンゾフラニル基を形成している基である。このような縮合環のさらなる例は、フェニル環がジオキサニル基、ピロリル基または2,3−ジヒドロインデン−1−オン基に結合して、ベンゾジオキシニル、インドリルまたは9H−フルオレン−9−オン基を形成する基である。最も好ましくは、しかしながら、本明細書で使用するアリール基は、単環式カルボシクリル、ヘテロシクリルまたはヘテロアリール基に、または該合基に縮合していない。
【0037】
本明細書で使用するカルボシクリル基は、典型的に3個から6個の炭素原子を有する、非芳香族性飽和または不飽和単環式炭化水素環である。好ましくは、それは3個から6個の炭素原子を有する飽和炭化水素環(すなわちシクロアルキル基)である。例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルを含む。それは好ましくはシクロプロピル、シクロペンチルまたはシクロヘキシル、最も好ましくはシクロプロピルである。シクロアルキル基は、非置換であるか、または任意の位置を置換されていてよい。典型的に、それは0個、1個、2個または3個の置換基を担持する。
【0038】
カルボシクリル基上の適当な置換基は、ハロゲン、C1−6アルキル、C2−7アシル、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6ハロアルキル、C1−6ハロアルコキシ、ニトロ、シアノ、カルバモイル、モノ(C1−6アルキル)カルバモイル、ジ(C1−6アルキル)カルバモイル、アミノ、モノ(C1−6アルキル)アミノ、ジ(C1−6アルキル)アミノ、オキソ、−COR'、−CONR'R”、−S(O)R'、−S(O)R'、−S(O)NR'R”、−S(O)NR'R”、−NH−S(O)R'または−NH−CO−R'であり、ここで、各R'およびR”は、同一または異なり、水素またはC−Cアルキルである。
【0039】
カルボシクリル基上の好ましい置換基は、ハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6ハロアルキル、C1−6ハロアルコキシ、モノ(C1−6アルキル)アミノ、ジ(C1−6アルキル)アミノ、ニトロ、シアノおよびオキソを含む。特に好ましい置換基は、フッ素、塩素、臭素、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4ハロアルキル、ニトロおよびオキソを含む。最も好ましくは、カルボシクリル基は非置換である。
【0040】
本明細書で使用するヘテロシクリル基は、典型的に5個から10個の炭素原子を有し、該炭素原子の1個以上、例えば1個、2個または3個が、N、OおよびSから選択されるヘテロ原子で置換されている、非芳香族性飽和または不飽和炭素環式環である。飽和ヘテロシクリル基が好ましい。例は、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ジオキソラニル、チアゾリジニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、ジオキサニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニルおよびチオキサニルを含む。さらなる例は、ジチオラニル、オキサゾリジニル、テトラヒドロチオピラニルおよびジチアニルを含む。ピペラジニル、ピペリジニル、チオモルホリニル、イミダゾリジニルおよびモルホリニル基が好ましい。
【0041】
本明細書で使用するヘテロシクリル基に対する言及は、ヘテロシクリル基がフェニル基に縮合している縮合環系を含む。好ましいこのような縮合環系は、5から6員ヘテロシクリル基がフェニル基に縮合しているものである。このような縮合環系の例は、1H−イミダゾル−2(3H)−オニル基またはイミダゾリジン−2−オニル基がフェニル環またはピリジン環に縮合し、例えば、1H−ベンゾ[d]イミダゾル−2(3H)−オニル基または1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2(3H)−オン基を形成する基である。最も好ましくは、しかしながら、ヘテロシクリル基は単環式である。
【0042】
ヘテロ環式基は、非置換であるか、または任意の位置を置換されていてよい。典型的に、それは0、1個または2個の置換基を担持する。
【0043】
ヘテロシクリル基上の適当な置換基は、ハロゲン、C1−6アルキル、C2−7アシル、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6ハロアルキル、C1−6ハロアルコキシ、ニトロ、シアノ、カルバモイル、モノ(C1−6アルキル)カルバモイル、ジ(C1−6アルキル)カルバモイル(carbomyl)、アミノ、モノ(C1−6アルキル)アミノ、ジ(C1−6アルキル)アミノ、オキソ、−COR'、−CONR'R”、−S(O)R'、−S(O)R'、−S(O)NR'R”、−S(O)NR'R”、−NH−S(O)R'または−NH−CO−R'を含み、ここで、R'およびR”の各々は、同一または異なり、水素またはC−Cアルキルである。
【0044】
ヘテロシクリル基上の好ましい置換基は、ハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6ハロアルキル、C1−6ハロアルコキシ、モノ(C1−6アルキル)アミノ、ジ(C1−6アルキル)アミノ、ニトロ、シアノおよびオキソを含む。特に好ましい置換基は、フッ素、塩素、臭素、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4ハロアルキル、ニトロおよびオキソを含む。最も好ましくは、ヘテロシクリル基は非置換であるか、または1個もしくは2個のC1−2アルキルまたはオキソ基により置換されている。置換ヘテロ環式基の例は、S,S−ジオキソチオモルホリノである。
【0045】
本明細書で使用するハロゲンは、典型的に塩素、フッ素、臭素またはヨウ素である。それは好ましくは塩素、フッ素または臭素である。それはより好ましくは塩素またはフッ素である。
【0046】
本明細書で使用するアルコキシ基は、典型的に酸素原子に結合した上記アルキル基である。アルキルチオ基は、典型的にチオ基に結合した上記アルキル基である。ハロアルキルまたはハロアルコキシ基は、典型的に1個以上の上記ハロゲン原子で置換されている、上記アルキルまたはアルコキシ基である。典型的に、それは、1個、2個または3個の上記ハロゲン原子で置換されている。好ましいハロアルキルおよびハロアルコキシ基は、−CXおよび−OCX(ここで、Xは上記ハロゲン原子、例えば塩素またはフッ素である)のような過ハロアルキルおよび過ハロアルコキシ基を含む。特に好ましいハロアルキル基は、−CFおよび−CClである。特に好ましいハロアルコキシ基は、−OCFおよび−OCClである。
【0047】
本明細書で使用するヘテロアリール基は、O、SおよびNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子、例えば1個、2個または3個のヘテロ原子を含む、典型的に5から10員芳香環、例えば5または6員環である。例は、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、フラニル、チエニル、ピラゾリジニル、ピロリル、オキサジアゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、イミダゾリルおよびピラゾリル基である。さらなる例は、オキサゾリルおよびイソチアゾリルを含む。好ましいヘテロアリール基は、ピリジル、チエニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、フラニルおよびピラゾリルである。
【0048】
本明細書で使用するヘテロアリール基に対する言及は、ヘテロアリール基がフェニル基に、または単環式ヘテロシクリル基に縮合している縮合環系を含む。好ましいこのような縮合環系は、5から6員ヘテロアリール基がフェニル基に、または5もしくは6員ヘテロシクリル基に縮合しているものである。このような縮合環系の例は、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、ベンゾイミダゾリル、ベンズオキサゾリル、キノリニル、キナゾリニル、イソキノリニルおよび1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2(3H)−オン部分である。最も好ましくは、該縮合環系は1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2(3H)−オン部分である。
【0049】
ヘテロアリール基は、非置換であるか、または任意の位置を置換されていてよい。典型的に、それは0個、1個、2個または3個の置換基を担持する。
【0050】
ヘテロアリール基上の適当な置換基は、ハロゲン、C1−6アルキル、C2−7アシル、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6ハロアルキル、C1−6ハロアルコキシ、ニトロ、シアノ、カルバモイル、モノ(C1−6アルキル)カルバモイル、ジ(C1−6アルキル)カルバモイル、アミノ、モノ(C1−6アルキル)アミノ、ジ(C1−6アルキル)アミノ、−COR'、−CONR'R”、−S(O)R'、−S(O)R'、−S(O)NR'R”、−S(O)NR'R”、−NH−S(O)R'または−NH−CO−R'であり、ここで、各R'およびR”は、同一または異なり、水素またはC1−6アルキルである。
【0051】
ヘテロアリール基上の好ましい置換基は、ハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6ハロアルキル、C1−6ハロアルコキシ、モノ(C1−6アルキル)アミノ、ジ(C1−6アルキル)アミノ、ニトロおよびシアノを含む。特に好ましい置換基は、フッ素、塩素、臭素、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4ハロアルキルおよびニトロを含む。最も好ましい置換基は、フッ素、塩素、臭素、C1−2アルキルおよびC1−2ハロアルキル置換基を含む。
【0052】
式(V)のRがアリールまたはヘテロアリール基であるとき、それは典型的に非置換であるか、またはハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6ハロアルキルまたはC1−6ハロアルコキシから選択される1個、2個または3個の置換基により置換されている。好ましくは、それは、非置換であるか、フッ素、塩素、臭素、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4ハロアルキルまたはC1−4ハロアルコキシから選択される1個または2個の置換基により置換されている。より好ましくは、それは非置換であるか、または1個のフッ素、塩素、C1−2アルキル、C1−2アルコキシ、C1−2アルキルチオ、C1−2ハロアルキルまたはC1−2ハロアルコキシ置換基で置換されている。
【0053】
典型的に、式(V)のRはC1−6アルキルまたはアリールである。好ましくは、RはC1−3アルキルまたはアリールである。より好ましくは、RはC1−2アルキルまたはフェニルである。より好ましくは、Rは非置換フェニル基である。
典型的に、式(V)のRは、水素またはC1−4アルキルである。好ましくは、Rは水素である。
【0054】
典型的に、式(V)のRはハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4ハロアルキル、C1−4ハロアルコキシ、アミノ、モノ(C1−4アルキル)アミノまたはジ(C1−4アルキル)アミノである。好ましくは、Rはフッ素、塩素、臭素、C1−2アルキル、C1−2アルコキシ、C1−2アルキルチオ、C1−2ハロアルキル、C1−2ハロアルコキシ、アミノ、モノ(C1−2アルキル)アミノまたはジ(C1−2アルキル)アミノである。より好ましくは、Rはメチル、トリフルオロメチル、フッ素、塩素または臭素である。最も好ましくは、Rはメチルまたは塩素である。
【0055】
典型的に、式(V)のnは0、1または2である。好ましくは、nは0または1である。最も好ましくは、nは0である。
典型的に、式(V)のRは水素またはC1−4アルキルである。好ましくは、Rは水素またはC1−2アルキルである。より好ましくは、Rは水素またはメチルである。最も好ましくは、Rは水素である。
典型的に、式(V)のXは−CO−、−S(O)−または−CO−NR'−であり、ここで、R'は水素またはC−Cアルキル基である。好ましくは、Xは−CO−または−CO−NR'−である。
【0056】
式(V)のRがヘテロシクリルであるか、またはC−Cヒドロキシアルキル基もしくは−(C−Cアルキル)−X−(C−Cアルキル)−X−(C−Cアルキル)基で置換されているヘテロシクリル基であるとき、該ヘテロシクリルまたはヘテロアリール基は、典型的に5または6員環である。好ましくは、それは5または6員ヘテロアリール基、例えばフラニル基である。
【0057】
典型的に、式(V)のC−Cヒドロキシアルキル基は、−CH−OH基である。典型的に、式(V)のXは−NR'−であり、ここで、R'は水素またはC−Cアルキルである。典型的に、式(V)のXは−S(O)−である。
【0058】
典型的に、式(V)のAはアリールまたはヘテロアリール基である。好ましくは、Aは単環式アリールまたはヘテロアリール基、単環式オキソ置換ヘテロシクリル基に縮合したナフチル基またはヘテロアリール基である。より好ましくは、Aは、フェニル基、単環式5または6員ヘテロアリール基または単環式オキソ置換5もしくは6員ヘテロシクリル基(例えばオキソ置換イミダゾリジン基)に縮合した5または6員ヘテロアリール基である。最も好ましくは、Aはフェニル、ピリジル、フラニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チエニルまたは1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−(3H)−オン部分である。
【0059】
典型的に、式(V)の部分Aは、非置換であるか、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、C−Cアルキル、C−CハロアルキルおよびC−Cアルコキシ置換基から選択される1個または2個の置換基で置換されている。好ましくは、該置換基は、ハロゲン、シアノ、C−Cアルキル、C−CハロアルキルおよびC−Cアルコキシ置換基から選択される。
【0060】
典型的に、式(V)のYは直接結合、C−Cアルキレン基、−SO−または−O−である。
【0061】
典型的に、式(V)のAはフェニル、5または6員ヘテロアリール、5から6員ヘテロシクリルまたはC−Cシクロアルキル基である。好ましくは、Aはピペラジニル、ピリジル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピラジニル、シクロプロピルまたはフェニル基である。
【0062】
典型的に、式(V)のAがヘテロシクリル基であるとき、それは部分YにN原子を介して結合する。
【0063】
典型的に、式(V)の部分Aは、非置換であるか、またはAがヘテロアリールまたはアリール基であるとき、C−Cアルキルおよびハロゲン置換基から選択される、またはAが炭素環式またはヘテロシクリル基であるとき、C−Cアルキル、ハロゲンおよびオキソ置換基から選択される1個または2個の置換基で置換されている。
【0064】
最も好ましくは、式(V)のAはピペラジニル、ピリジル、モルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピラジニル、シクロプロピル、フェニルまたはS,S−ジオキソ−チオモルホリノ基であり、該基は非置換であるか、またはC−Cアルキル基で置換されている。
【0065】
好ましい式(V)の化合物は:
− RがC1−6アルキルまたはアリールであり;
− Rが水素またはC1−4アルキルであり;
− Rがハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4ハロアルキル、C1−4ハロアルコキシ、アミノ、モノ(C1−4アルキル)アミノまたはジ(C1−4アルキル)アミノであるか、または好ましくは、Rがフッ素、塩素、臭素、C1−2アルキル、C1−2アルコキシ、C1−2アルキルチオ、C1−2ハロアルキル、C1−2ハロアルコキシ、アミノ、モノ(C1−2アルキル)アミノまたはジ(C1−2アルキル)アミノであり;
− nが0、1または2であり;
− Rが水素またはC1−4アルキルであり;
− Xが−CO−、−CO−NR'または−S(O)−であり、ここで、R'が水素またはC−Cアルキル基であり;そして
− RがC−Cヒドロキシアルキル基または−(C−Cアルキル)−X−(C−Cアルキル)−X−(C−Cアルキル)基(ここで、XおよびXは上記の通りである)で置換されている5または6員ヘテロシクリルまたはヘテロアリール環であるか、またはRが−A−Y−Aであり、ここで:
− Aがアリールまたはヘテロアリール基であり;
− Yが直接結合、C−Cアルキレン基、−SO−または−O−であり;そして
− Aがアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルまたはカルボシクリル基であり、
【0066】
該R基のアリール部分は、非置換であるか、またはハロゲン、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルチオ、C−CハロアルキルおよびC−Cハロアルコキシ基から成る群から選択される1個、2個または3個の置換基で置換されていてよく、
該A部分は、非置換であるか、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、C−Cアルキル、C−CハロアルキルおよびC−Cアルコキシ置換基から選択される1個または2個の置換基で置換されており;そして
該A部分は、非置換であるか、またはAがヘテロアリールまたはアリール基であるときC−Cアルキルおよびハロゲン置換基から選択される、および、Aが炭素環式またはヘテロシクリル基であるとき、C−Cアルキル、ハロゲンおよびオキソ置換基から選択される、1個または2個の置換基で置換されている。
【0067】
さらに好ましい式(V)の化合物は:
− RがC1−2アルキルまたはフェニルであり;
− Rが水素またはC1−4アルキルであり;
− Rがメチル、トリフルオロメチル、フッ素、塩素または臭素であり;
− nが0または1であり;
− Rが水素またはC1−2アルキルであり;
− Xが−CO−、−CO−NR'−または−S(O)であり、ここで、R'は水素またはC−Cアルキル基であり;そして
− Rが、C−Cヒドロキシアルキル基または−(C−Cアルキル)−NR'−(C−Cアルキル)−SO−(C−Cアルキル)基で置換されている5または6員ヘテロシクリルまたはヘテロアリール基であり、ここで、R'は水素またはC−Cアルキルであるか、またはRが−A−Y−Aであり、ここで:
【0068】
− Aがフェニル基、単環式5もしくは6員ヘテロアリール基または単環式オキソ置換5から6員ヘテロシクリル基に縮合した5もしくは6員ヘテロアリール基であり;
− Yが直接結合、C−Cアルキレン部分、−SO−または−O−であり;そして
− Aがフェニル、5または6員ヘテロアリール、5または6員ヘテロシクリルまたはC−Cシクロアルキル基であり、
の該フェニル部分は非置換であるか、またはフッ素、塩素、臭素、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4ハロアルキルまたはC1−4ハロアルコキシから選択される1個または2個の置換基で置換されており;
該A部分は非置換であるか、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、C−Cアルキル、C−CハロアルキルおよびC−Cアルコキシ置換基から選択される1個または2個の置換基で置換されており;そして
該A部分は非置換であるか、またはAがヘテロシクリルまたはシクロアルキル基であるときC−Cアルキル、ハロゲンおよびオキソ置換基から選択される、およびAがフェニルまたはヘテロアリール基であるときC−Cアルキルおよびハロゲン置換基から選択される1個または2個の置換基で置換されている。
【0069】
特に好ましい本発明の化合物は、式(Va):
【化10】

〔式中、
− Xが−CO−または−CO−NH−であり;そして
− Rが5または6員ヘテロアリール基、例えばフラニル基であり、これは非置換であるか、または−CH−OHまたは−(C−Cアルキル)−N(CH)−(C−Cアルキル)−SO−(C−Cアルキル)により置換されているか、またはRは−A−Y−Aであり、ここで:
− Aはフェニル、ピリジル、フラニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チエニルまたは1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−(3H)−オン部分であり、これは非置換であるか、またはハロゲン、シアノ、C−Cアルキル、C−CハロアルキルおよびC−Cアルコキシ置換基から選択される1個または2個の置換基で置換されており;
− Yは直接結合、C−Cアルキレン基、−SO−または−O−であり;そして
− Aはピペラジニル、ピリジル、モルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピラジニル、シクロプロピル、フェニルまたはS,S−ジオキソ−チオモルホリノ基であり、これは非置換であるか、またはC−Cアルキル基で置換されている。〕
の化合物および薬学的に許容されるその塩である。
【0070】
式(Va)の化合物において、典型的にnは0であり、そしてRは水素である。好ましくは、式(Va)の化合物において、Aはフェニルまたはフラニル基であり、それは非置換であるか、または塩素原子で置換されている。好ましくは、Yは直接結合またはメチレン基である。好ましくは、AはモルホリノまたはS,S−ジオキソ−チオモルホリノ基である。
【0071】
1個以上のキラル中心を含む式(V)の化合物は、エナンチオマー的にまたはジアステレオ異性体的に純粋な形で、または、異性体混合物の形で使用できる。誤解を避けるため、ここに記載の化学構造は、ラセミ体および非ラセミ混合物ならびに純粋エナンチオマーおよび/またはジアステレオ異性体を含む、示す化合物の全ての立体異性体を含むことを意図する。
【0072】
好ましい式(V)の化合物は、光学活性異性体である。故に、例えば、1個のみのキラル中心を含む好ましい式(V)の化合物は、実質的に純粋な形のRエナンチオマー、実質的に純粋な形のSエナンチオマーおよび過剰のRエナンチオマーまたは過剰のSエナンチオマーを含む、エナンチオマー混合物を含む。誤解を避けるため、本式(V)の化合物は、所望により、溶媒和物の形で使用できる。
【0073】
本明細書で使用する薬学的に許容される塩は、薬学的に許容される酸または塩基との塩である。薬学的に許容される酸は、塩酸、硫酸、リン酸、二リン酸、臭化水素酸または硝酸のような無機酸およびクエン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、コハク酸、酒石酸、安息香酸、酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸またはp−トルエンスルホン酸のような有機酸を含む。薬学的に許容される塩基は、アルカリ金属(例えばナトリウムまたはカリウム)およびアルカリ土類金属(例えばカルシウムまたはマグネシウム)水酸化物およびアルキルアミン、アラルキルアミンまたはヘテロ環式アミンのような有機塩基を含む。
【0074】
最も好ましくは、式(V)の化合物は下記を含む:
6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ニコチンアミド;
3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2']ビピリジニル−5'−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド;
(S)−2−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル−ベンズアミド;
(S)−2−クロロ−4−モルホリン−4−イル−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ベンズアミド;
(S)−2−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−4−フルオロ−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル−ベンズアミド;
(S)−5−クロロ−2−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ベンズアミド;
(S)−2−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−5−フルオロ−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ベンズアミド;
(S)−5−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−フラン−2−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド;
(S)−5−ピロリジン−1−イルメチル−フラン−2−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド;
(S)−5−ピペリジン−1−イルメチル−フラン−2−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド;
(S)−5−ジメチルアミノメチル−フラン−2−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド;
(S)−4−フルオロ−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−2−ピペリジン−1−イル−ベンズアミド;
(S)−4−フルオロ−2−モルホリノ−4−イル−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ベンズアミド;
(S)−4−シアノ−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−2−ピロリジン−1−イル−ベンズアミド;
【0075】
(S)−4−シアノ−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ピペリジン−1−イル−ベンズアミド;
(S)−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−2−ピロリジン−1−イル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド;
(S)−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−2−ピペリジン−1−イル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド;
(S)−2−モルホリン−4−イル−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド;
(S)−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−2−ピロリジン−1−イル−5−トリフルオロメチル−ベンズアミド;
(S)−2−モルホリン−4−イル−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンズアミド;
(S)−2−モルホリン−4−イル−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ニコチンアミド;
(S)−2−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ニコチンアミド;
(S)−2−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−2−メチル−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ベンズアミド;
(S)−2−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−4−メチル−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ベンズアミド;
(S)−2−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−6−メチル−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ベンズアミド;
(S)−2−クロロ−6−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ベンズアミド;
(S)−3−シクロプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−1−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド;
(S)−3−(4−メチル−ピペラジン−1−スルホニル)−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ベンズアミド;
(S)−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ベンズアミド;
(S)−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−3−(ピペリジン−1−スルホニル)−ベンズアミド;
(S)−3−(モルホリン−4−スルホニル)−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ベンズアミド;
(S)−5−モルホリン−4−イルメチル−フラン−2−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド;
【0076】
(S)−5−ヒドロキシメチル−フラン−2−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド;
(S)−5−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イルメチル)−フラン−2−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド;
(S)−2−クロロ−4−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ベンズアミド;
(S)−2−クロロ−5−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ベンズアミド;
(S)−5−{[(2−メタンスルホニル−エチル)−メチル−アミノ]−メチル}−フラン−2−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル−アミド;
(S)−2−ピリジン−3−イル−チアゾール−4−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド;
(S)−2−ピリジン−4−イル−チアゾール−4−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド;
(S)−4−メチル−2−ピラジン−2−イル−チアゾール−5−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド;
(S)−2−モルホリン−4−イルメチル−フラン−3−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド;
(S)−3−モルホリン−4−イルメチル−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ベンズアミド;
(S)−5−モルホリン−4−イルメチル−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド;
(S)−3−モルホリン−4−イルメチル−フラン−2−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド;
(S)−5−ピリジン−2−イル−チオフェン−2−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド;
(S)−2−メチル−4−(モルホリン−4−スルホニル)−フラン−3−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド;
(S)−6−モルホリン−4−イル−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)ニコチンアミド;
(S)−3−モルホリン−4−イルメチル−チオフェン−2−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド;
(S)−5−モルホリン−4−イルメチル−チオフェン−2−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド;
2−モルホリン−4−イル−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)ベンズアミド;
(S)−5−フェニル−オキサゾール−4−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド;
1−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−3−(4−フェノキシ−フェニル)−ウレア
上記化合物のいずれかのN−オキシド;
または薬学的に許容されるそれらの塩。
【0077】
式(I)、(II)、(III)および(IV)の化合物は既知化合物である。それらは、例えば、WO00/195910、WO00/004900、WO03/053344、US−A−4324794およびWO01/00612に記載されており、これらの文献に記載の方法により製造できる。
【0078】
WO00/195910、WO00/004900、WO03/053344、US−A−4324794およびWO01/00612は、引用により本明細書に包含する。これらの文献中で、融合タンパク質阻害剤として開示されている全ての化合物を、本発明で使用できる。
【0079】
式(V)の化合物は、グリオキシル酸(HCOCOH)、ベンゾトリアゾールおよび適当なベンジルカルバメートを、トルエン中還流温度で、Dean-Stark条件下で反応させて、式(II')
【化11】

の重要な保護されたアミノ酸を得ることにより製造し得る。
【0080】
このようにして得た式(II')のアミノ酸を次いで塩化オキサリルのような適当な塩素化剤と反応させ、続いて、式(III')
【化12】

の2−アミノベンゾフェノンと反応させて、式(IV')
【化13】

の中間体アミドを得て、それは特徴付けする必要はない。
【0081】
式(IV')の化合物を、次いでアンモノリシスに付し、次いで、酢酸アンモニウム含有酢酸中で閉環し、式(V')
【化14】

の被保護ベンゾジアゼピンを得ることができる。
【0082】
式(V')の化合物を、次いで臭化水素の酢酸溶液を使用して脱保護し、式(VI')
【化15】

の脱保護アミンを得ることができる。
【0083】
Xが−CO−または−CO−NR'である式(V)の化合物は、上記式(VI')の化合物を、適当な溶媒、好ましくはピリジン中、酸無水物と環境温度で反応させるかまたは、酸クロライドと、適当な溶媒中、塩基の存在下、好ましくはTHF中、環境温度で、トリエチルアミン存在下反応させることにより製造できる。別法として、本化合物は、式(VI')の化合物を、酸と、適当な溶媒中、塩基およびカップリング剤存在下、好ましくはTHF中、環境温度でトリエチルアミンおよびO−ベンゾトリアゾル−1−イル−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)存在下で反応させることにより製造できる。
【0084】
使用する酸クロライドがアミノカルボニルクロライドであるとき、式(V)の化合物はウレアである。X部分におけるR'が水素であるとき、このような化合物は、式(VI')の化合物とイソシアネートの反応により製造できる。この反応は、好ましくはTHF中、環境温度で行う。別法として、本イソシアネートを、適切なアミンおよびホスゲンから、塩基、通常トリエチルアミン存在下、またTHF中で、インサイチュで製造できる。R'が水素以外である化合物は、もちろん、R'が水素である対応する化合物と、適当なアルキル化剤、例えばL−(C−Cアルキル)(ここで、Lは脱離基、例えば塩素である)を反応させることにより製造できる。
【0085】
Xが−S(O)−である式(V)の化合物は、式(VI')の化合物と適当なスルホニルクロライドの反応により製造できる。同様に、Xが−S(O)−である式(V)の化合物は、式(VI')の化合物と適当なスルフィニルクロライドの反応により製造できる。
【0086】
本ベンゾジアゼピン骨格の製造において、市販の式(III')のアミノベンゾフェノン化合物を、可能であれば使用できる。市販されていない式(III')の化合物は、既知の方法により、例えば式(VII')
【化16】

のWeinrebタイプのアミドと、基R−LiまたはR−MgBrのようなグリニャール試薬の反応により、製造できる。好ましくはこの反応は、THF中、−100℃で行う。
【0087】
式(VII')の化合物は既知化合物であるか、または既知の方法に準じて製造できる。例えば、それらは、式(VIII')
【化17】

のイサト酸無水物と、N,O−ジメチルヒドロキシルアミンの、標準反応条件下での反応により製造できる。
【0088】
式(II')、(III')、(VII')、および(VIII')の出発物質は既知化合物であるか、または既知の方法に準じて製造できる。
このようにして得た式(V)の化合物のさらなる合成的操作を慣用法により行ってよく、さらなる式(V)の化合物を得る。式(V)のベンゾジアゼピンは、適当な酸または塩基での処理により塩化できる。
【0089】
請求の化合物に至る記載の経路は実験室規模製造のための十分な合成を提供するが、製造業経路として可能である別経路を探した。同じ出発物質(2−アミノ−ベンゾフェノン)(1)を両方で使用するが、しかしながら別経路において、本ベンゾジアゼピン環系を、最初にブロモアセチルブロマイド(または等価試薬)と反応させ、続いてアンモニアで閉環することにより形成する。これらの反応は、ジクロロメタンのような適当な溶媒中、−20から150℃の範囲であり得る適当な温度で行う。NH官能性を保護するために、この段階で、非置換ベンゾジアゼピンを塩基およびアルキル化剤と反応させる。例えば水素化ナトリウムのDMF溶液、続く4−メトキシ−ベンジルクロライドの添加が、下記中間体(2)を生成させる。さらにこの物質と塩基(例えばカリウムtert−ブトキシド)の適当な溶媒(例えばTHFまたはDMF)中での反応、続く硝酸イソアミル(または別の類似の試薬)でのクエンチングは、オキシム中間体(3)をもたらし、これをラセミ体1級アミンに、水素および適当な触媒の使用を含む方法により変換し得る。このアミンを、次いで動的速度論的分割(DKR)法に付し、それによりラセミ体アミンは、適当な光学活性酸、および適当なアルデヒドの存在下で、所望の(S)−アミン(4)の塩の沈殿を、良好な収率および非常に高いエナンチオマー過剰で発生させる。この変換のために適当な酸は、例えばカンファースルホン酸、Boc−フェニルアラニンなどであり得て、適当なアルデヒドは、3,5−ジクロロサリチルアルデヒドのようなベンズアルデヒドであり得る。
【0090】
このように形成した光学的アミンを、次いでアミドまたはウレアのような所望の誘導体に変換できる。本アミド形成は、適当なカルボン酸およびカップリング試薬、またはカルボニルクロライドもしくは他の適当な試薬を使用して行うことができ、そして本ウレアは、適当なイソシアネートを使用して、またはホスゲン、続く適当なアミンとの別反応を使用して製造する。
【0091】
このように形成したこれらの誘導体を、次いで保護基を除去し得る。これは、塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素、四塩化チタンなどのようなLewis酸の存在下で行い得る。これらの反応は、ジクロロメタンのような適当な不活性溶媒中で行う。反応温度は−20から150℃の範囲であり得るが、典型的に室温またはそれ以下で行う。
【化18】

【0092】
本発明の特に好ましい態様において、成分(a)は1−シクロプロピル−3−[1−(4−ヒドロキシ−ブチル)−1H−ベンゾイミダゾル−2−イルメチル]−1,3−ジヒドロイミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−オン、2−[2−(1,2−ジヒドロ−ベンゾトリアゾル−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾル−1−イル]]エチル}−ジエチル−アミン、{2−[2−(3−ヨード−2,3−ジヒドロ−インダゾル−1−イルメチル)−ベンズイミダゾル−1−イル]エチル}−ジメチル−アミンまたは薬学的に許容されるそれらの塩であり、そして成分(b)は(S)−2−クロロ−4−モルホリン−4−イル−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ベンズアミドまたは5−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イルメチル)−フラン−2−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミドまたは薬学的に許容されるそれらの塩である。
【0093】
本発明はまた、ヒトまたは動物の処置に使用するための、本発明の医薬組成物を提供する。また提供されるのは、(a)該RSV融合タンパク質阻害剤および(b)該ベンゾジアゼピン誘導体の、RSV感染処置または予防に使用するための薬剤の製造における使用である。
【0094】
本発明はまた、患者におけるRSV感染を処置または予防する方法であって、該患者に(a)該RSV融合タンパク質阻害剤および(b)該ベンゾジアゼピン誘導体を投与することを含む、方法を提供する。
【0095】
典型的に、本発明の組成物中の成分(a)の量は、本組成物の総重量に基づいて、0.025wt%から10wt%、好ましくは0.25wt%から5wt%、より好ましくは1wt%から3.5wt%、例えば約2.5wt%である。
【0096】
典型的に、本発明の組成物中の成分(b)の量は、本組成物の総重量に基づいて、0.025wt%から10wt%、好ましくは0.25wt%から5wt%、より好ましくは1wt%から3.5wt%、例えば約2.5wt%である。
【0097】
典型的に、本発明の組成物中の成分(a)および(b)の量は、本組成物の総重量に基づいて、0.05から20wt%、好ましくは0.5から10wt%、より好ましくは2から7wt%、例えば約5wt%である。
【0098】
RSVは、2歳未満の子供、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)または免疫不全を患う成人、および高齢者に蔓延する。特に慢性肺疾患を患う子供で重大な危険性がある。従って、該組成物または薬剤は、典型的に2歳未満の患者、喘息、COPDまたは免疫不全を患う患者、高齢者または長期ケア施設の滞在者の処置に使用するためのものである。典型的に、該子供は、慢性肺疾患を患う。
【0099】
さらに、抗RSV予防が、妊娠32週以下で生まれた幼児が6ヶ月になるまで、高齢者に、免疫不全の者および長期ケア施設滞在者のために推奨される。従って、該組成物または薬剤は、典型的に、妊娠32週以下で生まれた6歳未満の幼児、高齢者、免疫不全(immunosufficiency)の者および長期ケア施設滞在者のRSV感染予防に使用される。
【0100】
上記の通り、RSV株は、当分野で既知の融合阻害剤に暴露すると、急速に耐性を発生させる。融合阻害剤に対する耐性の発生の危険性を最小限にするために、それらを、作用機構が異なる別のRSV複製阻害剤と組み合わせることが望ましい。我々の知る限り、上記のベンゾジアゼピン誘導体は、新規作用機構を有する最初の化合物のクラスである。従って、本発明の組成物は非常に低い耐性プロフィールにより特徴付けられ、それにより、特に治療および予防適用に適する。
【0101】
本発明はまた、成分(a)および(b)を別々に投与する状況もカバーする。故に、例えば、成分(a)を、成分(b)の投与前24時間以内に投与できる。あるいは、成分(b)を、成分(a)の投与前24時間以内に投与できる。より普通には、成分(a)および(b)を別に投与するとき、それらは互いに12時間以内、好ましくは6時間以内に投与する。
【0102】
本発明は、故にまた、ヒトまたは動物の処置に別々に同時にまたは連続的に使用するための、(a)該RSV融合タンパク質阻害剤および(b)該ベンゾジアゼピン誘導体を含む製品を提供する。典型的に、該製品はRSV感染の処置または予防において、別々に、同時にまたは連続的に使用するためである。
【0103】
また提供されるのは、該ベンゾジアゼピン誘導体と併用投与することによる、該RSV融合タンパク質阻害剤の、RSV感染の処置または予防用薬剤の製造における使用である。本発明はまた、該RSV融合タンパク質阻害剤と併用投与することによる、該ベンゾジアゼピン誘導体の、RSV感染の処置または予防用薬剤の製造における使用である。
【0104】
成分(a)および(b)を別々に投与するとき、それらは典型的に上記の通り製剤される。各々別の製剤中の活性成分の量は、もちろん、組合せ製剤に関して上記の成分(a)または(b)の量に対応する。故に、成分(a)および(b)を別々に投与するとき、製剤総重量の0.025wt%から10wt%、好ましくは0.25wt%から5wt%、より好ましくは1wt%から3.5wt%、例えば約2.5wt%の該RSV融合タンパク質阻害剤を含む第一製剤が、典型的に提供される。同様に、製剤総重量の0.025wt%から10wt%、好ましくは0.25wt%から5wt%、より好ましくは1wt%から3.5wt%、例えばほぼ2.5wt%の該ベンゾジアゼピン誘導体を含む第二製剤が、典型的に提供される。この2個の製剤を、任意の順番で別々に投与できる。
【0105】
好ましくは、本発明の組成物および薬剤は、化合物(a)および(b)の個々の活性の併合よりも大きな活性を有する。故に、成分(a)および(b)は典型的には相乗的に作用する。好ましくは、故に、本発明の製剤および薬剤において、成分(a)および成分(b)は、各々、RSV感染の処置または予防において相乗的治療効果を産生する量で存在する。
【0106】
本発明の抗RSV組成物は、様々な投与形態で投与できる。故に、それらは経口で、例えば錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性または油性懸濁液、分散可能粉末または顆粒として投与できる。本発明の化合物はまた非経腸的に、皮下、静脈内、筋肉内、胸骨内(intrasternally)、経皮のいずれかでまたは輸液法により投与し得る。本化合物はまた坐薬として投与し得る。
【0107】
好ましい態様において、投与は静脈内、鼻腔内または気管支内手段による。特に、RSV処置または予防用製剤は、有利には鼻腔内に投与できる。本発明は、故にまた、(i)上記で定義の通りの成分(a)および成分(b)を含む本発明の医薬組成物、および(ii)薬学的に許容される担体または希釈剤を含む、薬剤を含む、吸入器またはネブライザーを提供する。
【0108】
本発明の抗RSV組成物は、典型的に薬学的に許容される担体または希釈剤と、投与用に製剤される。例えば、固体経口形態は、活性化合物(複数もある)と共に、希釈剤、例えばラクトース、デキストロース、サッカロース、セルロース、コーンデンプンまたはジャガイモデンプン;滑剤、例えばシリカ、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウムもしくはカルシウム、および/またはポリエチレングリコール;結合剤;例えばデンプン、アラビアゴム、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースまたはポリビニルピロリドン;崩壊剤、例えばデンプン、アルギン酸、アルギン酸塩またはグリコール酸デンプンナトリウム;発泡性混合物;色素;甘味剤;レシチン、ポリソルベート、ラウリルスルフェートのような湿潤剤;および、一般に、医薬製剤において使用する非毒性でありそして薬理学的に不活性の物質を含み得る。このような医薬製剤は、既知の方法で、例えば、混合、造粒、打錠、糖衣またはフィルムコーティング法の手段により製造できる。
【0109】
経口投与用液体分散剤はシロップ、エマルジョンおよび懸濁液であり得る。シロップは担体として、例えば、サッカロースまたはサッカロースとグリセリンおよび/またはマンニトールおよび/またはソルビトールを含み得る。
【0110】
懸濁液およびエマルジョンは担体として、例えば天然ゴム、寒天、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、またはポリビニルアルコールを含み得る。筋肉内注射用懸濁液または溶液は、活性化合物と共に、薬学的に許容される担体、例えば滅菌水、オリーブ油、オレイン酸エチル、グリコール、例えばプロピレングリコール、および所望により、適当な量の塩酸リドカインを含み得る。
【0111】
注射または輸液用溶液は、担体として、例えば、滅菌水を含むか、または好ましくはそれらは滅菌、水性、等張食塩溶液の形であり得る。
【0112】
好ましくは、本発明の抗RSV組成物は、(a)グリセリドと鎖長C−C10の植物油脂肪酸酸のエステル化またはポリエーテル製品から選択される薬学的に許容される油および(b)エチレンオキシドと共重合したポリアルコールのオレイン酸およびラウリン酸エステルから選択される薬学的に許容される界面活性剤を含む担体中に可溶化される。特に好ましい担体は、油としてLabrafilおよび界面活性剤としてTween 20またはTween 80を含む。
【0113】
本発明の抗RSV組成物はまた経口投与用にPEG 400中に懸濁されている。
【0114】
治療的に有効量の本発明の抗RSV組成物を患者に投与する。典型的投与量は、約0.001から50mg、典型的に0.5から30mg、好ましくは1から20mg活性成分/体重kgであり、特定の組成物の活性、処置すべき対象の年齢、体重および状態、疾患のタイプおよび重症度ならびに投与頻度および経路に従う。好ましくは、1日投与レベルは、5mgから2g活性成分である。
【0115】
下記実施例は本発明を説明する。しかしながら、それらは本発明をいかなる方法でも限定しない。この点について、実施例部分で使用する特定のアッセイは、抗ウイルス活性の指標を提供するためだけに設計されていることを理解することは重要である。ある化合物のRSVに対する活性を決定するための入手可能な多くのアッセイが存在し、故に、一つの特定のアッセイにおける負の結果は確定的ではない。
【0116】
実施例
中間体1
2−クロロ−4−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−安息香酸
4−アミノ−2−クロロ安息香酸(172mg)およびエテンスルホニル−エテン(0.15ml)の混合物の、炭酸ナトリウム(212mg)含有水(3ml)溶液を、100℃で18時間加熱した。混合物を冷却し、2N HClで酸性化した。オフホワイト色沈殿を回収し、乾燥させた(263mg)。
LC/MS RT=4.09分、ES−288,290
【0117】
中間体2
2−クロロ−5−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−安息香酸
5−アミノ−2−クロロ安息香酸(172mg)およびエテンスルホニル−エテン(0.15ml)の混合物の水(3ml)溶液を、100℃で18時間加熱した。混合物を冷却し、ジクロロメタンで抽出した。乾燥した抽出物を蒸発させ、淡褐色固体(265mg)を得た。
LC/MS RT=4.13分、ES−288,290
【0118】
中間体3
2−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−ニコチン酸
この物質は、2−アミノ−ニコチン酸(138mg)を使用した以外、中間体1の記載に準じて製造した。表題化合物をオフホワイト色固体(93mg)として単離した。
【0119】
中間体4
2−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−3−メチル−安息香酸
この物質は、2−アミノ−3−メチル安息香酸(302mg)を使用した以外、中間体2の記載に準じて製造した。表題化合物を淡褐色固体(486mg)として単離した。
【0120】
中間体5
2−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル−4−メチル−安息香酸
この物質は、2−アミノ−4−メチル安息香酸(302mg)を使用した以外、中間体2の記載に準じて製造した。表題化合物を褐色固体(430mg)として単離した。
【0121】
中間体6
2−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−6−メチル−安息香酸
この物質は、2−アミノ−6−メチル安息香酸(302mg)を使用した以外、中間体2の記載に準じて製造した。表題化合物を褐色固体(490mg)として単離した。
【0122】
中間体7
3−(4−メチル−ピペラジン−1−スルホニル)−安息香酸
3−クロロスルホニル−安息香酸(89mg)4−ジメチルアミノ−ピリジン(触媒量)およびN−メチルピペラジン(0.045ml)のジクロロメタン(10ml)溶液を、2時間加熱還流した。溶媒を次いで蒸発させ、粗物質を精製または特徴付けせずに、次の合成工程に使用した。
【0123】
中間体8
3−ピペリジン−1−スルホニル−安息香酸
この物質は、求核分子としてピペリジンを使用した以外、中間体7の記載に準じて製造した。中間体7と同様、本物質も粗製で使用した。
【0124】
中間体9
3−(モルホリン−4−スルホニル)−安息香酸
この物質は、求核分子としてモルホリンを使用した以外、中間体7の記載に準じて製造した。中間体7と同様、本物質も粗製で使用した。
【0125】
中間体10
2−クロロ−6−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−安息香酸
この物質は、2−アミノ−6−クロロ安息香酸(343mg)を使用した以外、中間体2の記載に準じて製造した。表題化合物を淡黄褐色固体(405mg)として単離した。
【0126】
中間体11
5−クロロ−2−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−安息香酸
この物質は、2−アミノ−5−クロロ安息香酸(200mg)を使用した以外、中間体2の記載に準じて製造した。表題化合物を白色固体(233mg)として単離した。
【表1】

LC/MS RT=4.66分、実測値ES=290,292
【0127】
中間体12
2−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−5−フルオロ−安息香酸
この物質は、2−アミノ−5−フルオロ安息香酸(200mg)を使用した以外、中間体2の記載に準じて製造した。表題化合物を白色固体(310mg)として単離した。
【表2】

LC/MS RT=4.28分、実測値ES=272
【0128】
中間体13
4−フルオロ−2−チオモルホリン−4−イル−安息香酸
2,4−ジフルオロ−安息香酸(0.5g)、チオモルホリン(0.33ml)およびトリエチルアミン(0.88ml)の混合物のアセトニトリル(2ml)溶液を、200℃で、マイクロ波反応器中、20分加熱した。残渣を水およびジクロロメタンに分配した。乾燥させた有機層を蒸発させ、次いで、シリカゲルSPEカートリッジで精製した。ジクロロメタン、続くジクロロメタン:エタノール:0.880アンモニア;800:8:1から200:8:1の勾配での溶出により、表題物質を白色固体(292mg)として得た。
【表3】

【0129】
中間体14
2−(1,1−ジオキソ−4−オキシ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−4−フルオロ−安息香酸
中間体11(262mg)およびペルオキシ一硫酸カリウム(1.34g)のメタノール(5ml)および水(2.5ml)溶液を、室温で6時間撹拌した。形成した沈殿を濾過により回収し、次いで水性重炭酸ナトリウムに溶解した。1M HClでのpH3への酸性化により白色沈殿の形成をもたらし、それを回収し、乾燥させた(194mg)。
【表4】

【0130】
中間体15
6−クロロ−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ニコチンアミド
ラセミ体3−アミノ−5−フェニル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−2−オン(1g)、O−ベンゾトリアゾル−1−イル−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(1.51g)、トリエチルアミン(0.83ml)および6−クロロ−ニコチン酸(0.63g)の混合物の乾燥DMF(20ml)溶液を、室温で1.5時間撹拌した。水(200ml)を次いで添加し、混合物を10分激しく撹拌した。無色沈殿を濾過により回収し、乾燥させた(1.1g)。
【表5】

LC/MS RT=4.96分、ES+ 391,393
【0131】
中間体16
チオモルホリン−1,1−ジオキシド
9.98gのチオモルホリンおよび14.8gのトリフルオロメタンスルホン酸無水物を、DCMと室温で2時間撹拌した。反応物を、次いで1M KCO(水性)およびDCMに分配した。有機層を分け、疎水性フリットを通して乾燥させ、次いで真空で濃縮した。13.82gの得られた油状物を85.2gのオキオンと50mLのメタノールおよび50mLの水中で、18時間、室温で撹拌した。反応物を次いで濾過し、メタノールおよび濾液を濃縮した。次いでこれを水およびEtOAcに分配し、水性層を3回EtOAcで洗浄した。合わせた有機抽出物を次いで乾燥させ(MgSO)、濃縮し、白色固体を得た。これを次いで室温で40gのKCOと80mLのメタノール中で18時間撹拌した。メタノールを次いで真空で除去し、残渣をDCMおよび飽和KCO(水性)に分配した。合わせた有機抽出物を疎水性フリットを通し、真空で濃縮しで表題化合物を得た、3.51g。
【表6】

【0132】
中間体17
5−{[(2−メタンスルホニル−エチル−メチル−アミノ]−メチル}−フラン−2−カルボン酸エチルエステル
0.5gの5−クロロメチル−フラン−2−カルボン酸エチルエステルおよび20mlのTHF中の2M メチルアミン溶液を室温で5日間、窒素下で撹拌した。溶液を次いで濃縮し、SPEで濃縮した。得られた油状物を200℃でマイクロ波中、0.2mLのメタンスルホニル−エテンの3mLのアセトニトリルと共に1時間加熱した。溶液を濃縮し、クロマトグラフィーで精製して、表題化合物を無色油状物として得た。
LC/MS RT=3.55分、実測値ES=290
【表7】

【0133】
中間体18
5−ジメチルアミノメチル−フラン−2−カルボン酸
0.16mlのジメチルアミンの2M溶液を、撹拌している19.2mgの水素化ナトリウムの2mLのDMF中の懸濁液に、窒素雰囲気下、室温で30分にわたり添加した。次いで5−クロロメチル−フラン−2−カルボン酸エチルエステルの2mLのDMF溶液を、30分にわたり滴下した。反応物を次いで2日間撹拌した。溶媒を次いで真空で除去し、5mLのEtOHおよび0.35mlの2M NaOHを添加し、80℃で40分撹拌した。反応物を室温に戻し、pH5.0以下の酸性にし、溶媒を真空で除去することにより、加水分解すべき表題化合物を得て、次いで、次段階に粗製のまま使用した。
【0134】
中間体19−23を類似の方法で製造し、次の合成段階に、特徴付けせずに使用した。
中間体19
5−モルホリン−4−イルメチル−フラン−2−カルボン酸
中間体20
5−(1,1−ジオキソ−1λ−チオモルホリン−4−イルメチル)−フラン−2−カルボン酸
中間体21
5−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−フラン−2−カルボン酸
中間体22
5−(ピペリジン−1−イルメチル)−フラン−2−カルボン酸
中間体23
5−(ピロリジン−1−イルメチル)−フラン−2−カルボン酸
【0135】
中間体24
3−シクロプロピル−1,3−ジヒドロ[4,5−b]ピリジン−2−オン
アセトニトリル(30ml)中の2−クロロ−3−ニトロ−ピリジン(2g)、シクロプロピルアミン(1.13ml)および炭酸カリウム(3.48g)の混合物を、室温で18時間撹拌した。混合物を次いで水および酢酸エチルに分配する。乾燥した抽出物を蒸発して、明黄色固体(2.1g)を得る。
この物質を、次いで大気圧でエタノール(150ml)中、パラジウム/炭素触媒(10%、100mg)上で水素化した。水素取り込みが止んだとき、混合物をセライトを通して濾過し、蒸発させて暗色ガム(1.7g)を得た。
この物質を、次いで乾燥THF(40ml)に溶解し、カルボニルジイミダゾール(2.2g)で、還流温度で2.5時間処理した。混合物を次いで水および酢酸エチルに分配した。乾燥させた有機抽出物を蒸発させて暗色ガムを残し、それを酢酸エチル/ガソリンから結晶化させて、無色固体(1.2g)を得た。
【表8】

【0136】
中間体25
2−モルホリン−4−イルメチル−フラン−3−カルボン酸メチルエステル
アセトニトリル(4ml)中の2−クロロメチル−フラン−3−カルボン酸メチルエステル(100mg)およびモルホリン(0.08ml)の混合物を、室温で2時間撹拌した。混合物を次いでジクロロメタンおよび水性重炭酸ナトリウム溶液に分配した。乾燥させた有機層を蒸発させて、黄色油状物(75mg)を得た。
【表9】

【0137】
中間体26
3−モルホリン−4−イルメチル−安息香酸メチルエステル
この物質を中間体25と同様に製造した。生成物は無色油状物(210mg)であった。
【表10】

【0138】
中間体27
5−モルホリン−4−イルメチル−イソキサゾール−3−カルボン酸メチルエステル
乾燥クロロホルム(4ml)中の5−メチル−イソキサゾール−3−カルボン酸メチルエステル(200mg)、N−ブロモスクシンイミド(252mg)および過酸化ベンゾイル(30mg)を撹拌し、85℃で5時間加熱した。溶液を室温に冷却し、モルホリン(0.27ml)で処理した。撹拌を20時間続け、混合物を次いで水およびジクロロメタンに分配した。乾燥させた有機抽出物を蒸発させ、残渣をシリカゲルSPEカートリッジで精製した。ジクロロメタン、続くジクロロメタン:エタノール:0.880アンモニア;200:8:1での溶出により、無色油状物(50mg)を得た。
【表11】

【0139】
中間体28−30は、中間体25に準じた方法で製造した。
中間体28
3−モルホリン−4−イルメチル−フラン−2−カルボン酸メチルエステル
この化合物は黄色油状物として単離された(189mg)。
【表12】

【0140】
中間体29
3−モルホリン−4−イルメチル−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル
この化合物は黄色油状物として単離された(197mg)。
【表13】

【0141】
中間体30
5−モルホリン−4−イルメチル−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル
この化合物は黄色油状物として単離された(214mg)。
【表14】

【0142】
中間体25−30を、合成経路の最終カップリング工程において使用する前に、対応するカルボン酸に加水分解した。
【0143】
中間体31
4−フルオロ−2−モルホリン−4−イル−安息香酸
アセトニトリル(0.5ml)中の2,4−ジフルオロ−安息香酸(50mg)およびモルホリン(0.03ml)を、マイクロ波中、200℃で15分加熱した。溶媒を蒸発させて暗色ガムを残し、それを次合成段階に精製せずに使用した。
【0144】
中間体32
4−フルオロ−2−ピペリジン−1−イル−安息香酸
これは中間体31の方法に準じて製造した。
【0145】
中間体33−5は、2−フルオロ−4−トリフルオロメチル−安息香酸を使用した以外、中間体31の方法に準じて製造した。
中間体33
2−ピロリジン−1−イル−4−トリフルオロメチル−安息香酸
中間体34
2−ピペリジン−1−イル−4−トリフルオロメチル−安息香酸
中間体35
2−モルホリン−4−イル−4−トリフルオロメチル−安息香酸
【0146】
中間体36および37は、2−フルオロ−5−トリフルオロメチル−安息香酸を使用した以外、中間体31の方法に準じて製造した。
中間体36
2−ピロリジン−1−イル−5−トリフルオロメチル−安息香酸
中間体37
2−モルホリン−4−イル−5−トリフルオロメチル−安息香酸
【0147】
中間体38および39は、4−シアノ−2−フルオロ−安息香酸を使用した以外、中間体31の方法に準じて製造した。
中間体38
4−シアノ−2−ピロリジン−1−イル−安息香酸
中間体39
4−シアノ−2−ピペリジン−1−イル−安息香酸
【0148】
実施例1
6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ニコチンアミド
トリエチルアミン(0.027ml)含有アセトニトリル(1ml)中の中間体15(50mg)およびN−メチルピペラジン(0.022ml)を、マイクロ波中、200℃で10分加熱した。混合物を次いで水およびジクロロメタンに分配した。乾燥させた有機層を蒸発させ、残渣をシリカゲルSPEカートリッジで精製した。5−10%メタノールのジクロロメタン溶液での勾配溶出により、無色固体(10mg)を得た。
【表15】

RT=3.94分、ES+ 455
【0149】
実施例2
3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2']ビピリジニル−5'−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド
この物質は、求核分子としてピペリジンを使用した以外、実施例1の通りに製造した。生成物は無色固体(15mg)であった。
【表16】

RT=4.54分、ES+ 440
【0150】
実施例3
(S)−2−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル−ベンズアミド
乾燥DMF(1ml)中の(S)−3−アミノ−5−フェニル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−2−オン(100mg)、O−ベンゾトリアゾル−1−イル−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(150mg)、2−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−安息香酸(102mg)およびトリエチルアミン(0.083ml)を室温で1時間撹拌した。水(10ml)を次いで添加し、撹拌を10分続けた。無色沈殿を濾過により回収し、次いでジクロロメタンおよび水に分配した。乾燥させた有機相を蒸発させ、残渣をシリカゲルSPEカートリッジで精製した。酢酸エチル:ガソリン 1:1での溶出により、表題化合物を無色固体として得た(140mg)。
【表17】

【0151】
実施例4
(S)−2−クロロ−4−モルホリン−4−イル−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ベンズアミド
この物質は、2−クロロ−4−モルホリン−4−イル−安息香酸(86mg)を使用した以外、実施例3の通りに製造した。表題化合物は無色固体であった(112mg)。
【表18】

【0152】
実施例5
(S)−2−(1,1−ジオキソ−4−オキシ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−4−フルオロ−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル−ベンズアミド
この物質は、2−(1,1−ジオキソ−4−オキシ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−安息香酸(中間体14、30mg)を使用した以外、実施例3の通りに製造した。表題化合物は無色固体であった(29mg)。
【表19】

RT=5.09分、ES+ 523
【0153】
実施例6
(S)−5−クロロ−2−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ベンズアミド
この物質は、5−クロロ−2−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−安息香酸(中間体11、58mg)を使用した以外、実施例3の通りに製造した。表題化合物は無色固体であった(70mg)。
【表20】

RT=5.38分、ES+ 523,525
【0154】
実施例7
(S)−2−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−5−フルオロ−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ベンズアミド
この物質は、5−フルオロ−2−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−安息香酸(中間体12、54mg)を使用した以外、実施例3の通りに製造した。表題化合物は無色固体であった(70mg)。
【表21】

RT=5.19分、ES+ 507
【0155】
実施例8
(S)−5−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−フラン−2−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド
この物質は、5−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)フラン−2−カルボン酸(中間体21)を使用した以外、実施例3の通りに製造した。表題化合物は無色固体であった(15mg)。
【表22】

RT=4.10分、ES+ 458
【0156】
実施例9
(S)−5−ピロリジン−1−イルメチル−フラン−2−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド
この物質は、5−(ピロリジン−1−イルメチル)−フラン−2−カルボン酸(中間体23)を使用した以外、実施例3の通りに製造した。表題化合物は無色固体であった(52mg)。
【表23】

RT=4.09分、ES+ 403
【0157】
実施例10
(S)−5−ピペリジン−1−イルメチル−フラン−2−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド
この物質は、5−(ピペリジン−1−イルメチル)−フラン−2−カルボン酸(中間体22)を使用した以外、実施例3の通りに製造した。表題化合物は無色固体であった(21mg)。
【表24】

RT=4.16分、ES+ 443
【0158】
実施例11
(S)−5−ジメチルアミノメチル−フラン−2−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド
この物質は、5−ジメチルアミノメチル−フラン−2−カルボン酸(中間体18)を使用した以外、実施例3の通りに製造した。表題化合物は無色固体であった(5mg)。
【表25】

RT=4.09分、ES+ 403
【0159】
実施例12
(S)−4−フルオロ−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−2−ピペリジン−1−イル−ベンズアミド
この物質は、4−フルオロ−2−ピペリジン−1−イル−安息香酸(中間体32)を使用した以外、実施例3の通りに製造した。表題化合物は無色固体であった(58mg)。
【表26】

RT=6.02分、ES+ 457
【0160】
実施例13
(S)−4−フルオロ−2−モルホリノ−4−イル−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ベンズアミド
この物質は、4−フルオロ−2−モルホリン−4−イル−安息香酸(中間体31)を使用した以外、実施例3の通りに製造した。表題化合物は無色固体であった(19mg)。
【表27】

RT=5.34分、ES+ 459
【0161】
実施例14
(S)−4−シアノ−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−2:ピロリジン−1−イル−ベンズアミド
この物質は、4−シアノ−2−ピロリジン−1−イル−安息香酸(中間体38)を使用した以外、実施例3の通りに製造した。表題化合物は無色固体であった(13mg)。
【表28】

RT=5.45分、ES+ 450
【0162】
実施例15
(S)−4−シアノ−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ピペリジン−1−イル−ベンズアミド
この物質は、4−シアノ−2−ピペリジン−1−イル−安息香酸(中間体39)を使用した以外、実施例3の通りに製造した。表題化合物は無色固体であった(27mg)。
【表29】

RT=5.88分、ES+ 464
【0163】
実施例16
(S)−N−2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−2−ピロリジン−1−イル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
この物質は、2−ピロリジン−1−イル−4−トリフルオロメチル安息香酸(中間体33)を使用した以外、実施例3の通りに製造した。表題化合物は無色固体であった(5mg)。
【表30】

RT=5.91分、ES+ 493
【0164】
実施例17
(S)−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−2−ピペリジン−1−イル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド
この物質は、2−ピペリジン−1−イル−4−トリフルオロメチル安息香酸(中間体34)を使用した以外、実施例3の通りに製造した。表題化合物は無色固体であった(14mg)。
【表31】

RT=6.39分、ES+ 507
【0165】
実施例18
(S)−2−モルホリン−4−イル−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イルトリフルオロメチル−ベンズアミド
この物質は、2−モルホリン−4−イル−4−トリフルオロメチル安息香酸(中間体35)を使用した以外、実施例3の通りに製造した。表題化合物は無色固体であった(14mg)。
【表32】

RT=5.72分、ES+ 509
【0166】
実施例19
(S)−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−2−ピロリジン−1−イル−5−トリフルオロメチル−ベンズアミド
この物質は、2−ピロリジン−1−イル−5−トリフルオロメチル安息香酸(中間体36)を使用した以外、実施例3の通りに製造した。表題化合物は無色固体であった(8mg)。
【表33】

RT=5.84分、ES+ 493
【0167】
実施例20
(S)−2−モルホリン−4−イル−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンズアミド
この物質は、2−モルホリン−4−イル−5−トリフルオロメチル安息香酸(中間体37)を使用した以外、実施例3の通りに製造した。表題化合物は無色固体であった(19mg)。
【表34】

RT=5.72分、ES+ 509
【0168】
実施例21
(S)−2−モルホリン−4−イル−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)ニコチンアミド
この物質は、2−モルホリン−4−イル−ニコチン酸を使用した以外、実施例3の通りに製造した。表題化合物は無色固体であった(45mg)。
【表35】

RT=4.86分、ES+ 442
【0169】
実施例22
(S)−2−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ニコチンアミド
この物質は、2−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−ニコチン酸(中間体3)を使用した以外、実施例3の通りに製造した。表題化合物は無色固体であった(10mg)。
【表36】

RT=4.43分、ES+ 508
【0170】
実施例23
(S)−2−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−3−メチル−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ベンズアミド
この物質は、2−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−3−メチル−安息香酸(中間体4)を使用した以外、実施例3の通りに製造した。表題化合物は無色固体であった(65mg)。
【表37】

RT=5.04分、ES+ 503
【0171】
実施例24
(S)−2−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−4−メチル−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ベンズアミド
この物質は、2−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−4−メチル−安息香酸(中間体5)を使用した以外、実施例3の通りに製造した。表題化合物は無色固体であった(72mg)。
【表38】

RT=5.20分、ES+ 503
【0172】
実施例25
(S)−2−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−6−メチル−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ベンズアミド
この物質は、2−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−6−メチル−安息香酸(中間体6)を使用した以外、実施例3の通りに製造した。表題化合物は無色固体であった(32mg)。
【表39】

RT=5.03分、ES+ 503
【0173】
実施例26
(S)−2−クロロ−6−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ベンズアミド
この物質は、2−クロロ−6−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−安息香酸(中間体10)を使用した以外、実施例3の通りに製造した。表題化合物は無色固体であった(51mg)。
【表40】

RT=5.07分、ES+ 523,525
【0174】
実施例27
(S)−3−シクロプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−1−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル−アミド
3−シクロプロピル−1,3−ジヒドロ[4,5−b]ピリジン−2−オン(中間体24、35mg)、トリエチルアミン(0.028ml)およびトリホスゲン(20mg)を、室温でジクロロメタン(3ml)中、1時間撹拌した。(S)−3−アミノ−5−フェニル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−2−オン(50mg)を次いで添加し、撹拌を18時間続けた。溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲルSPEカートリッジで精製した。ジクロロメタン:エタノール:0.880アンモニア;200:8:1での溶出により、無色固体(3mg)を得た。
【表41】

RT=4.90分、ES+ 453
【0175】
実施例28
(S)−3−(4−メチル−ピペラジン−1−スルホニル)−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ベンズアミド
この物質は、3−(4−メチル−ピペラジン−1−スルホニル)安息香酸(中間体7)を使用した以外、実施例3の通りに製造した。表題化合物は淡黄色固体であった(23mg)。
【表42】

RT=4.25分、ES+ 518
【0176】
実施例29
(S)−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ベンズアミド
この物質は、4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)安息香酸を使用した以外、実施例3の通りに製造した。表題化合物は無色固体であった(46mg)。
【表43】

RT=4.16分、ES+ 454
【0177】
実施例30
(S)−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−3−(ピペリジン−1−スルホニル)−ベンズアミド
この物質は、3−ピペリジン−1−スルホニル−安息香酸(中間体8)を使用した以外、実施例3の通りに製造した。表題化合物は無色固体であった(35mg)。
【表44】

RT=5.47分、ES+ 503
【0178】
実施例31
(S)−3−(モルホリン−4−スルホニル)−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ベンズアミド
この物質は、3−(モルホリン−4−スルホニル)−安息香酸(中間体9)を使用した以外、実施例3の通りに製造した。表題化合物は無色固体であった(29mg)。
【表45】

RT=5.06分、ES+ 505
【0179】
実施例32
(S)−5−モルホリン−4−イルメチル−フラン−2−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル−アミド
この物質は、5−モルホリン−4−イルメチル−フラン−2−カルボン酸(中間体19)を使用した以外、実施例3の通りに製造した。表題化合物は無色固体であった(35mg)。
【表46】

RT=4.28分、ES+ 445
【0180】
実施例33
(S)−5−ヒドロキシメチル−フラン−2−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル−アミド
この物質は、5−クロロメチル−フラン−2−カルボン酸エチルエステルの加水分解生成物を使用した以外、実施例3の通りに製造した。表題化合物は無色固体であった(48mg)。
【表47】

RT=4.54分、ES+ 376
【0181】
実施例34
(S)−5−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イルメチル)−フラン−2−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド
この物質は、5−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イルメチル)−フラン−2−カルボン酸(中間体20)を使用した以外、実施例3の通りに製造した。表題化合物は無色固体であった(192mg)。
【表48】

RT=4.65分、ES+ 493
【0182】
実施例35
(S)−2−クロロ−4−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ベンズアミド
この物質は、2−クロロ−4−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−安息香酸(中間体1)を使用した以外、実施例3の通りに製造した。表題化合物は無色固体であった(41mg)。
【表49】

RT=4.70分、ES+ 523,525
【0183】
実施例36
(S)−2−クロロ−5−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1Hベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ベンズアミド
この物質は、2−クロロ−5−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−安息香酸(中間体2)を使用した以外、実施例3の通りに製造した。表題化合物は無色固体であった(69mg)。
【表50】

RT=4.76分、ES+ 523,525
【0184】
実施例37
(S)−5−{[(2−メタンスルホニル−エチル)−メチル−アミノ]−メチル}−フラン−2−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル−アミド
この物質は、5−{[(2−メタンスルホニル−エチル)メチル−アミノ]−メチル}−フラン−2−カルボン酸エチルエステル(中間体17)を使用した以外、実施例3の通りに製造した。表題化合物は無色固体であった(87mg)。
【表51】

RT=4.78分、ES+ 495
【0185】
実施例38
(S)−2−ピリジン−3−イル−チアゾール−4−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド
この物質は、2−ピリジン−3−イル−チアゾール−4−カルボン酸を使用した以外、実施例3の通りに製造した。表題化合物は無色固体であった(55mg)。
【表52】

RT=4.70分、ES+ 440
【0186】
実施例39
(S)−2−ピリジン−4−イル−チアゾール−4−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド
この物質は、2−ピリジン−4−イル−チアゾール−4−カルボン酸を使用した以外、実施例3の通りに製造した。表題化合物は無色固体であった(54mg)。
【表53】

RT=4.69分、ES+ 440
【0187】
実施例40
(S)−4−メチル−2−ピラジン−2−イル−チアゾール−5−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド
この物質は、4−メチル−2−ピラジン−2−イル−チアゾール−5−カルボン酸を使用した以外、実施例3の通りに製造した。表題化合物は無色固体であった(67mg)。
【表54】

RT=4.82分、ES+ 455
【0188】
実施例41
(S)−2−モルホリン−4−イルメチル−フラン−3−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド
この物質は、2−モルホリン−4−イルメチル−フラン−3−カルボン酸(中間体25)を使用した以外、実施例3の通りに製造した。表題化合物は無色固体であった(24mg)。
【表55】

RT=5.04分、ES+ 445
【0189】
実施例42
(S)−3−モルホリン−4−イルメチル−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ベンズアミド
この物質は、3−モルホリン−4−イルメチル−安息香酸(中間体26)を使用した以外、実施例3の通りに製造した。表題化合物は無色固体であった(24mg)。
【表56】

RT=4.86分、ES+ 455
【0190】
実施例43
(S)−5−モルホリン−4−イルメチル−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル−アミド
この物質は、5−モルホリン−4−イルメチル−イソキサゾール3−カルボン酸(中間体27)を使用した以外、実施例3の通りに製造した。表題化合物は無色固体であった(11mg)。
【表57】

RT=4.75分、ES+ 446
【0191】
実施例44
(S)−3−モルホリン−4−イルメチル−フラン−2−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド
この物質は、3−モルホリン−4−イルメチル−フラン−2−カルボン酸(中間体28)を使用した以外、実施例3の通りに製造した。表題化合物は無色固体であった(20mg)。
【表58】

RT=4.96分、ES+ 445
【0192】
実施例45
(S)−5−ピリジン−2−イル−チオフェン−2−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル−アミド
この物質は、5−ピリジン−2−イル−チオフェン−2−カルボン酸を使用した以外、実施例3の通りに製造した。表題化合物は無色固体であった(32mg)。
【表59】

RT=4.91分、ES+ 439
【0193】
実施例46
(S)−2−メチル−4−(モルホリン−4−スルホニル)−フラン−3−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル−アミド
この物質は、2−メチル−4−(モルホリン−4−スルホニル)フラン−3−カルボン酸を使用した以外、実施例3の通りに製造した。表題化合物は無色固体であった(75mg)。
【表60】

RT=4.90分、ES+ 509
【0194】
実施例47
(S)−6−モルホリン−4−イル−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ニコチンアミド
この物質は、6−モルホリン−4−ニコチン酸を使用した以外、実施例3の通りに製造した。表題化合物は無色固体であった(28mg)。
【表61】

RT=4.59分、ES+ 442
【0195】
実施例48
(S)−3−モルホリン−4−イルメチル−チオフェン−2−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル−アミド
この物質は、3−モルホリン−4−イルメチル−チオフェン−2−カルボン酸(中間体29)を使用した以外、実施例3の通りに製造した。表題化合物は無色固体であった(34mg)。
【表62】

RT=5.02分、ES+ 461
【0196】
実施例49
(S)−5−モルホリン−4−イルメチル−チオフェン−2−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド
この物質は、5−モルホリン−4−イルメチル−チオフェン−2−カルボン酸(中間体30)を使用した以外、実施例3の通りに製造した。表題化合物は無色固体であった(41mg)。
【表63】

RT=5.33分、ES+ 461
【0197】
実施例50
2−モルホリン−4−イル−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)ベンズアミド
この物質は、2−モルホリン−4−イル−安息香酸(49mg)を使用した以外、中間体15と同様に製造した。生成物は無色固体であった(33mg)。
【表64】

RT=5.47、ES+441
【0198】
実施例51
(S)−5−フェニル−オキサゾール−4−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ベンズアミド
THF(3ml)中の(S)−3−アミノ−5−フェニル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−2−オン(60mg)、トリエチルアミン(0.037ml)および5−フェニル−オキサゾール−4−カルボニルクロライド(50mg)を、室温で2時間撹拌した。混合物を次いで水およびジクロロメタンに分配した。乾燥させた有機相を蒸発させ、残渣をシリカゲルSPEカートリッジで精製した。ジクロロメタン:エタノール:0.880アンモニア;400:8:1での溶出により、表題化合物を無色固体として得た(42mg)。
【表65】

RT=5.22、ES+423.49
【0199】
実施例52
1−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−3−(4−フェノキシ−フェニル−ウレア
乾燥THF(4ml)中のラセミ体3−アミノ−5−フェニル−1,3−ジヒドロ−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−2−オン(30mg)および1−イソシアナト−4−フェノキシ−ベンゼン(0.022ml)を、室温で18時間撹拌した。混合物を次いで水およびジクロロメタンに分配した。乾燥させた有機層を蒸発させ、残渣をジクロロメタン/ジエチルエーテルからトリチュレートして、表題化合物を白色固体(25mg)として得た。
【表66】

RT=5.57、ES+463.45
【0200】
実施例53
3−[1−(3−メチル−ブチル)−1H−ベンゾイミダゾル−2−イルメチル]−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾル−1−スルホン酸ジメチルアミド、1−メタンスルホニル−3−[1−(3−メチル−ブチル)−1H−ベンゾイミダゾル−2−イルメチル]−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾル−2−オン、3−[1−(3−メチル−ブチル)−1H−ベンゾイミダゾル−2−イルメチル]−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾル−1−カルボン酸ベンジルアミド、5−{3−[1−(3−メタンスルホニル−プロピル)−1H−ベンゾイミダゾル−2−イルメチル]−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾル−1−イル}−ペンタンニトリル、7−[2−(3−イソプロペニル−2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾイミダゾル−1−イルメチル)ベンゾイミダゾル−1−イル]−ヘプタンニトリル、1−エチル−3−[1−(4−ヒドロキシ−ブチル)−1H−ベンゾイミダゾル−2−イルメチル]−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾル−2−オン、1−エチル−3−[1−(2−ヒドロキシ−2−フェニル−エチル)−1H−ベンゾイミダゾル−2−イルメチル]−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾル−2−オン、1−イソプロペニル−3−[1−(3−オキソブチル)−1H−ベンゾイミダゾル−2−イルメチル]−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾル−2−オン、1−(4−ヒドロキシベンジル)−3−[1−(3−メチル−ブチル)−1H−ベンゾイミダゾル−2−イルメチル]−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾル−2−オン、1−イソプロペニル−3−[1−(3−メチル−ブチル)−1H−ベンゾイミダゾル−2−イルメチル]−1,3−ジヒドロベンゾイミダゾル−2−オン、1−シクロプロピル−3−[1−(4−ヒドロキシ−ブチル)−1H−ベンゾイミダゾル−2−イルメチル]−1,3−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−オンおよび1−イソプロペニル−3−(1−プロピル−1H−ベンゾイミダゾル−2−イルメチル)−1,3−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−オンは、WO00195910に記載の通り製造する。
【0201】
実施例54
{2−[2−(1,2−ジヒドロ−ベンゾトリアゾル−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾル−1−イル]]エチル}−ジエチル−アミンは、WO00004900に記載の通り製造する。
【0202】
実施例55
{2−[2−(3−ヨード−2,3−ジヒドロ−インダゾル−1−イルメチル)−ベンズイミダゾル−1−イル]−エチル}−ジメチル−アミンは、WO03053344に記載の通り製造する。
【0203】
実施例56
ビス(5−アミジノ−2−ベンゾイミダゾリル)−メタンは、US4,324794に記載の通り製造する。
【0204】
実施例57
2−{2−[1−[1−(2−アミノ−エチル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−4−メチル−ベンゾイミダゾル−1−イルメチル}−6−メチル−ピリジン−3−オールは、WO0100612に記載の通り製造する。
【0205】
活性実施例1
RSV融合阻害活性の測定
RSVは宿主細胞に、宿主細胞膜への結合およびそれとの融合を介して侵入する。具体的ウイルス細胞融合事象に対する阻害剤の効果は、蛍光発光システムを使用して定量的に測定できる。
【0206】
このアッセイの設計は、RSVが細胞に4℃および37℃で結合するが、融合は18℃を超える温度(concentration)でしか起こらないとの事実を利用する。
【0207】
オクタデシルローダミン色素(R18)で標識したRSVを、6ウェルプレートに播種したHep−2細胞と1時間、4℃でプレインキュベートし、結合を起こさせる。非結合ウイルスを、細胞単層の洗浄により除去する。阻害剤を次いでウイルス−細胞複合体に添加し、その後プレートを37℃に1時間移し、融合を誘発する。
【0208】
ウイルス細胞融合は、直接、蛍光顕微鏡下で観察できる。蛍光発光は、2個の同一のフルオロフォアが近接にあるときに消光する。標識ウイルスと細胞膜の融合により、フルオロフォア間の距離が色素拡散のために増大し、消光が小さくなる。これは、その後、R18の蛍光強度の増加として観察される。故に、融合の阻害は、非処置コントロールと比較したR18の蛍光の低下に至る。阻害剤存在下でのR18の蛍光収率が非処置コントロールと同等であるならば、これは、阻害剤が融合タンパク質に対してその効果を発揮していないことを示唆するであろう。
【0209】
活性実施例2
RSV複製阻害活性の決定
化合物活性および毒性試験のために、96ウェル組織培養プレートの内側の60ウェルに、Hep−2細胞を100μlの培地中4×10細胞/ウェルで播種し、37℃一晩またはほとんどコンフルエンシーになるまでインキュベートする。
【0210】
細胞を、予め80%の細胞を殺すように力価測定した、25μl RSV、例えばRSS株に感染させる。各ウェルに、25μMの試験化合物を添加する。最終DMSO濃度は0.5%である。幾分かの200μl/mlの滅菌蒸留水をプレートの外側のウェルに添加し、37℃で6日間インキュベートする。幾分かの0.25μl/ml PMSを貯蔵XTT溶液に、最終濃度25μM PMSで添加する。次いで、25μl 温XTT/PMS溶液を各ウェルに添加し、1時間、37℃でインキュベートする。
【0211】
最大OD450nm読み取り(非感染、非処置コントロール細胞)は100%阻害に対応する。最少OD450nm読み取り(感染コントロール細胞)は、0%阻害に対応する。Log10濃度をOD450nmに対してプロットし、IC50値をグラフからの50%値の読み取りまたは回帰分析のいずれかを使用して計算する。
活性実施例3
RSV融合阻害剤および抗RSVベンゾジアゼピンの相乗活性
ELISA実験を、強力なベンゾジアゼピンRSV複製阻害剤2−クロロ−4−モルホリン−4−イル−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ベンズアミドまたは5−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イルメチル)−フラン−2−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド(化合物A)と、1−シクロプロピル−3−[1−(4−ヒドロキシブチル)−1H−ベンゾイミダゾル−2−イルメチル]−1,3−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−オン(化合物B)または1−イソプロペニル−3−(1−プロピル−1H−ベンゾイミダゾル−2−イルメチル)−1,3−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−オン(化合物B)から選択される1種のRSV融合阻害剤の組合せ効果に対して行った。
【0212】
ELISAプロトコール
リンタンパク質(P)に対するマウスモノクローナル抗体、RSVのヌクレオカプシド(N)&融合(F)タンパク質およびウサギ抗マウス−ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)標識二次抗体を使用して、o−フェニレンジアミンジヒドロクロライド(OPD)基質の着色産物への変換を介したRSV抗原の減少を証明した。これは光学密度(OD)測定により定量した。
【0213】
方法
このアッセイは、平底96ウェルプレートの全96ウェルを使用して準備した。外側のウェルは、3日間のアッセイ期間中、内側のウェルよりも著しい量の蒸発は何らなかった。(すなわち、“端効果”は見られなかった)。
プレートをウイルスおよび化合物添加1日前に準備した。アッセイを、次いで3日間行い、ELISA展開を4日目に行った。
【0214】
0日目
アッセイプレート準備
マイクロタイタープレートの全96ウェルに、ダルベッコMEM(DMEM)とGlutamax-1、ピルビン酸ナトリウム、1000mg/l グルコースおよびピリドキシン(Invitrogen、カタログ番号21885-025)から成り10%FBS添加した増殖培地(GM)100μl/ウェル中5×10 Hep−2細胞/ウェルの密度で播種した。(プレート1参照)。
組織培養中、細胞は組織培養フラスコに接着し、37℃、5%COで90%コンフルエントまで増殖させた。
【0215】
単層を20ml 滅菌PBSで洗浄して血清を除去し、1ml トリプシンで処理して、細胞をフラスコから離した。
細胞を小量の既知量の増殖培地中に懸濁し、血球計を使用して計数した。細胞懸濁液を増殖培地中所望の濃度に調整し、ウェルにマルチチャネルピペットにより添加した。短い穏やかな振盪により、細胞がウェル中をより均質に拡散するのを助けた。
【0216】
【表67】

プレートを37℃で5%CO雰囲気下、24時間静置し、その間に細胞は固定し、均質細胞単層を形成した。
【0217】
1日目
ウイルス添加
RSV(Virogen Ltdから提供のRSS株)貯蔵溶液の凍結バイアルを−80℃冷凍庫または液体窒素貯蔵所から出し、増殖培地中既知の感染多重度(m.o.i)まで希釈した。
本m.o.i.は、感染および非感染コントロールウェル間の少なくとも0.8OD単位のウィンドーを達成するのに必要なウイルス投入量としてのウイルス貯蔵の前もっての力価測定(ELISAアッセイ法による)により計算した。
【数1】

【0218】
50μlの希釈したウイルスをマルチチャネルピペットにより感染ウェルに添加した;50μlの増殖培地を、マルチチャネルピペットにより非感染、コントロールウェルに添加した。
【0219】
蓋を離すことになる場合は、プレートを同定するために、プレートの側面を紙片で印をした。
プレートを37℃で1時間インキュベートし、ウイルスを吸着させた。
【0220】
化合物希釈
化合物“A”をプレートの横向きに沿って力価測定し、および化合物“B”をプレートの下側に向かって垂直に力価測定し、市松模様を作製した。本2種の化合物を、1/2−logまたは二倍希釈で、横向き(水平)またはプレートの下方(垂直)に、ウイルス存在下で力価測定した。各化合物希釈はデュプリケートまたはトリプリケートで準備した。トリプリケートについては、3個の同一プレートを準備した。デュプリケートは、同じプレート上の2個のウェルとして準備した。希釈範囲は、本化合物のIC50のちょうど上の濃度から、化合物IC50より低い濃度までカバーし、各化合物の0μMコントロールを含んだ。
【0221】
化合物を別のマイクロタイタープレートで2%DMSO(本アッセイにおける最終DMSO濃度0.5%)含有GM中、8×強度で調整した。25μMの化合物“A”希釈シリーズおよび25μMの化合物“B”希釈シリーズを、次いでマルチチャネルピペットによりアッセイプレートの適切なウェルに、印を付した市松模様に従い、移した。
25μlのGM(2%DMSO含有)を、0μM 化合物“A”または0μM 化合物“B”を入れるウェルに添加した。50μlGM(2%DMSO含有)を、いずれの化合物も含まないウェルに添加した。
【0222】
ウイルス感染させた、非処置ウェルはウイルスコントロール(VC)として役だった;非感染、非処置ウェルは細胞コントロール(CC)として役だった。CCとVCウェルの間の吸光度の際が、アッセイウィンドーを構成する。
プレートを37℃、5%COで3日間インキュベートした。
【0223】
ELISA段階
4日目
培地をウェルから直接Virkon(1%水溶液)に引き出し、プレートをPBSを含むプラスチック箱に浸漬することにより洗浄した。
50μl/ウェルの75%/25%vol/volアセトン/メタノール固定剤をマルチチャネルピペットにより添加し、3分放置した。
アセトン/メタノールをウェルからVirkonに傾捨し、PBSで上記の通り洗浄した。
【0224】
幾分かのウェル当たり200μl 遮断溶液(0.05%Tween含有PBS中2%Marvel)をマルチチャネルピペットにより添加した。プレートを37℃で振盪インキュベーター中、60分インキュベートした。
【0225】
遮断溶液を流しに廃棄し、希釈した一次抗体を直接ウェルに添加した(すなわち、洗浄を必要としない)。
RSVマウスモノクローナル抗体NCL−RSV3(Novocastra)をPBS/2%Marvel/0.05%Tween中1/400に希釈し、50μlをウェルあたり添加した。プレートを37℃で振盪インキュベーター中、90分インキュベートした。
【0226】
抗体を流しに廃棄し、プレートをPBS/0.05%Tweenへの浸漬により4回洗浄した。
DAKOウサギ抗マウスHRP標識(DAKOカタログ番号P0260)を、PBS/2%Marvel/0.05%Tween中1/1000に希釈し、50μlをウェルあたり添加した。プレートを37℃で振盪インキュベーター中、60分インキュベートした。
【0227】
抗体を流しに廃棄し、プレートをPBS/0.05%Tweenへの浸漬により6回洗浄した。
【0228】
基質(SigmaFast OPD)を、前もって1個のウレア錠を20mL 水に溶解することにより調製した。1個のOPD錠を、ウレア溶液に使用直前に添加し(注。OPDは光感受性)、ボルテックス処理して混合した。50μlの基質をウェルあたり添加した。
【0229】
反応を、25μl/ウェルの20%硫酸の添加により停止させ、十分な色が発色したが、その間細胞コントロールバックグラウンドは低いままであった(〜5分)。
【0230】
プレートをSpectraMax (Molecular Devices)分光光度計で490nm波長で読み取り、SOFTmax Proソフトウェアパッケージを使用した。
【0231】
ウェルを空にし、水道水で洗浄し、単層を50μl/ウェルの20%メタノール/水中2%クリスタルバイオレットで少なくとも1時間染色した。ウェルを、次いで洗浄し、空気乾燥させて、単層を顕微鏡下で細胞毒性の指標について試験した。
【0232】
結果
SOFTmaxデータファイルをExcelに移した。データ処理は、用量応答曲線をグラフにプロットし、得られる曲線からIC50を計算するための社内で記載のExcelテンプレートを使用した。
【0233】
全ての重複ウェルを平均した。アッセイウィンドーを、平均細胞コントロール(CC)を平均ウイルスコントロール(VC)から減算することにより計算した。各化合物について、平均CCを各濃度点での平均値から減算した。コントロールの%を次いで本ウィンドーのパーセンテージとして、各濃度点について計算した。コントロールの%を、化合物濃度に対してプロットした。直線を本曲線に適合させ、傾斜および切片関数をIC50の計算に使用した。
【0234】
化合物“A”のIC50を化合物“B”の各背景濃度について計算した。同様に、化合物“B”のIC50を化合物“A”の各背景濃度について計算した。
【0235】
実施例3a
2−クロロ−4−モルホリン−4−イル−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ベンズアミド(化合物A)と1−シクロプロピル−3−[1−(4−ヒドロキシ−ブチル)−1H−ベンゾイミダゾル−2−イルメチル]−1,3−ジヒドロイミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−オン(化合物B)の組み合わせ
化合物Aは、RSV RSS株に対して1.6μMのELISA IC50を有する。
化合物Bは、RSV RSS株に対して0.015μMのELISA IC50を有する。
【0236】
組み合わせて、そのIC50より低い化合物Aの濃度で、化合物BのIC50は0.015μMから、少なくとも0.003μMまで低下する(5倍減少)。そのIC50より低い化合物Bの濃度で、化合物AのIC50は1.6μMから少なくとも1μMまで低下する(1.6倍減少)。
【0237】
実施例3b
5−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イルメチル)−フラン−2−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド(化合物A)と1−シクロプロピル−3−[1−4−ヒドロキシ−ブチル)−1H−ベンゾイミダゾル−2−イルメチル]−1,3−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−オン(化合物B)の組み合わせ
化合物Aは、RSV RSS株に対して3.5μMのELISA IC50を有する。
化合物Bは、RSV RSS株に対して0.06μMのELISA IC50を有する。
【0238】
組み合わせて、そのIC50より低い化合物Aの濃度で、化合物BのIC50は0.06μMから少なくとも0.006μMまで低下する(10倍減少)。そのIC50より低い化合物Bの濃度で、化合物BのIC50は3.5μMから少なくとも0.312μMまで低下する(11.2倍減少)。
【0239】
下記式は、相乗的相互作用の同定に使用できる。
FIC=対比阻害濃度(Fractional inhibitory concentration)
化合物組み合わせ(化合物A+化合物B)の活性と、化合物単独(化合物Aまたは化合物B)の活性を比較する。
【数2】

ここで、FIC値 < 0.5 相乗
0.5−1.0 相加
1.0−2.0 不偏
>2.0 拮抗
【0240】
2−クロロ−4−モルホリン−4−イル−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ベンズアミドと1−シクロプロピル−3−[1−(4−ヒドロキシブチル)−1H−ベンゾイミダゾル−2−イルメチル]−1,3−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−オンの組合せのFIC:0.3
【0241】
5−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イルメチル)−フラン−2−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド(化合物A)と1−シクロプロピル−3−[1−(4−ヒドロキシ−ブチル)−1H−ベンゾイミダゾル−2−イルメチル]−1,3−ジヒドロイミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−オンのFIC:0.14

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬学的に許容される担体または希釈剤と:
(a)RSV融合タンパク質の阻害剤;および
(b)RSV複製を阻止できるベンゾジアゼピン誘導体
を含む、医薬組成物。
【請求項2】
成分(b)が式(V)
【化1】

〔式中、
− RはC−Cアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;
− Rは水素またはC−Cアルキルであり;
− 各Rは、同一または異なり、そしてハロゲン、ヒドロキシ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルチオ、C−Cハロアルキル、C−Cハロアルコキシ、アミノ、モノ(C−Cアルキル)アミノ、ジ(C−Cアルキル)アミノ、ニトロ、シアノ、−COR'、−CONR'R"、−NH−CO−R'、−S(O)R'、−S(O)R'、−NH−S(O)R'、−S(O)NR'R"または−S(O)NR'R"であり、ここで、各R'およびR"は、同一または異なり、そして水素またはC−Cアルキルであり;
− nは0から3であり;
− Rは水素またはC−Cアルキルであり;
− Xは−CO−、−CO−NR'−、−S(O)−または−S(O)−であり、ここで、R'は水素またはC−Cアルキルであり;そして
− RはC−Cヒドロキシアルキル基もしくは−(C−Cアルキル)−X−(C−Cアルキル)−X−(C−Cアルキル)基で置換されているアリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリル基であり、ここで、Xは−O−、−S−または−NR'−であり、ここでR'はHまたはC−Cアルキル基であり、そしてXは−CO−、−SO−または−SO−であるか、またはRは−A−Y−Aであり、ここで:
− Aはアリール、ヘテロアリール、カルボシクリルまたはヘテロシクリル基であり;
− Yは直接結合またはC−Cアルキレン、−SO−、−CO−、−O−、−S−または−NR'−部分であり、ここで、R'はC−Cアルキル基であり;そして
− Aはアリール、ヘテロアリール、カルボシクリルまたはヘテロシクリル基である。〕
の化合物、または薬学的に許容されるその塩である、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
がC1−2アルキルまたはフェニルである、請求項2記載の組成物。
【請求項4】
が水素である、請求項2または3記載の組成物。
【請求項5】
がハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、C1−4ハロアルキル、C1−4ハロアルコキシ、アミノ、モノ(C1−4アルキル)アミノまたはジ(C1−4アルキル)アミノである、請求項2から4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
がフッ素、塩素、臭素、C1−2アルキル、C1−2アルコキシ、C1−2アルキルチオ、C1−2ハロアルキル、C1−2ハロアルコキシ、アミノ、モノ(C1−2アルキル)アミノまたはジ(C1−2アルキル)アミノである、請求項5記載の組成物。
【請求項7】
が水素またはC1−2アルキルである、請求項2から6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
Xが−CO−または−CO−NR'であり、ここで、R'が水素またはC1−2アルキル基である、請求項2から7のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
が、C−Cヒドロキシアルキル基または−(C−Cアルキル)−X−(C−Cアルキル)−X−(C−Cアルキル)基(ここで、XおよびXは請求項2で定義の通り)で置換されている、5または6員ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリール環である、請求項2から8のいずれかに記載の組成物。
【請求項10】
が、−CH−OHまたは−(C−Cアルキル)−NR'−(C−Cアルキル)−S(O)−(C−Cアルキル)置換基(ここで、R'は水素またはC−Cアルキルである)で置換されている5または6員ヘテロアリール基である、請求項9記載の組成物。
【請求項11】
がアリールまたはヘテロアリール基である、請求項2から10のいずれかに記載の組成物。
【請求項12】
がフェニル基、単環式5もしくは6員ヘテロアリール基または単環式オキソ置換5または6員ヘテロシクリル基に縮合した5もしくは6員ヘテロアリール基である、請求項11記載の組成物。
【請求項13】
が、非置換であるか、またはハロゲン、シアノ、ニトロ、C−Cアルキル、C−CハロアルキルおよびC−Cアルコキシ置換基から選択される1個または2個の置換基で置換されている、請求項2から12のいずれかに記載の組成物。
【請求項14】
Yが直接結合、C−Cアルキレン基、−SO−または−O−である、請求項2から13のいずれかに記載の組成物。
【請求項15】
がフェニル、5または6員ヘテロアリール、5または6員ヘテロシクリルまたはC−Cシクロアルキル基である、請求項2から14のいずれかに記載の組成物。
【請求項16】
がヘテロシクリル基であるとき、それが部分YにN原子を介して結合している、請求項2から15のいずれかに記載の組成物。
【請求項17】
が非置換であるか、またはAがヘテロアリールまたはアリール基であるとき、C−Cアルキルおよびハロゲン置換基から選択される1個または2個の置換基で、およびAが炭素環式またはヘテロシクリル基であるとき、C−Cアルキル、ハロゲンおよびオキソ置換基から選択される1個または2個の置換基で置換されている、請求項2から16のいずれかに記載の組成物。
【請求項18】
がピペラジニル、ピリジル、モルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピラジニル、シクロプロピル、フェニルまたはS,S−ジオキソチオモルホリノ基であり、これらは非置換であるか、またはC−Cアルキル基で置換されている、請求項2から17のいずれかに記載の組成物。
【請求項19】
式(V)のベンゾジアゼピン誘導体が、式(Va):
【化2】

〔式中、
− Xが−CO−または−CO−NH−であり;そして
− Rが5または6員ヘテロアリール基、例えばフラニル基であり、これは非置換であるか、または−CH−OHまたは−(C−Cアルキル)−N(CH)−(C−Cアルキル)−SO−(C−Cアルキル)により置換されているか、またはRは−A−Y−Aであり、ここで:
− Aはフェニル、ピリジル、フラニル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チエニルまたは1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−(3H)−オン部分であり、これは非置換であるか、またはハロゲン、シアノ、C−Cアルキル、C−CハロアルキルおよびC−Cアルコキシ置換基から選択される1個または2個の置換基で置換されており;
− Yは直接結合、C−Cアルキレン基、−SO−または−O−であり;そして
− Aはピペラジニル、ピリジル、モルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピラジニル、シクロプロピル、フェニルまたはS,S−ジオキソ−チオモルホリノ基であり、これは非置換であるか、またはC−Cアルキル基で置換されている。〕
のベンゾジアゼピン誘導体である、請求項2から18のいずれかに記載の組成物。
【請求項20】
式(V)のベンゾジアゼピン誘導体が:
6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ニコチンアミド;
3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2']ビピリジニル−5'−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド;
(S)−2−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル−ベンズアミド;
(S)−2−クロロ−4−モルホリン−4−イル−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ベンズアミド;
(S)−2−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−4−フルオロ−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル−ベンズアミド;
(S)−5−クロロ−2−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ベンズアミド;
(S)−2−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−5−フルオロ−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ベンズアミド;
(S)−5−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−フラン−2−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド;
(S)−5−ピロリジン−1−イルメチル−フラン−2−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド;
(S)−5−ピペリジン−1−イルメチル−フラン−2−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド;
(S)−5−ジメチルアミノメチル−フラン−2−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド;
(S)−4−フルオロ−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−2−ピペリジン−1−イル−ベンズアミド;
(S)−4−フルオロ−2−モルホリノ−4−イル−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ベンズアミド;
(S)−4−シアノ−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−2−ピロリジン−1−イル−ベンズアミド;
(S)−4−シアノ−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ピペリジン−1−イル−ベンズアミド;
(S)−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−2−ピロリジン−1−イル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド;
(S)−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−2−ピペリジン−1−イル−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド;
(S)−2−モルホリン−4−イル−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−4−トリフルオロメチル−ベンズアミド;
(S)−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−2−ピロリジン−1−イル−5−トリフルオロメチル−ベンズアミド;
(S)−2−モルホリン−4−イル−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−5−トリフルオロメチル−ベンズアミド;
(S)−2−モルホリン−4−イル−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ニコチンアミド;
(S)−2−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ニコチンアミド;
(S)−2−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−2−メチル−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ベンズアミド;
(S)−2−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−4−メチル−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ベンズアミド;
(S)−2−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−6−メチル−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ベンズアミド;
(S)−2−クロロ−6−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ベンズアミド;
(S)−3−シクロプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−1−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド;
(S)−3−(4−メチル−ピペラジン−1−スルホニル)−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ベンズアミド;
(S)−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ベンズアミド;
(S)−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−3−(ピペリジン−1−スルホニル)−ベンズアミド;
(S)−3−(モルホリン−4−スルホニル)−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ベンズアミド;
(S)−5−モルホリン−4−イルメチル−フラン−2−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド;
(S)−5−ヒドロキシメチル−フラン−2−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド;
(S)−5−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イルメチル)−フラン−2−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド;
(S)−2−クロロ−4−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ベンズアミド;
(S)−2−クロロ−5−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イル)−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ベンズアミド;
(S)−5−{[(2−メタンスルホニル−エチル)−メチル−アミノ]−メチル}−フラン−2−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル−アミド;
(S)−2−ピリジン−3−イル−チアゾール−4−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド;
(S)−2−ピリジン−4−イル−チアゾール−4−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド;
(S)−4−メチル−2−ピラジン−2−イル−チアゾール−5−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド;
(S)−2−モルホリン−4−イルメチル−フラン−3−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド;
(S)−3−モルホリン−4−イルメチル−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ベンズアミド;
(S)−5−モルホリン−4−イルメチル−イソキサゾール−3−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド;
(S)−3−モルホリン−4−イルメチル−フラン−2−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド;
(S)−5−ピリジン−2−イル−チオフェン−2−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド;
(S)−2−メチル−4−(モルホリン−4−スルホニル)−フラン−3−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド;
(S)−6−モルホリン−4−イル−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)ニコチンアミド;
(S)−3−モルホリン−4−イルメチル−チオフェン−2−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド;
(S)−5−モルホリン−4−イルメチル−チオフェン−2−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド;
2−モルホリン−4−イル−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)ベンズアミド;
(S)−5−フェニル−オキサゾール−4−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミド;
1−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−3−(4−フェノキシ−フェニル)−ウレア
上記化合物のいずれかのN−オキシド;
または薬学的に許容されるそれらの塩である、請求項2記載の組成物。
【請求項21】
式(V)のベンゾジアゼピン誘導体が(S)−5−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イルメチル)−フラン−2−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミドまたは(S)−2−クロロ−4−モルホリン−4−イル−N−(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−ベンズアミドまたは薬学的に許容されるそれらの塩である、請求項2記載の組成物。
【請求項22】
式(V)のベンゾジアゼピン誘導体が(S)−5−(1,1−ジオキソ−1λ6−チオモルホリン−4−イルメチル)−フラン−2−カルボン酸(2−オキソ−5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン−3−イル)−アミドまたは薬学的に許容されるそれらの塩である、請求項21記載の組成物。
【請求項23】
成分(a)が、式(I)
【化3】

− XはHまたはC−Cアルキルであり;該C−Cアルキルが所望によりハロゲン、OCORまたはS(O)n−C−Cアルキルで置換されていてよく;
− YはR、NR、NCOR、=N−OR、−CONHR、COOR、−OR、アリール、ヘテロアリール、シクリルまたはヘテロシクリルであり、ここで、RおよびRはHまたはC−Cアルキルであり;
− ZはCRであり、ここで、RおよびRは独立してHであるかまたは直鎖、分枝鎖もしくは環状C−Cアルキルであり;
− nは1−6であり;
− RはCONR、COまたはC−Cアルキルであり、該C−Cアルキルは、所望によりORまたはNRで置換されていてよく;
− RおよびRは、各々独立してH、C−Cアルキル、SO、COまたはCORであり;
− RはNH、CONR、ヘテロアリール、C2−6アルケニル、CO、N=CPh、C(=NH)NHおよびC−Cアルキルから選択され;該アルキルは、所望によりハロゲン、CN、NR1011、OSOおよびORから成る群から選択されるメンバーで置換されていてよく;
− RおよびR10は、各々独立してH、C−Cアルキル、C3−6シクロアルキル、CO、CORおよびSOから成る群から選択され;
− Rは(1)CO;(2)所望によりCN、ORまたはNRで置換されていてよいC−Cアルキル;および(3)CNで置換されているC2−6アルケニルから成る群から選択され;
− Qは
【化4】

(式中、Aは所望によりH、ハロゲン、直鎖、分枝鎖もしくは環状C−Cアルキル、C2−6アルケニル、CO、アリールまたはC3−6シクロアルキルで置換されていてよいCまたはNである。ここで、Aが炭素であるとき、それは所望により二重結合を介してOまたはSで置換され得る;
BはCまたはNである;BがCであるとき、それは所望によりH、C−Cアルキル、NO、CN、ハロゲン、COR、COOR、CONHRC(=NH)NHまたはC(=NOH)NHで置換され得る)
から成る群から選択されるメンバーである。〕
の化合物、または薬学的に許容されるその塩である、請求項1から22のいずれかに記載の組成物。
【請求項24】
成分(a)が、R、RおよびRの少なくとも2個が水素であり、他が水素または−C(NH)NHであるおよび/または−X−YがHであるか、またはXが非置換であるかまたはヒドロキシ基で置換されているC−Cアルキレン基であり、そしてYがH、OH、CN、−NR'R"、−COR'、−SOR'またはフェニルであり、ここで、R'およびR"は、同一または異なり、そしてC−Cアルキル基であるおよび/またはZが−CH−であるおよび/またはQが
【化5】

〔式中、Bは−CH−または−N−であり、Aは−C(O)−または−NH−であり、そしてAは−CH−、−CHR'−または−NR"−であり、ここで、R'はハロゲン原子であり、そしてR"は水素原子またはC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cシクロアルキル、−SO−(C−Cアルキル)、−SO−N(C−Cアルキル)または−(CO−NH)−(C−Cアルキル)−フェニル基であり(ここで、aは0または1である)、この基は非置換であるか、またはヒドロキシもしくはシアノ置換基で置換されている。〕
の部分である、上記で定義の式(I)の化合物または、薬学的に許容されるその塩である、請求項23記載の組成物。
【請求項25】
成分(a)が式(II)
【化6】

〔式中、
− Lは−CH−または−CHR−CO−であり
− 各Xは、同一または異なり、そしてCHまたはNであり;
− 各Rは、同一または異なり、そしてC−Cアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、フェニルまたは(CH)=NHであり;
− nは1または2であり;
− RはC−CアルコキシまたはC−Cアルコキシ−フェニルであり;
− RはC−Cアルキルであり;
− Lは−CH−または−NH−であり;
− YはC−CアルキルまたはC−Cアルケニルであり;
− ZはH、N(R)、−C(=O)−R、−C(=CH)−R、−CH(OH)−R、−CH(CH)−R、−CH(OCH)−Rであり;
− 各Rは、同一または異なり、そしてH、C−Cアルキルであり;
− RはC−Cアルキル−カルボニル、アミノ、ヒドロキシル、アリール、ヘテロアリール、カルボシクリル、ヘテロシクリルであり;そして
− m=1−6である。〕
の化合物、または薬学的に許容されるその塩である、請求項1から22のいずれかに記載の組成物。
【請求項26】
成分(a)が:
1−シクロプロピル−3−[1−(4−ヒドロキシ−ブチル)−1H−ベンゾイミダゾル−2−イルメチル]−1,3−ジヒドロイミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−オン
{2−[2−(1,2−ジヒドロ−ベンゾトリアゾル−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾル−1−イル]]エチル}−ジエチルアミン
{2−[2−(3−ヨード−2,3−ジヒドロ−インダゾル−1−イルメチル)−ベンズイミダゾル−1−イル]−エチル}−ジメチルアミン
1−イソプロペニル−3−[1−(3−メチル−ブチル)−1H−ベンゾイミダゾル−2−イルメチル]−1,3−ジヒドロベンゾイミダゾル−2−オン
1−(4−ヒドロキシ−ベンジル)−3−[1−(3−メチル−ブチル)−1H−ベンゾイミダゾル−2−イルメチル]−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾル−2−オン
1−イソプロペニル−3−[1−(3−オキソ−ブチル)−1H−ベンゾイミダゾル−2−イルメチル]−1,3−ジヒドロベンゾイミダゾル−2−オン
1−エチル−3−[1−(2−ヒドロキシ−2−フェニル−エチル)−1H−ベンゾイミダゾル−2−イルメチル]−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾル−2−オン
1−エチル−3−[1−(4−ヒドロキシ−ブチル)−1H−ベンゾイミダゾル−2−イルメチル]−1,3−ジヒドロベンゾイミダゾル−2−オン
7−[2−(3−イソプロペニル−2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾイミダゾル−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾル−1−イル]−ヘプタンニトリル
5−{3−[1−(3−メタンスルホニル−プロピル)−1H−ベンゾイミダゾル−2−イルメチル]−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾル−1−イル}−ペンタンニトリル
3−[1−(3−メチル−ブチル)−1H−ベンゾイミダゾル−2−イルメチル]−2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾイミダゾル−1−カルボン酸ベンジルアミド
1−メタンスルホニル−3−[1−(3−メチル−ブチル)−1H−ベンゾイミダゾル−2−イルメチル]−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾル−2−オン
3−[1−(3−メチル−ブチル)−1H−ベンゾイミダゾル−2−イルメチル]−2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾイミダゾル−1−スルホン酸ジメチルアミド
1−イソプロペニル−3−(1−プロピル−1H−ベンゾイミダゾル−2−イルメチル)−1,3−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−オン
ビス(5−アミジノ−2−ベンゾイミダゾリル)−メタン
2−{2−[1−[1−(2−アミノ−エチル)−ピペリジン−4−イルアミノ]−4−メチル−ベンゾイミダゾル−1−イルメチル}−6−メチル−ピリジン−3−オール
または薬学的に許容されるそれらの塩である、請求項1から22のいずれかに記載の組成物。
【請求項27】
成分(a)が1−シクロプロピル−3−[1−(4−ヒドロキシ−ブチル)−1H−ベンゾイミダゾル−2−イルメチル]−1,3−ジヒドロイミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−オン、{2−[2−(1,2−ジヒドロ−ベンゾトリアゾル−1−イルメチル)−ベンゾイミダゾル−1−イル]]エチル}−ジエチル−アミン、{2−[2−(3−ヨード−2,3−ジヒドロ−インダゾル−1−イルメチル)−ベンズイミダゾル−1−イル]−エチル}−ジメチル−アミンまたは薬学的に許容されるそれらの塩である、請求項1から22のいずれかに記載の組成物。
【請求項28】
成分(a)が1−シクロプロピル−3−[1−(4−ヒドロキシ−ブチル)−1H−ベンゾイミダゾル−2−イルメチル]−1,3−ジヒドロイミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−オンまたは1−イソプロペニル−3−(1−プロピル−1H−ベンゾイミダゾル−2−イルメチル)−1,3−ジヒドロ−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−オンまたは薬学的に許容されるそれらの塩である、請求項1から22のいずれかに記載の組成物。
【請求項29】
成分(a)が0.025wt%から10wt%の量で含まれている、請求項1から28のいずれかに記載の組成物。
【請求項30】
成分(b)が0.025wt%から10wt%の量で含まれている、請求項1から29のいずれかに記載の組成物。
【請求項31】
ヒトまたは動物の処置に使用するための、請求項1から30のいずれかに記載の組成物。
【請求項32】
(a)請求項1および23から28のいずれかに定義のRSV融合タンパク質阻害剤;および
(b)請求項1から22のいずれかに定義のベンゾジアゼピン誘導体
の、RSV感染の処置または予防用薬剤の製造における使用。
【請求項33】
薬剤が請求項29または30に定義の組成物である、請求項32記載の使用。
【請求項34】
(a)請求項1および23から28のいずれかに定義のRSV融合タンパク質阻害剤;および
(b)請求項1から22のいずれかに定義のベンゾジアゼピン誘導体
を含む、ヒトまたは動物の処置に別々に、同時にまたは連続して使用するための、製品。
【請求項35】
RSV感染の処置または予防において別々に、同時にまたは連続して使用するための、請求項34記載の製品。
【請求項36】
患者におけるRSV感染の処置または予防法であって、該患者に
(a)請求項1および23から28のいずれかに定義のRSV融合タンパク質阻害剤;および
(b)請求項1から22のいずれかに定義のベンゾジアゼピン誘導体
を投与することを含む、方法。
【請求項37】
請求項1から22のいずれかに定義のベンゾジアゼピン誘導体と併用投与することによる、請求項1および23から28のいずれかに定義のRSV融合タンパク質阻害剤の、RSV感染の処置または予防用薬剤の製造における使用。
【請求項38】
請求項1および23から28のいずれかに定義のRSV融合タンパク質阻害剤と併用投与することによる、請求項1から22のいずれかに定義のベンゾジアゼピン誘導体の、RSV感染の処置または予防用薬剤の製造における使用。

【公表番号】特表2007−529491(P2007−529491A)
【公表日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−503412(P2007−503412)
【出願日】平成17年3月18日(2005.3.18)
【国際出願番号】PCT/GB2005/001029
【国際公開番号】WO2005/089771
【国際公開日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(505100089)アロー セラピューティクス リミテッド (9)
【Fターム(参考)】