説明

ベンゾフランの製造のための新規方法

本発明は、ジヒドロ葉酸レダクターゼ阻害剤の式Iの化合物の製造のための新規方法に、およびこの方法における有益な中間体に関する。式Iの化合物は、有益な抗菌特性を有する。本化合物は、ヒトおよび非ヒトの両方の哺乳類における感染症の制御または予防に使用することができる。特に、これは、多耐性グラム陽性菌に対して、およびたとえばニューモシステイス・カリニ(Pneumocystis carinii)などの日和見病原体に対してさえも顕著な抗菌活性を示す。また、本化合物は、抗菌活性が既知の物質と組み合わせて投与することができ、これらの一部との相乗効果を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、ジヒドロ葉酸レダクターゼ阻害剤に関連した、式Iの化合物の製造のための新規方法に、
【化1】

およびこの方法における有益な中間体に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
式Iの化合物は、有益な抗菌特性を有する。本化合物は、ヒトおよび非ヒトの両方の哺乳類における感染症の制御または予防に使用することができる。特に、これは、多耐性グラム陽性菌に対して、およびたとえばニューモシステイス・カリニ(Pneumocystis carinii)などの日和見病原体に対してさえも顕著な抗菌活性を示す。また、本化合物は、抗菌活性が既知の物質と組み合わせて投与することができ、これらの一部との相乗効果を示す。
【0003】
典型的な組み合わせパートナーは、たとえばスルホンアミドまたはたとえばプテリジン誘導体などの葉酸生合成に関与するその他の酵素の阻害剤である。
【0004】
式Iの化合物を製造する現法は、特許文献1に記述されている。この方法の主な欠点は、合成が長く、従って全収率が低いことである。大部分の中間体は、結晶性でなく、この合成は、市販量を製造するためには経済的にあまり魅力的でなくなってしまう。加えて、いくつかの高価な試薬を回収することができない。
【0005】
従って、より高い全収率で、かつ中間体の数を減少して、単離して、精製することができる式Iの化合物を製造するための方法に対する需要がある。本目的は、全ての単離された中間体が結晶性であり、クロマトグラフィーを必要としない方法である。加えて、本方法は、通常の中間体および安価な出発原料から構造Iの化合物に関連した化合物を合成することができる。
【0006】
【特許文献1】特許出願PCT/EP 2004/007482号
【発明の開示】
【0007】
発明の概要
本発明は、式6の中間体から式Iの化合物を製造するための方法を提供する。
【0008】
【化2】

式3の中間体は、容易に入手できる出発原料1から、3工程で合成される(スキーム1)。1のジアミノピリミジン置換基をR. J. Griffin et al., J. Chem. Soc. Perkin Trans I, 1811 (1992)に従って選択的に保護して、式2の化合物を導き、次にこれを式3の化合物にホルミル化する(スキーム1)。
【化3】

【0009】
式3の化合物を得るもう一つの経路をスキーム2に示してある。式4の化合物をジアミノピリミジン基にて式5の化合物に、続いて5のカルボニル化によって構造3の中間体へと保護する(スキーム2)。
【化4】

【0010】
式3の化合物を選択的脱メチルによって式6の重要な中間体に変換する(スキーム3)。
【化5】

【0011】
化合物Iの合成は、式10または12のさらなる中間体に値する。式10/12の化合物は、市販の式7の化合物から合成される(たとえば、Fluka AGまたはBiosynth AGから入手可能)。これを式8の化合物にアセチル化する。式8の化合物をトシル-クロリドでN保護して式9の化合物を得て、その後のブロム化で式10の化合物を得たか、または式8の化合物を最初に式11の化合物にブロム化して、続いてジ-tert-ブチルジカルボナートで化合物12にN保護する(スキーム4)。
【化6】

【0012】
式10または12のいずれかのブロモケトンと式6の化合物のフェノール基におけるアルキル化およびその後の環化により、それぞれ式13または15のフラン誘導体を導く。式13および15の化合物を式14の化合物に脱保護する(スキーム5)。
【化7】

【0013】
式13または15の化合物のケトカルボニル基をメチレン基に変換し、それぞれ式16または17の化合物を得る(スキーム6)。
【化8】

【0014】
化合物14のケトカルボニル基の変換により、直接式Iの標的化合物に導く。また、アルコール14Aを経た2工程で還元を行うことができる(スキーム7)。
【化9】

【0015】
また、式16および17の化合物の脱保護により、直接式Iの化合物を導く(スキーム8)。
【化10】

【0016】
式Iの化合物は、事実上塩基性であり、必要に応じて、酸で薬学的に許容される塩に変換することができる。適切な酸は、たとえば塩酸、マレイン酸、コハク酸、L(+)-乳酸、DL-乳酸、グリコール酸、1-ヒドロキシ-ナフタレン-2-カルボン酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸である。最も好ましくは、カルボン酸である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
発明の詳細な記載
本発明の方法は、多くの利点を提供し、特許出願PCT/EP 2004/007482号に記載されているように、式Iの化合物を合成する現法を上回る改善がある。式1および7の対応する出発原料は、大量に市販されている。
【0018】
式Iの化合物を製造するための中心的な式6の中間体は、スキーム1〜3に示した反応順序に従って製造してもよい。トリメトプリム1の保護A1は、トルエン、p-キシレンのような不活性な高温煮沸溶媒中で、または単なる酸無水物中で、酸無水物、たとえば無水酢酸、イソブチル酸無水物またはピバロイル酸無水物と共に式1の化合物を約120℃〜160℃まで加熱することによって行うことができる。保護されたトリメトプリム2の形成B1は、ジクロロメチル-メチルエーテルおよびルイス酸、たとえば四塩化スズと共に、不活性溶媒、たとえばジクロロメタン、ジクロロエタン、好ましくはジクロロメタン中で、0℃〜-30℃にて、好ましくは-10℃にて達成することができる。あるいは、式3の化合物は、また、トルエン、p-キシレンのような不活性な高温煮沸溶媒中で、または単なる酸無水物、好ましくはメチル-プロピオン酸無水物中で、約120℃〜160℃までで、酸無水物、たとえば無水酢酸、メチル-プロピオン酸無水物またはピバロイル酸無水物と化合物4の保護A2を経て合成することができる。式5の化合物のカルボニル化B2は、不活性雰囲気および溶媒、たとえばテトラヒドロフラン中で、60℃〜80℃にて触媒としてのパラジウムテトラキス、一酸化炭素およびトリ-ブチル水素化スズで遂行することができる。選択的脱メチル化A3は、不活性溶媒、たとえばジクロロメタン、アセトニトリル中で、三塩化アルミニウム、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、二塩化マンガン、二ヨウ化マンガンのようなルイス酸、好ましくは三塩化アルミニウムと求核試薬、たとえばヨウ化ナトリウム、硫化ジメチル、硫化ジエチル、テトラヒドロチオフェン、好ましくはヨウ化ナトリウムとを組み合わせて、40℃までの室温にて行うことができる。
【0019】
近似した式Iの化合物の合成ストラテジーは、式10または12のさらなる中間体に値する。式7の出発材料を塩化アセチルおよび三塩化アルミニウムまたは四塩化スズのようなルイス酸で外界温度にて式8の中間体にアセチル化する(A4)。式8の化合物は、最初に不活性溶媒中で室温にてトリエチルアミン、ピリジンのような塩基と共に塩化スルホニル、たとえば塩化ベンジルまたは塩化p-トルエン-スルホニルで窒素を式9の化合物へと保護することにより(B4)、続いてたとえば臭素、N-ブロモスクシンイミド、銅(II)ブロミド、好ましくはアセチル基の臭素で式10の化合物へとブロム化(C4)することによるか、または最初にジオキサンのような不活性溶媒中で室温にて、たとえば臭素、N-ブロモスクシンイミド、好ましくは臭素で8を式11の化合物へとブロム化(B5)すること、並びにその後に触媒としての4-ジメチルアミノ-ピリジンと共に、外界温度にて、ジ-tert-ブチルジカルボナートおよびピリジン塩基、たとえば2,6-ジメチル-ピリジンで式12の化合物へと保護(C5)することにより、変換することができる。
【0020】
式6の化合物の式10(A6)または12(A7)のいずれかの化合物でのアルキル化およびその後の40℃までの外界温度における、好ましくは室温における、不活性溶媒、たとえばジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、好ましくはテトラヒドロフラン中での炭酸ナトリウム、カリウム三級ブトキシド、好ましくはカリウム三級ブトキシドのような塩基での環化により、それぞれ式13、15の化合物を導く。式13および15の両方の化合物を、40℃〜80℃において、好ましくは50℃において、溶媒、たとえばテトラヒドロフラン、メチルアルコール、好ましくはテトラヒドロフランと水の混合物中で、ナトリウムまたは水酸化カリウム、好ましくは水酸化ナトリウムのような強塩基で式14の化合物に脱保護させる(B6、B7)。
【0021】
スキーム6に示したように、式13および15の化合物のケトン官能基の還元A8、A9のそれぞれを、それぞれ外界温度にてトリメチル-シランのトリフルオロ酢酸溶液で達成して、構造16および17の化合物を導くことができる。
【0022】
式14の化合物のケト官能基の還元A10を、還元剤、たとえば水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素亜鉛、アセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、好ましくはシアノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化ホウ素亜鉛で、メタノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンまたはこれらの混合物、好ましくはイソプロパノールまたはテトラヒドロフランのような有機溶媒中で、還元剤に応じて-20℃〜70℃の範囲の温度にて行って、標的化合物Iを導くことができる。または、-20℃での水素化ホウ素ナトリウムで、または室温におけるルテニウム触媒での、式14の化合物の中間体アルコール14Aへの2工程の還元B10およびC10、並びにその後の触媒としての三フッ化ホウ素またはトリフルオロ酢酸と共に0℃における水素化ホウ素ナトリウムでの最終化合物Iへの還元を経る。
【0023】
式16および17の化合物の脱保護A11およびA12を、4 0℃〜80℃にて、好ましくは50℃にて、ナトリウムまたは水酸化カリウムのような強塩基、好ましくは水酸化ナトリウムと共に、有機溶媒、たとえばテトラヒドロフラン、メチルアルコール、好ましくはテトラヒドロフランと水との混合物中で達成して、標的化合物Iを導くことができる。
【0024】
式2、3、5、6、8〜17の化合物は、新規であり、かつ本発明の目的でもある。これらは、スキーム1〜8に説明した反応順序に従って製造することができる。スキーム1〜8で概説した化合物の製造は、さらに実施例においてさらに詳細に記述してある。
【0025】
すでに述べたとおり、式Iの化合物またはこれらの薬学的に許容される塩は、有益な抗細菌性を有する。これらの化合物は、細菌ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)を阻害する際のこれらの活性により、たとえば黄色ブドウ球菌(S. aureus)、P.カリニ(P. carinii)その他などの多数の病原微生物に対して活性である。化合物Iの活性は、特許出願PCT/EP2004/007482号に記述されている。
【0026】
本発明のさらなる目的、利点、および新規特色は、以下の実施例の検討により当業者に明らかになると考えられるが、これらは本発明の範囲を限定することを意図しない。
【0027】
以下の実施例は、本発明をさらに詳細に例証する。実施例1〜11は、化合物6の製造を記述し、一方、実施例12〜16は、式10および12の化合物の製造を記述し、並びに実施例17〜32は、式Iの最終生成物への、式6の化合物の式10または12のものとの縮合を記述する。
【0028】
実施例
式4の化合物は、たとえばM. Calas et al., Eur. J. Med. Chem. Chim. Ther., 17 (6), 497 (1982)に従って製造することができる。化合物7は、たとえばW. B. Wright et al., J. Med. Chem., 11(6), 1164 (1968)に類似のもので製造することができる。
【0029】
その他の全ての試薬および溶媒は、たとえばFlukaまたは同等の市販の供給元から容易に商業的に入手できる。温度は、摂氏度で示してある。
【0030】
LCMS系
HPLCカラム01:逆相、Waters C18 3.5μm 4.6×75 mmカラム
勾配01:
【表1】

【0031】
HPLCカラム02:
逆相、Waters C18 3.5μm 3×20 mmカラム
勾配02:
【表2】

【0032】
溶媒A:10mMギ酸(ギ酸 377μl)をHPLC等級水(1L、Millipore濾過した)に添加した
溶媒B:アセトニトリルHPLC等級(Biosolve Ltd)
波長:210nm〜400nm
HPLC装置タイプ:Finnigan StartSystem SCN 1000、Finniganフォトダイオードアレイ検出器(PDA)UV 6000LP
MS装置タイプ:Finnigan LCQ(イオントラップ)、イオン化モードESI
【0033】
略語
【表3】

【0034】
実施例1
本実施例は、N-[4-(2,2-ジメチルプロピオニルアミノ)-5-(3,4,5-トリメトキシ-ベンジル)-ピリミジン-2-イル]-2,2-ジメチルプロピオンアミド2(R = C(CH3)3)(工程A1)の製造を例証する。
【0035】
トリメトプリム(5g、17.24mmol)のビバル酸無水物(8.74mL、43.10mmol、2.5当量)の溶液をアルゴン下で150℃にて2時間熱した。熱いAcOEtを添加して、有機層を10% NaHCO3水溶液、水および鹹水で洗浄した。次いで、有機層をMgSO4上で乾燥させ、濾過して、蒸発させた。次いで、TBMEから再結晶して、3.02gの化合物2(R = C(CH3)3)を得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz) δ:8.35 (s, 1H), 8.21 (br s, 1H), 7.65 (br s, 1H), 6.30 (s, 2 H), 3.86 (s, 2 H), 3.79 (s, 3 H), 3.77 (s, 6 H), 1.31 (s, 9 H), 1.12 (s, 9 H). mp: 130-133℃。
【0036】
実施例2
本実施例は、N-[4-イソブチリルアミノ-5-(3,4,5-トリメトキシ-ベンジル)-ピリミジン-2-イル]-イソブチルアミド2(R =CH(CH3)2)(工程A1)の製造を例証する。
【0037】
トリメトプリム(50g、172.4mmol)のイソ酪酸無水物(100g、105mL、632mmol、3.6当量)溶液をアルゴン下で150℃にて2時間加熱した。温かい溶液を1Lのシクロヘキサンに注ぎ、そこから、これをゆっくりと結晶化させた。生成物を濾過して、シクロヘキサン(2×200 mL)で十分に洗浄し、70gの化合物2(R = CH(CH3)2)を得た。
1H-NMR (D6-DMSO, 400 MHz) δ:10.42 (s, 1 H, NH); 10.15 (s, 1 H, NH); 8.41 (s, 1H, ピリミジン); 6.41 (s, 2H, PhH); 3.81 (s, 2H, CH2); 3.70 (s, 6H, 2xOCH3); 3 .59 (S, 3H, OCH3); 2.72-2.85 (m, 2H, CH); 1.06 (d, 6H, J = 6.6Hz, 2xCH3), 1.01 (d, 6H, J = 6.6Hz, 2xCH3. mp: 153-154℃. Rt (02) = 1.65 minutes。
【0038】
実施例3
本実施例は、N-[4-イソブチリルアミノ-5-(3,4,5-トリメトキシ-ベンジル)-ピリミジン-2-イル]-イソブチルアミド2(R =CH(CH3)2)(工程A1)の製造を例証する。
【0039】
トリメトプリム(50g、172.4mmol)のイソ酪酸無水物(62g、65.5mL、392mmol、2.3当量)溶液をAr下で150℃にて2時間加熱して、機械撹拌器で撹拌した。溶液を130℃に冷却して、200mlのトルエンを添加し(透明溶液)、次いで1000mlのTBMEを勢いよく攪拌した状態でゆっくりと添加した(500mlの結晶化が始まった後)。厚い結晶のケークを100℃の外部温度にて1時間撹拌した。次いで、スラリーを室温に冷却して、2時間撹拌した。最後に、スラリーを10℃に冷却して2時間撹拌した。結晶を濾過して、残留するイソ酪酸および無水物を除去するために90mlのTBMEで3回洗浄した。結晶をHV/70℃にて8時間乾燥させ、70gの化合物2(R = CH(CH3)2)を得た。
1H-NMR (D6-DMSO, 400 MHz) δ:10.42 (s, 1H, NH); 10.15 (s, 1 H, NH); 8.41 (s, 1H, ピリミジン); 6.41 (s, 2H, PhH); 3.81 (s, 2H, CH2); 3.70 (s, 6H, 2xOCH3); 3.59 (s, 3H, OCH3); 2.72-2.85 (m, 2H, CH); 1.06 (d, 6H, J = 6.6Hz, 2xCH3), 1.01 (d, 6H, J = 6.6Hz, 2xCH3. mp: 153-154℃. Rt (02) = 1.65 minutes。
【0040】
実施例4
本実施例は、N-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-5-(2-ホルミル-3,4,5-トリメトキシ-ベンジル)-ピリミジン-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオンアミド 3(R =CH(CH3)3)(工程B1)の製造を例証する。
【0041】
2(1g、2.18mmol、R = C(CH3)3)のDCM(5mL)溶液に、ジクロロメチルメチルエーテル(0.58 mL、6.54mmol)を添加した。溶液を-30℃に冷却した後、ゆっくりと塩化第二スズ(0.285 mL、2.18mmol)を添加した。混合物を-10℃〜-5℃の間の温度にて撹拌した。0℃にて、反応混合物を1N K3PO4溶液に注いだ。次いで、混合物(pH 7〜8)を15分間勢いよく撹拌し、AcOEtで2回抽出した。有機層を水および鹹水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過して、蒸発させた。粗生成物をシリカゲル(AcOEt/シクロヘキサン7/3)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、709mgの化合物3(R = C(CH3)3)を得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz) δ:10.23 (s, 1H), 8.44 (s, 1H), 8.12 (s, 1H), 8.09 (s, 1H), 6.59 (s, 1H), 4.10 (s, 2 H), 3.96 (s, 3 H), 3.89 (s, 3 H), 3.85 (s, 3 H), 1.29 (s, 9 H), 1.27 (s, 9 H). mp: 124-126 ℃。
【0042】
実施例5
本実施例は、N-[5-(2-ホルミル-3,4,5-トリメトキシ-ベンジル)-4-イソブチリルアミノ-ピリミジン-2-イル]-イソブチルアミド3(R = CH(CH3)2)(工程B1)の製造を例証する。
【0043】
2(70g、162mmol、R = CH(CH3)2)のDCM(500mL)溶液に、ジクロロメチルメチルエーテル(30mL、325mmol)を添加した。溶液を-10℃に冷却した後、ゆっくりと塩化第二スズ(35mL、300mmol)を添加した。混合物を-10℃および-5℃の間の温度にて撹拌した。最初に粘着性沈殿物が形成された(機械撹拌器が必要であった)。-5℃にて1時間撹拌後、これは「均一な」懸濁液に変換した。
【0044】
0℃にて、反応混合物を300mL 1N K3PO4および200mLの1M 酒石酸Na/K溶液に注ぎ、一方、氷浴で冷却する。次いで、混合物(pHは、4N NaOH溶液で7〜8に調整した)を完全に加水分解まで15分間撹拌し、次いでAcOEt(500mL)と共にDCM(300mL)で抽出する。有機層を0.1N HCl溶液(2×200mL)および鹹水(2×300mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過して、蒸発させた。初期体積の約半分に濃縮する一方で、生成物が沈殿し、シクロヘキサン(200mL)を添加して、さらに生成物を沈殿させ、次いでこれを濾過して、50gの化合物3(R = CH(CH3)2)を得た。
1H-NMR (D6-DMSO, 400 MHz) δ:(s, 1 H, NH); 10.27 (s, 1 H, NH); 10.17 (s, 1H, CHO); 8.00 (s, 1H, ピリミジン); 6.72 (s, 1H, PhH); 4.05 (s, 2H, CH2); 3.90 (s, 3H, OCH3); 3.85 (s, 3H, OCH3); 3.77 (s, 3H, OCH3); 2.75-2.85 (m, 2H, CH); 1.05 (d, 6H, J = 6.6Hz, 2xCH3), 1.01 (d, 6H, J = 6.6Hz, 2xCH3). mp: 162-163℃. Rt (02) = 1.85 minutes。
【0045】
実施例6
本実施例は、N-[5-(2-ホルミル-3,4,5-トリメトキシ-ベンジル)-4-イソブチリルアミノ-ピリミジン-2-イル]-イソブチルアミド3(R = CH(CH3)2)(工程B1)の製造を例証する。
【0046】
ジクロロメチル-メチルエーテル(4.3mL、46.4mmol、2当量)をDCM(30mL)に溶解して、機械撹拌器で反応器中にて-15℃〜-20℃に冷却した。この溶液に、塩化第二スズ(5mL、42.8mmol、1.8当量)を15分以内に添加した。透明溶液を-18℃にて30分間撹拌した。次いで2(1 0g、23.2mmol、トルエンおよびTBMEから結晶化した)のDCM(40mL)溶液を60分間に連続して添加し、黄色の固体を最初から分離して厚いスラリー(緑/黄色)を生じた。次いで、スラリーを-15℃にて2時間、-10℃にて1時間および-5℃にて30分撹拌した。次いで、40mLのDCMを-5℃にて添加し、溶媒層の上部にて分離された結晶を15分間勢いよく攪拌しながら除去した。薄いスラリーを10℃にて100mLの水および35mLのDCMに溶解した35gのNa2CO3(1つの結晶水をもつ)の十分に撹拌した混合物に移した。混合物を室温にて15分間撹拌し、次いで反応器へ移し戻して、室温にて攪拌を続けてワークアップを終えた。室温にて30分間勢いよく攪拌後、層を分離して、有機相を30mLの飽和NaCl、5mlの飽和Na2CO3および40mLの水の混合物で2回洗浄した(数回の振盪が必要であり、水相は、7〜8のpHを示すはずである)。乳状の水相を50mLのDCMおよび30mLのDCMで別々に洗浄した。
【0047】
有機層をMgSO4上で乾燥させ、濾過して、蒸発させた。粗製の白色結晶生成物をDC MおよびTBMEから結晶化した。
【0048】
10.67gの粗製材料で、30分間攪拌状態で44℃にて25mLのDCM中にスラリーを作製し、100mLのTBMEをゆっくりと添加して、スラリーを44℃にて30分間撹拌し、次いで攪拌下で室温に6時間冷却した。結晶を濾過して、40mLのTBMEで洗浄し、高真空/室温にて6時間乾燥させて、9.6gの化合物3(R = CH(CH3)2)を得た。
1H-NMR (D6-DMSO, 400 MHz) δ:(s, 1 H, NH); 10.27 (s, 1H, NH); 10.17 (s, 1 H, CHO); 8.00 (s, 1 H, ピリミジン); 6.72 (s, 1 H, PhH); 4.05 (s, 2H, CH2); 3.90 (s, 3H, OCH3); 3.85 (s, 3H, OCH3); 3.77 (s, 3H, OCH3); 2.75-2.85 (m, 2H, CH); 1.05 (d, 6H, J = 6.6Hz, 2xCH3), 1.01 (d, 6H, J = 6.6Hz, 2xCH3). mp: 162-163℃. Rt (02) = 1.85 minutes。
【0049】
実施例7
本実施例は、N-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-5-(2-ヨード-3,4,5-トリメトキシ-ベンジル)-ピリミジン-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオンアミド5(R = C(CH3)3)(工程A2)の製造を例証する。
【0050】
4(5g、9.2mmol、R = C(CH3)3)のピバル酸無水物(4.1mL、20.24mmol)溶液にピリジン(1.65mL、20.24mmol)を添加した。混合物を120℃にて12時間加熱した。HCl 0.25N(25mL)を添加して、混合物をAcOEtで2回抽出した。有機層をその後に水、10% NaHCO3、次いで水および鹹水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過して、乾燥まで蒸発させた。最終化合物をシリカゲル(AcOEt/シクロヘキサン1/1)でのフラッシュクロマトグラフィーによって得て、2.5gの化合物5(R = C(CH3)3)を得た。UV:238(282)nm。
【0051】
実施例8
本実施例は、N-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-5-(2-ホルミル-3,4,5-トリメトキシ-ベンジル)-ピリミジン-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオンアミド3(R =C(CH3)3)(工程B2)の製造を例証する。
【0052】
5(1g、1.71mmol、R = C(CH3)3)をTHF(10mL)に溶解して、混合物をアルゴンで脱気した。次いで、パラジウムテトラキスを添加した(49.4mg、4mol %)。混合物を70℃まで加熱して、一酸化炭素ガスのゆっくりとした流れを開始した。Bu3SnH(476μL、1.05当量)の5mLのTHF溶液を2.5時間にわたってゆっくりと添加した。70℃にて12時間後、化合物3(R = C(CH3)3)をフラッシュクロマトグラフィーによって単離した。解析データは、実施例4の化合物に類似した。
【0053】
実施例9
本実施例は、N-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-5-(2-ホルミル-3-ヒドロキシ-4,5-ジメトキシ-ベンジル)-ピリミジン-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオンアミド6(R =C(CH3)3)(工程A3)の製造を例証する。
【0054】
アルゴン下で、3(2g、4.11mmol、R = C(CH3)3)をDCM(10mL)に溶解した。AlCl3(823mg、6.17mmol)を0℃にて混合物に添加した。AlCl3の完全な溶解まで室温にて10分間攪拌を続けた。ヨウ化ナトリウム(616mg、4.11mmol)を添加し、30分後、0.5mLのアセトニトリルを添加した。LCMSによって反応を点検して、反応を完了するために0.5mLのアセトニトリルを添加した。次いで、反応混合物を1N K3PO4/DCM二相性溶液に注いだ。二相を分離した。水層をAcOEtで2回抽出して、有機層を水および鹹水で洗浄し、次いでMgSO4上で乾燥させ、濾過して、蒸発させた。AcOEt/シクロヘキサン6/4(1.2g)で溶出するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーでの精製後に、化合物6(R = C(CH3)3)を得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz) δ:12.07 (s, 1H), 9.81 (s, 1H), 8.94 (s, 1H), 8.26 (s, 1H), 7.95 (s, 1H), 6.33 (s, 1H), 4.07 (s, 2 H), 3.84 (s, 3 H), 3.80 (s, 3 H), 1.22 (s, 9 H), 1.20 (s, 9 H). mp: 110-112℃。
【0055】
実施例10
本実施例は、N-[5-(2-ホルミル-3-ヒドロキシ-4,5-ジメトキシ-ベンジル)-4-イソブチリルアミノ-ピリミジン-2-イル]-イソブチルアミド6(R =CH(CH3)2)(工程A3)の製造を例証する。
【0056】
アルゴン下で、3(4g、8.7mmol、1当量、R = CH(CH3)2)をDCM(36mL)に溶解した。三塩化アルミニウム(3.48g、26.1mmol、3当量)およびヨウ化ナトリウム(2g、13.3mmol、1.5当量)を室温にて混合物に添加した。混合物を20分間撹拌した後、アセトニトリル(2.4mL)を添加し、次いで、40℃まで温めた。40℃にて攪拌を3.5時間続けた。混合物を室温に冷却し、75mLのDCMで希釈して、30mLの氷水に反応混合物を添加することによってクエンチし、次いで2.5mLの濃HClをゆっくりと添加して、これにより、黄色の沈殿物を溶解するのを補助した。有機層を分離して、水層をDCM(75mL)でもう一度抽出した。合わせた有機層を鹹水(50mL)で、5 0mLの飽和炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)+150mL水(2×100mL)から作製した炭酸水素ナトリウム溶液で2回、0.1N HCl溶液(50mL)および再び鹹水(1x50 mL)で洗浄した。生じる黄色がかった溶液をMgSO4上で乾燥させて、濃縮した。油状残渣を酢酸エチル(6mL)およびジクロロエタン(2.4mL)から、最初に50℃に加熱して、次いで4℃まで冷却することによって結晶化した。濾過後、母液を半分に濃縮して4℃にて貯蔵し、結晶の2次生成物を得た。全体で、2.48gの化合物6(R = CH(CH3)2)が単離された。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz) δ: 11.95 (br s, 1H, PhOH); 9.9 (s, CHO, 1H), 8.04 (s, ピリミジン, 1H); 6.44 (s, ArH, 1H), 4.15 (s, CH2, 2H), 3.93 (s, OCH3, 3H); 3.90 (s, OCH3, 3H); 2.7-2.8 (m, CH, 2H); 1.2-1.25 (m, CH3, 12H)。
【0057】
実施例11
本実施例は、N-[5-(2-ホルミル-3-ヒドロキシ-4,5-ジメトキシ-ベンジル)-4-イソブチリルアミノ-ピリミジン-2-イル]-イソブチルアミド6(R =CH(CH3)2)(工程A3)の製造を例証する。
【0058】
アルゴン下で、3(3g、6.54mmol)をDCM(28mL)にRT(15分)にて溶解した。溶液を30分間0℃に冷却した。AlCl3(2.07g、15.52mmol、2.3当量)を直ちに冷却溶液に添加した。溶液の色が30分以内に黄色から濃い黄色に変化し、0℃にて30分間攪拌する一方で、AlCl3を溶解した。次いで、NaI(1.5g、10mmol、1.5当量)を添加し、混合物を30℃まで温めた。10分撹拌後、アセトニトリル(1.6mL)をゆっくりと添加した。30℃にて2時間攪拌後、さらに0.2mLのアセトニトリルを添加した。30℃にて4時間撹拌後、反応温度を35℃に1時間上げて、この間に結晶を分離した。スラリーを室温に冷却し、次いで(10℃に冷却した)20mLのDCMと2mLの濃HClを含む30mLの水の十分に撹拌した混合物に注いだ。10分間撹拌後、透明な黄色の混合物を反応器に注ぎ戻して、全ての残渣が溶解されるまで(約30分)攪拌を続けた。有機相を分離して、10mLの1N HClと15mLの水との25mLの混合物および10mlの飽和NaClと15mlの水との25mLの混合物で洗浄し、水層を20mLのDCMで2回抽出した。合わせた有機溶液をMgSO4で乾燥させ、濾過して、蒸発させた。黄色の結晶残渣(2.62g)をDCM/TBMEから結晶化し、2.48gの化合物6(R = CH(CH3)2)を得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz) δ:11.95 (br s, 1 H, PhOH); 9.9 (s, CHO, 1H), 8.04 (s, ピリミジン, 1H); 6.44 (s, ArH, 1H), 4.15 (s, CH2, 2H), 3.93 (s, OCH3, 3H); 3.90 (s, OCH3, 3H); 2.7-2.8 (m, CH, 2H); 1.2-1.25 (m, CH3, 12H)。
【0059】
実施例12
本実施例は、3-アセチル-5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸ジメチルアミド8(工程A4)の製造を例証する。
【0060】
三塩化アルミニウム(36g、270mmol)をAr下で0℃にて7(30g、135mmol)のDCM(675mL)溶液の懸濁液にゆっくりと添加した。反応混合物を30分間撹拌して、塩化アセチル(9.6mL、135mmol)を0℃にて滴状に添加した。反応を完了するまで、黄金色の反応混合物をさらに1時間撹拌した(LC-MSによって検証)。
【0061】
次いで、反応混合物を氷(250mL)上に注ぐ。4N NaOH溶液(80mL)を添加することによって、pHをpH 4.5に合わせた。相を分離して、水層をDCM(2×200mL)で抽出した。次いで、全ての収集した有機層を水および鹹水で洗浄し、次いでMgSO4上で乾燥させ、濾過して、蒸発させた。化合物8をベージュの固体として得て、さらに精製することなく次の反応工程のために使用した。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz) δ:12.6 (br s, 1H), 8.15 (d, J = 2 Hz, 1H), 7.47 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.27 (dd, J1 = 8.6 Hz, J2 = 2.6 Hz, 1H), 3.08 (s, 3 H), 2.84 (s, 3 H), 2.37 (S, 3 H). mp: 150-155℃。
【0062】
実施例13
本実施例は、3-アセチル-5-クロロ-1-(トルエン-4-スルホニル)-1H-インドール-2-カルボン酸ジメチルアミド9(工程B4)の製造を例証する。
【0063】
40gの8(151.1mmol)をAr下で室温にてDCM(250mL)に溶解した。次いで、トリエチルアミン(36.4mL)および塩化トシル(31.7g、166.2mmol)を添加して、反応混合物を一晩撹拌した。15mLのアンモニア水溶液(24%)を反応混合物に添加することにより、過剰の塩化トシルをクエンチした。10分間攪拌後、混合物を0.1N NaOH溶液(50mL)および鹹水(50mL)で洗浄した。有機相をMgSO4上で乾燥させた。合わせた有機相を半分だけ蒸発させた後、生成物が沈殿を開始するまで500mLのシクロヘキサンを添加した。再び反応混合物をおよそ200mLまで蒸発させた。次いで、沈殿物を濾過して、シクロヘキサンで洗浄した。高真空下での乾燥により、51.7gの白色粉末を得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz) δ:8.29 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 8.03 (d, J = 8.4 Hz, 2 H), 7.95 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.33 (dd, J1 = 10 Hz, J2 = 2 Hz, 2 H), 7.28 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 3.24 (s, 3 H), 3.03 (s, 3 H), 2.50 (s, 3 H), 2.36 (s, 3 H). mp: 96-100℃。
【0064】
実施例14
本実施例は、3-(2-ブロモ-アセチル)-5-クロロ-1-(トルエン- 4-スルホニル)-1H-インドール-2-カルボン酸-ジメチル-アミド10(工程C4)の製造を例証する。
【0065】
9(25g、59.7mmol)のジオキサン(250mL)溶液を水浴で冷却し、次いで、2Mの臭素のDCM溶液(9.55g、1当量)を滴状に添加した。反応混合物の冷却を続けて、反応をHPLCによってモニターした。完全に臭素を添加後、反応混合物を乾燥まで蒸発させた。1LのAcOEtを添加して、有機層を飽和NaHCO3、鹹水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させた。次いで、予想される化合物10を熱いAcOEt(100mL)から再結晶させ、18.2gを得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz) δ:8.28 (d, J = 2 Hz, 1H), 7.97-8.01 (m, 3 H), 7.37 (dd, J1 = 9.2 Hz, J2 = 2 Hz, 1H), 7.28 (d, J = 8 Hz, 2 H), 4.23-4.48 (AB system, J = 12.2 Hz, 2 H), 3.26 (s, 3 H), 3.04 (s, 3 H), 2.36 (s, 3 H). mp: 14 2-146 ℃。
【0066】
実施例15
本実施例は、3-(2-ブロモ-アセチル)-5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸ジメチルアミド11の製造を例証する(工程B5)。
【0067】
2Mの臭素(3g、0.5当量)のDCM(10mL)溶液を室温にて8(10g、37.88mmol)のジオキサン(120mL)溶液に滴状に添加した。混合物を30分撹拌し、次いでさらなる2Mの臭素(0.25当量)のDCM溶液を添加した。反応をHPLCによってモニターして、より多くの臭素のDCM(0.1当量)溶液を添加して反応を完了した。
【0068】
完全に臭素を添加後、インドールの臭化水素酸塩は、沈殿を始めた。混合物を乾燥まで蒸発させ、次いでAcOEt(100mL)を添加した。有機層を2%(50mL)のNaHCO3、水(50mL)および鹹水(30mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させて、濾過して、乾燥まで蒸発させた。次いで、予想される化合物を熱いAcOEt(150mL)から再結晶させ、9.1gの化合物11を得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz) δ:12.68 (br s, 1H), 8.09 (d, J = 2 Hz, 1H), 7.48 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.29 (dd, J1 = 8.4 Hz, J2 = 2 Hz, 1H), 4.46 (s, 2 H), 3.07 (s, 3 H), 2.82 (s, 3 H). mp: 165-170 ℃(分解を伴う)。
【0069】
実施例16
本実施例は、3-(2-ブロモ-アセチル)-5-クロロ-2-ジメチルカルバモイル-インドール-1-カルボン酸tert-ブチルエステル12(工程C5)の製造を例証する。
【0070】
11(11g、32mmol)のTHF/CH3CN(50mL、1/1)の混合物溶液に、2,6-ルチジン(4.47mL、38.4mmol)、続いて(Boc)2O(9.07g、41.6mmol)を添加した。出発原料は、完全に溶解されなかった。DMAP(391mg、3.2mmol)を添加したとき、不溶性化合物は、迅速に可溶化して、反応が、ゆっくりと黄色/オレンジに変わる。15分後に、すでに反応を終えた。混合物を乾燥まで蒸発させて、AcOEt(300mL)を添加し、有機層を0.1N(50mL)HCl、水(1 00mL)および鹹水(50mL)で3回洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥させ、濾過して、蒸発させた。予想される化合物をAcOEtから再結晶させ(またはシクロヘキサン/AcOEt 8/2:100 mL)9.9gの化合物12を得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz) δ:8.16 (d, J = 9.2 Hz, 2 H), 7.51-7.48 (dd, J1 = 9.2 Hz, J2 = 2.8 Hz, 1H), AB system [4.53 (d, J = 17.6 Hz, 1H), 4.44 (d, J = 17.6 Hz, 1H)], 3.04 (s, 3 H), 2.85 (s, 3 H), 1.56 (s, 9 H). mp: 110-115 ℃。
【0071】
実施例17
本実施例は、3-[4-(2,4-ビス-イソブチリルアミノ-ピリミジン-5-イルメチル)-6,7-ジメトキシ-ベンゾフラン-2-カルボニル]-5-クロロ-1-(トルエン-4-スルホニル)-1H-インドール-2-カルボン酸ジメチルアミド13(R = CH(CH3)2)(工程A6)の製造を例証する。
【0072】
tBuOKのTHF(10mL)の濾過溶液(1.14g、0.95当量)を6(5g、11.26mmol、R = CH(CH3)2)のTHF(40mL)溶液に添加した。混合物を室温にて30分撹拌した後、ゆっくりと10(5.35g、10.725mmol)を添加した。1時間後に、より多くのtBuOK(184mg、0.15当量)を添加した。1時間後に反応を終えた。混合物をHCl 0.05Nの溶液に注ぎ、AcOEtで3回抽出した。有機層を水および鹹水で洗浄し、次いでMgSO4上で乾燥させ、濾過して、乾燥まで蒸発させた。化合物13(R = CH(CH3)2)をいずれのさらなる精製も行わずに次の反応のために使用した(工程B6)。Rt(02)= 2.75分。
【0073】
実施例18
本実施例は、3-{4-[2,4-ビス-(2,2-ジメチル-プロピオニル-アミノ)-ピリミジン-5-イルメチル]-6,7-ジメトキシ-ベンゾフラン-2-イルメチル}-5-クロロ-1-(トルエン-4-スルホニル)-1H-インドール-2-カルボン酸ジメチルアミド13(R = C(CH3)3)(工程A6)の製造を例証する。
【0074】
8mLの10(1.03g、2.08mmol)のDMF溶液を0℃に冷却し、6の溶液(0.98g、1当量、R = C(CH3)3)を添加した。次いで、炭酸カリウム(0.86g、3当量)を添加し、溶液を室温に温めた。室温にて16時間攪拌後、EtOAc(150mL)を添加して、0.1N HCl(100mL)で、水(200mL)で2回、および鹹水で洗浄した。水層をさらなるEtOAc(100mL)で洗浄した。有機層をMgSO4上で乾燥させ、濾過して、乾燥まで蒸発させた。粗製材料をシリカゲル(AcOEt/シクロヘキサン6/ 4)でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、0.93gの化合物13(R = C(CH3)3)を得た。
【0075】
実施例19
本実施例は、5-クロロ-3-[4-(2,4-ジアミノ-ピリミジン-5-イル-メチル)-6,7-ジメトキシ-ベンゾフラン-2-カルボニル]-1H-インドール-2-カルボン酸ジメチル-アミド,メシレート塩14(工程B6)の製造を例証する。
【0076】
粗製材料13(R = CH(CH3)2)をTHF/H2O(30 mL、3/1)に溶解し、NaOH(2.145g、53 .625mmol)を添加して、混合物を50℃にて4時間加熱した。次いで、混合物を鹹水に注ぎ、AcOEtで3回抽出した。有機層を鹹水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過して、乾燥まで蒸発させ、6.2gの粗製材料14を得た。粗製材料をMeOH(18g)に溶解し、35mLのiPrOHを添加して、20gの溶媒を減圧下(41℃、111mbar)で除去した。15mLのiPrOHを懸濁液に添加した。1時間後、5gの溶媒を減圧下(41℃、110mbar)で除去し、次いで15mLのiPrOHを添加して、混合物を室温にて1時間および4℃にて2時間放置した。11gの溶媒を除去して、最後に、15mLのiPrOHを添加して、懸濁液を4℃にて18時間保持した。結晶を濾過して、20mLのiPrOHで洗浄し、高真空下で乾燥させ、1当量のiPrOHを伴ったメシレート塩として5.0gの化合物14を得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz) δ:12.8 (s, 1H), 11.58 (br s, 1H), 8.36 (br s, 1H), 7.96 (s + br s, 2 H), 7.66 (s, 1H), 7.55 (d + br s, J = 8.4 Hz, 3 H), 7.34 (d, J = 2 Hz, 1H), 7.13 (s, 1H), 4.36 (br s, 1H), 3.93 (s, 3 H), 3.90 (s, 2 H), 3.88 (s, 3 H), 2.99 (s, 3 H), 2.76 (s, 3 H), 2.34 (s, 3 H, MeSO3H)。Rt (02) = 1.33 minutes。
【0077】
実施例20
本実施例は、5-クロロ-3-[4-(2,4-ジアミノ-ピリミジン-5-イル-メチル)-6,7-ジメトキシ-ベンゾフラン-2-カルボニル-1H-インドール-カルボン酸ジメチル-アミド、メシレート塩14(工程A6およびB6のワンポット反応)の製造を例証する。
【0078】
わずかに濁ったtBuOK(8.62g、97%含量、74.54mmol、1.05当量)のTHF(170mL、新たにナトリウム上で蒸留した)溶液を25分の期間にわたって勢いよく撹拌した淡黄色の6(38.2g、95%含量、81.64mmol、1.15当量)のTHF(330mL、新たにナトリウム上で蒸留した)溶液に20℃にて滴状に添加した。tBuOK溶液の添加の間に、発熱効果が観察され(内部温度が20℃から24℃にゆっくりと上昇した)、強い黄色の懸濁液が形成された。混合物を20℃にて90分撹拌した。化合物10(37.2g、95%含量、70.99mmol、1当量)を粉末として一部分に添加した。懸濁液を25℃にて90分間撹拌して、黄色からオレンジへの色変化が観察された。次いで、固体tBuOK(0.493g、97%含量、4.26mmol、0.06当量)を粉末として添加した。混合物を30℃にてさらに90分間撹拌した。水酸化ナトリウム溶液(110mL、440mmol、4M、6.2当量)を添加し、溶液の色が濃い黄色に変化した。混合物を58℃(内部温度)にて135分間撹拌した。混合物を室温に冷却して、水性HCl溶液(75mL、300mmol、4M)を添加することによってpHをおよそ6.5まで下げた。NaHCO3飽和溶液(700mL)を慎重に添加して、わずかなCO2の形成が観察された。混合物を酢酸エチル/イソプロパノール85/15(2×1600mL)で抽出した。有機層を水/鹹水90/10(2×200 mL)および鹹水(1x200 mL)で洗浄し、セライトのプラグを通して濾過して、合わせて、乾燥まで蒸発させた。生じる黄色の泡を高真空にて、および室温にて16時間保持した。
【0079】
粗製材料(45gを70.2mmolに対応する)をメタノール(140mL)に溶解し、暗い黄色溶液を得た。メタンスルホン酸(5.28ml、81.4mmol、1.146当量)を室温にて添加後、イソプロパノール(224mL)を添加して、透明な溶液が生じた。混合物を室温にて1時間撹拌し、淡黄色の結晶を形成させた。次いで、溶媒(約150mL)の一部を40℃および180mbarにてゆっくりと蒸留した。沈澱が、より強くなり、黄色の結晶にゆっくりと変換した。懸濁液を45℃にて2時間撹拌し、次いで、スラリーを90分以内にゆっくりと室温に冷却した。懸濁液を室温にて6時間撹拌した後、結晶を濾過して、イソプロパノール/メタノール95/5(200mL)で洗浄し、1当量のiPrOHと共にメシレート塩として42.5gの化合物14の黄色の結晶を得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz) δ:12.8 (s, 1H), 11.58 (brs, 1H), 8.36 (brs, 1H), 7.96 (s + brs, 2 H), 7.66 (s, 1H), 7.55 (d + brs, J = 8.4 Hz, 3 H), 7.34 (d, J = 2 Hz, 1H), 7.13 (s, 1H), 4.36 (brs, 1H), 3.93 (s, 3 H), 3.90 (s, 2 H), 3.88 (s, 3 H), 2.99 (s, 3 H), 2.76 (s, 3 H), 2.34 (s, 3 H, MeSO3H). Rt (02) = 1.33 minutes。
【0080】
実施例21
本実施例は、3-[4-(2,4-ビス-イソブチリルアミノ-ピリミジン-5-イルメチル-)-6,7-ジメトキシ-ベンゾフラン-2-カルボニル]-5-クロロ-2-ジメチルカルバモイル-インドール-1-カルボン酸tert-ブチルエステル15(R = CH(CH3)2)(工程A7)の製造を例証する。
【0081】
濾過したtBuOK(1.14g、0.95当量)のTHF(10mL)溶液を6(5g、11.26mmol、R = CH(CH3)2)のTHF(40mL)溶液に添加した。混合物を室温にて30分撹拌したのち、ゆっくりと12(4.75g、10.725mmol)を添加した。1時間後、より多くのtBuOK(184mg、0.15当量)を添加した。1時間後、反応を終えた。混合物をHCl 0.05Nの溶液に注ぎ、AcOEtで3回抽出した。有機層を水および鹹水で洗浄し、次いでMgSO4上で乾燥させ、濾過して、乾燥まで蒸発させた。化合物15(R = CH(CH3)2)をいずれのさらなる精製も伴わずに次の反応のために使用した。Rt(01)= 7.77 minutes。
【0082】
実施例22
本実施例は、3-{4 -[2,4-ビス-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-ピリミジン-5-イルメチル]-6,7-ジメトキシ-ベンゾフラン-2-カルボニル}-5-クロロ-2-ジメチルカルバモイル-インドール-1-カルボン酸tert-ブチルエステル15(R = C(CH3)3)(工程A7)の製造を例証する。
【0083】
濾過したtBuOK(452mg、0.95当量)のTHF(3mL)溶液を6(2g、4.24mmol、R = C(CH3)3)のTHF(20mL)溶液に添加した。混合物を室温にて5分撹拌した後、12(1.8 8g、4.24mmol)のTHF(10mL)溶液を滴状に添加した。1時間後、より多くのtBuOK(119mg、0.25当量)を添加した。1時間後、混合物をHCl 0.1Nの溶液に注ぎ、AcOEtで3回抽出した。有機層を水および鹹水で洗浄し、次いでMgSO4上で乾燥させ、濾過して、蒸発させ、粗製15(R = C(CH3)3)を得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz) δ:8.33 (s, 1H), 8.20 (s, 1H), 8.07 (s, 1H), 8.01 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.85 (brs, 2 H), 7.50 (d, J = 2 Hz, 1H), 7.19 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 6.64 (s, 1H), 3.92 (S, 3 H), 3.90 (s, 2 H), 3.75 (s, 3 H), 2.78 (s, 3 H), 2.71 (s, 3 H), 1.47 (s, 9 H), 1.12 (s, 9 H), 0.99 (s, 9 H). Rt (01) = 8.15 minutes。
【0084】
実施例23
本実施例は、5-クロロ-3-[4-(2,4-ジアミノ-ピリミジン-5-イル-メチル)-6,7-ジメトキシ-ベンゾフラン-2-カルボニル]-1H-インドール-2-カルボン酸ジメチル-アミド、メシレート塩14(工程B7)の製造を例証する。
【0085】
粗製材料15(R = CH(CH3)2)をTHF/H2O(30mL、3/1)に溶解し、NaOH(2.15g、53.63mmol)を添加して、混合物を50℃にて4時間加熱した。次いで、混合物を鹹水に注ぎ、AcOEtで3回抽出した。有機層を鹹水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過して、乾燥まで蒸発させ、6.2gの粗製材料14を得た。粗製材料をMeOH(18g)に溶解し、35mLのiPrOHを添加して、20gの溶媒を減圧下(41℃、110mbar)で除去した。15mLのiPrOHを懸濁液に添加した。1時間後、5gの溶媒を減圧下(41℃、110mbar)で除去し、次いで15mLのiPrOHを添加して、混合物を室温にて1時間、4℃にて2時間放置した。11gの溶媒を除去して、最後に15mLのiPrOHを添加して、懸濁液を4℃にて18時間保持した。結晶を濾過して、20mLのiPrOHで洗浄し、高真空下で乾燥させて、実施例19に示したのと同じNMRを有する1等量のiPrOHと共にメシレート塩として5.3gの化合物14を得た。
【0086】
実施例24
本実施例は、3-{4-[2,4-ビス-(2,2-ジメチル-プロピオニル-アミノ)-ピリミジン-5-イルメチル]-6,7-ジメトキシ-ベンゾフラン-2-イルメチル}-5-クロロ-1-(トルエン-4-スルホニル)-1H-インドール-2-カルボン酸ジメチルアミド16(R = C(CH3)3)(工程A8)の製造を例証する。
【0087】
化合物13(0.065g、0.075mmol、R = C(CH3)3)をDCE(1mL)に溶解して、BF3.OEt2(28μL、3当量)を添加した。トリエチル-シラン(36μL、3当量)の添加後、混合物を85℃にて1時間撹拌した。室温に冷却後、反応混合物をDCM(15mL)で希釈し、水(3回15mL)および鹹水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、溶媒を蒸留した。化合物16(R = C(CH3)3)の粗製混合物をさらに精製することなく次の実験に使用した。
【0088】
実施例25
本実施例は、3-{4-[2,4-ビス-(2,2-ジメチル-プロピオニル-アミノ)-ピリミジン-5-イルメチル]-6,7-ジメトキシ-ベンゾフラン-2-イルメチル}-5-クロロ-2-ジメチルカルバモイル-インドール-1-カルボン酸tert-ブチルエステル17(R = C(CH3)3)(工程A9)の製造を例証する。
【0089】
化合物15(0.12g、0.147mmol、R = C(CH3)3)をDCE(2mL)に溶解して、BF3.OEt2(55μL、3当量)を添加した。トリエチル-シラン(70μL、3当量)の添加後、混合物を85℃にて1時間撹拌した。室温に冷却後、反応混合物をDCM(15mL)で希釈し、水(3回15mL)および鹹水で洗浄してMgSO4上で乾燥させ、乾燥まで蒸発させた。化合物17(R = C(CH3)3)の粗製混合物をさらに精製することなく次の実験に使用した。
【0090】
実施例26
本実施例は、5-クロロ-3-[4-(2,4-ジアミノ-ピリミジン-5-イル-メチル)-6,7-ジメトキシ-ベンゾフラン-2-イルメチル]-1H-インドール-2-カルボン酸ジメチル-アミドI(工程A10)の製造を例証する。
【0091】
メシレート塩14(4.88g、6.932mmol)を水(50mL)に溶解した。AcOEt(50mL)を添加して、次いで混合物を10%(50mL)のNaHCO3でクエンチして、勢いよく撹拌した。有機層を分離して、水層をAcOEt(50mL)で抽出した。合わせた有機層を水(100mL)、鹹水(50mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過して、乾燥まで蒸発させた。iPrOH(30mL)を黄色がかった化合物に添加して、次いでNaBH4(352mg、9.317mmol)を添加して、混合物を3時間50℃にて加熱した。水(50mL)を添加して、混合物をAcOEt(それぞれ50mL)で3回抽出した。有機層をNaOH 0.2N(50mL)で、次いで鹹水(50mL)で洗浄して、MgSO4上で乾燥させて、濾過して、乾燥まで蒸発させた。次いで、これをiPrOHから再結晶して、2.75gの化合物Iを得た。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz) δ:11.64 (s, 1H), 7.69 (s, 1H), 7.37 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.33 (s, 1H), 7.15 (dd, J1 = 8.4 Hz, J2 = 2 Hz, 1H), 6.80 (s, 2 H), 6.47 (s, 2 H), 6.09 (br s, 1H), 5.67 (br s, 1H), 4.20 (s, 2 H), 3.86 (s, 3 H), 3.74 (s, 3 H), 3.66 (s, 2 H), 2.94 (S, 6 H)。
Rt (01) = 4.51 minutes。Rt (02) = 1.45 minutes。
【0092】
実施例27
本実施例は、5-クロロ-3-[4-(2,4-ジアミノ-ピリミジン-5-イル-メチル)-6,7-ジメトキシ-ベンゾフラン-2-イルメチル]-1H-インドール-2-カルボン酸ジメチル-アミドI(工程A10)の製造を例証する。
【0093】
化合物14のメシレート塩(+1のiPrOH)(1.7g、2.41mmol)をiPrOH(6mL)およびジメトキシエタン(4mL)に懸濁した。このスラリーを氷浴で冷却し(0℃、30分)、次いでNaBH4(364mg、9.64mmol、4当量)をゆっくりと添加した(強力にH2を発生)。5分後、透明な黄色溶液が現れた。2時間後、14を完全にアルコール14Aに還元した。溶液を35℃に温め、この温度にて5時間保持した。反応混合物を氷浴で冷却して、1N HCl(15mL)をゆっくりと添加した。溶液を室温にて1時間撹拌した。有機溶媒の半分を除去して、酢酸エチル(20mL)を添加した。5%のNaOH(6mL)および飽和NaCl(10mL)の添加後、層を分離して、水層をさらに酢酸エチル(20mL)で抽出した。有機層を飽和NaCl(20mL)で洗浄した。有機層を、セライトを通して濾過し、乾燥(1.41g)まで蒸発させた。黄色の泡をメタノール(2mL)に溶解し、播種して、24時間結晶化させた。結晶を濾過して、10mLのiPrOH/MeOH(1:1)で洗浄した。結晶をHV/室温にて乾燥させ、実施例26に示したものと同じNMRを有する1.2gの化合物Iを得た。
【0094】
実施例28
本実施例は、5-クロロ-3-[4-(2,4-ジアミノ-ピリミジン-5-イル-メチル)-6,7-ジメトキシ-ベンゾフラン-2-イルメチル]-1H-インドール-2-カルボン酸ジメチル-アミドI(工程A10)の製造を例証する。
【0095】
メシレート塩14(6%のイソプロパノール)(20.0g、29.8mmol)を室温にてテトラヒドロフラン(THF)(200mL)に懸濁した。このスラリーを、Cryocoolを備えたエタノール浴で冷却し(-25℃、1時間)、次いでZn(BH42(1.5mol当量、1.5MのTHF溶液、30mL)をゆっくりと3部分(3×10mL 15分ごと)に滴状に添加した(いくらかのH2を発生)。さらに15分撹拌後、スラリーを0℃に温めた。HCl溶液を1時間の期間にわたって連続的に添加した(1当量、4Mのジオキサン溶液、7.45mL、124μL/分)。溶液を0℃にてさらに15分間撹拌し、次いで2時間の期間の間に20℃まで温めた。透明な黄色溶液を氷浴で0℃に冷却して、水(80mL)を25分の期間にわたってゆっくりと滴状に添加した。1時間後、HCl 37%の水(100mL)溶液を10分にわたって0℃にて滴状に添加し、溶液を室温にて14時間撹拌した。反応混合物を氷浴で0℃に冷却して、10N NaOH(140mL)をゆっくりと添加した。溶液は、およそ9のpH値を示した。淡黄色の溶液を酢酸エチル/イソプロパノール(85:15、3×400mL)の混合物で3回抽出した。有機層を水/10N NaOH(80:20、100mL)、水/飽和NaCl(10:40、50mL)および2回の水/飽和NaCl(5:45、50mL)で連続して洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、乾燥まで蒸発させた。
【0096】
黄色の固体を45℃にてメタノール(30mL)に3時間撹拌し、ここで、泡を結晶性沈殿に変換させた。次いで、スラリーを室温にて24時間撹拌した。結晶を濾過して、20mLのメタノールで洗浄して、HV/室温にて14時間乾燥させ、実施例26に示したものと同じNMRを有する13.56gの化合物Iを得た。
【0097】
実施例29
本実施例は、5-クロロ-3-{[4-(2,4-ジアミノ-ピリミジン-5-イルメチル)-6,7-ジメトキシ-ベンゾフラン-2-イル]-ヒドロキシ-メチル}-1H-インドール-2-カルボン酸ジメチルアミド14A(工程B10)の製造を例証する。
【0098】
化合物14(100mg、0.155mmol)のメシレート塩をiPrOH/MeOH(2/0.5mL)の混合物に溶解した。反応混合物を-20℃に冷却した後、水素化ホウ素ナトリウム(17.6mg、0.466mmol)を添加した。混合物を-20℃にて1時間の間撹拌し、次いで、NaOH 0.1N(5mL)添加した。混合物をAcOEt(それぞれ15mL)で3回抽出した。有機層を鹹水(50mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過して、乾燥まで蒸発させた。化合物14Aを含む粗製混合物を次の工程に直接使用した。Rt(02)= 1.32 minutes。
【0099】
実施例30
本実施例は、5-クロロ-3-[4-(2,4-ジアミノ-ピリミジン-5-イル-メチル)-6,7-ジメトキシ-ベンゾフラン-2-イルメチル]-1H-インドール-2-カルボン酸ジメチル-アミドI(工程C10)の製造を例証する。
【0100】
二級アルコール14A(50mg、90.9μmol)をTHF(2mL)に溶解した。反応混合物を-20℃に冷却した後、水素化ホウ素ナトリウム(10.3mg、0.273mmol)を添加した。5分後、-20℃にて攪拌し、BF3OEt2(34μL、50%)をゆっくりと添加した。BF3OEt2をそれぞれ滴下後に、混合物の色は、青紫色に戻り、次いで青紫色が再び消えた。BF3.OEt2を完全に添加後、青紫色が3分間持続した後、淡黄色の溶液に戻った。反応は、5分後に完了し、次いでNaOH 0.1N(10mL)を添加した。混合物をEtOAc(それぞれ15mL)で2回抽出した。有機層を鹹水(50mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過して、乾燥まで蒸発させ、実施例26に示したものと同じLCMSシグナルを有する最終化合物Iを得た。
【0101】
実施例31
本実施例は、5-クロロ-3-[4-(2,4-ジアミノ-ピリミジン-5-イル-メチル)-6,7-ジメトキシ-ベンゾフラン-2-イルメチル]-1H-インドール-2-カルボン酸ジメチル-アミドI(工程A11)の製造を例証する。
【0102】
実施例20(化合物16、R = C(CH3)3)の粗製材料をメタノール(2mL)に溶解し、4N NaOH(10当量)の添加後、溶液を50℃にて3時間撹拌した。室温に冷却後、混合物をEtOAc(それぞれ20mL)で2回抽出した。有機層を鹹水(50mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過して、乾燥まで蒸発させ、実施例26に示したものと同じLCMSシグナルを有する最終化合物Iを得た。
【0103】
実施例32
本実施例は、5 -クロロ-3-[4-(2,4-ジアミノ-ピリミジン-5-イル-メチル)-6,7-ジメトキシ-ベンゾフラン-2-イルメチル]-1H-インドール-2-カルボン酸ジメチル-アミドI(工程A12)の製造を例証する。
【0104】
実施例21(化合物17、R = C(CH3)3)の粗製材料をメタノール(4mL)に溶解し、4N NaOH(10当量)の添加後、溶液を50℃にて3時間撹拌した。室温に冷却後、混合物をEtOAc(それぞれ30mL)で2回抽出した。有機層を鹹水(50mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過して、乾燥まで蒸発させ、実施例26に示したものと同じLCMSシグナルを有する最終化合物Iを得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物を製造するための方法であって、
【化1】

式6の新規中間体で開始して、
【化2】

(式中、
Rは、-C(CH3)3または-CH(CH3)2を表す)、
式6の化合物を式10または式12のいずれかの化合物と反応させて、
【化3】

(式中、Rは、上記の式6に示した意味を有する)、
それぞれ式13または15の化合物を得て、
【化4】

(式中、Rは、上記の式6に示した意味を有する)、
式13または式15の新規化合物を脱保護して新規中間体14を得て、
【化5】

および式14の化合物のケトカルボニル基を、それ自体既知の様式の1または2工程の還元によって変換して式Iの標的化合物を得る方法。
【請求項2】
式Iの標的化合物を得るための、式14の化合物の還元であって、
【化6】

適用される水素化ホウ素に応じて-20℃〜70℃までの範囲の温度における水素化ホウ素で、または第1工程において、水素化ホウ素ナトリウムを-20℃にて、もしくはルテニウム触媒を室温にて使用し、第2工程において、水素化ホウ素ナトリウムを約0℃にて触媒としての三フッ化ホウ素またはトリフルオロ酢酸と共に使用することにより、式14Aの新規中間体を経た式14の化合物の2工程還元でのいずれかの還元。
【化7】

【請求項3】
以下からなる群より選択される新規中間体:
N-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-5-(3,4,5-トリメトキシ-ベンジル)-ピリミジン-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオンアミド 式2(R =C(CH3)3)、

N-[4-イソブチリルアミノ-5-(3,4,5-トリメトキシ-ベンジル)-ピリミジン-2-イル]-イソブチルアミド;(式2(R =CH(CH3)2))、

N-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-5-(2-ホルミル-3,4,5-トリメトキシ-ベンジル)-ピリミジン-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオンアミド;(式3(R =C(CH3)3))、

N-[5-(2-ホルミル-3,4,5-トリメトキシ-ベンジル)-4-イソブチリルアミノ-ピリミジン-2-イル]-イソブチルアミド;(式3(R =CH(CH3)2))、

N-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-5-(2-ヨード-3,4,5-トリメトキシ-ベンジル)-ピリミジン-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオンアミド;(式5(R =C(CH3)3))、

N-[5-(2-ヨード-3,4,5-トリメトキシ-ベンジル)-4-イソブチリルアミノ-ピリミジン-2-イル]-イソブチルアミド;(式5(R =CH(CH3)2))、

N-[4-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-5-(2-ホルミル-3-ヒドロキシ-4,5-ジメトキシ-ベンジル)-ピリミジン-2-イル]-2,2-ジメチル-プロピオンアミド;(式6(R =C(CH3)3))、

N-[5-(2-ホルミル-3-ヒドロキシ-4,5-ジメトキシ-ベンジル)-4-イソブチリルアミノ-ピリミジン-2-イル]-イソブチルアミド;(式6(R =CH(CH3)2))

3-アセチル-5-クロロ-1H-インドール-2-カルボン酸ジメチルアミド;(式8)

3-アセチル-5-クロロ-1-(トルエン-4-スルホニル)-1H-インドール-2-カルボン酸ジメチルアミド;(式9)、

3-(2-ブロモ-アセチル)-5-クロロ-1-(トルエン-4-スルホニル)-1H-インドール-2-カルボン酸-ジメチルアミド;(式10)

3-( 2-ブロモ-アセチル)-5-クロロ-1H-インドール-カルボン酸-ジメチルアミド;(式11)、

3-(2-ブロモ-アセチル)-5-クロロ-2-ジメチルカルバモイル-インドール-1-カルボン酸tert-ブチルエステル;(式12)、

3-[4-(2,4-ビス-イソブチリルアミノ-ピリミジン-5-イルメチル)-6,7-ジメトキシ-ベンゾフラン-2-カルボニル]-5-クロロ-1-(トルエン-4-スルホニル)-1H-インドール-2-カルボン酸-ジメチルアミド;(式13(R =CH(CH3)2))、

3-{4-[2,4-ビス-(2,2-ジメチル-プロピオニル-アミノ)-ピリミジン-5-イルメチル]-6,7-ジメトキシ-ベンゾフラン-2-イルメチル}-5-クロロ-1-(トルエン-4-スルホニル)-1H-インドール-2-カルボン酸ジメチルアミド;(式13(R =C(CH3)3))、

5-クロロ-3-[4-(2,4-ジアミノ-ピリミジン-5-イル-メチル)-6,7-ジメトキシ-ベンゾフラン-2-カルボニル]-1H-インドール-2-カルボン酸ジメチル-アミド、メシレート塩(式14)、

3-[4-(2,4-ビス-イソブチリルアミノ-ピリミジン-5-イルメチル)-6,7-ジメトキシ-ベンゾフラン-2-カルボニル]-5-クロロ-2-ジメチルカルバモイル-インドール-1-カルボン酸tert-ブチルエステル;(式15(R =CH(CH3)2))、

3-{4-[2,4-ビス-(2,2-ジメチル-プロピオニルアミノ)-ピリミジン-5-イルメチル]-6,7-ジメトキシ-ベンゾフラン-2-カルボニル}-5-クロロ-2-ジメチルカルバモイル-インドール-1-カルボン酸tert-ブチルエステル;(式15(R =C(CH3)3))、

3-{4-[2,4-ビス-(2,2-ジメチル-プロピオニル-アミノ)-ピリミジン-5-イルメチル]-6,7-ジメトキシ-ベンゾフラン-2-イルメチル}-5-クロロ-1-(トルエン-4-スルホニル)-1H-インドール-2-カルボン酸ジメチルアミド;(式16(R =C(CH3)3))、

3-[4-(2,4-ビス-イソブチリルアミノ-ピリミジン-5-イルメチル)-6,7-ジメトキシ-ベンゾフラン-2-イルメチル]-5-クロロ-1-(トルエン-4-スルホニル)-1H-インドール-2-カルボン酸ジメチル-アミド;(式16(R =CH(CH3)2))、

3-{4-[2,4-ビス-(2,2-ジメチル-プロピオニル-アミノ)-ピリミジン-5-イルメチル]-6,7-ジメトキシ-ベンゾフラン-2-イルメチル}-5-クロロ-2-ジメチルカルバモイル-インドール-1-カルボン酸tert-ブチルエステル;(式17(R =C(CH3)3))、

3-[4-(2,4-ビス-イソブチリルアミノ-ピリミジン-5-イルメチル)-6,7-ジメトキシ-ベンゾフラン-2-イルメチル]-5-クロロ-2-ジメチルカルバモイル-インドール-1-カルボン酸tert-ブチルエステル;(式17(R =CH(CH3)2))。

【公表番号】特表2008−530156(P2008−530156A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−555504(P2007−555504)
【出願日】平成18年2月10日(2006.2.10)
【国際出願番号】PCT/EP2006/001179
【国際公開番号】WO2006/087140
【国際公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【出願人】(598029623)アルパイダ アーゲー (7)
【氏名又は名称原語表記】ARPIDA AG
【Fターム(参考)】