説明

ベンゾフラン類およびベンゾチオフェン類

本発明は、式(I)の化合物に関し、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびXは、請求項1で定義される。これらの化合物は、インスリン抵抗性症候群に伴う病変の治療に用いることができる。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インスリン抵抗性症候群に伴う病変の治療に有用な、さまざまに置換されたベンゾフラン誘導体およびベンゾチオフェン誘導体に関する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本発明は、一般式(I)の化合物、ならびにその立体異性体、そのラセミ体および薬剤として許容される塩に関する。
【0003】
【化1】

【0004】
X=OまたはS。
R1は、下記から選択される:
−Alk−COOH、
−Alk−C(=O)−(O)m−Ar、
−Alk−C(=O)−(O)m−Het、
−Alk−C(=O)−(O)m−Alk、
−Alk−C(=O)−(O)m−シクロアルキル、
−Alk−C(=O)NRR’、
−Alk−(O)m−Ar、
−Alk−O−Alk、
−Alk−O−Alk−Ar、
−Alk−O−Het。
R2は、−Alk、−Arおよび−シクロアルキルから選択される。
R3、R4、R5およびR6は、同一または異なっていてもよく、独立に、H、−Hal、−OH、−Alk、−OAlk、−CN、−CF3、−NRR’および−NO2から選択される。
【0005】
ここで、R1〜R6の定義において:
各Alkは、同一または異なっていてもよく、場合によって、独立に、−Hal、−OAlk、−Ar、−OAlkAr、−OH、−CN、−OAr、−CF3、−COOH、−NRR’、−C(=O)−(O)mAlk、−Hetおよび−NO2から選択された1個以上の基によって置換されており、
各Arは、同一または異なっていてもよく、場合によって、独立に、−Hal、−OAlk、−Alk、−Ar、−OAlkAr、−OH、−CN、−OAr、−CF3、−AlkAr、−COOH、−C(=O)−(O)mAlk、−Alk−C(=O)−(O)m−Alk、−NRR’、−Het、−NO2、−S(O)nArおよび−S(O)nAlkから選択された1個以上の基によって置換されており、
RおよびR’は、独立に、HおよびAlkから選択され、
m=0または1。
【0006】
なお、上記において、1)R1=−CH2−C(=O)Meであり、R2=−Meであり、X=Oであり、R3、R5=Hであり、各R4、R6=HまたはOMeである化合物を除く。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
X=OまたはS。
R1は、下記から選択される:
−Alk−COOH、
−Alk−C(=O)−(O)m−Ar、
−Alk−C(=O)−(O)m−Het、
−Alk−C(=O)−(O)m−Alk、
−Alk−C(=O)−(O)m−シクロアルキル、
−Alk−C(=O)NRR’、
−Alk−(O)m−Ar、
−Alk−O−Alk、
−Alk−O−Alk−Ar、
−Alk−O−Het。
R2は、−Arまたは−シクロアルキルを表す。
R3、R4、R5およびR6は、同一または異なっていてもよく、独立に、H、−Hal、−OH、−Alk、−OAlk、−CN、−CF3、−NRR’および−NO2から選択される。
【0008】
ここで、R1〜R6の定義において:
各Alkは、同一または異なっていてもよく、場合によって、独立に、−Hal、−OAlk、−Ar、−OAlkAr、−OH、−CN、−OAr、−CF3、−COOH、−NRR’、−C(=O)−(O)mAlk、−Hetおよび−NO2から選択された1個以上の基によって置換されており、
各Arは、同一または異なっていてもよく、場合によって、独立に、−Hal、−OAlk、−Alk、−Ar、−OAlkAr、−OH、−CN、−OAr、−CF3、−AlkAr、−COOH、−C(=O)−(O)mAlk、−Alk−C(=O)−(O)m−Alk、−NRR’、−Het、−NO2、−S(O)nArおよび−S(O)nAlkから選択された1個以上の基によって置換されており、
RおよびR’は、独立に、HまたはAlkから選択され、
m=0または1。
【0009】
X=S。
R1は、下記から選択される:
−Alk−COOH、
−Alk−C(=O)−(O)m−Ar、
−Alk−C(=O)−(O)m−Het、
−Alk−C(=O)−(O)m−Alk、
−Alk−C(=O)−(O)m−cyaloalkyl、
−Alk−C(=O)NRR’、
−Alk−(O)m−Ar、
−Alk−O−Alk、
−Alk−O−Alk−Ar、
−Alk−O−Het。
R2は、−Alk、−Arおよび−シクロアルキルから選択される。
R3、R4、R5およびR6は、同一または異なっていてもよく、独立に、H、−Hal、−OH、−Alk、−OAlk、−CN、−CF3、−NRR’、および−NO2から選択される。
【0010】
ここで、R1〜R6の定義において:
各Alkは、同一または異なっていてもよく、場合によって、独立に、−Hal、−OAlk、−Ar、−OAlkAr、−OH、−CN、−OAr、−CF3、−COOH、−NRR’、−C(=O)−(O)mAlk、−Hetおよび−NO2から選択された1個または複数の基によって置換されており、
各Arは、同一または異なっていてもよく、場合によっては、独立に、−Hal、−OAlk、−Alk、−Ar、−OAlkAr、−OH、−CN、−OAr、−CF3、−AlkAr、−COOH、−C(=O)−(O)mAlk、−Alk−C(=O)−(O)m−Alk、−NRR’、−Het、−NO2、−S(O)nArおよび−S(O)nAlkから選択された1個以上の基によって置換されており、
RおよびR’は、独立に、HまたはAlkから選択され、
m=0または1。
【0011】
好ましくは、R3、R4、R5、R6=H。
【0012】
好ましくは、X=S。
【0013】
好ましくは、R2=場合によって−CNまたはCOOHで置換されているAr、または場合によって−COOHで置換されているアルキル。
【0014】
好ましくは、R2=場合によって−CNまたは−COOH、好ましくは−CNで置換されているフェニル。
【0015】
好ましくは、m=0。
【0016】
好ましくは、R1=−CH2−COOH、−CH2=C(=O)−(O)m−Ar、−CH2−C(=O)−(O)m−Het、−CH2−C(=O)−(O)m−Alk、−CH2−C(=O)NRR’、−CH2−(O)m−Ar、−CH2−O−Alk、−CH2−O−Alk−Arまたは−CH2−O−Hetであり、
ここで、Ar、好ましくはフェニルは、場合によって、Hal、−OAlk、−Ar、−Alk、−O−Alk−Ar、−C(=O)−(O)m−Alk、−Alk−C(=O)−(O)mAlk、−S(O)n−Ar、−S(O)n−Alk、−O−CF3、−CNおよび−OHから選択された1個以上の基によって置換されていて、
m=0または1、n=2。
【0017】
さらにいっそう好ましくは、R1=−CH2−C(=O)−Ar、−CH2−C(=O)−Alkまたは−(CH2m'−(O)m−Arであり、
ここで、Ar、好ましくはフェニル、は、場合によって、Hal、−OAlk、−Ar、−Alk、−O−Alk−Ar、−C(=O)−(O)m−Alk、−Alk−C(=O)−(O)mAlk、−S(O)n−Ar、−S(O)n−Alk、−O−CF3、−CNおよび−OHから選択された1個以上の基によって置換されていて、
m=0または1、m’=1または2、n=2。
【0018】
好ましくは、m=1のとき、m’=2である。
【0019】
有利には、R1=好ましくはAlk=−CMe3である−CH2−C(=O)−Alk。
【0020】
有利には、R1=フェニルが、場合によって、−Hal、−OAlk、−CN、−SO2−Alkおよび−Alkから選択された1個以上の基によって置換されている−CH2−C(=O)−フェニルまたは−CH2−フェニル。
【0021】
式(I)の化合物は、特に下記から選択することができる:
2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−1−(4−クロロフェニル)エタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−1−フェニルエタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−1−(2−メトキシフェニル)エタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−1−ビフェニル−4−イルエタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−1−p−トリルエタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−1−(4−メトキシフェニル)エタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−1−(4−フルオロフェニル)エタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−1−(3−メトキシフェニル)エタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−3−メトキシプロピオン酸メチル;
2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−1−(2−ベンジルオキシフェニル)エタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−1−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−1−(3,4−ジメトキシフェニル)エタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−1−フェニルプロパン−1−オン;
2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−1−(2,4−ジメトキシフェニル)エタノン;
1−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−3,3−ジメチルブタン−2−オン;
2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−1−ナフタレン−2−イルエタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−1−(2,3−ジクロロ−4−メトキシフェニル)エタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−1−(4−ベンジルオキシ−3−メトキシフェニル)エタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−1−(2−ベンジルオキシ−5−フルオロフェニル)エタノン;
【0022】
(3−ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン−2−イル)フェニルメタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)アセトアミド;
{3−[2−(4−フルオロフェノキシ)エトキシ]ベンゾ[b]チオフェン−2−イル}フェニルメタノン;
(3−フェネチルオキシベンゾ[b]チオフェン−2−イル)フェニルメタノン;
3−{4−[2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチル;
{3−[2−(ナフタレン−1−イルオキシ)エトキシ]ベンゾ[b]チオフェン−2−イル}フェニルメタノン;
{3−[2−(2−メトキシフェノキシ)エトキシ]ベンゾ[b]チオフェン−2−イル}フェニルメタノン;
1−{4−[2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)エチル]フェニル}エタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−4−フェニル酪酸エチル;
[3−(3−フェノキシプロポキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]フェニルメタノン;
[3−(4−tert−ブチルベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]フェニルメタノン;
[3−(2−ベンゼンスルホニルメチルベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]フェニルメタノン;
4−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシメチル)安息香酸メチル;
フェニル[3−(4−トリフルオロメトキシベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]メタノン;
[3−(ビフェニル−2−イルメトキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]フェニルメタノン;
[3−(4−メチルベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]フェニルメタノン;
(3−ベンジルオキシベンゾ[b]チオフェン−2−イル)フェニルメタノン;
[3−(2,3−ジフルオロベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]フェニルメタノン;
【0023】
ナトリウム2−(4−シアノベンゾイル)ベンゾ[b]チオフェン−3−オラート;
4−[3−(2−クロロ−4−フルオロベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[3−(3,4−ジクロロベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[3−(3−トリフルオロメチルベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[3−(2−シアノベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[3−(3−シアノベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[3−(4−シアノベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[3−(3,5−ビス−トリフルオロメチルベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[2−(4−シアノベンゾイル)ベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシメチル]安息香酸メチル;
【0024】
4−[3−(4−フルオロ−2−トリフルオロメチルベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−(3−ペンタフルオロフェニルメトキシベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル)ベンゾニトリル;
4−[3−(2,6−ジフルオロベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[3−(4−トリフルオロメチルベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[3−(2−クロロベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[3−(ビフェニル−2−イルメトキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[3−(4−ブロモ−2−フルオロベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[3−(2−メチルベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[3−(2,6−ジクロロベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[3−(3−クロロベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[3−(2−ブロモベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[3−(4−ブロモベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
【0025】
4−(3−ベンジルオキシベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル)ベンゾニトリル;
4−[3−(3−ブロモベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[3−(2,5−ジフルオロベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[3−(3,4−ジフルオロベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[3−(3,5−ジフルオロベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[3−(2,4−ジフルオロベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[3−(2,3−ジフルオロベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[3−(4−メタンスルホニルベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[3−(4−ヨードベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
【0026】
4−{3−[2−(4−クロロフェニル)−2−オキソエトキシ]ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル}ベンゾニトリル;
4−[3−(2−オキソ−2−フェニルエトキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−{3−[2−(2−メトキシフェニル)−2−オキソエトキシ]ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル}ベンゾニトリル;
4−[3−(2−ビフェニル−4−イル−2−オキソエトキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[3−(2−オキソ−2−p−トリルエトキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−{3−[2−(4−メトキシフェニル)−2−オキソエトキシ]ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル}ベンゾニトリル;
4−[3−(2−アダマンタン−1−イル−2−オキソエトキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−{3−[2−(4−フルオロフェニル)−2−オキソエトキシ]ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル}ベンゾニトリル;
4−{3−[2−(3−メトキシフェニル)−2−オキソエトキシ]ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル}ベンゾニトリル;
4−{3−[2−(2−ベンジルオキシフェニル)−2−オキソエトキシ]ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル}ベンゾニトリル;
4−{3−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−2−オキソエトキシ]ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル}ベンゾニトリル;
4−{3−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−オキソエトキシ]ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル}ベンゾニトリル;
4−{3−[2−(2,4−ジメトキシフェニル)−2−オキソエトキシ]ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル}ベンゾニトリル;
4−[3−(2−ナフタレン−2−イル−2−オキソエトキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−{3−[2−(4−ベンジルオキシ−3−メトキシフェニル)−2−オキソエトキシ]ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル}ベンゾニトリル;
4−{3−[2−(2−ベンジルオキシ−5−フルオロフェニル)−2−オキソエトキシ]ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル}ベンゾニトリル;
【0027】
(3−ヒドロキシベンゾフラン−2−イル)フェニルメタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾフラン−3−イルオキシ)−1−(4−クロロフェニル)エタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾフラン−3−イルオキシ)−1−(2−メトキシフェニル)エタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾフラン−3−イルオキシ)−1−ビフェニル−4−イルエタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾフラン−3−イルオキシ)−1−p−トリルエタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾフラン−3−イルオキシ)−1−(4−メトキシフェニル)エタノン;
1−アダマンタン−1−イル−2−(2−ベンゾイルベンゾフラン−3−イルオキシ)エタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾフラン−3−イルオキシ)−1−(4−フルオロフェニル)エタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾフラン−3−イルオキシ)−3−メトキシプロピオン酸メチル;
2−(2−ベンゾイルベンゾフラン−3−イルオキシ)−1−(2−ベンジルオキシフェニル)エタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾフラン−3−イルオキシ)−1−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾフラン−3−イルオキシ)−1−(3,4−ジメトキシフェニル)エタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾフラン−3−イルオキシ)−1−(2,4−ジメトキシフェニル)エタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾフラン−3−イルオキシ)−1−ナフタレン−2−イルエタノン、
ならびに、これらの立体異性体、ラセミ体、および薬剤として許容される塩。
【0028】
式(I)の化合物は、好ましくは、下記から選択される:
2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−1−(4−クロロフェニル)エタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−1−(2−メトキシフェニル)エタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−1−(2,4−ジメトキシフェニル)エタノン;
1−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−3,3−ジメチルブタン−2−オン;
4−[3−(2−シアノベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[3−(3−シアノベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[3−(2,6−ジクロロベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−(3−ベンジルオキシベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル)ベンゾニトリル;
4−[3−(4−メタンスルホニルベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[3−(2−オキソ−2−フェニルエトキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−{3−[2−(2−メトキシフェニル)−2−オキソエトキシ]ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル}ベンゾニトリル;
4−[3−(2−オキソ−2−p−トリルエトキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル、
ならびにこれらの立体異性体、ラセミ体、および薬剤として許容される塩。
【0029】
さらにいっそう好ましくは、式(I)の化合物は、下記から選択される。
1−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−3,3−ジメチルブタン−2−オン、
ならびに、この立体異性体およびラセミ体、および薬剤として許容される塩。
【0030】
本発明によれば、−Alk基は、アルキル基、すなわち炭素原子が1〜20個、好ましくは1〜5個の直鎖または分岐した飽和炭化水素系の基を表す。
【0031】
直鎖の場合、特に、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、へキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基およびオクタデシル基を挙げることができる。
【0032】
分岐または1個以上のアルキル基で置換されている場合、特に、イソプロピル基、tert−ブチル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルブチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基および3−メチルヘプチル基を挙げることができる。
【0033】
Halで表示されるハロゲン原子では、とりわけフッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられるが、好ましくはフッ素である。
【0034】
シクロアルキル基は、単環、二環、三環の、飽和または部分的に不飽和の、非芳香族炭化水素系で炭素原子が3〜10個の基であり、特に、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基またはアダマンチル基、またこれらに相当する環で1個以上の不飽和結合を含むものなどである。
【0035】
Arは、アリール基、すなわち単環または二環で炭素原子が6〜10個の炭化水素系の芳香族系を示す。
【0036】
アリール基では、とりわけフェニル基またはナフチル基、より特定的には少なくとも1個のハロゲン原子で置換されたものを挙げることができる。
【0037】
−AlkAr(−アルキルアリール)基では、とりわけベンジル基またはフェネチル基が挙げられる。
【0038】
Hetは、ヘテロアルキル基、すなわち単環または二環で炭素原子5〜10個の芳香族であって、1個以上の窒素、酸素およびイオウから選択したヘテロ原子を含むものを表す。ヘテロアルキル基では、とりわけピラジニル基、チエニル基、オキサゾリル基、フラザニル基、ピロリル基、1,2,4−チアジアゾリル基、ナフチリジニル基、ピリダジニル基、キノキサリニル基、フタラジニル基、イミダソ[1,2−a]ピリジル基、イミダゾ[2,1−b]チアゾリル基、シンノリニル基、トリアジニル基、ベンゾフラザニル基、アザインドリル基、ベンツイミダゾリル基、ベンゾチエニル基、チエノピリジル基、チエノピリミジニル基、ピロロピリジル基、イミダゾピリジル基、ベンツアザインドリル基、1,2,4−トリアジニル基、ベンゾチアゾリル基、フラニル基、イミダゾリル基、インドリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、インドリジニル基、イソオキサゾリル基、イソキノリル基、イソチアゾリル基、オキサジアゾリル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、プリニル基、キナゾリニル基、キノリル基、イソキノリル基、1,3,4−チアジアゾリル基、チアゾリル基、トリアジニル基、イソチアゾリル基およびカルバゾイル基、ならびにこれら同士の縮合からまたはこれらとフェニル核との縮合から誘導される対応する基も挙げられる。好ましいヘテロアリール基には、チエニル基、ピロリル基、キノキサリニル基、フラニル基、イミダゾリル基、インドリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、キナゾリニル基、キノリニル基、チアゾリル基、カルバゾリル基およびチアジアゾリル基、ならびにこれらとフェニル核と縮合している基、また、より特定的にはキノリニル基、カルバゾリル基およびチアジアゾリル基が含まれる。
【0039】
「薬剤として許容される塩」という表現は、本発明の化合物の比較的無毒性の鉱酸付加塩および有機酸付加塩ならびに塩基付加塩に関係している。これらの塩は、化合物の最終的な単離および精製の間に、その場で製造が可能である。具体的には、酸付加塩は、精製された化合物を精製された形で、別途に有機酸または鉱酸と反応させ、こうして形成された塩を単離することによって製造することができる。酸付加塩の例には、臭化水素塩、塩酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、ホウ酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナフチル酸塩、メシル酸塩、グルコヘプトン酸塩、ラクトビオン酸塩、スルファミン酸塩、マロン酸塩、サリチル酸塩、プロピオン酸塩、メチレンビス−b−ヒドロキシナフトエ酸塩、ゲンチシン酸、イセチオン酸塩、ジ−p−トルオイル酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、シクロヘキシルスルファミン酸塩およびキナ酸塩−ラウリルスルホン酸塩ならびに類似のものがある。(例えば、参照により本明細書に組み入れる、S.M.Bergeらの「薬剤用塩類(Pharmaceutical Salts」、J.Pharm.Sci.,66巻、1〜19頁、1997年を参照されたい。)酸付加塩は、精製された酸型の化合物を有機塩基または無機塩基と反応させ、こうして形成された塩を単離することによっても調製することができる。酸付加塩には、アミン塩および金属塩が含まれる。適当な金属塩には、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩およびアルミニウム塩が含まれる。ナトリウム塩およびカリウム塩が好ましい。適当な無機の塩基付加塩は、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウムおよび水酸化亜鉛を含む金属塩基から製造する。適当なアミン塩基付加塩は、安定な塩を形成するに足る塩基性を有し、好ましくは、低い毒性と医療上の使用に対する許容性の故に、医薬品化学でしばしば使用されるアミンである、アンモニア、エチレンジアミン、N−メチル−グルカミン、リジン、アルギニン、オルニチン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、ジエタノールアミン、プロカイン、N−ベンジル−フェネチルアミン、ジエチルアミン、ピペラジン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、トリエチルアミン、ジベンジルアミン、エフェナミン、デヒドロアビエチルアミン、N−エチルピペリジン、ベンジルアミン、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、塩基性アミノ酸、たとえばリジンおよびアルギニン、ならびにジシクロヘキシルアミン、ならびに類似のものを含むアミンから製造される。
【0040】
上記で定義されたように、十分に酸性の官能基または十分に塩基性の官能基あるいは両方を含有する式(I)の本発明の化合物は、対応する薬剤として許容される有機酸塩または鉱酸塩あるいは有機塩基塩または無機塩基塩を含むことができる。
【0041】
一般式(I)の化合物は、本来知られているどの方法および/または当業者の能力の範囲内にあるどの方法でもよく、特に、Larockによって「有機転換法総覧(Comprehensive Organic Transformations)」、VCH Pub.、1989年に記載されている方法の適用または応用によって、あるいは下記の実施例において記載されている方法の適用または応用によって製造できる。
【0042】
もう1つの主題に従うと、本発明は、本明細書で上記した式(I)の化合物の、以下に記載する方法による製造にも関する。
【0043】
一般式(I)の化合物は、特に次の合成経路によって製造することが可能である。
【0044】
【化2】

【0045】
1.式(II)の(チオ)サリチル酸誘導体を式(III)の2−ハロエタノン誘導体へ、エタノールのような極性溶媒中、−20〜200℃、特に0〜20℃で加え、それに続いて、メタノール、水、DMF、NMP、DMSOまたはiPrOH、好ましくはDMFのような極性溶媒中、−20〜200℃、特に0〜200℃で、好ましくは酢酸ナトリウムの存在下で環化すること。
【0046】
【化3】

式中、R3〜R6およびXは、上記で定義した通りであり、Rは、水素原子またはアルキル基である。
【0047】
【化4】

式中、Halは、ハロゲン原子であり、R2は上記で定義した通りである。
【0048】
2.得られた誘導体(IV)を、式(V)のハロ誘導体(Hal−R1(V))とエタノール、メタノール、水、DMF,NMP,DMSOまたはiPrOHのような極性溶媒中、好ましくはDMF中、−20〜200℃、特に0〜200℃で、等mol基準でカップリングすること。
【0049】
【化5】

【0050】
サリチル酸の2−ブロモアセトフェノン誘導体への付加の方法は、特に、Eur.J.Med.Chem.Chim.Ther.,FR,20巻2号,1985年,187〜189頁にGayral,Buissonらにより記載されている。カップリング工程は、特に、J.Am.Chem.Soc.,EN,71巻,1949年,2856〜2858頁にBlickeにより記載されている。
【0051】
上記の方法は、場合によっては、得られた生成物を単離する工程も含むことができる。
【0052】
以下に記載する反応では、反応性の官能基、例えばヒドロキシル基、アミノ基、イミノ基、チオ基またはカルボキシル基が最終生成物中に必要であれば、反応中にこれらの基への望ましくない関与を避けるために、これらの基を保護することが必要なこともある。周知の保護基を、標準的な仕方(例えば、T.W.GreenとP.G.M.Wuts著,「有機化学における保護基(Protective Groups in Organic Chemistry)」,John Wiley and Sons,1991年、J.F.W.McOmie著,「有機化学における保護基(Protective Groups in Organic Chemistry)」,Plenum Press,1973年を参照されたい)で使用することができる。
【0053】
このようにして製造された化合物は、従来の方法で反応混合物から取り出すことができる。例えば、反応混合物から溶媒を留去することによって、または、必要とあれば、溶液混合物から溶媒を留去した後、残留物を水中に注ぎ、続いて水と混和しない有機溶媒で抽出し、抽出液から溶媒を留去することによって、化合物を取り出すことができる。さらに、生成物は、所望であれば、再結晶、再沈殿または種々のクロマトグラフィー法、特にカラムクロマトグラフィーや分取薄層クロマトグラフィーのような種々の技法によって精製することもできる。
【0054】
本発明の有用な化合物は、不斉中心を有することがあることは理解されるであろう。これらの不斉中心は、独立に、RまたはSの配置を取りうる。本発明の有用なある種の化合物は、幾何異性を示すこともあることは当業者には明らかであろう。本発明は、上記式(I)の化合物の、各幾何異性体および立体異性体、ならびにラセミ混合物を含みこれらの混合物を含んでいることを理解しなければならない。これらの異性体は、その混合物から、公知の方法、例えばクロマトグラフィー法または再結晶法の適用または応用によって分離することができ、あるいはそれらは、中間体の相応する異性体から、別々に製造することができる。
【0055】
本書の目的では、あるグループ、例えばチオ/メルカプトまたはオキソ/ヒドロキシ、の引用では、互変異性体を含んでいるものと解釈される。
【0056】
酸付加塩は、アミノ基、アルキルアミノ基またはジアルキルアミノ基のような塩基性官能基が存在する、本発明の有用な化合物を用いて形成される。薬剤として許される、すなわち無毒性の酸付加塩が好ましい。選択される塩は、最適には、通常の薬剤媒体と相性が良く、経口投与や非経口投与に適するものが選ばれる。本発明の有用な化合物の酸付加塩は、公知の方法を適用または応用して、遊離の塩基を適当な酸と反応することで製造される。例えば、本発明の有用な化合物の酸付加塩は、相応する酸を含んでいる水中または塩基性水溶液もしくは適当な溶媒中に遊離の塩基を溶解し、溶液を蒸発させることによって溶媒を分離するか、あるいは遊離の塩基と酸を有機溶媒中で反応させること(この場合、塩は直接分離するか、溶液を濃縮することによって得られる)によって製造される。
これらの塩の製造に使用する相応する酸として、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、種々の有機カルボン酸および有機スルホン酸、例えば、酢酸、クエン酸、プロピオン酸、コハク酸、安息香酸、酒石酸、フマル酸、マンデル酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、脂肪酸、アジピン酸塩、アルギニン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、マレイン酸塩、ヨウ化水素塩、2−ヒドロキシエタンスルン酸塩、グリセロ燐酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、パモイン酸塩、ペクチニン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、チオシアン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、ニコチン酸塩、半硫酸塩、ヘプトン酸塩、ヘキサン酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩等がある。
【0057】
本発明の有用な化合物の酸付加塩は、公知の方法の適用または応用により、塩から再構成できる。例えば、本発明の有用な元化合物は、その酸付加塩から、アルカリ、例えば、重炭酸ナトリウム水溶液またはアンモニア水溶液で処理することにより再生できる。
【0058】
本発明の有用な化合物は、公知の方法の適用または応用によって、その塩基付加塩から再生が可能である。例えば、本発明の有用な化合物は、その塩基付加塩から、酸、例えば塩酸を用いる処理によって再生が可能である。
【0059】
本発明の有用な化合物がカルボキシル基または十分に酸性の生物等価構造を有していれば、塩基付加塩を形成することができる。塩基付加塩の製造に使用可能な塩基は、好ましくは、遊離の酸と組み合わせたときに薬剤として許される塩、すなわちそのカチオンが塩の薬剤量において患者にとって有毒ではなく、遊離塩基に特有のためになる制止効果がカチオンに起因する副作用により打ち消されないような塩、を生成するものを含んでいる。薬剤として許される塩で、アルカリ土類金属塩に由来する塩を含めて、本発明の範囲に入るものは次の塩基:水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、アンモニア、エチレンジアミン、N−メチルグルカミン、リジン、アルギニン、オルニチン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、ジエタノールアミン、プロカイン、N−ベンジルフェネチルアミン、ジエチルアミン、ピペラジン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等から得られるものを含んでいる。
【0060】
本発明の有用な化合物は、溶媒和物(例えば、水和物)の形で製造する、あるいは本発明の製造工程の間に形成することができる。本発明の有用な化合物の水和物は、ジオキサン、テトラヒドロフランまたはメタノールのような有機溶媒を使用する、水/有機溶媒混合物の再結晶化によって容易に製造できる。
【0061】
塩基性の生成物または中間体は、公知の方法、例えば、参考実施例に記載されている方法またはそれと自明で化学的に等価な方法を応用して、または適用して製造できる。
【0062】
本発明によれば、式(I)の化合物は、血糖低下作用を有する。これらは、高血糖、より詳しくはインスリン非依存性糖尿病の高血糖を低下させることが可能である。
【0063】
インスリン抵抗性は、インスリンの作用が低下することが特徴であり(Presse Medicale,1997年、26巻(14号)、671〜677頁を参照されたい)、糖尿病、より詳しくはインスリン非依存性糖尿病(II型糖尿病、NIDDM)、脂質代謝異常、肥満症、ある種の微小血管および大血管合併症、たとえばアテローム性動脈硬化、動脈性高血圧、炎症過程、大血管障害、小血管障害、網膜症、神経障害などの数多くの病的な状況に関連している。
【0064】
これに関しては、例えば、糖尿病(Diabetes),37巻,1988年,1595〜1607頁、Journal of Diabetes and its Complications,1988年,12巻,110〜119頁またはHorm.Res.,1992年,38巻、28〜32頁を参照する。
【0065】
特に、本発明の化合物は、強い血糖低下活性を示す。
【0066】
したがって、式(I)の化合物は、高血糖に関連する病状の治療に有用である。
【0067】
したがって、本発明は、本発明の化合物を活性主剤として含む薬剤組成物にも関する。
【0068】
本発明の薬剤組成物は、非経口、経口、直腸、経粘膜または経皮による投与向けの諸剤形で提供することができる。
【0069】
したがって、それらは、注射用の溶液または懸濁液または多回投与量瓶の剤形で、裸または被覆錠剤、糖衣錠、オブラートカプセル、ゼラチンカプセル、丸薬、カシェ剤、粉剤、座薬または直腸カプセル、溶液もしくは懸濁液の剤形で、極性溶媒中の経皮用にまたは経粘膜用に提供される。
【0070】
このような投与に適当な賦形剤は、固形剤形用としては、セルロースまたは微結晶セルロース誘導体、アルカリ土類金属炭酸塩、リン酸マグネシウム、でんぷん、加工でんぷんおよび乳糖である。
【0071】
直腸用には、カカオバターまたはポリエチレングリコールステアリン酸エステルが好ましい賦形剤である。
【0072】
非経口用には、水、水溶液、生理食塩水および等張液が、最も適切に使用される媒体である。
【0073】
投与量は、治療指標および投与経路によって、また患者の年齢および体重によっても、広い範囲(0.5mg〜1000mg)内で変更可能である。
【0074】
ヒトのインスリン非依存性糖尿病の場合は、高血糖は2つの主要な欠陥、すなわちインスリン分泌障害と3つの部位(肝臓、筋肉および脂肪組織)におけるインスリンの効果の低下の結果である。
【0075】
膵臓のβ細胞によるインスリンの分泌を増加させることによって、本発明の化合物は、インスリン非依存性糖尿病患者の血糖値を改善する能力がある。
【実施例】
【0076】
以下の実施例は、限定すること無く、本発明を説明する。
I.式(I)の化合物の製造
使用する出発原料は、公知の製品であるかまたは公知の方法によって製造される。
【0077】
A.式(I)の化合物の製造例
【0078】
(3−ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン−2−イル)フェニルメタノンの製造
2−ブロモアセトフェノン 32.250g(0.162mol)および酢酸ナトリウム 13.290g(0.162mol)を、メタノール 200ml中のチオサリチル酸C7622 25g(0.162mol)に加える。反応混合物を、室温で1時間撹拌する。混合物を、水で希釈し、この化合物をろ別し、水で洗浄し、乾燥して、白色固体 44.0g(0.160mol、99.1%)を得る(これ以上の精製はせずに次のステップに使用する)。
【0079】
酢酸ナトリウム 26.580g(0.324mol)をDMF 200ml中の前記粗生成物 44g(0.162mol)に加える。反応混合物を30分間還流させる。混合物を水で希釈し、形成された沈殿を水で洗浄し、真空乾燥して、環化した化合物C5102Sの白色固体 36.1g(0.141mol、88%)を得る。
【0080】
1−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−3,3−ジメチルブタン−2−オンの製造
NaH(60%懸濁液) 188.72mg(4.718mmol)をDMF 5ml中のC5102S 1g(3.932mmol)に加える。混合物を室温で10分間撹拌し、次に1−ブロモピナコロン 581.840μl(4.325mmol)を加える。混合物を室温で20時間撹拌し、水で希釈する。生成物を酢酸エチルで抽出する。有機相を水および飽和NaCl溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、次に濃縮して白色粉末 1.38g(3.915mmol、99%)を得る。
【0081】
例として、表Aに挙げた化合物を上記手順に従って製造した。表Aに、式(I)の化合物の式および特徴を列挙する。
【0082】
【表1】

【0083】
【表2】

【0084】
【表3】

【0085】
【表4】

【0086】
【表5】

【0087】
【表6】

【0088】
【表7】

【0089】
【表8】

【0090】
【表9】

【0091】
【表10】

【0092】
【表11】

【0093】
例として、下記の化合物を上記手順に従って製造した。
(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)酢酸
[2−(4−クロロベンゾイル)ベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ]酢酸
[2−(2,2−ジメチルプロピオニル)ベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ]酢酸
4−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)酪酸
4−[2−(4−クロロベンゾイル)ベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ]酪酸
4−[2−(2,2−ジメチルプロピオニル)ベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ]酪酸
5−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)ペンタン酸
5−[2−(4−クロロベンゾイル)ベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ]ペンタン酸
5−[2−(2,2−ジメチルプロピオニル)ベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ]ペンタン酸
6−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)ヘキサン酸
6−[2−(4−クロロベンゾイル)ベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ]ヘキサン酸
6−[2−(2,2−ジメチルプロピオニル)ベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ]ヘキサン酸
2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−3−メトキシプロピオン酸
3−{4−[2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)エトキシ]フェニル}プロピオン酸
3−(4−{2−[2−(2,2−ジメチルプロピオニル)ベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ]エトキシ}フェニル)プロピオン酸
2−[2−(4−クロロベンゾイル)ベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ]酪酸
2−[2−(2,2−ジメチルプロピオニル)ベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ]酪酸
2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)ペンタン酸
2−[2−(4−クロロベンゾイル)ベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ]ペンタン酸
2−[2−(2,2−ジメチルプロピオニル)ベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ]ペンタン酸
(4−{2−[2−(2,2−ジメチルプロピオニル)ベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ]エトキシ}フェニル)酢酸
4−[2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)エトキシ]安息香酸
4−{2−[2−(2,2−ジメチルプロピオニル)ベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ]エトキシ}安息香酸
3−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシメチル)安息香酸
3−[2−(4−クロロベンゾイル)ベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシメチル]安息香酸
4−[2−(4−クロロベンゾイル)ベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシメチル]安息香酸
2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)酪酸
【0094】
1−[2−(2,2−ジメチルプロピオニル)ベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ]−3,3−ジメチルブタン−2−オン
1−[2−(4−クロロベンゾイル)ベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ]−3,3−ジメチルブタン−2−オン
1−[2−(4−フルオロベンゾイル)ベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ]−3,3−ジメチルブタン−2−オン
1−(2−ベンゾイル−5−フルオロベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−3,3−ジメチルブタン−2−オン
1−[5−フルオロ−2−(4−メトキシベンゾイル)ベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ]−3,3−ジメチルブタン−2−オン
1−[5−フルオロ−2−(4−フルオロベンゾイル)ベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ]−3,3−ジメチルブタン−2−オン
1−[2−(4−メトキシベンゾイル)ベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ]−3,3−ジメチルブタン−2−オン
【0095】
4−[2−(4−フルオロベンゾイル)ベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ]酪酸
5−[2−(4−フルオロベンゾイル)ベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ]ペンタン酸
6−[2−(4−フルオロベンゾイル)ベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ]ヘキサン酸
2−[2−(4−フルオロベンゾイル)ベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ]−3−メトキシプロピオン酸
2−[2−(4−フルオロベンゾイル)ベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ]酪酸
2−[2−(4−フルオロベンゾイル)ベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ]ペンタン酸
4−[2−(4−フルオロベンゾイル)ベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシメチル]安息香酸
(2−アセチルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)酢酸
5−(2−アセチルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)ペンタン酸
6−(2−アセチルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)ヘキサン酸
2−(2−アセチルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−3−メトキシプロピオン酸
3−{4−[2−(2−アセチルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)エトキシ]フェニル}プロピオン酸
2−(2−アセチルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−4−フェニル酪酸
2−(2−アセチルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)酪酸
2−(2−アセチルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)ペンタン酸
{4−[2−(2−アセチルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)エトキシ]フェニル}酢酸
[2−(4−フルオロベンゾイル)ベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ]酢酸
【0096】
II.生物学的結果
Endocrinology、1992年、130(1)巻、167〜178頁に記載の方法によるインスリン分泌試験
表Bに、インスリン分泌活性を列挙する。本発明による化合物は、10-5Mの濃度で試験した。
【0097】
【表12】

【0098】
単離ラット膵島についての活性研究
in vitroの単離ランゲルハンス島の静的培養におけるグルコース濃度の関数としてのインスリン分泌に対する本発明の化合物の効果(表C)
膵臓外分泌線組織のコラゲナーゼを用いる消化によって得た後、フィコールグラジエントによって精製したランゲルハンンス島を、2つの濃度(2.8mMまたは8mM)のグルコース存在下、本発明の化合物の存在および非存在下で90分間培養する。インスリンの分泌は、RIAによって培養媒体中で分析した。
【0099】
種々の化合物のインスリン分泌促進能力を、促進係数*を計算することによって評価した。
【0100】
あるグルコース投与量に対して、この係数が130%以上であるとき、その化合物はインスリンの分泌を促進する。
【0101】
【数1】

式中、
・G=グルコースだけが存在する場合のインスリン分泌(pmol/分・島)
・G+生成物=同濃度のグルコースと試験化合物が存在する場合のインスリン分泌(pmol/分・島)。
【0102】
【表13】

【0103】
したがって、本発明の化合物は、グルコースに応答するインスリン分泌性である。したがって、これらの化合物は、低血糖のリスクを回避することを可能にする。このことは、血糖低下効果が体内のグルコース濃度とは無関係な、単純な血糖低下性化合物とは対照的である。
【0104】
新生児ストレプトゾトシン(N0STZ)ラットにおける抗糖尿病活性の研究
N0STZ誘発糖尿病ラットにおける化合物15のin vivo効果/投与量(表D)
出生日にストレプトゾトシン注射によって糖尿病にされたN0STZラット(Porthaら、1974年)を、毎日50、100、200mg/kgの化合物15、またはメトフォルミン(参照抗糖尿病剤)200mg/kg、あるいはメチルセルロース(対照)の経口投与によって治療する。4回目の治療の2時間後、麻酔下の動物から血液サンプルを採取する。血糖値を、グルコースデヒドロゲナーゼを使用する比色分析によって測定する。
【0105】
【表14】

【0106】
式(I)の化合物の抗糖尿病活性が、ストレプトゾトシンを用いてラットに誘発させたインスリン非依存性糖尿病の実験モデルについて、経口的に測定された。
【0107】
インスリン非依存性の糖尿病モデルは、新生児へのストレプトゾトシンの注射によってラットで得られた。
【0108】
使用する糖尿病ラットは8週齢である。動物は、生まれた日から実験の日まで、21〜22℃に温度調節された飼育室で、一定の明(7am〜7pm)暗(7pm〜7am)サイクルの下で飼育する。飼料は、維持餌および水からなり、飼料は、試験前2時間は飼料を取り除いて絶食させる(吸収後の状態)以外は、「自由に」摂取させた。
【0109】
ラットは、1日(D1)または4日(D4)間、経口で試験生成物による治療を受ける。最後の生成物投与の2時間後、かつ動物をペントバルビタールナトリウム(Nembutal(登録商標))を用いて麻酔後30分に、300μLの血液サンプルを尾の先から採る。
【0110】
参考のために、得られた結果を表Dに列挙する。
【0111】
これらの結果は、式(I)の化合物の、糖尿病動物の血糖値を下げる上での、有効性を示している。これらの結果は、D1およびD4(治療日数)における血糖値の、D0(治療前)に対する変化率(パーセント)で表している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)で表される化合物:
【化1】

式中:
X=OまたはS;
R1は、下記から選択され、
−Alk−COOH、
−Alk−C(=O)−(O)m−Ar、
−Alk−C(=O)−(O)m−Het、
−Alk−C(=O)−(O)m−Alk、
−Alk−C(=O)−(O)m−シクロアルキル、
−Alk−C(=O)NRR’、
−Alk−(O)m−Ar、
−Alk−O−Alk、
−Alk−O−Alk−Ar、
−Alk−O−Het;
R2は、−Alk、−Arおよび−シクロアルキルから選択され;
R3、R4、R5およびR6は、同一または異なっていてもよく、独立に、H、−Hal、−OH、−Alk、−OAlk、−CN、−CF3、−NRR’および−NO2から選択され;
R1〜R6の定義において:
各Alkは、同一または異なっていてもよく、場合によって、独立に、−Hal、−OAlk、−Ar、−OAlkAr、−OH、−CN、−OAr、−CF3、−COOH、−NRR’、−C(=O)−(O)mAlk、−Hetおよび−NO2から選択された1個以上の基によって置換されており;
各Arは、同一または異なっていてもよく、場合によって、独立に、−Hal、−OAlk、−Alk、−Ar、−OAlkAr、−OH、−CN、−OAr、−CF3、−AlkAr、−COOH、−C(=O)−(O)mAlk、−Alk−C(=O)−(O)m−Alk、−NRR’、−Het、−NO2、−S(O)nArおよび−S(O)nAlkから選択された1個以上の基によって置換されており;
RおよびR’は、独立に、HおよびAlkから選択され;
m=0または1;
但し、下記1)で表される化合物を除く;
1)R1=−CH2−C(=O)Me、R2=−Me、X=O、R3、R5=H、各R4、R6=HまたはOMe、
ならびにその立体異性体、そのラセミ体および薬剤として許容される塩。
【請求項2】
請求項1に記載の式(I)の化合物:
式中:
X=OまたはS;
R1は、下記から選択され、
−Alk−COOH、
−Alk−C(=O)−(O)m−Ar、
−Alk−C(=O)−(O)m−Het、
−Alk−C(=O)−(O)m−Alk、
−Alk−C(=O)−(O)m−シクロアルキル、
−Alk−C(=O)NRR’、
−Alk−(O)m−Ar、
−Alk−O−Alk、
−Alk−O−Alk−Ar、
−Alk−O−Het;
R2は、−Arまたは−シクロアルキルを表し;
R3、R4、R5およびR6は、同一または異なっていてもよく、独立に、H、−Hal、−OH、−Alk、−OAlk、−CN、−CF3、−NRR’および−NO2から選択され;
R1〜R6の定義において:
各Alkは、同一または異なっていてもよく、場合によって、独立に、−Hal、−OAlk、−Ar、−OAlkAr、−OH、−CN、−OAr、−CF3、−COOH、−NRR’、−C(=O)−(O)mAlk、−Hetおよび−NO2から選択された1個以上の基によって置換されており;
各Arは、同一または異なっていてもよく、場合によって、独立に、−Hal、−OAlk、−Alk、−Ar、−OAlkAr、−OH、−CN、−OAr、−CF3、−AlkAr、−COOH、−C(=O)−(O)mAlk、−Alk−C(=O)−(O)m−Alk、−NRR’、−Het、−NO2、−S(O)nArおよび−S(O)nAlkから選択された1個以上の基によって置換されており;
RおよびR’は、独立に、HまたはAlkから選択され;
m=0または1、
ならびにその立体異性体、そのラセミ体および薬剤として許容される塩。
【請求項3】
請求項1に記載の式(I)の化合物:
式中:
X=S;
R1は、下記から選択され、
−Alk−COOH、
−Alk−C(=O)−(O)m−Ar、
−Alk−C(=O)−(O)m−Het、
−Alk−C(=O)−(O)m−Alk、
−Alk−C(=O)−(O)m−シクロアルキル、
−Alk−C(=O)NRR’、
−Alk−(O)m−Ar、
−Alk−O−Alk、
−Alk−O−Alk−Ar、
−Alk−O−Het;
R2は、−Alk、−Arおよび−シクロアルキルから選択され;
R3、R4、R5およびR6は、同一または異なっていてもよく、独立に、H、−Hal、−OH、−Alk、−OAlk、−CN、−CF3、−NRR’、および−NO2から選択され;
R1〜R6の定義において:
各Alkは、同一または異なっていてもよく、場合によって、独立に、−Hal、−OAlk、−Ar、−OAlkAr、−OH、−CN、−OAr、−CF3、−COOH、−NRR’、−C(=O)−(O)mAlk、−Hetおよび−NO2から選択された1個以上の基によって置換されており;
各Arは、同一または異なっていてもよく、場合によって、独立に、−Hal、−OAlk、−Alk、−Ar、−OAlkAr、−OH、−CN、−OAr、−CF3、−AlkAr、−COOH、−C(=O)−(O)mAlk、−Alk−C(=O)−(O)m−Alk、−NRR’、−Het、−NO2、−S(O)nArおよび−S(O)nAlkから選択された1個以上の基によって置換されており;
RおよびR’は、独立に、HおよびAlkから選択され;
m=0または1、
ならびにその立体異性体、そのラセミ体および薬剤として許容される塩。
【請求項4】
R3、R4、R5、R6=Hである請求項1〜3のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
【請求項5】
X=Sである請求項1〜4のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
【請求項6】
R2=場合によって、−CNまたは−COOHによって置換されているAr、または場合によって、−COOHによって置換されているアルキル基である請求項1〜5のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
【請求項7】
R2=場合によって、−CNまたは−COOHによって置換されているフェニルである請求項1〜6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
【請求項8】
R2=−CNによって置換されているフェニルである請求項1〜7のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
【請求項9】
m=0である請求項1〜8のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
【請求項10】
Arが、場合によって、Hal、−OAlk、−Ar、−Alk、−O−Alk−Ar、−C(=O)−(O)m−Alk、−Alk−C(=O)−(O)mAlk、−S(O)n−Ar、−S(O)n−Alk、−O−CF3、−CNおよび−OHから選択された1個以上の基で置換され、
m=0または1、n=2である
R1=−CH2−COOH、−CH2−C(=O)−(O)m−Ar、−CH2−C(=O)−(O)m−Het、−CH2−C(=O)−(O)m−Alk、−CH2−C(=O)NRR’、−CH2−(O)m−Ar、−CH2−O−Alk、−CH2−O−Alk−Arまたは−CH2−O−Hetである請求項1〜9のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
【請求項11】
Arが、場合によって、Hal、−OAlk、−Ar、−Alk、O−Alk−Ar、−C(=O)−(O)m−Alk、−Alk−C(=O)−(O)mAlk、−S(O)n−Ar、−S(O)n−Alk、−O−CF3、−CNおよび−OHから選択された1個以上の基によって置換され、
m=0または1、m’=1または2、n=2である
R1=−CH2−C(=O)−Ar、−CH2−C(=O)−Alkまたは−(CH2m'−(O)m−Arである請求項1〜10のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
【請求項12】
m=1の時、m’=2である請求項1〜11のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
【請求項13】
R1=−CH2−C(=O)−Alkである請求項1〜12のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
【請求項14】
Alk=−CMe3である請求項13に記載の式(I)の化合物。
【請求項15】
Ar=フェニルである請求項1〜14のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
【請求項16】
フェニルが、場合によって、−Hal、−OAlk、−CN、−SO2−Alkおよび−Alkから選択された1個以上基によって置換されている
R1=−CH2−C(=O)−フェニルまたは−CH2−フェニルである請求項1〜15のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
【請求項17】
下記から選ばれる請求項1〜16のいずれか一項に記載の式(I)の化合物:
2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−1−(4−クロロフェニル)エタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−1−フェニルエタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−1−(2−メトキシフェニル)エタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−1−ビフェニル−4−イルエタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−1−p−トリルエタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−1−(4−メトキシフェニル)エタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−1−(4−フルオロフェニル)エタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−1−(3−メトキシフェニル)エタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−3−メトキシプロピオン酸メチル;
2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−1−(2−ベンジルオキシフェニル)エタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−1−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−1−(3,4−ジメトキシフェニル)エタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−1−フェニルプロパン−1−オン;
2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−1−(2,4−ジメトキシフェニル)エタノン;
1−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−3,3−ジメチルブタン−2−オン;
2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−1−ナフタレン−2−イルエタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−1−(2,3−ジクロロ−4−メトキシフェニル)エタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−1−(4−ベンジルオキシ−3−メトキシフェニル)エタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−1−(2−ベンジルオキシ−5−フルオロフェニル)エタノン;
(3−ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン−2−イル)フェニルメタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)アセトアミド;
{3−[2−(4−フルオロフェノキシ)エトキシ]ベンゾ[b]チオフェン−2−イル}フェニルメタノン;
(3−フェネチルオキシベンゾ[b]チオフェン−2−イル)フェニルメタノン;
3−{4−[2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)エトキシ]フェニル}プロピオン酸メチル;
{3−[2−(ナフタレン−1−イルオキシ)エトキシ]ベンゾ[b]チオフェン−2−イル}フェニルメタノン;
{3−[2−(2−メトキシフェノキシ)エトキシ]ベンゾ[b]チオフェン−2−イル}フェニルメタノン;
1−{4−[2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)エチル]フェニル}エタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシ)−4−フェニル酪酸エチル;
[3−(3−フェノキシプロポキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]フェニルメタノン;
[3−(4−tert−ブチルベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]フェニルメタノン;
[3−(2−ベンゼンスルホニルメチルベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]フェニルメタノン;
4−(2−ベンゾイルベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシメチル)安息香酸メチル;
フェニル[3−(4−トリフルオロメトキシベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]メタノン;
[3−(ビフェニル−2−イルメトキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]フェニルメタノン;
[3−(4−メチルベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]フェニルメタノン;
(3−ベンジルオキシベンゾ[b]チオフェン−2−イル)フェニルメタノン;
[3−(2,3−ジフルオロベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−イル]フェニルメタノン;
ナトリウム2−(4−シアノベンゾイル)ベンゾ[b]チオフェン−3−オラート;
4−[3−(2−クロロ−4−フルオロベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[3−(3,4−ジクロロベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[3−(3−トリフルオロメチルベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[3−(2−シアノベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[3−(3−シアノベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[3−(4−シアノベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[3−(3,5−ビス−トリフルオロメチルベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[2−(4−シアノベンゾイル)ベンゾ[b]チオフェン−3−イルオキシメチル]安息香酸メチル;
4−[3−(4−フルオロ−2−トリフルオロメチルベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−(3−ペンタフルオロフェニルメトキシベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル)ベンゾニトリル;
4−[3−(2,6−ジフルオロベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[3−(4−トリフルオロメチルベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[3−(2−クロロベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[3−(ビフェニル−2−イルメトキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[3−(4−ブロモ−2フルオロベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[3−(2−メチルベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[3−(2,6−ジクロロベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[3−(3−クロロベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[3−(2−ブロモベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[3−(4−ブロモベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−(3−ベンジルオキシベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル)ベンゾニトリル;
4−[3−(3−ブロモベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[3−(2,5−ジフルオロベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[3−(3,4−ジフルオロベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[3−(3,5−ジフルオロベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[3−(2,4−ジフルオロベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[3−(2,3−ジフルオロベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[3−(4−メタンスルホニルベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[3−(4−ヨードベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−{3−[2−(4−クロロフェニル)−2−オキソエトキシ]ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル}ベンゾニトリル;
4−[3−(2−オキソ−2−フェニルエトキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−{3−[2−(2−メトキシフェニル)−2−オキソエトキシ]ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル}ベンゾニトリル;
4−[3−(2−ビフェニル−4−イル−2−オキソエトキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−[3−(2−オキソ−2−p−トリルエトキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−{3−[2−(4−メトキシフェニル)−2−オキソエトキシ]ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル}ベンゾニトリル;
4−[3−(2−アダマンタン−1−イル−2−オキソエトキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−{3−[2−(4−フルオロフェニル)−2−オキソエトキシ]ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル}ベンゾニトリル;
4−{3−[2−(3−メトキシフェニル)−2−オキソエトキシ]ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル}ベンゾニトリル;
4−{3−[2−(2−ベンジルオキシフェニル)−2−オキソエトキシ]ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル}ベンゾニトリル;
4−{3−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−2−オキソエトキシ]ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル}ベンゾニトリル;
4−{3−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−オキソエトキシ]ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル}ベンゾニトリル;
4−{3−[2−(2,4−ジメトキシフェニル)−2−オキソエトキシ]ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル}ベンゾニトリル;
4−[3−(2−ナフタレン−2−イル−2−オキソエトキシ)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル]ベンゾニトリル;
4−{3−[2−(4−ベンジルオキシ−3−メトキシフェニル)−2−オキソエトキシ]ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル}−ベンゾニトリル;
4−{3−[2−(2−ベンジルオキシ−5−フルオロフェニル)−2−オキソエトキシ]ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボニル}−ベンゾニトリル;
(3−ヒドロキシベンゾフラン−2−イル)フェニルメタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾフラン−3−イルオキシ)−1−(4−クロロフェニル)エタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾフラン−3−イルオキシ)−1−(2−メトキシフェニル)エタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾフラン−3−イルオキシ)−1−ビフェニル−4−イルエタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾフラン−3−イルオキシ)−1−p−トリルエタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾフラン−3−イルオキシ)−1−(4−メトキシフェニル)エタノン;
1−アダマンタン−1−イル−2−(2−ベンゾイルベンゾフラン−3−イルオキシ)エタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾフラン−3−イルオキシ)−1−(4−フルオロフェニル)エタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾフラン−3−イルオキシ)−3−メトキシプロピオン酸メチル;
2−(2−ベンゾイルベンゾフラン−3−イルオキシ)−1−(2−ベンジルオキシフェニル)エタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾフラン−3−イルオキシ)−1−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾフラン−3−イルオキシ)−1−(3,4−ジメトキシフェニル)エタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾフラン−3−イルオキシ)−1−(2,4−ジメトキシフェニル)エタノン;
2−(2−ベンゾイルベンゾフラン−3−イルオキシ)−1−ナフタレン−2−イルエタノン、
ならびにその立体異性体、そのラセミ体および薬剤として許容される塩。
【請求項18】
式(IV)の化合物を、
【化2】

ハロ誘導体(V)(Hal−R1)に対して、
[式(IV)および(V)において、XおよびR1〜R6は、請求項1〜17のいずれか一項で定義したと同じである。]
等mol量で、極性溶媒中、−20〜200℃の温度で使用することからなるステップを含む請求項1〜17のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の製造方法。
【請求項19】
前記式(IV)の化合物は、対応する式(II)の誘導体を、
【化3】

[式中、R3〜R6およびXは、請求項1〜16のいずれか一項で定義した通りであり、Rは、水素原子またはアルキル基を表す。]
式(III)の2−ハロエタノン誘導体に、
【化4】

[式中、Halは、ハロゲン原子を表し、R2は、請求項1〜16のいずれか一項で定義した通りである。]
極性溶媒中、−20〜200℃の温度で加え、続いて極性溶媒中、−20〜200℃の温度で環化させることによって製造する請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記極性溶媒が、エタノール、メタノール、水、DMF、NMP、DMSO、iPrOHから選択される請求項18または19に記載の式(I)の化合物の製造方法。
【請求項21】
式(I)の化合物を含む薬剤組成物:
【化5】

式中:
X=OまたはS;
R1は、下記から選択され、
−Alk−COOH、
−Alk−C(=O)−(O)m−Ar、
−Alk−C(=O)−(O)m−Het、
−Alk−C(=O)−(O)m−Alk、
−Alk−C(=O)−(O)m−シクロアルキル、
−Alk−C(=O)NRR’、
−Alk−(O)m−Ar、
−Alk−O−Alk、
−Alk−O−Alk−Ar、
−Alk−O−Het;
R2は、−Alk、−Arおよび−シクロアルキルから選択され;
R3、R4、R5およびR6は、同一または異なっていてもよく、独立に、H、−Hal、−OH、−Alk、−OAlk、−CN、−CF3、−NRR’および−NO2から選択され;
R1〜R6の定義において:
各Alkは、同一または異なっていてもよく、場合によって、独立に、−Hal、−OAlk、−Ar、−OAlkAr、−OH、−CN、−OAr、−CF3、−COOH、−NRR’、−C(=O)−(O)mAlk、−Hetおよび−NO2から選択された1個以上の基によって置換されており;
各Arは、同一または異なっていてもよく、場合によって、独立に、−Hal、−OAlk、−Alk、−Ar、−OAlkAr、−OH、−CN、−OAr、−CF3、−AlkAr、−COOH、−C(=O)−(O)mAlk、−Alk−C(=O)−(O)m−Alk、−NRR’、−Het、−NO2、−S(O)nArおよび−S(O)nAlkから選択された1個以上の基によって置換されており;
RおよびR’は、独立に、HおよびAlkから選択され;
m=0または1、
ならびにその立体異性体、そのラセミ体および薬剤として許容される塩。
【請求項22】
式(I)の化合物において、XおよびR1〜R6は、請求項1〜17のいずれか一項で定義した通りである請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
式(I)の化合物の高血糖を低減する薬剤の製造のための使用:
【化6】

式中:
X=OまたはS;
R1は、下記から選択され、
−Alk−COOH、
−Alk−C(=O)−(O)m−Ar、
−Alk−C(=O)−(O)m−Het、
−Alk−C(=O)−(O)m−Alk、
−Alk−C(=O)−(O)m−シクロアルキル、
−Alk−C(=O)NRR’、
−Alk−(O)m−Ar、
−Alk−O−Alk、
−Alk−O−Alk−Ar、
−Alk−O−Het;
R2は、−Alk、−Arおよび−シクロアルキルから選択され;
R3、R4、R5およびR6は、同一または異なっていてもよく、独立に、H、−Hal、−OH、−Alk、−OAlk、−CN、−CF3、−NRR’および−NO2から選択され;
R1〜R6の定義において:
各Alkは、同一または異なっていてもよく、場合によって、独立に、−Hal、−OAlk、−Ar、−OAlkAr、−OH、−CN、−OAr、−CF3、−COOH、−NRR’、−C(=O)−(O)mAlk、−Hetおよび−NO2から選択された1個以上の基によって置換されており;
各Arは、同一または異なっていてもよく、場合によって、独立に、−Hal、−OAlk、−Alk、−Ar、−OAlkAr、−OH、−CN、−OAr、−CF3、−AlkAr、−COOH、−C(=O)−(O)mAlk、−Alk−C(=O)−(O)m−Alk、−NRR’、−Het、−NO2、−S(O)nArおよび−S(O)nAlkから選択された1個以上の基によって置換されており;
RおよびR’は、独立に、HおよびAlkから選択され;
m=0または1、
ならびにその立体異性体、そのラセミ体および薬剤として許容される塩。
【請求項24】
前記薬剤が、糖尿病治療用である請求項23に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項25】
前記薬剤が、インスリン非依存性糖尿病治療用である請求項23または24に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項26】
前記薬剤が、脂質代謝障害および/または肥満症治療用である請求項23、24および25のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項27】
前記薬剤が、糖尿病関連の微小血管合併症および大血管合併症治療用である請求項23〜26のいずれか一項に記載の使用。
【請求項28】
微小血管合併症および大血管合併症が、アテローム性動脈硬化、血管性高血圧、炎症過程、大血管障害、小血管障害、腎臓障害および神経障害から選択される請求項27に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項29】
式(I)の化合物において、XおよびR1〜R6が、請求項1〜17のいずれか一項で定義した通りである請求項23〜28のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の使用。

【公表番号】特表2007−511556(P2007−511556A)
【公表日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−540238(P2006−540238)
【出願日】平成16年11月8日(2004.11.8)
【国際出願番号】PCT/EP2004/012620
【国際公開番号】WO2005/054226
【国際公開日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】