説明

ベーンの動程の調整ねじ

タービン(20)のフロー・チャンネル(12)内のベーン(25)の可変位置をコントロールするためのアレンジメント(10)であって、前記アレンジメントは、一揃いのベーン(25)を担持するノズル・リング(23)を含み、前記ベーン(25)のそれぞれは、前記ノズル・リング(23)内に収容されるベーン・ピン(27)に接続されており、前記ベーン(25)の回転位置は、次の部材、すなわち、ピボット支持されたピボット・アクスル(31)、前記ピボット・アクスル(31)上に配された第1のアクチュエータ・アーム(33)であって、駆動アクチュエータ(11)に接続可能な第1のアクチュエータ・アーム(33)と、前記ピボット・アクスル(31)上に配された第2のアクチュエータ・アーム(35)であって、ユニゾン・リング(39)をピボット駆動するために前記ユニゾン・リング(39)と係合されるピン(41)に接続される第2のアクチュエータ・アーム(35)と、前記ユニゾン・リング(39)のピボット変位を介した前記ベーン(25)の変位のために各ベーン・ピン(27)および前記ユニゾン・リング(39)に接続されるベーン・アーム(43)とを含むベーン変位駆動伝達機構(22)を介してコントロールされており、それにおいて前記ベーン(25)の前記ピボット変位を制限するためにストップねじ(45)が配されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特許請求の範囲の請求項1に記載のプリアンブルによるタービンのフロー・チャンネル内のベーンの可変位置をコントロールするためのアレンジメントに関する。
本発明は、さらに、エンジンのためのターボチャージャであって、シャフト上に回転可能にマウントされたタービン、シャフト上にマウントされた圧縮器インペラ、取入れ口および吐き出し口を有し、かつ前記圧縮器インペラを囲い込む圧縮器ハウジング、タービンのシャフトおよび圧縮器のシャフトを回転可能に支持するためのベアリング手段を含む中央ハウジング、取入れ口および吐き出し口を含むタービン・ハウジングであって、それの中において、前記エンジンからの排気ガスを、環状の通路を通じて前記タービンへ指向させるためのボリュートを形成するタービン・ハウジング、および前記中央ハウジングと前記タービン・ハウジングの間にマウントされるフランジ部材を含み、さらにタービンの取入れ口のベーンの可変位置をコントロールするためのアレンジメントを含むターボチャージャに関する。
【0002】
本発明はまた、ターボチャージャ・ユニットを含むエンジンにも関係する。
【背景技術】
【0003】
商用の乗り物において使用される過給式ディーゼル内燃エンジンは、しばしば、可変取入れ口形状のターボチャージャが装備されて、有効タービン断面が調整可能に設定できるようになっている。これは、タービン・ハウジング内の環状通路内に配されている一揃いのベーンの角度位置を調整することによって達成される。環状通路は、タービン・ハウジング内に規定されるスクロール形状のボリュートをタービンが配置されるタービン・チャンバに接続している。それぞれのベーンは、ノズル・リング内に収容されるベーン・ピンに接続されている。ベーン・ピンは、ベーン・アームに接続されており、それがベーン・ピンをユニゾン・リングに接続する。ユニゾン・リングのピボット運動が、環状通路内のベーンを同時にピボット駆動することを可能にする。ユニゾン・リングは、タービン・ハウジング内に形成されるトレースまたはタービン・ハウジングに取り付けられるフランジ部材内にピボット運動可能な形で配される。ユニゾン・リングのピボット運動を達成するために、ユニゾン・リング変位アレンジメントが提供される。ユニゾン・リング変位部材は、前記フランジ部材内に収容されるピボット・アクスル、前記ピボット・アクスル上に配される第1のアクチュエータ・アームであって、駆動アクチュエータに接続可能な第1のアクチュエータ・アーム、前記ピボット・アクスル上に配される第2のアクチュエータ・アームであって、ユニゾン・リングと係合されるピンに接続される第2のアクチュエータ・アームを含む。第1のアクチュエータ・アーム上で作用するアクチュエータを使用してピボット・アクスルを回転し、それによってピボット・アクスルに接続された第2のアクチュエータ・アームを回転する。ピンを介してユニゾン・リングに接続されている第2のアクチュエータ・アームは、ユニゾン・リングの、それの回転軸周りのピボット駆動を可能にする。ベーンのエンド位置をコントロールするために、特にベーンの設定を行なってベーンの先端の間における狭いギャップの範囲を定めるとき、ストップねじが使用される。先行技術によれば、ストップねじが、それの位置の1つにおいてエンド・ストップを規定することによって第1のアクチュエータ・アームの移動の範囲を定める。2つのストップねじを使用して、ベーンのそれぞれのエンド位置を変更可能に規定することができる。ベーンによって規定される最小スロート・エリアに対応するエンド位置がもっとも精密な位置決めを必要とすることから、この位置のためにストップねじを使用すれば充分とすることができ、そのほかの位置は、アクチュエータまたは固定エンド・ストップによって規定できる。
【0004】
その種のアレンジメントの例が、特許文献1の中に示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第4,659,295号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
目的は、最大または最小のスロート・エリアのうちの少なくとも1つのコントロールにおける精度を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、特許請求の範囲の請求項1によるタービン取入れ口のベーンの可変位置をコントロールするためのアレンジメントによって達成される。
【0008】
本発明によれば、タービン取入れ口のフロー・チャンネル内のベーンの可変位置をコントロールするためのアレンジメントであって、一揃いのベーンを担持するノズル・リングを含むアレンジメントが提供される。ベーンは、タービン・ハウジング内の環状通路内にマウントされることになる。この環状通路は、タービン・ハウジング内に規定されるスクロール形状のボリュートをタービンが配置されるタービン・チャンバに接続している。前記ベーンのそれぞれは、ノズル・リング内に収容されるベーン・ピンに接続されている。ベーンの回転位置は、ベーン・ピンを回転することによって設定される。これは、次に示す部材を含むベーン変位駆動伝達機構、すなわち、
−ピボット支持されたピボット・アクスル、前記ピボット・アクスル上に配された第1のアクチュエータ・アームであって、駆動アクチュエータに接続可能な第1のアーム、前記ピボット・アクスル上に配された第2のアクチュエータ・アームであって、ユニゾン・リングをピボット駆動するためにユニゾン・リングと係合されるピンに接続される第2のアーム、およびユニゾン・リングのピボット変位を介した前記ベーンの変位のために各ベーン・ピンおよびユニゾン・リングに接続されるベーン・アームを含むベーン変位駆動伝達機構を介して達成される。ベーンの位置のコントロールは、したがってユニゾン・リングを介してベーン・ピンに接続されるベル・クランク・システムを操作することによって実行される。ベル・クランク・メカニズムは、第1および第2のアームを有するピボット・アクスルを含む。第1のアームは、アクチュエータの動作によって作動することができる。第2のアームは、ピンを介してユニゾン・リングに接続される。ユニゾン・リングは、一揃いのベーン・ピンを回転可能に支持するノズル・リング周りに回転可能に配される。ベーン・アームは、ユニゾン・リングを回転することによるベーン・ピンの回転のために各ベーン・ピンとユニゾン・リングを接続している。
【0009】
ストップねじは、前記ベーンのピボット変位を制限するために配される。本発明によれば、ストップねじが、前記ピボット・アクスルよりベーン変位駆動伝達機構内のベーン・ピンの方により近く配置される前記ベーン変位駆動伝達機構内の部材の変位を制限するべく配される。ベーンの位置を精密にコントロールできる能力は、ベーン変位駆動伝達機構内の部材の位置の精度に依存する。ストップねじが部材と接触してエンド位置を規定するとき、部材間の遊び、部材の許容度、および部材の有限の剛性がベーンの実際の位置の精度を下げる。この理由のために、ストップねじは、ベーン・ピンと近いベーン変位駆動伝達機構の部材に作用するべく配される必要がある。
【0010】
ストップねじを、ベル・クランク・メカニズムの第2のアクチュエータ・アームに作用するべく配すると好都合であることが明らかになっている。ベル・クランク・メカニズムは、通常、タービン・ハウジングから延びるフランジ部材に、フランジ部材を通ってピボット・アクスルが延びるようにマウントされ、アクチュエータのために外部からアクセス可能な第1のアクチュエータ・アーム、およびフランジ部材および/またはタービン・ハウジングによって形成されるエンクロージャの内側に位置決めされる第2のアームを有する。第2のアクチュエータ・アームへのストップねじの作用を可能にすることによって、タービン・ハウジングおよび/またはフランジ部材の実際の構成に応じてフランジ部材内またはタービン・ハウジング内にストップねじのための座を配することが可能になる。タービン・ハウジングおよびフランジ部材は、通常、鋳造部材である。したがって、ストップねじのための座の位置を、フランジ部材上にマウント用ブラケットを配する現在の実践と比較して、低いコストにおいて、許容度に対する高い要求を伴って製造することが可能である。通常、低いコストにおいて高い精度を伴ってマウント用ブラケットをマウントすることは可能でない。さらにまた、ブラケット自体が、それらの低い剛性ならびに追加の遊びによって許容度を増加させる。
【0011】
ストップねじがユニゾン・リングに対して作用することを可能にすることも好都合である。この理由のためにはユニゾン・リングにストップ部材が提供されなければならないが、それをリング上のノッチまたは凹みによって形成することができる。このストップ部材は、ユニゾン・リングの外側周囲または側面に位置決めできる。ストップねじがユニゾン・リングに作用する場合においては、タービン・ハウジングと一体的に配される座の中にストップねじが配されることになる。
【0012】
実施態様においては、ベーン・アームの変位を制限するべくストップねじが配される。この実施態様においては、ストップねじが可能な限りベーン・ピンの近くに配置される。
【0013】
別の実施態様においては、タービン・ハウジング内にタービン取入れ口が規定される。前記タービン・ハウジングにフランジ部材が取り付けられ、当該フランジ部材および/またはタービン・ハウジングは、前記ユニゾン・リングが中に配置されるエンクロージャを規定する。第1のアクチュエータ・アームは、アクチュエータ・メカニズムによるアクセスのためにエンクロージャの外側に配置されることになる。ストップねじがベル・クランク・メカニズムのピボット・アクスルよりベーン・ピンの方により近く配置されるベーン変位駆動伝達機構内の部材のためのエンド・ストップを規定するエンド位置を有する一方でストップねじへのアクセスを有するために、ピボット・アクスルが前記エンクロージャを通っても延びており、ストップねじが前記エンクロージャを通って延びる。
【0014】
フランジ部材および/またはタービン・ハウジングは、鋳造要素として形成することができる。ストップねじのための座は、前記鋳造要素のうちの1つと一体的に形成することができる。
【0015】
本発明はまた、上で述べたとおりのベーンの可変位置をコントロールするためのアレンジメントを含むターボ・アレンジメント、およびベーンの可変位置をコントロールするためのアレンジメントが装備されたターボ・アレンジメントを含む内燃エンジンにも関係する。
【0016】
以下、添付図面を参照して本発明をさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明によるターボ・アレンジメントの斜視図である。
【図2】図1に示されているターボ・アレンジメントの長さの外延に沿った断面図である。
【図3】図2に示されている断面図の部分拡大図である。
【図4】ベーン変位駆動伝達機構の部分図である。
【図5】タービン・ハウジングに向かって見たときの、図1に示されているターボ・アレンジメントの長さの外延を横切る位置4−4において獲得された断面図である。
【図6a】圧縮器ハウジングに向かって見たときの、図1に示されているターボ・アレンジメントの長さの外延を横切る位置4−4において獲得された断面図である。
【図6b】2本のセットねじが使用される代替実施態様を示した断面図である。
【図7】ストップねじがユニゾン・リングのストップ表面と係合している本発明の第2の実施態様を示した部分斜視図である。
【図8】ストップねじがベーン・アームのストップ表面と係合している本発明の第2の実施態様を示した部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1に、エンジンのためのターボチャージャ1を示す。ターボチャージャ1は、概して、特許文献1で述べられているターボチャージャとして構成することができる。しかしながら、上記の本発明の説明の中で詳細に述べたとおり、特許文献1とは異なる態様でストップねじが配されていることは明らかである。そのほかのすべてのこのターボチャージャの部品は、特許文献1の開示に従って設計することができる。
【0019】
ターボチャージャ1は、タービン・ハウジング3内に配された排気ガス・タービン、圧縮器ハウジング5内に配された圧縮器、タービン・ハウジング3の側面部分にマウントされたフランジ部材7、タービンを圧縮器と接続するシャフトのための通路を形成するベアリングまたは中央ハウジング9を含む。
【0020】
圧縮器ハウジングに接続されたブラケット13上には、アクチュエータ11がマウントされている。アクチュエータ11は、ベーン変位駆動伝達機構内の第1のアーム33と接続されるプッシュ・ロッド37に接続されている。
【0021】
タービン・ハウジングは、排気ガスを受入れる取入れ口15を含み、当該排気ガスは、タービン・ハウジング内の環状通路を通ってタービン・ハウジング3内のスクロール形状のボリュート16に供給され、すなわちこの環状通路は、スクロール形状のボリュートをタービン・チャンバに接続する。排気ガスは、吐き出し口17を介して排出される。圧縮器ハウジング5は、空気を受入れるための取入れ口19および排出開口21を含む。
【0022】
圧縮器への取入れ口チャンネル内に配されたベーンのピボット変位を制限するためにストップねじ45が配されている。
【0023】
図2および3から明らかなとおり、タービン・ハウジング3は、環状通路12を通ってタービン20へエンジンからの排気ガスを指向するためのボリュート16を形成する。タービン20は、タービン・シャフト65上に回転可能にマウントされており、圧縮器シャフト66上には圧縮器インペラ67がマウントされている。圧縮器ハウジング5は、圧縮器インペラ67を囲い込む。圧縮器シャフトおよびタービン・シャフトは、1つの部品として作ることができる。
【0024】
中央ハウジング9は、タービン・シャフト65および圧縮器シャフト66を回転可能に支持するためのベアリング手段69を含む。
【0025】
図3および4にもっとも良好に図解されているとおり、アクチュエータ11は、タービンのフロー・チャンネル内にある一揃いのベーン25の可変位置をコントロールするためのアレンジメント10に接続されている。このフロー・チャンネルは、スクロール形状のボリュート16をタービン・チャンバ18に接続する環状通路12によって好ましく構成される。ベーン25の可変位置をコントロールするためのアレンジメント10は、一揃いのベーン25を担持しているノズル・リング23を含み、前記ベーン25のそれぞれは、ノズル・リング23内に収容されるベーン・ピン27に接続されている。
【0026】
ベーン25の可変位置をコントロールするためのアレンジメント10は、さらに、ベーン変位駆動伝達機構22を含む。ベーン変位駆動伝達機構22の部品を図4に示す。ベーン25の回転位置は、ベーン変位駆動伝達機構22を介して設定される。ベーン変位駆動伝達機構22は、したがってベーン・ピン27の回転によってベーンのピボット角度の設定を可能にする。
【0027】
ベーン変位駆動伝達機構22は、ベル・クランク・メカニズム29、ユニゾン・リング39、ベル・クランク・メカニズムとユニゾン・リング39を接続するピン41、およびベーン・ピン27とユニゾン・リング39を接続するベーン・アーム43を含んでいる。ベル・クランク・メカニズム29は、ユニゾン・リング39を介してベーン・ピン27と接続される。ベル・クランク・メカニズム29は、第1および第2のアーム33、35を有するピボット・アクスル31を含んでいる。第1のアーム33は、アクチュエータ11の動作によって作動することができる。この目的のために、アクチュエータ11は、第1のアーム33に接続されたプッシュ・ロッド37に接続されている。ベーン変位駆動伝達機構22は、さらに、ユニゾン・リング39を含む。第2のアーム35は、ピン41を介してユニゾン・リング39に接続されている。ユニゾン・リング39は、一揃いのベーン・ピン27を回転可能に支持しているノズル・リング23に関して回転可能に配される。ベーン・アーム43は、ユニゾン・リング39の回転によってベーン・ピン27を回転するために、各ベーン・ピン27とユニゾン・リング39を接続している。より詳細なユニゾン・リングおよびノズル・リングの機能については、特許文献1の中に説明が提供されている。
【0028】
ベーン変位駆動伝達機構22は、したがって、次に示す部材、すなわち、
ピボット支持されたピボット・アクスル31、前記ピボット・アクスル31上に配された第1のアクチュエータ・アーム33であって、駆動アクチュエータ11に接続可能な第1のアーム33、前記ピボット・アクスル31上に配された第2のアクチュエータ・アーム35であって、ユニゾン・リング39をピボット駆動するためにユニゾン・リング39と係合されたピン41に接続されている第2のアーム35、ユニゾン・リング39のピボット変位を介してベーン25を変位させるために各ベーン・ピン27およびユニゾン・リング39に接続されているベーン・アーム43を含んでいる。
【0029】
ストップねじ45が、前記ベーンのピボット変位を制限するために配される。ストップねじ45は、前記ピボット・アクスルよりベーン変位駆動伝達機構内のベーン・ピンの方により近く配置される前記ベーン変位駆動伝達機構内の部材の変位を制限するべく配される。図1乃至6に示されている実施態様においては、ストップねじ45が、第2のアクチュエータ・アーム35の変位を制限するべく配されている。図5、6a、および6bにもっとも良好に表わされているとおり、ストップねじ45は、フランジ部材7内に一体的に形成された座47上に配されている。一体的に形成されるという表現は、フランジ部材が鋳造部材であること、またストップねじのための座がその鋳造部材の部分となることを表わす意図である。ボア49は、第2のアームまたはストップねじ45のための当接部材として働く第2のアーム上の突出部51に届いている間におけるストップねじへの外部からのアクセスを可能にする。
【0030】
図6aは、1つの方向における移動を制限するための単一のストップねじが使用される実施態様を示しており、図6bは、2つの方向における移動を制限するために2つの設定ねじが使用される実施態様を示している。
【0031】
図7に示されているところの追加の実施態様においては、ユニゾン・リング39の変位を制限するべくストップねじ45を設計することが可能である。この目的のために、半径方向に延びるストップ表面を規定する凹みまたは突出部をユニゾン・リング39に備えることができる。ストップ表面53へは、フランジ部材またはブラケット14を通してアクセスすることができる。図7には、フランジ部材13を通って延びているストップねじ45と係合するためのストップ表面53が備えられたユニゾン・リング39が略図的に示されている。ここではストップ表面53が突出部55の一部となっているが、凹みを規定する壁の一部としてストップ表面を形成することも同様に適切となろう。
【0032】
図8に示されているところの追加の実施態様においては、ベーン・アーム43の変位を制限するべくストップねじ45を設計することが可能である。ベーン・アームのストップ表面71へは、フランジ部材またはブラケット14を通してアクセスすることができる。図8には、フランジ部材14を通って延びているストップねじ45と係合するためのストップ表面71が備えられたベーン・アーム43が略図的に示されている。
【0033】
図2および3から明らかなとおり、タービン取入れ口15がタービン・ハウジング3内に規定されており、フランジ部材14が前記タービン・ハウジング3に取り付けられている。フランジ部材14および/またはタービン・ハウジング3は、キャビティ59を形成するエンクロージャ57を規定し、それの中に前記ユニゾン・リング39が配置される。第1のアクチュエータ・アーム33は、前記エンクロージャ57の外側に配置される。ストップねじ45は、エンクロージャ57を通って延び、前記ストップねじ45が係合する前記ベーン変位駆動伝達機構22内の部材35、39、43のためのエンド・ストップ61を規定する。エンド・ストップ61は、ストップねじ45の端部分によって適切に形成することができる。
【符号の説明】
【0034】
1 ターボチャージャ
3 タービン・ハウジング
5 圧縮器ハウジング
7 フランジ部材
9 ベアリング、中央ハウジング
10 ベーンの可変位置をコントロールするためのアレンジメント
11 アクチュエータ
12 環状通路
13 ブラケット、フランジ部材
14 フランジ部材、ブラケット
15 タービン取入れ口
16 ボリュート
17 吐き出し口
18 タービン・チャンバ
19 取入れ口
20 タービン
21 排出開口
22 ベーン変位駆動伝達機構
23 ノズル・リング
25 ベーン
27 ベーン・ピン
29 ベル・クランク・メカニズム
31 ピボット・アクスル
33 第1のアーム
35 第2のアーム
37 プッシュ・ロッド
39 ユニゾン・リング
41 ピン
43 ベーン・アーム
45 ストップねじ
47 座
49 ボア
51 突出部
53 ストップ表面
55 突出部
57 エンクロージャ
59 キャビティ
61 エンド・ストップ
65 タービン・シャフト
66 圧縮器シャフト
67 圧縮器インペラ
69 ベアリング手段
71 ストップ表面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービン(20)のフロー・チャンネル(12)内の一揃いのベーン(25)の可変位置をコントロールするためのアレンジメント(10)であって、前記アレンジメントは、前記一揃いのベーン(25)を担持するノズル・リング(23)を含み、前記ベーン(25)のそれぞれは、前記ノズル・リング(23)内に収容されるベーン・ピン(27)、および前記フロー・チャンネル(12)内において前記ベーン(25)の回転位置をコントロールするべく配されたベーン変位駆動伝達機構(22)に接続されており、前記ベーン変位駆動伝達機構(22)が、次の部材、すなわち
−ピボット支持されたピボット・アクスル(31)、前記ピボット・アクスル(31)上に配された第1のアクチュエータ・アーム(33)であって、駆動アクチュエータ(11)に接続可能な第1のアクチュエータ・アーム(33)と、前記ピボット・アクスル(31)上に配された第2のアクチュエータ・アーム(35)であって、ユニゾン・リング(39)をピボット駆動するために前記ユニゾン・リング(39)と係合されるピン(41)に接続される第2のアクチュエータ・アーム(35)と、前記ユニゾン・リング(39)のピボット変位を介した前記ベーン(25)の変位のために各ベーン・ピン(27)および前記ユニゾン・リング(39)に接続されるベーン・アーム(43)とを含み、
それにおいて前記ベーン(25)の前記ピボット変位を制限するためにストップねじ(45)が配され、前記ストップねじ(45)が、前記ピボット・アクスル(31)より前記ベーン変位駆動伝達機構(22)内の前記ベーン・ピン(27)の方により近く配置される前記ベーン変位駆動伝達機構(22)内の部材(35,39,43)の変位を制限するべく配されることを特徴とするベーンの可変位置をコントロールするためのアレンジメント。
【請求項2】
前記ストップねじ(45)が、前記第2のアクチュエータ・アーム(35)の変位を制限するべく配されることを特徴とする、請求項1に記載のベーンの可変位置をコントロールするためのアレンジメント。
【請求項3】
前記ストップねじ(45)が、前記ユニゾン・リング(39)の変位を制限するべく配されることを特徴とする、請求項1に記載のベーンの可変位置をコントロールするためのアレンジメント。
【請求項4】
前記ストップねじ(45)が、前記ベーン・アーム(43)の変位を制限するべく配されることを特徴とする、請求項1に記載のベーンの可変位置をコントロールするためのアレンジメント。
【請求項5】
タービン・ハウジング(3)内にタービン取入れ口(15)が規定され、前記タービン・ハウジング(3)にフランジ部材(13)が取り付けられ、前記フランジ部材(13)および/または前記タービン・ハウジング(3)が、中に前記ユニゾン・リング(39)が配置されるキャビティ(59)を形成するエンクロージャ(57)を規定し、前記第1のアクチュエータ・アーム(33)が前記エンクロージャ(57)の外側に配置され、それにおいて、前記ストップねじ(45)が前記エンクロージャ(57)を通って延び、前記ストップねじ(45)が係合する前記ベーン変位駆動伝達機構(22)内の前記部材(35,39,43)のためのエンド・ストップ(61)を規定することを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載のベーン(25)の可変位置をコントロールするためのアレンジメント。
【請求項6】
前記ストップねじ(45)が、フランジ部材(13)またはタービン・ハウジング(3)に配されるボア(63)内に取り付けられることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載のベーンの可変位置をコントロールするためのアレンジメント(10)。
【請求項7】
前記フランジ部材(13)および/またはタービン・ハウジング(3)が鋳造要素であること、および前記ストップねじ(45)のための座(47)が前記鋳造要素(13,3)のうちの1つの中に一体的に形成されることを特徴とする、請求項6に記載のベーンの可変位置をコントロールするためのアレンジメント。
【請求項8】
エンジンのためのターボチャージャであって、
−シャフト(65)上に回転可能にマウントされたタービン(20)と、
−シャフト(66)上にマウントされた圧縮器インペラ(67)と、
−取入れ口(19)および吐き出し口(21)を有し、かつ前記圧縮器インペラ(67)を囲い込む圧縮器ハウジング(5)と、
−前記タービン・シャフト(65)および圧縮器シャフト(66)を回転可能に支持するためのベアリング手段(69)を含む中央ハウジング(9)と、
−取入れ口(15)および吐き出し口(17)を含むタービン・ハウジング(3)であって、それの中において、エンジンからの排気ガスを、環状通路(12)を通して前記タービン(20)へ指向させるためのボリュート(16)を形成するタービン・ハウジング(3)と、
−前記中央ハウジング(9)と前記タービン・ハウジング(3)の間にマウントされるフランジ部材(13)とを含み、それにおいて、前記ターボチャージャが、さらに、請求項1乃至7のいずれかに記載の環状通路(12)内のベーン(25)の可変位置をコントロールするためのアレンジメント(10)を含むことを特徴とするターボチャージャ。
【請求項9】
請求項8に記載のターボチャージャを含むエンジン。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6a】
image rotate

【図6b】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公表番号】特表2013−513067(P2013−513067A)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543042(P2012−543042)
【出願日】平成21年12月7日(2009.12.7)
【国際出願番号】PCT/SE2009/000510
【国際公開番号】WO2011/071422
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(500277711)ボルボ ラストバグナー アーベー (163)
【Fターム(参考)】