説明

ベーンコンプレッサおよびベーン空気圧モータ

【課題】回転速度を高めた場合でもベーン損耗が少なく、長期にわたって高い効率で運転することが可能なベーンコンプレッサを提供する。
【解決手段】駆動回転軸12に取付けたベーン保持部材14に軸方向移動可能にベーン18を受入れるスライド溝16が形成される。カム部材20,22に周方向対応位置間の距離が全周で一定に形成されたカム端面20X,22Xは、ベーン18の軸方向両端縁に当接する。ケーシング外側部材2,4,6に対して回転可能に支持されるケーシング内側部材24の内周面にはベーン18の外方端縁に係合する軸方向スライド係合溝26が形成される。ベーン保持部材大径部14aとベーン保持部材小径部14bまたは14cとカム端面20Xまたは22Xとケーシング内側部材24とにより第1または第2の環状空洞が形成され、これらをベーン18により区画して複数の第1または第2の隔室が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気機械の技術分野に属するものであり、特に、ベーンコンプレッサおよびベーン空気圧モータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ベーンコンプレッサとしては、2つの側板の間にこれらと直交する回転中心の周りで回転可能なロータを配置し、該ロータの外周面にロータ回転方向(周方向)に沿って配列された複数の軸方向に延び且つ放射方向深さを有する溝を形成し、各溝内にベーンの内側部分を径方向移動可能な様に収容し、上記ロータに対しその径方向外方においてベーンの外側端縁と接触可能な様にカムリングを設け、上記ロータを回転させることにより、隣接する2つのベーンとロータ外面及びカムリング内面(内周カム面)と2つの側板との間で形成される隔室の大きさをロータ回転に伴って変化させ、吸入口から隔室内に流体を吸入し、圧縮した後に吐出口から流体を吐出させる様にしてなるものが用いられている。
【0003】
この様なベーンコンプレッサにおいて、大きな流量を得るためにロータ及びケーシングの径方向寸法を大きくすることがなされている。しかし、径方向寸法を大きくせず大きな容量を実現することが要求される場合には、この要求を十分に満足するものが得られないという問題があった。
【0004】
この問題を解決し径方向寸法を大きくせず大きな容量を実現することが容易なベーンコンプレッサが提案されている(特開平11−107954号公報[特許文献1]参照)。
【0005】
このベーンコンプレッサでは、ケーシング内において駆動回転軸に取付けられたベーン保持部材に、駆動回転軸の方向に沿って往復移動可能な様にベーンを受け入れるスライド溝が複数形成されており、ケーシング内にて駆動回転軸の周囲に配置されたカム部材は駆動回転軸の周方向に沿って形成されたカム端面を有している。ベーンの軸方向端縁はカム端面と当接せしめられており、ベーン保持部材とカム部材のカム端面とケーシングとにより形成される環状空洞をベーンにより区画して複数の隔室が形成されている。ケーシングには、環状空洞と連通せる流体吸入口と流体吐出口とが駆動回転軸の周方向に沿って交互に配置されている。駆動回転軸の回転にともない、隔室が流体吸入口と連通せしめられ、流体吸入口を経て隔室内に流体が吸入され、隔室が流体吸入口との連通を断たれて密閉され容積減少過程の隔室内で流体が圧縮され、隔室が流体吐出口と連通せしめられ、流体吐出口を経て隔室から流体が吐出される。
【特許文献1】特開平11−107954号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上のような特許文献1に記載のベーンコンプレッサでは、各ベーンの外周端縁がケーシング内周面に対して周方向および軸方向の双方に相対的にスライド移動する。このため、これらの相対的スライド移動に際してベーン外周端縁に生ずる摩擦が大きく、特に回転速度を高めようとすると、相対的スライド移動がスムーズではなくなり、隔室間でのエアー漏れが生じてコンプレッサの効率を低下させる要因になることがある。
【0007】
そこで、本発明は、回転速度を高めた場合でもベーン損耗が少なく、長期にわたって高い効率で運転することが可能なベーンコンプレッサを提供することを1つの目的とする。
【0008】
また、本発明の他の目的は、以上のようなコンプレッサと入出力が逆であり、回転速度を高めた場合でもベーン損耗が少なく、長期にわたって高い効率で運転することが可能なベーン空気圧モータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、以上の如き目的のいずれかを達成するものとして、
ケーシング内に駆動回転軸が挿入されており、前記ケーシング内においてベーン保持部材が前記駆動回転軸に取付けられており、前記ベーン保持部材には前記駆動回転軸の方向に沿って往復移動可能な様にベーンを受け入れるスライド溝が複数形成されており、前記ケーシング内において対をなす第1および第2のカム部材が前記駆動回転軸の方向に関し隔てられて配置されており、前記第1および第2のカム部材は前記駆動回転軸の周方向に沿って形成され且つ互いに対向する向きに形成された対をなす第1および第2のカム端面を有しており、前記ベーンの前記駆動回転軸方向に関する両端縁はそれぞれ前記第1および第2のカム端面と当接せしめられており、
前記ベーン保持部材の前記駆動回転軸方向に関し一方の側に前記第1のカム部材が配置されており他方の側に前記第2のカム部材が配置されており、これら2つのカム部材の前記第1および第2のカム端面の前記駆動回転軸周方向の対応位置の間の距離が全周にわたって一定であり、前記ベーン保持部材が前記駆動回転軸方向に関し中央に形成された大径部とその前記第1のカム部材の側に形成された第1の小径部と前記第2のカム部材の側に形成された第2の小径部とを有しており、前記大径部と第1の小径部と前記第1のカム端面と前記ケーシングとにより第1の環状空洞が形成されており、該第1の環状空洞を前記ベーンにより区画して複数の第1の隔室が形成されており、前記大径部と第2の小径部と前記第2のカム端面と前記ケーシングとにより第2の環状空洞が形成されており、該第2の環状空洞を前記ベーンにより区画して複数の第2の隔室が形成されているベーンコンプレッサであって、
前記ケーシングは、外側部材と該外側部材に対して前記駆動回転軸と同軸に回転可能なように支持された筒状の内側部材とからなり、該内側部材の内周面には前記ベーンのそれぞれの外方端縁に前記駆動回転軸の方向にスライド移動可能なように係合する軸方向のスライド係合溝が形成されており、前記外側部材には前記第1および第2のカム部材にそれぞれ形成された第1および第2の流体流通路を介してそれぞれ前記第1および第2の環状空洞と連通せる第1および第2の流体吸入口と第1および第2の流体吐出口とが設けられており、
前記駆動回転軸の回転にともない、前記第1および第2の隔室がそれぞれ前記第1および第2の流体吸入口と連通せしめられ、該流体吸入口を経て前記第1および第2の隔室内に流体が吸入され、該隔室が前記第1および第2の流体吸入口との連通を断たれて密閉され、容積減少過程の前記第1および第2の隔室内で前記流体が圧縮され、該隔室が前記第1および第2の流体吐出口と連通せしめられ、該流体吐出口を経て前記第1および第2の隔室から流体が吐出されることを特徴とする、ベーンコンプレッサ、
が提供される。
【0010】
本発明の一態様においては、前記第1および第2のカム部材は前記駆動回転軸の方向に移動可能なように保持され、且つ、それぞれ付勢手段により前記ベーンの方へと付勢されている。本発明の一態様においては、前記第1の環状空洞、第1の隔室、第1の小径部、第1のカム部材、第1の流体吸入口および第1の流体吐出口を含んで第1のコンプレッサ部が形成され、前記第2の環状空洞、第2の隔室、第2の小径部、第2のカム部材、第2の流体吸入口および第2の流体吐出口を含んで第2のコンプレッサ部が形成され、前記第1のコンプレッサ部と前記第2のコンプレッサ部とを直列に接続するための前記第1の流体吐出口と第2の流体吸入口とを接続するパイプを備える。
【0011】
また、本発明によれば、以上の如き目的のいずれかを達成するものとして、
ケーシング内に出力回転軸が挿入されており、前記ケーシング内においてベーン保持部材が前記出力回転軸に取付けられており、前記ベーン保持部材には前記出力回転軸の方向に沿って往復移動可能な様にベーンを受け入れるスライド溝が複数形成されており、前記ケーシング内において対をなす第1および第2のカム部材が前記出力回転軸の方向に関し隔てられて配置されており、前記第1および第2のカム部材は前記出力回転軸の周方向に沿って形成され且つ互いに対向する向きに形成された対をなす第1および第2のカム端面を有しており、前記ベーンの前記出力回転軸方向に関する両端縁はそれぞれ前記第1および第2のカム端面と当接せしめられており、
前記ベーン保持部材の前記出力回転軸方向に関し一方の側に前記第1のカム部材が配置されており他方の側に前記第2のカム部材が配置されており、これら2つのカム部材の前記第1および第2のカム端面の前記出力回転軸周方向の対応位置の間の距離が全周にわたって一定であり、前記ベーン保持部材が前記出力回転軸方向に関し中央に形成された大径部とその前記第1のカム部材の側に形成された第1の小径部と前記第2のカム部材の側に形成された第2の小径部とを有しており、前記大径部と第1の小径部と前記第1のカム端面と前記ケーシングとにより第1の環状空洞が形成されており、該第1の環状空洞を前記ベーンにより区画して複数の第1の隔室が形成されており、前記大径部と第2の小径部と前記第2のカム端面と前記ケーシングとにより第2の環状空洞が形成されており、該第2の環状空洞を前記ベーンにより区画して複数の第2の隔室が形成されているベーン空気圧モータであって、
前記ケーシングは、外側部材と該外側部材に対して前記出力回転軸と同軸に回転可能なように支持された筒状の内側部材とからなり、該内側部材の内周面には前記ベーンのそれぞれの外方端縁に前記出力回転軸の方向にスライド移動可能なように係合する軸方向のスライド係合溝が形成されており、前記外側部材には前記第1および第2のカム部材にそれぞれ形成された第1および第2の圧縮流体流通路を介してそれぞれ前記第1および第2の環状空洞と連通せる第1および第2の流体供給口と第1および第2の流体排出口とが設けられており、
前記第1および第2の隔室がそれぞれ前記第1および第2の流体供給口と連通せしめられ、該流体供給口を経て前記第1および第2の隔室内に圧縮流体が供給され、前記隔室が前記第1および第2の流体供給口との連通を断たれて密閉され、前記第1および第2の隔室内で前記圧縮流体が膨張し、前記出力回転軸が回転せしめられ、前記隔室が前記第1および第2の流体排出口と連通せしめられ、該流体排出口を経て前記第1および第2の隔室から流体が排出されることを特徴とする、ベーン空気圧モータ、
が提供される。
【0012】
本発明の一態様においては、前記第1および第2のカム部材は前記出力回転軸の方向に移動可能なように保持され、且つ、それぞれ付勢手段により前記ベーンの方へと付勢されている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ケーシングを外側部材と該外側部材に対して回転可能なように支持された筒状の内側部材とからなるものとし、該内側部材の内周面に、ベーンのそれぞれの外方端縁とスライド移動可能なように係合する軸方向のスライド係合溝を形成したので、動作時に駆動回転軸または出力回転軸、ベーンおよびケーシング内側部材が周方向に関しては一体的に回転する。かくして、ベーンの外方端縁とケーシング内側部材とは駆動回転軸または出力回転軸の方向にのみ相対的にスライド移動し、駆動回転軸または出力回転軸の周方向には相対的な移動がない。従って、高速化の際にもベーン損耗が少なく、長期にわたって高い効率で運転することが可能で、径方向寸法を大きくせず大きな容量を実現するベーンコンプレッサまたはベーン空気圧モータが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら本発明の具体的な実施の形態を説明する。
【0015】
図1は本発明によるベーンコンプレッサの一実施形態を示す模式的分解斜視図であり、図2及び図3はいずれもこのベーンコンプレッサの組立て状態を示す模式的断面図であり、図4はこのベーンコンプレッサの組立て状態を示す模式的斜視図である。
【0016】
これらの図において、2は円筒形状のケーシング胴体部であり、4,6はケーシング蓋体部であり、これらはボルトにより結合され一体化されてケーシング外側部材を構成している。
【0017】
ケーシング蓋体部4を貫通してXY方向の駆動回転軸12が挿入されている。尚、本明細書では、周方向、径方向及び軸方向は、特に指示しない限り、いずれも回転軸12に関する方向(あるいはこれに相当する方向)を指すものである。駆動回転軸12は、ラジアルベアリング101,102及びスラストベアリング103,104を介してケーシング蓋体部4,6により回転中心1の周りで回転可能なように支持されている。ケーシング蓋体部4,6には、軸方向位置決め部材105,106がねじ込みにより取り付けられている。
【0018】
ケーシングは、上記外側部材と該外側部材に対して駆動回転軸12と同軸に回転可能なようにベアリング28,30を介して支持された筒状の内側部材24とからなる。
【0019】
ケーシング蓋体部4には、断面形状が大略半円弧形状の2つの第1の収容部4a,4bが形成されている。これらの収容部の間には軸方向および径方向に沿った2つの第1の隔壁4c,4dが配置されている。収容部4aは、蓋体部4に形成された2つの第1の流体吸入口40a,40a’と連通している。同様に、収容部4bは、蓋体部4に形成された2つの第1の流体吐出口40b,40b’と連通している。
【0020】
ケーシング蓋体部6は、ケーシング蓋体部4と同様な構造を有する。すなわち、図示されていないが、ケーシング蓋体部6には、上記収容部4a,4bと同様に断面形状が大略半円弧形状の2つの第2の収容部が形成されている。これらの収容部の間には上記隔壁4c,4dと同様に軸方向および径方向に沿った2つの第2の隔壁が配置されている。一方の第2の収容部は、蓋体部6に形成された2つの第2の流体吸入口60a,60a’と連通している。同様に、他方の第2の収容部は、蓋体部6に形成された2つの第2の流体吐出口60b,60b’と連通している。
【0021】
駆動回転軸12のケーシング内の部分はベーン保持部材14として形成されている。このような形態も、駆動回転軸12に対するベーン保持部材14の取付の1つの形態であるとする。保持部材14はXY方向に関し中央の大径部14aとその両側の2つの小径部すなわち第1小径部14bおよび第2小径部14cとを有する。駆動回転軸12は、必要によりクラッチ等を介してモータの出力軸に接続されており、図1に矢印で示される回転方向に回転せしめられる。
【0022】
保持部材14には、その軸方向の両端部を除く部分の外周面に複数のスライド溝16が形成されており、該溝内にはそれぞれ矩形のベーン18の一部がスライド可能に受け入れられている。図1および図3に示されている様に、スライド溝16及びベーン18は、周方向に関し均等に8個配置されており、しかもいずれも径方向を向いて放射状に配列されている。各ベーン18はスライド溝16に沿って軸方向に往復移動することができる。
【0023】
ケーシング内には、保持部材小径部14bの径方向外方であって、保持部材大径部14aと蓋体部4との間に、リング形状の第1カム部材20が配置されている。該第1カム部材20は、蓋体部4に形成された上記隔壁4cに適合する切欠部20cを有する。該第1カム部材20は、蓋体部4に形成された上記隔壁4dに適合する同様な切欠部をも有する。かくして、第1カム部材20は、その一部が第1の収容部4a,4bに収容されており、軸方向には第1の隔壁4c,4dにガイドされて移動可能である。
【0024】
同様に、ケーシング内には、保持部材小径部14cの径方向外方であって、保持部材大径部14aと蓋体部6との間に、リング形状の第2カム部材22が配置されている。該第2カム部材22は、蓋体部6に形成された上記第2の隔壁に適合する切欠部22c,22dを有する。かくして、第2カム部材22は、その一部が上記第2の収容部に収容されており、軸方向には上記隔壁にガイドされて移動可能である。
【0025】
カム部材20のX側の端面には第1カム端面20Xが形成されており、カム部材22のY側の端面には第2カム端面22Xが形成されている。そして、第1カム端面20Xは、周方向角度位置(ここで、角度位置は、図1において駆動回転軸12の回転中心1から垂直上方へと向かう向きを0度とし、駆動回転軸12の回転方向に増加するものとする)が0度から180度に至るまで軸方向に関し徐々に前進し、周方向角度位置が180度から360度に至るまで軸方向に関し徐々に後退する形状をなしている。第2カム端面22Xは、第1カム端面20Xとは逆に、周方向角度位置が0度から180度に至るまで軸方向に関し徐々に後退し、周方向角度位置が180度から360度に至るまで軸方向に関し徐々に前進する形状をなしている。そして、第1カム端面20Xと第2カム端面22Xとの対応する周方向角度位置における間隔L1は全周にわたって等しい。
【0026】
カム部材20のY側の端面と蓋体部4との間には第1の収容部4a,4b内にそれぞれ配置された2つの半月状板バネ107が配置されており、該板バネ107はカム部材20に対してX方向の付勢力を与えることができる。同様に、カム部材22のX側の端面と蓋体部6との間には上記第2の収容部内にそれぞれ配置された2つの半月状板バネ108が配置されており、該板バネ108はカム部材22に対してY方向の付勢力を与えることができる。通常の状態においては、カム端面20X,22Xはベーン18の軸方向に関する両端縁に当接せしめられており、前記間隔L1はベーン18の軸方向の長さL2と等しいか又はL2より極くわずかに大きい。
【0027】
カム部材20には、流体の流通のための2つの第1の流体流通路20a,20bが形成されている。一方の第1の流体流通路20aは、ケーシング蓋体部4の収容部4aに対応して位置しており、一方端がカム端面20Xにて0度より大きい角度位置であって比較的小さい角度位置範囲内にて開口しており、他方端が上記流体吸入口40aに対応して位置する開口21aおよび上記流体吸入口40a’に対応して位置する開口とされている。他方の第1の流体流通路20bは、ケーシング蓋体部4の収容部4bに対応して位置しており、一方端がカム端面20Xにて180度より大きい角度位置から360度より小さい角度位置までの比較的大きい角度位置範囲内にて開口しており、他方端が上記流体吐出口40bに対応して位置する開口21bおよび上記流体吐出口40b’に対応して位置する開口とされている。
【0028】
同様に、カム部材22には、上記第1の流体流通路20a,20bと同様な流体の流通のための2つの第2の流体流通路が形成されている。一方の第2の流体流通路は、ケーシング蓋体部6の一方の上記第2の収容部に対応して位置しており、一方端がカム端面22Xにて180度より大きい角度位置であって比較的小さい角度位置範囲内にて開口しており、他方端が上記流体吸入口60aに対応して位置する開口23aおよび上記流体吸入口60a’に対応して位置する開口とされている。他方の第2の流体流通路22bは、ケーシング蓋体部6の他方の上記第2の収容部に対応して位置しており、一方端がカム端面22Xにて0度より大きい角度位置から180度より小さい角度位置までの比較的大きい角度位置範囲内にて開口しており、他方端が上記流体吐出口60bに対応して位置する開口23bおよび上記流体吐出口60b’に対応して位置する開口とされている。
【0029】
ケーシング内側部材24の内周面には、各ベーン18に対応して、軸方向のスライド係合溝26が形成されている。該スライド係合溝26には、ベーン18の径方向に関する外方の端縁がスライド移動可能なように係合している。ベーン18の径方向の高さHはベーン保持部材14のスライド溝16の底部とケーシング内側部材24のスライド係合溝26の底部との間の距離と等しいか又はわずかに小さい。
【0030】
ベーン保持部材大径部14aの外周面はケーシング内側部材24の内周面に接している。従って、ベーン保持部材大径部14aのY方向端面とベーン保持部材小径部14bの外周面と第1カム部材カム端面20Xとケーシング内側部材24の内周面とにより第1の環状空洞が形成されている。尚、本発明においていう環状空洞とは、環形状の一部がくびれていてもよい。即ち、第1の環状空洞に関していえば、或る周方向角度位置においてベーン保持部材大径部14aのY方向端面と第1カム部材カム端面20Xとが接触していてもよい。この様な第1の環状空洞をベーン18により区画して複数の第1の隔室が形成されている。
【0031】
これら第1の隔室、第1の環状空洞、第1の小径部14b、第1のカム部材20、第1の流体吸入口40a,40a’および第1の流体吐出口40b,40b’を含んで第1コンプレッサ部が形成される。
【0032】
同様にして、ベーン保持部材大径部14aのX方向端面とベーン保持部材小径部14cの外周面と第2カム部材カム端面22Xとケーシング内側部材24の内周面とにより第2の環状空洞が形成されており、該第2の環状空洞をベーン18により区画して複数の第2の隔室が形成されている。
【0033】
これら第2の隔室、第2の環状空洞、第2の小径部14c、第2のカム部材22、第2の流体吸入口60a,60a’および第2の流体吐出口60b,60b’を含んで第2コンプレッサ部が形成される。
【0034】
駆動回転軸12の回転にともない、第1コンプレッサ部において、隔室が流体吸入口40a,40a’と連通せしめられ、該流体吸入口および流体流通路20aを経て隔室内に流体が吸入され、やがて隔室が流体吸入口40a,40a’との連通を断たれて密閉され、その後、容積減少過程の隔室内で前記流体が圧縮され、しかる後に、該隔室が流体吐出口40b,40b’と連通せしめられ、該流体吐出口40b,40b’を経て隔室から流体が吐出される。即ち、第1カム端面20Xは、駆動回転軸12の1回転につき各隔室の容積の増加及び減少(及びこれに伴う流体の吐出及び吸入)のサイクルが1回行われる。
【0035】
第2コンプレッサ部においても、第1コンプレッサ部と同一の動作(但し、位相が180度ずれる)がなされる。
【0036】
本実施形態では、隔室容積の変化はカム部材20,22に形成されたカム端面20X,22Xにより実現されるので、軸方向寸法を十分とることにより、径方向寸法を小さく維持したままで、容易に大きな容量を得ることができる。
【0037】
また、使用に伴いカム端面20X,22Xやベーン18の軸方向端縁が摺動摩耗した場合(即ち、L2が減少した場合)にも、付勢手段たる板バネ107,108によりカム部材20,22が軸方向に付勢されるので、カム端面20X,22Xとベーン18の軸方向端縁との当接状態は良好に維持され、良好なコンプレッサ動作を続けることができる。
【0038】
更に、ベーン18とケーシング内側部材24とは軸方向に関してのみ相対的にスライド移動するので、ベーン18の径方向外方端縁の摺動摩耗は少ない。尚、ケーシング内側部材24がケーシング胴体部2と周方向に関して相対的に回転するのであるが、この相対移動はケーシング胴体部2によりケーシング内側部材24を比較的大きい面積で保持した状態でなされるので、この相対移動部分の損耗は少ない。
【0039】
図5および図6に、本実施形態のベーンコンプレッサの動作モードの具体例を示す。図4に示されているように、各流体吸入口および各流体吐出口は、必要に応じて閉塞することができるように、ねじ止め栓70の着脱が可能なように構成されている。
【0040】
図5の動作モードは、第1コンプレッサ部と第2コンプレッサ部とを並列に接続することで、1段圧縮を実行するものである。この場合には、各流体吸入口および各流体吐出口は、次のように閉塞されるか又は接続パイプP1,P2に接続される。
【0041】
第1コンプレッサ部:
流体吸入口40aは吸入側接続パイプP1の第1分岐路と接続;
流体吸入口40a’はねじ止め栓70で閉塞;
流体吐出口40bは:ねじ止め栓70で閉塞;
流体吐出口40b’は吐出側接続パイプP2の第1分岐路と接続。
【0042】
第2コンプレッサ部:
流体吸入口60aは吸入側接続パイプP1の第2分岐路と接続;
流体吸入口60a’はねじ止め栓70で閉塞;
流体吐出口60bは:ねじ止め栓70で閉塞;
流体吐出口60b’は吐出側接続パイプP2の第2分岐路と接続。
【0043】
図6の動作モードは、第1コンプレッサ部と第2コンプレッサ部とを直列に接続することで、2段圧縮を実行するものである。この場合には、各流体吸入口および各流体吐出口は、次のように閉塞されるか又は接続パイプP3に接続される。
【0044】
第1コンプレッサ部:
流体吸入口40aは吸入ポート;
流体吸入口40a’はねじ止め栓70で閉塞;
流体吐出口40bは:ねじ止め栓70で閉塞;
流体吐出口40b’は接続パイプP3の一方端と接続。
【0045】
第2コンプレッサ部:
流体吸入口60aはねじ止め栓70で閉塞;
流体吸入口60a’は接続パイプP3の他方端と接続;
流体吐出口60bは:ねじ止め栓70で閉塞;
流体吐出口60b’は吐出ポート。
【0046】
以上の実施形態はベーンコンプレッサに関するものであるが、本発明によれば、上記ベーンコンプレッサと類似の機構をもつベーン空気圧モータ(空気圧エンジン)が提供される。すなわち、上記実施形態における流体吐出口40b,40b’,60b,60b’を流体供給口とし、上記実施形態における流体吸入口40a,40a’,60a,60a’を流体排出口とし、上記実施形態における駆動回転軸12を出力回転軸とし、流体供給口から圧縮流体(高圧流体:例えば高圧水蒸気)を供給することで、出力回転軸を上記実施形態における駆動回転軸12と逆向きに回転させることができる。尚、予め不図示の適宜の手段により出力回転軸に初期回転を与えるようにすることができる。
【0047】
このようなベーン空気圧モータでは、図1〜図4におけると同一の符号をもって説明すると、ケーシング胴体部2およびケーシング蓋体部4,6からなるケーシング外側部材およびケーシング内側部材24を含んでなるケーシング内に出力回転軸12が挿入されている。ケーシング内においてベーン保持部材14が出力回転軸12に取付けられている。ベーン保持部材12には出力回転軸12の方向に沿って往復移動可能な様にベーン18を受け入れるスライド溝16が複数形成されている。ケーシング内において対をなす第1および第2のカム部材20,22が出力回転軸12の方向に関し隔てられて配置されている。第1および第2のカム部材20,22は、それぞれ出力回転軸12の周方向に沿って形成され且つ互いに対向する向きに形成された対をなす第1および第2のカム端面20X,22Xを有している。ベーン18の出力回転軸方向に関する両端縁はそれぞれ第1および第2のカム端面20X,22Xと当接せしめられている。
【0048】
ベーン保持部材12の出力回転軸方向に関し一方の側に第1のカム部材20が配置されており他方の側に第2のカム部材22が配置されており、これら2つのカム部材の第1および第2のカム端面20X,22Xの出力回転軸周方向の対応位置の間の距離が全周にわたって一定である。ベーン保持部材12は、出力回転軸方向に関し中央に形成された大径部14aとその第1のカム部材の側に形成された第1の小径部14bと第2のカム部材の側に形成された第2の小径部14cとを有している。大径部14aと第1の小径部14bと第1のカム端面20Xとケーシングとにより第1の環状空洞が形成されており、該第1の環状空洞をベーン18により区画して複数の第1の隔室が形成されている。大径部14aと第2の小径部14cと第2のカム端面22Xとケーシングとにより第2の環状空洞が形成されており、該第2の環状空洞をベーン18により区画して複数の第2の隔室が形成されている。
【0049】
ケーシングは、外側部材と該外側部材に対して出力回転軸12と同軸に回転可能なように支持された筒状の内側部材24とからなる。ケーシング内側部材24の内周面にはベーン18のそれぞれの外方端縁に出力回転軸12の方向にスライド移動可能なように係合する軸方向のスライド係合溝26が形成されている。ケーシング外側部材を構成するケーシング蓋体部4には、第1のカム部材20に形成された2つの第1の圧縮流体流通路20a,20bを介して第1の環状空洞と連通せる第1の流体供給口40b,40b’と第1の流体排出口40a,40a’とが設けられている。また、ケーシング外側部材を構成するケーシング蓋体部6には、第2のカム部材22に形成された2つの第2の圧縮流体流通路を介して第2の環状空洞と連通せる第2の流体供給口60b,60b’と第2の流体排出口60a,60a’とが設けられている。
【0050】
動作に際しては、第1および第2の隔室がそれぞれ第1の流体供給口40b,40b’および第2の流体供給口60b,60b’と連通せしめられ、これらの流体供給口を経て第1および第2の隔室内に圧縮流体が供給される。隔室が第1および第2の流体供給口との連通を断たれて密閉され、第1および第2の隔室内で圧縮流体が膨張し、出力回転軸12が回転せしめられる。ここで、隔室を形成する2つのベーン18が当該隔室内に密閉された圧縮流体から受ける圧力は、これらベーンの隔室への露出面積が異なることで、周方向に関して不均等であり、これに基づきベーン18ひいてはこれを保持するベーン保持部材12に対して周方向の駆動回転力を発生する。そして、隔室が第1の流体排出口40a,40a’および第2の流体排出口60a,60a’と連通せしめられ、これらの流体排出口を経て第1および第2の隔室から流体が排出される。
【0051】
第1および第2のカム部材20,22は出力回転軸12の方向に移動可能なように保持され、且つ、それぞれ付勢手段たる板バネ107,108によりベーン18の方へと付勢されている。
【0052】
第1の環状空洞、第1の隔室、第1の小径部14b、第1のカム部材20、第1の流体供給口40b,40b’および第1の流体排出口40a,40a’を含んで第1のモータ部が形成される。第2の環状空洞、第2の隔室、第2の小径部14c、第2のカム部材22、第2の流体供給口60b,60b’および第2の流体排出口60a,60a’を含んで第2のモータ部が形成される。上記実施形態と同様な接続パイプP1,P2をそれぞれ排出側接続パイプP1および供給側接続パイプP2として用いて、第1のモータ部と第2のモータ部とを並列に接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明によるベーンコンプレッサの一実施形態を示す模式的分解斜視図である。
【図2】図1のベーンコンプレッサの組立て状態を示す模式的断面図である。
【図3】図1のベーンコンプレッサの組立て状態を示す模式的断面図である。
【図4】図1のベーンコンプレッサの組立て状態を示す模式的斜視図である。
【図5】図1のベーンコンプレッサの動作モードの説明図である。
【図6】図1のベーンコンプレッサの動作モードの説明図である。
【符号の説明】
【0054】
2 ケーシング胴体部
4,6 ケーシング蓋体部
4a,4b 収容部
4c,4d 隔壁
40a,40a’,60a,60a’ 流体吸入口
40b,40b’,60b,60b’ 流体吐出口
70 ねじ止め栓
12 駆動回転軸
14 ベーン保持部材
14a 大径部
14b,14c 小径部
16 スライド溝
18 ベーン
20 第1カム部材
20X 第1カム端面
20a,20b 流体流通路
20c 切欠部
21a,21b 開口
22 第2カム部材
22X 第2カム端面
22b 流体流通路
22c,22d 切欠部
23a,23b 開口
24 ケーシング内側部材
26 スライド係合溝
28,30 ベアリング
101,102 ラジアルベアリング
103,104 スラストベアリング
105,106 軸方向位置決め部材
107,108 板バネ
P1,P2,P3 接続パイプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシング内に駆動回転軸が挿入されており、前記ケーシング内においてベーン保持部材が前記駆動回転軸に取付けられており、前記ベーン保持部材には前記駆動回転軸の方向に沿って往復移動可能な様にベーンを受け入れるスライド溝が複数形成されており、前記ケーシング内において対をなす第1および第2のカム部材が前記駆動回転軸の方向に関し隔てられて配置されており、前記第1および第2のカム部材は前記駆動回転軸の周方向に沿って形成され且つ互いに対向する向きに形成された対をなす第1および第2のカム端面を有しており、前記ベーンの前記駆動回転軸方向に関する両端縁はそれぞれ前記第1および第2のカム端面と当接せしめられており、
前記ベーン保持部材の前記駆動回転軸方向に関し一方の側に前記第1のカム部材が配置されており他方の側に前記第2のカム部材が配置されており、これら2つのカム部材の前記第1および第2のカム端面の前記駆動回転軸周方向の対応位置の間の距離が全周にわたって一定であり、前記ベーン保持部材が前記駆動回転軸方向に関し中央に形成された大径部とその前記第1のカム部材の側に形成された第1の小径部と前記第2のカム部材の側に形成された第2の小径部とを有しており、前記大径部と第1の小径部と前記第1のカム端面と前記ケーシングとにより第1の環状空洞が形成されており、該第1の環状空洞を前記ベーンにより区画して複数の第1の隔室が形成されており、前記大径部と第2の小径部と前記第2のカム端面と前記ケーシングとにより第2の環状空洞が形成されており、該第2の環状空洞を前記ベーンにより区画して複数の第2の隔室が形成されているベーンコンプレッサであって、
前記ケーシングは、外側部材と該外側部材に対して前記駆動回転軸と同軸に回転可能なように支持された筒状の内側部材とからなり、該内側部材の内周面には前記ベーンのそれぞれの外方端縁に前記駆動回転軸の方向にスライド移動可能なように係合する軸方向のスライド係合溝が形成されており、前記外側部材には前記第1および第2のカム部材にそれぞれ形成された第1および第2の流体流通路を介してそれぞれ前記第1および第2の環状空洞と連通せる第1および第2の流体吸入口と第1および第2の流体吐出口とが設けられており、
前記駆動回転軸の回転にともない、前記第1および第2の隔室がそれぞれ前記第1および第2の流体吸入口と連通せしめられ、該流体吸入口を経て前記第1および第2の隔室内に流体が吸入され、該隔室が前記第1および第2の流体吸入口との連通を断たれて密閉され、容積減少過程の前記第1および第2の隔室内で前記流体が圧縮され、該隔室が前記第1および第2の流体吐出口と連通せしめられ、該流体吐出口を経て前記第1および第2の隔室から流体が吐出されることを特徴とする、ベーンコンプレッサ。
【請求項2】
前記第1および第2のカム部材は前記駆動回転軸の方向に移動可能なように保持され、且つ、それぞれ付勢手段により前記ベーンの方へと付勢されていることを特徴とする、請求項1に記載のベーンコンプレッサ。
【請求項3】
前記第1の環状空洞、第1の隔室、第1の小径部、第1のカム部材、第1の流体吸入口および第1の流体吐出口を含んで第1のコンプレッサ部が形成され、前記第2の環状空洞、第2の隔室、第2の小径部、第2のカム部材、第2の流体吸入口および第2の流体吐出口を含んで第2のコンプレッサ部が形成され、前記第1のコンプレッサ部と前記第2のコンプレッサ部とを直列に接続するための前記第1の流体吐出口と第2の流体吸入口とを接続するパイプを備えることを特徴とする、請求項1〜2のいずれか一項に記載のベーンコンプレッサ。
【請求項4】
ケーシング内に出力回転軸が挿入されており、前記ケーシング内においてベーン保持部材が前記出力回転軸に取付けられており、前記ベーン保持部材には前記出力回転軸の方向に沿って往復移動可能な様にベーンを受け入れるスライド溝が複数形成されており、前記ケーシング内において対をなす第1および第2のカム部材が前記出力回転軸の方向に関し隔てられて配置されており、前記第1および第2のカム部材は前記出力回転軸の周方向に沿って形成され且つ互いに対向する向きに形成された対をなす第1および第2のカム端面を有しており、前記ベーンの前記出力回転軸方向に関する両端縁はそれぞれ前記第1および第2のカム端面と当接せしめられており、
前記ベーン保持部材の前記出力回転軸方向に関し一方の側に前記第1のカム部材が配置されており他方の側に前記第2のカム部材が配置されており、これら2つのカム部材の前記第1および第2のカム端面の前記出力回転軸周方向の対応位置の間の距離が全周にわたって一定であり、前記ベーン保持部材が前記出力回転軸方向に関し中央に形成された大径部とその前記第1のカム部材の側に形成された第1の小径部と前記第2のカム部材の側に形成された第2の小径部とを有しており、前記大径部と第1の小径部と前記第1のカム端面と前記ケーシングとにより第1の環状空洞が形成されており、該第1の環状空洞を前記ベーンにより区画して複数の第1の隔室が形成されており、前記大径部と第2の小径部と前記第2のカム端面と前記ケーシングとにより第2の環状空洞が形成されており、該第2の環状空洞を前記ベーンにより区画して複数の第2の隔室が形成されているベーン空気圧モータであって、
前記ケーシングは、外側部材と該外側部材に対して前記出力回転軸と同軸に回転可能なように支持された筒状の内側部材とからなり、該内側部材の内周面には前記ベーンのそれぞれの外方端縁に前記出力回転軸の方向にスライド移動可能なように係合する軸方向のスライド係合溝が形成されており、前記外側部材には前記第1および第2のカム部材にそれぞれ形成された第1および第2の圧縮流体流通路を介してそれぞれ前記第1および第2の環状空洞と連通せる第1および第2の流体供給口と第1および第2の流体排出口とが設けられており、
前記第1および第2の隔室がそれぞれ前記第1および第2の流体供給口と連通せしめられ、該流体供給口を経て前記第1および第2の隔室内に圧縮流体が供給され、前記隔室が前記第1および第2の流体供給口との連通を断たれて密閉され、前記第1および第2の隔室内で前記圧縮流体が膨張し、前記出力回転軸が回転せしめられ、前記隔室が前記第1および第2の流体排出口と連通せしめられ、該流体排出口を経て前記第1および第2の隔室から流体が排出されることを特徴とする、ベーン空気圧モータ。
【請求項5】
前記第1および第2のカム部材は前記出力回転軸の方向に移動可能なように保持され、且つ、それぞれ付勢手段により前記ベーンの方へと付勢されていることを特徴とする、請求項4に記載のベーン空気圧モータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−202532(P2008−202532A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−40612(P2007−40612)
【出願日】平成19年2月21日(2007.2.21)
【出願人】(000129851)株式会社ケイセブン (39)
【Fターム(参考)】