説明

ペプチド化合物

本発明は、本明細書中に定義する式(I)、(II)、(III)および(IV)の化合物ならびに医薬的に許容されるその誘導体を提供する。本発明はさらに、細菌感染症の治療およびHIV感染症の治療における本発明の化合物の使用を提供する。また、本発明の化合物を含む医薬組成物も提供する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】


[式中:
Ar1およびAr2は、芳香環系もしくは複素環系または部分的もしくは完全に還元されたその誘導体からそれぞれ独立して選択され;
1およびQ2は、水素、C1〜C12アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C12アルキルオキシ、ニトロ、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、モノまたはジアルキルアミノ、カルボン酸またはその塩もしくはエステル、スルホン酸またはその塩もしくはエステル、リン酸またはその塩もしくはエステル、あるいはカルボキサミド、スルホンアミドまたはホスホルアミドなどの窒素含有基からそれぞれ独立して選択され、各C1〜C12アルキル、C1〜C12アルキルオキシまたはC3〜C6シクロアルキルは、ヒドロキシル、アミノ、カルボン酸またはその塩もしくはエステル、スルホン酸またはその塩もしくはエステル、リン酸またはその塩もしくはエステル、あるいはカルボキサミド、スルホンアミドまたはホスホルアミドなどの窒素含有基で適宜置換されていてもよく;
Bは、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−NH−、および−N(C1〜C6アルキル)−から選択され;
1は、水素、C1〜C12アルキル、C1〜C6アルキルC3〜C6シクロアルキル、C1〜C6アルキルC6〜C10アリール、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、2〜6個の炭素原子を有するポリオキシアルキレンから選択され、Bが−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−NH−または−N(C1〜C6アルキル)−である場合、R1はヒドロキシルであってよく;
Vは、−O−、−O−L−C(O)、−O−L−NR6−、−C(O)−、−NR6−、−S(O)−、−S(O)2−、−O−L−S(O)−、−S(O)2−L−C(O)−、−S(O)2−L−NR6−、P(O)2O−から選択されるリンカー基であり;
上式で、Lは、C1〜C12アルキル、C2〜C8アルケニル、C3〜C6シクロアルキル、2〜6個の炭素原子を有するポリオキシアルキレン、C6〜C10アリールおよびC1〜C6アルキルC6〜C10アリールから選択され、R6はH、C1〜C12アルキルから選択され;
1およびA2は同一または異なっており、塩基性アミノ酸残基であり;
1、S2およびS3のそれぞれは存在するか存在しないかのどちらかであり、かつ独立して選択されるアミノ酸残基であり;
Tは存在するか存在せず、−C(O)OR8、−OR8、−NHR8、NHOR8、−NH−C6アリール−CO−R8、−NH−C6アリール−CO−NHR8、−NH−C6アリール−CONHOR8、−NH−C6アリール−CONHOH、−C(O)NHR8、−(NH)−SO26アリール、−(NH)COR8から選択されるか;
またはTは、R8で適宜置換されていてもよいカルボン酸アイソスターを形成し、これはTが結合しているアミノ酸のカルボン酸基を置き換えており;
上式で、R8は、水素、C1〜C12アルキル、C1〜C6アルキルC6〜C10アリール、C1〜C6アルキルC3〜C6シクロアルキル、C2〜C6アルケニル、およびC2〜C6アルキニルから選択され;
Tがアミノ酸残基のC末端に結合している場合、アミノ酸残基のカルボニル基はメチレンに還元されていてもよい]
の化合物または医薬的に許容されるその誘導体。
【請求項2】
1およびA2がリシン、アルギニンおよびオルニチンからなる群からそれぞれ独立して選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
1がリシンおよびオルニチンから選択され、A2がアルギニンから選択される、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
1およびS2が存在しない、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
式Iの化合物が式Iaの化合物である、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物。
【化2】

【請求項6】
式Iの化合物が式Ibの化合物である、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物。
【化3】

【請求項7】
式II:
【化4】

[式中:
Ar1およびAr2は、芳香環系もしくは複素環系または部分的もしくは完全に還元されたその誘導体からそれぞれ独立して選択され;
1およびQ2は、水素、C1〜C12アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C12アルキルオキシ、ニトロ、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、モノまたはジアルキルアミノ、カルボン酸またはその塩もしくはエステル、スルホン酸またはその塩もしくはエステル、リン酸またはその塩もしくはエステル、あるいはカルボキサミド、スルホンアミドまたはホスホルアミドなどの窒素含有基からそれぞれ独立して選択され、各C1〜C12アルキル、C1〜C12アルキルオキシまたはC3〜C6シクロアルキルは、ヒドロキシル、アミノ、カルボン酸またはその塩もしくはエステル、スルホン酸またはその塩もしくはエステル、リン酸またはその塩もしくはエステル、あるいはカルボキサミド、スルホンアミドまたはホスホルアミドなどの窒素含有基で適宜置換されていてもよく;
1およびV2のそれぞれは、−O−、−O−L−C(O)、−O−L−NR6−、−C(O)−、−NR6−、−S(O)−、−S(O)2−、−O−L−S(O)−、−S(O)2−L−C(O)−、−S(O)2−L−NR6−、−P(O)2O−から独立して選択されるリンカー基であり;
上式で、Lは、C1〜C12アルキル、C2〜C8アルケニル、C3〜C6シクロアルキル、2〜6個の炭素原子を有するポリオキシアルキレン、C6〜C10アリールおよびC1〜C16アルキルC6〜C10アリールから選択され、R6はH、C1〜C12アルキルから選択され;
1およびA2は同一または異なっており、塩基性アミノ酸残基であり;
1、S2、S3およびS4のそれぞれは、存在するか存在しないかのどちらかであり、かつ独立して選択されるアミノ酸残基であり;
1は、存在するか存在しないかのどちらかであり、−C(O)OR8、−OR8、−NHR8、−NHOR8、−NH−C6アリール−COR8、−NH−C6アリール−CONHR8、−NH−C6アリール−CONHOR8、−NH−C6アリール−CONHOH、−C(O)NHR8、−(NH)−SO26アリール、−(NH)COR8から独立して選択されるか;
またはT1は、R8で適宜置換されていてもよいカルボン酸アイソスターを形成し、これはT1が結合しているアミノ酸のカルボン酸基を置き換えており;
上式で、R8は、水素、C1〜C12アルキル、C1〜C6アルキルC6〜C10アリール、C1〜C6アルキルC3〜C6シクロアルキル、C2〜C6アルケニル、およびC2〜C6アルキニルから選択され;
T1がアミノ酸残基のC末端に結合している場合、アミノ酸残基のカルボニル基はメチレンに還元されていてもよく;
2は、存在するか存在しないかのどちらかであり、−C(O)OR9、−OR9、−NHR9、NHOR9、−NH−C6アリール−CO−R9、−NH−C6アリール−CO−NHR9、−NH−C6アリール−CONHOR9、−NH−C6アリール−CONHOH、−C(O)NHR8、−(NH)−SO26アリール、−(NH)COR8から独立して選択されるか;
またはT2は、R9で適宜置換されていてもよいカルボン酸アイソスターを形成し、これはT2が結合しているアミノ酸のカルボン酸基を置き換えており;
上式で、R9は、水素、C1〜C12アルキル、C1〜C6アルキルC6〜C10アリール、C1〜C6アルキルC3〜C6シクロアルキル、C2〜C6アルケニル、およびC2〜C6アルキニルから選択され;
2がアミノ酸残基のC末端に結合している場合、アミノ酸残基のカルボニル基はメチレンに還元されていてもよい]
の化合物または医薬的に許容されるその誘導体。
【請求項8】
1およびA2がリシン、アルギニンおよびオルニチンからなる群からそれぞれ独立して選択される、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
1およびA2が同一である、請求項7または請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
1、S2、S3およびS4が存在しない、請求項7から9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
式III:
【化5】

[式中:
Ar1およびAr2は、芳香環系もしくは複素環系または部分的もしくは完全に還元されたその誘導体からそれぞれ独立して選択され;
1およびQ2は、水素、C1〜C12アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C12アルキルオキシ、ニトロ、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、モノまたはジアルキルアミノ、カルボン酸またはその塩もしくはエステル、スルホン酸またはその塩もしくはエステル、リン酸またはその塩もしくはエステル、あるいはカルボキサミド、スルホンアミドまたはホスホルアミドなどの窒素含有基からそれぞれ独立して選択され、各C1〜C12アルキル、C1〜C12アルキルオキシまたはC3〜C6シクロアルキルは、ヒドロキシル、アミノ、カルボン酸またはその塩もしくはエステル、スルホン酸またはその塩もしくはエステル、リン酸またはその塩もしくはエステル、あるいはカルボキサミド、スルホンアミドまたはホスホルアミドなどの窒素含有基で適宜置換されていてもよく;
Bは、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−NH−、および−N(C1〜C6アルキル)−から選択され;
1は、水素、C1〜C12アルキル、C1〜C6アルキルC3〜C6シクロアルキル、C1〜C6アルキルC6〜C10アリール、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、2〜6個の炭素原子を有するポリオキシアルキレンから選択され、Bが−S−、−S(O)−、−S(O)2−、−NH−または−N(C1〜C6アルキル)−である場合、R1はヒドロキシルであってよく;
1は、−O−、−O−L−C(O)、−O−L−NR6−、−C(O)−、−NR6−、−S(O)−、−S(O)2−、−O−L−S(O)−、−S(O)2−L−C(O)−、−S(O)2−L−NR6−、P(O)2O−から選択されるリンカー基であり、
上式で、Lは、C1〜C12アルキル、C2〜C8アルケニル、C3〜C6シクロアルキル、2〜6個の炭素原子を有するポリオキシアルキレン、C6〜C10アリールおよびC1〜C6アルキルC6〜C10アリールから選択され、R6はH、C1〜C12アルキルから選択され;
1は塩基性アミノ酸残基であり;
1およびS2のそれぞれは、存在するか存在しないかのどちらかであり、かつ独立して選択されるアミノ酸残基であり;
Tは存在するか存在せず、−C(O)OR8、−OR8、−NHR8、−NHOR8、−NH−C6アリール−COR8、−NH−C6アリール−CONHR8、−NH−C6アリール−CONHOR8、−NH−C6アリール−CONHOH、−C(O)NHR8、−(NH)−SO26アリール、−(NH)COR8から選択されるか;
またはTは、R8で適宜置換されていてもよいカルボン酸アイソスターを形成し、これはTが結合しているアミノ酸のカルボン酸基を置き換えており;
上式で、R8は、水素、C1〜C12アルキル、C1〜C6アルキルC6〜C10アリール、C1〜C6アルキルC3〜C6シクロアルキル、C2〜C6アルケニル、およびC2〜C6アルキニルから選択され;
Tがアミノ酸残基のC末端に結合している場合、アミノ酸残基のカルボニル基はメチレンに還元されていてもよい]
の化合物または医薬的に許容されるその誘導体。
【請求項12】
1がリシン、アルギニンおよびオルニチンから選択される、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
式IV:
【化6】

IV
[式中、
12は、−OC1~6アルキルもしくは−OC2~6アルケニルで適宜置換されていてもよいアルキル芳香基またはアルキルポリ芳香基であり;
各Bは塩基性アミノ酸残基であり;
n=1または2であり;
1は存在するか存在せず、かつ独立して選択されるアミノ酸残基であり;
1は、−NHR13、−NHOR13、−NH−C6アリール−COR13、−NH−C6アリール−CONHR13、−NH−C6アリール−CONHOR13、−NH−C6アリール−CONHOH、−(NH)−SO26アリール、−(NH)COR13もしくは
【化7】

から選択されるか;
またはT1は、R13で適宜置換されていてもよいカルボン酸アイソスターを形成し、これはT1が結合しているアミノ酸のカルボン酸基を置き換えており;
上式で、R13は、水素、C1〜C12アルキル、C1〜C6アルキルC6〜C10アリール、C1〜C6アルキルC3〜C6シクロアルキル、C2〜C6アルケニル、およびC2〜C6アルキニルから選択され;
1がアミノ酸残基のC末端に結合している場合、アミノ酸残基のカルボニル基はメチレンに還元されていてもよく;
2は、−C(O)R14、−C(O)OR14、−OR14、−C(O)NHR14から選択され;
上式で、R14は、水素、C1〜C12アルキル、C1〜C6アルキルC6〜C10アリール、C1〜C6アルキルC3〜C6シクロアルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、およびCH2−フルオレンから選択され;
12の任意の置換基とS1の側鎖とは一緒になって−OC1~6アルキレン連結基を形成してもよい]
の化合物または医薬的に許容されるその誘導体。
【請求項14】
12が−CH2−フェニル−OCH2CH=CH2および−CH2−フェニルアントラセンから選択される、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
1がアリルグリシンから選択される、請求項13または14に記載の化合物。
【請求項16】
2が−C(O)CH3である、請求項13から15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項17】
1がCH3O−である、請求項13から16のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項18】
Bがリシンまたはアルギニンである、請求項13から17のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項19】
実施例2の化合物。
【請求項20】
実施例2の化合物が69、70、71、72、73、74、75、76、83、32、37、65、56、118、119、120、121、132、90、134、135、136、137、139、140、141、159、160、163、164、78、81、88、87、89、165、166、167、および168から選択される、請求項19に記載の化合物。
【請求項21】
請求項1から20のいずれか一項に記載の化合物、その塩または医薬的に許容される誘導体を、1つもしくは複数の医薬的に許容される担体またはアジュバントと共に含む組成物。
【請求項22】
請求項1から20のいずれか一項に記載の化合物、その塩または医薬的に許容される誘導体を有効量で投与することを含む、哺乳動物における細菌感染症の治療方法。
【請求項23】
細菌感染症を治療または予防するための医薬品の調製における請求項1から20のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項24】
患者に請求項1から20のいずれか一項に記載の化合物、その塩または医薬的に許容される誘導体を有効量で投与することを含む、患者におけるHIVの治療または予防方法。
【請求項25】
化合物が以下の実施例2の化合物:78、81、88、89、165、166、167、168、83、119、164、163、158のうちの1つまたは複数から選択される、請求項24に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2008−531473(P2008−531473A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−550632(P2007−550632)
【出願日】平成17年9月21日(2005.9.21)
【国際出願番号】PCT/AU2005/001444
【国際公開番号】WO2006/074501
【国際公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(504003260)ユニバーシティ・オブ・ウーロンゴン (4)
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITY OF WOLLONGONG
【Fターム(参考)】