説明

ホルムアルデヒドおよびシアン化水素からグリコール酸を製造するための方法

ホルムアルデヒドおよびシアン化水素からグリコール酸を製造する方法が提供される。より具体的には、加熱処理ホルムアルデヒドおよびシアン化水素を反応させ、低濃度の不純物を有するグリコロニトリルを製造する。グリコロニトリルはその後にアシドボラックス・ファシリス(Acidovorax facilis)72W(ATCC57746)由来のニトリラーゼ活性を有する酵素触媒を使用してグリコール酸アンモニウムの水溶液に変換される。グリコール酸は、本明細書に記載されたさまざまな方法を使用して水性グリコール酸アンモニウム溶液から酸または塩の形で回収される。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホルムアルデヒドおよびシアン化水素からグリコール酸を製造するための方法であって、
(a)特定可能な時間にわたって約90℃〜約150℃の温度に加熱された水性ホルムアルデヒド供給流れを提供するステップと、
(b)(a)の加熱された水性供給流れをグリコロニトリル合成に適切な温度でシアン化水素と接触させ、それによってグリコロニトリルが製造されるステップと、
(c)ステップ(b)のグリコロニトリルを適切な水性反応混合物中でニトリラーゼ活性を有するポリペプチドを含む酵素触媒と接触させるステップであって、前記ポリペプチドが、
1)アミノ酸残基168でのリシン、メチオニン、トレオニン、またはバリンによる置換、および
2)アミノ酸残基201でのグルタミン、グリシン、ヒスチジン、リシン、アスパラギン、セリン、アラニン、システイン、またはトレオニンによる置換
からなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換された配列番号6のアミノ酸配列を有し、それによってグリコール酸が製造されるステップと、
(d)塩または酸の形で(c)において製造されるグリコール酸を回収するステップを含み、前記酵素触媒が、同一の反応条件下でグリコロニトリルをグリコール酸に変換する場合、アシドボラックス・ファシリス(Acidovorax facilis)72Wニトリラーゼのニトリラーゼ活性に対してニトリラーゼ活性の少なくとも1.5倍の増加を提供することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記グリコール酸が、反応性溶媒抽出、イオン交換、電気透析、重合、熱分解、アルコール分解、およびそれらの組合せからなる群から選択される回収方法を使用して回収されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記回収方法がイオン交換および反応性溶媒抽出からなる群から選択されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
ある量の水酸化ナトリウムが水性ホルムアルデヒド供給流れを加熱する前に水性ホルムアルデヒド供給流れに添加され、水酸化ナトリウムとホルムアルデヒドとのモル比が約1:50〜約1:2000であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
シアン化水素とホルムアルデヒドとのモル比が少なくとも1.01〜約1.15:1であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
加熱された水性ホルムアルデヒド供給流れが約0℃〜約70℃の反応温度でシアン化水素と反応されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
加熱された水性ホルムアルデヒド供給流れが約10℃〜約30℃の反応温度でシアン化水素と反応されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
水性ホルムアルデヒド供給流れが約0.1wt%〜約15wt%メタノールを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記アミノ酸配列が配列番号8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、および32からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記酵素触媒が、同一の反応条件下でアシドボラックス・ファシリス(Acidovorax facilis)72W(ATCC55746)ニトリラーゼの活性に対して、グリコロニトリルをグリコール酸に変換する場合に、ニトリラーゼ活性の少なくとも約2倍の改善を提供することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記酵素触媒が、同一の反応条件下でアシドボラックス・ファシリス(Acidovorax facilis)72W(ATCC55746)ニトリラーゼの活性に対して、グリコロニトリルをグリコール酸に変換する場合に、ニトリラーゼ活性の少なくとも約4倍の改善を提供することを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記酵素触媒が全微生物細胞、透過性微生物細胞、微生物細胞抽出物の1つまたは複数の成分、部分的に精製された酵素、または精製酵素の形であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記全微生物細胞が前記ポリペプチドを組換え発現する形質転換微生物宿主細胞であることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記形質転換微生物宿主細胞が、コマモナス(Comamonas)種、コリネバクテリウム(Corynebacterium)種、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)種、ロドコッカス(Rhodococcus)種、アゾトバクター(Azotobacter)種、シトロバクター(Citrobacter)種、エンテロバクター(Enterobacter)種、クロストリジウム(Clostridium)種、クレブシエラ(Klebsiella)種、サルモネラ(Salmonella)種、ラクトバチルス(Latobacillus)種、アスペルギルス(Aspergillus)種、サッカロミセス(Saccharomyces)種、チゴサッカロミセス(Zygosaccharomyces)種、ピチア(Pichia)種、クルイベロミセス(Kluyveromyces)種、カンジダ(Candida)種、ハンセニュウラ(Hansenula)種、デュナリエラ(Dunaliella)種、デバリオミセス(Debaryomyces)種、ケカビ(Mucor)種、トルロプシス(Torulopsis)種、メチロバクテリア(Methylobacteria)種、バチルス(Bacillus)種、エシェリキア(Escherichia)種、シュードモナス(Pseudomonas)種、リゾビウム(Rhizobium)種、およびストレプトミセス(Streptomyces)種からなる群から選択されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記形質転換微生物宿主細胞が大腸菌(Escherichia coli)であることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記形質転換微生物宿主細胞が、国際寄託番号ATCC47076を有する大腸菌(E.coli)MG1655および国際寄託番号ATCC53911を有する大腸菌(E.coli)FM5からなる群から選択される大腸菌(Escherichia coli)株であることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記酵素触媒が可溶性または不溶性支持体中にもしくはその上で固定化されることを特徴とする請求項12から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記水性反応混合物において製造されるグリコール酸アンモニウムの濃度が約0.02wt%〜約90wt%であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記水性反応混合物において製造されるグリコール酸アンモニウムの濃度が約0.02wt%〜約40wt%であることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記水性反応混合物におけるグリコロニトリル濃度が約5mM〜約1Mの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記水性反応混合物におけるグリコロニトリル濃度が連続的またはアリコート添加によって維持されることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記水性反応混合物におけるpHが約5.5〜約7.7に維持されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項23】
グリコロニトリルのグリコール酸への酵素変換が実質的に酸素を含まない条件下で起こることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記水性反応混合物が、5wt%未満の濃度でチオ硫酸カリウムおよび亜ジオチオン酸ナトリウムからなる群から選択される安定剤をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記水性反応混合物が、5wt%未満の濃度でチオ硫酸カリウムおよび亜ジオチオン酸ナトリウムからなる群から選択される安定剤をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記酵素触媒が、酵素触媒のグラム乾燥細胞重量当たり少なくとも300グラムのグリコール酸の触媒生産性を提供することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記酵素触媒が、酵素触媒のグラム乾燥細胞重量当たり少なくとも450グラムのグリコール酸の触媒生産性を提供することを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記酵素触媒が、酵素触媒のグラム乾燥細胞重量当たり少なくとも1000グラムのグリコール酸の触媒生産性を提供することを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項29】
ホルムアルデヒドおよびシアン化水素からグリコール酸を製造するための方法であって、
(a)特定可能な時間にわたって約90℃〜約150℃の温度に加熱された水性ホルムアルデヒド供給流れを提供するステップと、
(b)(a)の加熱された水性供給流れをグリコロニトリル合成に適切な温度でシアン化水素と接触させ、それによってグリコロニトリルが製造されるステップと、
(c)ステップ(b)のグリコロニトリルを適切な水性反応混合物中でニトリラーゼ活性を有するポリペプチドを含む酵素触媒と接触させ、それによってグリコール酸が製造されるステップと、
(c)イオン交換によって(c)において製造されたグリコール酸を回収するステップを含み、前記グリコール酸が少なくとも99.9%の純度を有する方法。
【請求項30】
前記ポリペプチドが、配列番号39のアミノ酸配列を有する触媒部位を含むことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項31】
ニトリラーゼ活性を有する前記酵素触媒が、
(a)アミノ酸残基168でのリシン、メチオニン、トレオニン、またはバリンによる置換、および
(b)アミノ酸残基201でのグルタミン、グリシン、ヒスチジン、リシン、アスパラギン、セリン、アラニン、システイン、またはトレオニンによる置換
からなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換された配列番号6のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含むことを特徴とする請求項30に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−525031(P2008−525031A)
【公表日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−548411(P2007−548411)
【出願日】平成17年12月21日(2005.12.21)
【国際出願番号】PCT/US2005/046273
【国際公開番号】WO2006/069114
【国際公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】