説明

ボール弁

【課題】シートリングが2分割構造であっても、貫通孔の周りに液溜まりの発生を防止する。
【解決手段】軸心A回りに回動され、内部通路7cを有するとともに外表面7gに内部通路7cに連通する開口7d、7eが設けられた球状の弁体7と、弁体7が入る内部空洞5aを囲む壁部5bで弁体7を回動可能に支持し、壁部5bの弁体7における開口7d、7eに関連する位置にそれぞれ貫通孔5d、5e、5fを有するシートリング5と、シートリング5を間に介して弁体7を収納し、貫通孔5d、5e、5fに対応する位置に当該貫通孔と連通する通流孔3d、3e、3fを有する蓋付きケース3とを具備し、シートリング5は、貫通孔5d、5e、5fを避けかつ当該貫通孔5d、5e、5fの中心を通る直線を斜めに横切るように壁部5bが二分割されるとともに、分割された両壁部5b1、5b2の突き合わせ面5b3、5b4の間に内部空洞5aの外側を囲むように無端のフェルールパッキン5hが介装されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば化粧品、食品などの流体の流動を制御するために用いられるボール弁に関し、特に液溜まりが無く、洗浄が容易な衛生的なボール弁に関する。
【背景技術】
【0002】
上述したボール弁として、球状の弁体の外側が、二分割可能なシートリングを介して蓋付きのケースにより囲まれる構成であって、蓋を外すことでケース内からシートリングを取り出し、二分割することでシートリングの内側から弁体を取り外して分解できるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。なお、上述した操作と逆の操作を行うことで組立てることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公昭59−16603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1の技術におけるシートリングは、軸心回りに回動駆動される弁体に設けた通路の端部が通る複数位置に貫通孔が設けられ、かつ、その貫通孔を分割ラインが通るように二分割されている。
【0005】
したがって、上記特許文献1の技術による場合には、シートリングの分割面をパッキン等のシール部材でシールを行っても、シール部材に環状のものを使用することが不適であり、上記貫通孔の内周面に、シートリングの分割面とシール部材の端とが露出することになるため、十分なシール性を確保することができず、貫通孔の周りに液溜まりが発生する虞があった。
【0006】
本発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたもので、シートリングが2分割構造であっても、貫通孔の周りに液溜まりの発生を防止することができるボール弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、所定の軸心回りに回動され、内部通路を有するとともに外表面に前記内部通路に連通する複数の開口が設けられた球状の弁体と、上記弁体が入る内部空洞を囲む壁部で前記弁体を回動可能に支持し、前記壁部の前記弁体における開口に関連する位置にそれぞれ貫通孔を有するシートリングと、前記シートリングを間に介して前記弁体を収納し、前記貫通孔に対応する位置に当該貫通孔と連通する通流孔を有する蓋付きケースとを具備し、前記シートリングは、前記貫通孔を避けかつ当該貫通孔の中心を通る直線を斜めに横切るように前記壁部が二分割されるとともに、その分割された両壁部の突き合わせ面の間に前記内部空洞の外側を囲むように無端の環状シール部材が介装されていることを特徴とする。本発明による場合には、シートリングが貫通孔を避けかつ当該貫通孔の中心を通る直線を斜めに横切るように壁部が二分割され、その分割された両壁部の突き合わせ面の間に内部空洞の外側を囲むように無端の環状シール部材が介装されているので、従来のように貫通孔の内周面にシートリングの分割面とシール部材の端とが露出することがなく、貫通孔の周りでの液溜まりの発生を防止することができる。
【0008】
この構成において、前記環状シール部材に、前記環状シール部材に、環状板の両面に突起を有し、当該突起よりも内側板部の厚みが、突起よりも外側の板部の厚みより厚いフェルールパッキンを用いることが好ましい。この構成にあっては、突起よりも内側の箇所からシールすることが可能になり、シール性能を向上させ得る。
【0009】
この構成において、前記シートリングは、前記弁体の軸心方向の部位と、軸心から最も離れた内周面上であって前記弁体の中心を挟んだ2つの対称部位とに前記貫通孔が設けられ、二分割された一方の壁部に前記軸心方向の部位の貫通孔と前記2つの対称部位の一方の貫通孔とが配設され、他方の壁部に前記2つの対称部位のもう一方の貫通孔が配設されているようにすることができる。この構成にあっても、従来のように貫通孔の内周面にシートリングの分割面とシール部材の端とが露出することがなく、貫通孔の周りでの液溜まりの発生を防止することができる。
【0010】
この構成において、前記シートリングは、前記弁体の軸心方向の部位と、軸心から最も離れた内周面上の1つの部位とに前記貫通孔が設けられ、二分割された一方の壁部に片方の貫通孔が配設され、他方の壁部にもう一方の貫通孔が配設されているようにすることができる。この構成にあっても、従来のように貫通孔の内周面にシートリングの分割面とシール部材の端とが露出することがなく、貫通孔の周りでの液溜まりの発生を防止することができる。
【0011】
この構成において、前記シートリングは、軸心から最も離れた内周面上であって前記弁体の中心を挟んだ2つの対称部位に前記貫通孔が設けられ、二分割された一方の壁部に前記2つの対称部位の一方の貫通孔が配設され、他方の壁部に前記2つの対称部位のもう一方の貫通孔が配設されているようにすることができる。この構成にあっても、従来のように貫通孔の内周面にシートリングの分割面とシール部材の端とが露出することがなく、貫通孔の周りでの液溜まりの発生を防止することができる。
【0012】
この構成において、前記弁体には、当該弁体を前記軸心回りに回動駆動するための弁棒と脱着可能に連結される突起部が外方へ向けて突出形成され、一方の前記シートリングには前記突起部が挿入される突起部挿入孔が設けられており、前記突き合わせ面が前記突起部挿入孔を避けた位置を通るように形成されているようにすることができる。この構成による場合には、弁棒と連結するように弁体に設けた突起部が挿入される突起部挿入孔をシートリングに設けても、前記突き合わせ面が前記突起部挿入孔を避けた位置を通るので、突起部挿入孔の内周面にシートリングの分割面とシール部材の端とが露出することがなく、突起部挿入孔の周りでの液溜まりの発生を防止することができる。
【0013】
この構成において、前記突起部の外周面と前記突起部挿入孔の内周面との間に、無端の環状シール部材が配設されているようにすることができる。この構成による場合には、突起部の外周面と突起部挿入孔の内周面との間が、無端の環状シール部材によりシールされているので、突起部挿入孔の周りでの液溜まりの発生を防止することができる。
【0014】
この構成において、前記貫通孔の周縁部と前記通流孔の周縁部とが互いに突き合わされるとともに、両周縁部の間に無端の環状シール部材が介装されているようにすることができる。この構成による場合には、シートリングとケースとの間においても、液溜まりの発生を防止することができる。
【0015】
この構成において、前記突起部の先端側にテーパーを設け、前記突起部挿入孔を有する、分割された壁部の内側に、前記弁体を挿入できるようにしてもよい。
【0016】
この構成において、前記貫通孔と前記流通孔とが同一寸法の内周面を有し、前記環状シール部材がフェルールパッキンであって、その内径が前記寸法と同一に形成されているようにしてもよい。このようにすると、貫通孔の内径と流通孔の内径とフェルールパッキンの内径とがほぼ同一になっているので、貫通孔の周縁部と通流孔の周縁部との突き合わせ部に凹凸を無くすことが可能となり、液溜まりの発生を防止することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明による場合には、シートリングが貫通孔を避けかつ当該貫通孔の中心を通る直線を斜めに横切るように壁部が二分割され、その分割された両壁部の突き合わせ面の間に内部空洞の外側を囲むように無端の環状シール部材が介装されているので、従来のように貫通孔の内周面にシートリングの分割面とシール部材の端とが露出することがなく、貫通孔の周りでの液溜まりの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係るボール弁を示す正面断面図である。
【図2】図1の右側面図である。
【図3】図1の平面図である。
【図4】図1に示すボール弁の分解図である。
【図5】弁体を回動させる駆動系の分解図である。
【図6】(a)は弁体を示す正面図、(b)は(a)の左側面図、(c)は(b)の平面図である。
【図7】(a)はシートリングを示す正面図、(b)は(a)の左側面図、(c)は(a)の底面図である。
【図8】パッキンを示す断面図である。
【図9】フェルールパッキンを示す正面図である。
【図10】(a)はハンドルを示す正面図、(b)はその平面図、(c)はハンドルの基端部を示す左側面図、(d)はハンドルの基端部を示す底面図である。
【図11】(a)は弁棒を示す正面図、(b)はその左側面図、(c)は(b)の上側端部を示す平面図、(d)は(b)の下側端部を示す底面図である。
【図12】(a)はジョイントを示す正面図、(b)は左側面図、(c)は(b)の平面図である。
【図13】(a)は上側ストッパーを示す正面断面図((b)のC−C線による断面図)、(b)はその平面図である。
【図14】本発明の他の実施形態に係る2方ボール弁を示す正面断面図である。
【図15】(a)は図14のボール弁に用いる弁体を示す正面図、(b)は(a)の左側面図、(c)は(b)の平面図である。
【図16】(a)は図14のボール弁に用いるシートリングを示す正面図、(b)は(a)の左側面図、(c)は(b)の平面図である。
【図17】(a)は上側ストッパーを示す正面断面図((b)のD−D線による断面図)、(b)はその平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明の実施形態を具体的に説明する。
【0020】
図1は本発明の一実施形態に係るボール弁を示す正面断面図、図2はその右側面図、図3はその平面図、図4は図1に示すボール弁の分解図、図5は弁体を回動させる駆動系の分解図である。
【0021】
このボール弁1は、蓋付きケース3と、そのケース3の内部に、シートリング5を間に介して設けられた球状の弁体7と、その弁体7を回動駆動するためのハンドル9と、ハンドル9に取付けられ、弁体7に着脱可能に連結される弁棒11とを備える。当実施形態のボール弁1は、3方ボール弁である。
【0022】
図6(a)は弁体7を示す正面図(一部破断)、図6(b)は図6(a)の左側面図、図6(c)は図6(b)の平面図である。
【0023】
弁体7は、例えばステンレス製のもので、ハンドル9の操作に伴って所定の軸心Aの回りに回動される。軸心Aの方向であって、弁棒11が設けられた側には、外方へ向けて突出形成された突起部7aが設けられている。突起部7aは、基端側の環状凹溝7a1と、その環状凹溝7a1よりも先端側に設けられ、先端に近づくにつれて徐々に外径が小さくなる円錐台部7a2とを有し、その円錐台部7a2の先端側の端面(上面)には、弁棒11の端部11aが脱着可能に連結される連結部7bが設けられている。連結部7bとしては、例えば一定幅の臍溝が形成されている。また、上記環状凹溝7a1には、Oリング7iが設けられる(図1参照)。
【0024】
この弁体7には、中心がL字状に曲がった内部通路7cが設けられ、その内部通路7cに連通する複数、図示例では2つの開口7d、7eが外表面7gに設けられている。これら開口7d、7eは、円形の周縁を有し、互いに90゜の角度で異なる方向を向いている。上記外表面7gは、突起部7aの形成部分、および開口7d、7eの形成部分を除き球面状に形成されている。
【0025】
軸心Aの方向であって、突起部7aとは反対側に設けられた下向きの開口7dは流体の流入口として用いられ、もう一方の横向きの開口7eは軸心Aから最も離れた内周面上に中心を有するように形成されていて、流出口として用いられる。この開口7eは、弁体7の軸心A回りの回動に伴って同様に回動することになる。
【0026】
図7(a)はシートリング5を示す正面図(断面図)、図7(b)は図7(a)の左側面図、図7(c)は図7(a)の底面図である。
【0027】
シートリング5は、例えばフッ素樹脂製のもので、上記弁体7が入る内部空洞5aを囲む壁部5bで前記弁体7を回動可能に支持し、その壁部5bの前記弁体7における開口7d、7eに関連する位置にそれぞれ貫通孔5d、5e、5fを有する。具体的には、貫通孔5dは開口7dに対応する位置に設けられ、貫通孔5eと貫通孔5fは開口7eが回動する軌跡に対応する位置であって、軸心Aを挟んで対称位置に設けられている。なお、貫通孔5d、5e、5fは、その内周面が例えば本実施形態では円形に形成されている。また、上記壁部5bの内表面は、弁体7の球状外表面に対応する球面に形成され、この壁部5bと弁体7との間に液溜まりが発生しない、または発生し難いようになっている。
【0028】
また、シートリング5には、前記突起部7aが挿入される突起部挿入孔5gが形成されている。この突起部挿入孔5gは、前記環状凹溝7a1に設けたOリング7iの外径よりも若干小さい内径を有し、前記突起部7aの挿入に伴って前記Oリング7iによりシールされる。
【0029】
上記壁部5bは、2つに分割されていて、第1壁部5b1と第2壁部5b2とを有し、第1壁部5b1と第2壁部5b2との突き合わせ面5b3、5b4の間には、無端の環状シール部材、例えばフェルールパッキン5hが介装されている(図9参照)。なお、フェルールパッキン5hは、例えばフッ素樹脂製のもので、環状板5h3の厚み方向の両面に突起、例えば断面が半円状の突起5h1、5h2を有し、前記突起5h1、5h2よりも内側の板部5h4の厚みt2が、前記突起5h1、5h2よりも外側の板部5h5の厚みt1よりも大きいもので(図9参照)、前記突起5h1、5h2は環状板5h3の周方向に沿って環状に形成されている。このフェルールパッキン5hにあっては、突起5h1が片方の突き合わせ面5b3に設けた環状溝に嵌入され、突起5h2がもう片方の突き合わせ面5b4に設けた環状溝に嵌入され、両突き合わせ面5b3、5b4の間がシールされる。このとき、フェルールパッキン5hは、外側板部5h5の厚みt1よりも、内側板部5h4の厚みt2の方が大きいので、突起5h1、5h2よりも内側の箇所からシールすることができる。よって、Oリングを用いる場合よりもシール性能を向上させ得る。
【0030】
なお、後述するフェルールパッキン(19、35、39)を用いる箇所においては、説明を省略するものの、フェルールパッキンを挟む両側の面には同様の環状溝が設けられる。特に、フェルールパッキン35、39については、シートリング5と同一材料(この例ではフッ素樹脂)のものを用いる場合には、シートリング5の外表面に、前記突起5h1または5h2に相当する環状突起を設けたものを使用することで、フェルールパッキン35または39を省略することができる。
【0031】
また、図右側の第1壁部5b1には貫通孔5d、5fが設けられ、図左側の第2壁部5b2には貫通孔5eと突起部挿入孔5gとが設けられている(図1及び図4参照)。つまり、上記突き合わせ面5b3、5b4は、貫通孔5d、5f、5eおよび突起部挿入孔5gを避け、かつ各貫通孔5d、5f、5eの中心を通る直線B1、B2、B3および突起部挿入孔5gの中心を通る直線B4を斜めに横切るように形成されている(図4、図7参照)。なお、上述のように壁部5bが突き合わせ面5b3、5b4を有するように分割され、また内表面が球状に形成されているため、貫通孔5eよりも内側であって、突起部挿入孔5gとは反対側の部位には、貫通孔5eの内側端よりも軸心側に突出した張出部5iが形成される。この張出部5iは、第2壁部5b2へ弁体7を挿入する際に邪魔になる。そのため、前記突起部7aには、前記円錐台部7a2を設けて先端側にテーパーを形成し、弁体7を第2壁部5b2へ挿入できるようにしている。
【0032】
上記ケース3は、例えばステンレス製のものであって、ケース本体3aと蓋3bとを有し、ケース本体3aと蓋3bとはクランプバンド33により着脱可能に連結される(図1、図3参照)。クランプバンド33は、図2に示すように3つの円弧部33a、33b、33cを有し、そのうちの2つの円弧部33b、33cの端部同士を締緩手段33gで締めたり、緩めたりする構成となっている。締緩手段33gは、ねじ棒33hと、そのねじ棒33hに螺着されていて、回動するとねじ棒33hに沿ってスライドするスライド部材33iとを有する。図2中の33jは円弧部33aと円弧部33bとの間に設けたヒンジで、33kは円弧部33aと円弧部33cとの間に設けたヒンジである。なお、後述のクランプバンド17、31も同様の構成であり、説明を省略する。
【0033】
また、蓋3bは、図1に示すようにケース本体3aの内部に挿入される環状突起3b1を有し、その環状突起3b1の外周面に設けたOリング3b2によりケース本体3aと蓋3bとの間がシールされる。
【0034】
また、ケース3には、シートリング5の貫通孔5d、5e、5fに対応する位置に、それぞれ通流孔3d、3e、3fが形成されている(図1、図4参照)。より詳細には、通流孔3d、3eはケース本体3aに設けられ、通流孔3fは蓋3bに設けられている。対応する貫通孔5dと通流孔3dの内径は同一寸法に形成され、対応する貫通孔5eと通流孔3eの内径は同一寸法に形成され、対応する貫通孔5fと通流孔3fの内径は同一寸法に形成されている。また、通流孔3d、3e、3fが設けられた箇所の外側には、筒部3d1、3e1、3f1が延出形成されていて、これら筒部3d1、3e1、3f1に対し、図示しない外部配管が接続されるようになっている。
【0035】
通流孔3eの内部側における端部の外側には、第2壁部5b2との間に環状シール部材、例えばフェルールパッキン35が介装されていて、通流孔3eの周りにおけるケース3と第2壁部5b2との間がシールされている。また、通流孔3dの内部側における端部の外側には、第1壁部5b1との間に環状シール部材、例えばパッキン21が介装されていて、通流孔3dの周りにおけるケース3と第1壁部5b1との間がシールされている。更に、通流孔3fの内部側における端部の外側には、第1壁部5b1との間に環状シール部材、例えばフェルールパッキン39が介装されていて、通流孔3fの周りにおける蓋3bと第1壁部5b1との間がシールされている。
【0036】
上記筒部3d1は、ケース本体3aに設けられた基端部3d2と、その基端部3d2にクランプバンド17を介して係脱可能に連結される先端部3d3とを有する。
【0037】
先端部3d3は基端部3d2の内側に挿入され、先端部3d3の外周面に外側へ突出するように形成した鍔部3d5と、基端部3d2の先端の外周面に外側へ突出するように形成した鍔部3d4とを突き合わせ、両鍔部3d4、3d5をクランプバンド17の凹部17aで拘束することにより基端部3d2と先端部3d3とが連結されている。
【0038】
また、両鍔部3d4、3d5の突き合わせ面には、環状シール部材、例えばフェルールパッキン19が設けられている。このフェルールパッキン19は、図9に示したものと同様であり、これにより基端部3d2と先端部3d3との間がシールされる。
【0039】
さらに、先端部3d3の基端側は基端部3d2の内側端よりも内側に突出し、シートリング5の貫通孔5dの縁部外側に対向し、その対向部分の間に無端の環状シール部材、例えばパッキン21が設けられている(図8参照)。このような筒部3d1において、クランプバンド17を外すことで、基端部3d2と先端部3d3とは分離されるとともに、パッキン21およびフェルールパッキン19が取り外される。
【0040】
また、ケース3には、前記突起部挿入孔5gに対応する箇所の外側に、筒部3g1が形成されている。この筒部3g1の内側には、前記弁棒11が挿通され、弁棒11の一方の端部11aが前記連結部7bに脱着可能に連結され、弁棒11の他方の端部11bがハンドル9に取付けられる。
【0041】
筒部3g1の上端外側にはフランジ3iが設けられている。このフランジ3iは、後述するジョイント23をクランプバンド31で固定するためのものである。またフランジ3iの上面には位置決め用突起3jが上方に突出形成されている。位置決め用突起3jは、この例では1個設けているが、2個以上設けてもよい。
【0042】
図11(a)は弁棒11を示す正面図、図11(b)はその左側面図、図11(c)は図11(b)の上側端部11bを示す平面図、図11(d)は図11(b)の下側端部11aを示す底面図である。
【0043】
上記弁棒11は、一方(図の下側)の端部11aと他方(図の上側)の端部11bとを除いて断面円形の棒状のもので、軸心方向の途中に外側に突出した鍔部11cが設けられ、その鍔部11cよりも一方の端部11a側寄りの部位に、2つの環状溝11d、11eが形成されている。これら環状溝11d、11eには、Oリング11g、11hが嵌着される(図1及び図5参照)。
【0044】
鍔部11cは、筒部3g1の上端内側に設けた段付き部3hに着脱可能に取付けられる下側ストッパー29により支持される(図1参照)。より詳細に説明すると、下側ストッパー29は、上端に外方へ突出したフランジ29aを有する円筒状のもので、その軸心部に設けた貫通孔29bには、弁棒11の鍔部11cよりも下側部分が挿通され、前記フランジ29aが段付き部3hに支持され、更にそのフランジ29aの上面に鍔部11cの外周縁が支持される。
【0045】
また、弁棒11の両端部11a、11bは、軸心を挟む両側を欠落させて一定幅の臍として形成されている。上記端部11bには、軸心方向に雌ねじ部11fが形成されている。この雌ねじ部11fは、ハンドル9への取付けに用いられる。
【0046】
図10(a)はハンドル9を示す正面図、図10(b)はその平面図、図10(c)はハンドル9の基端部9aを示す左側面図、図10(d)はハンドル9の基端部9aを示す底面図である。
【0047】
ハンドル9は、先端に取手9bが設けられた棒9cの基端側が連結された概略円柱状をした基端部9aを有し、その基端部9aの軸心部の上側には段付き孔9dが形成されている。段付き孔9dの中心は基端部9aの軸心にほぼ一致している。また、基端部9aの下側には臍溝9eが形成されている。この臍溝9eは一端を除いてほぼ一定幅であって、前記段付き孔9dに繋がっている。また、基端部9aの側面には係止片9fが形成されている。係止片9fは、基端部9aの下面よりも下側へ突出している。
【0048】
このハンドル9と弁棒11の端部11bとの連結は、段付き孔9dの上側からねじ9gを、弁棒11の端部11bに設けた前記雌ねじ部11fに螺着することにより行われる(図5参照)。このとき、臍溝9eに、臍として形成された前記端部11bを係合するように挿着する。上記ハンドル9の操作により弁体7を、軸心Aの回りを回動させることができ、開口7eを貫通孔5eに一致させると、通流孔3eから流体を排出させることが可能になり、一方、開口7eを貫通孔5fに一致させると、通流孔3fから流体を排出させることが可能になる。
【0049】
また、弁棒11の鍔部11cとハンドル9の基端部9aとの間には、下側からジョイント23と上側ストッパー25とスリーブ27とが設けられる(図5参照)。より詳細には、弁棒11の鍔部11cよりも上側に、ジョイント23の軸心部に設けた貫通孔23aが挿入され、上側ストッパー25およびスリーブ27の各軸心部に設けた貫通孔25a、27aがそれぞれ挿入される。
【0050】
図12(a)はジョイント23を示す正面図、図12(b)は左側面図、図12(c)は図12(b)の平面図である。
【0051】
ジョイント23は、前記鍔部11cを上側から前記下側ストッパー29へ押し付けるとともに、弁棒11を後述するクランプバンド31によりケース3に固定するものであり、円筒体の外周に2つの環状突起23b、23cが設けられ、下端23dが弁棒11の鍔部11cの上面に当接するように構成されている(図1参照)。上記環状突起23b、23cのうちの下側の環状突起23cは、下端23dから少し上側の部位に配設され、上側の環状突起23bは上端23eよりも少し下側の部位に配設されている。下側の環状突起23cには、前記位置決め用突起3jが挿入される位置決め孔23fが形成されている(図12及び図1参照)。なお、上側の環状突起23bよりも上側部分は、軸心を挟む両側が切り落とされて一対の平行面23gが形成されている。
【0052】
上側ストッパー25は、ハンドル9の回転角度を規制するもので、図13に示すように、貫通孔25aを囲む内周面25bの軸心を挟む両側が狭くなった平行部25cが形成されていて、この平行部25cに前記平行面23gを一致させて上側ストッパー25がジョイント23における上側環状突起23bの上側に取付けられる。また、外側に突出した2部分25d、25eは前記係止片9fと当接してハンドル9の向きを180゜変え、弁体7の開口7eを、貫通孔5eと貫通孔5fのいずれか一方に確実に一致させる部分である。なお、図13(a)は同(b)のC−C線による断面図(正面断面図)である。
【0053】
スリーブ27は、弁棒11の回転を容易にするもので、上端にフランジ27bを有する円筒状に形成され、貫通孔27aに弁棒11の鍔部11cよりも上側部分を挿入した状態で、フランジ27bがジョイント23の上端23eと上側ストッパー25の上面により支持される(図1、図5参照)。
【0054】
上記ジョイント23の下側の環状突起23cとフランジ3iとをクランプバンド31で固定することで弁棒11がケース3に固定される(図1参照)。また、この固定によりハンドル9もケース3に連結される。更に、弁棒11の下側の端部11aが弁体7の連結部7bに連結される。端部11aと連結部7bとの形状としては、この例では弁棒11の端部11aがマイナス(−)の凸部である臍に形成され(図11参照)、連結部7bは端部11aが入るマイナス状(−)の凹部である臍溝に形成されている(図6参照)。なお、弁棒11の端部11aをプラス状(+)の凸部である臍に形成し、連結部7bを端部11aが入るプラス状(+)の凹部である臍溝に形成してもよく、或いは、弁棒11の端部11aを凹状に、連結部7bを凸状に形成してもよい。
【0055】
次に、このように構成された本実施形態に係るボール弁1の分解、組立につき図4及び図5を参照して説明する。
【0056】
まず、ケース3の組立につき図4に基づき述べる。ケース本体3aの内部に第2壁部5b2を、間にフェルールパッキン35を介装して挿入し、その後、弁体7を挿入する。この弁体7の挿入に際し、弁体7の突起部7aを突起部挿入孔5gに一致させる。
【0057】
その後、第1壁部5b1と第2壁部5b2との突き合わせ面5b3、5b4の間に、フェルールパッキン5hを介装する状態で、第1壁部5b1を挿入する。
【0058】
続いて、フェルールパッキン39を間に挟むように蓋3bをケース本体3aにクランプバンド33により固定する。
【0059】
その後、基端部3d2の内側に先端部3d3を挿入する。このとき、開口7dの周りにおける先端部3d3の内奥側と第1壁部5b1との間にパッキン21を介装しておく。
【0060】
次に、先端部3d3の鍔部3d5と基端部3d2の鍔部3d4とを突き合わせ、両鍔部3d4、3d5をクランプバンド17で拘束する。これにより端部3d2と先端部3d3とが連結され、ケース3の組立が完了する。
【0061】
次に、ハンドル9を以下のようにしてケース3に取付ける。
【0062】
まず、図5に示すように、ケース3の筒部3g1の上端内側に設けた段付き部3hに下側ストッパー29を取付け、下側ストッパー29の貫通孔29bの内側に弁棒11の下端側部分を挿入する。最終的に、弁棒11の鍔部11cが下側ストッパー29により支持されるようにする。この支持状態において、弁棒11の下側の端部11aと弁体7の連結部7bとを係合させる。この係合は、弁棒11を軸心回りに回動させることで可能である。また、筒部3g1への弁棒11の挿入に伴って、Oリング11g、11hがケース3の筒部3g1と弁棒11との間をシールする。
【0063】
次に、弁棒11の上端から、ジョイント23、上側ストッパー25およびスリーブ27の各貫通孔23a、25a、27aをこの順に挿入する。このとき、ジョイント23は、これに設けた前記位置決め孔23fに(図12参照)、ケース3に設けた位置決め用突起3j(図1参照)を挿入させて周方向の位置決めを行う。また、上側ストッパー25は、これに形成した平行部25cに(図13参照)、ジョイント23の上端部に設けた前記平行面23g(図12参照)を一致させて上側環状突起23bの上側に取付け、周方向の位置決めを行う。なお、スリーブ27を弁棒11に取付けた状態において、弁棒11の上側端部11bは、スリーブ27よりも上側に飛出している。
【0064】
次に、上記端部11bに設けた臍を、ハンドル9の基端部9aに設けた前記臍溝9eに方向を揃えて挿入し、段付き孔9dにその上からねじ9gを螺着する。これにより弁棒11にハンドル9が連結される。
【0065】
次に、ジョイント23の下側の環状突起23cとフランジ3iとをクランプバンド31で固定する。これにより弁棒11がケース3に固定されるとともに、係合している弁棒11の下側の端部11aと弁体7の連結部7bとが連結される。なお、クランプバンド31による環状突起23cとフランジ3iとの固定は、ジョイント23を弁棒11に取り付けた後の任意のタイミングで行ってもよい。
【0066】
このようにしてケース3にハンドル9を取付ける作業は、ケース3の組立よりも先に行ってもよく、このようにしても本実施形態のボール弁1を組立てることができる。分解については、上記組立とは逆に行えばよく、説明は省略する。
【0067】
したがって、本実施形態のボール弁1においては、シートリング5における第1壁部5b1、第2壁部5b2が、貫通孔5d、5f、5eおよび突起部挿入孔5gを避け、かつ各貫通孔5d、5f、5eの中心を通る直線B1、B2、B3および突起部挿入孔5gの中心を通る直線B4を斜めに横切るように2分割されており、第1壁部5b1、第2壁部5bの突き合わせ面5b3、5b4の間に内部空洞5aの外側を囲むように無端のフェルールパッキン5hが介装されているので、従来のように貫通孔の内周面にシートリングの分割面とシール部材の端とが露出することがなく、貫通孔5d、5f、5eおよび突起部挿入孔5gの周りでの液溜まりの発生を防止することができる。
【0068】
また、本実施形態のボール弁1においては、突起部7aの外周面と突起部挿入孔5gの内周面との間に、無端のOリング7iが設けられているので、突起部7aの外周面と突起部挿入孔5gの内周面との間が、Oリング7iによりシールされ、突起部挿入孔5gの周りでの液溜まりの発生を防止することができる。
【0069】
更に、本実施形態のボール弁1においては、シートリング5における貫通孔5d、5f、5eの周縁部と、ケース3の通流孔3d、3f、3eの周縁部とが互いに突き合わされるとともに、これらの貫通孔5dの周縁部と通流孔3dの周縁部との間に無端のパッキン21が介装され、同じく貫通孔5fの周縁部と通流孔3fの周縁部との間に無端のフェルールパッキン39が介装され、同じく貫通孔5eの周縁部と通流孔3eの周縁部との間に無端のフェルールパッキン35が介装されているので、シートリング5とケース3との間においても、液溜まりの発生を防止することができる。このとき、フェルールパッキン39は、その内径を、貫通孔5f(通流孔3f)の内径と同一となるように、フェルールパッキン35は、その内径を、貫通孔5e(通流孔3e)の内径と同一となるように形成することが好ましい。このようにすることで、貫通孔5fと通流孔3fとの間、貫通孔5eと通流孔3eとの間にそれぞれ凹凸が発生するのを防止でき、液溜まりが生じるのを防ぐことができる。
【0070】
なお、上述した実施形態においては、3方ボール弁1に適用しているが、本発明はこれに限らない。例えば、貫通孔5fと通流孔3fの組と、貫通孔5eと通流孔3eの組とのうちの一方の組を省略した構成の2方ボール弁にも同様に適用することができる。或いは、図14〜図17に示すような2方ボール弁1Aにも同様に適用することができる。
【0071】
図14は、本発明の他の実施形態に係る2方ボール弁1Aを示す正面図、図15(a)はそのボール弁1Aに用いる弁体を示す正面図、同(b)はその左側面図、同(c)は(b)の平面図である。図16(a)は上記ボール弁1Aに用いるシートリングを示す正面図、同(b)はその左側面図、同(c)は(b)の平面図、図17(a)は上記ボール弁1Aに用いる上側ストッパー25Aを示す正面図、同(b)はその平面図である。なお、図14〜図17においては、図1、図6、図7、図13と同一部分には同一符号を付している。
【0072】
このボール弁1Aに用いる弁体7Aは、内部通路7Cが直線状であって、軸心を挟んで互いに反対側に開口7E、7Fが設けられた構成であり、開口7Eが貫通孔5e、通流孔3eの方向を向き、かつ開口7Fが貫通孔5f、通流孔3fの方向を向くときに、所定の流体を通流させ、開口7Eおよび開口7Fが他の方向を向くときに停止させるようになっている。なお、弁体7Aは、突起部7a、開口7E、7Fが形成されている部分を除いて球状に形成されている。
【0073】
この2方ボール弁1Aのシートリング5Aについては、第1壁部5b1、第2壁部5b2が、貫通孔5f、5eおよび突起部挿入孔5gを避け、かつ各貫通孔5f、5eの中心を通る直線B2、B3および突起部挿入孔5gの中心を通る直線B4を斜めに横切るように2分割されており、第1壁部5b1、第2壁部5bの突き合わせ面5b3、5b4の間に内部空洞5aの外側を囲むように無端のフェルールパッキン5hが介装されている(図16(a)参照)。よって、この2方ボール弁1Aにおいても、前同様、従来のように貫通孔の内周面にシートリングの分割面とシール部材の端とが露出することがなく、貫通孔5f、5eおよび突起部挿入孔5gの周りでの液溜まりの発生を防止することができる。
【0074】
また、この2方ボール弁1Aの上側ストッパー25Aは、流体の通流と遮断とを、ハンドル9を90゜回動させることで行うため、前述の外側に突出した2部分25d、25eを軸心回りに90゜異なる方向に配している。図17においては、部分25eを反時計回りに90゜回転させた部位に設けている。
【0075】
なお、上述した実施形態においては、複数の箇所の一部にフェルールパッキンを用い、他の一部にパッキンを、残りの箇所にOリングを用いているが、これらフェルールパッキン、パッキン、Oリング等は、シール部位の要求されるシール性能に応じたものを用いればよい。例えば、パッキンを用いた箇所にフェルールパッキンを用いたり、Oリングを用いた箇所にパッキンやフェルールパッキンを用いたりしてもよい。
【符号の説明】
【0076】
1、1A ボール弁
3 蓋付きケース
3b 蓋
3d、3e、3f 通流孔
5、5A シートリング
5a 内部空洞
5b 壁部
5b1 第1壁部
5b2 第2壁部
5b3、5b4 突き合わせ面
5d、5e、5f 貫通孔
5g 突起部挿入孔
5h フェルールパッキン
7、7A 弁体
7a 突起部
7c、7C 内部通路
7d、7e、7E、7F 開口
7g 外表面
7i Oリング
9 ハンドル
11 弁棒
19、35、39 フェルールパッキン
21 パッキン
A 軸心
B1、B2、B3、B4 中心を通る直線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の軸心回りに回動され、内部通路を有するとともに外表面に前記内部通路に連通する複数の開口が設けられた球状の弁体と、
上記弁体が入る内部空洞を囲む壁部で前記弁体を回動可能に支持し、前記壁部の前記弁体における開口に関連する位置にそれぞれ貫通孔を有するシートリングと、
前記シートリングを間に介して前記弁体を収納し、前記貫通孔に対応する位置に当該貫通孔と連通する通流孔を有する蓋付きケースとを具備し、
前記シートリングは、前記貫通孔を避けかつ当該貫通孔の中心を通る直線を斜めに横切るように前記壁部が二分割されるとともに、その分割された両壁部の突き合わせ面の間に前記内部空洞の外側を囲むように無端の環状シール部材が介装されていることを特徴とするボール弁。
【請求項2】
請求項1に記載のボール弁において、
前記環状シール部材に、環状板の両面に突起を有し、当該突起よりも内側板部の厚みが、突起よりも外側の板部の厚みより厚いフェルールパッキンを用いていることを特徴とするボール弁。
【請求項3】
請求項1または2に記載のボール弁において、
前記シートリングは、前記弁体の軸心方向の部位と、軸心から最も離れた内周面上であって前記弁体の中心を挟んだ2つの対称部位とに前記貫通孔が設けられ、二分割された一方の壁部に前記軸心方向の部位の貫通孔と前記2つの対称部位の一方の貫通孔とが配設され、他方の壁部に前記2つの対称部位のもう一方の貫通孔が配設されていることを特徴とするボール弁。
【請求項4】
請求項1または2に記載のボール弁において、
前記シートリングは、前記弁体の軸心方向の部位と、軸心から最も離れた内周面上の1つの部位とに前記貫通孔が設けられ、二分割された一方の壁部に片方の貫通孔が配設され、他方の壁部にもう一方の貫通孔が配設されていることを特徴とするボール弁。
【請求項5】
請求項1または2に記載のボール弁において、
前記シートリングは、軸心から最も離れた内周面上であって前記弁体の中心を挟んだ2つの対称部位に前記貫通孔が設けられ、二分割された一方の壁部に前記2つの対称部位の一方の貫通孔が配設され、他方の壁部に前記2つの対称部位のもう一方の貫通孔が配設されていることを特徴とするボール弁。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載のボール弁において、
前記弁体には、当該弁体を前記軸心回りに回動駆動するための弁棒と脱着可能に連結される突起部が外方へ向けて突出形成され、一方の前記シートリングには前記突起部が挿入される突起部挿入孔が設けられており、前記突き合わせ面が前記突起部挿入孔を避けた位置を通るように形成されていることを特徴とするボール弁。
【請求項7】
請求項6に記載のボール弁において、
前記突起部の外周面と前記突起部挿入孔の内周面との間に、無端の環状シール部材が配設されていることを特徴とするボール弁。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載のボール弁において、
前記貫通孔の周縁部と前記通流孔の周縁部とが互いに突き合わされるとともに、両周縁部の間に無端の環状シール部材が介装されていることを特徴とするボール弁。
【請求項9】
請求項6乃至8のいずれかに記載のボール弁において、
前記突起部の先端側にテーパーが設けられ、前記突起部挿入孔を有する、分割された壁部の内側に、前記弁体を挿入できるように構成されていることを特徴とするボール弁。
【請求項10】
請求項8または9に記載のボール弁において、
前記貫通孔と前記流通孔とが同一寸法の内周面を有し、前記環状シール部材がフェルールパッキンであって、その内径が前記寸法と同一に形成されていることを特徴とするボール弁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−256899(P2011−256899A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−129800(P2010−129800)
【出願日】平成22年6月7日(2010.6.7)
【出願人】(502325720)株式会社フジトク (1)
【出願人】(510158495)
【Fターム(参考)】