説明

ボール搭載方法

【課題】微細な半田ボールを大型の基板に工業的レベルで実装できるボール搭載装置を提供する。
【解決手段】半田ボールを搭載する基板6を載置する基板載置装置1と、基板6に位置合せされたマスク上に供給された半田ボールをマスクの開口に落とし込むボール落とし込み装置4と、開口に落とし込まれた半田ボールを基板6に押圧するボール押圧ヘッドを有するボール押圧装置3からなるボール搭載装置であって、ボール押圧ヘッドに水平度超越デバイスを設けるとともに、基板の位置を計測するために複数個の固定カメラ19a、19b、19cを配設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子回路基板、半導体ウエハ等の基板に半田ボール等を搭載するボール搭載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路は、バンプの寸法と間隔が微細化するとともに、ウエハの直径が12インチ等大型化している。ボール搭載装置は、電子回路の高密度化と基板の大型化(一回の処理での素子の取り数の増大)に対応することが課題である。
電子回路基板や半導体ウエハ等の基板に半田ボールを搭載する方法として、ボール落とし込み方法が開示されている(特開2000−49183号公報、特開平9−148332号公報参照)。また、基板とマスクの位置観測方法として基板観測用カメラとマスク観察用カメラを用いる方法が開示されている(特開平3−20099号公報参照)。
【0003】
しかし従来のボール落とし込み装置は、ボールの直径が200μ以下となると、半田ボールが落とし込まれない即ち未装填のマスクの開口が増大する欠点がある。特に、基板の大きさが8インチ(20cm)を超えると一層この傾向が大きくなる。更に、所定位置に落とし込まれた半田ボールを基板に押圧する条件がばらつくため均一に押圧できないので、基板への仮固定力が不十分なボールや押圧し過ぎな半田ボールが生じる欠点がある。
【0004】
また、従来の基板の位置観測方法は、カメラがXYZ駆動装置に取付けられており、長さが300mm以上の基板を処理するボール搭載装置では、基板に設けられた位置マーク上にカメラを移動するための移動距離が長くなる。XYZ駆動装置が動作する空間を確保するために大きなスペースが必要となる欠点がある。ボール搭載装置の据付床面積が増大することは、それがクリーンルームに設置されるので好ましくない。
このように、従来のボール搭載装置は、半田ボールの微細化と基板の大型化のニーズに対して適合できているとはいえない。
【特許文献1】特開2000−49183号公報
【特許文献2】特開平9−148332号公報参照
【特許文献3】特開平3−20099号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような問題を解決するものであり、本発明の目的は、微細な半田ボールを大型の基板に工業的レベルで実装できるボール搭載装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、半田ボールを搭載する基板を載置する基板載置装置と、基板に位置合せされたマスク上に供給された半田ボールをマスクの開口に落とし込むボール落とし込み装置と、開口に落とし込まれた半田ボールを基板に押圧するボール押圧ヘッドを有するボール押圧装置からなるボール搭載装置において、 基板載置装置には、XYΘZテーブルが配設され、ボール落とし込み装置とボール押圧装置は、支持台に移動可能に連結され、支持台には、基板の位置を計測するために複数個のカメラと、マスクが配設され、 XYΘZテーブルには、マスクの位置と押圧ヘッドの位置を計測するためのカメラが配設されたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、ボール押圧装置にはボール押圧ヘッドの水平方向の角度を調節するための水平度調節デバイスと、基板載置載置に載置された基板を平坦化するための基板平坦化装置とを有することを特徴とする。
【0008】
更に、本発明は、基板を載置する基板載置テーブルの有効寸法は、少なくとも12インチ半導体ウエハを載置できる大きさであり、且つ半田ボールの直径は、200ミクロン以下であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、以上のような構成をとることにより、以下の効果を奏する。
(1)微細な半田ボールを大型の基板に工業的レベルで実装できるボール搭載装置を提供できた。
(2)基板の位置を計測するためのカメラを複数個配設することにより、ボール搭載措置の据付面積を小さくし、且つ半田ボール搭載のタクトを短縮することができた。
(3)基板の平坦化と基板とマスクの密着化の達成により、より微細な半田ボールをマスクの開口に確実に落とし込むことが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】ボール搭載装置の平面図である。
【図2】ボール搭載装置の立面図である。
【図3】ボール押圧ヘッドの立面図である。
【図4】基板載置装置の立面図である。
【図5】基板載置装置の側面図である。
【図6】ボール搭載のフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、微細な半田ボールを大きな基板に搭載することを目的とするものである。以下、本発明に係るボール搭載装置の実施の形態について図を参照し説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は、ボール搭載装置の実施例で、この装置の平面図を示す。図2は、この装置の正面図である。図1と図2を併せ説明する。
【0013】
ボール搭載装置は、基板載置装置1と、基板平坦化装置2と、ボール押圧装置3と、ボール落とし込み装置4と、クリーニング装置5とからなる。基板載置装置1と、ボール押圧装置3と、ボール落とし込み装置4は、直列(X方向)に配置されている。
【0014】
基板載置装置1は、基板載置装置用X軸レール7、基板載置装置用Y軸レール8が直角に配設され、その上にXYテーブル9が取付けられている。このXYテーブル9上にΘ回転モータが配設されている。XYΘテーブル11は、Θ回転モータ10とZ軸駆動装置12との間に設けられている。Z軸駆動装置12上には、XYΘZテーブル13が取付けられている。XYΘZテーブル13には、Z軸エアシリンダ15と基板載置テーブル固定金具17とカメラ固定金具が取付けられている。
【0015】
吸着力発生デバイス16は、XYΘZテーブル13と基板載置テーブル13の間の空間に配置され、4個のZ軸エアシリンダ15で上下に移動可能に取付られている。
【0016】
基板載置テーブル18は、2個の基板載置テーブル固定金具17で固定されている。基板載置テーブル18の上面には、載置された基板6を真空吸引するための開口または真空吸着パッド等が設けられている。マスク位置計測カメラ19aは、カメラ固定金具を介して固定されている。
【0017】
マスク位置計測カメラ19aは、インターライン方式で総画素数が41万のCCDを使用している。このマスク位置計測カメラ19aは、ボール押圧ヘッド34の位置も計測するようになっている。
【0018】
基板平坦化装置2は、基板押圧治具20が基板6の所定個所を押圧できるように、水平方向移動装置(エアシリンダ22)と垂直方向移動と押圧動作をするための装置(Z軸エアシリンダ21)からなる。基板押圧治具20は、4本のアームと、アームに取付けられた8個の突起からなっている。突起の個数は、4個でも9個でも良く限定されない。また、これらの突起の位置は、基板6の寸法に合わせて移動できる機構となっている。
【0019】
ボール押圧装置3は、ボール押圧ヘッド34(図3参照)と水平度調節装置53とΘ回転駆動装置36とZ軸駆動モータ33からなっている。ボール押圧ヘッド34は、水平度調節装置53にボール押圧ヘッド取付板34aを介して固定されている。基板6と水平度を調節されたボール押圧ヘッド34は、Z軸駆動モータ33により下降してマスク44の開口に落とし込まれたボールを基板6に押圧する。マスク44は、固定台23に固定されているので、ボールを押圧する工程でボール押圧ヘッド34がマスク44上に移動する。ボール落し込み工程などの工程において、邪魔にならない位置にボール押圧ヘッド34を移動するようになっている。また、ボール押圧ヘッド34は、モータ29とボールネジ30によってY方向に、更に、Z軸移動モータ33とスライダ35によりZ方向に移動できるようになっている。ボール押圧ヘッド34の下面は、半田ボールの直径がマスク44の厚みより大きい場合、平板であり、一方、半田ボールの直径がマスク44の厚みより小さい場合、半田ボールに対応して突起が形成されている。突起が形成されているボール押圧マスクは、マスク44との位置合せが必要で、平板の場合は、マスク44との位置合せは必要がない。
【0020】
ボール押圧装置3は、4本の支柱24で支持されている固定台23上に設けられたXレール26に移動基板28を介して配設されている。Xレールには、モータ27で駆動されるボールネジが組み込まれ、モータ27の回転によりボール押圧装置は、Xレール26上を移動する。
【0021】
ボール落し込み装置4は、基板6と重ね合わせられたマスク44上に供給された半田ボールをスキージ43で移動させながらマスク44の開口に半田ボールを落とし込む。スキージ43は、エアシリンダ41とスライダ42にスキージ取付治具43aを介して固定され、エアシリンダ41で上下方向に、モータ27でX方向に移移動できるようになっている。スキージ43は、ブラシやエアブロアーなどで構成される。スキージ43は、行きと帰りの2個1組で構成され、それぞれエアシリンダ1個とスライダ2個からなっている。
【0022】
クリーニング装置5は、マスク44の汚れを清掃する装置で、クリーニング用紙52と、クリーニング装置フレームに取り付けられたクリーニング用紙52の供給ローラ51aと巻取ローラ51bからなり、マスク44の下方に移動できるようにY軸レール48が設けられ、さらにクリーニング用紙をマスク44に押し付けるためのモータと供給ローラと巻取ローラを駆動するモータが配設されている(図示略)。クリーニング装置自体は、高さが低いので、ボール搭載装置の設置面より高いクリーニング装置用台46の上に配設するようになっている。
【0023】
図3は、ボール押圧装置3の正面図である。水平度調節デバイス53は、X軸回転装置38とY軸回転装置37からなる。この2個の回転装置は同一のもので、取り付け角度が90度だけ異なるものである。それぞれには、角度を調節するノブ37a、38aが配設され、調節角度は、バーニヤ37bで読めるようになっている。基板6の長さが例えば35cmで平行度を5μ以内に調節するには、角度の精度を0.3秒以下にする必要がる。ノブの回転により角度精度は達成できるが、バーニアの表示は不十分なので、基板載置装置に配設された3〜4個の距離計54を用いて、距離をデジタル表示を参照して平行度の調整を行う。
【0024】
図4は、基板載置装置1の正面図で、図5は、その側面図である。吸引力発生デバイス16は、XYΘZテーブル13と基板載置テーブルの間を上下移動可能に設置されている。半田ボールをマスク44の開口に落とし込む場合、マスク44が平坦である必要がある。吸着力発生デバイス16は、電場や磁場などの電磁場を利用してマスク44を基板6に吸引するデバイスである。吸引力発生デバイス16は、基板6が、COF(Chip On Film)のような薄い場合は、マスクを絶縁体またはマスクの表面を絶縁体にすると電場でマスク44を基板6に平坦に吸着させることができる。また、基板6が厚い場合、吸引力発生デバイス16は、マスク44を強磁性体で製作し、吸引力として磁場を用いることが有効となる。
【0025】
また、XYΘZテーブル13には、3〜4個の距離計54が設けられ、ボール押圧ヘッド34と基板載置テーブルとの間隔を計測し、デジタル表示計(図示略)で表示するようになっている。
【0026】
次に、ボール押圧ヘッド34とマスク44との位置合せと、マスク44と基板6との位置合せと、ボール押圧ヘッド34と基板との位置合せと、ボール押圧ヘッド34と基板6との平行度の調節について説明する。
【0027】
ボール押圧ヘッド34とマスク44との位置合せは、マスク44の位置マークとボール押圧ヘッド34の位置マークをマスク位置計測カメラ19aで計測し、X方向の座標のみが異なるようにモータ29とΘ回転駆動装置36でボール押圧ヘッドを移動させる。
【0028】
マスク44の位置マークの計測は、マスク44が固定台23に固定されているので、マスク位置計測カメラ19aを移動して行う。一方、ボール押圧ヘッド34の位置マークの計測は、ボール押圧ヘッド34を固定台23から外れる位置まで送り、マスク44と同じ高さに降下させて、そしてマスク位置計測カメラ19aをボール押圧ヘッド34の下方に移動して行う。
【0029】
半田ボールを押圧する突起を有するボール押圧ヘッド34の場合、前もってマスク34の開口位置に半田ボールを押圧する突起を位置合せしておく。なお、マスクの開口は、半田ボールを搭載する基板の電極に対応してマスクに設けられている。更に、マスクは、マスク枠(図示略)に張力を掛けられて固定されている。マスクをマスク押え治具に取付けることは、マスク枠にテンションを掛けられて固定されているマスクをマスク枠とともにマスク押え治具に取付けることである。
【0030】
マスク44と基板6との位置合せは、以下のステップで行う。基板6を基板載置テーブル18に載置した後、基板載置装置1を基板位置計測カメラ(19b、19c)の下方に移動して、基板6に設けられた2個の位置マークの平面位置を読み取り、基板6の基準座標とする。次に、基板載置装置1をマスク44の下方に移動し、マスク44に設けられた2個の位置マークの平面位置を読み取り、マスク44の基準座標とする。基板6の基準位置とマスク44の基準座標の差は、仕様によって定められた関係にある。この関係を満足するように、XYΘテーブル13を用いて基板6を移動する。この位置合せは、基板6を載置する毎に行う。
【0031】
ボール押圧ヘッド34と基板6との位置合せは、先に実施したボール押圧ヘッド34とマスク44との位置合せとマスク44と基板6との位置合せで得られた座標データを用いて計算で決められる。
【0032】
ボール押圧ヘッド34と基板6との平行度の調節は、直接行うことができないので、ボール押圧ヘッド取付板34aと基板載置テーブル18を代理とし、それらの平行度を調整して間接的に行われる。ボール押圧ヘッド取付板34aが基板載置テーブル18に密着した状態をZ軸基準座標として、ボール押圧ヘッド取付板34aの4隅を測定できる4個の距離計54を用いてボール押圧ヘッド取付板34aのZ座標を計測し、Z軸基準座標とボール押圧ヘッド取付板34aのZ座標の差が、それぞれ4点で同一または所定の基準値以下になるように、ノブ(37a,38a)を回転させる。即ち4つのZ座標の誤差が5μ以下になるように調節する。しかし、4つのZ座標の誤差は、2μ以下がより好ましい。
なお、マスク44と基板6との平行度の調節機構を図示していないが、マスク押え治具45に、水平度調節デバイスを連結すると良い。ボール径が小さくなり、特にボール径が100μ以下の場合有効である。
【0033】
図6は、半田ボールをマスク44の開口に落し込み、その後半田ボールを基板6に押圧して仮固定する作業のフローチャートを示す。
ステップ1(S1)は、基板6を基板載置装置1に載置する工程である。マガジンに収められている基板6をプッシャーで押し出し、レール上を滑らして、基板載置テーブル18上に移動させ、Z軸駆動装置で基板載置テーブル18を上昇させて基板6を基板載置テーブル上に載置する。その後、基板6を基板載置テーブル18に真空吸着させる。
【0034】
ステップ2は、反った基板6を平坦化する工程である。基板6の厚みが厚い場合と、基板が上方を凹に反っている場合は、真空吸着が不十分となる。退避位置にあった基板押圧治具20をエアシリンダ22で基板6上まで移動させ、その後、Z軸エアシリンダ21で基板押圧治具20を降下させ、8個の突起で基板6を押圧する。基板が上方を凸に反っている場合は、真空吸着が比較的よく作用するが、基板押圧治具20で基板6を押圧し、基板をより平坦化する。基板6の平坦化操作が終了した後、基板押圧治具20は、初期位置に退避する。
【0035】
ステップ3は、基板6をマスク44の下方に移動させる工程である。移動途中、基板6の位置マークを基板位置計測カメラ(19b、19c)で読み取り、基板6の基準座標が計算される。次にマスク44の2箇所の位置マークをマスク位置計測カメラ19aで読み取り、マスク44の位置座標が計算され、設定値との差は、XYΘテーブルで補正される。この補正により基板6の位置マークとマスクの位置マークは所定の位置関係に戻る。即ち、ボールを搭載する基板6の電極とマスク44の開口が正しい位置に配置される。
基板位置計測カメラが2個あるので、Y方向への移動をほとんどすることなく基板6の位置マークを読み取ることができ、位置マークを探す時間が大幅に短縮でき、タクトを大幅に短縮できる。
【0036】
ステップ4は、マスク44を基板6に密着させる工程である。基板6を上昇させ、マスク44の下面と密着させる。吸引力発生デバイス16を基板載置テーブル18に密着させた状態で、吸引力発生デバイス16を作動させて、マスク44を基板6に吸着させる。吸引力発生デバイス16は、基板6からマスク44を離間する工程まで作動し続ける。
【0037】
ステップ5は、半田ボールをマスク44の開口に落とし込む工程である。先ず、スキージ43をマスク44の上方に移動し、エアシリンダ41でスキージ43を降下させる。半田ボール供給装置(図示略)から供給された半田ボールをスキージ43で押しながらマスク44上を移動させることによって、半田ボールをマスク44の開口に落とし込む。更にスキージ43を移動して半田ボールを基板6上からボール貯留凹部(図示略)に落とす。
【0038】
ステップ6は、マスク44上に残留した半田ボールを除去する工程である。ボールの落し込みに用いたスキージ43を上昇させ、他方の残留ボール除去用のスキージ43を降下させ、これで残留ボールを掃きながら他方のボール貯蔵凹部(図示略)に落とす。その後、2つのスキージ43は、所定位置に退避する。
【0039】
ステップ7は、半田ボールの押圧工程である。ボール押圧ヘッド34をマスク44上に移動させ、降下させてマスク44の開口内に落とし込まれた半田ボールを基板6に押圧する。半田ボールは、基板6と接する面が平坦化して、仮固定される。半田ボールは、基板6の電極(バンプを含む)に押圧され、電極にフラックスが塗布されていればその粘着力も仮固定の力となる。また、フラックスが室温で固体の場合は、臨界温度以上に上げると粘着力を大きくすることができる。
【0040】
ステップ8は、基板6とマスク44を離間する工程である。マスク44に対する吸着力発生デバイス16の吸着力を弱めてから、基板6とマスク44を離間させる。具体的には、吸着力発生デバイス16の電源をオフにしてから離間する。吸着力発生デバイス16がエレクトレットや永久磁石等の場合、マスク44を基板6に密着させた状態で吸着力発生デバイス16を十分に降下させ、マスク44に及ぼす吸引力を小さくしてから、基板6をマスク44から離間する。マスク44に作用する吸引力が強い状態で、基板6をマスク44から離間するとマスク44が変形する。
【0041】
ステップ9は、半田ボールの落とし込みが完全かどうかを検査する工程である。不完全な場合は、リペア工程に入り、完全な場合は、リフロー工程に入る。
【0042】
本発明において、基板位置計測カメラaを2個とする実施例を説明したが、3個以上でも良いことは自明である。基板位置計測カメラ19aの個数を増やすと、装置のコストは高くなるが、ボール搭載工程のタクトを短縮できるとともに、ボール搭載装置の据付寸法を小さくすることができる。しかし、半田ボールを搭載する基板6は、表示装置基板のように超大型化することは考えられないので、2個ないし4個の基板位置計測カメラaを、固定台23に取り付けると良い。
【0043】
また、本発明において、クリーニング装置5は、マスク44をクリーニング用紙で清掃することを説明したが、紙以外に布でも良い。更に、クリーニング剤をクリーニング用紙に含浸させて使用することや、マスク44をクリーニング液中で洗浄することも本発明に含まれる。
【0044】
また、本発明において、ボール押圧装置にはボール押圧ヘッドの水平方向の角度を調節するための水平度調節デバイスは、0.3秒の角度を調整できる機器であり、好ましくは、0.1秒の角度を調整できるものである。なお、本発明において、位置計測カメラをCCDで説明したが、MOS型撮像素子でも良い。
【0045】
また、本発明において、基板を載置する基板載置テーブルの有効寸法とは、基板6を載置して真空吸引し固定できる寸法であり、少なくとも12インチ(30cm)半導体ウエハを載置できる大きさで、上限は、特段に限定する要因はないが、実用的には20インチ(50cm)である。
【0046】
また、半田ボールは、直径が大きいと従来のボール搭載装置で搭載できるので、本発明において半田ボールの直径は、200μ以下である。しかし、ボールの直径が30μ以下に微細化するとマスクの開口に落とし込むことが困難になる。このようなことから、本発明において、半田ボールの直径は30〜200μが適している。よりこのましくは、50〜200μである。
【産業上の利用可能性】
【0047】
基板の平坦化とマスクと基板の平行度調整を行うこの装置は、ボール落とし込み装置以外に、基板の平坦化とマスクと基板の平行度に関して高い精度が要求される他のボール搭載方法にも実用化できる。
【0048】
また、複数個の固定カメラを有する構造は、基板が大型になっても、装置の据付面積が小さくてすむので、基板とマスクの位置合せが必要な装置でも実用化できる。
【符号の説明】
【0049】
1・・・基板載置装置、2・・・基板平坦化装置、3・・・ボール押圧装置、4・・・ボール落とし込み装置、5・・・クリーニング装置、6・・・基板、7・・・基板載置装置用X軸レール、8・・・基板載置装置用Y軸レール、9・・・XYテーブル、10・・・Θ回転モータ、11・・・XYΘテーブル、12・・・Z軸駆動装置、13・・・XYΘZテーブル、14・・・吸着デバイス受け板、15・・・Z軸エアシリンダ、16・・・吸着力発生デバイス、17・・・基板載置テーブル固定金具、18・・・基板載置テーブル、19a・・・マスク位置計測カメラ、19b、19c・・・基板位置計測カメラ、20・・・基板押圧治具、21・・・Z軸エアシリンダ、22・・・エアシリンダ、23・・・固定台、24・・・支柱、25・・・支持台、26・・・Xレール、27・・・モータ、28・・・移動基板、29・・・モータ、30・・・ボールネジ、31・・・レール付き取付治具、32・・・Θ回転駆動装置取付治具、33・・・Z軸駆動モータ、34・・・ボール押圧ヘッド、34a・・・ボール押圧ヘッド取付板、35・・・スライダ、36・・・Θ回転駆動装置、37・・・Y軸回転装置、37a・・・調節ノブ、37b・・・バーニヤ、38・・・X軸回転装置、39・・・横桟、40・・・縦桟、41・・・エアシリンダ、42・・・スライダ、43・・・スキージ、43a・・・スキージ取付治具、44・・・マスク、45・・・マスク押え治具、46・・・クリーニング装置用台、48・・・Yレール、49・・・支持台、50・・・クリーニング装置フレーム、51a・・・供給1ローラ、51b・・・巻取ローラ、52・・・クリーニング用紙、53・・・水平度調整デバイス、54・・・距離計、固定台の開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半田ボールを搭載する基板を載置する基板載置装置と、上記基板に位置合せされたマスク上に供給された上記半田ボールを上記マスクの開口に落とし込むボール落とし込み装置と、上記開口に落とし込まれた上記半田ボールを上記基板に押圧するボール押圧ヘッドを有するボール押圧装置からなるボール搭載装置において、
上記基板載置装置には、XYΘZテーブルが配設され、
上記ボール落とし込み装置と上記ボール押圧装置は、支持台に移動可能に連結され、
上記支持台には、上記基板の位置を計測するために複数個のカメラと、上記マスクが配設され、
上記XYΘZテーブルには、上記マスクの位置と上記押圧ヘッドの位置を計測するためのカメラが配設されたことを特徴とするボール搭載装置。
【請求項2】
前記ボール押圧装置は前記ボール押圧ヘッドの水平方向の角度を調節するための水平度調節デバイスを有し、そして前記基板載置装置に載置された前記基板を平坦化するための基板平坦化装置とを有することを特徴とする請求項1記載のボール搭載装置。
【請求項3】
前記基板を載置する基板載置テーブルの有効寸法は、少なくとも12インチ半導体ウエハを載置できる大きさであり、且つ前記半田ボールの直径は、200ミクロン以下で30ミクロン以上あることを特徴とする請求項2記載のボール搭載装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−212722(P2010−212722A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−111185(P2010−111185)
【出願日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【分割の表示】特願2003−402453(P2003−402453)の分割
【原出願日】平成15年12月2日(2003.12.2)
【出願人】(592141488)アスリートFA株式会社 (96)
【Fターム(参考)】