ボール誘導装置、ボール誘導方法およびボール搭載装置
【課題】気体を吐出することによりマスク上にボールを囲い込みながら水平に移動して、マスクに配設された開口にボールを損傷せず、正確に振込むボール誘導装置を提供する。
【解決手段】ボール誘導は、ボール誘導ヘッド12と、ボール供給装置31と、気体供給装置32と、駆動機構とを有する。ボール誘導ヘッド12には、気体導入口23と気体吐出口が設けられ、ボール誘導ヘッド12の下面には、下面開口43の接線方向に気体を導く溝27が設けられている。溝27に吐出された気体は、中空部22に吹出されて、ボール誘導ヘッドの移動にともない下面開口に接近したボールをボール囲込領域43の接線方向から内側に移動させ、ボール囲込領域にあるボールが、ボール誘導ヘッドの底部を通過して、ボール誘導ヘッド外へ流れ出することを防止し、ボール誘導ヘッド12を移動させることによりボールをマスク上で移動させ、マスクに形成された開口へボールを振込む。
【解決手段】ボール誘導は、ボール誘導ヘッド12と、ボール供給装置31と、気体供給装置32と、駆動機構とを有する。ボール誘導ヘッド12には、気体導入口23と気体吐出口が設けられ、ボール誘導ヘッド12の下面には、下面開口43の接線方向に気体を導く溝27が設けられている。溝27に吐出された気体は、中空部22に吹出されて、ボール誘導ヘッドの移動にともない下面開口に接近したボールをボール囲込領域43の接線方向から内側に移動させ、ボール囲込領域にあるボールが、ボール誘導ヘッドの底部を通過して、ボール誘導ヘッド外へ流れ出することを防止し、ボール誘導ヘッド12を移動させることによりボールをマスク上で移動させ、マスクに形成された開口へボールを振込む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吹出した気体流によりボールをボール囲込領域内に囲い込んだ状態で、ボール誘導ヘッドとともにボールを移動させるボール誘導装置、ボール誘導方法およびボール搭載装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
基板電極に対応した開口が形成されたマスク上にボールを供給し、そのボールを気体の流れにより移動させて、基板電極に配列する方法は種々開示されている。特許文献1は、コラム状の空気を吹出してボールを吹き飛ばして移動させる方法であるが、ボールが所定領域内に囲い込まれないで逸散する問題がある。
【0003】
特許文献2と特許文献3は、筒状ヘッドの上部から空気を吸引してボールをヘッド内に保持する方法を開示している。しかし、マスクが空気の流により浮き上がる問題がある。
特許文献4は、マスクにダミー孔を明けることにより上記欠点を克服するものであるが、例えば半導体基板ではマスクに明けられた開口の間隔が狭いので、有効に作用するダミー孔をマスクに明けられない問題がある。
【0004】
特許文献5は、ボール囲込領域の接線の垂直方向にエアを吹出すエアノズルが配列されたスイーパによりボールをボール囲込領域に集めながらボールを移動させる方法が開示されている。しかし、この装置は、エアの吹出し方向がボール囲込領域の中心方向を向くこと及び吹き出されたエアーを排出する開口が配設されていないことで、ボールがスイーパとスイーパの間から、ヘッドの外へ流れ出す問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】USP.5,431,322
【特許文献2】特開2006−073999号
【特許文献3】特開2008−153336号
【特許文献4】特開2009−016552号
【特許文献5】WO2006/004000号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解決しようとする第1の問題点は、マスク上に供給されたボールに損傷を与えずに且つボールを所定領域に囲込みながら移動させて、基板電極上に正確に配列させることが困難なことである。第2の問題点は、ヘッドの外へ流出する気体流に乗ってボールがヘッドの外へ逸脱することである。第3の問題点は、気体の流れにより生じた負圧によりマスクが浮くことである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のボール誘導装置は、マスク上のボール囲込領域にボールを供給するボール供給装置と、気体を排出する上部開口を有するボール誘導ヘッドの中空部へ気体を吹出すことによりボールをボール囲込領域内に囲い込むボール誘導ヘッドと、気体をボール誘導ヘッドに供給する気体供給装置と、ボール誘導ヘッドを水平方向に移動させるヘッド駆動装置とを有することを特徴とする。
【0008】
又、本発明のボール誘導装置において、ボール誘導ヘッドは、上面開口と下面開口と中空部を有する中空部材と、気体の供給口と吐出口と、供給口と吐出口を連結する気体流路と、下面に形成された複数の溝とを有し、気体供給装置から供給口を経て導入された気体は、気体流路と、吐出口と、溝とを通ってマスク上のボール囲込領域へ吹出し、上面開口から排出されることを特徴とする。
【0009】
更に、本発明のボール誘導装置において、溝を通って中空部へ吹出された気体は、下面開口の接線方向に流れる気体を含むことを特徴とする。
更に、本発明のボール誘導装置において、溝を通って中空部へ吹出された気体は、中空部内で渦流を形成して、上面開口から排出されることを特徴とする。
更に、本名発明のボール誘導装置において、ボール供給ヘッドは、鉛直方向を軸として回転することを特徴とする。
【0010】
加えて、本発明のボール誘導方法は、気体供給装置から供給された気体をボール誘導ヘッドの下面に形成された複数の溝からボール誘導ヘッドの中空部へ吹出させ且つボール誘導ヘッドの上面に形成された上面開口から排出して、ボール供給装置からマスク上のボール囲込領域に供給されたボールをボール誘導ヘッドと共に移動させることを特徴とする。
【0011】
更に、本発明のボール搭載装置は、基板ローダ・アンローダ装置と、基板搬送ロボットと、ステージと、フラックス印刷装置と、ボール誘導装置を有するボール振込装置とからなるボール搭載装置において、上記ボール誘導装置を水平方向に移動させることにより、基板搬送ロボットが基板ローダ・アンローダ装置からステージに載置した基板の電極上にマスクの開口を介してボールを配列させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明のボール誘導装置は、ボール誘導ヘッドに用いた中空部材の下面に気体を吹出す吹出口と、気体を外へ排気する上面開口を設けたことにより、ボール囲込領域からボールを逸散させることなく且つボールに傷を付けることなく、ボールを誘導し、ボールを基板電極上に正確に配列させることができた。
【0013】
又、中空部材の下面に溝等を設けて、気体をマスクへ向かって吹出すことにより、マスクの浮上を抑制することができた。更に、下面開口の接線方向に形成された溝から吹出される気体により、マスクを浮上させることなく、且つボール囲込領域に供給されたボールを、ボール誘導ヘッドの移動ともに誘導することができた。
【0014】
更に、中空部材の内面に沿って発生させた渦流により、ボールをボール囲込領域に囲い込むことができ、ボールをボール囲込領域から流出することを抑制できた。
中空部材の内面に沿った流れである渦流でボールを移動させるので、中空部中心部の気圧の低下が小さくなり、マスクの浮上を抑制することもできた。
更に、ボール供給ヘッドを回転させることにより、気体流量の低減と溝の個数を低減でき、且つボール囲込領域からのボールの逸脱を防止できた。
【0015】
加えて、本発明のボール誘導方法は、ボール誘導ヘッドの下面に設けた溝から気体を吹出し且つボール誘導ヘッドの上面開口から外へ排出することにより、マスクの浮上とボールの逸脱を抑制することができた。
更に、本発明のボール搭載装置は、上記ボール誘導装置を用いることにより、マスクの浮上とボールの逸脱を抑制して、ボール搭載ミスを大幅に減少させたボール搭載装置を実用化することができた。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1はボール搭載装置を示した説明図である。
【図2】図2はボール誘導装置を説明するための図である。
【図3】図3はボール誘導ヘッドの中空部材を説明するための図である。
【図4】図4は渦流を説明するための図である。
【図5】図5はボール囲込領域内のボールの分布を説明するための図である。
【図6】図6は基板を説明するための図である。
【図7】図7は配列マスクを説明するための図である。
【図8】図8はボール供給装置を説明するための図である。
【図9】図9はボール誘導装置の実施例2を説明するための図である。
【図10】図10はボール誘導装置の実施例3を説明するための図である。
【図11】図11は印刷マスクを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
気体を複数の気体吹出口からボール囲込領域の接線方向へ吹出して渦流を生成させて、その渦流となった気体を上面開口から排出することにより、ボール囲込領域に供給されたボールがボール囲込領域から逸脱しないボール誘導装置とボール誘導方法並びにボール搭載装置を実現した。
【実施例1】
【0018】
図1は、ボール搭載装置1を、図2は、ボール誘導装置30を説明するための図である。基板ローダ・アンローダ2は、ボール未搭載の基板19を保管する基板ローダ2aとボール搭載工程上がりの基板を保管する基板アンローダ2bからなる。基板19は、基板ローダ2aから基板搬送ロボット3により取り出され、プレアライナー4に載置されてその方位と位置の粗調整がなされた後、基板搭載位置に移動している基板ステージ5上に搬送ロボット3で載置される。載置された基板19は、基板押圧装置6により押圧されて基板の反りを矯正されながら、基板載置テーブル5aに減圧吸着される。
【0019】
基板ステージ5は、Xテーブル17と、このXテーブルと直交するYテーブル18上を移動できるようになっている。そして、Xテーブル17は、フラックス印刷装置7とボール振込装置8の下方に延在する。従って、基板ステージ5は、基板19を吸着した状態で、フラックス印刷装置7とボール振込装置8の下方を移動できる。更に、基板ステージ5は、Z軸駆動装置(図示略)とθ軸駆動装置(図示略)を内蔵している。このような構成により、配列マスク57のマスク開口50と基板19の電極の位置合わせをすることができる。印刷マスクと基板の位置合わせも同様である。
【0020】
フラックス印刷装置7は、基板19の表面に形成された電極52上にフラックス51を印刷する装置である。このフラックス印刷装置7は、2本のY軸レール14を跨ぐスキージ支持体11に取り付けられた2本のスキージ(図示略)を有し、印刷マスク上に供給されたフラックス(図示略)をスキージで移動させながらフラックス51を基板に印刷する。印刷マスク用クリーナ9は、基板が退避した状態で、印刷マスクに付着したフラックスを洗浄する。
【0021】
フラックス51を基板19に印刷した後、基板ステージ5のZ軸駆動装置を用いて基板19を他の部品と干渉しない位置まで降下させる。その後、基板ステージ5を配列マスク57の下方へ移動し、配列マスク57と基板19との位置合わせを行う。
【0022】
ボール振込装置8は、横(X軸方向)一列に2ユニット搭載したボール誘導ヘッド12を例示してある。ボール誘導ヘッド12の個数は、基板に形成される電極群53(図6参照)の列と同数にするかその半数とすることが好ましい。又、基板が半導体基板であるウエハ又は電極群が密に配列されているプリント配線基板の場合、1個のボール誘導ヘッドで複数列の電極群53にボールを振り込む。電極群が蜜で且つ基板寸法が大きいときは、ボール誘導ヘッドを横3列以上にすることにより、ボール振込時間の短縮を可能にする。更に、ボール誘導ヘッドを縦(Y軸方向)にも並べたマトリックス状に縦横に配設しても良い。
【0023】
ボール誘導ヘッド12は、取付板39に固定され、Zテーブル20に移動可能に連結されている。このZテーブル20は、Y軸レール、更にX軸レールと移動可能に連結されている。このような構成により、ボール誘導ヘッド12は、3次元に移動できるようになっている。
【0024】
ボール54が供給されたボール誘導ヘッド12は、基板19と位置合わされた配列マスク57上を所定の軌道で移動して、ボール54をマスク開口50に振込み、振込が終了した後マスク上の待機位置(開口が形成されていない領域)へ移動する。ボールを振込まれた基板19は、降下して配列マスク57と離間し、基板搭載位置へ戻る。このとき、基板押圧装置6の押圧ヘッド部は、基板と干渉しない位置へ退避している。基板載置位置に戻った基板19は、基板搬送ロボット3により、基板アンローダ2bに収納される。
【0025】
配列マスク57は、フラックス51がその裏面に付着することを防止するために、フラックスの逃げとスペーサの構造を備えている。しかし、印刷ミス等により不正の場所に印刷されたフラックスが配列マスク57の裏面に付着することがある。配列マスク57の裏面に付着したフラックスは、ボール搭載時のボールを付着して種々な不良を発生させる。配列マスク用クリーナ10は、配列マスク57に付着したフラックスを洗浄するための装置である。
【0026】
図2は、ボール搭載に関連する基板テージ5と基板19と配列マスク57等を含めたボール誘導装置30を図示してある。このボール誘導装置30は、ボール54を誘導するボール誘導ヘッド12と、ボール供給装置31と、気体供給装置32と、ボール誘導ヘッド12をXYZ方向に移動させる移動機構とからなる。図2は、ボール誘導ヘッド12が図の右から左方向へ移動中の状態を示している。中空部材21の下部から中空部22へ吹出された気体49が、ボール54を移動させながら、マスク開口50を通してボール54をフラックス51上に振込む。
【0027】
ボール誘導ヘッド12は、中空部材21と、それを回転させるモータ33とそれらの取付部材からなる。取付部材は、支柱35と取付板36と取付板39からなる。中空部材21は、支柱35を介して取付板36に固定される。この取付板36は、モータ回転軸34と連結し、取付板39は、モータ33を固定し且つZテーブル20と上下移動可能に連結されている。Zテーブル20は、Y軸レール16とX軸レール15と移動可能に連結している。X軸レール、Y軸レール及びZ軸レールさらにXテーブルとYテーブルとZテーブルは、それぞれサーボモータ38またはリニアモータにより駆動される。このような構成とすることにより、ボール誘導ヘッド12は、水平面内を自由に回転しながらXYZ軸方向に移動できる。
【0028】
中空部材12は、8ヵ所に気体導入口23が配設され、気体供給装置32から気体(←で示す)を管32aと継手(図示略)を介してその内部へ導入できるようになっている。導入された気体は、8ヵ所の気体吹出口28から中空部22へ吹き出される。この中空部22へ吹き出された気体49によって、ボールをボール囲込領域内43に囲い込む。
【0029】
ボール供給装置31は、取付板39に固定され、ボール誘導ヘッド12と一緒に移動できるようになっており、移動中および静止中をとわず案内管31aを介してボールを落下させ、中空部22を経てボール54を配列マスク57上のボール囲込領域43へ供給できる。配列マスク57上に供給されたボール54は、ボール誘導ヘッド12が移動した場合、吹出された気体49によりボール囲込領域内43へ流されて、ボール囲込領域外43へ逸脱しないようになっている。
【0030】
ボール囲込領域43を、下面開口43に対応するマスク9b上の領域即ち直径Aの円で図示される領域と定義する。従って、このボール囲込領域43は、ボール誘導ヘッド12と共に移動するもので、物理的に固定した座標を有する領域ではない。更に、その領域は、下面開口43より実質的に少し小さくなる。更に、ボールが囲い込まれる実質的領域の大きさや形状は、気体の流出量、ボール誘導ヘッドの移動速度、ボール量等によって異なる。
【0031】
ボール誘導ヘッド12の高さ位置は、Zテーブル20により設定できるようになっている。従って、ボール誘導ヘッド12は、配列マスク57と接触しない(ノンコンタクト)状態で、マスク上を水平に移動できるように設計されている。配列マスク57とボール誘導ヘッドの下面41の間隔は、その間にボールが挟まるほど狭いと、ボールの破損が生じ好ましくない。一方、その間隔が大きすぎると、吹出された気体によって移動しないボールが発生して配列マスク上にボールが残留するので、好ましくない。このようなことから、配列マスク57とボール誘導ヘッドの下面41の間隔は、ボールの大きさ、吹出した気体の流速やボール誘導ヘッドの移動速度等に依存するが、配列マスク57と下面41が接触しなければ良い。マスクの凹凸やボール誘導ヘッドの振動等を考慮すると、ボール直径以上でボール直径の20倍以下が好ましい。その間隔は、ボール直径の1.5〜10倍がより好ましい。
【0032】
気体供給装置32は、窒素ガス、アルゴンガス、乾燥空気等の加圧ボンベや空気のコンプレッサ等で、加圧ガスを供給できる装置である。気体導入口23は、他の部品との機械的干渉などが生じない位置であれば、中空部材21の上面40その他の箇所に配設して良い。又、中空部材21を回転させる場合、中空部材21の中心部に回転可能な気体継ぎ手を固定し、そこから気体を気体導入口23へ分配する配管を敷設する。
【0033】
ボール供給装置31は、図8で詳述するが、所定量のボールを連続または間欠的に送りだすことができる装置である。ボール供給装置3から間欠的に、静止中でも、ボール振込中でも、中空部へ供給されたボール54は、配列マスク57上に落下して蓄積される。ボール振込中にボール54を供給する目的は、ボール搭載やボール逸散等によりボール量が減少するので、ボール囲込領域43内に残存するボール量を所定の範囲に制御し、ボールを配列マスクの開口を介して基板電極上に配列させるときのミスを防止することにある。ボールの所定量とは、ボールがマスク開口に振込まれることにより減少した量に相当し、ボール囲込領域内に残存するボール量を実質的に一定に保持するために供給するボール量である。
【0034】
図3は、中空部材21の図で、ボール54をボール囲込領域43に囲い込む気体の流れを説明するためのものである。中空部材21は、回転対称の形状である。図3(a)は、中空部材21の正面図で、左側を図3(b)のAA断面で示す。図3(b)は、中空部材21の底面図である。
【0035】
中空部材21は、略円筒状の形状で、気体の流路の加工を容易にするために上部材21aと、下部材21bに分けて制作され、これら2個の部品を組合せて下部材21bの下面41からネジ(図示略)止めされたものである。中空部材21の内部形状は、円形に限定されないで、多角形でも、楕円形でも良い。円形から離れる形状とすることにより、ボール囲込領域43内の気体の流れを種々変えることができる。
【0036】
図3(a)において、上部材21aは、その断面を45度の斜線で、下部材21bは、その断面を135度の斜線で示す。気体導入口23から導入された気体は、気体流路24、気体貯留部25、隙間29を通り、溝27とリング状開口29aへ流れる。気体の流れを→で図示してある。気体流路24は、気体導入口23に連結した管状の孔である。気体貯留部25は、上部部材21aに形成された円筒状の孔と、下部部材21bに形成された小さな円筒状の突起によって形成される気体を貯留する円筒状の空間である。気体貯留部25は、気体の息つき(吹出し量の変動)を緩和するためのものである。気体流路24と気体貯留部25は、水平な中空円板状の隙間で導通している。
【0037】
隙間29は、上部材21aと下部材21bとの間の隙間で、薄い肉厚の円筒形状をしている。その隙間は、気体貯留部25の内側を鉛直方向に延び、溝27の少し上で傾斜して下面41へ達する。隙間29が溝27と重なり合った領域が気体吐出口26であり、更に、間隙29が下面に達して形成したリング状の開口が、リング状開口29aである。このリング状開口は、溝27と重なった部分が除外されるので、離散したリング形状となっている。気体吐出口26から吐出された気体は、溝27を通り、気体吹出口28から中空部22へ吹出される。一方、下面41に顔を出しているリング状開口29aからも気体が斜め下方へ吹出される。吹出されたそれぞれの気体は、配列マスク57を押圧し、配列マスクが気体の流れにより浮き上がることを抑制する。更に、リング状開口29aから吹出した気体は、主に中空部22の方向に流れ、ボール囲込領域43から外へ流出したボールをボール囲込領域内へ戻すように働く。
【0038】
図3(b)は、中空部材21の底面図である。8本の溝27が下面41に形成されている。溝27から気体を中空部22へ吹き出す気体吹出口28は、傾斜面である渦流形成斜面45と矩形で下面開口43の接線方向に延びる溝27とにより形成される孔であるため、XYZ軸に対して傾いてして、その形状は、矩形でなく、4辺からなる細長い形状となる。
【0039】
中空部材21は、上面40と下面41を有し、その内部に中空部22が形成されている。上面40には、気体を排出し、更にボールを給材する上面開口42が形成されている。下面41には、給材されたボールを囲い込むための下面開口43が形成され、この下面開口43へ気体を吹き出すことができるようになっている。なお、上面開口42と下面開口43は、丸い面であるが、それぞれの開口の外周に符号が付されている。中空部材21の内面44は、内側に凸の回転体形状をしており、渦流形成斜面45と気体排出斜面46とからなる。
【0040】
渦流形成斜面45の形状は、気体吐出口26から溝27を経由して下面開口43へ吹出した気体を渦流とするために、下向きで且つ配列マスク57との角度を鋭角(10〜45度)に設計されている。ボール囲込領域43の接線方向に、配列マスク57と渦流形成斜面45の小さい角度の中を流れる気体は、他の溝27を流れる気体と次々と合流し、渦流形成斜面に沿って回転しながら上昇し、渦流(図4参照)を形成する。渦流となった気体は、渦を巻きながら気体排出斜面46を上昇し、上面開口42からボール誘導ヘッド12の外へ排出される。ボール誘導ヘッド12が移動しても、この渦流に流されることにより、ボール囲込領域43内のボール54は、ボール囲込領域43内に留まる。
【0041】
上面開口42は、上面でなく気体排出斜面46に設けられた孔(図示略)でも良く、又、ボールが渦流に乗って上面開口から逸脱しないように、開口や孔にメッシュを張っても良い。更に、本発明において渦流となった気体は、中空部を通ってボール誘導ヘッド外へ排出されれば良く、強制的に排気しても良い。強制排気の場合、排気口の面積を小さくすることができるメリットがある。排気口がないと、渦流の発生が不完全となり、気流が乱流となり、ボール囲込が不完全となり、更に、ボール囲込領域外へ流れ出す気体に乗ってボールが誘導ヘッドの外へ逸散する。
【0042】
溝27の形状は、巾が5mmで、深さが2mmである。溝の巾方向に、溝断面を外側(ボール囲込領域43の中心から見て)、中央と内側の3つに分け、外側を下面開口43の接線方向と定義する。溝断面の外側を流れる気体は下面開口43の接線に沿って流れ、その中央と内側を流れる気体は、下面開口43の内部の方向へ流れ、渦流形成斜面45にぶつかり渦流形成斜面に沿って流れて、渦流を形成しながら上昇する(図4参照)。
【0043】
本実施例では8本の溝27を図示したが、溝の本数は、多く且つ溝の巾が狭い方が渦の発生が良好となるが、ヘッドが回転できる構造であれば、1本でも良い。溝の本数の上限は、ボール誘導ヘッドの大きさに依存するが、36本以下(10度間隔以上)で、2〜12本がより適している。ボール囲込領域内に囲い込まれたボールがボール誘導ヘッドの移動によりボール誘導ヘッド12の下部と衝突しないように、ボール誘導ヘッドの移動速度に応じて、気体の吹出し量を調整する。
【0044】
気体吹出口28から吹出される気体49に、ボールを囲い込む機能と、ボール囲込領域43内でボールを攪拌する機能を持たせると良い。気体流により生じる2つの機能、ボールを囲い込む機能とボールを攪拌する機能は、溝27がボール囲込領域43の接線方向となす角度とその溝の巾に依存し、変化する。溝27の方向を接線方向47からボール囲込領域43の内側へ向けることにより、ボールを攪拌する能力は大きくなる。又、溝27の巾を細くすることにより、ボールを攪拌する能力を小さくし且つボールを囲い込む能力を高くすることができる。又、ボールの攪拌を強くするために、例えば、8本の溝27全部を下面開口43の接線方向47に向けないで、例えばその2本の溝27を下面開口43の内部へ向けることも有効である。更に、一部の溝27の断面形状を変えることも有効である。一方、気体吹出口から内部へ向けて吹出される気体の流量を調整して、ボールの攪拌の最適化を行うことも有効である。この場合、攪拌されたボールの移動速度が速すぎると、ボールがマスク開口50に落下しなくなるので、ボール重量が小さくなるに従いボールの移動速度を遅くすることが好ましい。
【0045】
図4は、気体の流れを数値解析した結果を表している。解析の都合上、気体導入口を溝27の外部開口27aとした。外部開口27aから導入された気体は、矢印で示す如く渦流76となる。渦流形成斜面45で渦流76となり上昇する気体は、上向きの気体排出斜面46に沿って、上方へ拡散し流速を落としながら上面開口42へと流れ、中空部22から排出される。渦流76は、中空部材21の内面44に沿って流れるので、中空部22の中心部での渦流の影響は少なく、ボールの移動は小さい。しかし、ボール誘導ヘッド12を水平方向に移動させることによりボール囲込領域43が移動するので、その領域内に存在するボールに渦流が接触し、ボールが移動させられる。
【0046】
又、気体吹出口28から吹出された気体の流れと中空部22内に発生する渦流76の速度が速くなると、外気(中空部材21の外の大気)を、外部開口27aからと、配列マスク57と中空部材21の下面41の間隙とから吸い込む現象も生じる。外気をこの隙間等から吸い込むと、ボール囲込領域43や中空部材21以外の領域に散在するボールをボール囲込領域43内へ導くことができる。この現象を利用して、ボール振込後、マスク上に残留したボールを吸い込み、清掃することができる。
【0047】
気体吹出口28から吹出した気体によってボール囲込領域43内のボール54は、種々の分布をとる。図5は、ボール囲込領域内に生成したボール分布の例である。図5の(a)は、渦流76以外の気体の流れが大きく、ボールの攪拌が行われた場合で、図5の(b)は、渦流76以外の流れが少ない場合である。
【0048】
ボールの分布は、溝の方向、溝の巾、気体の流量により種々の形態をとる。気体の流量を増し、速度の速い渦流を発生させると、ボールが渦流とともに、舞い上がる。中空部の渦流排出斜面45は、鈍角の回転面であるので、渦流76は、中空部の上部へいく程、その流速が遅くなる。舞い上がったボールは、渦流排出斜面46の上の方が渦流の流速が遅くなるので、ボールは渦流排出斜面へ落下する。更に渦流の速度が増大すると、ボールは上面開口42から外へ気体とともに流出する。
【0049】
図6は、ボール54を搭載する基板55の平面図の1例である。基板は、プリント配線板である。電極52は、破線53で示される矩形の中に形成され、20個の電極52から構成される電極群53(破線)からなる。実施例の電極群53は、6群であるが、電極数及び電極群数は、これらに限定されない。電極群53の電極は、1個の半導体集積回路の外部出力電極に対応する。破線で示される矩形53は、基板55の裏側に実装されている半導体集積回路の図形に概略相当する。本発明は、プリント配線板に限らず半導体基板(ウエハ)にも適用できる。ウエハの寸法は、8インチと12インチが多用されるが、寸法に特段に制限されるものではない。
【0050】
図7は、ボールの配列マスクユニット56の1例で、図7(a)は、配列マスクユニット56の平面図で、図7(b)は、図7(a)のAA断面図で、図7(c)は、開口の形状例である。配列マスクユニット56は、枠58に配列マスク57を貼り付けたものである。配列マスク57は、金属製の開口形成膜60とスペーサ61の積層膜である。スペーサ61は、基板に印刷されたフラックスがマスクに付着しないようにするためのもので、その形状は、ポストや、フラックスが印刷される部分を避けた形状の膜である。開口形成膜60とスペーサ61は、一体で成形されても良い。枠58と配列マスク57を張り合わせるために、接着フィルム(図示略)を用いる。基板55の周縁部にバリが残っている場合があるので、配列マスク57には、バリ逃げ部62が形成されている。バリ逃げ部62を設けることにより、配列マスク57を基板55に密着させることが可能となる。このことにより、ボール搭載時に、配列マスクと基板の間に不正ボールが入ることを防止できる。
【0051】
図7(c)は、マスク57に明けられた開口59の形状を4種類例示している。右端は、円形で慣用されている形状である。他の3種類の形状は、円形の直径を1辺とする正方形の角丸めをしたものである。左側ほど、角丸めの大きさが小さくなっている。開口のピッチ間隔が一定の場合、ボールの振込まれ易さは、確率的には開口の面積に比例し、開口が正方形が最高である。しかし、角の部分によるマスク強度の劣化防止と清掃の容易化のために、角を丸めることが好ましい。又、これらの開口59の形状は、4角形でなく、5,6,7,8角形等の4角以上の正多角形でも良く、それらの角を丸めると更に良い。角を丸める大きさ(半径)は、マスク強度が劣化しない範囲で且つ角の清掃が容易であれば良く、内接する円形の直径の0.01〜0.9で、0.1〜0.3がより良い。配列マスク57の厚さがボールの直径の凡そ1/2以上で且つ開口の直径と正方形の1辺の長さが同じであれば、円形の開口に振り込まれたボールと、四角の開口に振込まれたボールの位置は、計算上同一のバラツキ内になる。開口にボールが振込まれる確率は、開口の面積に比例するので、このようなことにより、ボールが開口に振込まれる確率を最高で3割程度向上させることができる。更に、配列マスク上面の開口を面取りすることによりボールの振込み易さを一層向上できる。
【0052】
図8は、ボールを計量して供給するボール供給装置31の1例である。ボール供給装置31は、ボール貯留部64と、ボール計量部65と、ボール貯留部64とボール計量部65を連結する連結部66と、回転駆動部(図示略)からなる。尚、ボール貯留部64のボール充填量は、体積で半分以下が好ましい。
【0053】
ボール供給装置31は、回転駆動部により、上向きの鉛直方向(図8の状態)と水平方向と下向きの鉛直方向の間を傾動できる。まず、新規なボール貯留部65をセットする場合、ボール貯留部65を下まで回転し、ボール貯留部65を交換する。交換後、ボール供給装置31を上まで回転すると、ボール貯留部64内のボールは、ボール計量部65の流路70を通り計量流路67まで充填される。次に時計方向に90度回転させて水平方向にすると計量流路67に充填されたボールは、ボールの一時貯留部68へ移動し、計量流路67より上のボールは、流路を通りボール貯留部64へ戻る。
【0054】
次に、ボール供給装置31を反時計方向に90度回転させて上まで回転すると、一時貯留部68に移動したボールは、出口69を通り案内管(図示略)を通り、ボール誘導装置30へ送られる。一方、ボール貯留部64内のボールは、流路70を通って計量流路67まで充填する。上記の操作を繰り返すことにより、このボール供給装置31は、所定量のボールを所定間隔でボール誘導装置30へ供給できる。単位時間当たりのボール供給量は、計量流路67の体積又は供給時間間隔を制御することにより、変更できる。ボール供給装置の回転間隔を短くすることにより、擬似的な連続供給にすることができる。なお、ボール供給装置31は、上記の例に限定されず、振動でボールを送るパーツフィーダや、ボール供給管を機械的に開閉する方法等でも良い。
【0055】
案内管32aは、中空のモータ回転軸34の中に配設される。又、案内管32aを短くし、モータ回転軸34を所定長さにしても良い。この場合、例えばモータ回転軸の先端を曲げることにより、ボールを供給するボール囲込領域内の位置を変えられるようにしても良い。このことにより、ボールが落下する位置を一定としないで、時間により変動させることにより、ボールを意図的に散らばらせ、ボールがマスク開口に振込まれる確率を高くすることができる。
【実施例2】
【0056】
図9は、ボール誘導装置の実施例2を説明するための図で、取付部材を省略して、中空部材21を図示している。気体により巻き上げられたボールが中空部22から飛び出さないように、中空部22の上部にメッシュ71を配設する。メッシュ71の開口は、ボールより小さくする。
【実施例3】
【0057】
図10は、ボール誘導装置の実施例3を説明するための図で、ボール誘導ヘッド12の一部を図示したもので、中空部22を攪拌する気体攪拌装置72を配設したものである。気体攪拌装置72は、スクリュウ73と回転軸74とモータ75からなる。モータ75は、中空部材取付板36に固定され、先端にスクリュー73を配設した回転軸74が取り付けられている。スクリュー73は、中空部22内に配置される。配列マスック上のボールは、ボールが互いに干渉せず、ゆっくり移動する状態で、開口へ落下する。ボールが干渉し合ったり、開口上を飛び越えたりすると、ボールは、開口に落下しない。気体攪拌装置72の攪拌によるボールの移動速度は、ボール囲込領域内のボールが移動しながらマスク開口に落下する速度が好ましい。但し、攪拌の程度は、一部のボールがマスク開口に落下しないで飛び越える速い速度であっても、ボールが開口に落下する割合が多い条件であれば適している。ボールが開口に落下しないで飛び越える等の現象の計測方法に、透明なマスクと基板を用いて下方から撮影した動画を基に画像解析する方法がる。スクリュー73による中空部22の攪拌は、上記の条件を満たすように行う。従って、配設されつスクリューの個数は、1〜4個で、又、回転軸73は、鉛直方向のみでなく、傾けても良い。
【0058】
ボール囲込領域43の外周から供給された気体は、渦流となり中空部材の内面44に沿って上面開口42から排気されるので、ボール囲込領域43の中央部の気体流速は、攪拌しないと大変遅くなる。従って、ボール囲込領域内のボールは、ボールの量にも依存するが、流速の遅い領域に複数層となり堆積する。堆積したボールは、それぞれが干渉し合って、ボールがマスクの開口から落下するのを妨げる。開口59から落下し易いボールは、積層したボールの集団の周辺で、1層でまばらに散在しているボールである。
【0059】
本発明において、ボール搭載装置に用いた円形以外のマスク開口の形状は、吹出した気体によるボール誘導装置を用いたボール搭載装置に限定されず、吸引エアやスキージによりボールを誘導するボール搭載装置にも適用できる。更に、フラックス印刷工程で使用するマスクへも適用できることは、自明である。特に、開口が小さいマスクの場合、極めて有効である。
【0060】
本発明において、印刷可能なフラックスの厚さは、印刷マスク開口の直径の高々30%程度で、ボール直径が80μm以下と小さくなると、図2に図示するようにフラックスの厚みが薄くなり、リフロー不良となる確率が高くなるので、図11に図示する、電極より大きな電極群開口79を有する印刷マスク78を用いると良い。図11は、電極群開口79を形成した印刷マスク78の1例であり、図11(a)は、印刷マスクユニット77の平面図、(b)は、AA断面図で、参考のため、基板19を図示してある。印刷マスクユニット77は、電極群開口79が形成された印刷マスク78をフレーム80に固定したものである。フラックス81が、電極群の全面に亘り、ベタに印刷されている。電極群開口79は、電極と比較して開口面積が特段に大きいので、必要な厚さのフラックス81を印刷できる。電極群開口79は、プリント配線板である基板の一面に実装された半導体チップの形状に概略相当する。
【0061】
本発明において、ボールとは、鉛なしはんだボール、鉛入りはんだボール、銅ボール、金ボール等の導電性ボール、セラミック、プラスチックの非導電性ボールや、非導電性ボールの表面を導電性に改質して導電性ボールや、シリコンボール等の半導体ボール等へ適用できる。ボールの直径は、20μm〜750μmが適し、より好ましくは、30μm〜300μmである。
【産業上の利用可能性】
【0062】
又、本発明のボール誘導装置は、回路接続用の電気材料からなるボールの誘導に限定されないで、回路接続用以外のセラミック、プラスチックの非導電性ボールや、光電変換に用いられるシリコンボール等の半導体ボール等の誘導に適用できる。
【符号の説明】
【0063】
1 ボール搭載装置
2 基板ローダ・アンローダ
3 基板搬送ロボット
5 基板ステージ
7 フラックス印刷装置
8 ボール振込装置
12 ボール誘導ヘッド
19 基板
21 中空部材
22 中空部
24 気体流路
26 気体吐出口
27 溝
30 ボール誘導装置
31 ボール供給装置
32 気体供給装置
42 上面開口
43 下面開口(ボール囲込領域)
47 接線方向
57 配列マスク
71 メッシュ
72 気体攪拌装置
76 渦流
【技術分野】
【0001】
本発明は、吹出した気体流によりボールをボール囲込領域内に囲い込んだ状態で、ボール誘導ヘッドとともにボールを移動させるボール誘導装置、ボール誘導方法およびボール搭載装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
基板電極に対応した開口が形成されたマスク上にボールを供給し、そのボールを気体の流れにより移動させて、基板電極に配列する方法は種々開示されている。特許文献1は、コラム状の空気を吹出してボールを吹き飛ばして移動させる方法であるが、ボールが所定領域内に囲い込まれないで逸散する問題がある。
【0003】
特許文献2と特許文献3は、筒状ヘッドの上部から空気を吸引してボールをヘッド内に保持する方法を開示している。しかし、マスクが空気の流により浮き上がる問題がある。
特許文献4は、マスクにダミー孔を明けることにより上記欠点を克服するものであるが、例えば半導体基板ではマスクに明けられた開口の間隔が狭いので、有効に作用するダミー孔をマスクに明けられない問題がある。
【0004】
特許文献5は、ボール囲込領域の接線の垂直方向にエアを吹出すエアノズルが配列されたスイーパによりボールをボール囲込領域に集めながらボールを移動させる方法が開示されている。しかし、この装置は、エアの吹出し方向がボール囲込領域の中心方向を向くこと及び吹き出されたエアーを排出する開口が配設されていないことで、ボールがスイーパとスイーパの間から、ヘッドの外へ流れ出す問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】USP.5,431,322
【特許文献2】特開2006−073999号
【特許文献3】特開2008−153336号
【特許文献4】特開2009−016552号
【特許文献5】WO2006/004000号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解決しようとする第1の問題点は、マスク上に供給されたボールに損傷を与えずに且つボールを所定領域に囲込みながら移動させて、基板電極上に正確に配列させることが困難なことである。第2の問題点は、ヘッドの外へ流出する気体流に乗ってボールがヘッドの外へ逸脱することである。第3の問題点は、気体の流れにより生じた負圧によりマスクが浮くことである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のボール誘導装置は、マスク上のボール囲込領域にボールを供給するボール供給装置と、気体を排出する上部開口を有するボール誘導ヘッドの中空部へ気体を吹出すことによりボールをボール囲込領域内に囲い込むボール誘導ヘッドと、気体をボール誘導ヘッドに供給する気体供給装置と、ボール誘導ヘッドを水平方向に移動させるヘッド駆動装置とを有することを特徴とする。
【0008】
又、本発明のボール誘導装置において、ボール誘導ヘッドは、上面開口と下面開口と中空部を有する中空部材と、気体の供給口と吐出口と、供給口と吐出口を連結する気体流路と、下面に形成された複数の溝とを有し、気体供給装置から供給口を経て導入された気体は、気体流路と、吐出口と、溝とを通ってマスク上のボール囲込領域へ吹出し、上面開口から排出されることを特徴とする。
【0009】
更に、本発明のボール誘導装置において、溝を通って中空部へ吹出された気体は、下面開口の接線方向に流れる気体を含むことを特徴とする。
更に、本発明のボール誘導装置において、溝を通って中空部へ吹出された気体は、中空部内で渦流を形成して、上面開口から排出されることを特徴とする。
更に、本名発明のボール誘導装置において、ボール供給ヘッドは、鉛直方向を軸として回転することを特徴とする。
【0010】
加えて、本発明のボール誘導方法は、気体供給装置から供給された気体をボール誘導ヘッドの下面に形成された複数の溝からボール誘導ヘッドの中空部へ吹出させ且つボール誘導ヘッドの上面に形成された上面開口から排出して、ボール供給装置からマスク上のボール囲込領域に供給されたボールをボール誘導ヘッドと共に移動させることを特徴とする。
【0011】
更に、本発明のボール搭載装置は、基板ローダ・アンローダ装置と、基板搬送ロボットと、ステージと、フラックス印刷装置と、ボール誘導装置を有するボール振込装置とからなるボール搭載装置において、上記ボール誘導装置を水平方向に移動させることにより、基板搬送ロボットが基板ローダ・アンローダ装置からステージに載置した基板の電極上にマスクの開口を介してボールを配列させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明のボール誘導装置は、ボール誘導ヘッドに用いた中空部材の下面に気体を吹出す吹出口と、気体を外へ排気する上面開口を設けたことにより、ボール囲込領域からボールを逸散させることなく且つボールに傷を付けることなく、ボールを誘導し、ボールを基板電極上に正確に配列させることができた。
【0013】
又、中空部材の下面に溝等を設けて、気体をマスクへ向かって吹出すことにより、マスクの浮上を抑制することができた。更に、下面開口の接線方向に形成された溝から吹出される気体により、マスクを浮上させることなく、且つボール囲込領域に供給されたボールを、ボール誘導ヘッドの移動ともに誘導することができた。
【0014】
更に、中空部材の内面に沿って発生させた渦流により、ボールをボール囲込領域に囲い込むことができ、ボールをボール囲込領域から流出することを抑制できた。
中空部材の内面に沿った流れである渦流でボールを移動させるので、中空部中心部の気圧の低下が小さくなり、マスクの浮上を抑制することもできた。
更に、ボール供給ヘッドを回転させることにより、気体流量の低減と溝の個数を低減でき、且つボール囲込領域からのボールの逸脱を防止できた。
【0015】
加えて、本発明のボール誘導方法は、ボール誘導ヘッドの下面に設けた溝から気体を吹出し且つボール誘導ヘッドの上面開口から外へ排出することにより、マスクの浮上とボールの逸脱を抑制することができた。
更に、本発明のボール搭載装置は、上記ボール誘導装置を用いることにより、マスクの浮上とボールの逸脱を抑制して、ボール搭載ミスを大幅に減少させたボール搭載装置を実用化することができた。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1はボール搭載装置を示した説明図である。
【図2】図2はボール誘導装置を説明するための図である。
【図3】図3はボール誘導ヘッドの中空部材を説明するための図である。
【図4】図4は渦流を説明するための図である。
【図5】図5はボール囲込領域内のボールの分布を説明するための図である。
【図6】図6は基板を説明するための図である。
【図7】図7は配列マスクを説明するための図である。
【図8】図8はボール供給装置を説明するための図である。
【図9】図9はボール誘導装置の実施例2を説明するための図である。
【図10】図10はボール誘導装置の実施例3を説明するための図である。
【図11】図11は印刷マスクを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
気体を複数の気体吹出口からボール囲込領域の接線方向へ吹出して渦流を生成させて、その渦流となった気体を上面開口から排出することにより、ボール囲込領域に供給されたボールがボール囲込領域から逸脱しないボール誘導装置とボール誘導方法並びにボール搭載装置を実現した。
【実施例1】
【0018】
図1は、ボール搭載装置1を、図2は、ボール誘導装置30を説明するための図である。基板ローダ・アンローダ2は、ボール未搭載の基板19を保管する基板ローダ2aとボール搭載工程上がりの基板を保管する基板アンローダ2bからなる。基板19は、基板ローダ2aから基板搬送ロボット3により取り出され、プレアライナー4に載置されてその方位と位置の粗調整がなされた後、基板搭載位置に移動している基板ステージ5上に搬送ロボット3で載置される。載置された基板19は、基板押圧装置6により押圧されて基板の反りを矯正されながら、基板載置テーブル5aに減圧吸着される。
【0019】
基板ステージ5は、Xテーブル17と、このXテーブルと直交するYテーブル18上を移動できるようになっている。そして、Xテーブル17は、フラックス印刷装置7とボール振込装置8の下方に延在する。従って、基板ステージ5は、基板19を吸着した状態で、フラックス印刷装置7とボール振込装置8の下方を移動できる。更に、基板ステージ5は、Z軸駆動装置(図示略)とθ軸駆動装置(図示略)を内蔵している。このような構成により、配列マスク57のマスク開口50と基板19の電極の位置合わせをすることができる。印刷マスクと基板の位置合わせも同様である。
【0020】
フラックス印刷装置7は、基板19の表面に形成された電極52上にフラックス51を印刷する装置である。このフラックス印刷装置7は、2本のY軸レール14を跨ぐスキージ支持体11に取り付けられた2本のスキージ(図示略)を有し、印刷マスク上に供給されたフラックス(図示略)をスキージで移動させながらフラックス51を基板に印刷する。印刷マスク用クリーナ9は、基板が退避した状態で、印刷マスクに付着したフラックスを洗浄する。
【0021】
フラックス51を基板19に印刷した後、基板ステージ5のZ軸駆動装置を用いて基板19を他の部品と干渉しない位置まで降下させる。その後、基板ステージ5を配列マスク57の下方へ移動し、配列マスク57と基板19との位置合わせを行う。
【0022】
ボール振込装置8は、横(X軸方向)一列に2ユニット搭載したボール誘導ヘッド12を例示してある。ボール誘導ヘッド12の個数は、基板に形成される電極群53(図6参照)の列と同数にするかその半数とすることが好ましい。又、基板が半導体基板であるウエハ又は電極群が密に配列されているプリント配線基板の場合、1個のボール誘導ヘッドで複数列の電極群53にボールを振り込む。電極群が蜜で且つ基板寸法が大きいときは、ボール誘導ヘッドを横3列以上にすることにより、ボール振込時間の短縮を可能にする。更に、ボール誘導ヘッドを縦(Y軸方向)にも並べたマトリックス状に縦横に配設しても良い。
【0023】
ボール誘導ヘッド12は、取付板39に固定され、Zテーブル20に移動可能に連結されている。このZテーブル20は、Y軸レール、更にX軸レールと移動可能に連結されている。このような構成により、ボール誘導ヘッド12は、3次元に移動できるようになっている。
【0024】
ボール54が供給されたボール誘導ヘッド12は、基板19と位置合わされた配列マスク57上を所定の軌道で移動して、ボール54をマスク開口50に振込み、振込が終了した後マスク上の待機位置(開口が形成されていない領域)へ移動する。ボールを振込まれた基板19は、降下して配列マスク57と離間し、基板搭載位置へ戻る。このとき、基板押圧装置6の押圧ヘッド部は、基板と干渉しない位置へ退避している。基板載置位置に戻った基板19は、基板搬送ロボット3により、基板アンローダ2bに収納される。
【0025】
配列マスク57は、フラックス51がその裏面に付着することを防止するために、フラックスの逃げとスペーサの構造を備えている。しかし、印刷ミス等により不正の場所に印刷されたフラックスが配列マスク57の裏面に付着することがある。配列マスク57の裏面に付着したフラックスは、ボール搭載時のボールを付着して種々な不良を発生させる。配列マスク用クリーナ10は、配列マスク57に付着したフラックスを洗浄するための装置である。
【0026】
図2は、ボール搭載に関連する基板テージ5と基板19と配列マスク57等を含めたボール誘導装置30を図示してある。このボール誘導装置30は、ボール54を誘導するボール誘導ヘッド12と、ボール供給装置31と、気体供給装置32と、ボール誘導ヘッド12をXYZ方向に移動させる移動機構とからなる。図2は、ボール誘導ヘッド12が図の右から左方向へ移動中の状態を示している。中空部材21の下部から中空部22へ吹出された気体49が、ボール54を移動させながら、マスク開口50を通してボール54をフラックス51上に振込む。
【0027】
ボール誘導ヘッド12は、中空部材21と、それを回転させるモータ33とそれらの取付部材からなる。取付部材は、支柱35と取付板36と取付板39からなる。中空部材21は、支柱35を介して取付板36に固定される。この取付板36は、モータ回転軸34と連結し、取付板39は、モータ33を固定し且つZテーブル20と上下移動可能に連結されている。Zテーブル20は、Y軸レール16とX軸レール15と移動可能に連結している。X軸レール、Y軸レール及びZ軸レールさらにXテーブルとYテーブルとZテーブルは、それぞれサーボモータ38またはリニアモータにより駆動される。このような構成とすることにより、ボール誘導ヘッド12は、水平面内を自由に回転しながらXYZ軸方向に移動できる。
【0028】
中空部材12は、8ヵ所に気体導入口23が配設され、気体供給装置32から気体(←で示す)を管32aと継手(図示略)を介してその内部へ導入できるようになっている。導入された気体は、8ヵ所の気体吹出口28から中空部22へ吹き出される。この中空部22へ吹き出された気体49によって、ボールをボール囲込領域内43に囲い込む。
【0029】
ボール供給装置31は、取付板39に固定され、ボール誘導ヘッド12と一緒に移動できるようになっており、移動中および静止中をとわず案内管31aを介してボールを落下させ、中空部22を経てボール54を配列マスク57上のボール囲込領域43へ供給できる。配列マスク57上に供給されたボール54は、ボール誘導ヘッド12が移動した場合、吹出された気体49によりボール囲込領域内43へ流されて、ボール囲込領域外43へ逸脱しないようになっている。
【0030】
ボール囲込領域43を、下面開口43に対応するマスク9b上の領域即ち直径Aの円で図示される領域と定義する。従って、このボール囲込領域43は、ボール誘導ヘッド12と共に移動するもので、物理的に固定した座標を有する領域ではない。更に、その領域は、下面開口43より実質的に少し小さくなる。更に、ボールが囲い込まれる実質的領域の大きさや形状は、気体の流出量、ボール誘導ヘッドの移動速度、ボール量等によって異なる。
【0031】
ボール誘導ヘッド12の高さ位置は、Zテーブル20により設定できるようになっている。従って、ボール誘導ヘッド12は、配列マスク57と接触しない(ノンコンタクト)状態で、マスク上を水平に移動できるように設計されている。配列マスク57とボール誘導ヘッドの下面41の間隔は、その間にボールが挟まるほど狭いと、ボールの破損が生じ好ましくない。一方、その間隔が大きすぎると、吹出された気体によって移動しないボールが発生して配列マスク上にボールが残留するので、好ましくない。このようなことから、配列マスク57とボール誘導ヘッドの下面41の間隔は、ボールの大きさ、吹出した気体の流速やボール誘導ヘッドの移動速度等に依存するが、配列マスク57と下面41が接触しなければ良い。マスクの凹凸やボール誘導ヘッドの振動等を考慮すると、ボール直径以上でボール直径の20倍以下が好ましい。その間隔は、ボール直径の1.5〜10倍がより好ましい。
【0032】
気体供給装置32は、窒素ガス、アルゴンガス、乾燥空気等の加圧ボンベや空気のコンプレッサ等で、加圧ガスを供給できる装置である。気体導入口23は、他の部品との機械的干渉などが生じない位置であれば、中空部材21の上面40その他の箇所に配設して良い。又、中空部材21を回転させる場合、中空部材21の中心部に回転可能な気体継ぎ手を固定し、そこから気体を気体導入口23へ分配する配管を敷設する。
【0033】
ボール供給装置31は、図8で詳述するが、所定量のボールを連続または間欠的に送りだすことができる装置である。ボール供給装置3から間欠的に、静止中でも、ボール振込中でも、中空部へ供給されたボール54は、配列マスク57上に落下して蓄積される。ボール振込中にボール54を供給する目的は、ボール搭載やボール逸散等によりボール量が減少するので、ボール囲込領域43内に残存するボール量を所定の範囲に制御し、ボールを配列マスクの開口を介して基板電極上に配列させるときのミスを防止することにある。ボールの所定量とは、ボールがマスク開口に振込まれることにより減少した量に相当し、ボール囲込領域内に残存するボール量を実質的に一定に保持するために供給するボール量である。
【0034】
図3は、中空部材21の図で、ボール54をボール囲込領域43に囲い込む気体の流れを説明するためのものである。中空部材21は、回転対称の形状である。図3(a)は、中空部材21の正面図で、左側を図3(b)のAA断面で示す。図3(b)は、中空部材21の底面図である。
【0035】
中空部材21は、略円筒状の形状で、気体の流路の加工を容易にするために上部材21aと、下部材21bに分けて制作され、これら2個の部品を組合せて下部材21bの下面41からネジ(図示略)止めされたものである。中空部材21の内部形状は、円形に限定されないで、多角形でも、楕円形でも良い。円形から離れる形状とすることにより、ボール囲込領域43内の気体の流れを種々変えることができる。
【0036】
図3(a)において、上部材21aは、その断面を45度の斜線で、下部材21bは、その断面を135度の斜線で示す。気体導入口23から導入された気体は、気体流路24、気体貯留部25、隙間29を通り、溝27とリング状開口29aへ流れる。気体の流れを→で図示してある。気体流路24は、気体導入口23に連結した管状の孔である。気体貯留部25は、上部部材21aに形成された円筒状の孔と、下部部材21bに形成された小さな円筒状の突起によって形成される気体を貯留する円筒状の空間である。気体貯留部25は、気体の息つき(吹出し量の変動)を緩和するためのものである。気体流路24と気体貯留部25は、水平な中空円板状の隙間で導通している。
【0037】
隙間29は、上部材21aと下部材21bとの間の隙間で、薄い肉厚の円筒形状をしている。その隙間は、気体貯留部25の内側を鉛直方向に延び、溝27の少し上で傾斜して下面41へ達する。隙間29が溝27と重なり合った領域が気体吐出口26であり、更に、間隙29が下面に達して形成したリング状の開口が、リング状開口29aである。このリング状開口は、溝27と重なった部分が除外されるので、離散したリング形状となっている。気体吐出口26から吐出された気体は、溝27を通り、気体吹出口28から中空部22へ吹出される。一方、下面41に顔を出しているリング状開口29aからも気体が斜め下方へ吹出される。吹出されたそれぞれの気体は、配列マスク57を押圧し、配列マスクが気体の流れにより浮き上がることを抑制する。更に、リング状開口29aから吹出した気体は、主に中空部22の方向に流れ、ボール囲込領域43から外へ流出したボールをボール囲込領域内へ戻すように働く。
【0038】
図3(b)は、中空部材21の底面図である。8本の溝27が下面41に形成されている。溝27から気体を中空部22へ吹き出す気体吹出口28は、傾斜面である渦流形成斜面45と矩形で下面開口43の接線方向に延びる溝27とにより形成される孔であるため、XYZ軸に対して傾いてして、その形状は、矩形でなく、4辺からなる細長い形状となる。
【0039】
中空部材21は、上面40と下面41を有し、その内部に中空部22が形成されている。上面40には、気体を排出し、更にボールを給材する上面開口42が形成されている。下面41には、給材されたボールを囲い込むための下面開口43が形成され、この下面開口43へ気体を吹き出すことができるようになっている。なお、上面開口42と下面開口43は、丸い面であるが、それぞれの開口の外周に符号が付されている。中空部材21の内面44は、内側に凸の回転体形状をしており、渦流形成斜面45と気体排出斜面46とからなる。
【0040】
渦流形成斜面45の形状は、気体吐出口26から溝27を経由して下面開口43へ吹出した気体を渦流とするために、下向きで且つ配列マスク57との角度を鋭角(10〜45度)に設計されている。ボール囲込領域43の接線方向に、配列マスク57と渦流形成斜面45の小さい角度の中を流れる気体は、他の溝27を流れる気体と次々と合流し、渦流形成斜面に沿って回転しながら上昇し、渦流(図4参照)を形成する。渦流となった気体は、渦を巻きながら気体排出斜面46を上昇し、上面開口42からボール誘導ヘッド12の外へ排出される。ボール誘導ヘッド12が移動しても、この渦流に流されることにより、ボール囲込領域43内のボール54は、ボール囲込領域43内に留まる。
【0041】
上面開口42は、上面でなく気体排出斜面46に設けられた孔(図示略)でも良く、又、ボールが渦流に乗って上面開口から逸脱しないように、開口や孔にメッシュを張っても良い。更に、本発明において渦流となった気体は、中空部を通ってボール誘導ヘッド外へ排出されれば良く、強制的に排気しても良い。強制排気の場合、排気口の面積を小さくすることができるメリットがある。排気口がないと、渦流の発生が不完全となり、気流が乱流となり、ボール囲込が不完全となり、更に、ボール囲込領域外へ流れ出す気体に乗ってボールが誘導ヘッドの外へ逸散する。
【0042】
溝27の形状は、巾が5mmで、深さが2mmである。溝の巾方向に、溝断面を外側(ボール囲込領域43の中心から見て)、中央と内側の3つに分け、外側を下面開口43の接線方向と定義する。溝断面の外側を流れる気体は下面開口43の接線に沿って流れ、その中央と内側を流れる気体は、下面開口43の内部の方向へ流れ、渦流形成斜面45にぶつかり渦流形成斜面に沿って流れて、渦流を形成しながら上昇する(図4参照)。
【0043】
本実施例では8本の溝27を図示したが、溝の本数は、多く且つ溝の巾が狭い方が渦の発生が良好となるが、ヘッドが回転できる構造であれば、1本でも良い。溝の本数の上限は、ボール誘導ヘッドの大きさに依存するが、36本以下(10度間隔以上)で、2〜12本がより適している。ボール囲込領域内に囲い込まれたボールがボール誘導ヘッドの移動によりボール誘導ヘッド12の下部と衝突しないように、ボール誘導ヘッドの移動速度に応じて、気体の吹出し量を調整する。
【0044】
気体吹出口28から吹出される気体49に、ボールを囲い込む機能と、ボール囲込領域43内でボールを攪拌する機能を持たせると良い。気体流により生じる2つの機能、ボールを囲い込む機能とボールを攪拌する機能は、溝27がボール囲込領域43の接線方向となす角度とその溝の巾に依存し、変化する。溝27の方向を接線方向47からボール囲込領域43の内側へ向けることにより、ボールを攪拌する能力は大きくなる。又、溝27の巾を細くすることにより、ボールを攪拌する能力を小さくし且つボールを囲い込む能力を高くすることができる。又、ボールの攪拌を強くするために、例えば、8本の溝27全部を下面開口43の接線方向47に向けないで、例えばその2本の溝27を下面開口43の内部へ向けることも有効である。更に、一部の溝27の断面形状を変えることも有効である。一方、気体吹出口から内部へ向けて吹出される気体の流量を調整して、ボールの攪拌の最適化を行うことも有効である。この場合、攪拌されたボールの移動速度が速すぎると、ボールがマスク開口50に落下しなくなるので、ボール重量が小さくなるに従いボールの移動速度を遅くすることが好ましい。
【0045】
図4は、気体の流れを数値解析した結果を表している。解析の都合上、気体導入口を溝27の外部開口27aとした。外部開口27aから導入された気体は、矢印で示す如く渦流76となる。渦流形成斜面45で渦流76となり上昇する気体は、上向きの気体排出斜面46に沿って、上方へ拡散し流速を落としながら上面開口42へと流れ、中空部22から排出される。渦流76は、中空部材21の内面44に沿って流れるので、中空部22の中心部での渦流の影響は少なく、ボールの移動は小さい。しかし、ボール誘導ヘッド12を水平方向に移動させることによりボール囲込領域43が移動するので、その領域内に存在するボールに渦流が接触し、ボールが移動させられる。
【0046】
又、気体吹出口28から吹出された気体の流れと中空部22内に発生する渦流76の速度が速くなると、外気(中空部材21の外の大気)を、外部開口27aからと、配列マスク57と中空部材21の下面41の間隙とから吸い込む現象も生じる。外気をこの隙間等から吸い込むと、ボール囲込領域43や中空部材21以外の領域に散在するボールをボール囲込領域43内へ導くことができる。この現象を利用して、ボール振込後、マスク上に残留したボールを吸い込み、清掃することができる。
【0047】
気体吹出口28から吹出した気体によってボール囲込領域43内のボール54は、種々の分布をとる。図5は、ボール囲込領域内に生成したボール分布の例である。図5の(a)は、渦流76以外の気体の流れが大きく、ボールの攪拌が行われた場合で、図5の(b)は、渦流76以外の流れが少ない場合である。
【0048】
ボールの分布は、溝の方向、溝の巾、気体の流量により種々の形態をとる。気体の流量を増し、速度の速い渦流を発生させると、ボールが渦流とともに、舞い上がる。中空部の渦流排出斜面45は、鈍角の回転面であるので、渦流76は、中空部の上部へいく程、その流速が遅くなる。舞い上がったボールは、渦流排出斜面46の上の方が渦流の流速が遅くなるので、ボールは渦流排出斜面へ落下する。更に渦流の速度が増大すると、ボールは上面開口42から外へ気体とともに流出する。
【0049】
図6は、ボール54を搭載する基板55の平面図の1例である。基板は、プリント配線板である。電極52は、破線53で示される矩形の中に形成され、20個の電極52から構成される電極群53(破線)からなる。実施例の電極群53は、6群であるが、電極数及び電極群数は、これらに限定されない。電極群53の電極は、1個の半導体集積回路の外部出力電極に対応する。破線で示される矩形53は、基板55の裏側に実装されている半導体集積回路の図形に概略相当する。本発明は、プリント配線板に限らず半導体基板(ウエハ)にも適用できる。ウエハの寸法は、8インチと12インチが多用されるが、寸法に特段に制限されるものではない。
【0050】
図7は、ボールの配列マスクユニット56の1例で、図7(a)は、配列マスクユニット56の平面図で、図7(b)は、図7(a)のAA断面図で、図7(c)は、開口の形状例である。配列マスクユニット56は、枠58に配列マスク57を貼り付けたものである。配列マスク57は、金属製の開口形成膜60とスペーサ61の積層膜である。スペーサ61は、基板に印刷されたフラックスがマスクに付着しないようにするためのもので、その形状は、ポストや、フラックスが印刷される部分を避けた形状の膜である。開口形成膜60とスペーサ61は、一体で成形されても良い。枠58と配列マスク57を張り合わせるために、接着フィルム(図示略)を用いる。基板55の周縁部にバリが残っている場合があるので、配列マスク57には、バリ逃げ部62が形成されている。バリ逃げ部62を設けることにより、配列マスク57を基板55に密着させることが可能となる。このことにより、ボール搭載時に、配列マスクと基板の間に不正ボールが入ることを防止できる。
【0051】
図7(c)は、マスク57に明けられた開口59の形状を4種類例示している。右端は、円形で慣用されている形状である。他の3種類の形状は、円形の直径を1辺とする正方形の角丸めをしたものである。左側ほど、角丸めの大きさが小さくなっている。開口のピッチ間隔が一定の場合、ボールの振込まれ易さは、確率的には開口の面積に比例し、開口が正方形が最高である。しかし、角の部分によるマスク強度の劣化防止と清掃の容易化のために、角を丸めることが好ましい。又、これらの開口59の形状は、4角形でなく、5,6,7,8角形等の4角以上の正多角形でも良く、それらの角を丸めると更に良い。角を丸める大きさ(半径)は、マスク強度が劣化しない範囲で且つ角の清掃が容易であれば良く、内接する円形の直径の0.01〜0.9で、0.1〜0.3がより良い。配列マスク57の厚さがボールの直径の凡そ1/2以上で且つ開口の直径と正方形の1辺の長さが同じであれば、円形の開口に振り込まれたボールと、四角の開口に振込まれたボールの位置は、計算上同一のバラツキ内になる。開口にボールが振込まれる確率は、開口の面積に比例するので、このようなことにより、ボールが開口に振込まれる確率を最高で3割程度向上させることができる。更に、配列マスク上面の開口を面取りすることによりボールの振込み易さを一層向上できる。
【0052】
図8は、ボールを計量して供給するボール供給装置31の1例である。ボール供給装置31は、ボール貯留部64と、ボール計量部65と、ボール貯留部64とボール計量部65を連結する連結部66と、回転駆動部(図示略)からなる。尚、ボール貯留部64のボール充填量は、体積で半分以下が好ましい。
【0053】
ボール供給装置31は、回転駆動部により、上向きの鉛直方向(図8の状態)と水平方向と下向きの鉛直方向の間を傾動できる。まず、新規なボール貯留部65をセットする場合、ボール貯留部65を下まで回転し、ボール貯留部65を交換する。交換後、ボール供給装置31を上まで回転すると、ボール貯留部64内のボールは、ボール計量部65の流路70を通り計量流路67まで充填される。次に時計方向に90度回転させて水平方向にすると計量流路67に充填されたボールは、ボールの一時貯留部68へ移動し、計量流路67より上のボールは、流路を通りボール貯留部64へ戻る。
【0054】
次に、ボール供給装置31を反時計方向に90度回転させて上まで回転すると、一時貯留部68に移動したボールは、出口69を通り案内管(図示略)を通り、ボール誘導装置30へ送られる。一方、ボール貯留部64内のボールは、流路70を通って計量流路67まで充填する。上記の操作を繰り返すことにより、このボール供給装置31は、所定量のボールを所定間隔でボール誘導装置30へ供給できる。単位時間当たりのボール供給量は、計量流路67の体積又は供給時間間隔を制御することにより、変更できる。ボール供給装置の回転間隔を短くすることにより、擬似的な連続供給にすることができる。なお、ボール供給装置31は、上記の例に限定されず、振動でボールを送るパーツフィーダや、ボール供給管を機械的に開閉する方法等でも良い。
【0055】
案内管32aは、中空のモータ回転軸34の中に配設される。又、案内管32aを短くし、モータ回転軸34を所定長さにしても良い。この場合、例えばモータ回転軸の先端を曲げることにより、ボールを供給するボール囲込領域内の位置を変えられるようにしても良い。このことにより、ボールが落下する位置を一定としないで、時間により変動させることにより、ボールを意図的に散らばらせ、ボールがマスク開口に振込まれる確率を高くすることができる。
【実施例2】
【0056】
図9は、ボール誘導装置の実施例2を説明するための図で、取付部材を省略して、中空部材21を図示している。気体により巻き上げられたボールが中空部22から飛び出さないように、中空部22の上部にメッシュ71を配設する。メッシュ71の開口は、ボールより小さくする。
【実施例3】
【0057】
図10は、ボール誘導装置の実施例3を説明するための図で、ボール誘導ヘッド12の一部を図示したもので、中空部22を攪拌する気体攪拌装置72を配設したものである。気体攪拌装置72は、スクリュウ73と回転軸74とモータ75からなる。モータ75は、中空部材取付板36に固定され、先端にスクリュー73を配設した回転軸74が取り付けられている。スクリュー73は、中空部22内に配置される。配列マスック上のボールは、ボールが互いに干渉せず、ゆっくり移動する状態で、開口へ落下する。ボールが干渉し合ったり、開口上を飛び越えたりすると、ボールは、開口に落下しない。気体攪拌装置72の攪拌によるボールの移動速度は、ボール囲込領域内のボールが移動しながらマスク開口に落下する速度が好ましい。但し、攪拌の程度は、一部のボールがマスク開口に落下しないで飛び越える速い速度であっても、ボールが開口に落下する割合が多い条件であれば適している。ボールが開口に落下しないで飛び越える等の現象の計測方法に、透明なマスクと基板を用いて下方から撮影した動画を基に画像解析する方法がる。スクリュー73による中空部22の攪拌は、上記の条件を満たすように行う。従って、配設されつスクリューの個数は、1〜4個で、又、回転軸73は、鉛直方向のみでなく、傾けても良い。
【0058】
ボール囲込領域43の外周から供給された気体は、渦流となり中空部材の内面44に沿って上面開口42から排気されるので、ボール囲込領域43の中央部の気体流速は、攪拌しないと大変遅くなる。従って、ボール囲込領域内のボールは、ボールの量にも依存するが、流速の遅い領域に複数層となり堆積する。堆積したボールは、それぞれが干渉し合って、ボールがマスクの開口から落下するのを妨げる。開口59から落下し易いボールは、積層したボールの集団の周辺で、1層でまばらに散在しているボールである。
【0059】
本発明において、ボール搭載装置に用いた円形以外のマスク開口の形状は、吹出した気体によるボール誘導装置を用いたボール搭載装置に限定されず、吸引エアやスキージによりボールを誘導するボール搭載装置にも適用できる。更に、フラックス印刷工程で使用するマスクへも適用できることは、自明である。特に、開口が小さいマスクの場合、極めて有効である。
【0060】
本発明において、印刷可能なフラックスの厚さは、印刷マスク開口の直径の高々30%程度で、ボール直径が80μm以下と小さくなると、図2に図示するようにフラックスの厚みが薄くなり、リフロー不良となる確率が高くなるので、図11に図示する、電極より大きな電極群開口79を有する印刷マスク78を用いると良い。図11は、電極群開口79を形成した印刷マスク78の1例であり、図11(a)は、印刷マスクユニット77の平面図、(b)は、AA断面図で、参考のため、基板19を図示してある。印刷マスクユニット77は、電極群開口79が形成された印刷マスク78をフレーム80に固定したものである。フラックス81が、電極群の全面に亘り、ベタに印刷されている。電極群開口79は、電極と比較して開口面積が特段に大きいので、必要な厚さのフラックス81を印刷できる。電極群開口79は、プリント配線板である基板の一面に実装された半導体チップの形状に概略相当する。
【0061】
本発明において、ボールとは、鉛なしはんだボール、鉛入りはんだボール、銅ボール、金ボール等の導電性ボール、セラミック、プラスチックの非導電性ボールや、非導電性ボールの表面を導電性に改質して導電性ボールや、シリコンボール等の半導体ボール等へ適用できる。ボールの直径は、20μm〜750μmが適し、より好ましくは、30μm〜300μmである。
【産業上の利用可能性】
【0062】
又、本発明のボール誘導装置は、回路接続用の電気材料からなるボールの誘導に限定されないで、回路接続用以外のセラミック、プラスチックの非導電性ボールや、光電変換に用いられるシリコンボール等の半導体ボール等の誘導に適用できる。
【符号の説明】
【0063】
1 ボール搭載装置
2 基板ローダ・アンローダ
3 基板搬送ロボット
5 基板ステージ
7 フラックス印刷装置
8 ボール振込装置
12 ボール誘導ヘッド
19 基板
21 中空部材
22 中空部
24 気体流路
26 気体吐出口
27 溝
30 ボール誘導装置
31 ボール供給装置
32 気体供給装置
42 上面開口
43 下面開口(ボール囲込領域)
47 接線方向
57 配列マスク
71 メッシュ
72 気体攪拌装置
76 渦流
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスク上のボール囲込領域にボールを供給するボール供給装置と、気体を排出する上面開口を有するボール誘導ヘッドの中空部へ気体を吹出すことにより上記ボールを上記ボール囲込領域内に囲い込む上記ボール誘導ヘッドと、上記気体を上記ボール誘導ヘッドに供給する気体供給装置と、上記ボール誘導ヘッドを水平方向に移動させるヘッド駆動装置とを有することを特徴とするボール誘導装置。
【請求項2】
前記ボール誘導ヘッドは、上面開口と、下面開口と、気体の供給口と、気体を溝へ吐出する吐出口と、上記供給口と上記吐出口を連結する気体流路と、下面に形成された複数の上記溝が加工された中空部材を有し、
前記気体供給装置から上記供給口に導入された前記気体は、上記気体流路と、上記吐出口と、上記溝とを通って前記マスク上の前記ボール囲込領域へ流れ出し、上記上面開口から排出されることを特徴とする請求項1記載のボール誘導装置。
【請求項3】
前記溝を通って前記中空部へ吹出された前記気体は、前記下面開口の接線方向に流れる気体を含むことを特徴とする請求項1または2記載のボール誘導装置。
【請求項4】
前記溝を通って前記中空部へ吹出された前記気体は、前記中空部内で渦を巻き、前記上面開口から排出されることを特徴とする請求項1乃至3記載のボール誘導装置。
【請求項5】
前記ボール供給ヘッドは、鉛直方向を軸として回転することを特徴とする請求項1乃至4記載のボール供給装置。
【請求項6】
気体供給装置から供給された気体をボール誘導ヘッドの下面に形成された複数の溝から上記ボール誘導ヘッドの中空部へ吹出させ且つボール誘導ヘッドの上面に形成された上面開口から排出して、上記ボール供給装置からマスク上の上記ボール囲込領域に供給されたボールを上記ボール誘導ヘッドと共に移動させることを特徴とするボール誘導方法。
【請求項7】
基板ローダ・アンローダ装置と、基板搬送ロボットと、ステージと、フラックス印刷装置と、前記ボール誘導装置を有するボール振込装置とからなるボール搭載装置において、
請求項1乃至5記載の前記ボール誘導装置を水平方向に移動させることにより、上記基板搬送ロボットが上記基板ローダ・アンローダ装置から上記ステージに載置した前記基板の電極上に前記マスクの開口を介して前記ボールを配列させることを特徴とするボール搭載装置。
【請求項1】
マスク上のボール囲込領域にボールを供給するボール供給装置と、気体を排出する上面開口を有するボール誘導ヘッドの中空部へ気体を吹出すことにより上記ボールを上記ボール囲込領域内に囲い込む上記ボール誘導ヘッドと、上記気体を上記ボール誘導ヘッドに供給する気体供給装置と、上記ボール誘導ヘッドを水平方向に移動させるヘッド駆動装置とを有することを特徴とするボール誘導装置。
【請求項2】
前記ボール誘導ヘッドは、上面開口と、下面開口と、気体の供給口と、気体を溝へ吐出する吐出口と、上記供給口と上記吐出口を連結する気体流路と、下面に形成された複数の上記溝が加工された中空部材を有し、
前記気体供給装置から上記供給口に導入された前記気体は、上記気体流路と、上記吐出口と、上記溝とを通って前記マスク上の前記ボール囲込領域へ流れ出し、上記上面開口から排出されることを特徴とする請求項1記載のボール誘導装置。
【請求項3】
前記溝を通って前記中空部へ吹出された前記気体は、前記下面開口の接線方向に流れる気体を含むことを特徴とする請求項1または2記載のボール誘導装置。
【請求項4】
前記溝を通って前記中空部へ吹出された前記気体は、前記中空部内で渦を巻き、前記上面開口から排出されることを特徴とする請求項1乃至3記載のボール誘導装置。
【請求項5】
前記ボール供給ヘッドは、鉛直方向を軸として回転することを特徴とする請求項1乃至4記載のボール供給装置。
【請求項6】
気体供給装置から供給された気体をボール誘導ヘッドの下面に形成された複数の溝から上記ボール誘導ヘッドの中空部へ吹出させ且つボール誘導ヘッドの上面に形成された上面開口から排出して、上記ボール供給装置からマスク上の上記ボール囲込領域に供給されたボールを上記ボール誘導ヘッドと共に移動させることを特徴とするボール誘導方法。
【請求項7】
基板ローダ・アンローダ装置と、基板搬送ロボットと、ステージと、フラックス印刷装置と、前記ボール誘導装置を有するボール振込装置とからなるボール搭載装置において、
請求項1乃至5記載の前記ボール誘導装置を水平方向に移動させることにより、上記基板搬送ロボットが上記基板ローダ・アンローダ装置から上記ステージに載置した前記基板の電極上に前記マスクの開口を介して前記ボールを配列させることを特徴とするボール搭載装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−129806(P2011−129806A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−288943(P2009−288943)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(592141488)アスリートFA株式会社 (96)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(592141488)アスリートFA株式会社 (96)
【Fターム(参考)】
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