説明

ポケットファン

【課題】衣服の胸ポケットへの収納状態で、小さい空気抵抗で流入した空気の流れる方向を変えて、空気を流出するポケットファンを提供する。
【解決手段】衣服の胸ポケット2に収納可能な筐体3と、筐体部3aに設けられた空気流出部4と、空気流出部4と隣接する筐体部3bに設けられた第1空気流入部5aと、第1空気流入部5a側に設けられ空気7を流入する第2空気流入部5bを有するダクト8と、第2空気流入部5bから空気7を流入し、第1空気流入部5aを経由して空気流出部4から空気7を流出するように、電源部11から電力を供給してモータ10を回転し羽根車9bを回転させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯用ファン関し、衣服の胸ポケットに挿入して、使用者の顔や首や胸元に送風するポケットファンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、夏の特に都市部が高温になり、冷房された建物から建物や乗り物へ移動する間の暑さ対策が求められている。
【0003】
例えば、本体上面の端部についたネックストラップを首にかけた状態で使用し、本体正面からシロッコファンで空気を吸い込み、上部に送風するマイファンモバイル(商品名)という携帯扇風機が販売されている。
【0004】
また、特開平11−182487号公報では、人体面に沿って携帯される本体ケーシングと、本体ケーシングの外周部位置から人体面方向に空気を吹き出す空気吹出部と、本体ケーシングの適宜位置から空気を吸込む空気吸込部と、本体ケーシング内の空気吸込部から空気吹出部に到る送風通路に設けられた送風手段とからなる携帯型人体熱交換装置に係止クリップを設けて、衣服のポケットに係止収納することによって携帯可能とし、空気吹出部から使用者の顔や首や胸元に送風することが出来る。ポケットの布部前面と空気吸込部との間に空気吸込用の隙間を形成するために、本体ケーシングの前面部にはヒサシ状の凸部が設けられている。
【0005】
また、特開2008−240214号公報では、衣服の生地の内側に吹出口を配置し、生地の外側に吸込口を配置したファンを備えた通気衣服を、雨天の室外において着用した場合、雨の浸入を防止しながら快適性の向上を図れるように、ファンの吸込口に吸込口を覆い下方に開口したダクトが設けられている。
【先行技術文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−182487号公報
【特許文献2】特開2008−240214号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
マイファンモバイル(商品名)は首にかけて使用するため、両手は自由に使用出来るが、歩行中は本体が揺れたり、体を斜めにした時に他の物に当てたりする可能性があって使用しにくいため、衣服の胸ポケットに収納すると、ポケットの布部前面の空気抵抗が大きいため、ほとんど空気を吸い込めないという問題がある。
【0008】
特開平11−182487号公報の構造では、送風手段が回転すると空気吸込用の隙間が負圧になるため、ポケットのほとんどの布部前面は、ヒサシ状の凸部を除いて空気吸込部に吸い付くため、空気吸込部の空気抵抗が大きくなって、ほとんど空気を吸い込めないという問題がある。
【0009】
また、特開2008−240214号公報の構造では、ダクトと衣服の生地の外側を通過した空気は、衣服の生地の内側の吹出口から、流れる方向を変えずに吹き出されるため、ポケットファンに適用出来ないという問題がある。
【0010】
本発明は、上記の従来の課題を解決するものであり、衣服の胸ポケットへの収納状態で、小さい空気抵抗で流入した空気の流れる方向を変えて、空気を流出するポケットファンを提供することを、主な目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記の課題を解決するために、本発明は、衣服の胸ポケットに収納可能な筐体と、筐体が有する第1の筐体部に設けられた空気流出部と、空気流出部と隣接する第2の筐体部に設けられた第1空気流入部と、第2の筐体部の側に設けられ、空気流出部と同じ側面または空気流出部と異なる側面から空気を流入する第2空気流入部を有するダクトと、主として第2空気流入部から空気を流入し第1空気流入部を経由して空気流出部から空気を流出する羽根車と、羽根車を回転させるモータと、モータ用の電源部と、を備えている。
【0012】
また、本発明は、空気流出部と離れた側の第2空気流入部の近傍に、衣服の胸ポケットの端部を係止可能なクリップを設けている。
【0013】
また、本発明は、羽根車が、第2の筐体部に固定された前記モータで回転する軸流ファンから構成されている。
【0014】
また、本発明は、羽根車が、第2の筐体部の反対側の筐体部に固定されたモータで回転する遠心ファンまたはシロッコファンから構成されている。
【0015】
また、本発明は、モータの回転を制御し、回転方向も切り替える第1制御部と、第1制御部に切替指令を出力するか、または、単独でモータの回転方向を切り替える第1回転方向切替スイッチを、前記筐体が有する1つの筐体部に設けている。
【0016】
また、本発明は、ダクトが第2の筐体部から離間可能なように、第2空気流入部の反対側の前記ダクトと筐体と、を回転自在に支持する回転支持部を設けている。
【0017】
また、本発明は、モータが回転中に、モータの回転を制御し、回転方向も切り替え、モータの回転方向も、所定の時間で切り替える第2制御部と、第2制御部に切替指令を出力する第2回転方向切替スイッチと、を設けている。
【発明の効果】
【0018】
本出願に係る発明のうち、請求項1に記載の発明は、衣服の胸ポケットにポケットファンを収納した際、衣服の胸ポケットの布部前面とダクトとの間の隙間がなくても、ダクトの第2空気流入部から低抵抗で流入した空気は、モータで回転する羽根車の機能で、空気流出部から流出した空気を、使用者の顔や首や胸元に送風することが出来る。第2空気流入部が空気流出部と同じ側面から空気を流入する構成より、空気流出部と異なる側面から空気を流入する構成の方が、空気流出部から流出する空気を第2空気流入部から流入する比率を小さくすることが出来る。
【0019】
また、本出願に係る発明のうち、請求項2に記載の発明は、衣服の胸ポケットの奥行きが深くても、ポケットファンを胸ポケットに収納した際、クリップが衣服の胸ポケットの端部を係止することで、ダクトの第2空気流入部が胸ポケットの布部前面に隠れることがないため、空気を第2空気流入部から流入することが出来る。
【0020】
また、本出願に係る発明のうち、請求項3に記載の発明は、羽根車が軸流ファンから構成され、軸流ファンの空気流出部分に空間があるため、第1空気流入部から流入した空気は、軸流ファンの空気流出部分の空間の機能で方向が変更され、空気流出部から流出することが出来る。
【0021】
また、本出願に係る発明のうち、請求項4に記載の発明は、羽根車が遠心ファンまたはシロッコファンから構成され、遠心ファンまたはシロッコファンの空気流入部分に空間があるため、第1空気流入部から流入した空気は遠心ファンまたはシロッコファンの機能で方向が変更され、空気流出部から流出することが出来る。軸流ファンより遠心ファンまたはシロッコファン方が、空気流出部から流出する空気量を大きくすることが出来る。
【0022】
また、本出願に係る発明のうち、請求項5に記載の発明は、モータの回転方向を切り替える第1回転方向切替スイッチが設けられているため、衣服の胸ポケットが左右のどちらにあっても、空気流出部から流出した空気を、使用者の顔や首や胸元に送風することが出来る。
【0023】
また、本出願に係る発明のうち、請求項6に記載の発明は、回転支持部を中心として、ダクトを第2の筐体部から離すように所定の角度まで回転させて、机上にダクトを載置すれば、使用者が椅子に腰掛けた状態で、空気流出部から流出した空気を、使用者の顔や胸元に送風することが出来る。
【0024】
また、本出願に係る発明のうち、請求項7に記載の発明は、前記モータの回転方向が、所定の時間で切り替わり、羽根車の回転方向も変化して空気流出部から流出する空気の流出方向が変化するため、空気流出部から流出した空気を、使用者の顔や首や胸元の左右に送風することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】第1の実施形態に係るポケットファンの正面図である。
【図2】第1の実施形態に係るポケットファンのA−A矢視の使用状態の部分断面側面図である。
【図3】第1の実施形態に係るポケットファンの図1と異なる使用状態の正面図である。
【図4】第1の実施形態に係るポケットファンのブロック線図である。
【図5】第2の実施形態に係るポケットファンの正面図である。
【図6】第2の実施形態に係るポケットファンのB−B矢視の使用状態の部分断面側面図である。
【図7】第3の実施形態に係るポケットファンの使用状態の部分断面側面図である。
【図8】第4の実施形態に係るポケットファンの使用状態の部分断面側面図である。
【図9】第5の実施形態に係るポケットファンの部分断面側面図である。
【図10】第5の実施形態に係るポケットファンの使用状態の側面図である。
【図11】第5の実施形態に係るポケットファンのブロック線図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0027】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るポケットファンの正面図である。図2は、第1の実施形態に係るポケットファンのA−A矢視の使用状態の部分断面側面図である。図3は、第1の実施形態に係るポケットファンの図1と異なる使用状態の正面図である。図4は、第1の実施形態に係るポケットファンのブロック線図である。
【0028】
本発明の第1の実施形態を、図1と図2と図3と図4に基づいて説明する。図1と図2と図3と図4に示すように、ポケットファン1は衣服の胸ポケット2に収納可能な筐体3と、筐体3が有する1つの筐体部3aに設けられた空気流出部4と、空気流出部4と隣接する1つの筐体部3bに設けられた第1空気流入部5aと、筐体部3bの側に設けられ、空気流出部4と同じ側面6aから、空気7を流入する第2空気流入部5bを有するダクト8と、第2空気流入部5bまたは第1空気流入部5aと第2空気流入部5bから空気7を流入し第1空気流入部5aを経由して空気流出部4から空気7を流出する羽根車としての軸流ファン9aと、軸流ファン9aを回転させるアウターロータ型のブラシレスモータ10と、ブラシレスモータ10用の電源部としてのリチウムイオン2次電池11から、構成されている。ブラシレスモータ10は筐体部3bに固定され、軸流ファン9aはブラシレスモータ10のロータ10aに固定されている。
【0029】
空気流出部4と離れた側の第2空気流入部5bの近傍に、衣服の胸ポケット2の布部前面2aの端部2bを係止可能なクリップ12が設けられ、図示しない使用者が、衣服の左側の胸ポケット2にポケットファン1を収納する際、衣服の胸ポケット2の布部前面2aの端部2bをクリップ12で固定する。
【0030】
図示しない使用者が、ポケットファン1の筐体3の1つの筐体部3cに設けたオンオフスイッチ13を操作すると、ブラシレスモータ10に電気的に接続されたMOFETなどから構成された駆動回路14は、リチウムイオン2次電池11から電力を供給されて、第1制御部14aの機能で、オンオフスイッチ13と反対側の筐体3の1つの筐体部3dに設けられた速度設定用ダイヤル15で設定された速度で回転するように、ブラシレスモータ10に電力を供給する。ポケットファン1を衣服の左側の胸ポケット2に収納する場合は、ブラシレスモータ10が図1の面から見て反時計方向に回転するように、図示しない使用者は、オンオフスイッチ13と同じ筐体部3cに設けられた第1回転方向切替スイッチ16aを操作する。第1回転方向切替スイッチ16aは、ブラシレスモータ10の回転を制御し、回転方向も切り替える機能も有する第1制御部14aに、切替指令を出力する機能を有する。また、第1回転方向切替スイッチ16a単独で、ブラシレスモータ10の回転方向を切り替えても良い。
【0031】
ダクト8の第2空気流入部5bまたは第1空気流入部5aと第2空気流入部5bから流入した空気7は、ダクト8内から第1空気流入部5aを通過し、軸流ファン9aから流出して、軸流ファン9aの空気流出部分の空間17aで方向が変更され、図1と図2と図3の矢印のように空気流出部4から流出した空気7は、図示しない使用者の顔や首や胸元に送風される。また、図示しない使用者が、ポケットファン1を衣服の右側の胸ポケットに収納する場合は、ブラシレスモータ10が図3の面から見て時計方向に回転するように、第1回転方向切替スイッチ16aを操作する。
【0032】
リチウムイオン2次電池11の充電は、図示しないACアダプタからポケットファン1のコネクタCNに供給しても良く、図示しないパソコンのUSBコネクタからポケットファン1のコネクタCNに供給しても良い。また、エネループ(登録商標)などのポケットファンの外部で充電出来る2次電池を使用しても良い。また、2次電池より安価なアルカリ乾電池のような1次電池を使用しても良い。
【0033】
前記実施形態にて説明した構造から導かれる作用効果は、以下の他の実施形態における同様の構造からも導かれる。
【0034】
(第2の実施形態)
図5は、第2の実施形態に係るポケットファンの正面図である。図6は、第2の実施形態に係るポケットファンのB−B矢視の使用状態の部分断面側面図である。第1の実施形態に係るポケットファン1では、第2空気流入部5bは空気流出部4と同じ側面6aから空気7を流入するダクト8に設けられているのに対し(図2参照)、第2の実施形態に係るポケットファン1では、第2空気流入部5bは空気流出部4と異なる側面6bから空気7を流入するダクト8に設けられている。他の構造は第1の実施形態に係るポケットファン1と同様であり、同符号を付して説明する。
【0035】
本発明の第2の実施形態を、図5と図6に基づいて説明する。図5と図6に示すように、ポケットファン1は衣服の胸ポケット2に収納可能な筐体3と、筐体部3aに設けられた空気流出部4と、空気流出部4と隣接する筐体部3bに、設けられた第1空気流入部5aと、筐体部3bの側に設けられ、空気流出部4と異なる側面6bから空気7を流入する第2空気流入部5bを有するダクト8と、第2空気流入部5bから空気7を流入し第1空気流入部5aを経由して空気流出部4から空気7を流出する軸流ファン9aと、軸流ファン9aを回転させるブラシレスモータ10と、ブラシレスモータ10用のリチウムイオン2次電池11から構成されている。ブラシレスモータ10は筐体部3bに固定され、軸流ファン9aはブラシレスモータ10のロータ10aに固定されている。
【0036】
空気流出部4と離れた側の第2空気流入部5bの近傍に、衣服の胸ポケット2の布部前面2aの端部2bを係止可能なクリップ12が設けられ、図示しない使用者が、衣服の左側の胸ポケット2にポケットファン1を収納する際、衣服の胸ポケット2の布部前面2aの端部2bをクリップ12で固定する。
【0037】
図示しない使用者が、ポケットファン1の筐体3の1つの筐体部3cに設けたオンオフスイッチ13を操作すると、ブラシレスモータ10に電気的に接続されたMOFETなどから構成された駆動回路14は、リチウムイオン2次電池11から電力を供給されて、第1制御部14aの機能で、オンオフスイッチ13と反対側の筐体3の1つの筐体部3dに設けられた速度設定用ダイヤル15で設定された速度で回転するように、ブラシレスモータ10に電力を供給する。ポケットファン1を衣服の左側の胸ポケット2に収納する場合は、ブラシレスモータ10が図1の面から見て反時計方向に回転するように、図示しない使用者は、オンオフスイッチ13と同じ筐体部3cに設けられた第1回転方向切替スイッチ16aを操作する。第1回転方向切替スイッチ16aは、ブラシレスモータ10の回転を制御し、回転方向も切り替える機能も有する第1制御部14aに、切替指令を出力する機能を有する。
【0038】
ダクト8の第2空気流入部5bから流入した空気7は、ダクト8内から第1空気流入部5aを通過し、軸流ファン9aの機能で、図5と図6の矢印のように空気流出部4から流出した空気7は、図示しない使用者の顔や首や胸元に送風される。
【0039】
前記実施形態にて説明した構造から導かれる作用効果は、以下の他の実施形態における同様の構造からも導かれる。
【0040】
(第3の実施形態)
図7は、第3の実施形態に係るポケットファンの使用状態の部分断面側面図である。第1の実施形態と第2の実施形態に係るポケットファン1では、ブラシレスモータ10は、筐体部3bに固定され、軸流ファン9aがブラシレスモータ10のロータ10aに、固定されているのに対し(図2、図6参照)、第3の実施形態に係るポケットファン1では、ブラシレスモータ10は筐体部3bと反対側の筐体3の1つの筐体部3eに固定され、遠心ファンまたはシロッコファン9bがブラシレスモータ10のロータ10aに固定されている。他の構造は第1の実施形態に係るポケットファン1と同様であり、同符号を付して説明する。
【0041】
ダクト8の第2空気流入部5bから流入した空気7は、ダクト8内から第1空気流入部5aを通過し、空気流入部分の空間17bに流入して、遠心ファンまたはシロッコファン9bの機能で方向が変更され、空気流出部4から流出する。軸流ファン9aより遠心ファンまたはシロッコファン9b方が、空気流出部4から流出する空気量を大きくすることが出来る。また、空気流出部4から流出した空気7の一部の空気7aは、波線矢印のように第2空気流入部5bから、再度流入する。
【0042】
前記実施形態にて説明した構造から導かれる作用効果は、以下の他の実施形態における同様の構造からも導かれる。
【0043】
(第4の実施形態)
図8は、第4の実施形態に係るポケットファンの使用状態の部分断面側面図である。第3の実施形態に係るポケットファン1では、第2空気流入部5bは空気流出部4と同じ側面6aから空気7を流入するダクト8に設けられているのに対し(図7参照)、第4の実施形態に係るポケットファン1では、第2空気流入部5bは空気流出部4と異なる側面6bから空気7を流入するダクト8に設けられている。他の構造は第3の実施形態に係るポケットファン1と同様であり、同符号を付して説明する。
【0044】
ダクト8の第2空気流入部5bから流入した空気7は、ダクト8内から第1空気流入部5aを通過し、空気流入部分の空間17bに流入して、遠心ファンまたはシロッコファン9bの機能で方向が変更され、空気流出部4から流出する。軸流ファン9aより遠心ファンまたはシロッコファン9bの方が、空気流出部4から流出する空気量を大きくすることが出来る。第2空気流入部5bが空気流出部4と同じ側面6aから空気を流入する構成より、空気流出部4と異なる側面6bから空気7を流入する構成の方が、空気流出部4から流出する空気7を空気流入部5bから再度流入する空気7aの比率を小さくすることが出来る。
【0045】
前記実施形態にて説明した構造から導かれる作用効果は、以下の他の実施形態における同様の構造からも導かれる。
【0046】
(第5の実施形態)
図9は、第5の実施形態に係るポケットファンの部分断面側面図である。図10は、第5の実施形態に係るポケットファンの使用状態の側面図である。図11は、第5の実施形態に係るポケットファンのブロック線図である。第1の実施形態と第2の実施形態と第3の実施形態と第4の実施形態に係るポケットファン1では、図示しない使用者が、ポケットファン1を衣服のポケット2に収納して使用したのに対し(図1、図2、図3、図4、図5、図6、図7、図8参照)、第5の実施形態に係るポケットファン1では、ポケットファン1を衣服のポケット2に収納して使用するのに加えて、図示しない使用者が、椅子に腰掛けた状態でポケットファン1を机上18に載置して使用する。他の構造は第1の実施形態と第2の実施形態と第3の実施形態と第4の実施形態に係るポケットファン1と同様であり、同符号を付して説明する。
【0047】
ダクト8が筐体部3bから離間可能なように、第2空気流入部5bの反対側のダクト8と筐体3とを回転自在に支持する回転支持部19を設けている。図示しないブラシレスモータが回転中に、ブラシレスモータの回転方向を所定の時間で切り替える第2制御部14bと、第2制御部14bに切替指令を出力する第2回転方向切替スイッチ16bと、を設けている。
【0048】
図8のポケットファン1として使用する場合から、図9の机上18で使用する場合は、回転支持部19を中心として、ダクト8を筐体部3bから離すように所定の角度まで回転させて、ポケットファン1を机上18に載置し、空気流出部4から流出した空気7を、図示しない使用者の顔や首や胸元に送風する。
【0049】
第2回転方向切替スイッチ16bを操作すると、第1回転方向切替スイッチ16aの操作状態に関係なく、第2制御部14bのタイマ14cの機能で、図示しないブラシレスモータの回転方向が所定の時間で切り替わり、軸流ファン9a(図2、図6参照)または遠心ファンまたはシロッコファン9b(図7、図8参照)の回転方向も変化して空気流出部4から流出する空気7の流出方向が変化するため、空気流出部4から流出した空気7を、図示しない使用者の顔や首や胸元の左右に送風することが出来る。
【0050】
なお、前記した実施形態は、あくまでも本発明の1態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。例えば、本実施形態では、ブラシレスモータ10で羽根車を回転させる構成としたが、薄型の(ブラシ付き)DCモータを使用しても良い。また、第1回転方向切替スイッチ16aの操作で空気流出部4から流出する空気7の方向を変化させる構成としたが、空気流出部4にルーバーを設けても良い。また、速度設定用ダイヤル15で無段階に連続して風量調整を行える構成としたが、この調整が無いか、または、2以上の複数段であっても良い。
【0051】
さらに、温度や湿度を検知して、自動的に羽根車の始動、停止、風量調整を行うものであっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、羽根車が筐体内部に設けられているため、ポケットファン兼用の机上に載置する超小型ファンの用途に限定されることなく広く利用することが出来る。
【符号の説明】
【0053】
1 ポケットファン
2 衣服の胸ポケット
2a 布部前面
2b 端部
3 筐体
3a、3b、3c、3d、3e 筐体部
4 空気流出部
5a 第1空気流入部
5b 第2空気流入部
6a 同じ側面
6b 異なる側面
7、7a 空気
8 ダクト
9a 軸流ファン
9b 遠心ファンまたはシロッコファン
10 ブラシレスモータ
10a ロータ
11 リチウムイオン2次電池
12 クリップ
13 オンオフスイッチ
14 駆動回路
14a 第1制御部
14b 第2制御部
14c タイマ
15 速度設定用ダイヤル
16a 第1回転方向切替スイッチ
16b 第2回転方向切替スイッチ
17a 空気流出部分の空間
17b 空気流入部分の空間
18 机上
19 回転支持部
CN コネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣服の胸ポケットに収納可能な筐体と、前記筐体が有する第1の筐体部に設けられた空気流出部と、前記空気流出部と隣接する第2の筐体部に設けられた第1空気流入部と、前記第2の筐体部の側に設けられ、前記空気流出部と同じ側面または前記空気流出部と異なる側面から空気を流入する第2空気流入部を有するダクトと、主として前記第2空気流入部から空気を流入し前記第1空気流入部を経由して前記空気流出部から空気を流出する羽根車と、前記羽根車を回転させるモータと、前記モータ用の電源部と、を備えることを特徴とするポケットファン。
【請求項2】
前記空気流出部と離れた側の前記第2空気流入部の近傍に、衣服の胸ポケットの端部を係止可能なクリップを設けたことを特徴とする請求項1に記載のポケットファン。
【請求項3】
前記羽根車は、前記第2の筐体部に固定された前記モータで回転する軸流ファンから構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のポケットファン。
【請求項4】
前記羽根車は、前記第2の筐体部の反対側の筐体部に固定された前記モータで回転する遠心ファンまたはシロッコファンから構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のポケットファン。
【請求項5】
前記モータの回転を制御し、回転方向も切り替える第1制御部と、前記第1制御部に切替指令を出力するか、または、単独で前記モータの回転方向を切り替える第1回転方向切替スイッチを、前記筐体が有する1つの筐体部に設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のポケットファン。
【請求項6】
前記ダクトが前記第2の筐体部から離間可能なように、前記第2空気流入部の反対側の前記ダクトと筐体と、を回転自在に支持する回転支持部を設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のポケットファン。
【請求項7】
前記モータが回転中に、前記モータの回転を制御し、回転方向も切り替え、前記モータの回転方向も、所定の時間で切り替える第2制御部と、前記第2制御部に切替指令を出力する第2回転方向切替スイッチと、を設けたことを特徴とする請求項6に記載のポケットファン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−11263(P2013−11263A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−155233(P2011−155233)
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(593166004)
【Fターム(参考)】