説明

ポリアミド製造方法

本発明は、ポリアミド製造方法に関する。より詳細には、本発明は、少なくとも1種の二酸及び少なくとも1種のジアミンからポリアミドを製造するための方法であって、二酸とジアミンとの塩の水性溶液を85%超の塩重量濃度に濃縮する工程、並びに所望の重合度まで重合させる工程を含む、前記方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリアミド製造方法に関する。
【0002】
より詳細には、本発明は、少なくとも1種の二酸及び少なくとも1種のジアミンからポリアミドを製造するための方法であって、二酸とジアミンとの塩の水性溶液を85%超の塩重量濃度に濃縮する工程、及び所望の重合度まで重合させる工程を含む前記方法に関する。
【0003】
本発明は特に、ポリアミドを製造するためのバッチ式方法に関する。
【背景技術】
【0004】
ポリアミドは、工業的及び商業的にかなり重要なポリマーである。熱可塑性ポリアミドは、2つの異なるタイプのモノマー又は単一タイプのモノマーの縮合によって得られる。同一タイプの複数の異なるモノマーを用いることも考えられる。
【0005】
本発明は、2種の異なるタイプのモノマーから得られるポリアミド、例えばポリヘキサメチレンアジパミド等に適用される。
【0006】
従来、ポリアミドは、少なくとも1種の二酸モノマー及び少なくとも1種のジアミンモノマーから、有機溶剤中若しくは有機溶剤の混合物中、水中又は溶剤/水混合系中の溶液状で、調製されていた。
【0007】
二酸は、一般的にジカルボン酸である。最も一般的な二酸モノマーは、アジピン酸である。
【0008】
ジアミンモノマーに関しては、これは一般的にヘキサメチレンジアミンである。
【0009】
ポリアミドは、アジピン酸(AA)及びヘキサメチレンジアミン(HMDA)に加えて、他の二酸又はジアミンモノマーから、アミノ酸モノマー又はラクタム(25モル%まで)から誘導されることもできる。
【0010】
二酸及びジアミンの2つの異なるモノマーからポリアミドを製造するための最も普及している工業的な方法は、二酸とジアミンとの塩を形成させることから成るものである:例えば二酸がアジピン酸であり且つジアミンがヘキサメチレンジアミンである場合、形成される塩はヘキサメチレンジアンモニウムアジペートであり、これは「N塩」又はナイロン塩の名称でよく知られている。この塩の溶液は一般的に、化学量論的量の二酸及びジアミンを含有する。「化学量論的量」という表現は、二酸とジアミンとの間のモル比が0.97〜1.03の範囲、好ましくは0.99〜1.01の範囲である混合物を意味するものとする。言い換えれば、。「化学量論的量」という表現は、二酸の総モル数とジアミンの総モル数との間の比が0.97〜1.03の範囲、好ましくは0.99〜1.01の範囲であることを意味するものとする。この「N塩」の溶液は、「N塩」を少なくとも50重量%含有し、随意に水を蒸発させることによって濃縮される。この「N塩」の溶液を、媒体を液体状態に保ちながら、高温高圧において加熱して水を蒸発させて重合反応を活性化させることによって、ポリアミドが得られる。
【0011】
一般的にジアミンに対して二酸が大過剰である非化学量論的混合物から出発する別法も存在する。例えば、かかる方法は米国特許第4442260号明細書に記載されている。しかしながら、このタイプの方法は、ポリマーを得るために必須である化学量論的量を再確立する追加工程を採用することを必要とする。この工程は高温且つ高濃度で実施しなければならず、このことは最終的なモル比の調節を難しくする。
【0012】
「N塩」の溶液は、濃縮したものも濃縮していないものも、一般的に塩を50〜80重量%含有する。
高温高圧において加熱することによる溶液の重合段階の間に、この溶液中に依然として存在する水及び重合反応によって生成する水を除去することも必要である。
【0013】
重合段階は一般的に、オートクレーブから成る「重合器」中で実施される。この段階の間に除去すべき水の量は多量であり、この水の除去は重合サイクルの時間(サイクル時間と称される)のかなりの部分を占め、従って生産性を抑制してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許第4442260号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
従って、オートクレーブにおけるサイクル時間を短縮してプロセスの生産性を向上させることが求められている。実際、オートクレーブは高価で複雑な装置なので、オートクレーブにおけるサイクル時間の短縮はかなりの利点となる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この目的で、本発明は、下記の工程を含む、少なくとも1種の二酸及び少なくとも1種のジアミンからポリアミドを製造するための方法を提唱する:
(a)化学量論的量の少なくとも1種の二酸と少なくとも1種のジアミンとを混合することによって得られる二酸とジアミンとの塩の水性溶液から、溶解種の水中の重量濃度が85%超、有利には86%以上、好ましくは87%以上、より一層好ましくは88%以上である均質水性溶液が得られるまで、水を蒸発させることによって濃縮する工程;及び
(b)水を除去しながら、所望の重合度まで重合させる工程。
【発明の効果】
【0017】
この方法は、水を蒸発させることによって濃縮する工程において塩溶液を有意に濃縮することにより、オートクレーブ中の除去すべき水の量が少なくなるので、オートクレーブのサイクル時間を短縮することを可能にする。これは、プロセスの生産性の増大につながる。さらに、本発明の方法においては、ジアミンの損失、即ち蒸発工程の間に水蒸気と同時に運び去られる量は、許容範囲のままであり、工程(a)の間の反応の進行は、媒体中のオリゴマーの存在に結び付けられる固相の発現を防止するのに充分遅い。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の1つの特定実施形態に従えば、工程(a)の終わりにおける溶解種の水中重量濃度は、90%超である。
【0019】
「溶解種」という表現は、媒体中に遊離の形若しくはイオン化した(塩の)形又はその他の形で存在するすべての二酸及びジアミン種(適宜にアミノ酸モノマー又はラクタムモノマーが加えられたもの)を意味するものと理解されたい。
【0020】
二酸とジアミンとの塩の溶液は、当業者に周知の方法に従って製造される。この溶液は、水性媒体中で、二酸(特にアジピン酸)をジアミン(特にヘキサメチレンジアミン)に加えることによって又はその逆の態様で、中和反応によって発生する熱を除去しながら又は除去することなく、調製することができる。
【0021】
本発明の方法の濃縮工程(a)は、当業者に周知の装置である「エバポレーター(蒸発器)」中で実施するのが一般的である。これは例えば、コイルタイプの内部熱交換器を有する静的エバポレーター、外部熱交換器への再循環ループを有するエバポレーター他であることができる。
【0022】
前記溶液は、工程(a)の間に、撹拌し続けるのが有利である。これは溶液の良好な均質化を可能にする。撹拌手段は、当業者に周知の手段である;これらは例えば機械的撹拌、又はポンプ若しくは熱サイホンによる再循環であることができる。
【0023】
工程(a)において導入される溶液は、予熱された溶液であることができる。
【0024】
有利には、工程(a)において、重合させていない塩溶液又は一部重合させた塩溶液を、どの時点でも媒体を液体状態に保って固相の発現を防止するのに充分な温度θに保つ。
【0025】
実際、多少なりとも重合したモノマー溶液の固化又は結晶化を防止するためには、どの時点でもその固体発現温度より高い温度に保つのが有利である。
【0026】
有利には、工程(a)においてどの時点でも溶液を液体状態に保つ温度θは、溶液の固体発現温度θcより上、有利にはθ≧θc+3℃、好ましくはθ≧θc+5℃である。
【0027】
工程(a)のエバポレーターは一般的に、熱交換器を含む;前記溶液はこの交換器中を流れ、こうして加熱される。有利には、熱交換器には加圧蒸気が供給される。
【0028】
工程(a)の間のエバポレーター中の圧力は、有利には0.5MPa以下、好ましくは0.3MPa以下である。有利には、この圧力は、どの時点においても、上記の温度に関する条件:溶液の固体発現温度θcより高い温度θ、有利にはθ≧θc+3℃、好ましくはθ≧θc+5℃:が満たされて固相の発現が防止されるのに充分高いものである。
【0029】
工程(a)の間の圧力は、一定値に設定することもでき、所定の圧力分布に従う(例えば相次いでの複数の安定段階に従う)こともできる。
【0030】
濃縮工程(a)の時間は、一般的に20分〜120分の範囲である。
【0031】
工程(a)の前の二酸とジアミンとの塩の水性溶液の塩重量濃度は、40〜70%の範囲であることができ、50〜70%の範囲であるのが有利である。
【0032】
濃縮工程(a)は、溶液と酸素との接触を防止するために溶液を酸素フリーの雰囲気下に保つことによって実施するのが好ましい。これは、例えば、本発明の方法において溶解した酸素を含まない塩を用いることによって、又は不活性気体の雰囲気若しくは溶液の沸騰により発生する水蒸気の雰囲気を用いることによって、実施される。
【0033】
工程(a)から得られる混合物は、好ましくは、エバポレーターから反応チャンバーに移され、そこで水を除去しながら重合工程(b)が行われる。
【0034】
重合工程(b)は重縮合から成り、これはオートクレーブから成る少なくとも1つの「重合器」中で重縮合サイクルの通例の条件に従って実施するのが好ましい。エバポレーターは複数の「重合器」を供給する(alimenter)ことができる。
【0035】
工程(b)は、少なくとも1回の加圧重合工程(b1)を含む。この工程(b1)の間の圧力は、一般的に1.5〜2.5MPaの範囲である。
【0036】
本発明の方法の別の目立った特徴は、次の慣用の工程の内の少なくとも1つを含むことである:
・蒸発によって残留水を除去するために重合媒体を緩和させる(detente)工程(b2);
・大気圧又は減圧下でポリマーの温度を保つ工程(b3);及び
・得られたポリアミドを(好ましくは粒状体の形に)造形する工程(b4)。
【0037】
工程(b3)に従えば、所望の重合度を得るためにポリアミドを次いで大気圧又は減圧下で重合温度に所定時間保つことができる。
【0038】
後の方の仕上げ工程群は、二酸とジアミンとの塩の水性溶液からポリアミドを製造するための慣用の工業的方法において用いられているものである。
【0039】
工程(b)の時間は、一般的に90分〜240分の範囲である。本発明の方法は、この時間を数分短縮することを可能にし、又は約10分以上短縮することさえ可能にする。本発明の方法はまた、1サイクル当たりにより多くの量のポリマーを得ることを可能にする。実際、反応器の容量を一定とすると、工程(a)の後に得られる溶液は既知の方法におけるものより濃縮されるので、多少なりとも重合したモノマーをより多量にオートクレーブ中に導入することを可能にする;従って、最後には、オートクレーブの初期仕込み量が変わらなくてもオートクレーブ中でより多量のポリマーが得られる。
【0040】
有利には、本発明の方法の装置は、周囲との熱交換を抑制して熱の損失を抑制するために、断熱材を具備する。
【0041】
本発明の方法は有利にはバッチ式方法である。
【0042】
本発明の方法は、二酸モノマーとしてのアジピン酸及びジアミンモノマーとしてのヘキサメチレンジアミンから出発してポリヘキサメチレンアジパミドを製造するために用いることができる。
【0043】
二酸モノマーとしては、アジピン酸に加えて、例えばグルタル酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アゼライン酸、ピメリン酸、ナフタレンジカルボン酸及び5−スルホイソフタル酸もまた挙げることができる。複数の二酸モノマーの混合物を用いることも可能である。
【0044】
二酸モノマーは、アジピン酸を少なくとも80モル%含むのが有利である。
【0045】
ジアミンモノマーとしては、ヘキサメチレンジアミンに加えて、ヘプタメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、キシレンジアミン及びイソホロンジアミンもまた挙げることができる。複数のジアミンモノマーの混合物を用いることも可能である。
【0046】
ジアミンモノマーは、ヘキサメチレンジアミンを少なくとも80モル%含むのが有利である。
【0047】
また、ラクタム又はアミノ酸のようなコモノマー、例えばカプロラクタム、アミノカプロン酸、ラウロラクタム等を用いることも可能である。
【0048】
コモノマーを用いる場合、これは最初の二酸とジアミンとの塩との混合物として添加するのが好ましい。この場合、本発明の意味における溶解種も、これらのコモノマーを含む。
【0049】
本発明の方法の間に、添加剤を導入することができる。添加剤の例としては、タルクのような成核剤、二酸化チタンや硫化亜鉛のような艶消剤、熱又は光安定剤、生物活性物質、防汚剤、触媒、連鎖抑制剤等を挙げることができる。これらの添加剤は、当業者に周知である。このリストはすべてを網羅するわけではない。
【0050】
前記ポリマーは、次いで一般的に押出又は造形される。
【0051】
該ポリマーは一般的に、粒状体の形にされる。
【0052】
これらの粒状体は次いで、広範な用途において用いられ、特に、ヤーン、ファイバー若しくはフィラメントを製造するため、又は型成形、射出成形若しくは押出によって物品を造形するために、用いられる。これらは特に、一般的に配合工程の後に、エンジニアリングプラスチックの分野において用いることができる。
【0053】
本発明のその他の詳細や利点は、以下の実施例に鑑みてより一層明らかになるであろう。
【実施例】
【0054】
例1(比較例)
【0055】
外部循環式エバポレーター中に32.7重量%ヘキサメチレンジアミン水性溶液0.20重量%、60重量%カプロラクタム水性溶液1.6重量%及び消泡剤(シリコーン組成物)8.5ppmと共に装填した52重量%N塩水性溶液から、ポリアミドPA−6,6を調製する。この混合物を0.24MPaの絶対圧下で153.0℃に加熱する。蒸発終了時におけるこの溶液の溶解種の濃度を84.7重量%にする。この溶液を次いでオートクレーブ中に移す。このオートクレーブを、1.85MPaの自己発生圧が得られるように加熱する。この加圧重合段階の間に、20重量%酸化チタン水性分散液を、最終ポリマーが酸化チタンを0.3重量%含有するような量で添加する。加圧重合段階を60分間続け、次いで圧力を徐々に大気圧まで下げる。この反応器を大気圧下に26分間保つ。この工程の終わりに反応物が到達した温度は272℃だった。次いで反応器を、ポリマーを棒状体の形で押出することができるようにするために、0.4〜0.5MPaの範囲の窒素圧下に置き、この棒状体を水で冷却し、細断して粒状体を得る。
【0056】
得られたポリアミドPA−6,6は、90%ギ酸中で8.4重量%の濃度で測定して41の相対粘度;及びポリマー1kg当たり49.2ミリ当量のアミン末端基を有していた。
【0057】
例2(本発明)
【0058】
外部循環式エバポレーター中に32.7重量%ヘキサメチレンジアミン水性溶液0.23重量%、60重量%カプロラクタム水性溶液1.6重量%及び消泡剤(シリコーン組成物)8.5ppmと共に装填した52重量%N塩水性溶液から、ポリアミドPA−6,6を調製する。
【0059】
N塩の水性溶液の使用量を例1における使用量より2重量%多くしたこと、蒸発の間混合物を156.0℃に加熱したこと及び蒸発終了時の溶液の溶解種の濃度を86.5重量%にしたことを除いて、例1で採用したものと同じ条件に従って、ポリアミドを調製した。
【0060】
蒸発段階の終了時におけるN塩の溶液の濃度を高くしたことによって、同じオートクレーブサイクル時間を維持しながら、1サイクル当たりに製造されるポリマーを2質量%増やすことができた。塩の溶液の蒸発時間が長くなっても、製造プラントの生産量やオートクレーブのサイクル時間には影響がなかった。
【0061】
得られたポリアミドPA−6,6は、例1で得られたものと同じ特性:90%ギ酸中で8.4重量%の濃度で測定して41の相対粘度;及びポリマー1kg当たり49.4ミリ当量のアミン末端基:を有していた。
【0062】
例3(比較例)
【0063】
外部循環式エバポレーターに消泡剤(シリコーン組成物)9ppmと共に装填した52重量%N塩水性溶液から、ポリアミドPA−6,6を調製する。この混合物を0.24MPaの圧力下で154.0℃に加熱する。蒸発終了時におけるこの溶液の溶解種の濃度を85重量%にする。この溶液を次いでオートクレーブ中に移す。このオートクレーブを、1.85MPaの自己発生圧が得られるように加熱する。加圧重合段階を42分間続け、次いで圧力を徐々に大気圧まで下げる。この反応器を大気圧下に20分間保つ。この工程の終わりに反応物が到達した温度は277℃だった。次いで反応器を、ポリマーを棒状体の形で押出することができるようにするために、0.4〜0.5MPaの範囲の窒素圧下に置き、この棒状体を水で冷却し、細断して粒状体を得る。
【0064】
得られたポリアミドPA−6,6は、90%ギ酸中で0.5g/100ミリリットルの濃度で測定して135.5ミリリットル/gの粘度指数を有していた。
【0065】
例4(本発明)
【0066】
蒸発の間混合物を157.4℃に加熱したこと及び蒸発終了時の溶液の溶解種の濃度を87.0重量%にしたことを除いて、例3で採用したものと同じ条件に従って、ポリアミドPA−6,6を調製した。
【0067】
蒸発段階の終了時におけるN塩の溶液の濃度を高くしたことによって、オートクレーブのサイクル時間を3分短くすることができ、従ってプラントの生産性を高めることができた。特にエバポレーターの加熱能力のおかげで、N塩の溶液の蒸発時間は長くならなかった。
【0068】
得られたポリアミドPA−6,6は、例3で得られたものと同じ特性:90%ギ酸中で0.5g/100ミリリットルの濃度で測定して135.3ミリリットル/gの粘度指数:を有していた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種の二酸及び少なくとも1種のジアミンからポリアミドを製造するための方法であって、次の工程:
(a)化学量論的量の少なくとも1種の二酸と少なくとも1種のジアミンとを混合することによって得られる二酸とジアミンとの塩の水性溶液から、溶解種の水中の重量濃度が85%超、有利には86%以上、好ましくは87%以上、より一層好ましくは88%以上である均質水性溶液が得られるまで、水を蒸発させることによって濃縮する工程;及び
(b)水を除去しながら、所望の重合度まで重合させる工程:
を含み、前記工程(b)が少なくとも1回の加圧下での重合工程(b1)を含む、前記製造方法。
【請求項2】
工程(a)の間の温度θがどの時点においてもθc+3℃以上である(ここで、θcは当該溶液の固体発現温度である)ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程(a)の間の圧力が有利には0.5MPa未満、好ましくは0.3MPa未満であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
工程(a)の前の二酸とジアミンとの塩の水性溶液の塩重量濃度が50〜70%の範囲であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
工程(a)の終わりに得られる混合物を少なくとも1つの重合反応器中に移すことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
次の工程:
・蒸発によって残留水を除去するために重合媒体を緩和させる工程(b2);
・大気圧又は減圧下でポリマーの温度を保つ工程(b3);及び
・得られたポリアミドを(好ましくは粒体の形に)造形する工程(b4):
の内の少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
バッチ式方法であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
二酸モノマーがアジピン酸、グルタル酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アゼライン酸、ピメリン酸、ナフタレンジカルボン酸及び5−スルホイソフタル酸から選択されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
ジアミンモノマーがヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、キシレンジアミン及びイソホロンジアミンを含む群から選択されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
二酸モノマーがアジピン酸を少なくとも80モル%含むことを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
ジアミンモノマーがヘキサメチレンジアミンを少なくとも80モル%含むことを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。

【公表番号】特表2012−520913(P2012−520913A)
【公表日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−500182(P2012−500182)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【国際出願番号】PCT/EP2010/052957
【国際公開番号】WO2010/105939
【国際公開日】平成22年9月23日(2010.9.23)
【出願人】(508076598)ロディア オペレーションズ (98)
【氏名又は名称原語表記】RHODIA OPERATIONS
【住所又は居所原語表記】40 rue de la Haie Coq F−93306 Aubervilliers FRANCE
【Fターム(参考)】