説明

ポリウレタン発泡材を製造するための高分岐ポリオールの使用、該高分岐ポリオールを含む二成分発泡システム、並びに該二成分発泡システムの使用

【課題】ポリウレタン発泡材を製造するための高分岐ポリオールの使用、該高分岐ポリオールを含む二成分発泡システム、並びに該二成分発泡システムの使用。
【解決手段】500-100,000 g/モルの数平均分子量を有し且つ分子あたり10-1,000個の平均ヒドロキシル基を有する高分岐および/または樹枝状ポリオールの、密度に対して圧縮強さの比率を高めたポリウレタン発泡材製造用ポリオールとしての使用。ポリイソシアネート成分と反応性水素原子を有する化合物を含む成分からなり、これらの成分は別個の容器に収納されており、使用の場合に混合することにより反応させることができ、密度に対して高められた圧縮強さの比率を有するポリウレタン発泡材を製造するための二成分発泡システム、ドアや窓の枠および階段の取付け用、および建物の壁や天井における開口部や貫通部を密閉するための防火用発泡材として使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の対象は、ポリウレタン発泡材、特に密度に対する圧縮強さの比率が高められた半硬質または硬質ポリウレタン発泡材を製造するための高分岐および/または樹枝状ポリオールの使用、そのような高分岐および/または樹枝状ポリオールをポリオール成分中に含む前記種類のポリウレタン発泡材を製造するための二成分発泡システム、並びにそのような二成分発泡システムを特にドアや窓の枠を取り付けるための取付け用発泡材として、階段用発泡材として、あるいは建物の壁および/または天井における開口部および/または貫通部を密閉するための防火用発泡材として使用することである。
【背景技術】
【0002】
硬質ポリオールは、種々の方法で、例えばドアや窓の枠および階段を取り付けるための取付け用発泡材として、あるいは防火用発泡材として、使用されている。これらの使用分野において重要なのは、ポリウレタン発泡材の機械的負荷性である。なぜならば、発泡材が機械的な過負荷を受けた後は、その原機能をもはや十分に果たし得ないからである。そのような発泡材の機械的負荷性に対する承認された基準として、標準化された圧縮試験、特にDIN規格53421に基づいて測定できる圧縮強さが適用される。
【0003】
基本的に発泡材の圧縮強さは、その密度に比例する、すなわち、発泡密度が高いほど、化学的に同等の発泡システムの圧縮強さは高くなる。したがって、例えば市販のポリウレタン発泡材は、密度0.03 g/cm3では0.11 MPaの圧縮強さ、0.05 g/cm3では0.20 MPaの圧縮強さ、また密度0.09 g/cm3では0.60 MPaの圧縮強さを有する。
【0004】
一般に、硬質ポリウレタン発泡材システムの圧縮強さは、例えばガラスファイバなどの適切な無機充填材あるいはフタレート化合物などの有機可塑材をポリウレタン発泡材の製造用原料混合物に添加することにより高められる。しかしながら、この方法は充填材の添加により発泡密度が増加するという点において不利であり、他方で発泡システムの圧縮強さが時間の経過と共に弱まる、というのは充填材および有機可塑材のいずれも発泡材基質のポリウレタン網状構造に共有結合で組み込まれてはいないため、発泡材基質に入り込み、またそこから出ることができるからである。
【0005】
他方で、特に取付け用発泡材としてポリウレタン発泡材を使用する製造者やユーザーは、発泡密度をできるかぎり低く抑えることに関心がある、なぜならば、それにより一定量の発泡に対する原料の所要量を減らすことができるからである。それにより、材料コスト並びにこの発泡材を製造および使用するためのコストが低減できる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の技術的目的は、硬質ポリウレタン発泡システムの圧縮強さをその密度を増すことなく高めること、並びにその圧縮強さを劣化させることなく発泡システムの密度を下げること、すなわち、密度に対する圧縮強さの比率を高めたポリウレタン発泡材を製造することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
驚くべきことに、一定の高分岐および/または樹枝状ポリオールを硬質ポリウレタン発泡材の製造用ポリオールとして、あるいはポリオール成分において使用することにより、この目的が達成できることが判明した。
【0008】
したがって、本発明の対象は、500-100,000 g/モル、好適には1,000-10,000 g/モルの数平均分子量(Mn)を有し、且つ分子あたり10-1,000個、好適には25-100個の平均ヒドロキシル基を有する高分岐および/または樹枝状ポリオールを、密度に対して圧縮強さの比率を高めたポリウレタン発泡材製造用ポリオールとして使用することである。
【0009】
好適には、本発明に基づいて使用される高分岐および/または樹枝状ポリオールは、ゼロより大きく1.0以下、好適には0.2-0.66、より好適には0.53-0.59の平均分岐度を有しており、定義にしたがって直線状ポリオールの分岐度はゼロであり、理想的樹枝状ポリオールの分岐度は1.0である。
【0010】
高分岐および/または樹枝状ポリオールの定義、それらの製造とそれらの分子量および分岐度の定義、並びにそれらの決定については、「Macromolecules(巨大分子)」誌、1999年、32, 4240-4246におけるこれらの高分岐および/または樹枝状ポリオールに対するアレクサンダー・サンダー等による刊行文献を参照されたい。そのような高分岐および/または樹枝状ポリオールは、ABmタイプのモノマーの重合により、例えば重合時にポリエーテル・ポリオールを生成するABタイプの環式モノマーであるグリシドールの重合により製造される。グリシドールの重合では、直線状の1,3単位、直線状の1,4単位、樹枝状単位、および末端単位が生じる。1,3および1,4結合を有する直線状(直鎖状)ホモポリマーでは、生成したホモポリマーの平均分岐度はゼロであるが、理想的樹枝状ホモポリマーの平均分岐度は1.0である。その際に、平均分岐度DBは前記文献個所において開示された下記等式により定義されている。
【数1】

【0011】
上記等式において、D は樹枝状単位、L13は 直線状の1,3単位、L14は直線状の1,4単位を表す。前記文献個所によれば、平均分岐度は13C-NMR分光器により決定できる。
【0012】
本発明において使用される高分岐および/または樹枝状ポリオールの数平均分子量(Mn)は、平均分岐度と同様に、1Hおよび13C-NMR分光器を用いて決定できる、あるいは当該ポリマー中に含まれる個々の構造単位のこれらのスペクトルにより算定された積分値から計算できる。
【0013】
これらの実験的に算定可能な構造単位に基づいて、本発明において使用される高分岐ポリオールについては、平均重合度(DPn)に対して下記数式が得られる。
【数2】


ここで、fc は核分子の官能基を表す。
【0014】
平均重合度は、前記スペクトルにおいてポリマー中に含まれる個々の構造単位の積分和に等しい。
【0015】
本発明において使用されるポリオールのヒドロキシル基は、分子あたりの末端構造単位数に合致する、すなわち、ポリオールの場合には、分子あたりの末端ヒドロキシル基数に対応して、100-1,000個、好適には25-100個、より好適には20-40個、特に好適には25-30個となる。
【0016】
驚くべきことに、本発明に基づいて使用される高度のヒドロキシル基を有する高分岐および/または樹枝状ポリオールは、極めて高度の架橋密度に到達しており、それは全ポリオール混合物中の濃度に応じて、等しい密度において著しく高い圧縮強さを有する硬質ポリウレタン発泡材となることが判明した。この結果は、驚異的とみなし得るものである。なぜならば、分子あたり5以上の架橋部位を有する架橋分子の使用量を増やすと、専門家であればポリウレタン発泡材の脆弱性が増すと予想するからである。したがって、発泡材の脆弱性が増せば、その圧縮強さは減少することが想定できた。しかしながら、驚くべきことに、本発明によれば、ポリウレタン発泡システムのポリオール成分の反応性水素原子を有する化合物重量に対して1-50重量%、好適には2-30重量%の範囲の量でこれらの高分岐および/または樹枝状ポリオールを使用することにより、生成する硬質ポリウレタン発泡材の密度を変えずに圧縮強さを高められることが分った。
【0017】
ポリウレタン発泡システムのポリオール成分中の高分岐および/または樹枝状ポリオールの濃度を適切に変えることにより、前述のポリウレタン発泡システムをその圧縮強さに関して容易に改良することができる。本発明においては、圧縮強さを高めるために不溶性の無機充填材をポリウレタン発泡材中に添加する必要がないため、ポリウレタン発泡材内の充填材の移動、添加すべき混合物の粘度が高いこと、およびこれらの充填材および可塑材に対する所要コストなどの欠点も解消される。当然ながら、このようにしてポリウレタン発泡材の密度または他の特性を効果的に操作するために、通常適用される無機および/または有機充填材を使用することも、本発明の範囲において可能である。
【0018】
本発明に基づく好ましい実施形態では、本発明に基づいて使用される高分岐および/または樹枝状ポリオールは、50-5,000、好適には200-1,000のOH数を有する。
【0019】
OH数は、本発明に基づいて使用されるポリオールの末端基滴定により決定できる。その際に末端つまり端位のヒドロキシル基は、過剰量の無水フタール酸または他の環式無水物の存在下で定量的にエステル化されることが知られている。環式無水物の使用は二級アルコールでは実証済みである、というのは、後者は非環式無水物に対して活発な反応性を示すからである。このエステル化において生成したカルボン酸は、次に水溶性KOHにより滴定され、その消費量によりOH数が計算される。OH数は、生成したフタール酸を中和するために該ポリマーのグラムあたり必要とされるmg単位のKOH量に合致する。この変化の際に、エステル化混合物は450mlの乾燥ピリジン、64.25gの無水フタール酸および10mlのN-メチルイミダゾールからなる。この混合物 25mlにピリジン 25mlおよび水 50mlを添加し、15分後に1N KOHを用いて滴定する。これは空体積VBlindに相当する。計量したポリマー量(mProbe)をエステル化混合物25mlと共に、還流中で15分間、沸騰加熱する。次にピリジン 25mlおよび水 50mlを添加して、過剰な無水物を加水分解する。溶液を1N KOHを用いて滴定することで、VProbeが得られる。各ポリマー試料について、2回の測定を行う。次に下記等式を用いて、OH数を計算する。
【数3】

【0020】
本発明において使用される当該高分岐および/または樹枝状ポリオールは、サンダー等の文献個所においてそこに挙げられたポリグリセロールを製造するために記載された方法、あるいはそれに類似した方法により製造できる。そのような高分岐および樹枝状ポリオールは市販されており、例えばパーストープ・ポリオール社(600 マッチンガー・ロード、トリード市、オハイオ州、43612、米国)から、例えば32のヒドロキシル基および500のOH数を有する製品形式Boltom H30、および64のヒドロキシル基および485のOH数を有する製品形式Boltom H40を購入できる。
【0021】
本発明において使用される高分岐および/または樹枝状ポリオールとしては、ポリエーテル・ポリオール、ポリエステル・ポリオール、あるいはそれらの混合物を挙げることができる。
【0022】
本発明の他の対象は、密度に対して高められた圧縮強さの比率を有するポリウレタン発泡材を製造するための二成分発泡システムであり、それはポリイソシアネート成分(A)と反応性水素原子を持つ化合物を含む成分(B)(ポリオール成分)とからなり、これらの成分は別個の容器に収納されており、使用の場合に混合することにより反応させることができるが、当該発泡システムは、ポリオール成分(B)が反応性水素原子を有するポリオール成分(B)の化合物の重量に対して、500-100,000 g/モル、好適には1,000-10,000 g/モルの数平均分子量(Mn)を有し且つ分子あたり10-1,000個、好適には25-100個の平均ヒドロキシル基を有する少なくともひとつの高分岐および/または樹枝状ポリオール(B1)を1-50重量%、好適には2-30重量%含むことを特徴とする。
【0023】
好適には、この二成分発泡システムは、ポリオール成分(B)中に、上記個所で定義されたように0より大きく1.0以下、より好適には0.2-0.66、さらに好適には0.53-0.59の平均分岐度を有する高分岐および/または樹枝状ポリオールを含む。好適には、該高分岐および/または樹枝状ポリオールは、50-5,000、より好適には200-1,000のOH数を有する。
【0024】
本発明に基づく二成分発泡システムのポリイソシアネート成分(A)は、5-55%、好適には20-50%のNCO含量を有し、且つ分子あたり平均2-5個、好適には2-4個のNCO基を有する少なくともひとつのポリイソシアネートを含む。
【0025】
好ましい実施形態に基づいて、ポリイソシアネート成分(A)は、メチレンジフェニルジイソシアネートおよび/またはその重合同族体をベースとするポリイソシアネートを含んでおり、その際に31%のNCO含量を有し且つ分子あたり平均2.7個のNCO基を有するポリイソシアネートが特に好適である。
【0026】
本発明に基づく二成分発泡システムのポリオール成分(B)は、高分岐および/または樹枝状ポリオール(B1)のほかに、30-1,000、好適には500-1,000のOH数を有し、且つ分子あたり平均2-7個、好適には2-5個のヒドロキシル基を有する少なくともひとつの通常のポリウレタン発泡材の製造に適したポリオール(B2)を含むことができる。そのようなポリオール(B2)は、硬質ポリウレタン発泡材の製造に関して、当業者にとって周知である。
【0027】
好適には、二成分発泡システムは、ポリオール(B2)として、300-1,000、好適には500-1,000のOH数を有し且つ平均2-7個、好適には2-4個のヒドロキシル基を有する少なくともひとつのポリエーテル・ポリオールおよび/またはポリエステル・ポリオール、および/または少なくともひとつのアミノポリエーテル・ポリオール、および/または30-1,000、好適には100-300のOH数を有し且つ分子あたり平均2-7個、好適には3-5個のヒドロキシル基を有するリン酸エステルをベースとするポリオールを含む。
【0028】
好適には、ポリウレタン反応の指数は、95-165、より好適には102-120の範囲にある。ポリウレタン反応の指数とは、使用された反応性水素原子(有効に使用された反応性ヒドロキシル基の質量:naktiveH)に対する使用されたイソシアネート基(有効に使用されたイソシアネート基の質量:nMCO)の百分率であり、これらの反応性水素原子は、例えばポリオールのヒドロキシル基、アミン類のNH2基あるいはカルボン酸のCOOH基から供給される。化学量論量としてのイソシアネートは指数100に合致し、イソシアネート基の10%過剰は指数110に合致する。ポリウレタン反応の指数計算に必要とされる公式は下記の通りである。
【数4】

【0029】
本発明の別の好ましい実施形態では、ポリオール成分(B)は、0.02-0.5 g/cm3、好適には0.05-0.3 g/cm3の発泡密度を有するポリウレタン発泡材を生成するために必要な量の水、ポリウレタン生成反応のための一つまたは複数の触媒、および場合によっては発泡セル安定剤を含む。
【0030】
ポリウレタン生成反応のための触媒として、ポリオール成分(B)は、一つまたは複数の第3アミン、好適にはジモルフォリンジエチルエーテルを含むことができる。発泡セル安定剤として、ポリオール成分(B)は、ポリシロキサンを含むことができる。
【0031】
本発明の別の実施形態にしたがって、ポリイソシアネート成分(A)および/またはポリオール成分(B)は、通常量の通常の充填材、補助材および、または添加材を含むことができる。
【0032】
これらの成分中には、それぞれ二成分発泡システムの重量に対して、砂、白亜、パーライト、ガラスファイバ、煤またはそれらの混合物から選択される充填材を0-40重量%、好適には1-20重量%、一つまたは複数の色素を0-2重量%、好適には0.1-1重量%、および/または防火用添加材を0-40重量%、好適には1-20重量%含むことができる。
【0033】
本発明の好ましい実施形態では、ポリイソシアネート成分(A)およびポリオール成分(B)を収容する容器は、供給管路を介して、ポリイソシアネート成分をポリオール成分と混合する混合ヘッドを備えた供給装置と接続されている。好適には、この供給装置は、静力学的ミキサ(スタティックミキサー)を備えたノズル部形式の混合ヘッドを有する。さらに、これらの容器は、ポリイソシアネート成分(A)およびポリオール成分(B)を前記供給装置の混合ヘッドに排出できる押出し装置を具備している。押出し装置として、好適には機械的プレス装置が使用できる、および/またはポリイソシアネート成分(A)およびポリオール成分(B)中におよび/またはこれらの成分に対する二室カートリッジの加圧室内に含まれている駆動ガスが使用できる。
【0034】
本発明のさらに別の対象は、上に定義された二成分発泡システムの建築現場における、特にドアや窓の枠および階段の取付け用、および/または建物の壁や天井における開口部や貫通部を密閉するための防火用発泡材としての使用である。好適には、この使用に際して二成分発泡システムのポリイソシアネート成分(A)およびポリオール成分(B)は混合ヘッドを備えた前記供給装置により混合され、取付け目地、開口部および/または貫通部へ装入され、そこで発泡および硬化する。
【実施例】
【0035】
以下の実施例および比較例は、本発明をさらに詳細に説明するためのものである。
【0036】
(実施例1)
12%(総ポリオール成分に対する割合)の高分岐ポリオールを用いた硬質ポリウレタン発泡材の製造
ポリグリセロールは、A.サンダー等により記載された方式に基づいて合成された。
【0037】
ポリオール成分およびポリイソシアネート成分として以下に記載された成分を用いて、両成分の混合および材料の発泡によりポリウレタン硬質発泡材を製造する。
【表1】

【0038】
本実施例および下記の実施例においてDIN規格53421に基づいて決定された、本発明に基づくポリウレタンにおける発泡方向に対して垂直な圧縮強さは、密度0.12 g/cm3において1.9 MPaである。
【0039】
(実施例2)
実施例1において使用された高分岐ポリグリセロールを7%(総ポリオール成分に対する割合)用いた硬質ポリウレタン発泡材の製造
【表2】

【0040】
本発明に基づくポリウレタン硬質発泡材における発泡方向に対して垂直な圧縮強さは、密度0.12 g/cm3において1.7 MPaである。
【0041】
(比較例)
高分岐および/または樹枝状ポリオールを使用しない場合のポリウレタン発泡材の製造
【表3】

【0042】
この比較例のポリウレタン発泡材における発泡方向に対して垂直な圧縮強さは、密度0.12 g/cm3において1.1 MPaである。
【0043】
したがってここで判明したのは、本発明に基づく高分岐および/または樹枝状ポリオールを使用することにより、密度を変えずに圧縮強さを顕著に高めること、すなわち密度に対する圧縮強さの比率を高めることが達成できることである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
500-100,000 g/モル、好適には1,000-10,000 g/モルの数平均分子量(Mn)を有し、且つ分子あたり10-1,000個、好適には25-100個の平均ヒドロキシル基を有する高分岐および/または樹枝状ポリオールの、密度に対して圧縮強さの比率を高めたポリウレタン発泡材製造用ポリオールとしての使用。
【請求項2】
高分岐および/または樹枝状ポリオールが、ゼロより大きく1.0以下、好適には0.2-0.66の平均分岐度を有することを特徴とする請求項1記載のポリウレタン発泡材製造用ポリオールとしての使用。
【請求項3】
高分岐および/または樹枝状ポリオールが、50-5,000、好適には200-1,000のOH数を有することを特徴とする請求項1または2記載のポリウレタン発泡材製造用ポリオールとしての使用。
【請求項4】
高分岐および/または樹枝状ポリオールが、ポリエーテル・ポリオールおよび/またはポリエステル・ポリオールであることを特徴とする請求項1ないし3の少なくともいずれか一項に記載のポリウレタン発泡材製造用ポリオールとしての使用。
【請求項5】
密度に対して高められた圧縮強さの比率を有するポリウレタン発泡材を製造するための二成分発泡システムであって、ポリイソシアネート成分(A)と反応性水素原子を持つ化合物を含む成分(B)(ポリオール成分)とからなり、これらの成分は別個の容器に収納されており、使用の場合に混合することにより反応させることができる二成分発泡システムにおいて、
ポリオール成分(B)が、反応性水素原子を持つポリオール成分(B)の化合物の重量に対して、500-100,000 g/モル、好適には1,000-10,000 g/モルの数平均分子量(Mn)を有し且つ分子あたり10-1,000個、好適には25-100個の平均ヒドロキシル基を有する少なくともひとつの高分岐および/または樹枝状ポリオール(B1)を1-50重量%、好適には2-30重量%含むことを特徴とする、密度に対して高められた圧縮強さの比率を有するポリウレタン発泡材を製造するための二成分発泡システム。
【請求項6】
高分岐および/または樹枝状ポリオールが、ゼロより大きく1.0以下、好適には0.2-0.66の平均分岐度を有することを特徴とする請求項5記載の二成分発泡システム。
【請求項7】
高分岐および/または樹枝状ポリオールが、50-5,000、好適には200-1,000のOH数を有することを特徴とする請求項5または6記載の二成分発泡システム。
【請求項8】
高分岐および/または樹枝状ポリオールが、ポリエーテル・ポリオールおよび/またはポリエステル・ポリオールであることを特徴とする請求項5ないし7の少なくともいずれか一項に記載の二成分発泡システム。
【請求項9】
ポリイソシアネート成分(A)が、5-55%、好適には20-50%のNCO含量を有し、且つ分子あたり平均2-5個、好適には2-4個のNCO基を有する少なくともひとつのポリイソシアネートを含むことを特徴とする請求項5ないし8の少なくともいずれか一項に記載の二成分発泡システム。
【請求項10】
ポリイソシアネート成分(A)が、メチレンジフェニルジイソシアネートおよび/またはその重合同族体をベースとするポリイソシアネートを含むことを特徴とする請求項9記載の二成分発泡システム。
【請求項11】
ポリイソシアネート成分(A)が、31%のNCO含量を有し且つ分子あたり平均2.7個のNCO基を有するメチレンジフェニルジイソシアネートおよび/またはその重合同族体をベースとするポリイソシアネートを含むことを特徴とする請求項10記載の二成分発泡システム。
【請求項12】
ポリオール成分(B)が、高分岐および/または樹枝状ポリオール(B1)のほかに、30-1,000、好適には500-1,000のOH数を有し、且つ分子あたり平均2-7個、好適には2-5個のヒドロキシル基を有する少なくともひとつのポリオール(B2)を含むことを特徴とする請求項5ないし11の少なくともいずれか一項に記載の二成分発泡システム。
【請求項13】
ポリオール(B2)が、300-1,000、好適には500-1,000のOH数を有し且つ平均2-7個、好適には2-4個のヒドロキシル基を有する少なくともひとつのポリエーテル・ポリオールおよび/またはポリエステル・ポリオールおよび/または少なくともひとつのアミノポリエーテル・ポリオール、および/または30-1,000、好適には100-300のOH数を有し且つ分子あたり平均2-7個、好適には3-5個のヒドロキシル基を有するリン酸エステルをベースとするポリオールを含むことを特徴とする請求項12記載の二成分発泡システム。
【請求項14】
ポリウレタン反応の指数が、95-165、好適には102-120の範囲にあることを特徴とする請求項5ないし13の少なくともいずれか一項に記載の二成分発泡システム。
【請求項15】
ポリオール成分(B)が、0.02-0.5 g/cm3、好適には0.05-0.3 g/cm3の発泡密度を有するポリウレタン発泡材を生成するために必要な量の水、ポリウレタン生成反応のための一つまたは複数の触媒、および場合によっては発泡セル安定剤を含むことを特徴とする請求項5ないし14の少なくともいずれか一項に記載の二成分発泡システム。
【請求項16】
ポリオール成分(B)が、一つまたは複数の第3アミン、好適にはジモルフォリンジエチルエーテルを含むことを特徴とする請求項15記載の二成分発泡システム。
【請求項17】
ポリオール成分(B)が、発泡セル安定剤としてポリシロキサンを含むことを特徴とする請求項9または10に記載の二成分発泡システム。
【請求項18】
ポリイソシアネート成分(A)および/またはポリオール成分(B)が、通常量の通常の充填材、補助材および/または添加材を含むことを特徴とする請求項5ないし17の少なくともいずれか一項に記載の二成分発泡システム。
【請求項19】
それぞれ二成分発泡システムの重量に対して、砂、白亜、パーライト、ガラスファイバ、煤またはそれらの混合物から選択される充填材を0-40重量%、好適には1-20重量%、一つまたは複数の色素を0-2重量%、好適には0.1-1重量%、および/または防火用添加材を0-40重量%、好適には1-20重量%含むことを特徴とする請求項18記載の二成分発泡システム。
【請求項20】
ポリイソシアネート成分(A)およびポリオール成分(B)を収容する容器が、供給管路を介して、ポリイソシアネート成分をポリオール成分と混合する混合ヘッドを備えた供給装置と接続されていることを特徴とする請求項5ないし19の少なくともいずれか一項に記載の二成分発泡システム。
【請求項21】
前記供給装置が静力学的ミキサを備えたノズル部形式の混合ヘッドを有することを特徴とする請求項20記載の二成分発泡システム。
【請求項22】
前記容器がポリイソシアネート成分(A)とポリオール成分(B)を前記供給装置の混合ヘッドに排出できる押出し装置を具備していることを特徴とする請求項20または21記載の二成分発泡システム。
【請求項23】
押出し装置として、機械的プレス装置、および/またはポリイソシアネート成分(A)およびポリオール成分(B)中におよび/またはこれらの成分に対する二室カートリッジの加圧室内に含まれている駆動ガスを有することを特徴とする請求項22記載の二成分発泡システム。
【請求項24】
特にドアや窓の枠および階段の取付け用、および/または建物の壁や天井における開口部や貫通部を密閉するための防火用発泡材としての請求項5ないし23の少なくともいずれか一項に記載の二成分発泡システムの使用。
【請求項25】
二成分発泡システムのポリイソシアネート成分(A)およびポリオール成分(B)が混合ヘッドを備えた前記供給装置により混合され、取付け目地、開口部および/または貫通部へ装入され、そこで発泡および硬化する、ことを特徴とする請求項24記載の二成分発泡システムの使用。

【公開番号】特開2006−152291(P2006−152291A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−331952(P2005−331952)
【出願日】平成17年11月16日(2005.11.16)
【出願人】(591010170)ヒルティ アクチエンゲゼルシャフト (339)
【Fターム(参考)】