説明

ポリエステル樹脂およびポリエステルフィルム

【課題】 被装着体に装着する際に、白化、収縮斑、しわ、歪みの発生が少なく、溶剤接着性に優れると共に、アルカリ水溶液によるインク剥離性が良好である熱収縮性ポリエステルフィルムおよびこれに適したポリエステル樹脂を提供する。
【解決手段】 アジピン酸単位を3〜9モル%含有する酸成分と、1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を10〜15モル%含有するアルコール成分とからなるポリエステル樹脂を含有するポリエステルフィルムを少なくとも一方向に延伸してなる熱収縮性ポリエステルフィルム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエステル樹脂に関し、さらに詳しくは熱収縮性ポリエステルフィルムに適したポリエステル樹脂、および熱収縮性ポリエステルフィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、熱収縮性フィルムは加熱により収縮する性質を利用して、PETボトル、ガラス容器、ポリエチレン容器等の各種容器のラベルやキャップシール、あるいは電子部品等の被覆、集積包装等に使用されており、ポリエステル系樹脂からなる熱収縮性フィルムは、環境面、耐熱性、耐薬品性に優れることから多用途に使用されている。
【0003】
しかし、ポリエステル系樹脂は耐薬品性に優れるため、フィルムの左右端部を溶剤接着によりシールしてチューブ状体とする際に、溶剤として塩化メチレン等の塩素を含む有害性の高い溶剤を使用しなければ溶剤接着によるシール強度が得にくいという欠点があった。そこで、近年は塩化メチレンに変わる溶剤として、テトラヒドロフラン(以下、THFと略す。)や1,3−ジオキソランが用いられるようになってきた。しかし、THFや1,3−ジオキソランを使用すると溶剤接着性が低いため、フィルムの溶剤接着性を改良する検討がなされてきた(例えば、特許文献1〜3参照)。
しかし、特許文献1〜3に記載されたポリエステルフィルムでは、主収縮方向と直交する方向の収縮率が大きく、収縮応力が小さいため、ラベルとした時の仕上がりが悪く、また、ボトルとの密着性に優れないなど、収縮特性に問題があった。
【0004】
また、近年では、PETボトル用ラベル等では、リサイクルを目的としてアルカリ水溶液中で脱離するタイプのインクや、環境あるいは人体に悪影響を及ぼす有機溶剤を削減あるいは使用しないインクが開発されているが、これらのインクは所定の目的を達成するために、フィルムに対するインクの密着性等が従来タイプのものよりも低下している場合がある。このため、THFや1,3−ジオキソランでの溶剤接着性が低いフィルムでは、インクのアルカリ脱離層が塗布できず、リサイクル処理のアルカリ脱離において問題があった。
【特許文献1】特開2001−151908号公報
【特許文献2】特開2002−46175号公報
【特許文献3】特開2002−212405号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の目的は、熱収縮性ポリエステルフィルムとした時に、収縮特性に優れ、具体的には、被装着体に装着する際に、白化、収縮斑、しわ、歪み等の発生が少なく、また、センターシール等の溶剤接着性に優れると共に、アルカリ水溶液によるインク剥離性が良好である熱収縮性ポリエステルフィルムを提供することにあり、該熱収縮性ポリエステルフィルムを得るのに適したポリエステル樹脂を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、アジピン酸単位を3〜9モル%含有する酸成分と、1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を10〜15モル%含有するアルコール成分とからなるポリエステル樹脂に関するものであり、該ポリエステル樹脂を含有するポリエステルフィルムに関するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明のポリエステルフィルムは、少なくとも一方向に延伸することにより、収縮特性に優れ、溶剤接着性、アルカリ水溶液によるインクの脱離が良好であるポリエステルフィルムが得られる。よって、本発明のポリエステル樹脂及びそれを含有するポリエステルフィルムは、例えば、PETボトル、ガラス容器、ポリエチレン容器等の各種容器のラベルやキャップシール、電子部品等の被覆、集積包装等に有用に利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明のポリエステル樹脂は、酸成分とアルコール成分からなる。
酸成分は、ポリエステル樹脂中の全酸成分100モル%に対して、アジピン酸単位を3〜9モル%含有し、より好ましくは4〜8モル%含有する。アジピン酸単位の含有量が、この範囲である場合に、収縮フィルムとして低温からの熱収縮性に優れ、ラベリング後のシワ、ムラ等の外観不良が発生しない傾向にある。また、溶剤浸透時に白濁、シワ、ムラ等の不具合がなく、十分な溶剤接着性が得られる傾向にある。
また、アジピン酸単位以外の酸成分は、特に制限されないが、テレフタル酸単位を主成分(酸成分中50モル%以上)とすることが好ましい。
【0009】
また、本発明では、テレフタル酸単位、アジピン酸単位以外の2価の酸成分単位も用いることができる。例えば、イソフタル酸単位、1,4−ナフタレンジカルボン酸単位、2,6−ナフタレンジカルボン酸単位、アントラセンジカルボン酸単位、4,4’−ジフェニルジカルボン酸単位、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸単位、5−スルホイソフタル酸単位、3−スルホイソフタル酸ナトリウム単位、シュウ酸単位、コハク酸単位、グルタル酸単位、ピメリン酸単位、セバシン酸単位、アゼライン酸単位、ドデカンジカルボン酸単位、ダイマー酸単位、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸単位、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸単位、1,3−シクロペンタンジカルボン酸単位、4,4’−ジシクロヘキシルジカルボン酸単位等が挙げられる。
これらの2価の酸成分単位の含有量は、特に制限されないが、収縮挙動や収縮開始温度の調整、溶剤接着性の調整を目的に5モル%以下が好ましい。
【0010】
また、酸成分として、3価以上の多価カルボン酸単位を含有してもよい。3価以上の多価カルボン酸単位の含有量は、特に制限されないが、全酸成分100モル%に対して2モル%以下が好ましく、1.5モル%以下がより好ましく、1モル%以下が特に好ましい。3価以上の多価カルボン酸単位の含有量がこの範囲である場合に、収縮挙動改良、流動性改良、耐ドローダウン性付与、重合時間の短縮等を図ることができる傾向にある。3価以上の多価カルボン酸単位としては、特に制限されないが、例えば、トリメリット酸単位、ピロメリット酸単位などが挙げられる。
【0011】
アルコール成分は、ポリエステル中の全アルコール成分100モル%に対して、1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を10〜15モル%含有し、より好ましくは11〜14モル%含有する。1,4−シクロヘキサンジメタノール単位の含有量が、この範囲である場合に、フィルムが柔軟になってブロッキング性が悪化することもなく、収縮フィルムとして十分な熱収縮性が得られ、ラベリング後にシワ、ムラ等の外観不良が発生しない傾向にある。また、溶剤浸透時に白濁、シワ、ムラ等の不具合がなく、十分な溶剤接着性が得られる傾向にある。
また、1,4−シクロヘキサンジメタノール単位以外のアルコール成分は、特に制限されないが、エチレングリコール単位を主成分(アルコール成分中50モル%以上)とすることが好ましい。
【0012】
また、本発明では、1,4−シクロヘキサンジメタノール、エチレングリコール以外のアルコール成分単位を用いることができる。例えば、ジエチレングリコール単位、トリエチレングリコール単位、プロピレングリコール単位、1,4−ブタンジオール単位、1,6−ヘキサンジオール単位、ネオペンチルグリコール単位、ダイマージオール単位、1,4−シクロヘキサンジオール単位、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン単位、ポリエチレングリコール単位、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールブロック共重合体単位、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールランダム共重合体単位、ポリテトラメチレングリコール単位、ポリヘキサメチレングリコール単位、並びに下記一般式(1)、(2)及び(3)で表されるグリコール単位等が挙げられる。これらのアルコール成分は、収縮挙動や収縮開始温度の調整、溶剤接着性の調整を目的に5モル%以下の割合で用いることができる。
【0013】
【化1】

(式中、XはCH2、C(CH3)2、C(CF3)2、O、S、及びSO2を示し、m及びnは、1≦m+n≦4を満足する。)
【化2】

(式中、XはCH2、C(CH3)2、C(CF3)2、O、S、及びSO2を示し、m及びnは、1≦m+n≦4を満足する。)
【化3】

(式中、m及びnは、1≦m+n≦4を満足する。)
【0014】
また、アルコール成分として、3価以上の多価アルコール単位を含有してもよい。3価以上の多価アルコール単位の含有量は、特に制限されないが、全アルコール成分100モル%に対して、2モル%以下が好ましく、1.5モル%以下がより好ましく、1モル%以下が特に好ましい。3価以上の多価アルコール単位の含有量がこの範囲である場合に、収縮挙動改良、流動性改良、耐ドローダウン性付与、重合時間の短縮等が図ることができる傾向にある。3価以上の多価アルコール単位としては、特に制限されないが、例えば、グリセリン単位、トリメチロールプロパン単位、ペンタエリスリトール単位、ソルビトール単位などが挙げられる。
【0015】
本発明のポリエステル樹脂の固有粘度[η]は、特に制限されないが、フェノール/1,1,2,2−テトラクロルエタン=1/1(質量比)の混合溶媒に溶解させたときの25℃における固有粘度[η]が0.3〜1.3dl/gの範囲であることが好ましい。好ましくは0.4〜1.0dl/g、より好ましくは0.5〜0.9dl/g、更に好ましくは0.6〜0.8dl/gである。固有粘度[η]がこの範囲である場合に、重縮合反応が容易であり、重縮合反応後にチップ状に切断することも容易で、成形性に優れ、また耐衝撃性や機械強度にも優れる傾向にある。
【0016】
本発明のポリエステル樹脂の製造方法は、特に制限されず、公知のエステル交換法やエステル化法等の重合方法により製造することができる。
例えば、本発明のポリエステル樹脂をエステル化法で製造する場合、まず、テレフタル酸、アジピン酸等の酸成分と、エチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等のアルコール成分とを、モル比で1:1.2〜1:2.2、好ましくは1:1.2〜1:1.6となるように反応容器内に仕込み、窒素で加圧した状態で、徐々に240〜265℃程度まで加熱してエステル化反応を行う。次いで、触媒を添加し、0.7kPa abs以下に減圧し、260〜285℃程度で1〜5時間程度加熱し、重縮合反応を行わせた後、ストランド状に取り出し、水等で冷却し、ペレット状に切断することによって、ポリエステル樹脂を得ることができる。
【0017】
また、先にテレフタル酸とエチレングリコールとを反応させた後に、反応させることもできる。例えば、まず、テレフタル酸とエチレングリコールとを、モル比で1:1.2〜1:2.2、好ましくは1:1.2〜1:1.6となるように反応容器内に仕込み、窒素で加圧した状態で、徐々に240〜265℃程度まで加熱してエステル化反応を行う。次いで、アジピン酸とエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールとを添加してエステル化を行う。次いで、触媒を添加し、0.7kPa abs以下に減圧し、260〜285℃程度で1〜5時間程度加熱し、重縮合反応を行わせた後、ストランド状に取り出し、水等で冷却し、ペレット状に切断することによって、ポリエステル樹脂を得ることもできる。
この際に使用される触媒としては、特に制限されないが、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウム、四塩化ゲルマニウム、ジブチルスズオキシド、テトラブトキシチタン等が挙げられ、全酸成分に対して20〜1000ppm程度の範囲で使用することができる。また、熱安定剤としては、特に制限されないが、亜リン酸、リン酸、トリメチルフォスフェート、トリエチルフォスフェート、ホスホン酸等が挙げられ、全酸成分に対して20〜1000ppm程度の範囲で使用することができる。
【0018】
また、ポリエステル樹脂をエステル交換法で製造する場合について説明する。まず、テレフタル酸のエステル形成性誘導体と、エチレングリコールとを、モル比で1:1.3〜1:2.7、好ましくは1:1.3〜1:2.5となるように反応容器内に仕込み、テトラブトキシチタン等のエステル交換触媒の存在下で、150〜220℃まで徐々に加熱することによって、エステル交換反応を行う。
次いで、アジピン酸とエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールとを添加してエステル化を行う。次いで、触媒を添加し、0.7kPa abs以下に減圧し、260〜285℃程度で1〜5時間程度加熱し、重縮合反応を行わせた後、ストランド状に取り出し、水等で冷却し、ペレット状に切断することによって、ポリエステル樹脂を得ることができる。
【0019】
この際に使用されるエステル交換触媒としては、特に制限されないが、酢酸亜鉛、酢酸マンガン、酢酸マグネシウム等が挙げられ、全酸成分に対して20〜1000ppm程度の範囲で使用することができる。
また、重縮合で使用される触媒としては、特に制限されないが、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウム、四塩化ゲルマニウム、ジブチルスズオキシド、テトラブトキシチタン等が挙げられ、全酸成分に対して20〜1000ppm程度の範囲で使用することができる。また、熱安定剤としては、特に制限されないが、亜リン酸、リン酸、トリメチルフォスフェート、トリエチルフォスフェート、ホスホン酸等が挙げられ、全酸成分に対して20〜1000ppm程度の範囲で使用することができる。
【0020】
本発明のポリエステル樹脂は、公知の方法によってフィルム状に成形することができる。例えば、ポリエステル樹脂を乾燥後、押出機で押し出す方法、あるいはベント式の押出機で加水分解による重合度の低下を抑制して押し出す方法、また、カレンダー法等である。フィルムの形状は、例えば平面状またはチューブ状であり、特に限定されない。
このようにして得られた未延伸フィルムは、少なくとも一方向に延伸することによって、収縮フィルムとすることができる。
【0021】
延伸倍率は、特に制限されないが、一方向(以下、主収縮方向という)に2〜7倍、好ましくは2.5〜6倍、より好ましくは3〜5倍に延伸し、該方向の直交する方向に1〜2倍、好ましくは1〜1.8倍延伸することが好ましい。前者は熱収縮性を付与するための延伸であり、この範囲で延伸することにより、フィルムに十分な熱収縮性を付与することができる。後者は最初の一方向に延伸されたフィルムの耐衝撃性や引裂抵抗性を改善するのに極めて有効である。しかしながら、2倍を超えて延伸すると、直交方向にも熱収縮が起こり、仕上がりが悪くなる傾向にある。
延伸方法としては、特に制限されないが、例えば、ロール延伸法、長間隙延伸法、テンター延伸法、チューブラー延伸法等の公知の方法を用いることができる。これらの方法のいずれにおいても、逐次二軸延伸、同時二軸延伸、一軸延伸、およびこれらの組み合わせで延伸を行えばよい。上記二軸延伸では、縦横方向の延伸は同時に行われてもよく、どちらか一方を先に行ってもよい。
【0022】
延伸工程においては、本発明の好適特性を発現させるために、上記延伸倍率だけでなく、ポリエステル樹脂が有するガラス転移温度(以下、Tg)以上の温度、例えばTg−5〜+40℃程度の下で予熱、延伸することが好ましい。この温度範囲であることにより、フィルムの透明性が悪化したり、フィルム腰が不十分となったり、厚みムラが顕著に発生したりすることがなく好ましい。
また、延伸時のヒートセットでは、例えば、延伸を行った後に、30〜150℃の加熱ゾーンを約1〜30秒通すことが推奨される。また、かかる処理の前後、どちらか一方、または両方で最高70%の伸長をかけても良い。特に主収縮方向に伸長し、直交方向に緩和させるのが好ましい。さらに、伸長あるいは緊張状態に保ってフィルムにストレスをかけながら冷却する工程、あるいは、緊張状態を解除した後の冷却工程を付加しても良い。
【0023】
本発明のポリエステルフィルムの厚さは、特に制限されるものではないが、5μm〜1.0mmの範囲のものが実用的に使用される。好ましくは10〜800μm、より好ましくは20〜500μm、更に好ましくは30〜300μmの範囲が実用的である。例えば、ラベル用熱収縮性フィルムとしては、10〜200μmが好ましく、20〜100μmがより好ましく、30〜60μmが更に好ましい。
【0024】
本発明のポリエステルフィルムは、上記方法で作成されることで、温水収縮率および温水収縮応力が、下記の条件(I)および(II)を満足するポリエステルフィルムとなる。
(I)温度80℃の温水に10秒浸漬した際に、
(I−1)主収縮率が40%以上、
(I−2)主収縮方向と直交する方向の収縮率が6%以下、
(I−3)主収縮応力が5.3N/mm以上である。
(II)温度100℃の温水に10秒浸漬した際に、
(II−1)主収縮率が50%以上、
(II−2)主収縮方向と直交する方向の収縮率が10%以下、
(II−3)主収縮応力が4.0N/mm以上である。
【0025】
本発明のポリエステルフィルムは、(I)温度80℃の温水に10秒浸漬した際に、(I−1)主収縮率が40%以上、(II)温度100℃の温水に10秒浸漬した際に、(II−1)主収縮率が50%以上である必要がある。より好ましくは前者が45%以上、更に好ましくは50%以上であり、後者は55%以上がより好ましく、60%以上が更に好ましい。この範囲であることにより、フィルムの熱収縮力が十分となり、PETボトル等の容器に被覆収縮させた時に、容器に密着し、外観良好となる。
【0026】
さらに、本発明のポリエステルフィルムは、(I)温度80℃の温水に10秒浸漬した際に、(I−2)主収縮方向と直交する方向の収縮率が6%以下、(II)温度100℃の温水に10秒浸漬した際に、(II−2)主収縮方向と直交する方向の収縮率が10%以下である必要がある。より好ましくは前者が5%以下、後者は9%以下がより好ましい。この範囲であることにより、PETボトル等の容器に被覆収縮させた時に、タテヒケが少なく、外観良好となる。なお、「タテヒケ」とは、収縮後のラベルの長さが不揃いになることで、PETボトル等の容器に被覆収縮させた後のラベルの上端縁が下向きに湾曲するラインを描いたり、下端縁が上向きに湾曲するラインを描いたりする外観不良をいう。
【0027】
さらに、本発明のポリエステルフィルムは、(I)温度80℃の温水に10秒浸漬した際に、(I−3)主収縮応力が5.3N/mm以上、(II)温度100℃の温水に10秒浸漬した際に、(II−3)主収縮応力が4.0N/mm以上である必要がある。より好ましくは前者が6.0N/mm以上、更に好ましくは6.7N/mm以上であり、後者は4.7N/mm以上がより好ましく、5.3N/mm以上が更に好ましい。この範囲であることにより、フィルムの熱収縮力が十分となり、PETボトル等の容器に被覆収縮させた時に、容器に密着し、外観良好となる。また、被覆収縮後の容器の補強効果の面からも好ましい。
【0028】
本発明のポリエステルフィルムは、ヘイズが厚さ50μmのフィルム当たり15以下
のヘイズを有することが好ましい。フィルムのヘイズが厚さ50μmのフィルム当たり15を越えるものはフィルムの透明性が損なわれ、ラベル用フィルムとしては好ましくない。フィルムのヘイズは好ましくは厚さ50μmのフィルム当たり12以下、より好ましくは10以下である。フィルムのヘイズ量は、フィルムの延伸温度・延伸倍率等の延伸条件、延伸設備により決定される。
また、本発明のポリエステルフィルムへの滑性を付与する目的で、滑剤として無機粒子、有機塩粒子や架橋高分子粒子を添加することが好ましい。無機粒子としては、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸リチウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、フッ化リオチウム等が挙げられる。特に、良好なハンドリング性と、ヘイズの低いフィルムを得るためには無機粒子としては1次粒子が凝集してできた凝集体のシリカ粒子が好ましい。有機塩粒子としては、蓚酸カルシウムやカルシウム、バリウム、亜鉛、マンガン、マグネシウム等のテレフタル酸塩等が挙げられる。
【0029】
無機粒子の粒径としては、特に制限されないが、例えば、シリカの平均粒子径は0.5〜10μmのものが好ましく、1〜8μmのものがより好ましく、1〜5μmのものが更に好ましい。この範囲であることにより、凝集性が強くて、フィルム等にした場合ブツが多発したりすることもなく、粒子径が大きすぎて、フィルム等にした場合表面にシリカがでてきたりすることもなく、滑性も良好となる傾向にある。
無機粒子の添加量は、特に制限されるものではないが、フィルムの透明性の点から、0.01〜0.1質量%が好ましく、0.03〜0.08質量%がより好ましく、0.04〜0.07質量%が更に好ましい。
無機粒子の添加方法としては、特に制限されず、(1)ポリエステルの重縮合工程中に、例えばエチレングリコールへシリカを分散させた液を添加する方法、(2)ポリエステルフィルムを製造する際に、ポリエステル樹脂に直接ブレンドする方法、(3)マスターバッチ化したポリエステル樹脂をブレンドする方法等がある。上記の方法によって、フィルム製造工程中の滑性や、PETボトル等の容器のラベルとして使用されたときの滑性が良好なフィルムを提供することができる。
【0030】
本発明のポリエステルフィルムに、さらに特定の性能を付与するために従来公知の各種の加工処理を施したり、適当な添加剤を配合することができる。加工処理の例としては紫外線、α線、β線、γ線、電子線等の照射;コロナ処理、プラズマ照射処理、火炎処理等の処理;塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリオレフィン等の樹脂の塗布あるいはラミネート;並びに金属の蒸着等が挙げられる。添加剤の例としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸アルミニウム等の脂肪酸金属塩;ポリエーテル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリオレフィン、(メタ)アクリル樹脂等の樹脂;シリカ、タルク、カオリン、炭酸カルシウム等の無機粒子;酸化チタン、カーボンブラック等の顔料;その他、無機系および有機系の結晶核剤、耐加水分解剤、補強剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、離型剤、可塑剤、帯電防止剤、難燃剤、難燃助剤、耐光剤、着色剤等が挙げられる。
【実施例】
【0031】
以下、実施例により、本発明をさらに詳しく説明する。実施例中の物性の評価は以下に示す方法で行った。
(1)樹脂組成
得られたポリエステル樹脂について、熱分解クロマトグラフィ−、およびアルカリ分解物についての高速液体クロマトグラフィ−により、樹脂組成について分析を行った。
(2)固有粘度[η]
フェノール/1,1,2,2−テトラクロルエタン=1/1(質量比)の混合溶媒にポリエステル樹脂の粉砕物を溶解させ、ウベローデ粘度計を用いて25℃で測定した。
【0032】
(3)温水収縮率
得られたフィルムを、温度23±1℃×湿度50±10%RHで24時間調節する。次いで、10cm×10cmの正方形に切り取り、それぞれの温度の温水中に無荷重状態で10秒浸漬して熱収縮させた。熱収縮させた後のフィルムの横(主収縮方向)および縦方向(主収縮方向の直交方向)の長さを測定し、下記式に従って温水収縮率を求めた。
温水収縮率(%)=100×(収縮前の長さ−収縮後の長さ)÷(収縮前の長さ)
(4)温水収縮応力
東洋精機株式会社製「熱収縮試験機」を用いて測定した。まず、得られたフィルムを、温度23±1℃×湿度50±10%RHで24時間調節する。次いで、長さが8cm(主収縮方向)、幅が3cmの短冊状にフィルムを切り取り、長さ方向に1cmと2cmの評線を入れる。クリップ(5cm間隔)にフィルムを挟み、それぞれの温度の温水中に10秒浸漬して熱収縮させ、収縮応力を求めた。
【0033】
(5)溶剤接着性
得られたフィルムを、温度23±1℃×湿度50±10%RHで24時間調節する。次いで、20cm(主収縮方向)×5cmの短冊状に切り取り、THFを5g/m2塗布し、室温で、両端(5mm幅)をすばやく接合させた。接合させた後のフィルムを手で引張り、以下の3段階に評価した。
◎:試験片11枚のうち10枚以上が手で引張ってもはがれず、接合部の状態もシワ等なかった。
○:試験片11枚のうち5〜9枚が手で引張ってもはがれず、接合部の状態もシワ等なかった。
×:試験片11枚のうち4枚以下が手で引張ってもはがれず、接合部の状態もシワ等なかった。
(6)透明性
得られたフィルムを、温度23±1℃×湿度50±10%RHで24時間調節し、日本電色工業社製ヘイズメーターNDH2000を用い、ヘイズを測定した。
【0034】
実施例1
攪拌機、温度計および精留塔を備えた反応容器に、酸成分としてテレフタル酸226kg、アルコール成分としてエチレングリコール118kgを仕込んだ。これを窒素加圧下で、攪拌しながら、260℃まで徐々に昇温し、生成する水を留去しながら、エステル化を行った。次いで、アジピン酸19.7kgと、エチレングリコール16.7kgと、1,4−シクロヘキサンジメタノール28.1kgのスラリーを添加して、エステル化を行った。次いで、重縮合触媒として、トリエチルフォスフェート0.6kg(13質量%エチレングリコール溶液として)、三酸化アンチモン12kg(1.5質量%エチレングリコール溶液として)添加し、次いで、滑剤として、シリカ0.15kg(富士シリシア化学社製サイリシア310Pを7質量%エチレングリコール分散液として)を添加し、減圧を開始して、最終的には0.04kPa absで、エチレングリコールを反応系外に留去しながら285℃で重縮合を行い、所定の攪拌トルクに達したところで、重縮合反応を停止した。次いで、反応容器の底部に設けた吐出口よりストランド状に取り出し、水で冷却して、ストランドカッターでチップ状に切断し、ポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂の固有粘度[η]は0.75であった。
【0035】
得られたポリエステル樹脂を、フィルム製造用の二軸押出機に供給し、2カ所のベント孔から真空吸引しつつ、260℃で溶融押出し、T型ダイからシート状に押出し、これを冷却ロール(表面温度20℃)に巻き付けて、冷却固化し、厚さ約200μmのシートを得た。このシートを80℃に予熱した後、長手方向に1.05倍延伸し、冷却し、これをテンター式横延伸機に送り込んで、温度90℃で予熱し、温度75℃で幅方向に4.2倍延伸し、温度75℃で熱固定した。熱処理部では、幅方向に約3%の弛緩を付与し、テンターから出てきたフィルムを均一冷却し、厚さ50μmの収縮フィルムを得た。
【0036】
実施例2
テレフタル酸を232.7kg、エチレングリコールを122.1kg、アジピン酸を13.1kgと、エチレングリコールを11.1kgと、1,4−シクロヘキサンジメタノール28kgのスラリーを加えた以外は、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂の固有粘度[η]は0.73であった。
得られたポリエステル樹脂を、実施例1と同様にして、厚さ50μmの収縮フィルムを得た。
【0037】
実施例3
テレフタル酸を239.4kg、エチレングリコールを125.4kg、アジピン酸を6.5kgと、エチレングリコールを5.5kgと、1,4−シクロヘキサンジメタノール27.9kgのスラリーを加えた以外は、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂の固有粘度[η]は0.71であった。
得られたポリエステル樹脂を、実施例1と同様にして、厚さ50μmの収縮フィルムを得た。
【0038】
実施例4
テレフタル酸を235.5kg、エチレングリコールを123.5kg、アジピン酸を13.2kgと、エチレングリコールを11.2kgと、1,4−シクロヘキサンジメタノール21.7kgのスラリーを加えた以外は、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂の固有粘度[η]は0.74であった。
得られたポリエステル樹脂を、実施例1と同様にして、厚さ50μmの収縮フィルムを得た。
【0039】
実施例5
テレフタル酸を230.9kg、エチレングリコールを121.2kg、アジピン酸を13kgと、エチレングリコールを11kgと、1,4−シクロヘキサンジメタノール32kgのスラリーを加えた以外は、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂の固有粘度[η]は0.72であった。
得られたポリエステル樹脂を、実施例1と同様にして、厚さ50μmの収縮フィルムを得た。
【0040】
実施例6
実施例3と同様にして得られたポリエステル樹脂を、フィルム製造用の二軸押出機に供給し、2カ所のベント孔から真空吸引しつつ、260℃で溶融押出し、T型ダイからシート状に押出し、これを冷却ロール(表面温度20℃)に巻き付けて、冷却固化し、厚さ約200μmのシートを得た。このシートを80℃に予熱した後、長手方向に1.05倍延伸し、冷却し、これをテンター式横延伸機に送り込んで、温度90℃で予熱し、温度75℃で幅方向に3.0倍延伸し、温度75℃で熱固定した。熱処理部では、幅方向に約3%の弛緩を付与し、テンターから出てきたフィルムを均一冷却し、厚さ50μmの収縮フィルムを得た。
【0041】
実施例7
実施例3と同様にして得られたポリエステル樹脂を、フィルム製造用の二軸押出機に供給し、2カ所のベント孔から真空吸引しつつ、260℃で溶融押出し、T型ダイからシート状に押出し、これを冷却ロール(表面温度20℃)に巻き付けて、冷却固化し、厚さ約200μmのシートを得た。このシートを80℃に予熱した後、長手方向に1.05倍延伸し、冷却し、これをテンター式横延伸機に送り込んで、温度70℃で予熱し、温度60℃で幅方向に4.2倍延伸し、温度55℃で熱固定した。熱処理部では、幅方向に約3%の弛緩を付与し、テンターから出てきたフィルムを均一冷却し、厚さ50μmの収縮フィルムを得た。
【0042】
実施例8
実施例3と同様にして得られたポリエステル樹脂を、フィルム製造用の二軸押出機に供給し、2カ所のベント孔から真空吸引しつつ、260℃で溶融押出し、T型ダイからシート状に押出し、これを冷却ロール(表面温度20℃)に巻き付けて、冷却固化し、厚さ約200μmのシートを得た。このシートを80℃に予熱した後、長手方向に1.05倍延伸し、冷却し、これをテンター式横延伸機に送り込んで、温度100℃で予熱し、温度100℃で幅方向に4.2倍延伸し、温度100℃で熱固定した。熱処理部では、幅方向に約3%の弛緩を付与し、テンターから出てきたフィルムを均一冷却し、厚さ50μmの収縮フィルムを得た。
【0043】
比較例1
テレフタル酸を243.9kg、エチレングリコールを127.9kg、アジピン酸を2.2kgと、エチレングリコールを1.8kgと、1,4−シクロヘキサンジメタノール27.8kgのスラリーを加えた以外は、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂の固有粘度[η]は0.69であった。
得られたポリエステル樹脂を、実施例1と同様にして、厚さ50μmの収縮フィルムを得た。
【0044】
比較例2
テレフタル酸を219.2kg、エチレングリコールを114.4kg、アジピン酸を26.3kgと、エチレングリコールを22.3kgと、1,4−シクロヘキサンジメタノール28.1kgのスラリーを加えた以外は、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂の固有粘度[η]は0.78であった。
得られたポリエステル樹脂を、実施例1と同様にして、厚さ50μmの収縮フィルムを得た。
【0045】
比較例3
テレフタル酸を228.3kg、エチレングリコールを119.8kg、アジピン酸を12.8kgと、エチレングリコールを10.9kgと、1,4−シクロヘキサンジメタノール38kgのスラリーを加えた以外は、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂の固有粘度[η]は0.70であった。
得られたポリエステル樹脂を、実施例1と同様にして、厚さ50μmの収縮フィルムを得た。
【0046】
比較例4
テレフタル酸を238.3kg、エチレングリコールを125kg、アジピン酸を13.4kgと、エチレングリコールを11.4kgと、1,4−シクロヘキサンジメタノール15.4kgのスラリーを加えた以外は、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂の固有粘度[η]は0.76であった。
得られたポリエステル樹脂を、実施例1と同様にして、厚さ50μmの収縮フィルムを得た。
【0047】
比較例5
ジメチルテレフタレートを3.97kg、ジメチルイソフタレートを0.44kg、1,4−ブタンジオールを2.86kgとを還流塔、攪拌装置を備えた反応容器に仕込み、触媒として仕込み原料に対して500ppmのテトラブチレンチタネートを添加し、反応温度140℃から240℃で副生するメタノールを留去しながらメタノール留出量が理論量の90%になるまで反応させエステル化物を得た。このエステル化物を温度250℃で副生するグリコール成分を0.6kPa abs以下の高真空で留去させつつ、極限粘度0.90dl/gになるまで重合して、ポリエステル樹脂1を得た。
また、テレフタル酸を3.26kg、イソフタル酸を0.87kg、アジピン酸を0.19kg、エチレングリコールを2.44kgとを還流塔、攪拌装置を備えた反応容器に仕込み、温度200℃から240℃で副生する水を留去しながら水の留出量が理論量の90%になるまで反応させエステル化物を得た。次いで、このエステル化物に触媒として仕込み原料に対して500ppmの三酸化アンチモンを添加し、温度285℃で副生するグリコール成分を0.6kPa abs以下の高真空で留去させつつ、極限粘度0.80dl/gになるまで重合して、ポリエステル樹脂2を得た。
【0048】
また、テレフタル酸を3.79kg、エチレングリコールを2.12kg、1,4−シクロヘキサンジメタノールを1.15とを還流塔、攪拌装置を備えた反応容器に仕込み、温度200℃から240℃で副生する水を留去しながら水の留出量が理論量の90%になるまで反応させエステル化物を得た。次いで、このエステル化物に触媒として仕込み原料に対して500ppmの三酸化アンチモンを添加し、温度285℃で副生するグリコール成分を0.6kPa abs以下の高真空で留去させつつ、極限粘度0.85dl/gになるまで重合して、ポリエステル樹脂3を得た。
次いで、得られたポリエステル樹脂1、2、3を真空乾燥により、水分率が100ppm以下になるまで乾燥し、配合比を、ポリエステル樹脂1/2/3=20/30/50とし、これを溶融押出機を用いて、温度260℃で冷却ドラム(20℃)上に押出し、フィルム原反を得た。得られたフィルム原反をバッチ式の延伸機により、フィルム原反を形成しているポリエステルのTgよりも15℃〜20℃高い温度85℃で、原反の製膜方向に対して直角方向に4.0倍延伸し(製膜方向は1.0倍)、厚さ50μmの収縮フィルムを得た。
【0049】
【表1】

【表2】

表1、2から明らかなように、本発明のポリエステル樹脂およびポリエステルフィルムは、PETボトル等に被覆収縮させるに良好な収縮特性を有し、また優れた溶剤接着性を示した。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
アジピン酸単位を3〜9モル%含有する酸成分と、1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を10〜15モル%含有するアルコール成分とからなるポリエステル樹脂。
【請求項2】
請求項1記載のポリエステル樹脂を含有するポリエステルフィルム。
【請求項3】
ポリエステルフィルムが少なくとも一方向に延伸されてなる請求項2記載のポリエステルフィルム。
【請求項4】
温水収縮率および温水収縮応力が、下記の条件(I)および(II)を満足する請求項3記載のポリエステルフィルム。
(I)温度80℃の温水に10秒浸漬した際に、
(I−1)主収縮率が40%以上、
(I−2)主収縮方向と直交する方向の収縮率が6%以下、
(I−3)主収縮応力が5.3N/mm以上である。
(II)温度100℃の温水に10秒浸漬した際に、
(II−1)主収縮率が50%以上、
(II−2)主収縮方向と直交する方向の収縮率が10%以下、
(II−3)主収縮応力が4.0N/mm以上である。



【公開番号】特開2007−145956(P2007−145956A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−341084(P2005−341084)
【出願日】平成17年11月25日(2005.11.25)
【出願人】(000006035)三菱レイヨン株式会社 (2,875)
【Fターム(参考)】